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特許7411415アレイ基板、その検出方法、ディスプレイパネル及びディスプレイデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】アレイ基板、その検出方法、ディスプレイパネル及びディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20231228BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20231228BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231228BHJP
   G09G 3/3225 20160101ALI20231228BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G02F1/1368
G09F9/30 365
G09G3/20 670A
G09G3/3225
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019565314
(86)(22)【出願日】2019-05-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2019089333
(87)【国際公開番号】W WO2020038041
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】201810973788.2
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】519385216
【氏名又は名称】北京京▲東▼方技▲術▼▲開▼▲発▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 407,Building 1,No.9 Dize Road,BDA,Beijing,100176,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン ホンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ シュエグアン
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0158894(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108417561(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0053792(US,A1)
【文献】特開2018-022156(JP,A)
【文献】特開2014-122974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09G 3/20
G09G 3/3225
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と前記表示領域を囲む周辺領域を有するベース基板と、
アレイが前記表示領域内に配置される複数のサブピクセルユニットと、
各データ線が対応する列の前記サブピクセルユニットに電気接続する複数のデータ線と、
前記周辺領域の第1側面に位置し、第1スイッチングトランジスタのドレインは1つの前記データ線に電気接続する少なくとも1つの第1スイッチングトランジスタであって、前記第1スイッチングトランジスタのドレインに接続された前記データ線は第1データ線である、前記少なくとも1つの第1スイッチングトランジスタと、
前記周辺領域の第1側面に位置し、前記第1スイッチングトランジスタのゲートに電気接続するゲート制御線と、
少なくとも前記周辺領域の第1側面と第2側面に位置し、前記第1スイッチングトランジスタのソースに電気接続する少なくとも1つの検出線であって、前記第1側面と第2側面は隣接する側面である前記少なくとも1つの検出線と、
前記周辺領域に位置し、且つ前記第1データ線を除くほかの各前記データ線に1対1に対応する第2スイッチングトランジスタとを含み、
各前記第2スイッチングトランジスタのソースそれぞれは表示検出電源線に電気接続し、各前記第2スイッチングトランジスタのゲートそれぞれは前記ゲート制御線に電気接続し、各前記第2スイッチングトランジスタのドレインはそれぞれ対応するデータ線に電気接続し、
各前記第1スイッチングトランジスタは選択制御回路を介して前記検出線に電気接続し、
前記選択制御回路は、アレイ基板に亀裂があるかどうかを検出する際に前記第1スイッチングトランジスタのソースと前記検出線との伝導を制御し、前記アレイ基板に表示が正常であるかどうかを検出する際に前記第1スイッチングトランジスタのソースと前記表示検出電源線との伝導を制御するように配置される、アレイ基板。
【請求項2】
前記第1スイッチングトランジスタは、対応する前記第1データ線の第1端部に位置し、
前記検出線は、前記第1データ線の第1端部から、前記周辺領域の第1側面、第2側面と第3側面に沿って前記第1データ線の第2端部までに延びる第1部分を含み、前記第3側面は前記第1側面と対向する側面である請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記検出線の信号入力端は前記第1側面に位置し、前記検出線は、前記第1データ線の第2端部から前記周辺領域の第3側面、第2側面と第1側面に沿って前記信号入力端までに延びる第2部分をさらに含む請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記検出線は前記周辺領域の第2側面の部分に複数のバイパストレース部を有する請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記バイパストレース部は前記第2部分に位置することを特徴とする請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記周辺領域に1本の検出線が設置されており、
前記検出線の前記第1部分と前記第2部分の和は少なくとも前記表示領域を1周囲む請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記第1部分は前記周辺領域の第1側面に位置しバイパス部分として呈される請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記周辺領域に2本の検出線が設置されており、
各前記検出線中の前記第1部分と前記第2部分の、前記周辺領域における側面は同じである請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【請求項9】
2本の前記検出線が対称的に設置される請求項8に記載のアレイ基板。
【請求項10】
同一の前記検出線は複数の前記第1スイッチングトランジスタのソースに電気接続する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記第1データ線に電気接続したサブピクセルユニットすべては緑色のサブピクセルユニットである請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記第1スイッチングトランジスタと前記第2スイッチングトランジスタは前記周辺領域の第1側面に位置する請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項13】
前記表示検出電源線と前記ゲート制御線は平行に設置される請求項12に記載のアレイ基板。
【請求項14】
前記検出線にプリセットされた電圧の検出信号を印加し、且つ前記ゲート制御線にゲート制御信号を印加し、且つ前記ゲート制御信号の電圧と前記プリセットされた電圧との差は前記第1スイッチングトランジスタの閾値電圧より小さく、
前記第1データ線に電気接続したサブピクセルユニットが発光する時に、前記アレイ基板に亀裂があると判断し、前記第1データ線に電気接続したサブピクセルユニットが発光しない時に、前記アレイ基板に亀裂がないと判断する請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のアレイ基板の検出方法。
【請求項15】
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のアレイ基板を含むディスプレイパネル。
【請求項16】
前記ディスプレイパネルは有機発光ダイオードディスプレイパネルである請求項15に記載のディスプレイパネル。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載のディスプレイパネルを含むディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイ技術の分野に関し、特に、アレイ基板、その検出方法、ディスプレイパネル、およびディスプレイデバイスに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本開示は、2018年08月24日に中国特許庁に提出した、出願番号が201810973788.2であり、出願名称が「アレイ基板、その検出方法、ディスプレイパネル及びディスプレイデバイス」の中国特許出願の優先権を主張し、その全内容が引用により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、OLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)デバイスは、最も有望なフラットパネルディスプレイデバイスであると考えられ、同時に最もフレキシブルディスプレイデバイスに制作できる可能性のあるディスプレイテクノロジーであると考えられる。
【0004】
フレキシブルディスプレイデバイスは、フレキシブル基板を使用して製造されるが、フレキシブル基板の端には亀裂(crack)が生じやすい。亀裂は表示領域に向かって拡大し、亀裂が表示領域に達すると、水酸素が亀裂を通って表示領域に入り、フレキシブルディスプレイパネルの使用寿命に影響する。
【発明の概要】
【0005】
第1態様によれば、本開示の実施形態に係るアレイ基板は、
表示領域と前記表示領域を囲む周辺領域を有するベース基板と、
アレイが前記表示領域内に配置される複数のサブピクセルユニットと、
各データ線が対応する列の前記サブピクセルユニットに電気接続する複数のデータ線と、
前記周辺領域の第1側面に位置し、前記第1スイッチングトランジスタのドレインは1つの前記データ線に電気接続する少なくとも1つの第1スイッチングトランジスタであって、前記第1スイッチングトランジスタのドレインに接続された前記データ線は第1データ線である、前記少なくとも1つの第1スイッチングトランジスタと、
前記周辺領域の第1側面に位置し、前記第1スイッチングトランジスタのゲートに電気接続するゲート制御線と、
少なくとも前記周辺領域の第1側面と第2側面に位置し、前記第1スイッチングトランジスタのソースに電気接続する少なくとも1つの検出線であって、前記第1側面と第2側面は隣接する側面である前記少なくとも1つの検出線と、を含む。
【0006】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前前記第1スイッチングトランジスタは、対応する前記第1データ線の第1端部に位置し、
前記検出線は、前記第1データ線の第1端部から、前記周辺領域の第1側面、第2側面と第3側面に沿って前記第1データ線の第2端部までに延びる第1部分を含み、前記第3側面は前記第1側面と対向する側面である。
【0007】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前記検出線の信号入力端は前記第1側面に位置し、前記検出線は、前記第1データ線の第2端部から前記周辺領域の第3側面、第2側面と第1側面に沿って前記信号入力端までに延びる第2部分をさらに含む。
【0008】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前記検出線は前記周辺領域の第2側面の部分に複数のバイパストレース部を有する。
【0009】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前記バイパストレース部は前記第2部分に位置する。
【0010】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前記周辺領域に1本の検出線が設置されており、
前記検出線の前記第1部分と前記第2部分の和は少なくとも前記表示領域を1周囲む。
【0011】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前記第1部分は前記周辺領域の第1側面に位置し、バイパス部分として呈される。
【0012】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前記周辺領域に2本の検出線が設置されており、
各前記検出線中の前記第1部分と前記第2部分の、前記周辺領域における側面は同じである。
【0013】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、2本の前記検出線が対称的に設置される。
【0014】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、同一の前記検出線は複数の前記第1スイッチングトランジスタのソースに電気接続する。
【0015】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前記第1データ線に電気接続したサブピクセルユニットすべては緑色のサブピクセルユニットである。
【0016】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前記周辺領域に位置し、且つ前記第1データ線を除くほかの各前記データ線に1対1に対応する第2スイッチングトランジスタをさらに含み、
各前記第2スイッチングトランジスタのソースそれぞれは表示検出電源線に電気接続し、各前記第2スイッチングトランジスタのゲートそれぞれは前記ゲート制御線に電気接続し、各前記第2スイッチングトランジスタのドレインはそれぞれ対応するデータ線に電気接続する。
【0017】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前記第1スイッチングトランジスタと前記第2スイッチングトランジスタは前記周辺領域の第1側面に位置する。
【0018】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、各前記第1スイッチングトランジスタは選択制御回路を介して前記検出線に電気接続し、
前記選択制御回路は、前記アレイ基板に亀裂があるかどうかを検出する際に前記第1スイッチングトランジスタのソースと前記検出線との伝導を制御し、前記アレイ基板に表示が正常であるかどうかを検出する際に前記第1スイッチングトランジスタのソースと前記表示検出電源線との伝導を制御するように配置する。
【0019】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、前記表示検出電源線と前記ゲート制御線は平行に設置される。
【0020】
第2態様によれば、本開示の実施形態は第1態様のアレイ基板の検出方法をさらに提供し、当該方法では、
前記検出線にプリセットされた電圧の検出信号を印加し、且つ前記ゲート制御線にゲート制御信号を印加し、且つ前記ゲート制御信号の電圧と前記プリセットされた電圧との差は前記第1スイッチングトランジスタの閾値電圧より小さく、
前記第1データ線に電気接続したサブピクセルユニットが発光する時に、前記アレイ基板に亀裂があると判断し、前記第1データ線に電気接続したサブピクセルユニットが発光しない時に、前記アレイ基板に亀裂がないと判断する。
第3態様によれば、本開示の実施形態は、第1態様のアレイ基板を含むディスプレイパネルをさらに提供する。
【0021】
好ましくは、本開示の実施形態が提供したディスプレイパネルにおいては、前記ディスプレイパネルは有機発光ダイオードディスプレイパネルである。
【0022】
第4態様によれば、本開示の実施形態は、第3態様のディスプレイパネルを含むディスプレイデバイスをさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は本開示の実施形態に係るアレイ基板の構造図1である。
図2図2は本開示の実施形態に係るアレイ基板の構造図2である。
図3図3は本開示の実施形態に係るアレイ基板の構造図3である。
図4図4は本開示の実施形態に係るアレイ基板の構造図4である。
図5図5は本開示の実施形態に係るアレイ基板の構造図5である。
図6図6は本開示の実施形態に係るアレイ基板の構造図6である。
図7図7は本開示の実施形態に係るアレイ基板の構造図7である。
図8図8は本開示の実施形態に係るアレイ基板の構造図8である。
図9図9は本開示の実施形態に係るアレイ基板の構造図9である。
図10図10は本開示の実施形態に係るアレイ基板の構造図10である。
図11図11は本開示の実施形態に係るアレイ基板におけるピクセルユニットの平面構造図である。
図12図12は本開示の実施形態に係るアレイ基板におけるピクセルユニットの平面構造図である。
図13図13はa-a’の方向に沿った図12の断面構造図である。
図14図14は本開示の実施形態に係るアレイ基板の検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の目的、技術解決手段や利点をもっと明らかにするため、本開示を添付図面に参考しながら以下でさらに詳細に説明する。説明した実施形態は、本開示の実施形態の一部にすぎず、実施形態の全てではないことが明らかである。本開示における実施形態に基づいて、本分野の技術者が創造性労働を払わない前提で得た他の実施形態は、すべて本開示の保護範囲に含まれる。
【0025】
図面内の各部品の形状およびサイズは、真の比率を反映するものでなく、単に本開示を説明することを意図している。
【0026】
本開示の実施形態は、図1から図10に示すようなアレイ基板を提供し、当該アレイ基板は、ベース基板01と、複数のサブピクセルユニット(図に示されない)と、複数のデータ線daと、少なくとも1つの第1スイッチングトランジスタT1と、ゲート制御線012と、少なくとも1本の検出線011と、を含む。
【0027】
前記ベース基板01は、表示領域Aと表示領域Aを囲む周辺領域Bを有する。
【0028】
前記複数のサブピクセルユニットアレイは表示領域A内に配列される。
【0029】
各データ線daは対応する列のサブピクセルユニットと電気接続する。
【0030】
前記第1スイッチングトランジスタT1は周辺領域の第1側面に位置し、第1スイッチングトランジスタT1のドレインは1つデータ線daに電気接続し、第1スイッチングトランジスタT1のドレインに接続したデータ線daは第1データ線である。
【0031】
前記ゲート制御線012は周辺領域の第1側面a1に位置し、ゲート制御線012は第1スイッチングトランジスタT1のゲートに電気接続する。
【0032】
検出線011は少なくとも周辺領域の第1側面a1と第2側面a2に位置し、第1側面a1と第2側面a2は隣接する側面であり、検出線011は第1スイッチングトランジスタT1のソースに電気接続する。
【0033】
本開示の実施形態に係るアレイ基板には、周辺領域に少なくとも1本の検出線と、検出線に電気接続される少なくとも1つの第1スイッチングトランジスタが設置されている。第1スイッチングトランジスタのソースは検出線に電気接続し、ドレインは第1データ線に電気接続し、ゲートはゲート制御線に電気接続する。アレイ基板に亀裂があるかどうかを検出に使用する際に、検出線にプリセットされた電圧の検出信号を印加し、かつゲート制御線にゲート制御信号を印加し、且つゲート制御信号の電圧とプリセットされた電圧との差は第1スイッチングトランジスタの閾値電圧より小さい。アレイ基板に検出線の通過する領域に亀裂がある場合は、亀裂の延びで検出線が引っ張られて細くなり、従って、検出線の抵抗が大きくなり、第1スイッチングトランジスタソースに印加した電圧が小さくなり、第1スイッチングトランジスタが伝導し、それで、第1データ線に電気接続されたサブピクセルユニットが発光する。アレイ基板に検出線の通過する領域に亀裂がない場合は、第1スイッチングトランジスタが伝導しないため、第1データ線に電気接続されたサブピクセルユニットが発光しない。従って、検出線における抵抗が亀裂によって変化することを通してアレイ基板に亀裂があるかどうかを検出することができる。
【0034】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、図1から図10に示すように、第1スイッチングトランジスタT1は対応する第1データ線の第1端部に位置する。
【0035】
検出線011は、第1データ線の第1端部、周辺領域Bの第1側面a1、第2側面a2と第3側面a3から第1データ線の第2端部に延びる第1部分011aを含む。第3側面a3は第1側面a1と対向する側面である。これにより、少なくとも検出線がアレイ基板のデータ線方向に沿った側面を検出することが保証できる。
【0036】
具体的に実施する際、本開示の実施形態に係るアレイ基板において、検出線は一般的に金属トレースである。
【0037】
具体的に、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、図2から図7に示すように、同じ検出線011は複数の第1スイッチングトランジスタT1のソースに接続することができる。一定の範囲内において、検出線に接続するデータ線が多いほど、つまり第1スイッチングトランジスタが多く設置するほど、検出結果の安定性が高くなる。
【0038】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、図3から図10に示すように、検出線011の検出信号を受信するための一端は、周辺領域Bに設置される第1スイッチングトランジスタT1の第1側面a1から引き出される。これは、第1スイッチングトランジスタT1が設置される一端は一般的に駆動回路の設置に用いられるため、検出線011の、検出信号を受信するための一端を、駆動回路が設置されている側から引き出すと、検出線に検出信号を印加することが、便利となる。
【0039】
具体的に、ゲート制御線は第1スイッチングトランジスタのゲートに接続し、配線を容易にするため、好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板において、図1から図10に示すように、ゲート制御線012は周辺領域Bの第1側面a1に位置し、つまりゲート制御線012は周辺領域Bの設置する第1スイッチングトランジスタ側に位置する。
【0040】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、図6に示すように、検出線の信号入力端は第1側面a1に位置する。検出線は第1データ線の第2端部から周辺領域の第3側面a3、第2側面a2と第1側面a1に沿って信号入力端までに延びる第2部分011bをさらに含む。
【0041】
1本の検出線が表示領域の半円のみを囲み、且つ検出線の信号入力端と第1スイッチングトランジスタの両方が第1側面に設置している場合、検出機能を実現するため、検出線の第2部分を設置する必要があり、且つ第2部分の設置は検出線の有効面積を増やしたので、検出の精度が高められる。
【0042】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、図7に示すように、検出線011の周辺領域の第2側面a2に置かれる部分は複数のバイパストレース部を有する。
【0043】
当該バイパストレース部の設置は、検出線の検出精度をさらに高めることができる。検出線が周辺領域で占める面積がより大きくなる時亀裂が入ることは、検出線上の抵抗の変化がより顕著になり、検出精度がより高くなるのである。
【0044】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、図7に示すように、バイパストレース部は第2部分011bに位置する。
【0045】
アレイ基板のエッジに近づけば近づくほど亀裂の可能性が大きくなるので、バイパストレース部を検出線の第2部分の所に、つまりアレイ基板エッジの近くに設置すれば、エッジ近くにある亀裂を効果的に検出することができる。修理の措置を講じるために、水酸素が表示領域に影響を与えないようにする。
【0046】
具体的に実施する際、本開示の実施形態に係るアレイ基板において、亀裂が検出線を通過する時はじめて検出されるため、アレイ基板の周辺領域の一周内の亀裂を効果的に検出するため、検出線を第1部分と第2部分の和が少なくとも表示領域の一周を囲むように設置する。
【0047】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、図4から図5に示すように、周辺領域Bに1本の検出線が設置される。
【0048】
当該検出線の第1部分011aと第2部分011bの和は少なくとも表示領域Aを一周囲む。
【0049】
検出線の第1側面の部分が有效な検出領域であることを保証するため、第1部分を周辺領域の第1側面の部分に配置しバイパス部分として呈されることができる。
【0050】
または、1本の検出線が断線した後アレイ基板全体の検出への影響を回避するため、好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板において、図6から図10に示すように、周辺領域Bに2本の検出線011を設置する。
【0051】
各検出線011中の第1部分011aと第2部分011bの、周辺領域Bにおける側面が同じである。つまり各検出線011は表示領域A半周を囲む。
【0052】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板において、図6から図10に示すように、2本の検出線011は対称設置に呈している。
【0053】
具体的に実施する際、本開示の実施形態に係るアレイ基板において、検出線が周辺領域で占める面積がより大きく、亀裂が入る時、検出線上の抵抗の変化がより顕著になり、検出精度がより高くなる。従って、好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板において、図5図7に示すように、検出線011は周辺領域Bに位置してバイパス分布に呈している。
【0054】
さらに、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、検出線が断線した後亀裂検出が実現できないのを回避するため、アレイ基板の各側に複数の検出線を設置し、そのうちの1本が断線した場合、ほかの検出線が亀裂検出を実現することができる。
【0055】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板において、第1スイッチングトランジスタに接続するデータ線の接続するサブピクセルユニットはすべて緑色サブピクセルユニットである。これは、人間の眼が緑の光に敏感であり、亀裂があると、緑色サブピクセルユニットの発光が容易に人間の眼で認識されるためである。具体的に実施する際に、第1スイッチングトランジスタに接続するデータ線の接続するサブピクセルユニットの色は限定されない。
【0056】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板において、図8図9に示すように、アレイ基板は、周辺領域Bに位置し、且つ第1データ線を除くほかの各データ線daに1対1に対応する第2スイッチングトランジスタT2をさらに含む。
【0057】
各第2スイッチングトランジスタT2のソースはすべて表示検出電源線013に電気接続し、各第2スイッチングトランジスタT2のゲートはすべてゲート制御線012に電気接続し、各第2スイッチングトランジスタT2のドレインはそれぞれ対応するデータ線daに電気接続する。
【0058】
具体的に実施する際に、第2スイッチングトランジスタ及び表示検出電源線を設置するのはアレイ基板上のサブピクセルユニットの検出を実現するためである。サブピクセルユニットが点灯できるかどうかを検出する際、表示検出電源線に電圧を提供し、ゲート制御線の電圧と表示検出電源線の電圧の差が第2スイッチングトランジスタの閾値電圧より小さい場合、第2スイッチングトランジスタ伝導せず、対応するサブピクセルユニットが発光しない。ゲート制御線の電圧と表示検出電源線の電圧の差が第2スイッチングトランジスタの閾値電圧より大きい場合、第2スイッチングトランジスタが伝導し、対応するサブピクセルユニットが発光する。
【0059】
具体的に、ゲート制御線の電圧と表示検出電源線の電圧の差が第2スイッチングトランジスタの閾値電圧より小さい場合、対応するサブピクセルユニットは発光しない。検出線にプリセットされた電圧を印加し、アレイ基板に亀裂があると、検出線の抵抗が大きくなり、第1スイッチングトランジスタソースに印加した電圧が小さくなり、第1スイッチングトランジスタに伝導させ、第1スイッチングトランジスタに接続されたデータ線の接続したサブピクセルユニットが発光し、つまりアレイ基板上にブライトラインが存在する。アレイ基板に亀裂がない時、第1スイッチングトランジスタが伝導しないため、第1スイッチングトランジスタに接続されたデータ線の接続したサブピクセルユニットが発光せず、つまりアレイ基板全体がブラックスクリーンになる。
【0060】
具体的に、ゲート制御線の電圧と表示検出電源線の電圧の差が第2スイッチングトランジスタの閾値電圧より大きい場合、対応するサブピクセルユニットが発光する。検出線にプリセットされた電圧を印加し、アレイ基板に亀裂があると、検出線の抵抗が大きくなり、第1スイッチングトランジスタソースに印加した電圧が小さくなり、第1スイッチングトランジスタに伝導させ、第1データ線に接続されたサブピクセルユニットが発光し、つまりアレイ基板がホワイトスクリーンになる。アレイ基板に亀裂がないと、第1スイッチングトランジスタが伝導しないため、第1データ線に接続したサブピクセルユニットが発光せず、つまりアレイ基板のホワイトスクリーンの中にダークラインが存在する。
【0061】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板において、図8から図10に示すように、第1スイッチングトランジスタT1と第2スイッチングトランジスタT2は周辺領域Bの第1側面a1に位置し、つまり第1スイッチングトランジスタT1と第2スイッチングトランジスタT2は周辺領域Bの同じ側面に位置する。ゲート制御線012の第1スイッチングトランジスタT1と第2スイッチングトランジスタT2に電気接続することが容易になる。
【0062】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、図9に示すように、各第1スイッチングトランジスタT1は選択制御回路S1を介して検出線011に電気接続する。
【0063】
選択制御回路S1は、アレイ基板に亀裂があるかどうかを検出する際に第1スイッチングトランジスタT1のソースと検出線011の伝導を制御するように、アレイ基板に表示が正常であるかどうかを検出する際に第1スイッチングトランジスタT1のソースと表示検出電源線013の伝導を制御するように配置される。こうすると、アレイ基板上における各サブピクセルユニットが発光するかどうかを検出できる。
【0064】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、図8から図10に示すように、表示検出電源線013とゲート制御線012は平行に設置する。
【0065】
好ましくは、本開示の実施形態に係るアレイ基板においては、アレイ基板における各サブピクセルユニットが発光するかどうかを検出できることを保証するために、図10に示すように、各データ線に対して対応する第2スイッチングトランジスタT2をすべて設置し、各第2スイッチングトランジスタT2のソースはすべて表示検出電源線013に接続し、各第2スイッチングトランジスタT2のゲートはすべてゲート制御線012に接続し、各第2スイッチングトランジスタT2のドレインはそれぞれ対応するデータ線daに接続する。
【0066】
同じ発明構想に基づいて、本開示の実施形態はさらにアレイ基板の検出方法を提供し、図14に示すように、以下のステップを含む。
【0067】
S1401において、検出線にプリセットされた電圧の検出信号を印加し、かつゲート制御線にゲート制御信号を印加し、且つゲート制御信号の電圧とプリセットされた電圧との差は第1スイッチングトランジスタの閾値電圧より小さい。
【0068】
S1402において、第1データ線に電気接続したサブピクセルユニットが発光するとアレイ基板に亀裂があると判断する。
【0069】
S1403において、第1データ線に電気接続したサブピクセルユニットが発光しないと、アレイ基板に亀裂がないと判断する。
【0070】
同じ発明思想に基づいて、本開示の実施形態はディスプレイパネルを提供する。当該ディスプレイパネルは、上記いずれかの実施形態によって提供されたアレイ基板を含む。上記実施形態に係るアレイ基板は液晶ディスプレイパネルまたはOLEDディスプレイパネルなどに適用可能であるが、ここでは限定しない。
【0071】
OLEDディスプレイパネルに対して亀裂の影響が特に重要であるため、本開示の実施形態に係るアレイ基板はOLEDディスプレイパネルに特に適している。
【0072】
具体的に、アレイ基板がOLEDディスプレイパネルに適用される際に、サブピクセルユニットは一般的にピクセル回路を含む。最も基本的なピクセル回路を例にとると、図11に示すように、スイッチングトランジスタM1、駆動トランジスタM2および蓄積コンデンサCとOLED発光ユニットを含む。ここで、サブピクセルユニットの平面構造図は、図12に示す通りである。
【0073】
具体的に実施する際、本開示の実施形態におけるピクセル領域断面図は図13に示すように、ベース基板01、アクティブ層21、ゲート絶縁層22、ゲート23、層間絶縁層24、ソース25とドレイン26、データ線da、パッシベーション層27、平坦層28、アノード29、ピクセル規定層30、発光層31、およびカソード32を含む。アノード29はビアを介してドレイン26に接続する。
【0074】
本開示の実施形態において、アクティブ層21は低温ポリシリコンまたは酸化物であってもよく、ここでは限定しない。
【0075】
本開示の実施形態において、ゲート、ソース、ドレインはCu、Al、Mo、Ti、Cr、Wなどの金属材料を使って製造してもよいし、これらの材料の合金を使って製造してもよく、単層構造でも、多層構造でもよい。例えばMo/Al/Mo、Ti/Cu/TiまたはMoTi/Cuなどで、ここでは限定しない。
【0076】
本開示の実施形態において、ゲート絶縁層は窒化ケイ素または酸化ケイ素を使ってもよい。ゲート絶縁層は単層構造でもよく、ゲート絶縁層は多層構造でもよい。例えば酸化ケイ素/窒化ケイ素であり、ここでは限定しない。
【0077】
本開示の実施形態において、層間絶縁層は窒化ケイ素または酸化ケイ素を使ってもよい。層間絶縁層は単層構造でもよく、ゲート絶縁層は多層構造でもよい。例えば酸化ケイ素/窒化ケイ素であり、ここでは限定しない。
【0078】
本開示の実施形態において、パッシベーション層は窒化ケイ素または酸化ケイ素を使ってもよい。パッシベーション層は単層構造でもよく、ゲート絶縁層は多層構造でもよい。例えば酸化ケイ素/窒化ケイ素であり、ここでは限定しない。
【0079】
本開示の実施形態において、平坦層は樹脂材料を使って製造してもよく、ピクセル規定層は樹脂材料を使って製造してもよい。ここでは限定しない。
【0080】
本開示の実施形態において、アノードはITOまたはITO/Ag/ITOを使って製造してもよい。ここでは限定しない。
【0081】
本開示の実施形態において、カソードはAlまたはAgを使って製造してもよい。ここでは限定しない。
【0082】
同じ発明思想に基づいて、本開示の実施形態はさらにディスプレイデバイスをさらに提供する。当該ディスプレイデバイスは、本開示の実施形態が提供するディスプレイパネルを含む。当該ディスプレイデバイスの問題解決原理は前述アレイ基板及びディスプレイパネルとよく類似するため、当該ディスプレイデバイスの実施は前述アレイ基板及びディスプレイパネルの実施を参考することができ、重複するところは省略する。
【0083】
具体的に実施する際、当該ディスプレイデバイスは、携帯電話、タブレット、テレビ、モニター、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーターなど、いずれの表示機能を備えた製品または部品であってもよく、ここでは限定しない。
【0084】
本開示の実施形態が提供した上記アレイ基板、その検出方法、ディスプレイパネル及びディスプレイデバイスによれば、周辺領域に少なくとも1本の検出線と、検出線に接続される少なくとも1つの第1スイッチングトランジスタが設置され、第1スイッチングトランジスタのソースは検出線に接続し、ドレインは第1データ線に接続し、ゲートはゲート制御線に接続する。アレイ基板に亀裂があるかどうかを検出に使用する際に、検出線にプリセットされた電圧の検出信号を印加し、且つゲート制御線にゲート制御信号を印加し、且つゲート制御信号の電圧とプリセットされた電圧との差は第1スイッチングトランジスタの閾値電圧より小さい。アレイ基板に検出線の通過する領域に亀裂がある場合は、亀裂の延びで検出線が引っ張られて細くなり、従って、検出線の抵抗が大きくなり、第1スイッチングトランジスタソースに印加した電圧が小さくなり、第1スイッチングトランジスタが伝導し、それで、第1データ線に電気接続されたサブピクセルユニットが発光する。アレイ基板に検出線の通過する領域に亀裂がない場合は、第1スイッチングトランジスタが伝導しないため、第1データ線に電気接続されたサブピクセルユニットが発光しない。従って、検出線における抵抗が亀裂によって変化することを通してアレイ基板に亀裂があるかどうかを検出することができる。
【0085】
本分野の技術者は本開示の思想範疇を逸脱しない範囲内で、各種の修正と変形に想到し得ることは明らかであり、これらの修正と変形は本開示の特許請求の範囲内または同一視できる範囲内の技術であれば、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
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図13
図14