(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】2つのアセンブリを着脱可能に連結する連結装置
(51)【国際特許分類】
F16B 47/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
F16B47/00 L
F16B47/00 H
(21)【出願番号】P 2019571622
(86)(22)【出願日】2018-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2018080101
(87)【国際公開番号】W WO2019086648
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】102017125846.9
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515160367
【氏名又は名称】フィドロック・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】FIDLOCK GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(72)【発明者】
【氏名】ボトクス・ブライド
(72)【発明者】
【氏名】フィードラー・ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ブレカット・ビョルン
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-177819(JP,U)
【文献】特開2014-173709(JP,A)
【文献】米国特許第05076527(US,A)
【文献】実開昭49-038865(JP,U)
【文献】特開2007-068828(JP,A)
【文献】特開2000-104724(JP,A)
【文献】実開昭51-096176(JP,U)
【文献】米国特許第09521919(US,B1)
【文献】特表2004-537687(JP,A)
【文献】中国実用新案第203604414(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのアセンブリ(4,5)を着脱可能に連結する連結装置(1)であって、前記アセンブリ(4,5)のうちの第1のアセンブリに固定可能でありかつ負圧要素(27)を有する締結モジュール(2)を備え、
前記負圧要素が、前記アセンブリ(4,5)を連結するために前記アセンブリ(5,4)のうちの第2のアセンブリの取付部分(50)に取付方向(A)で連結可能であり、かつ、連結状態において、前記締結モジュール(2)および前記取付部分(50)に前記取付方向(A)とは反対方向に荷重がかかったとき、前記負圧要素(27)と前記取付部分(50)との間の負圧の作用により前記負圧要素(27)および前記取付部分(50)の連結が維持されるように、前記取付部分(50)と相互に作用する、連結装置(1)において、
前記締結モジュール(2)が、前記負圧要素(27)に対して調整可能な調整要素であって、前記取付部分(50)から前記負圧要素(27)を外すために前記負圧要素(27)に対して移動可能な調整要素(23)を有し、
前記アセンブリ(4,5)のうちの前記第1のアセンブリが、前記アセンブリ(4,5)のうちの当該第1のアセンブリと前記アセンブリ(4,5)のうちの前記第2のアセンブリとにおける相対移動により前記調整要素(23)の移動が生じるように、前記調整要素に連結可能であり、
前記第2のアセンブリ(5)の前記取付部分(50)に固定可能な取付アセンブリ(3)であって、取付部(30)を有する取付アセンブリを前記連結装置(1)が有し、前記締結モジュール(2)が、前記アセンブリ(4,5)を連結するために前記取付部と相互に作用するように配置されることができ、
前記調整要素(23)が第1押し込み結合部(233)を有し、前記取付部(30)が第2押し込み結合部(300)を有し、前記第1押し込み結合部(233)および前記第2押し込み結合部(300)が、前記締結モジュール(2)と前記取付部(30)とが組み付けられている間、押し込み結合により係合して、前記締結モジュール(2)と前記取付部分(50)とにおける相対的な横方向の移動を阻止し、
前記負圧要素(27)が少なくとも部分的に弾性を有するカップ要素からなり、前記取付部分(50)が前記第2のアセンブリ(5)に形成された取付面からなり、前記アセンブリ(
4,5)を連結するために、前記取付面に前記負圧要素(27)を接触させることができ、
前記締結モジュール(2)が、前記アセンブリ(4,5)同士の連結を磁気的に補助する第1磁石要素(24)を有し、
前記締結モジュール(2)の前記第1磁石要素(24)と磁気的に相互に作用するために、前記取付部分(50)に固定可能な第2磁石要素(31)を前記連結装置(1)が有することを特徴とする連結装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の連結装置(1)において、前記締結モジュール(2)が、前記負圧要素(27)に対する前記調整要素(23)の移動の結果として、前記負圧要素(27)と前記取付部分(50)との間の空間(B)に空気を流入させるために開放することができる流れ開口(251,274)を有することを特徴とする連結装置(1)。
【請求項3】
請求項2に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が、前記連結装置(1)の前記連結状態において前記負圧要素(27)に対して第1位置をとり、前記取付部分(50)から前記負圧要素(27)を取り外すために、前記流れ開口(251,274)を開放するように前記第1位置から脱するよう調整可能であることを特徴とする連結装置(1)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が、前記負圧要素(27)または前記負圧要素(27)に固定して連結されている要素に案内されることを特徴とする連結装置(1)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が、前記負圧要素(27)に対して回転可能、移動可能および/または傾動可能であることを特徴とする連結装置(1)。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が、前記負圧要素(27)に連結された円筒部(25)に案内され、前記円筒部(25)に対して調整可能であることを特徴とする連結装置(1)。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記締結モジュール(2)が、前記取付部分(50)と関連付けられた少なくとも1つの対応する接触要素(7)と前記連結状態において電気的に接触する、少なくとも1つの電気的接触要素(6)を有することを特徴とする連結装置(1)。
【請求項8】
電子機器、特に、カメラまたは携帯電話であって、当該電子機器を関連するアセンブリに連結するために請求項1から
7のいずれか一項に記載の連結装置(1)を備える電子機器。
【請求項9】
電子機器(5)、特に、カメラまたは携帯電話であって、当該電子機器(5)を他のアセンブリ(4)に着脱可能に連結するための連結装置(1)を備え、
前記連結装置(1)が、負圧要素(27)を有する締結モジュール(2)を備え、
前記負圧要素が、前記電子機器(5)を前記他のアセンブリ(4)に連結するために取付部分(50)に取付方向(A)で連結可能であり、かつ、連結状態において、前記締結モジュール(2)および前記取付部分(50)に前記取付方向(A)とは反対方向に荷重がかかったとき、前記負圧要素(27)と前記取付部分(50)との間の負圧の作用により前記負圧要素(27)および前記取付部分(50)の連結が維持されるように、前記取付部分(50)と相互に作用し、
前記締結モジュール(2)が、前記他のアセンブリ(4)に対する前記電子機器(5)の連結を磁気的に補助する第1磁石要素(24)を有する電子機器(5)において、
前記取付部分(50)が前記電子機器(5)に形成された取付面からなり、前記電子機器(5)および前記他のアセンブリ(4)を連結するために、前記取付面に前記負圧要素(27)を接触させることができ、
前記電子機器(5)の前記取付部分(50)に固定可能な取付アセンブリ(3)であって、取付部(30)を有する取付アセンブリを前記連結装置(1)が有し、前記締結モジュール(2)が、前記電子機器(5)および前記他のアセンブリ(4)を連結するために前記取付部と相互に作用するように配置されることができ、
前記締結モジュール(2)が第1押し込み結合部(233)を有し、前記取付部(30)が第2押し込み結合部(300)を有し、前記第1押し込み結合部(233)および前記第2押し込み結合部(300)が、前記締結モジュール(2)と前記取付部(30)とが組み付けられている間、押し込み結合により係合して、前記締結モジュール(2)と前記取付部分(50)とにおける相対的な横方向の移動を阻止し、
前記負圧要素(27)が少なくとも部分的に弾性を有するカップ要素からなり、
前記締結モジュール(2)の前記第1磁石要素(24)と磁気的に相互に作用するために、前記取付部分(50)に固定可能な第2磁石要素(31)を前記連結装置(1)が有することを特徴とする電子機器(4,5)。
【請求項10】
請求項
9に記載の電子機器(4,5)において、前記第1磁石要素(24)が、前記負圧要素(27)に配置されていることを特徴とする電子機器(4,5)。
【請求項11】
請求項
9または
10に記載の電子機器(4,5)において、前記締結モジュール(2)が、前記取付部分(50)と関連付けられた少なくとも1つの対応する接触要素(7)と前記連結状態において電気的に接触する、少なくとも1つの電気的接触要素(6)を有することを特徴とする電子機器(4,5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載される2つのアセンブリを着脱可能に連結する連結装置と、電子機器と、ヘルメットと、容器とに関する。
【背景技術】
【0002】
前記形式の連結装置は、前記アセンブリのうちの第1のアセンブリに固定可能でありかつ負圧要素を有する締結モジュールを備え、前記負圧要素が、前記アセンブリを連結するために前記アセンブリのうちの第2のアセンブリの取付部分に取付方向で連結可能であり、かつ、連結状態において、前記締結モジュールおよび前記取付部分に前記取付方向とは反対方向に荷重がかかったとき、前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧の作用により前記負圧要素および前記取付部分の連結が維持されるように、前記取付部分と相互に作用する。
【0003】
本願の場合、連結装置は、特に、電子機器を関連するアセンブリに固定するために使用できるように構成されている。したがって、この連結装置は、例えば、カメラをヘルメット(例えば、スキー用ヘルメットもしくは自転車用ヘルメット)に固定すること、または携帯電話もしくは他の電子機器を車両内(例えば、車両のフロントガラスもしくはダッシュボード)に固定することができるものであってもよい。
【0004】
カメラがヘルメット(例えば、スキー用ヘルメットもしくは自転車用ヘルメット)に固定される場合、または携帯電話が車両のダッシュボードもしくは車両のハンドルに固定される場合、使用時にインパルス状の衝撃力が作用することがあり、この衝撃力を受けて消散させて、特に、前記カメラまたは携帯電話が外れてしまわないようにしなければならない。したがって、電子機器(例えば、カメラまたは携帯電話)を固定する連結装置は、特に、短時間に作用するインパルス状の衝撃力を吸収できるようにするべきである。
【0005】
全く異なるアセンブリ同士を固定するために、また、例えば、携帯電話またはナビゲーション装置の形態の電子機器を車両に固定するために、負圧により保持作用を提供する連結装置が公知である。例えば、米国特許出願公開第2013/0323388号(特許文献1)には、携帯電話を車両のフロントガラスに固定するために、吸着カップ(吸盤)からなる負圧要素を用いる連結装置が開示されている。この吸着カップは前記目的のためにフロントガラスに取り付けられ、フロントガラスにおける保持性を向上させるために、吸着カップには、フロントガラスにおける磁気作用要素と相互に作用することができる磁石要素が設けられている。
【0006】
米国特許第5,192,043号(特許文献2)から公知の、金属表面に警報装置を固定する連結装置の場合、磁性ゴム表面が金属表面に取り付けられ、取付時に真空を発生させることで、ゴム表面と金属表面との間の磁性作用および負圧力によって警報装置が金属表面に保持される。
【0007】
欧州特許第0689966号(特許文献3)から公知の連結装置は、吸着カップが設けられた磁性接触板を備える。この連結装置を用いることで、スキー用キャリアを車両の車両ルーフに固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2013/0323388号明細書
【文献】米国特許第5192043号明細書
【文献】欧州特許第0689966号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような連結装置は、まず、関連するアセンブリ間の連結を生じさせるために容易に密着(close )できるものとするべきである。その一方で、このような連結装置は、特に、負圧を解消し、かつ場合によっては磁気連結も解消しつつ、突然の破損を防止するために分離(open)が容易であることも望ましい。
【0010】
本発明の目的は、使用が容易で、特に、密着が容易でありながらも再度分離することが容易であり、かつ衝撃荷重を受けた場合でも関連するアセンブリを強固に連結する連結装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、請求項1の構成を有する主題によって達成される。
【0012】
前記請求項によると、前記締結モジュールが、前記負圧要素に対して調整可能な調整要素であって、前記取付部分から前記負圧要素を外すために前記負圧要素に対して移動可能な調整要素を有し、前記アセンブリのうちの前記第1のアセンブリが、前記アセンブリのうちの当該第1のアセンブリと前記アセンブリのうちの前記第2のアセンブリとにおける相対移動により前記調整要素の移動が生じるように、前記調整要素に連結可能である。
【0013】
つまり、前記連結装置は、前記締結モジュールに配置されかつ前記負圧要素に対して調整可能な調整要素を備える。前記締結モジュールと関連付けられた前記第1のアセンブリが、前記第2のアセンブリに対する前記第1のアセンブリの移動が前記調整要素の移動を生じさせるように前記調整要素に動作可能に連結できることによって、前記調整要素により、前記取付部分から前記負圧要素を取り外すことができる。
【0014】
前記第1のアセンブリは、例えば、カメラまたは携帯電話などの電子機器によって実現してもよい。この場合、前記第1のアセンブリは、前記連結装置を取り外すために、ユーザーが例えばカメラまたは携帯電話である前記第1のアセンブリに作用して前記調整要素を移動させることで、前記締結モジュールを関連付けられた前記取付部分から取り外すことができるように、前記調整要素に直接または間接的に連結されていてもよい。
【0015】
前記連結装置の場合、前記アセンブリのうちの第1のアセンブリに連結されている前記締結モジュールが、前記アセンブリのうちの第2のアセンブリの取付部分に取り付けられている(または、逆に前記取付部分が前記締結モジュールに取り付けられている)ことにより、固定し合う前記アセンブリ間の連結が生じる。取付中は、これらのアセンブリ同士が負圧作用により保持されるように、前記負圧要素と前記取付部分との間に密閉された空間が形成される。このような連結は、特に、衝撃荷重に耐え得るものであり、前記連結装置を介して衝撃力を受けて消散させることができる。
【0016】
前記連結装置により、例えば、カメラをヘルメットに固定すること、または携帯電話を車両内(例えば、フロントガラスもしくはダッシュボード)に固定することが可能である。
【0017】
前記連結装置の前記連結状態において、前記負圧要素および前記取付部分が、例えば、前記負圧要素と前記取付部分との間に実質的に空間が存在しないように、面同士で接触してもよい。しかしながら、これらのアセンブリに荷重がかかった場合、前記取付部分に対して相対的に前記締結モジュールに力が作用することがある。前記力は、前記負圧要素と前記取付部分との間に形成された空間を拡大または形成する方向に作用し、前記空間は前記負圧要素と前記取付部分との間に負圧を生じさせる。これにより、前記負圧要素を前記取付部分に保持する保持力が生じ、この保持力は、前記取付部分に対して前記締結モジュールが受ける荷重が強くなるほど大きくなる傾向がある。よって、前記締結モジュールは、当該締結モジュールが前記取付部分に取り付けられたとき、負圧作用により前記取付部分に対して保持される。
【0018】
ここで、前記締結モジュールが、前記負圧要素に対する前記調整要素の移動の結果として、前記負圧要素と前記取付部分との間の空間に空気を流入させるために開放することができる流れ開口を有していてもよい。例えば、前記調整要素が、前記連結装置の前記連結状態において、前記負圧要素に対して、前記空間への空気の流入が防止されるように(前記負圧要素と前記取付部分との間の空間側から見たとき)前記流れ開口が閉止されている第1位置をとってもよい。前記調整要素を、前記第1位置から第2位置に移動させることで、前記流れ開口を開放し、前記負圧要素と前記取付部分との間に形成された空間に空気を流入させることができる。そうすると、前記流れ開口を通る空気の流入により前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧作用がなくなるので、負圧作用が働くことなく、前記締結モジュールを前記取付部分から取り外すことができる。
【0019】
1つの有利な実施形態では、前記調整要素が、その第1位置の方向にばねにより付勢されている。これにより、前記調整要素は、作動されていない場合には、特に前記連結装置の前記連結状態において、自動的に第1位置をとって前記流れ開口を閉止するので、前記負圧要素と前記取付部分との間に負圧作用が生じる。
【0020】
このため、前記締結モジュールが、前記第1位置の方向に前記調整要素を付勢する弾性付勢要素を備えることが好ましい。調整の間、前記調整要素は前記付勢要素の付勢作用に反して移動され、動作の終了後、前記調整要素はその第1位置に自動的に戻る。
【0021】
前記締結モジュールの前記負圧要素および前記第2のアセンブリの前記取付部分が、全く異なるように設計され、全く異なる方法で相互に作用してもよい。
【0022】
第1実施形態において、前記負圧要素が、例えば円筒(円柱)状の要素であり、円筒状の容器として構成された取付部分に挿入されるように構成されてもよい。ここで、前記負圧要素および前記取付部分は剛性の非弾性部品として形成してもよく、例えば、前記負圧要素が、前記取付部分の開口に正確に嵌合した状態で導入可能であるように、これらの形状が適合されている。前記負圧要素を前記取付部分に取り付ける間に、前記負圧要素と前記取付部分との間に形成された空間から、例えば、空気抜き用に設けられたバルブを介して空気が抜ける場合、前記負圧要素と前記取付部分との間に真空が形成される。これにより、前記負圧要素に対して前記取付部分から外れる方向に荷重がかかった場合に負圧が生じるので、前記負圧要素は前記取付部分に対して保持される。
【0023】
この場合、前記負圧要素および当該負圧要素のために設けられた前記取付部分の前記開口が円形断面を有していてもよい。しかしながら、基本的には、任意の所望の断面形状が可能であり、例えば多角形断面、例えば多角形、または全く任意の他の形状とすることも可能である。したがって、本明細書における「円筒」という表現は、任意の所望の断面形状を有する一般的な筒として理解されたい。
【0024】
上述の変形例において、前記負圧要素および取付部分が、一方が他方の内部に挿入されるように構成された剛体部品としてそれぞれ形成されていてもよい。しかしながら、これらの部品同士を密封するために、一方または両方の部品に1つ以上の弾性シールを設けることも可能である。
【0025】
この第1実施形態において、例えば、バルブからなる流れ開口を、前記調整要素の調整によって開弁することで、前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧を解消するようにできる。
【0026】
別の第2実施形態においては、前記負圧要素が少なくとも部分的に弾性を有するカップ要素からなり、前記取付部分が前記第2のアセンブリに形成された取付面からなり、前記アセンブリを連結して負圧作用を与えるために、前記取付面に前記負圧要素を接触させることができる。この場合には、前記負圧要素が弾性吸着カップのような部品を構成し、この部品が、弾性変形した状態で、前記負圧要素と前記表面との間に真空を形成することによって前記アセンブリ同士を保持する保持力を得るために、関連する前記第2のアセンブリの表面に配置することができる。
【0027】
この場合、前記調整要素を、例えば、バルブの形態である流れ開口を開放するために移動させることで、前記負圧要素と前記取付部分との間の空間に空気を流入させることができる。しかしながら、代替的に、前記調整要素を移動させた結果として、前記カップ要素の形態の前記負圧要素が前記表面から持ち上げられ(例えば、前記表面から垂直方向に引っ張られ)、例えば、力分散要素(force-diverting elements)が前記締結モジュールと前記取付部分の間に分離力を生じさせる構成とすることも可能である。
【0028】
一実施形態においては、前記調整要素が、前記負圧要素または前記負圧要素に固定して連結されている要素に案内される。ここで、前記負圧要素に対する前記調整要素の移動は、直線状または曲線状(例えば、円弧状曲線)の案内トラックに沿って生じてもよい。案内された移動により、例えば、流れ開口を開放することで前記負圧要素と前記取付部分との間に空気を流し、これにより、前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧作用を解消することができる。
【0029】
前記調整要素が、基本的に、前記負圧要素に対して回転可能、移動可能および/または傾動可能であってもよい。例えば、前記調整要素が、フラップ要素またはレバー要素として、前記負圧要素または前記負圧要素に連結された部品に回動可能に取り付けられていてもよく、また、前記負圧要素に対して回動されることで流れ開口を開放し、それにより前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧作用を解消してもよい。
【0030】
前記第1のアセンブリは前記調整要素に直接または間接的に連結されているので、特に前記締結モジュールを前記取付部分から取り外すために、前記第1のアセンブリを移動させると前記調整要素も移動させることになる。前記第1のアセンブリが前記調整要素に直接配置されている場合、前記第1のアセンブリは、例えばねじ結合により、前記調整要素に固定して連結されている。前記第1のアセンブリが前記調整要素に直接連結されている場合、前記第1のアセンブリは、例えば作動要素に配置されていてもよく、この作動要素は、当該作動要素が作動したときに前記調整要素も移動されるように、前記調整要素に動作可能に連結されている。前記作動要素は、例えば、回動動作の間、前記調整要素に作用し移動させることで、前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧作用を解消するために流れ開口を開放させる、例えばレバーの形態であってもよい。
【0031】
特定の実施形態においては、前記締結モジュールが、前記負圧要素に固定して連結されかつ前記調整要素を案内する円筒部を有する。例えば、前記調整要素が、その(円形断面を有する)頭部が前記円筒部の(円形断面を有する)円筒キャビティ内にある状態で配置され、前記円筒部における前記円筒キャビティを囲む内面に沿って摺動自在に調整可能であってもよい。これにより、前記調整要素は、前記円筒部の前記円筒キャビティにおける当該調整要素の調整によって、前記負圧要素と前記取付部分との間の前記空間の容積を大きくすることができるように、前記円筒部の前記円筒キャビティにおいてピストンのように動作する。このように、調整を行う間、前記調整要素は前記円筒部内で移動されて、前記円筒部の前記キャビティ内で摺動される。
【0032】
一実施形態においては、前記調整要素が、前記円筒部に対して、螺旋の一部に沿って延びる案内トラックに案内される。例えば、前記円筒部の周囲で円周方向に延在する側面をもち、前記円筒部の径方向外側に設けられている案内部に、前記案内トラックが形成されていてもよい。前記案内トラックは、前記側面にスロット状に形成されていてもよく、例えば、前記調整要素に連結されたケーシング部の案内要素が、前記案内トラックに案内される。
【0033】
前記調整要素が案内される単一の案内トラックを設けることが考えられる。しかし、互いに円周方向にオフセットした複数の案内トラックを設け、それぞれに対して前記調整要素に連結されたケーシング部の1つの案内要素が係合することにより、前記円筒部に対して前記調整要素を移動自在にかつ定められたように案内させることも可能である。この場合、前記調整要素と前記円筒部の間の干渉が防止される。
【0034】
前記案内トラックが螺旋の一部に沿って延びている。この場合には、前記調整要素は、前記案内トラックで案内されることにより、調整時に、前記螺旋がなす螺旋状の線に沿って軸方向に徐々に移動させることができる。よって、前記調整要素の回転動作は前記円筒部の円筒軸心に沿った軸方向移動に変換されるので、前記調整要素を、ねじ運動を伴う回転によって移動自在に調整することができる。
【0035】
前記円筒部の前記キャビティに配置された前記頭部により、前記調整要素が、前記円筒部の前記内面に対して、好ましくは液密に封止することができる。このため、前記頭部は、例えば、空気が前記頭部を通過できない程度に正確に嵌合した状態で前記円筒部の前記キャビティに配置される。よって、空気は、前記頭部を通過して前記負圧要素と前記取付部分との間に形成された空間に流入することができず、前記調整要素を調整しなければ、前記空間における負圧が維持され、前記アセンブリ同士が確実に保持される。
【0036】
前記頭部が、正確に嵌合した状態で前記円筒部の前記キャビティに配置されてもよい。しかしながら、前記頭部と前記円筒部の前記内面との間隙を封止するために、例えば前記頭部に、環状のシールを設けることも可能である。
【0037】
一実施形態においては、前記流れ開口が前記円筒部に形成されている。前記第1位置から前記調整要素を調整している間、前記流れ開口が開放されることにより、前記負圧要素と前記取付部分との間を空気が流れることができ、これにより、前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧作用が解消される。前記流れ開口はバルブの機能を果たし、前記負圧要素が前記取付部分に取り付けられたときにこの流れ開口が閉止されることにより、前記負圧要素と前記取付部分との間に負圧作用が生じる。前記連結装置を分離するために、前記流れ開口を、前記負圧要素と前記取付部分との間に外部から空気が流入できるように前記調整要素を調整することによって、開放してもよい。これにより、前記連結装置の保持力が解消されるので、前記連結装置によって連結されていた前記アセンブリを容易に分離できる。
【0038】
前記流れ開口を、前記円筒部の円筒壁において軸方向に凹んだ位置に、つまり、前記負圧要素が前記取付部分に取り付けられたとき、前記調整要素の前記頭部が前記流れ開口と前記取付部分との間に位置することで、前記流れ開口と、前記取付部分および前記負圧要素の間の空間との間の流路を閉止するように構成された位置に形成してもよい。調整時に、前記調整要素は前記円筒部の前記キャビティ内で摺動し、前記流れ開口を通過するので、前記負圧要素と前記取付部分との間の流路が開放されて空気が流入できる。
【0039】
一実施形態においては、前記締結モジュールが、前記第1位置の方向に前記調整要素を付勢する弾性付勢要素を備える。この場合には、前記調整要素は、例えば、前記調整要素と前記円筒部との間に作用する圧縮ばねにより、前記第1位置に弾性的に保持される。調整が行われる間、前記調整要素は前記付勢要素の付勢作用に反して移動され、動作の終了後、前記調整要素は前記第1位置に自動的に戻る。
【0040】
一実施形態においては、取付アセンブリが、前記第2のアセンブリにおける(例えば、平面的な取付面の形態の)前記取付部分に固定されるように構成されてもよい。前記取付アセンブリが取付部を有し、前記締結モジュールを、前記アセンブリを連結するために前記取付部と相互に作用するように配置することができる。前記取付アセンブリは、前記連結装置の保持性を向上させることができ、特に、前記締結モジュールと前記取付部分との間に作用する横方向の力を支持するためにも、特に、前記締結モジュールと前記取付部分とについて位置決めをすることができる。
【0041】
例えば、前記調整要素が第1押し込み結合部(第1ポジティブロック部)を有していてもよく、前記取付部が第2押し込み結合部を有していてもよい。これらの押し込み結合部は、前記締結モジュールと前記取付部とが組み付けられている間、押し込み結合により係合するので、前記締結モジュールと前記取付部分とにおける相対的な横方向の移動が阻止される。この場合には、前記押し込み結合部により、特に、前記締結モジュールと前記取付部分とを組み付けることができる取付方向に対して横方向の移動を阻止することができるので、横方向に作用する力(すなわち、取付面の平面において作用する力)を受けて支持することができる。
【0042】
付加的または代替的に、この取付アセンブリにより、前記締結モジュールについては、ねじり力も受けて支持することができるように回転位置が固定されていてもよい。このため、前記負圧要素または前記負圧要素に連結された要素(例えば、前記円筒部)が第1係合部を有していてもよく、(第2のアセンブリにおける)前記取付部が第2係合部を有していてもよい。これらの係合部は、前記締結モジュールと前記取付部とが組み付けられている間、係合して、前記取付部に対する前記負圧要素の回転動作を阻止する。
【0043】
前記係合部は、例えば、一方側では、前記負圧要素または前記負圧要素に連結された要素における(好ましくは、円形の縁部において環状に延びる)歯状部によって、他方側では、前記取付部の歯状部によって構成されていてもよい。
【0044】
一実施形態においては、前記締結モジュールが、前記アセンブリ同士の連結を磁気的に補助する第1磁石要素を有する。前記第1磁石要素が、例えば前記調整要素に配置されていてもよく、これにより、前記調整要素と共に移動される。代替的または付加的に、前記負圧要素または前記負圧要素に連結された要素(例えば、前記円筒部)にも磁石要素を設けてもよい。
【0045】
対照的に、第2磁石要素が前記取付部分に固定されていてもよい。このような形式の第2磁石要素については、例えば、前記取付部に配置してもよく、前記取付部分に前記取付部と共に配置してもよい。一方側の前記締結モジュールの前記磁石要素および他方側の前記取付部分の前記磁石要素は、前記締結モジュールと前記取付部分とが組み付けられている間、磁気吸引力を与えるように作用するので、負圧の生成は磁気的に補助されて(好ましくは自動的に)行われる。組み付け時、前記締結モジュールおよび前記取付部分は、磁気的な相互作用によって磁気吸引されて互いに引っ張られるので、例えば、弾性吸着カップとして構成された負圧要素が、取付面として構成された前記取付部分に押し付けられることにより、前記負圧要素と前記取付部分との間が(ほぼ)真空になる。
【0046】
前記第1磁石要素が前記調整要素に配置されている場合、前記調整要素を調整する際に、前記第1磁石要素は前記調整要素と共に移動されるので、前記取付部分の前記第2磁石要素から離れるように移動させることができ、磁気的な吸引力が弱められる。このように、前記調整要素の調整により、磁気的な保持力が少なくとも弱められ、簡単で、動かしやすく、かつ心地よい感触の分離動作に寄与し得る。
【0047】
前記第1磁石要素および前記第2磁石要素は、それぞれ1つの永久磁石または複数の永久磁石の配列によって形成されていてもよく、磁気吸引作用によって相互に作用して、相異なる磁極を向け合うことによって前記連結装置を密着させてもよい。しかしながら、一方の磁石要素が1つの永久磁石または複数の永久磁石の配列によって形成され、他方の磁石要素が強磁性材料からなる磁性アーマチュアによって形成されている構成も考えられる。
【0048】
一実施形態においては、前記締結モジュールは、連結装置が密着している状態で、前記締結モジュールが前記取付部分に取り付けられているとき、前記取付部分と関連付けられた少なくとも1つの対応する接触要素と電気的に接触する、1つ以上の電気的接触要素を有する。この場合には、前記連結装置により、アセンブリ同士を保持する機械的な連結に加えて、電気的な接続を生じさせることも可能であり、この点は、特に、例えば電子機器を関連するアセンブリに、前記連結装置により固定しようとする場合に有利となり得る。この場合、1つ以上の電気的接触要素を介して、例えば前記電子機器を充電するために例えば電力供給用の電流を流すことが可能であり、または、データ信号の交換用のデータ接続が提供されてもよい。
【0049】
前記連結装置は、例えば、電子機器を関連するアセンブリに固定するように設計されている。例えば、前記連結装置を、カメラをヘルメット(例えば、スキー用ヘルメットまたは自転車用ヘルメット)に固定するために使用してもよい。また、他の実施形態においては、携帯電話、ナビゲーション装置、または車両内の他の電子通信もしくは情報装置を、例えば、フロントガラスまたはダッシュボードに固定するために、前記連結装置を使用してもよい。
【0050】
また、前記目的は、電子機器(特に、カメラまたは携帯電話)であって、当該電子機器を他のアセンブリに着脱可能に連結するための連結装置を備える電子機器によっても達成される。前記連結装置が負圧要素を有する締結モジュールを備え、前記負圧要素が、前記電子機器を前記他のアセンブリに連結するために取付部分に取付方向で連結可能であり、かつ、連結状態において、前記締結モジュールおよび前記取付部分に前記取付方向とは反対方向に荷重がかかったとき、前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧の作用により前記負圧要素および前記取付部分の連結が維持されるように、前記取付部分と相互に作用する。ここで、前記締結モジュールが、前記他のアセンブリに対する前記電子機器の連結を磁気的に補助する第1磁石要素を有する。
【0051】
1つの有利な実施形態では、前記第1磁石要素が、前記負圧要素または前記締結モジュールにおいて前記負圧要素に連結されている部品に配置されている。また、第2磁石要素が前記取付部分に固定可能であってもよく、前記取付部分に対する前記締結モジュールの取り付けが磁気吸引によって補助されるように前記第1磁石要素と相互に作用する。
【0052】
この場合には、前記電子機器が連結装置を有し、この連結装置により、前記電子機器を、他のアセンブリ(例えばヘルメット(特に、スキー用ヘルメットなどのスポーツ用ヘルメット)、または、例えば自転車もしくは自動車(例えば、自動車の車両内部のダッシュボード)などの車両)に対して、簡易にかつ耐荷重性を有するように連結することが可能である。ここで、前記他のアセンブリに対する前記電子機器の連結は前記連結装置によって実現され、前記連結装置の前記締結モジュールは、まず負圧作用により、次いで磁気的な相互作用により前記取付部分と相互に作用して、前記取付部分における前記連結状態に保持される。
【0053】
負圧作用により、特に、衝撃荷重を受け流して消散させることが可能であり、前記他のアセンブリから前記電子機器が外れることがない。磁気的な相互作用により、前記連結装置は、特に、前記負圧要素と前記取付部分との間に負圧作用を自動的に発生させて、容易に密着することが可能である。
【0054】
好ましくは、前記負圧要素が、少なくとも部分的に弾性を有するカップ要素を有し、または、このような形式のカップ要素からなる。この場合には、前記負圧要素は、前記取付部分に前記締結モジュールが取り付けられている間、弾性変形可能であり、前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧作用を向上させて確実に保持する。
【0055】
一実施形態においては、前記締結モジュールが、密着状態の連結装置で、前記締結モジュールが前記取付部分に取り付けられているとき、前記取付部分と関連付けられた少なくとも1つの対応する接触要素と電気的に接触する1つ以上の電気的接触要素を有する。この場合には、前記連結装置により、関連のアセンブリに対して前記電子機器を保持する機械的な連結に加えて、電気的な接続を生じさせることも可能である。よって、1つ以上の電気的接触要素を介して、例えば前記電子機器を充電するために、例えば電力供給用の電流を流すことが可能であり、またはデータ信号の交換用のデータ接続が提供されてもよい。
【0056】
また、前記目的は、ヘルメット(特に、スポーツ用ヘルメットであり、例えばスキー用ヘルメット)であって、当該ヘルメットを他のアセンブリに着脱可能に連結するための連結装置を備えるヘルメットによっても達成される。前記連結装置が負圧要素を有する締結モジュールを備え、前記負圧要素が、前記ヘルメットを前記他のアセンブリに連結するために取付部分に取付方向で連結可能であり、かつ、連結状態において、前記締結モジュールおよび前記取付部分に前記取付方向とは反対方向に荷重がかかったとき、前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧の作用により前記負圧要素および前記取付部分の連結が維持されるように、前記取付部分と相互に作用する。ここで、前記締結モジュールが、前記他のアセンブリに対する前記ヘルメットの連結を磁気的に補助する第1磁石要素を有する。
【0057】
1つの有利な実施形態では、前記第1磁石要素が、前記負圧要素または前記締結モジュールにおいて前記負圧要素に連結されている部分に配置されている。また、第2磁石要素が前記取付部分に固定可能であってもよく、前記取付部分に対する前記締結モジュールの取り付けが磁気吸引によって補助されるように前記第1磁石要素と相互に作用する。
【0058】
この場合には、前記ヘルメットは連結装置を有し、この連結装置により、他のアセンブリ(例えばカメラまたは携帯電話などの電子機器)に対する前記ヘルメットの簡易で耐荷重性を有する連結が可能である。前記他のアセンブリに対する前記ヘルメットの連結は前記連結装置によって実現され、この連結装置の前記締結モジュールは、まず負圧作用により、次いで磁気的な相互作用により前記取付部分と相互に作用するので、前記取付部分における前記連結状態に保持される。
【0059】
負圧作用により、特に、衝撃荷重を受け流して消散することができ、前記他のアセンブリから前記ヘルメットが外れてしまわないようにする。磁気的な相互作用により、前記連結装置は、前記負圧要素と前記取付部分との間に負圧作用を自動的に発生させて、特に、容易に密着することが可能である。
【0060】
好ましくは、前記負圧要素が、少なくとも部分的に弾性を有するカップ要素を有し、または、このような形式のカップ要素からなる。この場合には、前記負圧要素は、前記取付部分に前記締結モジュールが取り付けられている間、弾性変形可能であり、前記負圧要素と前記取付部分との間の負圧作用を向上させて確実に保持する。
【0061】
一実施形態においては、前記締結モジュールが、密着状態の連結装置で、前記締結モジュールが前記取付部分に取り付けられているとき、前記取付部分と関連付けられた少なくとも1つの対応する接触要素と電気的に接触する1つ以上の電気的接触要素を有する。この場合には、前記連結装置により、関連のアセンブリに対する前記ヘルメットの機械的な連結に加えて、電気的な接続を生じさせることも可能である。よって、1つ以上の電気的接触要素を介して、例えば前記ヘルメットに配置された前記電子機器を充電するために、例えば電力供給用の電流を流すことが可能であり、またはデータ信号の交換用のデータ接続が提供されてもよい。
【0062】
また、前記目的は、容器本体と、前記容器本体に配置可能な蓋と、前記容器本体に前記蓋を着脱可能に連結する連結装置とを備える容器(特に、飲料用ボトル)によっても達成される。前記連結装置が負圧要素を有する締結モジュールを備え、前記負圧要素が、前記容器本体に前記蓋を連結するために取付アセンブリに取付方向で連結可能であり、かつ、連結状態において、前記蓋および前記容器本体に前記取付方向とは反対方向に荷重がかかったとき、前記負圧要素と前記取付アセンブリとの間の負圧の作用により前記締結モジュールおよび前記取付アセンブリの連結が維持されるように、前記取付アセンブリと相互に作用する。
【0063】
この場合には、前記蓋は連結装置により前記容器本体に連結され、前記連結状態において、前記蓋は、前記締結モジュールと前記取付アセンブリとの間の負圧作用により前記容器本体に保持される。これにより、前記容器本体に前記蓋を容易に取り付け、かつ閉止(密着)状態において前記蓋と前記容器本体とを強固に保持し良好な封止作用を与えることができる。
【0064】
ここで、好ましくは、前記締結モジュールが第1磁石要素を有し、前記取付アセンブリが第2磁石要素を有する。前記第1磁石要素および第2磁石要素は、前記容器本体に対する前記蓋の連結を磁気的に補助するために相互に作用し、前記蓋および前記取付アセンブリが、前記容器を閉止するために互いに磁気的に引っ張られることで、前記蓋および前記容器本体との間の連結が生じる。前記連結状態において、前記負圧要素および前記取付アセンブリとの間に負圧作用も生じるので、前記連結状態において、前記蓋は、まず負圧作用により、次いで磁気的に前記容器本体に保持される。
【0065】
一実施形態においては、前記締結モジュールが、前記容器本体から前記蓋を取り外すために、前記取付アセンブリに対して開放(分離)方向に移動可能である。例えば、前記締結モジュールは、回転軸心を中心として前記取付アセンブリに対して回転可能であってもよい。
【0066】
ここで、前記容器本体から前記蓋(カバー)を取り外すための前記連結装置の分離は、複数の第1磁石要素を有する前記締結モジュールおよび複数の第2磁石要素を有する前記取付アセンブリにより補助されてもよい。ここで、前記第1磁石要素および第2磁石要素は、例えば、まず前記締結モジュールにおいて、次いで前記取付アセンブリにおいて、前記回転軸心を中心として均一に分散されるように配置されていてもよく、例えば、1つの第1磁石要素のN極が前記取付アセンブリの方向を向き、隣接する1つの第1磁石要素のS極が前記取付アセンブリの方向を向くように、交互に極性を有していてもよい。前記連結状態において、前記締結モジュールの前記第1磁石要素および前記取付アセンブリの前記第2磁石要素は、これらの磁石要素間に磁気吸引が生じるよう、相異なる極が向かい合うように配置されている。しかしながら、前記締結モジュールを前記開放方向に沿って前記取付アセンブリに対して移動させることにより、前記磁石要素の同じ極が相互に作用するようになるので、前記磁石要素間に磁気反発作用が生じる。前記容器本体から前記蓋を容易に取り外すことができるように、この磁気反発作用が、前記負圧要素と前記取付アセンブリとの間の負圧作用を、例えば、低減し、相殺し、さらには上回ってもよい。
【0067】
好ましくは、前記負圧要素が、少なくとも部分的に弾性を有するカップ要素を有し、または、このような形式のカップ要素からなる。この場合には、前記負圧要素は、前記取付アセンブリに前記締結モジュールが取り付けられている間、弾性変形可能であり、前記負圧要素と前記取付アセンブリとの間の負圧作用を向上させて確実に保持する。
【0068】
一実施形態においては、前記締結モジュールが前記蓋の構成部分であり、前記取付アセンブリが前記容器本体に設けられ、例えば、前記容器本体に固定して連結されている。この場合には、前記蓋は、そこに配置された前記締結モジュールによって、前記容器を閉止するために前記容器本体の前記取付アセンブリに取り付けることができる。
【0069】
以下において、本発明の根底にある着想を、図面に示された例示的な実施形態に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1A】カメラをヘルメットに連結する例示的な実施形態の連結装置の分解図である。
【
図2A】ヘルメットにおける取付面からなる取付部分への締結モジュールの装着時における連結装置の図である。
【
図2B】その状態(the arrangement )の側面図である。
【
図3A】締結モジュールが取付部分に取り付けられている状態の連結装置の図である。
【
図5A】さらなる分離動作時における連結装置の図である。
【
図6A】連結装置が分離されている状態の図である。
【
図7A】携帯電話の固定に使用した場合の連結装置の図である。
【
図8A】2つのアセンブリを連結する(例えば、携帯電話の形態の電子機器を他のアセンブリ、例えば車両のダッシュボードに連結する)さらなる例示的な実施形態の連結装置の分解図である。
【
図9A】締結モジュールが取付部分に取り付けられている状態の連結装置の図である。
【
図10A】取付部分から締結モジュールを外すための分離動作時における連結装置の図である。
【
図11A】さらなる例示的な実施形態の連結装置の分解図である。
【
図12A】締結モジュールが取付部分に取り付けられている状態の締結装置の図である。
【
図13A】締結モジュールを取付部分から外すための分離動作時における連結装置の図である。
【
図14】他の例示的な実施形態の連結装置の模式図である。
【
図15A】蓋を容器本体に連結するための、容器本体における連結装置の例示的な実施形態の分解図である。
【
図16A】蓋の装着時における容器本体の図である。
【
図17A】蓋が取り付けられた状態の容器本体の図である。
【
図18A】開放動作時において、蓋が配置された状態の容器本体の図である。
【
図19A】蓋が取り除かれた状態の容器本体の図である。
【
図20A】締結モジュールを取付部分に取り付ける前のさらなる例示的な実施形態の連結装置の図である。
【
図21A】締結モジュールが取付部分に取り付けられている状態の連結装置の図である。
【
図22A】取付アセンブリから締結モジュールが取り外された状態における、
図1A,
図1Bから
図6A~
図6Cに示される例示的な実施形態において、締結モジュールおよび取付アセンブリに電気的接触要素を備える実施形態の図である。
【
図23A】取付アセンブリに対する締結モジュールの装着時の連結装置の図である。
【
図24A】締結モジュールが取付アセンブリに取り付けられている状態の連結装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1A,
図1Bから
図6A~
図6Cには、第1の例示的な実施形態の連結装置1が示されており、この連結装置は、図示された例示的な実施形態において、カメラ4の形態の電子機器をヘルメット5(例えば、スキー用または自転車用ヘルメット)に固定するために用いられる。連結装置1により、カメラ4はヘルメット5の取付面50に着脱可能に連結することができるので、例えば、ヘルメット5の使用中に動画を撮影することが可能である。
【0072】
連結装置1は、ヘルメット5の取付アセンブリ3に取り付けることができる締結モジュール2を備える。締結モジュール2は、作用し合う複数の部品からなり、カメラ4に固定されている。カメラ4に対する締結モジュール2の連結は、例えば、様々な電子機器に連結装置1を使用できるよう、(同様に)着脱可能であってもよい。
【0073】
締結モジュール2は円筒状のケーシング部20を有し、このケーシング部は、ケーシング部20の中央に収容された調整要素23に、固定点201により固定して連結されている。
【0074】
調整要素23は、シャンク(軸部)230と、その表面に設けられた固定点231とを有し、前記固定点により、調整要素23はケーシング部20に固定されている。調整要素23は、ケーシング部20の底部から離れた側の端部に、シャンク230から径方向外側に突出する頭部232を有する。
【0075】
ケーシング部20と、ケーシング部20に回転不能に(rotationally fixedly)連結された調整要素23とは、カメラ4に固定して連結されている。
【0076】
例えば、
図2Cの断面図から分かるように、調整要素23は、その頭部232が円筒部25の内面250で摺動可能に案内されるように、円筒部25の円筒キャビティ253内に配置されている。円形断面を有する円筒状である円筒部25は、調整要素23がシャンク230により係合する開口212を有する案内部21に固定して連結されている。カラー213が、ケーシング部20の底部に面する案内部21の底部から軸方向に突出している。円筒部25は、前記カラーに係合し、そのカラーにより案内部21に(例えば、溶接または接着により)固定して連結されている。
【0077】
同様に、案内部21は、円筒状の基本形状を有し、案内部21に収容された円筒部25の周囲で円周方向に延在する円筒状の側面210をもち、円筒部25の径方向外側に設けられている。側面210には、複数の平行で螺旋状の案内トラック211が形成されている。これらの案内トラックは互いに円周方向にオフセットし、側面210におけるスロット(溝)として形成されており、これらの案内トラックに、ケーシング部20における(ケーシング部20の側面200から径方向内側に突出する)スタッドの形態の案内要素202が係合する。ケーシング部20の案内要素202が案内部21の案内トラック211に係合した結果、ケーシング部20(およびケーシング部20を介して調整要素23)が、案内部21において回転軸心Rを中心として嵌合状態で(positively)案内されることにより、ケーシング部20が回転軸心Rを中心として回転したときに、ケーシング部20および調整要素23から構成される構造ユニットが螺旋状の案内トラック211に従って移動し、調整要素23が円筒部25内を軸方向に移動する。
【0078】
円筒部25は、負圧要素27のカラー270に係合し、かつ円周方向の締結ばね(bracing spring)26により負圧要素27と共に締結されていることにより、カップ要素27からなる負圧要素27に固定して連結されている。これにより、負圧要素27は、円筒部20に固定して、特に液密に、連結されている。
【0079】
調整要素23は、案内部21に対して、したがって円筒部25に対して
図2Cに示される初期位置の方向に付勢要素によって付勢されている。この付勢手段はシャンク230の周囲に係合し、圧縮ばね22の形態を有する。したがって、前記初期位置において、調整要素23の頭部232は円筒部25の端部に当接し、この端部は案内部21から離れた側にある。当該位置において、案内部21はケーシング部20に最大限に格納されている。
【0080】
ヘルメット5の取付面50は、カップ要素の形態の負圧要素27の取り付けに用いられる。ヘルメット5の取付面50には、取付部30と、取付部30の収容開口302に収容される磁石要素31とを有する取付アセンブリ3が配置されている。締結モジュール2は、カメラ4をヘルメット5に連結するために取付アセンブリ3に取り付けられている。
【0081】
締結モジュール2は調整要素23の収容開口234に収容された磁石要素24を有し、その磁石要素は、締結モジュール2が取付面50に取り付けられている間、(カメラ4がその上に設けられた)締結モジュール2がヘルメット5の取付アセンブリ3に向かって磁気的に吸引されるように、取付アセンブリ3の磁石要素31と磁気吸引作用により相互に作用する。調整要素23において、ケーシング部20から離れた側にある頭部232の側に円錐状凹部の形態の押し込み結合部233が形成されており、この円錐状凹部は、締結モジュール2が取り付けられている間、締結モジュール2がヘルメット5の取付アセンブリ3に所定のとおり取り付けられるように、取付部30における円錐状凸部の形態の関連する押し込み結合部300と係合する。
【0082】
押し込み結合部233,300間の押し込み結合により、好適にも、連結装置1が密着状態にある場合に、取付面50の平面における横方向の力に対応することが可能である。さらに、この押し込み結合により、締結モジュール2はセンタリングされた状態で取付アセンブリ3と係合する。
【0083】
取付面50に対する締結モジュール2の取り付けの間、
図2A~
図2Cから
図3A~
図3Cへの変化から分かるように、負圧要素27は、円筒部25から径方向に突出するカップ状の縁部272において弾性変形されて、負圧要素27と取付面50との間に形成された空間Bから空気が抜けるので、締結モジュール2に荷重がかかった場合に、吸引作用を有する負圧が負圧要素27と取付面50との間に作用する。このようにして、衝撃荷重を受けた場合であってもカメラ4がヘルメット5にしっかり確実に保持されるように、ヘルメットの使用時における連結装置1に対するインパルス状の衝撃力を受けて消散させることができる。
【0084】
円筒部25における、取付部30に面する環状の縁には、歯状部の形態の係合部252が形成されており、
図2Cおよび
図3Cならびに
図1Aおよび
図1Bを共に見ると分かるように、この係合部は、取付アセンブリ3に締結モジュール2が取り付けられている間、取付部30において歯状部の形態を有する環状の係合部301と押し込み結合により係合する。これにより、円筒部25ならびにこの円筒部を介した案内部21および負圧要素27が、取付アセンブリ3に、したがってヘルメット5に回転不能に取り付けられることで、負圧要素27に作用するねじり力を受け流して消散させることができる。
【0085】
したがって、この連結状態において、カメラ4は、連結装置1によりヘルメット5に、耐荷重性を有するように、固定されている。
【0086】
連結装置1を分離するためには、
図4Aから
図4Cに示されているように、カメラ4と、このカメラを介したケーシング部20および当該ケーシング部に連結された調整要素23とが、円筒部25に対して回転軸心Rを中心として回転方向Dに回転される。円筒部25および取付部30における係合部252,301の係合により、この回転動作の間に円筒部23が共に回転しないようにすることができ、これにより、調整要素23が円筒部25の円筒キャビティ253内で移動される。
【0087】
ケーシング部20の回転および案内部21におけるケーシング部20の案内により、調整要素23は円筒部25内で回転軸心Rに沿って軸方向に調整されることで、
図4Cから分かるように、取付部30から離れるように移動される。これにより、まず、2つの磁石要素24,31が離れることで、磁石要素24,31間の磁気吸引力が弱まるという効果が得られる。次に、頭部232がキャビティ253内を摺動し、円筒部25の壁部の流れ開口251を通過することで、空気流Fが流れ開口251を介して空間Bに流入することができ、これにより空間B内の負圧が相殺されるという効果も得られる。これにより負圧要素27によって与えられる保持力がなくなるので、
図5Aから
図5Cに示されているように、負圧要素27の縁部272が取付面50から持ち上げられ、
図6Aから
図6Cに示されているように、締結モジュール2をカメラ4と共に取付面50から取り外すことができる。
【0088】
案内部21においてケーシング部20が螺旋状に案内されることにより、調整要素23の調整は容易に行うことができる。したがって、連結装置1の取り外しをユーザーにとって心地よい感触にしつつ、連結状態において連結装置1の耐荷重性を高くすることができる。
【0089】
締結モジュール2が取付アセンブリ3から分離された場合、圧縮ばねからなる付勢要素22の付勢作用により、調整要素23は初期位置に戻り、円筒部25および調整要素23は相対的に回転した状態となる。よって、締結モジュール2は、所望したときに取付アセンブリ3に再度取り付けることが可能である。
【0090】
円筒部25のキャビティ253に(実質的に)液密に当接する頭部232により、連結装置1が連結状態にある場合には、流れ開口251と、負圧要素27および取付面50の間に形成された空間Bとの間が液密に分離される。キャビティ253内で調整要素23を調整することにより、前記流れ開口251が空間Bと流体連通するので、空間Bに空気が流入することができ、連結装置1を分離させることができる。
【0091】
負圧要素27と取付面50との間の負圧は、特に、短時間に衝撃的な荷重がかかった場合に作用する。締結モジュール2に荷重(例えば、引張荷重)が加わった結果、空間Bが拡大する方向に力が作用することで、空間Bにおいて負圧が生じる。負圧要素27がシール作用を与えるように取付面50と面で接触することにより、特に、衝撃的に作用する荷重に有効に対応することが可能である。
【0092】
締結モジュール2が取付アセンブリ3に対して磁気吸引作用によっても保持されるように、磁石要素24,31による付加的な保持が与えられている。ここで、負圧要素27が取付面50に押し付けられた状態で締結モジュール2と取付アセンブリ3とが組み付けられる際に、磁石要素24,31により付加的な補助が与えられる。
【0093】
負圧要素27と取付面50との間に生じる負圧が、特に、衝撃的な荷重を受けた場合に作用することから、より長い時間継続するより大きな荷重を受けた場合に、連結装置1によって非常時の分離がなされるようにすることも可能である。したがって、例えば、(所定の)閾値力を超えた場合に、負圧要素27が取付面50から外れることにより、カメラ4をヘルメット5から分離することが可能である。このために、負圧要素27および負圧要素27において与えられる負圧力を適宜設定することができる。
【0094】
図7Aから
図7Cに示されている他の例示的な実施形態において、連結装置1は、携帯電話5または他の電子機器(例えば、ナビゲーション装置)を、例えば車両(例えば、車両のダッシュボードまたはフロントガラス)に固定するために用いられる。この場合、取付アセンブリ3は、例えば、携帯電話5または前記他の電子機器において取付面50となるケーシング面に配置してもよく、締結モジュール2は、例えば、締結モジュール2が少なくとも部分的にダッシュボードに一体化され、したがって突出しないように(recessed)車両に設置される。
【0095】
それ以外の点では、
図7Aから
図7Cに記載されている例示的な実施形態は上述したものと同一であり、上述した説明の全体を引用する。
【0096】
図8A,
図8Bから
図10A~
図10Cに示されている例示的な実施形態の連結装置1において、締結モジュール2は、電子機器5または他のアセンブリにおける取付面の形態の取付部分50に取り付けられるように構成されている。
【0097】
締結モジュール2は負圧要素27を備え、前記負圧要素は可撓性縁部272を有し、かつ、負圧作用を与えるために弾性変形させた状態で、可撓性縁部272によりアセンブリ5における取付面の形態の取付部分50に連結されるように構成されている。可撓性縁部272は、カップ要素として本体部273の周囲に、円周方向に延在し、この本体部273には流れ開口274が形成され、フラップ要素の形態の調整要素23が軸受要素275および軸要素276により関節で回動自在に取り付けられている。
【0098】
また、軸要素276には作動要素28が設けられており、この作動要素は、フラップ要素の形態の調整要素23と相互に作用して、取付部分50から締結モジュール2を取り外すために調整要素23を作動させる。
【0099】
例えば、
図9Aおよび
図9Cから分かるように、作動要素28は、引張ばねの形態のばね要素280により、
図9A~
図9Cに示される初期位置の方向にばねにより付勢されている。さらに、調整要素23は、圧縮ばねの形態の付勢要素22により、
図9A~
図9Cに示される密着位置をとるようにばねにより付勢されている。前記密着位置において、調整要素23は、流れ開口274に係合するスタッドの形態の閉止要素235により、負圧要素27の本体部273の流れ開口274を液密に閉止することで、特に負圧要素27と取付部分50との間の流れ開口274を空気が流れないようにしている。
【0100】
図9A~
図9Cに示された位置において、締結モジュール2はアセンブリ5の取付部分50に取り付けられており、負圧要素27と取付部分50との間には負圧作用が生じている。この負圧作用により締結モジュール2は取付部分50に保持されるので、締結モジュール2は取付部分50から容易に取り外すことができず、少なくとも、負圧作用を解消しなければ取り外すことができない。
【0101】
作動要素28には、例えば、ねじ穴の形態の締結点283が設けられており、この締結点により、作動要素28は関連する他のアセンブリに連結可能である。例えば、これにより、作動要素28を車両(例えば、自動車のダッシュボード)に固定することで、アセンブリ5(例えば、携帯電話などの形態の電子機器)を車両に(着脱可能に)固定することが可能である。
【0102】
取付部分50から締結モジュール2を取り外すために、
図10A~
図10Cに示されているとおり、作動要素28を作動させることによって調整要素23が調整されて流れ開口274が開放され、流れ開口274を介して負圧要素27と取付部分50との間を空気流が流れることができる。これにより、負圧要素27と取付部分50との間の負圧作用が解消されるので、締結モジュール2と取付部分50との間において保持力が作用しなくなる。
【0103】
作動させるために、作動要素28は、
図10A~
図10Cから分かるように、軸要素276を中心として負圧要素27に対して傾動される。その結果、作動要素28は、上端282から離れた部分281によって調整要素23に作用し、軸要素276を中心として調整要素23を同様に回動させる。これにより、調整要素23は、作動要素28を介して間接的にその閉位置から移動されて流れ開口274を開放するので、締結モジュール2を取付部分50から取り外すことができる。
【0104】
作動要素28を作動させた場合、
図10A~
図10Cから分かるように、ばね要素280は引張荷重を受ける。さらに、付勢要素22は圧縮荷重を受ける。そして、作動が終了すると、作動要素28および調整要素23は、ばね作用により、
図9A~
図9Cに示されるそれぞれの初期位置に戻る。これにより、作動要素28が作動されていない場合には流れ開口274が閉止されているので、締結モジュール2を再び連結するために、取付部分50に負圧要素27を取り付けることができる。
【0105】
図8A,
図8Bから
図10A~
図10Cに示される例示的な実施形態において、取付部分50に対する締結モジュール2の取り付けを磁気的に補助するために、締結モジュール2と、取付部分50とに磁石要素が配置されてもよい。しかしながら、必ずしもこのような構成にしなくてもよい。また、連結装置1は非磁性設計のものであってもよく、負圧作用のみによって取付部分50に締結モジュール2を保持してもよい。
【0106】
図11A,
図11Bから
図13A~
図13Cに示される例示的な実施形態では、
図8A,
図8Bから
図10A~
図10Cに示される例示的な実施形態とは対照的に、調整要素23が、連結装置1の締結モジュール2の負圧要素27に着脱可能に設けられている。ここでも、負圧要素27は、カップ要素の形態の、可撓性があって弾性変形可能な縁部272を有する。負圧要素27は、この縁部により、取付位置(
図12A~
図12C)において負圧作用により取付部分50に締結モジュール2を保持するために、アセンブリ5の平面状の取付部分50に取り付けることができる。
【0107】
この例示的な実施形態において、調整要素23が案内片236によって負圧要素27の本体部273における対応の案内装置277に係合することにより、調整要素23は、負圧要素27の本体部273に案内されて、取付方向Aに対して横方向に延びる案内方向に沿って取り外し可能である。
【0108】
図12A~
図12Cに示される初期位置において、調整要素23がスタッドの形態の閉止要素235によって本体部273の流れ開口274を閉止するので、締結モジュール2が取付部分50に取り付けられたとき、取付部分50において締結モジュール2を保持するように負圧要素27と取付部分50との間に負圧作用が生じる。特に、流れ開口274が閉止されている場合、流れ開口274を介して負圧要素27と取付部分50との間に空気が流入することが防止される。
【0109】
締結モジュール2を取付部分50から取り外すために、調整要素23を、
図13A~
図13Cに示されているように、負圧要素27の本体部273において取付方向Aに対して横方向に移動させることができる。これにより、調整要素23および負圧要素27の間で作用する圧縮ばねの形態の付勢要素が力を受けた状態に置かれ、流れ開口274が開放されることにより、負圧要素27と取付部分50との間を空気流が流れることができるので、負圧要素27と取付部分50との間の負圧作用が解消される。
【0110】
作動の終了後、調整要素23は付勢要素27の付勢作用により、
図12A~
図12Cに示される初期位置に自動的に戻る。これにより、この初期位置において、調整要素23が作動されていないときには流れ開口274が再び閉止されるので、締結モジュール2は、アセンブリ5の関連の取付部分50に再度取り付けることができる。
【0111】
調整要素23は固定点283を有し、この固定点により、関連のアセンブリを調整要素23に固定することができる。そして、調整要素23に連結されたアセンブリと、締結モジュール2が取り付けられるアセンブリ5との間で相対移動が生じたときに、調整要素23が作動される。例えば、ユーザーは、アセンブリ5に作用することで、負圧要素27に対して調整要素23を移動させ、締結モジュール2からアセンブリ5を取り外すことができる。
【0112】
また、アセンブリ5は、例えば、携帯電話などの形態の電子機器であってもよい。これに対して、調整要素23を、例えば、車両(例えば、自動車のダッシュボード)に固定することで、アセンブリ5を連結装置1によって当該車両に着脱可能に固定してもよい。
【0113】
上述した例示的な実施形態では、前記負圧要素は弾性カップ要素の形態である。しかし、必ずしもこのような構成にしなくてもよい。基本的には、負圧を生じさせることによって保持力を提供するように、相互に作用する剛性の非弾性要素とすることも可能である。
【0114】
このような構成が、一例として、
図14における例示的な実施形態の模式図に示されている。
【0115】
連結装置1は、アセンブリ5に取り付けることができる締結モジュール2を有する。例えば、連結装置1の締結モジュール2(剛性があり非弾性のもの)を、アセンブリ5に形成された開口500の形態の取付部分50に正確に嵌合するように挿入してもよく、これにより、円筒部23が開口500内に実質的に液密に収容される。締結モジュール2に荷重がかかったとき、円筒部25と開口500の壁との間に負圧が生じることにより、締結モジュール2はアセンブリ5に固定される。円筒部25内で調整可能な調整要素23は、連結装置1を取り外す目的で、円筒部25の流れ開口251と、円筒部25および開口500の壁の間に形成される空間との間の流路を開放するために上述したのと全く同様の方法で調整することができ、それによって、前記空間に空気を流入させて、開口500から円筒部25を取り外すことが可能である。
【0116】
円筒部25は、開口500に正確に嵌合した状態で挿入され、円筒部25と開口500の壁との境界が液密になるように構成してもよい。ここで、円筒部25は、円筒状の外形を有するものであってもよく、他の外形(例えば、多角形の外形または任意の所望する他の断面形状)を有していてもよい。
【0117】
加えて、1つ以上の(シールリップなどの形態の)環状のシールリングを、例えば、円筒部25の外側に設けることも可能であり、このシールリングは円筒部25と開口500の壁との間隙を液密に封止する。
【0118】
図15A,
図15Bから
図19A~19Cには、飲料用ボトルの形態の容器の例示的な実施形態が示されており、この場合、アセンブリ5の容器本体51は、容器本体51を閉止するために蓋29に連結することができる。蓋29は連結装置1の締結モジュール2の構成部分であり、前記連結装置により、蓋29を容器本体51にしっかりと、でも着脱可能に連結することができる。
【0119】
連結装置1は、締結モジュール2と、前記締結モジュールの構成部分である蓋29と、ねじ部501によって容器本体51に連結されるように構成された取付部30を有する取付アセンブリ3とからなる。取付部30は、中央開口を有する凸状のスタッドピースの形態の押し込み結合部300を有し、例えば、蓋29が外されたときに、ユーザーはこの中央開口を介して飲料用ボトルから飲み物を飲むことができる。
【0120】
締結モジュール2の蓋29は、可撓性を有する円周方向縁部272と共に負圧要素27を形成し、この負圧要素は、取付アセンブリ3の取付部30に対して取付方向Aに取り付け可能であり、取付位置(
図17A~
図17C)において、負圧作用を受けた状態で取付部30に対して保持される。蓋29の内部には係合開口256が形成されており、締結モジュール2が取り付けられたとき、この係合開口に取付部30の押し込み結合部300が係合する。係合開口256の内側面にはOリングの形態のシール254が配置されており、蓋29と押し込み結合部300との間隙を液密に、特に、湿気、水分が漏れないように湿密に閉止しているので、蓋29が容器本体51に取り付けられたとき、容器50から液体が漏れない。
【0121】
蓋21に面する表面304において、取付部30は収容開口302を有し、この収容開口に磁石要素31が挿入され、取付部30に連結される。同様に、蓋29の内側には収容開口255が形成されており、この収容開口に磁石要素24が挿入されて、蓋29に保持される。
【0122】
一方側にある取付部30の磁石要素31と、他方側にある蓋29の磁石要素24とは、取付方向Aを中心とする円周方向から見たとき、同様に均一に分散され、かつ交互に異なる極性を有している。つまり、取付部30の1つの磁石要素31のN極Nが蓋29の方向を向き、隣接する各磁石要素31のS極Sが蓋29の方向を向き、その次に再びN極Nが続いている。同様に、蓋29の1つの磁石要素24のS極Sが取付部30の方向を向き、隣接する各磁石要素24のN極Nが取付部30の方向を向き、その次に再びS極Sが続いている。
【0123】
飲料用ボトルを閉止するために取付部30に蓋29が取り付けられている間、磁石要素24,31の相異なる極が引き付け合うので、蓋29が取付部30に向かって引っ張られ、押し込み結合部300が係合開口256と係合して、可撓性縁部272が弾性変形する過程で蓋29と取付部30との間に負圧作用が生じる(
図16A~
図16Cから、
図17A~
図17Cに示される取付位置への変化を参照)。したがって、取付位置(
図17A~
図17C)において、蓋29が、磁石要素24,31間の磁気吸引により、また負圧作用により、取付部30に保持される。
【0124】
取付部30から、すなわち容器本体51から蓋29を取り外すために、蓋29を開放方向Oに沿って回転させることができる。この開放方向は、蓋29が、係合開口256への押し込み結合部300の係合によって定められる回転軸心Rを中心として取付部30に対して回転可能である方向である。これにより、同じ極の磁石要素24,31が近づけられるので、磁石要素24,31の間に磁気反発作用が生じる。この磁気反発作用は、蓋29と取付部30との間の負圧作用を弱めまたは上回ってもよく、これにより、取付方向Aとは反対の方向に蓋29を取付部30から容易に取り外し、この飲料用ボトルを開けることができる。この点は、
図18A~
図18Cから
図19A~
図19Cの変化として示されている。この回転の間、流れ開口も開放されてもよい。
【0125】
上述した形式の容器5に対する蓋29の連結は、飲料用ボトルの場合(例えば、自転車における使用)のみでなく、蓋を用いて閉止される全く異なる任意の容器にも用いることができる。
【0126】
図20A~
図20Cおよび
図21A~
図21Cには、アセンブリ5に連結された取付アセンブリ3の取付部30に取付方向Aに取り付け可能な負圧要素27を有する締結モジュール2を備える連結装置1の例示的な実施形態が示されている。連結装置1によりアセンブリ5(例えば、携帯電話の形態の電子機器)を他のアセンブリに配置することができるように、負圧要素27に他のアセンブリが連結されてもよい。
【0127】
負圧要素27は、カップ要素の形態の可撓性縁部272を有する。さらに、本体部273には磁石要素24が設けられており、この磁石要素は、取付アセンブリ3に締結モジュール2が取り付けられている間、取付アセンブリ3の取付部30における磁石要素31と磁気吸引作用によって相互に作用して、取付アセンブリ3に対する締結モジュール2の取り付けを磁気的に補助する。
【0128】
取付位置(
図21A~
図21C)において、可撓性縁部272の弾性変形および負圧要素27と取付部分50との間が(ほぼ)真空になることにより、締結モジュール2の負圧要素27と、取付アセンブリ3が配置されているアセンブリ5の取付部分50との間に負圧作用が生じる。
【0129】
取付アセンブリ3からの締結モジュール2の取り外しは、この例示的な実施形態において、締結モジュール2が負圧要素27において引っ張られることまたは傾動されることで取付アセンブリ3から取り外されることによって、実現される。
【0130】
図示された例示的な実施形態において、締結モジュール2には電気的接触要素6が設けられており、前記接触要素は、締結モジュール2が取付アセンブリ3に取り付けられたとき、
図20Cを
図21Cと共に見ると分かるように、取付アセンブリ3において関連付けられた対応の接触要素7と電気的に接触する。したがって、接触要素6および対応の接触要素7により、例えば、電力供給またはデータ接続を提供するために、取付アセンブリ30に関連付けられたアセンブリ5と、締結モジュール2に関連付けられたアセンブリとの間に、電気的接続を形成することが可能である。
【0131】
図示された例示的な実施形態において、電気的接触要素6は接触ピン61を有し、これらの接触ピンは、ばね要素62によって負圧要素27の本体部273に弾性支持され、電線60に接続されている。これに対して、対応の接触要素7は、例えば、取付部30において負圧要素27に面する頭部側の接触パッドなどとして形成されていてもよく、これにより、締結モジュール2が取付アセンブリ3に取り付けられる位置(
図21A~
図21C)において、接触要素6が対応の接触要素7と電気的に接触する。
【0132】
図22A~
図22Cから
図24A~
図24Cに示された例示的な実施形態は、
図1A,
図1Bから
図6A~
図6Cに基づいて説明した例示的な実施形態と同一であり、付加的に、一方側において締結モジュール2に、他方側において取付アセンブリ3に電気的接触要素6が設けられており、これらの接触要素は、前記締結モジュールが取付アセンブリ3に取り付けられたとき(
図24A~
図24C)、電気的接触をなすことで、例えば、アセンブリ5(例えば、携帯電話の形態の電子機器)への電力供給をするために、またはデータ接続を提供するために、連結装置1と関連付けられたアセンブリ間に電気的接続を形成することが可能である。
【0133】
【0134】
本発明の根底にある着想は上述した例示的な実施形態に限定されず、基本的には、全く異なる方法で実現することも可能である。
【0135】
特に、負圧力を与えるために相互に作用する要素を全く異なるものとすることが可能である。この点について、上述した実施形態はあくまでも例示として理解されたい。
【0136】
本明細書に記載した形式の連結装置は、全く異なるアセンブリ同士を固定するために使用することができる。特に、この連結装置の用途は、本明細書に記載した例に限定されない。有利なことに、この連結装置は、例えばカメラまたは携帯電話などの電子機器を固定するために使用してもよい。しかし、必ずしもこれに限定されない。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
2つのアセンブリ(4,5)を着脱可能に連結する連結装置(1)であって、前記アセンブリ(4,5)のうちの第1のアセンブリに固定可能でありかつ負圧要素(27)を有する締結モジュール(2)を備え、
前記負圧要素が、前記アセンブリ(4,5)を連結するために前記アセンブリ(5,4)のうちの第2のアセンブリの取付部分(50)に取付方向(A)で連結可能であり、かつ、連結状態において、前記締結モジュール(2)および前記取付部分(50)に前記取付方向(A)とは反対方向に荷重がかかったとき、前記負圧要素(27)と前記取付部分(50)との間の負圧の作用により前記負圧要素(27)および前記取付部分(50)の連結が維持されるように、前記取付部分(50)と相互に作用する、連結装置(1)において、
前記締結モジュール(2)が、前記負圧要素(27)に対して調整可能な調整要素であって、前記取付部分(50)から前記負圧要素(27)を外すために前記負圧要素(27)に対して移動可能な調整要素(23)を有し、
前記アセンブリ(4,5)のうちの前記第1のアセンブリが、前記アセンブリ(4,5)のうちの当該第1のアセンブリと前記アセンブリ(4,5)のうちの前記第2のアセンブリとにおける相対移動により前記調整要素(23)の移動が生じるように、前記調整要素に連結可能であることを特徴とする連結装置(1)。
[態様2]
態様1に記載の連結装置(1)において、前記締結モジュール(2)が、前記負圧要素(27)に対する前記調整要素(23)の移動の結果として、前記負圧要素(27)と前記取付部分(50)との間の空間(B)に空気を流入させるために開放することができる流れ開口(251,274)を有することを特徴とする連結装置(1)。
[態様3]
態様2に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が、前記連結装置(1)の前記連結状態において前記負圧要素(27)に対して第1位置をとり、前記取付部分(50)から前記負圧要素(27)を取り外すために、前記流れ開口(251,274)を開放するように前記第1位置から脱するよう調整可能であることを特徴とする連結装置(1)。
[態様4]
態様3に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が、前記負圧要素(27)に対して前記第1位置をとるように、ばねにより付勢されていることを特徴とする連結装置(1)。
[態様5]
態様1から4のいずれか一態様に記載の連結装置(1)において、前記負圧要素(27)が少なくとも部分的に弾性を有するカップ要素からなり、前記取付部分(50)が前記第2のアセンブリ(5)に形成された取付面からなり、前記アセンブリ(2,3)を連結するために、前記取付面に前記負圧要素(27)を接触させることができることを特徴とする連結装置(1)。
[態様6]
態様1から5のいずれか一態様に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が、前記負圧要素(27)または前記負圧要素(27)に固定して連結されている要素に案内されることを特徴とする連結装置(1)。
[態様7]
態様1から6のいずれか一態様に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が、前記負圧要素(27)に対して回転可能、移動可能および/または傾動可能であることを特徴とする連結装置(1)。
[態様8]
態様1から7のいずれか一態様に記載の連結装置(1)において、前記締結モジュール(2)が、前記負圧要素(27)に対して移動可能な作動要素(28)を有し、前記アセンブリ(4,5)のうちの前記第1のアセンブリが、前記作動要素に固定可能であり、前記作動要素が、当該作動要素(28)が作動されたときに前記調整要素(23)が移動されるように前記調整要素(23)と相互に作用することを特徴とする連結装置(1)。
[態様9]
態様1から8のいずれか一態様に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が、前記負圧要素(27)に連結された円筒部(25)に案内され、前記円筒部(25)に対して調整可能であることを特徴とする連結装置(1)。
[態様10]
態様9に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が、前記円筒部(25)に対して、螺旋の一部に沿って延びる案内トラック(211)に案内されることを特徴とする連結装置(1)。
[態様11]
態様10に記載の連結装置(1)において、前記締結モジュール(2)が、前記円筒部(25)の周囲で円周方向に延在する側面(210)をもつ案内部(21)を有し、前記案内トラック(211)が、前記側面に形成されていることを特徴とする連結装置(1)。
[態様12]
態様9から11のいずれか一態様に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)における頭部(232)が、前記円筒部(25)の円筒キャビティ(253)内にあり、前記調整要素(23)が、前記円筒部(25)における前記円筒キャビティ(253)を囲む内面(250)に沿って摺動自在に調整可能であることを特徴とする連結装置(1)。
[態様13]
態様12に記載の連結装置(1)において、前記頭部(232)が、前記内面(250)に液密に当接することを特徴とする連結装置(1)。
[態様14]
態様1から13のいずれか一態様に記載の連結装置(1)において、前記第2のアセンブリ(5)の前記取付部分(50)に固定可能な取付アセンブリ(3)であって、取付部(30)を有する取付アセンブリを有し、前記締結モジュール(2)が、前記アセンブリ(4,5)を連結するために前記取付部と相互に作用するように配置されることができることを特徴とする連結装置(1)。
[態様15]
態様14に記載の連結装置(1)において、前記調整要素(23)が第1押し込み結合部(233)を有し、前記取付部(30)が第2押し込み結合部(300)を有し、これらの押し込み結合部が、前記締結モジュール(2)と前記取付部(30)とが組み付けられている間、押し込み結合により係合して、前記締結モジュール(2)と前記取付部分(50)とにおける相対的な横方向の移動を阻止することを特徴とする連結装置(1)。
[態様16]
態様14または15に記載の連結装置(1)において、前記負圧要素(27)または前記負圧要素(27)に連結された要素が第1係合部(252)を有し、前記取付部(30)が第2係合部(301)を有し、これらの係合部が、前記締結モジュール(2)と前記取付部(30)とが組み付けられている間、係合して、前記取付部(30)に対する前記負圧要素(27)の回転動作を阻止することを特徴とする連結装置(1)。
[態様17]
態様1から16のいずれか一態様に記載の連結装置(1)において、前記締結モジュール(2)が、前記アセンブリ(4,5)同士の連結を磁気的に補助する第1磁石要素(24)を有することを特徴とする連結装置(1)。
[態様18]
態様17に記載の連結装置(1)において、前記第1磁石要素(24)が、前記調整要素(23)に配置されており、前記調整要素(23)と共に調整可能であることを特徴とする連結装置(1)。
[態様19]
態様17に記載の連結装置(1)において、前記第1磁石要素(24)が、前記負圧要素(27)に配置されていることを特徴とする連結装置(1)。
[態様20]
態様17から19のいずれか一態様に記載の連結装置(1)において、前記締結モジュール(2)の前記第1磁石要素(24)と磁気的に相互に作用するために、前記取付部分(50)に固定可能な第2磁石要素(31)を有することを特徴とする連結装置(1)。
[態様21]
態様1から20のいずれか一態様に記載の連結装置(1)において、前記締結モジュール(2)が、前記取付部分(50)と関連付けられた少なくとも1つの対応する接触要素(7)と前記連結状態において電気的に接触する、少なくとも1つの電気的接触要素(6)を有することを特徴とする連結装置(1)。
[態様22]
電子機器、特に、カメラまたは携帯電話であって、当該電子機器を関連するアセンブリに連結するために態様1から21のいずれか一態様に記載の連結装置(1)を備える電子機器。
[態様23]
電子機器(4,5)、特に、カメラまたは携帯電話であって、当該電子機器(4,5)を他のアセンブリ(5,4)に着脱可能に連結するための連結装置(1)を備え、
前記連結装置(1)が、負圧要素(27)を有する締結モジュール(2)を備え、
前記負圧要素が、前記電子機器(4,5)を前記他のアセンブリ(5,4)に連結するために取付部分(50)に取付方向(A)で連結可能であり、かつ、連結状態において、前記締結モジュール(2)および前記取付部分(50)に前記取付方向(A)とは反対方向に荷重がかかったとき、前記負圧要素(27)と前記取付部分(50)との間の負圧の作用により前記負圧要素(27)および前記取付部分(50)の連結が維持されるように、前記取付部分(50)と相互に作用する電子機器(4,5)において、
前記締結モジュール(2)が、前記他のアセンブリ(5,4)に対する前記電子機器(4,5)の連結を磁気的に補助する第1磁石要素(24)を有することを特徴とする電子機器(4,5)。
[態様24]
態様23に記載の電子機器(4,5)において、前記第1磁石要素(24)が、前記負圧要素(27)に配置されていることを特徴とする電子機器(4,5)。
[態様25]
態様23または24に記載の電子機器(4,5)において、前記締結モジュール(2)の前記第1磁石要素(24)と磁気的に相互に作用するために、前記取付部分(50)に固定可能な第2磁石要素(31)を有することを特徴とする電子機器(4,5)。
[態様26]
態様23から25のいずれか一態様に記載の電子機器(4,5)において、前記負圧要素(27)が、少なくとも部分的に弾性を有するカップ要素からなることを特徴とする電子機器(4,5)。
[態様27]
態様23から26のいずれか一態様に記載の電子機器(4,5)において、前記締結モジュール(2)が、前記取付部分(50)と関連付けられた少なくとも1つの対応する接触要素(7)と前記連結状態において電気的に接触する、少なくとも1つの電気的接触要素(6)を有することを特徴とする電子機器(4,5)。
[態様28]
ヘルメット(5)、特に、スポーツ用ヘルメットであって、当該ヘルメット(5)を他のアセンブリ(4)に着脱可能に連結するための連結装置(1)を備え、
前記連結装置(1)が、負圧要素(27)を有する締結モジュール(2)を備え、
前記負圧要素が、前記ヘルメット(5)を前記他のアセンブリ(4)に連結するために取付部分(50)に取付方向(A)で連結可能であり、かつ、連結状態において、前記締結モジュール(2)および前記取付部分(50)に前記取付方向(A)とは反対方向に荷重がかかったとき、前記負圧要素(27)と前記取付部分(50)との間の負圧の作用により前記負圧要素(27)および前記取付部分(50)の連結が維持されるように、前記取付部分(50)と相互に作用するヘルメット(5)において、
前記締結モジュール(2)が、前記他のアセンブリ(4)に対する前記ヘルメット(5)の連結を磁気的に補助する第1磁石要素(24)を有することを特徴とするヘルメット(5)。
[態様29]
態様28に記載のヘルメット(5)において、前記第1磁石要素(24)が、前記負圧要素(27)に配置されていることを特徴とするヘルメット(5)。
[態様30]
態様28または29に記載のヘルメット(5)において、前記締結モジュール(2)の前記第1磁石要素(24)と磁気的に相互に作用するために、前記取付部分(50)に固定可能な第2磁石要素(31)を有することを特徴とするヘルメット(5)。
[態様31]
態様28から30のいずれか一態様に記載のヘルメット(5)において、前記負圧要素(27)が、少なくとも部分的に弾性を有するカップ要素からなることを特徴とするヘルメット(5)。
[態様32]
態様28から31のいずれか一態様に記載のヘルメット(5)において、前記締結モジュール(2)が、前記取付部分(50)と関連付けられた少なくとも1つの対応する接触要素(7)と前記連結状態において電気的に接触する、少なくとも1つの電気的接触要素(6)を有することを特徴とするヘルメット(5)。
[態様33]
容器本体(51)と、
前記容器本体(51)に配置可能な蓋(29)と、
前記容器本体(51)に前記蓋(29)を着脱可能に連結する連結装置(1)と
を備える容器、特に、飲料用ボトルにおいて、
前記連結装置(1)が、負圧要素(27)を有する締結モジュール(2)を備え、
前記負圧要素が、前記容器本体(51)に前記蓋(29)を連結するために取付アセンブリ(3)に取付方向(A)で連結可能であり、かつ、連結状態において、前記蓋(29)および前記容器本体(51)に前記取付方向(A)とは反対方向に荷重がかかったとき、前記負圧要素(27)と前記取付アセンブリ(3)との間の負圧の作用により前記締結モジュール(2)および前記取付アセンブリ(3)の連結が維持されるように、前記取付アセンブリ(3)と相互に作用することを特徴とする容器。
[態様34]
態様33に記載の容器において、前記容器本体(51)に対する前記蓋(29)の連結を磁気的に補助するために、前記締結モジュール(2)が第1磁石要素(24)を有し、前記取付アセンブリ(3)が第2磁石要素(31)を有することを特徴とする容器。
[態様35]
態様33または34に記載の容器において、前記締結モジュール(2)が、前記容器本体(51)から前記蓋(29)を取り外すために、前記取付アセンブリ(3)に対して開放方向(O)に移動可能であることを特徴とする容器。
[態様36]
態様35に記載の容器において、前記締結モジュール(2)が複数の第1磁石要素(24)を有し、前記取付アセンブリ(3)が複数の第2磁石要素(31)を有し、前記第1磁石要素(24)と第2磁石要素(31)とが、前記連結状態において磁気吸引作用により相互に作用し、前記連結状態から脱して前記開放方向(O)に相対的に移動した状態において磁気反発作用により相互に作用することを特徴とする容器。
[態様37]
態様33から36のいずれか一態様に記載の容器において、前記負圧要素(27)が、少なくとも部分的に弾性を有するカップ要素からなることを特徴とする容器。
[態様38]
態様33から37のいずれか一態様に記載の容器において、前記締結モジュール(2)が前記蓋(29)の構成部分であり、前記取付アセンブリ(3)が前記容器本体(51)に連結されていることを特徴とする容器。
【符号の説明】
【0137】
1 連結装置
2 締結モジュール
20 ケーシング部
200 内側面
201 固定点
202 案内要素
21 案内部
210 側面
211 案内トラック(スロット)
212 開口
223 カラー
22 付勢要素(ばね要素)
23 調整要素
230 シャンク
231 固定点
232 上部
233 押し込み結合部(押し込み結合開口)
234 収容開口
235 閉止要素
236 案内片
24 磁石要素
25 円筒部
250 内面
251 流れ開口
252 係合部(歯状部)
253 円筒キャビティ
254 シール
255 収容開口
256 係合開口
26 締結ばね
27 負圧要素(カップ要素)
270 カラー
271 開口
272 可撓性縁部
273 本体部
274 流れ開口
275 軸受要素
276 軸要素
277 案内手段
28 作動要素
280 ばね要素
281 部分
282 上端
283 固定点
29 蓋
3 取付アセンブリ
30 取付部
300 押し込み結合部
301 係合部(歯状部)
302 収容開口
303 ねじ部
304 表面
31 磁石要素
4 アセンブリ
5 アセンブリ
50 取付部分(取付面)
500 開口
501 ねじ部
51 容器本体
6,7 電気的接触要素
60 電線
61 接触ピン
62 ばね要素
A 取付方向
B 空間
D 回転方向
F 空気流
O 開放方向
R 回転軸心