(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/68 20060101AFI20231228BHJP
A61K 8/63 20060101ALI20231228BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20231228BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20231228BHJP
A61K 8/20 20060101ALI20231228BHJP
A61K 8/23 20060101ALI20231228BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20231228BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20231228BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61K8/68
A61K8/63
A61K8/39
A61K8/37
A61K8/20
A61K8/23
A61K8/365
A61K8/34
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2020004874
(22)【出願日】2020-01-16
【審査請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
(72)【発明者】
【氏名】寺西 諒真
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-019077(JP,A)
【文献】特開2010-248128(JP,A)
【文献】特開2019-119742(JP,A)
【文献】特開2002-338459(JP,A)
【文献】国際公開第2004/045566(WO,A1)
【文献】特開2016-098172(JP,A)
【文献】特開2015-196662(JP,A)
【文献】国際公開第2015/152420(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(A)~(E)を含有し、(D)が(A)及び(B)と共に
成分(D)を含めない油が粒子分散物全量に対し0.1質量%以下である粒子となって分散した、
セラミド2またはセラミド3を含むセラミド類および/またはフィトステロールの粒子分散物。
(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤
(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(C)ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコールおよびエタノールから選ばれる一以上
(D)
セラミド2またはセラミド3を含むセラミド類および/またはフィトステロール
(E)水
【請求項2】
(A)HLB値が4~8である分岐脂または不飽和結合を有する肪酸基を有する非イオン性界面活性剤が、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタンおよびイソステアリン酸グリセリルから選ばれる一以上を含むものである請求項1に記載の粒子分散物。
【請求項3】
(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤と(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合比率が、1:4~3:2である請求項1または2に記載の粒子分散物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の粒子分散物を含有する化粧料。
【請求項5】
さらに(F)塩類を含有する請求項4に記載の化粧料。
【請求項6】
(F)塩類が、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリチルリチン酸ジカリウム、アスコルビルリン酸マグネシウムおよびクエン酸ナトリウムから選ばれる一以上である請求項5に記載の化粧料。
【請求項7】
下記(A)~(D)を含有し、(E)水と共に、(D):〔(A)+(B)〕が1:20~1:4であり、〔(A)+(B)+(D)〕:(C)が1:7~1:1.5であり、(A):(B)が1:4~3:2の比率で
あり、かつ成分(D)を含めない油が粒子分散物全量に対し0.1質量%以下の組成で調製した
セラミド2またはセラミド3を含むセラミド類および/またはフィトステロールの粒子が分散した粒子分散物。
(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤
(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(C)ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコールおよびエタノールから選ばれる一以上
(D)
セラミド2またはセラミド3を含むセラミド類および/またはフィトステロール
【請求項8】
請求項1~3及び7の
セラミド2またはセラミド3を含むセラミド類および/またはフィトステロールの粒子が分散した粒子分散物から分散媒を除いた粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミドを含有した、化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミドは、皮膚の角質細胞間脂質の構成成分のひとつである。このため、皮膚バリア機能改善や保湿改善を目的として化粧料や皮膚外用剤に積極的に配合したい成分である。しかしながらセラミドは水や油に難溶性を示すことから化粧料を調製する際に結晶化を起こしたり、経時的に結晶が析出したりする問題があった。このため各社、その配合には様々な工夫がなされており、主にセラミドを可溶化させてそのまま或いは乳化させて化粧料中で安定性を高めた技術、セラミドを液晶組成物として化粧料中で安定性を高めた技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、セラミド、油性成分、非イオン性界面活性剤及び水を含有し、O/Wエマルションの平均粒径が、100nm~300nmである、優れた経時安定性の半透明化粧料が開示されている。この技術は、セラミドを含有するO/W乳化型の化粧料であって、界面活性剤の配合量を減少させながらも、経時安定性に優れ、しかも視覚的な美しさや高級感を与えることのできる半透明化粧料を提供することを課題としている。そして油性成分として、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類が挙げられ、非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグルコシドが挙げられている。
また、特許文献2には、HLBが9~20の範囲にある非イオン性界面活性剤、及び液状の多価アルコールを用いることを特徴とするセラミドの可溶化方法、皮膚外用剤の技術が開示されている。この技術は、セラミドの結晶析出のない透明製剤を得ることを課題としている。そして、非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンフィトステロール、10ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンコレスタノール、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられ、多価アルコールとしてプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールが挙げられている。
また、特許文献3では、(a)セラミド類0.00001-1.0質量%、(b)非イオン性界面活性剤0.1-1.0質量%、(c)ヘキサンジオールまたはペンタンジオール0.1-5.0質量%、および(d)水50.0質量%以上を含有し、(a)セラミド類を安定に可溶化し透明であることを特徴とする化粧水の技術が開示されている。皮膚刺激性等の問題が生じず、使用感に優れ、特に、可溶化に必要な成分の配合量をできるだけ少量にした化粧水と説明されている。そして、非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが挙げられている。
また、特許文献4には、(A)HLB値が4~7であり、25℃で液状で、グリセリル基を有する非イオン性界面活性剤0.005~1質量%、(B)数平均分子量2000~200000のポリエチレングリコール0.01~10質量%、(C)エタノール5~50質量%、(D)冷感剤、温感剤、殺菌剤、制汗剤、収斂剤、消臭剤、美白剤、セラミド類、抗炎症剤、血行促進剤、紫外線防御剤、酸化防止剤及び粉体から選ばれる1種又は2種以上の有効成分、(E)水を含有する皮膚化粧料、の技術が開示されている。
また、特許文献5には、(A)セラミド、グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミドおよび長鎖スフィンゴイド塩基から選ばれた少なくとも1種の化合物0.5~10重量%、(B)多価アルコール78~97重量%、ならびに(C)ステロール系化合物2~12重量%を含有してなる液晶組成物、該液晶組成物が0.1~30重量%配合されてなる皮膚化粧料、の技術が開示されている。
【0004】
一方、白濁した低粘度の化粧料は、高級感がある化粧水として消費者のニーズが高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2004/045566号
【文献】特開2002-338459号公報
【文献】特開2014-148473号公報
【文献】特開2014-205664号公報
【文献】特開2000-264826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、セラミド類又はフィトステロールを含有した安定な化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤と、(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、(C)ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコールおよびエタノールから選ばれる一以上と、(D)水と、(E)セラミド類および/またはフィトステロールとを含有する化粧料用組成物、該化粧料用組成物を含む化粧料である。水に難溶性の(E)セラミド類および/またはフィトステロールを、(C)ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコールおよびエタノールから選ばれる一以上の溶剤に溶解し、さらに界面活性剤(A)及び(B)と混合溶解し、その混合物を水に添加すると、(E)セラミド類および/またはフィトステロールが界面活性剤(A)及び(B)と共に粒子(以下セラミド粒子と呼ぶ)となって、(D)水に分散し、得られた組成物(セラミド粒子分散物)は高温(50℃、一か月)環境下に保管後も結晶の析出がなく、油浮き等もない優れた安定性の化粧料用組成物となる。本発明のセラミド粒子の粒径は100~250nmであり、セラミド粒子分散物である化粧料用組成物を透明容器に入れたときの外観は白濁して見える。油を実質的に含まない組成で得られる本発明のセラミド粒子は長期間経過後も極めて安定であり、塩類の存在下でも安定である。セラミド粒子分散物である化粧料用組成物にさらに塩類を添加しても安定であることから、該化粧料用組成物を含有した化粧料もセラミドの結晶が析出することなく安定性に優れた化粧料となる。本発明の化粧料用組成物にさらに任意成分を添加して調製した化粧料、あらかじめ調製した化粧料(化粧水、乳液、クリーム、ジェル等)に添加剤として本発明の化粧料組成物を配合した化粧料のいずれも本発明の範囲に含まれる。
本発明は以下の構成である。
(1)以下の(A)~(E)を含有する化粧料用組成物。
(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤
(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(C)ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコールおよびエタノールから選ばれる一以上
(D)セラミド類および/またはフィトステロール
(E)水
(2)(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤が、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタンおよびイソステアリン酸グリセリルから選ばれる一以上を含むものである(1)に記載の化粧料用組成物。
(3)(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤と(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合比率が、1:4~3:2である(1)または(2)に記載の化粧料用組成物。
(4)(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤と(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の合計配合量が、化粧料用組成物当たり1~2質量%である(1)~(3)のいずれかに記載の化粧料用組成物。
(5)(D)セラミド類が、セラミド2またはセラミド3を含むものである(1)~(4)のいずれかに記載の化粧料用組成物。
(6)B型粘度計(1号ローター、60回転/分、30秒、25℃)を用いて測定した粘度が100mPa・s以下である(1)~(5)のいずれかに記載の化粧料用組成物。
(7)油を実質的に含有しない(1)~(6)のいずれかに記載の化粧料用組成物。
(8)(1)~(7)のいずれかに記載の化粧料用組成物を含有する化粧料。
(9)さらに(F)塩類を含有する(8)に記載の化粧料。
(10)(F)塩類が、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリチルリチン酸ジカリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、およびクエン酸ナトリウムから選ばれる一以上である(9)に記載の化粧料。
(11)下記(A)~(D)を含有し、(E)水と共に、(D):〔(A)+(B)〕が1:20~1:4であり、〔(A)+(B)+(D)〕:(C)が1:7~1:1.5であり、(A):(B)が1:4~3:2の比率で調製したセラミド粒子。
(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤
(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(C)ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコールおよびエタノールから選ばれる一以上
(D)セラミド類および/またはフィトステロール
【発明の効果】
【0008】
本発明の化粧料用組成物は、セラミド類および/またはフィトステロールが水あるいはジプロピレングリコールなどの溶剤を含む水に、異なるHLB値の界面活性剤(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤、(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と共に安定に粒子として分散した組成物である。本発明の化粧料用組成物は100mPa・s以下の低粘性であるが、特に水溶性高分子等を配合して組成物を増粘しなくても、各温度帯(5℃、25℃、40℃、50℃、-5℃と45℃のサイクル/24時間)で1か月保管後も安定である。本発明の化粧料用組成物は白濁しており高級感のある外観である。またセラミド類および/またはフィトステロールが高配合されたことによる優れた保湿効果を有する。本発明の化粧料用組成物は、さっぱりとした使用感でありながら保湿効果を有するので、そのままで化粧料とすることができ、特に白濁した化粧水として最適である。また本発明の化粧料用組成物は、耐塩性が高いことが特徴である。本発明の構成(A+B+C+D+E)から得られるセラミド類および/またはフィトステロールを含有したセラミド粒子は、塩類が存在した化粧料中でも壊れたり、凝集したり、セラミドの結晶析出が生じたりしないので、化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)にグリチルリチン酸ジカリウムやアスコルビルリン酸マグネシウム、塩化ナトリウムなどの一般的に化粧料に好ましく配合される塩類を、比較的自由に配合することができる。本発明の化粧料用組成物を用いて化粧料の処方のバリエーション化が期待できる。
本発明のセラミド粒子分散物は、通常の乳化設備(パドルミキサー)で十分に粒子径の整ったものが調製でき、高圧ホモジェナイザーなどの特別な装置を必要としない点もメリットが高い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】セラミド粒子を含む化粧料用組成物(実施例4)の顕微鏡写真(1000倍)である。セラミド粒子が粒子径100~250nmの範囲で50℃一か月保管後も粒子の形態を維持している。
【
図2】塩化ナトリウム存在下においてセラミド粒子が各温度帯(5℃、25℃、40℃、50℃、-5℃と45℃のサイクル/24時間)で1か月保管後も安定であることを示したグラフである(実施例55)。
【
図3】硫酸マグネシウム存在下においてセラミド粒子が各温度帯(5℃、25℃、40℃、50℃、-5℃と45℃のサイクル/24時間)で1か月保管後も安定であることを示したグラフである(実施例56)。
【
図4】セラミド粒子分散物と塩化ナトリウムを含む化粧料(実施例55)の顕微鏡写真(1000倍)である。セラミド粒子が粒子径100~250nmの範囲で50℃一か月保管後も粒子の形態を維持している。
【
図5】セラミド粒子分散物と硫酸マグネシウムを含む化粧料(実施例56)の顕微鏡写真(1000倍)である。セラミド粒子が粒子径100~250nmの範囲で50℃一か月保管後も粒子の形態を維持している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の化粧料用組成物に配合する必須成分について説明する。
(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤
本発明の(A)成分は、HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤である。分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する脂肪酸ソルビタン、モノ脂肪酸グリセリルを例示できる。具体的には、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタンおよびイソステアリン酸グリセリルを例示できる。セスキイソステアリン酸ソルビタンの市販品としては、コスモール182V(日清オイリオグループ(株)製、HLB4)、NIKKOL SS-15V(日光ケミカルズ社製、HLB4.2)、EMALEX SP15-150(日本エマルジョン社製、HLB6)が例示できる。セスキオレイン酸ソルビタンの市販品としては、コスモール82(日清オイリオグループ(株)製、HLB5)、NIKKOL SO-15V(日光ケミカルズ社製、HLB4)、レオドール AO-15V(花王(株)製、HLB4.7)が例示できる。オレイン酸ソルビタンの市販品としては、レオドール AO-10V(花王(株)製、HLB4.3)、NIKKOL SO-10V(日光ケミカルズ社製、HLB4.3)、EMALEX SPO-100(日本エマルジョン社製、HLB8)が例示できる。イソステアリン酸グリセリルの市販品としては、EMALEX GWIS-100EX(日本エマルジョン社製、HLB6)が例示できる。
非イオン性界面活性剤のアルキル基が分岐または不飽和結合を有する脂肪酸であることは、本発明のセラミド粒子の膜の流動性を高めるので好ましい。膜の流動性が高いと皮膚への浸透性の向上がより期待できるので好ましい。
【0011】
(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
本発明の(B)成分は、HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である。具体的には、PEG-100水添ヒマシ油、PEG-80水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-50水添ヒマシ油を例示できる。PEG-100水添ヒマシ油の市販品としては、NIKKOL HCO-100(日光ケミカルズ社製、HLB16.5)、EMALEX HC-100(日本エマルジョン社製、HLB15)が例示できる。PEG-80水添ヒマシ油の市販品としては、NIKKOL HCO-80(日光ケミカルルズ社製、HLB15)、EMALEX HC-80(日本エマルジョン社製、HLB15)が例示できる。PEG-60水添ヒマシ油の市販品としては、NIKKOL HCO-60(日光ケミカルズ社製、HLB14)、EMALEX HC-60(日本エマルジョン社製、HLB14)が例示できる。PEG-50水添ヒマシ油の市販品としては、NIKKOL HCO-50(日光ケミカルズ社製、HLB13.5)、EMALEX HC-50(日本エマルジョン社製、HLB13)が例示できる。本発明の(B)成分は、HLB値が14~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましく、HLB値が15~16.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより一層好ましい。
【0012】
本発明の(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤と(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、後述する(D)セラミド類および/またはフィトステロールの配合量に応じて適宜設定してよい。化粧料用組成物をそのまま化粧料とする場合は、(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤と(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、合計量で化粧料用組成物全量に対し、1~2質量%含有すると好ましい。この範囲であるとべたつきを生じないので好ましい。
【0013】
(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤と(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合比率が、1:4~3:2であると好ましい。この範囲を外れると、セラミド粒子のサイズにばらつきが生じ、凝集が生じやすくなり、化粧料用組成物の安定性が低下する恐れが高まる。(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤:(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合比率(A):(B)が1:4~3:2が好ましく、2:3~3:2であるとより好ましく、1:1の時が最も安定となり好ましい。
【0014】
本発明の(C)成分は、ジプロピレングリコール(表示名称:DPG)、ペンチレングリコール、プロピレングリコールおよびエタノールから選ばれる一以上である。界面活性剤(A)、(B)および後述する(D)セラミド類および/またはフィトステロールを溶解する目的で配合する。(C)成分の大半は、調製後に(E)水と共に分散媒となるが、(C)成分の一部は形成されたセラミド粒子の内水相にも含まれると考えられる。皮膚への安全性(低刺激性)を考慮すると、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコールが好ましい。(C)成分の配合量は、合計量で化粧料用組成物全量に対し1.5~19質量%が好ましく、3~12質量%がより好ましく、5~10質量%がより一層好ましい。
【0015】
本発明の(D)成分は、セラミド類および/またはフィトステロールである。化粧料として用いられるものであれば合成物、天然物のいずれも使用可能である。セラミド類としてはセラミド6、セラミド5、セラミド4、セラミト3、セラミド2、セラミド1が好ましく例示できる。市販品としては、セラミド6;(コスモファーム社製、CeramidoVI、N-2-ヒドロキシステアロイルフィトスフィンゴシン)、セラミド3;(コスモファーム社製、CeramidoIII、N-ステアロイルフィトスフィンゴシン)、セラミド3;(コスモファーム社製、CeramidoIIIA、N-リノレオイルフィトスフィンゴシン)、セラミド3;(コスモファーム社製、CeramidoIIIB、N-オレオイルフィトスフィンゴシン)、セラミド2;(高砂香料工業株式会社製、セラミドTIC-001、N-ステアロイルジヒドロキシスフィンゴシン)、セラミド1;(コスモファーム社製、セラミドI、N-(27-オクタデカノイルオキシ-ヘプタコサノイル)-フィトスフィンゴシン)、フィトステロールズ;(タマ生化学株式会社製、フィトステロールS、フィトステロール90%以上)が例示できる。セラミド2、セラミド3、フィトステロールが好ましい。(D)成分は、合計量で化粧料用組成物全量に対し0.05~0.7質量%含有すると好ましく、0.2~0.5質量%含有するとより好ましい。
【0016】
本発明の化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)は、安定であるため化粧品原料としてストックすることができる。ストックとする場合には、(D)セラミド類および/またはフィトステロールの配合量を前記した2~3倍量の1~1.5質量%とし、特定の比率「(A)HLB値が4~8である分岐脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤:(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合比率(A):(B)が1:4~3:2」となるように、(A)成分と(B)成分を増量して調製できる。
【0017】
(E)水
本発明の化粧料用組成物は、セラミド粒子が(E)水に分散したものである。本発明において(E)水は必須である。水の配合量は適宜設定してよいが、化粧料用組成物全量に対し50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。
【0018】
(F)塩類
本発明の化粧料用組成物は耐塩性が高い。本発明の化粧料用組成物、該化粧料用組成物を配合した化粧料には、通常化粧料に配合可能な成分(塩類)を、安定性の確認を頻回に行うことなく安心して配合することができる。(F)塩類としては、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリチルリチン酸ジカリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム等を例示できる。
【0019】
(製法)
(D)セラミド類および/またはフィトステロールを、(C)ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコールおよびエタノールから選ばれる一以上の溶剤に溶解し、さらに界面活性剤(A)及び(B)と混合してすべてを溶解させ、その混合物を(E)水に添加すると、(D)セラミド類および/またはフィトステロールが界面活性剤(A)及び(B)と共に粒子(以下セラミド粒子と呼ぶ)となって、(E)水に分散し、セラミド粒子分散物(化粧料用組成物)となる。(D)、(C)、(A)、(B)を一度に加熱混合し、それを別容器で加熱した(E)に投入してもよい。加熱温度は80~90℃が好ましく、85℃~90℃がより好ましい。攪拌は500リットル調製時で20~40rpmのパドルミキサーによる攪拌でセラミド粒子が形成される。
【0020】
(粘度)
本発明の化粧料用組成物を、B型粘度計(1号ローター、30回転/分、30秒、25℃)を用いて測定したとき、粘度は100mPa・s以下である。
【0021】
(粒子径)
粒度分布計(ELSZ-1000:大塚電子製)を用いて測定した。
セラミドの配合量を0.2質量%としたとき、セラミド粒子のサイズ(粒子径)は、150~250nmの範囲にあった。200nm前後の粒子径であるためセラミド粒子分散物は白濁して見える。
なお、セラミドの配合が少ない場合、セラミド粒子のサイズはセラミドの配合量が多い場合と比較して小さくなった。本発明においてセラミドを0.05質量%とした組成の実施例10のセラミド粒子径は100~200nmの範囲にあった。一方セラミドの配合量が0.2質量%を超えても250nmを超えるサイズのセラミド粒子は観察されなかった。本発明においては、セラミド粒子のサイズ(粒子径)は100~250nmの範囲である。
【0022】
(任意成分)
化粧料用組成物、該化粧料用組成物を配合した化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で化粧料に配合可能な成分を配合できる。前述の(F)塩類は任意成分である。例えば、多価アルコール、糖類、糖アルコール類、防腐剤、金属イオン封鎖剤、薬効成分、香料等を含有させることができる。
【0023】
セラミド粒子の安定性を考慮すると、まず(A)~(E)の構成で、セラミド粒子を形成させ、セラミド粒子分散物(化粧料用組成物)としたのちに、任意成分を配合することが重要である。
【0024】
また本発明の化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)を調製するときに油を実質的に含有しないことが好ましい。本発明において、油を実質的に配合しないとは、化粧料用組成物全量に対し0.1質量%以下であることを意味する。(A)~(D)の組成にさらに任意成分の油が加わると、それらの溶解物(A+B+C+D+任意成分の油)を(E)水に分散した時に、界面活性剤が不足してセラミド粒子以外の油滴が形成されたり、油を含むセラミド粒子が形成されたり、あるいはセラミド単体で水に分散したりして、セラミド粒子(A+B+DまたはA+B+C+D)の効率良い形成が阻害される恐れが高まる。そして調製直後や時間が経過してから、セラミドの結晶が析出する恐れが高まる。なお任意成分として油を含む化粧料としたい場合には、別に調製した乳液やクリームなどに、本発明のセラミド粒子分散物(化粧料組成物)を添加するとよい。
【0025】
本発明の化粧料組成物が低粘度であることから、そのまま化粧料とする場合、化粧水に最適である。化粧料組成物を含む化粧料とする場合は、剤型に制限はなく、粘性のある化粧水、乳液、クリーム、ジェルなどとすることができる。また皮膚化粧料、頭髪化粧料とすることができる。化粧料組成物を含む化粧料とする場合、該化粧料用組成物を化粧料全量に対し0.1~100質量%含有させることができる。
【0026】
(応用)
さらに、本発明の化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)は、衣類やマスク等の雑貨類にも応用できる。例えば、保湿機能を有するマスクにする場合、本発明の化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)をマスクに噴霧して付着させてもよいし、マスク形成時に使用してもよい。いずれも乾燥工程が入るため、最終物の形態では水が極めて少ない状態でセラミド粒子が存在している。本発明のセラミド粒子は安定性が高いので、洗濯しても容易に壊れず高い保湿性の維持が期待できる。
【0027】
本発明の化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)を、衣類やマスク等の雑貨類用途に用いる場合は、化粧料用組成物そのものを化粧料用途(化粧料)とする場合ほど、べたつきなどの使用感に留意する必要がないため、調製時の各成分の濃度を高く設定することができる。すなわちセラミド粒子分散物の調製時の(E)水の量を50~70質量%とし、残りの50~30質量%を(A)~(D)成分として、全量が100質量%の組成にすればよい。
【0028】
安定なセラミド粒子の調製のためには、(A)、(B)、(C)、(D)の配合比率が重要である。本発明のセラミド粒子分散物をそのまま化粧料用途とする場合も、化粧品原料としてストックとする場合も、雑貨類用途とする場合も、下記の比率で調製するとよい。
すなわち(E)水と共に(A)~(E)の成分の比率が、(D):〔(A)+(B)〕が1:20~1:4であり、〔(A)+(B)+(D)〕:(C)が1:7~1:1.5であり、(A):(B)が1:4~3:2であると、安定なセラミド粒子が作成できる。
まとめると、本発明のセラミド粒子は次のように示すことができる。
下記(A)~(D)を含有し、(E)水と共に、(D):〔(A)+(B)〕が1:20~1:4であり、〔(A)+(B)+(D)〕:(C)が1:7~1:1.5であり、(A):(B)が1:4~3:2の比率で調製したセラミド粒子。
(A)HLB値が4~8である分岐または不飽和結合を有する脂肪酸基を有する非イオン性界面活性剤
(B)HLB値が13~16.5であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(C)ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコールおよびエタノールから選ばれる一以上
(D)セラミド類および/またはフィトステロール
【実施例】
【0029】
以下に実施例、比較例を用いた試験を示し、本発明をさらに説明する。
表1に示す組成の実施例1~54、表2に示す組成の比較例1~28の化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)を調製した。
【0030】
(評価)
(外観)
得られた化粧料用組成物を透明な円筒容器(直径3cm)に充填し、50℃の恒温室に一か月保管後、横から外観を目視観察し、白濁か透明かを判定した。水と同程度の透明さ、あるいは青みがかった半透明のものは透明に含め、それ以外はすべて白濁とした。
【0031】
(安定性)
安定性の評価はまず目視判定で行った。目視判定においては、化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)の調製後の結晶浮きの有無、分離の有無を観察し、いずれも認められない場合を安定(一次評価)とした。次に目視判定において安定(一次評価)であると判断した化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)に関しては、粒度分布計(ELSZ-1000:大塚電子製)を用いて、セラミドを含む粒子のサイズを測定し、各温度帯(5℃、25℃、40℃、50℃、-5℃と45℃のサイクル/24時間)下で1ヶ月保管した後の粒径変化が±10%以内であるものを安定(二次評価)であると判断した。表中の安定性「○」とあるのは、二次評価においてすべての温度帯で安定であることを意味し、一か月経過後も結晶の析出、油浮き、分離のいずれもなかったものである。それ以外は安定性「×」とした。
【0032】
(顕微鏡観察)
セラミド粒子分散物またはそれを含む化粧料をスライドガラスに1滴、滴下し、5分後にカバーガラスをかぶせて顕微鏡で観察した(1000倍)。
(粒子径)
粒度分布計(ELSZ-1000:大塚電子製)を用いて測定した。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
表1~表8の結果から、本発明の構成をとることで、安定性に優れた化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)が得られることが確認できた。
図1は、顕微鏡(1000倍)で観察した、実施例4の化粧料用組成物である。粒子径が100~250nmのセラミド粒子が観察できた。なお、比較例1~28は、いずれも調製直後に分離または析出し、安定性は「×」であった。
【0042】
(耐塩性の試験)
本発明の実施例4の化粧料用組成物に塩類(塩化ナトリウム0.9質量%または硫酸マグネシウム0.45質量%)を加えて化粧料にすることを想定して、あらかじめ実施例4の組成から水を減じた組成で化粧料用組成物を調製し、そこに(F)塩類(塩化ナトリウムまたは硫酸マグネシウム)を加えて実施例55、実施例56の化粧料を調製した。また従来技術の代表として比較例29~32の化粧料を調製し、同様に塩類を添加して、耐塩性を比較した。表9に組成と結果を示す。粒度分布計(ELSZ-1000:大塚電子製)を用いて測定した実施例55のセラミド粒子径(数平均粒子径)を表10、
図2に示す。実施例56のセラミド粒子径(数平均粒子径)を表11、
図3に示す。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
比較例29と比較例30の化粧料は、調製直後は半透明であったが、いずれも50℃または40℃で2週間保管後に外観を観察すると油浮きし、3週間保管後には黄変も認められた。比較例31、比較例32の化粧料は、調製直後は透明であったが、50℃または40℃で2週間保管後に外観を観察すると析出し白濁していた。比較例29~32の組成では、いずれも安定なものは得られなかった。一方、本発明の実施例55、実施例56の塩類を含む化粧料は、5℃、25℃、40℃、50℃、-5℃と45℃のサイクル/24時間)に一か月保管後も、調製直後に観察された白濁した状態のままであり、析出や油浮き・分離が一切なかった。そして、表10と
図2、および表11と
図3の数平均粒径の変化、
図4および
図5の顕微鏡写真に示す通り、一か月経過後のセラミド粒子の粒子径は、調製直後のセラミド粒子径からほとんど変化せずに、調製直後の100~250nmの範囲を維持していた。本試験によりセラミド粒子が塩類に対して安定であることが確認できた。
【0047】
以上の結果から、本発明の化粧料用組成物(セラミド粒子分散物)、およびそれを含む化粧料は安定性に優れ、塩類の添加に対しても極めて安定であることが分かった。
次に本発明の化粧料の処方例を示す。単位は質量%である。
【0048】
(処方例1 保湿化粧水)
1.実施例1の化粧料用組成物 93.4
2.グリセリン 3
3.1,3-ブチレングリコール 3
3.グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
4.ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 0.5
別に調製した実施例1の化粧料組成物に成分2~4を加えて保湿化粧水を得た。
処方例1の保湿化粧水は白濁しており高級感が感じられた。さっぱりとした使い心地でありながら、肌がしっとりした。5℃、25℃、40℃、50℃、-5℃と45℃のサイクル/24時間)に1か月保管後も油浮き・分離や析出がなく、非常に安定であった。
【0049】
(処方例2 乳液)
1.実施例41の化粧料用組成物 10
2.グリセリン 10
3.1,3-ブチレングリコール 5
4.ベタイン 3
5.ジプロピレングリコール 7
6.クエン酸 0.01
7.クエン酸ナトリウム 0.1
8.キサンタンガム 0.08
9.1,2-ペンタンジオール 1
10.スクワラン 3
11.ジメチコン 1
12.ポリソルベート60 0.8
13.ステアリン酸ソルビタン 0.3
14.水 残余
(製法)
成分14へ成分9に分散させた成分8を加え、成分2~7も加えて撹拌溶解する(水相)。成分10~13を溶解(80~85℃)した中に、先に調製した水相(80~85℃)を加えて乳化させ、50℃付近で成分1を加え、室温まで攪拌冷却して乳液を得た。
処方例2の乳液は5℃、25℃、40℃、50℃、-5℃と45℃のサイクル/24時間)に1か月保管後も油浮き・分離や析出がなく、非常に安定であった。
【0050】
(処方例3 白濁化粧水)
1.水 残余
2.BG 1.5
3.グリセリン 3
4.DPG 5
5.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
6.PEG-80水添ヒマシ油 0.5
7.メチルグルセス-10 2.25
8.ベタイン 1.5
9.ラフィノース 0.5
10.ジグリセリン 0.1
11.ペンチレングリコール 1.75
12.エチルヘキシルグリセリン 0.07
13.セラミド2 0.2
14.クエン酸 0.04
15.クエン酸Na 0.13
(製法)
成分1、2、3、7、8、9、10、12を加熱混合した中に、成分5、6、13、4、11を加熱溶解したものを添加して攪拌し、室温まで冷却して、セラミド粒子を形成させた水分散物を得た。さらに塩類である成分14、15を添加して化粧水を得た。処方例3の化粧水は白濁しており高級感が感じられた。さっぱりとした使い心地でありながら、肌がしっとりした。5℃、25℃、40℃、50℃、-5℃と45℃のサイクル/24時間)に1か月保管後も油浮き・分離や析出がなく、非常に安定であった。