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特許7411456走行支援システム、走行支援装置及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】走行支援システム、走行支援装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20231228BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231228BHJP
   B60Q 1/52 20060101ALI20231228BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/16 D
B60Q1/52
B60Q1/50 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020040092
(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公開番号】P2021140668
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】石川 健
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 洋子
(72)【発明者】
【氏名】堀 敬滋
(72)【発明者】
【氏名】若林 賢
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-238194(JP,A)
【文献】特開平07-125572(JP,A)
【文献】特開2011-080767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60Q 1/52
B60Q 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、
前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、
前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯があり、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する走行支援システム。
【請求項2】
車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、
前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、
前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する走行支援システム。
【請求項3】
車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、
前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、
前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つ前記情報取得手段によってシフト位置を特定する情報が取得できている場合に、ハザードランプが点灯された要因を一時的な停車と検出する走行支援システム。
【請求項4】
前記情報取得手段は、複数の車両から情報を取得し、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯される地点の集中する区間がある場合に、該区間を点灯多発区間として特定する点灯多発区間特定手段と、
前記点灯多発区間に接近したユーザに対して前記点灯要因検出手段の検出結果に基づく情報の提供を行う情報提供手段と、を有する請求項1乃至請求項のいずれかに記載の走行支援システム。
【請求項5】
前記情報提供手段は、ユーザが接近した前記点灯多発区間において検出されたハザードランプが点灯された要因の内、最も多い要因を案内する請求項に記載の走行支援システム。
【請求項6】
車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、
前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、
前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯があり、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する走行支援装置。
【請求項7】
車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、
前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、
前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する走行支援装置。
【請求項8】
車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、
前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、
前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つ前記情報取得手段によってシフト位置を特定する情報が取得できている場合に、ハザードランプが点灯された要因を一時的な停車と検出する走行支援装置。
【請求項9】
コンピュータを、
車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、
して機能させる為のコンピュータプログラムであって、
前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、
前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯があり、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出するコンピュータプログラム
【請求項10】
コンピュータを、
車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、
して機能させる為のコンピュータプログラムであって、
前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、
前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出するコンピュータプログラム
【請求項11】
コンピュータを、
車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、
して機能させる為のコンピュータプログラムであって、
前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、
前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つ前記情報取得手段によってシフト位置を特定する情報が取得できている場合に、ハザードランプが点灯された要因を一時的な停車と検出するコンピュータプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行支援を行う走行支援システム、走行支援装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ナビゲーション装置等の地図データから得られる道路情報や、センタから取得した交通情報や、GPS等によって特定される現在位置等の車両の走行に係る各種情報を取得し、運転手に対する案内や、運転の補助、さらには運転への介入を行うことで適切な運転を行わせる技術について各種提案されている。
【0003】
このような走行支援の一つとしてハザードランプの点灯が過去に行われた場所に関する情報を提供する支援がある。ここで、ハザードランプの点灯が過去に行われた場所は、例えば渋滞の末尾や合流区間等の走行する車両にとって注意すべき場所であることが多い。しかしながら、その一方でハザードランプが点灯する要因としては様々な理由が存在する為、適切な情報の提供を行う為にはハザードランプが点灯された要因を検出することが重要である。そこで、例えば特開2004-17823号公報には、ハザードスイッチが押された状態にある時間の長さに基づいて、ハザードランプを点灯させた要因を検出する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-17823号公報(第3-6頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1ではハザードスイッチが押された状態にある時間の長さ、即ちハザードランプの点灯時間の長さに基づいてハザードランプを点灯させた要因を検出しているが、ハザードランプの点灯時間の長さを基準とした場合にはハザードランプが点灯された要因を正確に検出することが難しい問題があった。例えば、路上駐車中におけるハザードランプの点灯とサンキューハザードにおけるハザードランプの点灯については点灯時間に差が生じ易い一方で、渋滞末尾への接近におけるハザードランプの点灯とサンキューハザードにおけるハザードランプの点灯については点灯時間に差は生じ難い。更にハザードランプの点灯時間をどの程度の時間にするかはユーザの個性によるところが大きく、同じ要因であってもユーザによって点灯時間に大きな差が生じると考えられる。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を基準とすることによって、従来と比較してハザードランプが点灯された要因を正確に検出することを可能にした走行支援システム、走行支援装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明に係る第1の走行支援システムは、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯があり、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する
また、本発明に係る第2の走行支援システムは、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する。
また、本発明に係る第3の走行支援システムは、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つ前記情報取得手段によってシフト位置を特定する情報が取得できている場合に、ハザードランプが点灯された要因を一時的な停車と検出する。
【0008】
また、本発明に係る第1の走行支援装置は、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯があり、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する
また、本発明に係る第2の走行支援装置は、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する。
また、本発明に係る第3の走行支援装置は、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、を有し、前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つ前記情報取得手段によってシフト位置を特定する情報が取得できている場合に、ハザードランプが点灯された要因を一時的な停車と検出する。
【0009】
また、本発明に係る第1のコンピュータプログラムは、車両の走行支援を行う為のコンピュータプログラムである。具体的には、コンピュータを、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、して機能させるとともに、前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯があり、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する
また、本発明に係る第2のコンピュータプログラムは、車両の走行支援を行う為のコンピュータプログラムである。具体的には、コンピュータを、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、して機能させるとともに、前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する。
また、本発明に係る第3のコンピュータプログラムは、車両の走行支援を行う為のコンピュータプログラムである。具体的には、コンピュータを、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を特定する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段と、して機能させるとともに、前記車速の推移を特定する情報には、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を含み、前記点灯要因検出手段は、前記最大車速と前記最小車速の差が閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つ前記情報取得手段によってシフト位置を特定する情報が取得できている場合に、ハザードランプが点灯された要因を一時的な停車と検出する。
【発明の効果】
【0010】
前記構成を有する本発明に係る第1乃至第3の走行支援システム、走行支援装置及びコンピュータプログラムによれば、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移と、ハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置と、ハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様と、を基準とすることによって、従来と比較してハザードランプが点灯された要因を正確に検出することが可能となる。その結果、例えば検出した要因を用いてハザードランプの点灯が過去に行われた場所に関する情報を提供するユーザへの走行支援を行うことによって、走行に注意すべき場所について適切な走行を行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る走行支援システムを示した概略構成図である。
図2】本実施形態に係る走行支援システムの構成を示したブロック図である。
図3】プローブ情報DBに記憶されるプローブ情報の一例を示した図である。
図4】点灯履歴DBに記憶される点灯履歴情報の一例を示した図である。
図5】点灯多発区間DBに記憶される点灯多発区間情報の一例を示した図である。
図6】リンクを所定距離単位で区分した例を説明した図である。
図7】本実施形態に係るナビゲーション装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
図8】本実施形態に係る点灯要因検出処理プログラムのフローチャートである。
図9】本実施形態に係る点灯要因検出処理プログラムのフローチャートである。
図10】ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移を示した図である。
図11】本実施形態に係る情報提供処理プログラムのフローチャートである。
図12】点灯多発区間に対する情報提供の例について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る走行支援システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る走行支援システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る走行支援システム1を示した概略構成図である。図2は本実施形態に係る走行支援システム1の構成を示したブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る走行支援システム1は、プローブセンタ2が備えるサーバ装置(走行支援装置)3と、車両4に搭載された通信(案内)端末であるナビゲーション装置5と、を基本的に有する。また、サーバ装置3とナビゲーション装置5は通信ネットワーク網6を介して互いに電子データを送受信可能に構成されている。尚、ナビゲーション装置5の代わりに、例えば車両4が備える他の車載器や車両4を制御する車両制御ECUを用いても良い。また、後述のようにサーバ装置3において生成された情報を提供する対象として、ナビゲーション装置以外の通信端末(例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等)を走行支援システム1に更に含めても良い。
【0014】
ここで、本実施形態に係る走行支援システム1は所謂プローブカーシステムを構成する。ここで、プローブカーシステムとは、車両4をセンサとして情報を収集するシステムである。具体的には、車両4が速度データをはじめ、ステアリング操作やシフト位置等の各システムの作動状況をGPSの位置情報とともに予め車両4に搭載された通信装置を介してプローブセンタ2に送信し、センタ側でその収集データを様々な情報として再利用するシステムをいう。
【0015】
そして、プローブセンタ2が備えるサーバ装置3は、全国を走行する各車両4から現在時刻や走行情報等を含むプローブ情報(材料情報)を適宜収集して蓄積するとともに、蓄積されたプローブ情報から各種支援情報(例えばハザードランプが良く点灯される場所に関する情報、事故情報、渋滞情報、旅行時間等)を生成し、生成された支援情報をナビゲーション装置5に対して配信したり、支援情報を用いた各種処理を行う情報管理サーバである。特に本実施形態では、サーバ装置3は、車両4の位置情報、車両の方位情報、走行時や停車時の車両4の挙動に関する情報等を各車両4から収集し、更に収集した情報と地図情報とを組み合わせることによって、全国の各車両4においてハザードランプの点灯が行われた場所と、ハザードランプの点灯が行われた要因を特定した点灯履歴情報を生成する。更に、各車両4においてハザードランプが点灯された地点の分布に関する統計データを作成し、作成した統計データからハザードランプが点灯された地点が集中する区間(以下、点灯多発区間という)についても特定する。また、いずれかの車両が点灯多発区間に近づいた場合には、点灯多発区間に近づいていることを該区間においてハザードランプが点灯された主な要因とともに案内する為の案内情報を該当車両に対して配信する。
【0016】
一方、ナビゲーション装置5は、車両4に搭載され、格納する地図データに基づいて自車位置周辺の地図を表示したり、地図画像上において車両の現在位置を表示したり、設定された案内経路に沿った移動案内を行う車載機である。また、ナビゲーション装置5は車両4が点灯多発区間に近づいた場合に、サーバ装置3から受信した案内情報に基づいて点灯多発区間に関する案内についても行う。尚、ナビゲーション装置5の詳細については後述する。
【0017】
また、通信ネットワーク網6は全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。ここで、基地局はナビゲーション装置5との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク網6の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にあるナビゲーション装置5の通信をサーバ装置3との間で中継する役割を持つ。
【0018】
続いて、走行支援システム1が有するサーバ装置3の構成について図2を用いてより詳細に説明する。
【0019】
サーバ装置3は、図2に示すようにサーバ制御ECU11と、サーバ制御ECU11に接続された情報記録手段としてのプローブ情報DB12と、点灯履歴DB13と、点灯多発区間DB14と、サーバ側地図DB15と、センタ通信装置16と、を基本的に有する。
【0020】
サーバ制御ECU11(エレクトロニック・コントロール・ユニット)は、サーバ装置3の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、後述の点灯要因検出処理プログラム(図8図9参照)や情報提供処理プログラム(図11参照)等が記録されたROM23、ROM23から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ24等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ制御ECU11は、後述のナビゲーション装置5のECUとともに処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、情報取得手段は、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移を特定する情報を取得する。点灯要因検出手段は、情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する。
【0021】
また、プローブ情報DB12は、全国を走行する各車両4から収集したプローブ情報を累積的に記憶する記憶手段である。尚、本実施形態においては、車両4から収集されるプローブ情報として、特に(a)日時とその日時における(b)車両4が走行する地域の地域コード、(c)車両4が走行するリンク、(d)車両4の進行方向(正方向又は逆方向)、(e)リンク始点(終点)からの走行距離、(f)車両4の車速、(g)車両4のヨーレート、(h)車両4のシフト位置、(i)車両4の方向指示器の点灯態様、(j)車両4のハザードランプの点灯態様、が含まれる。
【0022】
尚、『リンク始点』と『リンク終点』は車両の進行方向に依存せずリンクの両端(ノード)に対して夫々設定された属性である。そして、車両の進行方向はリンク始点からリンクに進入してリンク終点から退出する方向を“正方向”、リンク終点からリンクに進入してリンク始点から退出する方向を“逆方向”と定義する。
【0023】
但し、プローブ情報としては上記(a)~(j)に関する情報を必ずしも全て含む必要はなく、また、(a)~(j)以外の情報(例えばブレーキ操作量、加速度、ステアリング角度、ドライブレコーダ画像等)を含む構成としても良い。
【0024】
図3はプローブ情報DB12に記憶されるプローブ情報の一例を示した図である。図3に示すように、プローブ情報は、送信元の車両を識別する車両IDと、上記(a)~(j)に関する情報等が含まれる。例えば、図3に示すプローブ情報は、ID“A”の車両4が地域コード“11”内にあるID“100001”のリンクの正方向の走行中において、3月2日の9:00:00.80にリンク始点から40m離れた地点で停車してシフト位置がDレンジからPレンジに変更され、その後の9:03:15.20に再びDレンジに変更された走行を開始したこと、更に停車前後において方向指示器やハザードランプの点灯があったことが記憶されている。同様にして、他のプローブ情報についても記憶されている。尚、図3に示す例では200msec間隔で車両からプローブ情報を収集しているが、プローブ情報の収集の間隔は200msec間隔より短く或いは長くしても良い。
【0025】
また、点灯履歴DB13は、上記プローブ情報DB12に格納されるプローブ情報の内、特に車両のハザードランプが点灯したことを示すプローブ情報に基づいて生成され、ハザードランプが点灯された車両毎に点灯した場所と点灯した要因が記憶される記憶手段である。ここで、ハザードランプが点灯された要因はハザードランプの点灯前後の車両挙動に基づいて検出され、本実施形態では以下の8つの要因に分類する。尚、ハザードランプが点灯された要因の検出方法の詳細については後述する。
(A)渋滞末尾への接近したことに伴う点灯
(B)サンキューハザード(後続車両に謝意を示す為の点灯)
(C)駐車操作中の点灯
(D)一時的に停車することに伴う点灯
(E)渋滞末尾への接近したことに伴う点灯又は路上駐車時の点灯(いずれかは特定できない)
(F)渋滞末尾への接近したことに伴う点灯又は前方車両が急減速したことに伴う点灯(いずれかは特定できない)
(G)一時的に停車することに伴う点灯、渋滞末尾への接近したことに伴う点灯又は駐車操作中の点灯(いずれかは特定できない)
(H)不明
【0026】
図4は点灯履歴DB13に記憶される点灯履歴情報の一例を示した図である。図4に示すように点灯履歴情報は、ハザードランプの点灯を行った車両の車両状況として、車両がハザードランプの点灯を開始した日時と、車両がハザードランプの点灯を開始した位置(具体的にはリンク、進行方向、リンク始点(終点)からの走行距離)と、ハザードランプを点灯した要因が記憶される。
【0027】
例えば、図4に示す例ではID“A”の車両は、地域コード“11”内にあるID“100001”のリンクの正方向の走行中において、3月2日の9:00:00.80にリンクの始点から40m離れた地点でハザードランプの点灯を開始し、その点灯の要因はサンキューハザードと検出されたことが記憶されている。同様にして他の点灯履歴情報についても記憶されている。そして、サーバ制御ECU11は、後述のように図4に示す点灯履歴情報を用いてハザードランプが点灯された地点が集中する点灯多発区間や、該区間においてハザードランプが点灯された主な要因について特定する。
【0028】
一方で、点灯多発区間DB14は、上記点灯履歴DB13に格納される点灯履歴情報を統計することによって生成されたプローブ統計情報を累積的に記憶する記憶手段である。特に本実施形態では、点灯履歴情報の統計を行うことによって全国においてハザードランプが点灯された地点が集中する点灯多発区間と、該区間においてハザードランプが点灯された主な要因を検出し、検出された点灯多発区間と要因に関する情報をプローブ統計情報として生成する。
【0029】
図5は点灯多発区間DB14に記憶される点灯多発区間情報の一例を示した図である。図5に示すように点灯多発区間情報は、統計を行った日時を特定する情報と、点灯多発区間を全国の各リンク及び進行方向について所定距離単位(例えば30m単位)で区分した区間(以下、リンク区間という)により特定した情報と、該当する区間において検出されたハザードランプが点灯された要因のうち最も割合の高い要因を含む。
【0030】
また、リンクを所定距離単位で区分したリンク区間は区間IDによって特定される。具体的には、図6に示すようにリンクを正方向の始点から所定距離単位(例えば30m単位)で区分し、リンクの正方向の始点から順に“リンクID-0”、“リンクID-1”、“リンクID-2”・・・・のIDを付する。例えば区間ID“100001-5”は、リンクID“100001”の正方向の始点から150m離れた地点から180m離れた地点までの区間を示す。従って、例えば図5の点灯多発区間情報では“100001-3”即ちリンクID“100001”の正方向の始点から90m離れた地点から120m離れた地点までのリンク区間において、ハザードランプの点灯が多く行われており、その主な要因はサンキューハザードであることを示している。一方“100002-7”即ちリンクID“100002”の正方向の始点から240m離れた地点から210m離れた地点までの逆方向のリンク区間において、ハザードランプの点灯が多く行われており、その主な要因は渋滞末尾への接近に伴う点灯であることを示している。尚、リンク区間については、上記区間IDの代わりに座標やリンク始点又はリンク終点からの距離等を用いて特定しても良い。
【0031】
そして、サーバ装置3は、点灯多発区間DB14に記憶された点灯多発区間情報によって全国において多くハザードランプの点灯が多く行われた場所と点灯が行われた主な要因を把握可能となる。そして、点灯多発区間に接近する車両がある場合には、点灯多発区間に近づいていることを該区間においてハザードランプが点灯された主な要因とともに案内する為の案内情報を、該当する車両に対して配信する。一方で、案内情報の配信されたナビゲーション装置5は、配信された案内情報を用いて点灯多発区間の存在を示唆する案内や車両の制御などを実行する。
【0032】
一方、サーバ側地図DB15は、外部からの入力データや入力操作に基づいて登録された最新のバージョンの地図情報であるサーバ側地図情報が記憶される記憶手段である。ここで、サーバ側地図情報は、道路網を始めとして経路探索、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されている。例えば、道路網を示すノード及びリンクを含むネットワークデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等からなる。
【0033】
尚、特にリンクデータとしては、リンク長を特定する情報と、リンクの終点(ノード)及びリンクの始点(ノード)に信号機が存在するか否かを特定する情報を含む。
【0034】
また、センタ通信装置16は、車両4やVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の外部の交通情報センタと通信ネットワーク網6を介して通信を行う為の通信装置である。本実施形態では、センタ通信装置16を介してプローブ情報や配信情報(案内情報)を各車両4との間で送受信する。
【0035】
次に、車両4に搭載されたナビゲーション装置5の概略構成について図7を用いて説明する。図7は本実施形態に係るナビゲーション装置5を示したブロック図である。
【0036】
図7に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置5は、ナビゲーション装置5が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU33と、ユーザからの操作を受け付ける操作部34と、ユーザに対して車両周辺の地図や交通情報等を表示する液晶ディスプレイ35と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ36と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37と、プローブセンタ2やVICSセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール38と、を有する。また、ナビゲーション装置5はCAN等の車載ネットワークを介して、車両4に搭載された各種センサやカメラとも接続されている。尚、車両4に搭載されたセンサやカメラとしては、車速センサ39、シフトレーバーセンサ40を含む。また、車両4の方向指示器41やハザードランプ42とも接続されている。
【0037】
以下に、ナビゲーション装置5が有する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS43、ヨーレートセンサ44等を含み、現在の車両の位置、方位等を検出することが可能となっている。また、車速センサ39やその他の車両に設置された各種センサの検出結果についても取得することによって、より精度の高い現在の車両の位置、方位等の検出も可能である。
【0038】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB45、走行履歴DB46、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部32をハードディスクの代わりにフラッシュメモリやメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。また、地図情報DB45、走行履歴DB46は外部のサーバに格納させ、ナビゲーション装置5が通信により取得する構成としても良い。
【0039】
ここで、地図情報DB45は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、経路の探索や変更に係る処理に用いられる探索データ、施設に関する施設データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0040】
また、走行履歴DB46は、車両4の走行情報(車両挙動)を累積して記憶した記憶手段である。尚、本実施形態では走行履歴DB46に記憶される走行情報として、特に車速センサ39、シフトレーバーセンサ40、GPS43、ヨーレートセンサ44等の各種センサの検出結果、並びに方向指示器41やハザードランプ42の点灯態様を含む。走行履歴DB46に記憶された走行情報はプローブ情報としてサーバ装置3へと随時送信される。
【0041】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、ナビゲーション装置5の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、後述の情報提供処理プログラム(図11参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU33は、処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、情報提供手段は、点灯多発区間に接近したユーザに対して点灯要因検出手段の検出結果に基づく情報の提供を行う。
【0042】
操作部34は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部34は液晶ディスプレイ35の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0043】
また、液晶ディスプレイ35には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、案内経路(走行予定経路)に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、本実施形態では、特に車両がハザードランプが点灯される地点の集中する区間を走行する場合には、該区間の手前で注意喚起を促す案内についても表示される。尚、液晶ディスプレイ35の代わりに、HUDやHMDを用いても良い。
【0044】
また、スピーカ36は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて案内経路(走行予定経路)に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、本実施形態では、特に車両がハザードランプが点灯される地点の集中する区間を走行する場合には、該区間の手前で注意喚起を促す音声案内についても出力される。
【0045】
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB45の更新等が行われる。尚、DVDドライブ37に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
【0046】
また、通信モジュール38は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやその他の外部センタ等から送信された交通情報等を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。また、車車間で通信を行う車車間通信装置や路側機との間で通信を行う路車間通信装置も含む。また、プローブ情報や配信情報をサーバ装置3との間で送受信するのにも用いられる。
【0047】
また、車速センサ39は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより車両の車速や移動距離を算出する。
【0048】
また、シフトレーバーセンサ40は、シフトレバー(図示せず)に内蔵され、シフト位置が「P(パーキング)」、「N(ニュートラル)」、「R(リバース)」、「D(ドライブ)」、「2(セカンド)」、「L(ロー)」のいずれの位置となっているかを検出可能とする。
【0049】
また、方向指示器41は、例えば車両の前方や後方に設置され、今後の車両の進行方向を示すランプからなり、ハンドル周辺に配置されたスイッチを乗員が操作することによって点灯対象とするランプ(左、右)を切り替えることが可能である。また、ナビゲーションECU33は方向指示器41から送信される信号に基づいて方向指示器41が点灯状態にあるか消灯状態にあるか、並びに点灯対象となっているランプ(左、右)についても検出することが可能である。
【0050】
また、ハザードランプ42は、例えば車両の前方や後方に設置されたランプであり、インストルメントパネルに配置されたスイッチを乗員が操作することによって点灯状態と消灯状態を切り替えることが可能である。また、ナビゲーションECU33はハザードランプ42から送信される信号に基づいてハザードランプ42が点灯状態にあるか消灯状態にあるかを検出することが可能である。
【0051】
続いて、前記構成を有する走行支援システム1が有するサーバ装置3において実行する点灯要因検出処理プログラムについて図8及び図9に基づき説明する。図8及び図9は本実施形態に係る点灯要因検出処理プログラムのフローチャートである。ここで、点灯要因検出処理プログラムは、前回プログラムを実行した時から所定時間(例えば24時間)経過後に実行され、各車両4から送信されたプローブ情報に基づいて、全国においてハザードランプが点灯された場所と点灯された要因を検出するプログラムである。尚、以下の図8及び図9にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ装置3が備えているRAM22やROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
【0052】
先ずステップ(以下、Sと略記する)1においてCPU21は、現時点でプローブ情報DB12に格納されているプローブ情報(図3)の内、現時点(即ち統計を行う時点)から所定時間(例えば24時間)前までの期間(集計期間)に収集したプローブ情報であって、且つハザードランプが点灯されたことを示すプローブ情報を抽出する。尚、プローブ情報は図3に示すように(a)日時とその日時における(b)車両4が走行する地域の地域コード、(c)車両4が走行するリンク、(d)車両4の進行方向(正方向又は逆方向)、(e)リンク始点(終点)からの走行距離、(f)車両4の車速、(g)車両4のヨーレート、(h)車両4のシフト位置、(i)車両4の方向指示器の点灯態様、(j)車両4のハザードランプの点灯態様、が含まれる。そして、全国を走行する各車両4から定期的に収集される。例えば図3に示す例では200msec間隔で車両からプローブ情報を収集している。但し、プローブ情報の収集は必ずしも200msec間隔で行う必要はない。例えば、ナビゲーション装置5において送信対象となるプローブ情報をフラッシュメモリ54等に蓄積しておき、所定期間内のプローブ情報をまとめてサーバ装置3に送信しても良い。
【0053】
以降のS2~S23の処理は前記S1で取得されたプローブ情報単位、即ちハザードランプを点灯した車両毎にループして実行し、全ての該当車両に対する処理が終了するまで繰り返し行う。
【0054】
先ず、S2においてCPU21は、プローブ情報DB12を参照し、処理対象の車両においてハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングから10秒前までの車速情報を読み出し、該当する期間内での最大の車速(以下単に最大車速という)を抽出する。例えば、車両のハザードランプの点灯前後において図10に示すような減衰する車速推移を示す場合には、前記S2で抽出される最大車速はVmaxとなる。尚、最大車速を抽出する期間はハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングから10秒前までではなく、例えば5秒前や15秒前までとしても良い。
【0055】
次に、S3においてCPU21は、プローブ情報DB12を参照し、処理対象の車両においてハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングから20秒後までの車速情報を読み出し、該当する期間内での最小の車速(以下単に最小車速という)を抽出する。例えば、車両のハザードランプの点灯前後において図10に示すような減衰する車速推移を示す場合には、前記S3で抽出される最小車速はVminとなる。尚、最小車速を抽出する期間はハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングから20秒後までではなく、例えば10秒後や30秒後までとしても良い。
【0056】
その後、S4においてCPU21は、前記S2で抽出された最大車速と前記S3で抽出された最小車速の差が30km/hよりも大きいか否か判定する。尚、前記S4において判定基準となる閾値は30km/h以外であってもよく、例えば20km/hや40km/hでも良い。
【0057】
そして、前記S2で抽出された最大車速と前記S3で抽出された最小車速の差が30km/hよりも大きいと判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、前記S2で抽出された最大車速と前記S3で抽出された最小車速の差が30km/hと同じ或いは小さいと判定された場合(S4:NO)には、S13へと移行する。尚、最大車速が最小車速よりも小さい場合についてはNOと判定される。
【0058】
S5においてCPU21は、前記S3で抽出された最小車速が0km/hよりも大きいか否か、即ちハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングから20秒後までの期間において車両が停車していないか否かを判定する。
【0059】
そして、前記S3で抽出された最小車速が0km/hよりも大きい、即ちハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングから20秒後までの期間において車両が停車していないと判定された場合(S5:YES)には、S6へと移行する。それに対して、前記S3で抽出された最小車速が0km/h、即ちハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングから20秒後までの期間において車両が停車したと判定された場合(S5:NO)には、S8へと移行する。
【0060】
S6においてCPU21は、処理対象の車両はハザードランプ点灯前後に大きく減速したが停車せずに走行を継続していることから、車両は渋滞末尾に接近したと推定する。従って、処理対象の車両においてハザードランプが点灯された要因は、“(A)渋滞末尾への接近したことに伴う点灯”と検出する。その後、S7へと移行し、処理対象の車両がハザードランプを点灯した場所に前記S6で検出された要因を紐づけ、点灯履歴情報として点灯履歴DB13へと格納する。
【0061】
一方、S8においてCPU21は、前記S2で抽出された最大車速が40km/h以下か否かを判定する。
【0062】
そして、前記S2で抽出された最大車速が40km/h以下と判定された場合(S8:YES)には、S9へと移行する。それに対して、前記S2で抽出された最大車速が40km/hよりも速いと判定された場合(S8:NO)には、S12へと移行する。尚、前記S8において判定基準となる閾値は40km/h以外であってもよく、例えば50km/hや60km/hでも良い。
【0063】
S9においてCPU21は、プローブ情報DB12を参照し、処理対象の車両においてハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前から20秒後までのシフト位置情報を読み出し、該当する期間内においてシフト位置が他の位置からP(パーキング)へと移行したか否かを判定する。尚、シフト位置を判定する期間はハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前から20秒後までである必要は無く、例えば5秒前から15秒後までとしても良い。
【0064】
そして、処理対象の車両においてハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前から20秒後まで期間においてシフト位置が他の位置からP(パーキング)へと移行したと判定された場合(S9:YES)には、S10へと移行する。それに対して、該当する期間においてシフト位置が他の位置からP(パーキング)へと移行していないと判定された場合(S9:NO)には、S11へと移行する。
【0065】
S10においてCPU21は、処理対象の車両はハザードランプ点灯前からすでに低速状態で停車後にシフト位置もPへと移行していることから、車両は例えば駐車場などの駐車スペースに対して駐車を行ったと推定する。従って、処理対象の車両においてハザードランプが点灯された要因は、“(C)駐車操作中の点灯”と検出する。その後、S7へと移行し、処理対象の車両がハザードランプを点灯した場所に前記S10で検出された要因を紐づけ、点灯履歴情報として点灯履歴DB13へと格納する。
【0066】
一方、S11においてCPU21は、処理対象の車両はハザードランプ点灯前からすでに低速状態であり、停車はしたがシフト位置はPへ移行していないことから、車両は渋滞末尾で一時的に停車したか路上駐車を行ったと推定する。従って、処理対象の車両においてハザードランプが点灯された要因は、“(E)渋滞末尾への接近したことに伴う点灯又は路上駐車時の点灯”と検出する。その後、S7へと移行し、処理対象の車両がハザードランプを点灯した場所に前記S11で検出された要因を紐づけ、点灯履歴情報として点灯履歴DB13へと格納する。
【0067】
更にS12においてCPU21は、処理対象の車両はハザードランプ点灯前は一定速度以上で走行しており、ハザードランプの点灯前後に急減速して停車したことから、車両は事前予測ができなかった渋滞末尾で一時的に停車したか前方車両が急減速したことに伴って同じく減速して停車したと推定する。従って、処理対象の車両においてハザードランプが点灯された要因は、“(F)渋滞末尾への接近したことに伴う点灯又は前方車両が急減速したことに伴う点灯”と検出する。その後、S7へと移行し、処理対象の車両がハザードランプを点灯した場所に前記S12で検出された要因を紐づけ、点灯履歴情報として点灯履歴DB13へと格納する。
【0068】
一方、S13においてCPU21は、プローブ情報DB12を参照し、処理対象の車両においてハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前までの方向指示器の点灯情報を読み出し、該当する期間内において方向指示器の点灯があったか否かを判定する。尚、方向指示器の点灯を判定する期間はハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前までである必要は無く、例えば5秒前や15秒前までとしても良い。
【0069】
そして、処理対象の車両においてハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前まで期間において方向指示器の点灯があったと判定された場合(S13:YES)には、S14へと移行する。それに対して、該当する期間において方向指示器の点灯は無かったと判定された場合(S13:NO)には、S17へと移行する。
【0070】
S14においてCPU21は、プローブ情報DB12を参照し、処理対象の車両においてハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前から20秒後までのシフト位置情報を読み出し、該当する期間内においてシフト位置が他の位置からP(パーキング)へと移行したか否かを判定する。尚、シフト位置を判定する期間はハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前から20秒後までである必要は無く、例えば5秒前から15秒後までとしても良い。
【0071】
そして、処理対象の車両においてハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前から20秒後まで期間においてシフト位置が他の位置からP(パーキング)へと移行したと判定された場合(S14:YES)には、S15へと移行する。それに対して、該当する期間においてシフト位置が他の位置からP(パーキング)へと移行していないと判定された場合(S14:NO)には、S16へと移行する。
【0072】
S15においてCPU21は、処理対象の車両はハザードランプ点灯前からすでに低速状態で方向指示器が点灯しており、停車後にシフト位置もPへと移行していることから、車両は例えば駐車場などの駐車スペースに対して駐車を行ったと推定する。従って、処理対象の車両においてハザードランプが点灯された要因は、“(C)駐車操作中の点灯”と検出する。その後、S7へと移行し、処理対象の車両がハザードランプを点灯した場所に前記S15で検出された要因を紐づけ、点灯履歴情報として点灯履歴DB13へと格納する。
【0073】
また、S16においてCPU21は、処理対象の車両はハザードランプ点灯前後において減速をほとんどしておらず、方向指示器が点灯していることから、車両は例えば合流などを行ったと推定する。従って、処理対象の車両においてハザードランプが点灯された要因は、“(B)サンキューハザード(後続車両に謝意を示す為の点灯)”と検出する。その後、S7へと移行し、処理対象の車両がハザードランプを点灯した場所に前記S16で検出された要因を紐づけ、点灯履歴情報として点灯履歴DB13へと格納する。
【0074】
一方、S17においてCPU21は、前記S3で抽出された最小車速が0km/hか否か、即ちハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングから20秒後までの期間において車両が停車したか否かを判定する。尚、極めて0に近い速度(例えば5km/h未満)についても0とみなしても良い。
【0075】
そして、前記S3で抽出された最小車速が0km/h、即ちハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングから20秒後までの期間において車両が停車したと判定された場合(S17:YES)には、S18へと移行する。それに対して、前記S3で抽出された最小車速が0km/hでない、即ちハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングから20秒後までの期間において車両が停車していないと判定された場合(S17:NO)には、S23へと移行する。
【0076】
S18においてCPU21は、プローブ情報DB12を参照し、処理対象の車両においてハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前から20秒後までのシフト位置情報を読み出し、該当する期間内においてシフト位置が他の位置からP(パーキング)へと移行したか否かを判定する。尚、シフト位置を判定する期間はハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前から20秒後までである必要は無く、例えば5秒前から15秒後までとしても良い。
【0077】
そして、処理対象の車両においてハザードランプの点灯が発生(開始)したタイミングに対して10秒前から20秒後まで期間においてシフト位置が他の位置からP(パーキング)へと移行したと判定された場合(S18:YES)には、S19へと移行する。それに対して、該当する期間においてシフト位置が他の位置からP(パーキング)へと移行していないと判定された場合(S18:NO)には、S20へと移行する。
【0078】
S19においてCPU21は、処理対象の車両はハザードランプ点灯前からすでに低速状態で、方向指示器は点灯していないものの停車後にシフト位置がPへと移行していることから、車両は例えば駐車場などの駐車スペースに対して駐車を行ったと推定する。従って、処理対象の車両においてハザードランプが点灯された要因は、“(C)駐車操作中の点灯”と検出する。その後、S7へと移行し、処理対象の車両がハザードランプを点灯した場所に前記S19で検出された要因を紐づけ、点灯履歴情報として点灯履歴DB13へと格納する。
【0079】
一方、S20においてCPU21は、プローブ情報DB12を参照し、前記S18で判定対象となったシフト位置情報(ハザードランプの点灯が発生したタイミングに対して10秒前から20秒後まで期間のシフト位置情報)が存在するか否かを判定する。シフト位置情報が存在しない場合としては、例えばプローブ情報の取得時において通信障害が生じた場合、シフト位置の送信に対応していない一部の車両が対象の場合等がある。
【0080】
そして、シフト位置情報が存在すると判定された場合(S20:YES)には、S21へと移行する。それに対して、シフト位置情報が存在しないと判定された場合(S20:NO)には、S22へと移行する。
【0081】
S21においてCPU21は、処理対象の車両はハザードランプ点灯前からすでに低速状態で、その後に方向指示器を点灯せずに停車するが、シフト位置はPへ移行していないことから、車両は例えばナビゲーション装置や携帯電話等の操作の為に一時的に停車したと推定する。従って、処理対象の車両においてハザードランプが点灯された要因は、“(D)一時的に停車することに伴う点灯”と検出する。その後、S7へと移行し、処理対象の車両がハザードランプを点灯した場所に前記S21で検出された要因を紐づけ、点灯履歴情報として点灯履歴DB13へと格納する。
【0082】
一方、S22においてCPU21は、処理対象の車両はハザードランプ点灯前からすでに低速状態で、その後に方向指示器を点灯せずに停車するが、シフト位置はPへ移行したか否か不明であることから、車両は何らかの理由で徐々に減速して停車したことのみは推定できる。従って、処理対象の車両においてハザードランプが点灯された要因は、“(G)一時的に停車することに伴う点灯、渋滞末尾への接近したことに伴う点灯又は駐車操作中の点灯”と検出する。その後、S7へと移行し、処理対象の車両がハザードランプを点灯した場所に前記S22で検出された要因を紐づけ、点灯履歴情報として点灯履歴DB13へと格納する。
【0083】
それに対してS23でCPU21は、車両の挙動からハザードランプが点灯した要因を特定できないことから、処理対象の車両においてハザードランプが点灯された要因は“(H)不明”と検出する。その後、S7へと移行し、処理対象の車両がハザードランプを点灯した場所に前記S23で検出された要因を紐づけ、点灯履歴情報として点灯履歴DB13へと格納する。
【0084】
そして、上記S2~S23の処理を前記S1で取得されたプローブ情報、即ちハザードランプを点灯した全ての車両に対して実行することにより、点灯履歴DB13には図4に示すように全国においてハザードランプが点灯された車両毎に点灯した場所と点灯した要因を特定した点灯履歴情報が格納されることとなる。
【0085】
続いて、S24においてCPU21は、現時点で点灯履歴DB13に格納されている点灯履歴情報に基づいて、ハザードランプが点灯された地点の集計を行う。尚、集計はリンク区間単位で行われる。即ち、リンク区間及び進行方向毎に該区間及び進行方向内に含まれるハザードランプが点灯された地点の数をカウントする。尚、リンク区間は前述したようにリンクを正方向の始点から所定距離単位(例えば30m単位)で区分した区間である(図6参照)。
【0086】
その後、S25においてCPU21は、前記S24の集計結果に基づいてハザードランプが点灯される地点の集中する区間及び進行方向がある場合に、該区間を点灯多発区間として特定する。
【0087】
尚、点灯多発区間はリンク区間単位で特定される。例えば、点灯履歴DB13に格納されている点灯履歴情報を参照してハザードランプが点灯された回数が閾値以上のリンク区間及び進行方向について点灯多発区間に設定する。尚、閾値は集計期間の長さに応じて適宜変更可能であるが、例えば『10』とする。また、前記S25では回数ではなく発生頻度に基づいて点灯多発区間を特定しても良い。例えば集計期間内に該当のリンク区間を車両が走行した全体の走行回数をプローブ情報から取得し、ハザードランプを点灯した走行回数の割合が閾値(例えば30%)以上のリンク区間及び進行方向について点灯多発区間に設定する。
【0088】
その後、S26においてCPU21は、前記S25で特定された点灯多発区間毎に、該点灯多発区間においてハザードランプが点灯された要因の内、最も多い要因(最も割合の高い要因であり、以下主要因という)を特定する。尚、ハザードランプが点灯された要因については過去のハザードランプの点灯毎に前述したS2~S23の処理により検出され、点灯履歴DB13に格納されている。そして、CPU21は前記S25で特定された点灯多発区間に対して主要因を紐づけて点灯多発区間情報として点灯多発区間DB14に格納する。その結果、サーバ装置3は、点灯多発区間DB14に記憶された点灯多発区間情報によって全国において多くハザードランプの点灯が多く行われた場所と点灯が行われた主な要因を把握可能となる。
【0089】
次に、本実施形態に係る走行支援システム1を構成するサーバ装置3及びナビゲーション装置5において実行する情報提供処理プログラムについて図11に基づき説明する。図11は本実施形態に係る情報提供処理プログラムのフローチャートである。ここで、情報提供処理プログラムは車両4のACC電源(accessory power supply)がONされた後に実行され、前述した点灯要因検出処理プログラム(図8図9)において検出した点灯多発区間と主要因を用いて、点灯多発区間に関する情報の提供を行うプログラムである。また、以下の情報提供処理プログラムは、ナビゲーション装置5の代わりにナビゲーション装置5以外の通信端末(例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等)により実行しても良い。
【0090】
先ず、ナビゲーション装置5において実行される情報提供処理プログラムについて説明する。
S31においてCPU51は、サーバ装置3からユーザの進行方向前方にある点灯多発区間とその主要因を案内する為の案内情報を受信する。尚、案内情報が送信される条件の詳細については後述するが、特にユーザの進行方向前方の所定距離以内に点灯多発区間が接近した場合に送信される。
【0091】
その後、S32においてCPU51は、前記S31で受信した案内情報に基づいて、点灯多発区間の存在を示唆する案内を行う。また、点灯多発区間がどのような区間であるか(ユーザが注意すべき事項)をユーザに把握させるために、点灯多発区間の主要因について直接的または間接的に案内する。例えば図12に示すように渋滞末尾への接近したことに伴う点灯が主要因となる点灯多発区間にユーザが接近する場合には、「この先、渋滞に気を付けてください」との音声をスピーカ36から出力する。また、サンキューハザードに伴う点灯が主要因となる点灯多発区間にユーザが接近する場合には、「この先、合流や車線変更の発生が多い区間がありますので注意してください」との音声をスピーカ36から出力する。また、前方車両の急減速に伴う点灯が主要因となる点灯多発区間にユーザが接近する場合には、「この先、前が詰まりやすくなりますので注意してください」との音声をスピーカ36から出力する。また、路上駐車に伴う点灯が主要因となる点灯多発区間にユーザが接近する場合には、「この先、路上駐車の多い区間がありますので注意してください」との音声をスピーカ36から出力する。その結果、ユーザは進行方向にある注意すべき区間の存在と、その区間に対して注意すべき事項について把握することが可能となる。
【0092】
尚、上記音声案内の出力に加えて、液晶ディスプレイ35に表示された地図画像上において、点灯多発区間に該当する箇所に主要因に対応したアイコンを表示するなどして運転者に識別できるように表示しても良い。
【0093】
次に、サーバ装置3において実行される情報提供処理プログラムについて説明する。
先ず、S41においてCPU21は、点灯多発区間DB14に格納された点灯多発区間情報と全国を走行する各車両4から収集するリアルタイムのプローブ情報に基づいて、特にいずれかの点灯多発区間に所定距離(例えば300m)以内に接近した車両が存在するか否か判定する。
【0094】
そして、いずれかの点灯多発区間に所定距離以内に接近した車両が存在すると判定された場合(S41:YES)には、S42へと移行する。それに対して、いずれかの点灯多発区間に所定距離以内に接近した車両が存在しないと判定された場合(S41:NO)には、案内を行うことなく当該情報提供処理プログラムを終了する。
【0095】
S42においてCPU21は、点灯多発区間DB14に格納された点灯多発区間情報を読み出し、車両が接近すると判定された点灯多発区間に紐づけられた主要因を特定し、特定された主要因を用いて点灯多発区間を案内する為の案内情報を生成する。例えば音声案内を行う際には出力対象となる音声データが案内情報として生成される。ここで、上述したように点灯多発区間の案内を行う際には、点灯多発区間がどのような区間であるか(ユーザが注意すべき事項)をユーザに把握させることが重要となる。従って、図12に示すように点灯多発区間の主要因について直接的または間接的に案内する案内情報を生成する。
【0096】
続いて、S43においてCPU21は、前記S42で生成された点灯多発区間を案内する為の案内情報を該当する車両のナビゲーション装置5へと配信する。その後、ナビゲーション装置5において点灯多発区間に関する案内が行われる(S32)。
【0097】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る走行支援システム1、サーバ装置3及びサーバ装置3で実行されるコンピュータプログラムでは、車両のハザードランプが点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移を特定する情報を取得し(S1)、取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する(S2~S23)ので、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移を基準とすることによって、従来と比較してハザードランプが点灯された要因を正確に検出することが可能となる。その結果、例えば検出した要因を用いてハザードランプの点灯が過去に行われた場所に関する情報を提供するユーザへの走行支援を行うことによって、走行に注意すべき場所について適切な走行を行わせることが可能となる。
【0098】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではハザードランプが点灯される要因として(A)~(H)の8つの要因を検出対象としているが、それ以外の要因を検出対象としても良い。また、分類の数を減らしても良い。また、点灯要因検出処理プログラム(図8図9)で用いた各種閾値は適宜変更することが可能である。
【0099】
また、本実施形態では先ずハザードランプの点灯履歴毎にハザードランプが点灯された要因を特定し、その後に点灯多発区間を特定しているが、点灯多発区間を特定した後にハザードランプが点灯された要因を特定しても良い。
【0100】
また、本実施形態ではハザードランプの点灯された要因を検出する為に用いるハザードランプの点灯前後の車両挙動として、特にハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を用いているが、最大車速や最小車速の代わりに平均車速を用いても良い。即ち、ハザードランプの点灯開始から所定時間前までの車両の平均車速と点灯開始から所定時間後までの車両の平均車速を用いてS4以降の処理を行っても良い。
【0101】
また、本実施形態ではハザードランプの点灯された要因を検出する為に用いるハザードランプの点灯前後の車両挙動として、シフト位置と方向指示器の点灯態様についても用いているが、他の車両挙動を用いても良い。例えば、ヨーレート、車両に生じた加速度等が挙げられる。
【0102】
また、本実施形態では、ハザードランプが点灯された要因を用いた制御(ユーザへのサービス提供)として、点灯多発区間に関する案内を行っているが、他の制御を行っても良い。例えば、点灯多発区間の手前において要因に応じた減速制御等の車両制御を行うようにしても良い。
【0103】
また、本実施形態では図8図9に示す点灯要因検出処理プログラムの実行主体は、サーバ装置3であったが、ナビゲーション装置5が実行する構成としても良い。その場合に、他車両の車両挙動を用いずに自車の車両挙動のみを用いてハザードランプの点灯要因を検出するのであれば、走行支援システム1においてサーバ装置3は必須の要素ではなく、走行支援システム1をナビゲーション装置5のみで構成することも可能である。
【0104】
また、点灯多発区間に関する案内を行う手段としてはナビゲーション装置5の代わりに、走行案内機能を有する他の装置を用いても良い。例えば、ナビゲーション装置5以外の車載器、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等が可能である。
【0105】
また、本発明に係る走行支援システムを具体化した実施例について上記に説明したが、走行支援システムは以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
【0106】
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
車両(4)のハザードランプ(42)が点灯した場合に、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移を特定する情報を取得する情報取得手段(21)と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯された要因を検出する点灯要因検出手段(21)と、を有する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移を基準とすることによって、従来と比較してハザードランプが点灯された要因を正確に検出することが可能となる。その結果、例えば検出した要因を用いてハザードランプの点灯が過去に行われた場所に関する情報を提供するユーザへの走行支援を行うことによって、走行に注意すべき場所について適切な走行を行わせることが可能となる。
【0107】
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記情報取得手段(21)は、前記車速の推移を特定する情報としてハザードランプ(42)の点灯開始から所定時間前までの車両の最大車速と点灯開始から所定時間後までの車両の最小車速を夫々特定する情報を取得する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプの点灯前後における車両の車速の推移として特にハザードランプの点灯前の最大速度と点灯後の最小速度を用いることによって、ハザードランプの点灯前後における車両の挙動を正確に把握でき、従来と比較してハザードランプが点灯された要因を正確に検出することが可能となる。
【0108】
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記点灯要因検出手段(21)は、前記最大車速と前記最小車速の差が第1閾値以上の場合であって、且つ前記最小車速が0より大きい場合に、ハザードランプが点灯された要因を渋滞末尾への接近と検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプ点灯前後に大きく減速したが停車せずに走行を継続している車両挙動を示す場合において、車両は渋滞末尾に接近したと推定できる。従って、車両においてハザードランプが点灯された要因が渋滞末尾への接近したことに伴う点灯である場合についてそれを正確に検出することが可能となる。
【0109】
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記点灯要因検出手段(21)は、前記最大車速と前記最小車速の差が第1閾値以上の場合であって、且つ前記最大車速が第2閾値より速く最小車速が0である場合に、ハザードランプが点灯された要因を渋滞末尾への接近又は前方車両の急減速と検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプ点灯前は一定速度以上で走行しており、ハザードランプの点灯前後に急減速して停車したことから、車両は事前予測ができなかった渋滞末尾で一時的に停車したか前方車両が急減速したことに伴って同じく減速して停車したと推定できる。従って、車両においてハザードランプが点灯された要因が渋滞末尾への接近したことに伴う点灯又は前方車両が急減速したことに伴う点灯である場合についてそれを正確に検出することが可能となる。
【0110】
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記情報取得手段(21)は、前記車速の推移とともにハザードランプの点灯前後における車両のシフト位置を特定する情報についても取得し、前記点灯要因検出手段(21)は、前記車速の推移と前記車両のシフト位置とに基づいてハザードランプが点灯された要因を検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプの点灯前後における車両の挙動として、車速の推移に加えて車両のシフト位置についても用いてハザードランプの点灯された要因を検出するので、ハザードランプの点灯前後における車両の挙動を正確に把握でき、従来と比較してハザードランプが点灯された要因を正確に検出することが可能となる。
【0111】
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記点灯要因検出手段(21)は、前記最大車速と前記最小車速の差が第1閾値以上の場合であって、前記最大車速が第2閾値以下で、前記最小車速が0で、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプ点灯前からすでに低速状態で停車後にシフト位置もパーキングへと移行していることから、車両は例えば駐車場などの駐車スペースに対して駐車を行ったと推定できる。従って、車両においてハザードランプが点灯された要因が駐車操作中の点灯である場合についてそれを正確に検出することが可能となる。
【0112】
また、第7の構成は以下のとおりである。
前記点灯要因検出手段(21)は、前記最大車速と前記最小車速の差が第1閾値以上の場合であって、前記最大車速が第2閾値以下で、前記最小車速が0で、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキングへと移行していない場合に、ハザードランプが点灯された要因を渋滞末尾への接近又は路上駐車時の点灯と検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプ点灯前からすでに低速状態であり、停車はしたがシフト位置はパーキングへ移行していないことから、車両は渋滞末尾で一時的に停車したか路上駐車を行ったと推定できる。従って、車両においてハザードランプが点灯された要因が渋滞末尾への接近したことに伴う点灯又は路上駐車時の点灯である場合についてそれを正確に検出することが可能となる。
【0113】
また、第8の構成は以下のとおりである。
前記情報取得手段(21)は、前記車速の推移と前記車両のシフト位置ともにハザードランプの点灯前後における車両の方向指示器の点灯態様を特定する情報についても取得し、前記点灯要因検出手段(21)は、前記車速の推移と前記車両のシフト位置と前記車両の方向指示器の点灯態様とに基づいてハザードランプが点灯された要因を検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプの点灯前後における車両の挙動として、車速の推移に加えて方向指示器の点灯態様についても用いてハザードランプの点灯された要因を検出するので、ハザードランプの点灯前後における車両の挙動を正確に把握でき、従来と比較してハザードランプが点灯された要因を正確に検出することが可能となる。
【0114】
また、第9の構成は以下のとおりである。
前記点灯要因検出手段(21)は、前記最大車速と前記最小車速の差が第1閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯があり、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプ点灯前からすでに低速状態で方向指示器が点灯しており、停車後にシフト位置もパーキングへと移行していることから、車両は例えば駐車場などの駐車スペースに対して駐車を行ったと推定できる。従って、車両においてハザードランプが点灯された要因が駐車操作中の点灯である場合についてそれを正確に検出することが可能となる。
【0115】
また、第10の構成は以下のとおりである。
前記点灯要因検出手段(21)は、前記最大車速と前記最小車速の差が第1閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯があり、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキングへと移行しない場合に、ハザードランプが点灯された要因をサンキューハザードと検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプ点灯前後において減速をほとんどしておらず、方向指示器が点灯していることから、車両は例えば合流などを行ったと推定できる。従って、車両においてハザードランプが点灯された要因がサンキューハザード(後続車両に謝意を示す為の点灯)である場合についてそれを正確に検出することが可能となる。
【0116】
また、第11の構成は以下のとおりである。
前記点灯要因検出手段(11)は、前記最大車速と前記最小車速の差が第1閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つハザードランプの点灯前後においてシフト位置がパーキング以外からパーキングへと移行した場合に、ハザードランプが点灯された要因を駐車操作中の点灯と検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプ点灯前からすでに低速状態で、方向指示器は点灯していないものの停車後にシフト位置がPへと移行していることから、車両は例えば駐車場などの駐車スペースに対して駐車を行ったと推定できる。従って、車両においてハザードランプが点灯された要因が駐車操作中の点灯である場合についてそれを正確に検出することが可能となる。
【0117】
また、第12の構成は以下のとおりである。
前記点灯要因検出手段(21)は、前記最大車速と前記最小車速の差が第1閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つ前記情報取得手段によってシフト位置を特定する情報が取得できている場合に、ハザードランプが点灯された要因を一時的な停車と検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプ点灯前からすでに低速状態で、その後に方向指示器を点灯せずに停車するが、シフト位置はパーキングへ移行していないことから、車両は例えばナビゲーション装置や携帯電話等の操作の為に一時的に停車したと推定できる。従って、車両においてハザードランプが点灯された要因が一時的に停車することに伴う点灯である場合についてそれを正確に検出することが可能となる。
【0118】
また、第13の構成は以下のとおりである。
前記点灯要因検出手段(21)は、前記最大車速と前記最小車速の差が第1閾値未満の場合であって、ハザードランプの点灯前の所定期間内において方向指示器の点灯が無く、前記最小車速が0で、且つ前記情報取得手段によってシフト位置を特定する情報が取得できない場合に、ハザードランプが点灯された要因を路上駐車時の点灯、一時的な停車又は駐車操作中の点灯と検出する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、ハザードランプ点灯前からすでに低速状態で、その後に方向指示器を点灯せずに停車するが、シフト位置はPへ移行したか否か不明であることから、車両は何らかの理由で徐々に減速して停車したことのみは推定できる。従って、車両においてハザードランプが点灯された要因が一時的に停車することに伴う点灯、渋滞末尾への接近したことに伴う点灯又は駐車操作中の点灯のいずれかである場合についてそれを正確に検出することが可能となる。
【0119】
また、第14の構成は以下のとおりである。
前記情報取得手段(21)は、複数の車両から情報を取得し、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、ハザードランプが点灯される地点の集中する区間がある場合に、該区間を点灯多発区間として特定する点灯多発区間特定手段(21)と、前記点灯多発区間に接近したユーザに対して前記点灯要因検出手段の検出結果に基づく情報の提供を行う情報提供手段(21)と、を有する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、特にユーザの進行方向にハザードランプの点灯が多く行われる区間が存在する場合において該区間に関する情報提供を行うことによって、ユーザに進行方向にある注意すべき区間の存在について把握させることが可能となる。更に、ハザードランプが点灯された要因に基づいた情報提供を行うことによって、ユーザは案内された区間に対して注意すべき事項について把握することが可能となる。
【0120】
また、第15の構成は以下のとおりである。
前記情報提供手段(21)は、ユーザが接近した前記点灯多発区間において検出されたハザードランプが点灯された要因の内、最も多い要因を案内する。
上記構成を有する走行支援システムによれば、特にユーザの進行方向にハザードランプの点灯が多く行われる区間が存在する場合において、ユーザに該区間においてユーザが最も注意すべき事項について把握させることが可能となる。
【符号の説明】
【0121】
1 走行支援システム
2 プローブセンタ
3 サーバ装置
4 車両
5 ナビゲーション装置
11 サーバ制御ECU
21 CPU
12 プローブ情報DB
13 点灯履歴DB
14 点灯多発区間DB
33 ナビゲーションECU
40 シフトレーバーセンサ
41 方向指示器
42 ハザードランプ
51 CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12