(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】風呂装置
(51)【国際特許分類】
A47K 3/00 20060101AFI20231228BHJP
A61H 33/04 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A47K3/00 G
A61H33/04 A
A47K3/00 E
(21)【出願番号】P 2020069312
(22)【出願日】2020-04-07
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 真平
(72)【発明者】
【氏名】小田 雄一
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-018118(JP,A)
【文献】特開2010-155211(JP,A)
【文献】特開2002-085274(JP,A)
【文献】特開2002-221182(JP,A)
【文献】特開平11-009479(JP,A)
【文献】特開平04-146752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
A61H 33/04
F24H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽と、
前記浴槽内の水を循環させる循環路と、
前記循環路に設けられている循環ポンプと、
前記循環路内の水の流れを検知する水流検知部と、
前記循環路に設けられており、水に気体を溶解させるタンクと、
前記循環路の前記タンクよりも上流側に設けられている加圧ポンプと、
前記タンクに接続されており、前記タンクに気体を導入可能な気体導入部と、
前記浴槽に取付けられる微細気泡吐出ノズルと、
一端が給水源に接続されており、他端が前記循環路に接続されている給水路と、
前記給水路に設けられており、前記給水路を開閉する水供給弁と、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記循環ポンプを駆動させて、前記浴槽内の水を循環させる循環運転を、前記水流検知部によって前記循環路内の水の流れを検知する場合に、継続して実行するように構成されており、
前記制御装置は、
前記気体導入部から前記タンクに気体を導入させる気体導入運転と、
前記加圧ポンプを駆動させて前記タンクに水を供給し、水に前記タンク内の気体を溶解させて、気体溶解水を生成し、生成した前記気体溶解水を、前記微細気泡吐出ノズルを介して、前記浴槽に噴出する給水運転と、
を実行する微細気泡供給運転を実行可能に構成されており、
前記微細気泡供給運転の開始を指示する第1開始指示を受信する場合に、前記微細気泡供給運転を開始し、運転終了条件が満たされると、前記微細気泡供給運転を終了するように構成されており、
前記運転終了条件は、前記気体導入運転及び前記給水運転の実行回数が所定回数に到達すること、又は、前記微細気泡供給運転を開始してから所定時間が経過することであり、
前記微細気泡供給運転を開始してから、前記運転終了条件が満たされる前に、前記微細気泡供給運転の中断を指示する中断指示を受信する場合に、
前記水供給弁を閉状態として、前記循環ポンプを駆動させ、前記浴槽内の水を前記タンクに供給する第1タンク注水運転と、
前記水供給弁を開状態として、前記給水源からの水を前記タンクに供給する第2タンク注水運転と、
のうちのいずれかの運転を実行するように構成されている、
風呂装置。
【請求項2】
前記風呂装置は、さらに、
前記タンク内の水位が第1所定水位以上であることを検知可能な第1水位センサを備え、
前記制御装置は、
前記第1タンク注水運転又は前記第2タンク注水運転において、前記タンク内の前記水位が前記第1所定水位に到達する場合に、前記第1タンク注水運転又は前記第2タンク注水運転を終了する、請求項1に記載の風呂装置。
【請求項3】
前記風呂装置は、さらに、
前記循環路に設けられており、前記循環路内の水を加熱する加熱装置を備え、
前記循環運転は、前記水供給弁を前記閉状態として、前記循環ポンプを
駆動させて、前記浴槽内の水を循環させ、前記水流検知部によって前記循環路内の水の流れを検知する場合に、前記加熱装置を駆動させて、前記浴槽内の水を加熱する追い焚き運転であり、
前記制御装置は、
前記追い焚き運転の開始を指示する第2開始指示を受信する場合に、前記追い焚き運転を開始するように構成されており、
前記中断指示は、前記微細気泡供給運転を開始してから、前記運転終了条件が満たされる前に受信される前記第2開始指示を含み、
前記制御装置は、
前記微細気泡供給運転を開始してから、前記運転終了条件が満たされる前に、前記第2開始指示による前記中断指示を受信する場合に、前記第1タンク注水運転を実行し、前記第1タンク注水運転を終了した後に、前記追い焚き運転を実行するように構成されている、請求項1又は2に記載の風呂装置。
【請求項4】
前記風呂装置は、さらに、
前記タンク内の水位が第2所定水位以上であることを検知可能な第2水位センサを備え、
前記制御装置は、
前記微細気泡供給運転を開始してから、前記運転終了条件が満たされる前に、前記中断指示を受信し、かつ、前記タンク内の前記水位が前記第2所定水位未満である場合に、前記第1タンク注水運転又は前記第2タンク注水運転を実行するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の風呂装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、風呂装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浴槽と、浴槽内の水を循環させる循環路と、循環路に設けられている循環ポンプと、循環路に設けられており、水に気体を溶解させるタンクと、循環路のタンクよりも上流側に設けられている加圧ポンプと、タンクに接続されており、タンクに気体を導入可能な気体導入部と、浴槽に取付けられる微細気泡吐出ノズルと、一端が給水源に接続されており、他端が循環路に接続されている給水路と、給水路に設けられており、給水路を開閉する水供給弁と、制御装置と、を備える風呂装置が開示されている。制御装置は、水供給弁が閉状態であり、かつ、加圧ポンプが停止されている状態において、気体導入部からタンクに気体を導入させる気体導入運転と、水供給弁が閉状態である状態において、循環ポンプ及び加圧ポンプを駆動させてタンクに水を供給し、水にタンク内の気体を溶解させて、気体溶解水を生成し、生成した気体溶解水を、微細気泡吐出ノズルを介して、浴槽に噴出する給水運転と、を実行する微細気泡供給運転を実行可能に構成されている。制御装置は、微細気泡供給運転の開始を指示する開始指示を受信する場合に、微細気泡供給運転を開始し、運転終了条件が満たされると、微細気泡供給運転を終了するように構成されている。このような風呂装置では、気体導入運転の終了直後におけるタンク内の状態は、水がほぼ空である状態(即ち、タンク内が空気でほぼ満たされている状態)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような風呂装置において、循環路内の水の流れを検知する水流検知部を備える場合がある。また、制御装置が、循環ポンプを駆動させて、浴槽内の水を循環させる循環運転を、水流検知部によって循環路内の水の流れを検知する場合に、継続して実行するように構成されていることがある。
【0005】
特許文献1の風呂装置において、制御装置は、運転終了条件が満たされる場合に、水供給弁を開状態として、給水源からの水をタンクに供給するタンク注水運転を実行している。しかしながら、特許文献1の風呂装置では、運転終了条件が満たされる前に、微細気泡供給運転の実行が中断される状況について何ら想定されていない。例えば、気体導入運転の終了直後に微細気泡供給運転の実行が中断される場合等、タンク内がほぼ空である状態、即ち、タンク内が空気でほぼ満たされている状態で微細気泡供給運転が中断することがある。そして、例えば、微細気泡供給運転が中断された直後に、循環ポンプが駆動される循環運転が実行されると、タンクの出口近傍の空気が循環路内を流れることがある。この場合、循環路内を流れる空気の影響で、水流検知が循環路内の水の流れを検知しなくなり、循環運転が適切に実行されない(即ち、循環運転が継続されない)場合がある。
【0006】
本発明は、微細気泡供給運転が中断された後においても、風呂装置が循環運転を適切に実行できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される一実施形態の風呂装置は、浴槽と、前記浴槽内の水を循環させる循環路と、前記循環路に設けられている循環ポンプと、前記循環路内の水の流れを検知する水流検知部と、前記循環路に設けられており、水に気体を溶解させるタンクと、前記循環路の前記タンクよりも上流側に設けられている加圧ポンプと、前記タンクに接続されており、前記タンクに気体を導入可能な気体導入部と、前記浴槽に取付けられる微細気泡吐出ノズルと、一端が給水源に接続されており、他端が前記循環路に接続されている給水路と、前記給水路に設けられており、前記給水路を開閉する水供給弁と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記循環ポンプを駆動させて、前記浴槽内の水を循環させる循環運転を、前記水流検知部によって前記循環路内の水の流れを検知する場合に、継続して実行するように構成されており、前記制御装置は、前記気体導入部から前記タンクに気体を導入させる気体導入運転と、前記加圧ポンプを駆動させて前記タンクに水を供給し、水に前記タンク内の気体を溶解させて、気体溶解水を生成し、生成した前記気体溶解水を、前記微細気泡吐出ノズルを介して、前記浴槽に噴出する給水運転と、を実行する微細気泡供給運転を実行可能に構成されており、前記微細気泡供給運転の開始を指示する第1開始指示を受信する場合に、前記微細気泡供給運転を開始し、運転終了条件が満たされると、前記微細気泡供給運転を終了するように構成されており、前記運転終了条件は、前記気体導入運転及び前記給水運転の実行回数が所定回数に到達すること、又は、前記微細気泡供給運転を開始してから所定時間が経過することであり、前記微細気泡供給運転を開始してから、前記運転終了条件が満たされる前に、前記微細気泡供給運転の中断を指示する中断指示を受信する場合に、前記水供給弁を閉状態として、前記循環ポンプを駆動させ、前記浴槽内の水を前記タンクに供給する第1タンク注水運転と、前記水供給弁を開状態として、前記給水源からの水を前記タンクに供給する第2タンク注水運転と、のうちのいずれかの運転を実行するように構成されている。
【0008】
上記の構成によると、制御装置は、微細気泡供給運転を中断する場合に、第1タンク注水運転又は第2タンク注水運転を実行する。このため、微細気泡供給運転を中断した時点のタンク内の水がほぼ空の状態(即ち、タンク内が空気でほぼ満たされている状態)であったとしても、第1タンク注水運転又は第2タンク注水運転によって、タンク内には水が溜まっていく。このため、第1タンク注水運転又は第2タンク注水運転が実行された後において、循環運転が実行されても、空気が循環路に流れ込むことを抑制することができる。従って、微細気泡供給運転が中断された後においても、水流検知部によって、循環路内の水の流れが適切に検知されるため、風呂装置が循環運転を適切に実行(即ち、循環運転を継続)できる。
【0009】
風呂装置は、さらに、タンク内の水位が第1所定水位以上であることを検知可能な第1水位センサを備えてもよい。制御装置は、第1タンク注水運転又は第2タンク注水運転において、タンク内の水位が第1所定水位に到達する場合に、第1タンク注水運転又は第2タンク注水運転を終了してもよい。
【0010】
タンクの下部に空気が存在している場合、タンク内の空気が循環路に流れ込みやすく、タンクの上部に空気が存在している場合、タンク内の空気が循環路に流れ込みにくい。このため、タンクの上部に空気が存在している場合でも、空気が循環路に流れ込むことがない水位である第1所定水位を検知可能なように第1水位センサを設置することで、微細気泡供給運転が中断された後に、タンク内の空気が循環路に流れ込むことをより確実に防止することができる。
【0011】
風呂装置は、さらに、循環路に設けられており、循環路内の水を加熱する加熱装置を備え、循環運転は、水供給弁を閉状態として、循環ポンプを駆動させて、浴槽内の水を循環させ、水流検知部によって循環路内の水の流れを検知する場合に、加熱装置を駆動させて、浴槽内の水を加熱する追い焚き運転であってもよい。制御装置は、追い焚き運転の開始を指示する第2開始指示を受信する場合に、追い焚き運転を開始するように構成されていてもよい。中断指示は、微細気泡供給運転を開始してから、運転終了条件が満たされる前に受信される第2開始指示を含んでもよい。制御装置は、微細気泡供給運転を開始してから、運転終了条件が満たされる前に、第2開始指示による中断指示を受信する場合に、第1タンク注水運転を実行し、第1タンク注水運転を終了した後に、追い焚き運転を実行するように構成されていてもよい。
【0012】
追い焚き運転では浴槽内の水が循環される。このため、追い焚き運転中において、浴槽内の水位は上昇しない。第1タンク注水運転についても同様に、浴槽内の水位は上昇しない。一方、第2タンク注水運転が実行されると、給水源から供給される水が浴槽に供給され、浴槽内の水位が上昇する。このため、微細気泡供給運転を開始してから、運転終了条件が満たされる前に、第2開始指示を受信する場合に、第2タンク注水運転が実行されると、浴槽内の水位が上昇する。この場合、追い焚き運転の実行を所望しているにも関わらず、浴槽内の水位が上昇するため、入浴者に違和感を与える。上記の構成によると、制御装置は、微細気泡供給運転を開始してから、運転終了条件が満たされる前に、第2開始指示による中断指示を受信する場合に、第1タンク注水運転を実行し、第1タンク注水運転を終了した後に、追い焚き運転を実行する。上述のように、第1タンク注水運転において、浴槽内の水位は上昇しない。従って、入浴者に違和感を与えることを抑制することができる。
【0013】
風呂装置は、さらに、タンク内の水位が第2所定水位以上であることを検知可能な第2水位センサを備えてもよい。制御装置は、微細気泡供給運転を開始してから、運転終了条件が満たされる前に、中断指示を受信し、かつ、タンク内の水位が第2所定水位未満である場合に、第1タンク注水運転又は第2タンク注水運転を実行するように構成されていてもよい。
【0014】
微細気泡供給運転が中断した時点におけるタンク内の水がほぼ空である場合(即ち、タンク内が空気でほぼ満たされている場合)に、タンクの出口近傍の空気が循環路に流れ込みやすい。上記の構成によると、タンク内に空気が存在している場合でも、空気が循環路に流れ込まない水位である第2所定水位を検知可能なように第2水位センサを設置することで、タンク内の空気が循環路に流れ込まない状況において、不要な第1タンク又は第2タンク注水運転が実行されることを回避することができ、風呂装置の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施例に係る風呂システムの構成を示す図である(給水状態)。
【
図2】第1実施例に係る風呂システムの構成を示す図である(空気導入状態)。
【
図3】第1実施例に係る風呂システムの構成を示す図である(追い焚き状態)。
【
図4】第1実施例に係る風呂システムの構成を示す図である(第1タンク注水状態)。
【
図5】第1実施例に係る運転処理を示すフローチャートである。
【
図6】第1実施例に係る微細気泡供給運転処理を示すフローチャートである。
【
図7】第2実施例に係る風呂システムの構成を示す図である(第2タンク注水状態)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施例)
(風呂システム2の構成)
図1~
図4を参照して、風呂システム2について説明する。風呂システム2は、熱源ユニット10と、微細気泡発生ユニット50と、浴槽130と、制御装置150と、を備える。熱源ユニット10は、給水源200、及び、微細気泡発生ユニット50に接続されている。微細気泡発生ユニット50は、熱源ユニット10及び浴槽130に接続されている。浴槽130には、微細気泡吐出ノズル134を有する循環接続具132が接続されている。なお、以下では、
図1に示す矢印の方向に水が流れる場合を例に説明する。
【0017】
(熱源ユニット10の構成)
熱源ユニット10は、給水源200から供給される水を加熱して、浴槽130に加熱された水を供給するためのユニットである。熱源ユニット10は、熱源機12と、給水路20と、第1戻り水路22と、第1往き水路24と、を備える。
【0018】
給水路20の上流端は、市水道などの給水源200に接続されており、給水路20の下流端は、第1戻り水路22に接続されている。給水路20には、湯張り弁26が設けられている。湯張り弁26は、給水路20を開閉する。
【0019】
第1戻り水路22の上流端は、微細気泡発生ユニット50(詳細には第2戻り水路60)に接続されており、下流端は熱源機12に接続されている。第1戻り水路22において、第1戻り水路22と給水路20の接続部と、熱源機12と、の間には、循環ポンプ30及び水流スイッチ32が設けられている。循環ポンプ30は、水流スイッチ32よりも上流側に設けられており、第1戻り水路22内の水を下流側に送り出す。水流スイッチ32は、第1戻り水路22内を水が通過していることを検出する。水流スイッチ32が、第1戻り水路22内を水が通過していることを検出すると、制御装置150にON信号が出力される。熱源機12は、例えば、熱源機12を通過する水を加熱するガス熱源機である。
【0020】
第1往き水路24の上流端は、熱源機12に接続されており、下流端は、微細気泡発生ユニット50(詳細には第2往き水路68)に接続されている。
【0021】
(微細気泡発生ユニット50の構成)
微細気泡発生ユニット50は、タンク52と、第2戻り水路60と、第2往き水路68と、水供給水路74と、連通水路66と、噴出水路64と、空気導入路100と、を備える。
【0022】
タンク52は、内部に水を貯留することができる。タンク52の内部には、タンク52内の水位を検出するための低水位電極54a、中水位電極54b、及び高水位電極54cが設置されている。低水位電極54aによって検出される水位(以下では、「下限水位」と記載する)は、高水位電極54cによって検出される水位(以下では、「上限水位」と記載する)よりも低い。中水位電極54bによって検出される水位(以下では、「中間水位」と記載する)は、下限水位と上限水位の間の水位である。低水位電極54a、中水位電極54b、高水位電極54cは、タンク52内に貯留されている水の水面に接触すると、制御装置150にON信号を出力する。タンク52は、水に空気が加圧溶解している空気溶解加圧水を生成するために利用される。
【0023】
第2戻り水路60の上流端は、連通水路66に接続されており、下流端は、熱源ユニット10(詳細には第1戻り水路22)に接続されている。連通水路66は、第1切替弁80と第2切替弁82とを接続する。第3戻り水路62の一端は、第1切替弁80に接続されており、他端は、浴槽130(詳細には循環接続具132)に接続されている。噴出水路64の上流端は、タンク52の下部の噴出口52aに接続されており、下流端は、第1切替弁80に接続されている。なお、変形例では、タンク52の側面下方に噴出口52aが設けられていてもよい。噴出水路64には、第1切替弁80側からタンク52側への水の流れを防止する逆止弁84が設けられている。第1切替弁80は、噴出水路64と第3戻り水路62が連通している第1連通状態(
図1の状態)と、噴出水路64と連通水路66が連通している第2連通状態(
図2及び
図4の状態)と、第3戻り水路62、噴出水路64、及び、連通水路66が連通している第3連通状態(
図3の状態)と、を切替えることができる。
【0024】
第2往き水路68の上流端は、熱源ユニット10(詳細には第1往き水路24)に接続されており、下流端は、第2切替弁82に接続されている。第3往き水路70の一端は、浴槽130(詳細には循環接続具132)に接続されており、他端は、第2切替弁82に接続されている。第2切替弁82は、第3往き水路70と連通水路66が連通する第4連通状態(
図1及び
図4の状態)と、第2往き水路68と第3往き水路70が連通する第5連通状態(
図2及び
図3の状態)と、を切替えることができる。
【0025】
第2往き水路68とタンク52は、水供給水路74で接続されている。水供給水路74には、給水制御弁86と加圧ポンプ88とが設けられている。給水制御弁86は、水供給水路74を開閉する。給水制御弁86は、加圧ポンプ88よりも上流側に設けられている。加圧ポンプ88は、水供給水路74内の水を加圧して、下流側へ送り出す。以下では、第1切替弁80が第1連通状態であり、かつ、第2切替弁82が第4連通状態である場合の風呂システム2の状態(
図1の状態)を、「給水状態」と呼び、第1切替弁80が第2連通状態であり、かつ、第2切替弁82が第5連通状態である場合の風呂システム2の状態(
図2の状態)を、「空気導入状態」と呼び、第1切替弁80が第3連通状態であり、かつ、第2切替弁82が第5連通状態である場合の風呂システム2の状態(
図3の状態)を、「追い焚き状態」と呼び、第1切替弁80が第2連通状態であり、かつ、第2切替弁82が第4連通状態である場合の風呂システム2の状態(
図4の状態)を、「第1タンク注水状態」と呼ぶ。
【0026】
空気導入路100の上流端側は、大気に開放されており、下流端がタンク52に接続されている。空気導入路100は、タンク52に空気を導入する。空気導入路100には、空気制御弁102が設けられている。空気制御弁102は、空気導入路100を開閉する。
【0027】
(制御装置150の構成)
図1~
図4に示す制御装置150は、熱源ユニット10、微細気泡発生ユニット50の各構成要素の動作を制御する。制御装置150は、ユーザによって操作可能なリモコン154と通信可能に構成されている。制御装置150は、メモリ152を備える。制御装置150は、ユーザによるリモコン154への操作に応じて、追い焚き運転、微細気泡供給運転等を実行することができる。
【0028】
(運転処理;
図5)
続いて、風呂システム2の制御装置150によって実行される運転処理について説明する。制御装置150は、運転処理において、追い焚き運転、微細気泡供給運転(空気導入運転及び給水運転)、及び、第1タンク注水運転を実行する。制御装置150は、風呂システム2の電源がONされる場合に
図5の処理を開始する。なお、
図5の初期状態において、第1切替弁80、第2切替弁82は、それぞれ、第3連通状態、第5連通状態である(
図3参照)。また、循環ポンプ30、及び、加圧ポンプ88の駆動は停止されており、湯張り弁26、給水制御弁86、空気制御弁102は閉状態である。
【0029】
S10において、制御装置150は、リモコン154から追い焚き開始指示信号を受信することを監視する。追い焚き開始指示信号は、ユーザによって追い焚き運転の実行を指示するための操作がリモコン154に実行される場合に、リモコン154から送信される。制御装置150は、リモコン154から追い焚き開始指示信号が受信される場合に、S10でYESと判断して、処理はS12に進む。
【0030】
S12において、制御装置150は、循環ポンプ30を駆動させて、追い焚き運転を開始する。これにより、
図3に示すように、浴槽130内の水が、循環接続具132、第3戻り水路62、第1切替弁80、連通水路66、第2戻り水路60、第1戻り水路22を経由して、熱源機12に供給される。また、熱源機12を通過した水は、第1往き水路24、第2往き水路68、第2切替弁82、第3往き水路70、循環接続具132を経由して、浴槽130に供給される。
【0031】
S14において、制御装置150は、第1戻り水路22上の水流スイッチ32がONである状態が追い焚き開始判定時間継続するのか否かを判断する。制御装置150は、水流スイッチ32がONである状態が追い焚き開始判定時間継続する場合に、S14でYESと判断して、処理はS16に進む。一方、制御装置150は、水流スイッチ32がONとなってから追い焚き開始判定時間が経過する前に、水流スイッチ32がOFFとなる場合に、S14でNOと判断して、処理はS15に進む。
【0032】
S15において、制御装置150は、追い焚き開始信号を受信してからの経過時間が終了判定時間を経過しているのか否かを判断する。制御装置150は、経過時間が終了判定時間を経過していない場合に、S15でNOと判断して、処理はS14に戻る。一方、制御装置150は、経過時間が終了判定時間を経過している場合に、S15でYESと判断して、
図5の処理を終了する。なお、制御装置150は、S15でYESと判断する場合に、循環ポンプ30の駆動を停止させるとともに、追い焚き運転が中止されたことを報知する。
【0033】
S16において、制御装置150は、浴槽130内の水の追い焚きを開始する。即ち、制御装置150は、第1切替弁80が第3連通状態であり、かつ、第2切替弁82が第5連通状態である場合(
図3の追い焚き状態)において、熱源機12を駆動させて、浴槽130内の水を、熱源機12によって加熱する。これにより、
図3に示すように、浴槽130から熱源機12に送られた水が加熱されて、熱源機12から浴槽130に加熱された水が戻される。
【0034】
S18において、制御装置150は、追い焚きを開始してから第1運転時間が経過することを監視する。制御装置150は、追い焚きを開始してから第1運転時間が経過する場合に、S18でYESと判断し、
図5の処理を終了する。なお、制御装置150は、S18でYESと判断する場合に、熱源機12及び循環ポンプ30の駆動を停止させる。これにより、追い焚き運転が終了する。なお、変形例では、制御装置150は、浴槽130内の温度が設定温度に達する場合に、S18でYESと判断してもよい。
【0035】
また、S20において、制御装置150は、S10の監視と同時的に、リモコン154から微細気泡開始指示信号を受信することを監視する。微細気泡開始指示信号は、ユーザによって微細気泡供給運転の実行を指示するための操作がリモコン154に実行される場合に、リモコン154から送信される。制御装置150は、リモコン154から微細気泡開始指示信号が受信される場合に、S20でYESと判断して、処理はS22に進む。
【0036】
S22において、制御装置150は、
図6の微細気泡供給運転処理を実行する。微細気泡供給運転処理は、空気導入運転と、給水運転と、で構成される微細気泡供給運転を実行するための処理である。
図6のS80において、制御装置150は、空気導入運転を実行する。制御装置150は、空気制御弁102を開状態に切替え、第1切替弁80を第2連通状態に切替え、第2切替弁82を第5連通状態に維持し、給水制御弁86を閉状態に維持する。これにより、風呂システム2が空気導入状態(
図2参照)になる。なお、後述するS102を経た後のS80において、制御装置150は、第2切替弁82を第5連通状態に切替える。次いで、制御装置150は、循環ポンプ30を駆動する。これによって、
図2に示すように、タンク52から水が吸い出されるとともに、空気導入路100を介してタンク52に空気が導入される。タンク52から吸い出された水は、噴出水路64、第1切替弁80、連通水路66、第2戻り水路60、第1戻り水路22、熱源機12、第1往き水路24、第2往き水路68、第2切替弁82、第3往き水路70、及び、循環接続具132を経由して、浴槽130に排出される。
【0037】
S82において、制御装置150は、タンク52の水位が下限水位よりも低くなることを監視する。制御装置150は、タンク52の水位が下限水位よりも低くなる場合に、S82でYESと判断し、処理はS90に進む。なお、制御装置150は、S82でYESと判断する場合に、空気制御弁102を閉状態に切替える。これにより、空気導入運転が終了する。なお、制御装置150は、S82でYESと判断してから、空気制御弁102を開状態から閉状態に切替える。このため、制御装置150がS82でYESと判断してから空気制御弁102が閉状態に切り替わるまでの間、タンク52から水が吸い出されるとともに、空気導入路100を介してタンク52に空気が導入される。このため、空気導入運転が終了する場合に、タンク52内の水位は、下限水位よりもかなり低くなっていることがある。例えば、タンク52の下部の噴出口52a近傍まで水位が低くなっていることがある。
【0038】
また、制御装置150は、S82の監視と同時的に、S84において、リモコン154から指示信号を受信することを監視する。指示信号は、追い焚き運転の実行を要求する追い焚き開始指示信号、微細気泡供給運転の終了を指示する微細気泡終了指示信号のいずれかである。微細気泡終了指示信号は、ユーザによって微細気泡供給運転の終了を指示するための操作がリモコン154に実行される場合、又は、ユーザによってリモコン154の電源をOFFするための操作がリモコン154に実行される場合に、リモコン154から送信される。制御装置150は、指示信号が受信される場合に、S84でYESと判断して、
図6の処理を終了し、処理は
図5のS30に進む。
【0039】
S90において、制御装置150は、給水運転を開始する。制御装置150は、第1切替弁80を第1連通状態に切替え、第2切替弁82を第4連通状態に切替え、給水制御弁86を開状態に切替える。これにより、風呂システム2が給水状態(
図1参照)になる。次いで、制御装置150は、加圧ポンプ88を駆動させる。これにより、
図1に示すように、浴槽130の水が、循環接続具132、第3往き水路70、第2切替弁82、連通水路66、第2戻り水路60、第1戻り水路22、循環ポンプ30、熱源機12、第1往き水路24、第2往き水路68、水供給水路74を経由して、タンク52に供給される。この際に、水供給水路74からタンク52には、加圧ポンプ88で加圧された水が供給される。タンク52の内部において、水に空気が加圧溶解され、空気溶解加圧水が生成される。そして、空気溶解加圧水は、タンク52から、噴出水路64、第1切替弁80、第3戻り水路62、循環接続具132を経由して、浴槽130に供給される。空気溶解加圧水は、循環接続具132内の微細気泡吐出ノズル134を通過する際に、大気圧以下まで減圧され、浴槽130に噴出される際に、大気圧まで増圧されて、浴槽130の水に微細気泡が発生する。給水運転では、循環接続具132(詳細には、微細気泡吐出ノズル134)から浴槽130内に吐出される水量よりも、浴槽130から、循環接続具132を介して、第3往き水路70に吸込まれる水量の方が多い。即ち、タンク52から噴出水路64に吐出される水量よりも、水供給水路74からタンク52に供給される水量の方が多い。このため、給水運転において、タンク52内の水位は上昇していく。
【0040】
S92において、制御装置150は、タンク52の水位が上限水位以上になることを監視する。制御装置150は、タンク52の水位が上限水位以上になる場合に、S92でYESと判断し、処理はS100に進む。なお、制御装置150は、S92でYESと判断する場合に、給水制御弁86を閉状態に切替え、循環ポンプ30、及び、加圧ポンプ88を停止する。これにより、給水運転が終了する。
【0041】
また、制御装置150は、S92の監視と同時的に、S94において、リモコン154から指示信号を受信することを監視する。制御装置150は、リモコン154から指示信号が受信される場合に、S94でYESと判断して、
図6の処理を終了し、処理は
図5のS30に進む。
【0042】
S100において、制御装置150は、サイクル数を1増加させる。サイクル数は、空気導入運転及び給水運転の実行回数である。
【0043】
S102において、制御装置150は、現在のサイクル数が所定回数(例えば、5回)に達したのか否かを判断する。制御装置150は、サイクル数が所定回数に達した場合に、S102でYESと判断して、
図6の処理を終了し、処理は
図5のS30に進む。一方、制御装置150は、サイクル数が所定回数に到達していない場合に、S102でNOと判断して、処理はS80に戻る。
【0044】
図5に戻って、制御装置150は、S30において、タンク52の水位が中間水位未満であるのか否かを判断する。制御装置150は、タンク52の水位が中間水位未満である場合に、S30でYESと判断し、処理はS40に進む。一方、制御装置150は、タンク52の水位が中間水位以上である場合に、S30でNOと判断し、処理はS50に進む。
【0045】
S40において、制御装置150は、第1タンク注水運転を開始する。第1タンク注水運転は、浴槽130内の水をタンク52に供給する運転である。制御装置150は、第1切替弁80を第2連通状態に切替え、第2切替弁82を第4連通状態に切替え、給水制御弁86を開状態に切替える。これにより、風呂システム2が第1タンク注水状態(
図4参照)になる。次いで、制御装置150は、循環ポンプ30、及び、加圧ポンプ88を駆動させる。これにより、
図4に示すように、浴槽130内の水が、循環接続具132、第3往き水路70、第2切替弁82、連通水路66、第2戻り水路60、第1戻り水路22、熱源機12、第1往き水路24、第2往き水路68、水供給水路74を経由して、タンク52に供給される。このように、制御装置150は、微細気泡供給運転が正常に終了した場合(
図6のS102でYES)、及び、微細気泡供給運転が中断した場合(S84でYES、又は、S94でYES)の、いずれの場合にも、第1タンク注水運転を実行し得る。
【0046】
S42において、制御装置150は、タンク52の水位が中間水位以上となることを監視する。本実施例において、中間水位は、タンク52の上部に空気が存在しても、空気が風呂システム2の水路(例えば、噴出水路64)に流れ込むことがない水位である。制御装置150は、タンク52の水位が中間水位以上となる場合に、S42でYESと判断して、処理はS50に進む。制御装置150は、S42でYESと判断する場合に、第1切替弁80を第3連通状態に切替え、第2切替弁82を第5連通状態に切替え、給水制御弁86を閉状態に切替え、循環ポンプ30、及び、加圧ポンプ88を停止する。これにより、第1タンク注水運転が終了する。
【0047】
S50において、制御装置150は、指示信号を受信済みであるのか否かを判断する。制御装置150は、指示信号を受信済みである場合に、S50でYESと判断し、処理はS52に進む。一方、制御装置150は、指示信号を受信していない場合に、S50でNOと判断して、
図5の処理を終了する。
【0048】
S52において、制御装置150は、受信済みの指示信号が追い焚き開始指示信号であるのか否かを判断する。制御装置150は、指示信号が追い焚き開始指示信号である場合に、S52でYESと判断して、処理はS60に進む。一方、制御装置150は、指示信号が追い焚き指示信号でない場合に、S52でNOと判断して、
図5の処理を終了する。
【0049】
S60において、制御装置150は、循環ポンプ30を駆動させて、追い焚き運転を開始する。
【0050】
S62において、制御装置150は、第1戻り水路22上の水流スイッチ32がONである状態が追い焚き開始判定時間継続するのか否かを判断する。制御装置150は、水流スイッチ32がONである状態が追い焚き開始判定時間継続する場合に、S62でYESと判断して、処理はS64に進む。一方、制御装置150は、水流スイッチ32がONとなってから追い焚き開始判定時間が経過する前に、水流スイッチ32がOFFとなる場合に、S62でNOと判断して、処理はS63に進む。
【0051】
S63において、制御装置150は、追い焚き開始信号を受信してからの経過時間が終了判定時間を経過しているのか否かを判断する。制御装置150は、経過時間が終了判定時間を経過していない場合に、S63でNOと判断して、処理はS62に戻る。一方、制御装置150は、経過時間が終了判定時間を経過している場合に、S63でYESと判断して、
図5の処理を終了する。なお、制御装置150は、S63でYESと判断する場合に、循環ポンプ30の駆動を停止させるとともに、追い焚き運転が中止されたことを報知する。
【0052】
S64において、制御装置150は、浴槽130内の水の追い焚きを開始する。
【0053】
S66において、制御装置150は、追い焚きを開始してから第1運転時間が経過することを監視する。制御装置150は、追い焚きを開始してから第1運転時間が経過する場合に、S66でYESと判断し、
図5の処理を終了する。
【0054】
(本実施例の効果)
上述のように、風呂システム2の制御装置150は、空気導入運転(
図6のS80)と、給水運転(
図6のS90)と、を実行する微細気泡供給運転(
図6)を実行可能に構成されている。制御装置150は、微細気泡供給運転の開始を指示する微細気泡開始指示信号を受信する場合(
図5のS20でYES)に、微細気泡供給運転のサイクル数(即ち、空気導入運転及び給水運転の実行回数)が所定回数(例えば、5回)に到達するまでの間、微細気泡供給運転を実行するように構成されている。制御装置150は、微細気泡供給運転を開始してから、サイクル数が所定回数に到達する前に、指示信号を受信する場合(
図6のS84又はS94でYES)に、第1タンク注水運転(
図5のS40)を実行するように構成されている。例えば、空気導入運転の終了直後等、微細気泡供給運転が中断するタイミングによっては、タンク52内の水がほぼ空である状態(即ち、タンク52内が空気でほぼ満たされている状態)で微細気泡供給運転が中断することがある。このため、例えば、微細気泡供給運転が中断された直後に、第1タンク注水運転を実行することなく、追い焚き運転が実行されると、タンク52の下部の噴出口52a近傍の空気が第2戻り水路60、第1戻り水路22等に断続的に流れ込み得る。この場合、第1戻り水路22内を流れる空気の影響で、水流スイッチ32がOFFとなり、追い焚き運転が適切に実行されない。上記の構成によると、制御装置150は、微細気泡供給運転を中断する場合に、第1タンク注水運転を実行する。このため、微細気泡供給運転が中断した時点のタンク52内の水がほぼ空の状態(即ち、タンク52内が空気でほぼ満たされている状態)であったとしても、第1タンク注水運転において、タンク52内には水が溜まっていく。このため、第1タンク注水運転が実行された後において、追い焚き運転が実行される場合に、空気が第2戻り水路60、第1戻り水路22等に流れ込むことを抑制することができる。従って、微細気泡供給運転が中断された後においても、水流スイッチ32によって、第1戻り水路22内の水の流れが適切に検知されるため、風呂システム2が追い焚き運転を適切に実行(追い焚き運転を継続)できる。
【0055】
また、制御装置150は、第1タンク注水運転において、タンク52内の水位が中間水位に到達する場合(
図5のS42でYES)に、第1タンク注水運転を終了する。上述のように、中間水位は、タンク52の上部に空気が存在しても、空気が風呂システム2の水路(例えば、噴出水路64)に流れ込むことがない水位である。このため、微細気泡供給運転が中断された後に、タンク52内の空気が第2戻り水路60、第1戻り水路22等に流れ込むことをより確実に防止することができる。
【0056】
また、制御装置150は、微細気泡供給運転を開始してから、サイクル数(即ち、空気導入運転及び給水運転の実行回数)が所定回数に到達する前に、追い焚き開始指示信号を受信する場合に、第1タンク注水運転を実行する。上記の構成によると、微細気泡供給運転が中断した後に実行される第1タンク注水運転において、浴槽130内の水位は上昇しない。従って、入浴者に違和感を与えることを抑制することができる。
【0057】
また、制御装置150は、微細気泡供給運転を開始してから、サイクル数が所定回数に到達する前に、追い焚き開始指示信号を受信し(
図6のS84又はS94でYES)、かつ、タンク52内の水位が中間水位未満である場合(
図5のS30でYES)に、第1タンク注水運転を実行する(
図5のS40)。上記の構成によると、タンク52内の空気が第2戻り水路60、第1戻り水路22等に流れ込まない状況において、不要な第1タンク注水運転が実行されることを回避することができ、風呂システム2の耐久性を向上させることができる。
【0058】
(対応関係)
風呂システム2が、「風呂装置」の一例である。第1戻り水路22、第1往き水路24、第2戻り水路60、第2往き水路68、噴出水路64、連通水路66、水供給水路74、第3戻り水路62、及び、第3往き水路70が、「循環路」の一例である。水流スイッチ32が、「水流検知部」の一例である。湯張り弁26が、「水供給弁」の一例である。サイクル数が、「気体導入運転及び給水運転の実行回数」の一例である。指示信号、追い焚き開始指示信号、及び、微細気泡終了指示信号が、「中断指示」の一例である。微細気泡開始指示信号、追い焚き開始指示信号が、それぞれ、「第1開始指示」、「第2開始指示」の一例である。空気が、「気体」の一例である。空気導入路100、及び、空気制御弁102が、「気体導入部」の一例である。空気導入運転が、「気体導入運転」の一例である。空気溶解加圧水が、「気体溶解水」の一例である。中水位電極54bが、「第1水位センサ」、「第2水位センサ」の一例である。中間水位が、「第1所定水位」、「第2所定水位」の一例である。熱源機12が、「加熱装置」の一例である。追い焚き運転が、「循環運転」の一例である。
【0059】
(第2実施例)
続いて、第2実施例の風呂システム2について説明する。本実施例の風呂システム2の構成は、第1実施例の風呂システム2の構成と同様である。本実施例の風呂システム2は、
図5のS40で実行される処理が、第1実施例の風呂システム2と異なる。
【0060】
図5のS40において、制御装置150は、第2タンク注水運転を実行する。
図7に示すように、制御装置150は、第1切替弁80を第2連通状態に切替え、第2切替弁82を第4連通状態に切替え、湯張り弁26を開状態に切替え、給水制御弁86を開状態に切替える。これにより、風呂システム2が第2タンク注水状態になる。次いで、制御装置150は、加圧ポンプ88を駆動させる。これにより、給水源200から供給される水が、給水路20、第1戻り水路22、熱源機12、第1往き水路24、第2往き水路68、水供給水路74を経由して、タンク52に供給される。なお、給水源200から供給される水の一部は、給水路20、第1戻り水路22、第2戻り水路60を経由して、連通水路66に供給される。このような構成によっても、第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0061】
なお、変形例では、第1戻り水路22と給水路20との接続部に、切替弁が設けられていてもよい。この場合、切替弁は、第1戻り水路22のうち接続部よりも上流側の水路、第1戻り水路22のうち接続部よりも下流側の水路、及び、給水路20が連通している第1切替状態と、第1戻り水路22のうち接続部よりも下流側の水路と給水路20が連通している第2切替状態と、を切替えることができるとよい。そして、制御装置150は、切替弁が第1切替状態である状態において、追い焚き運転、空気導入運転、及び、給水運転を実行し、切替弁が第2切替状態である状態において、第2タンク注水運転を実行するように構成されているとよい。
【0062】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0063】
(第1変形例)
図6の微細気泡供給運転処理において、制御装置150は、S100、S102に代えて、微細気泡供給運転処理を開始してから所定時間が経過したのか否かを判断してもよい。本変形例では、制御装置150は、微細気泡供給運転処理を開始してから所定時間が経過したと判断する場合に、
図6の処理を終了し、処理は
図5のS30に進む。一方、制御装置150が微細気泡供給運転処理を開始してから所定時間が経過していないと判断する場合に、処理はS80に戻る。
【0064】
(第2変形例)中水位電極54b及び
図5のS42を省略可能である。本変形例では、制御装置150は、第1タンク注水運転又は第2タンク注水運転を開始してから第2運転時間が経過するまでの間、タンク注水運転を実行する。第2運転時間は、タンク52内の水が空の状態において、中間水位とするのに必要な時間であればよい。
【0065】
(第3変形例)
図5のS30を省略可能である。本変形例では、制御装置150は、微細気泡供給運転を中断又は終了する場合に、第1タンク注水運転又は第2タンク注水運転を必ず実行する。
【0066】
(第4変形例)高水位電極54cが、「第1水位センサ」及び「第2水位センサ」の一例であってもよいし、低水位電極54aが、「第1水位センサ」及び「第2水位センサ」の一例であってもよい。
【0067】
(第5変形例)中水位電極54b、高水位電極54cが、それぞれ、「第1水位センサ」、「第2水位センサ」の一例であってもよい。また、別の変形例では、低水位電極54a、高水位電極54cが、それぞれ、「第1水位センサ」、「第2水位センサ」の一例であってもよい。即ち、「第1水位センサ」及び「第2水位センサ」は異なっていてもよい。
【0068】
(愛6変形例)
図5のS40の第1タンク注水運転において、制御装置150は、第1切替弁80を第1連通状態に切替え、第2切替弁82を第4連通状態に切替え、給水制御弁86を開状態に切替えてもよい。さらに、制御装置150は、加圧ポンプ88を駆動させず、循環ポンプ30のみを駆動させてもよい。
【0069】
(第7変形例)
図5のS40の第2タンク注水運転において、制御装置150は、加圧ポンプ88を駆動させず、循環ポンプ30のみを駆動させてもよい。
【0070】
(第8変形例)タンク52内の水位が下限水位よりも低い状況において、タンク内の空気が第2戻り水路60、第1戻り水路22に流れ込む可能性が高い場合、制御装置150は、給水運転(
図6のS90)を開始してから、注水開始判定時間(例えば、5秒)が経過する前に、指示信号を受信する場合にのみ、第1タンク注水運転又は第2タンク注水運転を実行するように構成されていてもよい。本変形例では、中水位電極54b及び
図5のS30、S42を省略可能である。本変形例では、制御装置150は、空気導入運転中に指示信号を受信する場合(
図6のS84でYES)、又は、給水運転を開始してから注水開始判定時間が経過した後に指示信号を受信する場合に、
図5のS40を実行しない。
【0071】
(第9変形例)「循環運転」は、追い焚き運転に限定されず、循環路(例えば、第2戻り水路60、第1戻り水路22等)内の水の凍結を防止する凍結防止運転であってもよい。凍結防止運転は、循環路内の水が凍結する恐れがある場合に実行される。
【0072】
(第10変形例)上記の実施例では、タンク52に空気が導入されている。変形例では、空気に代えて、炭酸ガス、水素、酸素等の気体がタンク52に導入されてもよい。この場合、気体が充填されているタンクを空気導入路100の上流端に配設するとよい。
【0073】
(第11変形例)「気体導入部」は、空気導入路100、及び、空気制御弁102に限定されず、空気導入路100、及び、空気導入路100に接続されるエアポンプ等であってもよい。
【0074】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0075】
2 :風呂システム
10 :熱源ユニット
12 :熱源機
20 :給水路
22 :第1戻り水路
24 :第1往き水路
26 :湯張り弁
30 :循環ポンプ
32 :水流スイッチ
50 :微細気泡発生ユニット
52 :タンク
52a :噴出口
54a :低水位電極
54b :中水位電極
54c :高水位電極
60 :第2戻り水路
62 :第3戻り水路
64 :噴出水路
66 :連通水路
68 :第2往き水路
70 :第3往き水路
74 :水供給水路
80 :第1切替弁
82 :第2切替弁
84 :逆止弁
86 :給水制御弁
88 :加圧ポンプ
100 :空気導入路
102 :空気制御弁
130 :浴槽
132 :循環接続具
134 :微細気泡吐出ノズル
150 :制御装置
152 :メモリ
154 :リモコン
200 :給水源