(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】環境消毒装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/00 20060101AFI20231228BHJP
A47L 9/18 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61L9/00 Z
A47L9/18
(21)【出願番号】P 2020095181
(22)【出願日】2020-06-01
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591145494
【氏名又は名称】神田 謹造
(74)【代理人】
【識別番号】100087974
【氏名又は名称】木村 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】神田謹造
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特公昭55-049225(JP,B1)
【文献】実開昭55-025827(JP,U)
【文献】特開平08-112226(JP,A)
【文献】実開平05-039452(JP,U)
【文献】特開2013-154343(JP,A)
【文献】特開2011-078866(JP,A)
【文献】特開平09-010537(JP,A)
【文献】特開2004-203988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00 - 9/22
A61L 2/00 - 2/28
B01D 53/14 - 53/18
B01D 53/34 - 53/85
B01D 47/00 - 47/18
A47L 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境の気体を吸引する吸引手段と、前記吸引手段の排気口に接続され
た第一の送気筒と
、消毒液を収容するタンク部と、前記第一の送気筒を包囲するとともに上部が封止されて前記タンク部の底部で排気するように開口を有する第二の送気筒と、
前記第二の送気筒の下部に接続され、且つ消毒液中に開口する消毒液吸引筒とからなり、前記消毒液が前記第一の送気筒の開口より下部まで収容されている環境消毒装置。
【請求項2】
前記タンク部の底部に多孔質材が配置されている請求項1に記載の環境消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機等から排出された空気や環境の空気等の滅菌状態して環境に排出するのに適した消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機は空気とともに塵埃を吸い込み、塵埃だけをフィルターやサイクロンなどにより分離して収容部に捕捉する一方、空気を環境に排出するため、微小な塵埃や細菌をまき散らす等の環境問題がある。
このように環境に排出する手段として例えば特許文献1に見られるように滅菌、消毒すべき空気をオゾン発生手段に吸い込んで、ここを通過した空気を環境に排出するということも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、滅菌、消毒を行うためには大掛かりなオゾン発生手段が必要となりコストの上昇を招くという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、より簡単な構造で環境の気体を確実に除菌、消毒することができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を達成するために本発明は、 環境の気体を吸引する吸引手段と、前記吸引手段の排気口に接続された第一の送気筒と、消毒液を収容するタンク部と、前記第一の送気筒を包囲するとともに上部が封止されて前記タンク部の底部で排気するように開口を有する第二の送気筒と、前記第二の送気筒の下部に接続され、且つ消毒液中に開口する消毒液吸引筒とからなり、前記消毒液が前記第一の送気筒の開口より下部まで収容されている。
【発明の効果】
【0006】
被消毒気体を気泡にして殺菌力の強い消毒液に接液させて確実に除菌、殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本考案の一実施例を示すものであって、本体を構成する筒状ケース1内には底部から順番に集塵空間2、吸気手段3、バブリング(曝気)手段4、脱水手段5を上下に組みつけられている。
【0009】
吸気手段3は外部領域に接続口21を介して接続する領域に吸引口31を有し、排出口32はバブリング手段4に連通されている。
【0010】
バブリング手段4は、前記排出口32に連通するように立設された第一の送気筒41と、上端42が封止され、且つ第一の送気筒41の上部開口43と一定の間隙を形成し底部近傍まで伸びる第二の送気筒44と、第二の送気筒44の周囲に消毒液45を収容するタンク部46とから構成されている。
【0011】
第二の送気筒44の底部には空気を消毒液45にバブリング可能なように開口47,47が形成されている。
【0012】
さらに最上部には必要に応じて排気中の水分を分離する脱水手段5、例えば遠心分離手段、サイクロン手段が設けられていて十分に脱水された空気を排気口51から環境に排出し、液をタンク部45に排出するように構成されている。
【0013】
この実施例において、第一の送気筒41の上部開口43よりも下位まで消毒液45を注入し、吸気手段3を作動させると、吸い込まれた空気は第一の送気筒41を通って第二の送気筒44に案内されて開口47,47から噴出し、タンク部46の底部から気泡となって消毒液中に噴出される。
【0014】
これにより、空気が消毒液に接液するため空気中の菌、ウイルスなどが消毒されて消毒液の上面から排出される。なお、図中、符号Aは空気の流れを示す。
【0015】
曝気により吹き上げられた微小な液滴は遠心分離手段などの脱水手段5により必要に応じて除去されて排気口51から環境に排出される。脱水された消毒液はタンク部46に排出される。
【0016】
図2は、本発明の第二の実施例を示すものであって、この実施例では消毒液吸込み筒48が接続されている。すなわち下端を第二の送気筒41の下部に接続されていて消毒液中に突き出ている開口49から消毒液45を吸引しつつ空気を消毒液45と混合しつつ開口47,47から消毒液45中に気泡として排出し、より効率よく消毒液と接液させて消毒できる。
【0017】
図3は、本発明の第三の実施例を示すものであってタンク部46の底部に網目材やパンチ材などの通気性多孔質材60を配置したもので、この実施例によれば開口47から排出された空気を多孔質材60を通過させて微細な気泡にさせてより効率よく消毒液45に接液させることが可能となる。なお、多孔質材60に抗菌性、殺菌性を持たせることが望ましい。
【0018】
本発明によれば単独に使用して環境の空気を効率よく滅菌、消毒したり、接続口21に掃除機の排気口を接続することにより環境汚染を招くことなく病院や要介護施設、育児施設などの清掃が可能となる。
【符号の説明】
【0019】
1 筒状ケース 2 集塵空間 3 吸気手段 4 バブリング(曝気)手段 5 脱水手段 21 接続口 31 吸引口 32 排出口 41 第一の送気筒 44 第二の送気筒 45 消毒液 46 タンク部 48 消毒液吸引筒 51 排気口 60 多孔質材 A 空気の流れ