(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】携帯端末、文字入力方法及び文字入力プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04886 20220101AFI20231228BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20231228BHJP
G06F 3/023 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G06F3/04886
G06F3/0484
G06F3/023 460
(21)【出願番号】P 2020108017
(22)【出願日】2020-06-23
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】318012780
【氏名又は名称】FCNT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東條 潤
(72)【発明者】
【氏名】山口 淳也
(72)【発明者】
【氏名】大村 直之
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-247394(JP,A)
【文献】特開2015-002520(JP,A)
【文献】特開2012-185710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04886
G06F 3/0484
G06F 3/023
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンと、
前記タッチスクリーンを制御するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
互いに異なる文字群に対応付けられた複数の文字パネルを前記タッチスクリーンに表示し、
前記複数の文字パネルのうちの1の文字パネルへの
第1のタッチダウン操作を検知すると、前記1の文字パネルに対応する文字群の文字夫々を示す複数のガイドパネルを、フリック入力による文字入力の操作方向に対応させて配置したフリックガイドを前記タッチスクリーンに表示し、
前記フリックガイドを表示した状態で
第1のタッチアップ操作を検知すると、前記フリックガイドを前記タッチスクリーンから消去し、
前記1の文字パネルへの
前記第1のタッチダウン操作が所定の操作条件を満たす場合には、前記
第1のタッチアップ操作の検知による前記フリックガイドの消去を抑止するとともに、前記フリックガイド
に対する第2のタッチダウン操作の後に実行される、前記フリックガイドのうちの1のガイドパネルへの
第2のタッチアップ操作を検知すると、前記1のガイドパネルが示す文字の入力を受け付ける、
携帯端末。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記1の文字パネルへの
前記第1のタッチダウン操作が
前記所定の操作条件を満たす場合に、前記フリックガイドとは異なる領域に対する
第3のタッチダウン操作を検知すると、前記フリックガイドを前記タッチスクリーンから消去する、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記所定の操作条件は、前記タッチスクリーンが検知する前記1の文字パネルへの
前記第1のタッチダウン操作の圧力が閾値以上であることを含む、
請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記所定の操作条件は、前記タッチスクリーンが検知する前記1の文字パネルへの
前記第1のタッチダウン操作の継続時間が所定時間以上であることを含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記複数の文字パネルのうちの1の文字パネルへの
前記第1のタッチダウン操作が前記所定の操作条件を満たさず、かつ、前記
第1のタッチダウン操作に続いて検知される
第3のタッチアップ操作の位置が前記1の文字パネルである場合には、前記1の文字パネルに対応付けられた文字群から所定の特定条件で入力候補となる文字を特定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
タッチスクリーンを備える情報処理装置が、
互いに異なる文字群に対応付けられた複数の文字パネルを前記タッチスクリーンに表示し、
前記複数の文字パネルのうちの1の文字パネルへの
第1のタッチダウン操作を検知すると、前記1の文字パネルに対応する文字群の文字夫々を示す複数のガイドパネルを、フリック入力による文字入力の操作方向に対応させて配置したフリックガイドを前記タッチスクリーンに表示し、
前記フリックガイドを表示した状態で
第1のタッチアップ操作を検知すると、前記フリックガイドを前記タッチスクリーンから消去し、
前記1の文字パネルへの
前記第1のタッチダウン操作が所定の操作条件を満たす場合には、前記
第1のタッチアップ操作の検知による前記フリックガイドの消去を抑止するとともに、前記フリックガイド
に対する第2のタッチダウン操作の後に実行される、前記フリックガイドのうちの1のガイドパネルへの
第2のタッチアップ操作を検知すると、前記1のガイドパネルが示す文字の入力を受け付ける、
文字入力方法。
【請求項7】
タッチスクリーンを備える情報処理装置に、
互いに異なる文字群に対応付けられた複数の文字パネルを前記タッチスクリーンに表示させ、
前記複数の文字パネルのうちの1の文字パネルへの
第1のタッチダウン操作を検知すると、前記1の文字パネルに対応する文字群の文字夫々を示す複数のガイドパネルを、フリック入力による文字入力の操作方向に対応させて配置したフリックガイドを前記タッチスクリーンに表示させ、
前記フリックガイドを表示した状態で
第1のタッチアップ操作を検知すると、前記フリックガイドを前記タッチスクリーンから消去させ、
前記1の文字パネルへの
前記第1のタッチダウン操作が所定の操作条件を満たす場合には、前記
第1のタッチアップ操作の検知による前記フリックガイドの消去を抑止するとともに、前記フリックガイド
に対する第2のタッチダウン操作の後に実行される、前記フリックガイドのうちの1のガイドパネルへの
第2のタッチアップ操作を検知すると、前記1のガイドパネルが示す文字の入力を受け付けさせる、
文字入力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、文字入力方法及び文字入力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル付きディスプレイを備えた携帯端末では、連続して実行されたタッチダウン操作の回数に応じた文字入力を受け付けるトグル入力や、タッチダウン操作が検知された位置からのフリック操作の操作方向に応じた文字の入力を受け付けるフリック入力等の様々な文字入力方式が提案されている(例えば、特許文献1-4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-233050号公報
【文献】特開2015-153193号公報
【文献】特開2005-031786号公報
【文献】特開2016-095885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フリック入力は1回の操作で1文字入力できることから、タッチダウン操作が連続して実行されるトグル入力よりも高速に文字入力が可能である。そのため、フリック入力は広く利用されている。フリック入力では、文字とフリック操作の方向とを対応付けたガイドが表示される。このようなガイドは、例えば、タッチ位置の周囲に表示されたり、タッチ位置の上部に表示されたりする。
【0005】
フリック入力に慣れていないユーザの場合、表示されたガイドにしたがった方向にフリック操作を行うのではなく、ガイド上に表示された文字に対してタッチ操作を行おうとしてタッチパネル付きディスプレイから指等を離してしまうことがある。フリック操作ではタッチパネル付きディスプレイから指等を離すタッチアップ操作が検知されるとガイド表示は消去される。そのため、このような操作を行ってしまうと指等を離した位置の文字が入力されてしまい意図した文字入力を行うことはできない。
【0006】
開示の技術の1つの側面は、フリック操作に不慣れなユーザにも文字入力が容易となる携帯端末、文字入力方法及び文字入力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術の1つの側面は、次のような携帯端末によって例示される。本携帯端末は、タッチスクリーンと、タッチスクリーンを制御するプロセッサと、を備える。プロセッサは、互いに異なる文字群に対応付けられた複数の文字パネルをタッチスクリーンに表示し、複数の文字パネルのうちの1の文字パネルへのタッチダウン操作を検知すると、1の文字パネルに対応する文字群の文字夫々を示す複数のガイドパネルを、フリック入力による文字入力の操作方向に対応させて配置したフリックガイドをタッチスクリーンに表示し、フリックガイドを表示した状態でタッチアップ操作を検知すると、フリックガイドをタッチスクリーンから消去し、1の文字パネルへのタッチダウン操作が所定の操作条件を満たす場合には、タッチアップ操作の検知によるフリックガイドの消去を抑止するとともに、フリックガイドのうちの1のガイドパネルへのタッチアップ操作を検知すると、1のガイドパネルが示す文字の入力を受け付ける。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術は、フリック操作に不慣れなユーザにも文字入力を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係るスマートフォンの外観の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るスマートフォンの処理ブロックの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態において、キーボード制御部がディスプレイに表示するキーボードの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態において、フリックガイドが表示された状態の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態におけるツータッチ入力を模式的に示す第1の図である。
【
図7】
図7は、実施形態におけるツータッチ入力を模式的に示す第2の図である。
【
図8】
図8は、実施形態におけるフリック入力を模式的に示す第1の図である。
【
図9】
図9は、実施形態におけるフリック入力を模式的に示す第2の図である。
【
図10】
図10は、実施形態において、フリックガイド固定モードに遷移する処理フローの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、フリックガイド固定モードにおける文字入力の処理フローの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、タッチダウン操作によってガイドパネルが反転表示された状態の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第1変形例における、フリックガイド固定モード、フリック入力、トグル入力を切り替える処理フローの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、フリックガイドのバリエーションを例示する第1の図である。
【
図15】
図15は、フリックガイドのバリエーションを例示する第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
スマートフォンによって例示される携帯端末において、フリック入力は広く利用されている。しかしながらフリック入力に不慣れなユーザには、どのように操作を行えば文字を入力できるか理解しにくいことがある。そこで、実施形態に係る携帯端末は、フリック操作に不慣れなユーザでも容易に文字入力可能とするため、例えば、タッチスクリーン及びタッチスクリーンを制御するプロセッサを備える。
【0011】
そして、上記プロセッサは、例えば、以下の制御を実行する。
・互いに異なる文字群に対応付けられた複数の文字パネルを上記タッチスクリーンに表示する。
・上記複数の文字パネルのうちの1の文字パネルへのタッチダウン操作を検知すると、上記1の文字パネルに対応する文字群の文字夫々を示す複数のガイドパネルを、フリック入力による文字入力の操作方向に対応させて配置したフリックガイドを上記タッチスクリーンに表示する。
・上記フリックガイドを表示した状態でタッチアップ操作を検知すると、上記フリックガイドを上記タッチスクリーンから消去する。
・上記1の文字パネルへのタッチダウン操作が所定の操作条件を満たす場合には、上記タッチアップ操作の検知による上記フリックガイドの消去を抑止するとともに、上記フリックガイドのうちの1のガイドパネルへのタッチアップ操作を検知すると、上記1のガイドパネルが示す文字の入力を受け付ける。
【0012】
本携帯端末は、プロセッサがフリックガイドを表示させることで、フリック入力における操作方向と入力対象となる文字との対応をユーザに案内することができる。フリック入力に慣れたユーザは、このようなフリックガイドが示す操作方向にしたがって、フリック入力による文字入力が可能である。しかしながら、フリック入力に不慣れなユーザは、指等をタッチスクリーンから離した後に、フリックガイドへ改めてタッチ操作を行うことで文字入力を行おうとしてしまう可能性がある。このような場合、指等がタッチスクリーンから一端離れることで、タッチアップ操作が検知される。タッチアップ操作が検知されるとフリックガイドは消去されるため、フリックガイドへのタッチダウン操作は行えなくなる。
【0013】
そこで、本携帯端末は、上記1の文字パネルへのタッチダウン操作が所定の操作条件を満たす場合には、上記タッチアップ操作の検知による上記フリックガイドの消去を抑止する。ここで、所定の操作条件は、例えば、フリック入力への不慣れさ(迷い)を示す条件が適宜設定される。このような条件としては、例えば、上記タッチスクリーンが検知する上記1の文字パネルへのタッチダウン操作の圧力が閾値以上であることや、上記タッチスクリーンが検知する上記1の文字パネルへのタッチダウン操作の継続時間が所定時間以上であることであってよい。
【0014】
そして、本携帯端末は、消去を抑止したフリックガイドのうちの1のガイドパネルへのタッチアップ操作による文字入力を受け付ける。タッチアップ操作は、例えば、1のガイドパネルへのタッチダウン操作が行われた後、当該タッチダウン操作を行った指等がタッチパネルから離れる際に検知される。そのため、本携帯端末は、ガイドパネルへのタッチアップ操作という直感的な操作による文字入力環境をユーザに提供できる。このような特徴を備える本携帯端末は、フリック操作に不慣れなユーザにも文字入力を容易とすることができる。また、本携帯端末は、フリックガイドを表示させておくことで、フリック入力に不慣れなユーザに対し、フリック操作の操作方向と文字との対応関係に慣れさせることができる。
【0015】
本携帯端末は、さらに、次の特徴を備えてもよい。上記プロセッサは、上記1の文字パネルへのタッチダウン操作が所定の操作条件を満たす場合に、上記フリックガイドとは異なる領域に対するタッチダウン操作を検知すると、上記フリックガイドを上記タッチスクリーンから消去してもよい。プロセッサがこのような処理を行うことで、不要になったタイミングでフリックガイドを消去することができる。
【0016】
本携帯端末は、さらに、次の特徴を備えてもよい。上記プロセッサは、上記複数の文字パネルのうちの1の文字パネルへのタッチダウン操作が上記所定の操作条件を満たさず、かつ、上記タッチダウン操作に続いて検知されるタッチアップ操作の位置が上記1の文字パネルである場合には、上記1の文字パネルに対応付けられた文字群から所定の特定条件で入力候補となる文字を特定する。本携帯端末は、このような特徴を備えることで、所定の特定条件で入力候補となる文字を特定する文字入力方式(たとえば、トグル入力方式)による文字入力環境をユーザに提供することができる。
【0017】
以上説明した実施形態に係る技術は、文字入力方法及び文字入力プログラムの側面から把握することも可能である。
【0018】
以下、図面を参照して上記携帯端末をスマートフォンに適用した実施形態についてさらに説明する。
図1は、実施形態に係るスマートフォンの外観の一例を示す図である。
図1は、スマートフォン100の一方から見た外観(前面側の外観とする)を例示する。スマートフォン100は、板状の筐体110を有する。
図1で紙面に向かって上側が筐体11
0の上側であり、紙面に向かって下側が筐体110の下側であると仮定する。以下、本明細書において、筐体110の上下方向をY方向、Y方向と直交する筐体110の幅方向をX方向とも称する。
【0019】
スマートフォン100は、可搬型の情報処理装置である。筐体110の前面にはスピーカー111、マイクロフォン112、ディスプレイ113及びタッチパネル114が設けられる。タッチパネル114は、ディスプレイ113に重畳して設けられる。タッチパネル114は、ディスプレイ113の全面を覆うように設けられることが好ましい。スピーカー111は、例えば、タッチパネル付きディスプレイ113のX方向の中央上方に設けられる。マイクロフォン112は、例えば、ディスプレイ113のX方向の中央下方に設けられる。
【0020】
図2は、実施形態に係るスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。スマートフォン100は、Central Processing Unit(CPU)101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104、スピーカー111、マイクロフォン112、ディスプレイ113及びタッチパネル114を備える。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104、スピーカー111、マイクロフォン112、ディスプレイ113及びタッチパネル114は、接続バスによって相互に接続される。
【0021】
CPU101は、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサに限定されるわけではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU101がマルチコア構成を有していてもよい。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われてもよい。
【0022】
また、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU101の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。
【0023】
CPU101は、プロセッサと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。スマートフォン100では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、スマートフォン100は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102及び補助記憶部103は、スマートフォン100が読み取り可能な記録媒体である。
【0024】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0025】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に
格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部104を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理装置及び外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部103は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0026】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。
【0027】
通信部104は、例えば、情報処理装置を通信可能に接続するコンピュータネットワークとのインターフェースである。通信部104は、コンピュータネットワークを介して外部の装置と通信を行う。
【0028】
スピーカー111は、音を出力する音源である。スピーカー111は、スマートフォン100を用いた通話において、通話相手の音声等の音を出力する。マイクロフォン112は、通話や動画の音声取得に用いられるマイクロフォンである。
【0029】
ディスプレイ113は、CPU101で処理されるデータや主記憶部102に記憶されるデータを表示する。ディスプレイ113は、例えば、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネルである。
【0030】
タッチパネル114は、ユーザの指等によるタッチ操作を検知する。タッチパネル114がタッチ操作を検知する方式に限定は無い。タッチパネル114がタッチ操作を検知する方式としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式等を挙げることができる。スマートフォン100は、ディスプレイ113にタッチパネル114が重畳して設けられることで、直感的な操作環境をユーザに提供することができる。ディスプレイ113及びタッチパネル114は、「タッチスクリーン」の一例である。
【0031】
<スマートフォン100の処理ブロック>
図3は、実施形態に係るスマートフォンの処理ブロックの一例を示す図である。スマートフォン100は、キーボード制御部11、受付部12及び迷い検知部13を備える。スマートフォン100は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記スマートフォン100の、キーボード制御部11、受付部12及び迷い検知部13等の各部としての処理を実行する。
【0032】
キーボード制御部11は、互いに異なる文字群に対応付けられた複数のキーを含むキーボードをディスプレイ113に表示させる。
図4は、実施形態において、キーボード制御部がディスプレイに表示するキーボードの一例を示す図である。
図4に例示されるキーボード21は、複数のキー211を含むソフトウェアキーボードである。複数のキー211の夫々には、例えば、ひらがな50音のうち、「あ」行、「か」行、「さ」行、「た」行、「な」行、「は」行、「ま」行、「や」行、「ら」行、「わ」行に属するかな文字が対応付けられる。キー211の夫々には、対応付けられた文字群を示す代表する代表符号(例えば、文字「あ」)が表示される。キーボード制御部11は、キーボード21のうちのいずれかのキー211に対する指等によるタッチ操作を検知すると、タッチ操作を検知した座標情報を基に、タッチ操作が行われたキー211を特定する。また、キーボード制御
部11は、検知したタッチ操作が、タッチパネル114に指等が接触するタッチダウン操作であるか、タッチパネル114から指等が離れるタッチアップ操作であるかを判定する。キー211は、「文字パネル」の一例である。
【0033】
キーボード制御部11は、キーボード21のうちのいずれかのキー211に対するタッチダウン操作を検知すると、タッチダウン操作が検知されたキー211の周囲に複数のガイドパネルを配置することで、複数のガイドパネルと、当該複数のガイドパネルに囲まれたキー211を含むフリックガイドを表示する。
【0034】
図5は、実施形態において、フリックガイドが表示された状態の一例を示す図である。
図5の例では、キーボード制御部11は、代表符号「あ」が表示されたキー211に対するタッチダウン操作を検知したものとする。キーボード制御部11は、タッチダウン操作を検知したキー211の色を反転表示してキー211aとする。さらに、キーボード制御部11は、あ行のひらがなである「い」、「う」、「え」、「お」を示すガイドパネル221の夫々を、代表符号「あ」が表示されたキー211の周囲に配置する。ここで、「い」、「う」、「え」、「お」を示すガイドパネル221の夫々が配置される位置は、フリック入力による文字入力の操作方向に対応して決定される。キーボード制御部11は、このような処理を実行することで、キー211aと、キー211aの周囲に配置された複数のガイドパネル221とを含むフリックガイド22をディスプレイ113に表示させる。キーボード制御部11は、例えば、タッチアップ操作を検知すると、フリックガイド22を消去する。すなわち、タッチアップ操作を検知したキーボード制御部11は、代表符号「あ」の反転表示を消去してキー211aをキー211とするとともに、複数のガイドパネル221を消去する。キー211aは、「1の文字パネル」の一例である。
【0035】
受付部12は、フリック入力による文字入力を受け付ける。フリック入力では、フリック操作の操作方向に対応した文字の入力が行われる。受付部12は、例えば、タッチダウン操作を検知したキー211aを起点としたフリック操作を検知すると、フリック操作の操作方向に対応する位置に配置されたガイドパネル221が示す文字入力を受け付ける。受付部12は、例えば、
図5に例示した状態において、「あ」が表示されたキー211aから右方向へのフリック操作を検知すると、「あ」が表示されたキー211aの右側に配置されたガイドパネル221が示す文字「え」の入力を受け付ける。また、受付部12は、「あ」が表示されたキー211aにおいてタッチアップ操作を検知すると、キー211aが示す文字「あ」の入力を受け付ける。
【0036】
迷い検知部13は、フリック入力の操作に対するユーザの迷いを検知する。フリック入力では、フリック操作の操作方向に対応する文字の入力が受け付けられる。そのため、フリック操作の操作方向と入力される文字との対応関係に慣れるまでは、ユーザは操作に迷うことが考えられる。操作に迷ったユーザによるタッチ操作には、タッチダウン操作を維持したまま動かない時間が長時間化する、タッチダウン操作におけるタッチパネル114を押圧する圧力が高くなる等の特徴があると考えられる。そこで、迷い検知部13は、キー211に対するタッチダウン操作の継続時間が所定時間以上である場合や、キー211に対するタッチダウン操作における圧力が閾値以上である場合に、ユーザは操作に迷っていると判定する。
【0037】
キーボード制御部11は、ユーザが操作に迷っていると迷い検知部13によって判定されると、タッチアップ操作を検知してもフリックガイド22を消去しない。すなわち、キーボード制御部11は、ユーザが操作に迷っていると迷い検知部13によって判定されると、タッチアップ操作によるフリックガイドの消去を抑止する。
【0038】
そして、受付部12は、表示されたフリックガイド22のうちのキー211a及びガイ
ドパネル221のうちのいずれかにおけるタッチアップ操作を検知すると、タッチアップ操作を検知したキー211aまたはガイドパネル221が示す文字の入力を受け付ける。タッチアップ操作を検知したキー211aまたはガイドパネル221は、「1のガイドパネル」の一例である。
【0039】
また、キーボード制御部11は、タッチパネル114のうち、フリックガイド22が表示されていない領域に対するタッチダウン操作を検知すると、フリックガイド22を消去する。以下、本明細書において、キー211に対するタッチダウン操作の後にキー211aまたはガイドパネル221におけるタッチアップ操作によって文字入力する方法を「ツータッチ入力」とも称する。また、以下、本明細書において、タッチアップ操作を検知しても表示したフリックガイド22を消去しない動作モードのことを、「フリックガイド固定モード」とも称する。なお、受付部12は、ユーザが操作に迷っていると迷い検知部13によって判定されても、フリック入力による文字入力を受け付けてもよい。
【0040】
<スマートフォン100における文字入力方法>
以下、
図6から
図9では、実施形態におけるツータッチ入力及びフリック入力が例示される。以下の
図6から
図9において、点線で描かれた手は移動前の手の位置を模式的に示し、実線で描かれた手は移動後の手の位置を模式的に示す。また、移動前後の手の間に描かれた矢印は、手の移動方向を模式的に示す。
【0041】
図6及び
図7は、実施形態におけるツータッチ入力を模式的に示す図である。すなわち、
図6及び
図7では、ユーザが操作に迷っていると迷い検知部13によって判定された場合における文字入力が例示される。
図6では、代表符号「あ」が表示されたキー211に対してタッチダウン操作を行った指が、タッチパネル114から離れた状態が例示される。キーボード制御部11は、ユーザが操作に迷っていると迷い検知部13によって判定されていることから、
図6に例示するように、タッチアップ操作が検知されてもフリックガイド22を消去しない。
【0042】
図7では、ガイドパネル221へのタッチ操作が模式的に示される。
図7では、文字「い」を示すガイドパネル221へのタッチ操作が例示される。受付部12は、文字「い」を示すガイドパネル221へのタッチ操作を検知すると、文字「い」の入力を受け付ける。文字「い」の入力が受け付けられた後に、キーボード制御部11は、フリックガイド22を消去して、
図4に例示するキーボード21を表示すればよい。
【0043】
図8及び
図9は、実施形態におけるフリック入力を模式的に示す図である。すなわち、
図8及び
図9では、ユーザが操作に迷っていると迷い検知部13によって判定されなかった場合における文字入力が例示される。フリック入力では、タッチダウン操作を維持したまま、入力対象とする文字に対応するガイドパネル221の方向に向けたフリック操作を行うことで、文字入力が行われる。受付部12は、文字「え」を示すガイドパネル221へのフリック操作を検知すると、文字「え」の入力を受け付ける。
【0044】
図9では、タッチアップ操作が行われた状態が例示される。キーボード制御部11は、ユーザが操作に迷っていると迷い検知部13によって判定されていないことから、
図9に例示するように、タッチアップ操作を検知するとフリックガイド22を消去する。
【0045】
<フリックガイド固定モードに遷移する処理フロー>
図10は、実施形態において、フリックガイド固定モードに遷移する処理フローの一例を示す図である。
図10に例示する処理フローでは、キーボード制御部11によってディスプレイ113にキーボード21が表示されているものとする。以下、
図10を参照して、ツータッチ入力に移行する処理フローの一例について説明する。
【0046】
T1では、キーボード制御部11は、表示されたキーボード21のうちのいずれかのキー211に対する指等によるタッチ操作を検知する。
【0047】
T2では、キーボード制御部11は、T1で検知したタッチ操作がタッチダウン操作であるか、タッチアップ操作であるかを判定する。タッチダウン操作である場合(T2で「タッチダウン」)、処理はT3に進められる。タッチアップ操作である場合(T2で「タッチアップ」)、処理はT7に進められる。
【0048】
T3では、キーボード制御部11は、T2においてタッチダウン操作が行われたキー211を特定する。T4では、キーボード制御部11は、T3で特定したキー211を反転表示してキー211aとするとともに、キー211aの周囲に複数のガイドパネル221を配置したフリックガイド22をディスプレイ113に表示させる。
【0049】
T5では、迷い検知部13は、ユーザが操作に迷っているか否かを判定する。迷い検知部13は、例えば上記のように、キー211に対するタッチダウン操作の継続時間が所定時間以上である場合や、キー211に対するタッチダウン操作における圧力が閾値以上である場合に、ユーザは操作に迷っていると判定する。迷っていると判定された場合(T5で「迷い有り」)、処理はT6に進められる。迷っていないと判定された場合(T5で「迷い無し」)、処理はT1に進められる。T6では、キーボード制御部11は、フリックガイド固定モードに遷移し、タッチアップ操作を検知してもフリックガイド22を消去しないようにする。
【0050】
T7では、キーボード制御部11は、フリックガイド固定モードであるか否かを判定する。フリックガイド固定モードである場合(T7で「YES」)、処理はT6に進められる。すなわち、キーボード制御部11は、タッチアップ操作を検知(T2で「タッチアップ」)しても、フリックガイド22をディスプレイ113に表示させたままとする(T6)。フリックガイド固定モードではない場合(T7で「NO」)、処理はT8に進められる。
【0051】
T8では、タッチアップ操作を検知したキーボード制御部11は、フリックガイド22を消去する。T9では、受付部12は、キー211aからタッチアップ操作が行われた座標への方向(フリック操作の操作方向)に位置するキー211aまたはガイドパネル221を特定する。T10では、受付部12は、T9で特定したキー211aまたはガイドパネル221に対応付けられた文字の入力を受け付ける。
【0052】
<フリックガイド固定モードでの文字入力の処理フロー>
図11は、フリックガイド固定モードにおける文字入力の処理フローの一例を示す図である。
図11に例示する処理は、
図10のT6に例示した処理に引き続いて実行される。以下、
図11を参照して、フリックガイド固定モードにおける文字入力の処理フローの一例について説明する。
【0053】
J1では、キーボード制御部11は、
図10のT4で表示されたフリックガイド22へのタッチ操作を検知する。J2では、キーボード制御部11は、J1で検知したタッチ操作がタッチダウン操作であるかタッチアップ操作であるかを判定する。タッチダウン操作である場合(J2で「タッチダウン」)、処理はJ3に進められる。タッチアップ操作である場合(J2で「タッチアップ」)、処理はJ5に進められる。
【0054】
J3では、キーボード制御部11は、フリックガイド22のうち、J1においてタッチダウン操作が行われたキー211aまたはガイドパネル221を特定する。
【0055】
J4では、キーボード制御部11は、J3で特定したキー211aまたはガイドパネル221を反転表示する。
図12は、タッチダウン操作によってガイドパネルが反転表示された状態の一例を示す図である。
図12の例では、J3において「え」を示すガイドパネル221に対してタッチダウン操作が行われた状態が例示される。
【0056】
図11に戻り、J5では、キーボード制御部11は、J2で検知したタッチアップ操作が、フリックガイド固定モードに遷移直後のタッチアップ操作であるか否かを判定する。すなわち、キーボード制御部11は、J2で検知したタッチアップ操作が、フリックガイド固定モードに遷移してから最初に発生したタッチアップ操作であるか否かを判定する。フリックガイド固定モードに遷移直後のタッチアップ操作である場合(J5で「YES」)、処理はJ6に進められる。フリックガイド固定モードに遷移直後のタッチアップ操作ではない場合(J5で「NO」)、処理はJ7に進められる。
【0057】
J6では、フリックガイド22において反転表示されているキー211aやガイドパネル221の反転表示を消去する。
【0058】
J7では、キーボード制御部11は、フリックガイド22を消去する。J8では、受付部12は、J2においてタッチアップ操作が検知されたキー211aまたはガイドパネル221を特定する。J9では、受付部12は、J8で特定したキー211aまたはガイドパネル221に対応付けられた文字の入力を受け付ける。
【0059】
<実施形態の作用効果>
【0060】
フリックガイド固定モードではない場合、タッチアップ操作が検知されるとフリックガイド22は消去される。フリックガイド22はフリック操作の操作方向と入力対象の文字との対応を案内するものの、フリック入力に不慣れなユーザには、どのような操作を行えばフリックガイド22が案内する文字を入力できるか不明な場合がある。また、フリック入力に不慣れなユーザには、フリックガイド22が何を示しているのか不明な場合も考えられる。
【0061】
本実施形態によれば、キーボード制御部11は、フリック入力に迷いが生じていることを迷い検知部13によって検知されると、フリックガイド固定モードに遷移する。フリックガイド固定モードに遷移することで、タッチアップ操作が検知されてもフリックガイド22は消去されない。また、フリックガイド固定モードでは、フリックガイド22に対するタッチ操作による文字入力が可能となる。そのため、スマートフォン100は、フリック入力に不慣れなユーザに対して、フリックガイド22のキー211またはガイドパネル221に対するタッチ操作という直感的な文字入力環境を提供することができる。
【0062】
高齢者や手指等に怪我や障害を負った人物等は、指等を細やかに動かすことが難しいと思われる。このような指等を細やかに動かすことが難しいユーザの場合、例えば、代表符号「あ」が表示されたキー211に対してタッチダウン操作を行おうとして、その隣に配置された代表符号「か」が表示されたキー211に対するタッチダウン操作を誤って行ってしまうということが生じ得る。フリックガイド固定モードに遷移したスマートフォン100によれば、誤ったキー211に対してタッチダウン操作が行われても、改めて所望のキー211に対するタッチダウン操作が行われれば、所望のキー211についてのフリックガイド22を表示することができる。そのため、スマートフォン100は、指等を細やかに動かすことが不得手なユーザに対しても、文字入力を容易なものとすることができる。
【0063】
また、スマートフォン100は、フリック入力に迷いが生じていることを迷い検知部13によって検知されない場合、フリックガイド固定モードに遷移せずにフリック入力による文字入力を受け付けることができる。そのため、スマートフォン100は、フリック入力に慣れたユーザに対しては、フリック入力による文字入力環境を提供することができる。
【0064】
実施形態に係るスマートフォンは、フリック入力に迷いが生じていることを検知することで、フリックガイド固定モードに遷移することができる。そのため、スマートフォン100は、入力方式の設定作業等を行わなくとも、フリック入力からフリックガイド固定モードによるツータッチ入力への入力方式の切り替えを行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、フリック入力に対する習熟度合いに応じた文字入力方式の切り替えが容易となる。
【0065】
さらに、本実施形態によれば、ツータッチ入力が行われるとフリックガイド22が消去され(例えば、
図11のJ7)、次のタッチダウン操作時に迷い検知部13によって迷いが検知されなければ(
図10のT5「迷い無し」)、フリックガイド固定モードに遷移しない(
図10のT6に進まない)。そのため、スマートフォン100では、ユーザがフリック操作に習熟すると、改めて文字入力方式の設定等を行うまでもなく、フリック入力による文字入力を可能とすることができる。
【0066】
<第1変形例>
実施形態では、迷い検知の有無を契機として、フリック入力とツータッチ入力とが切り替えられる入力方式について説明した。第1変形例では、さらに、トグル入力への切り替えも可能な入力切替方式について説明する。実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。以下、図面を参照して、第1変形例について説明する。
【0067】
図13は、第1変形例における、フリックガイド固定モード、フリック入力、トグル入力を切り替える処理フローの一例を示す図である。
図10と同一の処理については同一の符号を付し、その説明を省略する。以下、
図13を参照して、第1変形例における、フリックガイド固定モード、フリック入力、トグル入力を切り替える処理フローの一例について説明する。
【0068】
W1では、
図10のT1からT9の処理が実行される。W2では、キーボード制御部11は、T2においてタッチアップ操作が行われたキー211またはガイドパネル221を特定する。そして、キーボード制御部11は、特定したキー211またはガイドパネル221と、タッチアップ操作が行われる直前にT3において特定されたキー211とが異なるか否かを判定する。異なる場合(W2で「YES」)、処理はW3に進められる。一致する場合(W2で「NO」)処理は、W4に進められる。
【0069】
W3では、受付部12は、W2で特定したガイドパネル221が示す文字の入力を受け付ける。W2からW3の処理によって、フリック入力による文字入力が実行される。
【0070】
W4では、受付部12は、タッチダウン操作が行われたキー211に対応付けられた文字群から入力候補となる文字を所定の順番で順次切り替える。W2からW4の処理によって、トグル入力による文字入力が実行される。
【0071】
第1変形例では、フリックガイド固定モードによるツータッチ入力、フリック入力及びトグル入力の切り替えを、設定変更等を行わなくとも容易に切り替えることができる。
【0072】
<その他の変形>
以上説明した実施形態や第1変形例では、フリック入力の操作に対するユーザの迷いの検知に予め設定したタッチダウン操作の継続時間についての所定時間やタッチダウン操作の圧力についての閾値が採用された。しかしながら、本実施形態に係るスマートフォン100は、このような所定時間や閾値とは異なる基準に基づいて、フリック入力の操作に対するユーザの迷いを検知してもよい。
【0073】
例えば、スマートフォン100は、過去のユーザ操作におけるタッチダウン操作の継続時間を補助記憶部に記憶させる。そして、スマートフォン100は、記憶させた継続時間の平均よりも、検知したタッチダウン操作の継続時間の方が許容範囲を超えて長い場合、ユーザがフリック入力の操作に迷っていると判定してもよい。
【0074】
また、例えば、スマートフォン100は、過去のユーザ操作におけるタッチダウン操作で検知された圧力を補助記憶部に記憶させる。そして、スマートフォン100は、記憶させた圧力の平均よりも、検知したタッチダウン操作の圧力の方が許容範囲を超えて強い場合、ユーザがフリック入力の操作に迷っていると判定してもよい。
【0075】
以上説明した実施形態や第1変形例では、タッチダウン操作を検知したキー211の周囲にガイドパネル221の夫々が配置された。しかしながら、ガイドパネル221の夫々は、キー211とは異なる位置を中心として、フリック入力による文字入力の操作方向に対応させて配置してもよい。また、実施形態においては、矩形状のガイドパネル221が例示されたが、ガイドパネル221の形状が矩形に限定されるわけではない。
図14及び
図15は、フリックガイドのバリエーションを例示する図である。
図14は、ディスプレイ113において、キーボード21の上部にフリックガイド22が表示された状態を例示する。また、
図15は、矩形とは異なる形状のガイドパネル221の一例として、円弧状に形成されたガイドパネル221を例示する。
【0076】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0077】
<<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0078】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0079】
100:スマートフォン
101:CPU
102:主記憶部
103:補助記憶部
104:通信部
110:筐体
111:スピーカー
112:マイクロフォン
113:ディスプレイ
114:タッチパネル
11:キーボード制御部
12:受付部
13:迷い検知部
21:キーボード
211、211a:キー
22:フリックガイド
221:ガイドパネル