(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】調節可能な家具
(51)【国際特許分類】
A47C 20/10 20060101AFI20231228BHJP
A61G 7/015 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A47C20/10
A61G7/015
(21)【出願番号】P 2020504132
(86)(22)【出願日】2018-07-27
(86)【国際出願番号】 GB2018052151
(87)【国際公開番号】W WO2019021026
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-07-21
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518442239
【氏名又は名称】モータス メカニクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ポール
【審査官】杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-043433(JP,U)
【文献】特開2007-061361(JP,A)
【文献】台湾特許出願公開第201542186(TW,A)
【文献】特開2013-236762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/04
A61G 7/005
A47C 16/00
A47C 17/16
A47C 7/36
A47C 7/50
A47C 20/10
A61G 7/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの支持区間と、
少なくとも一つの前記支持区間の旋回移動を行うように作動可能である駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、軸受組立体で枢軸的に組み合わせられた少なくとも第1及び第2構成要素を含み、前記駆動機構の動作は、前記第1及び第2構成要素の間の旋回移動のみを引き起こし、これにより、少なくとも一つの前記支持区間の旋回移動を行い、
前記軸受組立体は、回転的に互いに可動な内輪及び外輪を有する軸受を備え、前記外輪は、前記第1又は第2構成要素のうち一方に回転固定され、前記内輪は、前記第1又は第2構成要素のうち他方に回転固定され
、
さらに、
第1及び第2アームと、家具の長手方向に交差する横断方向に前記第1及び第2アームの間に延びる横断部とを含むHフレーム手段と、
前記横断方向に関して前記第1及び第2アームの間に位置し、前記支持区間を駆動する動力を発生させるように構成されているアクチュエーターとを備えている、調節可能な家具。
【請求項2】
前記第1又は第2構成要素のうち一方は、前記外輪に対して締り嵌めを行うように構成された一体の軸受ハウジングを備え、これにより前記外輪は、前記第1又は第2構成要素のうち前記一方に対して回転固定されている請求項1記載の調節可能な家具。
【請求項3】
前記第1又は第2構成要素のうち他方は、前記内輪に対して締り嵌めを行うように構成された固着部を備え、これにより前記内輪は、前記第1又は第2構成要素のうち前記他方に対して回転固定されている請求項
2記載の調節可能な家具。
【請求項4】
前記締り嵌めは圧着(crimped fit)である請求項
2又は
3記載の調節可能な家具。
【請求項5】
前記第1構成要素は家具の固定されたフレームであり、前記第2構成要素は、少なくとも一つの前記支持区間に取り付けられた
前記Hフレーム手段である請求項1
ないし4のいずれか1項に記載の調節可能な家具。
【請求項6】
前記第1構成要素は
前記Hフレーム手段であり、前記第2構成要素は第2接続手段であり、前記
Hフレーム手段は第1支持区間に直接に作用するように動作可能であり、前記第2接続手段は第2支持区間に直接に作用するように動作可能であり、これにより前記駆動機構は同時に両方の前記支持区間に作用する請求項1
ないし4のいずれか1項に記載の調節可能な家具。
【請求項7】
前記第1構成要素は第2接続手段であり、前記第2構成要素は少なくとも一つの前記支持区間に固定されたブラケットである請求項1
ないし4のいずれか1項に記載の調節可能な家具。
【請求項8】
前記第1構成要素は
前記アクチュエーターであり、前記第2構成要素は
前記Hフレーム手段である請求項1
ないし4のいずれか1項に記載の調節可能な家具。
【請求項9】
少なくとも一つの前記支持区間は、多関節となっている複数の支持区間であり、前記支持区間は、少なくとも一つの調節可能な第1支持区間と少なくとも一つの調節可能な第2支持区間とを含み、
前記駆動機構は、少なくとも一つの前記第2支持区間に対して少なくとも一つの前記第1支持区間を角度調節するために、連携した旋回移動を行うための作動機構を備え、
前記作動機構は、前記第1支持区間に直接に作用するように
前記Hフレーム手段を駆動するために作動可能であり、前記第2支持区間に又は前記第1及び第2支持区間を接続する旋回点に直接に作用するように第2接続手段を駆動するために作動可能であり、これにより前記作動機構は、同時に両方の前記支持区間を駆動し、
前記第2接続手段は、前記
Hフレーム手段を介して前記作動機構によって駆動され、
前記第2接続手段は、前記
Hフレーム手段に枢軸的に取り付けられている請求項1
ないし8のいずれか1項に記載の調節可能な家具。
【請求項10】
前記第1及び第2支持区間のうち一方は
、前記第1及び第2支持区間のうち他方に対して旋回可能である請求項
9記載の調節可能な家具。
【請求項11】
前記第2接続手段は第1端及び第2端を有し、前記第1端は、前記
Hフレーム手段に枢軸的に取り付けられ、前記第2端は、前記第2支持区間に枢軸的に取り付けられている請求項
10記載の調節可能な家具。
【請求項12】
前記
Hフレーム手段は、家具のフレームに枢軸的に取り付けられた第1端部と、前記第1支持区間に対して線的に(translationally)移動可能な第2端部とを有する請求項
9ないし
11のいずれか1項に記載の調節可能な家具。
【請求項13】
前記第1及び第2支持区間は、下記の対のうちの一対から選択され、
前記第1支持区間は足支持区間であり、前記第2支持区間は大腿支持区間であり、又は
前記第1支持区間は背中用の支持区間であり、前記第2支持区間は首用の支持区間であり、又は
前記第1支持区間は腰用の支持区間であり、前記第2支持区間は背中用の支持区間である請求項
9ないし
12のいずれか1項に記載の調節可能な家具。
【請求項14】
家具は、床で起立するベース区間を備えている椅子であり、少なくとも一つの前記支持区間は、前記ベース区間に対して旋回して可動なシート支持区間であり、
前記第1構成要素は、前記ベース区間に固定された
前記アクチュエーターであり、前記第2構成要素は、前記シート支持区間に固定されたブラケットであり、これにより前記軸受組立体は前記アクチュエーターと前記ブラケットとの間で枢軸接続を与え、前記ベース区間と前記シート支持区間との間の旋回移動を引き起こす請求項1
ないし4のいずれか1項に記載の調節可能な家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子又はベッドなどの調節可能な家具の物品に関し、特に、家具の構成を調節するために移動できる一つ以上の調節可能な支持区間を備えた調節可能な家具に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の調節可能な家具の物品は、異なる構造の間で一つ以上のアクチュエーターによって駆動される複雑な諸機構を備えている。米国特許公開2002/0174487号は、病院用ベッドを開示する。これはさまざまな位置、例えば、平坦な水平位置、仰臥位置又は半仰臥位置、又は単純に背もたれを上昇させた位置に、横たわる人(占有者、occupant)を支持する調節可能な背中用の区間と大腿区間とを有する。米国特許公開2002/0174487号の病院用ベッドは、一対の平行で互いに間隔をおいた第1及び第2側方フレーム部を有するフレームと、調節可能な背を有するマットレス支持デッキと、背中用の区間に隣接して位置する固定のシート区間と、シート区間に隣接して位置する調節可能な大腿区間とを備えている。大腿区間は、シート区間に対して長手方向に可動であり、フレームに対して上昇したときに大腿区間の長さを増加させる。第1及び第2湾曲チューブは、背中用の区間の第1及び第2側部のそれぞれに取り付けられている。複数のローラーが、第1及び第2側方フレーム部に取り付けられ、このローラーは第1及び第2湾曲チューブを支持する構成であり、フレームに対する湾曲チューブと背もたれ区間との移動を許容する。リニアアクチュエーターが背もたれ区間の下に配置され、第1及び第2チューブに取り付けられ、フレームに対して水平位置から上昇位置へ背もたれ区間を移動させる。断面が円弧状の二つの同心のチューブは、ベッドの各側部に設けられ、これはベッドのマットレスに横たわる人の身体の股関節に従う位置を中心として曲率半径を有する。これらのチューブはベッドの各側部で三つのローラーの間に取り付けられている。二つのローラーが、相対的に外側のチューブ、即ち、径方向で外向きの側のチューブの底部に位置し、第3ローラーが、相対的に内側のチューブの頂部に位置する。横断部がチューブの間で延びている。この構成によって、調節可能な背中用の区間は、ベッド上の人の身体の股関節の点で30(30度)だけ旋回する、いわゆる剪断のない旋回機構を提供する。
【0003】
米国特許公開2002/0174487号に開示された構成は、重く、頑丈であり、機械的に複雑であると考えられうる。
【0004】
現代の家庭用の構造では、12~18インチのマットレスの厚みが一般に用いられ、米国では14~18インチが一層典型的に用いられる。ここでは、マットレスの全体の重量、堅牢さ、剛性が、ベッドの操作機構に予期しない荷重を与えることがある。例えば、より厚くより重いマットレスは、モーター(アクチュエーター)を酷使し、モーターと機械系の寿命を短くする。このことは、一層厚いマットレスへの消費者の需要によって市場が動かされるので、ますます重要になってきている。モーター内蔵の調節可能なベッドは、上述の厚みのマットレスを用いるわずかな回数のサイクルの後であっても、故障することが知られている。このことを解決する一つの手法は、特別な、一層可撓的な「リブ付き」のマットレスを使用することであった。しかしこれは、大多数の用途に対しては実際的な解決策ではない。
【発明の概要】
【0005】
既知の設計に伴う別の問題は、ベッドの下のスペースを有効活用するのに、操作機構を可能な限りコンパクトにすることの要請である。家庭用ベッドでは、このスペースは収納用の引き出しを収容することにしばしば利用される。従って、この機構がコンパクトであるほど、又は薄型であるほど、収納能力は大きくなる。
【0006】
したがって、既知の設計に伴う上述の問題に対処する調節可能な家具であって、製造、収納、輸送、配達及び組み立てを行うことが、既知の設計の調節不能な家具と同じ程度に少なくとも容易な、調節可能な家具に対する要請がある。
【0007】
本発明の一つの態様によれば、調節可能な家具であって、
少なくとも一つの支持区間と、
少なくとも一つの支持区間の旋回移動を行うように作動可能である駆動機構とを備え、
駆動機構は、軸受組立体で枢軸的に組み合わせられた少なくとも第1及び第2構成要素を含み、駆動機構の動作は、第1及び第2構成要素の間の旋回移動を引き起こし、これにより、少なくとも一つの支持区間の旋回移動を行う、調節可能な家具を提供する。
【0008】
駆動機構の枢軸的な構成要素のための軸受組立体を提供することは、アクチュエーターを一層効率的に使用することを可能にする。一層効率的に使用することの結果は、支持区間を一層浅い角度で駆動することをアクチュエーターに可能にすることである。このことは、一層コンパクトな機構を使用することを可能にし、家具内のスペースが有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ここで、添付の図面を参照して、単なる例として本発明を説明する。
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による調節可能なベッドのフレーム及び操作機構を上から見た斜視図であり、ベッドは座った位置で横たわる人を支持するための半直立の構成である。
【
図2】
図1の調節可能なベッドのフレーム及び操作機構の上方及び後方から見た、左後側の四分の一の斜視図である。
【
図3】ベッドを下から見た
図1のベッドの斜視図である。
【
図4】
図1のベッドの側面図であり、ベッドは
図1の半直立の調整位置にある。
【
図5】ベッドが一杯に直立した調整位置にある
図2と同様の斜視図である。
【
図6】
図4と同様のベッドの側面図であり、ベッドは
図5の一杯に直立した調整位置にある。
【
図6a】マットレスが上側に支持された
図6のベッドの側面図である。
【
図7】マットレス支持デッキの一部が仮想線の輪郭で示された、ベッドが一杯に下降した位置にある
図2と同様の斜視図である。
【
図8】ベッドの側面図であり、ベッドは
図7の一杯に下降した位置にある。
【
図9】
図1のベッドの斜視図であり、ベッドを平面図では下から見た状態である。
【
図10】半直立の構成の
図1のベッドの側面図である。
【
図11】一杯に直立した調整位置にある
図1のベッドの斜視図である。
【
図12】
図1のベッドの諸構成要素の拡大斜視図である。
【
図13】
図1のベッドの諸構成要素の拡大斜視図である。
【
図14】
図1のベッドの諸構成要素の拡大斜視図である。
【
図15】
図1のベッドの諸構成要素の拡大斜視図である。
【
図16】
図1のベッドの諸構成要素の拡大斜視図である。
【
図17】足支持部が一杯に上昇した位置にある、代替のベッドの側面図である。
【
図18】足支持部が一杯に上昇した位置にある
図17のベッドの斜視図である。
【
図19】支持パネルが取り外された
図17のベッドの斜視図である。
【
図26】半直立の構成の背中用の支持部を備えた、代替のベッドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1~16を参照すると、ベッド10の形態での調節可能な家具という物品は、複数の隣接した平坦なマットレス支持パネルを有するマットレス支持プラットフォーム又はデッキ11を備えている。この複数の隣接した平坦なマットレス支持パネルは、調節可能である背中、首及び頭部のための上半身支持区間パネル12,腰支持区間パネル13,調節不能な中間支持区間パネル14,調節不能な下半身支持区間パネル16,調節可能な大腿区間パネル17,及び下肢・足支持区間パネル18を含む。
図2,5,7を通して、調節可能なベッド10の詳細な構造を示すためにパネル12~18を仮想線で示している。
図6aは、
図6の位置に調節可能なベッド10を備えているベッド組立体を示し、デッキ11に支持されたマットレス15を有する。マットレス15は、明確化のためにデッキ11よりわずかに上方に上げて示してある。ただし、マットレス15は、使用中はデッキ11に物理的に直接接触することが理解される。マットレスとして言及する場合は、単独のマットレスと、支持部や支持パネルと一体化されたマットレスとの両方を含むことが理解される。
【0012】
パネル12~18は、支持フレーム20に取り付けられている。上半身支持区間パネル12,腰支持区間パネル13は、支持フレーム20に調節可能に取り付けられている。中間支持区間パネル14,下半身支持区間パネル16は、支持フレーム20に対して固定されている。大腿区間パネル17,下肢・足支持区間パネル18は、支持フレーム20に調節可能に取り付けられている。腰支持区間パネル13は上面19を有し、上半身支持区間パネル12(背もたれ支持区間パネル)は上面21を有する。内角Bが上面19,21の間に形成され、ベッドが一杯に上昇した姿勢に向けて移動したときに、内角Bは常に180度より小さく、上半身支持区間パネル12(背もたれ支持区間パネル)は、
図4で見たときに常に反時計方向に傾けられ、横たわる人(図示せず)の頭部が背もたれ支持区間に支持される。
【0013】
支持フレーム20は、それぞれの隣接する端部でヒンジ止めされた二つの半区間20a,20bを有する。二つの半区間は、頭部の端のサブ組立体20aと爪先の端のサブ組立体20bとを含む。
図1,10に最もよく示したように、二つの半区間20a,20bは、それぞれの隣接する縁でパネル14,16の上向きに面した表面に固定されたヒンジ24で、それぞれの隣接する端部がヒンジ止めされている。
図1~8に図示したように、ヒンジ構造は、ヒンジで離されて所定位置にロックされたときに、二つの半区間のサブ組立体が全長の構造的な支持フレームを提供する。ヒンジ付きのサブ組立体20a,20bは、後に詳述するように、輸送、収納、分配、配達の目的のために、ベッドの上下の半分が互いの上に折り畳まれることを可能にする。
【0014】
上半身支持区間パネル12,腰支持区間パネル13は、支持フレームの頭部の端のサブ組立体20aに対して調節可能に取り付けられている。中間支持区間パネル14は、腰支持区間パネル13に隣接した、支持フレームの頭部の端のサブ組立体20aに対して固定されている。下半身支持区間パネル16は、中間支持区間パネル14に隣接した爪先の端の半区間のサブ組立体20bに対して固定されている。大腿区間パネル17,下肢・足支持区間パネル18は、固定された下半身支持区間パネル16に隣接した爪先の端の半区間のサブ組立体20bに対して調節可能に取り付けられている。
【0015】
腰支持区間パネル13は、パネルの隣接した各エッジに沿って延びるヒンジ付きジョイント22によって、固定された中間支持部に枢軸的に接続されている。
図9に最もよく示したように、ヒンジ付きジョイント22は複数のヒンジ22’を備え、これらは、フレーム20の領域内でパネル13,14の隣接したエッジのうちのエッジに沿って間隔をおいている。パネル13,14の隣接したエッジは、それぞれ長く延びたヒンジ取り付けブラケット23a,23bを備え、これは好ましくは金属で構成され、
図8に最もよく示したように、半区間20a(フレーム)の縁の間でパネル13,14の下方で延びている。三つのヒンジ22’が提供され、これは、中央に位置するヒンジと、長く延びたヒンジ取り付けブラケット23a,23bの各端部での対のヒンジとを含む。図示した実施形態では、ヒンジ22’は通常の形態と構造とを有し、各取り付け用のブラケットに固定して取り付けられ、ヒンジ付きジョイント22(ヒンジ)の旋回軸を中心として腰支持パネルを固定の中間支持区間パネルに枢軸的に取り付ける。
【0016】
同様に上半身支持区間パネル12は、パネルの隣接した各エッジに沿って延びるヒンジ付きジョイント25によって、腰支持パネルに枢軸的に接続されている。ヒンジ付きジョイント25は複数のヒンジ25’を備え、これらは、フレーム20の領域内でパネル12,13の隣接したエッジのうちのエッジに沿って間隔をおいている。パネル12,13の隣接したエッジは、それぞれ長く延びたヒンジ取り付けブラケット26a,26bを備え、これは好ましくは金属で構成され、
図8に最もよく示したように、半区間20a(フレーム)の縁の間でパネル12,13の下方で延びている。三つのヒンジ25’が提供され、これは、中央に位置するヒンジと、長く延びたヒンジ取り付けブラケット26a,26bの各端部での対のヒンジとを含む。図示した実施形態では、ヒンジ25’は通常の形態と構造とを有し、各取り付け用のブラケットに固定して取り付けられ、ヒンジ付きジョイント25(ヒンジ)の旋回軸を中心として上半身支持区間パネル12を腰支持パネル13に枢軸的に取り付ける。
【0017】
ヒンジ22’,25’は、通常のピンブラケットのタイプのヒンジであってよく、又は他の実施形態では、耐疲労性のプラスチック材料で構成されてよく、例えば、いわゆる「生きたヒンジ」であってよい。他のタイプのヒンジはさらに、押し出し加工で得られた金属チューブ、例えば、押し出しされたアルミニウム又はアルミニウム合金で形成され、横断面でd又はpの形状を有し、押し出し加工の一体部品として長手方向の取り付け用フランジを含む、金属チューブを含むことが想定されている。ここでは、ヒンジピンが既知の方式で押し出しされたチューブに貫通され、任意であるが、低摩擦でヒンジピンを支持するようにチューブの各端部に位置する軸受(玉軸受のタイプ)に取り付けられる。好ましい実施形態では、少なくともヒンジ25’が限定された角度調節を有するので、調節可能なパネル12は、腰支持区間パネル13に対して限定された下向きの角度調節を有する。図示した実施形態では、ヒンジ25は、好ましくは金属の、矩形の板27の形態の突き当てストッパーを備え、これは、ヒンジ25’の領域内のヒンジ取り付けブラケット26aに固定して取り付け又は接続されている。板27は、ヒンジ25の下側に位置し、板27とヒンジ取り付けブラケット26bの下側との相互の突き当てにより、腰支持区間パネル13の平面を越えてパネル12が下降することを防止する。従って、パネル12,13は、平坦に下降されたとき、180度だけ離れる。
【0018】
さらにヒンジ22’,25’は、ヒンジ止めされた前のパネル区間に対してこの角度(典型的には30度、又は、隣り合うプラットフォーム区間の数で割った角度調節の総計組み合わせ角だけ)を各パネル12,13(プラットフォーム区間)が越えることがないように、上向きに制限されている。ヒンジ22’,25’は、ヒンジ止めされた前のパネル区間と平行な方向よりも下に各プラットフォーム区間が落下しないように、下向きに制限されている。
【0019】
後により詳細に述べるように、パネル12,13は、ベッドの調節の間に、ベッドの固定された中間支持区間パネル14,16の平坦な姿勢で規定される水平面から所定の最大量、例えば組み合わせで65度の範囲で、各旋回軸を中心として上昇されてよい。ヒンジ22,25は、パネル12,13の相対的な角度調整の程度を限定するためのストップ手段を備えている。典型的には、パネルの最大の組み合わせた角度調節は、固定された調節不能なパネル14の平面に対して65度である。従ってヒンジ22,25は、等しい量、又は実質的に等しい量だけ、例えば、特定の用途及び必要とされる調節の最大角度に依存した50/50又は40/60で、パネル12,13の最大の角度調節を行わせることに適合されていてよい。
【0020】
上述したように、本発明の実施形態では、背もたれと腰の支持区間の調節の最大組み合わせ角度は、典型的には50~65度である。図示した実施形態では、調節の角度は腰の支持プラットフォームのそれぞれの側を接続するヒンジ22,25の間に、分け与えられる。
図9に最もよく観察されるように、これらのヒンジ軸は、ベッドの長手方向に好ましくは200~300mm離れている。図示した実施形態では、250mmの長さサイズを有する単一の腰支持プラットフォームが好ましい。
【0021】
図5,6でベッド10は、完全に多関節となっている構成で示され、起き上がって上向きに座った位置にある人を支持するように調節されている。この位置で、上半身支持区間パネル12,腰支持区間パネル13は上昇され、固定された中間支持区間パネル14に対して傾斜している。上半身支持区間パネル12は、ヒンジ25で規定された旋回軸を中心として上昇され、腰支持区間パネル13は、ヒンジ22で規定された旋回軸を中心として上昇されている。
【0022】
図6を参照すると、組み合わせ角ASBが、シート(支持)区間16(下半身支持区間パネル16)で規定された平面PSと背もたれ支持区間パネル12で規定された平面PBとの間に形成されていることが観察できる。組み合わせ角ASBは、第1角ASMと第2角AMBとに分けられる。第1角ASMはシート区間の平面PSと腰支持区間パネル13で規定された平面PMとの間に規定され、第2角AMBは、腰支持区間パネル13で規定された平面PMと背もたれ支持区間パネル12で規定された平面PBとの間に規定される。
【0023】
下降位置(
図7,8)で、調節可能な支持区間パネル12,13は、固定された調節不能なパネル14,固定されたパネル又はシート区間16,及び調節可能なパネル17及び18と組み合わされ、実質的に平坦な水平面のマットレス支持プラットフォーム又はデッキを形成する。さまざまな支持区間パネル12~18がそれぞれ、所定の厚みのマットレス支持クッション(図示せず)を有してよく、これらは、適切なマットレスを支持するマットレス基部を提供するように組み合わさる。これに代えて、マットレスは支持区間パネル12~16の上側に直接載せてよい。支持区間パネル12~16は、支持クッションを伴って、又は伴わないで、装飾加工が施されて(upholstered)よい。さらに本発明は、ベッド外枠、例えば、北アメリカで普及しているタイプ、又は、英国でもっと典型的に見かける長椅子タイプのベッド基部構造などの、内部空間の中に置かれるように支持フレーム20が構成された構造を、さらに想定している。図示した実施形態では、ベッドの支持フレーム20は、床で起立する脚部28を備えているので、自立するようになっている。従って、本発明は、支持フレーム20が別体の取り囲む構造、例えば、頭部の板、爪先の板、及び頭部の板と爪先の板との間の側方パネルとを含む、装飾的で木製の、又は装飾加工を施した外枠の中に位置する構成になっている構造も想定している。ベッドのこれらの寸法は、ベッドがダブルベッドのサイズを有する場合であるが、本発明は、標準のシングルサイズからかなり大きなダブルサイズに至るまで多くの異なる幅のベッドを想定している。
【0024】
半フレームのサブ組立体20a,20bはそれぞれ、全体に矩形の構造的な支持フレームを備え、好ましくは金属から形成されるが、金属に加えて又はこれに代えて、他の材料、板型の材料、例えば、エンジニアリングプラスチック、MDF,木、又は他の繊維タイプの板も、さまざまな構成部品に用いてよい。
【0025】
二つの半区間20a,20bは、それぞれ側レールの形態の、一対の長く延びた側方フレーム部30a,30bをそれぞれ含む。側方フレーム部は、ベッドの両側でベッドの長手方向に沿って延び、金属、好ましくは鋼鉄の横断部31a,31b,32a,32bによって各端が組み付けられ、矩形箱のタイプの構造的な支持フレーム20a,20bを形成する。
【0026】
側方フレーム部30a,30bは、適切な寸法とされた、好ましくは鋼鉄製の箱断面の金属チューブで構成され、横断部31a,32bは、同様な、矩形の箱断面の金属チューブで構成されている。支持フレーム20は、爪先の端の半区間20bの先端での中間位置に、矩形のフレーム構造の各コーナーに向かう脚部28を備えている。側方フレーム部30a,30b及び各横断部31a,31b,32a,32bは、溶着によって、又はこれに代えて、ネジ、ボルトや締結具などの固着手段によって、結合される。好ましい実施形態では、脚部は、周知のような、適切な可逆的な固着手段、例えばネジ嵌めの構成によって、フレームに着脱自在に取り付けられている。
【0027】
二つの半区間20a,20bの組立体は、支持フレーム20が広げられたときに側方フレーム部30a,30bをまとめてロックするロック手段を備えている。ロック手段は、ヒンジ24の領域で各側方フレーム部30bの下側に取り付けられている金属の板33を含む。金属の板33は、隣接した側方フレーム部30aの下側に延び、周知のような、適切な可逆な固着手段、例えば、図示した実施形態のように、蝶ネジ又は翼ナットなど(5)ボルト・ナット接続部35のようなネジ嵌めの構成によって、着脱自在に取り付けられている。
【0028】
広げられてロックされた支持フレーム20は、ベッド10の、床で起立する基部を構成する。支持フレーム20は、床で起立する脚部28で直接立ってもよいし、これに代えて、技術的によく知られているように、脚部の先端にキャスターや足などを備えてもよい。これに代えて、脚部は取り外してもよく、フレームはベッド外枠の内部に収容されるように構成されてもよい。例えば、適切に構成されたベッド外枠の内部での適切なマウントに据えられた側方フレーム部を伴ってもよい。上述したように、支持フレーム20は、ヒンジ24で規定された横断するヒンジ軸を中心として、手で畳んだり広げたりしてよい。パネル12,14がパネル16の上側に平らになっている
図9,10に示すように、頭部の端又は爪先の端のいずれかのフレームが移動され、フレームの二つの半区間が、ヒンジ軸を中心とした(10)相対移動で、合わせられる。
図9,10で観察できるように、床で起立する脚部28が取り外された場合に、ベッド10は、非常に小さな空間の包絡線があるようになる。深さでの若干の増加、即ちほぼ爪先の端の半フレームの追加の深さの代わりに、広げたベッドの長さサイズの半分を有する。
【0029】
調節可能なパネル12,13の移動は、動力が与えられた作動機構によって行われる。この作動機構は、リニアアクチュエーター40と、旋回する「Hフレーム」42の形態の第1接続手段とを備えている。Hフレーム42は、一対のアーム44と、アーム44の間で延びて、これらの長さのほぼ中間でアーム44を接続する横断部46とを含む。アーム44は、第1末端65と、第2末端67に向かって(近接して)位置する開口69を有する第2末端67とを有する。各アーム44は、開口69と同心に構成された膨出部71の形状の特徴を有する。アーム44は全体的に直線的であるが、軸受52の形態のローラーが回転可能に取り付けられた第1末端65で、上向きに湾曲する。金属、ナイロンなどで形成されてよい耐摩耗性の条材54に沿って、軸受52は調節可能なパネル12の下側に接触し、調節可能なパネル12が上昇・下降されたときに、軸受52は条材54に沿って移動する。
【0030】
Hフレームは、ブラケット50の形態での第2構成要素でのアーム44の第2末端に枢軸的に取り付けられ、ブラケット50は、旋回点48の位置で頭部の端の半区間のサブ組立体20aの下側に固定されている。ブラケット50は、ヒンジ25の領域内で半区間20a(フレーム)の下側から下がって延びている。ブラケット50は、一体の軸受ハウジング51を備え、これは後に説明するように、軸受組立体53を収容してこれを保持するように構成されている。(Hフレーム42の一例は、バー(46a)と、前記バーから実質的に垂直に突出し、互いに間隔をおいた一対の支持部(stay)(44)とを備えていてよい。)
【0031】
図12~16で軸受組立体53は、内輪の内径DIRを有する内輪(inner race)55、及び外輪の外径DORを有する外輪(outer race)57を備えている。内輪55,外輪57は、回転的に互いに可動である。軸受ハウジング51は外壁60を有し、外壁60は、部分的に円形の区間59と、部分的に円形の区間59から延びる圧着区間(crimped section)61とを含む。(圧着区間61の一例は、締り嵌めを行ってよい。)軸受組立体53が軸受ハウジング51内に配置された後に圧着区間61が形成されるので、軸受組立体53は、軸受ハウジング51に対して、内部に保持され、かつ回転固定されている。アーム44は、内輪55の外面73との膨出部71(又は開口69)の係合によりブラケット50に枢軸的に取り付けられ、ナット・ボルト・ワッシャー構造75を用いてブラケット50に取り付けられ、これにより、アーム44は外輪57に対して内輪55とともに回転する。外輪57は、フレーム20に固定されたブラケット50に回転固定されている。(膨出部71の開口69の一例は、外面73に対して締り嵌めを行ってよい。)
【0032】
アクチュエーター40は、DewertOkin GmbHにより製造されたDelta driveタイプのリニアアクチュエーターであり、横断部32bに枢軸的に取り付けられた第1端(モーター及びギヤボックス端)と、横断部46に取り付けられたブラケット56に枢軸的に接続された第2端(ロッド)とを有する。ブラケット56は、アクチュエーターの出力ロッドとブラケット56との間の接続がパネル12の平面上になるように、構成されている。このことは、ブラケット56とアクチュエーターの出力ロッドの端とが貫通するパネル12中の切り欠きスロット58を用いて行われる。ギヤボックスとアクチュエーター40のモーター端とは、全長で中間の位置で横断部32bに接続されている。横断部32bは、半区間20a(フレーム)の下向きに傾斜した端に起因して、フレーム20の全体的平面又は基準の(notional)平面よりも低い平面に位置する。側方フレーム部30aは、半区間20aに取り付けられた脚部28からすぐ後側の位置から、その全長の最後の1/3に沿って下向きに傾斜している。側方部材は、約20度だけ下向きに傾斜し、アクチュエーター40と半区間20aとの間の接続点は、フレーム20の基準の平面よりも下方でずれている。この構成は、パネル12が下降位置にあるときに、フレーム20の基準の平面とパネル12の平面とに関してアクチュエーターもまた傾斜することを確実にする(
図7,8)。パネル12の平面にあるアクチュエーターの他端とともに、パネルが
図7,8の下降位置から上昇されようとしたときに、ブラケット56と切り欠きスロット58とを用いて、アクチュエーターは、有意な初期の力をパネル12に加えることができる。ここで、下降位置から移動が開始されたときにパネル12に作用する力の成分は、パネル12に関してアクチュエーターの力ベクトルの角度姿勢に依存することが理解される。
【0033】
従ってパネル12の回転移動は、フレームの空間の包絡線の中でベッドの下側に位置した電気のリニアアクチュエーター40の作動により行われる。これによりパネル12は、リニアアクチュエーター40の進退の各回に上昇され、下降される。作用としては、ベッドが一杯に下降した構成の場合に、調節可能なパネル12,13が側レール30a上で平らに載せられ、リニアアクチュエーター40の出力軸は、アクチュエーターのギヤボックスの各端に向けて一杯に退避している。この位置は
図7,8に示されている。パネル12,13を引き起こすために、リニアアクチュエーター40の出力軸が、アクチュエーターのギヤボックスの端から離れるように延びている。従って、腰支持区間パネル13の回転移動はリニアアクチュエーター40の作動によって同時に行われる。これにより、パネル12,13はリニアアクチュエーター40の進退によって上昇・下降される。
【0034】
アーム44及びブラケット50の枢軸接続での、軸受組立体及びハウジングを設けることは、従来のナット・ボルト・ワッシャー構造の使用と比較すると、パネルを移動させるのに必要な、有意に一層低い初期のアクチュエーターの力を得るに至る。他の実施形態では、軸受組立体とハウジング構造とは、初期のアクチュエーターの力の必要性をもっと低減させるための他の枢軸接続に、提供されてよい。例えば、軸受組立体とハウジング構造とは、Hフレーム42(Hバー)の横断部46とリニアアクチュエーター40との間に設けられ、枢軸接続を与えてよい。
図1~16の実施形態のブラケット50と同一のブラケットは、Hフレーム42の横断部46とリニアアクチュエーター40とを枢軸的に接続するのに用いるブラケット56に置き換えてもよい。
【0035】
好ましい実施形態では、パネル12,13の最大組み合わせ角度調節は65度である。これは言い換えれば、ベッドの基準の平らな水平面に対する背もたれパネル12の最大引き起こし傾斜角は65度である。この調節角度は、固定された調節不能なパネル14に対する腰支持区間パネル13の調節角度と、腰支持区間パネル13に対する背もたれパネル12の調節角度との組み合わせを含む。組み合わせ角度調節は一層小さくてよく、例えば、大きくても60,55,50度以下であってよい。これは、パネル13,14の角度調節の等しい量によって寄与されてよい。最大の角度調節は、調節可能な各パネルの相対的な長さサイズとともに、アクチュエーターの取り付け配置及び作動ストロークを含む、作動機構の図形的構造で決定されよい。
【0036】
適切な厚みのマットレス、例えば、25~50cm(10~20インチ)の範囲の厚みのマットレスが、ベッド10のマットレス支持プラットフォームに位置されるものとすることが理解される。
【0037】
調節可能なパネル17,18の移動は、パネル12を駆動するアクチュエーター40と同一のリニアアクチュエーター40aと、旋回フレーム42aの形態の第1接続手段とを備えた、動力が与えられた作動機構によって行われる。フレーム42aは、一対のアーム44aと、アーム44aの間に延びてこれを接続する横断部46aとを備えている。アームは、パネル17の下側に接続された第1末端(65a)と、ブラケット50aの形態の第2構成要素に枢軸的に取り付けられた第2末端(67a)とを有し、ブラケット50aは、旋回点48aの位置でフレーム20に固定されている。ブラケット50aは、ヒンジ41’の領域内でフレーム20の下側から下がって延びている。軸受組立体とハウジング構造とを介したアーム44とブラケット50との間の枢軸接続とは対照的に、単なるナット・ボルト・ワッシャー構造(75a)を用いてアーム44aがブラケット50aに枢軸的に取り付けられ、これによりフレーム20に固定されたブラケット50aに対してアーム44aが回転する。代替の実施形態では、パネル13の移動に関して説明した軸受組立体53と軸受ハウジング51とは、ナット・ボルト・ワッシャー構造の代わりにアーム44aとブラケット50との間の枢軸接続を与えるのに使用できる。同様に、アクチュエーター40aと横断部46aとの間の枢軸接続は、アクチュエーター40と横断部46との間の枢軸接続に関して説明した、軸受組立体とハウジング構造とによって与えることができる。
【0038】
アクチュエーター40aは、横断部31aに枢軸的に取り付けられた第1端、又は第1端部分(モーター及びギヤボックス端)と、横断部46aに取り付けられたブラケット(56a)に枢軸的に接続された第2端、又は第2端部分(ロッド)とを有する。従って、横断部46aとアーム44aとを回転させる電気的なリニアアクチュエーター40aの作動によって、パネル17の回転移動が行われる。これにより、アクチュエーター40aの進退のそれぞれで、パネル17が上昇・下降される。またパネル18は、ヒンジ43’を介してパネル17に接続されているため、パネル17が上昇・下降されると上昇・下降される。補強材81がパネル18の下側とフレーム20とに固定され、パネル18に荷重が与えられているときに(
図3)、追加的な剛性と支持を与える。
【0039】
上述した実施形態では、アーム44を介してパネル12で作用するアクチュエーター40によって、パネル12,13が回転され、パネル17で作用するアクチュエーター40aによって、パネル17,18が回転される。即ち、第1接続手段44,44aが各パネル12,17に対して作用し、かつこれらと係合される。実際には、パネル17が回転したときにパネル18を回転させ、パネル12が回転したときにパネル13を回転させる各ヒンジ43’,25’によって、パネル17,18及びパネル12,13が接続されている。
【0040】
図17~25を参照すると、別のベッド110は
図1~16に示したベッドと同様であるが、例外としては、パネル17に作用する単一の接続手段の代わりに、一対のアーム144aの形態での第1接続手段又は構成要素が、パネル118と係合してこれに作用し、一対のアーム190の形態での第2接続手段又は構成要素が、パネル117と係合してこれに作用し、これによりアクチュエーター40aと同一のアクチュエーター140aが、パネル117,118を同時に駆動するものである。
【0041】
図1~16の実施形態のフレーム20と横断部46とにリニアアクチュエーター40が接続されるのと同じ形態で、フレーム120と横断部146aとにアクチュエーター140aが接続されている。
【0042】
アーム144aは横断部146aから延び、軸受52と同一のころ軸受152を一端部(第2端部)に有し、軸受ハウジング51と同一の一体の軸受ハウジング151によって、旋回点148の位置で他端部(第1端部)でフレーム120に枢軸的に接続されている。膨出部171がブラケット150に位置し、膨出部71と同一である(
図20参照)。コーナー補強材199がアーム144aと横断部46との間に設けられて、剛性を与える。ブラケット150はフレーム120に固定され、ここから下に延びている。軸受ハウジング151は、軸受ハウジング51及び軸受組立体53に関して述べたことと同様に、軸受組立体(図示せず)を保持する。ブラケット150とアーム144aとの間の枢軸接続は、ブラケット50及びアーム44に関して述べたことと同様に設けられている。
【0043】
軸受ハウジング151と軸受組立体とは、アーム144a(第1構成要素)に位置し、膨出部171はブラケット150(第2構成要素)に位置する。これは、膨出部71がアーム44及び軸受ハウジング51に設けられ、軸受組立体53がブラケット50に設けられた、ブラケット50とアーム44との間の枢軸接続とは対照的である。従って、軸受ハウジング及び組立体が、第1又は第2構成要素の一つに設けられてよく、膨出部を有するブラケットなどの構造が、第1及び第2構成要素の別の一つに設けられ、枢軸接続を提供してよいことは理解されることである。
【0044】
アーム190は旋回点191で、アーム144aに膨出部171aを介して枢軸的に接続されている。旋回点191は、アーム144aの全長のほぼ中間に位置する。膨出部171aは軸受組立体(図示せず)と係合し、軸受組立体は軸受組立体53と同一であり、アーム190の一端での一体の軸受ハウジング151aに収容されている。膨出部171a(
図21)は膨出部171と同一であり、一体の軸受ハウジング151aは一体の軸受ハウジング151と同一である。アーム144aの膨出部171aとアーム190との間の枢軸接続が、ブラケット50及びアーム44に関して述べたことと同様に設けられている。
【0045】
アーム190はその他端で、一体の軸受ハウジング151aと同一の、別の一体の軸受ハウジング151bを有し、アーム190の他端は、ブラケット195に枢軸的に接続されている。ブラケット195は、ネジ196など固着手段を用いて大腿用の支持パネル117の下部に固定されている。ブラケット195は、膨出部71,171aと同一の膨出部171b(
図24)を含む。一体の軸受ハウジング151が、軸受組立体53と同一の軸受組立体(図示せず)を保持する。アーム190の膨出部171bとブラケット195との間の枢軸接続は、ブラケット50及びアーム44に関して説明したものと同じに提供される。ブラケット195は大腿用の支持パネル117に位置し、この枢軸接続は、パネル117,118の間のヒンジ点143に近接した軸を中心としたものである。上昇・下降位置の間でパネル117,118の旋回移動をその位置が許容する場合は、ブラケット195は、パネル117の全長のいずれの位置にも配置されてよいことが理解される。
【0046】
作用としては、電気的なリニアアクチュエーター140aの作動により、横断部146a及びアーム144aが旋回点148を中心として回転する。アーム144aが回転すると、ころ軸受152がパネル118の下側に作用し、これをフレーム120に対して上昇させる。同時に、アーム144aが回転することにより、枢軸的に接続されたアーム190を回転させ、これをパネル117の下側に作用させ、ヒンジ141’を中心としてパネル117をフレーム120に対して回転させる(
図17)。従って、リニアアクチュエーター140aの作用により、第1(アーム144a)及び第2(アーム190)接続手段を介してパネル117,118を同時に駆動する。
【0047】
図26を参照すると、別のベッド210は、
図1~16を参照して説明したベッドと同じであるが、ただし例外として、パネル12に作用するアーム44の形態での単一の接続手段の代わりに、
図17~25の実施形態でアクチュエーター40aがパネル117,118を駆動するのと同じに、パネル212,213を駆動するのに第1及び第2接続手段を用いることが異なる。アーム244の形態の第1接続手段は、アーム44と同じであるが、ただし、付加的な膨出部263をさらに含むことが例外である。膨出部263は、アーム44での膨出部71と同一である。膨出部263は、アーム190と同一であるアーム290の形態の第2接続手段を用いて、枢軸接続を可能にしている。ブラケット250はブラケット50と同一であり、ブラケット50をアーム44に接続するのと同じ方式でアーム244に枢軸的に接続されている。膨出部263は、アーム244の全長に沿って、ブラケット250に向かってほぼ3/4の位置にある。膨出部263はアーム244の全長に沿った位置にあり、パネル212,213がフレーム220に対して下降・上昇した状態の間で移動すると、これらの間で必要な相対回転を引き起こす。
【0048】
この作用は、
図17~25の実施形態でリニアアクチュエーター40aがパネル117,118を駆動する形態と同様である。電気のリニアアクチュエーター(図示しないがリニアアクチュエーター40と同一である)の動作により、アーム244を旋回点248の周りに回転させる。アーム244が回転すると、軸受252がパネル212の下側に作用し、これをフレーム220に対して回転させる。同時に、アーム244の回転は、接続されたアーム290を回転させ、パネル213の下側に対して作用するようにさせ、これにより、フレーム220に対してヒンジ222を中心としてパネル213を回転させる。従って、アクチュエーターの作用は、第1接続手段(アーム244)及び第2接続手段(アーム290)によって、同時に双方のパネル212,213を駆動させる。
【0049】
図1~26の実施形態で、少なくとも二つの態様(concept)を説明してきたことが理解される。一つの態様は、パネルの連携した(coordinated)旋回移動を可能にする調節可能なベッドのパネルに作用する第1及び第2接続手段を提供することに関する。第2の態様は、調節可能なベッドの構成要素の間の旋回移動を可能にするために軸受組立体を提供することに関する。さらに、二つの態様は、腰用及び背中用の支持パネルの間の旋回移動、また足用及び大腿用の支持パネルの間の旋回移動に関して述べてきた。二つの態様は互いに独立に用いられてよく、各態様は、腰用及び背中用の支持パネルの間の旋回移動を与え、及び/又は、足用及び大腿用の支持パネルの間の旋回移動を与えるのに用いてよいことは理解されることである。
【0050】
上記の実施形態は、調節可能なベッドに関して説明してきたが、その態様は調節可能な椅子に適用されてよいことが理解される。例えば、軸受組立体及びハウジングは、固定されたベース区間に支持されたアクチュエーターなどの椅子の移動する構成要素と、アクチュエーターに枢軸的に接続された可動なシート区間(シート支持区間)との間の枢軸接続を提供することに用いられてよい。同様に、第1及び第2接続手段は、椅子上に支持パネルを同時に動かすことに用いられてよい。