(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】バイザー組立体
(51)【国際特許分類】
A42B 3/22 20060101AFI20231228BHJP
A42C 1/00 20060101ALI20231228BHJP
A42B 3/04 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A42B3/22
A42C1/00 K
A42B3/04
(21)【出願番号】P 2020542196
(86)(22)【出願日】2018-10-16
(86)【国際出願番号】 EP2018078246
(87)【国際公開番号】W WO2019076894
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-09-29
(32)【優先日】2017-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502068034
【氏名又は名称】ピンロック パテント ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リプケンス,ポール ヴィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】デ ブール,ハーマン
【審査官】岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-512925(JP,A)
【文献】特開2016-148135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 3/22
A42C 1/00
A42B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側にピンを有するシールドバイザーに取り外し可能に取り付けられるように適合されたオーバーレイバイザーであって、
視界領域と、前記視界領域の周縁部の少なくとも一部に沿って延在する一体形成スペーサと、前記スペーサの先端面上のガスケットと、を備え
、
前記ガスケットの厚さは、前記スペーサの高さの、最大で10%以下であり、
前記オーバーレイバイザーは、前記ピンと係合し前記オーバーレイバイザーの圧縮によって前記シールドバイザーの内側への固定保持を提供するように構成された凹部を備えており、
前記凹部は、前記オーバーレイバイザーから離れて張力がかかった状態で前記ピンを保持するように構成された直立したカラーを有する、オーバーレイバイザー。
【請求項2】
前記ガスケットは、前記スペーサの前記先端面に接着した弾性材料の層である、請求項1に記載のオーバーレイバイザー。
【請求項3】
前記ガスケットは、前記
シールドバイザー
と相互に作用する側で接着しないか、又は、一時的に接着する、請求項1又は2に記載のオーバーレイバイザー。
【請求項4】
前記ガスケットは、弾性的に変形可能である、請求項1~3の何れか一項に記載のオーバーレイバイザー。
【請求項5】
前記オーバーレイバイザーは、50~9
5のショアA硬度を有する、請求項1~4の何れか一項に記載のオーバーレイバイザー。
【請求項6】
前記スペーサは、略U字形、Z字形、又は、W字形の断面を有する、請求項1~
5の何れか一項に記載のオーバーレイバイザー。
【請求項7】
前記スペーサは、1つ以上の先端溝を備える断面を有し、
前記1つ以上の先端溝は、前記ガスケットを少なくとも部分的に収容する、請求項1~
5の何れか一項に記載のオーバーレイバイザー。
【請求項8】
面を有するシールドバイザーと、
請求項1~
7の何れか一項に記載のオーバーレイバイザーと、
前記オーバーレイバイザーを前記シールドバイザーの前記面に取り外し可能に取り付ける機械的取付具と、
を備える、バイザー組立体。
【請求項9】
前記スペーサの高さは、前記ガスケットの厚さが局所的に増加することに対応するように、前記ガスケットの厚さの増加に対して局所的に減
少する、請求項
8に記載の組立体。
【請求項10】
前記オーバーレイ
バイザーを前記
シールドバイザーの前記面に取り付ける前記機械的取付具は、ピンとピンとの間で張力がかかった状態で前記オーバーレイバイザーを保持するための少なくとも2つのピンを含む、請求項8又は9に記載のバイザー組立体。
【請求項11】
請求項1~
7の何れか一項に記載のオーバーレイバイザーと、
シールドバイザーと、
を備える、部品キット。
【請求項12】
不透明な頭蓋骨保護部と、
前記不透明な頭蓋骨保護部に取り付けられた請求項
8~10の何れか一項に記載のバイザー組立体と、
を備える、ヘルメット。
【請求項13】
オーバーレイバイザーの視界領域の周縁部の少なくとも一部に沿って延在するスペーサと、前記スペーサの先端面上のガスケットと、を備える前記オーバーレイバイザーを形成する方法であって、
オーバーレイシールドの前記周縁部に沿って突出部を一体的に形成して、前記スペーサを形成する工程と、
前記突出部の形成前に、形成中に、又は、形成後に、ガスケットを前記突出部の先端面に接着させる工程と、を含
み、
前記ガスケットの厚さは、前記スペーサの高さの、最大で10%以下である、方法。
【請求項14】
前記オーバーレイバイザーは、請求項1~
7の何れか一項に基づくものである、請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、概して、互いに取り外し可能に取り付けられるオーバーレイシートおよびシールドバイザーを備えるバイザー組立体と、そのようなバイザー組立体を構成するための部品キットと、に関する。
【0002】
[0002] それに加えて、または、その代わりに、本発明は、概して、バイザー、特に、オーバーレイバイザーおよびシールドバイザーが互いに取り外し可能に取り付けられるバイザー組立体において使用されるオーバーレイバイザーに関する。
【0003】
[0003] 本発明のバイザーおよびバイザー組立体は、顔および目の保護のための個人用保護具に対して特に有用である。好ましい個人用保護具の例としては、モータバイクヘルメット、モータバイクスタイルのヘルメット(例えば、四輪バイク、スノーモービル、競技車、およびスキーヘルメット)、高耐久性保護バイザー(例えば、警備用ヘルメットや救急隊が使用するバイザーに使用され得る衝撃用フェイスシールド)、および/またはゴーグル(例えば、水中潜水ゴーグル、モータサイクルゴーグル、およびスキーゴーグル)がある。
【0004】
[0004] それに加えて、または、その代わりに、本発明は、概して、バイザー、特に、互いに取り外し可能に取り付けられるオーバーレイバイザーおよびシールドバイザーを備えるバイザー組立体において使用され得るオーバーレイバイザーを製造する方法に関し得る。また、本発明は、そのような方法を実行するための装置と、本発明の方法から得られるバイザー、特にオーバーレイバイザーと、本発明の方法から得られるバイザーを備えるバイザー組立体と、に関し得る。
【背景技術】
【0005】
[0005] シールドバイザーと、機械的取付具によりシールドバイザーに取り外し可能に取り付けられるオーバーレイバイザーと、を備えるバイザー組立体が知られている。
【0006】
[0006] そのようなバイザー組立体において、シールドバイザーは、オーバーレイバイザーより堅固であり、シールドとして機能する。モータバイクスタイルのヘルメットの場合、シールドバイザーは、使用者の顔を、風、雨、ほこり、および砂から保護するように機能し、衝撃用バイザーの場合、シールドバイザーは、使用者の顔を、より堅固な発射物および噴射物から保護するように機能する。ゴーグルにおいては、シールドバイザーは、目および目のすぐ近くの顔の部分にわたって延在するように限定される傾向がある。ゴーグルのシールドバイザーは、用途によって様々な機能を有し得る。例えば、潜水ゴーグルは、水中での視野に役立つように着用され、モータサイクルゴーグルは、ユーザの目を発射物およびほこりから保護するために着用され、衝撃用ゴーグルは、ユーザの目をより堅固な発射物から保護するために着用される。ゴーグルには、1つの目に対して1つ、合計2つのシールドバイザーが設けられ得る。
【0007】
[0007] シールドバイザーは、平坦になるように単一の平面を占める1次元(1D)の形態、1つの方向に湾曲する2次元(2D)の形態、または、くぼみ状になるように2つの方向に湾曲する3次元(3D)の形態で設けられ得る。オーバーレイバイザーは、こうした様々なシールドバイザーの形態の面に適合する適切な形状に設けられ得る。この点で、オーバーレイバイザーも、1D、2D、または3Dの形態をとり得る。1Dのオーバーレイバイザーは、1Dのシールドバイザーとともに使用される。1Dおよび2Dのオーバーレイバイザーは、2Dのシールドバイザーとともに使用される。3Dのオーバーレイバイザーは、3Dのシールドバイザーとともに使用される。
【0008】
[0008] オーバーレイバイザーは、通常、バイザーの着用者に対して改善された視界窓を提供するために利用される。例えば、オーバーレイバイザーは、視界領域の曇りを防止する凝結防止作用を有するように適合され得る。それに加えて、または、その代わりに、オーバーレイバイザーには、変化する光の条件下で改善された視界を提供する色付けがなされてよい。シールドバイザーおよび/またはオーバーレイバイザーの視界領域は、使用者が見る領域である。
【0009】
[0009] ヘルメットバイザー組立体の例としては、米国特許第5765235号および第6922850号に記載のものが知られており、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれ、それにより、シールドバイザーに取り付けられた凝結防止オーバーレイバイザーを提供する。
【0010】
[0010] 米国特許第6922850号では、視界領域の曇りの防止は、内側オーバーレイバイザーとシールドバイザーとの間のチャンバーを設けることによって達成されることが好ましい。チャンバーには、空気またはガスが充填され、オーバーレイバイザーの内側面を外部環境から断熱させるように機能する。チャンバーは、オーバーレイバイザーに取り付けられ、かつ、シールドバイザーに対して取り外し可能に装着された、可撓性を有するシールを設けることで、シールがチャンバーの周縁境界部を形成するように作り出される。最良の凝結防止という結果を得るために、チャンバーは、チャンバーへの湿気およびほこりの侵入を防ぐように、環境から可能な限り離れて封止される。米国特許第6922850号の好ましい実施形態において、シールは、オーバーレイバイザー接着したシリコーン材料のビードから形成される。
【0011】
[0011] シールが設けられたバイザーにおいて、視界領域はシールによって画定され、それにより視界領域の境界が形成される。
【0012】
[0012] バイザーには、オーバーレイバイザーを保持するための、固定されながらも容易に取り外し可能な、機械的保持機構が設けられる。この保持機構は、オーバーレイバイザーが接触するピン状の構成要素の形態をとる。オーバーレイバイザーには凹部が設けられ、ピンと係合することで、内側バイザーの圧縮によってシールドバイザーの内側に固定して保持される。そのような機構により、内側オーバーレイシートの優れた保持がもたらされる。
【0013】
[0013] さらに、オーバーレイバイザーがシールドバイザーから取り外し可能であるように、シリコーン材料のビードは乾燥しており、シールドバイザーと接触する前に固化される。このように、オーバーレイバイザーを組立体から取り外す、または取り替えることができるように、シールドバイザーとスペーサまたはシールとの間で密着は生じない。
【0014】
[0014] 現在の主流のシリコーンスペーサ/シール形成方法は、コンピュータによる数値制御(CNC)装置を使用して、押出ビード材としての粘性のシリコーン樹脂を、前もって製造されたオーバーレイバイザーの周縁部に沿って塗布することを含む。CNC装置は、シリコーン樹脂のビードを、適切なパターンでオーバーレイバイザーに対して圧力下で供給するシリコーン供給ノズルを制御する。樹脂がオーバーレイバイザーに塗布されると、ビードは、スペーサまたはシールの厚さおよび環境条件により、24時間~48時間で乾燥/固化する。
【0015】
[0015] そのようなプロセスにおいて、優れたビード配置、ビード厚さ、およびビード断面の制御を達成するために、正確なコンピュータによる数値制御を利用する必要がある。本発明の発明者によって、ビード配置、ビード厚さ、およびビード断面のすべてを正確に制御することが、チャンバーに対する良好な封止、したがって、オーバーレイバイザーの良好な曇り防止作用を達成するために不可欠である、ということが明らかになっている。非常に効果的な封止を達成するために、ディスペンサーの速度、圧力、開始点および終了点、ならびにオーバーレイバイザーの上方のノズル高さのすべてを同時に調整することが必要である。そのようなプロセスには、多数の問題が生じる。
【0016】
[0016] ビードを配置するための開始点および終了点における重なりは、最終製品の光学特性に関する問題を引き起こし、また、これらの点におけるビードの厚さの増加または減少による封止されたチャンバー内への漏れを引き起こすおそれがある。また、ノズルを引き抜くことでノズルが汚損するおそれがある。
【0017】
[0017] シリコーン樹脂のビードは、環境条件によって様々に固化し流れ出るため、完全に固化したシリコーンビードの厚さおよび高さは、保証されない場合がある。
【0018】
[0018] シリコーンがオーバーレイバイザーに塗布されると、24時間~48時間、塵のない制御された雰囲気中で固化されなければならない。乾燥室が塵粒のない無塵室でない場合、塵粒は、固化していないシリコーン樹脂に侵入して除去することが不可能になる。これは、固化したシリコーンの低い光学特性につながり、場合によっては、低い封止特性につながる。
【0019】
[0019] これらの理由により、現在の主流の製造プロセスは、過度に時間を浪費し、完全ではないスペーサまたはシールを非常に頻繁に生産するおそれがある。
【0020】
[0020] 上記技術の代替策が、従来技術において検討されてきた。
【0021】
[0021] 例えば、米国特許出願公開第2010/0175160号において、バイザーであって、その視界領域の周縁部の少なくとも一部に沿って延在するスペーサまたはシールを有するバイザーの製造方法が述べられており、この製造方法は、シールまたはスペーサを射出成形することを含んでいる。そのような技術は優れたシールおよびスペーサを提供することができ、上述の問題の少なくともいくつかに答えることができる一方で、その製造は複雑であり、様々なバイザーの形状を有する製品ラインナップの拡張に対して容易に多様化できない可能性がある。
【0022】
[0022] 米国特許出願公開第2017/150768号に別の例が記載されており、内側シールドであって、その周縁部に沿って延在するスペーサを有する内側シールド、を備えるバイザー組立体が述べられている。スペーサは、内側シールドを外側シールドから間隔を置いて配置するように機能する。この公報において、内側シールドは、その周縁部の位置に、内側シールドからの突出部が得られるように形成され、この突出部はスペーサを形成する。米国特許出願公開第2017/150768号には、上述の事項と一致して、より一般的なタイプの内側レンズのスペーサ(内側シールドに接着するものの外側シールドには接着しないシリコーン材料から形成される)は、塵のない状態で長い硬化時間で、内側シールドの周縁部に沿って一定の厚さを有するように配置される必要があるシリコーン層を設けるにあたり、製造が複雑であり時間を浪費するという点で、欠点があることが示されている。米国特許出願公開第2017/150768号は、それらの問題の少なくともいくつかに答えることを意図している。
【0023】
[0023] しかし、研究の努力によって、米国特許出願公開第2017/150768号に記載の技術およびバイザーは有用であり得る一方、バイザーは依然として改良することが可能であることが明らかになっている。すなわち、状況によっては、バイザーの構成要素の膨張および/または収縮、特に内側バイザーの収縮が起こる場合があり、また、米国特許出願公開第2017/150768号によるいくつかのバイザーは、ピンとピンとの間で圧縮により保持されないため、機械的取付具に対して緩む場合があることが分かっている。これは、バイザー組立体が供される使用(例えば、モータサイクルに乗ること)に左右され得る多数の理由に基づいて問題となるおそれがある。例えば、構成要素と構成要素との間の遊隙は、例えばバイザーの視界領域の、不快なノイズおよび摩耗につながり、最終的にオーバーレイバイザーがその取付け部品から外れることにつながる場合がある。
【0024】
[0024] そのような問題に答える明らかな道筋は、ボルトやねじを使用することなどによって、より強固に内側バイザーを外側バイザーに取り付けることであるものの、これらの解決策は、複雑さが増すこと、および使用者にとって不便であることにより望ましくない場合がある。
【0025】
[0025] 本発明の目的は、上述の問題のうちの1つ以上の問題を克服し、好ましくは、同時に公知のオーバーレイバイザーおよびバイザー組立体の利点を維持することである。
【発明の概要】
【0026】
[0026] 本発明の一態様によれば、面を有するシールドバイザーと、オーバーレイバイザーと、オーバーレイバイザーをシールドバイザーに取り外し可能に取り付ける機械的取付具と、を備え、オーバーレイバイザーは、視界領域と、視界領域の周縁部の少なくとも一部に沿って延在する一体形成スペーサと、スペーサの先端面上のガスケットと、を備える、バイザー組立体が提供される。
【0027】
[0027] 本発明の別の態様によれば、上述のバイザー組立体において使用されるオーバーレイバイザーが提供される。オーバーレイバイザーは、視界領域と、視界領域の周縁部の少なくとも一部に沿って延在する一体形成スペーサと、シールドバイザーに取り外し可能に取り付けられるように適合されたスペーサの先端面上のガスケットと、を備える。
【0028】
[0028] ガスケットは、膨張および収縮、特にオーバーレイバイザーの収縮を減少させるのに役立ち、保持ピンなどの機械的保持手段間の張力が失われることなどによりオーバーレイバイザーが緩む時点を遅らせる。
【0029】
[0029] ガスケットは、スペーサの先端面に接着する弾性層の形態をとってよく、オーバーレイバイザーとシールドバイザー面との境界面として機能する。
【0030】
[0030] ガスケットは、非接着性を有し、または、一時的に接着性を有し、好ましくは、シールドバイザーと相互に作用する側で非接着性を有する。このように、オーバーレイバイザーは、損傷した場合に交換することができるように、シールドバイザーから取り外すことができ、または天候条件によって、取り外す、または交換することができる。さらに、ガスケットによって、オーバーレイバイザーとシールドバイザーとの間の制御された動きが可能となり、これは、オーバーレイシートとバイザーが別々の材料から形成され、または、異なる温度や他の環境条件にさらされ、それにより膨張および縮みまたは収縮の違いにつながる場合に、重要となり得る。例えば、シールドバイザーは、ポリカーボネートから形成されてよく、一方、オーバーレイバイザーは、多数の異なる材料を含むことができ、特に、ポリマー樹脂が好ましい。特に好ましい材料の例としては、プロピオン酸セルロースおよび酢酸セルロースが含まれる。
【0031】
[0031] 好ましい実施形態において、ガスケットは、弾性材料を含む。このような弾性材料は、シリコーンまたはゴム材料であることが好ましい。このタイプの材料は、弾性的に変形可能であり、利点を有する。ガスケット材料は、透明であることも好ましい。
【0032】
[0032] エラストマーという用語は、かなりの程度まで延伸された後に当初の形状を回復することが可能な、長鎖分子からなるゴム材料、またはポリマーを意味し、それゆえ、エラストマーという名称は、「弾性ポリマー」に由来する。エラストマーの例としては、ポリイソプレン、天然ゴムおよび合成ゴム(スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなど)のポリマー成分、アクリロニトリル-ブタジエンコポリマー(ニトリルゴム)、イソブチレン-イソプレンコポリマー(ブチルゴム)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリスルフィド(チオコール)、ポリジメチルシロキサン(シリコーン)、フルオロエラストマー、ポリアクリレートエラストマー、ポリエチレン(塩素化クロロスルホン化ポリエチレン)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロックコポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)ブロックコポリマー、およびEPDMポリプロピレン混合物が含まれる。
【0033】
[0033] また、スペーサまたはシールを形成するために使用されるエラストマー樹脂は、低温硬化樹脂であることが好ましい場合がある。これにより、有利に、オーバーレイバイザーの特性(例えば、光学特性)に悪影響を及ぼさない温度、バイザーの望ましくないサイズまたは形状変化を引き起こさない温度、またはバイザーの表面コーティングまたは上塗り(例えば、傷防止または曇り防止コーティング)に悪影響を及ぼさない温度で、硬化を発生させることが可能になる。エラストマー樹脂は、90℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは60℃以下、そして最も好ましくは50℃以下で硬化が可能であるように選択されることが好ましい。
【0034】
[0034] また、ガスケットは、フォーム、好ましくは、独立気泡フォーム(例えば、独立気泡アクリルフォーム、独立気泡架橋ポリエチレンフォーム、または独立気泡ポリウレタンフォーム)、または他の類似の材料も含み得る。フォームガスケットの一体形成スペーサへの接着を達成するために、フォームは、接着層を備える一方側に設けられ得る。
【0035】
[0035] 好ましい実施形態において、ガスケットのエラストマー材料は、50~95、より好ましくは60~90、さらに好ましくは65~80、最も好ましくは70のショアA硬度を有する。ショアAスケールは、エラストマー、ゴム状材料、およびポリウレタンのようなエラストマー材料の硬度を測定するために使用される。ショアA硬度の測定方法は、ISO規格7619-1:2010に記載のデュロメータを用いる方法である。
【0036】
[0036] ガスケットは、多数の技術によってスペーサの先端面に塗布され得る。
【0037】
[0037] 例えば、ガスケットは、コーティング、ペインティング、ブラッシング、噴霧、ノズルによる押出し、または他の適切な方法によって塗布されてよく、ガスケット材料は、スペーサ上にその場(in situ)で硬化する流体として塗布される。また、例えばCNC技術によって、ノズルからスペーサの先端面へのガスケット材料のビードの押出しを伴う押出方法を用いることが可能である。
【0038】
[0038] あるいは、ガスケットは、固体または半固体として前もって製造されてよく、このガスケットは、スペーサの形状に一致するように事前に成形され、そして、接着技術または超音波溶接によってスペーサに接合される。
【0039】
[0039] 一体形成スペーサは、視界領域またはオーバーレイバイザーの材料と同じ組成を有し得る。スペーサは、好ましくは物理的変形によって、より好ましくは熱成形を用いて、オーバーレイバイザーの材料から一体的に形成され得る。
【0040】
[0040] ガスケットが付加された、一体形成スペーサは、一定の高さを有するように形成され得るが、その長さに沿って変化する高さを有してもよい。これは、バイザー組立体がオーバーレイバイザーとシールドバイザーとの間で変化する間隔を有することが望ましい場合に、有用であり得る。例えば、モータバイクヘルメットのバイザー組立体において、バイザー組立体の上側部分において狭い間隔を、また、バイザー組立体の下側部分においてより深い間隔を有することが望ましい場合がある。これは、バイザー組立体を持ち上げる際に、オーバーレイバイザーがヘルメットの構成要素と傷を伴って接触することを避けるのに役立つ。別の実施形態において、間隔は、中央部分より側方部分において、より大きくなり得る。
【0041】
[0041] 特定の例において、ガスケットを備えるスペーサの高さは、バイザーの反対側の部分における1.0mmまでの滑らかで緩やかな変化を有する、バイザーの第1の部分に沿って、約0.5mmであり得る。このように、チャンバーには、1つの部分から別の部分まで徐々に増加する間隔が設けられる。好ましくは、高さの変化は、一体形成スペーサの高さの変化によって達成され、ガスケットは、一定の厚さを有する。
【0042】
[0042] 一般に、オーバーレイバイザーとシールドバイザーとの間の間隔は、一体形成スペーサの高さを調整することによって、組立体の防曇性を最適化するように調整することができる。
【0043】
[0043] ノズルによる押出しによってガスケットの塗布が行われる実施形態において、このことは、押出ビードの配置が開始および終了する、重なり合う箇所でガスケットの厚さが増加することにつながる場合がある。局所的に厚さが増加した箇所に対応するために、スペーサの高さは、ガスケットの厚さの増加に対応するために局所的に減少されてよい。
【0044】
[0044] ガスケットの厚さは、スペーサの高さと比較して小さいことが好ましい。これにより、ガスケットのエラストマー材料が減少することで、コストを最小にすることができ、かつ、硬化時間を制限することによって製造を簡素化することができる。好ましくは、ガスケットの厚さは、スペーサの高さに対して最大で10%以下、より好ましくは5%未満、さらにより好ましくは2%未満である。ガスケットの厚さは、スペーサの先端面から離れてシールドバイザーの接触面に向かって延在するガスケットの寸法である。ガスケットの厚さは、圧縮されないときのガスケットの厚さを意味する。
【0045】
[0045] スペーサの好ましい断面としては、U字形、Z字形、W字形が含まれる。
【0046】
[0046] U字形およびZ字形の断面において、U字およびZ字の下側縁部は、ガスケットが塗布されるスペーサの先端面を形成する。W字形の断面は、上述の技術によってガスケット材料を塗布することができる下側縁部において凹溝を形成するので、特に有利である。W字形の断面によって先端面に1つの溝が設けられる一方で、複数の溝が設けられてもよい。ガスケットを収容するための1つ以上の溝を含む断面が、概して使用され得る。
【0047】
[0047] スペーサの先端面は、オーバーレイバイザーの隣接面と比較して表面粗さを増加させるために、機械的に、または化学的に処理され得る。
【0048】
[0048] オーバーレイバイザーは、一実施形態において、材料のシートに対して切削加工またはフライス加工を行うことによって前もって製造されたバイザーとして設けられる。あるいは、オーバーレイバイザーは、射出成形または他の公知の技術によって形成されてもよい。
【0049】
[0049] スペーサは、オーバーレイシールドの機械的変形によってオーバーレイシールドに一体的に形成されることが好ましい。これは、例えば、金型を用いて、機械的変形によって、好ましくは、熱によって達成することができる。すなわち、シート状のオーバーレイシールドには、機械的変形によって簡易な方法で突出部を設けることができる。
【0050】
[0050] 一体形成スペーサを形成する突出部は、内側シールドの中央領域の周囲を通る連続した溝として形成されることが好ましい。中央領域は、オーバーレイシートの視界領域を含む。連続した溝は、実質的に一定の深さを有することが好ましい。溝は連続しており、シールドの中央領域の周囲を通るので、また、溝は実質的に一定の深さを有するので、中央領域が周囲領域から密封封止されるように、内側シールドを外側シールドに対して押し付けることができるようになる。ここで断熱効果が得られ、非常に厳しい条件でのバイザー組立体の性能を向上させることができる。実質的に一定の深さは、ここでは、変化しない深さ、または、非常に少しずつしか変化しない深さとして定義される。深さの緩やかな変化によって、依然として、突出部は、連続して、かつ一定の力を有して、外側シールドに対して位置することができる。変化が緩やかであると、深さもひいては実質的に一定であると考えられる。この定義に基づいて、当然のことながら、突出部が周縁部の第1の区間の位置において3mmの深さを有する実施形態であって、この突出部が1mmの深さまで周縁部の第2の区間にわたって徐々に減少し、そして第3の区間を経て再び徐々に深くなる実施形態も、実質的に一定の深さを有する実施形態であるとみなされる。
【0051】
[0051] ガスケットは、本明細書で述べた技術によって、スペーサの先端面に対して塗布され得る。
【0052】
[0052] 好ましい実施形態において、バイザー組立体のシールドバイザーには、オーバーレイバイザーを収容するように形づくられた凹部が設けられる。凹部の寸法は、オーバーレイバイザーの周縁寸法に近似して対応することが好ましい。凹部の深さは、オーバーレイバイザーが挿入されたときに、シールドバイザーの凹んでいない部分と実質的に同じ高さに位置することが好ましい。そのような実施形態において、固定手段は、凹部の周縁部の少なくとも一部の周囲にスナップ嵌めのリムなどの形態で設けられ得る。機械的ピンも、凹部を有するシールドバイザーにおいて好ましい取付け機構である。
【0053】
[0053] 好ましくは、オーバーレイバイザー組立体には、オーバーレイバイザーを保持するための、固定されながらも容易に取り外し可能な、機械的保持機構が設けられる。この保持機構は、オーバーレイバイザーが接触するピン状の構成要素の形態をとることが好ましい。オーバーレイバイザーには凹部が設けられ、ピンと係合することで、内側バイザーの圧縮によってシールドバイザーの内側に固定して保持される。そのような機構により、内側オーバーレイシートの優れた保持がもたらされる。
【0054】
[0054] 上述の通り、オーバーレイバイザーは、バイザー組立体を介して使用者の視野を維持する。これに関連して、オーバーレイバイザーには、曇り防止面が、例えば、親水性を有する面の形態で設けられることが好ましい。この面には、親水性材料のコーティングが塗布され得る。このコーティングは、浸漬コーティングによって塗布されるシリコーンベースの材料であることが好ましい。また、より好ましくは、オーバーレイバイザーには、主要面の両側に曇り防止面が設けられる。
【0055】
[0055] それに加えて、または、その代わりに、オーバーレイバイザーには、永久着色の形態をとる着色剤または調光UV反応染料が設けられてよい。これは、例えば快晴条件での過剰な光の侵入を減少させるように、または光の特定の波長を遮るように作用する。
【0056】
[0056] オーバーレイバイザーには、その主要面の一方または両方に、曇り防止面とは別に、または曇り防止面と組み合わせて、傷防止コーティングが施され得る。好ましくは、オーバーレイバイザーには、一方側に曇り防止面が、他方側に傷防止面が設けられる。
【0057】
[0057] 本発明のバイザー組立体は、上述のオーバーレイバイザーと上述のシールドバイザーとを備える部品キットとして好都合に設けられることが可能である。任意選択で、この部品キットは、バイザー組立体を装着することができる安全ヘルメットも備えてよい。
【0058】
[0058] 本発明のさらなる態様によれば、不透明な頭蓋骨保護部と、上述のバイザー組立体と、を備えるヘルメットが提供される。
【0059】
[0059] 本発明の別の態様によれば、安全ヘルメットと、安全ヘルメットに装着される、または装着されることに適した上述のバイザー組立体と、を備える安全ヘルメット組立体が提供される。
【0060】
[0060] 上述の事項に加えて、上述の事項とは関係なく、または、上述の事項と組み合わせて、発明者は、ピン固定機構を開発および改良した。これは、以上に提起した問題に対する少なくとも一部の解決策を、独立して、および/または相乗効果的に、提供している。本実施形態において、機械的ピン固定手段との相互作用のための、オーバーレイバイザーの凹部は、直立したカラーを備える。このカラーは、オーバーレイバイザーから離れて、張力がかかった状態でピンを保持し、それにより固定された接続がもたらされ、オーバーレイバイザーの縮みまたは収縮の際の緩みが減少する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
[0061] 本発明の具体的な実施形態を、非限定的な例のみによって以下に説明する。本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照してさらに理解されよう。
【0062】
【
図1】[0062]
図1は、バイザー組立体を備えたモータサイクルスタイルのヘルメットを示す。
【
図3】[0064]
図3a~
図3dは、様々なスペーサ形態を有するオーバーレイバイザーの部分断面を示す。
【
図4】[0065]
図4および
図4bは、凹部を備えるシールドバイザーを有するバイザー組立体を示す。
【
図5】[0066]
図5は、ピン凹部において隆起したカラーを有するオーバーレイバイザーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
[0067]
図1は、3Dのバイザー組立体1が取り付けられた不透明な頭蓋骨保護部3を有するモータサイクルヘルメットを示している。オーバーレイバイザー6の内側面に取り外し可能に取り付けられた、シールドバイザー2が設けられる。オーバーレイバイザー6は、シールドバイザー2の対向する端部において機械的取付具11によってシールドバイザー2に取り外し可能に取り付けられる。
【0064】
[0068] 機械的取付具11のうちの1つは、
図2、
図2a、および
図2bにおいて、より明確に理解することができる。この機械的取付具11は、シールドバイザー2に装着された偏心ピン11からなる。オーバーレイバイザー6には、偏心ピン11と噛み合う凹部12が設けられる。機械的取付具11は、シールドバイザー2の内側湾曲部の内部に、張力がかかった状態でオーバーレイバイザー6を保持する。すなわち、オーバーレイバイザー6は、ピン11とピン11との間で圧縮される。本実施形態の偏心ピン11は、オーバーレイバイザー6の固定された保持を確実にするために、オーバーレイバイザー6の凹部12と係合し、かつ係合を解除するように回転可能である。シールドバイザー2との関係でオーバーレイバイザー6のサイズを小さくする必要がある場合、偏心ピン11を締めてオーバーレイバイザーを再び固定することができる。ピン11および凹部12は、シールドバイザー2の内側に対してオーバーレイバイザー6を保持する取り外し可能な機械的な保持を形成する。従来技術において知られている他の機械的固定具の構造を、図示の固定具の代わりに適用してもよい。
【0065】
[0069]
図1および
図2には、オーバーレイバイザー6の周縁部の周りに延在するスペーサ7も示されている。スペーサ7は、オーバーレイバイザー6と一体形成された部分である。
【0066】
[0070] このスペーサ7が存在することにより、オーバーレイバイザー6は、シールドバイザー2から間隔を置いて配置され、チャンバーが、オーバーレイバイザー6とシールドバイザー2との間に形成される。このチャンバーは、シールドバイザー2の視界領域内の凝結の形成を低減させる断熱材として機能する。スペーサ7は、バイザーの使用者にとって適切な視界領域を含む限り、オーバーレイバイザー6上の別の位置に設けられ得ることが当業者には明らかである。例えば、オーバーレイバイザーは、シールドバイザーの視界領域より大きくてよいが、スペーサ7は、視界領域の周縁部の上に位置し、したがって、オーバーレイバイザー6の周縁部の上には位置しない。
【0067】
[0071]
図3a~
図3dを参照すると、これらの図は、スペーサ7が設けられたオーバーレイバイザー6の部分断面を示しており、スペーサ7は、ガスケット8が、使用するピン11とピン11との間で適所に保持される際に、スペーサ7とシールドバイザー2の内側面との間に位置付けられるように、先端面18上に弾性材料のガスケット8を担持する。
【0068】
[0072] ガスケット8は、膨張および収縮、特に、オーバーレイバイザー6の収縮を減少させるのに役立ち、オーバーレイバイザー6が張力調整ピン11と張力調整ピン11との間で緩む時点を遅らせる。
【0069】
[0073] オーバーレイバイザー6は、視界領域である部分と、そのスペーサ7と、を含む一体形の構成要素である。すなわち、オーバーレイバイザー6は、一体形の構成要素として一体的に形成される。
【0070】
[0074]
図3aにおいて、オーバーレイバイザー6には、一体形成されたU字形断面のスペーサ7が設けられ、その先端面18に対してエラストマーガスケット8が塗布されている。スペーサ7は、オーバーレイバイザー6の主要面から延びている。スペーサ7は、オーバーレイバイザーの第1の面13から延在している。使用中、オーバーレイバイザー6の第1の面13は、使用者の顔に対向し、その反対側の第2の面15は、シールドバイザーの内側面に対向する。
【0071】
[0075]
図3bにおいて、オーバーレイバイザー6には、一体形成されたZ字形断面のスペーサ7が設けられ、その先端面18に対してエラストマーガスケット8が塗布されている。
【0072】
[0076]
図3cにおいて、オーバーレイバイザー6には、一体形成されたW字形断面のスペーサ7が設けられ、その先端面18に対してエラストマーガスケット8が塗布されている。
【0073】
[0077]
図3dにおいて、オーバーレイバイザー6には、一体形成された2列の凹溝の断面が設けられ、その先端面18に対してガスケット8が塗布されている。
【0074】
[0078]
図3a~
図3dの断面において、オーバーレイバイザー6の材料は、スペーサ7の位置において主要面から延びている。スペーサ7は、シート材料を変形させる、好ましくは、熱成形する、および/または成形することによって得られ得る。
【0075】
[0079] そのようなスペーサ7を備えるオーバーレイバイザー6の製造は、迅速かつ容易である。オーバーレイバイザー6の周縁部に沿ってスペーサ7を得るために、シート材料を使用して、1つの処理工程において、オーバーレイバイザー6を所望の形状に切り取り、変形させることができる。この処理工程は、オーバーレイバイザー6の周縁部を切り取るための切れ刃を有し、かつ、シート状材料でスペーサ7を形成するための変形面を有する金型を使って行うことができる。
【0076】
[0080] 本発明の別の実施形態は、オーバーレイバイザー6が射出成形によって製造されるものである。一例において、複合射出成形処理が、ガスケット8が付加された一体形成スペーサ7を備えるオーバーレイバイザー6を形成するために使用されてよい。この処理において、ガスケット8は、例えば2要素射出成形によって、スペーサ7を備えるオーバーレイバイザー6が成形される金型と同じ金型で射出成形することができる。
【0077】
[0081]
図4および
図4bには、シールドバイザー2に凹部23が設けられた、バイザー組立体1が示されている。凹部の寸法は、オーバーレイバイザー6の外形寸法に対応する。この実施形態における取付けは、スナップリップ24を備えるスナップ嵌め構造によって達成される。これは、プレテンションによってオーバーレイバイザー6をシールドバイザー2に対して押し付けるものである。ガスケット8の弾性は、圧縮または縮みにもかかわらずオーバーレイバイザー6が固定されて配置されることを確実にするのに役立つ。
【0078】
[0082]
図5にはピン取付機構が示され、凹部12を形成するカラー20を備えている。カラー12は、ピン11と相互に作用することで、オーバーレイバイザー6のピン11上での固定された保持がもたらされる。カラー20は、ピン11のきのこ形または張出し形の頭部、放射状リップ、または延在部分と係合し、プレテンションによってオーバーレイバイザー6をシールドバイザー2に対して圧縮する。このように、カラー12は、オーバーレイバイザー6の収縮にかかわらずオーバーレイバイザー6の固定された保持を維持するのに役立ち得る。
【0079】
[0083] スペーサ7と同様に、カラー12は、シート材料を変形させる、好ましくは、熱成形する、および/または成形することによって、または、オーバーレイバイザー6の射出成形を行うことによって得られ得る。
【0080】
[0084]
図5の実施形態において、上述のガスケットは、任意に使用されてよく、また、使用されることが好ましい。
【0081】
[0085] 上述の実施形態に加えて、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、本明細書に記載の構造および技術に対して多くの変更が可能である。したがって、具体的な実施形態を説明してきたが、これらは例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0082】
[0086] なお、留意すべき点として、本出願の請求項または明細書で使用される「備えている、含んでいる(comprising)」という用語は、他の構成要素または工程を排除せず、また、「a」および「an」という用語は、複数を排除しない。
【0083】
[0087] 上述していない等価物および変更形態も、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱せずに採用されてよい。