(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】内視鏡用の使い捨て可能な弁
(51)【国際特許分類】
A61B 1/015 20060101AFI20231228BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20231228BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61B1/015 511
A61B1/00 632
G02B23/24 A
(21)【出願番号】P 2020550700
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(86)【国際出願番号】 US2019022841
(87)【国際公開番号】W WO2019183013
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-03-17
(32)【優先日】2018-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520221947
【氏名又は名称】メディヴェーターズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ラゴウ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シュレイナー,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】へミンク,デイビッド シー.
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-545555(JP,A)
【文献】特開平08-238211(JP,A)
【文献】特開2014-133011(JP,A)
【文献】特開2001-346761(JP,A)
【文献】特開2007-075417(JP,A)
【文献】特表2013-523394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡と共に使用するように構成された使い捨て可能な弁アセンブリであり、近位端および遠位端および第1の開口部を含むステムであって、前記第1の開口部は前記ステムの長手方向軸に沿って配置され、前記ステムの前記近位端から前記遠位端までまたは前記遠位端に隣接して延び、前記ステムは熱可塑性材料と、前記第1の開口部を横切り、交差する第2の開口部とを含み、前記ステムの前記第2の開口部は前記ステムを通って延びるステムと;前記ステムを受け入れるように構成された開口部を備えるばね支柱であって、前記ばね支柱および/またはばねは、前記近位端および/または遠位端に対する前記ステムの上向きおよび下向き方向の移動を可能にするように構成されているばね支柱と;前記ばね支柱に接触するように構成された前記ばねとを含み、
前記使い捨て可能な弁アセンブリが
前記ステムと係合するように構成されたキャップと、
前記ばね支柱を超える直径を有しかつ前記ばね支柱と係合するように構成されたブーツと、
を更に備え、
前記ステムは、前記ステムの前記遠位端に配置された傘形弁であって、前記傘形弁が、前記傘形弁の遠位側に配置される複数のリブと、前記複数のリブの間に配置される潰れることができる複数の凹部と、を備え、前記複数のリブ及び前記複数の凹部により、移動中の前記傘形弁の適切な構成を支援するように構成される、傘形弁を更に備える、
使い捨て可能な弁アセンブリ。
【請求項2】
前記使い捨て可能な弁アセンブリが、前記内視鏡への空気および水の流れを制御するために使用される、請求項1に記載の使い捨て可能な弁アセンブリ。
【請求項3】
前記キャップが、前記ステムとスナップ嵌めするための取り付け具を有する
、請求項1または2に記載の使い捨て可能な弁アセンブリ。
【請求項4】
前記ステムの前記第2の開口部が前記ステムの前記遠位端に隣接し、前記ステムを通って延びる、請求項1に記載の使い捨て可能な弁アセンブリ。
【請求項5】
前記キャップが、一方の端部でステムインサートを受け入れ、反対の端部で前記ステムの上にスナップ嵌めするように構成された複数の突起を備える、請求項3に記載の使い捨て可能な弁アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年3月21日に提出され、“DISPOSABLE VALVES FOR AN ENDOSCOPE OPTIONALLY HAVING LUBRICANT AND/OR AN ANTIMICROBIAL AGENT(潤滑剤および/または抗菌剤を任意選択的に有する内視鏡用の使い捨て可能な弁)”と題された米国仮特許出願第62/645,951号に付与された優先権およびその利益を主張する。この仮特許出願は参照により完全な形で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
医療機関は、医療費を削減または制限する方法を見つけるために絶えず圧力を受けている。医療機関がコストを削減するための1つのそのような機会は、器具および補給品をリサイクルすることであり、特に再利用のために洗浄および滅菌可能な単回使用医療機器(SUD)を回収することである。
【0003】
通常、医療機器は2つのカテゴリに分類される。第1のカテゴリは再利用可能な機器であり、これは再利用可能として販売されており、病院などの医療機関が再利用のために洗浄および滅菌することができる。再利用可能な、製造業者によって指定された複数回使用の医療機器は、医療機器が病院や手術センターによって再利用のために処理され得ることを期待して販売されている。このような医療機器は1回だけ販売され、複数の患者に対して使用するために通常は何度も洗浄および再滅菌される。これらの医療機器は、病院または手術センターの担当者により使用後に収集され、洗浄され、オートクレーブ内で、またはエチレンオキシドまたは他の適切な滅菌剤に曝されることにより再滅菌され、必要に応じて再包装され、再利用される。
【0004】
第2のカテゴリは、再処理可能な機器を含み、これは単回使用のみのために製造業者によって指定される。これらの医療機器は、適切に再処理された場合に限り再利用することができる。
【0005】
医療機器のうち、内視鏡は当技術分野で周知であり、多くの医療処置に一般的に使用される。内視鏡の制御セクションは、吸引シリンダ、空気/水シリンダ、生検チャネル等を含み得る。内視鏡の様々な機能を制御するためにこれらのシリンダまたはチャネルに弁を挿入することができる。
【0006】
各使用後、内視鏡は、疾患、病原菌、細菌、および病気の広がりを防ぐために、洗浄、消毒、滅菌等を受ける。内視鏡の多くの構成要素は、内視鏡を通る空気、水の流れ、または流体の吸引を調整し、また使用の合間に洗浄、消毒、および/または滅菌しなければならない弁を含め、再利用可能である。
【0007】
残念ながら、機器および再利用可能な弁の高レベルの消毒を維持することに関連して、通常、多大な費用がかかる。再利用可能な内視鏡弁は、内視鏡および対応する弁の再処理における違反を特定するために、洗浄および再処理手順の間、対応する内視鏡と一緒に注意深く追跡する必要があり、これにより内視鏡および対応する弁が再利用される場合、患者間の交差汚染のリスクが低減される。
【0008】
再利用可能な弁は、いくつかの金属、プラスチック、および/またはゴム製部品の組み合わせから組み立てられ得る。そのため、内視鏡と共に使用するための再利用可能な弁の製造に関連するかなりのコストがある。
【0009】
使い捨て可能な弁は、再利用可能な弁の洗浄、消毒、および滅菌の必要性を排除し、それにより、繰り返しの洗浄、消毒、および滅菌のコストを排除する。また、使い捨て可能な弁は、特定の内視鏡モデルおよびシリアル番号まで弁を追跡する必要を排除し、患者に最高レベルの感染防止を提供する。さらに、使い捨て可能な弁は、製造に利用される高価な材料を必要とせず、それにより、高価な材料から弁を製造する高いコストを排除する。
【0010】
したがって、交差汚染および繰り返しの洗浄、消毒、および滅菌の必要性を低減または排除する、内視鏡と共に使用するための新しい使い捨て可能な弁を開発する必要性がある。特に、内視鏡処置中の細菌、真菌などの増殖を防止または実質的に排除する能力を有する新しい弁および方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
内視鏡を汚染するリスクを低減または排除し、患者に感染するリスクを低減または排除する新しい使い捨て可能な内視鏡弁および方法が提供される。さらに、弁チャンバまたはチャネルへのより均一な適合、より良い吸引および/または空気および水の流れを可能にする潤滑剤を使用する改善されたシールを提供することにより使い捨て可能な弁がより良く機能することを可能にする新しい使い捨て可能な内視鏡弁および方法が提供される。様々な実施形態は、富士フィルム(商標)内視鏡と共に使用するように構成された使い捨て可能な弁アセンブリを提供し、その製造プロセスを含めて本明細書で考察される。新しい使い捨て可能な内視鏡弁は、いくつかの実施形態において潤滑剤を有することができる。潤滑剤に加えて、または潤滑剤の代替として、使い捨て可能な内視鏡弁は、潤滑剤中に配置されるかまたは使い捨て可能な弁にコーティングされる抗菌剤を有することができ、または抗菌剤は使い捨て可能な弁と一緒に作られ、それと一体化することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、使い捨て可能な弁アセンブリが提供され、近位端および遠位端および第1の開口部を含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなるステムを含み得、第1の開口部はステムの長手方向軸に沿って配置され、ステムの近位端から遠位端までまたは遠位端に隣接して延び、ステムは、第1の開口部を横切って交差する第2の開口部を含み、ステムの第2の開口部は、ステムの遠位端に隣接し、ステムを通って延びる。ステムは、熱可塑性材料を含む、本質的にそれからなる、またはそれからなる。弁アセンブリはまた、ばね支柱を含み、ばね支柱は、ステムを受け入れ、ばね支柱に対して上方および下方位置のステムの移動を可能にするように構成された開口部を備える。弁アセンブリはまた、ばね支柱およびステムに接触するように構成されたばねを含み得る。様々な実施形態では、ステム、ばね支柱および/またはばねに配置された潤滑剤がある。いくつかの実施形態では、(i)潤滑剤は抗菌剤を含む;(ii)熱可塑性材料は抗菌剤を含む;および/または(iii)熱可塑性材料は、その上にコーティングされた抗菌剤を有する。
【0013】
特定の実施形態では、富士フィルム(商標)内視鏡と共に使用するように構成された使い捨て可能な弁アセンブリがあり、弁は、(i)内視鏡への空気および水を制御するために使用できる;(ii)ステム、ばね支柱、および/またはばねに配置された潤滑剤を有する;(iii)ステムと係合するように構成されたキャップをさらに含む;(iv)ステムとスナップ嵌めするための取り付け具を有するキャップをさらに含む;および/または(v)ばね支柱より大きい直径を有し、ばね支柱と係合するように構成されたブーツをさらに含む。いくつかの実施形態では、キャップは、ステムに超音波溶接、接着、ねじ留め、スナップ嵌め、または他の方法で取り付けられる。
【0014】
特定の実践形態では、使い捨て可能な弁アセンブリは、ステムの遠位端に配置された傘形弁、ダックビル弁、またはダイヤフラム弁をさらに含む、それらから本質的になる、またはそれらからなる。他の実施形態では、(i)ダックビルまたはダイヤフラム弁は、ダックビル受容部またはダイヤフラム受容部に圧入され、(ii)傘形弁は、ステムの上にオーバーモールドするか、またはステムに取り付けることができる。
【0015】
他の実践形態では、使い捨て可能な弁アセンブリのキャップは、一端でステムインサートを受け入れ、反対端でステムの上にスナップ嵌めするように構成された複数の突起、またはいくつかの態様では2つの突起を含む。様々な態様では、(i)使い捨て可能な弁アセンブリの潤滑剤は抗菌剤を含む;(ii)熱可塑性材料は抗菌剤を含む;および/または(iii)熱可塑性材料は、その上にコーティングされた抗菌剤を有する。
【0016】
様々な実施において、(i)使い捨て可能な空気/水弁アセンブリの潤滑剤は、シリコーンベースのグリース、非シリコーンベースのグリース、またはそれらの組み合わせを含む;および/または(ii)抗菌剤は、抗生物質、防腐剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、消毒剤またはそれらの組み合わせである。
【0017】
特定の実施形態では、本開示は、内視鏡と共に使用するように構成された使い捨て可能な吸引弁アセンブリを提供する。使い捨て可能な吸引弁アセンブリは、近位端および遠位端および第1の開口部を備えるステムを備え、第1の開口部はステムの長手方向軸に沿って配置され、ステムは、熱可塑性材料と、第1の開口部を横切って交差する第2の開口部とを含み、ステムの第2の開口部は部分的にステムを通って延び、第2の開口部の反対側の表面はステムから延びる突起を含む。使い捨て可能な吸引弁アセンブリはまた、ステムを受け入れるように構成された開口部を備えるばね支柱であって、ばね支柱に対して上方および下方位置のステムの移動を可能にするように構成されたばね支柱と;ばね支柱に接触するように構成されたばねとを含む。
【0018】
他の実施態様では、(i)使い捨て可能な弁アセンブリは、内視鏡へのおよび内視鏡からの吸引に使用される;(ii)潤滑剤がステム、ばね支柱、および/またはばねに配置される;(iii)使い捨て可能な弁アセンブリは、キャップをさらに含み、キャップはステムと係合するように構成される;(iv)使い捨て可能な弁アセンブリは、ステムとスナップ嵌めするための取り付け具を有するキャップをさらに備える;(v)使い捨て可能な弁アセンブリは、ばね支柱より大きい直径を有し、ばね支柱と係合するように構成されたブーツをさらに備える;または(vi)突起は、使い捨て可能な弁アセンブリを内視鏡と位置合わせするための半円形状を有する。
【0019】
特定の態様では、部分的にステムを通って延びるステムの第2の開口部は、第2の開口部に隣接し、隆起した表面または突起を有するガスケットをさらに含み、ガスケットは、空気/液密シールを形成するために弁アセンブリと内視鏡とのより良好な位置合わせを提供する。他の実施態様では、使い捨て可能な弁アセンブリのキャップは、複数の突起、またはいくつかの態様では、2、3、4、5、6、7、または他の偶数もしくは奇数の突起を含み、一方の端部でステムインサートを受け入れ、反対の端部でステムの上にスナップ嵌めするように構成される。様々な態様では、(i)使い捨て可能な弁アセンブリの潤滑剤は抗菌剤を含む;(ii)熱可塑性材料は抗菌剤を含む;および/または(iii)熱可塑性材料は、その上にコーティングされた抗菌剤を有する。
【0020】
様々な実践形態において、(i)使い捨て可能な吸引弁アセンブリの潤滑剤は、シリコーンベースのグリース、非シリコーンベースのグリース、またはそれらの組み合わせを含む;および/または(ii)抗菌剤は、抗生物質、防腐剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、消毒剤またはそれらの組み合わせである。
【0021】
様々な実施形態では、本開示は、内視鏡と共に使用するように構成された使い捨て可能な空気/水弁アセンブリを製造する方法を提供し、方法は、弁ステム、キャップおよびばね支柱を別々に成形することを含み、ステムは近位端および遠位端および第1の開口部を備え、第1の開口部はステムの長手方向軸に沿って配置され、ステムの近位端から遠位端までまたは遠位端に隣接して延び、ステムは、第1の開口部を横切って交差する第2の開口部を含み、第2の開口部はステムの遠位端に隣接し、ステムを通って延びる。
【0022】
他の実施形態では、ステムの近位端は、ばねの中心を通して配置することができる;次に、ステムの近位端が、ばね支柱のステム開口部を通して配置される;キャップは、ステムの近位端に取り付け、ステムインサートで固定できる;そして、ステム、ばね、および/またはばね支柱に潤滑剤が塗布される。他の態様では、製造方法は、以下をさらに含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる;(i)ガスケットをステム上にオーバーモールドすること;(ii)ばね支柱上にブーツをオーバーモールドすること;または(iii)ステムの遠位端に傘形弁、ダックビル弁、またはダイヤフラム弁を配置すること。他の実践形態では、製造方法はまた;(i)空気/水弁のステムが色分けされるステップ;(ii)ステムは、吸引ポートまたはステム内の気密シールを保証するためのガスケットを含むステップ;(iii)ステムの成形は、任意選択的に抗菌剤の存在下で行われるステップ;(iv)ボタンキャップがステムに超音波溶接、圧入、または別の方法で取り付けられるステップ;(v)潤滑剤は、シリコーンベースのグリース、非シリコーンベースのグリース、またはそれらの組み合わせを含むステップ;および/または(vi)抗菌剤は、抗生物質、防腐剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、消毒剤またはそれらの組み合わせであるステップを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、内視鏡と共に使用するための使い捨て可能な吸引弁アセンブリを製造するための方法が提供され、いくつかのステップを含み得る。ステムは、任意選択的に抗菌剤の存在下で精密成形され、次にステムの上にガスケットまたはシールをオーバーモールドするために型に配置される。次のステップの前に、支柱とボタンキャップが成形される。ブーツは支柱の上にオーバーモールドすることができる。ステムの後端または近位端は、支柱/ブーツおよび弾性部材(例えば、ばね、ゴム、弾性体、その他)の中心を通って配置される。次に、ボタンキャップをステムに配置して固定する。ステム、ばねおよび/またはばね支柱に潤滑剤を塗布することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、ばね支柱が成形され;ステムの下端がばねの中心を通って配置され;ステムの下端は、ばね支柱のステム開口部を通して配置され;そして、潤滑剤が、ステム、ばね、および/またはばね支柱に塗布され、潤滑剤は、他の実施形態では、抗菌剤を含む。
【0025】
他の実施形態では、内視鏡と共に使用するように構成された使い捨て可能な吸引弁を製造する方法が提供され、この方法は、弁ステム、キャップ、およびばね支柱を別々に成形することであって、ステムは近位端および遠位端および第1の開口部を備え、第1の開口部はステムの長手方向軸に沿って配置され、ステムは、第1の開口を横切って交差する第2の開口部を含み、ステムの第2の開口部は部分的にステムを通って延び、第2の開口部の反対側の表面が、ステムから延びる突起を含む、成形すること;ステムの近位端をばねの中心を通して配置すること;ばね支柱のステム開口部を通してステムの近位端を配置すること;キャップをステムの近位端に取り付け、ステムインサートで固定すること;およびステム、ばね、および/またはばね支柱に潤滑剤を塗布することを含む。
【0026】
様々な実施形態の追加の特徴および利点は、以下の記載の中に部分的に記載され、その記載から部分的に明らかになるか、または様々な実施形態の実施によって知ることができる。様々な実施形態の目的および他の利点は、記載および添付の特許請求の範囲で特に指摘された要素および組み合わせによって実現および達成されるであろう。
【0027】
部分的に、実施形態の他の態様、特徴、利点、および有利性は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、および添付の図面に関して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A-1B】それぞれ、使い捨て可能な空気/水弁および吸引弁の実施形態の正面図を示す。
【
図2A-2B】それぞれ、使い捨て可能な空気/水弁および吸引弁の実施形態の斜視図を示す。
【
図3A-3B】それぞれ、使い捨て可能な空気/水弁および吸引弁の実施形態の斜視図を示す。
【
図4A-4B】それぞれ、使い捨て可能な空気/水弁および吸引弁の実施形態の斜視図を示す。
【
図5A】内視鏡での使用に適した使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の傘形ステム設計の斜視図を示す。
【
図5B】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の傘形ステム設計の側面図を示す。
【
図5C】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の傘形ステム設計の断面図を示す。
【
図5D】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の傘形ステム設計の側面図を示す。
【
図5E】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の傘形ステム設計の遠位端の底面図を示す。
【
図5F】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の傘形ステム設計の実施形態の近位端の上面図を示す。
【
図5G】
図5Dの平面AAに沿った使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の傘形ステム設計の断面図を示す。
【
図6A】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の別の実施形態のダックビルステム設計の斜視図を示す。
【
図6B】内視鏡での使用に適した使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダックビルステム設計の側面図を示す。
【
図6C】内視鏡での使用に適した使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダックビルステム設計の断面図を示す。
【
図6D】内視鏡での使用に適した使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダックビルステム設計の断面図を示す。
【
図6E】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダックビルステム設計の遠位端の底面図を示す。
【
図6F】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダックビルステム設計の近位端の上面図を示す。
【
図6G】内視鏡で使用するための
図6Dの平面AAに沿った使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダックビルステム設計の断面図を示す。
【
図7A】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の別の実施形態のダイヤフラムステム設計の斜視図を示す。
【
図7B】内視鏡での使用に適した使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダイヤフラムステム設計の側面図を示す。
【
図7C-7D】内視鏡での使用に適した使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダイヤフラムステム設計の断面図を示す。
【
図7E】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダイヤフラムステム設計の遠位端の底面図を示す。
【
図7F】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダイヤフラムステム設計の近位端の上面図を示す。
【
図7G】内視鏡で使用するための
図7Dの平面AAに沿った使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のダイヤフラムステム設計の断面図を示す。
【
図8A-8C】内視鏡内の空気/水弁の一般的な動作を示す。
【
図9A-9C】内視鏡内の使い捨て可能な空気/水弁の一般的な動作を示す。
【
図10】弁に潤滑剤を配置することを含む、使い捨て可能な空気/水弁の製造プロセスの実施形態を示す。
【
図11A】内視鏡で使用するための使い捨て可能な吸引弁の別の実施形態のステムの斜視図を示す。
【
図11B】内視鏡での使用に適した使い捨て可能な吸引弁の実施形態のステムの側面図を示す。
【
図11C】内視鏡で使用するための使い捨て可能な吸引弁の実施形態のステムの近位端の上面図を示す。
【
図11D】内視鏡で使用するための使い捨て可能な吸引弁の実施形態のステムの遠位端の底面図を示す。
【
図11E】内視鏡で使用するための
図11Dの平面BBに沿った使い捨て可能な吸引弁の実施形態のステムの断面図を示す。
【
図12A】内視鏡で使用するための使い捨て可能な吸引弁の別の実施形態のステムの斜視図を示す。
【
図12B】内視鏡での使用に適した使い捨て可能な吸引弁の実施形態のステムの側面図を示す。
【
図12C】内視鏡で使用するための使い捨て可能な吸引弁の実施形態のステムの近位端の上面図を示す。
【
図12D】内視鏡で使用するための使い捨て可能な吸引弁の実施形態のステムの遠位端の底面図を示す。
【
図12E】内視鏡で使用するための
図12Dの平面BBに沿った使い捨て可能な吸引弁の実施形態のステムの断面図を示す。
【
図13A-13B】例えば内視鏡などの医療器具内の使い捨て可能な吸引弁の一般的な動作の実施形態を示す。
【
図14】弁への潤滑剤の配置を含む、使い捨て可能な吸引弁の製造プロセスの実施形態のフローチャートを示す。
【
図15A】内視鏡内の使い捨て可能な空気/水弁または使い捨て可能な吸引弁と共に使用するためのブーツの実施形態の斜視図を示す。
【
図15B】内視鏡内の使い捨て可能な空気/水弁または使い捨て可能な吸引弁と共に使用するためのブーツの別の実施形態の斜視図を示す。
【
図15C】内視鏡での使用に適した使い捨て可能な空気/水弁または使い捨て可能な吸引弁のブーツの実施形態の側面図を示す。
【
図15D】
図15Cの軸EEに沿った内視鏡と共に使用するのに適した使い捨て可能な空気/水弁または使い捨て可能な吸引弁の実施形態のブーツの断面図を示す。
【
図15E】内視鏡と共に使用するのに適した使い捨て可能な吸引弁のブーツの実施形態の上面図を示す。
【
図16A】使い捨て可能な空気/水弁または使い捨て可能な吸引弁と共に使用するためのキャップスナップの実施形態の斜視図を示す。
【
図16B】使い捨て可能な空気/水弁または使い捨て可能な吸引弁と共に使用するためのキャップスナップの実施形態の上面図を示す。
【
図16C】使い捨て可能な空気/水弁または使い捨て可能な吸引弁と共に使用するための
図16Bの軸AAに沿った断面図を示す。
【
図16E】使い捨て可能な空気/水弁または使い捨て可能な吸引弁と共に使用するためのキャップスナップの実施形態の側面図を示す。
【
図16G-16H】使い捨て可能な空気/水弁または使い捨て可能な吸引弁と共に使用するためのキャップスナップの底面図の実施形態を示す。
【
図17A】内視鏡での使用に適した使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の斜視図を示す。
【
図17B】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の側面図を示す。
【
図17C】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の底面図を示す。
【
図17D】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のステムの側面図を示す。
【
図17E】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態のステムの斜視図を示す。
【
図17F】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の構成要素の部分断面側面図を示す。
【
図17G】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の構成要素の部分側面図を示す。
【
図17H】内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の構成要素の部分断面側面図を示す。
【
図17I-17J】例えば内視鏡などの医療器具内の使い捨て可能な空気/水弁の一般的な動作の実施形態を示す。
【
図17K】製造中に型に配置された内視鏡で使用するための使い捨て可能な空気/水弁の実施形態の構成要素の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図は一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。さらに、図中の物体間の関係は原寸に比例していない場合があり、実際にはサイズに関して逆の関係である場合がある。図は、示される各物体の構造を理解し、明確にすることを目的としているため、構造の特定の特徴を示すために、一部の特徴が誇張されている場合がある。
【0030】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的のために、別段の指定がない限り、成分の量、材料のパーセンテージまたは比率、反応条件、および本明細書および特許請求の範囲で使用される他の数値を表すすべての数は、すべての場合において、「約」という用語によって修飾されることを理解されたい。したがって、反対に示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に示される数値パラメータは、本発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、そして均等論の適用を請求項の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0031】
本開示の目的のために、「有効量」または「治療有効量」という語句は、表面上の組成物と接触する微生物に殺菌または微生物増殖効果を誘発するのに十分な用量として定義される。
【0032】
本明細書に示される数値範囲およびパラメータにもかかわらず、本発明の広い範囲は近似であり、特定の実施例に示される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、どの数値にも、それぞれの試験測定で見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差が本質的に含まれている。さらに、本明細書に開示されるすべての範囲は、そこに包含されるありとあらゆる部分範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、「1~10」の範囲には、1の最小値と10の最大値の間(それらの値を含む)のありとあらゆる部分範囲が含まれる。すなわち、1以上の最小値と10以下の最大値を有するありとあらゆる部分範囲、例えば5.5~10が含まれる。
【0033】
次に、本発明の特定の実施形態を詳細に参照し、その例は添付の図面に示されている。本発明は、例示された実施形態に関連して記載されるが、それらは、本発明をそれらの実施形態に限定することを意図していないことが理解されるであろう。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明内に含まれ得るすべての代替物、修正物、および均等物を網羅することを意図している。
【0034】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、明確かつ明らかに1つの指示対象に限定されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「シール(a seal)」への言及は、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のシールを含む。
【0035】
ここで図面を参照するが、描かれた要素は必ずしも一定の縮尺で示されているわけではなく、同様または類似の要素は、いくつかの図を通して同じ参照番号で指定されている。
【0036】
一般に図面を参照すると、これらの図は本開示の特定の実施形態を記載するためのものであり、それに限定することを意図していないことが理解されよう。
【0037】
本明細書で使用される用語のほとんどは当業者に認識可能であるが、明確に定義されていない場合、用語は当業者によって現在受け入れられている意味を採用すると解釈されるべきであることが理解されるべきである。
【0038】
内視鏡と共に使用するための使い捨て可能な弁アセンブリ
内視鏡を汚染するリスクを低減または排除し、患者に感染するリスクを低減または排除する、新しい使い捨て可能な内視鏡弁および方法が提供される。改善されたシールを提供することによって使い捨て可能な弁がよりよく機能することを可能にする新しい使い捨て可能な内視鏡弁および方法が提供される。いくつかの実施形態では、使い捨て可能な弁は、弁チャンバまたはチャネルへのより均一なフィット、ならびに空気および水のより良好な吸引および/または流れを可能にする潤滑剤を含む。本明細書では、内視鏡と共に使用するように構成された使い捨て可能な弁アセンブリの様々な実施形態が、その製造プロセスを含めて考察されている。新しい使い捨て可能な内視鏡弁は、いくつかの実施形態では、潤滑剤を有するか、または潤滑剤の代替として、潤滑剤に配置されるか、使い捨て可能な弁にコーティングされた抗菌剤を有することができ、または抗菌剤は使い捨て可能な弁と一緒に作られ、それと一体化することができる。
【0039】
特定の実施形態では、本開示は、内視鏡と共に使用するように構成された使い捨て可能な弁アセンブリを提供し、これは以下のものを備える:ステムの長手方向軸に沿って配置された第1の開口部を備えるステム;ばね支柱;ばね支柱はステムを受け入れ、ばね支柱に対して上方および下方の位置にあるステムの移動を可能にするように構成された開口部を備える;ばね支柱およびステムに接触するように構成されたばね;および、ステム、ばね支柱またはばねの少なくとも1つに配置される潤滑剤。他の実施形態では、内視鏡と共に使用するように構成された使い捨て可能な弁アセンブリは潤滑剤を含まず、代わりに、ステム、ばね支柱、またはばねの少なくとも1つに配置された抗菌剤を含む。他の実施形態では、弁アセンブリは、潤滑剤を含むことができ、および/または(i)弁アセンブリのモールディング、(ii)弁アセンブリのステム、ばね支柱またはばねの少なくとも1つに配置されたコーティング、または(iii)潤滑剤またはそれらの組み合わせの中に抗菌剤をさらに含むことができる。
【0040】
様々な実施形態において、本開示に記載される使い捨て可能な弁アセンブリでは、(i)潤滑剤は、シリコーンベースのグリース、非シリコーンベースのグリース、またはそれらの組み合わせを含み得る;および/または(ii)抗菌剤は、抗生物質、防腐剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、消毒剤、シラン、またはそれらの組み合わせである。様々な実施形態において、抗菌剤は、ミノサイクリン、ゲンジン(gendine)、ゲンレノール(genlenol)、ゲンロサン(genlosan)、ゲンフォクトール(genfoctol)、アミノグリコシド、ベータラクタム、キノロン、フルオロキノロン、マクロライド、スルホンアミド、スルファメタキソゾール、テトラサイクリン、ストレプトグラミン、オキサゾリジノン(リネゾリド)、クリンダマイシン、リンコマイシン、リファマイシン、グリコペプチド、ポリミキシン、リポペプチド抗生物質、薬理学的に許容可能なナトリウム塩、薬理学的に許容可能なカルシウム塩、薬理学的に許容可能なカリウム塩、および脂質製剤を含む。
【0041】
他の実施形態では、本開示に記載する使い捨て可能な弁アセンブリは、ばね支柱およびステムに取り付けられるように構成されたブーツであって、ステムが下方位置に移動したときにステムに接触するように構成されたブーツ;ステムの第1の開口部に配置され、第1の開口部からの空気の通過を防ぐように構成されたステムインサートをさらに含み、潤滑剤は、ステム、ばね支柱、ばね、ステムインサートまたはブーツの少なくとも1つに配置されている。さらに他の実施形態では、ステムはさらに第2の開口部を含み、第2の開口部は第1の開口部に対して横向きに配置され、第1および第2の開口部は空気および/または流体の通過を可能にするためのものであり、ばね支柱の開口部はばね支柱の中心に配置され、ばね支柱はばねの第1の端部を受容するための棚状の突起を含み、ステムはばねの第2の端部を受容するための棚状の突起を含む。
【0042】
特定の実施形態では、(i)ステムは近位端を有し、ステムはさらに、ステムの周囲に配置された複数の隆起および溝を含み、複数の隆起および溝はステムとモノリシックであり、複数のシールがステムの溝に配置され、ステムは近位端に配置されかつステムの長手方向軸に沿って延びる第1の開口部と;ステムに接触してステムの周りに配置された保持リングと;ステムの近位端に接触するボタンヘッドまたはボタンキャップと、保持リングおよびボタンヘッドまたはボタンキャップに接触する弾性部材とを備え、ボタンヘッドまたはボタンキャップに下向きの力を加えると、ステムが下方位置に移動され;(ii)支柱、ブーツ、および/またはボタンキャップがステムの近位端に取り付けられ、弾性部材が支柱、ブーツ、および/またはボタンキャップに接触し、下方向への弾性部材の動きがステムを下方位置へ移動し;または(iii)支柱はダイヤフラムと弾性部材に接触する部分で構成され、支柱はステムの中心に配置され、弾性部材は支柱とボタンキャップに接触するばねを含み、ボタンキャップはステムの近位端に配置される。
【0043】
他の態様では、(i)ばね支柱は、ステムに取り付けるように構成された少なくとも1つの凹部および/または突起をさらに含み、ステムは、下向きの押圧力を加えると下方位置に移動可能であり;または(ii)ばね支柱の少なくとも1つの凹部および/または突起は、ステムをばね支柱にロックするように構成された切り欠きを備える。
【0044】
特定の実施形態では、本開示に記載の使い捨て可能な抗菌弁アセンブリでは、(i)ステムは、一端に複数の点を含み、反対側の端部の上部またはボタンヘッドが指と接触するように構成され;(ii)ステムは、医療器具の吸引ポート内の適切なシールを確実にするためのシール部材を含む突起を備え;(iii)ステムは、内視鏡の吸引ポート内の適切なシールを確実にするためにステムに取り付けられたOリングを含み;または(iv)ステムおよびばね支柱は熱可塑性材料を含む。他の実施形態では、(i)ステムの第1の開口部がステムの第2の開口部に接触し、ステムが下方向に押されると、第2の開口部は内視鏡の吸引チャネルと整列し、空気および/または流体が吸引接続部へ通過することを許容する。
【0045】
さらに他の実施形態では、本開示に記載の使い捨て可能な弁アセンブリにおいて、(i)ステムは、熱可塑性材料と、第1の開口部に対して横方向に配置された第2の開口部とを含み、第1および第2の開口部は互いに交差し、ステムの少なくとも一部を通る空気および/または流体の通過を許容するように構成され、第1および第2の開口部は互いに交差し;および/または(ii)ボタンキャップは、ステムの第1の開口部内に延びるベントを備える。
【0046】
使い捨て可能な空気/水弁
図1Aおよび1Bは、内視鏡と共に使用するための使い捨て可能な空気/水および吸引弁の例示的な実践形態の正面図である。
図2A、2B、3A、3B、4Aおよび4Bは、内視鏡と共に使用するための使い捨て可能な空気/水および吸引弁の斜視図である。
【0047】
図1A、2A、3Aおよび4Aを参照すると、使い捨て可能な空気/水弁100は主な構成要素として、すべて長手方向軸AAに沿って配置された、主ステム101、ボタンヘッドまたはキャップ102、ブーツ104、弾性部材またはばね(図示せず)およびガスケットまたはシール164、166、168、170、172、174を有する。弾性部材の例は、
図9Aの412のばねとして示されている。空気/水弁にはいくつかの実践形態があるため、本出願において、同一の要素は括弧内で言及される。さらに、1つの要素への言及は、すべての同一の使い捨て可能な空気/水弁要素に等しく当てはまる。
図5A、6Aおよび7Aを参照すると、主ステム101(101a、101b)はモノリシック(例えば、単一部品)である。ステム101は、ガスケット表面150、152、および156と、ステムの一部として成形された溝154、158、160、および162と、開口端142の周りに配置された近位端135とを有する。他の実践形態では、主ステム101aおよび101bもモノリシックであり、ガスケット面150a、152a、156a、溝154a、158a、160a、162a、ガスケット面150b、152b、156b、および溝154b、158b、160bおよび162bを有する。主ステム101aおよび101bは、ガスケット164a、166a、168a、170a、172a、174a、176b、178b、164b、166b、168b、170b、1772b、174bを有する。いくつかの実施形態では、ガスケットは、空気/水をよりよく制御するためのミニシールを提供する。
図1Bに示す使い捨て可能な吸引弁のステムは、主ステムを横切る開口部514を有することができる。開口部514は、主ステムの中間セクション570に配置される。溝524に隣接するのは表面526であり、これは使い捨て可能な弁の端縁590でガスケットまたはシール520および522に隣接する。
【0048】
使い捨て可能な空気/水弁100はまた、アライナ114、116、118および190(114a、116a、118a、120a、114b、116b、118b、190b)を含む。ステム101(101a、101b)は、横穴180(180a、180b)をさらに含む。これらの隆起および/または溝は剛性であるか、または可撓性であることができる。図示の実施形態では、隆起および/または溝に起因して、主ステムは様々な直径を有し、ここで、直径は隆起によってより大きく、直径は溝によってより小さい。この構成により、ガスケットまたはシールを溝に挿入またはオーバーモールドすることを可能になる。
【0049】
隆起および/または溝の多くは別々に製造され、しばしば金属を含むステムとは異なる材料を含むので、モノリシックではない使い捨て可能ではない空気/水弁とは異なり、使い捨て可能な空気/水弁のモノリシックなステム(ワンピース)は、ステムと同じ材料であり得る複数の隆起および溝を備えている。いくつかの実施形態では、ガスケットまたはシール164~178は、ステム101の溝の中に設置することができる。
【0050】
本出願の器具の1つまたは複数の構成要素(例えば、ガスケットまたはシール164~178(164a~178a、164b~178b)、ステム101(101a、101b)、支柱200、ブーツ104、弾性部材(例えば、ばね、ゴム、弾性体、その他)(図示せず)およびボタンキャップ102は、例えば熱可塑性材料などの適切な材料から作製することができる。弾性部材の例は、
図9Aの412にばねとして示されている。
【0051】
適切な材料には、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステル、スチレン系熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、ゴム、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)、ABS、MABS、シリコーンまたはそれらに類するもの、あるいはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
図1A~7G、15A~16Gはまた、弁100上または少なくともステム101(101a、101b)上に配置され得る潤滑剤1000を示す。潤滑剤1000はまた、支柱またはばね支柱200およびばね上に配置することができる。いくつかの実施形態では、潤滑剤1000はまた、抗菌剤を含む。いくつかの実施形態では、使い捨て可能な空気/水弁100は、ステム、ばね支柱、シール、および/またはばねの一部として抗菌剤を含むことができる。抗菌剤は、構成要素上のコーティングであり得るか、またはステム、ばね支柱、シール、および/またはばねが作られる材料中に均一に配置され得る。
【0052】
ステム101(101a、101b)は、正確さと剛性のために1つの部品に精密成形される。ステム101(101a、101b)は、製品を空気/水弁として識別するために色分けされていてもよい。ステム101の色分けにより、空気/水弁を簡単に識別することができる。さらに、色分けはまた、使い捨て可能な空気/水弁を使い捨て可能な弁として識別する。いくつかの実施形態では、色分けは、特定の部品がどの内視鏡と適合性があるかを識別することができる。ステム101は、ガスケットまたはシール164~178(
図1A~7G)をステム101上の所望の位置に維持するためのいくつかのガスケット、ガスケット表面またはシール保持領域または溝150~158を提供する。ステム101(101a、101b)はまた、開口端142(142a、142b)の周りに配置された近位端135(135a、135b)を含む。近位端135に、ステム101は、第1の開口部142を含む。保持領域または溝のような隆起124、126、128、130、132、133、および190は、ステム101の一部として成形される。
図1A~7Gのガスケットまたはシール164~178は、ステム101(101a、101b)にオーバーモールドされるか、または適切に別の方法でステム101(101a、101b)に固定されてもよい。ステムにシールをオーバーモールドすることにより、組み立て中にシールを裂いたり損傷したりする可能性があるシールをステム101にスライドさせる必要がなくなる。内視鏡の空気/水弁の操作について、以下でさらに詳述する。
【0053】
図5A、6Aおよび7Aは、内視鏡と共に使用するための使い捨て可能な空気/水弁100の異なる実施の斜視図である。
図5B~5H、6B~6Gおよび7B~7Gは、空気/水弁100の断面図、底面図、上面図および詳細図である。すべての実践態様において、空気/水弁はガスケットを含み、弁100において、ディスクおよび/またはガスケット120は、傘形弁として成形されている。ステム101aにおいて、ダックビル弁182が、ディスク190a内に受容されるように構成され、ステム101bにおいて、ダイヤフラム弁が、ディスク190b内に受容される。
【0054】
傘形状のガスケット120は、傘形状のシールディスクであるエラストマー弁部品である。このエラストマー部品は、弁などの逆流防止装置のシール要素として使用することができる。シートに取り付けられたとき、凸状の傘形状のディスク120は、弁シートに対して平らになり、特定の量のシートの不規則性を吸収し、一定のシール力を生み出す。傘形のシールディスクは、ヘッドの圧力が凸状ダイヤフラムをシートから持ち上げるのに十分な力を生み出すと、順方向の流れを許容する。結果、それは一方向の所定の圧力の流れを許容し、反対方向の逆流をすぐに阻止する。
【0055】
図5Bおよび5Dは、空気/水弁のステムの側面図である。
図5Cは、溝154、アライナ114、130、172および190、ガスケット164、166、168、170、172および174、隆起116、118および134、ならびに横穴180を示すステム101の図である。切り欠き220、222および224は弁ゲートであり、ステム101が射出成形により製造されるときはいつでも、それを介してプラスチック(例えば、ポリカーボネート)の流れをより正確に制御することができる。いくつかの実施形態では、切り欠きはエジェクタピンマークである。
図5E、5Gおよび5Hは、傘形状のディスク120に関するさらなる詳細を示す。
図5Eは、傘形ディスク120の細部230を示すステム101の遠位端の底面図である。
図5Gは、
図5DのAA面に沿ったステム101の断面図である。
図5Hは、
図5Gの細部Bの拡大図を提供する。細部Bは、アライナ190に対するディスク120の位置を示す。いくつかの実施形態では、ガスケット120は、ステムの軸に対して約140°であり、ガスケット120は、約6°のテーパを有する。
図5Hの結果として得られる設計は、信頼性の高いシールを提供し、空気/水弁の逆流を防止し、患者への一方向のみの二酸化炭素および/または空気を可能にする。
【0056】
図6Aは、使い捨て可能な空気/水弁用のステムの斜視図であり、
図6Bは、使い捨て可能な空気/水弁用のステムの側面図である。
図6Cおよび6Dは、溝154a、アライナ114a、116a、130a、134aおよび190a、ガスケット164a、166a、168a、170a、172a、174a、176および178、隆起、ならびに横穴180aを示すステム101aの透視図である。切り欠き220a、222a、および224aは、ステム101aが射出成形によって製造されるときはいつでも、それを介してプラスチック(例えば、ポリカーボネート)の流れをより正確に制御することができる弁ゲートである。いくつかの実施形態では、切り欠きはエジェクタピンマークである。
図6Aおよび6Dは、閉位置にあるダックビル182を示す。
図6Cおよび6Gは、ダックビル182が圧入されるか、または接着剤によってステムに取り付けられ得るレセプタクル184を示す。
図6Eおよび6Gは、ダックビルステム設計のディスク190aに関するさらなる詳細を示す。
図6Eは、ダックビルステム設計のディスク190aの細部230aを示す、ステム101aの遠位端の底面図である。
図6Gは、
図6DのAA面に沿ったステム101aの断面図である。流体がダックビルを介してポンプで送られると、ダックビルの平らな端部が開いて、加圧流体が通過できるようになる。しかしながら、流体圧力が取り除かれると、ダックビルは元の平らな形状に戻り、逆流を防ぐ。傘形設計と同様に、ステム101aのダックビル設計は信頼性の高いシールを提供し、空気/水弁の逆流を防ぎ、患者への二酸化炭素または空気の一方向の流れを可能にする。
【0057】
図7Bは、使い捨て可能な空気/水弁ステムの側面図である。
図7Cおよび7Dは、溝154b、アライナ114b、116b、130b、134bおよび190b、ガスケット164b、166b、168b、170b、172b、174b、176bおよび178b、ならびに横穴180bを示すステム101bの透視図である。切り欠き220b、222b、および224bは弁ゲートであり、射出成形によってステム101bが製造されるときはいつでも、これを介してプラスチック(例えば、ポリカーボネート)の流れをより正確に制御することができる。いくつかの実施形態では、切り欠きはエジェクタピンマークである。
図7C、7Dおよび7Gは、ステム101bのダイヤフラム設計のディスク190bに関するさらなる詳細を示す。これらの図は、レセプタクル188に圧入することができる、または接着剤によってステムに接着することができるダイヤフラム186を示している。
図7Eは、ステム101bの遠位端の底面図である。
図7Fは、ステム101bの近位端の上面図である。
図7Gは、
図7DのAA面に沿ったステム101bの断面図である。ステム101bのダイヤフラム設計は、信頼性の高いシールを提供し、空気/水弁の逆流を防止し、患者への一方向のみの二酸化炭素空気を可能にする。
【0058】
図8A、8Bおよび8Cは、内視鏡における空気/水弁の動作の例示的な実践形態である。なお、
図8A~8Cを参照した考察は一般的な空気/水弁を対象とし、それは
図5Aに示される弁100および
図6Aおよび7Aに示されるようなステム101aまたは101bを有する他の空気/水弁の実施形態を含むことができる。この考察は、富士フィルム(商標)内視鏡を含む内視鏡で空気/水弁が一般にどのように動作するかの説明を提供するに過ぎない。
【0059】
図8Aでは、空気/水弁300は、内視鏡の空気/水シリンダ内に配置され、非作動位置で示されている。内視鏡は、空気用の空気チャネル302および水用の水チャネル308を提供する。空気チャネル302および水チャネル308は、水ボトル310に接続される。水チャネル308は、水ボトル310に含まれる流体内に延びる。空気/水弁300が内視鏡の空気/水シリンダ内に配置されると、空気/水弁300は空気チャネル302および水チャネル308内を通過する。矢印で示される空気流(エアポンプ等によって提供される)は、水ボトル310および空気チャネル302に流入し得る。しかしながら、水ボトル310はシールされ、水チャネル308は空気/水弁300によって遮断されているため、空気は空気チャネル302を下って空気/水弁300に向かって流れる傾向がある。空気ベントが覆われていない非作動位置では、空気/水弁300は空気がベントから逃げることを可能にする。例えば、使い捨て可能な空気/水弁100では、空気は、ステム101の内部ボアを通ってステム101の第1の開口部142に流れ込み、使い捨て可能な空気/水弁100の近位端135から出る。なお、
図1Aの使い捨て可能な空気/水弁100は、空気または水が空気チャネル302または水チャネル308から漏れることを防止するいくつかのガスケットまたはシール164、168、170、172および174を提供することに留意されたい。空気/水弁300の開口部306は、水チャネル308と整列しておらず、水チャネル308は遮断されているので、水ボトル310から離れる水の動きはない。
【0060】
図8Bにおいて、内視鏡の空気/水シリンダ内の空気/水弁300は非作動位置で示され、ベントは操作者の指304等によって塞がれている。水ボトル310がシールされ、水チャネル308が空気/水弁300によって遮断されているため、空気は空気チャネル302を下って空気/水弁300に向かって流れる傾向がある。しかしながら、空気/水弁300の空気ベントが操作者304によって塞がれている場合、空気は流れ、空気/水弁300を通過して内視鏡の遠位端に向かって押される。これにより、操作者は、弁を作動させることなく、空気/水弁300の空気ベントを塞ぐことにより、体腔にガスを注入することが可能になる。
図8Bにおいて、空気/水弁300の開口部306は遮断されて示されている。
【0061】
図8Cでは、空気/水弁300は作動位置で示されている。空気/水弁300が作動されると、空気/水弁300内の弾性部材(例えば、ばね、ゴム、弾性体、その他)は圧縮され、空気チャネル302は空気/水弁300によって遮断される。しかしながら、空気/水弁300を作動すると、空気/水弁300の開口部306は水チャネル308に移動し、それにより流体が空気/水弁300を通過するための通路が作り出される。空気チャネル302は操作者304によって遮断され空気/水弁300を押し下げるので、空気は水ボトル310に流入する。水ボトル310内の空気圧が上昇すると、流体は水ボトル310から水チャネル308に押し込まれる。空気/水弁300を作動させることにより、操作者304は、すすぎ、潅流等のために内視鏡の遠位端に向かって水を流す。
【0062】
図9A、9Bおよび9Cは、内視鏡内の使い捨て可能な空気/水弁400の動作の例示的な実践形態である。
図9Aでは、使い捨て可能な空気/水弁400は、非押し下げ位置、すなわち非作動位置で示されている。ガスケットまたはシール402、404、406、および408は、空気がシール406と408の間のチャンバから漏れるのを防止する。空気/水弁の近位端と中央ボアの近位端は、キャップ414に隣接しており、空気が弁を離れることを可能にする開口部を有する。開口部は、図示されるように、空気が使い捨て可能な空気/水弁400の中央ボアを通って逃げることを可能にする。シール406と408の間の、弁の遠位端近くの第2の開口部410は、中央ボアに沿った長手方向軸を横切っており、空気が弁に入ることを可能にする。使い捨て可能な空気/水弁400はまた、ばね412、キャップ414、およびステム416を提供する。ステム416の一部を取り囲むばね412は、キャップ414の下に配置される。
【0063】
図9Bは、操作者が使い捨て可能な空気/水弁400の上面に指を置いて空気が逃げるのを防ぐと、シール406と408の間のチャンバ内の圧力が上昇することを示す。操作者が使い捨て可能な空気/水弁400の上面からの空気流を実質的に遮断することによって十分なシールを作り出した場合、シール408の壁は、空気がシールを通過して流れることができるようにつぶれる。シール406は、内視鏡の空気/水シリンダを通して空気が漏れることを防止する。その結果、空気は出口を通って患者に逃げることしかできない。
【0064】
シール404および406は、非作動位置にある使い捨て可能な空気/水弁400を通過して水が漏れることを防止する。シール404は、水入口を水出口から分離する。先に押し下げた使い捨て可能な空気/水弁400からの残留水は、シール402と404との間に残る場合があることに留意されたい。シール402は、残留水が内視鏡の空気/水シリンダの上方に漏れることを防止する。
【0065】
図9Cでは、使い捨て可能な空気/水弁400は、内視鏡の空気/水シリンダ内で押し下げられている。シール406および408は、空気出力からの空気(例えば、患者からの空気)が内視鏡に逆流するのを防ぐ。シール406および408は、空気入力からの空気がシール406と408の間のチャンバから逃げるのを防止する。また、操作者の指が使い捨て可能な空気/水弁400の中央ボアを通る空気の流れを遮断していることにも留意されたい。押し下げられた位置において、シール404は、水入力と水出力をもはや分離しない。水入力からの水は、シール402と404の間の領域を満たし、患者への水出力を作動させるか、または水が患者に流れ出る(または供給される)ことを可能にする。シール402および404は、水が内視鏡の空気/水シリンダの上方に漏れることを防止する。
【0066】
空気/水弁は内視鏡と共に使用するように設計されているが、他の医療器具を本空気/水弁またはアセンブリと共に使用できることが理解されよう。これらの器具には、例えば、胃鏡、結腸鏡、腹腔鏡、気管支鏡、または空気および/または水の使用を必要とするカメラを備えたあらゆる医療器具が含まれる。
【0067】
図10は使い捨て可能な空気/水弁の製造プロセスのフローチャートである。製造プロセスの第1のステップS100は、プラスチック、高分子材料、または任意の他の適切な材料などの適切な材料からステムを成形することである。ステムを成形し、より低コストの材料を使用すると、再利用可能な空気/水弁で使用される金属と比較して、大幅なコスト削減が実現する。さらに、
図1A、5A、6Aおよび7Aのステム101(101a、101b)は、再利用可能な空気/水弁のステムアセンブリのように、組み立てる必要がない単一の部品であり、それにより、組み立てコストが削減される。例えば、ステム101(101a、101b)は、ステム101の一部として成形されるガスケット表面および溝150、152、154、156、および158ならびに隆起126、128、130、132、および134を有するモノリシック(例えば、単一部品)である。ステム101(101a、101b)はまた、開口端142(142a、142b)を含む。これらの隆起および/または溝は剛性であるか、または可撓性であることができる。
【0068】
隆起および/または溝の多くが別々に成形され、金属であるステムとは異なる材料を含むので、モノリシックではない非使い捨て可能な空気/水弁とは異なり、モノリシックステム(ワンピース)は、いくつかの実施形態ではステムと同じ材料である複数の隆起および溝を含む。
【0069】
ボタンキャップ102および支柱200も、ステップS110およびS120で成形される。ブーツ104は、ステップS130において、支柱200上にオーバーモールドされ得る。さらに、他の実践形態では、ブーツ104は、別個に成形され、組み立て中に支柱200に単に配置されてもよい。しかしながら、ステム101とは対照的に、ボタンキャップ102と支柱200/ブーツ104は、製造プロセスの後の段階まで必要とされない。その結果、点線は、ステップS110、S120、およびS130が製造プロセスの様々な時点で起こり得る可能性があることを示している。ブーツ、ボタンキャップ、支柱はステムに比べて比較的単純であるため、ブロー成形、オーバーモールディング、射出成形、鋳造、機械加工、打抜き、または任意の他の適切な製造プロセスなど、ステム101に適さない可能性がある追加の製造プロセスを使用して製造されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、使い捨て可能な空気/水弁が組み立てられると、ステップS1000において、潤滑剤1000が、空気/水弁アセンブリのステム、ばね、および/またはばね支柱に塗布され得る。他の態様では、使い捨て可能な弁の製造方法は、ばね支柱のタブをステムの窪んだ開口部に配置すること、およびばね支柱上にブーツをオーバーモールドすること、またはばね支柱の上にブーツをオーバーモールドすることをさらに含み、ここで、(i)ステムは色分けされ、(ii)ブーツのシール用棚状突起は、ステムのボタンヘッドに対するシールを形成し、(iii)ステムは、Oリングまたは代替のシール装置を提供して、吸引ポート内の気密シールを確保し、(iv)ステムは、吸引ポートまたはステム内の気密シールを確実にするためのシール手段を提供し、(v)ステムは、吸引ポート内の気密シールを保証する直径を有し、(vi)ステムの長さは低減され、または(vii)潤滑剤は抗菌剤を含む。
【0071】
ステム101は、ステップS140において、ガスケットまたはシール120、164、166、168、170、172および174をオーバーモールドするのに適した型に配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ステムは、クラムシェルのような型に配置され得、ガスケット120、164、166、168、170、172、および174を形成するために利用される材料が、型に注入され得る。型は、シール保持領域、ガスケット表面または溝150、152、154、156および158において
図1Aのガスケットまたはシール120、164、166、168、170、172および174を形成する。
【0072】
本出願のガスケットまたはシールは、ゴム、1つまたは複数のポリマー材料、または任意の他の適切な材料から作製することができる。シールは、使い捨て可能な空気/水弁100が使用されているときに適切なシールを提供するために、柔軟な材料から作製することが好ましい。ステップS110、S120、およびS130に関して前述したように、ブーツ、ボタンヘッドまたはキャップ、および支柱は、製造プロセスの様々な段階で成形することができる。しかしながら、各構成要素は、それらが具体的に必要とされるステップの前に作製されなければならないことに留意されたい。例えば、
図15Aおよび15Bの支柱200(200a、200b)は、製造プロセスにおいてステップS150で必要となるため、ステップS150の前に成形されなければならない。同様に、
図1Aおよび16Aのボタンキャップ102はステップS160に進む前に必要であり、
図1Aおよび15Aのブーツ104は、ステップS130に進む前に必要である。
【0073】
ステップS150において、ステム101の
図5A、6Aおよび7Aの開口端142(142a、142b)が、支柱200(200a、200b)のダイヤフラムの開口部を通して、および示されていない弾性部材(例えば、ばね、ゴム、弾性体、その他)を通して配置される。次に、ステップS160において、ボタンキャップ102が、ステム101(101a、101b)の近位端135(135a、135b)上に配置され、ステム101(101a、101b)に固定され得る。例えば、使い捨て可能な空気/水弁100を取り付けて(例えば、スナップ嵌め、接着剤、グルー、成形、オーバーモールディング、UV光による硬化、溶接、超音波溶接、またはそれらに類するもの、あるいはそれらの組み合わせ)、ボタンキャップ102およびガスケットまたはシール164、166、168、170、172、および174(164a、166a、168a、170a、172a、174a、176、178、164b、166b、168b、170b、172b、174b、176b、178b)を固定することができる。他の実践形態では、ボタンキャップ102は、任意の取り付け手段(例えば、スナップ嵌め、接着剤、グルー、成形、オーバーモールディング、UV光による硬化、溶接、超音波溶接、機械的取り付け、またはそれらに類するもの、あるいはそれらの組み合わせ)を使用して、ステム101(101a、101b)に固定して、使い捨て可能な空気/水弁100の組立てを完了してもよい。
【0074】
図17Aは、内視鏡と共に使用するための使い捨て可能な空気/水弁1700の異なる実施形態を示している。
図17A、B、C、DおよびEは、空気/水弁1700の斜視図、側面図、底面図である。すべての実践形態において、空気/水弁はガスケットを含むが、弁1700では、ディスクおよび/またはガスケットはくぼみ1722を有する。いくつかの実施形態では、くぼみは、流体の流れを改善し、および/または流体の流れ(例えば、空気の流れ)を近位から遠位に安定させるために、楕円形、長方形、または円形を含む様々な形状を含み得る。くぼみは、ステム1710を横切る開口部の上および/または下に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、くぼみの外面は、
図17Dに示されるように、使い捨て可能な空気/水弁1700を安定させるために丸められてもよい。くぼみの外面は、その意図された中心軸から離れる使い捨て可能な空気/水弁1700の動きを制限し、ボタン上部の横方向の力がガスケットのシールの破れを引き起こすのを防ぐ。いくつかの実施形態では、ガスケットは、くぼみに隣接する1つまたは複数の溝1702および/または隆起1704を有する。いくつかの実施形態では、くぼみは、ガスケットの溝上にあってもよい。弁は、ステムを受け入れる開口部と、開口部の周りの様々な切り欠き1712とを有するばねカップ/支柱1706を備える。いくつかの実施形態では、切り欠きおよび開口部は接続される。いくつかの実施形態では、切り欠きは開口部から分離される。いくつかの実施形態では、切り欠きは、円形、楕円形、または長方形の形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ばねカップ/支柱の底部は、内視鏡ポートの合わせ面への使い捨て可能な空気/水弁1700の安定性を促進するように構成されるテーパーレベルを作り出す突出領域1714を有する。いくつかの実施形態では、ばねカップ/支柱の開口部は、突出領域のみにある。ばねカップ/支柱のその外側リングの周囲にブーツを有する。いくつかの実施形態では、ブーツの内面は、内面の周囲に半径方向に広がる溝1716および隆起1718を有する。これらの切り欠き、溝、および隆起は、とりわけ、内視鏡ポートへの固定を提供し、安全な取り付けおよび簡単な取り外しを可能にする。
【0075】
図17Dおよび17Eは、空気/水弁のステムの側面図および斜視図である。ステム1710は、長手方向軸と、軸を横断する開口部1708とを有する。ステムは近位端と遠位端を有する。近位端は、軸に沿って開口部1724に隣接しており、遠位端は、横方向開口部に隣接している。いくつかの実施形態では、ステムの近位端はくぼみを有する。いくつかの実施形態では、くぼみは長方形である。いくつかの実施形態では、ガスケットは、オーバーモールド遮断部1726を有する。いくつかの実施形態では、遮断部は、くぼみ1722に隣接する。いくつかの実施形態では、ステムは、ガスケットの棚状突起に隣接するオーバーモールド遮断部1726aも有する。いくつかの実施形態では、使い捨て可能な空気/水弁1700の製造中に、遮断部にシールが形成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、
図17A、17B、および17D~Jに示すように、ステムの遠位端は、ステム上にオーバーモールドされた傘形弁1719を含む。いくつかの実施形態では、傘形弁は、近位から遠位方向への気流の一方向の動きのために構成される。傘形弁の下側は、
図17Eに示すように、リブ1723などの複数の支持体を含む。リブは、傘形弁に剛性を提供すると共に、移動中に傘形弁の適切な構成を支援するように構成されている。リブは、軸方向の弁の動きによる傘形弁の逆折れも防止する。複数の潰れることができる凹部1725がリブの間に配置される。複数の潰れることができる凹部は、操作者が使い捨て可能な空気/水弁1700の上面に指を置いたときに、傘形弁の外縁1721が内側に潰れ、近位から遠位方向の空気流が傘形弁の外縁の周りを流れることを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、リブは複数の潰れることができる凹部よりも厚い。
【0077】
いくつかの実施形態では、傘形弁の外縁は、型割り線なしで成形され、
図17Eおよび17Fに示されるような、内視鏡ポートと整列および嵌合するように構成された角度が付けられたまたは面取りされた縁部1727を含む。角度が付けられたまたは面取りされた縁部は、内視鏡ポートの表面と実質的に漏れのない空気シールを形成し、使用中の背圧に起因し得る逆流の空気の流れ/漏れを防止する。いくつかの実施形態では、シール距離は、約0.008から約0.010インチである。いくつかの実施形態では、
図17Gおよび17Hに示されるように、傘形弁の外縁は、空気圧逆流に対して実質的に漏れのないシールを形成するために外側平坦縁部を形成する突起1729を代替的に含む。
【0078】
図17Iおよび17Jは、内視鏡における使い捨て可能な空気/水弁1700の動作の例示的な実践形態である。
図17Iにおいて、使い捨て可能な空気/水弁1700は、内視鏡の空気/水シリンダ内で押し下げられる。操作者は、使い捨て可能な空気/水弁1700の上面に指を置き、空気が漏れることを防止する。次に、傘形弁の外縁は内側に潰れて傘形弁を折り、空気が近位から遠位方向に流れて傘形弁の外縁の周りを流れることができるようにする。
図17Jに示すように、操作者が使い捨て可能な空気/水弁1700を覆わず、使い捨て可能な空気/水弁1700が押し下げられていない、または作動されていない位置にあるとき、傘形弁が展開し、内視鏡ポートの表面と空気シールを形成し、使用中の背圧に起因し得る逆流の空気の流れ/漏れを防止する。傘形弁の展開は逆流を防止する。
【0079】
いくつかの実施形態では、
図17Kに示すように、製造プロセス中、傘形弁の外縁は、連続した外縁を形成するために、型1731内で型割り線1733なしで成形される。型割り線のない外縁は、より良いシールを形成する。型割り線なしで傘形弁の外縁を製造するために、外縁は、射出成形の間、下部コアピンの鋼に包まれる。いくつかの実施形態では、傘形弁は、ステムの上にオーバーモールドされる熱可塑性エラストマー(例えば、TPE)から作製される。いくつかの実施形態では、ステムはポリカーボネートから作製することができる。
【0080】
使い捨て可能な吸引弁
図1B、2B、3B、および4Bは、使い捨て可能な吸引弁500の正面図および斜視図である。
図11Aおよび12Aは、プラスチック材料から作製された使い捨て可能な吸引弁の主ステムの斜視図である。この空気/水弁にはいくつかの実践形態があるため、本出願では、同じ要素が括弧内で言及される。さらに、1つの要素への言及は、すべての同一の使い捨て可能な空気/水弁要素に等しく当てはまる。吸引弁500は主な構成要素として、すべて長手方向軸AAに沿って配置される、主ステム504(504a)、ボタンヘッドまたはキャップ501、ブーツ508、弾性部材(図示せず)、ガスケット、シールまたは表面530、520および522(530a、520aおよび522a)を有する。主ステム504(504a)はモノリシック(例えば、単一の部品)であり、ステム504(504a)の一部として成形された溝510、512、および524(5l0a、5l2a、および524a)と、開口端522(522a)の周りに配置された近位端535(535a)とを有する。ステム504(504a)はさらに、部分的な横方向開口部514(514a)を含む。開口部514(514a)は、第1の開口部516(
図12Aの516a)を横切って交差する第2の開口部であり、第1の開口部は
図11Aにおいて端縁590に隣接し、
図12Aにおいて端縁590aに隣接する。隆起および/または溝は、剛性であり得るか、またはそれらは可撓性であり得る。図示の実施形態では、隆起および/または溝のために、主ステムは直径が変化し、直径は隆起によってより大きく、直径は溝部によってより小さい。この構成により、ガスケットまたはシールを溝に挿入することが可能になる。
【0081】
使い捨て可能な吸引弁500は、ステム504(504a)、ステムインサート502(502a)、ブーツ508(508a)、ばねカップ/支柱600(600a)(
図3B、15Aおよび15B)およびばね506(506a)(図示せず)を含み得る。使い捨て可能な吸引弁の1つまたは複数の構成要素は、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステル、およびスチレン系熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、ゴム、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)、ABS、MABS、シリコーン、またはそれらに類するもの、あるいはそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されない使い捨て可能な材料を含み得る。ステム504(504a)およびステムインサート502(502a)は、プラスチック、ポリマー材料、またはそれらに類するものなどの適切な材料または材料の組み合わせから形成され得る。ステムインサート502は、弁のタイプを、または弁が吸引弁であることを示すために、色分け(例えば、黒、オレンジ、赤、その他)することができる。他の実施形態では、ステムインサート502(502a)は省略してもよく、または色分けは別の手段(例えば、塗装)によって提供されてもよい。
【0082】
ブーツ508(508a)は、例えば、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステル、およびスチレン系熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、ゴム、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)、またはそれらに類するもの、あるいはそれらの組み合わせなどの適切な材料から形成することができる。
【0083】
一実施形態では、ブーツ508(508a)は、組み立てを容易にするために柔軟な材料、例えば、組み立て中にブーツ508がばね支柱カップ600上を滑動して回路内の吸引を密封することを可能にする材料から形成することができる。他の実施形態では、ブーツ508は、ばね支柱カップの上にオーバーモールドされてもよい。ばね506は、耐食性金属、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステル、およびスチレン系熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、ゴム、プラスチック、またはそれらに類するもの、あるいはそれらの組み合わせなど、適切な材料から形成することができる。
【0084】
吸引弁500のばね506(506a)は、任意の弾性部材(例えば、圧縮後に元の形状または位置を取り戻す部材)から作製することができる。弾性部材は、例えば、ばね、プラスチック、ゴム、または圧縮された後に元の形状または位置に戻る他の弾性部材を含むことができる。
【0085】
本出願の使い捨て可能な吸引弁は、いくつかの実施形態では、吸引を改善し、弁の望まない領域または医療機器の望まない領域に出入りする漏れおよび/または流体を低減または排除する。本出願の使い捨て可能な吸引弁は、いくつかの実施形態では、破片が弁を詰まらせることを低減または排除する。
【0086】
いくつかの実施形態では、
図1B~4Bに示されるように、従来技術の使い捨て可能なではない7構成要素吸引弁とは異なり、本出願の使い捨て可能な吸引弁は、4つの構成要素:ステム504、ブーツ508、ばねカップ/支柱600(
図3B)およびばね506(図示せず)を備える。いくつかの実施形態では、従来技術の使い捨て可能ではない7構成要素吸引弁とは異なり、本出願の使い捨て可能な吸引弁は、5つの構成要素:ステム504、ブーツ508、ばねカップ/支柱600(
図3B)、ばね506、およびステムインサート502を備える。
【0087】
いくつかの実施形態では、本出願の使い捨て可能な吸引弁と従来技術との違いは、従来技術の弁がステム(ねじ付きボタンヘッド端部を有する)に加えて、金属バッキングプレート(ステムにねじ留めされ、プラスチックボタンヘッドに安全なジョイントを提供する)およびプラスチックボタンヘッドを有することである。本出願の使い捨て可能な吸引弁では、いくつかの実施形態において、支柱カップが成形され、その後、ブーツがこの部品にオーバーモールドされる。したがって、いくつかの実施形態では、さらに後述するように、支柱カップはブーツとモノリシックであり(例えば、それらはワンピースである)、したがって、製造プロセスはより単純である。したがって、本出願の使い捨て可能な吸引弁は、製造がより容易であり得、従来技術の使い捨て可能ではない7構成要素吸引弁と比較して、構成要素が誤動作する可能性が少ない。
【0088】
対照的に、再利用可能な吸引弁のステムは、ステンレス鋼またはそれに類するものなど、繰り返しの洗浄、消毒、および滅菌に適した材料から作製された1つまたは複数の構成要素から形成することができる。この材料は、再利用可能な吸引弁を再利用のために繰り返し洗浄、消毒、および滅菌することを可能にするが、このような材料は高価である可能性がある。適切に洗浄することは困難であり、より多くの構成要素が必要であり、追加の製造および組み立てステップが必要であり、より高価な製造プロセス等が必要である。使い捨て可能な吸引弁よりも製造コストが高いことに加えて、再利用可能な吸引弁は、弁を繰り返し洗浄、消毒、滅菌するために使用される機器と材料も必要とする。
【0089】
図1B~4Bはまた、弁500上および少なくともステム504上に配置され得る潤滑剤1000を示す。いくつかの実施形態において、潤滑剤1000はまた、抗菌剤を含む。
図4Bでは、ステムの表面564上の使い捨て可能な吸引弁は、内視鏡における弁の位置合わせを支援する円形領域552を有する。
【0090】
図1B~4Bに示されるように、使い捨て可能な吸引弁500は、他の弁に見られる構成要素、例えば、ステム504、ステムインサート502、ブーツ508、ばねカップ/支柱600(
図3B)、ばね506(図示せず)およびステムキャップまたはボタンキャップ501を備える。使い捨て可能な吸引弁500のステム504は、開口部縁部/表面530aによって支持される横方向開口部514と突起532a(
図12A、12B)を含むが、横方向開口部514は、ステム504(504a)を貫いて横方向にそして完全に延びる貫通開口穴を含まない。したがって、本明細書で考察する実施形態は、他のタイプおよび/またはブランドの内視鏡に対応するように変更することができる。いくつかの実施形態では、使い捨て可能な弁は、ステムまたはステムの周りに配置されたシール(例えば、Oリングシール、またはステムの周りに配置されたバンド)とモノリシックである複数のミニシール(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12個のシールなど)をステムの周りに有する。
【0091】
図11Aおよび12Aは、使い捨て可能な吸引弁500の異なる実践形態の斜視図である。
図11B~11Fおよび12B~12Fは、吸引弁500の異なる実践形態のステム504および504aの断面図、底面図、上面図および詳細図である。
図11Aおよび12Aを参照すると、ステム504および504aは、溝または凹部510(510a)、512(512a)および524(524a)、ならびにガスケット520(520a)および522(522a)を含むモノリシック(例えば、単一部品)である。凹部510は、
図11Aの近位端縁528に隣接している。ステム504(504a)はまた、軸AAに沿った第1の開口部516(516a)を含む。ステム504はまた、縁または表面530(530a)を有する横方向開口部514(514a)を含む。表面530はガスケット表面を有し、これはいくつかの態様では粗いテクスチャを有する可能性がある。同様に、
図12Aに示されるステム504aは、ガスケット表面である表面530aを有し、いくつかの態様では、粗いテクスチャを有する可能性がある。
【0092】
使い捨て可能な吸引弁500の1つまたは複数の構成要素は、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステル、およびスチレン系熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、ゴム、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)、ABS、MABS、シリコーン、またはそれらに類するもの、あるいはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない使い捨て可能な材料を含み得る。ステム504および504aならびにステムインサート502および502aは、プラスチック、ポリマー材料、またはそれらに類するものなど、適切な材料または材料の組み合わせから形成され得る。ステムインサート502および502aは、弁のタイプを示すため、または弁が吸引弁であることを示すために色分け(例えば、黒、赤、オレンジ)することができる。他の実施形態では、ステムインサート502および502aの色は省略されてもよく、または色分けは他の手段(例えば、塗装)によって提供されてもよい。
【0093】
ブーツ508(508a)は、例えば、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステル、およびスチレン系熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、ゴム、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)またはそれらに類するもの、あるいはそれらの組み合わせなど、適切な材料から形成され得る。
【0094】
一実施形態では、ブーツ508(508a)は、組み立てを容易にするために柔軟な材料、例えば、組み立て中にブーツ508(508a)がばね支柱カップ(図示せず)上で滑動されて回路内の吸引を密封することを可能にする材料から作製され得る。他の実施形態では、ブーツ508(508a)は、ばね支柱カップにオーバーモールドされてもよい。ばね506(506a)は、耐食性金属、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステル、およびスチレン系熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、ゴム、プラスチック、またはそれらに類するもの、あるいはそれらの組み合わせなど、適切な材料から形成され得る。ばね506(506a)には、任意の弾性部材(例えば、圧縮後に元の形状または位置を取り戻す部材)を使用できることが理解されよう。弾性部材は、例えば、ばね、プラスチック、ゴム、または圧縮された後に元の形状または位置に戻る他の弾性部材を含むことができる。
【0095】
図1B~4Bはまた、弁500上および少なくともステム504上に配置され得る潤滑剤1000を示す。いくつかの実施形態において、潤滑剤1000はまた、抗菌剤を含む。
【0096】
対照的に、再利用可能な吸引弁のステムは、ステンレス鋼またはそれに類するものなど、繰り返しの洗浄、消毒、および滅菌に適した材料で作製された1つまたは複数の構成要素から形成されてもよい。この材料は、再利用可能な吸引弁を再利用のために繰り返し洗浄、消毒、および滅菌することを可能にするが、このような材料は高価である可能性がある。適切に洗浄することは困難であり、より多くの構成要素が必要であり、追加の製造および組み立てステップが必要であり、より高価な製造プロセス等が必要である。使い捨て可能な吸引弁よりも製造コストが高いことに加えて、再利用可能な吸引弁には、弁を繰り返し洗浄、消毒、滅菌するために使用される機器と材料も必要である。
【0097】
図11Bおよび
図12Bは、溝または凹部510(5l0a)、512(5l2a)、524(524a)、ガスケット520(520a)および522(522a)、横方向開口部514(5l4a)および突起532(532a)を示す、吸引弁ステム504および504aの例示的な実施形態の図を示す。ステム504(504a)は、内視鏡との接触を強化することを意図した表面530(530a)も含む。突起532および532aは、
図11C、11D、12C、および12Dに示されている。
【0098】
図11Bおよび12Bは、ステム504および504aの図である。
図11Cおよび12Cは、それぞれ近位端で取られたステム504および504aの上面図である。
図11Dおよび12Dは、それぞれステム504および504aの遠位端で取られた底面図である。
図11Eおよび12Eは、それぞれ
図11Dおよび12DのBB面に沿った断面図である。
図11Fおよび12Fは、
図11Eおよび12Eに示されるガスケット520(520a)および522(522a)の詳細Cを示す。ステム504および504aの遠位端にあるガスケット520(520a)および522(522a)は、ポリカーボネートまたはエラストマーから作製することができる。ガスケット520(520a)および522(522a)は、二重シールを提供し、これは、より効率的な吸引を提供し、漏れを防止し、断面の目詰まりを排除する設計である。一般に、突起532および532aは、内視鏡、特に富士フィルム(商標)内視鏡とのより良好な位置合わせを提供する。
【0099】
図13Aおよび13Bは、内視鏡における使い捨て可能な吸引弁900の一般的な動作の例示的な実施形態である。使い捨て可能な吸引弁900は、内視鏡の吸引シリンダ内に配置され得る。内視鏡の吸引チャネルは、器具チャネルに連結され、内視鏡の遠位端につながるか、または患者へとつながる。内視鏡は、吸引ポンプまたはそれに類するものに接続されて、吸引弁が作動されたときに吸引チャネル内に負圧を生成することができる。使い捨て可能な吸引弁は、中央ボアの長手方向軸に沿って弁の遠位端に配置される第1の開口部を有する。弁は、弁の中央近くで、弁の内部チャネルの上部に配置された第2の開口部902を有する。第2の開口部902は、中央ボアに沿って長手方向軸を横切る。第2の開口部902は、開口部に支持を提供し、弁の他の部分への不要な吸引を防止するシール用棚状突起の層によって囲まれている。
図13Aに示される非作動位置では、第2の開口部902は、吸引チャネルと位置がずれており、それにより、吸引ポンプが吸引チャネル内に負圧を生成することを防止している。吸引弁900は、非作動位置では表面904に対するシールを形成しておらず、これにより、吸引弁900を介して内視鏡の吸引シリンダ/ポートを通して空気が入ることが可能になり得る。使い捨て可能な吸引弁900はまた、ばね、キャップ、およびステムを有する。ステムの一部を囲むばねがキャップの下に配置されている。
【0100】
例えば、ばね506が圧縮されていない場合、使い捨て可能な吸引弁900は、空気が吸引弁900を通って入ることを可能にし得る。ステム504は、ばねカップ/支柱600に対するシールを形成せず、ステム504は、非作動位置にある内視鏡の吸引シリンダのシリンダ壁に対してシールを形成しないことに留意されたい。操作者が使い捨て可能な吸引弁900を作動させると(例えば、ステム504を押し下げてばね506を圧縮して)、開口部902は、
図13Bに示されるように、内視鏡の遠位端または患者から吸引チャネルと共に位置に移動する。さらに、使い捨て可能な吸引弁900は、作動すると、ステム504と表面904との間にシールを形成する。
【0101】
開口部902を吸引接続部への吸引経路と整列させ、内視鏡の吸引シリンダを密閉することにより、吸引ポンプまたはそれに類するものによって生成される負圧は、
図13Bに示すように内視鏡の遠位端から吸引接続部に向かって流れを引き起こす。結果として、使い捨て可能な吸引弁900が作動位置にあるとき、空気および/または流体は内視鏡の遠位端から吸引され得る。操作者が吸引弁を解放すると、ばね506により使い捨て可能な吸引弁900は
図13Aに示される非作動位置に戻る。
【0102】
開口部902を吸引接続部への吸引経路に整列させ、内視鏡の吸引シリンダを密閉するこの手順、および
図13Bに示されるように内視鏡の遠位端から吸引接続部に向かって流れを引き起こす吸引ポンプまたはそれに類するものによって生成される負圧は、様々な吸引弁および/または構成要素、例えば、
図11Aおよび12Aに記載されているそれらの弁ステムを用いて達成することができる。結果として、使い捨て可能な吸引弁900が作動位置にあるとき、空気および/または流体は内視鏡の遠位端から吸引され得る。操作者が吸引弁900のステム504を解放すると、ばね506により使い捨て可能な吸引弁900は
図13Aに示される非作動位置に戻る。
【0103】
吸引弁は内視鏡と共に使用するように設計されているが、他の医療器具を本吸引弁またはアセンブリと共に使用できることが理解されよう。これらの器具には、例えば、結腸鏡、腹腔鏡、気管支鏡、または吸引を必要とするカメラを備えたあらゆる医療器具が含まれる。
【0104】
いくつかの実施形態では、使い捨て可能な吸引弁を製造するための方法が存在し、その方法は、ステムを成形し;弾性部材のフランジを成形し;ステムの上端を弾性部材の中心を通して配置し;弾性部材用のフランジのステム開口部を通してステムの下端を配置し;弾性部材用のフランジのタブをステムの凹んだ開口部に配置することを含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、支柱またはフランジがブーツと一体である(例えば、それらはワンピースである)使い捨て可能な吸引弁がある。
【0106】
いくつかの実施形態では、ステムの長手方向軸に沿って配置された第1の開口部、および第1の開口部に対して横方向に配置された第2の開口部を備えるステムであって、第1および第2の開口部は空気および/または流体の通過を許容するステムと;ステムに取り付けるように構成された少なくとも1つの凹部および/または突起を備える弾性部材を支持するためのフランジとを備える吸引弁アセンブリが存在し、フランジは、ステムを受け入れ、上方および下方位置のステムの移動を可能にするように構成された開口部を備え、弾性部材は、フランジおよびステム、および/またはばね支柱と接触するように構成される。
【0107】
図14は使い捨て可能な吸引弁の製造プロセスのフローチャートを示す。使い捨て可能な吸引弁とは対照的に、再利用可能な吸引弁は、繰り返しの洗浄、消毒、および滅菌に適した金属構成要素を含み得る。これらの金属構成要素は、使い捨て可能な吸引弁の構成要素よりもコストのかかる製造とより複雑な組み立てが必要になる場合がある。例えば、金属構成要素は、精密機械加工/研削、ねじ切り、打抜き、機械プレスまたはそれらに類するものによって製造され得る。さらに、組み立て中、金属構成要素は、一緒に溶接される、または接着剤を使用して接着されるなどをされる必要があるかもしれない。これらのステップは製造を複雑にし、コストを増加させる可能性がある。
【0108】
使い捨て可能な吸引弁は、低コストの製造と簡素化された組み立てプロセスを提供し、それによって吸引弁のコストを大幅に削減する。使い捨て可能な吸引弁の低コストの材料、製造プロセス、および組み立てプロセスは、コスト高な再利用可能な吸引弁を利用する代替手段を提供する。さらに、使い捨て可能な吸引弁は構成要素の数を減らすことができる。
【0109】
ステップS10において、ステムは、射出成形またはそれに類するものなどの適切な成形プロセスを使用して成形される。ステップS20において、ばね支柱カップは、例えば、射出成形、回転成形またはそれらに類するものなどの適切な熱可塑性加工技術、押出技術(例えば、押出、共押出、多層押出、その他)を用いて成形される。
【0110】
ステムおよびばね支柱カップは、例えば、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステル、スチレン系熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、ゴム、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)、ABS、MABS、シリコーンまたはそれらに類するもの、あるいはそれらの組み合わせなどの適切な材料から形成される。ステムおよびばね支柱カップは、操作者によって吸引弁に加えられる力に耐えることができる剛性材料から形成することができる。
【0111】
製造プロセスの別の実施形態では、ステムおよびばね支柱は、超音波溶接成形部品によって接合されてもよい。ブーツは、ステップS30において、ばね支柱カップの上に成形または組み立てられてもよい。ブーツは、ばね支柱カップ上に射出成形、オーバーモールドされ得るか、または任意の適切な成形プロセスを使用して成形され得る。ブーツが別個に成形されるとき、ブーツはまた、ステップS30の間にばね支柱カップ上に組み立てられてもよい。ブーツは、ゴム、プラスチック、ポリマー材料、またはそれらに類するものなどの適切な材料または材料の組み合わせから形成される。ステップS40およびS50において、ステムの頂部は、ばねの中心およびばね支柱カップのステム開口部を通して配置される。次に、ステップS60において、ばね支柱カップタブがステムの凹状開口部に配置されて、使い捨て可能な吸引弁の組み立てが完了する。
【0112】
他の実施形態では、弁アセンブリ500が製造されると、ステップS1000において、潤滑剤1000が、潤滑剤1000を主ステムに塗布することによって弁上に配置され得る。特定の態様では、潤滑剤は抗菌剤を含み、ここで(i)主ステムは色分けされ、弾性部材はばねであり;(ii)ボタンキャップがステムに超音波溶接、接着、ネジ留め、スナップ嵌め、またはその他の方法で取り付けられ;および/または(iii)ボタンキャップは弾性部材を中央に置く。他の態様では、使い捨て可能な弁アセンブリを製造する方法は、支柱を第2の型に配置するステップをさらに含み、この際ブーツが支柱の上にオーバーモールドされる。
【0113】
使い捨て可能な空気/水および吸引弁用のブーツおよびキャップスナップ付きばねカップ
本開示の使い捨て可能な空気/水および吸引弁100(500)は、ブーツ104(508)を備えた同じばねカップを利用することができる。さらに、ボタンキャップ102(501)は、両方のタイプの使い捨て可能な弁100(500)にスナップ留めすることができる。これらの要素は両方のタイプの弁に適用できるため、本開示では2つの番号を使用し、1つ目は空気/水弁に適用可能であり、2つ目は吸引弁に適用可能である。
【0114】
図15Aのブーツ104(508)は、その内部に支柱リング200(600)を含み、その外部は、上縁208(708)によって縁取られている。支柱リング200(600)は、ブーツ104(508)を保持する外面、仕切りまたはダイヤフラム204(704)を、ステム101(504)の近位端135(535)を受け入れるための切り欠き開口部206a(706a)と共に提供する外側リング(図示せず)を含む。より大きな直径の円の半径に沿っていくつかの周辺切り欠き206b(706b)を有するより大きな直径の円として切り欠き開口部206a(706a)が成形されるが、任意の他の適切な形状の切り欠き開口部(例えば、正方形、三角形)を利用できることを認識すべきである。ステム101(504)の近位端135(535)は、支柱200(600)および弾性部材125(506)(例えば、ばね、ゴム、弾性体、図示せず)を通して配置され得、その後、ボタンキャップ102(501)(図示せず)に固定することができる。
【0115】
ステム101(504)の近位端135(535)の外径は、ボタンキャップ102(501)の中空中央ボアより小さく、それにより、ステム101(504)の端部135(535)をボタンキャップ102(501)の中央ボアに挿入することができる。近位端135(535)は、ボタンキャップ102(501)からわずかに突出して、操作者にベント孔が指で密閉されていることの触覚的な確認を与えることができる。ステム101(504)は、超音波溶接、適切な接着剤、機械的取り付け(例えば、ねじまたはそれに類するもの)、または任意の適切な取り付け方法を使用して、ボタンキャップ102(501)に固定することができる。
【0116】
使い捨て可能な空気/水弁100または吸引弁500の別の実践形態では、ブーツ104(508)および保持リング200(600)は、単一部品として成形されてもよい。使い捨て可能な空気/水弁100または吸引弁500の別の実践形態では、ステム101(504)およびボタンキャップ102(501)は、単一部品として成形されてもよい。他の実践形態では、ブーツ104(508)は、保持リング200(600)とは別に成形され、組み立て中に保持リング200(600)上に配置されてもよい。
【0117】
図15Bは、支柱リング200(600)の斜視図である。支柱リング200(600)は、上縁208(708)と、ブーツ104(508)を保持するための表面を提供する外側リング210(710)とを含む。支柱リング200(600)はまた、切り欠き開口部206a(706a)の半径の周りにいくつかの周辺切り欠き206b(706b)を備えた切り欠き開口部206a(706a)を備える。他の任意の適切な形状の切り欠き開口部206a(706a)(例えば、正方形、三角形およびそれらに類する形状)が利用されてもよいことが認識されるべきである。支柱リング200(600)はまた、切り欠き開口部206a(706a)と周辺切り欠き206b(706b)との間に配置されたダイヤフラム204(704)を含む。ダイヤフラム204(704)は、切り欠きに仕切りを提供し、ばね125(506)を支持する表面を提供する。ダイヤフラム204(704)の形状は、切り欠き開口部206a(706a)の形状に応じて変化し得る。切り欠きとダイヤフラムの形状は、空気と水の層流に影響を与える。別の実施形態では、切り欠き開口部206a(706a)は円であり、周辺切り欠き206b(706b)もまた、円弧状のダイヤフラムを備えた円である。
【0118】
いくつかの用途において、ブーツ104(508)はまた、組み立てを容易にするために柔軟な材料、例えば、ブーツ104(508)を保持リング200(600)上で滑らせることができる材料から作製されてもよい。保持リング200(600)、ステム101(504)、およびボタンキャップ102(501)は、プラスチック、高分子材料、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性エラストマーオレフィン、コポリエステル、スチレン系熱可塑性エラストマー、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック、メタクリレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、PEO-PPO-PEO(プルロニクス)、ゴム、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)、ABS、MABS、シリコーン、またはそれらの組み合わせなどの適切な材料または材料の組み合わせから形成される。他のいくつかの実践形態では、ブーツ104(508)は、支柱リング200(600)の上にオーバーモールドされる。他の実施形態では、ブーツ104(508)は、支柱カップ200(600)と一体である。
【0119】
図15Cは、ブーツ104(508)の正面図である。
図15Dは、ブーツ104(508)および支柱200(600)を示す
図15CのEE面に沿った断面図である。
図15Eは、ブーツの上縁208(708)、および支柱の切り欠き開口部206a(706a)、周辺切り欠き206b(706b)およびダイヤフラム204(704)を示すブーツ104(508)の上面図である。
【0120】
図16Aは、内視鏡内で使用するための使い捨て可能な空気/水弁100または使い捨て可能な吸引弁500のいずれかの支柱200(600)と係合するためにステム101(504)にスナップ留めできるボタンキャップ102(501)の斜視図である。いくつかの実施形態では、ボタンキャップ102(501)は、適切な接着剤、超音波溶接、ねじ接続、または圧入を使用して、ステム101(504)に適用することができる。
【0121】
図16Cは、
図16BのAA面に沿った断面図であり、ブーツ104(508)へのスナップ留めを容易にする突起110(580)および112(582)を示す。
図16Dは、
図16Cの詳細Cの拡大図である。いくつかの実践形態では、ボタンキャップ102(501)は、ボタンキャップ102(501)の外周を備える環状形状108a(584a)を形成するように構成された表面108(584)およびギャップ108c(584c)を有する。環状形状108a(584a)は、突起110(580)および112(582)が配置される中空の中心108b(584b)を有する。いくつかの実践形態では、突起110(580)および112(582)は、使い捨て可能な空気/水弁または吸引弁のいずれかに適用可能なステムインサート105(502)(
図2A、2B)を受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、ステムインサート105(502)は、プラスチック、ポリマー材料またはそれらに類するものなどの適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。ステムインサート105(502)は、弁のタイプを示すために色分け(例えば、黒、赤、オレンジ)されてもよい。他の実施形態では、ステムインサート105(502)は省略してもよく、または色分けは別の手段(例えば、塗装)によって提供されてもよい。
【0122】
他の実践形態では、ブーツ104(508)は、支柱200(600)とは別に成形され、組み立て中に支柱200に配置されてもよい。ステム101(504)は、着色材料、塗装またはそれらに類するものからステム101(504)を形成することにより、色分けまたは色合わせすることができる。使い捨て可能な空気/水弁100または吸引弁500の色分けは、弁が内視鏡の外にあるときに簡単に見えるので、空気/水弁100または吸引弁500は、非使い捨て可能な空気/水または吸引弁と対照的に、使い捨て可能な空気/水または吸引弁として簡単に識別することができる。さらに、色分けにより、空気/水または吸引弁を製造するために必要な個別の色付き構成要素が不要になる。ステム101(504)はボタンキャップ102(501)の中央ボアに挿入されているため、ステム101(504)の色分けはボタンキャップ102(501)の上部から、または使い捨て可能な空気/水弁100または吸引弁500が内視鏡のシリンダ内に配置されている場合に確認することができる。
【0123】
ボタンキャップ102(501)の上端の外径は、圧縮後に元の形状または位置を取り戻す弾性部材(例えば、ばね、ゴム、弾性体、その他)125(506)の直径よりも大きく、ダイヤフラム204(704)の切り欠き開口部206a(706a)の内径は、弾性部材(例えば、ばね、ゴム、弾性体、その他)125(506)の直径よりも小さく、弾性部材(例えば、ばね、ゴム、弾性才材料、その他)125(506)を支柱200(600)とボタンキャップ102(501)の間に保持する。
【0124】
操作者がボタンキャップ102を押すと、弾性部材(例えば、ばね、ゴム、弾性体、その他)125が圧縮され、ボタンキャップ102が支柱200に向かって移動する。ステム101はボタンキャップ102に固定されているため、ボタンキャップ102が押されるとステム101も移動し、それにより、トランペット状の弁が所望の内視鏡ポートと整列するように動くことを可能にする。操作者がボタンキャップ102を解放すると、弾性部材(例えば、ばね、ゴム、弾性体、その他)125がボタンキャップ102を支柱200から離れるように押し、支柱200をステム101に沿って移動させる。しかしながら、支柱200のダイヤフラム204の切り欠き開口部206aは、シール保持領域133のすぐ上のステム101の直径よりも小さく、それによって、支柱200がステム101上のシール保持領域133を越えて前進するのを防止する。
【0125】
ガスケット164~178は、ゴム、高分子材料、または適切な材料あるいは適切な材料の組み合わせなど、シールを形成するのに適した柔軟な材料から形成される。ブーツ104はまた、組み立てを容易にするために柔軟な材料、例えば、ブーツ104が支柱200(600)の上を滑ることを可能にする材料から作製されてもよい。支柱200(600)、ステム101(504)、およびボタンキャップ102(501)は、プラスチック、高分子材料、またはそれらに類するものなど適切な材料または材料の組み合わせから形成される。しかしながら、支柱200(600)、ステム101(504)、およびボタンキャップ102(501)は、ガスケットまたはシール164~178およびブーツ104(508)よりも剛性の高い材料で形成することができる。より剛性の支柱200(600)、ステム101(504)、およびボタンキャップ102(501)を有することは好ましいかもしれない。それというのも、それらは弾性部材(例えば、ばね、ゴム、弾性体、その他)125(506)、操作者、またはそれらに類するものによって加えられる力に晒されるためである。
【0126】
製造プロセスの多数のステップが任意選択のステップであってよく、または具体的に示されたものとは異なる順序で実行されてもよいことが当業者には認識されよう。製造プロセスの範囲は、特許請求の範囲に明示的に記載されている場合を除いて、本明細書で考察されている特定のシーケンスおよびステップに限定されない。
【0127】
本開示に記載されているすべての弁は使い捨て可能であるが、単回使用の前に滅菌可能であり得る。様々な実施形態では、これらの弁の1つまたは複数の構成要素は、最終的な包装の最終滅菌ステップにおいて放射線によって滅菌される。製品の最終滅菌は、個々の製品構成要素を個別に滅菌し、最終的な包装を無菌環境で組み立てる必要がある無菌プロセスなどのプロセスよりも優れた無菌性を保証する。
【0128】
いくつかの実施形態では、ガンマ線が、装置の奥深くに侵入するガンマ線からの電離エネルギーを利用することを含む最終滅菌ステップで使用される。ガンマ線は微生物を殺すのに非常に効果的である。それらは、残留物を残さず、装置に放射能を与えるのに十分なエネルギーも持たない。装置が包装内にあり、ガンマ線滅菌が高圧も真空条件も必要としない場合、ガンマ線を使用することができる。したがって、包装のシールやその他の構成要素にはストレスがかからない。さらに、ガンマ線は透過性の包装材の必要性を排除する。
【0129】
様々な実施形態では、電子ビーム(eビーム)放射を使用して、装置の1つまたは複数の構成要素を滅菌することができる。eビーム放射は電離エネルギーの形態であり、一般的に透過率が低く線量率が高いのが特徴である。eビーム照射は、微生物の生殖細胞を含めて、接触時に様々な化学的および分子的結合を変化させるという点で、ガンマ処理に似ている。eビーム滅菌用に生成されたビームは、電気の加速と変換によって生成された、集中した高電荷の電子の流れである。
【0130】
いくつかの実施形態では、装置の1つまたは複数の構成要素を滅菌するためにガス滅菌が使用される。ガス滅菌は、酸化エチレンまたは蒸気滅菌で行うことができる。
【0131】
様々な実施形態では、本開示に記載されている各弁と共に追加の部品を含み、それぞれの弁と共に使用されるように組み合わされたキットが提供される。例えば、キットは、第1の区画に空気/水、吸引または生検弁装置を含み得る。第2の区画は、空気/水を保持するキャニスタ、吸引または生検弁、および処置に必要な他の器具を含み得る。第3の区画は、抗菌剤を含むまたは含まない潤滑剤、手袋、ドレープ、創傷被覆材、および無菌性を維持するためのその他の処置用品、ならびに取扱説明書を含み得る。第4の区画は、追加のカニューレおよび/または針を含み得る。第5の区画は、放射線画像化のための薬剤を含み得る。各装置は、放射線で滅菌されたプラスチックパウチに個別に包装され得る。キットのカバーは装置の使用法の図を含む場合があり、区画の上に透明なプラスチックカバーを配置して、無菌状態を維持することができる。
【0132】
潤滑剤
多くの場合、内視鏡と共に使用するための使い捨て可能な弁アセンブリは、嵌合が十分に密でないため、内視鏡弁ポートと弁との間に漏れを生じる。使い捨て可能な弁アセンブリ、特に内視鏡ポートの中に取り付けられる弁アセンブリの部分を覆う潤滑剤は、空気または水の漏れを防ぎ、密な嵌合を提供することができる。いくつかの実施形態では、本開示で考察される使い捨て可能な弁アセンブリと共に使用することができる有用な潤滑剤は、シリコーン系潤滑剤、非シリコーン系潤滑剤および/またはそれらの組み合わせを含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は、油潤滑剤を含む。油潤滑剤は、ポリジメチルシロキサン、ポリトリフルオロプロピルメチルシロキサン、またはジメチルシロキサンとトリフルオロプロピルメチルシロキサンのコポリマーであり得る。油潤滑剤の粘度は、約20cp~約1,000,000cpであり得る。いくつかの実施形態では、本開示に記載されている内視鏡と共に使用するための使い捨て可能な弁アセンブリへの抗菌潤滑剤の塗布を容易にするために、非常に高い粘度の油潤滑剤に溶媒が添加される。
【0134】
例えば、シリコーンベースの潤滑剤は、ダウコーニングの医療用流体を含む。他のシリコーンベースの潤滑剤は、他の成分、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、プルセリン油、トリベヘン酸グリセロール、シリコーン油、界面活性剤、モノオレイン酸ソルビタン、およびトリオレイン酸ソルビタンを含むことができる。
【0135】
適切な潤滑剤は、約20,000~60,000、好ましくは約35,000~45,000の分子量を有するシリコーン油またはその混合物である。特定の実施形態では、潤滑剤は、一般構造Iのポリジアルキルシロキサンであり:
【数1】
式中、RとR’はそれぞれ独立して1から20個の炭素原子、好ましくは1から8個の炭素原子の低級アルキルであり得るか、または5から8個の炭素原子のシリコーン含有環に結合され得、nは1~2000、いくつかの実施形態では1~800の整数である。他の実施形態では、構造Iの潤滑剤は、約10~1,000,000、さらに他の実施形態では、約100~20,000センチストークスの粘度を有する。一実施形態では、潤滑剤は、12,500センチストークスの粘度のダウコーニングDC-360(登録商標)シリコーン油である。
【0136】
他の実施形態では、本開示に記載される使い捨て可能な弁アセンブリ用のシリコーン油溶液の別の有用な配合物は、約1500~3500グラム、好ましくは約2000~2500グラムの間の揮発性溶媒メチルシロキサン(ダウコーニング(登録商標)OS-10として入手可能)を、キシレン中に分散した約30%のポリジメチルシロキサンコポリマーを含む約150~400グラム、好ましくは約200~300グラムの不揮発性溶媒溶液(a not as volatile solvent solution)(NuSil Technology CompanyによりMED-4162の商品名で販売)と組み合わせて使用する。OS-10溶媒とMED-4162溶媒溶液はこの分野で知られている多くの従来の混合機のいずれかを使用して、回転または混合プロセスによって組み合わされる。この配合物について、回転または混合プロセスは、所定の期間、例えば、最小で10分から約30分まで続く。この配合物の特定の1つの実施において、許容可能なシリコーン油溶液は、約2,262グラムのOS-10を約250グラムのMED-4162と約10分間回転または混合することによって作製された。
【0137】
いくつかの実施形態では、本開示に記載される使い捨て可能な弁アセンブリは、クロルヘキシジンおよびシリコーン潤滑剤の溶媒溶液に浸漬することができ、それにより、クロルヘキシジンおよび潤滑剤の層が物品の表面に塗布される。クロルヘキシジンの効果的なコーティングは、溶媒溶液が約0.02~5%、他の実施形態では、約0.1~3.0%のクロルヘキシジンと、約0.1~約8%、またはさらに他の実施形態では約1%~4%(w/v)のシリコーンとを含む場合に得ることができる。
【0138】
他の実施形態では、非シリコーン系潤滑剤は、限定しないが、水溶性潤滑剤、不溶性潤滑剤、粘性ゲル潤滑剤、固体潤滑剤またはそれらの組み合わせを含む。水溶性潤滑剤は、限定しないが、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、およびそれらの誘導体を含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は、水溶性潤滑剤、不溶性潤滑剤、粘性ゲル潤滑剤、固体潤滑剤および成形可能な潤滑剤のうちの少なくとも1つを含む。
【0140】
図5A、5B、5C、5D、6A、6B、6C、6D、7A、7B、7C、7D、11A、11B、12A、12B、15A、15B、および16Aに示すように、抗菌剤を含むまたは含まない潤滑剤1000を、使い捨て可能な弁アセンブリ100および500の外面に、浸漬、はけ塗り、吹き付け、または当業者に知られている任意の他の両立可能な技術によって塗布することができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、本開示で記載される使い捨て可能な弁アセンブリ上の潤滑剤の層1000は均一であり、例えば、約1マイクロメートルから約5マイクロメートルの厚さを有することができる。
【0142】
様々な実施形態において、潤滑剤1000は、一般に、患者内に感染を引き起こし得る細菌の様々な形態および株に対して有効な抗菌剤または殺生物剤を含む。本明細書で使用される際「殺生物剤」または「殺生剤」という用語は、望ましくない生物の繁殖、成長、コロニー形成および増殖を破壊、阻害および/または防止する薬剤を指す。「生物」という用語は、微生物、バクテリア、波動バクテリア、スピロヘータ、胞子、胞子形成菌、グラム陰性菌、グラム陽性菌、酵母、真菌、カビ、ウイルス、好気性菌、嫌気性菌、およびマイコバクテリアを含むがこれらに限定されない。そのような生物の特定の例には、真菌Aspergillus niger、Aspergillus flavus、Rhizopus nigricans、Cladosprorium herbarium、Epidermophyton floccosum、Trichophyton mentagrophytes、Histoplasma capsulatumなど;Pseudomanas aeruginosa、Escherichia coli、Proteus vulgaris、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermis、Streptococcus faecalis、Klebsiella、Enterobacter aewgenes、Proteus mirabilis、その他のグラム陰性菌およびその他のグラム陽性菌、ミコバクチンなどのバクテリア;およびSaccharomcyces cerevisiae、Candida albicansなどの酵母を含む。さらに、微生物、ウイルスなどの胞子は、本開示の範囲内の生物である。
【0143】
本発明での使用に適した抗菌剤または殺生物剤には、フェノール、第四級アンモニウム、グアニジン、タウロリジン、パラクロロメタキシレノール、スルファジアジン銀、酸化銀、硝酸銀、ピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、セトリミド、塩化ベネトニウム、塩化セチルピリジニウム、酢酸デクアリニウム、塩化デクアリニウム、およびクロロキシレノールが含まれるが、これらに限定されない。さらに、いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は、クロルヘキシジン塩基、グルコン酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、二塩酸クロルヘキシジン、ジブロモプロパミジン、ハロゲン化ジフェニルアルカン、カルバニリド、サリチルアニリド、テトラクロロサリチルアニリド、トリクロロカルバニリド、およびそれらの混合物から選択される微生物剤を含む。さらに、いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は、二塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、二酢酸クロルヘキシジン、トリクロサン、クロルオキシレノール、塩化デクアリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、およびそれらの組み合わせから選択される微生物剤を含む。抗菌剤は、潤滑剤または液体の形態に不溶性の固体粒子であり得る。使い捨て可能な弁アセンブリに塗布する前に、抗菌剤は潤滑剤内で十分に混合される。
【0144】
いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は潤滑剤1000の約0.01、0.015、0.020、0.025、0.030、0.035、0.040、0.045、0.050、0.055、0.060、0.065、0.070、0.075、0.080、0.085、0.090、0.095、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5%(w/v)~約10.0%(w/v)の量で1種または複数種の抗菌剤を含む。他の実施形態では、潤滑剤1000は潤滑剤1000の約0.001、0.0015、0.0020、0.0025、0.0030、0.0035、0.0040、0.0045、0.0050、0.0055、0.0060、0.0065、0.0070、0.0075、0.0080、0.0085、0.0090、0.0095、0.010、0.015、0.020、0.025、0.030、0.035、0.040、0.045、0.050、0.055、0.060、0.065、0.070、0.075、0.080、0.085、0.090、0.095、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5%(w/v)~約5.0%(w/v)の量で1種または複数種の抗菌剤を含む。さらに、いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は、約0.01%~約10.0%(w/v)の量で1種または複数種の抗菌剤を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン(MEK)およびヘキサン溶媒などの1種または複数種の一時的溶媒をさらに含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は、潤滑剤1000の70%(w/v)にほぼ等しい量の一時的溶媒を含む。他の実施形態では、潤滑剤1000は、2種以上の一時的溶媒を含む。
【0146】
他の実施形態では、潤滑剤1000は、1種または複数種のアルコール成分を含む。適切なアルコール成分には、一般に、1~6個の炭素(C1~C6)を有する低級アルコールが含まれる。いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は、エチルアルコール、イソプロパノール、プロパノール、およびブタノールからなる群から選択されるアルコール成分を含む。他の実施形態では、潤滑剤1000は、2種以上の低級アルコール成分、例えば、イソプロピルアルコールとエチルアルコールの混合物を約1:10から約1:1の比率で含む。さらに、いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は、2種類より多くのアルコール成分の混合物を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、潤滑剤1000は、潤滑剤1000の40%(w/v)にほぼ等しい量のアルコール成分を含む。他の実施形態では、潤滑剤1000は、約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%(w/v)~約95%(w/v)の量のアルコール成分を含む。さらに他の実施形態では、抗菌潤滑剤1000は、シリコーン油などの潤滑剤をさらに含む。
【0148】
様々な実施形態において、本開示に記載されている弁を被覆するのに有用な非シリコーン潤滑剤には、親水性ポリマーコーティング、テフロン(PTFE)潤滑剤およびコーティング、熱可塑性コーティング、シアノアクリレートコーティング、パリレンコーティング、プラズマ表面処理、コーンスターチ粉体コーティング液体石鹸、アストログライド潤滑剤、鉱油、グリセリン、アルコール、生理食塩水、クライトックス潤滑剤、二硫化モリブデン潤滑剤および黒鉛を含む。
【0149】
抗菌剤
本開示に記載された内視鏡と共に使用するための使い捨て可能な弁アセンブリの表面または一部への抗菌剤を含有する潤滑剤の塗布は、結腸または内視鏡処置中にアクセス可能な他のいずれかの身体部分に存在するかまたは増殖する有害なバクテリア、真菌などの増殖を防止または実質的に排除できることが予期せずに見出された。特に、レンズすすぎ機能を作動させることは、抗菌剤自体を、または潤滑剤に含まれた抗菌剤を、内視鏡チャネルに沿ってレンズに沿って分配し、内視鏡チャネル、レンズおよび内視鏡の他の付属部品、例えば使い捨て可能な弁アセンブリに形成される可能性がある有害なバクテリアおよび/または真菌を破壊する能力を有することができる。
【0150】
本開示に記載された使い捨て可能な弁アセンブリを参照すると、抗菌剤自体をまたは潤滑剤と一緒に使い捨て可能な弁アセンブリの任意の構成要素に塗布することができる。例えば、それは使い捨て可能な弁の材料の一部であり得る、または手もしくは機械による噴霧またはコーティングによって使い捨て可能な弁アセンブリに塗布され得る。特に、抗菌剤は、ステム、ばね支柱および/またはばねに塗布することができる。
【0151】
様々な実施形態において、本開示に有用な抗菌剤は、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、防腐剤、消毒剤またはそれらの組み合わせを含む、本質的にそれらからなる、またはそれらからなる。本開示のいくつかの実施形態では、潤滑剤は抗菌剤を含む。他の実施形態では、熱可塑性材料は抗菌剤を含み、さらに他の実施形態では、熱可塑性材料はその上に抗菌剤がコーティングされている。様々な実施形態では、抗菌剤は抗バクテリア剤である。任意の抗バクテリア剤を潤滑剤、熱可塑性材料または熱可塑性材料を覆うコーティングと共に使用することができるが、いくつかの非限定的な例示的抗バクテリア剤には、アミノグリコシド、ベータラクタム、キノロンまたはフルオロキノロン、マクロライド、スルホンアミド、スルファメタキソゾール、テトラサイクリン、ストレプトグラミン、オキサゾリジノン(リネゾリドなど)、クリンダマイシン、リンコマイシン、リファマイシン、グリコペプチド、ポリミキシン、リポペプチド抗生物質、ならびに薬理学的に許容されるナトリウム塩、薬理学的に許容されるカルシウム塩、薬理学的に許容されるカリウム塩、脂質製剤、誘導体、および/または上記の類似体として分類されるものが含まれる。
【0152】
これらのクラスの抗バクテリア剤のそれぞれは、異なる作用機序を有し、いくつかの抗生物質によって表され、その考察は以下に示される。しかしながら、当業者は、本発明がここに記載された薬剤に決して限定されず、これらの薬剤が単なる例として記載されていることを認識するであろう。
【0153】
アミノグリコシドは、30Sリボソームに結合し、細菌タンパク質合成を阻害する殺菌性抗生物質である。それらは通常、好気性グラム陰性桿菌およびブドウ球菌に対して活性である。本発明のいくつかの特定の態様で使用することができる例示的なアミノグリコシドには、アミカシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、またはネチルマイシンが含まれる。
【0154】
ベータラクタムは、細菌の細胞壁合成を阻害する抗バクテリア剤のクラスである。臨床的に有用なベータラクタムの大部分は、ペニシリングループ(ペナム)またはセファロスポリン(セフェム)グループのいずれかに属する。ベータラクタムはまた、カルバペネム(例えば、イミペネム)、およびモノバクタム(例えば、アズトレオナム)を含む。クラブラン酸およびその誘導体などのベータラクタマーゼの阻害剤もこのカテゴリに含まれる。
【0155】
本発明の溶液で使用することができる抗生物質のペニシリン群の非限定的な例には、アモキシシリン、アンピシリン、ベンザチンペニシリンG、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、ピペラシリン、またはチカルシリンが含まれる。セファロスポリンの例としては、セフチオフル、セフチオフルナトリウム、セファゾリン、セファクロル、セフチブテン、セフチゾキシム、セフォペラゾン、セフロキシム、セフプロジル、セフタジジム、セフォタキシム、セファドロキシル、セファレキシン、セファマンドール、セフェピン、セフジニール、セフリアキソン、セフィキシン、セフポドキシムプロキセチル、セファピリン、セフォキシチン、セフォテタンが含まれる。ベータラクタムの他の例には、好気性および嫌気性の両方の、ほとんどすべてのグラム陽性およびグラム陰性菌に対してスペクトルを持ち、Enterococci,B.fragilisおよびP.aeruginosaがそれに特に影響を受けやすい非常に活性な非経口抗生物質であるミペネムまたはメロペネムが含まれる。
【0156】
ベータラクタマーゼ阻害剤の例には、クラブラン酸塩、スルバクタム、またはタゾバクタムが含まれる。本発明のいくつかの態様において、抗バクテリア溶液は、少なくとも1種のベータラクタムおよび少なくとも1種のベータラクタマーゼ阻害剤の組み合わせを含み得る。
【0157】
マクロライド抗生物質は、リボソームの50Sサブユニットに結合し、バクテリアのタンパク質合成を阻害する静菌剤の別のクラスである。これらの薬剤は、腸球菌を除いて、好気性および嫌気性のグラム陽性球菌に対して、およびグラム陰性嫌気性菌に対して活性がある。例示的なマクロライドには、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシンが含まれる。
【0158】
キノロンおよびフルオロキノロンは、典型的には、DNAギラーゼの活性を阻害するそれらの能力によって機能する。例として、ナリジクス酸、シノキサシン、トロバフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、グレパフロキサシン、トロバフロキサシン、スパルフロキサシン、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、およびガチフロキサシンが含まれる。
【0159】
スルホンアミドは、ほとんどのグラム陽性菌および多くのグラム陰性菌に対して幅広いスペクトルを有する合成静菌性抗生物質である。これらの薬物は、葉酸代謝サイクルにおいてp-アミノ安息香酸の競合阻害剤として作用することにより、バクテリアの増殖を阻害する。例には、マフェニド、スルフィソキサゾール、スルファメトキサゾール、およびスルファジアジンが含まれる。
【0160】
抗生物質のテトラサイクリン群には、チゲサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリンまたはデメクロサイクリンなどのテトラサイクリン誘導体およびアンヒドロテトラサイクリン、クロロテトラサイクリンまたはエピオキシテトラサイクリンなどの類似体が含まれる。本発明者らは、ミノサイクリンがバンコマイシンよりも微生物バイオフィルム層への浸透が高いこと、およびEDTAが多糖類に富む微生物の糖衣を効果的に防止および溶解する点で独特であることを以前に示した。
【0161】
抗バクテリア剤のストレプトグラミンクラスは、キヌプリスチン、ダルフォプリスチンまたは2つのストレプトグラミンの組み合わせによって例示される。リファマイシンクラスの薬物は、通常、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、RNA合成を抑制し、緑膿菌やマイコバクテリウム属を含むほとんどのグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して非常に幅広い活性のスペクトルを示す。例示的なリファマイシンはリファンピシンである。
【0162】
他の抗バクテリア薬は、バンコマイシン、テイコプラニンおよびそれらの誘導体などのグリコペプチドである。さらに他の抗バクテリア薬は、コリスチンによって例示されるポリミキシンである。
【0163】
これらに加えて、プレスチノマイシン、クロラムフェニコール、トリメトプリム、フシジン酸、メトロニダゾール、バシトラシン、スペクチノマイシン、ニトロフランチオン、ダプトマイシンまたは他のレプトペプチド、オリタバンシン、ダルババンシン、ラモプラミン、ケトリド等のいくつかの他の抗バクテリア剤は本明細書に記載の組成物の調製に使用することができる。これらの中で、メトロニダゾールは、Giardia lamblia、Entamoeba histolytica、およびTrichomonas vaginalisなどの原生動物、および厳密に嫌気性菌に対してのみ有効である。スペクチノマイシンは、リボソームの30Sサブユニットに結合する静菌性抗生物質であり、細菌タンパク質合成を阻害し、ニトロフラントインは、Escherichia coli、Klebsiella-Enterobacter種、ブドウ球菌、および腸球菌に対して活性であるため、UTIの治療または予防に経口的に使用される。
【0164】
他の実施形態では、抗菌剤は抗真菌剤である。抗真菌剤のいくつかの例示的なクラスには、イミダゾールまたはトリアゾール、例えばクロトリマゾール、ミコナゾール、
ケトコナゾール、エコナゾール、ブトコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、テルコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾールまたはフルトリマゾール;アンフォテリシンB、リポソームアンフォテレシンB、ナタマイシン、ナイスタチン、およびナイスタチン脂質製剤などのポリエン系抗真菌剤;カスポファンギン、ミカファンギン、アニドルファンギン、シロファンギンなどのエキノカンジンを含む細胞壁活性環状リポペプチド抗真菌剤;LY121019;LY303366;テルビナフィンなどの抗真菌剤のアリルアミン群が含まれる。抗真菌剤のさらに他の非限定的な例には、ナフチフィン、トルナフテート、メジオシジン、カンジシジン、トリコマイシン、ハマイシン、オーレファンギン、アスコシン、アイファチン、アザコルチン、トリコマイシン、レボリン、ヘプタマイシン、カンジマイシン、グリセオフルビン、BF-796、MTCH 24、BTG-137586、プラジミシン(MNS 18184)、ベナノマイシン;アンビサム;ニッコマイシン Z;フルシトシン、またはペリマイシンが含まれる。
【0165】
本発明のさらに他の実施形態では、抗菌剤は抗ウイルス剤である。抗ウイルス剤の非限定的な例には、シドフォビル、アマンタジン、リマンタジン、アシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、ファムシクロビル、ホスカルネット、リバビリン、またはバルシクロビルが含まれる。いくつかの実施形態では、抗菌剤は自然免疫ペプチドまたはタンパク質である。自然ペプチドまたはタンパク質のいくつかの例示的なクラスは、トランスフェリン、ラクトフェリン、ディフェンシン、ホスホリパーゼ、リゾチーム、カテリシジン、セルプロシジン、殺菌透過性増加タンパク質、両親媒性アルファらせんペプチド、および他の合成抗菌タンパク質である。
【0166】
本発明の他の実施形態では、抗菌剤は防腐剤である。いくつかの防腐剤が当技術分野で知られており、これらには以下のものが含まれる;、タウリンアミド誘導体、フェノール、第四級アンモニウム界面活性剤、塩素含有剤、キナルジニウム、ラクトン、染料、チオセミカルバゾン、キノン、カルバメート、尿素、サリチルアミド、カルバニリド、グアニド、アミジン、イミダゾリン殺生物剤、酢酸、安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、ホウ酸、デヒドロ酢酸、亜硫酸、バニリン酸、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル、イソプロパノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、ヨウ素(様々な溶媒中)、ポビドンヨード、ヘキサメチレンテトラミン、ノキシチオリン、1-(3-コロアリル)-3,5,7-トリアゾ 1-アゾニアアダマンタンクロリド、タウロリジン、タウルルタム、N(5-ニトロ-2-フルフリリデン)-1-アミノ-ヒダントイン、5-ニトロ-2-フルアルデヒドセミカルバゾン、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、3,4’,5-トリブロモサリチルアニリド、3-トリフルオロメチル-4,4’-ジクロロカルバニリド、8-ヒドロキシキノリン、1-シクロプロピル-6-フルオロ-1,4-ジヒドロ-4-オキソ-7-(1-ピペラジニル)-3-キノリンカルボン酸、1,4-ジヒドロ-1-エチル-6-フルオロ-4-オキソ-7-(1-ピペラジニル)-3-キノリンカルボン酸、過酸化水素、過酢酸、フェノール、オキシクロロセンナトリウム、パラクロロメタキシレノール、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェノール、チモール、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、スルファジアジン銀、または硝酸銀。いくつかの実施形態では、内視鏡と共に使用するように構成された使い捨て可能な弁アセンブリと共に使用できる有用な防腐剤には、ハロゲン化銀、例えばヨウ化銀および塩化銀コロイド組成物が含まれる。いくつかの実施形態では、一部の防腐剤は、タンパク質の存在下で銀を含む。例えば、いくつかのマイルドな銀タンパク質防腐剤は、重量基準で約19%~約23%の銀を含む。いくつかの実施形態では、重量基準で30%の銀を含有するマイルドプロテイン防腐剤であるArgyrol(登録商標)は、本開示に記載される使い捨て可能な弁アセンブリと共に使用することができる。他の強力な銀タンパク質防腐剤は、重量基準で約7.5%~約8.5%の銀を含有する。
【0167】
いくつかの実施形態では、防腐剤を含む組成物は、当業者に知られている任意の方法によって表面に塗布されてもよい。例えば、表面が本開示に記載されるような使い捨て可能な弁アセンブリの表面である場合、使い捨て可能な弁アセンブリは組成物中に浸漬されてもよく、または組成物は装置上に塗装または吹き付けられてもよい。いくつかの実施形態では、コーティング組成物は染料を含み得る。例えばトリアリールメタン染料などの染料の自己含浸特性は、別の結合剤の必要を排除する。
【0168】
例えば、一実施形態では、使い捨て可能な弁アセンブリをコーティングする1つの方法は、最初に、トリドデシルメチルアンモニウムクロリド(TDMAC)などの界面活性剤の層、続いて抗生物質コーティング層を使い捨て可能な弁アセンブリの表面に塗布または吸収することを必要とする。使い捨て可能な弁アセンブリの表面を抗生物質でコーティングするために使用される別の方法は、最初に選択された表面を塩化ベンザルコニウムでコーティングし、続いて抗生物質組成物をイオン結合することを含む(Solomon and Sherertz、1987;米国特許第4,442,133号明細書)。抗生物質で医療装置の表面をコーティングする他の方法は、米国特許第4,895,566号明細書(6未満のpHを有する負に帯電した基および負に帯電した基に結合したカチオン性抗生物質を担持する医療装置基材);米国特許第4,917,686号明細書(抗生物質は、医療装置の表面材料のマトリックスに吸収される膨潤剤に溶解される);米国特許第4,107,121号明細書(その後、抗生物質を吸収またはイオン結合するイオノゲンヒドロゲルで医療装置を構築する);米国特許5,013,306号明細書(抗生物質を医療装置のポリマー表面層に積層する);および米国特許第4,952,419号明細書(シリコーン油のフィルムをインプラントの表面に塗布し、次にシリコーンフィルムの支持面を抗生物質粉末と接触させる)に教示されている。
【0169】
特定の実施形態では、院内および多剤耐性品種を含む細菌および真菌に対して広域スペクトルの防腐活性を有する防腐誘導体化合物を使用して、塩化トリドデシルメチルアンモニウム(TDMAC)などの含浸ビヒクルの助けなしに、様々な装置表面に含浸、結合、コーティング、接着および/または付着することができる。
【0170】
いくつかの実施形態において、広域スペクトル防腐剤の一例は、ゲンチアナバイオレットとクロルヘキシジンの組み合わせ(「ゲンジン」)を含む組成物である。ゲンチアナバイオレットはそれ自体優れた含浸性トリアリールメタン染料である。しかしながら、ポリ塩化ビニルを含む様々なポリマーの表面に含浸させた後、ゲンチアナバイオレット自体は、院内肺炎の2番目に多い原因であり、院内尿路感染症の3番目に多い原因であるPseudomonas aeruginosaに対して活性がない。本明細書において使用が特に企図されている防腐特性を有する組成物には、限定されるものではないが、ゲンジン、ゲンレノールおよびゲンフォクトールが含まれる。
【0171】
いくつかの実施形態では、本開示に記載されている使い捨て可能な弁アセンブリで使用できる抗菌剤は、少なくとも0.01%(w/v)~約5.0%の量で存在する。
【0172】
上記の抗菌剤は溶剤に入れた状態で配送することができる。本明細書で使用される溶媒の非限定的な例は、水性溶媒または非水性溶媒であり得る。特定の実施形態では、溶媒は、抗菌剤の化学構造を変更または改変する能力を持たないという点で不活性である。溶媒の非限定的な例には、水、塩化メチレン、アルコール(メタノールおよびエタノールなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル(テトラヒドロフランなど)、アルデヒド(ホルムアルデヒドなど)、アセトニトリル、酢酸、クロロホルム、ブチルアセテートまたはそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドまたはN、N-ジメチルホルムアミドなどの双極性非プロトン性溶媒である。溶媒は、プロトン性溶媒または非プロトン性溶媒であってもよい。
【0173】
本明細書で記載される実践形態は、本開示の特定の態様を実証するために含まれる。本明細書で記載されている実践形態は、本開示の例示的な実践形態を表すに過ぎないことを当業者には理解されよう。当業者は、本開示に照らして、記載された特定の実践形態において多くの変更を行うことができ、なおかつ本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を得ることができることを理解するはずである。
【0174】
前述の記載から、当業者は、本開示の本質的な特徴を容易に確認することができ、その趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行って、本開示を様々な使用法および条件に適合させることができる。上に記載した実践形態は、例示のみを目的とするものであり、以下の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。