(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】豆容器、分配器及び粉挽器を有するコーヒー装置のユニット
(51)【国際特許分類】
A47J 31/42 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A47J31/42
(21)【出願番号】P 2020554933
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2018086732
(87)【国際公開番号】W WO2019122397
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-10-01
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520223701
【氏名又は名称】クレアトリックス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルイス デゥーバー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック シュレプファー
(72)【発明者】
【氏名】クラウディオ フォスキャン
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン シュルタイス
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-519488(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0153438(US,A1)
【文献】国際公開第2004/098361(WO,A1)
【文献】特表2014-530684(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01964498(EP,A1)
【文献】特表2017-500091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60、42/00-42/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー装置のユニッ
トであって、前記ユニットが、コーヒー豆を保管するためのコーヒー豆容器(1)と、前記コーヒー飲料用の前記コーヒー豆を計量するための分配器(2)と、計量された前記コーヒー豆を粉挽するための粉挽器(4)と、を備え、前記コーヒー豆容器(1)及び前記分配器(2)が、共通の容器モジュールで構成されており、前記ユニットが、使用時には前記容器モジュールを接続することができ、使用後には前記容器モジュールを取り外すことができるモジュール受け器(3)を有し、前記容器モジュールが、計量される量及び粉挽度のユーザが選択可能な設定を有し、前記計量される量の前記設定が、前記計量される量を変化させるように前記分配器(2)に作用し、前記粉挽度の前記設定が、前記粉挽度を変化させるように前記粉挽器(4)に作用し、前記分配器(2)が、計量チャンバ(200,210)を有し、前記計量チャンバ(200,210)の受容量が、前記計量される量を設定するために変更可能であることを特徴とする、ユニット。
【請求項2】
前記計量される量の前記設定及び/又は前記粉挽度の前記設定を手動で行うことができる、請求項1記載のユニット。
【請求項3】
前記容器モジュールを前記モジュール受け器に接続する前に、前記計量される量の前記設定及び/又は前記粉挽度の前記設定を行うことができる、請求項1又は2記載のユニット。
【請求項4】
前記容器モジュールを前記モジュール受け器に接続した後に、前記計量される量の前記設定及び/又は前記粉挽度の前記設定を行うことができる、請求項1~3のいずれか1項記載のユニット。
【請求項5】
前記モジュール受け器(3)が、前記分配器(2)と前記粉挽器(4)との間に接続を確立し、前記モジュール受け器(3)及び前記粉挽器(4)が、前記コーヒー装置のハウジング上又はハウジング内に配置されている、請求項1~4のいずれか1項記載のユニット。
【請求項6】
前記容器モジュールが、前記モジュール受け器(3)の読み取り/書き込みユニットと通信するための書き込み可能なデータメモリを有し、少なくとも前記粉挽器(4)の現在の粉挽度設定に関するデータを前記データメモリに記憶することができる、請求項1~5のいずれか1項記載のユニット。
【請求項7】
前記計量される量及び前記粉挽度の前記設定が、機械的に行われ、前記分配器(2)及び/又は前記粉挽器(4)に対する前記設定の効果が、機械的に生じる、請求項1~6のいずれか1項記載のユニット。
【請求項8】
前記モジュール受け器(3)が、前記容器モジュールでの前記粉挽度の前記設定を検出するためのセンサを有し、前記センサが、前記装置の制御システムと通信する、請求項7記載のユニット。
【請求項9】
前記分配器(2)が、前記容器モジュールを前記モジュール受け器(3)に接続した後に、選択された計量される量を前記分配器(2)に提供し、前記計量される量を前記粉挽器(4)に供給するように、前記容器モジュールの外部にある駆動装置(60)によって作動可能である、請求項1~8のいずれか1項記載のユニット。
【請求項10】
前記分配器(2)が、第1の回転ディスク(20)及び第2の回転ディスク(21)を有し、前記ディスク(20,21)の相互距離が変更可能であり、前記第1の回転ディスク(20)と前記第2の回転ディスク(21)とが、前記コーヒー豆容器(1)及び前記分配器(2)のベース(22)に対して一緒に回転可能であり、前記計量チャンバ(200,210)が、前記第1の回転ディスク(20)と前記第2の回転ディスク(21)との間に構成されており、前記計量チャンバ(200,210)が、前記第1の回転ディスク(20)及び前記第2の回転ディスク(21)の回転位置に応じて、前記コーヒー豆容器(1)と前記粉挽器(4)との2つのコンポーネントのいずれかに対して開いており、当該2つのコンポーネントの他方に対して閉じている、請求項1~9のいずれか1項記載のユニット。
【請求項11】
前記分配器(2)が、第1のチャンバ部(26,20)及び第2のチャンバ部(21)を有し、前記チャンバ部(26,20,21)が、軸方向に相互に移動可能であり、前記計量チャンバ(200,210)が、前記第1のチャンバ部(26,20)と前記第2のチャンバ部(21)との間に構成されており、前記計量チャンバ(200,210)が、2つの前記チャンバ部(26,20,21)の少なくとも一方の回転位置に応じて、前記コーヒー豆容器(1)と前記粉挽器(4)との2つのコンポーネントのいずれかに対して開いており、当該2つのコンポーネントの他方に対して閉じている、請求項1~9のいずれか1項記載のユニット。
【請求項12】
前記計量される量を設定するために、前記コーヒー豆容器(1)の周囲で回転可能となるように配置された
第1の設定リング(12)が存在する、請求項1~11のいずれか1項記載のユニット。
【請求項13】
前記
第1の設定リング(12)が、前記コーヒー豆容器(1)に対して回転可能である、請求項12記載のユニット。
【請求項14】
前記粉挽器(4)が、2つの粉挽ディスク(430,440)を有し、前記2つの粉挽ディスク(430,440)の少なくとも一方が、前記容器モジュールを前記モジュール受け器(3)に接続するとき又は接続した後に、前記粉挽度の前記設定に応じて移動可能である、請求項1~13のいずれか1項記載のユニット。
【請求項15】
前記容器モジュールが、粉挽度設定具(23)を有し、前記粉挽度設定具が、前記容器モジュールを前記モジュール受け器(3)に接続するときに、前記粉挽器(4)に機械的にかつ動作可能に接続可能であり、前記粉挽度設定具によって、前記粉挽器(4)の粉挽ディスク(430,440)同士の距離が変更される、請求項14記載のユニット。
【請求項16】
前記容器モジュールでの前記粉挽度の前記設定が、前記モジュール受け器(3)の回転可能な設定ディスク(31)に動作可能に接続可能であり、前記設定ディスク(31)が、前記粉挽器(4)の回転可能なユニオンナット(42)に動作可能に接続されており、第1の粉挽ディスク(430)が、前記ユニオンナット(42)の回転によって第2の粉挽ディスク(440)に対して、前記ディスク(430,440)同士の距離が変更されるように移動可能である、請求項14又は15記載のユニット。
【請求項17】
前記第1の粉挽ディスクが、回転しない固定粉挽ディスク(430)であり、前記第2の粉挽ディスクが、回転する駆動粉挽ディスク(440)である、請求項16記載のユニット。
【請求項18】
前記容器モジュールが、前記粉挽度を設定するための設定手段(23,25)を有し、前記設定手段(23,25)が、前記容器モジュールの下面又は周囲に配置されている、請求項1~17のいずれか1項記載のユニット。
【請求項19】
前記粉挽度を設定するための前記設定手段が、前記コーヒー豆容器(1)の周囲で回転可能となるように配置された
第2の設定リング(25)である、請求項18記載のユニット。
【請求項20】
前記粉挽度を設定するための前記
第2の設定リング(25)が、前記コーヒー豆容器(1)に対して回転可能である、請求項19記載のユニット。
【請求項21】
前記容器モジュールが装着されている場合に、前記粉挽度の前記設定が手動で変更可能である、請求項14~20のいずれか1項記載のユニット。
【請求項22】
前記容器モジュールが装着されている場合に、前記粉挽度の前記設定が、より細かい粉挽度の方向とより粗い粉挽度の方向とで変更可能である、請求項14~21のいずれか1項記載のユニット。
【請求項23】
前記容器モジュールが前記コーヒー装置に配置され、前記容器モジュールが前記コーヒー装置に取り付けられると無効にされる、
前記計量チャンバが下部に向かって開くことを防止する回転防止装置が存在する、請求項1~22のいずれか1項記載のユニット。
【請求項24】
前記コーヒー豆容器(1)が、前記分配器(2)に解除可能に接続されており、前記分配器が、前記粉挽度を設定するための粉挽度設定具(23)と一緒に、前記モジュール受け器(3)に接続するように構成されたサブモジュールを形成している、請求項1~23のいずれか1項記載のユニット。
【請求項25】
前記粉挽器(4)が、前記粉挽ディスク(430,440)を駆動する搬送ロータ(441)を有し、前記搬送ロータ(441)が、ほぼ水平に又は正確に水平に延びるように配置されている、請求項14~17のいずれか1項記載のユニット。
【請求項26】
前記粉挽器(4)が、弧状となるように構成された豆入口ダクト(410)を有する、請求項1~25のいずれか1項記載のユニット。
【請求項27】
前記コーヒー豆容器(1)が、前記分配器(2)に解除可能に接続されており、前記分配器が、前記粉挽度を設定するための粉挽度設定具(23)と一緒に、前記モジュール受け器(3)に接続するように構成されたサブモジュールを形成しており、前記搬送ロータ(441)が、豆入口ダクト(410)内に延びている、請求項25記載のユニット。
【請求項28】
前記計量される量は、1杯又は2杯のコーヒー用に設定可能である、請求項1記載のユニット。
【請求項29】
前記容器モジュールが前記モジュール受け器から取り外されたとき、前記計量に係る設定及び前記粉挽度に関する設定が維持される、請求項1記載のユニット。
【請求項30】
前記コーヒー装置が、コーヒー飲料を淹れるためのコーヒーマシンである、請求項1~29のいずれか1項記載のユニット。
【請求項31】
容器モジュー
ルであって、前記容器モジュールが、コーヒー豆を保管するためのコーヒー豆容器(1)と、一分量の前記コーヒー豆を計量するための分配器(2)と、を有し、前記容器モジュールが
、コーヒー装置
のモジュール受け器(3)に解除可能に接続するための接続手段を有し、前記容器モジュールが、計量される量及び粉挽度のユーザが選択可能な設定を有し、前記計量される量の前記設定が、前記計量される量を変化させるように前記分配器(2)に作用し、前記粉挽度の前記設定が、前記
コーヒー装置の粉挽度を変化させるように前記粉挽器に作用
するように設計され、前記分配器(2)が、計量チャンバ(200,210)を有し、前記計量チャンバ(200,210)の受容量が、前記計量される量を設定するために変更可能である、容器モジュール。
【請求項32】
前記容器モジュールが、前記粉挽度を設定するための粉挽度設定具(23)を有し、前記粉挽度設定具(23)が、前記容器モジュールを
前記コーヒー装置の前記モジュール受け器(3)に接続するときに、前記粉挽器(4)に機械的にかつ動作可能に接続
するように設計され、前記
コーヒー装置の前記モジュール受け器(3)への前記容器モジュールの接続によって、前記粉挽器(4)の粉挽ディスク(430,440)同士の距離が変更される、請求項
31記載の容器モジュール。
【請求項33】
前記計量される量は、1杯又は2杯のコーヒー用に設定可能である、請求項
31記載の容器モジュール。
【請求項34】
前記容器モジュールが前記モジュール受け器から取り外されたとき、前記計量に係る設定及び前記粉挽度に関する設定が維持される
ように前記容器モジュールが設計される、請求項
31記載の容器モジュール。
【請求項35】
前記容器モジュールが、請求項1~30のいずれか1項記載のユニットの容器モジュールである、請求項31~34のいずれか1項記載の容器モジュール。
【請求項36】
コーヒー装置のユニッ
トであって、前記ユニットが、コーヒー豆を保管するためのコーヒー豆容器(1)と、前記コーヒー飲料用の前記コーヒー豆を計量するための分配器(2)と、計量された前記コーヒー豆を粉挽するための粉挽器(4)に機械的にかつ動作可能に接続するための粉挽度設定具(23)と、を備え、前記コーヒー豆容器(1)及び前記分配器(2)が、共通の容器モジュールで構成されており、前記ユニットが、使用時には前記容器モジュールを接続することができ、使用後には前記容器モジュールを取り外すことができるモジュール受け器(3)を有し、前記容器モジュールが、計量される量及び粉挽度のユーザが選択可能な設定を有し、前記計量される量の前記設定が、前記分配器(2)に作用し、前記粉挽度設定具(23)による前記粉挽度の前記設定が、前記粉挽器(4)に作用することを特徴とする、ユニット。
【請求項37】
前記計量される量は、1杯又は2杯のコーヒー用に設定可能である、請求項
36記載のユニット。
【請求項38】
前記容器モジュールが前記モジュール受け器から取り外されたとき、前記計量に係る設定及び前記粉挽度に関する設定が維持される、請求項
36記載のユニット。
【請求項39】
前記コーヒー装置が、コーヒー飲料を淹れるためのコーヒーマシンである、請求項36~38のいずれか1項記載のユニット。
【請求項40】
コーヒー装置のユニットであって、前記ユニットが、コーヒー豆を保管するためのコーヒー豆容器と、コーヒー飲料用の前記コーヒー豆を計量するための分配器と、計量された前記コーヒー豆を粉挽するための粉挽器と、を備え、前記コーヒー豆容器及び前記分配器が、共通の容器モジュールで構成されており、前記ユニットが、使用時には前記容器モジュールを接続することができ、使用後には前記容器モジュールを取り外すことができるモジュール受け器を有し、前記容器モジュールが、計量される量及び粉挽度のユーザが選択可能な設定を有し、前記計量される量の前記設定が、前記分配器に作用し、前記粉挽度の前記設定が、前記粉挽器に作用し、前記粉挽器が、2つの粉挽ディスクを有し、前記2つの粉挽ディスクの少なくとも一方が、前記容器モジュールを前記モジュール受け器に接続するとき又は接続した後に、前記粉挽度の前記設定に応じて移動可能であり、前記容器モジュールが、粉挽度設定具を有し、前記粉挽度設定具が、前記容器モジュールを前記モジュール受け器に接続するときに、前記粉挽器に機械的にかつ動作可能に接続可能であり、前記粉挽度設定具によって、前記粉挽器の粉挽ディスク同士の距離が変更されることを特徴とする、ユニット。
【請求項41】
コーヒー装置のユニットであって、前記ユニットが、コーヒー豆を保管するためのコーヒー豆容器と、コーヒー飲料用の前記コーヒー豆を計量するための分配器と、計量された前記コーヒー豆を粉挽するための粉挽器と、を備え、前記コーヒー豆容器及び前記分配器が、共通の容器モジュールで構成されており、前記ユニットが、使用時には前記容器モジュールを接続することができ、使用後には前記容器モジュールを取り外すことができるモジュール受け器を有し、前記容器モジュールが、計量される量及び粉挽度のユーザが選択可能な設定を有し、前記計量される量の前記設定が、前記分配器に作用し、前記粉挽度の前記設定が、前記粉挽器に作用し、前記容器モジュールが、
前記計量される量を設定するための第1の設定リング
と、前記粉挽度を設定するための第2の設定リングを有
し、前記第1の設定リング及び前記第2の設定リングが、前記コーヒー豆容器の周囲で回転可能となるように配置されることを特徴とする、ユニット。
【請求項42】
容器モジュールであって、コーヒー豆を保管するためのコーヒー豆容器と、一分量の前記コーヒー豆を計量するための分配器と、を有し、前記容器モジュールが、コーヒー装置のモジュール受け器に解除可能に接続するための接続手段を有し、前記容器モジュールが、計量される量及び粉挽度のユーザが選択可能な設定を有し、前記計量される量の前記設定が、前記分配器に作用し、前記粉挽度の前記設定が、粉挽器に作用し、前記容器モジュールが、前記粉挽度を設定するための粉挽度設定具を有し、前記粉挽度設定具が、前記容器モジュールを前記モジュール受け器に接続するときに、前記粉挽器に機械的にかつ動作可能に接続可能であり、前記粉挽度設定具によって、前記粉挽器の粉挽ディスク同士の距離が変更されることを特徴とする、容器モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー飲料を調製するためのコーヒー装置のユニット、特に、コーヒー飲料を淹れるためのコーヒーマシンのユニット又はエスプレッソコーヒー粉挽器のユニット及びこの種のユニット用の容器モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーは、専門的な調製を要する天然の刺激物である。コーヒーにその香りを最適に生じさせ得るためには、例えば、コーヒー豆は常に、コーヒーを調製する直前に粉挽されるべきである。しかし、これは、最適なコーヒー体験を保証するには十分でないことが多い。
【0003】
粉挽サイクルのたびに、粉挽されたコーヒー粉末のかなりの残留物が、粉挽器、粉末ダクト及び計量ユニットに残る。これにより、粉挽したてのコーヒーが古いコーヒー粉末と混ざることになる。このため、マシン製造業者は、たいていの場合、コーヒーマシンがしばらく使用されていないときには、2~3杯のコーヒーを捨てることを推奨する。そうしなければ、古いコーヒー粉末がある程度調製に使用されているので、コーヒーの味が変になる場合がある。
【0004】
さらに、特にコーヒーの種類を変更すると、次に淹れるコーヒー飲料の香りが、この残留物によって悪影響を受ける。これは、コーヒーの種類が変更されると、マシン内で種類が混ざるためである。
【0005】
既存のコーヒーマシンにはさらに、飲料を生成するために正確に所定の量のコーヒー粉末が使用されなければ、それぞれの場合に、規定されていない混合量の新旧のコーヒー粉末が淹出ユニットに送られてしまうという欠点もある。
【0006】
さらに、全ての香り物質を最適に生じさせるためには、適正な粉挽度が非常に重要である。全自動コーヒーマシンでは、コーヒー粉末は、通常、エスプレッソ用豆から、例えば、ミルクコーヒー用豆から、又はルンゴ用豆から、同じ程度の細かさで生成される。しかし、対応する深煎り又は浅煎りのコーヒー豆も、適正な粉挽度によって粉挽することが非常に重要である。
【0007】
コーヒー豆からコーヒーカップに淹出された飲料へと、コーヒー飲料を調製することを可能にする複数のシステムが知られている。これらのシステムは上記の問題にもある程度対処するが、安価で包括的な解決策を提供しない。
【0008】
特許文献1に開示されるシステムは、比較的複雑で込み入っており、したがって家庭での使用には高価すぎる。
【0009】
特許文献2は、それぞれに付属する粉挽器を有する、少なくとも2つの豆容器の使用を提案する。しかし、この種のマシンは、家庭での使用には高価すぎる。さらに、これにより、溜まった残留物の量及び香りの喪失に関する一連の問題も解消されない。
【0010】
特許文献3は、個々の淹出プロセスの間にマシンを清掃することを提案する。この解決策はまた、家庭での使用には高価であり、商業的な用途では時間もかかりすぎる。
【0011】
コーヒー豆用の様々な計量器が、さらに知られている。
例えば、特許文献4及び特許文献5は、コーヒー、茶、砂糖、ココア粉末又は小麦粉用の回転可能な計量チャンバを開示する。特許文献6は、統合された回転可能な計量チャンバを有するコーヒー粉末容器を開示する。この容器は、予め計量された量のコーヒー粉末をフィルタに注ぎ込むように、フィルタの上方に保持されることが意図されている。次いで、フィルタに熱湯が注ぎ込まれ、複数の分量のコーヒーが一緒に淹れられる。特許文献7は、コーヒー豆容器と粉挽器との間にあるチャンバの形の計量器を示す。計量器は、予め定められた量の豆を粉挽器に供給するように、水平軸線を中心に回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】国際公開第2011/102720号
【文献】欧州特許第1,700,549号明細書
【文献】国際公開第2013/078437号
【文献】米国特許第2,584,781号明細書
【文献】仏国特許発明第2,755,431号明細書
【文献】独国実用新案第9,308,402号明細書
【文献】仏国特許発明第2,565,088号明細書
【発明の概要】
【0013】
したがって、本発明の目的は、事前の準備によってコーヒーの香りが損なわれることなしに、またユーザがコーヒー装置に対して時間のかかる調節を行う必要なしに、簡単な方法でコーヒー飲料の最適な調製を可能にする装置を実現することである。
【0014】
この目的は、請求項1又は請求項31の特徴を有するコーヒー装置のユニット、特にコーヒーマシンのユニット及び請求項29の特徴を有する容器モジュールによって達成される。
【0015】
本発明によるコーヒー装置のユニット、特に、コーヒー飲料を淹れるためのコーヒーマシン又はエスプレッソコーヒーミルのユニットは、コーヒー豆を保管するためのコーヒー豆容器と、コーヒー飲料用のコーヒー豆を計量するための分配器と、計量されたコーヒー豆を粉挽するための粉挽器と、を有する。コーヒー豆容器及び分配器は、共通の容器モジュールで形成される。ユニットは、使用時には容器モジュールを接続することができ、使用後には容器モジュールを取り外すことができるモジュール受け器を有する。容器モジュールは、計量される量及び粉挽度のユーザが選択可能な設定を有し、計量される量の設定は、分配器に作用し、粉挽度の設定は、粉挽器に作用する。
【0016】
本文中のコーヒー装置は、粉挽器及び淹出装置を有するコーヒーマシン、又は、ハウジングに関して淹出装置とは別にコーヒー豆を粉挽するが、このコーヒー豆を直ぐに又はその直後に、淹出装置で利用可能にし得るコーヒーミルであると理解される。このコーヒーミルは通常、エスプレッソコーヒーミルと呼ばれ、このエスプレッソコーヒーミルは、実施形態に応じて、単一の粉挽プロセスで、ルンゴコーヒーや2倍の分量のコーヒー粉末を提供することもできる。簡単にするために、以下では、コーヒーマシンについてのみ述べているが、上述のコーヒーミル及びコーヒーを調製するための同様の装置が含まれる。
【0017】
本文中の「コーヒー飲料」は通常、1杯又は2杯のコーヒーであると理解される。これは、コーヒーマシンがそれぞれの場合に、この種の同時調製のために構成されるためである。しかし、この用語は、より大量のコーヒー、例えば、単一の計量プロセス及び単一の粉挽プロセスによるコーヒーによって満たされる小さなコーヒー缶の調製物も含む。
【0018】
コーヒー豆の種類及びそれぞれのユーザの好みに応じた粉挽度及び計量の設定は、容器モジュールにおいて直接設定できるため、これらの設定は、保管されているコーヒー豆の種類にしっかりと関連付けられる。これらの設定は、容器モジュールをコーヒーマシンの残りの部分に接続するときに考慮に入れられ、ユーザによる更なる操作を伴わずに実施されるため、この種のコーヒーが再び使用されるたびに、マシンに対してこれらの設定を再設定する必要がない。したがって、取り扱いが簡単で、エラーに対する脆弱性が最小限に抑えられる。分配器がコーヒー豆容器と一緒に1つのモジュールで配置されるため、分配器に残っている香り物質が、次の使用を損なうことがない。これは、同じ種類のコーヒーが実際に再び使用されるためであるか、又は、コーヒーの種類を変更するときに分配器を含む容器モジュールが実際に置き換えられるためである。
【0019】
この粉挽器が各粉挽プロセスの後に完全に空にされ、粉挽されたコーヒー粉末が粉挽器に残らないように、粉挽器を設計する又は動作させることが推奨される。このための解決策は周知である。
【0020】
したがって、本発明によるユニットは、香りを損なうことなく、常に淹れたてのコーヒーを提供する。豆の種類は、簡単に変更することができる。残りの豆は、気密又はほぼ気密に閉鎖可能な容器モジュールにより、香りを喪失することなく保管することができる。コーヒーマシンに対する設定は、豆及びユーザに応じて簡単に変更することができ、ある種類のコーヒーについて一度設定されたパラメータは、マシンを後で使用するときに、その間に別の種類のコーヒーを淹れたときでも、再設定する必要がない。容器モジュールは、電子コンポーネントを必要としないため、比較的安価に製造することができる。他の実施形態では、特に、ケータリング部門又はより高価格カテゴリのマシンの場合、容器モジュールは、好ましくは電子コンポーネントも有する。
【0021】
簡単な実施形態では、設定は全て手動で行われ、分配器又は粉挽器に対する設定の効果がそれぞれ、機械的手段によって生じる。他の実施形態では、その一部が電子的に制御される。
【0022】
実施形態に応じて、分配器及び粉挽器に対する設定を行った後に、マシンが始動される、すなわち、粉挽プロセス及び淹出プロセスが行われる。他の実施形態では、コーヒーの種類又はユーザの個々の要求に応じて、淹出プログラムを、例えば、淹出温度及び/又は、粉挽プロセス及び/又は淹出プロセスの継続時間などを、マシンに対して設定することができる。更なる実施形態では、容器モジュールは、ユーザ又はコーヒーマシンの制御システムへの対応する指示を有する。コーヒーマシンの制御システムが、これらの追加情報を自動的に実装することになっている場合には、コーヒーの種類又は他の設定に関するこれらの情報を識別し、これらの情報を制御システムに送信するための読み取り装置が、好ましくはモジュール受け器内又はコーヒーマシンの別の適切な場所に存在する。
【0023】
計量される量の設定及び/又は粉挽度の設定は、好ましくは手動で行うことができる。実施形態に応じて、容器モジュールをモジュール受け器に接続する前に、これらの設定の一方又は両方を行うことができる。したがって、容器を充填するときに、すでに所望の設定を行うことができ、この容器を使用しているときに、全ての設定が所望の方法ですでに予め設定されている。さらに、この種の充填された容器を、推奨される事前設定をすでに伴って販売することができる。さらに、新たな使用のたびに新規の設定を行う必要はないが、もちろん新たな使用のたびに設定を変更することもできる。他の実施形態では、容器モジュールをモジュール受け器に接続した後でさえも、設定の一方又は両方を代わりに又は加えて変更することができる。したがって、これらの設定の間に容器モジュールを取り外す必要なしに、様々な設定の変形を試みることができる。
【0024】
好ましい実施形態では、分配器を時期尚早に空にすることを防止する回転防止装置が存在する。この回転防止装置は、好ましくは、容器モジュールがコーヒー装置にほぼ完全に若しくは完全に取り付けられるか又は配置されると、無効にされる。
【0025】
モジュール受け器は、好ましくは分配器と粉挽器との間に接続を確立し、モジュール受け器及び粉挽器は、コーヒーマシンのハウジング上又はハウジング内に配置されている。したがって、ユニットはコンパクトに構成され、このユニットを用いて個人用のコーヒーマシンを構成することもできる。
【0026】
一実施形態では、計量される量及び粉挽度の設定は、機械的に行われる。分配器及び粉挽器に対する設定の効果もまた、好ましくは機械的に生じる。これは、特に個人用マシンの場合、簡単かつ堅牢で安価な解決策である。
【0027】
他の実施形態では、分配器及び/又は粉挽器の設定は、電子的に行われる。
【0028】
一実施形態では、粉挽器の設定の効果は、モジュール受け器に配置されたセンサによって生じ、センサは、装置の制御システムと通信する。
【0029】
一実施形態では、容器モジュールは、モジュール受け器の読み取り/書き込みユニットと通信するための書き込み可能なデータメモリを有し、少なくとも粉挽器の現在の粉挽度設定に関するデータをデータメモリに記憶することができる。
【0030】
好ましい実施形態では、分配器は、容器モジュールをモジュール受け器に接続した後に、選択された計量される量を分配器に提供し、この計量される量を粉挽器に供給するように、容器モジュールの外部にある駆動装置によって作動可能である。この解決策は、エラーに対する脆弱性を最小限に抑え、コーヒーマシンの操作を簡素化する。ユーザは、容器モジュールをマシンに結合し、マシンのスイッチを入れるだけでよい。
【0031】
分配器は、好ましくは計量チャンバを有し、計量チャンバの受容量は、計量される量を設定するために変更可能である。計量チャンバは、所望の量のコーヒー豆を処理する簡単で安価な手段である。したがって、容器モジュールにおけるセンサ又は他のエネルギーを消費する測定手段を省略することができる。したがって、容器モジュールは、比較的簡単で安価に具現化することができる。この容器モジュールは、特に電子コンポーネントがない場合、特に完全に洗浄可能となるように構成することができる。
【0032】
好ましい一実施形態では、分配器は、第1の回転ディスク及び第2の回転ディスクを有し、これらのディスクの相互距離が変更可能であり、この第1の回転ディスクとこの第2の回転ディスクとは、コーヒー豆容器及び分配器のベースに対して一緒に回転可能である。計量チャンバは、第1の回転ディスクと第2の回転ディスクとの間に構成されており、計量チャンバは、第1の回転ディスク及び第2の回転ディスクの回転位置に応じて、コーヒー豆容器と粉挽器との2つのコンポーネントのいずれかに対して開いており、これら2つのコンポーネントの他方に対して閉じている。
【0033】
好ましい一実施形態では、分配器は、第1のチャンバ部及び第2のチャンバ部を有し、これらのチャンバ部は、軸方向に相互に移動可能である。計量チャンバは、第1のチャンバ部と第2のチャンバ部との間に構成されている。計量チャンバは、2つのチャンバ部の少なくとも一方の回転位置に応じて、コーヒー豆容器と粉挽器との2つのコンポーネントのいずれかに対して開いており、これら2つのコンポーネントの他方に対して閉じている。
【0034】
計量チャンバのこれらの構成は、他のコーヒーマシンで、すなわち、本発明による容器モジュールに結合されないように、使用することもできる。したがって、計量チャンバのこれらの構成はまた、別個の発明として特許請求される。
【0035】
好ましくは、計量される量を設定するために、コーヒー豆容器の周囲で回転可能となるように配置される設定リングが存在する。実施形態に応じて、コーヒー豆容器又は分配器は、設定中にモジュールハウジングの残りの部分に対して設定リングと一緒に回転する。しかし、好ましい一実施形態では、コーヒー豆容器が、好ましくは容器モジュールの残りのハウジングも、この設定リングと一緒に回転しない。
【0036】
好ましい実施形態では、粉挽器は、2つの粉挽ディスクを有し、2つの粉挽ディスクの少なくとも一方が、容器モジュールをモジュール受け器に接続するとき又は接続した後に、粉挽度の設定に応じて移動可能である。
【0037】
好ましい実施形態では、容器モジュールは、粉挽度設定具を有し、この粉挽度設定具は、容器モジュールをモジュール受け器に接続するときに、粉挽器に機械的にかつ動作可能に接続可能であり、この粉挽度設定具によって、粉挽器の粉挽ディスク同士の距離が変更される。
【0038】
回転しない固定粉挽ディスクが、好ましくは設定手段によって移動可能であり、回転する駆動ディスクが、設定手段によって移動不能である。他の実施形態では構成が正反対であり、すなわち、固定粉挽ディスクが、設定手段によって移動不能であり、それに応じて、駆動ディスクが移動可能である。
【0039】
好ましくは、容器モジュールでの粉挽度の設定は、モジュール受け器の回転可能な設定ディスクに動作可能に接続可能であり、設定ディスクは、粉挽器の回転可能なユニオンナットに動作可能に接続されており、第1の粉挽ディスクが、ユニオンナットの回転によって第2の粉挽ディスクに対して、これらのディスク同士の距離が変更されるように移動可能である。好ましくは、回転しないのが固定粉挽ディスクであり、第2の粉挽ディスクは、回転する駆動粉挽ディスクである。
【0040】
移動可能な固定粉挽ディスク及び軸方向に移動不能な駆動ディスクのこの構成は、特に、これらのディスクが水平又はほぼ水平となるように配置される場合、他のコーヒーマシンでも、すなわち、本発明による容器モジュールに結合されないように、使用することができる。したがって、この実施形態はまた、別個の発明として特許請求される。
【0041】
好ましくは、容器モジュールは、粉挽度を設定するための設定手段を有し、この設定手段は、容器モジュールの下面又は周囲に配置されている。周囲への構成には、設定手段へのアクセスがよりし易くなり、設定を変更するために容器を傾けたり、上下反対にさえしたりする必要がないという利点がある。好ましい一実施形態では、この設定手段は、コーヒー豆容器の周囲で回転可能となるように配置された設定リングである。粉挽度を設定するための設定リングはまた、好ましくはコーヒー豆容器に対して、好ましくは、容器モジュールの外側ハウジングの残りの部分に対しても回転可能である。本文全体中の「回転可能」は、技術的に適切である場合には、360°未満の角度で回動可能でもあると理解される。
【0042】
好ましい実施形態では、容器モジュールが装着されている場合に、粉挽度の設定が手動でも変更可能である。粉挽度の設定は、容器モジュールが装着されている場合に、好ましくは、より細かい粉挽度の方向とより粗い粉挽度の方向との両方で変更可能である。
【0043】
好ましい実施形態では、コーヒー豆容器は、分配器に解除可能に接続されており、分配器は、粉挽度を設定するための粉挽度設定具と一緒に、モジュール受け器に接続するように構成されたサブモジュールを形成している。この解除可能な接続により、容器モジュールをより簡単に清掃することが可能となり、完全に空にされた後に処分される使い捨てのコーヒー豆容器を使用できることがさらに可能となる。
【0044】
好ましくは、粉挽器は、粉挽ディスクを駆動する搬送ロータ、すなわち、ほぼ水平に又は正確に水平に延びるように配置されていて、電気モータに接続された、ロータシャフト又は回転軸を有する。したがって、好ましくは水平粉挽器が使用される。これにより、空間が節約され、各粉挽プロセス後に粉挽器を完全に空にできることが良好に保証される。
【0045】
好ましい実施形態では、粉挽器は、弧状となるように構成された豆入口ダクトを有する。これにより、計量チャンバを完全に穏やかに空にすることが容易となり、搬送されるコーヒー豆を粉挽器に最適に供給することが保証される。好ましくは、搬送ロータは、豆入口ダクト内に延びている。この配置により、全てのコーヒー豆が粉挽器を通って搬送され、したがって粉挽器によって粉挽されることが保証される。粉挽器、特にそのコーヒー粉末出口は、粉挽されたコーヒー粉末が残らず、計量された全ての粉挽されたコーヒー豆が、いずれの場合も淹出ユニットに送られるように設計される。
【0046】
本発明による容器モジュールは、コーヒー豆を保管するためのコーヒー豆容器と、コーヒー飲料用のコーヒー豆を計量するための分配器と、を有し、容器モジュールは、コーヒーマシンのモジュール受け器に解除可能に接続するための接続手段を有し、容器モジュールは、計量される量及び粉挽度のユーザが選択可能な設定を有する。計量される量の設定は、分配器に作用し、粉挽度の設定は、粉挽器に作用する。この種の容器モジュールを、コーヒーマシンごとに複数使用することができ、これらの容器モジュールは、モジュール受け器に個々に接続される。コーヒーマシンの構成に応じて、このコーヒーマシンは、それぞれの場合に関連する粉挽器又は全てのモジュール受け器に共通の粉挽器を有する複数のモジュール受け器を有してもよい。粉挽器に機械的に作用を及ぼす粉挽度設定具はまた、好ましくは容器モジュールの一部である。
【0047】
個々の容器モジュールは、コーヒーを淹れるためのパラメータがすでに設定された様々な種類のコーヒーを保管し、またコーヒーマシンに結合するときにユーザによる更なる入力なしに、これらのパラメータを実装することを可能にする。したがって、コーヒー容器とコーヒーマシンとの間の、簡単かつ安価で操作が簡単な情報交換モジュールが実現されている。
【0048】
適用分野に応じて、このユニットが粉挽器を備えるか、又は、粉挽ディスクを設定するために本発明によるユニットにインターフェースが適合される従来の粉挽器が使用される。したがって、粉挽器がユニットの一部ではないユニットも特許請求される。
【0049】
更なる実施形態が、従属請求項に規定される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて以下で説明する。図面は、説明のためだけに使用され、限定するものとして解釈されるべきではない。
【
図1】容器モジュール及びコーヒーマシンの一部を有する、本発明による装置の第1の実施形態の第1の分解図である。
【
図3】
図1に示すコーヒーマシンの一部に取り付ける前の容器モジュールの図である。
【
図4】組み立てられた状態で最大計量位置にある、
図1による容器モジュールを示す図である。
【
図5】組み立てられた状態で最小計量位置にある、
図1による容器モジュールを示す図である。
【
図6】
図4による容器モジュールの縦断面図である。
【
図7】
図5による容器モジュールの縦断面図である。
【
図8】
図1による容器モジュールを蓋なしで上方から見た図である。
【
図10】
図9による粉挽器設定ユニットの第2の斜視図である。
【
図11】粉挽器の最小設定位置にある、
図1による容器モジュールを下方から見た図である。
【
図12】粉挽器の最大設定位置にある、
図1による容器モジュールを下方から見た図である。
【
図13】
図1による装置のミルの第1の分解図である。
【
図16a】
図1によるコーヒーマシンの一部に容器モジュールを取り付ける前の装置の斜視図である。
【
図17a】
図16aによる容器モジュールとコーヒーマシンの一部とを組み立てた後の装置の斜視図である。
【
図18a】
図16aによるコーヒーマシンの一部における容器モジュールの回転した端部位置にある装置の斜視図である。
【
図19】粉挽器の最大設定位置にある、本発明の第2の実施形態による容器モジュールを下方から見た図である。
【
図20】粉挽器の最小設定位置にある、
図19による容器モジュールを下方から見た図である。
【
図21】
図19による実施形態の粉挽器設定ユニットの第1の斜視図である。
【
図22】
図19による実施形態の容器モジュールの斜視図である。
【
図24】第3の実施形態による本発明による容器モジュールの側面図である。
【
図25】粉挽器と組み合わされた、
図24による容器モジュールの縦断面図である。
【
図26】計量チャンバが最大サイズにある、
図24による容器モジュールの縦断面図である。
【
図27】計量チャンバが最小サイズにある、
図24による容器モジュールの縦断面図である。
【
図28】
図24による容器モジュールの分配器の一部の斜視図である。
【
図30】第3の例示的な実施形態の分配器の一部及び粉挽度を設定する手段の斜視図である。
【
図31】
図24による容器モジュールを下方から見た斜視図である。
【
図32】
図24による容器モジュールを下方から見た図である。
【
図33】第3の実施形態による粉挽度を設定する手段の一部の斜視図である。
【
図35】第4の実施形態による本発明による容器モジュールの反転位置での斜視図である。
【
図36a】連行部と接触している、
図35による第4の実施形態の粉挽度設定のための要素の一部の斜視図である。
【
図36b】連行部と接触する前の、
図36aによる要素の一部の斜視図である。
【
図37a】連行部と接触しているモジュール受け器と一緒に、
図36aによる要素の斜視図である。
【
図37b】連行部と接触する前のモジュール受け器と一緒に、
図36bによる要素の斜視図である。
【
図38a】連行部と接触している、
図37aによるモジュール受け器を有する要素を上方から見た図である。
【
図38b】連行部と接触する前の、
図37bによるモジュール受け器を有する要素を上方から見た図である。
【
図38c】連行部と接触する前の、
図36bによる要素を上方から見た図である。
【
図40a】計量チャンバが最小サイズにある、使い捨て又は再利用可能な豆容器を有する、
図35による容器モジュールの縦断面図である。
【
図40b】計量チャンバが最大サイズにある、使い捨て又は再利用可能な豆容器を有する、
図35による容器モジュールの縦断面図である。
【
図41a】下側回転ディスク21及び下側ハウジング部並びにアクティブな回転防止装置の斜視図である。
【
図41b】下側回転ディスク21及び下側ハウジング部並びに非アクティブ位置にある回転防止装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
まず、
図23による概略図を用いて本発明の基本概念について説明する。次に、
図1~
図22及び
図24~
図40を用いて本発明によるユニットの好ましい実施形態について説明する。
【0052】
図23では、コーヒー飲料を粉挽して淹出するためのコーヒーマシンの本発明によるユニットを符号Eで示す。ユニットEは、コーヒー豆容器1と、同容器に配置され、本実施形態では分配器2と呼ばれる計量装置と、を備える。これら2つのコンポーネントは、共通の容器モジュール1,2を形成する。ユニットの残りの部分は、モジュール受け器3、粉挽器4及び粉挽器4を作動させるための第1のモータ5を備える。実施形態に応じて、好ましくは、分配器2を作動させるための別個の第2のモータを有する駆動装置60、並びにユニットを制御し、コーヒーマシンの残りの部分RKに信号を送信するための制御システム9であって、特に、図示していない淹出ユニットの一部である制御システムも含む。
【0053】
容器モジュール1,2は、ユニットの残りの部分に配置し、そこから再び取り外すことができる。このことは、象徴的な分割線Aで示される。象徴的な分割線Bは、ユニットの残りの部分が、実際にはコーヒーマシンのコンポーネント部品であり、好ましくは同マシンのハウジングに一体化されるが、好ましくは、適切なインターフェースによって、既知のコーヒーマシンで使用できる独立したコンポーネントとして構成されることを示す。容器モジュールは、好ましくは、密閉することができ、したがって、まだ粉挽されていない豆を保管するのにも適している。
【0054】
容器モジュール1,2、好ましくは、豆容器1は、計量を設定するための設定具12を有する。この設定具12は、好ましくは手動で作動可能であり、分配器2に機械的に作用を及ぼす。しかし、他の解決策、例えば、電子的又は電気機械的な解決策も可能である。
【0055】
容器モジュール1,2、好ましくは、分配器2はさらに、粉挽器内の粉挽度変更手段42に作用を及ぼす粉挽度設定具23を有する。これら2つのコンポーネントも、電子的及び/又は機械的に有効化することができる。これら2つのコンポーネントは、好ましくは純粋に機械的な方法で作用を及ぼす。
【0056】
いくつかの実施形態では、識別マーキング24が、容器モジュール1,2に、ここでは分配器2に存在する。モジュール受け器3は、関連する読み取り装置33を有する。読み取り装置33は、例えばバーコードであり、対応するスキャナである。読み取り装置33は、好ましくは、粉挽器モータ5を制御し、存在する場合には分配器2の電気駆動装置60も制御する、ユニットの電子制御システム9に接続される。あるいは、マーキング24の代わりに又はそれに加えて、例えばRFIDタグなどの書き込み可能なデータメモリが、容器モジュール1,2に配置され、この書き込み可能なデータメモリは、粉挽度に関する情報を少なくとも含む。
【0057】
容器モジュール1,2は、好ましくは、粉挽度及び分配に関する基本情報を備え、この基本情報により、容器モジュール1,2の最初の使用に際して、すでに無難なコーヒーが淹れられるように、分配器2及び粉挽器4の設定を行うことが可能となる。この基本情報は、実施形態に応じて、最初の使用の前に又はその後にのみ、ユーザによって変更することができる。
【0058】
分配器2の設定により、適正量のコーヒー豆が提供されることになる。このことは、好ましくは、容器モジュール1,2がモジュール受け器3に配置され、コーヒーマシンのスイッチが入れられたときにのみ行われる。次に、駆動装置60は、すでに予め設定されている分配器2を作動させる。
【0059】
容器モジュール1,2をコーヒーマシンの残りの部分に接続すると、更なる情報Iを読み取って制御システム9に送信することもできる。
【0060】
容器モジュール1,2をコーヒーマシンの残りの部分に接続すると、容器モジュール1,2にて設定された所望の粉挽度は、さらに粉挽器4に伝達され、粉挽器はそれに応じて設定される。ここでも、粉挽度の選択及び粉挽器4の設定は、好ましくは、純粋に機械的な手段によって行われる。しかし、電子的又は電気機械的な手段を使用することもできる。
【0061】
粉挽が行われると、コーヒー粉末Mは、更なる処理のためにコーヒーマシンの残りの部分RKに送られる。容器モジュールは、次の調製に使用することができ、又は取り外して保管することができる。ここで、別の種類のコーヒー豆を有する第2の容器モジュール1,2をコーヒーマシンに接続することができ、更なる煩雑性なしに、また風味が前の種類のコーヒーの風味と混ざることなしに、別の種類のコーヒーを提供することができる。
【0062】
図1は、本発明によるユニット又は第1の実施形態による装置の特定の例の分解図を示す。
【0063】
複数の飲料分の分量のコーヒー豆を受容するためのコーヒー豆容器1は、蓋11によって上部をほぼ気密に閉鎖可能な中空円筒形の缶10を有する。缶10の部分的に開いているベースは、以下で説明する分配器2と連続しており、分配器は、缶10を、好ましくはその下面でほぼ気密に閉じている。実施形態に応じて、この缶は、蓋又は対応して設計された閉鎖手段によって気密に閉じられてもよい。したがって、コーヒー豆容器1及び分配器2によって形成されたユニットは、コーヒー豆の保管に適している。
【0064】
ハンドル要素110が、蓋11をより容易に持ち上げることができ、また、閉じることができるように蓋11に配置される。設定装置12は、好ましくは、本実施形態では設定リング12と呼ばれる設定ホイールである。設定リング12は、缶10に被せられ、缶10の全周にわたって延びる肩部102上に位置する。缶10は、本実施形態では缶出口103と呼ばれる出口開口を除いて、閉じているように構成された下側ベース101を有する。この缶出口103は、好ましくは、円のうちの扇形(セクター)の形状に構成される。ベース101は、好ましくは、少なくとも部分的に傾斜面として構成され、缶10の内部空間100にある全てのコーヒー豆が能動的な搬送手段なしで缶出口103にガイドされるように、缶出口103に向かって傾斜する。内部空間100、ベース101、及び缶出口103は、例えば、
図6、
図7及び
図16a~
図18bから容易に分かる。可撓性の、好ましくは軟質の方向転換リップ13が、ベース101の缶出口103の周縁部に配置される。この方向転換リップ13は、
図1では、まだ装着されていないコンポーネントとして示されている。詰まったコーヒー豆が方向転換でき、動かなくなるほど詰まったり、砕けたりしないようになる十分な自由空間が、方向転換リップ13の後方にある。
【0065】
本実施形態では分配器2と呼ばれる計量ユニットは、コーヒー豆容器1の下方に配置される。この計量ユニットにより、正確に計量された量の粉挽されていないコーヒー豆を、下流に配置された粉挽器4に供給することが可能となる。計量される量は、好ましくは、1回の飲料の分量に、すなわち、1杯のコーヒーを淹れるための粉挽されたコーヒー粉末に必要な豆の量に対応する。本実施形態における分配器2は、コーヒーの種類に応じて、及び/又はコーヒーを飲む人の好みに応じて、計量される量を変更するように設定することができる。
【0066】
分配器2は、この例では、回転運動によって設定できる計量チャンバによって構成される。分配器2は、本質的に閉じた環状ケーシングを有する上側回転ディスク20を有する。上側回転ディスク20は、通過開口として構成された第1のセクター部を除いて、上向きの閉じた平坦なカバー面を有する。この第1のセクター部は、上側チャンバ部200を形成する。
【0067】
分配器2は、下向きの平坦なベース面を有する下側回転ディスク21をさらに有し、これもまた、第2のセクター部を除いて、閉じているように構成される。下側回転ディスク21の第2のセクター部は、下側チャンバ部210を形成する。下側回転ディスク21は、上側回転ディスク20のための受け部を形成する。このため、上側回転ディスク20は、この上側回転ディスク20を下側回転ディスク21に被せることができるように、第1のセクター部の領域に受けスロット201を有する。下側回転ディスク21は、上向きのばねホルダ211を有し、これは、スリーブ形状に構成され、好ましくは上側回転ディスク20の下向きの内面に対して支持されるばねを備える。上側回転ディスク20は、好ましくは、ばねの端部のための対応する固定受け部及び/又は例えばばねホルダ211にガイド方式で接続するための、ピン又はスリーブなどの対応するガイド手段202を有する。ばね用の受け部の役目を同時に果たすこの種のガイド手段202は、
図6及び
図7から分かる。
【0068】
したがって、上側及び下側回転ディスク20,21は、回動に関して固定されて互いに接続され、これらのディスク20,21の距離は、ガイド方式で変更可能である。ガイドは、ばねホルダ211及びガイド手段202によって行われる。戻し力が、内部に保持されたばねによって確保される。
図2では、2つの回転ディスク20,21を組み立てた状態で示す。また、設定リング12は、この
図2では、直ぐに使える位置で缶10に保持される。
【0069】
2つの回転ディスク20,21は、分配器2のベース22に配置され、このベース22は、
図1から容易に分かる。この例のベースもまた、円形となるように構成される。ベースは、半径方向に突出する係止カム220を有する下側ベースリングと、ベースリングよりも小さな直径を有する上側ねじ山付きリングと、を有する。ベース22のねじ山付きリングには、雄ねじ山221が設けられる。ベース22のベースリングは、チャンバ出口224を除いて、下部に向かって閉じているように構成される。ベース22は、上部に向かって開いているように構成されており、このベース22は、チャンバ出口を除いて、平坦な面228を形成する上向きのベースエリアを有する。この面228は、計量チャンバの下端、すなわちそのベースを形成する。2つの回転ディスク20,21は、これらの回転ディスク20,21の位置に応じて、2つのチャンバ部200,210と缶出口103又はチャンバ出口224との間に接続が提供されるように、分配器2のベース22に対して一緒に回転させることができる。
【0070】
粉挽度設定具23は、
図1にも見られるように、分配器2のベース22の外向きの下面に配置される。この粉挽度設定具23は、回転リング230を有し、回転リングは、同リングから同一平面で半径方向に突出するアーム232を有する。アーム232には、移動プレート233を移動可能に保持する窓236が存在する。移動プレート233は、一方の端面が歯235を有し、反対の端面が圧縮ばね234上に位置する(
図10を参照)。取り付けディスク237が回転リング230の下側に存在し、この取り付けディスク237は、全周にわたって分配された貫通取り付け穴238、ここではまさに3つの穴と、中央の第1の駆動軸通過開口239とを有する。
【0071】
ここで言及した要素、すなわち、コーヒー豆容器1と、粉挽度設定具23も備える分配器2とは、一緒に容器モジュール1,2を形成する。この容器モジュール1,2は、
図1にも示すモジュール受け器3に取り付けることができる。
【0072】
モジュール受け器3は、円筒形となるように構成され、上方に開口するトレイを形成する受け器本体30を有する。モジュール受け器3の全周にわたって延びるケーシングは、バヨネットクロージャ300を有する。環状の設定ディスク31が配置される中央穴が、モジュール受け器のベースにある。環状の設定ディスク31は、
図9から容易に分かるように、傘歯車駆動装置の傘歯車312を有する。歯は、
図9に示されていない。しかし、傘歯車駆動装置の歯列は、
図21から容易に分かる。
図9及び
図10からも分かるが、
図1からも分かるように、上向きの連行部310が設定ディスク31に配置される。中央の第2の駆動軸通過開口320と、取り付けディスク237の取り付け穴238に整列する貫通穴321と、を有する固定ディスク32(
図1を参照)が、設定ディスク31の空いた中央に配置される。モジュール受け器3のベースは、前述した開口及び偏心して配置された豆通過開口311を除いて、好ましくは、閉じているように構成される(
図3を参照)。
【0073】
モジュール受け器3は、好ましくは、粉挽器4に固定されて接続される。モジュール受け器3及び粉挽器4は、好ましくは、コーヒーマシンのコンポーネント部品である。コーヒーマシンは、完全自動式であってもよい。このコーヒーマシンは、例えば、喫茶店又はレストランでの業務用、又は個人的な家庭用のマシンとすることができる。しかし、コーヒーマシンはまた、家庭用の比較的簡単な構造の半自動式マシン又は電気マシンであってもよい。
【0074】
マシンは、完全には示されていない。図示していない部品は、この種のコーヒーマシンの通常知られているコンポーネントである。この種のコーヒーマシンのハウジングのベースプレート7のみを、ここでは示す。ベースプレート7は、コーヒーマシンの表面を形成することができ、又はマシンのハウジングに引っ込むように配置することができる。モジュール受け器3は、対応するねじ又は他の既知の取り付け手段によってこのベースプレート7に取り付けられる。粉挽器4もまた、ベースプレート7に固定される。これは、
図1から容易に分かる。他の実施形態では、モジュール受け器3の部品は、ベースプレートの上方に配置され、他の部品は、下方、すなわち、コーヒーマシンのハウジング内に配置される。特に、設定ディスク31は、粉挽器4のための調節ホイールとも呼ばれ、ハウジング内に配置することができる。
【0075】
粉挽器4については、本文において以下でより詳細に説明する。この粉挽器4は、
図1から分かるように、豆入口41と、ここではユニオンナット42の形態である、粉挽器のための変更手段と、を有する。後述する垂直に整列した粉挽ディスク430,440が、このユニオンナット42内に配置される。粉挽器4は、第1のモータ、すなわち粉挽器モータ5に接続される。粉挽器モータは、好ましくは電気モータである。
【0076】
ベースプレート7を通って上向きに突出し、組み立て状態ではモジュール受け器3の第2の駆動軸通過開口320を通って突出する駆動軸6が、
図1からもまた分かる。この駆動軸6は、容器モジュール1,2が定位置にある場合に、第1の駆動軸通過開口239及び分配器2のベース22の第3の駆動軸通過開口222を貫通し、下側回転ディスク21の第1の駆動軸収容部212に回動に関して固定されて収容される(
図6、
図16b及び
図17bを参照)。駆動軸収容部212は、好ましくはジョークラッチとして構成される。
【0077】
容器モジュール1,2をモジュール受け器3にどのように配置することができ、ひいては、コーヒーマシンの粉挽器4にどのように接続することができるかが
図3から容易に分かる。
【0078】
図4~
図8を用いて、計量の設定がどのように行われるかを示すことができる。下側回転ディスク21からの上側回転ディスク20の距離は、分配器2のベース22のねじ山221に沿って、設定リング12を手動で回転させることによって選択することができる。ユーザが自身によって選択された位置又は潜在的に選択される位置に関する目安を得るために、目盛りが、缶10のケーシングに、好ましくは回転リング12の上方に存在し、又は他のマークがそれに付けられる。このマークは、図に示されていない。
【0079】
最大容積を有する計量チャンバが、
図4及び
図6による回転リング12の位置に示される。
図6から容易に分かるように、上側チャンバ部200と下側チャンバ部210とは、上下に重なっており、互いにほとんど係合していない。
【0080】
回転リング12は、
図5及び
図7では下向きに回転させられ、したがって、この回転リング12は、缶10も連行する。缶10は、本実施形態では、ベース22に対して回転しないように固定されているので、一緒に回転させられない。さらに、回転リング12は、肩部102上に位置し、肩部に対して回転可能である。缶10は、本実施形態では、上側回転ディスク20を下側回転ディスク21に対して押し下げる。上側チャンバ部200は、下側チャンバ部210に押し込まれる。したがって、
図7から容易に分かるように、計量チャンバ全体のサイズが減じられ、最小限に抑えられる。したがって、設定リング12の動きは、2つの回転ディスク20,21の相対的な軸方向相互位置を変更するだけである。しかし、回転ディスク20,21は回転させられない。回転リング12ひいては選択された計量設定は、既知の手段によって、例えば、ばね及びボール又はボールヘッド圧縮片などによって、それぞれの位置に保持することができる。
【0081】
この例示的な実施形態では、計量チャンバ200,210のサイズを変更することにより、5~20gの範囲、好ましくは7~15gの範囲での豆の計量を実現することができる。他の寸法又は他の形状のチャンバ部を選択することによって、他の範囲も実現することができる。
【0082】
容器モジュール1,2は、
図8では、蓋11なしで上方から見て示されている。上側チャンバ部200を形成する扇形の切欠きを有する上側回転ディスク20が容易に分かる。
【0083】
計量される量の設定ひいては選択は、好ましくは設定リング12を回転させることによって手動で行われる。したがって、計量チャンバのサイズが変更される。
【0084】
計量、すなわち次の粉挽及び次のコーヒーの調製のための豆の所望の量の測定もまた、簡単な実施形態では手動で行われ、チャンバ200,210が、缶10からの豆で充填されるように最初に充填位置に回転させられ、次に空位置に回転させられ、したがって粉挽器4の豆入口41の上方の開放位置に回転させられる。
【0085】
しかし、計量は、好ましくは、コーヒーマシンがコーヒー1杯分の分量を淹れるように作動するときに、自動的に行われる。このために、分配器2は、好ましくは電気的に駆動される。このために、駆動軸6は、好ましくは、
図23に示す第2のモータすなわち駆動装置60に接続される。第2のモータは、好ましくはコーヒーマシンのハウジング内に配置され、マシンの電子制御システムによって作動する。したがって、コーヒーを淹れる場合、この駆動軸6が最初に作動する。この駆動軸6が下側回転ディスク21に回動に関して固定されて接続されるので、回転するこの駆動軸6は、下側回転ディスク21及び上側回転ディスク20、また計量チャンバ200,210を連行する。チャンバ200,210は、まず、コーヒー豆が傾斜面101を横切ってスライドしてチャンバ200,210に入り、チャンバ200,210が一杯になるまで、これらのチャンバ200,210が缶10の内部空間100に対して開いた位置に移動される。計量は、本実施形態では、予め設定されたサイズのチャンバ200,210によって行われる。このために、センサ又は他の測定手段は必要とされない。次に、チャンバ200,210が充填された上側回転ディスク20及び下側回転ディスク21は、下部に向かって開いたチャンバ200,210が、分配器2のベース22のチャンバ出口224の上方に来るまで回転させられる。ここで、コーヒー豆は、チャンバ200,210からスライドして豆入口41を通って粉挽器4に入る。粉挽器4は、すでにこれ以前に、この時点でのみ又はこの直後に、コーヒーマシンの電子制御システムに応じて作動する。
【0086】
以下では、
図13~
図15を用いて粉挽器4について説明する。この粉挽器4は、この例では弧状の送り込みダクト410の形態で連続する、すでに言及した豆入口41を有する。このコンポーネントは、固定ディスクフランジ43に取り付けるための取り付け穴400を有するフランジ411を有し、この取り付け穴400は、
図13に示される。搬送ロータ441を受け入れて装着するための対向軸受40が、好ましくは一体型コンポーネントの反対側に構成される。搬送ロータ441は、その反対側の端部で接続ナット50によって粉挽器モータ5の駆動シャフトに接続される。
【0087】
固定粉挽ディスク430は、回動に関して固定されて固定ディスクフランジ43に保持される。固定ディスクフランジ43は、以下で説明する粉挽器4の残りのコンポーネントと同じように、搬送ロータ441が貫通する中央通過開口432を有する。固定ディスクフランジ43は、ユニオンナット42のバヨネットクロージャの第1の溝420に係合する、半径方向に突出するカム431を有する。バヨネットクロージャの第1の溝420は、ユニオンナット42の軸方向断面に対して、傾斜した平面にあり、すなわち、搬送ロータ441に対して傾いている。したがって、固定ディスクフランジ43は、ユニオンナット42の回転に際して、固定粉挽ディスク430と一緒に軸方向に移動するが、この固定ディスクフランジ43及びこの固定粉挽ディスク430は、回転させられない。豆入口41もまた固定ディスクフランジ43にしっかりと接続されているので、豆入口41も、固定ディスクフランジ43と一緒に軸方向に移動する。ユニオンナット42のこの回転は、
図9及び
図10を用いてすでに説明したように、容器モジュール1,2をモジュール受け器に配置して固定するときに生じる。これは、それによって、設定ディスク31が、所定の位置に回転され、ユニオンナット42を駆動するためである。
【0088】
図13及び
図14から分かるように、回動に関して固定されて駆動ディスクフランジ44に保持される回転する駆動粉挽ディスク440が、固定粉挽ディスク430に続く。駆動ディスクフランジ44は、搬送ロータ441に固定されて接続されるか、又は、ここで示すように搬送ロータ441と一緒に一体型コンポーネントとして構成される。
【0089】
駆動ディスクフランジ44は、粉挽器ハウジング45内で回転可能となるように保持される。粉挽器ハウジング45は、下向きの通過開口450と、半径方向外向きに突出するカム451とを有する。カム451は、粉挽器ハウジング45がユニオンナット42内に保持されるように、ユニオンナット42の第2の溝421に係合し、この粉挽器ハウジング45は、このユニオンナット42に対して回転可能である。第2の溝421は、その中に保持された駆動ディスクフランジ44及び駆動粉挽ディスク440が、回転中に軸方向に移動しないように、搬送ロータ441と垂直な平面に延びる。
【0090】
粉挽器4の粉挽器ハウジング45は、堅固に配置され、取り付け穴452によってベースプレート7に間接的又は直接的に接続される。粉挽器ハウジング45は、コーヒーマシンの淹出ユニット(ここでは示していない)につながる下向きのコーヒー粉末出口450を有する。
【0091】
好ましくはつる巻ばねの形態の搬送ばね47が、好ましくは対向軸受40と駆動ディスクフランジ44との間に配置される。特につる巻きばねとして構成される形態の搬送ばね47は、粉挽器4内でコーヒー豆を搬送するのに役立つ。代わりに又は加えて、搬送ロータ441は、粉挽器4内でコーヒー豆を搬送するように搬送ウォームと共に構成することができる。
【0092】
なお、
図15から容易に分かるように、搬送ロータ441及び好ましくは搬送ばね47も弧状の送り込みダクト410内に真っ直ぐに延びる。したがって、コーヒー豆は、入口ですでに粉挽器4に最適に搬送される。搬送ばね47は、好ましくは、搬送ロータ441に回動防止されて接続され、例えば、フックによって又は別の機械的な方法で搬送ロータ441に取り付けられる。
【0093】
ここで、粉挽器4は、粉挽器設定具とも呼ばれる粉挽度設定具23によって、所望の粉挽度に設定することができる。このことについて、
図9~
図12を用いて以下で説明する。
【0094】
図11及び
図12は、容器モジュール1,2を下方から示す。外周の領域に偏心しているチャンバ出口224が容易に分かる。他については、ベースは、既述の第1の駆動軸通過開口239を除いて、閉じているように構成される。製造技術上の理由から、このベースには、ここではウェブ及びリブが設けられる。ベースの下面の他の設計実施形態が可能である。ここでは
図9及び
図10による図示とは反対側から示されているが、アーム232も同様に、容易に分かる。こちらの面では引っ込んで配置された移動プレート233もまた、窓236を通して見ることができる。
【0095】
この下面は、上述の移動プレート233及び歯付きリムセグメント225を備える戻り止め係止パターンを有する。移動プレート233の歯235は、この歯付きリムセグメント225に係合させることができる。このために、移動プレート233は、歯235が歯列から解放されるように、圧縮ばね234のばね力に抗して装置の長手方向中心軸線に向かって手動で後方に押される。次に、移動プレート233は、回転リング230と一緒に長手方向中心軸線を中心として回動させられ、移動プレート233は、ユーザによって解放され、歯235は、所望の位置で歯付きリムセグメント225と再び係合させられる。歯235の個別の回転位置は、本文中の以下で説明するように、装置が組み立てられた場合に粉挽器4の粉挽ディスク430,440の異なる位置を生じさせる。対応する粉挽ディスクの設定を識別するために、対応するマーキングが、好ましくは歯付きリムセグメント225に沿って付けられる。このマーキングは、ここでは示されていない。
【0096】
モジュール受け器3の設定ディスク31の連行部310を受けるための連行溝226が、歯付きリムセグメント225の一端に、ここでは上端にある。
【0097】
移動プレート233の作動ひいては歯付きリムセグメント225に沿った設定は、ユーザが自身の指の1本を窓236を通して移動プレート233に押し当てて、移動プレートをわずかに押し下げ、長手方向中心軸線に向けて後方に移動させることによって行われる。歯235の所望の回転位置に達すると、ユーザは自身の指を引き離して、移動プレート233を再び解放し、これにより、歯235が所望の位置に係止することができる。
【0098】
容器モジュールを取り付けたときに、粉挽ディスク430,440が最大相互距離にあり、したがって粗粒のコーヒー粉末が得られる位置を
図11に示す。容器モジュールを取り付けたときに、粉挽ディスク430,440が最小相互距離にあり、したがって細粒のコーヒー粉末が得られる位置を
図12に示す。歯付きリムセグメント225の多数の歯によって分かるように、複数の中間位置が可能であり、したがって、非常に細かい段階の粉挽度を実現することができる。粉挽ディスク430,440の間の距離は、好ましくは100μm~800μm、好ましくは約250μm~約600μm、より好ましくは約200μm~約600μmの範囲で変更することができる。
【0099】
ここで、
図9及び
図10からは、歯235の個別の回転位置が粉挽器4にどのような影響を及ぼすかが分かる。これは、容器モジュール1,2がモジュール受け器3に配置されるときに、好ましくはモジュール受け器3のバヨネットクロージャ300及び分配器2の関連する係止カム220によって行われる。したがって、粉挽度設定具23は、設定ディスク31上に位置することになる。バヨネットクロージャ接続を提供するために、容器モジュール1,2は、
図17aと
図18aとを比べると分かるように、モジュール受け器3内で、好ましくは90°だけ回転させられる。容器モジュール1,2の回転によって、回転リング230もそのアーム232と一緒に回転させられる。アーム232が連行部310に当たると直ぐに、設定ディスク31もまた、具体的にはアーム232の設定によって予め規定された回転位置まで一緒に回転させられる。
【0100】
したがって、設定ディスク31の第1の傘歯車312もまた回転させられ、ユニオンナット42の第2の傘歯車422に沿って周転する。ユニオンナット42は、周転動作により、特に傘歯車歯列により回転される。
【0101】
ユニオンナット42の回転は、固定ディスクフランジ43を、固定粉挽ディスク430と一緒に、駆動粉挽ディスク440の方向に軸方向に移動させる。固定ディスクフランジ43と駆動ディスクフランジ44との距離が小さくなる。この距離は、ここでは第1の距離80と呼ばれ、
図16b、
図17b及び
図18bから分かる。したがって、固定粉挽ディスク430と駆動粉挽ディスク440との第2の距離81もまた小さくなる。
【0102】
搬送ロータ441は、対向軸受40内で軸方向に移動可能となるように保持されるので、搬送ロータ441は移動しない。
【0103】
連行部310がアーム232によって連行され得る経路が長くなるほど、ユニオンナット42が長く回転することができ、ユニオンナット42は、固定ディスクフランジ43を駆動ディスクフランジ44に向かって軸方向に大きく移動させることができる。したがって、2つの粉挽ディスク430,440の距離が小さいほど、細かい粉挽度が設定される。
図11による設定では、連行部の経路は比較的短く、この経路は、
図12による設定では比較的長い。
【0104】
この実施形態では、非常にコンパクトな構造態様によって、固定ディスクフランジ43と一緒の豆入口41の移動が存在する。他の実施形態では、この種の移動を回避することができる。豆入口41が軸方向に移動する場合、この豆入口41は、好ましくは、この豆入口41が、全ての移動位置において豆出口224のサイズに対応するサイズの受容開口を形成するような十分なサイズで構成される。
【0105】
粉挽ディスク430,440は、好ましくは、容器モジュールが取り外されると、初期設定に移動させられる。粉挽ディスク430,440は、この初期設定では、最大相互距離にある。粉挽ディスク430,440の初期設定は、例えば、容器モジュール1,2が取り外され、したがって、ユニオンナット42が設定ディスク31から解放されると直ぐに、戻しばねによって実現することができる。初期設定は、リセットモータ又は他の手段によって実現することもできる。粉挽ディスク430,440は、容器モジュールが再び取り付けられると、所望の相互距離に戻すことができる。
【0106】
駆動スピンドルひいては粉挽器は、好ましくは、粉挽プロセスが終了すると全てのコーヒー粉末を粉挽器4から送り出すように、所定の時間を越えて動作し続ける。この動作は、同じ回転速度又は異なる回転速度で行うことができる。
【0107】
図16a~
図18bの比較は、容器モジュール1,2を差し込む前(
図16a、
図16b)と、それらを回転前の位置に配置した直後(
図17a及び
図17b)と、粉挽ディスク430及び440が所望の相互距離となるように容器モジュール1,2の回転が行われ、分配器2のチャンバ200,210もすでに粉挽器4の豆入口41の上方にあるように、駆動軸6の作動が行われたとき(
図18a及び
図18b)との個々のコンポーネント及びその要素の個別の位置を示す。
【0108】
淹出プロセスが終了すると、容器モジュール1,2を、再び容易に取り外し、閉じ、次の使用のために、例えば冷蔵庫に保管することができる。計量及び粉挽度に関する設定は、変更せずに維持することができ、又は必要に応じて変更することができる。同一の構造であるが、別の種類のコーヒー豆が充填される、及び/又は、計量に関する別の設定及び/又は粉挽度に関する別の設定を有する、第2又は第3の容器モジュールを、次にモジュール受け器に接続することができ、ユーザによる更なる設定なしに適切な計量及び適切な粉挽度で、前のコーヒーによって香りが損なわれることなく、別の種類のコーヒーを直ぐに淹れることができる。
【0109】
本発明の第2の実施形態を
図19~
図22に示す。この実施形態は、第1の実施形態と実質的に同一となるように設計される。しかし、粉挽度の設定は、ここでは容器モジュール1,2の側方で行われる。
図21から分かるように、第1の傘歯車312及び第2の傘歯車422を有する傘歯車駆動装置が再び存在する。回転リング230及びこの回転リング230において半径方向に突出するアーム232も存在する。角度要素233’が、アーム232にばね支持されるように配置され、角度要素233’は、上方に向けられて、容器モジュール1,2の外周に位置する脚部233’’を有する。これは、
図19及び
図22から容易に分かる。歯付きリムセグメント225と係合させることができる湾曲したラック235’が、角度要素233’に配置される。したがって、このラック235’は、第1の例の歯235に取って代わる。設定ディスク31の動きは予め決定されており、したがって、粉挽度は、ここでもそれによって設定される。設定ディスク31は、この例では、正反対にある2つの連行部310,310’を有する。しかし、ここでは1つの連行部のみを使用することもでき、又は、第1の例で2つの連行部が存在することができる。
図22から容易に分かるように、こうして、粉挽度を設定することができ、角度要素233’の脚部233’’が外側から半径方向内向きに押され、回転リング230を有するアーム232、角度要素23’’が特定の角度で移動することで、粉挽器の設定を定義することができる。マーキング又は目盛りが、好ましくは、脚部233’’に隣接するように容器モジュール1,2の周囲に配置される。
【0110】
本発明による装置のさらに好ましい実施形態を
図24~
図33に示す。設定と、分配器及び粉挽器への設定の伝達とは、この例では再び純粋に機械的な方法で行われる。しかし、分配器若しくは粉挽器のみを機械的に設定すること、又は、一方の設定を機械的に伝達し、他方の設定若しくは伝達を電子的に若しくはデータ転送によって行うことも可能である。装置は上記の説明と実質的に同一となるように構成されるので、上記の開示は、以下で説明されるか又は図に見ることができる相違点が存在しない限り、この例示的な実施形態にもあてはまる。
【0111】
図24による容器モジュールは、まだ粉挽されていないコーヒー豆を受容するための缶10と、缶10を好ましくは気密に閉じる蓋11と、を有するコーヒー豆容器1を有する。
蓋11は、この例では、半径方向に突出する押しボタン要素111を有する。分配器2及び粉挽度設定具23はそれぞれ、好ましくは缶10に固定されて接続された中央ハウジング部14の内又は上に配置される。このハウジング部14は、好ましくはこの缶10に螺合される。中央ハウジング部14は、好ましくは缶10よりも小さな外径を有する。この中央ハウジング部14は、下側設定リング25及び上側設定リング12によって囲まれる。下側ハウジング部15は、下方から中央ハウジング部14に固定されて接続される。この下側ハウジング部15は、好ましくは中央ハウジング部14に螺合される。実施形態に応じて、接続は、解除可能及び再構築可能であり、又は非破壊的な方法で分離不能である。
【0112】
容器モジュール1,2は、実質的に円筒状になるように構成され、好ましくは高さ全体にわたって一定の外径を有する。蓋11のみが、実施形態に応じて異なる外径を有する。
【0113】
粉挽されるべき分量は、上側設定リング12によって選択することができ、粉挽度は、下側設定リング25によって選択することができる。上側設定リング12は、好ましくはその高さが変化しないが、下側設定リング25は、好ましくは、実施形態に応じて、下側設定リング25が回転可能となる前に、持ち上げられたり、引き下げられたりする必要がある。下側設定リング25と上側設定リング12との間に配置された少なくとも1つの板ばね27が、下側設定リング25が使用されていないときにその下側位置に戻ることを確実にする。板ばね27は、好ましくは下側設定リング25と下側ハウジング部15の半径方向に突出する周縁部との間に挟まれている。これは、
図26から分かる。
【0114】
容器モジュール1,2は、コーヒー装置のモジュール受け器3に再び取り付けることができる。これは、
図25に示される。係止カム220は、この例では、
図31及び
図32から容易に分かるように、半径方向内側に向けられる。粉挽器4及び粉挽器モータ5については、
図25に示されており、再び詳細に説明しない。しかし、送り込みダクト410は、この実施形態では、容器モジュールの長手方向中心軸線から外向きに通じており、粉挽器4は、対応して、この長手方向中心軸線Lに隣接しては配置されず、容器モジュール1,2の周縁部となるように配置される。粉挽器モータ5は、これに対応して反対側に配置される。粉挽器設定具と粉挽器4との間の機械的結合31,42もまた、容器モジュールの周縁部で生じる。この配置により、既存のコーヒー装置への適応が容易になる。
【0115】
分配器2も、この例では、
図25に示すように、駆動軸6によって、例えば電気モータなどの駆動装置に接続される。関連する第1の駆動軸収容部212及び第3の駆動軸収容部222が、
図26及び
図27に示される。計量チャンバ200,210のサイズは、計量チャンバ200,210のこのサイズが容器モジュールの前の使用によって所望のサイズにまだ設定されていない場合に、この例でも上側設定リング12によって選択される。容器モジュール1,2がコーヒー装置に配置され、コーヒー装置が作動すると、駆動装置60は、充填された計量チャンバ200,210をチャンバ出口224へと回転させ、粉挽される分量の豆を送り込みダクト410を通して粉挽器4へと解放する。
【0116】
計量チャンバ200,210は、上側回転ディスク20及び下側回転ディスク21によって再び形成され、これらのディスク20,21は、軸方向で相互に移動可能である。同様に下側回転ディスク21に対して軸方向に移動可能である上側計量部26が、上側回転ディスク20の上方に配置される。上側計量部26と上側回転ディスク20とは、上側チャンバ部を一緒に形成し、下側回転ディスク21は、下側チャンバ部を形成する。上側計量部26の構成に応じて、この上側計量部26は、実際に下側回転ディスク21と一緒に軸方向に移動可能であるが、上側計量チャンバ200の容積には関与しない。計量部26の構成に応じて、この計量部26は、上側チャンバ部の一部ではないが、上側回転ディスク20を軸方向に移動させるように軸方向に移動することができる。
【0117】
中央ハウジング部14の下側領域は、好ましくは、分配器のベースを形成し、したがって、計量チャンバの回転位置に応じて、このチャンバを下部に向かって閉じている上向きの平坦な面228を形成する。チャンバ出口224は、中央ハウジング部14及び下側ハウジング部15を通って下向きに通じる。他の実施形態では、分配器のベースは、下側ハウジング部15又は別のコンポーネントによって形成される。
【0118】
計量チャンバ200,210のサイズを変更するために、設定リング12を缶10に対して回転させることができる。上側計量部26は、好ましくは缶10の下端、すなわち缶10の可動ベース262を形成する。方向転換リップ13は、好ましくは再び可動ベース262に配置される。上側計量部26は、好ましくは中央ハウジング部14に配置される。
【0119】
上側計量部26はその周面に、設定リング12の雌ねじ山121(
図26)に係合する外向きに突出する雄ねじ山部分260(
図30)を有する。これらの雄ねじ山部分260は、本実施形態では中央ハウジング部14の窓140を貫通する。上側設定リング12がこの窓140に沿って回転すると、上側計量部26は、下向き又は上向きに押され、上側回転ディスク20もまた、下向き又は上向きに移動させられ、下側回転ディスク21からの距離及び計量チャンバ200,210のサイズが変更される。
【0120】
さらに、計量部26の周面には、隙間又は窪み261がある。この隙間又は窪み261は、缶10を中央ハウジング部14に接続するねじ頭(ここでは示さず)のための空隙を可能にする。充填された計量チャンバ200,210は、動作中、駆動装置6によって上側チャンバ部20及び下側チャンバ部21を回転させることによって、粉挽器4に供給して空にすることができる。上側計量部26は、本実施形態では好ましくは一緒に回転させられない。
【0121】
容器モジュールがコーヒー装置から取り外されるときに、選択された計量を意図せずに調節できないようにするために、設定リング12は、好ましくは固定される。この実施形態では、このために、設定リング12は、
図28から容易に分かるように、この設定リング12の上端面に円形の穴又は凹み120を有する。凹み120は、ここで示すように、全周にわたって分配されるように配置することができ、又は全周の一部分にのみあることができる。設定リング12が回転させられるときに持ち上げられ、静止位置ではばね支持されて凹み120の1つに下ろされ、したがって、設定リング12をその回転位置に固定する、少なくとも1つのばね装着ボール16が、缶10の下端面に設けられる。これは、
図28及び
図26から分かり、ボール16は、参照符号を示すことによってのみ示される。この種のボール16が、好ましくは複数存在する。
【0122】
この実施形態には、計量される量が設定されるときに、缶10又は分配器2が一緒に回転させられなくてもよいという利点がある。粉挽されるコーヒー豆の量を選択するために、設定リング12のみが回転させられる。さらに、戻しばねひいてはばねホルダ211を省略することができる。したがって、工場での組み立てが簡素化され、製造及び材料のコストが最小限に抑えられる。さらに、上側設定リング12を缶10のケーシング面と整列するように構成できることも有利である。
【0123】
ここで、粉挽度の設定もまた、回転リングによって、具体的には下側設定リング25によって行われる。粉挽器へのこの設定の伝達は、好ましくは、これまでと同様に、設定ディスク31によって純粋に機械的な方法で、ユニオンナット42の第2の傘歯車422に対してひいては粉挽器4に対して行われる(
図25を参照)。設定ディスク31は、連行部310を再び有し、この連行部310に回転リング230のアーム232が衝突する。回転リング230は、
図31~
図34から容易に分かる。
【0124】
この例では、設定ディスク31は、コーヒーマシンのハウジングのベースプレート7内に配置される。このために、ベースプレート7は、連行部310のための通過開口70を有する。
【0125】
粉挽度の設定は、上述の例示的な実施形態とは対照的に、下側設定リング25と回転リング230との間に配置された歯車装置を有する。回転可能な下側設定リング25は、下側設定リング25を回転させると、外歯列251を有する歯車に沿って周転する下側内部歯車装置250を有する。より小さな外径を有する更なる外歯列252が、外歯列251に同心ではあるものの、外歯列251に対して同軸にオフセットされて固定されて接続されている。この更なる外歯列252は、回転リング230の内歯列253上で周転し、下側設定リング25の回転に応じて設定リング230を回転させ、したがって回転リング230のアーム232の位置を決定する。したがって、連行部310の可能な経路が決定され、それによって、粉挽器4の設定が決定される。内歯列253は、好ましくは、回転リング230のベースエリアから軸方向に突出するセグメントに配置される。回転リング230も、好ましくはセグメントとして構成される。
【0126】
容器モジュール1,2をコーヒー装置から取り外し、次いで容器モジュール1,2を保管している間に、選択された粉挽度の設定を意図せずに変更できないようにするために、下側ハウジング部15はその上端面に、下側設定リング25の下端面における対応するように合致する形状部と係合する歯列150を有する。これは、
図30に示されている。したがって、下側回転リング25は、回転させるために持ち上げられる必要がある。次に、少なくとも1つの板ばね27は、戻し動作を保証する。
【0127】
下側設定リング25はその内周に、好ましくは、設定リング25が回転されるときに、ユーザが粉挽度の設定を行っていることを確信するような触覚及び/又は音響信号をユーザに与える、部分的な又は全周にわたって延びる係止パターン255を有する。
【0128】
この実施形態は、控え目で古典的な外観を可能とし、表面と整列した2つの設定リング12,25によって視覚的に魅力的である。外部から容易にアクセスできる2つの設定リング12,25を使用することで、容器モジュール1,2の安全で簡単な取り扱いが可能となる。
【0129】
本発明による更なる例示的な実施形態を
図35~
図45に示す。構造は、第3の例示的な実施形態による変形例に実質的に対応する。計量器での設定又は分配器2での設定及び粉挽度を選択するようにコーヒー豆容器並びに中央ハウジング部14及び下側ハウジング部15に対して回転できる2つの設定リング12,25は、ここでも存在する。ここで、設定リング12,25は、握りやすいリブ付き周縁部122,256及びマーキングを有する。位置が固定された基準マーキングは、中央ハウジング部14の介在領域141に認められる。
【0130】
前の例とは対照的に、コーヒー豆容器1のベースは、開いているように構成される。このベースは、中央ハウジング部14の雌ねじ山に係合する雄ねじ山104を有する。これは、
図40から容易に分かる。分配器2は、中央ハウジング部14に配置され、粉挽度設定具23は、下側ハウジング部15に配置される。中央ハウジング部14及び下側ハウジング部15は、好ましくは互いに固定されて接続される。しかし、他の実施形態では、この中央ハウジング部14及びこの下側ハウジング部15は、特に簡単な清掃のために、非破壊的な方法で解除可能となるように互いに接続される。接続は、例えばプラグ接続とすることができる。
【0131】
コーヒー豆容器1は、この例示的な実施形態では円筒形となるように構成される。蓋は存在しない。使用中に上方に向けられるコーヒー豆容器1の端部は、
図40から分かるように、閉じているように構成される。使用されていないコーヒー豆容器1は、中央ハウジング部14から分離され、気密蓋によって閉じることができる。したがって、現在使用されていないコーヒー豆を最適に保管することができる。こうして、さらに、中央ハウジング部14及び下側ハウジング部15もより容易に清掃することができる。さらに、したがって、コーヒー豆容器1は、使い捨て部品として構成することができる。分配器及び粉挽度設定具を一緒に形成する中央ハウジング部14及び下側ハウジング部15は、複数回使用することができる。他の実施形態では、コーヒー豆容器は、上端にも開口を有し、この開口は、蓋によって気密に閉じることができる。
【0132】
それ以外では、分配器2は、
図24~
図30による例示的な実施形態と実質的に同一となるように構成される。同じ部品には、ここでも同じ参照符号が付される。上側計量部26、上側回転ディスク20、及び下側回転ディスク21は、
図45から容易に分かる。前の例とは対照的に、上側計量部26は、補強リブ263を有する。さらに、コーヒー豆容器1の缶10が中央ハウジング部14に螺合されるので、窪みは存在しない。機能態様は、前の例と同じである。なお、チャンバ200のベースは、前の例と同じように、開いているように構成され、上部に向かって開いて、円のほぼ4分の3に及ぶ下側回転ディスク21の本体は、好ましくは下部に向かって閉じているように構成されることに留意されたい。上側計量部26はまた、ベース262を除いて、下部に向かって開いているように構成され、すなわち、計量部26のケーシングは、残りの領域でリングを形成する。上側計量部26は、計量チャンバが下部に向かって開かれるように2つの回転ディスク20,21が回転させられると、上部に向かって計量チャンバを塞ぐ。分配器は、
図40aでは計量チャンバの最小サイズで示され、
図40bでは計量チャンバの最大サイズで示される。チャンバ自体は、選択された断面のため、2つの図からは容易に分からない。
【0133】
この実施形態の分配器2は、回転防止装置を有する。この回転防止装置は、特に容器モジュールがコーヒーマシンに配置されるときに、計量チャンバが意図せずに又は時期尚早に下部に向かって開くことを防止する。回転防止ピストン213が、下側ハウジング部15に配置される。この回転防止ピストン213はその下端に第1の駆動軸収容部212を有する。半径方向外側に向けられた全周にわたって延びるフランジ214が、この回転防止ピストン213の上端に成形される。これは、
図43a、
図43b、
図44a及び
図44bから容易に分かる。フランジ214の下面には、
図41a及び
図41bから容易に分かるように、歯列が存在する。この歯列は、
図41bから分かるように、下側ハウジング部15の上向き歯列151に係合する。戻しばね29が、回転防止ピストン213と下側回転ディスク21との間に配置される。
【0134】
回転防止装置が作動している状況を
図41a~
図44aに示す。この状況は、容器モジュールをコーヒーマシンにまだ挿入していないときに生じる。フランジ214は、下側ハウジング部15上に位置し、歯列215及び151は互いに係合する。戻しばね29は、弛緩し、下側回転ディスク21を上側位置に保持する。したがって、下側回転ディスク21は、下側ハウジング部15に対して固定される。したがって、この下側回転ディスク21を回転させることができず、したがって、計量チャンバ200を下部に向かって開くことができない。
【0135】
回転防止装置が作動していない状況を
図41b~
図44bに示す。これは、容器モジュールをコーヒーマシンに挿入した場合に当てはまる。この場合、駆動軸6(
図17b及び
図25を参照)は、第1の駆動軸収容部212に係合し、戻しばね29のばね力に抗して回転防止ピストン213を持ち上げる。したがって、フランジ214は持ち上げられ、歯列215,151は互いに分離する。多角形部216は、多角形ソケット217と係合される。下側回転ディスク21は、回転防止ピストン213ひいては駆動軸6に回動に関して固定されて接続される。さらに、この下側回転ディスク21は、下側ハウジング部15から解除され、この下側ハウジング部15に対して回転可能である。ここで、下側チャンバ部210ひいては計量チャンバは、下部に向かって開くことができる。
【0136】
上述した実施形態との更なる相違点が、粉挽度設定具23に認められる。前の例と同じ歯車装置又は同様の歯車装置が存在する。回転リング230は、ここでもセグメントの形状に構成される。内歯列253は、セグメントで軸方向に突出するように再び配置される。
【0137】
回転リング230は、この例では、設定ディスク31と下側ハウジング部15との間にばね付勢されるように保持される。対応するばねは、
図36、
図37及び
図39に参照符号28で示される。容器モジュール1,2の組み立て状態でばねが存在する位置が、ばね28を示さずに
図40aに矢印で示される。
【0138】
回転リング230は、この例ではセグメントとして構成される。この回転リング230は、少なくとも180°を有する。この回転リング230は、直径方向に対向する2つのアーム232を有する。これら2つのアーム232は、この例では、
図35、
図39a~
図39c及び
図40から容易に分かるように下向きである。半径方向に突出するカム232’は、アーム232の領域で回転リング230から突出する。このカム232’は、すでに言及した図から容易に分かる。
【0139】
容器モジュール1,2は、使用のためにモジュール受け器3に再び接続される。関連する受け器本体30が、
図37a、
図37b及び
図39a、
図39bに示される。この受け器本体30は、コーヒーマシンのハウジングに又はハウジング内に取り付けるためのディスク、及びバヨネットクロージャ300を有する。分配器の、より具体的には下側ハウジング部15の係止カムは、バヨネットクロージャ300の外周上の対応するバヨネットねじに係合する。バヨネットクロージャ300は、その内側にゲートガイド301を有する。回転リング230の2つのカム232’は、このゲートガイド301に係合する。
したがって、回転リング230は両側でクランプされる。
【0140】
設定ディスク31は、同様に正反対にある上方に向けられた2つの連行部310を有する。この連行部310は、好ましくは、長手方向中心軸線Lから、この連行部310に向かって下方に向けられたアーム232と同じ距離にある(
図39aを参照)。
【0141】
したがって、ここで、容器モジュール1,2がバヨネットクロージャ300にねじ込まれると、回転リング230もクランプされ、この回転リング230は、内部ゲートガイド301に沿って上方に押され、ばね28は圧縮される。容器モジュールがバヨネットクロージャに沿ってモジュール受け器3にさらにねじ込まれると、回転リング230は、ゲートガイド310から解放されるか、又はこのゲートガイド310に沿って下方にガイドされるかのいずれかである。回転リング230は下げられ、ばね28は弛緩する。したがって、2つのアーム232の少なくとも一方が、連行部310の一方又は両方に接触し、したがって、設定ディスク31を回転させる。アーム232は、本実施形態では、連行部310に係合するか、又はこの連行部310に単に接触するかのいずれかである。
【0142】
容器モジュールを完全に取り付けた又は配置した場合の状況をそれぞれ
図36a、
図37a、
図38a及び
図39aに示す。連行部310は接触されており、設定ディスク31は、所望の回転位置に移動させられている。
【0143】
【0144】
この配置により、粉挽器を両方向で設定することが可能になる。したがって、粉挽度は、コーヒーマシンにすでに装着されている容器モジュール1,2の場合でも変更することができる。回転リング230は、設定リング25が所望の方向に回転する際に一緒に回転させられる。回転方向とは関係なく、2つのアーム232の少なくとも一方が、いずれの場合も連行部310の一方又は両方を連行し、したがって設定ディスク31を回転させる。ユニオンナット42は、設定ディスク31の回転によって回転し、このユニオンナット42は、この設定ディスク31と係合しており、したがって、粉挽ディスクは、互いに移動させられる。しかし、コーヒーマシンはまた、この例示的な実施形態では、好ましくは、容器モジュールが取り外されると、使用後の粉挽ディスク間の最大距離に自動的にリセットされる。
【0145】
上述の例示的な実施形態の個々の特徴は、他の例示的な実施形態でも使用することができる。したがって、例えば、螺合式のコーヒー豆容器は、最初の3つの例示的な実施形態でも使用することができる。同じことが、例えば、第4の実施形態の粉挽度設定にもあてはまる。これは、最初の3つの例示的な実施形態でも使用することができる。
【0146】
本実施形態で説明する装置の個々の態様は、残りの要素なしで、例えば、容器モジュールの創作概念なしで、使用することもできる別個の発明としてさらに特許請求される。例えば、本実施形態で説明する粉挽器の様々な種類の機械式設定は、他のコーヒー装置でも、特に、非排他的に手動粉挽度設定具との組み合わせでも使用することができる。相互距離が変更可能であり、サイズ可変の計量チャンバを形成し、好ましくは少なくとも部分的に回転可能であり、軸方向に移動可能であるように構成される、2つのチャンバ部を有する分配器の様々な変形例は、例えば、粉挽度設定具を伴わない、及び/又は、コーヒー装置に結合しない、他の分配器とすることもできる。粉挽器の個々の要素、特に、好ましくは弧状の送り込みダクト内への搬送ウォームの配置は、説明した容器モジュールとは無関係に、他の粉挽器でも使用することができる。
【0147】
純粋に機械的な実施形態の代わりに、例えば粉挽度に関する情報を、上述したようにデータ転送によって粉挽器に伝達することもできる。書き込み可能なデータメモリが容器モジュールに存在することができ、コーヒーの種類に合った粉挽度が、好ましくは製造業者によってすでにメモリに入力されている。コーヒー装置、例えば、コーヒーミル又はコーヒーマシンは、好ましくは、粉挽器の制御システムと通信するか又はこの制御システムの一部であるスキャン及び読み取りユニットを有する。しかし、装置のユーザは、例えば、このユーザが、所望の現在の粉挽度に関する対応する入力をコーヒー装置に対して、例えば、入力モジュールによって制御システムに対して行うことにより、粉挽度を変更する可能性を有する。粉挽度のこの新たな選択は、スキャン及び読み取りユニットによって容器モジュールのデータメモリに送信され、装置の次の作動のベースとして備えるようにこのデータメモリに記憶される。したがって、この実施形態では、粉挽度は、容器モジュールにてもはや手動では設定されず、むしろ容器モジュールの書き込み可能なデータメモリによって設定され、実際の粉挽度の変更は、容器モジュールではなく装置にてユーザによって入力される。したがって、粉挽度の代わりに、例えば、粉挽器の運転時間、粉挽器の速度、淹出時の水温、コーヒーを注出するときに満たされるカップのサイズなどの他のデータを記憶し、ユーザによって個々に変更することができる。
【0148】
別の実施形態では、粉挽度の設定は、容器モジュールにて前のように手動で、好ましくは機械的に行われる。しかし、粉挽度の設定に関する情報の伝達は、機械的にではなく、好ましくはモジュール受け器3の内又は上に配置され、粉挽器の制御システムと通信するセンサによって行われる。センサは、ユーザによって選択された粉挽度の設定を容器モジュールから読み取り、この設定を粉挽器の制御システムに送信し、そうすると、粉挽器はそれに応じて設定される。
【0149】
したがって、本発明によるユニットは、前に淹れたコーヒーが次に淹れるコーヒーの風味を損なわせずに、コーヒーの種類及び/又は計量の設定及び/又は粉挽度の設定の間の、簡単でユーザフレンドリな切り替えを可能にする。
【符号の説明】
【0150】
1 コーヒー豆容器
10 缶
100 内部空間
101 ベース
102 肩部
103 缶出口
104 雄ねじ山
11 蓋
110 ハンドル要素
111 押しボタン要素
12 設定リング
120 凹み
121 雌ねじ山
122 リブ付き周縁部
13 方向転換リップ
14 中央ハウジング部
140 窓
141 中央ハウジングの領域
15 下側ハウジング部
150 歯列
151 歯列
16 ボール
2 分配器
20 上側回転ディスク
200 上側チャンバ部
201 受けスロット
202 ガイド手段
21 下側回転ディスク
210 下側チャンバ部
211 ばねホルダ
212 第1の駆動軸収容部
213 回転防止ピストン
214 フランジ
215 歯列
216 多角形部
217 多角形ソケット
22 分配器のベース
220 係止カム
221 雄ねじ山
222 第3の駆動軸収容部
224 チャンバ出口
225 歯付きリムセグメント
226 連行溝
227 壁
228 面
23 粉挽度設定具
230 回転リング
232 アーム
232’ カム
233 移動プレート
233’ 角度要素
233’’ 脚部
234 圧縮ばね
235 歯
235’ ラック
236 窓
237 取り付けディスク
238 取り付け穴
239 第1の駆動軸通過開口
24 識別マーク
25 下側設定リング
250 内歯車リム
251 外歯列
252 外歯列
253 内歯列
255 係止パターン
256 リブ付き周縁部
26 上側計量部
260 雄ねじ山部分
261 窪み
262 可動ベース
263 補強リブ
27 板ばね
28 ばね
29 戻しばね
3 モジュール受け器
30 受け器本体
300 バヨネットクロージャ
301 ゲートガイド
31 設定ディスク
310 連行部
310’ 連行部
311 豆通過開口
312 第1の傘歯車
32 固定ディスク
320 第2の駆動軸通過開口
321 貫通穴
33 読み取り装置
4 粉挽器
40 対向軸受
400 取り付け穴
41 豆入口
410 送り込みダクト
411 フランジ
42 ユニオンナット
420 バヨネットクロージャの第1の溝
421 第2の溝
422 第2の傘歯車
43 固定ディスクフランジ
430 固定粉挽ディスク
431 カム
432 通過開口
44 駆動ディスクフランジ
440 駆動粉挽ディスク
441 搬送ロータ
45 粉挽器ハウジング
450 通過開口
451 カム
452 取り付け穴
47 搬送ばね
5 粉挽器モータ
50 接続ナット
6 駆動軸
60 駆動装置
7 ベースプレート
70 通過開口
80 第1の距離
81 第2の距離
9 ユニットの制御システム
M コーヒー粉末
I 情報
E ユニット
RK コーヒーマシンの残りの部分
L 長手方向中心軸線
A 容器モジュールとユニットの残りの部分との分割
B ユニットとコーヒーマシンの残りの部分との分割