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特許7411586データ読み出しを用いたアナログ制御移送デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】データ読み出しを用いたアナログ制御移送デバイス
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/00 20060101AFI20231228BHJP
   B65G 13/04 20060101ALI20231228BHJP
   G05B 19/042 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B65G43/00 Z
B65G13/04
G05B19/042
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020572537
(86)(22)【出願日】2019-06-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2019065971
(87)【国際公開番号】W WO2020002043
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-04-25
(31)【優先権主張番号】102018005149.9
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520503050
【氏名又は名称】インターロール ホールディング アクツィエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】INTERROLL HOLDING AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ハンプ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヘンツェ,ハーバート
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/057492(WO,A1)
【文献】特開2005-250883(JP,A)
【文献】特開2003-260919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0137587(US,A1)
【文献】特開平06-224825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/00
B65G 13/04
G05B 19/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブユニットと、アナログ信号伝送のために構成されている接続インターフェースと、信号技術を介して前記ドライブユニット及び前記接続インターフェースに連結されているドライブ制御モジュールとを含むコンベヤ装置において、前記ドライブ制御モジュールは、
- 動作状態で前記接続インターフェースを介してアナログ制御信号を受信し、且つ前記制御信号に応じて前記ドライブユニットを制御することと、
- デジタル通信状態で前記接続インターフェースを介してデジタル診断信号を出力することと、
- 切り換えコマンドの受信時に前記動作状態から前記デジタル通信状態に切り換えることと、を行うように構成され、
前記切り換えコマンドは、所定のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列で構成されていることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンベヤ装置において、前記ドライブ制御モジュールは、切り換え復帰コマンドの受信時に前記デジタル通信状態から前記動作状態に切り換えるように構成されており、前記切り換え復帰コマンドは、所定のデジタルデータ信号によって形成されていることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンベヤ装置において、前記ドライブ制御モジュールは、所定のアナログ値を有する単一のアナログ制御信号として、且つ/又は所定の整合アナログ値を有するか若しくは互いに異なる所定のアナログ値を有するアナログ制御信号の所定の列として前記切り換えコマンドを受信するように構成されていることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のコンベヤ装置において、前記接続インターフェースは、第1の制御データ接触端子を含むことと、前記ドライブ制御モジュールは、前記第1の制御データ接触端子を介して単一のアナログ制御信号及び/又はアナログ制御信号の列を伝送するように構成されていることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のコンベア装置において、前記アナログ制御信号の列は、第1の電圧信号、第2の電圧信号及び第3の電圧信号の少なくとも1つの時間列を含むことを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載のコンベヤ装置において、前記ドライブ制御モジュールは、前記デジタル通信状態において、前記第1の制御データ接触端子を介して前記コンベヤ装置に関する動作データ情報である構成データの列を受信及び伝送するように構成されていることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のコンベヤ装置において、前記接続インターフェースは、第1の制御データ接触端子及び第2の制御データ接触端子を含むことと、前記ドライブ制御モジュールは、前記第1の制御データ接触端子における第1の所定のアナログ制御信号として、且つ前記第2の制御データ接触端子における第2の所定のアナログ制御信号として前記切り換えコマンドを受信するように構成されていることとを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のコンベヤ装置において、前記ドライブ制御モジュールは、
- 前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号を同期的に受信すること、
- 時間的推移を有する前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号を受信すること、
- それぞれ単一のアナログ制御信号として前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号を受信すること、又は
- アナログ制御信号の時間列としてそれぞれ前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号を受信すること
を行うように構成されていることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載のコンベヤ装置において、前記ドライブ制御モジュールは、前記デジタル通信状態において、前記第1の制御データ接触端子を介して前記コンベヤ装置に関する動作データ情報である構成データの列を受信し、且つ/又は前記第2の制御データ接触端子を介して前記コンベヤ装置に関する動作データ情報である構成データの列を伝送するように構成されていることを特徴とするコンベヤ装置。
【請求項10】
制御データインターフェースを有する電子診断ユニットを含む、モーター作動式コンベヤローラーを有するコンベヤ装置のための診断デバイスにおいて、前記電子診断ユニットは、
- アナログ切り換えコマンドを前記制御データインターフェースに出力すること、ここで、
- 前記制御データインターフェースを介して、所定のアナログ制御信号として又はアナログ制御信号の所定の列として前記アナログ切り換えコマンドを出力すること、
- 前記アナログ切り換えコマンドを出力した後、デジタル通信状態で前記制御データインターフェースを介して診断データ記録を受信すること、
- デジタル2進符号化診断データの列として前記診断データ記録を受信すること
を行うように構成されていることを特徴とする診断デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の診断デバイスにおいて、前記電子診断ユニットは、ユーザインターフェースからユーザ切り換えコマンドを受信し、且つ前記ユーザ切り換えコマンドの受信時に前記制御データインターフェースに前記アナログ切り換えコマンドを出力するように構成されていることを特徴とする診断デバイス。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の診断デバイスにおいて、前記電子診断ユニットは、所定のアナログ値を有する単一のアナログ制御信号として又はアナログ制御信号の所定の列として前記アナログ切り換えコマンドを出力するように構成されていることを特徴とする診断デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の診断デバイスにおいて、前記制御データインターフェースは、第1の制御データ接触端子を含み、及び前記電子診断ユニットは、前記第1の制御データ接触端子を介して、所定のアナログ値を有する前記単一のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列として出力するように構成されていることを特徴とする診断デバイス。
【請求項14】
請求項10乃至12の何れか1項に記載の診断デバイスにおいて、前記制御データインターフェースは、第1の制御データ接触端子及び第2の制御データ接触端子を含み、及び前記電子診断ユニットは、前記第1の制御データ接触端子への第1の所定のアナログ制御信号として、且つ前記第2の制御データ接触端子への第2の所定のアナログ制御信号として前記アナログ切り換えコマンドを出力するように構成されており、
- 前記第1の所定のアナログ制御信号及び第2の所定のアナログ制御信号は、同時に出力されるか、又は
- 前記第1の所定のアナログ制御信号及び第2の所定のアナログ制御信号は、所定の時間間隔で出力されることを特徴とする診断デバイス。
【請求項15】
請求項10乃至14の何れか1項に記載の診断デバイスにおいて、前記デジタル通信状態において、前記制御データインターフェースは、第1の制御データ接触端子及び第2の制御データ接触端子を含み、及び前記電子診断ユニットは、前記第1の制御データ接触端子を介してデジタル2進符号化診断情報データを受信し、且つ前記第2の制御データ接触端子を介してデジタル2進符号化診断照会データを伝送するように構成されていることを特徴とする診断デバイス。
【請求項16】
請求項10乃至15の何れか1項に記載の診断デバイスにおいて、動作状態において、前記電子診断ユニットは、
- 前記制御データインターフェースに接続されているコンベヤ装置のアナログドライブ制御モジュールにアナログ制御データを伝送することと、
- 前記動作状態で前記制御データインターフェースに前記アナログ切り換えコマンドを出力することと、
前記アナログ切り換えコマンドを出力した後、前記動作状態から前記デジタル通信状態に切り換えることと
を行うように構成されており、前記電子診断ユニットは、前記制御データインターフェースを介して前記診断データ記録を受信するように構成されていることを特徴とする診断デバイス。
【請求項17】
請求項10乃至16の何れか1項に記載の診断デバイスにおいて、前記診断データ記録をユーザに表示するように構成されているグラフィカルユーザインターフェースを含むことを特徴とする診断デバイス。
【請求項18】
請求項10乃至17の何れか1項に記載の診断デバイスと、請求項1乃至9の何れか1項に記載のコンベヤ装置とを含む搬送システムにおいて、前記制御データインターフェースは、
- 前記動作状態におけるアナログデータ伝送、及び
- 前記デジタル通信状態におけるデジタル2進符号化構成データ
のために前記接続インターフェースに接続されていることを特徴とする搬送システム。
【請求項19】
アナログ制御コンベヤ装置から構成データを出力する方法において、
- ドライブ制御モジュールにおいて所定のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列として切り換えコマンドを受信するステップと、
- 前記切り換えコマンドの受信に応答して、前記ドライブ制御モジュールを、前記ドライブ制御モジュールが、アナログ制御信号を受信し、且つ前記アナログ制御信号に応じてドライブユニットを制御するために接続される動作状態から、前記ドライブ制御モジュールが、構成データを伝送及び受信するために接続されるデジタル通信状態に切り換えるステップと、
- 前記ドライブ制御モジュールにおける前記コンベヤ装置に関する永続的又は非永続的特性情報をデジタル2進符号化構成データの列に符号化するステップと、
- 前記ドライブ制御モジュールの接続インターフェースを介して前記デジタル2進符号化構成データの列を伝送するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
アナログ制御コンベヤ装置の構成データを読み出す方法において、
- 電子診断ユニットから所定のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列として切り換えコマンドを伝送するステップと、
- 前記電子診断ユニットを、前記電子診断ユニットが、アナログ制御信号を伝送するために接続される動作状態から、前記電子診断ユニットが、構成データを伝送及び受信するために接続されるデジタル通信状態に切り換えるステップと、
- デジタル2進符号化構成データの列を受信するステップと、
- 前記デジタル2進符号化構成データの列を診断情報に復号するステップと、
- 通信インターフェースを介して前記診断情報を出力するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブユニットと、アナログ信号伝送のために構成されている接続インターフェースと、信号技術を介してドライブユニット及び接続インターフェースに接続されているドライブ制御モジュールとを含むコンベヤ装置に関する。本発明の更なる態様は、制御データインターフェースを有する電子診断ユニットを含む、モーター作動式コンベヤローラーを有するコンベヤ装置のための診断デバイスである。更に、本発明は、アナログ制御コンベヤ装置から構成データを出力する方法及びアナログ制御コンベヤ装置から構成データを読み出す方法に関する。最後に、本発明は、アナログ制御コンベヤ装置をプログラムする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最初に指定された種類のコンベヤ装置は、物流内部門において、全自動及び部分自動物流工程で様々な目的のために使用されている。コンベヤ装置は、例えば、搬送品目(例えば、パレット、箱、容器、郵便物など)を搬送するために使用することができる。このようなコンベヤ装置は、例えば、モーター作動式コンベヤローラーにおいて又はモーター作動式コンベヤローラーとして実施することができる。
【0003】
より大きい搬送システムのコンベヤトラックでは、好ましくは、コンベヤトラックを介して搬送品目を移送するためにコンベヤローラーをコンベヤフレームワークに直列に配置し、コンベヤフレームワークに軸着する。コンベヤローラーの上部円周方向表面が搬送品目の直接収容のために使用される。コンベヤローラーをベルト及び/又はバンドコンベヤで使用することもでき、ベルト又はバンドの表面が搬送品目を収容するために使用される。一般的に、非駆動、即ちドライブレス又はモーター作動式コンベヤローラー、即ち電気ドライブユニットが搭載されたコンベヤローラーを使用することができる。モーター作動式コンベヤローラーを回転させるため、モーター作動式コンベヤローラーを特に伝送要素によって1つ又は幾つかの非駆動コンベヤローラーに連結することができる。このタイプのモーター作動式コンベヤローラーは、とりわけ、モーター駆動式ローラー又はローラードライブと呼ばれる。モーター作動式コンベヤローラーは、例えば、端子偏向ローラーとして又はコンベヤバンドを有するコンベヤトラック若しくは別々に構成されたコンベヤトラックを駆動する別の形式において、コンベヤバンドを駆動するために使用されるドラムモーターでもあり得る。搬送システムは、搬送動作が1つ又は複数のレベルで頻&#32363;に進行する、多くの送り込み及び送り出し、分岐、交差などが生じる複雑な構造を有することが多い。このような搬送システムで誤動作がない動作及び搬送物体にも損傷を与えない動作を保証するために、いわゆるゼロ圧力蓄積(ZPA)モード又は低圧力蓄積(LPA)モードでコンベヤ装置を動作させることが多い。コンベヤトラックに位置する搬送品目は、互いに接触すべきではないか、又は低背圧のみで互いに接触すべきであり、その結果、付加接触力のために搬送品目に対する損傷が発生しない。
【0004】
個々のタスク及び搬送品目によって異なるタスクに対してこのような設計を有する搬送システムを作動させるために、且つゼロ圧力蓄積搬送又は低圧力蓄積搬送を実施するために、典型的に搬送システムのコンベヤトラックを複数の搬送ゾーンに分割する。各搬送ゾーンは、順に配置された幾つかのコンベヤローラーを有し、少なくとも1つのコンベヤローラーは、モーター駆動される。モーター作動式コンベヤローラーを、例えば駆動ベルト、チェーンなどにより、動作中の隣接ローラーに連結することができ、モーター作動式コンベヤローラーは、このような方法で均一作動搬送ゾーンを画定するためにそれらを駆動することができる。次に、このコンベヤトラックに沿って搬送品目を搬送するために、このような幾つかの搬送ゾーンをコンベヤトラックに連続して配置することができる。しかし、幾つかの搬送ゾーンへの分割は、搬送システムのゼロ圧力蓄積動作を単に保証することができない。更に、搬送ゾーンは、搬送ゾーンで搬送品目の存在を検出することができるセンサーを有することが多い。その結果、好ましくは、ゼロ圧力単一取り出し又はブロック取り出しで搬送品目をコンベヤトラック上において搬送することができる。
【0005】
既知の搬送システムは、欧州特許第1 590 275 B1号明細書及び米国特許第6,253,909 B1号明細書に開示されている。これらの搬送システムは、制御ユニットによってそれぞれ制御される複数の搬送ゾーンで構成されたシステムを含む。搬送状況に応じて、上流及び/又は下流に位置する搬送ゾーンにおいて各搬送ゾーンに対する個々の作動を実施するために、搬送ゾーンの制御ユニットは、互いにデータを交換することができる。
【0006】
高度な制御技術の要件を満たすために、搬送システム内のモーター駆動式ローラーの特性及びプログラム属性を互いに整合させる必要がある。コンベヤローラーの特性は、例えば、コンベヤローラー内で構成されたギアボックスのギア比、ドライブの加速及び制動挙動又は任意の他の不変の幾何学的、電気的又は機械的特性であることが理解され得る。コンベヤローラーの故障及び交換の場合又は搬送システムの再構成の場合、所要の整合は、搬送システムの交換コンベヤローラー若しくは全コンベヤローラーを再構成するか、又はコンベヤローラーの構成に基づいてコンベヤローラーを選択して配置する必要がある。これは、かなりの時間がかかり、従って搬送システムの望ましくないダウン時間を引き起こす。
【0007】
コンベヤローラーの故障は、ダウン時間及び故障した構成要素の交換で純粋な財政投資をはるかに逸脱する財政損失を引き起こすため、摩耗のために交換する期間を減らすことが更に望ましい。
【0008】
デジタル制御データを用いて、データ母線を介してデータバス技術によってコンベヤローラーを制御及びプログラムすることが知られている。このようなデータバス技術は、一般的に、幾つかの周辺デバイスを共有データ線に接続するデータ通信のタイプであることが理解される。複数の制御ユニットのうちの単一の制御ユニットの個々の作動は、アドレスブロックを介して所望の個々の制御ユニットをアドレス指定し、データブロック内の対応するコマンドを制御ユニットに伝送するために、データパケット内の個々の制御ユニットに対するデータパケットに含まれる各制御コマンドにアドレスブロックとして追加されるバスアドレスを割り当てることによって行われる。これは、一般的に、このようなコンベヤローラーをより迅速に再プログラムすることができる。しかし、この手法は、単線又は多線のアナログ制御線を介してアナログ制御信号によってコンベヤローラーを制御する従来のコンベヤ装置で使用することができない。ここで、コンベヤローラーの特性の知識を有する制御信号の正確な整合を定期的に実行する必要があり、その結果、必然的に時間がかかる。
【0009】
従って、本発明の目的は、アナログ手段によって作動されるコンベヤ装置を追加的又は排他的に使用するコンベヤシステムにおけるコンベヤ装置の故障の場合に保守努力及びダウン時間を減らす選択肢を提供することである。
【0010】
この目的は、最初に指定された種類のコンベヤ装置であって、ドライブ制御モジュールは、アナログ動作状態で接続インターフェースを介してアナログ制御信号を受信し、且つこれらの制御信号に応じてドライブユニットを制御し、デジタル通信状態で接続インターフェースを介してデジタル診断信号を出力し、及び切り換えコマンドの受信時に動作状態からデジタル通信状態に切り換えるように構成されており、切り換えコマンドは、所定のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列で構成されている、コンベヤ装置によって達成される。
【0011】
本発明は、下記の結果に基づいている。
【0012】
より大きい搬送システムで実際の状態を照会することができるように多大なケーブル配線努力が必要である。更に、従来の制御ユニットは、通常、データを照会又は処理するように構成されていない。搬送システムの複雑さ、好ましくは完全又は部分自動作業のために、運用要員、カメラシステムなどは、異常又は故障を検出することが通常できないか又は適時にできない。
【0013】
このケーブル配線努力を減らすために、コンベヤローラー管に配置されたバスインターフェースを介して、ドライブユニットに信号技術を介して接続されるようにモーター作動式コンベヤローラーに母線を搭載することが知られている。その結果、モーター駆動式ローラーの多くの実際の状態を監視し、モーター駆動式ローラーに設定点状態を伝送し、多くの単線アナログデータ母線の搭載を回避することができる。
【0014】
しかし、母線の搭載は、既存の搬送システムを苦労して改造する必要があり、且つ/又はコンベヤ装置若しくはコンベヤ装置を有するモーター作動式コンベヤローラーを完全に交換する必要があり、その結果、時間及びコストがかかる点で不利である。更に、標準インターフェースを有するドライブユニットにバス接続を搭載できないことが多い。更に、ドライブユニットを例えばコンベヤローラーに設置し、ドライブユニットにアクセスすることが難しい点で不利であることが多い。従って、この手法の利点は、通常、計画段階である搬送システムの場合にのみ優位である。
【0015】
このため、定期的又は連続的に実際の状態を設定点状態と比較することは、特に価値がある。好ましくは、診断目的のために又は再プログラミングを実行するために、ドライブユニットからデータを読み出して評価することが望ましいことが多い。
【0016】
本発明によれば、ドライブ制御モジュールは、モーター駆動式ローラーの駆動を制御するために使用されるアナログ制御データを動作状態で受信し、コンベヤ装置の動作をアナログ制御するようにドライブユニットに前記データを供給するように構成されている。接続インターフェースを介した所定のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列の受信時、モーターエレクトロニクスは、切り換えコマンドとしてこのアナログ制御信号を解釈又は復号し、このような切り換えコマンドを受信した後、デジタル通信状態に切り換えるように更に構成されている。このデジタル通信状態において、コンベヤ装置は、接続インターフェースを介して構成データを伝送又は受信することができる。この構成データは、例えば、デジタルデータ情報の列、即ち2進符号化データ情報の列を含むことができる。
【0017】
一方、これらの構成データは、コンベヤ装置の外に伝送され、コンベヤ装置の1つ(又は幾つか)の特性(例えば、コンベヤ装置の通し番号、製造日付、ギア比、ギアボックスのタイプ、モーター設計又は幾何学的特性)を記述する、コンベヤ装置に関する永続的、即ち不変情報を含むことができる。この場合、これらの特性に基づいてコンベヤ装置を交換するか又は他の構成要素を調整するのに必要な時間を短縮するために、構成データを使用して、ユーザ又は別の電子ユニットに迅速に識別可能なコンベヤ装置の特性を形成する。
【0018】
構成データは、コンベヤ装置の外に伝送され、コンベヤ装置に関する1つ又は幾つかの動作データ情報(例えば、多くの動作時間、多くの起動、最高動作温度、ドライブユニットの多くの回転並びに/或いはプログラミングデータ及び/若しくは照会データ、ピーク負荷又はコンベヤ装置を作動させてからの多くの合計回転)を記述する、コンベヤ装置に関する非永続的、即ち可変情報を更に含むことができる。この場合、必要に応じて、交換、保守又は制御調整を計画するために、構成データを使用して、ユーザ又は別の電子ユニットに迅速に識別可能な搬送装置の継続動作状態を形成する。
【0019】
全搬送システムの信頼できる動作の目的のため、故障又は誤動作を早期に検出又は予測し、従ってこれらの故障又は誤動作を防止することができるように、コンベヤローラー若しくはドライブユニット、及び/又は制御ユニット、及び/又は搬送ゾーン、及び/又は全コンベヤトラックの特定のデータを迅速に読み出し得ることが有利であることが分かっている。
【0020】
本発明により、実際の状態を監視する可能性をもたらされる。本発明によるコンベヤ装置は、構成データを交換するように構成されており、この目的のために、ドライブユニット又はドライブユニットの制御ユニットの既存の入力及び/又は出力、即ちアナログ制御データを伝送する動作中に使用される既存の単線又は多線の電線を使用する。
【0021】
構成データのこのような伝送を可能にするために、信号技術を介してドライブユニットに接続されたドライブ制御モジュールは、コンベヤ装置から離れて配置され、インターフェースを介して、前記コンベヤ装置に信号技術を介して接続された診断デバイスとのデータ伝送を可能にするように構成され得る。好ましくは、診断デバイスは、これによって診断情報を得るために、デジタル符号化構成信号を伝送及び/又は受信し、受信構成信号を復号するように構成され得る。更に、ドライブ制御モジュールは、好ましくは、所定のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列を検出することにより、切り換えコマンドを受信することができる。その上、ドライブ制御モジュールは、切り換えコマンドに応じた動作状態からデジタル通信状態への切り換え及びデジタル又はアナログ切り換え復帰コマンドの受信に応じたデジタル通信状態から動作状態への切り換え復帰を開始することができる。
【0022】
本発明によれば、アナログ制御信号は、動作状態でドライブユニットに伝送される。前記信号は、例えば、ドライブユニットの速度に対する制御信号を構成する特定の電圧範囲(例えば、0~5V)からの無限可変電圧信号である。動作状態において、ドライブユニットのアナログ故障信号を必要に応じて制御モジュールによって伝送することもできる。デジタル通信状態は、コンベヤ装置の第2のタイプの動作を構成する。好ましくは、アナログ制御信号は、ドライブユニットに伝送されない。代わりに、好ましくは、診断目的又はプログラミングのために構成データを伝送することができる。
【0023】
一般的に、ローラー本体の外に配置され、構成データを伝送する制御ユニットに信号技術を介してコンベヤ装置を接続することができる。この場合、制御ユニットは、診断デバイスを含む。この場合、コンベヤ装置を制御装置に永続的に接続することができる。別の実施形態において、制御ユニットの代わりに又は制御ユニットに加えて、診断デバイスは、コンベヤ装置に接続された別個の電子構成要素として設けることができる。この場合、コンベヤ装置の診断データを読み出す目的のみのために且つこの診断データを読み出す期間中のみ、一般的に接続を確立する。
【0024】
本発明によって設けられたドライブユニットは、好ましくは、トルク生成及び車軸要素と、この車軸要素の周りに回転可能に装着されたコンベヤローラー管との間の回転運動のために構成され得、車軸要素及びコンベヤローラー管に機械的に連結され得、ドライブユニットを好ましくはコンベヤローラー管の内部に配置する。信号技術を介してドライブユニットに連結された電子ドライブ制御モジュールは、好ましくは、コンベヤローラー管の内部に配置することもできる。
【0025】
一方、本発明によれば、ドライブ制御モジュールは、動作状態でアナログ制御信号を受信し、これによりドライブユニットを作動させるように構成されている。ドライブ制御モジュールは、好ましくは、コンベヤローラー管の外に配置された制御ユニットからこれらのアナログ制御信号受信することができる。この目的のため、好ましくは、アナログデータ線によって信号技術を介してドライブ制御モジュールを制御ユニットに接続することができる。更に、ドライブ制御モジュールは、切り換えコマンドを検出し、アナログ通信状態(動作状態)とデジタル通信状態との間の動作のタイプを切り換えることができる。従って、特に好ましくは、ドライブ制御モジュールは、アナログ制御信号を選択的に受信して処理し、アナログタイプの動作における状態信号を伝送することができ、更に、デジタルタイプの動作におけるデジタル構成データ又は動作及び診断データを伝送することができる。
【0026】
一般的に、データ、特に構成データの交換及び/又は伝送は、信号、特にアナログ制御信号及び/又はデジタル診断データの伝送、即ち信号の送信及び/又は信号の受信を意味することが理解され得る。特に好ましくは、伝送は、最初に受信される信号を含むことができ、前記信号は、その後、転送される。
【0027】
好ましくは、ドライブ制御モジュールは、動作及び診断データを準備して形成し、好ましくは動作及び診断データを運用要員又は外部システム制御モジュール若しくは通信ボックスに伝送するように構成され得る。
【0028】
これらのデータは、異なるセンサー及び検出器の信号及び信号プロファイルから生成することができる。
【0029】
好ましくは、これらの診断データは、動作データ、及び/又は構成データ、及び/又は異なるセンサー若しくは検出器のセンサーデータを構成することができる。更に好ましくは、ドライブ制御モジュールは、受信構成データを処理及び/又は準備するように構成され得る。本発明によって発展されたコンベヤ装置により、アナログ制御モーター作動式コンベヤローラーでデータ転送を可能にする選択肢がもたらされる。本発明によるドライブ制御モジュールは、既存の接続部及びデータ線を介してデータを伝送することができる。その結果、モーター駆動式ローラーの実際の状態を監視することができる。
【0030】
第1の好ましい実施形態によれば、ドライブ制御モジュールは、切り換え復帰コマンドの受信時にデジタル通信状態から動作状態に切り換えるように構成されており、切り換え復帰コマンドは、所定のデジタルデータ信号によって形成されていることが提供される。
【0031】
アナログ形式で伝送される切り換えコマンドに加えて、ドライブ制御モジュールは、デジタル信号として構成され、デジタル通信モードで伝送される切り換え復帰コマンドを受信するように更に構成されている。その結果、コンベヤ装置の診断を終了した後、コンベヤ装置の動作モードへの復帰を始動させることができる。
【0032】
好ましくは、構成データは、対応するコマンド後にのみ照会データの形式で伝送され得る。ドライブ制御モジュールが好ましくはデジタル通信状態で照会データを受信し、これらの照会データに応じて特定の構成データを伝送するように構成されている場合、特に好ましい。ドライブ制御モジュールは、異なる構成データをそれに対応して伝送するために、異なる照会データを受信するように構成されていることが特に好ましい。
【0033】
更に好ましい実施形態は、ドライブ制御モジュールは、所定のアナログ値を有する単一のアナログ制御信号として、且つ/又は所定の整合アナログ値を有するか若しくは互いに異なる所定のアナログ値を有するアナログ制御信号の所定の列として切り換えコマンドを受信するように構成されていることを特徴とする。
【0034】
好ましくは、単一のアナログ制御信号は、制御信号、即ち好ましくは動作モードでコンベヤ装置の動作を制御するために使用されない電圧信号(例えば、0~5Vの利用アナログ制御範囲の外である5.2Vのアナログ信号)であり得る。切り換え動作を起動させるために、このようなアナログ制御信号を生成及び/又は呼び出すことができることが特に好ましい。
【0035】
代わりに、アナログ制御信号の所定の列は、切り換えコマンドを符号化することができ、この列は、動作モードでコンベヤ装置の動作を制御するために使用されない。従って、例えば、短い期間内に数回伝送されている方向逆信号の列は、符号化切り換えコマンドを構成することができる。特に、所定の期間内に発生するか、又は互いに所定の時間間隔を有する制御信号の所定の列により、切り換えコマンドを形成することもできることが理解される。
【0036】
特に好ましくは、アナログ制御信号は、個々に及び/又は所定の部分列において、コンベヤ装置の動作を制御するために動作モードで使用されるこのような制御信号を含むことができる。その結果、全アナログ制御範囲を動作モードで使用することができる。しかし、動作モードに対して典型的でなく、事前判定された列によって切り換えコマンドを符号化する。一般的に、本発明によれば、事前判定列又は制御信号は、伝送ユニット及び受信ユニットに事前に知られており、即ち、事前判定列又は制御信号は、典型的に記憶され、切り換えコマンドを符号化又は復号するために使用されることが理解される。
【0037】
更に、接続インターフェースは、第1の制御データ接触端子を含むことと、ドライブ制御モジュールは、第1の制御データ接触端子を介して単一のアナログ制御信号及び/又はアナログ制御信号の列を伝送するように構成されており、アナログ制御信号の列は、好ましくは、第1の電圧信号、第2の電圧信号及び第3の電圧信号の少なくとも1つの時間列を好ましくは含むこととが好ましい。好ましくは、第1の電圧信号、及び/又は第2の電圧信号、及び/又は第3の電圧信号は、異なり得る。この実施形態において、好ましくは、制御信号の列として単線を介して切り換えコマンドを伝送する。
【0038】
更に好ましくは、ドライブ制御モジュールは、第1の制御データ接触端子を介してデジタル通信状態で構成データの列を受信及び/又は伝送するように構成され得る。この実施形態によれば、第1の制御データ接触端子は、動作状態でアナログ制御信号を受信し、デジタル通信状態で診断のために構成データを伝送するように構成されている。
【0039】
更に好ましい実施形態の変型形態によれば、接続インターフェースは、第1の制御データ接触端子及び第2の制御データ接触端子を含むことと、ドライブ制御モジュールは、第1の制御データ接触端子における第1の所定のアナログ制御信号として、且つ第2の制御データ接触端子における第2の所定のアナログ制御信号として切り換えコマンドを受信するように構成されていることとが提供される。この実施形態により、動作状態において、接続インターフェースは、第1のアナログ制御信号を受信し、第2のアナログ制御信号、好ましくは誤り信号を好ましくは同時に伝送することができる。これに対応して、デジタル通信状態において、接続インターフェースは、第1の通信信号を受信し、第2の通信信号を好ましくは同時に且つ/又は所定の時間間隔で受信することができる。特に、第1のアナログ制御信号及び第2のアナログ制御信号又は第1の通信信号及び第2の通信信号を好ましくは同時に且つ/又は所定の時間間隔で伝送及び/又は転送することもできる。
【0040】
好ましくは、ドライブ制御モジュールは、第1の制御信号及び第2の制御信号を同期的に受信すること、時間移動を有する第1の制御信号及び第2の制御信号を受信すること、それぞれ単一のアナログ制御信号として第1の制御信号及び第2の制御信号を受信すること、又はアナログ制御信号の時間列としてそれぞれ第1の制御信号及び第2の制御信号を受信することを行うように構成され得る。
【0041】
更に、ドライブ制御モジュールは、デジタル通信モードにおいて、第1の制御データ接触端子及び第2の制御データ接触端子を介して構成データを伝送又は受信するように構成されていることが好ましい。好ましくは、ドライブ制御モジュールは、デジタル通信状態において、第1の制御データ接触端子を介して構成データの列を受信し、且つ/又は第2の制御データ接触端子を介して構成データの列を伝送するように構成され得る。伝送及び受信が好ましくは同時に且つ又は時間列で行われる場合、特に好ましい。
【0042】
ドライブ制御モジュールによって伝送される構成データを特に診断のために使用する。ドライブ制御モジュールによって受信される構成データは、例えば、ドライブ制御モジュールから外部診断デバイスへの特定の構成データの伝送を好ましくは開始する照会データを形成することができる。
【0043】
好ましくは、ドライブ制御モジュールは、例えば、第1のステップで照会データを受信するように構成され得、好ましくはこれらの照会データをデジタルデータ及び特定の照会構成データの形式で受信する。
【0044】
本発明の更なる態様は、制御データインターフェースを有する電子診断ユニットを含む、モーター作動式コンベヤローラーを有するコンベヤ装置のための診断デバイスであって、電子診断ユニットは、アナログ切り換えコマンドを制御データインターフェースに出力することであって、アナログ切り換えコマンドは、所定のアナログ制御信号として又はアナログ制御信号の所定の列として制御データインターフェースを介して出力される、出力することと、アナログ切り換えコマンドを出力した後、デジタル通信状態で制御データインターフェースを介して診断データ記録を受信することと、デジタル2進符号化診断データの列として診断データ記録を受信することとを行うように構成されている、診断デバイスである。
【0045】
この診断デバイスは、外部に配置され、コンベヤ装置(例えば、モーター駆動式ローラー)から離れて配置され、コンベヤ装置に有線で接続され、例えば2つ、3つ、4つ又はそれを超えるコンベヤデバイス制御器を制御することもできる制御ユニットに統合することができる。診断又はプログラミングのために一時的にのみコンベヤ装置に接続される、診断及び/又はプログラミングのためにのみ使用される別個の構成要素として診断デバイスを設計することもできる。
【0046】
診断デバイスは、例えば、診断データをユーザに表示するように構成されているグラフィカルユーザインターフェースであり得る通信インターフェースを含むことができる。特に好ましくは、グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザ入力を受信し、これらのユーザ入力からのアナログ信号によってコンベヤ装置の手動制御を可能にするように構成され得る。更に、通信インターフェースは、構成データを中央制御ユニットに伝送するように構成され得る。
【0047】
電子診断ユニットが、ユーザインターフェースからユーザ切り換えコマンドを受信し、且つユーザ切り換えコマンドの受信時に制御データインターフェースにアナログ切り換えコマンドを出力するように構成されている点で診断デバイスを発展させることができる。
【0048】
電子診断ユニットが、所定のアナログ値を有する単一のアナログ制御信号として又はアナログ制御信号の所定の列として切り換えコマンドを出力するように構成されている点で診断デバイスを更に発展させることができる。
【0049】
制御データインターフェースが、第1の制御データ接触端子を含み、及び電子診断ユニットが、第1の制御データ接触端子を介して、所定のアナログ値を有する単一のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列として出力するように構成されている点で診断デバイスを更に発展させることができる。
【0050】
制御データインターフェースが、第1の制御データ接触端子及び第2の制御データ接触端子を含み、及び電子診断ユニットが、第1の制御データ接触端子への第1の所定のアナログ制御信号として、且つ第2の制御データ接触端子への第2の所定のアナログ制御信号として切り換えコマンドを出力するように構成されており、第1の所定のアナログ制御信号及び第2の所定のアナログ制御信号が同時に出力されるか、又は第1の所定のアナログ制御信号及び第2の所定のアナログ制御信号が所定の時間間隔で出力される点で診断デバイスを更に発展させることができる。
【0051】
デジタル通信状態において、制御データインターフェースが、第1の制御データ接触端子及び第2の制御データ接触端子を含み、及び電子診断ユニットが、第1の制御データ接触端子を介してデジタル2進符号化診断情報データを受信し、且つ第2の制御データ接触端子を介してデジタル2進符号化診断照会データを伝送するように構成されている点で診断デバイスを更に発展させることができる。
【0052】
動作状態において、電子診断ユニットが、制御データインターフェースに接続されているコンベヤ装置のアナログドライブ制御モジュールにアナログ制御データを伝送することと、動作状態で制御データインターフェースに切り換えコマンドを出力することと、切り換えコマンドを出力した後、動作状態からデジタル通信状態に切り換えることとを行うように構成されており、電子診断ユニットが、制御データインターフェースを介して診断データ記録を受信するように構成されている点で診断デバイスを更に発展させることができる。
【0053】
診断インターフェースが、診断データをユーザに表示するように構成されているグラフィカルユーザインターフェースである点で診断デバイスを更に発展させることができる。
【0054】
診断デバイス及び診断デバイスの発展形態に関して、これらの発展形態は、送受信機としての機能を果たす上述のコンベヤ装置に対応する送受信機として使用されるように設計されることが理解され、それに対応してコンベヤ装置に関する記載の利点及び変型形態が参照される。
【0055】
上述の設計を有する診断デバイスと、上述の設計を有するコンベヤ装置とを含む搬送システムであって、制御インターフェースは、動作状態におけるアナログデータ伝送及びデジタル通信状態におけるデジタル2進符号化構成データのために接続インターフェースに接続されている、搬送システムにより、本発明が更に発展される。
【0056】
デジタル2進符号化構成データは、コンベヤ装置の不変特性(例えば、コンベヤ装置のギア比、ギアボックスのタイプ、通し番号、モーター設計)及び/又はコンベヤ装置の可変特性(例えば、多くの動作時間、多くの起動動作、最高動作温度、ドライブユニットの回転数及び/又は照会データ)に関する符号化情報を含むことができる。
【0057】
本発明の更なる態様によれば、最初に指定された目的は、接続インターフェースを介して構成データを伝送及び/又は受信するように構成されている接続インターフェースを有する電子ドライブ制御モジュールを含む、コンベヤ装置のための改造ユニットによって達成される。このドライブ制御モジュールは、動作状態で接続インターフェースを介してアナログ制御信号を受信し、且つこれらの制御信号に応じてドライブユニットを制御し、デジタル通信状態で接続インターフェースを介してデジタル診断信号を出力し、及び切り換えコマンドの受信時、動作状態からデジタル通信状態に切り換えるように構成されており、切り換えコマンドは、所定のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列で構成されている。
【0058】
本発明の更なる態様は、コンベヤ装置のための改造ユニットの使用に関する。
【0059】
本発明の更なる態様によれば、最初に指定された目的は、アナログ制御コンベヤ装置から構成データを出力する方法であって、
- ドライブ制御モジュールにおいて所定のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列として切り換えコマンドを受信するステップと、
- 切り換えコマンドの受信に応答して、ドライブ制御モジュールを、ドライブ制御モジュールが、アナログ制御信号を受信し、且つアナログ制御信号に応じてドライブユニットを制御するために接続される動作状態から、ドライブ制御モジュールが、構成データを伝送及び受信するために接続されるデジタル通信状態に切り換えるステップと、
- ドライブ制御モジュールにおけるコンベヤ装置に関する永続的又は非永続的特性情報をデジタル2進符号化構成データの列に符号化するステップと、
- ドライブ制御モジュールの接続インターフェースを介してデジタル2進符号化構成データの列を伝送するステップと
を含む方法によって達成される。
【0060】
本発明の更なる態様は、アナログ制御コンベヤ装置の構成データを読み出す方法であって、
- 電子診断ユニットから所定のアナログ制御信号又はアナログ制御信号の所定の列として切り換えコマンドを伝送するステップと、
- 電子診断ユニットを、電子診断ユニットが、アナログ制御信号を伝送するために接続される動作状態から、電子診断ユニットが、構成データを伝送及び受信するために接続されるデジタル通信状態に切り換えるステップと、
- デジタル2進符号化構成データの列を受信するステップと、
- デジタル2進符号化構成データの列を診断情報に復号するステップと、
- 通信インターフェースを介して診断情報を出力するステップと
を含む方法である。
【0061】
好ましくは、診断データを運用要員に表示し、且つ/又は電子受信ユニットに伝送することができる。
【0062】
本発明のこれらの更なる態様及びその態様の各発展形態の利点、実施形態の変型形態及び実施形態の詳細に関して、コンベヤ装置及び診断デバイスの対応する特徴に関する上述の説明が参照される。
【0063】
本発明の好ましい実施形態について、添付図面を用いて一例として説明する。以下が示される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1図1は、本発明によるモーター作動式コンベヤローラーの基本図の縦断面図を示す。
図2図2は、コンベヤトラックにおけるモーター作動式コンベヤローラーを含むコンベヤ装置の基本的配置を示す。
図3図3は、本発明によるコンベヤ装置のドライブ制御モジュールの概略図を示す。
図4図4は、第1の実施形態において通信データを交換する本発明によるコンベヤ装置の概略図を示す。
図5図5は、第2の実施形態において通信データを交換する本発明によるコンベヤ装置の概略図を示す。
図6図6は、第3の実施形態において通信データを交換する本発明によるコンベヤ装置の概略図を示す。
【0065】
図面において、同一の要素、又は実質的に機能的に同一の要素、又は同様の要素を同じ参照符号で示す。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1は、本発明によるコンベヤ装置を含むモーター作動式コンベヤローラー100の基本図を示す。モーター作動式コンベヤローラー100は、第1の端部11及び前記第1の端部と反対側の第2の端部12を有するコンベヤローラー管10を含む。端部キャップ13は、第1の端部11に挿入され、軸受ユニットにより、コンベヤローラー管10の第1の車軸11から横方向に突出する第1の車軸要素15を回転可能に密閉する。この端部キャップ13と同様に、端部キャップ14は、第2の車軸12に挿入され、軸受ユニットによって第2の車軸要素16を密閉する。要素15及び16は、互いに同軸に配置され、コンベヤローラー管を対応するフレームワークに装着した場合にコンベヤローラー管が回転することができる回転軸を画定する。
【0067】
更に、モーター21及びギアボックス22を含むドライブユニット20をコンベヤローラー管10内に配置する。信号技術を介して、コンベヤローラー管内に配置されたドライブ制御モジュール30にモーター21を接続する。ドライブ制御モジュール30は、例えば、モーター21を作動させるか又は整流するモーターエレクトロニクスを含むことができる。データ線により、信号技術を介して、コンベヤローラー管の外に配置された制御デバイス60にドライブ制御モジュール30を接続する。データ線を介して、モーター21を制御するアナログ信号(例えば、0~4Vの信号)を、ドライブ制御モジュール30のモーターエレクトロニクスがモーター21の回転速度を制御することに応じて制御デバイス60からドライブ制御モジュール30に伝送する。ギアボックスを異なる設計で具体化することができ、特にローラー本体上の電気モーターのダイレクトドライブを達成するためにギアボックスを省くことができる。
【0068】
ドライブ制御モジュール30は、構成データを記憶することができる電子メモリユニット32を更に含む。電子メモリユニット32は、特に、不揮発性で電子メモリユニット32に記憶される構成データを含み、例えばコンベヤローラー100、モーター21、遊星ギアボックス22及び/又は他の設計を含む。
【0069】
第1の車軸要素15は、回転の軸に対して同軸に延在するドリル孔15aを有する。これにより、データ線17を外部からコンベヤローラー管10に経路設定することができる。
【0070】
図2は、1つずつ配置された幾つかのコンベヤローラー100a、100b、100c及びモーター作動式コンベヤローラー100を含むコンベヤトラック200の断面図を示す。モーター作動式コンベヤローラー100をデータ線17によって制御デバイス60に接続する。制御デバイス60をコンベヤローラー管10の外に配置し、コンベヤローラー100を装着するフレームワーク101のフレーム要素に取り付ける。制御デバイス60は、データ線17を接続する通信インターフェース64を有する。
【0071】
モーター駆動式ローラーを制御するのに必要な制御信号、電力供給などをモーター駆動式ローラーの外部から実施し、これらの制御信号を外部から供給するために、一般的にデータ線17を使用してモーター駆動式ローラーを外部制御デバイス60に接続することができる。更に、いわゆる通信ボックスの形式でデータ線17を使用して、モーター駆動式ローラーを診断デバイスに接続することができる。次に、この通信ボックスを使用して、モーター駆動式ローラーからデータを読み出す。通信ボックスを外部制御デバイス60に更に統合することができ、その後、統合方法で制御タスク及び診断タスクの両方を実行できることが理解される。同様に、データをそれに対応して読み出すために、診断目的のために搭載される通信ボックスを別個のユニットとして外部制御デバイス60に接続することができる。更に、診断目的のために搭載されるこのような通信ボックスを、データ線17により、別個のユニットとして制御デバイス60の代わりにモーター駆動式ローラーに接続することができる。
【0072】
制御ユニット30に統合されたモーターエレクトロニクスをドライブユニット20に割り当て、信号技術を介してモーター21に接続する。所望の回転速度及び所望のトルクを生成するために、モーター21及びモーターエレクトロニクス30に対する回転符号器の相互作用により、モーター21の巻線にモーターエレクトロニクスから電圧をそれに対応して供給することができる。従って、電子的整流をローラー内に達成することができる。モーター駆動式ローラーの動作モードにおいて、モーターエレクトロニクスは、データ線17を介してアナログ制御データを受信する。
【0073】
図3について説明する。制御ユニット30は、データ線17により、制御回路60若しくは通信ボックス90又は制御回路60を介して接続された通信ボックス90とデータを交換するように構成されている接続インターフェース31を含む。一方、このようなデータは、モーター21の回転速度及び回転方向を制御するアナログ制御データであり得る。更に、このようなデータは、モーター駆動式ローラーの特性に関する情報を含む構成データであり得る。従って、例えば動作中に生じる時間的可変状態を記述する構成データとして機械的動作データ、熱的動作データ及び/又は時間的動作データを伝送することができる。構成データは、例えば、ギアボックス又はモーターの設計、ギアボックスの減速比に関する情報の一部、モーター駆動式ローラーの通し番号などを記述する、モーター駆動式ローラーに関する不変情報であることもできる。
【0074】
制御ユニット30は、切り換えモジュール40を有する。この切り換えモジュール40は、データ線17を介して受信される切り換えコマンドを検出し、モーター駆動式ローラーの制御ユニット30の2つの異なる状態間の切り換えを実行するように構成されている。第1の状態(動作状態)において、制御ユニットは、データ線を介してアナログ制御信号を受信するように構成されており、これにより、特定の回転速度に対してモーターを作動させるために、モーターエレクトロニクスは、これらのアナログ制御信号を処理する。第2の状態(診断状態)において、制御ユニットは、上述のように構成データを伝送又は受信するように構成されている。切り換えモジュール40は、動作状態と診断状態とを切り換える目的のために検出器モジュール41を含む。この検出器モジュールは、切り換えコマンドとしてアナログ制御信号及び/又はアナログ制御信号の特定の列を検出するように構成されている。従って、例えば正常動作状態で制御信号として使用されない制御信号の特定のアナログ値を使用して、切り換えコマンドを伝送することができる。例えば、アナログ回転速度の制御は、-4~+4ボルトの範囲で制御信号として動作することができ、+5ボルトのアナログ信号値は、動作状態から診断状態への切り換えコマンドを実行することができる。同様に、数秒以内に受信されるアナログ回転方向逆信号の短い列、例えば正-逆-正-逆-正-逆-正-逆(=+2V、-2V、+2V、-2V、+2V、-2V、+2V、-2V)を切り換えコマンドとして検出器モジュールによって解釈することができる。
【0075】
切り換えコマンドの受信時、検出器モジュール41は、アナログ動作状態からデジタル診断状態に切り換える切り換えモジュール42を作動させる。
【0076】
デジタル診断状態において、制御ユニットは、データ線を介してデジタルデータ信号を伝送するように構成されている。一般的に、診断状態において、動作データ又は構成データを含む送信データは、データ線17を介してアナログ信号によって行われることがあり、例えば、通信ボックスは、それに対応してこのようなアナログ信号を解釈し、事前記憶された所定の比較値を用いてこれらのアナログ信号から特定の動作データ又は構成データの読み取りを行うように構成されている。
【0077】
基本的に、図3に示すように、制御ユニット30の接続インターフェース31を外部制御デバイス60に接続できることが理解される。外部制御デバイス60は、これにより、デジタル診断状態で読み出し動作を実行するために通信ボックスを含むことができる。制御デバイス60を介してデジタル診断状態で構成及び読み出し動作を実行するために、通信ボックス90を制御デバイス60に接続することもできる。
【0078】
図4は、構成データを交換する統合通信ボックスを有する制御デバイス60に接続されている、本発明によるモーター駆動式ローラー100の概略図を示す。モーター駆動式ローラー100は、信号技術を介して制御ユニット30に接続されたドライブユニット20を含む。データ線17を介して、制御ユニット30を通信ボックス60に接続する。モーター駆動式ローラー100の側で動作状態と診断状態とを切り換える切り換えデバイス40aは、データ線17の端部における制御ユニット30の統合構成要素である。制御デバイス60を有する制御デバイスの側でアナログ動作状態とデジタル診断状態とを切り換えるデータ線17の端部に信号スイッチ40bを設ける。切り換えデバイス40a及び信号スイッチ40bを介して、制御ユニット30を、データ線を介して制御デバイスに接続する。
【0079】
データ線17を介した動作状態の構成において、ドライブ制御モジュール30におけるモーターエレクトロニクスは、アナログ端子70aにおいて制御デバイス60のアナログ端子70bからアナログ形式でコマンドを受信することができ、アナログ端子70aからアナログ端子70bにアナログ形式で制御デバイス60における通信ボックスに誤り信号を送信することができる。
【0080】
診断状態において、ドライブ制御モジュール30は、デジタル端子80aから制御デバイス60のデジタル端子80bに診断及び動作データ及び構成データを伝送することができる。
【0081】
図5は、制御ユニットの代わりに、モーター駆動式ローラーに接続された通信ボックスを示す。この実施形態において、モーター駆動式ローラー100を動作モードで制御ユニット190に接続するが、モーター駆動式ローラーから構成データを読み出すためにモーター駆動式ローラーを代わりに通信ボックス160に接続することができる。通信ボックス160は、アナログ端子170b、デジタル端子180b及び信号切り換えスイッチ140bを含む。この応用例において、アナログ端子170b及び信号切り換えスイッチ140bのみを使用してアナログ切り換え信号を伝送し、その後、デジタル的に構成データを受信するデジタル通信に切り換え、前記データを受信した後、アナログモードに切り換え復帰する。
【0082】
図6は、制御ユニットを介してモーター駆動式ローラーに接続された通信ボックスを示す。この実施形態において、図4による第1の例示的な実施形態のように、モーター駆動式ローラー100を制御ユニット290に永続的に接続する。モーター駆動式ローラーから構成データを読み出すために、照会接続部218を介して通信ボックス260をこの制御ユニット290に接続することができる。通信ボックス260は、アナログ端子270b、デジタル端子280b及び信号切り換えスイッチ240bを含む。この応用例において、アナログ端子270b及び信号切り換えスイッチ240bのみを使用してアナログ切り換え信号を伝送し、その後、デジタル的に構成データを受信するデジタル通信に切り換え、前記データを受信した後、アナログモードに切り換え復帰する。
【符号の説明】
【0083】
1 コンベヤ装置
10 コンベヤローラー管
11 第1の端部
12 第2の端部
13、14 端部キャップ
15 第1の車軸要素
16 第2の車軸要素
17 データ線
20 ドライブユニット(例えば、モーター及びギアボックス)
21 モーター
22 ギアボックス
30 制御ユニット
31 接続インターフェース
40 切り換えデバイス
40a 制御ユニットの切り換えデバイスA/D
40b 制御デバイスの信号切り換えスイッチA/D
41 検出器モジュール
42 切り換えモジュール
60 制御デバイス
70a 制御ユニットのアナログ端子
70b 制御デバイスのアナログ端子
80a 制御ユニットのデジタル端子
80b 制御デバイスのデジタル端子
100 モーター作動式コンベヤローラー
101 フレームワーク
200 コンベヤトラック
図1
図2
図3
図4
図5
図6