(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】商品取扱管理装置、商品取扱管理方法、および、商品取扱管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20231228BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
G06Q10/08
B65G1/137 A
(21)【出願番号】P 2021011446
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020054938
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 誉
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 和哉
(72)【発明者】
【氏名】福島 広大
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-169991(JP,A)
【文献】特開2009-86794(JP,A)
【文献】特開2018-106420(JP,A)
【文献】特開2019-135632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた商品取扱管理装置であって、
前記記憶部は、
商品分類、および、当該商品分類の取扱が不可である出荷先を紐付けて設定した出荷先別取扱不可マスタを記憶する出荷先別取扱不可記憶手段と、
商品、および、前記商品分類を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記出荷先、および、当該出荷先に移動させる移動商品を設定した移動データを取得する移動取得手段と、
前記移動データ、前記出荷先別取扱不可マスタ、および、前記商品マスタに基づいて、前記移動商品の前記出荷先における取扱可否データを取得する取扱可否取得手段と、
を備えたことを特徴とする商品取扱管理装置。
【請求項2】
前記取扱可否取得手段は、
前記移動データ、前記出荷先別取扱不可マスタ、および、前記商品マスタに基づいて、前記出荷先が前記移動商品の属する前記商品分類を取扱不可であるか否かを判定することで、前記移動商品の前記出荷先における前記取扱可否データを取得することを特徴とする請求項1に記載の商品取扱管理装置。
【請求項3】
前記出荷先別取扱不可マスタは、
更に、商品分類の取扱不可期限が紐付けて設定され、
前記移動データは、
前記移動商品の前記出荷先における入荷日が設定され、
前記取扱可否取得手段は、
前記移動データ、前記出荷先別取扱不可マスタ、および、前記商品マスタに基づいて、前記出荷先が前記移動商品の属する前記商品分類を取扱不可であるか否かを判定し、前記入荷日において前記出荷先にて前記移動商品の属する前記商品分類に対する前記取扱不可期限を過ぎているか否かを判定することで、前記移動商品の前記出荷先における前記取扱可否データを取得することを特徴とする請求項1または2に記載の商品取扱管理装置。
【請求項4】
前記取扱可否取得手段は、
更に、前記入荷日において前記出荷先にて前記移動商品の属する前記商品分類に対する前記取扱不可期限を過ぎていないと判定した場合、当該取扱不可期限が前記移動商品の前記入荷日に近いか否かを判定し、
前記制御部は、
前記取扱可否取得手段により前記出荷先にて前記移動商品の属する前記商品分類に対する前記取扱不可期限が前記移動商品の前記入荷日に近いと判定された場合、アラートを出力させる取扱出力手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の商品取扱管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記取扱可否取得手段により前記入荷日において前記出荷先にて前記移動商品の属する前記商品分類に対する前記取扱不可期限を過ぎていると判定された場合、エラー通知を出力させる取扱出力手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載の商品取扱管理装置。
【請求項6】
前記出荷先は、
前記商品の倉庫移動時における入庫倉庫であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の商品取扱管理装置。
【請求項7】
前記出荷先は、
前記商品の販売時における納入先であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の商品取扱管理装置。
【請求項8】
前記出荷先は、
前記商品の店舗移動時における移動先の店舗であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の商品取扱管理装置。
【請求項9】
前記出荷先は、
仕入先からの倉庫入荷時における入荷倉庫であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の商品取扱管理装置。
【請求項10】
前記商品分類は、
酒類、危険物、または、医薬品であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の商品取扱管理装置。
【請求項11】
記憶部と制御部とを備えた商品取扱管理装置に実行させるための商品取扱管理方法であって、
前記記憶部は、
商品分類、および、当該商品分類の取扱が不可である出荷先を紐付けて設定した出荷先別取扱不可マスタを記憶する出荷先別取扱不可記憶手段と、
商品、および、前記商品分類を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記出荷先、および、当該出荷先に移動させる移動商品を設定した移動データを取得する移動取得ステップと、
前記移動データ、前記出荷先別取扱不可マスタ、および、前記商品マスタに基づいて、前記移動商品の前記出荷先における取扱可否データを取得する取扱可否取得ステップと、
を含むことを特徴とする商品取扱管理方法。
【請求項12】
記憶部と制御部とを備えた商品取扱管理装置に実行させるための商品取扱管理プログラムであって、
前記記憶部は、
商品分類、および、当該商品分類の取扱が不可である出荷先を紐付けて設定した出荷先別取扱不可マスタを記憶する出荷先別取扱不可記憶手段と、
商品、および、前記商品分類を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
前記出荷先、および、当該出荷先に移動させる移動商品を設定した移動データを取得する移動取得ステップと、
前記移動データ、前記出荷先別取扱不可マスタ、および、前記商品マスタに基づいて、前記移動商品の前記出荷先における取扱可否データを取得する取扱可否取得ステップと、
を実行させるための商品取扱管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品取扱管理装置、商品取扱管理方法、および、商品取扱管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、貯蔵場所が法令で規定されている危険物について、貯蔵庫への入庫状況、および、貯蔵庫からの出庫状況に基づいて、貯蔵庫における在庫管理を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、倉庫・商品の組み合わせにより、該当倉庫に対して出荷して良いか否かをチェックすることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、倉庫、納入先、または、店舗当の入庫場所と指定商品とに基づいて、取扱可否のチェックを行うことができる商品取扱管理装置、商品取扱管理方法、および、商品取扱管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る商品取扱管理装置は、記憶部と制御部とを備えた商品取扱管理装置であって、前記記憶部は、商品分類、および、当該商品分類の取扱が不可である出荷先を紐付けて設定した出荷先別取扱不可マスタを記憶する出荷先別取扱不可記憶手段と、商品、および、前記商品分類を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記出荷先、および、当該出荷先に移動させる移動商品を設定した移動データを取得する移動取得手段と、前記移動データ、前記出荷先別取扱不可マスタ、および、前記商品マスタに基づいて、前記移動商品の前記出荷先における取扱可否データを取得する取扱可否取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る商品取扱管理装置において、前記取扱可否取得手段は、前記移動データ、前記出荷先別取扱不可マスタ、および、前記商品マスタに基づいて、前記出荷先が前記移動商品の属する前記商品分類を取扱不可であるか否かを判定することで、前記移動商品の前記出荷先における前記取扱可否データを取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る商品取扱管理装置において、前記出荷先別取扱不可マスタは、更に、商品分類の取扱不可期限が紐付けて設定され、前記移動データは、前記移動商品の前記出荷先における入荷日が設定され、前記取扱可否取得手段は、前記移動データ、前記出荷先別取扱不可マスタ、および、前記商品マスタに基づいて、前記出荷先が前記移動商品の属する前記商品分類を取扱不可であるか否かを判定し、前記入荷日において前記出荷先にて前記移動商品の属する前記商品分類に対する前記取扱不可期限を過ぎているか否かを判定することで、前記移動商品の前記出荷先における前記取扱可否データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る商品取扱管理装置において、前記取扱可否取得手段は、更に、前記入荷日において前記出荷先にて前記移動商品の属する前記商品分類に対する前記取扱不可期限を過ぎていないと判定した場合、当該取扱不可期限が前記移動商品の前記入荷日に近いか否かを判定し、前記制御部は、前記取扱可否取得手段により前記出荷先にて前記移動商品の属する前記商品分類に対する前記取扱不可期限が前記移動商品の前記入荷日に近いと判定された場合、アラートを出力させる取扱出力手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る商品取扱管理装置において、前記制御部は、前記取扱可否取得手段により前記入荷日において前記出荷先にて前記移動商品の属する前記商品分類に対する前記取扱不可期限を過ぎていると判定された場合、エラー通知を出力させる取扱出力手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る商品取扱管理装置において、前記出荷先は、前記商品の倉庫移動時における入庫倉庫であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る商品取扱管理装置において、前記出荷先は、前記商品の販売時における納入先であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る商品取扱管理装置において、前記出荷先は、前記商品の店舗移動時における移動先の店舗であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る商品取扱管理装置において、前記出荷先は、仕入先からの倉庫入荷時における入荷倉庫であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る商品取扱管理装置において、前記商品分類は、酒類、危険物、または、医薬品であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る商品取扱管理方法は、記憶部と制御部とを備えた商品取扱管理装置に実行させるための商品取扱管理方法であって、前記記憶部は、商品分類、および、当該商品分類の取扱が不可である出荷先を紐付けて設定した出荷先別取扱不可マスタを記憶する出荷先別取扱不可記憶手段と、商品、および、前記商品分類を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、前記出荷先、および、当該出荷先に移動させる移動商品を設定した移動データを取得する移動取得ステップと、前記移動データ、前記出荷先別取扱不可マスタ、および、前記商品マスタに基づいて、前記移動商品の前記出荷先における取扱可否データを取得する取扱可否取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る商品取扱管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた商品取扱管理装置に実行させるための商品取扱管理プログラムであって、前記記憶部は、商品分類、および、当該商品分類の取扱が不可である出荷先を紐付けて設定した出荷先別取扱不可マスタを記憶する出荷先別取扱不可記憶手段と、商品、および、前記商品分類を紐付けて設定した商品マスタを記憶する商品記憶手段と、を備え、前記制御部において、前記出荷先、および、当該出荷先に移動させる移動商品を設定した移動データを取得する移動取得ステップと、前記移動データ、前記出荷先別取扱不可マスタ、および、前記商品マスタに基づいて、前記移動商品の前記出荷先における取扱可否データを取得する取扱可否取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、指定した商品が入庫倉庫にて取扱可能かを入力画面にてチェックすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、商品の取扱可否を判断する必要がある酒類を扱う際に、オペレーションミスを防ぎ、確認作業の低減や、配送ミスを防ぐことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、酒類だけでなく、危険物や医薬品など様々な商品分類に対してもチェックを行えるため、各業界にて使用できる仕組みとなっているという効果を奏する。また、本発明によれば、取扱可否の判断に期限の項目を設けることで、申請期限がある内容や、FC(フランチャイズチェーン)店の営業許可チェックに使用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態における商品取扱管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における出荷先別取扱不可マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における商品マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における商品取扱管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施形態における商品取扱可否チェック処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における商品取扱可否チェック処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における商品取扱可否チェック処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における商品取扱可否チェック処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0021】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0022】
販売場外(倉庫)に酒類、危険物、または、医薬品等を保管する場合、監督官庁に届け出をする必要があり、例えば、酒類の場合、「酒類蔵置所設置報告書」を管轄税務署長宛に提出する必要がある。
【0023】
従来の販売管理システムにおいては、倉庫に対する商品の取扱可否のチェック制御が存在しなかったため、入力ミスがないかをヒトの目で確認する必要があり、確認漏れが発生した場合、誤配送に繋がることで、不必要な運送費が発生する問題があった。
【0024】
そこで、本実施形態においては、商品の移動時に、商品の取扱チェック機能を設けることで、入力ミスを防ぎ、配送ミスの発生を未然に防ぐ仕組みを提供している。
【0025】
[2.構成]
本実施形態に係る商品取扱管理装置100の構成の一例について、
図1から
図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態における商品取扱管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、商品取扱管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、商品取扱管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0027】
商品取扱管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。商品取扱管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、商品取扱管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、商品取扱管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0029】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、出荷先別取扱不可マスタ106aと商品マスタ106bとを備えている。
【0031】
出荷先別取扱不可マスタ106aは、商品分類の取扱が不可である出荷先を設定したマスタである。ここで、出荷先別取扱不可マスタ106aは、商品分類、および、当該商品分類の取扱が不可である出荷先が紐付けて設定されていてもよい。また、出荷先別取扱不可マスタ106aは、商品分類の取扱不可期限が紐付けて設定されていてもよい。また、出荷先は、商品の倉庫移動時における入庫倉庫であってもよい。また、出荷先は、商品の販売時における納入先であってもよい。また、出荷先は、商品の店舗移動時における移動先の店舗であってもよい。また、出荷先は、仕入先からの倉庫入荷時における入荷倉庫であってもよい。また、商品分類は、酒類、危険物、または、医薬品であってもよい。
【0032】
ここで、
図2を参照して、本実施形態における出荷先別取扱不可マスタ106aの一例について説明する。
図2は、本実施形態における出荷先別取扱不可マスタ106aの一例を示す図である。
【0033】
図2に示すように、本実施形態における出荷先別取扱不可マスタ106aには、出荷先区分、出荷先、商品分類、および/または、期限等が紐付けて設定されていてもよい。
【0034】
図1に戻り、商品マスタ106bは、商品、および、商品分類を紐付けて設定したマスタである。
【0035】
ここで、
図3を参照して、本実施形態における商品マスタ106bの一例について説明する。
図3は、本実施形態における商品マスタ106bの一例を示す図である。
【0036】
図3に示すように、本実施形態における商品マスタ106bには、商品、および、商品分類等が紐付けて設定されていてもよい。
【0037】
図1に戻り、制御部102は、商品取扱管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、移動取得部102aと取扱不可取得部102bと取扱出力部102cとを備えている。
【0038】
移動取得部102aは、出荷先、および、当該出荷先に移動させる移動商品を設定した移動データを取得する。ここで、移動データは、移動商品の出荷先における入荷日が設定されていてもよい。また、移動データは、出荷日、入荷日、出荷元、出荷先、移動商品、および/または、移動商品の数量等が設定されていてもよい。
【0039】
取扱不可取得部102bは、移動商品の出荷先における取扱可否データを取得する。ここで、取扱不可取得部102bは、移動データ、出荷先別取扱不可マスタ106a、および、商品マスタ106bに基づいて、移動商品の出荷先における取扱可否データを取得してもよい。また、取扱不可取得部102bは、移動データ、出荷先別取扱不可マスタ106a、および、商品マスタ106bに基づいて、出荷先が移動商品の属する商品分類を取扱不可であるか否かを判定することで、移動商品の出荷先における取扱可否データを取得してもよい。また、取扱不可取得部102bは、移動データ、出荷先別取扱不可マスタ106a、および、商品マスタ106bに基づいて、出荷先が移動商品の属する商品分類を取扱不可であるか否かを判定し、入荷日において出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限を過ぎているか否かを判定することで、移動商品の出荷先における取扱可否データを取得してもよい。また、取扱不可取得部102bは、入荷日において出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限を過ぎていないと判定した場合、当該取扱不可期限が移動商品の入荷日に近いか否かを判定してもよい。
【0040】
取扱出力部102cは、移動データ、取扱可否データ、および/または、アラートを出力させる。ここで、取扱出力部102cは、取扱不可取得部102bにより出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限が移動商品の入荷日に近いと判定された場合、アラートを出力させてもよい。また、取扱出力部102cは、取扱不可取得部102bにより入荷日において出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限を過ぎていると判定された場合、エラー通知を出力させてもよい。
【0041】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図8を参照して説明する。
【0042】
[商品取扱管理処理]
ここで、
図4を参照して、本実施形態における商品取扱管理処理の一例について説明する。
図4は、本実施形態における商品取扱管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0043】
図4に示すように、移動取得部102aは、ユーザにより入力装置112を介して出荷日付、入荷日付、出荷元名、出荷先名、出荷先に移動させる移動商品の商品名、および、移動商品の数量が入力された場合、出荷日、入荷日、出荷元、出荷先、移動商品、および、移動商品の数量が設定された移動データを取得する(ステップSA-1)。
【0044】
そして、取扱不可取得部102bは、移動データ、出荷先別取扱不可マスタ106a、および、商品マスタ106bに基づいて、出荷先が移動商品の属する商品分類を取扱不可であるか否かを判定する(ステップSA-2)。
【0045】
そして、取扱不可取得部102bは、出荷先が移動商品の属する商品分類を取扱不可ではない(取扱可である)と判定した場合(ステップSA-2:No)、処理をステップSA-3に移行させる。
【0046】
そして、取扱不可取得部102bは、移動商品が出荷先において取扱可(OK)であることを示す取扱可否データを取得する(ステップSA-3)。
【0047】
そして、取扱出力部102cは、移動データ、および、移動商品が出荷先において取扱可(OK)であることを示す取扱可否データを出力装置114に表示させ(ステップSA-4)、処理を終了する。
【0048】
一方、取扱不可取得部102bは、出荷先が移動商品の属する商品分類を取扱不可であると判定した場合(ステップSA-2:Yes)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0049】
そして、取扱不可取得部102bは、移動データ、出荷先別取扱不可マスタ106a、および、商品マスタ106bに基づいて、出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限が設定されているか否かを判定する(ステップSA-5)。
【0050】
そして、取扱不可取得部102bは、出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限が設定されていないと判定した場合(ステップSA-5:No)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0051】
そして、取扱不可取得部102bは、移動商品が出荷先において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データを取得する(ステップSA-6)。
【0052】
そして、取扱出力部102cは、移動データ、および、移動商品が出荷先において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データを出力装置114に表示させ(ステップSA-7)、処理を終了する。
【0053】
一方、取扱不可取得部102bは、出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限が設定されていると判定した場合(ステップSA-5:Yes)、処理をステップSA-8に移行させる。
【0054】
そして、取扱不可取得部102bは、移動データ、出荷先別取扱不可マスタ106a、および、商品マスタ106bに基づいて、入荷日において出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限を過ぎているか否かを判定する(ステップSA-8)。
【0055】
そして、取扱不可取得部102bは、入荷日において出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限を過ぎていると判定した場合(ステップSA-8:Yes)、処理をステップSA-9に移行させる。
【0056】
そして、取扱不可取得部102bは、移動商品が出荷先において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データを取得する(ステップSA-9)。
【0057】
そして、取扱出力部102cは、移動データ、移動商品が出荷先において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データ、および、取扱不可期限を過ぎていることを示すエラー通知を出力装置114に表示させ(ステップSA-10)、処理を終了する。
【0058】
一方、取扱不可取得部102bは、入荷日において出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限を過ぎていないと判定した場合(ステップSA-8:No)、処理をステップSA-11に移行させる。
【0059】
そして、取扱不可取得部102bは、出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限が移動商品の入荷日に近い(例えば、1ヶ月以内、または、3ヶ月以上等)か否かを判定する(ステップSA-11)。
【0060】
そして、取扱不可取得部102bは、出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限が移動商品の入荷日に近いと判定した場合(ステップSA-11:Yes)、処理をステップSA-12に移行させる。
【0061】
そして、取扱不可取得部102bは、移動商品が出荷先において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データを取得する(ステップSA-12)。
【0062】
そして、取扱出力部102cは、移動データ、移動商品が出荷先において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データ、および、取扱不可期限が近いことを示すアラートを出力装置114に表示させ(ステップSA-13)、処理を終了する。
【0063】
一方、取扱不可取得部102bは、出荷先にて移動商品の属する商品分類に対する取扱不可期限が移動商品の入荷日に近くないと判定した場合(ステップSA-11:No)、処理をステップSA-14に移行させる。
【0064】
そして、取扱不可取得部102bは、移動商品が出荷先において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データを取得する(ステップSA-14)。
【0065】
そして、取扱出力部102cは、移動データ、および、移動商品が出荷先において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データを出力装置114に表示させ(ステップSA-15)、処理を終了する。
【0066】
ここで、
図2、
図3、および、
図5から
図8を参照して、本実施形態における商品取扱可否チェック処理の一例について説明する。
図5から
図8は、本実施形態における商品取扱可否チェック処理の一例を示す図である。
【0067】
本実施形態においては、
図5に示すように、商品の倉庫移動時に、ユーザの移動入力により入力データ(商品の移動データ)が取得された場合、
図2に示す出荷先別取扱不可マスタ106a、および、
図3に示す商品マスタ106bに基づいて、入庫倉庫および出荷商品にて商品取扱可否チェックが行われ、「赤ワイン」が入庫倉庫において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データが表示され、「醤油」が入庫倉庫において取扱可(OK)であることを示す取扱可否データが表示される。
【0068】
また、本実施形態においては、
図6に示すように、商品の通常出荷時(販売)時に、ユーザの受注入力により入力データ(商品の移動データ)が取得された場合、
図2に示す出荷先別取扱不可マスタ106a、および、
図3に示す商品マスタ106bに基づいて、納入先および出荷商品にて商品取扱可否チェックが行われ、「赤ワイン」が納入先において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データが表示され、「醤油」が納入先において取扱可(OK)であることを示す取扱可否データが表示される。
【0069】
また、本実施形態においては、
図7に示すように、商品の店舗移動時において、ユーザの店舗移動入力により入力データ(商品の移動データ)が取得された場合、
図2に示す出荷先別取扱不可マスタ106a、および、
図3に示す商品マスタ106bに基づいて、店舗および出荷商品にて商品取扱可否チェックが行われ、「赤ワイン」が店舗において取扱可(OK)であることを示す取扱可否データが表示され、「ガソリン」が店舗において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データが表示され、更に、期限チェックが必要な場合、入荷日に対してチェックが行われ、期限が近ければ警告(アラート)が出力され、期限が過ぎていればエラーが出力される。
【0070】
また、本実施形態においては、
図8に示すように、商品の倉庫入庫時において、ユーザの仕入入力により入力データ(商品の移動データ)が取得された場合、
図2に示す出荷先別取扱不可マスタ106a、および、
図3に示す商品マスタ106bに基づいて、入荷倉庫および入荷商品にて商品取扱可否チェックが行われ、「赤ワイン」が入荷倉庫において取扱可(OK)であることを示す取扱可否データが表示され、「ガソリン」が入荷倉庫において取扱不可(NG)であることを示す取扱可否データが表示され、更に、期限チェックが必要な場合、入荷日に対してチェックが行われ、期限が近ければ警告(アラート)が出力され、期限が過ぎていればエラーが出力される。
【0071】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0072】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0074】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0075】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0076】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0077】
また、商品取扱管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0078】
例えば、商品取扱管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて商品取扱管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0079】
また、このコンピュータプログラムは、商品取扱管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0080】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0081】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0082】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0083】
また、商品取扱管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、商品取扱管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0084】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、流通小売業界、商社業界、または、食品業界等の商品移動を伴う業務を行う業界において有用である。
【符号の説明】
【0086】
100 商品取扱管理装置
102 制御部
102a 移動取得部
102b 取扱不可取得部
102c 取扱出力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 出荷先別取扱不可マスタ
106b 商品マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク