(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】ナノグラニュラー構造材料およびその作製方法
(51)【国際特許分類】
H01F 1/00 20060101AFI20231228BHJP
H01F 10/14 20060101ALI20231228BHJP
H01F 10/16 20060101ALI20231228BHJP
C01B 11/24 20060101ALI20231228BHJP
C01G 51/00 20060101ALI20231228BHJP
G02F 1/09 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H01F1/00 163
H01F10/14
H01F10/16
C01B11/24 ZNM
C01G51/00 B
G02F1/09 501
(21)【出願番号】P 2021035401
(22)【出願日】2021-03-05
【審査請求日】2022-11-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究事業、チーム型研究(CREST)、「新規磁性コンポジット材料およびプロセス技術 の開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000173795
【氏名又は名称】公益財団法人電磁材料研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小林 伸聖
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 忠義
(72)【発明者】
【氏名】池田 賢司
(72)【発明者】
【氏名】荒井 賢一
【審査官】久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-205020(JP,A)
【文献】特開2017-098423(JP,A)
【文献】特開2001-094175(JP,A)
【文献】特開平10-308320(JP,A)
【文献】特開平11-183859(JP,A)
【文献】特開2018-028499(JP,A)
【文献】特開2020-126006(JP,A)
【文献】特開2010-272652(JP,A)
【文献】特表2011-510328(JP,A)
【文献】特開2016-060956(JP,A)
【文献】国際公開第2004/061876(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0052286(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 1/00、1/08、1/113-1/117
H01F 1/22-1/26、1/37-1/375
H01F 10/08-10/24
C01B 11/24
C01G 51/00
G01R 15/24、33/032
G02F 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Fe、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1つの元素をLとし、Li、Be、Mg、Al、Si、Ca、Sr、Ba、Bi、希土類元素から選択さ選択される少なくとも1つの元素をMとし、Fをフッ素とし、かつ、酸素をOとして、L-M-F-Oで表わされる組成を有し、Lの原子比率が0.03~0.50の範囲に含まれ、Mの原子比率が0.03~0.30の範囲に含まれ、Fの原子比率が0.06~0.65の範囲に含まれ、かつ、Oの原子比率が0.04~0.50の範囲に含まれ、 M-Fで表わされる組成を有するフッ素化合物からなるマトリックスと、前記マトリックスに分散し、L-Oで表わされる組成を有する金属酸化物ナノ粒子と、により構成され、
波長
1550[nm]の波長帯の光に対してファラデー回転角の絶対値が0.1
3[deg/μm]以上の範囲に含まれている
ナノグラニュラー構造材料。
【請求項2】
請求項1に記載のナノグラニュラー構造材料において、
波長500~680[nm]の波長帯の光に対してファラデー回転角の絶対値が0.1[deg/μm]以上の範囲に含まれている
ナノグラニュラー構造材料。
【請求項3】
請求項1に記載のナノグラニュラー構造材料において、
波長720~1000[nm]の波長帯の光に対してファラデー回転角の絶対値が0.1[deg/μm]以上の範囲に含まれている
ナノグラニュラー構造材料。
【請求項4】
請求項1に記載のナノグラニュラー構造材料において、
波長1000~1200[nm]の波長帯の光に対してファラデー回転角の絶対値が0.1[deg/μm]以上の範囲に含まれている
ナノグラニュラー構造材料。
【請求項5】
請求項1に記載のナノグラニュラー構造材料において、
波長1350~1650[nm]の波長帯の光に対してファラデー回転角の絶対値が0.1[deg/μm]以上の範囲に含まれている
ナノグラニュラー構造材料。
【請求項6】
請求項1
~5のいずれかに記載のナノグラニュラー構造材料において、
波長
1550[nm]の波長帯の光に対して光透過率4
1[%/μm]以上の範囲に含まれているナノグラニュラー構造材料。
【請求項7】
請求項
1~6のいずれかに記載のナノグラニュラー構造材料において、
波長1000~1650[nm]の波長帯の光に対して光透過率40[%/μm]以上の範囲に含まれているナノグラニュラー構造材料。
【請求項8】
請求項1
~7のいずれかに記載のナノグラニュラー構造材料において、
Lの原子比率が0.13~0.40の範囲に含まれ、Mの原子比率が0.08~0.20の範囲に含まれ、Fの原子比率が0.06~0.46の範囲に含まれ、かつ、Oの原子比率が0.1~0.46の範囲に含まれているナノグラニュラー構造材料。
【請求項9】
請求項1
~8のいずれかに記載のナノグラニュラー構造材料において、
Lの原子比率が0.17~0.40の範囲に含まれ、Mの原子比率が0.08~0.20の範囲に含まれ、Fの原子比率が0.06~0.23の範囲に含まれ、かつ、Oの原子比率が0.36~0.46の範囲に含まれているナノグラニュラー構造材料。
【請求項10】
M-Fで表わされる組成を有するフッ素化合物からなるマトリックスと、前記マトリックスに分散し、Lで表わされる組成を有する金属ナノ粒子と、により構成されている1次ナノグラニュラー構造材料を、酸素含有雰囲気の中で300~800[℃]の温度範囲で熱処理することにより、2次ナノグラニュラー構造材料として請求項1~
9のいずれかに記載のナノグラニュラー構造材料を得る工程を含んでいる
ナノグラニュラー構造材料の製造方法。
【請求項11】
請求項
10記載のナノグラニュラー構造材料の製造方法において、
基板の温度を300~800℃の温度範囲に含まれる第1温度に制御し、かつ、当該基板の雰囲気圧力を1.0×10
-4Pa以下に制御する第1工程と、
Li、Be、Mg、Al、Si、Ca、Sr、Ba、Bi、希土類元素から選択される少なくとも1つの元素とFとからなる絶縁性材料と、Fe、CoおよびNiの少なくとも1つの元素からなる金属と、の複合ターゲットまたは個別の複数のターゲットを用いて、前記基板の温度を300~800[℃]の範囲に含まれる第2温度に制御し、当該基板の雰囲気を非酸化性雰囲気に調整し、かつ、当該基板の雰囲気圧力を0.1~10[Pa]の範囲に制御しながら当該基板の上に前記1次ナノグラニュラー構造材料を成膜する第2工程と、を含む
ナノグラニュラー構造材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノグラニュラー構造材料およびその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人により、絶縁体マトリックスにナノメーターサイズの金属粒子が分散しているナノグラニュラー構造を有する磁性薄膜が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、既存のナノグラニュラー構造材料とは異なる磁気光学特性を有する新たなナノグラニュラー構造材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のナノグラニュラー構造材料は、
Fe、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1つの元素をLとし、Li、Be、Mg、Al、Si、Ca、Sr、Ba、Bi、希土類元素からなる群から選択される少なくとも1つの元素をMとし、Fをフッ素とし、かつ、酸素をOとして、L-M-F-Oで表わされる組成を有し、Lの原子比率が0.03~0.50の範囲に含まれ、Mの原子比率が0.03~0.30の範囲に含まれ、Fの原子比率が0.06~0.65の範囲に含まれ、かつ、Oの原子比率が0.04~0.50の範囲に含まれ、
M-Fで表わされる組成を有するフッ素化合物からなるマトリックスと、前記マトリックスに分散し、L-Oで表わされる組成を有する金属酸化物ナノ粒子と、により構成され、
波長1550[nm]の波長帯の光に対してファラデー回転角の絶対値が0.13[deg/μm]以上の範囲に含まれている。
【0006】
本発明のナノグラニュラー構造材料の作製方法は、
M-Fで表わされる組成を有するマトリックスと、前記マトリックスに分散し、Lで表わされる組成を有する金属ナノ粒子と、により構成されている1次ナノグラニュラー構造材料を、酸素含有雰囲気の中で300~800[℃]の温度範囲で熱処理することにより、2次ナノグラニュラー構造材料として前記ナノグラニュラー構造材料を得る工程を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態としてのナノグラニュラー構造材料の模式的説明図。
【
図2】実施例のナノグラニュラー構造材料の製造条件に関する説明図。
【
図3】ナノグラニュラー構造材料の各試料のXRD分析結果に関する説明図。
【
図4】ナノグラニュラー構造材料の各試料の光透過率の波長依存性に関する説明図。
【
図5】実施例のナノグラニュラー構造材料のファラデー回転角の波長依存性に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(ナノグラニュラー構造材料の構成)
図1に模式的に示されている本発明の一実施形態としてのナノグラニュラー構造材料(2次ナノグラニュラー構造材料)は、金属酸化物ナノ粒子11が、フッ素化合物からなるマトリックス12に分散されているナノグラニュラー構造材料が作製される。ナノグラニュラー構造材料は、例えば、LをFe、Co、Niから選択される1種以上の元素とし、MをLi、Be、Mg、Al、Si、Ca、Sr、Ba、Bi、希土類元素から選択される少なくとも1種以上の元素とし、Fをフッ素とし、かつ、Oを酸素とした場合に、L-M-F-Oで表される組成を有している。
【0009】
Lの原子比率が0.03~0.50の範囲に含まれ、Mの原子比率が0.03~0.30の範囲に含まれ、Fの原子比率が0.06~0.65の範囲に含まれ、かつ、Oの原子比率が0.04~0.50の範囲に含まれている。LおよびOの合計原子比率が0.07~0.88の範囲に含まれている。MおよびFの合計原子比率が0.12~0.93の範囲に含まれている。金属酸化物ナノ粒子11は、主にL-Oで表わされる組成を有する。マトリックス12は、主にM-Fで表わされる組成を有するフッ素化合物からなる。
【0010】
波長範囲1000~1675[nm]の光に対してナノグラニュラー構造材料の光透過率が光路長1μmで40%以上の範囲に含まれている。
【0011】
ナノグラニュラー構造材料のファラデー回転角が、可視光領域の波長範囲500~680、および720~1000[nm]の光に対して絶対値で0.1[deg./μm]以上の範囲に含まれている。
【0012】
ナノグラニュラー構造材料のファラデー回転角が光通信波長帯である波長範囲1350~1650[nm]の光に対して絶対値で0.1[deg./μm]以上の範囲に含まれている。
【0013】
(ナノグラニュラー構造材料の作製方法)
図1に示されている構成のナノグラニュラー構造材料の作製方法について説明する。まず、1次ナノグラニュラー構造材料が作製される(STEP1)。1次ナノグラニュラー構造材料は、例えば、スパッタ法またはRFスパッタ法によって作製される(例えば、特許文献1参照)。磁性金属またはその合金の円板の上に、フッ素化合物のチップが均等に配置されている複合ターゲット、または、磁性金属またはその合金のターゲットおよびフッ素化合物から成るターゲットが同時に用いられてスパッタリングされる。スパッタ成膜に際してはArガスが用いられる。ナノグラニュラー構造材料の膜厚は、成膜時間が調節されることにより制御され、例えば、約0.3~5μmの厚さに成膜される。基板は間接水冷され、あるいは、100~800℃の温度範囲に含まれる任意の温度に維持される。成膜時のスパッタ圧力は1~60mTorrの範囲に含まれるように制御される。スパッタ電力は50~350Wの範囲に含まれるように制御される。
【0014】
これにより、磁性金属ナノ粒子が、フッ素化合物からなるマトリックスに分散されている1次ナノグラニュラー構造材料が作製される。1次ナノグラニュラー構造材料は、例えば、LをFe、Co、Niから選択される1種以上の元素とし、MをLi、Be、Mg、Al、Si、Ca、Sr、Ba、Bi、希土類元素から選択される少なくとも1種以上の元素とし、かつ、Fをフッ素とした場合に、L-M-Fで表される組成を有している。Mの原子比率が0.01~0.40の範囲に含まれ、Fの原子比率が0.02~0.70の範囲に含まれ、かつ、MおよびFの合計原子比率が0.03~0.97の範囲に含まれている。1次ナノグラニュラー構造材料は、Lにより組成が表わされる金属ナノ粒子が、M-Fにより組成が表わされるフッ化物からなるマトリックスに均一に分布したナノグラニュラー構造を有する。
【0015】
金属ナノ粒子の粒径は、例えば、1~50nmの範囲または1~20nmの範囲に含まれている。金属ナノ粒子の粒径分布(ひいては2次ナノグラニュラー構造材料における金属酸化物ナノ粒子11の粒径分布)は、成膜条件および/または成膜組成を変化合させることにより調整可能である。
【0016】
そして、1次ナノグラニュラー構造材料が、酸素含有雰囲気の中で300~800[℃]の温度範囲で熱処理されることにより、2次ナノグラニュラー構造材料が作製される(STEP2)。
【0017】
(実施例および比較例)
【0018】
(試料1(比較例1))
LとしてFeおよびCoが選択され、MとしてBaが選択され、組成がFe44Co32Ba13F11で表わされる1次ナノグラニュラー構造材料が試料1として作製された。
【0019】
(試料2(比較例2))
試料1が真空において、
図2に破線で示されているように、約50[℃]から約3[hr]をかけて約600[℃]まで徐々に昇温され、約600[℃]で約1[hr]にわたり熱処理された後、約4[hr]をかけて約80[℃]まで徐々に降温されることにより試料2が作製された。試料2の組成はFe
44Co
32Ba
13F
11で表わされる。
【0020】
(試料3(実施例))
試料1がArガスおよびO
2ガスの混合ガス雰囲気(O
2ガスの分圧は混合ガスの約1%)において、
図2に破線で示されているような温度変化態様で熱処理されることにより、組成がFe
23Co
17Ba
8F
6O
46で表わされる2次ナノグラニュラー構造材料として試料3が作製された。ArガスおよびO
2ガスの混合ガスの圧力は、
図2に実線で示されているように、約30[mTorr]に制御された。
【0021】
図3の上段には、試料1(1次ナノグラニュラー構造材料)のXRD分析結果が示され、
図3の下段には、試料3(2次ナノグラニュラー構造材料)のXRD分析結果が示されている。
図3から、試料1には存在する金属ナノ粒子を構成するFeおよびCoに由来するピークが、試料3には存在せず、その代わりに金属酸化物ナノ粒子を構成するCoFe
2O
4に由来するピークが存在することがわかる。これは、1次ナノグラニュラー構造材料が酸素含有雰囲気で熱処理されることにより、当該1次ナノグラニュラー構造材料に含まれている金属ナノ粒子が酸化され、2次ナノグラニュラー構造材料における金属酸化物(複合金属酸化物)ナノ粒子に変化したことを意味している。
【0022】
図3から、試料1に存在するマトリックスを構成するBaF
2に由来するピークが、試料3においては高さが低くなることがわかる。これは、1次ナノグラニュラー構造材料が酸素含有雰囲気で熱処理されることにより、当該1次ナノグラニュラー構造材料を構成するマトリックスが変質し、2次ナノグラニュラー構造材料におけるマトリックスに変化したことを意味している。
【0023】
図4には、試料1の光透過率(光路長1μm)の波長依存性が破線で示され、試料3の透過率の波長依存性が実線で示されている。
図4から、光通信用の波長範囲1000~1675[nm]の光に関して試料1の透過率が0.5~1.0%(光路長1μm)であるのに対して、試料3の透過率が58~81%(光路長1μm)であって、試料1のそれよりも著しく高いことがわかる。
【0024】
図5には、試料3に対する印加磁場が10[kOe]である場合の当該試料3のファラデー回転角θ
Fの波長依存性が示されている。
図5から、試料3のファラデー回転角θ
Fが、λ=400[nm]から波長が増大するにつれて徐々に大きくなる傾向を示していること、λ=約530[nm]で極大値約2.5[deg/μm]を示した後で徐々に小さくなる傾向を示していること、λ=約700[nm]で正値から負値に転じた後で徐々に小さくなる傾向を示していること、λ=約750~800[nm]で極小値約-1.5[deg/μm]を示した後で徐々に大きくなる傾向を有していること、λ=約1300[nm]で極大値約0[deg/μm]を示した後で徐々に小さくなる傾向を示していること、λ=約1480[nm]で極小値約-1.0[deg/μm]を示した後で徐々に大きくなる傾向を有していること、および、λ=約1650[nm]で負値から正値に転じた後で徐々に大きくなる傾向を示していることがわかる。
【0025】
ナノグラニュラー構造材料のファラデー回転角の絶対値が、可視光領域の波長範囲500~680、および720~1000[nm]の光に対して0.1[deg/μm]以上の範囲に含まれている。また、光通信波長帯である波長範囲1350~1650[nm]の光に対してナノグラニュラー構造材料のファラデー回転角の絶対値が0.1[deg/μm]以上の範囲に含まれている。
【0026】
表1には、試料1~3のそれぞれの熱処理条件および試料4~11の組成と、光路長1μmでの波長λ=1550[nm]におけるファラデー回転角と、透過率と、がまとめて示されている。
【0027】
【0028】
(用途)
ファラデー効果を有する磁気光学材料は、光アイソレーターに多く用いられている。本発明に係るナノグラニュラー構造材料は、厚さがサブミクロンオーダーの薄膜材料であり、微小なサイズで大きなファラデー効果を有する。本材料を用いることにより、光アイソレーターの小型化・集積化が可能となり、光集積化回路などへの応用が可能な有用性が高い素材である。
【符号の説明】
【0029】
11‥金属酸化物ナノ粒子、12‥マトリックス。