(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】気化装置のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20231228BHJP
【FI】
A24F40/40
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021116183
(22)【出願日】2021-07-14
(62)【分割の表示】P 2019237788の分割
【原出願日】2014-12-23
【審査請求日】2021-07-14
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-29
(32)【優先日】2014-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523071097
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】JUUL Labs, Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 F Street NW, Washington DC, 20004, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・モンジーズ
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ボーウェン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ジェイ・ハットン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・クリステンセン
(72)【発明者】
【氏名】アリエル・アトキンス
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ロメリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ニコラス・ヒブマクロナン
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・モレンスタイン
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】平城 俊雅
【審判官】槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0319407(US,A1)
【文献】中国実用新案第203243945(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0113519(KR,A)
【文献】韓国実用新案第20-2012-0007263(KR,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0213419(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジであって、該カートリッジは第1の端部および第2の端部を有し、該カートリッジは、
流体貯蔵室と、
前記流体貯蔵室の第1の端部かつ前記カートリッジの前記第1の端部に取り付けられたヒーターと、
前記流体貯蔵室の第2の端部かつ前記カートリッジの前記第2の端部に取り付けられたマウスピースと、
を備え、
前記ヒーターは、第1の凝縮チャンバ、第1の対のヒーター接触部、抵抗発熱体、およびヒーターエンクロージャを備え、
前記マウスピースは第2の凝縮チャンバを備え、
前記ヒーターエンクロージャは、前記流体貯蔵室の前記第1の端部を包囲し、
前記カートリッジの前記第1の端部は、前記吸入可能なエアロゾルを生成する装置の装置本体のカートリッジレセプタクル内に挿入されるように構成され、
前記第1の対のヒーター接触部は、前記ヒーターエンクロージャから突出し、かつ、前記カートリッジが前記カートリッジレセプタクル内に挿入されたときに、前記装置本体の前記カートリッジレセプタクル内の第2の対のヒーター接触部と電気的に結合するように構成されて配置される、
カートリッジ。
【請求項2】
前記第1の凝縮チャンバと前記第2の凝縮チャンバとは流体連通している、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記マウスピースは、前記第2の凝縮チャンバと流体連通するエアロゾル出口を含む、請求項1または2記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記マウスピースは、2つ以上のエアロゾル出口を備える、請求項3記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記マウスピースを備える前記カートリッジの前記第2の端部は、前記カートリッジが前記装置に挿入されるときに、露出されるように構成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記マウスピースは、前記流体貯蔵室の前記第2の端部を包囲する、請求項1から5までのいずれか1項記載のカートリッジ。
【請求項7】
吸入可能なエアロゾルを生成する装置であって、該装置は、
請求項1から6までのいずれか1項記載のカートリッジと、
前記カートリッジが挿入されるカートリッジレセプタクルを含む装置本体と、
を備え、
前記カートリッジは分離自在であり、前記カートリッジレセプタクル及び分離自在な前記カートリッジは、分離自在な結合部を形成し、
前記装置本体は、前記カートリッジレセプタクルの底部に前記第2の対のヒーター接触部を備える、
装置。
【請求項8】
前記分離自在な結合部は、摩擦アセンブリ及びスナップ嵌めアセンブリ、スナップロック式アセンブリ、及び磁気アセンブリのうちの1つを含む、請求項7記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年12月23日出願の米国仮特許出願第61/920,225号、2014年2月6日出願の米国仮特許出願第61/936,593号、および2014年2月10日出願の米国仮特許出願第61/937,755号の利益を主張するものであり、これらは参照により全体的に本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、電子吸入可能なエアロゾル装置、または電子吸い込み装置(electronic vaping devices)、特に、ユーザーに活性成分を送達することが可能なエアロゾル蒸気を作り出すために蒸発される気化可能な材料を利用する、電子エアロゾル装置に関するものである。
【0003】
発明の概要
本発明の幾つかの態様において、前記装置は吸入可能なエアロゾルを含み、該装置は:オーブンであって、オーブンチャンバと、蒸気を生成するためにオーブンチャンバ中の蒸気形成媒体(vapor forming medium)を加熱するためのヒーターとを含む、オーブン;吸入可能なエアロゾルを形成するために蒸気の少なくとも一部が中で凝縮する凝縮チャンバを含む、コンデンサ;オーブンチャンバを含む第1の気流経路を起点とする空気入口;および、第2の気流経路を起点とする通気口であって、第2の気流経路は、通気口からの空気を、凝縮チャンバの前または中にあり且つオーブンチャンバから下流にある第1の気流経路に繋げ、それにより連結経路を形成し、ここで、連結経路はユーザーに凝縮チャンバ中で形成される吸入可能なエアロゾルを送達するように構成される、通気口、を含む。
【0004】
本発明の幾つかの態様において、オーブンは、装置の本体の中にある。前記装置は更に、空気入口、通気口、およびコンデンサの少なくとも1つを含む、マウスピースを含んでもよい。マウスピースはオーブンから分離自在でもよい。マウスピースは装置の本体に一体化されてもよく、該本体はオーブンを含む。装置は更に、オーブン、コンデンサ、空気入口、および通気口を含む本体を含んでもよい。マウスピースは本体から分離自在でもよい。
【0005】
本発明の幾つかの態様において、オーブンチャンバは、オーブンチャンバ入口とオーブンチャンバ出口とを含んでもよく、オーブンは更に、オーブンチャンバ入口にある第1のバルブと、オーブンチャンバ出口にある第2のバルブとを含む。通気口は第3のバルブを含んでもよい。第1のバルブ、または前記第2のバルブは、チェック弁、羽打弁、逆止弁、および一方向弁の群から選択されてもよい。第3のバルブは、チェック弁、羽打弁、逆止弁、および一方向弁の群から選択されてもよい。第1または第2のバルブは機械的に動かされてもよい。第1または第2のバルブは電気的に動かされてもよい。第1のバルブまたは第2のバルブは手動で動かされてもよい。第3のバルブは機械的に動かされてもよい。第3のバルブは機械的に動かされてもよい。第3のバルブは電気的に動かされてもよい。第3のバルブは手動で動かされてもよい。
【0006】
本発明の別の態様において、前記装置は、電源、プリント回路基板、スイッチ、および温度調節器の少なくとも1つを含む、本体を含んでもよい。装置は更に、温度センサと連通状態にある温度調節器を含んでもよい。温度センサはヒーターでもよい。電源は再充電自在でもよい。電源は取り外し自在でもよい。オーブンは更に、アクセス蓋(access lid)を含んでもよい。蒸気形成媒体は煙草(tobacco)を含んでもよい。蒸気形成媒体は植物性薬品を含んでもよい。蒸気形成媒体はオーブンチャンバの中で加熱されてもよく、ここで、蒸気形成媒体は、蒸気を生成するために湿潤剤を含んでもよく、蒸気は気相湿潤剤を含む。約1ミクロンの平均サイズの粒径を含む、吸入可能なエアロゾルを生成するために、蒸気は、凝縮チャンバの中で通気口からの空気と混合されてもよい。蒸気形成媒体はオーブンチャンバの中で加熱されてもよく、ここで、上記は、約0.9ミクロン以下の平均サイズの粒径を含む、吸入可能なエアロゾルを生成するために、凝縮チャンバの中で通気口からの空気と混合される。蒸気形成媒体はオーブンチャンバの中で加熱されてもよく、ここで、上記は、約0.8ミクロン以下の平均サイズの粒径を含む、吸入可能なエアロゾルを生成するために、凝縮チャンバの中で通気口からの空気と混合される。蒸気形成媒体はオーブンチャンバの中で加熱されてもよく、ここで、上記は、約0.7ミクロン以下の平均サイズの粒径を含む、吸入可能なエアロゾルを生成するために、凝縮チャンバの中で通気口からの空気と混合される。蒸気形成媒体はオーブンチャンバの中で加熱されてもよく、ここで、上記は、約0.6ミクロン以下の平均サイズの粒径を含む、吸入可能なエアロゾルを生成するために、凝縮チャンバの中で通気口からの空気と混合される。蒸気形成媒体はオーブンチャンバの中で加熱されてもよく、ここで、上記は、約0.5ミクロン以下の平均サイズの粒径を含む、吸入可能なエアロゾルを生成するために、凝縮チャンバの中で通気口からの空気と混合される。
【0007】
本発明の幾つかの態様において、湿潤剤は、蒸気形成媒体としてグリセロールを含んでもよい。湿潤剤は植物性グリセロールを含んでもよい。湿潤剤はプロピレングリコールを含んでもよい。湿潤剤は、プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率を含んでもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約100:0でもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約90:10でもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約80:20でもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約70:30でもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約60:40でもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約50:50でもよい。湿潤剤は風味材料を含んでもよい。蒸気形成媒体は、その熱分解温度に加熱されてもよい。蒸気形成媒体は、最大200℃に加熱されてもよい。蒸気形成媒体は、最大160℃に加熱されてもよい。吸入可能なエアロゾルは、マウスピースのエアロゾル出口を出る前に、最大50℃-70℃の温度に冷却されてもよい。
【0008】
本発明の態様において、前記方法は、吸入可能なエアロゾルを生成する方法を含み、該方法は、吸入可能なエアロゾルの生成装置を設ける工程を含み、該装置は:オーブンであって、オーブンチャンバと、該オーブンチャンバ中の蒸気形成媒体を加熱し且つその中に蒸気を形成するためのヒーターとを含む、オーブン;蒸気が吸入可能なエアロゾルを形成する凝縮チャンバを含む、コンデンサ;オーブンチャンバを含む第1の気流経路を起点とする空気入口;および、第2の気流経路を起点とする通気口であって、第2の気流経路は、通気口からの空気を、凝縮チャンバの前または中にあり且つオーブンチャンバから下流にある第1の気流経路に繋げ、それにより連結経路を形成し、ここで、連結経路はユーザーに凝縮チャンバ中で形成される吸入可能なエアロゾルを送達するように構成される、通気口、を含む。
【0009】
本発明の幾つかの態様において、オーブンは、装置の本体の中にある。前記装置は更に、空気入口、通気口、およびコンデンサの少なくとも1つを含む、マウスピースを含んでもよい。マウスピースはオーブンから分離自在でもよい。マウスピースは装置の本体に一体化されてもよく、該本体はオーブンを含む。前記方法は更に、オーブン、コンデンサ、空気入口、および通気口を含む本体を含んでもよい。マウスピースは本体から分離自在でもよい。
【0010】
本発明の幾つかの態様において、オーブンチャンバは、オーブンチャンバ入口とオーブンチャンバ出口とを含んでもよく、オーブンは更に、オーブンチャンバ入口にある第1のバルブと、オーブンチャンバ出口にある第2のバルブとを含む。
【0011】
蒸気形成媒体は煙草を含んでもよい。蒸気形成媒体は植物性薬品を含んでもよい。蒸気形成媒体はオーブンチャンバの中で加熱されてもよく、ここで、蒸気形成媒体は、蒸気を生成するために湿潤剤を含んでもよく、蒸気は気相湿潤剤を含む。蒸気は、約1ミクロンの平均質量の粒径を含んでもよい。蒸気は、約0.9ミクロンの平均質量の粒径を含んでもよい。蒸気は、約0.8ミクロンの平均質量の粒径を含んでもよい。蒸気は、約0.7ミクロンの平均質量の粒径を含んでもよい。蒸気は、約0.6ミクロンの平均質量の粒径を含んでもよい。蒸気は、約0.5ミクロンの平均質量の粒径を含んでもよい。
【0012】
本発明の幾つかの態様において、湿潤剤は、蒸気形成媒体としてグリセロールを含んでもよい。湿潤剤は植物性グリセロールを含んでもよい。湿潤剤はプロピレングリコールを含んでもよい。湿潤剤は、プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率を含んでもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約100:0でもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約90:10でもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約80:20でもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約70:30でもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約60:40でもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約50:50でもよい。湿潤剤は風味材料を含んでもよい。蒸気形成媒体は、その熱分解温度に加熱されてもよい。蒸気形成媒体は、最大200℃に加熱されてもよい。蒸気形成媒体は、最大160℃に加熱されてもよい。吸入可能なエアロゾルは、マウスピースのエアロゾル出口を出る前に、最大50℃-70℃の温度に冷却されてもよい。
【0013】
本発明の態様において、前記装置はユーザーに都合の良いものであってもよい。前記装置は、ユーザーに都合の良いものではない。
【0014】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する方法であって、該方法は、気化装置を設ける工程を含み、該装置は、約1ミクロン以下の平均質量の粒径を含む蒸気を生成し、該蒸気は、前記装置のエアロゾル出口を出る前に、オーブンチャンバの中で、蒸気形成媒体の熱分解温度より低い第1の温度に前記蒸気形成媒体を加熱することにより形成され、前記装置は更に、凝縮チャンバの中で、第1の温度より低い第2の温度に前記蒸気を冷却する工程を含む。
【0015】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置を製造する方法であって、該方法は、前記装置を設ける工程を含み、該装置は:前記装置の第1の端部にエアロゾル出口を備えたマウスピース;オーブンであって、オーブンチャンバと、該オーブンチャンバ中の蒸気形成媒体を加熱し且つその中に蒸気を形成するためのヒーターとを含む、オーブン;蒸気が吸入可能なエアロゾルを形成する凝縮チャンバを含む、コンデンサ;オーブンチャンバと凝縮チャンバとを含む第1の気流経路を起点とする空気入口;第2の気流経路を起点とする通気口であって、第2の気流経路は、オーブンチャンバの中で蒸気が形成された後に凝縮チャンバの前または中にある第1の気流経路に繋がる、通気口、を含み、ここで、繋げられた第1の気流経路と第2の気流経路は、凝縮チャンバ中で形成された吸入可能なエアロゾルを、マウスピースのエアロゾル出口に通してユーザーに送達するように構成される。
【0016】
前記方法は更に、電源またはバッテリ、プリント回路基板、温度調節器、または操作スイッチを含む装置を設ける工程を含んでもよい。
【0017】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置は、該装置の第1の端部にエアロゾル出口、および第1の気流経路を起点とする空気入口を含む、マウスピース;オーブンであって、第1の気流経路にあるオーブンチャンバと、該オーブンチャンバ中の蒸気形成媒体を加熱し且つその中に蒸気を形成するためのヒーターとを含む、オーブン;蒸気が吸入可能なエアロゾルを形成する凝縮チャンバを含む、コンデンサ;および、第2の気流経路を起点とする通気口であって、第2の気流経路は、通気口からの空気を、凝縮チャンバの前または中にあり且つオーブンチャンバから下流にある第1の気流経路に繋げ、それにより連結経路を形成し、ここで、連結経路は、凝縮チャンバ中で形成される吸入可能なエアロゾルを、マウスピースのエアロゾル出口に通して、ユーザーに送達するように構成される、通気口、を含む。
【0018】
本発明の別の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置は、マウスピースを含み、該マウスピースは、前記装置の第1の端部にエアロゾル出口、第1の気流経路を起点とする空気入口、および、第2の気流経路を起点とする通気口を含み、第2の気流経路は、通気口からの空気を第1の気流経路に繋げることを可能にし;前記装置は更に、オーブンであって、第1の気流経路にあるオーブンチャンバと、該オーブンチャンバ中の蒸気形成媒体を加熱し且つその中に蒸気を形成するためのヒーターとを含む、オーブン;および、中で蒸気が吸入可能なエアロゾルを形成する凝縮チャンバを含むコンデンサであって、ここで、通気口からの空気は、凝縮チャンバの前または中にあり且つオーブンチャンバから下流にある第1の気流経路に繋がり、それにより連結経路を形成し、ここで、連結経路は、吸入可能なエアロゾルを、マウスピースのエアロゾル出口に通して、ユーザーに送達するように構成される、コンデンサ、を含む。
【0019】
本発明の別の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置は、カートリッジレセプタクルを含む装置本体;カートリッジを含み、該カートリッジは:流体貯蔵室、および、カートリッジの外面に一体化されるチャネルを含み、前記装置は更に、カートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入される時にチャネルおよびカートリッジレセプタクルの内表面により形成される、空気入口通路を含み;ここで、チャネルは、空気入口通路の第1の側部を形成し、カートリッジレセプタクルの内表面は、空気入口通路の第2の側部を形成する。
【0020】
本発明の別の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置は、装置本体を含み、該装置本体は、カートリッジレセプタクル;カートリッジを含み、該カートリッジは:流体貯蔵室、および、カートリッジの外面に一体化されるチャネルを含み、前記装置は更に、カートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入される時にチャネルおよびカートリッジレセプタクルの内表面により形成される、空気入口通路を含み;ここで、チャネルは、空気入口通路の第1の側部を形成し、カートリッジレセプタクルの内表面は、空気入口通路の第2の側部を形成する。
【0021】
本発明の幾つかの態様において、チャネルは、溝、谷、くぼみ(depression)、へこみ(dent)、筋(furrow)、深溝(trench)、折り目(crease)、および側溝の少なくとも1つを含んでもよい。一体化されたチャネルは、表面に凹設されるか、または、形成される表面から突出している、壁を含んでもよい。チャネルの内側側壁は、空気入口通路の付加的な側部を形成してもよい。カートリッジは更に、流体貯蔵室への空気入口通路と流体連通下にある第2の空気通路を含んでもよく、第2の空気通路はカートリッジの材料を介して形成される。カートリッジは更にヒーターを含んでもよい。ヒーターはカートリッジの第1の端部に付けられてもよい。
【0022】
本発明の態様において、ヒーターは、ヒーターチャンバ、第1の対のヒーター接触部(contacts)、流体芯、および前記流体芯に接する抵抗発熱体を含んでもよく、ここで、第1の対のヒーター接触部は、ヒーターチャンバの側部の周囲に取り付けられた薄板を含み、流体芯および抵抗発熱体はその間で懸架される。第1の対のヒーター接触部は更に、本体を備えた回路を完成させるように繋ぐために、ヒーターから伸長する可撓性を有するスプリングバルブを有するタブを含む、成形形状を含んでもよい。第1の対のヒーター接触部は、抵抗発熱体により生成された過剰な熱を吸収し放散するヒートシンクであってもよい。第1の対のヒーター接触部は、抵抗発熱体により生成された過剰な熱からヒーターチャンバを保護する熱シールドでもよい。第1の対のヒーター接触部は、カートリッジの第1の端部の外壁上の取り付け機構(feature)にプレス嵌めされてもよい。ヒーターは、カートリッジの第1の端部および流体貯蔵室の第1の端部を包囲してもよい。ヒーターは第1の凝縮チャンバを含んでもよい。ヒーターは1より多くの第1の凝縮チャンバを含んでもよい。第1の凝縮チャンバはカートリッジの外壁に沿って形成されてもよい。カートリッジは更にマウスピースを含んでもよい。マウスピースはカートリッジの第2の端部に付けられてもよい。マウスピースは第2の凝縮チャンバを含んでもよい。マウスピースは1より多くの第2の凝縮チャンバを含んでもよい。第2の凝縮チャンバはカートリッジの外壁に沿って形成されてもよい。
【0023】
本発明の態様において、カートリッジは第1の凝縮チャンバおよび第2の凝縮チャンバを含んでもよい。第1の凝縮チャンバおよび第2の凝縮チャンバは流体連通下にあってもよい。マウスピースは、第2の凝縮チャンバと流体連通下にあるエアロゾル出口を含んでもよい。マウスピースは、1より多くの第2の凝縮チャンバと流体連通下にある1より多くのエアロゾル出口を含んでもよい。マウスピースは、カートリッジの第2の端部および流体貯蔵室の第2の端部を包囲してもよい。
【0024】
本発明の態様において、前記装置は、空気入口通路、第2の空気通路、ヒーターチャンバ、第1の凝縮チャンバ、第2の凝縮チャンバ、およびエアロゾル出口を含む、気流経路を含んでもよい。気流経路は、1より多くの空気入口通路、ヒーターチャンバ、1より多くの第1の凝縮チャンバ、1より多くの第2の凝縮チャンバ、および1より多くのエアロゾル出口を含んでもよい。ヒーターは流体貯蔵室と流体連通下にあってもよい。流体貯蔵室は、凝縮されたエアロゾル流体を保持することが可能であってもよい。凝縮されたエアロゾル流体はニコチン製剤を含んでもよい。凝縮されたエアロゾル流体は湿潤剤を含んでもよい。湿潤剤はプロピレングリコールを含んでもよい。湿潤剤は植物性グリセリンを含んでもよい。
【0025】
本発明の態様において、前記カートリッジは分離自在でもよい。本発明の態様において、カートリッジはレセプタクルであり、分離自在なカートリッジは分離自在な結合を形成する。分離自在な結合は、摩擦式アセンブリ、スナップ嵌めアセンブリ、または磁気アセンブリを含んでもよい。カートリッジは、流体貯蔵室、スナップ嵌め結合部で第1の端部に取り付けられたヒーター、および、スナップ嵌め結合部で第2の端部に取り付けられたマウスピースを含んでもよい。
【0026】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置は、カートリッジを受けるためのカートリッジレセプタクルを含む装置本体を含み;ここで、外面に一体化されたチャネルを含むカートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入される場合、カートリッジレセプタクルの内面は空気入口通路の第1の側部を形成し、チャネルは空気入口通路の第2の側部を形成する。
【0027】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置は、カートリッジを受けるためのカートリッジレセプタクルを含む装置本体を含み;ここで、カートリッジレセプタクルは内面に一体化されたチャネルを含み、且つ、カートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入される場合に空気入口通路の第1の側部を形成し、および、カートリッジの外面は空気入口通路の第2の側部を形成する。
【0028】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジは、流体貯蔵室;外面に一体化されたチャネルであって、空気入口通路の第1の側部を形成する、チャネルを含み;および、ここで、カートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入される場合、装置中のカートリッジレセプタクルの内面は、空気入口通路の第2の側部を形成する。
【0029】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジは、流体貯蔵室を含み、ここで、カートリッジの外面は、カートリッジレセプタクルを含む装置本体に挿入される場合、空気入口チャネルの第1の側部を形成し、および、カートリッジレセプタクルは更に内面に一体化されたチャネルを含み、前記チャネルは空気入口通路の第2の側部を形成する。
【0030】
カートリッジは更に、チャネルと流体連通下にある第2の空気通路を含んでもよく、第2の空気通路は、カートリッジの外面から流体貯蔵室へと、カートリッジの材料を介して形成される。
【0031】
カートリッジは、溝、谷、くぼみ、へこみ、筋、深溝、折り目、および側溝の少なくとも1つを含んでもよい。一体化されたチャネルは、表面に凹設されるか、または、形成される表面から突出している、壁を含んでもよい。チャネルの内側側壁は、空気入口通路の付加的な側部を形成してもよい。
【0032】
本発明の別の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置は、カートリッジを含み、該カートリッジは:流体貯蔵室;第1の端部に取り付けられたヒーターを含み、該ヒーターは、第1のヒーター接触部、第1のヒーター接触部に取り付けられた抵抗発熱体を含み;前記装置は更に、装置本体を含み、該装置本体は:カートリッジを受けるためのカートリッジレセプタクル;第1のヒーター接触部を受け且つ回路を完成させるのに適した第2のヒーター接触部;第2のヒーター接触部に接続される電源;電源および第2のヒーター接触部に接続されたプリント回路基板(PCB)を含み;ここで、PCBは、抵抗発熱体の測定された抵抗に基づいて流体の不足を検出し且つ装置を止めるように構成される。
【0033】
プリント回路基板(PCB)は、マイクロコントローラ;スイッチ;基準レジスタを含む回路;および制御パラメータのためのロジックを含むアルゴリズムを含み;ここで、マイクロコントローラは、基準レジスタに対する抵抗発熱体の抵抗を測定するために一定間隔でスイッチを循環させ、抵抗発熱体の温度を制御するためにアルゴリズム制御パラメータを適用する。
【0034】
マイクロコントローラは、抵抗発熱体が乾燥していることを示す制御パラメータの閾値を抵抗が越える場合に、装置に止まるよう指示してもよい。
【0035】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジは、流体貯蔵室、第1の端部に取り付けられたヒーターを含み、該ヒーターは:ヒーターチャンバ;第1の対のヒーター接触部;流体芯、および、前記流体芯に接する抵抗発熱体を含み;ここで、第1の対のヒーター接触部は、ヒーターチャンバの側部の周囲に取り付けられた薄板を含み、流体芯および抵抗発熱体はその間で懸架される。
【0036】
第1の対のヒーターは更に、本体を備えた回路を完成させるように繋ぐために、ヒーターから伸長する可撓性を有するスプリングバルブを有するタブを含む、成形形状を含んでもよい。ヒーター接触部は、回路を完成させるために装置本体のカートリッジレセプタクル中の第2の対のヒーター接触部と対になるように構成されてもよい。第1の対のヒーター接触部はまた、抵抗発熱体により生成された過剰な熱を吸収し放散するヒートシンクであってもよい。第1の対のヒーター接触部は、抵抗発熱体により生成された過剰な熱からヒーターチャンバを保護する熱シールドであってもよい。
【0037】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジは、ヒーターを含み、該ヒーターは:ヒーターチャンバ;ヒーターチャンバ中の一対の薄板ヒーター接触部;ヒーター接触部間に位置する流体芯;前記流体芯に接する抵抗発熱体を含み;ここで、ヒーター接触部は各々固定部位を含み、抵抗発熱体はその間で引っ張られる。
【0038】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジは、該カートリッジの第1の端部に付けられるヒーターを含んでもよい。
【0039】
ヒーターは、カートリッジの第1の端部および流体貯蔵室の第1の端部を包囲してもよい。ヒーターは1より多くの第1の凝縮チャンバを含んでもよい。ヒーターは第1の凝縮チャンバを含んでもよい。凝縮チャンバはカートリッジの外壁に沿って形成されてもよい。
【0040】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジは、流体貯蔵室;および、カートリッジの第2の端部に付けられるマウスピースを含んでもよい。
【0041】
マウスピースは、カートリッジの第2の端部および流体貯蔵室の第2の端部を包囲してもよい。マウスピースは第2の凝縮チャンバを含んでもよい。マウスピースは1より多くの第2の凝縮チャンバを含んでもよい。第2の凝縮チャンバはカートリッジの外壁に沿って形成されてもよい。
【0042】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジは、流体貯蔵室;第1の端部に取り付けられたヒーター;および、第2の端部に取り付けられたマウスピースを含み;ここで、ヒーターは第1の凝縮チャンバを含み、マウスピースは第2の凝縮チャンバを含む。
【0043】
ヒーターは1より多くの第1の凝縮チャンバを含み、マウスピースは1より多くの第2の凝縮チャンバを含んでもよい。第1の凝縮チャンバおよび第2の凝縮チャンバは流体連通下にあってもよい。マウスピースは、第2の凝縮チャンバと流体連通下にあるエアロゾル出口を含んでもよい。マウスピースは2以上のエアロゾル出口を含んでもよい。カートリッジはISOリサイクル基準を満たすものでもよい。カートリッジは、プラスチック廃棄物のためのISOリサイクル基準を満たすものでもよい。
【0044】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置は、カートリッジレセプタクルを含む装置本体;および取り外し自在なカートリッジを含み;ここで、カートリッジレセプタクルと分離自在なカートリッジは分離自在な結合部を形成し、分離自在な結合部は、摩擦式アセンブリ、スナップ嵌めアセンブリ、または磁気アセンブリを含む。
【0045】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置を製造する方法は、カートリッジレセプタクルを含む装置本体を設ける工程;および取り外し自在なカートリッジを設ける工程を含み;ここで、カートリッジレセプタクルと分離自在なカートリッジは、摩擦式アセンブリ、スナップ嵌めアセンブリ、または磁気アセンブリを含む、分離自在な結合部を形成する。
【0046】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジを製造する方法は、流体貯蔵室を設ける工程;スナップ嵌め結合部により第1の端部にヒーターを取り付ける工程;および、スナップ嵌め結合部により第2の端部にマウスピースを取り付ける工程を含む。
【0047】
本発明の態様において、気流経路を備えた、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジは、チャネルを含み、該チャネルは、空気入口通路の一部;前記チャネルと流体連通下にある第2の空気通路;第2の空気通路と流体連通下にあるヒーターチャンバ;ヒーターチャンバと流体連通下にある第1の凝縮チャンバ;第1の凝縮チャンバと流体連通下にある第2の凝縮チャンバ;および第2の凝縮チャンバと流体連通下にあるエアロゾル出口を含む。
【0048】
本発明の態様において、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジは、流体貯蔵室;第1の端部に取り付けられたヒーター;および、第2の端部に取り付けられたマウスピースを含み;ここで、前記マウスピースは2以上のエアロゾル出口を含む。
【0049】
本発明の態様において、吸入可能な蒸気を生成する電子装置に電力を供給するシステムは;吸入可能な蒸気を生成するための電子装置内に収容される再充電自在な電力蓄積装置;吸入可能な蒸気を生成するための電子装置の外面からアクセス可能な2以上の充電ピンであって、充電ピンは再充電自在な電力蓄積装置と電気通信下にある、充電ピン;再充電自在な蓄積装置に電力を供給するように構成される2以上の充電接触部を含む充電台を含み、ここで、装置の充電ピンは、充電台上の第1の充電接触部に接している装置上の第1の充電ピンおよび充電台上の第2の充電接触部に接している装置上の第2の充電ピンにより、並びに、充電台上の第2の充電接触部に接している装置上の第1の充電ピンおよび充電台上の第1の充電接触部に接している装置上の第2の充電ピンにより充電するために、装置が充電台において充電されるように、逆にできる。
【0050】
充電ピンは、装置の外部のハウジング上で視認できてもよい。ユーザーは、ハウジングを開くことにより永続的に装置を不能状態にしてもよい。ユーザーは、ハウジングを開くことにより永続的に装置を無効にしてもよい。
【0051】
本開示の付加的な態様および利点は、以下の詳述から当業者に容易に明白となり、ここでは、本開示の例示的な実施形態のみが示され、且つ記載される。実現されるように、本開示は、他のおよび実施形態においても可能であり、その様々な詳細は、全てが本開示から逸脱することなく、様々な明白な点において修正することができる。従って、図面と記載は事実上例示的とみなされ、限定的とは見なされない。
【0052】
<参照による組み込み>
あたかも個々の刊行物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により組み込まれることが明確且つ個別に意図されているかのように、本明細書で言及した刊行物、特許、および特許出願は全て、同じ程度にまで参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲内に特に明記されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される、具体例を明記する後述の詳細な説明、および以下の添付図面を参照することによって得られる。
【
図2】様々な電子機構およびバルブを備えた典型的な気化装置の例示的な断面図である。
【
図3】マウスピース中に凝縮チャンバ、空気入口、および通気口を含む、別の典型的な気化装置の例示的な断面図である。
【
図4A】オーブンの後ろにアクセス蓋を備えた別の典型的な気化装置の構成のオーブンセクションの例示的な例であり、オーブンセクションは、気流経路中に空気入口、空気出口、および付加的な通気口を有するオーブンを含む。
【
図4B】オーブンの後ろにアクセス蓋を備えた別の典型的な気化装置の構成のオーブンセクションの例示的な例であり、オーブンセクションは、気流経路中に空気入口、空気出口、および付加的な通気口を有するオーブンを含む。
【
図4C】オーブンの後ろにアクセス蓋を備えた別の典型的な気化装置の構成のオーブンセクションの例示的な例であり、オーブンセクションは、気流経路中に空気入口、空気出口、および付加的な通気口を有するオーブンを含む。
【
図5】組み立てられた吸入可能なエアロゾル装置の例示的な等角図である。
【
図6A】装置本体と従属部品の例示的な配置および断面図である。
【
図6B】装置本体と従属部品の例示的な配置および断面図である。
【
図6C】装置本体と従属部品の例示的な配置および断面図である。
【
図6D】装置本体と従属部品の例示的な配置および断面図である。
【
図7A】組み立てられたカートリッジの例示的な等角図である。
【
図7B】カートリッジアセンブリの例示的な分解図である。
【
図7C】入口チャネル、入口穴、および、流体芯、抵抗発熱体、およびヒーター接触部の相対的な配置、並びにヒーターの内側にあるヒーターチャンバを示す、
図3のAの側面断面図である。
【
図8A】ヒーターの内側にある例示的なカートリッジの例示的な端部断面図である。
【
図8B】キャップが取り外され、且つヒーターが影/輪郭で示されている、カートリッジの例示的な側面図である。
【
図9】カートリッジの組み立て方法の例示的な順序である。
【
図10A】カートリッジのための気流/蒸気経路を示す例示的な順序である。
【
図10B】カートリッジのための気流/蒸気経路を示す例示的な順序である。
【
図10C】カートリッジのための気流/蒸気経路を示す例示的な順序である。
【
図11】装置の中心部材を組み立てるための例示的な組立順序を表わす。
【
図12】装置の中心部材を組み立てるための例示的な組立順序を表わす。
【
図13】装置の中心部材を組み立てるための例示的な組立順序を表わす。
【
図14】組み立てられた吸入可能なエアロゾル装置の正面図、側面図、および断面図を示す。
【
図15】起動状態にある、組み立てられた吸入可能なエアロゾル装置の例示的な図である。
【
図16A】エアロゾル装置用の充電装置、および該装置による充電器の適用に関する、充電装置の典型的な例である。
【
図16B】エアロゾル装置用の充電装置、および該装置による充電器の適用に関する、充電装置の典型的な例である。
【
図16C】エアロゾル装置用の充電装置、および該装置による充電器の適用に関する、充電装置の典型的な例である。
【
図17A】比例積分偏差(PID)コントローラのブロック図、および、コイルの温度を制御するための装置中の必須の構成部品を表わす回路図の典型的な例である。
【
図17B】比例積分偏差(PID)コントローラのブロック図、および、コイルの温度を制御するための装置中の必須の構成部品を表わす回路図の典型的な例である。
【
図18】装置の外部ハウジングから視認できる充電接触部を備えた装置である。
【
図21】装置の充電アセンブリ中の充電ピンの詳細な図である。
【
図23】逆にできる充電接触部を装置が含むのを可能にするよう構成されるPCBに設けられる回路である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本明細書には、材料から蒸気を生成するためのシステムと方法が提供される。蒸気はユーザーによる吸入のために送達されてもよい。材料は、固体、液体、粉末、溶液、ペースト、ゲル、または他の物理的な一貫性を備えた任意の材料でもよい。蒸気は、気化装置による吸入のためにユーザーに送達されてもよい。気化装置は携帯型の気化装置でもよい。気化装置はユーザーにより片手で保持されるものでもよい。
【0055】
気化装置は1より多くの発熱体を含み、該発熱体は抵抗発熱体であってもよい。発熱体は、材料の温度が上昇するように材料を加熱してもよい。蒸気は材料を加熱した結果として生成されてもよい。エネルギーは発熱体を作動することを要求され、エネルギーは発熱体と電気通信下にあるバッテリから生じてもよい。代替的に、化学反応(例えば、燃焼または他の発熱反応)が、発熱体にエネルギーを提供してもよい。
【0056】
気化装置の1以上の態様は、ユーザーに1以上の指定された特性を備えた蒸気を送達するために、設計および/または制御されてもよい。例えば、指定された特性を備えた蒸気を送達するように設計および/または制御される気化装置の態様は、加熱温度、加熱機構、装置の空気入口、装置の内容積、および/または材料の組成を含んでもよい。
【0057】
幾つかの場合には、気化装置は、エアロゾル形成溶液(例えば気化可能な材料)を加熱するように構成された「アトマイザー」または「カルトマイザー(cartomizer)」を有してもよい。エアロゾル形成溶液は、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールを含んでもよい。気化可能な材料は、蒸発するのに十分な温度に加熱されてもよい。
【0058】
アトマイザーは、エアロゾルを生成するように構成された装置またはシステムでもよい。アトマイザーは、気化可能な材料の少なくとも一部を加熱および/または蒸発させるように構成された小さな発熱体、および、アトマイザーに液体の気化可能な材料を引き込む灯心材料(wicking material)を含んでもよい。灯心材料は、シリカファイバ、綿、セラミック、麻、ステンレス鋼のメッシュ、および/またはロープケーブルを含んでもよい。灯心材料は、ポンプまたは他の機械的な可動部分が無いアトマイザーに、液体の気化可能な材料を引き込むように構成されてもよい。抵抗線は、灯心材料の周囲に包まれ、そして、電源(例えばエネルギー源)の陽極および陰極に接続されてもよい。抵抗線はコイルでもよい。抵抗線が起動される場合、抵抗線(またはコイル)は、熱を発するために抵抗線を通って電流が流れた結果として温度が上昇してもよい。熱は、気化可能な材料の少なくとも一部が蒸発するように、伝導性、伝達性、および/または放射性の熱伝達を介して気化可能な材料の少なくとも一部に伝達されてもよい。
【0059】
代替的に、またはアトマイザーに加えて、気化装置は、ユーザーによる吸入のため気化可能な材料からエアロゾルを生成するために「カルトマイザー」を含んでもよい。カルトマイザーはカートリッジとアトマイザーを含んでもよい。カルトマイザーは、気化可能な材料(例えば液体)のためのホルダとして作用する、液体で浸したポリフォーム(poly-foam)に囲まれた発熱体を含んでもよい。カルトマイザーは、再使用可能、再構築可能、再充填可能、および/または使い捨てであってもよい。カルトマイザーは、気化可能な材料の余分な貯蔵のためのタンクを含んでもよい。
【0060】
空気は、発熱体から気化したエアロゾルを運び出すために気化装置へ引き抜かれてもよく、その後空気は冷却され且つ凝縮されて、空気中に浮遊する液体粒子を形成し、それらは後にユーザーによりマウスピースから引き出されてもよい。
【0061】
気化可能な材料の少なくとも一部の気化は、タバコ(cigarette)の中に吸入可能な蒸気を生成するのに必要とされる温度と比較して、より低い温度で気化装置の中で生じてもよい。タバコは、中で喫煙に適した材料が吸入可能な蒸気を生成するために燃焼する装置でもよい。気化装置のより低い温度は、結果として気化した材料の分解および/または反応をあまりもたらさず、それ故、タバコと比較して化学成分がより少ないエアロゾルを生成してもよい。幾つかの場合には、気化装置が、タバコと比較して、ヒトの健康に有害な化学成分がより少ないエアロゾルを生成してもよい。加えて、気化装置のエアロゾル粒子は、加熱プロセスにおいてほぼ完全な蒸発を経て、ほぼ完全な蒸発は、煙草または植物ベースの流出液中の平均粒度よりも小さな平均粒度(例えば直径)の値をもたらしてもよい。
【0062】
気化装置は、吸入のために、植物性素材、煙草、および/または植物性薬品、または他の薬草、或いは混合物の1より多くの活性成分を抽出するように構成された装置でもよい。気化装置は、植物性素材と混合されるまたは混合されていない、純粋な化学物質および/または湿潤剤と共に使用されてもよい。気化は、300℃より高い温度で煙草または植物性製品を燃焼させる熱分解プロセスから結果として生じる、多くの刺激的および/または有毒な発癌性の副産物の吸入を回避する、燃焼(または発煙)に代わるものでもよい。気化装置は、300℃以下の温度で作動してもよい。
【0063】
気化器(例えば気化装置)には、アトマイザーまたはカルトマイザーが無くてもよい。代わりに、前記装置はオーブンを含んでもよい。オーブンは少なくとも部分的に閉じられたものでもよい。オーブンは開閉自在な開口部を有するものでもよい。オーブンは発熱体で覆われたものでもよく、代替的に、発熱体は別の機構を通じてオーブンと熱連通していてもよい。気化可能な材料は、オーブンまたはオーブンに適合したカートリッジに直接配されてもよい。オーブンと熱連通している発熱体は、気相蒸気を作り出すために気化可能な材料の塊を加熱してもよい。発熱体は、伝導性、伝達性、および/または放射性の熱伝達を介して気化可能な材料を加熱してもよい。気相蒸気が凝縮して、約1ミクロン以上の平均質量の直径を有する粒子を備えた典型的な液体の蒸気粒子を有するエアロゾルを形成する気化チャンバへと、蒸気が放たれてもよい。幾つかの場合には、平均質量の直径は約0.1-1ミクロンでもよい。
【0064】
本明細書で使用されるように、用語「蒸気」は一般的に、その臨界点より低い温度にある、気相中の物質を指す場合がある。蒸気は、温度を下げることなくその圧力を上げることにより、液体または固体へと凝縮されてもよい。
【0065】
本明細書で使用されるように、用語「エアロゾル」は一般的に、空気または別の気体中の微小固形物粒子または液滴のコロイドを指す場合がある。エアロゾルの例は、煙草または植物性製品からの煙を含む、雲状のもの、煙霧、および煙を含んでもよい。エアロゾル中の液体または固体の微粒子は、研究室において生産可能であり且つ均一なサイズの粒子を含有する単分散のエアロゾルから、様々な粒径を示す多分散系のコロイド系に及ぶ、平均質量の異なる直径を有してもよい。これらの粒子のサイズがより大きくなるにつれ、粒子の沈降速度が大きくなり、これにより、より早くエアロゾルから粒子を沈降させてエアロゾルの外観をあまり密でないものにし、且つエアロゾルが空気中に留まる時間を短くする。興味深いことに、より小さな粒子を持つエアロゾルは、より多くの粒子を持つため、より濃く、またはより密な状態に見える。粒子数は、光散乱に対して、(少なくとも、粒径の考慮された範囲について)粒径よりも遥かに大きな影響を及ぼし、それにより、量は少ないがより大きな粒径を持つ雲状のものよりも密に現れる、多くのより小さな粒子を持つ蒸気雲を可能にする。
【0066】
本明細書に使用されるように、用語「湿潤剤」は一般的に、物を湿った状態に保つために使用される物質を指す場合がある。湿潤剤は、吸収により空気中の湿気を引き寄せて保持し、水が他の物質により使用されるのを可能にするものでもよい。湿潤剤はまた、製品を湿った状態に保つ多くの煙草または植物性薬品および電子気化製品において、並びに蒸気形成媒体として、共通して使用される。例は、プロピレングリコール、グリセロール、グリセリン、およびハチミツなどの糖ポリオール(sugar polyol)を含む。
【0067】
<迅速な通気>
幾つかの場合には、気化装置は、高粒子密度を備えたエアロゾルを送達するように構成されてもよい。エアロゾルの粒子密度は、エアロゾルの小滴間にある空気(または他の乾性ガス)の容量に対するエアロゾルの小滴の数を指す場合がある。密なエアロゾルは、ユーザーに容易に視認可能なものでもよい。幾つかの場合には、ユーザーはエアロゾルを吸入し、エアロゾル粒子の少なくとも一部がユーザーの肺および/または口に作用してもよい。ユーザーはエアロゾルを吸入した後に残りのエアロゾルを吐き出してもよい。エアロゾルが密な場合、残りのエアロゾルは、吐き出したエアロゾルがユーザーに視認可能となるのに十分な粒子密度を備えるものでもよい。幾つかの場合には、ユーザーは、視覚的な効力を持ちおよび/または口当たりの良い、密なエアロゾルを好むかもしれない。
【0068】
気化装置は気化可能な材料を含んでもよい。気化可能な材料はカートリッジに包含されてもよく、または、気化可能な材料は気化装置の1以上のキャビティに緩く配されてもよい。気化可能な材料の少なくとも一部が蒸気を形成するように気化可能な材料の温度を上げるために、装置に発熱体が設けられてもよい。発熱体は、伝導性の熱伝達、伝達性の熱伝達、および/または放射性の熱伝達により気化可能な材料を加熱してもよい。発熱体は、中に気化可能な材料が貯蔵されるカートリッジおよび/またはキャビティを加熱してもよい。
【0069】
気化可能な材料を加熱した後に形成された蒸気は、ユーザーに送達されてもよい。蒸気は、装置中の第1の位置から、装置中の第2の位置へと、装置を通って運ばれてもよい。幾つかの場合には、第1の位置は、蒸気の少なくとも一部が生成された位置、例えば、カートリッジまたはキャビティ、或いはカートリッジまたはキャビティに隣接する領域でもよい。第2の位置はマウスピースでもよい。ユーザーは蒸気を吸入するためにマウスピースを吸ってもよい。
【0070】
蒸気の少なくとも一部は、蒸気が生成された後、および蒸気がユーザーにより吸入される前に、凝縮してもよい。蒸気は凝縮チャンバ中で凝縮してもよい。凝縮チャンバは、ユーザーへの送達前に蒸気が通過する、装置の一部でもよい。幾つかの場合には、装置は、気化装置の凝縮チャンバに配される、少なくとも1つの通気口を含んでもよい。通気口は、気化チャンバに周囲空気(または他の気体)を導入するように構成されてもよい。気化チャンバに導入された空気の温度は、凝縮チャンバの気体および/または気体/蒸気の混合物の温度よりも低くてもよい。気化チャンバへの比較的より低い温度の気体の導入は、気化可能な材料を加熱することにより生成された、加熱された気体と蒸気の混合物の急冷をもたらす場合がある。気体と蒸気の混合物の急冷は、ユーザーによる吸入の前に急冷されないエアロゾルと比較して、より小さな直径および/またはより小さな平均質量を有する高濃度の液滴を含む、密なエアロゾルを生成する場合がある。
【0071】
ユーザーによる吸入の前に急冷されないエアロゾルと比較して、より小さな直径および/またはより小さな平均質量を有する高濃度の液滴を含むエアロゾルは、2工程のプロセスで形成されてもよい。第1の工程は、気化可能な材料(例えば、煙草および/または植物性薬品と湿潤剤の混合物)が高温に加熱されるオーブンチャンバ中で行われてもよい。高温での蒸発は、室温での蒸発よりも速く起こる場合があり、オーブンチャンバは湿潤剤の気相で満たされる場合がある。湿潤剤の部分圧力が飽和圧力と等しくなるまで、湿潤剤は蒸発し続けてもよい。この時点で、気体は1(S=Ppartial/Psat)の飽和度を有すると言われている。
【0072】
第2の工程において、気体(例えば蒸気と空気)は、オーブンを出て、コンデンサまたは凝縮チャンバに入り、冷却され始めてもよい。気相蒸気が冷えるにつれ、飽和圧力は減少する場合がある。飽和圧力が減少するにつれ、飽和度は増加し、蒸気は凝縮し始めて小滴を形成する場合がある。幾つかの装置において、付加的な冷却通気が無い状態では、冷却は比較的更に遅くなり、それにより、高い飽和圧力には到達せず、付加的な冷却通気の無い装置中に生じる小滴が比較的より大きくなり且つその数がより少なくなる場合がある。より冷たい空気が導入されると、温度勾配が、装置中のより冷たい空気と比較的暖かい気体との間に生じる場合がある。気化装置の内部にある限定された空間中のより冷たい空気と比較的暖かい気体との間での混合は、急冷に通じる場合がある。急冷は、高い飽和度、小さな粒子、および高濃度のより小さな粒子を生成し、通気口の無い装置の中で生成された粒子と比較してより濃くてより密な蒸気雲を形成する場合がある。
【0073】
この開示のために、植物性グリセロールまたはプロピレングリコールなどの湿潤剤の比率に言及する場合、「約」は、実施形態に依存して5%、10%、20%、または25%の変動を意味する。
【0074】
この開示のために、粒径における平均質量の直径に言及する場合、「約」は、実施形態に依存して5%、10%、20%、または25%の変動を意味する。
【0075】
蒸気を急冷するように構成された気化装置は、該装置の第1の端部にエアロゾル出口を含むマウスピース;オーブンであって、オーブンチャンバと、該オーブンチャンバ中の蒸気形成媒体を加熱し且つその中に蒸気を形成するためのヒーターとを含む、オーブン;蒸気が吸入可能なエアロゾルを形成する凝縮チャンバを含む、コンデンサ;オーブンチャンバと凝縮チャンバとを含む第1の気流経路を起点とする空気入口;第2の気流経路を起点とする通気口を含み、第2の気流経路は、オーブンチャンバの中で蒸気が形成された後に凝縮チャンバの前または中にある第1の気流経路に繋がる、通気口を含み、ここで、繋げられた第1の気流経路と第2の気流経路は、凝縮チャンバ中で形成された吸入可能なエアロゾルを、マウスピースのエアロゾル出口に通してユーザーに送達するように構成される。
【0076】
幾つかの実施形態において、オーブンは、装置の本体の中にある。オーブンチャンバは、オーブンチャンバ入口およびオーブンチャンバ出口を含んでもよい。オーブンは更に、オーブンチャンバ入口にある第1のバルブ、およびオーブンチャンバ出口にある第2のバルブを含んでもよい。
【0077】
オーブンは装置のハウジング内に包含されてもよい。幾つかの場合には、装置の本体は、通気口および/またはコンデンサを含んでもよい。装置の本体は1以上の空気入口を含んでもよい。装置の本体は、装置の1以上の要素を保持および/または少なくとも部分的に包含するハウジングを含んでもよい。
【0078】
マウスピースは本体に接続されてもよい。マウスピースはオーブンに接続されてもよい。マウスピースは、少なくとも部分的にオーブンを包囲するハウジングに接続されてもよい。幾つかの場合には、マウスピースは、オーブン、本体、および/または少なくとも部分的にオーブンを包囲するハウジングから分離自在であってもよい。マウスピースは、空気入口、通気口、およびコンデンサの少なくとも1つを含んでもよい。マウスピースは装置の本体に一体化されてもよい。装置の本体はオーブンを含んでもよい。
【0079】
幾つかの場合には、1以上の通気口はバルブを含んでもよい。バルブは、通気口を介して装置に入る空気の流量を調節してもよい。バルブは、機械的および/または電気的な制御システムを介して制御されてもよい。
【0080】
蒸気を急冷するように構成された気化装置は、本体、マウスピース、エアロゾル出口、凝縮チャンバを備えたコンデンサ、ヒーター、オーブンチャンバを備えたオーブン、第1の気流入口、および、本体、オーブンの下流、並びにマウスピースの上流に設けられた少なくとも1つの通気口を含んでもよい。
【0081】
図1は、蒸気を急冷するように構成された気化装置の例を示す。装置(100)は本体(101)を含んでもよい。本体は、装置の1以上の構成要素を収容し、および/またはそれらを一体化してもよい。本体は、マウスピース(102)を収容および/または一体化してもよい。マウスピース(102)は、エアロゾル出口(122)を有してもよい。ユーザーは、マウスピース(102)上のエアロゾル出口(122)を介して生成されたエアロゾルを吸入してもよい。本体は、オーブン部分(104)を収容および/または一体化してもよい。オーブン部分(104)は、蒸気形成媒体(106)が配されるオーブンチャンバを含んでもよい。蒸気形成媒体は、第2の湿潤剤を備えたまたは備えていない、煙草および/または植物性薬品を含んでもよい。幾つかの場合には、蒸気形成媒体は、取り外し自在および/または再充填自在なカートリッジに包含されてもよい。
【0082】
空気は、第1の空気入口(121)を通って装置に引き抜かれてもよい。第1の空気入口(121)は、マウスピース(102)に対向する装置(100)の端部の上にあってもよい。代替的に、第1の空気入口(121)はマウスピース(102)に隣接していてもよい。幾つかの場合、第1の空気入口(121)に通して空気を装置に引き入れるのに十分な圧力低下は、マウスピース(102)を吹かすユーザーによる場合がある。
【0083】
蒸気形成媒体(例えば気化可能な材料)は、煙草または植物性薬品および湿潤剤/蒸気形成構成要素の高温の気相(蒸気)を生成するために、ヒーター(105)によりオーブンチャンバの中で加熱されてもよい。ヒーター(105)は、伝導性、伝達性、および/または放射性の熱伝達を介して、蒸気形成媒体に熱を伝達してもよい。生成された蒸気は、オーブン部分からコンデンサ(103)の凝縮チャンバ(103a)へと引き抜かれ、ここで、蒸気は冷え始め、空気中で浮遊する微小粒子または小滴へと凝縮し、それにより、エアロゾル出口(122)を通ってマウスピースから引き抜かれる前に、エアロゾルの最初の形成を行う。
【0084】
幾つかの場合には、比較的より冷たい空気が、通気口(107)を通って、凝縮チャンバ(103a)に導入され、それにより、通気口(107)の無い装置中の蒸気と比較して、蒸気はより速く凝縮する。蒸気の急冷により、約1ミクロン以下の平均質量の直径を備えた粒子、および、蒸気形成湿潤剤の混合比に依存して、約0.5ミクロン以下の平均質量の直径を備えた粒子を有する、より密なエアロゾルの雲が生成される場合がある。
【0085】
別の態様において、本発明は、吸入可能なエアロゾルを生成する装置を提供し、該装置は、一端にマウスピースを備えた本体、凝縮チャンバを含む他端に取り付けられた本体、ヒーター、オーブン(ここで、オーブンは、オーブンチャンバの第1の空気入口にある気流経路に第1のバルブを、およびオーブンチャンバの出口端部に第2のバルブを含む)、および、本体、オーブンの下流、並びにマウスピースの上流に設けられた少なくとも1つの通気口を含む。
【0086】
図2は、気化装置(200)の他の実施例の略図を示す。気化装置は本体(201)を有してもよい。本体(201)は、装置の1以上の構成要素を一体化しおよび/または包含してもよい。本体は、マウスピース(202)を一体化しまたはそれに接続されてもよい。
【0087】
本体はオーブン部分(204)を含み、オーブンチャンバ(204a)は、オーブンチャンバの第1の空気入口に第1の収縮バルブ(208)、およびオーブンチャンバ出口に第2の収縮バルブ(209)を有してもよい。オーブンチャンバ(204a)は、その中を、煙草または植物性薬品および/または湿潤剤/蒸気形成媒体(206)で密閉されてもよい。密封は、気密および/または液密式の密封でもよい。ヒーターは、ヒーター(205)を備えたオーブンチャンバに設けられてもよい。ヒーター(205)は、オーブンと熱連通しており、例えば、ヒーターは気化プロセスの間、オーブンチャンバを取り囲んでいてもよい。ヒーターはオーブンに接触してもよい。ヒーターはオーブンの周囲に覆われてもよい。吸入前、および、空気が第1の空気入口(221)を通って引き抜かれる前に、熱が絶えず加えられるように圧力が密封したオーブンチャンバの中で上昇されてもよい。圧力は、気化可能な材料の相変化により上昇してもよい。煙草または植物性薬品および湿潤剤/蒸気形成構成要素の高温の気相(蒸気)は、オーブンに熱を頻繁に加えることにより達成されてもよい。バルブ(208)と(209)が吸入中に開かれると、この加熱された加圧プロセスは更に高い飽和度をもたらす場合がある。より高い飽和度により、結果として生ずるエアロゾル中の気相湿潤剤の比較的高い粒子濃度が生じる場合がある。蒸気が、例えばユーザーによる吸入により、オーブン部分からコンデンサ(203)の凝縮チャンバ(203a)に引き抜かれると、気相湿潤剤の蒸気は、通気口(207)を通って付加的な空気にさらされ、蒸気は冷え始めて、空気中に浮遊する小滴に凝縮する場合がある。前述のように、エアロゾルはユーザーによりマウスピース(222)を通って引き抜かれてもよい。この凝縮プロセスは更に、空気と蒸気の混合プロセスを更に制御するために通気口(207)に付加的なバルブ(210)を加えることにより、精錬されてもよい。
【0088】
図2はまた、気化装置(vaporizing device)に見出される付加的な構成要素の例示的実施形態を示し、これは、電源またはバッテリ(211)、プリント回路基板(212)、温度調節器(213)、および操作スイッチ(214)を含み、これらは、蒸気および/またはエアロゾル中の湿気の有害な効果からそれらを隔離するために内部電子ハウジング(214)内に収容される。付加的な構成要素は、上述のような通気口を含むまたは含まない、気化装置に見出されてもよい。
【0089】
気化装置の幾つかの実施形態において、該装置の構成要素は、電源またはバッテリなどの、ユーザーに都合の良いものである。これら構成要素は、交換自在または再充電自在なものでもよい。
【0090】
また別の態様において、本発明は、吸入可能なエアロゾルを生成する装置を提供し、該装置は、第1の本体、エアロゾル出口を有するマウスピース、コンデンサ中にある凝縮チャンバ、気流入口、およびチャネル、ヒーターとオーブンチャンバを備えたオーブンとを含む取り付けられた第2の本体を含み、ここで、前記気流チャネルは、装置を介して、オーブンの上に、および、補助的な通気口が設けられる凝縮チャンバに気流をもたらすために、オーブンおよびマウスピース出口の上流にある。
【0091】
図3は、気化装置(300)の断面図を示す。装置(300)は本体(301)を含んでもよい。本体は、一端でマウスピース(302)に接続されるおよび/またはそれを一体化してもよい。マウスピースは、コンデンサ部分(303)中の凝縮チャンバ(303a)、気流入口(321)、および空気チャネル(323)を含んでもよい。装置本体は、オーブンチャンバ(304a)を含む、近接して位置付けられたオーブン(304)を含んでもよい。オーブンチャンバは装置の本体の中にあってもよい。煙草または植物性薬品および湿潤剤蒸気形成媒体を含む蒸気形成媒体(306)(例えば気化可能な材料)は、オーブンに配されてもよい。蒸気形成媒体は、マウスピースから空気チャネル(323)と直接接触した状態にあってもよい。煙草または植物性薬品は、マウスピースを吹かすユーザーにより、第1の空気入口(321)を介し、オーブンの上で、およびコンデンサ部分(303)の凝縮チャンバ(303a)へと引き抜かれる、煙草または植物性薬品および湿潤剤/蒸気形成構成要素、並びに空気を生成するために、オーブンチャンバを取り囲むヒーター(305)により加熱されてもよい。一旦、気相湿潤剤の蒸気が冷え始めて空気中に浮遊する小滴に凝縮する圧縮チャンバの中で、付加的な空気が通気口(307)を通って入ると、従って、再度、エアロゾル出口(322)を介してマウスピースから引き抜かれる前に、追加された通気口の無い典型的な気化装置未満の平均質量の直径を持つ粒子を有する、より密なエアロゾル雲を生成する。
【0092】
本発明の幾つかの態様において、装置は、装置の第1の端部にスプレー出口、および第1の気流経路を起点とする空気入口を含むマウスピース;オーブンであって、第1の気流経路にあるオーブンチャンバと、該オーブンチャンバ中の蒸気形成媒体を加熱し且つその中に蒸気を形成するためのヒーターとを含む、オーブン;蒸気が吸入可能なエアロゾルを形成する凝縮チャンバを含む、コンデンサ;および、第2の気流経路を起点とする通気口を含み、第2の気流経路は、通気口からの空気を、凝縮チャンバの前または中にあり且つオーブンチャンバから下流にある第1の気流経路に繋げ、それにより連結経路を形成し、ここで、連結経路は、凝縮チャンバ中で形成される吸入可能なエアロゾルを、マウスピースのエアロゾル出口に通して、ユーザーに送達するように構成される。
【0093】
本発明の幾つかの態様において、装置は、マウスピースを含み、該マウスピースは、前記装置の第1の端部にエアロゾル出口、第1の気流経路を起点とする空気入口、および、第2の気流経路を起点とする通気口を含み、第2の気流経路は、通気口からの空気を第1の気流経路に繋げることを可能にし;前記装置は更に、オーブンを含み、該オーブンは、第1の気流経路にあるオーブンチャンバと、該オーブンチャンバ中の蒸気形成媒体を加熱し且つその中に蒸気を形成するためのヒーターとを含み、前記装置は更に、蒸気が吸入可能なエアロゾルを形成する凝縮チャンバを含むコンデンサを含み、ここで、通気口からの空気は、凝縮チャンバの前または中にあり且つオーブンチャンバから下流にある第1の気流経路に繋がり、それにより連結経路を形成し、ここで、連結経路は、例示的な
図3に示されるように、吸入可能なエアロゾルを、マウスピースのエアロゾル出口に通して、ユーザーに送達するように構成される。
【0094】
本発明の幾つかの態様において、装置は、1以上の分離自在な構成部分を備えた本体を含んでもよい。例えば、マウスピースは、例示的な
図1または2に示されるように、凝縮チャンバ、ヒーター、およびオーブンを含む本体に分離自在に付けられてもよい。
【0095】
本発明の幾つかの態様において、装置は、1以上の分離自在な構成部分を備えた本体を含んでもよい。例えば、マウスピースは本体に分離自在に付けられてもよい。マウスピースは、例示的な
図3に示されるように、凝縮チャンバを含み、オーブンに付けられまたはそれに直に隣接して付けられ、ヒーターおよびオーブンを含む本体から分離自在である。
【0096】
本発明の他の態様において、少なくとも1つの通気口は、例示的な
図1、2、または3に示されるように、コンデンサの凝縮チャンバに位置付けられてもよい。少なくとも1つの通気口は、例示的な
図2に示されるように、少なくとも1つの通気口の気流経路に第3のバルブを含んでもよい。第1、第2、および第3のバルブは、チェック弁、羽打弁、逆止弁、または一方向弁である。本発明の前述の態様の何れかにおいて、第1、第2、または第3のバルブは、機械的に動かされ、電気的に動かされ、或いは手動で動かされてもよい。当業者は、本開示を読み取った後、これら開口部または通気口の何れか1つまたは各々が、バルブを備えたまたは備えない手動で操作される開口部或いは通気口を含む、これら装置の構成により生成された蒸気および生成されているエアロゾルの、気流、圧力、および温度を制御するために、記載されるような機構の異なる組み合わせまたは変形を備えるように構成されるよう、この装置が改変されてもよいことを認識することになる。
【0097】
本発明の幾つかの実施形態において、装置は更に、電源、プリント回路基板、スイッチ、および温度調節器の少なくとも1つを含んでもよい。代替的に、当業者は、前述の各構成が、本体の中に前記電源(バッテリ)、スイッチ、プリント回路基板、または温度調節器も収容することを認識するであろう。
【0098】
本発明の幾つかの実施形態において、予め包まれたエアロゾル形成媒体の供給量が使い尽くされる場合、装置は使い捨てでもよい。代替的に、装置は、装置のユーザー/操作者により、バッテリが再充電自在または交換自在であり、および/またはエアロゾル形成媒体が再充填されるように、再充電自在であってもよい。また更に、本発明の他の実施形態において、装置は、バッテリが再充電自在または交換自在であり、および/または操作者がまた、装置の再充填自在または交換自在なエアロゾル形成媒体に加えて、煙草または植物性構成要素を追加または再充填するように、再充電自在であってもよい。
【0099】
図1、2、または3に示されるように、本発明の幾つかの実施形態において、気化装置は、前記オーブンチャンバの中で加熱される煙草または植物性薬品を含み、ここで、前記煙草または植物性薬品は更に、湿潤剤および煙草または植物性薬品の気相構成要素を含むエアロゾルを生成するために湿潤剤を含む。本発明の幾つかの実施形態において、前記加熱されたエアロゾル形成媒体(106)(206)(306)により生成された気相湿潤剤および煙草または植物性薬品の蒸気は更に、オーブン部分(104)(204)(304)を出て、凝縮チャンバ(103a)(203a)(303a)に入り冷やされて、約1ミクロン以下の平均質量の直径を持つ、過剰な冷気無しで生成されたものよりも多くの粒子を備えた、かなり密で濃いエアロゾルを生成するために、前記気相の蒸気を凝縮した後に、特別な通気口(107)(207)(307)からの空気と混合される。
【0100】
例えば、本発明の他の実施形態において、気相蒸気を冷気と混合することにより生成されたエアロゾルの構成はそれぞれ、例えば、約0.9ミクロン以下;約0.8ミクロン以下;約0.7ミクロン以下;約0.6ミクロン以下の平均質量の直径を持つ異なる範囲の粒子、および、約0.5ミクロン以下の平均質量の粒径を含むエアロゾルさえも含んでもよい。
【0101】
エアロゾル密度の可能な変動および範囲は、温度、圧力、煙草または植物性薬品の選択、並びに湿潤剤の選択の、可能な数の組み合わせが多数あるという点で、大きなものである。しかし、煙草または植物性薬品の選択を排除し、且つ温度範囲と湿潤剤の比率を本明細書に記載されるものに制限することにより、本発明者は、この装置が、約1ミクロン以下の平均質量の直径を持つ、過剰な冷気無しで生成されたよりも多くの粒子を含む、かなり密で、より濃いエアロゾルを生成することを実証した。
【0102】
本発明の幾つかの実施形態において、湿潤剤は、蒸気形成媒体としてグリセロールまたは植物性グリセロールを含む。
【0103】
本発明のまた他の実施形態において、湿潤剤は、蒸気形成媒体としてプロピレングリコールを含む。
【0104】
本発明の好ましい実施形態において、湿潤剤は、蒸気形成媒体としてプロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率を含んでもよい。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの前記比率の範囲は、約100:0と約50:50の比率の間で変動してもよい。上述の範囲内にある好ましい比率の差は、ほんの1しか変動せず、例えば、プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの前記比率は、約99:1でもよい。しかし、より一般的に、プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの前記比率は、約5の増分で変動し、例えば約95:5;または約85:15;或いは約55:45でもよい。
【0105】
好ましい実施形態において、蒸気形成媒体のための、プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの前記比率は、約80:20と約60:40の範囲の間にある。
【0106】
最も好ましい実施形態において、蒸気形成媒体のための、プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの前記比率は、約70:30である。
【0107】
好ましい実施形態の何れかにおいて、湿潤剤は更に香味料製品を含んでもよい。これらの香味料は、ほんの数例を挙げるなら、ココア固形物、カンゾウ、煙草、または植物抽出物を含んでもよい。
【0108】
幾つかの実施形態において、煙草または植物性薬品は、前述のように300-1000℃の範囲で最も一般的に測定される、その熱分解温度にまで、オーブンの中で加熱される。
【0109】
好ましい実施形態において、煙草または植物性薬品は、最大約300℃に加熱される。他の好ましい実施形態において、煙草または植物性薬品は、最大約200℃に加熱される。また他の好ましい実施形態において、煙草または植物性薬品は、最大約160℃に加熱される。これらの低温度の範囲(<300℃)において、煙草または植物性薬品の熱分解は典型的に生じないが、煙草または植物性構成要素および香味料製品の蒸気形成は生じる。加えて、様々な比率で混合された湿潤剤の構成要素の蒸気形成も生じ、その結果として、プロピレングリコールの沸点が約180℃-190℃であり且つ植物性グリセロールの沸点が約280℃-290℃であるため、温度に依存して、ほぼ完全な気化がもたらされる。
【0110】
また他の好ましい実施形態において、前記加熱された煙草または植物性薬品および湿潤剤により生成されたエアロゾルは、通気口を通って提供される空気と混合される。
【0111】
また他の好ましい実施形態において、煙草または植物性薬品および湿潤剤により生成された、前記加熱されたエアロゾルは空気と混合されると、凝縮チャンバに混合される空気温度に依存して、マウスピースを出る前に最大約50℃-70℃、および低くても35℃の温度に冷却される。幾つかの実施形態において、温度は、最大約35℃-55℃に冷却され、より多くて約35℃-70℃の全体範囲内にある、±約10℃以上の変動範囲を有してもよい。
【0112】
また別の態様において、本発明は、独特なオーブン構成を含む、吸入可能なエアロゾルを生成する気化装置を提供し、ここで、前記オーブンは、オーブンの直下流にある気流チャネル内に、および通気チャンバの前に位置付けられた、アクセス蓋および補助的な通気口を含む。この構成において、ユーザーは、アクセス蓋を取り外すことによりオーブンに直接アクセスしてもよく、それにより、ユーザーが装置に気化材料を再充填することが可能となる。
【0113】
加えて、オーブンの真後ろおよび気化チャンバの前の気流チャネルに追加された通気口があることで、ユーザーは、通気チャンバの下流に入る空気の量、および、通気チャンバに入る前にエアロゾルの冷却速度の付加的な制御をもたらされる。
【0114】
図4A-4Cに注目すると、装置(400)は、オーブン部分(404)への最初の空気の加熱プロセスを可能にする、空気入口(421)を有する本体(401)を含んでもよい。煙草または植物性薬品、および湿潤剤を加熱した後(ヒーターは図示せず)、生成された気相湿潤剤の蒸気は、気流チャネル(423)を下に移動し、付加的な通気口(407)を通過してもよく、ここで、ユーザーは加熱された蒸気への気流を選択的に増加させる。ユーザーは、通気口(407)と連通しているバルブを制御することにより、加熱された蒸気への気流を選択的に増加および/または減少させてもよい。幾つかの場合には、装置に通気口が無くてもよい。通気口を介した加熱された蒸気への気流は、出口(422)にある気流チャネルを出る前に蒸気の温度を下げて、そして、通気チャンバ(図示せず)内の蒸気粒子の直径を減らし、従って通気口の無い装置により生成された蒸気と比較してより濃くて密な蒸気を生成することにより、凝縮速度と蒸気密度を上昇させてもよい。ユーザーはまた、中に設けられるアクセス蓋(430)を介して装置(400)を再補充または再充填するために、オーブンチャンバ(404a)にアクセスしてもよい。アクセス蓋は、通気口を備えたまたは備えていない装置に設けられてもよい。
【0115】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する方法が提供され、該方法は:気化装置を提供する工程を含み、ここで、前記装置は約1ミクロン以下の平均質量の粒径を含む蒸気を生成し、この蒸気は、装置のオーブンチャンバ中の蒸気形成媒体を、蒸気形成媒体の熱分解温度より下の第1の温度に加熱することにより、および、凝縮チャンバの中の蒸気を、前記装置のエアロゾル出口を出る前に第1の温度より下の温度に冷却することにより、形成される。
【0116】
幾つかの実施形態において、蒸気は、オーブンから出た後、凝縮相の間、比較的冷たい空気を凝縮チャンバ中の蒸気と混合することにより冷却され、ここで、気相湿潤剤の凝縮は、標準の気化装置またはエアロゾル生成装置の中で通常生じるものよりも、通気の瞬間に達成される高い飽和度により更に速く生じ、より密なエアロゾルの中で副産物があまり無い高濃度のより小さな粒子を生成する。
【0117】
幾つかの実施形態において、吸入可能なエアロゾルの形成は、2工程のプロセスである。第1の工程は、煙草または植物性薬品および湿潤剤の混合物が高温に加熱されるオーブンにおいて行われる。高温での蒸発は、室温での蒸発よりも速く起こり、オーブンチャンバは湿潤剤の気相で満ちている。湿潤剤の部分圧力が飽和圧力と等しくなるまで、湿潤剤は蒸発し続けることになる。この時点で、気体は1(S=Ppartial/Psat)の飽和度を有すると言われている。
【0118】
第2の工程において、気体はオーブンチャンバを出て、コンデンサ中の凝縮チャンバを通過し、冷え始める。気相の蒸気が冷えるにつれ、飽和圧力も低下し、それにより飽和度が上昇し、蒸気が凝縮し、小滴を形成する。冷気が導入される場合、閉じられた空間において混合する2つの流体間の大きな温度勾配は、非常に速い冷却に繋がり、それにより、高飽和度、小さな粒子、および高濃度のより小さな粒子を生じさせ、より濃くて密な蒸気雲を形成する。
【0119】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する方法が提供され、該方法は:一端にマウスピースを備えた本体、および他端に付けられた本体を有する気化装置を含み、該気化装置は、凝縮チャンバを備えたコンデンサ、ヒーター、オーブンチャンバを備えたオーブン、および、本体の中、オーブンの下流、並びにマウスピースの上流に設けられた少なくとも1つの通気口を含み、ここで、湿潤剤を含む煙草または植物性薬品は、気相湿潤剤を含む蒸気を生成するために前記オーブンチャンバの中で加熱される。
【0120】
前述のように、オーブン部分を出る気相蒸気および煙草または植物性薬品構成要素に(加熱された気体要素に対して)冷たい空気を供給することが可能な、凝縮チャンバの中に位置付けられた補助的な通気口を有する気化装置が、約1ミクロン以下の平均質量の直径を持つ、過剰な冷気無しで生成されたものよりも多くの粒子を含む、かなり密で濃いエアロゾルを生成する方法を提供するために使用されてもよい。
【0121】
別の態様において、本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する方法が提供され、該方法は:一端にマウスピースを備えた本体、および他端に付けられた本体を有する気化装置を含み、該気化装置は、凝縮チャンバを備えたコンデンサ、ヒーター、オーブンチャンバを備えたオーブン(ここで、該オーブンは更に、オーブンチャンバの入口端部にある気流経路に第1のバルブ、およびオーブンチャンバの出口端部に第2のバルブを含む)、および、前記本体の中、オーブンの下流、並びにマウスピースの上流に設けられた少なくとも1つの通気口を含み、ここで、湿潤剤を含む煙草または植物性薬品は、気相湿潤剤を含む蒸気を生成するために前記オーブンチャンバの中で加熱される。
【0122】
例示的な
図2に示されるように、吸入の前、および空気が第1の空気入口(221)を通って引き抜かれる前に、気化相の間、煙草または植物性薬品および湿潤剤の蒸気形成媒体(206)でオーブンチャンバ(204a)の中を密閉し、且つヒーター(205)で熱を加えることにより、煙草または植物性薬品および湿潤剤の蒸気形成構成要素の、より高温の気相湿潤剤(蒸気)を生成するために、バッテリ(211)、プリント回路基板(212)、温度調節器(213)、および操作者により制御されるスイッチ(図示せず)の組み合わせを通じて生成された、電子加熱回路により熱が絶えず加えられるにつれて、圧力がオーブンチャンバの中で増すことになる。この加熱された加圧プロセスは、吸入中にバルブ(208)(209)が開かれる場合に、より高い飽和度を生成し、結果として生じるエアロゾルにおいてより高濃度の粒子を生じさせ、蒸気がオーブン部分から凝縮チャンバ(203a)に引き抜かれると、エアロゾルがマウスピース(222)を介して引き抜かれる前に、前述されるように、それらが通気口(207)を介して付加的な空気に再度さらされて、蒸気は冷え始めて空気中に浮遊する小滴へと凝縮される。本発明者はまた、この凝縮プロセスが更に、空気と蒸気の混合プロセスを更に制御するために通気口(207)に付加的なバルブ(210)を加えることにより、精錬されてもよいことに注目している。
【0123】
創造性のある方法の何れか1つの幾つかの実施形態において、第1、第2、および/または第3のバルブは、一方向弁、チェック弁、羽打弁、または逆止弁である。第1、第2、および/または第3のバルブは機械的に動かされてもよい。第1、第2、および/または第3のバルブは電気的に動かされてもよい。第1、第2、および/または第3のバルブは自動で動かされてもよい。第1、第2、および/または第3のバルブは、ユーザーにより直接、或いは、ユーザーから、第1、第2、および/または第3のバルブを作動させる制御システムへの入力コマンドに応じて間接的の何れかで、手動で動かされてもよい。
【0124】
本発明の他の態様において、前記装置は更に、電源、プリント回路基板、または温度調節器の少なくとも1つを含む。
【0125】
創造性のある方法の前述の態様の何れかにおいて、当業者は、本開示を読み取った後、これら開口部または通気口の何れか1つまたは各々が、バルブを備えたまたは備えない、手動で操作される開口部或いは通気口を含む、これら装置の構成により生成された蒸気および生成されているエアロゾルの、気流、圧力、および温度を制御するために、記載されるような機構または電子機器の異なる組み合わせまたは変形を備えるように構成されるよう、この方法が改変されてもよいことを認識することになる。
【0126】
エアロゾル密度の可能な変動および範囲は、温度、圧力、煙草または植物性薬品の選択、並びに湿潤剤の選択、および組み合わせの可能な数が多数あるという点で、大きなものである。しかし、煙草または植物性薬品の選択を排除し、且つ温度を本明細書に記載される範囲および湿潤剤の比率に制限するにことより、本発明者は、1ミクロン以下の平均質量の直径を持つ、過剰な冷気無しで生成されたよりも多くの粒子を含む、かなり密で、より濃いエアロゾルを生成する方法を実証した。
【0127】
創造性のある方法の幾つかの実施形態において、湿潤剤は、蒸気形成媒体としてプロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率を含む。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの前記比率の範囲は、約100:0と約50:50の比率の間で変動することになる。上述の範囲内にある好ましい比率の差は、ほんの1しか変動せず、例えば、プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの前記比率は、約99:1でもよい。しかし、より一般的に、プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの前記比率は、5の増分で変動し、例えば約95:5;または約85:15;或いは約55:45である。
【0128】
植物性グリセロールはプロピレングリコールほど揮発性ではないため、より大きな割合で再凝結することになる。より高濃度のグリセロールを備えた湿潤剤は、より濃いエアロゾルを生成することになる。プロピレングリコールの追加により、凝縮相粒子の濃度が下げられ、且つ気相流出液の濃度が上がったエアロゾルが生じる。エアロゾルが吸入される場合、この気相流出液は頻繁に、喉にむず痒くまたは不快なものとしてとらえられる。幾人かの消費者にとって、この感覚の程度を変えることが望ましいこともある。プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、「喉のむず痒さ」の正確な量でエアロゾルの濃さの平衡を保つために扱われてもよい。
【0129】
前記方法の好ましい実施形態において、蒸気形成媒体のための、プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約80:20と約60:40の範囲の間にある。
【0130】
前記方法の最も好ましい実施形態において、蒸気形成媒体のための、プロピレングリコールに対する植物性グリセロールの比率は、約70:30である。当業者は、異なる嗜好性を持つ消費者にとって、異なる比率を持つ混合物が存在することを想到するであろう。
【0131】
前記方法の好ましい実施形態の何れかにおいて、湿潤剤は更に香味料製品を含む。これらの香味料は、数例を挙げるなら、ココア固形物、カンゾウ、煙草、または植物抽出物などのエンハンサを含む。
【0132】
前記方法の幾つかの実施形態において、煙草または植物性薬品は、その熱分解の温度に加熱される。
【0133】
前記方法の好ましい実施形態において、煙草または植物性薬品は、最大約300℃に加熱される。
【0134】
前記方法の他の好ましい実施形態において、煙草または植物性薬品は、最大約200℃に加熱される。前記方法のまた他の実施形態において、煙草または植物性薬品は、最大約160℃に加熱される。
【0135】
前述のように、このような低温度(<300℃)では、煙草または植物性薬品の熱分解は典型的に生じないが、煙草または植物性構成要素および香味料製品の蒸気形成は生じる。Bakerらにより提供されたデータから推測されるように、これらの温度で生成されたエアロゾルはまた、Hoffmanの分析物がほとんど無く、或いは、一般的な煙草または植物性の煙草の少なくとも70%未満のHoffmanの分析物を備え、Ames試験上で、一般的な煙草を燃やすことにより生成される物質よりも著しく優れていると採点される。加えて、様々な比率で混合された湿潤剤の構成要素の蒸気形成も生じ、その結果として、プロピレングリコールの沸点が約180℃-190℃であり且つ植物性グリセロールの沸点が約280℃-290℃であるため、温度に依存して、ほぼ完全な気化がもたらされる。
【0136】
前述の方法の何れか1つにおいて、湿潤剤を含む煙草または植物性薬品により生成され、且つ前記オーブンの中で加熱される、前記吸入可能なエアロゾルは、気相湿潤剤を含むエアロゾルを生成し、それは更に、通気口を通って提供される空気と混合される。
【0137】
前述の方法の何れか1つにおいて、空気と混合される、前記加熱された煙草または植物性薬品および湿潤剤により生成されたエアロゾルは、マウスピースを出る前に、約50℃-70℃、および低くても35℃の温度に冷却される。幾つかの実施形態において、温度は、最大約35℃-55℃に冷却され、より多くて約35℃-70℃の全体範囲内にある、±約10℃以上の変動範囲を有してもよい。
【0138】
前記方法の幾つかの実施形態において、気相湿潤剤を含む蒸気は、約1ミクロン以下の平均質量の粒径を含むエアロゾルを生成するために、空気と混合されてもよい。
【0139】
前記方法の他の実施形態において、気相蒸気を冷気と混合することにより生成されたエアロゾルの構成はそれぞれ、例えば、約0.9ミクロン以下;約0.8ミクロン以下;約0.7ミクロン以下;約0.6ミクロン以下の平均質量の直径を持つ異なる範囲の粒子、および、約0.5ミクロン以下の平均質量の粒径を含むエアロゾルさえも含んでもよい。
【0140】
場合によっては、気化装置は吸入可能なエアロゾルを生成するように構成されてもよい。装置は自給式の気化装置であってもよい。該装置は長方形の本体を含んでもよく、これは空気入口チャネル、通気道、複数の凝縮チャンバ、フレキシブルヒーター接触部、および、複数のエアロゾル出口を備えた、分離自在かつ再利用可能なカートリッジの態様を補完するように機能する。さらに、カートリッジは製造と組み立てを容易にするように構成されることがある。
【0141】
吸入可能なエアロゾルを生成するための気化装置が本明細書で提供される。気化装置は装置本体、ヒーターをさらに含む分離自在なカートリッジアセンブリ、少なくとも1つの凝縮チャンバ、およびマウスピースを含んでもよい。気化装置は、取り外し自在な結合部を用いる構成要素のコンパクトな組み立てと分解;抵抗発熱体の過熱遮断保護;装置本体と分離自在なカートリッジの組み立てにより形成された空気入口通路(閉鎖型チャネル);分離自在なカートリッジアセンブリ内の少なくとも1つの凝縮チャンバ;ヒーター接触部;および、1つ以上の再充填可能な、再使用可能な、および/または再利用可能な構成要素、を提供する。
【0142】
吸入可能なエアロゾルを生成するための装置が本明細書で提供され、該装置は、カートリッジレセプタクルを含む装置本体;貯蔵室と、カートリッジの外面に一体的なチャネルとを備えるカートリッジ、およびカートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入されるときに、チャネルとカートリッジレセプタクルの内表面によって形成される空気入口通路を備え、カートリッジは金属、プラスチック、セラミック、および/または複合材料から形成されてもよい。貯蔵室は気化可能な材料を保持してもよい。
図7Aは、該装置で使用されるカートリッジ(30)の例を示す。気化可能な材料は、室温の、または室温に近い液体であってもよい。場合によっては、気化可能な材料は室温よりも低い液体であってもよい。
図5-6D、7C、8A、8B、および10Aの様々な非限定的な態様で例証されるように、チャネルは空気入口通路の第1の側部を形成することもあり、カートリッジレセプタクルの内表面は空気入口通路の第2の側部を形成することもある。
【0143】
吸入可能なエアロゾルを生成するための装置が本明細書で提供される。装置は、装置の1つ以上の構成要素を収容する、含む、および/または該構成要素と一体化される本体を備えてもよい。装置本体はカートリッジレセプタクルを備えることもある。カートリッジレセプタクルはカートリッジレセプタクルの内面に一体的なチャネルと;カートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入されるときにチャネルとカートリッジの外表面によって形成される空気入口通路を備えることもある。カートリッジはカートリッジレセプタクルに装入および/または挿入されることもある。カートリッジは流体貯蔵室を有することもある。チャネルは、空気入口通路の第1の側部を形成することがあり、カートリッジの外表面は空気入口通路の第2の側部を形成する。チャネルは、以下の少なくとも1つを備えることもある:溝;谷;トラック;くぼみ;へこみ;筋;深溝;折り目;および、側溝。一体型のチャネルは、表面に凹設されているか、あるいはそれが形成される表面から突出している壁を含み得る。チャネルの内部側壁は、空気入口通路の追加の側部を形成することもある。チャネルは円形、卵形、正方形、長方形、または他の形状の断面を有することがある。チャネルは閉断面を有することがある。チャネルは約0.1cm、0.5cm、1cm、2cm、または5cmの幅を有してもよい。チャネルは約0.1mm、0.5mm、1mm、2mm、または5mmの深さであってもよい。チャネルは約0.1cm、0.5cm、1cm、2cm、または5cmの長さであってもよい。少なくとも1つのチャネルがあり得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、流体貯蔵室への空気入口通路との流体連通した第2の空気通路を含み、第2の空気通路はカートリッジの材料によって形成される。
【0145】
図5-7Cは、吸入可能なエアロゾルを生成するためのコンパクトな電子装置アセンブリ(10)の様々な図面を示す。コンパクトな電子装置(10)は、カートリッジ(30)を受け取るためのカートリッジレセプタクル(21)を備えた装置本体(20)を含むことがある。装置本体は正方形または長方形の断面を有することがある。あるいは、本体の断面は他の規則的または不規則な形状であってもよい。カートリッジレセプタクルは開かれたカートリッジ(30a)または「ポッド」を収容するために形作られることがある。カートリッジは、保護キャップがカートリッジの表面から取り外されるときに開かれてもよい。場合によっては、カートリッジは、ホールまたは開口部がカートリッジの表面に形成されるときに開かれることもある。ポッド(30a)は、ポッドのヒーター接触部(33)上の露出した第1のヒーター接触部チップ(33a)が装置本体の第2のヒーター接触部(22)と接触し、それにより、装置アセンブリ(10)を形成するように、カートリッジレセプタクル(21)の開放端に挿入されることもある。
【0146】
図14を参照すると、ポッド(30a)がカートリッジレセプタクル(21)の刻み目の設けられた本体に挿入されるとき、チャネルの空気入口(50)が露出されたままであることは平面図において明らかである。チャネルの空気入口(50)の大きさは、カートリッジレセプタクル(21)における刻み目の配置を変更することにより変えられてもよい。
【0147】
装置本体は、充電式電池、装置の動作論理およびソフトウェア指令を備えたマイクロコントローラを備えるプリント回路基盤(PCB)(24)、ヒーター回路を起動するためにユーザーの息を切らす行動を検知するための圧力スイッチ(27)、インジケータライト(26)、充電接触部(図示せず)、および随意の充電磁石(charging magnet)または磁気接触部(図示せず)をさらに含むことがある。カートリッジはさらにヒーター(36)を含んでもよい。ヒーターは充電式電池によって動力が供給されてもよい。ヒーターの温度はマイクロコントローラによって制御されてもよい。ヒーターはカートリッジの第1の端部に取り付けられてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、ヒーターはヒーターチャンバ(37)、第1の対のヒーター接触部(33)(33’)、流体芯(34)、および該芯に接する抵抗発熱体(35)を含んでもよい。第1の対のヒーター接触部は、ヒーターチャンバの側部のまわりに取り付けられた薄板を含むことがある。流体芯と抵抗発熱体はヒーター接触部間に吊るされることがある。
【0149】
いくつかの実施形態では、2つ以上の抵抗発熱体(35)、(35’)と、2つ以上の芯(34)、(34’)があってもよい。実施形態のいくつかにおいて、ヒーター接触部(33)は、平板;雄型接触部;雌型レセプタクル、または両方;可撓性を有する接触部および/または銅合金または別の導電性の材料を備えることもある。第1の対のヒーター接触部は、装置本体を備えた回路を完成させるためにヒーターから伸びる可撓性を有するスプリングバルブを有するタブ(例えばフランジ)を含み得る成形された形状をさらに含むことがある。第1の対のヒーター接触部は、抵抗発熱体によって生成される過度の熱を吸収して放散するヒートシンクであってもよい。代替的に、第1の対のヒーター接触部は、抵抗発熱体によって生成される過度の熱からヒーターチャンバを保護する熱シールドであってもよい。第1の対のヒーター接触部は、カートリッジの第1の端部の外壁上の取り付け機構へプレス嵌めされてもよい。ヒーターは、カートリッジの第1の端部と流体貯蔵室の第1の端部を包囲することがある。
【0150】
図7Bの分解組立図で示された組み立てで例証されるように、ヒーターのエンクロージャーは2つ以上のヒーター接触部(33)を含むことがあり、その各々は銅合金または類似した導電性材料から機械加工される、あるいは打ち抜かれることがある平板を含む。チップの可撓性は、金属シートまたは金属板の材料の固有のスプリング性能を十分に利用する雄型接触部先端チップ(33a)よりも下に作られた一部を切り取った隙間機構(33b)によって提供される。この種の接触部の別の利点と改良は、スペースの要求が減ることと、バネの接触点(対ポゴピン)の構築が簡略化されることと、組み立てが容易であることである。ヒーターは第1の凝縮チャンバを含んでもよい。ヒーターは第1の凝縮チャンバに加えて、1以上よりも多くの追加の凝縮チャンバを含んでもよい。第1の凝縮チャンバはカートリッジの外壁に沿って形成されてもよい。
【0151】
場合によっては、カートリッジ(例えばポッド)は製造と組み立てを容易にするために構成される。カートリッジはエンクロージャーを含んでもよい。エンクロージャーはタンクであってもよい。タンクは内部の流体貯蔵室(32)を含んでもよい。内部の流体貯蔵室(32)は1つの端部または両方の端部で開いており、側端部(45b)と(46b)上に隆起したレールを備える。カートリッジはプラスチック、金属、複合物、および/またはセラミック材料から形成されてもよい。カートリッジは堅いこともあれば、可撓性を有することもある。
【0152】
タンクは、タンクの第1の端部の側部に取り付けられるとともにタンクの開放端(53)にまたがる接触部チップ(33a)よりも下に薄いカットアウトを有する、銅合金または別の導電性材料から形成された1セットの第1のヒーター接触部プレート(33)をさらに含んでもよい。プレートは
図7Bまたは5で示されるように、ピンまたは柱に取り付けられてもよく、あるいは、エンクロージャ(36)の真下で圧縮などの他の一般的な手段によって取り付けられてもよい。周りに抵抗発熱体(35)を巻き付けられた流体芯(34)は、第1のヒーター接触部プレート(33)の間に置かれ、それに取り付けられる。内部の端部(図示せず)上の隆起した内部縁部を含むヒーター(36)、薄い混合領域(図示せず)、およびタンクの前半部のタンクの側部上のレール(45b)の上を摺動する主要な凝縮チャネルカバー(45a)は、主要な凝縮チャネル/チャンバ(45)を形成する。加えて、チャネルカバーの端部にある小さな雄型スナップ機構(39b)は、雌型スナップ機構(39a)に入るように構成され、タンクの側部の中央本体に置かれ、スナップ嵌めのアセンブリを作る。
【0153】
さらに以下に明確にされるように、側面の開いた端部(53)、接触部プレート(33)の突出チップ(33a)、流体貯蔵タンクの開放端において囲まれる抵抗発熱体(35)を有する流体芯(34)の、内部に薄い混合領域を備えるヒーター(36)の下での組み合わせにより、効率的なヒーターシステムが作られる。加えて、タンクの側部のレール(45b)上を摺動する主要な凝縮チャネルカバー(45a)は、一体型の、組み立ての容易な主要な凝縮チャンバ(45)を作り、カートリッジ(30)またはポッド(30a)の第1の端部にあるヒーター内にすべてがある。
【0154】
装置のいくつかの実施形態において、
図9で示されるように、ヒーターはカートリッジの少なくとも第1の端部を包囲することがある。カートリッジの囲まれた第1の端部は、ヒーターと内部の流体貯蔵室を含むことがある。いくつかの実施形態では、ヒーターは少なくとも1つの第1の凝縮チャンバ(45)をさらに含む。
【0155】
図9は、カルトマイザーおよび/またはマウスピースを組み立てるために行なわれ得る図示された工程を示す。A-Bでは、流体貯蔵室(32a)はヒーター入口(53)が上向きになるように方向づけられてもよい。ヒーター接触部(33)は流体貯蔵室に挿入されてもよい。可撓性を有するタブ(33a)はヒーター接触部(33)に挿入されてもよい。工程Dでは、抵抗発熱体(35)は芯(34)に巻かれてもよい。工程Eでは、芯(34)とヒーター(35)は流体貯蔵室に置かれることがある。ヒーターの1つ以上の自由端部がヒーター接触部の外部に位置することがある。1つ以上の自由端部は適所にはんだ付けされるか、溝の中に置かれるか、適した位置にスナップ嵌めされてもよい。1つ以上の自由端部の少なくとも一部はヒーター接触部(33)と連通することがある。工程Fでは、ヒーターエンクロージャ(36)は適所にスナップ嵌めされることがある。ヒーターエンクロージャ(36)は流体貯蔵室に取り付けられることがある。工程Gは、ヒーターエンクロージャ(36)が流体貯蔵室上の適所にあることを示す。工程Hでは、流体貯蔵室は裏返しになる可能性がある。工程Iでは、マウスピース(31)は流体貯蔵室に取り付けることができる。工程Jは、流体貯蔵室上の適所にあるマウスピース(31)を示す。工程Kでは、端部(49)は、マウスピースの反対側の流体貯蔵室に取り付けることが可能である。工程Lは完全に組み立てられたカートリッジ(30)を示す。
図7Bは、組み立てられたカートリッジ(30)の分解組立図を示す。
【0156】
ヒーターおよび/またはヒーターチャンバの大きさによって、ヒーターは1つを超える芯(34)と抵抗発熱体(35)を有することがある。
【0157】
いくつかの実施形態では、第1の対のヒーター接触部(33)は、ヒーターから伸びる可撓性を有するスプリングバルブを有するタブ(33a)を含む成形された形状をさらにむ。いくつかの実施形態では、カートリッジ(30)は、装置本体(20)のカートリッジレセプタクル(21)に挿入されるヒーター(33)を備え、可撓性を有するタブ(33a)は装置本体を備えた回路を完成させるために、第2の対のヒーター接触部(22)に挿入される。第1の対のヒーター接触部(33)は、抵抗発熱体(35)によって生成された過度の熱を吸収して放散するヒートシンクであってもよい。第1の対のヒーター接触部(33)は、抵抗発熱体(35)によって生成された過度の熱からヒーターチャンバを保護する熱シールドであってもよい。第1の対のヒーター接触部は、カートリッジの第1の端部の外壁の取り付け機構へプレス嵌めされてもよい。ヒーター(36)は、カートリッジの第1の端部と流体貯蔵室(32a)の第1の端部を包囲することがある。ヒーターは第1の凝縮チャンバ(45)を含むことがある。ヒーターは少なくとも1つの追加の凝縮チャンバ(45)、(45’)、(45’’)などを含むことがある。第1の凝縮チャンバはカートリッジの外壁に沿って形成されてもよい。
【0158】
装置のさらに別の実施形態では、カートリッジはマウスピース(31)をさらに含むことがあり、マウスピースは少なくとも1つのエアロゾル出口チャネル/第2の凝縮チャンバ(46);および、少なくとも1つのエアロゾル出口(47)を含む。マウスピースはカートリッジの第2の端部へ取り付けられることがある。マウスピースを備えたカートリッジの第2の端部は、カートリッジが装置に挿入されるときに、端部から露出することもある。マウスピースは1を超える第2の凝縮チャンバ(46)、(46’)、(46’’)などを含むことがある。第2の凝縮チャンバはカートリッジの外壁に沿って形成される。
【0159】
マウスピース(31)は、カートリッジと内部の流体貯蔵室の第2の端部を包囲することがある。部分的に組み立てられた(例えば、マウスピースを取り外した)ユニットは、逆さまにされてもよく、反対側の残りの(第2の)開放端を通って気化可能な流体で満たされてもよい。いったん満たされると、タンクの第2の端部を閉じて密閉するスナップ方式のマウスピース(31)は、端部に挿入される。マウスピースはさらに、突起した内部縁部(図示せず)とタンクの後半部の側部に置かれたレール(46b)の上を摺動するエアロゾル出口チャネルカバー(46a)を備え、エアロゾル出口チャネル/第2の凝縮チャンバ(46)を形成する。エアロゾル出口チャネル/第2の凝縮チャンバ(46)は移行領域(57)で主要な凝縮チャンバ(45)の端部の上を摺動することで、主要なチャンバを出る蒸気の合流点を作り、エアロゾル出口チャネル(46)の端部とマウスピース(31)のユーザー端部においてエアロゾル出口(47)を通って先に進む。
【0160】
カートリッジは第1の凝縮チャンバと、第2の凝縮チャンバ(45)、(46)を含むことがある。カートリッジは、1を超える第1の凝縮チャンバと、1を超える第2の凝縮チャンバ(45)、(46)、(45’)、(46’)などを備えることがある。
【0161】
装置のいくつかの実施形態では、第1の凝縮チャンバ(45)はカートリッジ流体貯蔵室(31)の外部に沿って形成されてもよい。装置のいくつかの実施形態では、エアロゾル出口(47)はエアロゾル出口チャンバ(46)の端部に存在する。装置のいくつかの実施形態では、第1と第2の凝縮チャンバ(45)(46)は、カートリッジ流体貯蔵室(31)の1つの側部の外部に沿って形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の凝縮チャンバはエアロゾル出口チャンバであってもよい。いくつかの実施形態では、別の対の第1および/または第2の凝縮チャンバ(45’)、(46’)は、装置の別の側部のカートリッジ流体貯蔵室(31)の外部に沿って形成される。いくつかの実施形態では、別のエアロゾル出口(47’)は第2の対の凝縮チャンバ(45’)(46’)の端部にも存在する。
【0162】
実施形態のいずれか1つにおいて、第1の凝縮チャンバと第2の凝縮チャンバは
図10Cで示されるように流体連通してもよい。
【0163】
いくつかの実施形態では、マウスピースは第2の凝縮チャンバ(46)と流体連通したエアロゾル出口(47)を含むことがある。マウスピースは1を超える第2の凝縮チャンバ(46)、(46’)と流体連通した1を超えるエアロゾル出口(47)(47’)を含むことがある。マウスピースはカートリッジの第2の端部と流体貯蔵室の第2の端部を包囲することがある。
【0164】
本明細書に記載された実施形態の各々において、カートリッジは気流通路を含んでもよく、気流通路は:空気入口通路;ヒーター;少なくとも第1の凝縮チャンバ;エアロゾル出口チャンバ、および出口ポートを含む。本明細書に記載される実施形態のいくつかでは、カートリッジは気流通路を含んでもよく、気流通路は、空気入口通路;ヒーター;第1の凝縮チャンバ;第2の凝縮チャンバ;および、出口ポートを含む。
【0165】
本明細書に記載されるさらに別の実施形態では、カートリッジは気流通路を含んでもよく、気流通路は、少なくとも1つの空気入口通路;ヒーター;少なくとも第1の凝縮チャンバ;少なくとも1つの第2の凝縮チャンバ;および、少なくとも1つの出口ポートを含む。
【0166】
図10A乃至10Cで例証されるように、ユーザーがマウスピース(31)を嵌めることで吸引(例えば、ひと吹き)を生じさせるときに気流通路は作成され、これにより、空気はチャネルの空気入口開口部(50)を通って、空気入口通路(51)を通って、タンクの空気入口(52)の第2の空気通路(タンクの空気入口穴)(41)を通ってヒータチャンバ(37)へ、その後、ヒーター入口(53)へと本質的に引っ張られる。この時点では、圧力センサはユーザーのひと吹きを感知し、抵抗発熱体(35)への回路を起動させ、順に蒸気流体(E-ジュース(e-juice))から蒸気を生成し始める。空気がヒーター入口(53)に入ると、空気は芯(34)の上とまわりの、およびヒーター接触部(33)の間の狭いチャンバ内で混合して循環し始め、それが密封用の構造障害物(44)によって作られた気流通路(54)内で混合するにつれて、熱と濃厚な濃縮された蒸気を生成する。
図8Aは、密封構造障害物(44)についての詳細な図を示す。最終的に、蒸気はヒーターの肩部の近くの空気通路(55)に沿ってヒーターから、蒸気が拡散して冷却し始める主要な凝縮チャンバ(45)の中へと引き込まれてもよい。拡散する蒸気が気流通路に沿って動くにつれて、上記は移行領域(57)を通って主要なチャンバから移行し、主要な凝縮チャンバ(45)から出る蒸気の合流点を作り、第2の蒸気チャンバ(46)に入って、エアロゾル出口(47)を通って進み、ユーザーへのマウスピース(31)の端部でユーザーの元に到達する。
【0167】
図10A乃至10Cで例証されるように、装置は、2重のセットの空気入口通路(50-53)、2重の第1の凝縮チャンバ(55/45)、2重の第2の凝縮チャンバおよび通気チャネル(57/46)、および/または、2重のエアロゾル出口通気孔(47)を有することがある。
【0168】
代替的に、装置は気流通路を有してもよく、気流通路は、空気入口通路(50)(51);第2の空気通路(41);ヒーターチャンバ(37);第1の凝縮チャンバ(45);第2の凝縮チャンバ(46);および/または、エアロゾル出口(47)を含む。
【0169】
場合によっては、装置は気流通路を有してもよく、気流通路は、1を超える空気入口通路;1を超える第2の空気通路;ヒーターチャンバ;1を超える第1の凝縮チャンバ;1を超える第2の凝縮チャンバ;および、
図10A乃至10Cで明らかに例証されるような1を超えるエアロゾル出口を含む。
【0170】
本明細書に記載される実施形態のいずれか1つにおいて、ヒーター(36)は内部流体貯蔵室(32a)と流体連通してもよい。
【0171】
本明細書に記載される実施形態の各々において、流体貯蔵室(32)はヒータチャンバ(37)との流体連通しており、流体貯蔵室は
図10A、10C、および14で例証されるように、凝集したエアロゾル流体を保持することができる。
【0172】
装置のいくつかの実施形態では、凝集されたエアロゾル流体はニコチン製剤を含むことがある。いくつかの実施形態では、凝集されたエアロゾル流体は湿潤剤を含むことがある。いくつかの実施形態では、湿潤剤はプロピレングリコールを含むことがある。いくつかの実施形態では、湿潤剤は植物性グリセリンを含むことがある。
【0173】
場合によっては、カートリッジが装置本体から取り外し自在であってもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジレセプタクルと取り外し自在なカートリッジは分離自在な結合部を形成することがある。いくつかの実施形態では、分離自在な結合部は摩擦式アセンブリ(friction assembly)を含むことがある。
図11乃至14で例証されるように、装置はカートリッジポッド(30a)と装置のレセプタクルとの間にプレス嵌め(摩擦式)アセンブリを有することがある。さらに、43などのへこみ/摩擦獲得部(friction capture)は、
図8Bで例証されるように、装置レセプタクルでポッド(30a)を捕らえるか、あるいはポッド上で保護キャップ(38)を保持するために利用されてもよい。
【0174】
他の実施形態では、分離自在な結合部は、スナップ嵌め、またはスナップロック式のアセンブリを含むことがある。さらに別の実施形態では、分離自在な結合部は磁気アセンブリを含むことがある。
【0175】
本明細書に記載される実施形態のいずれか1つにおいて、カートリッジ構成要素は、
図5で示されるように、スナップ嵌めまたはスナップロック式のアセンブリを含むことがある。実施形態のいずれか1つにおいて、カートリッジ構成要素は再使用可能であり、再充填可能であり、および/またはリサイクル可能であってもよい。こうしたカートリッジ構成要素の設計は、構成要素の大部分について、ポリプロピレンなどの再利用可能な塑性材料の使用に役立つ。
【0176】
装置(10)のいくつかの実施形態では、カートリッジ(30)は以下を含んでもよい:流体貯蔵室(32);スナップ嵌め式結合部(39a)、(39b)により第1の端部に取り付けられるヒーター(36);および、スナップ嵌め式結合部(39c)、(39d)(示されていないが、39aと39bに類似する)により第2の端部に取り付けられたマウスピース(31)。ヒーター(36)は流体貯蔵室(32)と流体連通してもよい。流体貯蔵室は凝集されたエアロゾル流体を保持することができてもよい。凝集されたエアロゾル流体はニコチン製剤を含むことがある。凝集されたエアロゾル流体は湿潤剤を含むことがある。湿潤剤はプロピレングリコールおよび/または植物性グリセリンを含むことがある。
【0177】
吸入可能なエアロゾルを生成するための装置が本明細書で提供され、該装置は:カートリッジ(30)を収容するためのカートリッジレセプタクル(21)を含む装置本体(20)を備え、外面に一体的なチャネル(40)を含むカートリッジがカートリッジレセプタクル(21)に挿入されるときに、カートリッジレセプタクルの内面は空気入口通路(51)の第1の側部を形成し、および、チャネルは空気入口通路(51)の第2の側部を形成する。
【0178】
吸入可能なエアロゾルを生成するための装置が本明細書で提供され、該装置は:カートリッジ(30)を収容するためのカートリッジレセプタクル(21)を含む装置本体(20)を備え、カートリッジレセプタクルは内面へ一体的なチャネルを含み、カートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入されるときに、空気入口通路の第1の側部を形成し、および、カートリッジの外面は空気入口通路(51)の第2の側部を形成する。
【0179】
吸入可能なエアロゾル(10)を生成するための装置用のカートリッジ(30)が本明細書で提供され、該カートリッジは、流体貯蔵室(32);外面に一体的なチャネル(40)を備え、チャネルは空気入口通路(51)の第1の側部を形成し、および、カートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入されるとき、装置中のカートリッジレセプタクル(21)の内表面は、空気入口通路(51)の第2の側部を形成する。
【0180】
吸入可能なエアロゾル(10)を生成するための装置用のカートリッジ(30)が本明細書で提供され、該カートリッジは流体貯蔵室(32)を備え、カートリッジの外面はカートリッジレセプタクル(21)を含む装置本体10に挿入されるとき、空気入口チャネル(51)の第1の側部を形成し、カートリッジレセプタクルは内面へ一体的なチャネルをさらに含み、チャネルは空気入口通路(51)の第2の側部を形成する。
【0181】
いくつかの実施形態では、カートリッジはチャネル(40)と流体連通した第2の空気通路(41)をさらに含み、第2の空気通路(41)は、カートリッジの外面から内部流体貯蔵室(32a)までカートリッジ(32)の材料によって形成される。
【0182】
装置本体のカートリッジレセプタクル(21)またはカートリッジ(30)のいくつかの実施形態では、一体型のチャネル(40)は、以下の少なくとも1つを含む:溝;谷;くぼみ;へこみ;筋;深溝;折り目;および、側溝。
【0183】
装置本体のカートリッジレセプタクル(21)またはカートリッジ(30)のいくつかの実施形態では、一体型のチャネル(40)は、表面に凹設されているか、あるいはそれが形成される表面から突出している壁を含み得る。
【0184】
装置本体のカートリッジレセプタクル(21)またはカートリッジ(30)のいくつかの実施形態では、チャネル(40)の内部側壁は、空気入口通路(51)のさらなる側部を形成する。
【0185】
吸入可能なエアロゾルを生成するための装置が本明細書で提供され、該装置は:流体貯蔵室と、第1のヒーター接触部、および第1のヒーター接触部に取り付けられた抵抗発熱体を含む第1の端部に取り付けられたヒーターとを含むカートリッジ;カートリッジを収容するためのカートリッジレセプタクルを含む装置本体;第1のヒーター接触部を収容するとともに回路を完成させるのに適した第2のヒーター接触部;第2のヒーター接触部に接続した動力源;動力源と第2のヒーター接触部に接続したプリント回路基盤(PCB)を備え、PCBは、抵抗発熱体の測定された抵抗性に基づいて流体の不在を検知し、装置の電源を切るように構成される。
【0186】
ここで、
図13、14、および15を参照すると、幾つかの実施形態において、装置本体は更に、少なくとも1つの、第2のヒーター接触部(22)(詳しくは
図6Cに示される);バッテリ(23);プリント回路基板(24);圧力センサ(27);および表示灯(26)を含む。
【0187】
幾つかの実施形態において、プリント回路基板(PCB)は更に、マイクロコントローラ;スイッチ;基準レジスタを含む回路構成;および、制御パラメータのためのロジックを含むアルゴリズムを含み;ここで、マイクロコントローラは、基準レジスタに対する抵抗発熱体の抵抗を測定するために一定間隔でスイッチを循環し、抵抗発熱体の温度を制御するためにアルゴリズム制御パラメータを適用する。
【0188】
図17Aの基本的なブロック図に示されるように、装置は、比例積分偏差のコントローラまたはPID制御法則を利用する。PIDコントローラは、測定されたプロセス変数と所望の整定値の間の差として「誤差」の値を計算する。PID制御が可能になる場合、コイルへの電力は、許容可能な気化が生じているかどうか判断するために、監視される。コイル上の与えられた気流を用いて、装置が蒸気を生成している場合(蒸気を形成するために熱がコイルから取り除かれる)、より多くの電力が、与えられた温度でコイルを保持することを必要とされる。調整温度でコイルを保持するのに必要な電力が閾値より下に低下する場合、装置は、現在蒸気を生成することができないことを示す。正常動作条件の下で、これは、通常の気化を生じさせるための流体芯に十分な液体が無いことを示す。
【0189】
幾つかの実施形態において、マイクロコントローラは、抵抗発熱体が乾燥していることを示す制御パラメータの閾値を抵抗が越える場合に、装置にそれ自体を止めるよう指示する。
【0190】
また他の実施形態において、プリント回路基板は更に、流体貯蔵室中の凝縮されたエアロゾル流体の存在を検出することが可能なロジックを含み、凝縮されたエアロゾル流体が検出されない場合には、加熱接触部への電力を止めることができる。マイクロコントローラがPID温度制御アルゴリズム(70)を実行している場合、設定点とコイル温度との間の差(誤差)は、コイルが迅速に設定点温度[200℃と400℃の間]に達するように、コイルへの電力を制御するために使用される。過温度のアルゴリズムが使用される場合、電力は、コイルが過温度[200℃と400℃の間]の閾値に達するまで一定である。(
図17Aは、設定点温度が過温度の閾値であり、誤差が0に達するまで電力は一定であることを、適用する)。
【0191】
抵抗発熱体のコイル温度を制御するために使用される装置の不可欠な構成要素は、
図17Bの回路図に更に示される。ここで、BATT(23)はバッテリであり;MCU(72)はマイクロコントローラであり;Q1(76)およびQ2(77)はP-チャネルMOSFET(スイッチ)であり;R_COIL(74)はコイルの抵抗である。R_REF(75)は、電圧分割器(73)を介してR_COIL(74)を測定するために使用される、固定された基準レジスタである。
【0192】
バッテリはマイクロコントローラに電力を供給する。R_REFとR_COIL(電圧分割器)の間の電圧がV_MEASにおいてMCUにより測定されるように、マイクロコントローラは、100ms毎に1msの間、Q2をオンにする。Q2がオフである場合、制御法則は、コイルに電力を供給する(Q1がオンの場合のQ1とR_COILによるバッテリ放電)ようにPWM(パルス幅変調)でQ1を制御する。
【0193】
装置の幾つかの実施形態において、装置本体は更に、少なくとも1つの、第2のヒーター接触部;電源スイッチ;圧力センサ;および表示灯を含む。
【0194】
装置本体の幾つかの実施形態において、第2のヒーター接触部(22)は、雌型レセプタクル;または雄型接触部、或いはその両方、可撓性を有する接触部;または銅合金若しくは別の導電性材料を含んでもよい。
【0195】
装置本体の幾つかの実施形態において、バッテリは、第2のヒーター接触部、圧力センサ、表示灯、およびプリント回路基板に電力を供給する。幾つかの実施形態において、バッテリは再充電自在なものである。幾つかの実施形態において、表示灯(26)は、装置および/またはバッテリの状態、またはその両方を示す。
【0196】
装置の幾つかの実施形態において、第1のヒーター接触部と第2のヒーター接触部は、装置本体と取り外し自在なカートリッジが組み立てられる場合に、電流を加熱接触部に流すのを可能にする回路を達成し、それは、スイッチのオン/オフにより制御され得る。代替的に、装置は、パフセンサによりオンオフされ得る。パフセンサは容量性メンブレンを含んでもよい。容量性メンブレンは、マイクロホンに使用される容量性メンブレンと同様のものでもよい。
【0197】
装置の幾つかの実施形態において、装置本体には、バッテリ(23)を再充電するための補助的な充電ユニットも存在する。
図16A-16Cに示されるように、充電ユニット(60)は、電源用のプラグ(63)と保護キャップ(64)を備え、(カートリッジを設置したまたは設置していない)装置本体(20)を捕捉するための台(61)を備えたUSB装置を含んでもよい。台は更に、充電中に装置本体を適所で安全に保持するための、磁石または磁気接触器(62)を含んでもよい。
図6Bに示されるように、装置本体は更に、補助的な充電ユニットのための、はめ合いの充電接触部(28)および磁石または磁気接触器(29)を含む。
図16Cは、電源(65)(ラップトップコンピュータまたはタブレット)において充電されている装置(20)の例示的な例である。
【0198】
幾つかの場合には、PCB上のマイクロコントローラは、気化可能な材料が所定温度に加熱されるように、ヒーターの温度を監視するよう構成されてもよい。所定温度は、ユーザーにより提供される入力(input)であってもよい。温度センサは、温度調節のためにマイクロコントローラに入力温度を提供するように、マイクロコントローラと通信状態にあってもよい。温度センサは、サーミスタ、熱電対、温度計、または他の温度センサでもよい。幾つかの場合には、発熱体は、ヒーターおよび温度センサの両方として同時に機能してもよい。発熱体は、温度に対する比較的低い依存性を備えた抵抗を有することにより、サーミスタとは異なってもよい。発熱体は抵抗温度検出部を含んでもよい。
【0199】
発熱体の抵抗は、マイクロコントローラへの入力でもよい。幾つかの場合には、抵抗は、少なくとも1つの既知の抵抗を備えたレジスタを持つ回路(例えばホイートストンブリッジ)からの測定に基づいて、マイクロコントローラにより測定されてもよい。代替的に、発熱体の抵抗は、発熱体と接触した抵抗電圧分割器、および既知であり且つ十分に一定の抵抗を備えたレジスタにより、測定されてもよい。発熱体の抵抗の測定は増幅器により増幅されてもよい。増幅器は、標準のオペアンプまたは計測増幅器でもよい。増幅信号はノイズをほとんど含まない場合がある。幾つかの場合には、発熱体とキャパシタとの間の電圧分割器の充電時間は、発熱体の抵抗を計算するために測定されてもよい。幾つかの場合には、マイクロコントローラは、抵抗測定中に発熱体の動作を停止させねばならない。発熱体の抵抗は、温度が抵抗測定から直接測定されるように、発熱体の温度に直接比例してもよい。温度センサと発熱体との間の未知の接触の熱抵抗が排除されるので、付加的な温度センサよりもむしろ、発熱体の抵抗測定から直接温度を測定することで、より多くの正確な測定を行ってもよい。加えて、温度測定は直接測定されてもよく、それ故、より迅速となり、且つ、発熱体と発熱体に接触した温度センサとの間の平衡状態の達成に関連するタイムラグが無くなる。
【0200】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する装置が提供され、該装置は:第1のヒーター接触部を含むカートリッジ;装置本体を含み、該装置本体は、カートリッジを受けるためのカートリッジレセプタクル;第1のヒーター接触部を受け且つ回路を完成させるのに適した第2のヒーター接触部;第2のヒーター接触部に接続される電源;電源および第2のヒーター接触部に接続されたプリント回路基板(PCB);および、1つのボタンインターフェースを含み;ここで、PCBは、子どものための安全機能のためのロジックを含む回路構成およびアルゴリズムで構成される。
【0201】
幾つかの実施形態において、アルゴリズムは、装置を起動するためにユーザーにより提供されるコードを必要とする。幾つかの実施形態において、コードは、1つのボタンインターフェースを持つユーザーにより入力される。また更なる実施形態において、1つのボタンインターフェースは電源スイッチでもある。
【0202】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する装置(10)のためのカートリッジ(30)が提供され、該カートリッジは:流体貯蔵室(32);第1の端部に取り付けられたヒーター(36)を含み、該ヒーターは;ヒーターチャンバ(37);第1の対のヒーター接触部(33);流体芯(34)、および、前記流体芯に接する抵抗発熱体(35)を含み;ここで、第1の対のヒーター接触部(33)は、ヒーターチャンバ(37)の側部の周囲に取り付けられた薄板を含み、流体芯(34)および抵抗発熱体(35)はその間で懸架される。
【0203】
ヒーターまたはヒーターチャンバのサイズに依存して、ヒーターは、1より多くの流体芯(34)(34’)、抵抗発熱体(35)(35’)を有してもよい。
【0204】
幾つかの実施形態において、第1の対のヒーターは更に、装置本体(20)を備えた回を完成させるように繋ぐために、ヒーター(36)から伸長する可撓性を有するスプリングバルブを有するタブ(33a)を含む、成形形状を含む。
【0205】
幾つかの実施形態において、ヒーター接触部(33)は、回路を完成させるために装置本体(20)のカートリッジレセプタクル(21)中の第2の対のヒーター接触部(22)と対になるように構成される。
【0206】
幾つかの実施形態において、第1の対のヒーター接触部はまた、抵抗発熱体により生成された過剰な熱を吸収し放散するヒートシンクでもある。
【0207】
幾つかの実施形態において、第1の対のヒーター接触部は、抵抗発熱体により生成された過剰な熱からヒーターチャンバを保護する熱シールドである。
【0208】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する装置(10)のためのカートリッジ(30)が提供され、該カートリッジは:ヒーター(36)を含み、該ヒーターは:ヒーターチャンバ(37);一対の薄板ヒーター接触部(33);ヒーター接触部(33)間に位置する流体芯(34);前記流体芯に接する抵抗発熱体(35)を含み;ここで、ヒーター接触部(33)は各々固定部位を含み、抵抗発熱体(35)はその間で引っ張られる。
【0209】
図9に示される組み立て方法を調べた後に当業者に明白となるように、ヒーター接触部(33)は、カートリッジ内部の流体貯蔵室の第1の端部の上で空気入口(53)の両側にロケーターピンを単に留めるかまたはその上にあり、少なくとも1つの流体芯(34)と少なくとも1つの発熱体(35)を包含する広々とした気化チャンバを生成する。
【0210】
本明細書には、カートリッジの第1の端部に付けられたヒーター(36)を含む、吸入可能なエアロゾルを生成する装置(10)のためのカートリッジ(30)が提供される。
【0211】
幾つかの実施形態において、ヒーターは、カートリッジの第1の端部および流体貯蔵室の第1の端部(32)(32a)を包囲する。
【0212】
幾つかの実施形態において、ヒーターは、第1の凝縮チャンバ(45)を含む。
【0213】
幾つかの実施形態において、ヒーターは、1より多くの第1の凝縮チャンバ(45)(45’)を含む。
【0214】
幾つかの実施形態において、凝縮チャンバは、カートリッジ(45b)の外壁に沿って形成される。
【0215】
前述のように、且つ、
図10A、10B、および10Cに記載されるように、ヒーターおよびヒーターチャンバを通る気流経路は、ヒーター循環空気経路(heater circulating airpath)(54)内に蒸気を生成し、それは後に、ヒーター出口(55)を出て第1の凝縮チャンバ(45)に行き、第1の凝縮チャンバ(45)は、第1の凝縮チャネル/チャンバのレール(45b)、第1の凝縮チャネルのカバー(45a)(ヒーター包囲物の外壁)を含むタンク本体の構成部品により形成される。
【0216】
本明細書には、流体貯蔵室(32)およびマウスピース(31)を含む、吸入可能なエアロゾルを生成する装置(10)のためのカートリッジ(30)が提供され、マウスピースはカートリッジの第2の端部に付けられ、更に少なくとも1つのエアロゾル出口(47)を含む。
【0217】
幾つかの実施形態において、マウスピース(31)は、カートリッジ(30)の第2の端部および流体貯蔵室(32)(32a)の第2の端部を包囲する。
【0218】
加えて、
図10Cに明確に示されるように、幾つかの実施形態において、マウスピースはまた、エアロゾル出口(47)の前に第2の凝縮チャンバ(46)を含み、それは第2の凝縮チャネル/チャンバのレール(46b)、第2の凝縮チャネルのカバー(46a)(マウスピースの外壁)を含むタンク本体(32)の構成部品により形成される。また更に、マウスピースは、カートリッジの別の側において、エアロゾル出口の前に、また別のエアロゾル出口(47’)および別の(第2の)凝縮チャンバ(46’)を含んでもよい。
【0219】
他の実施形態において、マウスピースは、1より多くの第2の凝縮チャンバ(46)(46’)を含む。
【0220】
幾つかの好ましい実施形態において、第2の凝縮チャンバはカートリッジ(46b)の外壁に沿って形成される。
【0221】
本明細書に記載される実施形態の各々において、カートリッジ(30)は気流経路を含み、該気流経路は、空気入口チャネルおよび通路(40)(41)(42);ヒーターチャンバ(37);少なくとも第1の凝縮チャンバ(45);および出口ポート(47)を含む。本明細書に記載される実施形態の幾つかにおいて、カートリッジ(30)は気流経路を含み、該気流経路は、空気入口チャネルおよび通路(40)(41)(42);ヒーターチャンバ(37);第1の凝縮チャンバ(45);第2の凝縮チャンバ(46);および出口ポート(47)を含む。
【0222】
本明細書に記載されるまた他の実施形態において、カートリッジは気流経路を含み、該気流経路は、少なくとも1つの空気入口チャネルおよび通路(40)(41)(42);ヒーターチャンバ(37);少なくとも1つの第1の凝縮チャンバ(45);少なくとも1つの第2の凝縮チャンバ(46);および少なくとも1つの出口ポート(47)を含む。
【0223】
本明細書に記載される実施形態の各々において、流体貯蔵室(32)はヒーター(36)と流体連通下にあり、ここで、流体貯蔵室は、凝縮されたエアロゾル流体を保持することができる。
【0224】
装置の幾つかの実施形態において、凝縮されたエアロゾル流体はニコチン製剤を含む。幾つかの実施形態において、凝縮されたエアロゾル流体は湿潤剤を含む。幾つかの実施形態において、湿潤剤はプロピレングリコールを含む。幾つかの実施形態において、湿潤剤は植物性グリセリンを含む。
【0225】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する装置(10)のためのカートリッジ(30)が提供され、該カートリッジは:流体貯蔵室(32);第1の端部に取り付けられたヒーター(36);および、第2の端部に取り付けられたマウスピース(31)を含み;ここで、ヒーターは第1の凝縮チャンバ(45)を含み、マウスピースは第2の凝縮チャンバ(46)を含む。
【0226】
幾つかの実施形態において、ヒーターは、1より多くの第1の凝縮チャンバ(45)(45’)を含み、マウスピースは1より多くの第2の凝縮チャンバ(46)(46’)を含む。
【0227】
幾つかの実施形態において、第1の凝縮チャンバおよび第2の凝縮チャンバは流体連通下にある。
図10Cに示されるように、第1および第2の凝縮チャンバは、流体連通のために、共通の移行領域(57)(57’)を有している。
【0228】
幾つかの実施形態において、マウスピースは、第2の凝縮チャンバ(46)と流体連通下にあるエアロゾル出口(47)を含む。
【0229】
幾つかの実施形態において、マウスピースは、2以上のエアロゾル出口(47)(47’)を含む。
【0230】
幾つかの実施形態において、マウスピースは、2以上の第2の凝縮チャンバ(46)(46’)と流体連通下にあるエアロゾル出口(47)(47’)を含む。
【0231】
実施形態の何れか1つにおいて、カートリッジはISOリサイクル基準を満たすものである。
【0232】
実施形態の何れか1つにおいて、カートリッジは、プラスチック廃棄物のためのISOリサイクル基準を満たすものである。
【0233】
そして、また他の実施形態において、カートリッジのプラスチック構成要素はポリ乳酸(PLA)で構成され、ここで、PLA構成要素は堆肥化可能(compostable)および/または分解可能である。
【0234】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する装置(10)が提供され、該装置は装置本体(20)を含み、装置本体(20)はカートリッジレセプタクル(21)および取り外し自在なカートリッジ(30)を含み;ここで、カートリッジレセプタクルと取り外し自在なカートリッジは分離自在な結合部を形成し、分離自在な結合部は、摩擦式アセンブリ、スナップ嵌めアセンブリ、または磁気アセンブリを含む。
【0235】
装置の他の実施形態において、カートリッジは取り外し自在なアセンブリである。本明細書に記載される実施形態の何れか1つにおいて、カートリッジ構成要素は、スナップ機構(39a)と(39b)により示されるものなどの、スナップロック式アセンブリを含んでもよい。実施形態の何れか1つにおいて、カートリッジ構成要素はリサイクル自在である。
【0236】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する装置の製造方法が提供され、該方法は:カートリッジレセプタクルを含む装置本体を設ける工程;および取り外し自在なカートリッジを設ける工程を含み;ここで、カートリッジレセプタクルと取り外し自在なカートリッジは、カートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入される場合に、摩擦式アセンブリ、スナップ嵌めアセンブリ、または磁気アセンブリを含む、分離自在な結合部を形成する。
【0237】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する装置(10)を作成する方法が提供され、該方法は:1以上の内部結合面(21a)(21b)(21c)...を含むカートリッジレセプタクル(21)を装置本体(20)に設ける工程;および、カートリッジ(30)を更に設ける工程を含み、カートリッジ(30)は、1以上の外部結合面(36a)(36b)(36c)...、第2の端部および第1の端部;内部流体貯蔵室(32a)を含むタンク(32);少なくとも1つの外部結合面上の少なくとも1つのチャネル(40)を含み、ここで、少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの空気入口通路(51)の片側を形成し、カートリッジレセプタクルの少なくとも1つの内壁は、分離自在なカートリッジがカートリッジレセプタクルに挿入される場合に少なくとも1つの空気入口通路(51)の少なくとも片側を形成する。
【0238】
図9は、そのような装置を組み立てる方法の例示的な例を提供する。
【0239】
方法の幾つかの実施形態において、カートリッジ(30)は、ヒーター(36)から突出している、露出したヒーター接触タブ(33a)を保護するために、[保護の]取り外し自在なキャップ(38)で組み立てられる。
【0240】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する装置のためのカートリッジの製造方法が提供され、該方法は:流体貯蔵室を設ける工程;スナップ嵌め結合部により第1の端部にヒーターを取り付ける工程;および、スナップ嵌め結合部により第2の端部にマウスピースを取り付ける工程を含む。
【0241】
本明細書には、吸入可能なエアロゾルを生成する装置(10)のためのカートリッジ(30)が提供され、該カートリッジは:空気入口通路(51)の一部を含むチャネル(50);前記チャネルと流体連通下にある第2の空気通路(41);第2の空気通路と流体連通下にあるヒーターチャンバ(37);ヒーターチャンバと流体連通下にある第1の凝縮チャンバ(45);第1の凝縮チャンバと流体連通下にある第2の凝縮チャンバ(46);および第2の凝縮チャンバと流体連通下にあるエアロゾル出口(47)を含む。
【0242】
本明細書には、取り外し自在なカートリッジ(30)を受けるのに適した、吸入可能なエアロゾルを生成する装置(10)が提供され、前記カートリッジは、流体貯蔵室[またはタンク](32);空気入口(41);ヒーター(36);[保護の]取り外し自在なキャップ(38)、およびマウスピース(31)を含む。
【0243】
<充電>
幾つかの場合には、気化装置は電源を含んでもよい。電源は、制御システム、1以上の発熱体、1以上のセンサ、1以上のライト、1以上の指示器、および/または、電源を必要とする電子タバコの任意の他のシステムに、電力を供給するように構成されてもよい。電源はエネルギー蓄積装置でもよい。電源はバッテリまたはキャパシタでもよい。幾つかの実施形態において、電源は再充電自在なバッテリでもよい。
【0244】
バッテリは装置のハウジング内に包含されてもよい。幾つかの場合には、バッテリは、充電のためにハウジングから取り外されてもよい。代替的に、バッテリは、充電されている間、ハウジングに残っていてもよい。2以上の充電接触部が、装置のハウジングの外面に設けられてもよい。2以上の充電接触部は、ハウジングからバッテリを取り外すことなく2以上の充電接触部に充電原を適用することによりバッテリを充電するように、バッテリと電気通信状態にあってもよい。
【0245】
図18は、充電接触部(1801)を備えた装置(1800)を示す。充電接触部(1801)は、装置のハウジング(1802)の外面からアクセス自在でもよい。充電接触部(1801)は、装置のハウジング(1802)の内部のエネルギー蓄積装置(例えばバッテリ)と電気通信状態にあってもよい。幾つかの場合には、装置のハウジングは、ユーザーが装置のハウジング中の構成要素にアクセスする開口部を含まない場合がある。ユーザーは、ハウジングからバッテリおよび/または他のエネルギー蓄積装置を取り外すことができない場合がある。装置のハウジングを開くために、ユーザーは、充電接触部を無効にするか、または永続的に解放しなければならない。幾つかの場合には、ユーザーがハウジングを開いた後、装置は機能しない場合がある。
【0246】
図19は、電子気化装置中の充電アセンブリ(1900)の分解図を示す。ハウジング(図示せず)は、
図19の分解図から取り除かれた。充電接続ピン(1901)は、ハウジングの外部で視認可能であってもよい。充電接続ピン(1901)は、電子気化装置の電力蓄積装置と電気通信状態にあってもよい。(例えば装置の充電中に)装置が電源に接続される場合、充電ピンは、電子気化装置の内部の電力蓄積装置と、気化装置のハウジングの外側の電源との間での、電気通信を促進する場合がある。充電接続ピン(1901)は、保持ベゼル(1902)により適所に保持されてもよい。充電接続ピン(1901)は、充電フレックス(charger flex)(1903)と電気通信状態にあってもよい。充電ピンは、電源と電気通信している電気接続部に充電ピンを固く結合する必要性がなくなるように、充電フレックスと接触してもよい。充電フレックスはプリント回路基板(PCB)に固く結合されてもよい。充電フレックスは、PCBを介して、電力蓄積装置と電気通信状態にあってもよい。充電フレックスは、曲がっているスプリングリテーナ(1904)により適所に保持されてもよい。
【0247】
図20は、初期位置(2001)と偏向位置(2002)にある、曲がっているスプリングリテーナを示す。曲がっているスプリングリテーナは、固定位置で保持ベゼルを保持してもよい。充電アセンブリが電子気化装置のハウジングに囲まれる場合、曲がっているスプリングリテーナは、一方向でのみ偏向してもよい。
【0248】
図21は、充電ピン(2101)が充電フレックス(2102)に接触した状態で電子気化装置が完全に組み立てられる場合の、充電ピン(2101)の位置を示す。装置が完全に組み立てられると、保持ベゼルの少なくとも一部は、ハウジング(2104)の内部にある凹み(2103)に適合してもよい。幾つかの場合には、電子気化装置の分解によりベゼルは無効にされ、それにより、装置は分解後に再び組み立てることはできない。
【0249】
ユーザーは、充電台の中に電子発煙装置を配してもよい。充電台は、電源(例えば、壁コンセント、発生器、および/または外部電力貯蔵装置)から電子気化装置中のエネルギー貯蔵装置に充電を提供するために、電子発煙装置上で充電ピンと対になるまたはそれと結合するように構成された充電接触部を備えた、ホルダであってもよい。
図22は、充電台(2301)中の装置(2302)を示す。充電ケーブルは、壁コンセント、USB、または他の電源に接続されてもよい。装置(2302)上の充電ピン(図示せず)は、充電台(2301)上で充電接触部(図示せず)に接続されてもよい。装置が充電のために台に配される場合に、装置上の第1の充電ピンが充電台上で第1の充電接触部に接触し、および装置上の第2の充電ピンが充電台上で第2の充電接触部に接触し、或いは、装置上の第1の充電ピンが充電台上で第2の充電接触部に接触し、および装置上の第2の充電ピンが充電台上で第1の充電接触部に接触するように、装置が構成されてもよい。装置上の充電ピン、および台上の充電接触部は、任意の配向で接触していてもよい。装置上の充電ピン、および台上の充電接触部は、それらが電流の入口または出口であるかどうかにとらわれなくてもよい(agnostic)。装置上の充電ピン、および台上の充電接触部の各々は、陰極または陽極であってもよい。装置上の充電ピンは逆であってもよい。
【0250】
図23は、装置上の充電ピンを逆にすることを許容する回路(2400)を示す。回路(2400)は、充電ピンと電気通信状態にあるPCBの上で提供されてもよい。回路(2400)は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のHブリッジを含んでもよい。MOSFETのHブリッジは、充電ピンが第1の構成から第2の構成へと逆にされる場合に充電ピンの両端の電圧の変化を整流し、ここで、第1の構成において、装置は、充電台上の第1の充電接触部と接触している装置上の第1の充電ピンから、充電台上の第2の充電接触部と接触した装置上の第2の充電ピンまでによる充電のために、台に配され、第2の構成において、装置上の第1の充電ピンは充電台上の第2の充電接触部と接触し、装置上の第2の充電ピンは充電台上の第1の充電接触部と接触している。MOSFETのHブリッジは、有効な電流通路により電圧の変化を整流してもよい。
【0251】
図23に示されるように、MOSFETのHブリッジは、2以上のn型チャネルのMOSFETおよび2以上のp型チャネルのMOSFETを含んでもよい。n型チャネルおよびp型チャネルのMOSFETは、Hブリッジにおいて整えられてもよい。p型チャネルのMOSFET(Q1とQ3)のソースは電気通信していてもよい。同様に、n型チャネルのFET(Q2とQ4)のソースも電気通信していてもよい。n型およびp型のMOSFETの対(Q2を備えたQ1およびQ4を備えたQ3)のドレーンは、電気通信していてもよい。nとpの一対からの一般的なドレーンは、他のnおよびpの一対の1以上のゲートと電気通信していてもよく、および/または、その逆も然りである。充電接触部(CH1とCH2)は、一般的なドレーンに別々に電気通信していてもよい。n型MOSFETの共通電源は、PCBアース(GND)に電気通信していてもよい。p型MOSFETの共通電源は、PCBの充電コントローラ入力電圧(CH+)と電気通信していてもよい。CH1電圧がMOSFETゲート閾電圧によるCH2電圧よりも大きい場合、Q1とQ4は「オン」の状態であり、CH+にCH1を、およびGNDにCH2を接続する。CH2電圧がFETゲート閾電圧によるCH1電圧よりも大きい場合、Q2とQ3は「オン」の状態であり、GNDにCH1を、およびCH+にCH2を接続する。例えば、CH1からCH2までにわたり9Vまたは9Vがあろうとなかろうと、CH+はGNDより高い9Vである。代替的に、ダイオードブリッジが使用され得るが、MOSFETのブリッジが、ダイオードブリッジと比較してより有効な場合もある。
【0252】
幾つかの場合には、充電台は、高性能の充電器であるように構成されてもよい。高性能の充電器は、典型的な充電電流と比較してより高い電流で装置を充電するために、装置のバッテリをUSB入力と直列にしてもよい。幾つかの場合には、装置は、約2アンプ(A)、4A、5A、6A、7A、10A、または15Aまでのレートで充電してもよい。幾つかの場合には、高性能の充電器はバッテリを含んでもよく、バッテリからの電力は、装置のバッテリを充電するために使用されてもよい。高性能の充電器におけるバッテリが予め定められた閾値の電荷より下の電荷を有している場合、高性能の充電器は、その中にあるバッテリおよび装置中のバッテリを同時に充電してもよい。
【0253】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され且つ記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。多数の変形、変化、および置換は、本発明から逸脱することなく、当業者によって現在想到される。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内の方法および構成は、それによって包含されることが、意図される。