(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】高出力表面実装フィルタ
(51)【国際特許分類】
H01P 1/20 20060101AFI20231228BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20231228BHJP
H01P 1/30 20060101ALI20231228BHJP
H01P 7/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H01P1/20 B
F21V29/70
H01P1/30 Z
H01P7/00 A
(21)【出願番号】P 2021514555
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(86)【国際出願番号】 US2019051413
(87)【国際公開番号】W WO2020060976
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-06-13
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,クワン
(72)【発明者】
【氏名】ベロリーニ,マリアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】カーク,マイケル・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス,ヘクター
(72)【発明者】
【氏名】ハー,ヨナタン・ツェー
(72)【発明者】
【氏名】ザイター,ブライアン・エール
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-006757(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0085108(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/20
F21V 29/70
H01P 1/30
H01P 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有するモノリシックフィルタ;及び
前記モノリシックフィルタの表面に結合された、約0.02mmよりも大きい厚さを有する熱伝導性材料の層を含むヒートシンク;
を含むフィルタアセンブリ。
【請求項2】
前記モノリシックフィルタが有機誘電体材料を含む、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項3】
前記有機誘電体が液晶ポリマーを含む、請求項2に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項4】
前記有機誘電体がポリフェニルエーテルを含む、請求項2に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項5】
前記熱伝導性材料の層がアルミナを含む、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項6】
前記熱伝導性材料の層が窒化アルミニウムを含む、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項7】
前記熱伝導性材料の層が少なくとも1つの放熱フィンを画定する、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項8】
前記熱伝導性材料の層の厚さが、前記フィルタアセンブリの性能が前記熱伝導性材料の層によって実質的に影響されないように選択される、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項9】
前記熱伝導性材料の層が、前記フィルタを電気的に遮蔽するように構成される、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項10】
積層配列で前記ヒートシンクの前記熱伝導性材料の層に結合された更なるモノリシックフィルタを更に含んでいて、前記モノリシックフィルタが前記熱伝導性材料の層の第1の表面に結合され、前記更なるモノリシックフィルタが前記ヒートシンクの前記第1の表面に対向する前記熱伝導性材料の層の第2の表面に結合されるようになっている、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項11】
前記更なるモノリシックフィルタに結合されたワイヤボンドパッドを更に含む、請求項10に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項12】
前記更なるモノリシックフィルタが、上面、及び前記更なるモノリシックフィルタの前記上面に対向する底面を有し、前記ワイヤボンドパッドが前記更なるモノリシックフィルタの前記上面上に配置される、請求項
11に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項13】
前記更なるモノリシックフィルタが、前記更なるモノリシックフィルタの前記底面において前記熱伝導性材料の層と結合されている、請求項
12に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項14】
前記更なるモノリシックフィルタから前記ヒートシンクを通って前記モノリシックフィルタまで延在する少なくとも1つのビアを更に含む、請求項10に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項15】
前記フィルタアセンブリが、約300MHzにおいて約0.05W/mm
2より大きい面積出力容量を有する、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項16】
前記フィルタアセンブリが、約300MHzにおいて約1Wより大きい出力容量を有する、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項17】
表面を有するモノリシックフィルタ;及び
前記モノリシックフィルタの表面に結合された、熱伝導性材料の層を含むヒートシンク;
を含む多層有機フィルタアセンブリ。
【請求項18】
表面を有するモノリシックフィルタ;及び
前記モノリシックフィルタの表面に結合された、熱伝導性材料の層を含むヒートシンク;
を含むフィルタアセンブリであって;
前記フィルタアセンブリは、約25℃及び第1の周波数において第1の挿入損失を示し;
前記フィルタアセンブリは、第2の温度及び第1の周波数付近において第2の挿入損失を示し;
第1の温度と前記第2の温度の間の温度差は約30℃以上であり;
前記第2の挿入損失と前記第1の挿入損失の差は約5dB以下である、上記フィルタアセンブリ。
【請求項19】
前記第2の温度が約85℃である、請求項18に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項20】
前記第2の温度が約-55℃である、請求項18に記載のフィルタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年9月18日の出願日を有する米国仮特許出願第62/732,605号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の出願の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
電気フィルタは多くの機能を果たし、種々の電気器具において使用されている。小型化の傾向により、より小さな受動コンポーネントに対する需要が増加している。しかしながら、受動コンポーネントの小型化は、一般に出力処理能力を望ましくなく低下させる。上昇した出力レベルで運転することができるコンパクトなフィルタアセンブリが、当該技術において歓迎されるであろう。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施形態によれば、フィルタアセンブリには、表面を有するモノリシックフィルタ、及びモノリシックフィルタの表面に結合されたヒートシンクを含ませることができる。ヒートシンクには、約0.02mmより大きい厚さを有する熱伝導性材料の層を含ませることができる。
【0004】
本発明の別の実施形態によれば、多層有機フィルタアセンブリには、表面を有するモノリシックフィルタ、及びモノリシックフィルタの表面に結合されたヒートシンクを含ませることができる。ヒートシンクには、熱伝導性材料の層を含ませることができる。
【0005】
本発明の別の実施形態によれば、フィルタアセンブリには、表面を有するモノリシックフィルタ、及びモノリシックフィルタの表面に結合されたヒートシンクを含ませることができる。ヒートシンクには、熱伝導性材料の層を含ませることができる。フィルタアセンブリは、約25℃及び第1の周波数において第1の挿入損失を示し得る。フィルタアセンブリは、第2の温度及び第1の周波数付近において第2の挿入損失を示し得る。第1の温度と第2の温度との間の温度差は約30℃以上であってよい。第2の挿入損失と第1の挿入損失との間の差は、約5dB以下であってよい。
【0006】
当業者に向けたそのベストモードを含む本発明の完全かつ可能な開示を、添付の図面を参照する本明細書の残りの部分においてより詳細に示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明の複数の態様によるバンドパスフィルタの簡略化された概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の複数の態様によるバンドパスフィルタのトップダウン図である。
【
図3-1】
図3A~3Dは、本発明の複数の態様によるフィルタ内に含めることができる高性能インダクタに関するシングルスティッチングされた金属層ビルディングブロックの種々の図である。
【
図3-2】
図3E及び
図3Fは、本発明の複数の態様によるフィルタ内に含めることができる高性能インダクタに関するマルチスティッチングされた金属層ビルディングブロックの一例の構成の種々の図である。
【
図4】
図4A及び4Bは、それぞれ、本発明の複数の態様によるヒートシンクを含むフィルタアセンブリの簡略化されたトップダウン図及び側面図である。
【
図5】
図5A及び5Bは、それぞれ、本発明の複数の態様によるフィンを含むヒートシンクを含むフィルタアセンブリの簡略化されたトップダウン図及び側面図である。
【
図6】
図6は、ヒートシンクを含まないフィルタアセンブリの熱シミュレーション解析において、1Wの出力を有する信号を受けたときに生成される温度分布である。
【
図7】
図7Aは、ヒートシンクがアルミナの層を含み、フィルタアセンブリが本発明の複数の態様にしたがって1Wの出力を有する信号を受けている、
図4A及び4Bのフィルタアセンブリの熱シミュレーション解析において生成される温度分布である。
図7Bは、ヒートシンクが窒化アルミニウムの層を含み、フィルタアセンブリが本発明の複数の態様にしたがって1Wの出力を有する信号を受けている、
図4A及び4Bのフィルタアセンブリの熱シミュレーション解析において生成される温度分布である。
【
図8】
図8は、ヒートシンクを含まないフィルタアセンブリの熱シミュレーション解析において、5Wの出力を有する信号を受けたときに生成される温度分布である。
【
図9】
図9Aは、ヒートシンクがアルミナの層を含み、5Wの出力を有する信号を受けている、
図4A及び
図4Bのフィルタアセンブリの熱シミュレーション解析において生成された温度分布である。
図9Bは、ヒートシンクが窒化アルミニウムの層を含み、本発明の複数の態様にしたがって5Wの出力を有する信号を受けている、
図4A及び4Bのフィルタアセンブリの熱シミュレーション解析において生成された温度分布である。
【
図10】
図10は、本発明の複数の態様による種々のフィルタアセンブリに関して実験で得られた出力及び温度データのプロットである。
【
図11】
図11は、本発明の複数の態様による種々のフィルタアセンブリに関して実験で得られた出力及び温度データのプロットである。
【
図12】
図12は、本発明の複数の態様による種々のフィルタアセンブリに関して実験で得られた出力及び温度データのプロットである。
【
図13】
図13は、本発明の複数の態様によるフィルタアセンブリを含む試験アセンブリの斜視図である。
【
図14】
図14は、ヒートシンクを有するフィルタアセンブリ及び有しないフィルタアセンブリの両方の実験的に求められた挿入損失(S
2,1)及び反射損失(S
1,1)の特徴のプロットである。
【
図15】
図15A及び15Bは、それぞれ、シリンダ及び板材によって引き起こされる電気的干渉を測定するためにフィルタアセンブリに近接して配置された、大きな金属シリンダ及び大きな金属板の斜視図である。
【
図16A】
図16Aは、
図15A及び15Bの大きな金属シリンダ及び大きな金属板がヒートシンクを含まないフィルタアセンブリに近接して配置された場合のフィルタアセンブリの挿入損失のプロットである。
【
図16B】
図16Bは、大きな金属シリンダ及び大きな金属板によって引き起こされる電気的干渉によって引き起こされるパスバンド範囲に及ぼす影響を示す
図16Aの拡大部分である。
【
図17A】
図17Aは、大きな金属シリンダ及び大きな金属板が本発明の複数の態様によるヒートシンクを含むフィルタアセンブリに近接して配置された場合のフィルタアセンブリの挿入損失のプロットである。
【
図17B】
図17Bは、フィルタアセンブリのパスバンド範囲に対するヒートシンクの遮蔽効果を示す
図17Aの拡大部分である。
【
図18A】
図18Aは、ヒートシンクを備えた積層構成に配置された第1のモノリシックフィルタと第2の更なるモノリシックフィルタとを含む、フィルタアセンブリの別の実施形態の簡略化された側面立面図である。
【
図18B】
図18Bは、第1のモノリシックフィルタ、第2のモノリシックフィルタ、並びに第1及び第2のモノリシックフィルタの間のヒートシンクを通って延在する少なくとも1つのビアを含むフィルタアセンブリの更なる実施形態の簡略化された側面立面図である。
【
図18C】
図18Cは、第1のモノリシックフィルタ、第2のモノリシックフィルタ、並びに第1及び第2のモノリシックフィルタの間のヒートシンクを通って延在する少なくとも1つのビアを含むフィルタアセンブリの更なる実施形態の簡略化された側面立面図である。
【
図19A】
図19Aは、-55℃、25℃、及び85℃で測定された、本発明の複数の態様によるローパスフィルタアセンブリの挿入損失プロットである。
【
図19B】
図19Bは、-55℃、25℃、及び85℃で測定された、本発明の複数の態様による別のローパスフィルタアセンブリの挿入損失プロットである。
【
図19C】
図19Cは、-55℃、25℃、及び85℃で測定された、本発明の複数の態様によるバンドパスフィルタアセンブリの挿入損失プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び図面における参照符号の繰り返しの使用は、本発明の同一又は類似の特徴又は構成要素を表すことを意図している。
本議論は例示的な実施形態の説明にすぎず、本発明のより広い態様を限定するものとしては意図されておらず、より広い態様は代表的な構成において具現化されていることが当業者によって理解される。
【0009】
一般的に言えば、本発明は、優れた放熱能力を有するフィルタアセンブリに関する。フィルタアセンブリには、ほぼ平面状の表面を有するモノリシックフィルタ、及びモノリシックフィルタのほぼ平面状の表面に結合されたヒートシンクを含ませることができる。ヒートシンクには、約0.02mmより大きい厚さを有する熱伝導性材料の層を含ませることができる。
【0010】
熱伝導性材料の層は、熱がモノリシックフィルタから離れて流れることを容易にし、これにより、モノリシックフィルタを過熱することなくより高い出力レベルで運転することが可能になる。モノリシックフィルタを通って流れる電流は、フィルタアセンブリを望ましくなく過熱する可能性のある熱を発生させる。フィルタアセンブリからの熱の消散を改良することによって、フィルタアセンブリはより大きな出力容量を有することができる。言い換えれば、フィルタアセンブリは、フィルタアセンブリが高出力レベルで安全に運転できるように、過熱することなくより大きな速度でエネルギーを消散することができる。
【0011】
また、熱伝導性材料の層は電気シールドを与えることもできる。その結果、フィルタアセンブリは、例えば近くの物体からの干渉に対して感受性がより低くなり得る。フィルタアセンブリは、コンパクトなスペース内への設置により適している場合がある。
【0012】
モノリシックフィルタには、1種類以上の有機誘電材料を含ませることができる。有機誘電体の例としては、PolycladからのLD621及びPark/Nelco CorporationからのN6000シリーズのようなポリフェニルエーテル(PPE)ベースの材料、Rogers CorporationからのLCP又はW. L. Gore & Associates, Inc.からのLCPのような液晶ポリマー(LCP)、Rogers Corporationからの4000シリーズのような炭化水素複合材料、並びにPark/Nelco Corp.からのN4000シリーズのようなエポキシベースの積層体が挙げられる。例えば、例としては、エポキシベースのN4000-13、LCPに積層された臭素フリーの材料、高K材料を有する有機層、非充填高K有機層、Rogers 4350、Rogers 4003材料、及びポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂及びグラフト樹脂、又は類似の低誘電率で低損失の有機材料のような他の熱可塑性材料が挙げられる。
【0013】
有機誘電材料の誘電率は、約1.5~100、幾つかの実施形態においては約2~約15、幾つかの実施形態においては約2~約4であってよい。tanは、約0.001~約0.02、幾つかの実施形態においては約0.002~約0.004の範囲であってよい。
【0014】
しかしながら、N6000、エポキシベースのN4000-13、LCPに積層された臭素フリーの材料、高K材料を有する有機層、非充填高K有機層、Rogers 4350、Rogers 4003材料(Rogers Corporation製)、及び炭化水素、テフロン(登録商標)、FR4、エポキシ、ポリアミド、ポリイミド、及びアクリレートのような他の熱可塑性材料、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、BT樹脂複合体(例えばSpeedboard C)、熱硬化性樹脂(例えばHitachi MCL-LX-67F)、及びグラフト樹脂、又は同様の低誘電率で低損失の有機材料などの他の材料を使用することができる。
【0015】
更に、幾つかの実施形態においては、セラミック、半導電性、又は絶縁材料、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化亜鉛、低燃焼性ガラスを有するアルミナ、又は他の好適なセラミック若しくはガラス結合材料(しかしながらこれらに限定されない)、のような非有機誘電材料を使用することができる。或いは、誘電材料は、エポキシ樹脂(その中にセラミックが混合されているか又はおらず、ガラス繊維を有するか又は有しない)のような回路基板材料として一般的な有機化合物、又は誘電体として一般的な他のプラスチックなどであってよい。これらの場合、導体は、通常は化学的にエッチングしてパターンを与えている銅箔である。更に別の実施形態においては、誘電材料には、NPO(COG)、X7R、X5R、X7S、Z5U、Y5V、及びチタン酸ストロンチウムの1つのような比較的高い誘電率(K)を有する材料を含ませることができる。一例において、誘電材料は約2000~約4000の間の範囲の誘電率を有していてよい。
【0016】
使用される特定の構成にかかわらず、本発明者らは、モノリシックフィルタに結合されたヒートシンクを含むフィルタアセンブリの配置及び材料を選択的に制御することによって、優れた性能特性及び改良された電気シールド性と組み合わせて改良された放熱及び出力処理能力を提供するコンパクトなフィルタアセンブリを達成することができることを見出した。幾つかの実施形態においては、フィルタアセンブリはまた、広範囲の温度にわたって安定した性能特性を示す。
【0017】
フィルタアセンブリの優れた性能特性としては、フィルタアセンブリのパスバンド周波数範囲内の周波数に関する低い挿入損失を挙げることができる。例えば、パスバンド周波数範囲内の周波数に関する平均挿入損失は、-15dBより大きく、幾つかの実施形態においては-10dBより大きく、幾つかの実施形態においては-5dBより大きく、幾つかの実施形態においては-2.5dBより大きくてよい。
【0018】
更に、フィルタアセンブリは、パスバンド周波数範外の周波数の優れた排除を示す。パスバンド周波数範囲外の周波数に関する挿入損失は、約-15dB未満、幾つかの実施形態においては約-25dB未満、幾つかの実施形態においては約-35dB未満、幾つかの実施形態においては約-40dB未満であってよい。
【0019】
更に、フィルタアセンブリは、パスバンド周波数範囲からパスバンド外の周波数への急峻なロールオフを示すことができる。例えば、パスバンド周波数範囲のすぐ外側の周波数に関しては、挿入損失は、約0.1dB/MHz、幾つかの実施形態においては、約0.2dB/MHzよりも大きく、幾つかの実施形態においては約0.3dB/MHzよりも大きく、幾つかの実施形態においては約0.4dB/MHzよりも大きい割合で減少し得る。
【0020】
フィルタアセンブリはまた、広範囲の温度にわたって安定した性能特性(例えば、挿入損失、反射損失など)も示すことができる。幾つかの実施形態においては、フィルタアセンブリの挿入損失は、大きな温度範囲にわたって5dB未満又はそれ未満で変動し得る。例えば、フィルタアセンブリは、約25℃及び第1の周波数において第1の挿入損失を示すことができる。フィルタアセンブリは、第2の温度及び第1の周波数付近において第2の挿入損失を示すことができる。第1の温度と第2の温度との間の温度差は、約70℃以上、幾つかの実施形態においては約60℃以上、幾つかの実施形態においては約50℃以上、幾つかの実施形態においては約30℃以上、幾つかの実施形態においては約20℃以上であってよい。一例として、第1の温度は25℃であってよく、第2の温度は85℃であってよい。別の例として、第1の温度は25℃であってよく、第2の温度は-55℃であってよい。第2の挿入損失と第1の挿入損失との間の差は、約5dB以下、幾つかの実施形態においては約2dB以下、幾つかの実施形態においては約1dB以下、幾つかの実施形態においては約0.75dB、幾つかの実施形態においては約0.5dB以下、幾つかの実施形態においては約0.2dB以下であってよい。第1の周波数は、フィルタのパスバンド周波数範囲内、又はフィルタの除去周波数帯域内であってよい。第1の周波数は、約100MHz~約9,000MHz、幾つかの実施形態においては約200MHz~約8,000MHzの範囲であってよい。
【0021】
フィルタアセンブリはまた、過熱して損傷することなく、上昇した出力レベルで運転することができる。幾つかの実施形態においては、フィルタアセンブリは、約300MHzにおいて約1Wより高く、幾つかの実施形態においては約2Wより高く、幾つかの実施形態においては約3Wより高く、幾つかの実施形態においては約4Wより高く、幾つかの実施形態においては約5Wより高く、幾つかの実施形態においては約10Wより高い出力容量を有し得る。出力容量は、フィルタアセンブリを25℃に維持される表面に実装した際に、フィルタアセンブリを最高許容運転温度(例えば85℃)に到達させる定常状態条件においてフィルタアセンブリを透過する出力レベル(二乗平均平方根)として定義することができる。
【0022】
「面積出力容量」(W/mm2)は、出力容量(W)をコンポーネントの面積又は実装面積で割ったものとして定義することができる。コンポーネントの「面積」又は「実装面積」は、コンポーネントの断面積(例えば、実装された際にフィルタアセンブリによって占められる印刷回路基板のような実装面の面積)を指す。面積出力容量は、改良された出力処理とコンパクトなサイズの組み合わせを定量化するために好適な測定基準であり得る。
【0023】
例えば、フィルタアセンブリは、約300MHzにおいて約0.03W/mm2より大きく、幾つかの実施形態においては約0.10W/mm2より大きく、幾つかの実施形態においては約0.2W/mm2より大きく、幾つかの実施形態においては約0.5W/mm2より大きく、幾つかの実施形態においては約1W/mm2より大きく、幾つかの実施形態においては約2W/mm2より大きく、幾つかの実施形態においては4W/mm2より大きい面積出力容量を有し得る。
【0024】
幾つかの実施形態においては、フィルタアセンブリは、コンパクトなサイズ、例えば実装面積を有し得る。例えば、幾つかの実施形態においては、フィルタアセンブリは、約0.5mm~約30mm、幾つかの実施形態においては約1mm~約15mm、幾つかの実施形態においては約1.25mm~約5mmの全長を有し得る。
【0025】
幾つかの実施形態においては、フィルタアセンブリは、約0.2mm~約20mm、幾つかの実施形態においては約0.5mm~約15mm、幾つかの実施形態においては約1mm~約10mm、幾つかの実施形態においては約3mm~約7mmの全幅を有し得る。
【0026】
幾つかの実施形態においては、フィルタアセンブリは、約0.25mm~約4mm、幾つかの実施形態においては約0.5mm~約3mm、幾つかの実施形態においては約0.75mm~約2mmの全厚を有し得る。
【0027】
ヒートシンクには、熱伝導性材料の層を含ませることができる。熱伝導性材料の層の厚さは、約0.02mm~約2.5mm、幾つかの実施形態においては約0.13mm~約1.25mm、幾つかの実施形態においては約0.25mm~約0.75mm、例えば約0.4mmの範囲であってよい。
【0028】
熱伝導性材料の層は、高い熱伝導性を有し得る。例えば、幾つかの実施形態においては、熱伝導性材料には、約100W/m・℃~約300W/m・℃、他の実施形態においては約125W/m・℃~約250W/m・℃、他の実施形態においては約150W/m・℃~約200W/m・℃の範囲である約22℃における熱伝導率を有する材料を含ませることができる。
【0029】
熱伝導性材料は、種々の好適な材料から形成することができる。例えば、幾つかの実施形態においては、熱伝導性材料には、窒化アルミニウム、アルミナ、又は窒化アルミニウム又はアルミナを含む任意の好適な組成物を含ませることができる。熱伝導性材料には、添加剤又は不純物を含ませることができる。熱伝導性材料のための更なる好適な材料としては、酸化ベリリウム、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、任意の好適なセラミック材料、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0030】
熱伝導性材料の層はまた、モノリシックフィルタのための電気シールドも与えて、フィルタアセンブリの堅牢性を増加させることができる。更に、幾つかの実施形態においては、熱伝導性材料の厚さは、フィルタアセンブリの1以上の性能特性を調整するように選択することができる。
【0031】
I.フィルタ:
図1は、本発明の複数の態様によるバンドパスフィルタ100の簡略化された概略図を示す。フィルタには、1以上のインダクタ102、104、106、及び1以上のキャパシタ108、110、112を含ませることができる。入力電圧(
図1においてはV
iによって表される)がフィルタ100に入力され、出力電圧(
図1ではV
oによって表される)がフィルタ100によって出力される。バンドパスフィルタ100は、パスバンド周波数範囲内の周波数が実質的に影響を受けないようにフィルタ100を通して伝送されることを可能にしながら、低周波数及び高周波数を大きく減少させることができる。上記記載の簡略化されたフィルタ100は、単にバンドパスフィルタの簡略化された例にすぎず、本発明の複数の態様はより複雑なバンドパスフィルタに適用することができることを理解すべきである。更に、本発明の複数の態様は、例えばローパスフィルタ又はハイパスフィルタなどの他のタイプのフィルタに適用することができる。
【0032】
図2は、本発明の態様によるバンドパスフィルタ200のトップダウン図である。バンドパスフィルタ200には、複数のインダクタ202、204、206、208、210、212、214を含ませることができる。バンドパスフィルタ200には、種々のインダクタ202、204、206、208、210、212、214を電気的に接続してフィルタ回路を形成するために使用することができる種々の接続点又は接点パッドを含ませることができる。
【0033】
幾つかの実施形態においては、フィルタ100は有機誘電材料を組み込んで形成してもよく、及び/又はかかる材料の複数の層を組み込むことができる。本発明の一実施形態によれば、バンドパスフィルタ100に関して上記に記載したインダクタは、本明細書において記載する高性能多層インダクタを使用して形成することができる。特に、これらの高性能多層インダクタは、高いQファクタ及び高い電流搬送能力を与えることができる。
【0034】
図3Aは、本発明の複数の態様による高性能インダクタにおいて使用することができるスティッチングされた金属層ビルディングブロック800aの機能ブロック図を示す。
図3Bは、
図3Aのビルディングブロック800aの三次元図を示す。特に、
図3Bに示されるように、ビルディングブロック800aは、第1のインダクタセクション850及び第2のインダクタセクション852から構成することができる。第1のインダクタセクション850には、第1の接続点854及び第2の接続点856を含ませることができる。同様に、第2のインダクタセクション852には、第1の接続点858及び第2の接続点860を含ませることができる。
図3Cにおける第1のインダクタセクション850及び第2のインダクタセクション852はそれぞれ螺旋の形状を形成するが、インダクタセクション850、852は、本発明の複数の実施形態から逸脱することなく、ループ状、円形、六角形、及び種々の完全な又は部分的なターン部を有する他の多角形形状であってもよい。更に、第1のインダクタセクション850及び第2のインダクタセクション852は実質的に同一形状であってもよく、幾つかの実施形態においては垂直に整列されていてもよい。
【0035】
図3Bに示すように、第1のインダクタセクション850及び第2のインダクタセクション852を一緒にスティッチングして、シングルスティッチングされた金属層ビルディングブロック800aを形成することができる。より具体的には、本発明の代表的な実施形態によれば、第1のインダクタセクション850の第1の接続点854は、めっきビア814を使用して第2のインダクタセクション852の第1の接続点858に接続又はスティッチングすることができる。第1の接続点854はまた、ビルディングブロック800aに関する入力部として働かせることもできる。同様に、第1のインダクタセクション850の第2の接続点856は、メッキされたビア815を使用して第2のインダクタセクション852の第2の接続点860に接続又はステッチングすることができる。更に、メッキされたビア815は、ルーティング層862に更に接続することができる。ルーティング層862は、次にメッキされたビア816を使用して出力部864に接続することができる。メッキされたビア814、815、及び816(マイクロビアであってよい)は、スルーホール(おそらくは、使用される誘電体の厚さと同程度に小さい直径)を穿孔(例えば、機械的穿孔、レーザ穿孔など)し、例えば、無電解メッキ又はシードされた銅を使用して、スルーホールを導電性材料でメッキすることによって生成させることができる。
図3Cを参照すると、ビア814、815、及び816が、スティッチングされた金属層ビルディング800aの上面平面図において示されている。
【0036】
図3Dは、
図14A~14Cのスティッチングされた金属層ビルディングブロック800aを具現化する代表的な積層構造865を示す。特に、積層構造865は、メタライゼーション層801、802、及び803、有機誘電体層808、有機ビルドアップ層809、及びビア814、815、816を含む。それぞれの有機誘電体層808及び有機ビルドアップ層809上に形成されるメタライゼーション層801、802、及び803は、必要に応じてパターン化又は回路化されている導電層であってよい。メタライゼーション層801、802、及び803は、銅、ニッケル、金、銀、並びに他の金属及び合金から形成することができる。本発明の一態様によれば、有機誘電体層808は液晶ポリマー(LCP)から形成することができるが、PPE、N6000、エポキシベースのN4000-13、LCPに積層された臭素フリーの材料、高K材料を有する有機層、非充填高K有機層、Rogers 4350、Rogers 4003材料、並びにポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂及びグラフト樹脂、又は同様の低誘電率で低損失の有機材料のような他の熱可塑性材料などの他の材料を使用することができる。更に、有機誘電体層808は、約3.1未満の誘電率、及び約0.004未満の誘電損失を有する可能性がある。本発明の一態様によれば、有機誘電体層808はまた、薄くても、おそらくは約10ミル未満であってもよいが、他の厚さを使用することができる。有機ラミネート層809は、ラミネートLCPのような有機ビルドアップ材料から形成することができるが、プリプレグ、ボンドプライ、又はエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フマレート樹脂、及びポリブタジエン樹脂などの他の熱硬化性ポリマーなどの他の材料を使用することができる。有機ラミネート層809は、約3.5未満の誘電率、及び約0.004未満の誘電損失を有し得る。ビア814は、メタライゼーション層801及び802を接続することができる。ビア815は、メタライゼーション層801、802、及び803を接続することができる。ビア816は、メタライゼーション層801及び803を接続することができる。
【0037】
更に
図3Dを参照すると、第1のメタライゼーション層801は、上記記載のようにパターン化又は回路化して、スティッチングされた金属層ビルディングブロック800aのための入力として機能し得る第1の接続点854を含む第1のインダクタセクション850を含ませることができる。更に、第1のメタライゼーション層801はまた、スティッチングされた金属層ビルディングブロック800bのための出力864を含むようにパターン化又は回路化することもできる。同様に、第2のメタライゼーション層802は、パターン化又は回路化して第2のインダクタセクション852を形成するすることができる。同様に、第3のメタライゼーション層803は、パターン化又は回路化してルーティング層862を形成することができる。本発明の一態様によれば、上記記載のメタライゼーション層上のトレース幅及びスペースは、数ミル以上であってよい。
【0038】
一緒にスティッチングされた第1及び第2のインダクタセクション850及び852から構成されるスティッチングされた金属層ビルディングブロック800aは、スティッチングされていないインダクタセクションよりも大きな利点を有し得る。特に、インダクタセクション850及び852のステッチングはDC/RF損失を大幅に低減し得、同時にインダクタンス値を実質的に低いファクタだけ低減し、それによってQ値の増加をもたらする。言い換えれば、インダクタセクション850及び852の並列接続は、得られる抵抗を得られるインダクタンス値よりも速い速度で低減し得る。
【0039】
更に、
図3A~3Dに関して上記記載したスティッチングされた金属層ビルディングブロック800aは、1以上の他のスティッチングされた金属層ビルディングブロックと共に組み込むことができる。更に、当業者であれば、上記記載のメタライゼーション層のパターン化及び回路化は、本発明の複数の実施形態から逸脱することなく変化させることができることを理解する。例えば、メタライゼーション層上のトレース幅及び間隔は、数ミルから有意により多くのミル数まで変化させることができる。更に、有機誘電体層及びビルドアップ層の厚さも、本発明の複数の実施形態から逸脱することなく変化させることができる。例えば、この厚さは数十ミクロンから数ミリメートルまで変化させることができる。
【0040】
図3Eは、スティッチングされた金属層ビルディングブロックのための垂直接続及び水平接続の両方を与えるインダクタ構造の機能ブロック図である。例えば
図3Eは、スティッチングされた金属層ビルディングブロック900a、900b、900c、及び900dを示す。
図3Eに示すように、第1のスティッチングされた金属層ビルディングブロック900aは、水平に整列させて、めっきビア915によって第2のスティッチングされた金属層ビルディングブロック900bに接続することができる。更に、第3のスティッチングされた金属層ビルディングブロック900cを、めっきビア917によって第1及び第2のビルディングブロック900a及び900bに垂直に接続することができる。更に、第4の金属層ビルディングブロック900dは、めっきビア919及び920によって第1及び第2のビルディングブロック900a及び900bに垂直に接続することができる。
【0041】
図3Fは、
図3Eのビルディングブロック900a、900b、900c、及び900dの三次元図を示す。
図3Fに示すように、第1のスティッチングされた金属層ビルディングブロック900aには、第1のインダクタセクション950及び第2のインダクタセクション951を含ませることができる。第1及び第2のインダクタセクション950、951には、それぞれの第1の接続点925、927、及びそれぞれの接続点926、928を含ませることができる。更に、第2のスティッチングされた金属層ビルディングブロック900bには、第1のインダクタセクション952及び第2のインダクタセクション953を含ませることができる。第1及び第2のインダクタセクション952、953には、それぞれの第1の接続点929、931、及びそれぞれの第2の接続点930、932を含ませることができる。同様に、第3のスティッチングされた金属層ビルディングブロック900cには、第1のインダクタセクション954及び第2のインダクタセクション955を含ませることができる。第1及び第2のインダクタセクション954、955には、それぞれの第1の接続点933、935、及び第2の接続点934、936を含ませることができる。同様に、第4のスティッチングされた金属層ビルディングブロック900dには、第1のインダクタセクション956及び第2のインダクタセクション957を含ませることができる。第1及び第2のインダクタセクション956、957には、それぞれの第1の接続点937、939、及びそれぞれの第2の接続点938、940を含ませることができる。
【0042】
上記記載したように、第1の金属層ビルディングブロック900aは、第2の金属層ビルディングブロック900bと水平に整列させることができる。更に
図3Fを参照すると、めっきビア915は、第1の金属層ビルディングブロック900aに関連する第2の接続点926、928と、第2の金属層ビルディングブロック900bに関連する第2の接続点930、932とを接続していてよい。更に、めっきビア919は、第1の金属層ビルディングブロック900aに関連する第1の接続点925、927と、第2の金属層ビルディングブロック900bに関連する第1の接続点929、931とを接続してよい。
【0043】
これも上記記載したように、第3及び第4の金属層ビルディングブロック900c及び900dの1以上を、第1及び第2の金属層ビルディングブロック900a及び900bに接続することができる。
図18Bを参照すると、めっきビア917は、第3の金属層ビルディングブロック900cに関連する第2の接続点934、936をめっきビア915に接続して、それによって第3の金属層ビルディングブロック900cと第1及び第2の金属層ビルディングブロック900a及び900bとの間に垂直接続を与えていてよい。めっきビア916は、第3の金属層ビルディングブロック900cに関連する第1の接続点933及び935を接続してもよい。更に、めっきビア920は、第4の金属層ビルディングブロック900dに関連する第2の接続点938、940をめっきビア919に接続して、それによって第4の金属層ビルディングブロック900dと第1及び第2の金属層ビルディングブロック900a及び900bとの間に垂直接続を与えていてよい。更に、めっきビア918は、第4の金属層ビルディングブロック900dに関連する第1の接続点937及び939を接続してもよい。
【0044】
II.ヒートシンク:
図4A及び4Bは、それぞれ、本発明の複数の態様によるフィルタアセンブリ400の簡略化されたトップダウン図及び側面立面図である。フィルタアセンブリ400には、ほぼ平面状の表面404を有するモノリシックフィルタ402を含ませることができる。モノリシックフィルタ402の詳細は、
図4A及び
図4Bから省略されている。しかしながら、幾つかの実施形態においては、フィルタ402は、
図1~
図3Fを参照して上記記載したような有機誘電材料を含むバンドパスフィルタであってよく、又はそれを含ませることができることを理解すべきである。しかしながら、他の実施形態においては、フィルタ402は、例えばハイパスフィルタ又はローパスフィルタなどの任意の好適なタイプのフィルタであってよく、又はそれを含ませることができる。更に、幾つかの実施形態においては、フィルタ402には、有機誘電体材料の代わりにセラミック誘電体材料を含ませることができる。フィルタ402は、電気信号に関してフィルタリング機能を実行するように構成された任意の好適な電気フィルタであってよい。
【0045】
フィルタアセンブリ400には、モノリシックフィルタ402のほぼ平面状の表面404に結合されたヒートシンク406を含ませることができる。ヒートシンク406には、熱伝導性材料の層407を含ませることができる。接着剤(例えば、エポキシ)の層を使用して、ヒートシンク406をモノリシックフィルタ402のほぼ平面状の表面404に接着することができる。
【0046】
フィルタアセンブリ400は、例えばプリント回路基板上に表面実装するように構成することができる。
図4Bを参照すると、フィルタアセンブリ400は、(例えば、
図2を参照して上記記載したフィルタ200の接続点216の1以上に対応する)種々の接続点を有し得る。接続点408は、ハンダ409によってプリント回路基板のような実装面410と結合することができる。
【0047】
フィルタアセンブリ400は、X方向414の長さ412、及びY方向418の幅416を有していてよい。フィルタアセンブリ400はまた、Z方向422の厚さ420も有していてよい。更に、フィルタ402は、Z方向422のフィルタ厚さ422も有していてよく、ヒートシンク406の熱伝導性材料の層は、Z方向422の層厚さ424を有していてよい。フィルタアセンブリ400の厚さ420は、フィルタ厚さ422と層厚さ424との和であってよい。
【0048】
図5A及び5Bは、それぞれ、本発明の複数の態様によるフィルタアセンブリ500の簡略化されたトップダウン図及び側面立面図である。フィルタアセンブリ500は、
図4A及び
図4Bを参照して上記記載したフィルタアセンブリ400とほぼ同様に構成することができる。更に、フィルタアセンブリ500のヒートシンク506には、(例えば周囲空気への対流によって)フィルタアセンブリ500から離れる熱放散を向上させるように構成された複数のフィン511を含ませることができる。フィン511は、種々の好適な形状を有していてよい。例えば、フィンは、
図5A及び
図5Bに示されているように、フィルタアセンブリ50の幅516にわたってX方向518に突出するほぼ均一な三角形の断面形状を有していてよい。しかしながら、フィン511は、任意の好適な構成を有していてよいことを理解すべきである。例えば、フィン511は、フィルタアセンブリ500の長さ514にわたってY方向514に突出する断面形状及び/又はZ方向522に上方に突出する(例えば縦方向のカラムを形成する)ほぼ均一な断面形状を有していてよい。フィン511はまた、例えば長方形又は任意の他の好適な形状(例えば、五角形、六角形等)などの種々の他の断面形状を有していてよい。幾つかの実施形態においては、フィン511は円錐形のようなテーパ状であってよい。
【0049】
フィルタアセンブリ500は、X方向514の長さ512、及びY方向518の幅516を有していてよい。また、フィルタアセンブリ500は、Z方向522の厚さ520を有していてよい。更に、フィルタ502は、Z方向522のフィルタ厚さ522を有してよく、熱伝導性材料の層507は、Z方向522の層厚さ524を有していてよく、フィン511は、層507を超えてZ方向522においてフィン高さ526に延在していてよい。フィルタアセンブリ500の厚さ520は、フィルタ厚さ522、層厚さ524、及びフィン高さ526の合計であってよい。
【0050】
III.熱シミュレーション及び試験:
(
図4A及び4Bを参照して上記記載したように)ヒートシンクを有しないフィルタアセンブリ及びヒートシンクを有するフィルタアセンブリの両方の熱シミュレーション解析を行った。更に、アルミナの層を含むヒートシンクの性能と、窒化アルミニウムの層を含むヒートシンクの性能を比較して解析を行った。解析は、2つの異なる出力レベル:1W及び5Wにおいて実施した。より具体的には、フィルタアセンブリの熱分析を、約300MHzの周波数、並びに1W及び5Wの二乗平均平方根出力を有する正弦波入力信号について実施した。下表は、ヒートシンクを有しないフィルタアセンブリについてのシミュレーション結果、並びに窒化アルミニウム又はアルミナの層を含むヒートシンクを含むフィルタアセンブリについてのシミュレーション結果を示す。
【0051】
【0052】
図6は、ヒートシンクを含まないフィルタアセンブリの熱シミュレーション解析において生成した温度分布600を示す。このシミュレーションにおいては、約300MHzの周波数及び1Wの二乗平均平方根出力を有する正弦波入力信号をフィルタ200に印加した。得られた温度分布は約100℃の最高温度を含む。シミュレーションは、フィルタアセンブリが取り付けられている表面を25℃に維持するという仮定で実施した。
【0053】
図7Aは、アルミナの層407を含むヒートシンク406を含む、
図4A及び4Bのフィルタアセンブリ400の温度分布700を示す。このシミュレーション解析においては、熱伝導性材料の層407の層厚さ424(
図4A及び4Bに示す)は0.508mmであり、約300MHzの周波数及び1Wの二乗平均平方根出力を有する正弦波入力信号をフィルタ400に印加した。シミュレーションは、フィルタアセンブリが取り付けられている表面を25℃に維持するという仮定で実施した。得られた温度分布700は、30.2℃の最高温度を有していた。而して、熱分析は、ヒートシンク406のアルミナの層407が同じシミュレーション条件下において最高温度を(
図6を参照して議論するように)40℃から30.2℃に低下させることを示す。
【0054】
図7Bは、窒化アルミニウムの層407を含むヒートシンク406を含む、
図4A及び4Bのフィルタアセンブリ400の温度分布750を示す。このシミュレーション解析においては、熱伝導性材料の層407の層厚さ424は0.508mmであり、約300MHzの周波数及び1Wの二乗平均平方根出力を有する正弦波入力信号をフィルタ400に印加した。シミュレーションは、フィルタアセンブリが取り付けられている表面を25℃に維持するという仮定で実施した。得られた温度分布700は28.8℃の最高温度を有していた。而して、熱分析は、ヒートシンク406の窒化アルミニウムの層407が同じシミュレーション条件下において最高温度を(
図6を参照して議論するように)40℃から28.8℃に低下させることを示す。
【0055】
図8は、ヒートシンクを含まないフィルタアセンブリの熱シミュレーション解析において生成した温度分布850を示す。このシミュレーションにおいては、約300MHzの周波数及び5Wの二乗平均平方根出力を有する正弦波入力信号をフィルタ200に印加した。得られた温度分布は100.1℃の最高温度を含む。シミュレーションは、フィルタアセンブリが取り付けられている表面を25℃に維持するという仮定で実施した。
【0056】
図9Aは、
図4A及び4Bのフィルタアセンブリ400の温度分布960を示す。このシミュレーションにおいては、フィルタアセンブリ400は、アルミナの層407(
図4A及び4Bに示す)を含むヒートシンク406を含む。このシミュレーションにおいては、熱伝導性材料の層407の層厚さ424(
図4Bに示される)は0.508mmであり、約300MHzの周波数及び5Wの二乗平均平方根出力を有する正弦波入力信号をフィルタ400に印加した。シミュレーションは、フィルタアセンブリが取り付けられている表面を25℃に維持するという仮定で実施した。
図9Aを参照すると、得られた温度分布700は51.2℃の最高温度を有していた。而して、熱分析は、ヒートシンク406のアルミナの層407が同じシミュレーション条件下において最高温度を(
図8を参照して議論するように)100.1℃から51.2℃に低下させることを示す。
【0057】
図9Bは、窒化アルミニウムの層407を含むヒートシンク406を含む、
図4A及び4Bのフィルタアセンブリ400の温度分布980を示す。このシミュレーション解析においては、熱伝導性材料の層407の層厚さ424は0.508mmであり、約300MHzの周波数及び1Wの二乗平均平方根出力を有する正弦波入力信号をフィルタ400に印加した。シミュレーションは、フィルタアセンブリが取り付けられている表面を25℃に維持するという仮定で実施した。得られた温度分布700は44.2℃の最高温度を有していた。而して、熱分析は、ヒートシンク406の窒化アルミニウムの層407が同じシミュレーション条件下において最高温度を(
図8を参照して議論するように)100.1℃から44.2℃に低下させることを示す。
【0058】
IV.出力容量:
本発明の複数の態様によるフィルタアセンブリを組み立て、試験した。それぞれのフィルタアセンブリは、フィルタアセンブリが定常状態温度に達するまで定常状態出力レベルにかけた。次に出力レベルを増加させ、定常状態温度が約85℃よりも高くなるか、又は出力レベルが6Wに達するまで、このプロセスを繰り返した。
【0059】
下表は、試験した一例の高周波バンドパスフィルタアセンブリについての性能特性及び寸法データを示す。
【0060】
【0061】
図10を参照すると、表2の高周波フィルタアセンブリにヒートシンク層を加える効果を試験した。フィルタアセンブリは、ヒートシンクなし、アルミナの層を含むヒートシンクを使用、及び窒化アルミニウムの層を含むヒートシンクを使用して試験した。それぞれの場合において、熱伝導性材料の層は厚さ0.51mmであった。フィルタアセンブリを、フィルタアセンブリがそれぞれの出力レベルについて定常状態温度に達するまで、水平軸に示されているようにそれぞれの二乗平均平方根出力レベルを有する種々の正弦波信号にかけた。定常状態温度(縦軸上に表す)をそれぞれの出力レベルにおいて測定した。
図10、11、及び12において使用する「高」周波数は、2,200MHzの周波数を指し、「低」周波数は110MHzの周波数を指し、「基準」は、ヒートシンクを含まないフィルタアセンブリを指す。
【0062】
下表は、試験した一例の低周波バンドパスフィルタアセンブリについての性能特性及び寸法データを示す。
【0063】
【0064】
図11を参照すると、表3の低周波フィルタアセンブリにヒートシンク層を加える効果を試験した。フィルタアセンブリは、ヒートシンクなし、アルミナの層を含むヒートシンクを使用、及び窒化アルミニウムの層を含むヒートシンクを使用して試験した。それぞれの場合において、熱伝導性材料の層は0.51mm厚であった。フィルタアセンブリは、フィルタアセンブリがそれぞれの出力レベルについて定常状態温度に達するまで、水平軸上に示されているように、それぞれの二乗平均平方根出力レベルを有する種々の正弦波信号にかけた。定常状態温度(縦軸上に表す)をそれぞれの出力レベルにおいて測定した。
【0065】
図12を参照すると、更なるフィルタアセンブリを、フィルタアセンブリがそれぞれの出力レベルについて定常状態温度に達するまで、水平軸上に示されているようにそれぞれの二乗平均平方根出力レベルを有する種々の正弦波信号にかけた。定常状態温度(縦軸に表す)をそれぞれの出力レベルにおいて測定した。
【0066】
ヒートシンクを含むフィルタアセンブリは、与えられた出力レベルについて遙かにより低い定常状態温度を生成することに留意されたい。而して、本発明の複数の態様によるヒートシンクを含むフィルタアセンブリは、ヒートシンクを有しないフィルタアセンブリよりも高い出力レベルで安全に運転することができる。更に、定常状態温度は一般に、「低」周波数信号と「高」周波数信号との間で少ししか変化しない。
【0067】
更なる出力容量試験の結果を下記の「実施例」のセクションにおいて示す。
V.電気的シミュレーション及び試験:
A.試験アセンブリ:
試験アセンブリを用いて種々のフィルタアセンブリを試験した。
図13を参照すると、試験アセンブリ1300は、試験基板1304に取り付けられたフィルタアセンブリ1302を含む。入力ライン1306及び出力ライン1308を、それぞれ試験基板1304と接続した。試験基板1304は、入力ライン1306をフィルタアセンブリ1302の入力と電気的に接続し、出力ライン1308をフィルタアセンブリ1302の出力と電気的に接続するマイクロストリップライン1310を含む。入力信号を、ソース信号発生器(例えば、1306 Keithley 2400シリーズソース測定ユニット(SMU)、例えばKeithley 2410-C SMU)を使用して入力ラインに印加し、得られたフィルタアセンブリ1302の出力を出力ライン1308において測定した。これを、フィルタアセンブリの種々の構成について繰り返した。
図13に示されるフィルタアセンブリ1302は、ヒートシンク層を含まない。しかしながら、アルミナ及び窒化アルミニウムを含む、異なる厚さ及び材料のヒートシンク層を含むフィルタアセンブリについて種々の試験を行った。
【0068】
B.ヒートシンクの性能特性及び効果:
本フィルタアセンブリは優れた性能特性を有することができる。更に、本発明の複数の態様にしたがってフィルタアセンブリに十分に薄い熱伝導性材料の層を加えることはフィルタアセンブリの性能特性に実質的に悪影響を及ぼさないことが実験で求められた。ヒートシンク層を有するもの及び有しないものの種々のフィルタアセンブリの挿入損失及び反射損失を実験で測定した。
図14は、ヒートシンクを有するもの及び有しないものの両方のフィルタアセンブリの挿入損失(S
2,1)と反射損失(S
1,1)の両方を示す。この実験では、熱伝導性材料の層の厚さは0.508mmであった。アルミナの層を有するフィルタアセンブリ及び窒化アルミニウムの層を有するフィルタアセンブリを別々に試験したが、それらの結果は実質的に同様であり、挿入損失に関する単一の線(
図14において「S
2,1ヒートシンク」とラベルされている)、及び反射損失に関する単一の線(「S
1,1ヒートシンク」とラベルされている)によって表される。ヒートシンクを有しないフィルタアセンブリ(
図14において「S
1,1エア」とラベルされている)は、約225MHz~約300MHzのパスバンド範囲を有していた。フィルタアセンブリに熱伝導性材料の層を含むヒートシンクを加えた結果として、パスバンド範囲の上限が最小で約1.2%下方にシフトされることが分かった。下限は、ヒートシンク層によって実質的に影響されなかった。
【0069】
更に、ヒートシンク層を含むフィルタアセンブリは、反射損失:S
2,1において非常に僅かな悪化を示した。
図14に示すように、約300Hzにおいては、反射損失は、ヒートシンク層の追加の結果として-11.96dBから-10.73dBに増加した。
【0070】
下表は、それぞれのヒートシンク材料についてのフィルタアセンブリのバンドパス範囲における平均挿入損失の測定された特徴を示す。
【0071】
【0072】
一般に、本フィルタアセンブリは優れた電気的特性を与える。例えば、パスバンド内の周波数についての挿入損失は低く、-2.5dBより大きい。更に、本フィルタアセンブリは、表4及び
図14において上記記載したように、パスバンド周波数範囲外の周波数の優れた除去を示す。
【0073】
図14を参照すると、本フィルタアセンブリはまた、パスバンド周波数範囲からの急峻なロールオフも示す。言い換えれば、パスバンド範囲外の周波数についての挿入損失は急激に減少する。パスバンド周波数範囲の下限未満の周波数である219MHzについては、挿入損失は、約165MHzにおいて約0.68dB/MHzの平均速度でから-39dBに低下する。パスバンド周波数範囲の上限よりも大きい周波数である332MHzの場合については、挿入損失は、約420MHzにおいて約0.45dB/MHzの平均速度で約-42dBに低下する。この急峻なロールオフは、パスバンド周波数の優れたアイソレーションを与える。
【0074】
更に、幾つかの実施形態においては、熱伝導性材料の層の厚さは、フィルタアセンブリの1以上の性能特性を選択的に調整するように選択することができる。例えば、性能特性としては、パスバンド周波数範囲、パスバンド周波数範囲に関連する挿入損失、又は反射損失の少なくとも1つを挙げることができる。例えば、上記で議論したパスバンド周波数範囲及び/又は反射損失における測定されたシフトに基づいてパスバンド周波数範囲及び/又は反射損失を所望の値にしたがって意図的に調整又は調節するように、厚さを選択することができる。熱伝導性材料の層の厚さにおける比較的大きな変化は性能特性における比較的小さな変化を生じ得るため、層の厚さは、必要に応じて、フィルタアセンブリの1以上の性能特性を正確に調整するように選択することができる。
【0075】
C.ヒートシンクの電気シールド効果:
本ヒートシンクは有益な電気シールドを与えることができることが分かった。フィルタアセンブリに近接して配置された導電性構造体を有する種々のフィルタアセンブリを試験して、フィルタアセンブリの性能特性に及ぼすかかる構造の影響を検出した。ヒートシンク層は、フィルタアセンブリを、近傍の物体によって引き起こされる性能劣化から有意に保護することができることが分かった。
【0076】
図15A及び15Bは、フィルタアセンブリ(シリンダ1502及び面1504によって覆われている)に近接して配置された、それぞれ大きな金属シリンダ1502及び大きな金属板1504を示す。入力信号を入力ラインに印加し、得られたフィルタアセンブリ1302の出力を、出力ライン1308においてソース測定ユニット(例えば1306 Keithley 2400シリーズソース測定ユニット(SMU))を使用して測定した。
【0077】
図16A及び16Bは、シリンダ1502及び面1504によって引き起こされるヒートシンク層を含まないフィルタアセンブリについての性能の劣化を示す。参考のために、破線は、電気的干渉を生成させる物体がフィルタアセンブリの付近にない場合の基準挿入損失である。
図16Bにおいて最もよく分かるように、金属板1504は、バンドパス範囲内の挿入損失を、約-2dBから約-12dBに減少させる。同様に、金属シリンダ1502は、バンドパス範囲における挿入損失を、約-2dBから約-7dBに減少させる。
【0078】
更に、金属板及び金属シリンダのそれぞれは、フィルタアセンブリのパスバンド周波数範囲におけるシフトを望ましくなく引き起こす。干渉がない場合には、パスバンドは約225MHz~約300MHの範囲である。金属板は、パスバンド範囲を約275MHz~約330MHzの範囲に増加させた。同様に、金属シリンダは、パスバンド範囲を約350MHz~約480MHzの範囲に増加させた。
【0079】
図17A及び17Bは、熱伝導性材料の層を含むヒートシンクの電気シールド効果を示す。より具体的には、挿入損失を縦軸上にプロットし、周波数を横軸上にプロットしている。0.406mmの厚さを有するアルミナの層を含むフィルタアセンブリを、
図15A~15Bに関して上記記載したように試験した。
図17Bにおいて最もよく分かるように、挿入損失は、板材及びシリンダの存在によって僅かしか減少しなかった。板材は、挿入損失を約-1.5dBから約-1.75dBに減少させる。同様に、シリンダは、挿入損失を約-1.5dBから約-2.5dBに減少させる。これらの減少は、(
図16A及び16Bを参照して上記記載したように)ヒートシンクを有しないフィルタアセンブリについて測定されたものよりも有意に小さい。而して、ヒートシンクは、有意かつ望ましい電気シールド効果を与えることができる。
【0080】
D.温度安定性:
上記に示したように、本発明の複数の態様によるフィルタアセンブリは優れた温度安定性を示すことができる。例えば、本発明の複数の態様によるフィルタアセンブリの挿入損失は、広い温度範囲にわたって5dB未満又はそれ未満で変化し得る。試験結果は下記の「実施例」セクションにおいて示し、
図19A~19Cを参照して議論する。
【0081】
VI.更なる実施形態:
幾つかの実施形態においては、フィルタアセンブリに本発明の複数の態様による複数のモノリシックフィルタを含ませることができる。例えば、
図18Aを参照すると、幾つかの実施形態においては、フィルタアセンブリ1800に、第1のモノリシックフィルタ1802、及び熱伝導性材料の層1806を含むヒートシンク1804を含ませることができる。フィルタアセンブリ1800にはまた、積層配列でヒートシンク1804の熱伝導性材料の層1806に結合されている第2の(更なる)モノリシックフィルタ1808を含ませることもできる。層1806は、第1の表面1810、及び第1の表面1810の反対側の第2の表面1812を有していてよい。第1のモノリシックフィルタ1802は、上面1813を有していてよい。第1のモノリシックフィルタ1802の上面1813は、熱伝導性材料の層1806の第1の表面1810に結合させることができる。第2の(更なる)モノリシックフィルタ1808は、熱伝導性材料の層1806の第2の表面1812に結合されている底面1815を有していてよい。例えば、フィルタ1802、1808は、接着剤1814、1816のそれぞれの層を使用して熱伝導性材料の層1806に結合させることができる。第1のモノリシックフィルタ1802をプリント回路基板のような実装面と電気的に接続させるために、1以上の接続点1818を第1のモノリシックフィルタ1802の底面1817に沿って与えることができる。例えば、ハンダ1819を使用して、接続点1818をプリント回路基板上の種々のパッド又は接続部と接続させることができる。幾つかの実施形態においては、第2のモノリシックフィルタ1808にはまた、第2の(更なる)モノリシックフィルタ1808の上面1821上に配置されている1以上の接続点1820(例えばワイヤボンドパッド)を含ませることもできる。接続点1820は、電気リードにハンダ付け(ハンダ1822によって表される)して、第2のモノリシックフィルタ1808をプリント回路基板又は他のデバイス又はコンポーネントと電気的に接続することができる。
【0082】
図18Bは、上記記載のフィルタアセンブリ1800とほぼ同様に構成されているフィルタアセンブリ1850の簡略化された側面立面図である。フィルタアセンブリ1850には更に、第2の(更なる)モノリシックフィルタ1808からヒートシンク1804を通って第1のモノリシックフィルタ1802まで延在して、第2のフィルタ1808を、第1のフィルタ1802、及び/又は第1のフィルタ1802の底面1817上の1以上の接続点1818と電気的に接続する1つ以上のビア1824を含ませることができる。例えば、第2のフィルタ1808は、第1のフィルタ1802と直列又は並列に接続することができる。他の実施形態においては、第2のフィルタ1808及び第1のフィルタ1802は、単一のフィルタとして効果的に機能させることができる。例えば、第1のフィルタ1802はローパスフィルタとして構成することができ、第2のフィルタ1808はハイパスフィルタとして構成することができ、フィルタ1802、1808を一緒に(例えば直列に)接続した際にバンドパスフィルタとして作用させることができる。幾つかの実施形態においては、フィルタアセンブリ1850は、第2の(更なる)モノリシックフィルタ1808の上面1821上に電気接続を有しない場合がある。幾つかの実施形態においては、熱伝導性材料の第2の層を第2のモノリシックフィルタ1808の上面1821に結合することができる。更に、幾つかの実施形態においては、熱伝導性材料の第2の層に、
図5A及び5Bを参照して上記記載した放熱フィン511と同様の放熱フィンを含ませることができる。
【0083】
図18Cは上記記載のフィルタアセンブリ1850とほぼ同様に構成されているが、第2のフィルタ1808の上面1820上に接続点1820(例えばワイヤボンドパッド)を更ませることができるフィルタアセンブリ1875の簡略化した側面図である。
【0084】
VIII.用途:
本明細書に記載されるフィルタアセンブリの種々の実施形態は、任意の好適なタイプの電気コンポーネントにおいて用途を見出すことができる。本フィルタアセンブリは、高周波無線信号を受信、送信、又は他の方法で使用するデバイスにおいて特定の用途を見出すことができる。用途の例としては、スマートホン、信号反応器(例えば小型セル)、リレー局、及びレーダが挙げられる。
【実施例】
【0085】
試験方法:
以下のセクションは、本発明の複数の態様によるフィルタアセンブリの種々の特性を試験するための方法の例を与える。
【0086】
出力容量:
フィルタアセンブリの出力容量は、約85℃の定常状態温度を生成する出力レベルとして定義することができる。出力容量は、Keithley 2400シリーズソース測定ユニット(SMU)、たとえばKeithley 2410-C SMUを使用して測定することができる。フィルタアセンブリは、
図13を参照して上記記載したように試験アセンブリに実装することができる。
【0087】
フィルタアセンブリを、種々の周波数及び振幅の正弦波入力信号にかけることができる。フィルタアセンブリの温度は、最初は通常の室温(24.8℃)であってよい。正弦波入力信号は、試験周波数で印加することができる。試験周波数の例としては、113MHz、350MHz、及び2,325MHzが挙げられる。
【0088】
それぞれのフィルタアセンブリを、フィルタアセンブリが定常状態温度に達するまで、定常状態出力レベル(例えば、1Wの二乗平均平方根出力を有する約300MHzの正弦波信号)にかけた。次に、出力レベルを一定のステップ量(例えば1W)増加して、新たなより高い出力レベル(例えば、2W、3W、4W等の二乗平均平方根出力を有する約300MHzの正弦波信号)に維持した。このプロセスを、フィルタアセンブリの定常状態温度が約85℃になるまで繰り返した。その時点での印加出力が、フィルタの出力容量とみなされる。必要に応じて、上記の手順を種々の周波数を使用して繰り返して、一定範囲の周波数にわたってフィルタアセンブリの出力容量を定めることができる。
【0089】
面積出力容量は、フィルタアセンブリの測定された出力容量を、表面実装コンポーネントの面積又は設置面積で割ることによって計算することができる。
挿入損失:
挿入損失は、Keithley 2400シリーズのソース測定ユニット(SMU)、たとえばKeithley 2410-C SMUを使用して測定することができる。フィルタアセンブリを、
図13を参照して上記記載したように試験アセンブリに実装することができる。フィルタアセンブリの入力部を、種々の周波数及び振幅の正弦波入力信号にかけることができる。フィルタアセンブリの出力信号は、フィルタアセンブリの出力部において測定することができる。出力の振幅を入力信号と比較して挿入損失を計算することができる。
【0090】
実施例:
下表は、下記に列挙する種々の試験周波数において出力容量を測定する上記記載の方法にしたがって試験した種々のフィルタアセンブリの出力容量を示す。
【0091】
【0092】
表5に示す厚さの値は、ヒートシンクの熱伝導性材料の層の厚さ(これらのコンポーネントについては0.508mm(0.02インチ)であった)を含む。
ヒートシンクを有しないフィルタ、及び本発明の複数の態様による0.406mm(0.016インチ)の厚さを有するアルミナの層を含むヒートシンクを有するフィルタの間で比較試験を行った。フィルタは、9.14mm(0.360インチ)の長さ、4.42mm(0.174インチ)の幅を有していた。次表は、約300MHzにおいて5W~25Wの範囲の増加した出力レベルにおけるそれぞれのフィルタの最高温度を示す。
【0093】
【0094】
アルミナの層を含むフィルタは、与えられた出力レベルについて、より低い温度で動作した。同様に、与えられた温度において、アルミナの層を含むフィルタはより高い出力レベルで動作した。例えば、約200℃の最高許容動作温度について、アルミナの層を含むフィルタは約20Wの出力レベルで動作し、一方、ヒートシンクを有しないフィルタは約12Wの出力レベルで動作する。
【0095】
また、0.406mm(0.016インチ)の厚さを有するアルミナの層を含むヒートシンクを有するフィルタも、約225MHzにおいて3W~13Wの範囲の出力レベルにかけた。結果を下表に示す。
【0096】
【0097】
フィルタは、9W~10Wの間で200℃を超えた。12W~13Wの間の出力レベルにおいて故障が観察された。
また、0.406mm(0.016インチ)の厚さを有するアルミナの層を含むヒートシンクを有するフィルタも、約500MHzにおいて3W~17Wの範囲の出力レベルにかけた。結果を下表に示す。
【0098】
【0099】
フィルタは、10W~11Wの間で200℃を超えた。16W~17Wの間で故障が観察された。
上記に示すように、本発明の複数の態様によるフィルタは優れた温度安定性を示すことができる。本発明の複数の態様による種々のフィルタの挿入損失特性を構築して試験した。フィルタは、それぞれが0.406ミリメートル(0.016インチ)の厚さを有するアルミナの層を含むヒートシンクを含んでいた。フィルタは、9.14mm(0.360インチ)の長さ、及び4.42mm(0.174インチ)の幅を有していた。
【0100】
図19Aは、-55℃、25℃、及び85℃において測定されたローパスフィルタアセンブリの挿入損失プロットである。
図19Aに示されるように、3つの試験温度におけるフィルタの挿入損失測定値は実質的に同等であった。例えば、フィルタの挿入損失は、約6GHz及び約8.3GHzにおいて、3つの試験温度の間で実質的に同等であった。それぞれの温度及び周波数において測定された挿入損失値を下表に示す。
【0101】
【0102】
約6GHzにおいて、-55℃及び85℃における挿入損失測定値は、25℃における挿入損失測定値から0.31dB未満変化する。約8.3GHzにおいては、-55℃及び85℃における挿入損失測定値は、25℃における挿入損失測定値から0.17未満変化する。
図19Bは、-55℃、25℃、及び85℃において測定された、本発明の複数の態様による他のローパスフィルタアセンブリの挿入損失プロットである。このローパスフィルタアセンブリは、約5GHzのカットオフ周波数を有する。
図19Bに示すように、フィルタの挿入損失は、3つの試験温度の間で実質的に同等であった。より具体的には、それぞれの温度及び周波数において測定された挿入損失値を下表に示す。
【0103】
【0104】
約4.3GHzにおいて、-55℃及び85℃における挿入損失測定値は、25℃における挿入損失測定値から0.22dB未満変化する。約6.1GHzにおいては、-55℃及び85℃における挿入損失測定値は、25℃における挿入損失測定値から0.21dB未満変化する。
【0105】
図19Cは、-55℃、25℃、及び85℃において測定された、本発明の複数の態様によるバンドパスフィルタアセンブリについての挿入損失プロットである。
図19Cにおいて示されるように、フィルタの挿入損失は、3つの試験温度にわたって実質的に同等であった。より具体的には、それぞれの温度及び周波数において測定された挿入損失値を下表に示す。
【0106】
【0107】
約3.08GHzにおいて、-55℃及び85℃における挿入損失測定値は、25℃における挿入損失測定値から0.6dB未満変化する。約4.0GHzにおいては、-55℃及び85℃における挿入損失測定値は、25℃における挿入損失測定値から0.41dB未満変化する。約5.8GHzにおいては、-55℃及び85℃における挿入損失測定値は、25℃における挿入損失測定値から0.5dB未満変化する。約7.49GHzにおいては、-55℃及び85℃における挿入損失測定値は、25℃における挿入損失測定値から0.3dB未満変化する。
【0108】
本発明のこれら及び他の修正及び変形は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施することができる。更に、種々の実施形態の複数の態様は、全体的及び部分的の両方で交換することができることを理解されたい。更に、当業者であれば、前述の説明は単に例としてであり、かかる添付の特許請求の範囲において更に記載される発明を限定することを意図しないことを理解する。
本発明は以下の実施態様を含む。
(1)表面を有するモノリシックフィルタ;及び
前記モノリシックフィルタの表面に結合された、約0.02mmよりも大きい厚さを有する熱伝導性材料の層を含むヒートシンク;
を含むフィルタアセンブリ。
(2)前記モノリシックフィルタが有機誘電体材料を含む、(1)に記載のフィルタアセンブリ。
(3)前記有機誘電体が液晶ポリマーを含む、(2)に記載のフィルタアセンブリ。
(4)前記有機誘電体がポリフェニルエーテルを含む、(2)に記載のフィルタアセンブリ。
(5)前記熱伝導性材料の層がアルミナを含む、(1)に記載のフィルタアセンブリ。
(6)前記熱伝導性材料の層が窒化アルミニウムを含む、(1)に記載のフィルタアセンブリ。
(7)前記熱伝導性材料の層が少なくとも1つの放熱フィンを画定する、(1)に記載のフィルタアセンブリ。
(8)前記熱伝導性材料の層の厚さが、前記フィルタアセンブリの性能が前記熱伝導性材料の層によって実質的に影響されないように選択される、(1)に記載のフィルタアセンブリ。
(9)前記熱伝導性材料の層が、前記フィルタを電気的に遮蔽するように構成される、(1)に記載のフィルタアセンブリ。
(10)積層配列で前記ヒートシンクの前記熱伝導性材料の層に結合された更なるモノリシックフィルタを更に含んでいて、前記モノリシックフィルタが前記熱伝導性材料の層の第1の表面に結合され、前記更なるモノリシックフィルタが前記ヒートシンクの前記第1の表面に対向する前記熱伝導性材料の層の第2の表面に結合されるようになっている、(1)に記載のフィルタアセンブリ。
(11)前記更なるモノリシックフィルタに結合されたワイヤボンドパッドを更に含む、(10)に記載のフィルタアセンブリ。
(12)前記更なるモノリシックフィルタが、上面、及び前記更なるモノリシックフィルタの前記上面に対向する底面を有し、前記ワイヤボンドパッドが前記更なるモノリシックフィルタの前記上面上に配置される、(10)に記載のフィルタアセンブリ。
(13)前記更なるモノリシックフィルタが、前記更なるモノリシックフィルタの前記底面において前記熱伝導性材料の層と結合されている、(10)に記載のフィルタアセンブリ。
(14)前記更なるモノリシックフィルタから前記ヒートシンクを通って前記モノリシックフィルタまで延在する少なくとも1つのビアを更に含む、(10)に記載のフィルタアセンブリ。
(15)前記フィルタアセンブリが、約300MHzにおいて約0.05W/mm
2
より大きい面積出力容量を有する、(1)に記載のフィルタアセンブリ。
(16)前記フィルタアセンブリが、約300MHzにおいて約1Wより大きい出力容量を有する、(1)に記載のフィルタアセンブリ。
(17)表面を有するモノリシックフィルタ;及び
前記モノリシックフィルタの表面に結合された、熱伝導性材料の層を含むヒートシンク;
を含む多層有機フィルタアセンブリ。
(18)前記熱伝導性材料の層が約0.02mmより大きい厚さを有する、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(19)前記モノリシックフィルタが液晶ポリマーを含む、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(20)前記モノリシックフィルタがポリフェニルエーテルを含む、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(21)前記熱伝導性材料の層がアルミナを含む、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(22)前記熱伝導性材料の層が窒化アルミニウムを含む、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(23)前記熱伝導性材料の層が少なくとも1つの放熱フィンを画定する、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(24)前記熱伝導性材料の層の厚さが、前記フィルタアセンブリの性能が前記熱伝導性材料の層によって実質的に影響されないように選択される、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(25)前記熱伝導性材料の層が前記フィルタを電気的に遮蔽するように構成される、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(26)積層配列で前記ヒートシンクの前記熱伝導性材料の層に結合された更なるモノリシックフィルタを更に含んでいて、前記モノリシックフィルタが前記熱伝導性材料の層の第1の表面に結合され、前記更なるモノリシックフィルタが前記ヒートシンクの前記第1の表面に対向する前記熱伝導性材料の層の第2の表面に結合されるようになっている、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(27)前記更なるモノリシックフィルタに結合されたワイヤボンドパッドを更に備える、(26)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(28)前記更なるモノリシックフィルタが、上面、及び前記更なるモノリシックフィルタの前記上面に対向する底面を有し、前記ワイヤボンドパッドが前記更なるモノリシックフィルタの前記上面上に配置される、(26)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(29)前記更なるモノリシックフィルタが、前記更なるモノリシックフィルタの前記底面において前記熱伝導性材料の層と結合されている、(26)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(30)前記更なるモノリシックフィルタから前記ヒートシンクを通って前記モノリシックフィルタまで延在する少なくとも1つのビアを更に含む、(26)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(31)前記フィルタアセンブリが、約300MHzにおいて約0.05W/mm
2
より大きい面積出力容量を有する、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(32)前記フィルタアセンブリが、約300MHzにおいて約1Wより大きい出力容量を有する、(17)に記載の多層有機フィルタアセンブリ。
(33)表面を有するモノリシックフィルタ;及び
前記モノリシックフィルタの表面に結合された、熱伝導性材料の層を含むヒートシンク;
を含むフィルタアセンブリであって;
前記フィルタアセンブリは、約25℃及び第1の周波数において第1の挿入損失を示し;
前記フィルタアセンブリは、第2の温度及び第1の周波数付近において第2の挿入損失を示し;
第1の温度と前記第2の温度の間の温度差は約30℃以上であり;
前記第2の挿入損失と前記第1の挿入損失の差は約5dB以下である、上記フィルタアセンブリ。
(34)前記第2の温度が約85℃である、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(35)前記第2の温度が約-55℃である、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(36)前記熱伝導性材料の層が約0.02mmより大きい厚さを有する、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(37)前記モノリシックフィルタが液晶ポリマーを含む、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(38)前記モノリシックフィルタがポリフェニルエーテルを含む、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(39)前記熱伝導性材料の層がアルミナを含む、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(40)前記熱伝導性材料の層が窒化アルミニウムを含む、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(41)前記熱伝導性材料の層が少なくとも1つの放熱フィンを画定する、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(42)前記熱伝導性材料の層の厚さが、前記フィルタアセンブリの性能が前記熱伝導性材料の層によって実質的に影響されないように選択される、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(43)前記熱伝導性材料の層が、前記フィルタを電気的に遮蔽するように構成される、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(44)積層配列で前記ヒートシンクの前記熱伝導性材料の層に結合された更なるモノリシックフィルタを更に含んでいて、前記モノリシックフィルタが前記熱伝導性材料の層の第1の表面に結合され、前記更なるモノリシックフィルタが前記ヒートシンクの前記第1の表面に対向する前記熱伝導性材料の層の第2の表面に結合されるようになっている、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(45)前記更なるモノリシックフィルタに結合されたワイヤボンドパッドを更に備える、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(46)前記更なるモノリシックフィルタが、上面、及び前記更なるモノリシックフィルタの前記上面に対向する底面を有し、前記ワイヤボンドパッドが前記更なるモノリシックフィルタの前記上面上に配置される、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(47)前記更なるモノリシックフィルタが、前記更なるモノリシックフィルタの前記底面において前記熱伝導性材料の層と結合されている、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(48)前記更なるモノリシックフィルタから前記ヒートシンクを通って前記モノリシックフィルタまで延在する少なくとも1つのビアを更に含む、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(49)前記フィルタアセンブリが、約300MHzにおいて約0.05W/mm
2
より大きい面積出力容量を有する、(33)に記載のフィルタアセンブリ。
(50)前記フィルタアセンブリが、約300MHzにおいて約1Wより大きい出力容量を有する、(33)に記載のフィルタアセンブリ。