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特許7411664光学系およびこれを含むカメラモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】光学系およびこれを含むカメラモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20231228BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20231228BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20231228BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
G02B7/02 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021539048
(86)(22)【出願日】2019-12-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 KR2019018696
(87)【国際公開番号】W WO2020141827
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】10-2019-0001216
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】キム チ ソン
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/163831(WO,A1)
【文献】特開2009-300797(JP,A)
【文献】特開2004-354829(JP,A)
【文献】特開平08-166539(JP,A)
【文献】特開平06-347694(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0106979(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0235098(US,A1)
【文献】国際公開第2016/190625(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108152923(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107807438(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体側から像側に順次配列される第1レンズ、第2レンズ、第3レンズおよび第4レンズからなる光学系であって
前記第1レンズは、正のパワーを有し、膨らんだ物側面および凹んだ像側面を含み、
前記第2レンズは、負のパワーを有し、凹んだ物側面を含み、
前記第3レンズは、正のパワーを有し、凹んだ物側面および膨らんだ像側面を含み、
前記第4レンズは、負のパワーを有し、膨らんだ物側面および凹んだ像側面を含み、
f値が1.5以下であり、
前記f値に対するTTL(Total Top Length)の比(TTL/f値)が2.4~3である、光学系。
【請求項2】
前記第1レンズの焦点距離(f1)に対する前記第3レンズの焦点距離(f3)の比(f3/f1)は0.5~1.5である、請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記f値が1.4以下であり、
前記TTL/f値が2.6~2.9である、請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項4】
前記第1レンズの像側面前記第2レンズの物側面との間の第1距離、前記第2レンズの像側面前記第3レンズの物側面との間の第2距離および前記第3レンズの像側面前記第4レンズの物側面との間の第3距離のうち前記第3距離が最も短く、前記第3距離は0.1mm以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項5】
前記第1レンズの第1屈折率、前記第2レンズの第2屈折率、前記第3レンズの第3屈折率および前記第4レンズの第4屈折率のうち前記第3屈折率が最も大きい、請求項1~のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項6】
前記第4レンズの物側面および像側面のうち少なくとも一つおよび前記第3レンズの物側面および像側面のうち少なくとも一つはそれぞれ少なくとも一つの変曲点を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記第3レンズの厚さは、前記第2レンズの厚さより大きい、請求項1~のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項8】
前記第4レンズの物側面の曲率半径の絶対値は前記第4レンズの像側面の曲率半径の絶対値より大きく、
前記第3レンズの焦点距離の絶対値は、前記第2レンズの焦点距離の絶対値より大きい、請求項1~のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項9】
イメージセンサと、
前記イメージセンサ上に配置されたフィルタと、
前記フィルタ上に配置された光学系を含み、
前記光学系は物体側から像側に順次配列される第1レンズ、第2レンズ、第3レンズおよび第4レンズからなる光学系であって
前記第1レンズは、正のパワーを有し、膨らんだ物側面および凹んだ像側面を含み、
前記第2レンズは、負のパワーを有し、凹んだ物側面を含み、
前記第3レンズは、正のパワーを有し、凹んだ物側面および膨らんだ像側面を含み、
前記第4レンズは、負のパワーを有し、膨らんだ物側面および凹んだ像側面を含み、
f値が1.5以下であり、
前記f値に対するTTL(Total Top Length)の比(TTL/f値)が2.4~3である、カメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラモジュールに関し、より詳細には光学系およびこれを含むカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
3次元コンテンツはゲーム、文化だけでなく教育、製造、自律走行などの多くの分野で適用されており、3次元コンテンツを獲得するために深さ情報(Depth Map)が必要である。深さ情報は空間上の距離を表す情報であり、2次元映像の一地点に対して他の地点の遠近情報を示す。
【0003】
深さ情報を獲得する方法として、IR(Infrared)構造光を客体に投射する方式、ステレオカメラを利用する方式、TOF(Time of Flight)方式などが利用されている。TOF方式によると、飛行時間、すなわち光を発射して反射してくる時間を測定することによって物体との距離を計算する。ToF方式の最も大きい長所は、3次元空間に対する距離情報をリアルタイムに速やかに提供するという点にある。また、使用者が別途のアルゴリズム適用やハードウェア的補正をしなくても正確な距離情報を得ることができる。また、非常に近い被写体を測定したり動く被写体を測定しても正確な深さ情報を獲得することができる。
【0004】
一方、携帯端末およびこれに内蔵されるカメラの技術が発達するにつれて、携帯端末内にもToF機能を有するカメラモジュールを内蔵しようとする試みがあるが、携帯端末内の設計の制約によって、スリム化、低消費電力および軽量化を満足させながらも高解像度の光学性能を得ることは難しい問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が達成しようとする技術的課題は光学系およびこれを含むカメラモジュールを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る光学系は、物体(object)側から像(image)側に順次配列される第1レンズ、第2レンズ、第3レンズおよび第4レンズを含み、f値が1.7以下であり、前記f値に対するTTL(Total Top Length)の比(TTL/f値)が2.1~3である。
【0007】
前記第1レンズおよび前記第3レンズそれぞれは正のパワーを有し、前記第4レンズは負のパワーを有することができる。
【0008】
前記第1レンズの焦点距離f1に対する前記第3レンズの焦点距離f3の比(f3/f1)は0.5~1.5であり得る。
【0009】
前記第1レンズは膨らんだ物側面および凹んだ像側面を含み、前記第3レンズは凹んだ物側面および膨らんだ像側面を含み、前記第4レンズは膨らんだ物側面および凹んだ像側面を含むことができる。
【0010】
前記f値が1.5以下であり、前記f値に対するTTL(Total Top Length)の比(TTL/f値)が2.4~3であり得る。
【0011】
前記f値が1.4以下であり、前記f値に対するTTL(Total Top Length)の比(TTL/f値)が2.6~2.9であり得る。
【0012】
前記第1レンズの像側面および前記第2レンズの物側面間の第1距離、前記第2レンズの像側面および前記第3レンズの物側面間の第2距離および前記第3レンズの像側面および前記第4レンズの物側面間の第3距離のうち前記第3距離が最も短くてもよい。
【0013】
前記第1レンズの第1屈折率、前記第2レンズの第2屈折率、前記第3レンズの第3屈折率および前記第4レンズの第4屈折率のうち前記第3屈折率が最も大きくてもよい。
【0014】
前記第4レンズの物側面および像側面のうち少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0015】
本発明の一実施形態に係るカメラモジュールは、イメージセンサ、前記イメージセンサ上に配置されたフィルタ、そして前記フィルタ上に配置された光学系を含み、前記光学系は物体(object)側から像側(image)に順次配列される第1レンズ、第2レンズ、第3レンズおよび第4レンズを含み、f値が1.7以下であり、前記f値に対するTTL(Total Top Length)の比(TTL/f値)が2.1~3である。
【0016】
客体に光を出力する光出力部、前記光出力部で出力されて前記客体から反射した後、前記光学系および前記フィルタを通過して、前記イメージセンサに受信された光を利用して前記客体の深さ情報を抽出する映像処理部を含み、前記映像処理部は前記光出力部で出力された光および前記イメージセンサに受信された光間の位相差を利用して前記客体の深さ情報を抽出することができる。
【0017】
前記フィルタは所定の規則でチルティングされ、前記フィルタのチルティングによって前記イメージセンサに受信される光の経路は所定の規則でシフトされ得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によると、低照度環境でも高い解像力を有し、小型で具現できる光学系およびカメラモジュールを得ることができる。本発明の実施形態に係るカメラモジュールはToF機能を具現するために適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係る光学系の断面図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る光学系の断面図である。
図3】本発明の第3実施形態に係る光学系の断面図である。
図4】本発明の第4実施形態に係る光学系の断面図である。
図5】本発明の第5実施形態に係る光学系の断面図である。
図6】第1~第5実施形態に係る光学系の球面収差(Longitudinal Spherical Aberration)、非点収差(Astigmatic Field Curves)および歪曲収差(Distortion)を測定したグラフである。
図7】第1~第5実施形態に係る光学系の球面収差(Longitudinal Spherical Aberration)、非点収差(Astigmatic Field Curves)および歪曲収差(Distortion)を測定したグラフである。
図8】第1~第5実施形態に係る光学系の球面収差(Longitudinal Spherical Aberration)、非点収差(Astigmatic Field Curves)および歪曲収差(Distortion)を測定したグラフである。
図9】第1~第5実施形態に係る光学系の球面収差(Longitudinal Spherical Aberration)、非点収差(Astigmatic Field Curves)および歪曲収差(Distortion)を測定したグラフである。
図10】第1~第5実施形態に係る光学系の球面収差(Longitudinal Spherical Aberration)、非点収差(Astigmatic Field Curves)および歪曲収差(Distortion)を測定したグラフである。
図11】本発明の一実施形態に係る光学系が適用されるカメラモジュールの断面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る深さ情報を抽出するカメラモジュールのブロック図を示す。
図13】本発明の実施形態に係る電気信号生成過程を説明するための図面である。
図14】4個の位相映像を利用してToF IR映像または深さ映像を得る方法の一例を簡略に図示する。
図15(a)】チルティング部による入力光信号の光経路変更を説明するための図面である。
図15(b)】イメージセンサ内でサブピクセル単位でピクセルを移動させて入力光データ補間を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0021】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想範囲内であれば、実施形態間にその構成要素の中の一つ以上を選択的に結合、置換して使うことができる。
【0022】
また、本発明の実施形態で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
【0023】
また、本発明の実施形態で使われた用語は実施形態を説明するためのものであり本発明を制限しようとするものではない。
【0024】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0025】
また、本発明の実施形態の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
【0026】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0027】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0028】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものとして記載される場合、上(うえ)または下(した)は二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含み得る。
【0029】
本発明の実施形態に係る光学系は物体(object)側から像(image)側に順次配列される第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、および第4レンズを含み、f値が1.7以下であり、f値に対するTTL(Total Top Length)の比(TTL/f値)が2.1~3である。そして、第1レンズおよび第3レンズそれぞれは正のパワーを有し、第4レンズは負のパワーを有することができる。各レンズのパワーは各レンズの焦点距離の逆数で表すことができる。このような光学系は低照度環境でも優秀な結像性能を有することができ、色収差を補正することができ、歪曲(distortion)も良好に補正することができる。
【0030】
一方、本発明の実施形態に係る光学系は第1レンズの焦点距離f1に対する前記第3レンズの焦点距離f3の比(f3/f1)が0.5~1.5であり得る。これによると、光学系を小型化することができ、色収差も良好に維持することができ、歪曲(distortion)も良好に補正することができる。
【0031】
また、本発明の実施形態に係る光学系は第1レンズの像側面および第2レンズの物側面間の第1距離、第2レンズの像側面および第3レンズの物側面間の第2距離および第3レンズの像側面および第4レンズの物側面間の第3距離のうち第3距離が最も短くてもよい。第3レンズの像側面を膨らんだ形状に、第4レンズの物側面を膨らんだ形状に設計することによって第3距離が最も短く形成される。これによって光学系のTTLは減らし、解像力を向上させる効果がある。そして、第1レンズの第1屈折率、第2レンズの第2屈折率、第3レンズの第4屈折率および第4レンズの第4屈折率のうち第3屈折率が最も大きくてもよい。これに伴い、第3レンズの敏感度が少なくなるので、第3レンズの製作時に製作公差が広くなり得る。
【0032】
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学系の断面図である。表1は第1実施形態に係る4枚のレンズの光学特性を示す。第1実施形態で全体有効焦点距離EFLは2.2765mmであり、TTLは3.7mmであり、F値は1.39である。表2~3は第1実施形態に係る光学系を構成する各レンズに対するコーニック定数および非球面係数を表す。
【0033】
図1を参照すると、光学系100は物体(object)側から像(image)側に順次配列される第1レンズ110、第2レンズ120、第3レンズ130および第4レンズ140を含む。イメージセンサ10上にフィルタ20が配置され、フィルタ20上に光学系100が配置され得る。
【0034】
物体(object)から反射した光は光学系100の第1レンズ~第4レンズ110~140およびフィルタ20を順次通過してイメージセンサ10に受信される。
【0035】
フィルタ20はIR(Infrared)フィルタであり得る。フィルタ20はカメラモジュール内に入射する光から近赤外線、例えば波長が700nm~1100nmである光を遮断することができる。そして、イメージセンサ10はワイヤー(wire)によって印刷回路基板と連結され得る。
【0036】
本発明の第1実施形態に係る光学系100はf値が1.7以下、好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.4以下であり、f値に対するTTL(Total Top Length)の比(TTL/f値)は2.1~3、好ましくは2.4~3、さらに好ましくは2.6~2.9である。例えば、第1実施形態に係る光学系100のf値は1.39であり、TTLは3.7であり、TTL/f値は2.66であり得る。
【0037】
ここで、f値は絞りの有効直径Dに対するレンズの焦点距離fの比(f/D)を意味し得る。これに伴い、f値は小さくなるほど絞りの直径およびレンズの直径は大きくなり得、光が集まる量は多くなり得る。これに反し、f値が大きくなるほど絞りの直径およびレンズの直径を小さくなり得、光が集まる量は少なくなり得る。
【0038】
TTL(Total Top Length)は像が結ばれるイメージセンサ10から光学系100の一番目の面までの距離を意味する。ここであり、TTLは像が結ばれるイメージセンサ10から第1レンズ110の物側面112までの距離を意味し得る。
【0039】
TTL/f値が2.1未満であれば、光学系が構成され難かしかったり性能が低下し得るため低照度環境での適用が困難であり得、TTL/f値が3を超過すると光学系のサイズが大きくなって携帯端末への適用が難しくなり得る。
【0040】
本発明の第1実施形態に係る光学系100において、第1レンズ110は正(+)のパワーを有する。これに伴い、第1レンズ110は光学系100によって要求される屈折力の一部を提供することができる。第1レンズ110の物側面112は膨らんでおり、像側面114は凹んでいてもよい。すなわち、第1レンズ110はメニスカス形状であり得る。第1レンズ110の物側面112が膨らんでいると、第1レンズ110の屈折力が強化され得る。第1レンズ110の物側面112と像側面114が膨らんだ両膨らみ形状も可能であるが、第1レンズ110の像側面114が凹んでいるときに光の分散力が強くなって解像度が向上し得る。
【0041】
本発明の第1実施形態に係る光学系100において、第2レンズ120は負(-)のパワーを有し、第2レンズ120の物側面122は凹んでおり、像側面124は凹んでいてもよい。このように、第2レンズ120は両凹み形状であり得る。
【0042】
本発明の第1実施形態に係る光学系100において、第3レンズ130は正(+)のパワーを有し、第3レンズ130の物側面132は凹んでおり、像側面134は膨らんでいてもよい。このように、第3レンズ130はメニスカス形状であり得、第3レンズ130の物側面132および像側面134のうち少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。この時、第3レンズ130の厚さは第2レンズ120の厚さより大きくてもよい。
【0043】
本発明の第1実施形態に係る光学系100において、第4レンズ140は負(-)のパワーを有し、第4レンズ140の物側面142は膨らんでおり、像側面144は凹んでいてもよい。そして、第4レンズ140の物側面142の曲率半径の絶対値は像側面144の曲率半径の絶対値より大きくてもよい。ここで、第4レンズ140の物側面142および像側面144のうち光軸との交点以外の位置に少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。ここで、変曲点は有効半径内でのレンズ断面の形状の曲線において、非球面頂点の接平面が光軸と垂直な非球面上の点を意味する。これに伴い、イメージセンサ10に受信される主光線の最大射出角を調節することができるため、画面の周辺部が暗くなる現象を防止することができる。
【0044】
第1レンズ110~第4レンズ150のうち少なくとも一つはプラスチック材質であり得る。これに伴い、軽量であり、製造原価が安い光学系を具現することができる。
【0045】
一方、第1レンズ110と第2レンズ120の間には絞り(図示されず)がさらに配置されてもよい。絞りは入射する光を選択的に収斂して焦点距離を調節することができる。
【0046】
この時、第1レンズ110の焦点距離f1は0.5mm~10mmであり得る。第1レンズ110の焦点距離f1が0.5mm未満の場合、レンズ敏感度が高いため製作が困難であり得、10mmを超過する場合、レンズ屈折能が足りないため収差の補正が困難であり得る。そして、第3レンズ130の焦点距離の絶対値は第2レンズ120の焦点距離の絶対値より大きくてもよい。もし、第3レンズ130の焦点距離の絶対値が第2レンズ120の焦点距離の絶対値と同一または小さい場合、レンズ屈折能の比が崩れて解像度を合わせるのが困難となり得る。
【0047】
第1レンズ110の焦点距離f1に対する第3レンズ130の焦点距離f3の比(f3/f1)は0.5~1.5であり得る。例えば、第1実施形態で第1レンズ110の焦点距離f1に対する第3レンズ130の焦点距離f3の比(f3/f1)は1.08であり得る。第1レンズ110の焦点距離f1に対する第3レンズ130の焦点距離f3の比(f3/f1)が0.5未満であると光学系100の全体の大きさが大きくなり得、1.5を超過すると解像度が低くなり得る。
【0048】
また、第1レンズ110の像側面114および第2レンズ120の物側面122間の第1距離、第2レンズ120の像側面124および第3レンズ130の物側面132間の第2距離および第3レンズ130の像側面134および第4レンズ140の物側面142間の第3距離とする時、第3距離は0.2mmより小さくてもよく、第1距離、第2距離および第3距離のうち第3距離が最も短くてもよい。すなわち、表1を参照すると、第3距離は0.1mmであって、第1距離および第2距離より短くてもよい。
【0049】
また、第1レンズ110の第1屈折率、第2レンズ120の第2屈折率、第3レンズ130の第3屈折率および第4レンズ140の第4屈折率のうち第3屈折率が最も大きくてもよい。すなわち、表1を参照すると、第3レンズ130のインデックス定数は1.661であって、第4レンズ140とともに最も大きい屈折率を有することが分かる。
【0050】
【表1】
【0051】
ここで、厚さ(mm)は各レンズ面から次のレンズ面までの距離を表す。すなわち、第1レンズ110の物側面112に記載された厚さは第1レンズ110の物側面112から像側面114までの距離を表す。そして、第1レンズ110の像側面114に記載された厚さは第1レンズ110の像側面114から第2レンズ120の物側面122までの距離を表す。インデックス定数はd線(d-line)を利用して測定したレンズの屈折率を意味する。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
図2は、本発明の第2実施形態に係る光学系の断面図である。表4は第2実施形態に係る4枚のレンズの光学特性を示す。第2実施形態で全体有効焦点距離EFLは2.73mmであり、TTLは3.75mmであり、F値は1.39である。表5~6は第2実施形態に係る光学系を構成する各レンズに対するコーニック定数および非球面係数を示す。図1の第1実施形態と同一内容については重複した説明を省略する。図2を参照すると、光学系200は物体(object)側から像(image)側に順次配列される第1レンズ210、第2レンズ220、第3レンズ230および第4レンズ240を含む。イメージセンサ10上にフィルタ20が配置され、フィルタ20上に光学系200が配置され得る。
【0055】
物体(object)から反射した光は光学系200の第1レンズ~第4レンズ210~240およびフィルタ20を順次通過してイメージセンサ10に受信される。
【0056】
本発明の第2実施形態に係る光学系200のf値は1.39であり、TTLは3.75であり、TTL/f値は2.69であり得る。
【0057】
本発明の第2実施形態に係る光学系200において、第1レンズ210は正(+)のパワーを有する。これに伴い、第1レンズ210は光学系200によって要求される屈折力の一部を提供することができる。第1レンズ210の物側面212は膨らんでおり、像側面214は凹んでいてもよい。すなわち、第1レンズ210はメニスカス形状であり得る。第1レンズ210の物側面212が膨らんでいると、第1レンズ210の屈折力が強化され得る。
【0058】
本発明の第2実施形態に係る光学系200において、第2レンズ220は正(+)のパワーを有し、第2レンズ220の物側面222は膨らんでおり、像側面224は凹んでいてもよい。
【0059】
本発明の第2実施形態に係る光学系200において、第3レンズ230は正(+)のパワーを有し、第3レンズ230の物側面232は凹んでおり、像側面234は膨らんでいてもよい。このように、第3レンズ230はメニスカス形状であり得、第3レンズ230の物側面232および像側面234のうち少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。この時、第3レンズ230の厚さは第2レンズ220の厚さより大きくてもよい。
【0060】
本発明の第2実施形態に係る光学系200において、第4レンズ240は負(-)のパワーを有し、第4レンズ240の物側面242は膨らんでおり、像側面244は凹んでいてもよい。そして、第4レンズ240の物側面242の曲率半径の絶対値は像側面244の曲率半径の絶対値より大きくてもよい。ここで、第4レンズ240の物側面242および像側面244のうち光軸との交点以外の位置に少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0061】
この時、第1レンズ210の焦点距離f1は0.5mm~10mmであり得、第3レンズ230の焦点距離の絶対値は第2レンズ220の焦点距離の絶対値より大きくてもよい。第2実施形態で第1レンズ210の焦点距離f1に対する第3レンズ230の焦点距離f3の比(f3/f1)は0.59であり得る。
【0062】
また、表4を参照すると、第3距離は0.2mm以下、例えば0.07mmであり得、第1距離および第2距離より短くてもよい。
【0063】
また、表4を参照すると、第3レンズ230のインデックス定数は1.661であり、第4レンズ240とともに最も大きい屈折率を有することが分かる。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
図3は、本発明の第3実施形態に係る光学系の断面図である。表7は第3実施形態に係る4枚のレンズの光学特性を示す。第3実施形態で全体有効焦点距離EFLは2.73mmであり、TTLは3.75mmであり、F値は1.39である。表8~9は第3実施形態に係る光学系を構成する各レンズに対するコーニック定数および非球面係数を示す。図1の第1実施形態と同一内容については重複した説明を省略する。図3を参照すると、光学系300は物体(object)側から像(image)側に順次配列される第1レンズ310、第2レンズ320、第3レンズ330および第4レンズ340を含む。イメージセンサ10上にフィルタ20が配置され、フィルタ20上に光学系300が配置され得る。
【0068】
物体(object)から反射した光は光学系300の第1レンズ~第4レンズ310~340およびフィルタ20を順次通過してイメージセンサ10に受信される。
【0069】
本発明の第3実施形態に係る光学系300のf値は1.39であり、TTLは3.75であり、TTL/f値は2.69であり得る。
【0070】
本発明の第3実施形態に係る光学系300において、第1レンズ310は正(+)のパワーを有する。これに伴い、第1レンズ310は光学系300によって要求される屈折力の一部を提供することができる。第1レンズ310の物側面312は膨らんでおり、像側面314は凹んでいてもよい。すなわち、第1レンズ310はメニスカス形状であり得る。第1レンズ310の物側面312が膨らんでいると、第1レンズ310の屈折力が強化され得る。
【0071】
本発明の第3実施形態に係る光学系300において、第2レンズ320は正(+)のパワーを有し、第2レンズ320の物側面322は膨らんでおり、像側面324は凹んでいてもよい。
【0072】
本発明の第3実施形態に係る光学系300において、第3レンズ330は正(+)のパワーを有し、第3レンズ330の物側面332は凹んでおり、像側面334は膨らんでいてもよい。このように、第3レンズ330はメニスカス形状であり得、第3レンズ330の物側面332および像側面334のうち少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。この時、第3レンズ330の厚さは第2レンズ320の厚さより大きくてもよい。
【0073】
本発明の第3実施形態に係る光学系300において、第4レンズ340は負(-)のパワーを有し、第4レンズ340の物側面342は膨らんでおり、像側面344は凹んでいてもよい。そして、第4レンズ340の物側面342の曲率半径の絶対値は像側面344の曲率半径の絶対値より大きくてもよい。ここで、第4レンズ340の物側面342および像側面344のうち光軸との交点以外の位置に少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0074】
この時、第1レンズ310の焦点距離f1は0.5mm~10mmであり得、第3レンズ330の焦点距離の絶対値は第2レンズ320の焦点距離の絶対値より大きくてもよい。第3実施形態で第1レンズ310の焦点距離f1に対する第3レンズ330の焦点距離f3の比(f3/f1)は1.02であり得る。
【0075】
また、表7を参照すると、第3距離は0.2mm以下、例えば0.07mmであり得、第1距離および第2距離より短くてもよい。
【0076】
また、表7を参照すると、第3レンズ330のインデックス定数は1.661であり、第4レンズ340とともに最も大きい屈折率を有することが分かる。
【0077】
【表7】
【0078】
【表8】
【0079】
【表9】
【0080】
図4は、本発明の第4実施形態に係る光学系の断面図である。表10は第4実施形態に係る4枚のレンズの光学特性を示す。第4実施形態で全体有効焦点距離EFLは3mmであり、TTLは3.92mmであり、F値は1.39である。表11~12は第4実施形態に係る光学系を構成する各レンズに対するコーニック定数および非球面係数を示す。図1の第1実施形態と同一内容については重複した説明を省略する。図4を参照すると、光学系400は物体(object)側から像(image)側に順次配列される第1レンズ410、第2レンズ420、第3レンズ430および第4レンズ440を含む。イメージセンサ10上にフィルタ20が配置され、フィルタ20上に光学系400が配置され得る。
【0081】
物体(object)から反射した光は光学系400の第1レンズ~第4レンズ410~440およびフィルタ20を順次通過してイメージセンサ10に受信される。
【0082】
本発明の第4実施形態に係る光学系400のf値は1.39であり、TTLは3.92であり、TTL/f値は3であり得る。
【0083】
本発明の第4実施形態に係る光学系400において、第1レンズ410は正(+)のパワーを有する。これに伴い、第1レンズ410は光学系400によって要求される屈折力の一部を提供することができる。第1レンズ410の物側面412は膨らんでおり、像側面414は凹んでいてもよい。すなわち、第1レンズ410はメニスカス形状であり得る。第1レンズ410の物側面412が膨らんでいると、第1レンズ410の屈折力が強化され得る。
【0084】
本発明の第4実施形態に係る光学系400において、第2レンズ420は負(-)のパワーを有し、第2レンズ420の物側面422は凹んでおり、像側面424は凹んでいてもよい。
【0085】
本発明の第4実施形態に係る光学系400において、第3レンズ430は正(+)のパワーを有し、第3レンズ430の物側面432は凹んでおり、像側面434は膨らんでいてもよい。このように、第3レンズ430はメニスカス形状であり得、第3レンズ430の物側面432および像側面434のうち少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。この時、第3レンズ430の厚さは第2レンズ420の厚さより大きくてもよい。
【0086】
本発明の第4実施形態に係る光学系400において、第4レンズ440は負(-)のパワーを有し、第4レンズ440の物側面442は膨らんでおり、像側面444は凹んでいてもよい。そして、第4レンズ440の物側面442の曲率半径の絶対値は像側面444の曲率半径の絶対値より大きくてもよい。ここで、第4レンズ440の物側面442および像側面444のうち光軸との交点以外の位置に少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0087】
この時、第1レンズ410の焦点距離f1は0.5mm~10mmであり得、第3レンズ430の焦点距離の絶対値は第2レンズ420の焦点距離の絶対値より大きくてもよい。第4実施形態で第1レンズ410の焦点距離f1に対する第3レンズ430の焦点距離f3の比(f3/f1)は1.23であり得る。
【0088】
また、表10を参照すると、第3距離は0.2mm以下、例えば0.1mmであり得、第1距離および第2距離と同一または短くてもよい。
【0089】
また、表10を参照すると、第3レンズ430のインデックス定数は1.661であり、第1レンズ410および第2レンズ420とともに最も大きい屈折率を有することが分かる。
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】
図5は、本発明の第5実施形態に係る光学系の断面図である。表13は第5実施形態に係る4枚のレンズの光学特性を示す。第5実施形態で全体有効焦点距離EFLは2.305mmであり、TTLは3.7mmであり、F値は1.39である。表14~15は第5実施形態に係る光学系を構成する各レンズに対するコーニック定数および非球面係数を示す。図1の第1実施形態と同一内容については重複した説明を省略する。図5を参照すると、光学系500は物体(object)側から像(image)側に順次配列される第1レンズ510、第2レンズ520、第3レンズ530および第4レンズ540を含む。イメージセンサ10上にフィルタ20が配置され、フィルタ20上に光学系500が配置され得る。
【0094】
物体(object)から反射した光は光学系500の第1レンズ~第4レンズ510~540およびフィルタ20を順次通過してイメージセンサ10に受信される。
【0095】
本発明の第5実施形態に係る光学系500のf値は1.39であり、TTLは3.7であり、TTL/f値は2.66であり得る。
【0096】
本発明の第5実施形態に係る光学系500において、第1レンズ510は正(+)のパワーを有する。これに伴い、第1レンズ510は光学系500によって要求される屈折力の一部を提供することができる。第1レンズ510の物側面512は膨らんでおり、像側面514は凹んでいてもよい。すなわち、第1レンズ510はメニスカス形状であり得る。第1レンズ510の物側面512が膨らんでいると、第1レンズ510の屈折力が強化され得る。
【0097】
本発明の第5実施形態に係る光学系500において、第2レンズ520は負(-)のパワーを有し、第2レンズ520の物側面522は凹んでおり、像側面524は膨らんでいてもよい。
【0098】
本発明の第5実施形態に係る光学系500において、第3レンズ530は正(+)のパワーを有し、第3レンズ530の物側面532は凹んでおり、像側面534は膨らんでいてもよい。このように、第3レンズ530はメニスカス形状であり得、第3レンズ530の物側面532および像側面534のうち少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。この時、第3レンズ530の厚さは第2レンズ520の厚さより大きくてもよい。
【0099】
本発明の第5実施形態に係る光学系500において、第4レンズ540は負(-)のパワーを有し、第4レンズ540の物側面542は膨らんでおり、像側面544は凹んでいてもよい。そして、第4レンズ540の物側面542の曲率半径の絶対値は像側面544の曲率半径の絶対値より大きくてもよい。ここで、第4レンズ540の物側面542および像側面544のうち光軸との交点以外の位置に少なくとも一つは少なくとも一つの変曲点を含むことができる。
【0100】
この時、第1レンズ510の焦点距離f1は0.5mm~10mmであり得、第3レンズ430の焦点距離の絶対値は第2レンズ520の焦点距離の絶対値より大きくてもよい。第5実施形態で第1レンズ510の焦点距離f1に対する第3レンズ530の焦点距離f3の比(f3/f1)は0.61であり得る。
【0101】
また、表13を参照すると、第3距離は0.2mm以下、例えば0.1mmであり得、第1距離および第2距離より短くてもよい。
【0102】
また、表13を参照すると、第3レンズ530のインデックス定数は1.661であり、第4レンズ540とともに最も大きい屈折率を有することが分かる。
【0103】
【表13】
【0104】
【表14】
【0105】
【表15】
【0106】
図6~10は第1~第5実施形態に係る光学系の球面収差(Longitudinal Spherical Aberration)、非点収差(Astigmatic Field Curves)および歪曲収差(Distortion)を測定したグラフである。図6aは第1実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する球面収差を測定したグラフであり、図6bは第1実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する非点収差を測定したグラフであり、図6cは第1実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する歪曲収差を測定したグラフである。
【0107】
図7aは第2実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する球面収差を測定したグラフであり、図7bは第2実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する非点収差を測定したグラフであり、図7cは第2実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する歪曲収差を測定したグラフである。
【0108】
図8aは第3実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する球面収差を測定したグラフであり、図8bは第3実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する非点収差を測定したグラフであり、図8cは第3実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する歪曲収差を測定したグラフである。
【0109】
図9aは第4実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する球面収差を測定したグラフであり、図9bは第4実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する非点収差を測定したグラフであり、図9cは第4実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する歪曲収差を測定したグラフである。
【0110】
図10aは第5実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する球面収差を測定したグラフであり、図10bは第5実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する非点収差を測定したグラフであり、図10cは第5実施形態に係る光学系で840nm、850nm、860nm波長の光に対する歪曲収差を測定したグラフである。
【0111】
球面収差は各波長による球面収差を示し、非点収差は上面の高さによるタンジェンシャル面(tangential plane)とサジタル面(sagital plane)の収差特性を示し、歪曲収差は上面の高さによる歪曲度を示す。図6~10を参照すると、球面収差は波長にかかわらず-0.08mm~0.08mm以内にあることが分かり、非点収差は波長にかかわらず-0.2mm~0.2mm以内にあることが分かり、歪曲収差は波長にかかわらず-2%~2%以内にあることが分かる。
【0112】
これに伴い、本発明の実施形態に係る光学系は収差特性が優秀であることが分かる。
【0113】
一方、本発明の実施形態に係る光学系はカメラモジュールに適用され得る。図11は本発明の一実施形態に係る光学系が適用されるカメラモジュールの断面図である。
【0114】
図11を参照すると、カメラモジュール1100はレンズアセンブリ1110、イメージセンサ1120および印刷回路基板1130を含む。ここで、レンズアセンブリ1110は光学系1112、レンズバレル1114、レンズホルダー1116およびIRフィルタ1118を含むことができる。光学系1112は図1~5の本発明の実施形態に係る光学系に対応し得、IRフィルタ1118は図1~5のフィルタ20に対応し得る。イメージセンサ1120は図1~5のイメージセンサ10に対応し得る。
【0115】
光学系1112を構成する複数枚のレンズは中心軸を基準として整列され得る。ここで、中心軸は光学系の光軸(Optical axis)と同一であり得る。
【0116】
レンズバレル1114はレンズホルダー1116と結合され、内部にレンズを収容できる空間が設けられ得る。レンズバレル1114は光学系1112を構成する複数枚のレンズと回転結合され得るが、これは例示的なものであり、接着剤(例えば、エポキシ(epoxy)等の接着用樹脂)を利用した方式などの他の方式で結合されてもよい。
【0117】
レンズホルダー1116はレンズバレル1114と結合されてレンズバレル1114を支持し、イメージセンサ1120が搭載された印刷回路基板1130に結合され得る。レンズホルダー1116によってレンズバレル1114の下部にIRフィルタ1118が付着され得る空間が形成され得る。レンズホルダー1116の内周面には螺旋状のパターンが形成され得、これと同様に外周面に螺旋状のパターンが形成されたレンズバレル1114と回転結合することができる。しかし、これは例示的なものであり、レンズホルダー1116とレンズバレル1114は接着剤を通じて結合されたり、レンズホルダー1116とレンズバレル1114が一体型で形成されてもよい。
【0118】
レンズホルダー1116はレンズバレル1114と結合される上部ホルダー1116-1およびイメージセンサ1120が搭載された印刷回路基板1130と結合される下部ホルダー1116-2に区分され得、上部ホルダー1116-1および下部ホルダー1116-2は一体型で形成されたり、互いに分離された構造で形成された後に締結または結合されたり、互いに分離されて離隔した構造を有してもよい。この時、上部ホルダー1116-1の直径は下部ホルダー1116-2の直径より小さく形成され得る。
【0119】
このようなカメラモジュールは深さ情報を抽出するカメラモジュールであってもよい。
【0120】
図12は、本発明の一実施形態に係る深さ情報を抽出するカメラモジュールのブロック図を示す。
【0121】
図12を参照すると、カメラモジュール1200は光出力部1210、レンズ部1220、イメージセンサ1230、チルティング部1240および映像処理部1250を含む。本発明の実施形態に係るカメラモジュール1200はToF機能を利用して深さ情報を抽出するため、本明細書でToFカメラ装置またはToFカメラモジュールと混用され得る。
【0122】
光出力部1210は出力光信号を生成した後に客体に照射する。この時、光出力部1210はパルス波(pulse wave)の形態や持続波(continuous wave)の形態で出力光信号を生成して出力することができる。持続波はサイン波(sinusoid wave)や四角波(squared wave)の形態であり得る。出力光信号をパルス波や持続波の形態で生成することによって、カメラモジュール1200は光出力部1210から出力された出力光信号と客体から反射した後にカメラモジュール1200に入力された入力光信号の間の位相差を検出することができる。本明細書で、出力光は光出力部1210から出力されて客体に入射する光を意味し、入力光は光出力部1210から出力されて客体に到達して客体から反射した後にカメラ装置1200に入力される光を意味し得る。客体の立場では、出力光は入射光となり得、入力光は反射光となり得る。
【0123】
光出力部1210は生成された出力光信号を所定の露出周期の間客体に照射する。ここで、露出周期とは、1個のフレーム周期を意味する。複数のフレームを生成する場合、設定された露出周期が繰り返される。例えば、カメラ装置1200が20FPSで客体を撮影する場合、露出周期は1/20〔sec〕となる。そして100個のフレームを生成する場合、露出周期は100回繰り返され得る。
【0124】
光出力部1210は互いに異なる周波数を有する複数の出力光信号を生成することができる。光出力部1210は互いに異なる周波数を有する複数の出力光信号を順次繰り返して生成することができる。または光出力部1210は互いに異なる周波数を有する複数の出力光信号を同時に生成してもよい。
【0125】
このために、光出力部1210は光を生成する光源1212と光を変調する光変調部1214を含むことができる。
【0126】
まず、光源1212は光を生成する。光源1212が生成する光は波長が770~3000nmである赤外線であり得、波長が380~770nmである可視光線であってもよい。光源1212は発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)を利用することができ、複数の発光ダイオードが一定のパターンにより配列された形態を有することができる。それだけでなく、光源1212は有機発光ダイオード(Organic light emitting diode、OLED)やレーザーダイオード(Laser diode、LD)を含んでもよい。または光源1212はVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)であってもよい。VCSELは電気信号を光信号に変えるレーザーダイオードの一つであり、約800~1000nmの波長、例えば約850nmまたは約940nm波長を使うことができる。
【0127】
光源1212は一定の時間間隔で点滅(on/off)を繰り返してパルス波形態や持続波形態の出力光信号を生成する。一定の時間間隔は出力光信号の周波数であり得る。光源の点滅は光変調部1214により制御され得る。
【0128】
光変調部1214は光源1212の点滅を制御して光源1212が持続波やパルス波形態の出力光信号を生成するように制御する。光変調部1214は周波数変調(frequency modulation)やパルス変調(pulse modulation)等を通して光源1212が持続波やパルス波形態の出力光信号を生成するように制御することができる。
【0129】
一方、レンズ部1220は客体から反射した入力光信号を集光してイメージセンサ1230に伝達する。ここで、レンズ部1220は図11のレンズアセンブリ1110に対応し得、光学系およびIRフィルタを含むことができる。ここで、光学系は図1~5で例示する本発明の実施形態に係る光学系であり得、IRフィルタは図1~5で図示されたフィルタ20であり得る。
【0130】
イメージセンサ1230はレンズ部1220を通じて集光された入力光信号を利用して電気信号を生成する。
【0131】
イメージセンサ1230は光出力部1210の点滅周期と同期化されて入力光信号を検出することができる。具体的には、イメージセンサ1230は光出力部1210から出力された出力光信号と同相(in phase)および異相(out phase)でそれぞれ光を検出することができる。すなわち、イメージセンサ1230は光源がオンになっている時間に入射光信号を吸収する段階と光源がオフになっている時間に入射光信号を吸収する段階を繰り返し遂行できる。
【0132】
次に、イメージセンサ1230は互いに異なる位相差を有する複数の参照信号(reference signal)を利用して各参照信号に対応する電気信号を生成することができる。参照信号の周波数は光出力部1210から出力された出力光信号の周波数と同一に設定され得る。したがって、光出力部1210が複数の周波数で出力光信号を生成する場合、イメージセンサ1230は各周波数に対応する複数の参照信号を利用して電気信号を生成する。電気信号は各参照信号に対応する電荷量や電圧に関する情報を含むことができる。
【0133】
図13は、本発明の実施形態に係る電気信号生成過程を説明するための図面である。図13に示された通り、本発明の実施形態に係る参照信号は4個C1~C4であり得る。各参照信号C1~C4は出力光信号、すなわち客体の立場で入射光信号と同一の周波数を有するものの、互いに90度位相差を有することができる。4個の参照信号のうち一つC1は出力光信号と同一の位相を有することができる。入力光信号、すなわち客体の立場で反射光信号は出力光信号が客体に入射された後に反射して帰ってくる距離だけ位相が遅延する。イメージセンサ1230は入力光信号と各参照信号をそれぞれミキシング(mixing)する。そうすると、イメージセンサ1230は図13の陰影部分に対応する電気信号を各参照信号別に生成することができる。
【0134】
他の実施形態として、露出時間の間複数の周波数で出力光信号が生成された場合、イメージセンサ1230は複数の周波数による入力光信号を吸収する。例えば、周波数f1とf2で出力光信号が生成され、複数の参照信号は90度の位相差を有すると仮定する。そうすると、入力光信号も周波数f1とf2を有するため、周波数がf1である入力光信号とこれに対応する4個の参照信号を通じて4個の電気信号が生成され得る。そして、周波数がf2である入力光信号とこれに対応する4個の参照信号を通じて4個の電気信号が生成され得る。したがって、電気信号は合計8個か生成され得る。
【0135】
イメージセンサ1230は複数のピクセルがグリッドの形態で配列された構造で構成され得る。イメージセンサ1230はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであり得、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサであってもよい。また、イメージセンサ1230は被写体に反射する赤外線光を受け入れて時間または位相差を利用して距離を測定するToFセンサを含むことができる。
【0136】
映像処理部1250はイメージセンサ1230から受信した電気信号を利用して出力光と入力光の間の位相差を計算し、位相差を利用して客体とカメラモジュール1200の間の距離を計算する。
【0137】
具体的には、映像処理部1250は電気信号の電荷量情報を利用して出力光と入力光の間の位相差を計算することができる。
【0138】
前記で詳察した通り、出力光信号の周波数ごとに電気信号は4個か生成され得る。したがって、映像処理部1250は以下の数学式1を利用して出力光信号と入力光信号の間の位相差tdを計算することができる。
【0139】
【数1】
【0140】
ここで、Q~Qは4個の電気信号それぞれの電荷充電量である。Qは出力光信号と同一の位相の基準信号に対応する電気信号の電荷量である。Qは出力光信号より位相が180度遅い基準信号に対応する電気信号の電荷量である。Qは出力光信号より位相が90度遅い基準信号に対応する電気信号の電荷量である。Qは出力光信号より位相が270度遅い基準信号に対応する電気信号の電荷量である。
【0141】
そうすると、映像処理部1250は出力光信号と入力光信号の位相差を利用して客体とカメラモジュール1200の間の距離を計算することができる。この時、映像処理部1250は以下の数学式2を利用して客体とカメラモジュール1200の間の距離dを計算することができる。
【0142】
【数2】
【0143】
ここで、cは光の速度であり、fは出力光の周波数である。
【0144】
図14は、4個の位相映像を利用してToF IR映像または深さ映像を得る方法の一例を簡略に図示する。
【0145】
図14を参照すると、phase 0°に対する位相映像(1)、phase 90°に対する位相映像(2)、phase 180°に対する位相映像(3)およびphase 270°に対する位相映像(4)を順次抽出して深さ映像(depth image)1を獲得し、phase 0°に対する位相映像(5)、phase 90°に対する位相映像(6)、phase 180°に対する位相映像(7)およびphase 270°に対する位相映像(8)を再び順次抽出して深さ映像(depth image)2を獲得することができる。
【0146】
一方、本発明の実施形態に係るカメラモジュールは深さ映像の解像度を高めるために、スーパーレゾリューション(Super Resolution、SR)技法を利用してもよい。SR技法は複数の低解像映像から高解像映像を得る技法であり、SR技法の数学的モデルは数学式3のように表すことができる。
【0147】
【数3】
【0148】
ここで、1≦k≦pであり、pは低解像映像の個数であり、yは低解像映像(=[yk、1、yk、2、...、yk、M、ここで、M=N*N)であり、Dはダウンサンプリング(down sampling)マトリクスであり、Bは光学ブラー(blur)マトリクス、Mは映像歪曲(warping)マトリクス、xは高解像映像(=[x、x、...、x、ここで、N=L*L)、nはノイズを表す。すなわち、SR技法によると、ykに推定された解像度劣化要素の逆関数を適用してxを推定する技術を意味する。SR技法は統計的方式とマルチフレーム方式に大別され、マルチフレーム方式は空間分割方式と時間分割方式に大別され得る。
【0149】
深さ情報抽出にSR技法を適用するために、映像処理部1250はイメージセンサ1230から受信した電気信号を利用して複数の低解像サブフレームを生成した後、複数の低解像サブフレームを利用して複数の低解像深さ情報を抽出することができる。そして、複数の低解像深さ情報のピクセル値を再配列して高解像深さ情報を抽出することができる。
【0150】
ここで、高解像とは低解像より高い解像度を表す相対的な意味である。
【0151】
ここで、サブフレームとは、いずれか一つの露出周期および参照信号に対応した電気信号から生成されるイメージデータを意味し得る。例えば、第1露出周期、すなわち一つの映像フレームで8個の参照信号を通じて電気信号が生成される場合、8個のサブフレームが生成され得、開始フレーム(start of frame)が1個さらに生成され得る。本明細書で、サブフレームはイメージデータ、サブフレームイメージデータなどと混用され得る。
【0152】
または深さ情報抽出に本発明の実施形態に係るSR技法を適用するために、映像処理部1250はイメージセンサ1230から受信した電気信号を利用して複数の低解像サブフレームを生成した後、複数の低解像サブフレームのピクセル値を再配列して複数の高解像サブフレームを生成することができる。そして、高解像サブフレームを利用して高解像深さ情報を抽出することができる。
【0153】
このために、ピクセルシフト(pixel shift)技術を利用することができる。すなわち、ピクセルシフト技術を利用してサブフレーム別にサブピクセルだけシフトされた複数枚のイメージデータを獲得した後、サブフレーム別にSR技法を適用して複数の高解像サブフレームイメージデータを獲得し、これらを利用して高解像の深さイメージを抽出することができる。ピクセルシフトのために、本発明の一実施形態に係るカメラ装置1200はチルティング部1240をさらに含む。
【0154】
再び図12を参照すると、チルティング部1240は出力光信号または入力光信号のうち少なくとも一つの光経路をイメージセンサ1230のサブピクセル単位で変更する。ここで、サブピクセルは0ピクセルより大きく1ピクセルより小さい単位であり得る。
【0155】
チルティング部1240は映像フレーム別に出力光信号または入力光信号のうち少なくとも一つの光経路を変更する。前述した通り、一つの露出周期ごとに1個の映像フレームが生成され得る。したがって、チルティング部1240は一つの露出周期が終了すると、出力光信号または入力光信号のうち少なくとも一つの光経路を変更する。
【0156】
チルティング部1240はイメージセンサ1230を基準としてサブピクセル単位だけ出力光信号または入力光信号のうち少なくとも一つの光経路を変更する。この時、チルティング部1240は現在の光経路を基準として出力光信号または入力光信号のうち少なくとも一つの光経路を上、下、左、右のうちいずれか一つの方向に変更する。
【0157】
図15(a)はチルティング部による入力光信号の光経路変更を説明するための図面であり、図15(b)はイメージセンサ内でサブピクセル単位でピクセルを移動させて入力光データ補間を説明するための図面である。
【0158】
図15の(a)で実線で表示された部分は入力光信号の現在の光経路を示し、点線で示された部分は変更された光経路を示す。現在の光経路に対応する露出周期が終了すると、チルティング部1240は入力光信号の光経路を点線のように変更することができる。そうすると、入力光信号の経路は現在の光経路からサブピクセルだけ移動する。例えば、図15の(a)でのように、チルティング部1240が現在の光経路を0.173度右側に移動させると、イメージセンサ1230に入射する入力光信号は右側にサブピクセルだけ移動することができる。
【0159】
本発明の実施形態によると、チルティング部1240は基準位置から時計回り方向に入力光信号の光経路を変更することができる。例えば、図15の(b)に示された通り、チルティング部1240は第1露出周期が終了した後、第2露出周期に入力光信号の光経路をイメージセンサ1230基準サブピクセルだけ右側に移動させる。そして、チルティング部1240は第3露出周期に入力光信号の光経路をイメージセンサ部1230基準サブピクセルだけ右側に移動させる。そして、チルティング部1240は第4露出周期に入力光信号の光経路をイメージセンサ部1230基準サブピクセルだけ右側に移動させる。そして、チルティング部1240は第5露出周期に入力光信号の光経路をイメージセンサ部1230基準サブピクセルだけ下側に移動させる。このような方法で、チルティング部1240は複数の露出周期で入力光信号の光経路をサブピクセル単位で移動させることができる。これは出力光信号の光経路を移動させる時も同一に適用され得るところ、詳細な説明は省略することにする。また、光経路の変更パターンが時計回り方向であるのは一例に過ぎず、反時計回り方向であってもよい。このように、チルティング部1240がサブピクセル単位で入力光信号の光経路を移動させる場合、サブピクセル単位で情報が補間され得るため、一つの周期内に4個の位相信号を同時に受信する場合にも高い解像度を維持することが可能である。
【0160】
ここで、図15(a)のように、一実施形態によると、チルティング部1240はIRフィルタの傾きを制御する方法で入力光信号をシフトさせ、これに伴い、サブピクセルだけシフトされたデータを得ることができる。このために、チルティング部1240はIRフィルタと直接または間接に連結されるアクチュエータ(actuator)を含むことができ、アクチュエータはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、VCM(Voice Coil Motor)および圧電素子のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0161】
ただし、これに制限されるものではなく、図15(b)で説明するイメージセンサ内でサブピクセル単位でピクセルを移動させて入力光データを補間する方法はソフトウェア的に具現されてもよい。
【0162】
本発明の実施形態に係るカメラモジュールはスマートフォン、タブレットPC、ラップトップ(laptop)コンピュータ、PDAなどの携帯端末に内蔵され得る。
【0163】
以上、実施形態を中心に説明したがこれは単に例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性を逸脱しない範囲で以上に例示されていない多様な変形と応用が可能であることが分かるであろう。例えば、実施形態に具体的に示された各構成要素は変形して実施できるものである。そして、このような変形と応用に関係した差異点は、添付された特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b