(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】吸収性衛生パンツのサイドシームの折り込みの固定方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20231228BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61F13/15 356
A61F13/496 100
A61F13/15 355A
A61F13/15 355B
A61F13/15 350
(21)【出願番号】P 2021570192
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2020064499
(87)【国際公開番号】W WO2020239723
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-12-22
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520158654
【氏名又は名称】オプティマ ノンボフェンズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク プファイファー
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/149683(WO,A1)
【文献】特表2013-523339(JP,A)
【文献】特表2005-500868(JP,A)
【文献】特開2004-123171(JP,A)
【文献】特表2002-500927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15
A61F 13/496
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の対向するサイドシーム(3、4)を衛生パンツ(1)の本体部分(2)に折り込む方法であって、前記サイドシーム(3、4)は、前記本体部分(2)の前面領域(20)と背面領域(21)の間を互いに向かって距離を隔てて押され
る、方法において、
折り込まれた
前記サイドシーム(3、4)が少なくとも1つの連結領域(7)で互いに、及び/又は
前記本体部分(2)に接続
し、
前記連結領域(7)が、前記衛生パンツ(1)を開く際に、手動で分離するために予め定められた切断領域を備えていることを特徴とする、方法。
【請求項2】
一対の対向するサイドシーム(3、4)を衛生パンツ(1)の本体部分(2)に折り込む方法であって、前記サイドシーム(3、4)は、前記本体部分(2)の前面領域(20)と背面領域(21)の間を互いに向かって距離を隔てて押される、方法において、
折り込まれた前記サイドシーム(3、4)が少なくとも1つの連結領域(7)で互いに、及び/又は前記本体部分(2)に固定的に接続又は取り付けられて、前記本体部分に折り込まれた前記サイドシームは、前記接続又は取り付けられた位置に固定されることを特徴とする、方法。
【請求項3】
前記連結領域(7)が、前記衛生パンツ(1)を開く際に、手動で分離するために予め定められた切断領域を備えていることを特徴とする、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記サイドシーム(3、4)が、接着剤、超音波技術、熱接合及び/又は加圧溶接から選択される1つ以上の技術を用いることによって連結されることを特徴とする、請求項1~3のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記サイドシーム(3、4)が、溶剤ベースの接着剤、ポリマー分散剤、熱接着剤、コンタクト接着剤又は反応型接着剤を用いることによって連結されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記サイドシーム(3、4)を折り込む前に、突き出た
前記サイドシーム(3、4)を備えた予め折り畳まれた
前記衛生パンツ(1)が、前面領域(20)及び背面領域(21)を少なくとも腰部開口部の領域で移動させることによって開かれることを特徴とする、請求項1
~5のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記サイドシーム(3、4)を押すと、稜部(30,40)に面した縦ひだが前記サイドシーム(3、4)に形成されることを特徴とする、請求項1~
6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記衛生パンツ(1)が、自由端(32,42)を有する固定可能な
前記サイドシーム(3、4)を有し、前記自由端(32,42)が互いに、及び/又は
前記本体部分(2)に接続されていることを特徴とする、請求項1~
7のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
一対の対向するサイドシーム(3,4)を衛生パンツの本体部分(2)内に折り込む装置であって、前記本体部分(2)の前面領域(20)と背面領域(21)との間に、前記サイドシーム(3,4)を互いに向かって距離を隔てて押込む装置を備え
る、折り込む装置において、
折り込まれた前記サイドシーム(3,4)を少なくとも1つの連結領域(7)内で互いに及び/又は前記本体部分(2)に接続する接続装置が設けられて
おり、
前記接続装置は、接着剤、超音波技術、熱接合及び/又は加圧溶接から選択される1以上の技術を使用することを特徴とする、
折り込む装置。
【請求項10】
一対の対向するサイドシーム(3,4)を衛生パンツの本体部分(2)内に折り込む装置であって、前記本体部分(2)の前面領域(20)と背面領域(21)との間に、前記サイドシーム(3,4)を互いに向かって距離を隔てて押込む装置を備える、折り込む装置において、
折り込まれた前記サイドシーム(3、4)を少なくとも1つの連結領域(7)内で互いに、及び/又は前記本体部分(2)に固定的に接続又は取り付けて、前記本体部分に折り込まれた前記サイドシームを前記接続又は取り付けられた位置に固定する接続装置が設けられていることを特徴とする、折り込む装置。
【請求項11】
前記接続装置は、接着剤、
超音波技術、熱接合及び/又は加圧溶接から選択される1以上の技術を使用することを特徴とする、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記接続装置は、溶剤ベースの接着剤、ポリマー分散剤、熱接着剤、コンタクト接着剤又は反応型接着剤を使用することを特徴とする、請求項9又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記本体部分(2)の前記前面領域と前記背面領域との間に前記サイドシーム(3、4)を押す装置が、タックインブレード及び/又は吹き付け装置を含むことを特徴とする、請求項
9~12のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記サイドシーム(3、4)を折り込む前に、前記前面領域(20)及び前記背面領域(21)を少なくとも腰部開口部の領域内で移動させるために、前記サイドシーム(3、4)が突き出ている予め折り畳まれた衛生パンツ(1)に力を加える開口装置が設けられていることを特徴とする、請求項
9~13のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記開口装置が、前記前面領域(20)及び前記背面領域(21)の少なくとも1つに吸引力を加える減圧装置であることを特徴とする、請求項
14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸収性衛生パンツの本体部分にサイドシームを折り込む方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用語「衛生パンツ」(「トレーニングパンツ」、「予め閉じられたおむつ」、「パンツ型おむつ」、「プルオンおむつ」又は単に「パンツ」ともいう)とは、乳児又は成人の着用者用に設計された、周囲が連続した腰部開口部及び周囲が連続した左右に対向する脚部開口部を有する使い捨ての吸収性物品をいう。実施形態における衛生パンツは、当該物品が着用者に適用される前に、連続した又は閉じた腰部開口部、及び少なくとも1つの連続した又は閉じた脚部開口部で構成され、包装される。他の実施形態では、腰部開口部は不連続であり、衛生パンツに乗せる時に閉じる。当業者に一般的に知られているように、衛生パンツは様々な技術によって製造することができる。
【0003】
特許文献1は、一対の対向する再取り付け可能なサイドシームを衛生パンツの本体部分に弾力成分を用いて折り込む方法を開示し、該方法は、固定位置にある再取り付け可能なサイドシームとともに、上側の真空ゾーンを有する上側のベルトコンベアと、下側の真空ゾーンを有する下側のベルトコンベアとの間に衛生パンツの本体部分を配置するステップと、上側及び下側の真空ゾーンからの対向する真空力を用いて、本体部分の背面領域から本体部分の前面領域を保持するステップと、再取り付け可能なサイドシームを相互に一定の距離を置いて本体部分に押し込むステップと、上側及び下側の真空ゾーンの外側の長手方向の端部に沿って衛生パンツに長手方向の折り目を形成するステップと、前記弾力成分の各々が本体部分に押し込まれて平坦な形態である状態で、該衛生パンツを圧縮するステップと、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2003/028608号
【文献】国際公開第2011/126743号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、衛生パンツの本体部分にサイドシームを折り込むための改良された方法及び装置を提供することである。
【0006】
この目的は、請求項1及び7の特徴を有する方法及び装置によって解決される。好ましい実施形態は、従属する請求項において定義される。
【0007】
第1の態様によれば、一対の対向するサイドシームを衛生パンツの本体部分に折り込む方法が提供され、サイドシームは、本体部分の前面領域と背面領域との間で互いに一定の距離で押され、折り込まれたサイドシームは、少なくとも1つの連結領域において互いに、及び/又は本体部分と連結される。
【0008】
本体部分は、それぞれが腰部と股間部を有する前面領域と背面領域を含み、前面領域と背面領域は股間部で互いに接続されている。サイドシームは、前面領域及び背面領域の上縁とともに腰部開口部を形成し、前面領域及び背面領域の側縁とともに2つの脚開口部を形成する。一実施形態におけるサイドシームは、連続ストライプである。他の実施形態では、繰り返し取り付け可能なサイドシームが設けられており、当該サイドシームは、少なくとも1サイクルの間、実質的な永続的な変形又は破れを伴うことなく、解放可能な取り付け、分離、及びその後の解放可能な再度の取り付けが可能である。一実施形態において、サイドシームには弾性成分が備わっている。一実施形態では、再度の取り付け可能なサイドシームは、本体部分にタックインされる前に閉じられる。他の実施形態では、サイドシームは、その接続部と同時に閉じられる。他の実施形態では、サイドシームは取り付けられた状態になっており、着用者が衛生パンツを着用するときに、着用者によってのみ閉じられる。
【0009】
タックインされたサイドシームは、少なくとも1つの連結領域において互いに、及び/又は本体部分に固定的に結合され、その結果、本体部分にタックインされたサイドシームは、この位置で固定される。
【0010】
サイドシームを互いに、及び/又は本体部分に、固定的に接続又は取り付けることにより、折り畳まれた衛生パンツは安定し、サイドシームは衛生パンツのその後の包装の間、本体部分に確実に折り込まれた状態のままである。サイドシームが本体部分に折り込まれ、その位置に固定されている衛生パンツは、サイドシームが再び緩み、本体部分から突き出るおそれがなく、袋等に挿入して圧縮する等、従来のもので処理できる。
【0011】
連結の種類及び/又は連結領域の数は、製品に許容できない損傷を与えることなく、切断が可能であるように、当業者が適切に選択することができる。一実施形態において、ユーザーへの高い利便性のために、衛生パンツが着用者に着用される前にサイドシームを切り離さなければならない連結領域が1箇所のみで済む。他の実施形態では、ユーザーが衛生パンツの折り畳みを展開するための力を大きく超える力を加える必要とせずに、衛生パンツの折り畳みを展開すると、サイドシームは、互いに及び/又は本体部分から分離される。
【0012】
方法の実施形態では、サイドシームは、接着剤、例えば溶剤ベースの接着剤、ポリマー分散剤、熱接着剤、コンタクト接着剤、反応型接着剤、超音波技術、熱接合及び/又は加圧溶接から選択される1つ以上の技術を用いることによって連結される。一実施形態におけるサイドシームは、互いに及び/又は本体部分に直接に連結される。他の実施形態では、サイドシームは継ぎ部を介して互いに連結され、向かい合ったサイドシーム間の間隙を架橋する。
【0013】
実施形態では、サイドシームは、例えば細い線に沿って、微細な連結領域において互いに、及び/又は本体部分と連結され、連結領域における連結を切断することによって分離される。
【0014】
代替的に、又は加えて、別の実施形態では、連結領域は、衛生パンツを展開する際に、手動で分離するために、予め定義された切断領域が設けられる。例えば、連結部には穿孔した切り取り線が設けられており、衛生パンツを展開する際に、ユーザーが、その切り取り線に沿ってサイドシームを互いに分離及び/又は本体部分から分離する。
【0015】
一実施形態において、本体部分は、当該本体部分にサイドシームを折り込む際に折り畳まれる。他の実施形態では、サイドシームが突き出ている予め折り畳まれた衛生パンツが提供され、サイドシームをタックインする前に、サイドシームが突き出ている予め折り畳まれた衛生パンツは、前面領域と背面領域を少なくとも腰部開口部の領域内で移動させることによって開かれる。一実施形態において、前面領域及び背面領域は、腰部開口部の領域においてのみ離れて移動される。他の実施形態では、前面領域及び背面領域の他の領域もまた、離れて移動される。前面領域と背面領域を離して動かす領域は、サイドシームをタックイン可能にするために、当業者によって適切に選択される。予め折り畳まれた衛生パンツを開けるために、一実施形態では、前面領域及び領域の一方又は両方に吸引力が加えられる。他の実施形態では、予め折り畳まれたおむつは、前面領域と背面領域の間に入るブレードによって、及び/又は吹き付け装置によって開かれる。
【0016】
一実施形態では、サイドシームを押すと、サイドシームには、対向する稜部を有する縦ひだが形成される。一実施形態において、サイドシームは縦ひだの稜部で互いに接触し、サイドシームは縦ひだの稜部で互いに結合している。稜部を形成することは、衛生パンツが包装前に閉じたサイドシートを有する場合、特に有利である。
【0017】
他の実施形態において、衛生パンツは、自由端を有し、閉じておらず固定可能なサイドシームを有しており、自由端が互いに、及び/又は本体部分に接続されている。
【0018】
第2の態様によれば、一対の対向するサイドシームを衛生パンツの本体部分内にタックインするための装置が提供され、該装置は、本体部分の前面領域と背面領域との間のサイドシームを互いに向かって一定の距離を隔ててて押し込むための装置と、少なくとも1つの連結領域内の前記折り込まれたサイドシームを互いに及び/又は前記本体部分に接続するための接続装置とを備えている。
【0019】
言い換えれば、接続装置によって、折り込まれたサイドシームは、少なくとも1つの連結領域において、互いに、及び/又は本体部分に取り付けられる。
【0020】
接続装置は、当業者が適切に選択することができる。本発明の実施形態では、接続装置は、接着剤、例えば、溶剤ベースの接着剤、ポリマー分散剤、熱接着剤、コンタクト接着剤、反応型接着剤、超音波技術、熱接合及び/又は加圧溶接から選択される1つ以上の技術を使用する。
【0021】
本発明の装置の実施形態では、本体部分の前面領域と背面領域との間のサイドシームを押すための装置は、タックインブレード及び/又は送風装置を備える。適切な装置は、例えば、特許文献1及び/又は特許文献2に記載されている。但し、その方法及び装置は、これらの文献に記載されている装置の使用に限定されるものではない。
【0022】
本発明の装置の実施形態では、サイドシームをタックインする前に、突き出たサイドシーム付きの予め折り畳まれた衛生パンツに力を加えて、前面領域及び背面領域を引き離して移動させるための開口装置が提供される。本発明の装置の実施形態における開口装置は、前面領域及び背面領域の少なくとも一方に真空力を加える真空装置である。適切な装置は、例えば、特許文献1及び/又は特許文献2に記載されている。ただし、その方法及び装置は、これらの文献に記載されている装置の使用に限定されるものではない。
【0023】
以下では、本発明の実施形態を、幾つかの模式図に基づいて詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本体部分から突き出ている一対の対向するサイドシームを有する予め折り畳まれた衛生パンツの第1の実施形態の斜視図である;
【
図2】
図2は、
図1の予め折り畳まれた衛生パンツの斜視図であり、腰部開口部のある領域では、前面領域と本体部分の背面領域が離れて移動する;
【
図3】
図3は、(腰部開口部から見た)
図2の予め折り畳まれて開かれた衛生パンツの上面図であり、サイドシームは、本体部分の前面領域と背面領域との間で互いに距離を置いて押されている;
【
図4】
図4は、
図3の衛生パンツの斜視図であり、本体部分の前面領域と背面領域との間に押されたサイドシームは、互いに連結領域で接続されている;
【
図5】
図5は、
図4の衛生パンツの上面図であり、前面領域と背面領域を互いに後方に移動させている;
【
図6】
図6は、一対の対向するサイドシームが本体部分から突き出ている、予め折り畳んだ衛生パンツの第2の実施形態の斜視図である;
【
図7】
図7は、
図6の予め折り畳まれた衛生パンツの斜視図であり、腰部開口部のある領域では前面領域と本体部分の背面領域が離れて移動する;
【
図8】
図8は、予め折り畳まれて開かれた
図6の衛生パンツの上面図(腰の開口部から見た図)であり、サイドシームは、互いに距離を置いて、本体部分の前面領域と背面領域との間に押されている;
【
図9】
図9は、
図8の衛生パンツの斜視図であり、本体部分の前面領域と背面領域との間に押し込まれたサイドシームは、互いに連結領域で接続されている;
【
図10】
図10は、
図9の衛生パンツの上面図であり、前面領域と背面領域は互いに向かって後方に移動される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面全体を通じて、同じ要素は同じ参照数字で表記される。
【0026】
図1は、予め折り畳まれた衛生パンツ1を斜視図で示す。衛生パンツ1は、前面領域20と背面領域21とを有する本体部分2と、本体部分2から突出する2つの対向するサイドシーム3、4と、を備える。
【0027】
前面領域20と背面領域21の各々は、腰部200、210と股間部201、211を有し、前面領域20と背面領域21は股間部201、211で互いに接続されている。サイドシーム3、4は、前面領域20の上端と背面領域21の上端と共に腰部開口部を形成し、前面領域20と背面領域21の上端と共に2つの脚部開口部を形成する。描かれた実施形態におけるサイドシーム3、4は、弾性成分を備えた連続ストライプである。他の実施形態では、繰り返し取り付け可能なサイドシームが設けられ、このサイドシームは、少なくとも1サイクルの間、実質的な永続的な変形又は破れを伴うことなく、解放可能な取り付け、分離、及びその後の解放可能な再度の取り付けが可能である。
【0028】
図に示した衛生パンツ1のサイドシーム3,4、本体部分2の設計・形状は、一例であり、様々な変形例が考えられる。さらに、衛生パンツ1の構成要素の材料及び構造は、衛生パンツ1についての意図されたユーザー群に応じて、当業者が適切に選択できる。一般に知られているように、実施形態における本体部分2は、異なる特性を有するいくつかの層を含む。サイドシーム3、4は、前面領域20及び背面領域21の一方又は両方と一緒に形成され、かつ/又は本体部分2と結合することができる。
【0029】
一般に知られているように、衛生パンツ1は、典型的には包装前に折り畳まれる。
【0030】
図1に示すように、衛生パンツ1が予め折り畳まれた状態では、サイドシーム3、4が本体部分2から突出する。衛生パンツ1をさらに加工するために、特に衛生パンツ1を袋(図には示していない)に詰めるために、
図2~5に模式的に示すようにサイドシーム3、4を本体部分2に折り込む。
【0031】
図2~
図5に示す方法では、
図2に示すように、前面領域20と背面領域21とを少なくとも腰部開口部の領域で互いに離して移動させることにより、予め折り畳まれた衛生パンツ1を開く。これは、
図2の矢印によって模式的に示されるように、前面領域20及び背面領域21のいずれか1つに吸引力を加えることによって、一実施形態において達成される。しかしながら、本発明は、真空力を利用する開口装置の使用に限定されるものではなく、前面領域20と背面領域21とを互いに離して移動させるために、他の開口装置を用いても良い。図示される実施形態では、前面領域20と背面領域21の腰部200、210のみが離れて移動されるが、前面領域20と背面領域21の股間部201、211は互いに接触したままである。
【0032】
次に、サイドシーム3,4は、
図3に示すように、本体部分2の前面領域20と背面領域21との間を互いに向かって距離を隔てて押される。図示の実施形態では、サイドシーム3、4を互いに向かって押すための2つのタックインブレード5、6が設けられている。代替実施形態では、2つのサイドシーム3、4を互いに向かって押し付けるための吹きつけ装置が提供される。
【0033】
サイドシーム3、4をタックインすると、サイドシーム3、4には、稜部30、40に面した縦ひだが形成される。サイドシーム3、4の長さ及び/又は本体部分2の幅に応じて、サイドシーム3、4の向かい合う稜部30、40は互いに接触するか、又は接触しない。
【0034】
図示の実施形態では、サイドシーム3、4の対向する稜部が互いに接触し、折り込まれたサイドシーム3、4が稜部30、40内の連結領域7で互いに接続される。サイドシーム3、4の接続は、例えば、接着剤、例えば、溶剤ベースの接着剤、ポリマー分散剤、熱接着剤、コンタクト接着剤、反応型接着剤、超音波技術、熱接合及び/又は加圧溶接から選択される1又はそれ以上の技術を用いることによって達成される。一実施形態において、サイドシーム3、4は互いに直接的に接続している。他の実施形態では、特に、稜部30、40が互いに接触しない場合、接続する継ぎ部が設けられ、サイドシームは継ぎ部を介して間接的に互いに接続される。
【0035】
さらに別の実施形態(図には示されていない)では、サイドシーム3、4は互いに接続されておらず、本体部分2に接続されている。
【0036】
サイドシーム3、4が互いに及び/又は本体部分2に接続された後、本体部分2は、
図5に示すように、前面領域20及び背面領域21を互いに向かって後方に移動させることによって閉じられる。こうして、一実施形態において、タックインされ、固定されたサイドシーム3、4を有する折り畳まれた衛生パンツ1は、当業者に一般的に知られているように、2つのコンベアライン(示されていない)の間に衛生パンツ1を進めることによって圧縮される。
【0037】
サイドシーム3、4を互いに、及び/又は本体部分2に接続することにより、衛生パンツ2の更なる加工の際に、サイドシーム3、4が緩んで本体部分2から突き出ることが避けられる。着用者が衛生パンツ1を着用する前に、衛生パンツ1を広げる時に、使用者がサイドシーム3、4を互いに、及び/又は本体部分2から容易に切り離すことができるように、当業者が接続を選択する。
【0038】
図6~10は、本体部分2と本体部分2から突出する2つの対向するサイドシーム3、4を有する予め折り畳まれた衛生パンツ1の第2の実施形態を斜視図にて示す。本体部分2は、前面領域20と背面領域21を有し、前面領域20と背面領域21の各々が腰部200、210と股間部201、211を有し、股間部201、211において前面領域20と背面領域21が互いに接続されている。
図1乃至
図5に示される実施形態とは対照的に、
図6乃至
図10に示される実施形態では、サイドシーム3、4は、前面領域20と一体的に形成され、衛生パンツ1の使用前に、サイドシーム3、4は、背面領域21に取り付けられておらず、又は接続されていない。一実施形態において、サイドシーム3、4は、少なくとも1サイクルの間、実質的な永続的な変形又は破れを伴わずに、背面領域21への解放可能な取り付け、分離、及びその後の解放可能な再度の取り付けが可能である。他の実施形態では、サイドシーム3、4は、衛生パンツ1に乗せるときに、背面領域21に放出可能に取り付けられていない。
【0039】
図6に示す衛生パンツ1の包装については、
図7に示すように、少なくとも腰部開口部の領域において前面領域20と背面領域21を互いに離して移動させることにより、予め折り畳まれた衛生パンツ1を開ける。これは、
図2の矢印によって模式的に示されるように、前面領域20及び背面領域21のいずれか1つに吸引力を加えることによって、一実施形態において達成される。しかしながら、本発明は、真空力を利用する開口装置の使用に限定されるものではなく、前面領域20と背面領域21とを互いに離して移動させるために、他の開口装置が考えられる。示される実施形態では、前面領域20の背面領域21の腰部200、210のみが離れて移動されるが、前面領域20と背面領域21の股間部201、211は互いに接触したままである。
【0040】
次に、サイドシーム3、4は、例えば2つのタックインブレード5、6を用いて、
図8に示すように本体部分2の前面領域20と背面領域21との間を互いに向かって距離を隔てて押し付けられる。
図8に示すように、示されている実施形態では、背面領域21には2つのタブ103、104が備わっており、これらもまた本体部分2に折り込まれている。
【0041】
サイドシーム3、4の長さ及び/又は本体部分2の幅に応じて、サイドシーム3、4の自由端32、42は互いに接触するか、又は接触しない。
【0042】
図示されている実施形態では、サイドシーム3、4の自由端32、42は互いに接触し、折り込まれたサイドシーム3、4は自由端32、42の連結領域7で互いに結合している。サイドシーム3、4の接続は、例えば、接着剤、例えば、溶剤ベースの接着剤、ポリマー分散剤、熱接着剤、コンタクト接着剤、反応型接着剤、超音波技術、熱接合及び/又は加圧溶接から選択される1又はそれ以上の技術を用いることによって達成される。他の実施形態では、特に、自由端32、42が互いに接触しない場合、継ぎ部が設けられ、サイドシームは継ぎ部を介して間接的に互いに接続される。さらに別の実施形態(図には示されていない)では、サイドシーム3、4は互いに接続されないで、本体部分2に接続されている。
【0043】
サイドシーム3、4が互いに及び/又は本体部分2に接続された後、本体部分2は、
図10に示すように、前面領域20及び背面領域21を互いに後方に向かって移動させることによって閉じられる。
なお、本発明の実施形態の態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
一対の対向するサイドシーム(3、4)を衛生パンツ(1)の本体部分(2)に折り込む方法であって、前記サイドシーム(3、4)は、前記本体部分(2)の前面領域(20)と背面領域(21)の間を互いに向かって距離を隔てて押され、
折り込まれたサイドシーム(3、4)が少なくとも1つの連結領域(7)で互いに、及び/又は本体部分(2)に接続することを特徴とする、方法。
[態様2]
前記サイドシーム(3、4)が、接着剤、例えば溶剤ベースの接着剤、ポリマー分散剤、熱接着剤、反応型接着剤、超音波技術、熱接合及び/又は加圧溶接から選択される1つ以上の技術を用いることによって連結されることを特徴とする、態様1に記載の方法。
[態様3]
前記連結領域(7)が、前記衛生パンツ(1)を開く際に、手動で分離するために予め定められた切断領域を備えていることを特徴とする、態様1又は2に記載の方法。
[態様4]
前記サイドシーム(3、4)を折り込む前に、突き出たサイドシーム(3、4)を備えた予め折り畳まれた衛生パンツ(1)が、前面領域(20)及び背面領域(21)を少なくとも腰部開口部の領域で移動させることによって開かれることを特徴とする、態様1、2又は3に記載の方法。
[態様5]
前記サイドシーム(3、4)を押すと、稜部(30,40)に面した縦ひだが前記サイドシーム(3、4)に形成されることを特徴とする、態様1~4のうちいずれかの態様に記載の方法。
[態様6]
前記衛生パンツ(1)が、自由端(32,42)を有する固定可能なサイドシーム(3、4)を有し、前記自由端(32,42)が互いに、及び/又は本体部分(2)に接続されていることを特徴とする、態様1~4のうちいずれかの態様に記載の方法。
[態様7]
一対の対向するサイドシーム(3,4)を衛生パンツの本体部分(2)内に折り込む装置であって、前記本体部分(2)の前面領域(20)と背面領域(21)との間に、前記サイドシーム(3,4)を互いに向かって距離を隔てて押込む装置を備え、
折り込まれた前記サイドシーム(3,4)を少なくとも1つの連結領域(7)内で互いに及び/又は前記本体部分(2)に接続する接続装置が設けられていることを特徴とする、押込む装置。
[態様8]
前記接続装置は、接着剤、例えば溶剤ベースの接着剤、ポリマー分散剤、熱接着剤、コンタクト接着剤、反応型接着剤、超音波技術、熱接合及び/又は加圧溶接から選択される1以上の技術を使用することを特徴とする、態様7に記載の装置。
[態様9]
前記本体部分(2)の前記前面領域と前記背面領域との間に前記サイドシーム(3、4)を押す装置が、タックインブレード及び/又は吹き付け装置を含むことを特徴とする、態様7又は8に記載の装置。
[態様10]
前記サイドシーム(3、4)を折り込む前に、前記前面領域(20)及び前記背面領域(21)を少なくとも腰部開口部の領域内で移動させるために、前記サイドシーム(3、4)が突き出ている予め折り畳まれた衛生パンツ(1)に力を加える開口装置が設けられていることを特徴とする、態様7、8又は9に記載の装置。
[態様11]
前記開口装置が、前記前面領域(20)及び前記背面領域(21)の少なくとも1つに吸引力を加える減圧装置であることを特徴とする、態様10に記載の装置。