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特許7411723中空シャフトモータを用いる光ファイバ回転継手
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】中空シャフトモータを用いる光ファイバ回転継手
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A61B1/00 526
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022080571
(22)【出願日】2022-05-17
(65)【公開番号】P2022186613
(43)【公開日】2022-12-15
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】17/338,141
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】アルトシュラー アレクサンダー
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-521022(JP,A)
【文献】特表2020-506425(JP,A)
【文献】特開2015-029567(JP,A)
【文献】国際公開第2018/003097(WO,A1)
【文献】特開2009-098112(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0341545(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36 - 6/40
G02B 23/24 -23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止システムと回転可能なプローブコアを有するプローブとの間の光学的接続を提供するとともに、前記プローブコアに回転運動を伝えるための光ファイバ回転継手であって、
前記光ファイバ回転継手は、
前記静止システムと連絡している静止光ファイバアセンブリを有する静止ユニットであって、前記静止光ファイバアセンブリは遠位端を有する、静止ユニットと、
中空シャフトモータを備えたモータユニットであって、前記中空シャフトモータは、当該中空シャフトモータの回転軸Zに沿って近位端から遠位端まで延びるルーメンを備えた中空シャフトを有する、モータユニットと、
近位端及び遠位端を有する回転可能光ファイバアセンブリであって、前記中空シャフトモータの前記回転軸に沿って前記中空シャフトの前記ルーメン内に配置され、前記中空シャフトの前記近位端と前記遠位端の間に延在する、回転可能光ファイバアセンブリと、
を備え、
前記モータユニットと前記静止ユニットは、Zに対して垂直であるX及びYの方向にそれらの相対運動を可能にするような方式で結合され、
前記回転可能光ファイバアセンブリは光ファイバコネクタを更に有し、前記光ファイバコネクタは、前記中空シャフトの前記遠位端に取り付けられるとともに、前記プローブコアの嵌合コネクタに接続するように構成され、
前記回転可能光ファイバアセンブリは、前記中空シャフトの前記近位端に取り付けられ、
前記静止光ファイバアセンブリの前記遠位端は、前記回転可能光ファイバアセンブリの前記近位端と空間的に真向いにあり、前記回転可能光ファイバアセンブリの前記近位端との光学的接続に適している、
光ファイバ回転継手。
【請求項2】
前記回転可能光ファイバアセンブリの前記近位端と、前記静止光ファイバアセンブリの前記遠位端は、対になった対向するコリメータレンズを更に有する、
請求項1に記載の光ファイバ回転継手。
【請求項3】
前記回転可能光ファイバアセンブリの前記近位端と前記静止光ファイバアセンブリの前記遠位端の両方は、その間の間隙を介した直接的なファイバ間光伝送に適している、
請求項1に記載の光ファイバ回転継手。
【請求項4】
前記間隙は、前記回転可能光ファイバアセンブリの前記近位端と前記静止光ファイバアセンブリの前記遠位端との間に約1.0~10.0ミリメートルの距離を設ける、
請求項3に記載の光ファイバ回転継手。
【請求項5】
前記回転可能光ファイバアセンブリの前記近位端と、前記静止光ファイバアセンブリの前記遠位端の両方は、前記対になった対向するコリメータレンズの光学的アライメントに適した特徴を更に有する、
請求項2に記載の光ファイバ回転継手。
【請求項6】
前記光学的アライメントに適した特徴は、前記静止光ファイバアセンブリの光軸と、前記回転可能光ファイバアセンブリの光軸と、前記中空シャフトモータ前記回転軸とがほぼ同一線上になるまで、前記回転可能光ファイバアセンブリと前記静止光ファイバアセンブリのうちの1つ以上を互いに関して動かすように構成される、
請求項5に記載の光ファイバ回転継手。
【請求項7】
回転可能なプローブコアを有するプローブを介して管腔内の標的に回転光ビームを送るための装置であって、
静止光ファイバを含む第1の光学系と、
近位端及び遠位端を有する回転可能光ファイバを含む第2の光学系と、
中空シャフトモータであって、当該中空シャフトモータの回転軸に沿って近位端から遠位端へ延びるルーメンを備えた中空シャフトを有する、中空シャフトモータと、
前記中空シャフトの前記遠位端に取り付けられる光ファイバコネクタであって、前記プローブコアに接続するように構成された、光ファイバコネクタと、
を備え、
前記回転可能光ファイバは、前記中空シャフトの前記近位端に取り付けられるとともに、前記中空シャフトの前記遠位端において前記光ファイバコネクタに接続され、
前記静止光ファイバの光軸と、前記回転可能光ファイバの光軸と、前記モータの前記回転軸とがほぼ同一線上にあるように、前記静止光ファイバの前記遠位端は、前記回転可能光ファイバの前記近位端の真向かいに配置されるとともに、前記回転可能光ファイバの前記近位端とアライメントされ、
前記モータは、前記回転可能光ファイバを前記回転軸の周りで回転させるように構成され、前記光ファイバコネクタは、前記プローブコアに回転運動を伝達する、
装置。
【請求項8】
システムコンソールと回転可能なプローブコアを有するプローブとの間の光学的接続を提供するとともに、前記プローブコアに回転運動を伝える方法であって、
前記システムコンソールと連絡している静止光ファイバを有する第1の光学系を配置するステップであって、前記静止光ファイバは遠位端を有する、配置するステップと、
前記第1の光学系に関して、近位端及び遠位端を有する回転可能光ファイバを含む第2の光学系を配置するステップと、
中空シャフトモータを提供するステップであって、前記中空シャフトモータは、当該中空シャフトモータの回転軸に沿って近位端から遠位端へ延びるルーメンを備えた中空シャフトを有する、提供するステップと、
前記中空シャフトの前記遠位端に、前記プローブコアに接続するように構成された光ファイバコネクタを取り付けるステップと、
前記第1の光学系及び/又は前記中空シャフトモータを互いに関して動作させることにより、前記中空シャフトモータの回転軸Zに垂直であるX及び/又はYの方向で前記第1の光学系と前記中空シャフトモータをアライメントするステップと、
を含み、
前記回転可能光ファイバは、前記中空シャフトの前記近位端に取り付けられるとともに、前記中空シャフトモータの前記回転軸に沿って前記中空シャフトの前記ルーメンを通して配置され、また、前記中空シャフトの前記遠位端において前記光ファイバコネクタに接続され、
前記静止光ファイバの光軸と、前記回転可能光ファイバの光軸と、前記中空シャフトモータの前記回転軸とがほぼ同一線上にあるように、前記静止光ファイバの前記遠位端は、前記回転可能光ファイバの前記近位端との間に間隙がある状態で、前記回転可能光ファイバの前記近位端の真向かいに配置されるとともに、前記回転可能光ファイバの前記近位端とアライメントされ、
前記プローブコアに回転運動を与えることは、前記回転可能光ファイバが前記中空シャフトモータの前記回転軸の周りで回転するように、前記中空シャフトモータによって前記回転可能光ファイバを回転させることと、前記光ファイバコネクタを介して前記プローブコアへ回転運動を伝えることとを含む、
方法。
【請求項9】
前記回転可能光ファイバと前記静止光ファイバの両方の光学的アライメントに適した特徴を提供するステップ、
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記静止光ファイバの前記光軸と、前記回転可能光ファイバの前記光軸と、前記中空シャフトモータの前記回転軸とがほぼ同一線上になるまで、前記回転可能光ファイバと前記静止光ファイバのうちの1つ以上を互いに関して動かすために、前記光学的アライメントに適した特徴を動作させるステップ、
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ファイバアセンブリと前記静止ユニットの間の自由空間又は間隙を保持しながら、アライメントの後に前記X及びYの方向での相対運動を防止するために、前記モータユニットと前記静止ユニットは一緒にロックすることができる、
請求項1に記載の光ファイバ回転継手。
【請求項12】
前記第1の光学系及び前記中空シャフトモータのアライメントの後に前記X及びYの方向での相対運動を防止するために、前記第1の光学系と前記中空シャフトモータを一緒にロックするステップ、
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
該当なし
【0002】
本開示は、概して医療機器に関する。より詳細には、本開示は、内視鏡やカテーテル等の医用プローブでの使用に適用可能な新規の光ファイバ回転接合部(FORJ)を対象とする。
【背景技術】
【0003】
低侵襲手技では、光学画像を取得し、光学的測定を行い、検診を実施し、或いは治療手技を行うために、ライトパイプや光ファイバ等の光導波路を通して標的へ光を誘導することができる。これらその他の手技には、標的に到達するように体腔(例えば血管や気管支)を通して挿入される、機械的に回転する光学プローブ(例えば内視鏡、カテーテル等)の使用が必要となる。このような用途の多くでは、妥当な視野を提供するために、プロービングファイバを回転させる必要がある。カテーテルや内視鏡等に収容された回転プロービングファイバと、光源及び光検出器を含む静止システムとの間で連続的な光伝送を提供するために、通常は、慣例的に光ファイバ回転継手(FORJ、回転接合部、或いは回転継手)と呼ばれる特別なユニットが採用される。FORJは、光学プローブと操作コンソールの間の機械的作動と光学的接続性を提供する必要がある。光学的接続により、光学系はプローブの回転遠位端と通信することができ、機械的接続により、光学プローブは回転又は振動して、体腔をスキャンすることができる。FORJでの位置精度要件を減らすために、静止ファイバと回転ファイバとの間隙におけるビーム伝送には、一般に何らかのビーム拡大手段(コリメータ等)が用いられる。一部の用途では、FORJは、管腔に沿う長さ方向に光学プローブを機械的に移動させるための並進ステージも含む
【0004】
光ファイバ回転継手は、様々な方法で実装することができる。ただし、回転継手がどのように実装されるのかに関わらず、光学プローブの回転を駆動するために、モータ(例えばDCモータ、ステッピングモータ等)が必要である。回転接合部のモータその他の機械部品、光学部品及び電子部品は、患者インタフェースモジュール又は患者インタフェースユニット(PIU)に包囲される。回転継手の一例は、米国特許第7382949号に記載されている。また、米国特許第9360630号及び第9345398号には、回転接合部用の既知の駆動アセンブリの更なる例が記載されている。これらと他の米国特許及び特許出願の公報は、あらゆる目的で参照により本明細書に援用される。
【0005】
先に参照した特許に記載されているタイプの従来の回転継手では、大きくて扱いにくく高価な部品が使用される傾向があり、これによって、システム全体の効率性が所望の効率性よりも低くなってしまう。例えば、米国特許第7382949号と第9345398号に記載の回転継手では、タイミングベルト又はギアを介してFORJの回転部分を駆動するロータリモータが用いられる。この結果、ユニットは機械的に複雑になり、部品の数が多くなり、機械的振動が増大してしまう。米国特許第9360630号に開示されているFORJでは中空シャフトモータが用いられ、光信号は、中空シャフトを通して静止コリメータから回転コリメータへ伝送される。この特許では、2つのコリメータ間の間隙(距離)が比較的大きいことにより、部品のミスアライメントと機械的振動に対してFORJが非常に敏感になってしまう。更に、回転コリメータが使い捨てカテーテル上にあるので、システムの使い捨て部分がより高価になってしまう。
【0006】
したがって、依然として、内視鏡やカテーテル等の医用プローブでの使用に適用可能な光ファイバ回転継手を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
少なくとも1つの態様によれば、本開示は、回転可能コアを有するプローブにシステムコンソールを接続し、プローブコアへ回転運動を伝える光ファイバ回転継手(FORJ)を対象とする。FORJは、回転可能光ファイバと光学的に接続している静止光ファイバと、中空シャフトを有するモータと、中空シャフトの遠位端に取り付けられるファイバコネクタとを備える。モータは、静止光ファイバに関して回転可能光ファイバを回転させるように構成される。回転可能ファイバは、中空シャフトの近位端に取り付けられ、ファイバコネクタに接続される。静止光ファイバ及び回転可能光ファイバの光軸がモータの回転軸とほぼ同一線上にあるように、静止光ファイバの遠位端は、回転可能光ファイバの近位端の真向かいに配置されるとともに、回転可能光ファイバの近位端とアライメントされる。ファイバコネクタは、光パワー及びトルクをプローブコアに伝送する。
【0008】
別の態様によれば、本開示は、システムコンソールと回転可能なプローブコアを有するプローブとの間の光学的接続を提供するとともに、プローブコアに回転運動を伝える方法を対象とする。本方法は、以下を含む:システムコンソールと連絡している静止光ファイバを有する第1の光学系を配置するステップであって、静止光ファイバは遠位端を有する、配置するステップ;第1の光学系に関して、近位端及び遠位端を有する回転可能光ファイバを含む第2の光学系を配置するステップ;モータを提供するステップであって、モータは、当該モータの回転軸に沿って近位端から遠位端へ延びる中空シャフトを有する、提供するステップ;及び、中空シャフトの遠位端に、回転可能プローブコアに接続するように構成された光ファイバコネクタを取り付けるステップ。回転可能光ファイバは、中空シャフトの近位端に取り付けられるとともに、中空シャフトの遠位端において光ファイバコネクタに接続される。静止光ファイバの光軸と、回転可能光ファイバの光軸と、モータの回転軸とがほぼ同一線上にあるように、静止光ファイバの遠位端は、回転可能光ファイバの近位端との間に間隙がある状態で、回転可能光ファイバの近位端の真向かいに配置されるとともに、回転可能光ファイバの近位端とアライメントされる。プローブコアに回転運動を与えることは、モータによって回転軸の周りで回転可能光ファイバを回転させることと、光ファイバコネクタを介してプローブコアへ回転運動を伝えることとを含む。
【0009】
本開示のこれら及び他の態様、特徴及び利点は、本開示の例示の実施形態の以下の詳細な説明を添付の図面及び提供された特許請求の範囲と併せて読むと、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の更なる目的、特徴及び利点は、本開示の例示の実施形態を示す添付の図と併せて解釈すると、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0011】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る光ファイバ回転継手の斜視図を示す。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る光ファイバ回転継手の断面図を示す。
図3図3A及び図3Bは、ファイバアセンブリ20の光軸Ox2をモータの回転軸Rxとアライメントするプロセスを説明するための、FORJの斜視図を示す。
図4図4は、本開示に係る光ファイバ回転継手を包含する例示システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
様々な実施形態が更に詳細に説明される前に、本開示は特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。また、当然のことながら、本明細書において用いられる用語は、例示の実施形態を説明する目的のものにすぎず、限定することを意図するものではない。
【0013】
図全体を通して、別段の記載がない限り、同じ参照番号及び文字は、例示される実施形態の同様の特徴、要素、コンポーネント又は部分を示すために用いられる。更に、同封の図を参照して本開示を詳細に説明するが、それは、例示の実施形態に関連してなされる。添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の真の範囲から逸脱することなく、説明される例示の実施形態に対して変更及び修正を行うことができることが意図される。図面はいくつかの可能な構成及びアプローチを表すが、図面は必ずしも縮尺どおりではなく、本開示の特定の態様をより分かりやすく図示及び説明するために、特定の特徴が誇張、削除又は部分的に切断される場合がある。本明細書に記載の説明は、網羅的であること、そうでなければ、図面に示され以下の詳細な説明に開示される正確な形態及び構成に特許請求の範囲を限定又は制限することを意図するものではない。
【0014】
当業者には当然のことながら、一般に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して、“オープン”な用語として意図されている(例えば、「含む(including)」という用語は「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」は「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきである、等)。更に、当業者には当然のことながら、導入された請求項記載の具体的な数字が意図されている場合、そのような意図は特許請求の範囲に明示的に記載され、また、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しない。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項記載を導入するために、「少なくとも1つの」や「1つ以上の」という導入句の使用を含む場合がある。ただし、そのような語句の使用は、同じ請求項に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」との導入句と、“a”又は“an”等の不定冠詞とが含まれている場合でも、不定冠詞“a”又は“an”による請求項記載の導入により、そのような導入された請求項記載を含む特定の請求項が、そのような記載を1つだけ含む請求項に限定されることを意味すると解釈されるべきではない(例えば、“a”及び/又は“an”は、典型的には、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである)。請求項記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても、同じことが言える。
【0015】
更に、導入された請求項記載の具体的な数字が明示的に記載されている場合であっても、当業者には当然のことながら、そのような記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきである(例えば、他の修飾語を伴わずに「2つの記載」とだけ記載される場合、典型的には、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B及びC等のうちの少なくとも1つ」に類似した規定が使用される場合、概して、そのような構文は、当業者が該規定を理解し得るという意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独で、B単独で、C単独で、AとBを併せて、AとCを併せて、BとCを併せて、かつ/又は、A、B及びCを併せて有するシステム等を含み得る)。更に、当業者には当然のことながら、典型的には、離接語、及び/又は2つ以上の代替用語を表す語句(明細書、特許請求の範囲、又は図面のいずれにおいても)は、文脈上別段の指示がない限り、該用語の一方、該用語のいずれか、又は該用語の両方を含む可能性を企図するものと理解されるべきである。例えば、「A又はB」という表現は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解される。
【0016】
本明細書において、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「上」にあるとして言及されるとき、それは、当該他の特徴又は要素の直上に存在してよく、又は、介在する特徴及び/又は要素も存在してよい。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「直上」にあるとして言及されるとき、介在する特徴又は要素は存在しない。また、当然のことながら、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「接続される」、「取り付けられる」、「結合される」等として言及されるとき、それは、当該他の特徴に直接的に接続されてよく、取り付けられてよく、又は結合されてよく、又は、介在する特徴又は要素が存在してもよい。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「直接的に接続される」、「直接的に取り付けられる」又は「直接的に結合される」として言及されるとき、介在する特徴又は要素は存在しない。一実施形態に関して説明又は図示したが、一実施形態においてそのように説明又は図示された特徴及び要素は、他の実施形態に適用することができる。また、当業者であれば理解できるように、別の特徴に「隣接」して配置されている構造又は特徴への言及は、当該隣接する特徴にオーバーラップするかその下にある部分をもつ場合がある。
【0017】
本明細書では、様々な要素、コンポーネント、領域、部品及び/又は部分を説明するために、第1、第2、第3等の用語が使用される場合がある。当然のことながら、これらの要素、コンポーネント、領域、部品及び/又は部分はこれらの指定の用語によって限定されない。これらの指定の用語は、ある要素、コンポーネント、領域、部品又は部分を別の領域、部品又は部分から区別するためにのみ使用されている。よって、後述する第1の要素、コンポーネント、領域、部品又は部分は、単に区別を目的として、しかし限定をすることなく、また、構造的又は機能的な意味から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、部品又は部分と呼ぶことができる。
【0018】
本明細書において用いられる場合、単数形は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数形も含むことを意図している。更に、当然のことながら、「含む」、「備える」、「成る」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲において用いられる場合、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、明示的に記載されていない1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。更に、本開示では、「~から成る」という移行句は、クレームで指定されていないいかなる要素、ステップ又はコンポーネントも除外する。更に、留意すべきこととして、一部のクレーム又はクレームの一部の特徴は、任意の要素を除外するように起草される場合があり、このようなクレームは、クレーム要素の記載に関連して「単独で」、「~のみ」等の排他的な用語を使用する場合があり、或いは、機能又はステップ又はコンポーネントを明示的に除外するために、“否定的な”限定を使用する場合がある。
【0019】
本明細書で使用される「約」又は「およそ」という用語は、例えば10%以内、5%以内又はそれ未満を意味する。一部の実施形態では、「約」という用語は、測定誤差内を意味することがある。これに関して、説明され又はクレームされる際に、用語が明示的に表示されていなくても、全ての数値は「約」又は「およそ」という語が前置されているかのように読まれてよい。「約」又は「およそ」という語句は、大きさ及び/又は位置を記述するとき、記載の値及び/又は位置が値及び/又は位置の妥当な予想範囲内にあることを示すために使用されることがある。例えば、数値は、記述された値(又は値の範囲)の±0.1%、記述された値(又は値の範囲)の±1%、記述された値(又は値の範囲)の±2%、記述された値(又は値の範囲)の±5%、記述された値(又は値の範囲)の±10%等である値を含み得る。本明細書に記載されている場合、あらゆる数値範囲は、具体的に別段の記載がない限り、終了値を含むことを意図しており、そこに属する全ての部分範囲を含む。本明細書で用いられる場合、「実質的に」という用語は、意図された目的に悪影響を及ぼさない、記述子からの逸脱を許容することを意味する。例えば、測定値の限定に由来する逸脱、製造公差内の差異、又は5%未満の変動は、実質的に同じ範囲内にあると見なすことができる。指定された記述子は、絶対値(例えば、実質的に球形、実質的に垂直、実質的に同心等)又は相対語(例えば、実質的に類似、実質的に同じ等)であり得る。
【0020】
具体的に別段の記載がない限り、以下の開示から明らかであるように、本開示を通して、「処理する」、「コンピュータで計算する」、「計算する」、「決定する」、「表示する」等の用語を用いた議論は、コンピュータシステム、又は同様の電子コンピューティングデバイス、又は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、同様にコンピュータシステムのメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報の記憶、伝送又は表示用のデバイス内の物理量として表される他のデータに変換するデータ処理デバイスの、動作及びプロセスを指すものと理解される。本明細書に記載されているか、若しくは添付の特許請求の範囲に記載されているコンピュータ動作又は電子動作は、文脈上別段の指示がない限り、一般に、任意の順序で実行することができる。また、様々な動作フロー図が順番に提示されているが、当然のことながら、各種動作は、図示又は特許請求されている順序以外の順序で実行することができ、或いは、動作を同時に実行することができる。そのような代替の順序付けの例としては、文脈上別段の指示がない限り、重複、インターリーブ、中断、再順序付け、増分、準備、補足、同時、逆、又は他の変形の順序付けが挙げられる。更に、「~に応答して」、「~に応えて」、「~に関連して」、「~に基づいて」等の用語、又は他の同様の過去形容詞は、文脈上別段の指示がない限り、通常、そのような変形を除外することを意図していない。
【0021】
本開示は、概して医療機器に関し、分光装置(例えば内視鏡)、光干渉断層法(OCT)装置、又はそのような装置の組合せ(例えばマルチモダリティ光プローブ)に適用可能である光プローブの実施形態を例示する。光プローブ及びその部分の実施形態を、三次元空間におけるそれらの状態に関して説明する。本明細書で用いられる場合、「位置」という用語は、3次元空間における物体又は物体の一部の位置(例えばデカルトX、Y、Z座標に沿った3自由度の並進自由度)を指し、「向き」という用語は、物体又は物体の一部の回転配置(回転の3自由度―例えばロール、ピッチ、ヨー)を指し、「姿勢」という用語は、少なくとも1つの並進自由度にある物体又は物体の一部の位置と、少なくとも1つの回転自由度にある物体又は一部の物体の向きとを指し(合計で最大6つの自由度)、「形状」という用語は、物体の長尺体に沿って測定された一連の姿勢、位置及び/又は方向を指す。
【0022】
医療機器の分野において既知であるように、「近位」及び「遠位」という用語は、ユーザから手術部位又は診断部位まで延びる器具の端部の操作に関して用いられる。これに関して、「近位」という用語は、器具のユーザに近い部分(例えばハンドル)を指し、「遠位」という用語は、ユーザから離れており外科部位又は診断標的部位に近い器具の部分(先端)を指す。更に、当然のことながら、便宜上簡潔にするために、本明細書では、図面に関して「垂直」、「平行」、「上」、「下」等の空間用語が用いられる場合がある。ただし、イメージング器具及び/又は手術器具は多くの向きと位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的かつ/又は絶対的であることを意図していない。
【0023】
本明細書で用いられる場合、「カテーテル」との用語は、概して、広範囲の医療機能を実行するために、狭い開口を通して体腔(例えば血管)の中に挿入されるように設計された、医療グレードの材料から作られる軟性の薄い管状器具を指す。より具体的な「光学カテーテル」との用語は、医療グレード材料から作られた保護シース内に配置され光学イメージング機能をもつ1つ以上の軟性の光伝導ファイバの細長い束を含む医用器具を指す。光学カテーテルの特定の例は、シース、コイル、プロテクタ及び光学プローブを備える光ファイバカテーテルである。一部の用途では、カテーテルは、シースと同様に機能する「ガイドカテーテル」を含み得る。
【0024】
本開示では、「光ファイバ」又は単に「ファイバ」等の用語は、全反射として知られる効果によって一端から他端に光を伝導することができる、細長い軟性の光伝導コンジット(導波路)を指す。「導光コンポーネント」又は「導波管」又は「ライトパイプ」との用語も、光ファイバを指す場合があり、又は光ファイバの機能をもつ場合がある。「ファイバ」との用語は、1つ以上の光伝導ファイバを指す場合がある。光ファイバは、一般に透明で均質なコアをもち、それを通して光が誘導され、また、コアは均質なクラッディング又は複数のクラッディングによって囲まれている。コアの屈折率は、1つ又は複数のクラッディングの屈折率よりも大きい。
【0025】
以下の開示は、内視鏡やカテーテル等の管腔内光学プローブを用いる医用イメージングシステムでの使用に適用可能な新規の光ファイバ回転接合部(FORJ)を対象とする。
【0026】
<光ファイバ回転継手>
図1は、本開示の一実施形態に係る光ファイバ回転継手の斜視図を示し、図2は、当該光ファイバ回転継手の断面図を示す。この実施形態によれば、回転継手100は、モータユニット10と、ファイバアセンブリ20と、静止ユニット30とから成る。モータユニット10、ファイバアセンブリ20及び静止ユニット30は、光学的アライメントの目的で、X方向及びY方向にそれらの相対運動を可能にするような方式で結合され、次いで、ファイバアセンブリ20と静止ユニット30の間の自由空間又は間隙38を保持しながらアライメントをロックする。図1及び図2では、X軸、Y軸、Z軸が互いに垂直であり、X方向は描画面に垂直であり、Y方向はXに垂直であり(図2の面では縦)、Z方向は描画面に平行である(図2の面で横)。
【0027】
静止ユニット30は、光ファイバ36を介してシステムコンソール01と光学的に接続している。システムコンソール01は、数あるコンポーネントの中でも、図示されていない光源及び光検出器を含む。図示されていない光源及び光検出器は、イメージングシステムの用途に応じて、任意の既知の方法で実装することができる。一部の実施形態では、イメージングシステムは、光干渉断層撮影(OCT)イメージングシステムを含んでよい。この場合、システムは、OCT光源として波長掃引型レーザ(波長1310nm±50nm)を用いてよく、光検出器は、光電子増倍管(PMT)、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード検出器(APD)、電荷結合素子(CCD)、マルチピクセルフォトンカウンタ(MPPC)又はそれらの組合わせから成る平衡光検出器を含んでよい。光ファイバ36は、静止ユニット30内で、フェルール34及びコリメータレンズ32によって終端される。コリメータレンズ32は、光ファイバ36によって送られた光のビームを拡大し、拡大されたビームを光軸Ox1に沿ってモータユニット10に向かって投射する。静止ユニット30の光軸Ox1の方向は、調整可能なステージ33上に設けられる1つ以上のアライメントねじ35により、静止ユニット30の基部31に関して調整することができる。
【0028】
モータユニット10は、回転軸Rxを有する中空シャフト15を備えたモータ14から成る。モータユニット10は、モータ台11上に取り付けられる。回転ファイバアセンブリ20は、モータの中空シャフト15のルーメン内部に配置される。ファイバアセンブリ20は、光軸Ox2に沿って近位端から遠位端へ延びるファイバ21を含む。ファイバ21は、近位端ではフェルール22及び回転コリメータレンズ24によって終端され、遠位端では標準LCタイプアダプタ18を備えた標準LCタイプ光ファイバコネクタ27によって終端される。ファイバアセンブリ20の近位端は、モータシャフト15の近位端に固く取り付けられたコリメータハウジング16内に配置される。コリメータハウジング16は、中空の管状体であり、中空シャフト15に対して接着又はクランプされてよく、或いは、中空シャフト15に一体的に組み込まれてもよい。つまり、一部の実施形態では、コリメータハウジング16は、中空シャフト15の一体部分(例えば突出した延長部)であり得る。コリメータハウジング16は、4つの相対する付勢ねじ26によって裏打ちされた複数の微調整ねじ28(一実施形態では4個)を含み、これにより、ファイバアセンブリ20の光軸Ox2とモータユニット10の回転軸Rxとのアライメントが可能となる。
【0029】
モータユニット10の遠位側では、LCコネクタハブ12が、クランプ13によってモータシャフト15の遠位端に固く取り付けられる。LCアダプタ18は、複数の止めねじ19(一実施形態では4個)により、LCコネクタハブ12の内部にしっかりと保持される。LCアダプタ18は矩形状であり、これにより、コネクタハブ12に対する確実な係合が可能となり、また、モータのシャフト15からアダプタ18へ容易にトルクを伝達することができる。このように、アダプタ18は、ファイバコネクタ42に回転運動を伝達して、矢印Rで示すようにプローブコア40を回転又は振動させることができる。
【0030】
ここでは、光ファイバ接続部品の例として、標準のLC光ファイバコネクタとLCアダプタに言及する。標準のLC光ファイバコネクタとLCアダプタは、TIA/EIA604規格に準拠したセキュアで精確にアライメントされた適合を提供しながら、簡単に抜き差しすることができる。しかしながら、他のタイプの標準の光ファイバ接続部品(SCコネクタ、FCコネクタ、STコネクタ等)を同様に用いることができる。回転ファイバアセンブリ20に用いられる光ファイバ21と、静止ファイバアセンブリ30に用いられる光ファイバ36は、シングルモードファイバ、ダブルクラッドファイバ、或いはマルチモードファイバから選択されてよい。
【0031】
<モータ回転軸Rxとファイバアセンブリの光軸Ox2とのアライメント>
FORJの光学的アライメントにより、コリメータレンズ32とコリメータレンズ24の間に形成された空隙38を介して、静止ユニット30と、モータユニット10によって保持された回転可能ファイバアセンブリ20との間の信頼性の高い光学的接続が保証される。一実施形態では、空隙38は、約1.0mm~10.0mmの範囲であってよい。これは、従来の回転継手(空隙は、典型的にはモータの中空シャフトの長さを更に含む必要がある)と比較して、間隙サイズの大幅な縮小である。一部の実施形態では、コリメータレンズ32とコリメータレンズ24の間に形成される間隙38は、その光伝送を増進するために、光結合流体(例えば液体、ゲル又はガス)で満たすことができる。
【0032】
非回転部品と、回転可能ファイバアセンブリと、モータユニット10との光学的アライメントは、当業者に知られているような既知の方式で達成することができる。例えば、光学的アライメントは、全体として複数のステップを含んでよい。第1のステップでは、ファイバアセンブリ20の光軸Ox2は、モータユニット10の回転軸Rxと一致するようにアライメントされる。より具体的には、中空シャフト15のルーメン内に配置されたファイバアセンブリ20の光軸Ox2は、モータ14の回転軸Rxとアライメントされる必要がある。第2のステップでは、静止ユニット30の光学部品の光軸Ox1が、モータユニット10のアライメントされた回転軸Rxと同じ角度にされる。このステップでは、静止ユニット30の非回転光学部品の光軸Ox1は、1つ以上のアライメントねじ35を操作することによって、Z軸方向とほぼ一致するようにアライメントされる必要がある。2つのステップの後、2つの光学部品(静止ユニット30とモータユニット10)の光軸は、互いに平行になるようにアライメントされている。したがって、水平方向と垂直方向の並進アライメントのみを実行すればよい。これは、第3のステップで実施される。第3のステップでは、コリメータ32とコリメータ24が、その間でのX方向とY方向の滑り運動のみを許容するように、正対させられる。その後、静止ユニット30の光軸Ox1と、ファイバアセンブリ20の光軸Ox2と、モータユニット30の回転軸Rxとがほぼ同一線上になるまでコリメータ32とコリメータ24の対向面間の滑り運動が実行される。本明細書で用いられる場合、「同一線上にある」という用語は、その通常の幾何学的意味が与えられ、3つ以上の点が1本の直線上にある場合に、それらの点は同一線上にあると言われる。第3のステップの終了時に、FORJアセンブリ100の光学的アライメントが全て完了する。このタイプの光学的アライメントの詳細な手順は、本発明者が以前に公開した米国特許第10558001号(あらゆる目的で参照により本明細書に援用される)に記載されている。
【0033】
図3A及び図3Bは、ファイバアセンブリ20の光軸Ox2をモータの回転軸Rxとアライメントするプロセスを説明するための、FORJの斜視図を示す。図3Aは、アライメント前のモータユニット10の回転軸Rxに関するファイバアセンブリ20の光軸Ox2の状態を示す。このステップでは、光のビーム50を、光源51からファイバコネクタ18を通して伝送することができる。アライメントの前に、光ビーム50は、ファイバアセンブリ20の近位端から、モータの回転軸Rxに関して角度βを成して出る。ファイバアセンブリ20の光軸Ox2をモータユニット10の回転軸Rxとアライメントするために、ユーザは、光ビーム50が回転軸Rxと一致するまで、止めねじ28の1つ以上を操作する。図3Bは、光軸Ox2が回転軸Rxとアライメントされた状態を示す。光のビーム50が回転軸Rxと一致する(同一線上にある)ようにアライメントされた状態では、ユーザは、イメージングプローブ40のコネクタ42を回転継手に安全に取り付けることができる。このように、静止ファイバと回転可能ファイバの光学的アライメントは、組立て中に1回実行され、新しいプローブを取り付けるたびに行う必要がない。
【0034】
モータ14は、着脱時に所定のFORJコネクタの位置を提供することにより、FORJとプローブの光コネクタとの間のアライメントを容易にするために、エンコーダを含むことが好ましい。エンコーダは、当業者には周知である。FORJでは、光学エンコーダは、内蔵エンコーダであってもよいし、着脱時に所定のコネクタ位置を提供するように戦略的に配置された外部エンコーダであってもよい。
【0035】
なお、モータ14の中空シャフト15のルーメン内に配置された回転光ファイバは、一部の先行技術のようなコリメートビーム用の自由空間光学系媒体ではなく、もっぱらライトガイドとして機能する。回転光ファイバをライトガイドとして実装すると、器具の非使い捨て部分ではアライメントが1回で済むようになり、光学的アライメントの観点から使い捨てプローブへの全ての接続が重要というわけではなくなるので、回転ファイバと静止ファイバの間の重要なアライメントの負荷が軽減される。
【0036】
当業者には当然のことながら、光ファイバは光の伝播に全反射を利用するが、現代の光ファイバ技術では、ファイバの両端間で光伝送を著しく損なうことなく、ファイバを曲げたり直線的にオフセットすることができる。したがって、本開示では、光伝送の最適な結合のために、ファイバは、光の入口点と出口点において正確にアライメントされる必要がある。これは、図3A図3Bに図示されたプロセスによって達成される。一方、自由空間光学系は、光が直線的に伝播することに依存しており、また、光の入口点と出口点の間で非常に精確なアライメントを要する。したがって、モータの中空シャフトの光の入口点と出口点の間に短いスパンのファイバを追加することにより、アライメントの必要性が有利に低減され、ほぼ損失のない光伝送が保証される。
【0037】
動作中、プローブコア40を有するカテーテルその他の管腔内器具が、プローブコアの別の標準LCコネクタ42をLCアダプタ18に挿入することによって、LCコネクタ27に接続される。このように、プローブコア40の近位端は、回転光ファイバアセンブリ20の遠位端に光学的に接続される。四角い外形をもつ標準LCコネクタ42を用いると、LCアダプタ18との容易で信頼性の高い機械的接続が保証される。更に、標準的な部品(標準のLCアダプタ18及びLCコネクタ42)を用いることにより、信頼性の高い光学的接続が立証されるとともに、FORJとプローブコア40の間の回転運動の伝達が簡素化され、プローブコア40と回転光ファイバアセンブリ20の間の光学的アライメントを能動的に確認する必要がない。
【0038】
<例示のイメージングシステム>
は、本開示に係る光ファイバ回転継手100を包含する例示システム300を示す。一例によれば、イメージングコンソール310(システムコンソール)と、使い捨て或いは限定用途の光学プローブ340(例えば内視鏡やカテーテル)とを含む医用イメージングシステム300に対して、FORJ100が適用可能であり得る。患者インタフェースユニット(PIU)320は、ケーブル束314を用いて、光学プローブ340をイメージングコンソール310に接続する。イメージングコンソール310は、とりわけ、コンピュータカート302及び1つ以上のディスプレイ304を含む。コンピュータカート302は、少なくとも1つ以上のプロセッサ、1つ以上の光源(レーザ源)、1つ以上の光検出器等を含むシステムコンポーネント306を包囲する。光学プローブ340は、例えば、プローブコア40を有する光ファイバベースのカテーテルを含み得る。例示のイメージング手技では、イメージングシステム300は、プローブコア40を用いて、患者の心血管体腔等のイメージングサンプル360の画像を取得する。
【0039】
PIU320は、プローブ340とシステムコンソール310の間の主要インタフェースである。PIUは、カテーテルの静止アウターシース内でプローブのイメージングコアを回転させて直線的に並進させる手段を提供する。コンソール310とPIU320は、ケーブル束314によって接続される。ケーブル束314は、電力を送るためのケーブルと、通信信号を送るためのケーブルと、光伝送のための光ファイバ(例えば光ファイバ36)とを、その中に収容する。イメージングシステム300の動作中、PIU320全体が滅菌ドレープで覆われ、患者のベッド又は手術台に置かれることが好ましい。PIU320は、操作可能なボタン321を使用することにより、滅菌野からプローブのイメージング機能を操作するためのユーザインタフェースを提供することができる。このようなボタン321は、システムコンソール310上で提供される他の制御部(例えばディスプレイ304に示されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI))を反映することができる。
【0040】
PIU320は、図示されていないビームコンバイナ、光ファイバ回転継手(FORJ)100、リニアステージを含む運動機構、電子制御盤、制御ボタン及び/又はLEDパネルを含んでよい。図示されるように、FORJ100は、プローブ340のコネクタ42をその中に受けるように構成される。
【0041】
<ソフトウェア関連の開示>
本明細書に開示される例示の実施形態の少なくとも特定の態様は、記憶媒体(「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」と呼ばれる場合もある)に記録されたコンピュータ実行可能命令(例えば1つ以上のプログラム又は実行可能コード)を読み出して実行して、前述した1つ以上のブロック図又はフローチャートの機能を実行するシステム又は装置のコンピュータによって実現することができる。コンピュータは、当業者に知られている各種コンポーネントを含んでよい。例えば、コンピュータは、例えば、コンピュータ実行可能命令を記憶媒体から読み出して実行して、前述した実施形態のうちの1つ以上の機能を実行することにより、かつ/又は、前述した実施形態のうちの1つ以上の機能を実行するための1つ以上の回路を制御することにより、前述した実施形態のうちの1つ以上の機能を実行するための1つ以上の回路(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)や特定用途向け集積回路(ASIC))によって実装される信号プロセッサを含んでよい。コンピュータは、1つ以上のプロセッサ(例えば中央処理装置(CPU)、マイクロ処理ユニット(MPU))を含んでよく、コンピュータ実行可能命令を読み出して実行するための別個のコンピュータ又は別個のプロセッサのネットワークを含んでよい。コンピュータ実行可能命令は、例えばクラウドベースのネットワークから、又は記憶媒体から、コンピュータに提供することができる。記憶媒体は、例えば、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、分散コンピューティングシステムのストレージ、光ディスク(コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)又はBlu-ray Disc(BD)(商標)等)、フラッシュメモリデバイス、メモリカード等のうち1つ以上を含んでよい。コンピュータは、入出力デバイスに対して通信信号(データ)を送受信するために入出力(I/O)インタフェースを含んでよく、入出力デバイスとしては、キーボード、ディスプレイ、マウス、タッチスクリーン、タッチレスインタフェース(例えばジェスチャー認識デバイス)、印刷デバイス、ライトペン、光学式ストレージデバイス、スキャナ、マイクロフォン、カメラ、ドライブ、通信ケーブル及びネットワーク(有線又は無線)が挙げられる。
【0042】
本明細書に開示される新規のFORJは、以下のような、先行技術で知られている従来の回転継手に優るいくつかの技術的利点を提供する。
【0043】
FORJの静止部分と回転部分の間の空隙距離が短くなる。これは、光ビーム伝播のための自由空間媒体として中空シャフトモータの穴を用いる従来技術と比較される。その場合、光は、シャフトの全長にわたって空気中や他の媒体(自由空間光学系)中を進む必要があるので、空隙が長くなってしまう。
【0044】
コストが低く、標準プローブ/カテーテルコアの接続の信頼性が高い。この点に関して、例えば、プローブのファイバコネクタ42を受けるように構成された標準ファイバアダプタ18を有することにより、プローブの接続及び取外しの間のアライメントの必要性が軽減されることが指摘される。
【0045】
部品数が少ないので、コストが低く、信頼性が高い。
【0046】
設計及び組立ての複雑度が低い。例えば、静止ファイバと回転可能ファイバの光学的アライメントは、組立て中に1回実行され、新しいプローブを取り付けるたびに行う必要がない。
【0047】
機械的振動の影響が少ない。
【0048】
<他の実施形態又は変更>
説明に言及する際、開示する例を完全に理解できるようするために、具体的な詳細が記載される。他の例では、本開示を不必要に長くしないように、周知の方法、手順、コンポーネント及び回路は、詳細には説明されない。本明細書において別段の定義がされない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。その点に関して、本開示の広さ及び範囲は、明細書又は図面によって限定されるのではなく、むしろ、採用される特許請求の範囲の用語の平易な意味によってのみ限定される。
【0049】
図面に示された例示の実施形態を説明する際、分かりやすくするために、具体的な専門用語が使用される。しかしながら、本特許明細書の開示はそのように選択された具体的な専門用語に限定されることを意図するものではなく、当然ながら、具体的な要素の各々は、同様に機能する技術的な均等物を全て含む。したがって、以下の特許請求の範囲は、そのような変更並びに均等の構造及び機能を全て包含するように、最も広い解釈が与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4