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特許7411725電池用カバーアセンブリ及び電池デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】電池用カバーアセンブリ及び電池デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20231228BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20231228BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20231228BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20231228BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20231228BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20231228BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20231228BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20231228BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/536
H01M50/55 101
H01M50/586
H01M50/593
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022089600
(22)【出願日】2022-06-01
(65)【公開番号】P2022186653
(43)【公開日】2022-12-15
【審査請求日】2022-06-01
(31)【優先権主張番号】202110618699.8
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522218301
【氏名又は名称】格力▲たい▼新能源股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】徐徳雷
(72)【発明者】
【氏名】李海軍
(72)【発明者】
【氏名】程阿鴻
(72)【発明者】
【氏名】▲せん▼世英
(72)【発明者】
【氏名】▲らい▼信華
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼賽君
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-087612(JP,A)
【文献】特開2014-216302(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1134122(KR,B1)
【文献】独国特許出願公開第102018132179(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02343752(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-50/198
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップカバー(40)と、
前記トップカバー(40)に設置され、導電用の極柱(51)を含む導電構造(50)と、
その第1端が前記極柱(51)に電気的に接続され、その第2端が電池セル(20)のタブ(22)に電気的に接続され、その第2端に取付穴(14)が設けられる接続構造(10)と、
前記タブ(22)が前記接続構造(10)にロックされるように、前記タブ(22)に貫設されかつ前記取付穴(14)に固定的に接続されるロック部材(31)を含むロック構造(30)と、を含み、
前記接続構造(10)は、接続されている第1接続部材(11)及び第2接続部材(12)を含み、前記第1接続部材(11)と前記第2接続部材(12)との間に夾角を備え、前記第1接続部材(11)が前記第1端を形成し、前記第2接続部材(12)が前記第2端を形成し、
前記接続構造(10)は更に、前記第1接続部材(11)に設置される接続溝(15)を含み、前記接続溝(15)は前記第1接続部材(11)の前記極柱(51)から離れる片側に位置する
ことを特徴とする電池用カバーアセンブリ。
【請求項2】
前記第1接続部材(11)と前記第2接続部材(12)はいずれも所定の厚さを有する導電部材を含む
ことを特徴とする請求項に記載の電池用カバーアセンブリ。
【請求項3】
前記第2接続部材(12)の少なくとも片側に前記タブ(22)を取り付けるための凹溝(13)が設けられる
ことを特徴とする請求項に記載の電池用カバーアセンブリ。
【請求項4】
前記ロック部材(31)は、ロック本体(311)と、前記ロック本体(311)に接続されるエンドキャップ(312)を含み、前記ロック本体(311)の直径が前記エンドキャップ(312)の直径より小さく、かつ前記ロック本体(311)と前記エンドキャップ(312)との間に第1段差面を備え、前記ロック本体(311)が前記取付穴(14)に接続され、又は前記接続構造(10)の第2接続部材(12)と前記タブ(22)が溶接によって接続される
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の電池用カバーアセンブリ。
【請求項5】
前記ロック構造(30)は更に、クランプ(32)を含み、前記クランプ(32)に、前記取付穴(14)に対応する第1組立貫通穴(33)が設けられ、一部の前記ロック部材(31)が前記第1組立貫通穴(33)及び前記タブ(22)を貫通した後に前記取付穴(14)にリベット締め又はねじ接続される
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の電池用カバーアセンブリ。
【請求項6】
前記第1組立貫通穴(33)は連通している第1穴部(331)及び第2穴部(332)を含み、前記第1穴部(331)の直径が前記第2穴部(332)の直径より小さく、前記第1穴部(331)と前記第2穴部(332)との間に第2段差面を備え、前記ロック部材(31)の第1段差面が前記第2段差面に当接される
ことを特徴とする請求項に記載の電池用カバーアセンブリ。
【請求項7】
前記トップカバー(40)に第1取付貫通穴(41)が設けられ、前記極柱(51)は基板(511)と、前記基板(511)に設置される柱本体(512)と、を含み、少なくとも一部の前記柱本体(512)が前記第1取付貫通穴(41)内に位置し、前記基板(511)が前記接続構造(10)の第1接続部材(11)に固定的に接続される
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の電池用カバーアセンブリ。
【請求項8】
前記電池用カバーアセンブリは更に、前記第1取付貫通穴(41)の内壁面と前記柱本体(512)の円周方向側壁との間に位置するシール部材(60)を含む
ことを特徴とする請求項に記載の電池用カバーアセンブリ。
【請求項9】
前記電池用カバーアセンブリは更に、前記トップカバー(40)に接続される仕切板(70)を含み、前記仕切板(70)は前記トップカバー(40)と前記基板(511)との間に位置し、かつ前記仕切板(70)に、前記第1取付貫通穴(41)に対応する、前記柱本体(512)を通過させるための第2取付貫通穴(72)が設けられる
ことを特徴とする請求項に記載の電池用カバーアセンブリ。
【請求項10】
前記導電構造(50)は更に、
前記トップカバー(40)に接続され、前記第1取付貫通穴(41)に対応する第3取付貫通穴(53)が設けられる第3接続部材(52)と、
前記第3接続部材(52)に接続され、前記第3接続部材(52)が前記トップカバー(40)と極板(54)との間に位置し、前記極板(54)に前記第1取付貫通穴(41)に対応する第4取付貫通穴(55)が設けられ、前記柱本体(512)が前記第2取付貫通穴(72)、前記第1取付貫通穴(41)及び前記第3取付貫通穴(53)を順次貫通した後に前記第4取付貫通穴(55)の内壁面に接続される極板(54)と、を含む
ことを特徴とする請求項に記載の電池用カバーアセンブリ。
【請求項11】
前記第3接続部材(52)の前記極板(54)に向かう片側に位置決め突起(56)が設けられ、前記極板(54)に位置決め穴(57)が設けられ、前記位置決め穴(57)が前記位置決め突起(56)に嵌合され、又は、前記第3接続部材(52)の前記トップカバー(40)に向かう片側に位置決め突起(56)が設けられ、前記トップカバー(40)に位置決め穴(57)が設けられ、前記位置決め穴(57)が前記位置決め突起(56)に嵌合される
ことを特徴とする請求項1に記載の電池用カバーアセンブリ。
【請求項12】
電池セル(20)と、前記電池セル(20)に接続される請求項1~のいずれか一項に記載の電池用カバーアセンブリと、を含み、前記電池セル(20)は、コア(21)と、前記コア(21)に接続されるタブ(22)と、を含み、前記タブ(22)が前記接続構造(10)及び前記ロック構造(30)を介して前記極柱(51)に接続される
ことを特徴とする電池デバイス。
【請求項13】
前記電池デバイスは2つの前記電池セル(20)を含み、前記接続構造(10)の第2接続部材(12)の対向する両側にいずれも凹溝(13)が設けられ、2つの前記凹溝(13)が2つの前記電池セル(20)に対応して設置され、前記電池セル(20)のタブ(22)が前記ロック構造(30)を介して前記第2接続部材(12)に接続され、又は、前記タブ(22)に、前記取付穴(14)に対応する第2組立貫通穴(23)が設けられ、前記ロック部材(31)が前記第2組立貫通穴(23)を貫通した後に前記取付穴(14)に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の電池デバイス。
【請求項14】
前記電池セル(20)、前記接続構造(10)及び前記ロック構造(30)が内部に封止されるように、前記電池デバイスは更に前記トップカバー(40)に接続される筐体(80)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電池デバイス。
【請求項15】
前記電池デバイスは更に、前記電池用カバーアセンブリの仕切板(70)に接続される保護ブラケット(81)を含み、前記保護ブラケット(81)は前記筐体(80)内に位置し、かつ前記保護ブラケット(81)はブラケット本体と、前記電池セル(20)を収容するための収容室と、を含み、かつ前記ブラケット本体に、行列に配置される、前記収容室に連通する複数の放熱穴が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の電池デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウム電池技術分野に関し、具体的には、電池用カバーアセンブリ及び電池デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー業界の絶えぬ発展に伴い、リチウムイオン電池もますます広く応用され、例えばリチウムイオン電池は通常、デジタル製品、電気自動車及びエネルギー貯蔵・充電システムに使用されている。リチウムイオン電池は筐体、カバーアセンブリ、電池セル、電解質及びその他の補助的な接続部材で構成される。カバーアセンブリは、筐体と密閉室を形成することで密閉の役割を担い、空気内の水分及びその他の不純物が電池内部に入ることを防止する以外に、電池セルと接続する必要があり、一般的には、カバーアセンブリの極柱が電池セルのタブと直接的又は間接的に接続されることで、閉じた導電パスを形成する。
【0003】
従来技術では、タブと極柱は一般的に軟質接続構造によって接続され、軟質接続構造は一般的に一層又は複数層の薄い異なる形状の導電シートで構成される。軟質接続の一端をタブに直接接続し、軟質接続の他端を極柱に直接溶接することで、電池内部に閉じた導電パスを形成することができるが、軟質接続とタブが面接触となっており、かつ軟質接続構造とタブとの間に隙間が生じやすいため、このように直接溶接すると、爆発点や溶接漏れ、コールドジョイントなどの問題が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、電池用カバーアセンブリ及び電池デバイスを提供することにより、電池用カバーアセンブリの接続構造がその後のタブと溶接する際に生じやすい爆発点や溶接漏れ、コールドジョイントなどの従来技術における問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明の一態様によれば、電池用カバーアセンブリを提供し、トップカバーと、トップカバーに設置され、導電用の極柱を含む導電構造と、その第1端が極柱に電気的に接続され、その第2端が電池セルのタブに電気的に接続され、その第2端に取付穴が設けられる接続構造と、タブが接続構造にロックされるように、タブに貫設されかつ取付穴に固定的に接続されるロック部材を含むロック構造と、を含む。
【0006】
更に、接続構造は、接続されている第1接続部材及び第2接続部材を含み、第1接続部材と第2接続部材との間に夾角を備え、第1接続部材が第1端を形成し、第2接続部材が第2端を形成する。
【0007】
更に、第1接続部材と前記第2接続部材はいずれも所定の厚さを有する導電部材を含む。
【0008】
更に、第2接続部材の少なくとも片側に、タブを取り付けるための凹溝が設けられる。
【0009】
更に、接続構造は更に、第1接続部材に設置される接続溝を含み、接続溝は第1接続部材の極柱から離れる片側に位置する。
【0010】
更に、ロック部材は、ロック本体と、ロック本体に接続されるエンドキャップを含み、ロック本体の直径がエンドキャップの直径より小さく、かつロック本体とエンドキャップとの間に第1段差面を備え、ロック本体が取付穴に接続され、又は接続構造の第2接続部材とタブが溶接によって接続される。
【0011】
更に、ロック構造は更に、クランプを含み、クランプに、取付穴に対応する第1組立貫通穴が設けられ、一部のロック部材が第1組立貫通穴及びタブを貫通した後に取付穴にリベット締め又はねじ接続される。
【0012】
更に、第1組立貫通穴は連通している第1穴部及び第2穴部を含み、第1穴部の直径が第2穴部の直径より小さく、第1穴部と第2穴部との間に第2段差面を備え、ロック部材の第1段差面が第2段差面に当接される。
【0013】
更に、トップカバーに第1取付貫通穴が設けられ、極柱は基板と、基板に設置される柱本体とを含み、少なくとも一部の柱本体が第1取付貫通穴内に位置し、基板が接続構造の第1接続部材に固定的に接続される。
【0014】
更に、電池用カバーアセンブリは更に、第1取付貫通穴の内壁面と柱本体の円周方向側壁との間に位置するシール部材を含む。
【0015】
更に、電池用カバーアセンブリは更に、トップカバーに接続される仕切板を含み、仕切板はトップカバーと基板との間に位置し、かつ仕切板に、第1取付貫通穴に対応する、柱本体を通過させるための第2取付貫通穴が設けられる。
【0016】
更に、導電構造は更に、トップカバーに接続され、第1取付貫通穴に対応する第3取付貫通穴が設けられる第3接続部材と、第3接続部材に接続され、第3接続部材がトップカバーと極板との間に位置し、極板に第1取付貫通穴に対応する第4取付貫通穴が設けられ、柱本体が第2取付貫通穴、第1取付貫通穴及び第3取付貫通穴を順次貫通した後に第4取付貫通穴の内壁面に接続される極板と、を含む。
【0017】
更に、第3接続部材の極板に向かう片側に位置決め突起が設けられ、極板に位置決め穴が設けられ、位置決め穴が位置決め突起に嵌合され、又は、第3接続部材のトップカバーに向かう片側に位置決め突起が設けられ、トップカバーに位置決め穴が設けられ、位置決め穴が位置決め突起に嵌合される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、本発明は電池デバイスを提供し、電池セルと、電池セルに接続される上記の電池用カバーアセンブリと、を含み、電池セルは、コアと、コアに接続されるタブと、を含み、タブが接続構造及びロック構造を介して極柱に接続される。
【0019】
更に、電池デバイスは2つの電池セルを含み、接続構造の第2接続部材の対向する両側にいずれも凹溝が設けられ、2つの凹溝が2つの電池セルに対応して設置され、電池セルのタブがロック構造を介して第2接続部材に接続され、又は、タブに、取付穴に対応する第2組立貫通穴が設けられ、ロック部材が第2組立貫通穴を貫通した後に取付穴に接続される。
【0020】
更に、電池セル、接続構造及びロック構造が筐体内に封止されるように、電池デバイスは更にトップカバーに接続される筐体を含む。
【0021】
更に、電池デバイスは更に、電池用カバーアセンブリの仕切板に接続される保護ブラケットを含み、保護ブラケットは筐体内に位置し、かつ保護ブラケットはブラケット本体と、電池セルを収容するための収容室と、を含み、かつブラケット本体に、行列に配置される、収容室に連通する複数の放熱穴が設けられる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の技術案を利用し、接続構造とロック構造を設置し、かつ接続構造の第1端を極柱に接続し、ロック構造を介して接続構造の第2端を電池セルのタブに接続することで、接続構造及びロック構造を介して電池セルのタブを電池用カバーアセンブリの極柱に接続させることができ、かつロック構造により接続構造をタブに緊密に嵌合させることができ、接続構造とタブとの間の隙間を回避し、それにより接続構造がその後タブと溶接する際に生じやすい爆発点や溶接漏れ、コールドジョイントなどの問題を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本願の一部を構成する明細書の図面は、本発明を更なに理解するために提供され、本発明の例示的な実施例及びそれらの説明は、本発明を解釈するために使用されるが、本発明を不当に限定するものを構成しない。図面中、
【0024】
図1】本発明の実施例に係る電池用カバーアセンブリの構造を示す概略図である。
図2図1の電池用カバーアセンブリの分解構造を示す概略図である。
図3】本発明の実施例に係る電池デバイスの分解構造を示す概略図である。
図4図3の電池デバイスの電池用カバーアセンブリ及び電池セルの接続構造を示す概略図である。
図5図3の電池デバイスの電池セル、接続構造及びロック構造の組立後の構造を示す概略図である。
図6図3の電池デバイスの接続構造及びロック構造の分解構造を示す概略図である。
図7図6の接続構造及びロック構造の三次元構造を示す概略図である。
【符号の説明】
【0025】
そのうち、上記図面に以下の図面符号が含まれる。
10 接続構造、11 第1接続部材、12 第2接続部材、13 凹溝、14 取付穴、15 接続溝、20 電池セル、21 コア、22 タブ、23 第2組立貫通穴、30 ロック構造、31 ロック部材、311 ロック本体、312 エンドキャップ、32 クランプ、33 第1組立貫通穴、331 第1穴部、332 第2穴部、40 トップカバー、41 第1取付貫通穴、50 導電構造、51 極柱、511 基板、512 柱本体、52 第3接続部材、53 第3取付貫通穴、54 極板、55 第4取付貫通穴、56 位置決め突起、57 位置決め穴、60 シール部材、70 仕切板、72 第2取付貫通穴、80 筐体、81 保護ブラケット、82 絶縁膜。
【発明を実施するための形態】
【0026】
なお、矛盾が生じない限り、本願の実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることが可能である。以下、図面を参照しながら、実施例を踏まえて本発明を詳しく説明する。
【0027】
なお、新エネルギー自動車業界及びエネルギー貯蔵システムでは、電力用電池の急速充電の倍率に関する要求が高まっており、実際の応用において、高エネルギー密度電池により電気自動車の走行距離を向上させることができ、電池の急速充電の倍率性能により充電時間を短縮することができるため、急速充電性能と高エネルギー密度は非常に重要な意義を持っている。高倍率型のリチウムイオン電池は、新エネルギー自動車の充電時間を短縮することができ、新エネルギー自動車の普及及び応用においてかけがえのない役割を果たしている。
【0028】
しかし、高倍率型のリチウムイオン電池には放熱能力が低く、過電流能力が低いという問題がある。具体的には、電池は急速充電又は急速放電の過程において大量の熱が発生し、熱が放熱されないと、電池内部の電解液、SEI膜(固体電解質界面)の分解、電解液と正・負極との化学反応などの現象が起こり、リチウムイオン電池が熱暴走して、その電気化学的性能と安全性能に影響を与え、深刻な場合は電池が爆発して、生命・財産の安全を脅かすことがある。電池の急速充電又は急速放電の過程において大電流が接続構造に流れ、接続構造の過電流容量が不十分な場合、接続構造が高温の下で失効し又は溶断され、電池安全問題を引き起こし、深刻な結果をもたらす。上記問題に対し、本発明の実施例は高い放熱能力及び高い電流負荷能力を有する電池用カバーアセンブリ及び電池デバイスを提供する。
【0029】
なお、本発明の実施例に係る電池用カバーアセンブリは、電池の電流負荷能力を向上させることができるとともに、電池の放熱能力を改善することができる。
【0030】
なお、本発明の実施例に係る電池用カバーアセンブリは、チタン酸リチウム角型アルミケース電池やリン酸鉄リチウム角型アルミケース電池などの角型リチウム電池に使用される。
【0031】
なお、本発明の実施例に係る電池用カバーアセンブリの接続構造とタブとの間はリベット締めした後にレーザー溶接するという接続方式を用いることで、従来の超音波溶接効率が低く、電池セル20のタブ22を破壊しやすいという問題を回避することができ、更に電池の生産効率を向上させることができ、従って大量生産のための基盤を定める。
【0032】
発明者で知られる高倍率の大電流充放電の使用条件に適応するための接続構造では、一般的に単層の軟質接続構造を多層の軟質接続構造に変え、かつ各層の軟質接続の厚さを薄くし、軟質接続構造の層数を増加させることで、過電流の負荷能力をある程度増加させることが可能になったが、多層の軟質接続構造の層間に隙間があるため、軟質接続構造をそれぞれタブや極柱に溶接する際に、爆発点、コールドジョイントなどの不良溶接現象が発生し、この他、多層の軟質接続構造の層間の隙間も電子の伝導を遅くし、電池の使用性能に影響を与え、安全上の問題を引き起こす。
【0033】
これにより、図1及び図6に示すように、本発明の実施例は電池用カバーアセンブリを提供する。電池用カバーアセンブリは、トップカバー40、導電構造50、接続構造10及びロック構造30を含む。導電構造50がトップカバー40に設置され、導電構造50が導電用の極柱51を含み、接続構造10の第1端が極柱51に電気的に接続され、接続構造10の第2端が電池セル20のタブ22に電気的に接続され、接続構造10の第2端に取付穴14が設けられ、ロック構造30はロック部材31を含み、タブ22が接続構造10にロックされるように、ロック部材31がタブ22に貫設されかつ取付穴14に固定的に接続される。
【0034】
上記技術案では、接続構造10とロック構造30を設置し、かつ接続構造10の第1端を極柱51に接続し、ロック構造30を介して接続構造10の第2端を電池セル20のタブ22に接続することで、接続構造10及びロック構造30を介して電池セル20のタブ22を極柱51に接続させることができ、かつロック構造30により接続構造10をタブ22に緊密に嵌合させることができ、接続構造10とタブ22との間の隙間を回避し、従って接続構造10がその後タブ22と溶接する際に生じやすい爆発点や溶接漏れ、コールドジョイントなどの問題を回避する。
【0035】
具体的には、本発明の実施例では、ロック部材31がタブ22を貫通しかつ取付穴14に接続されることで、タブ22を接続構造10にロックすることができ、従って電流がタブ22から接続構造10に流れ、極柱51に流れることができる。
【0036】
好ましくは、本発明の実施例では、取付穴14はパンチ穴であり、勿論、図面に図示されていない代替の実施例では、取付穴14はねじ穴であってもよい。
【0037】
図1及び図2に示すように、本発明の実施例では、接続構造10は、接続されている第1接続部材11及び第2接続部材12を含み、第1接続部材11と第2接続部材12との間に夾角を備え、第1接続部材11が第1端を形成し、第2接続部材12が第2端を形成する。
【0038】
上記設置により、第1接続部材11と第2接続部材12がL型の接続構造を構成することができ、これにより接続構造10は角型電池に適用することができる。上記構造はシンプルで、組み立てやすい。
【0039】
好ましくは、本発明の実施例では、第1接続部材11と第2接続部材12との間の夾角は90°である。勿論、図面に図示されていない代替の実施例では、第1接続部材11と第2接続部材12との間の夾角は他の角度であってもよく、極柱51とタブ22を第1接続部材11と第2接続部材12によって接続することができればよい。
【0040】
なお、本発明の実施例に係る電池用カバーアセンブリは角型電池に適用され、かつ接続構造10の形状はそれに応じてL型に設置される。勿論、図面に図示されていない代替の実施例では、接続構造10の形状は他の形状であってもよく、極柱51とタブ22を接続することができればよい。
【0041】
好ましくは、本発明の実施例では、第1接続部材11と第2接続部材12はいずれもブロック状の接続部材であり、これにより、接続構造10の断面積を増加させることができ、それにより接続構造10の過電流能力を高めることができ、従って電池用カバーアセンブリが高倍率と大電流充放電の使用条件に適応することができる。
【0042】
具体的には、本発明の実施例では、第2接続部材12がロック部材31を介してタブ22に接続された後、更にタブ22と第2接続部材12を溶接することができ、これにより、少なくとも一部の第2接続部材12とタブ22が溶接シームによって接続され(即ち、少なくとも一部の第2接続部材12とタブ22が一体構造を形成することができる)、従って電流を溶接シームから極柱51に伝導し、電池の電流負荷能力を高めることができる。更に、タブ22と第2接続部材12をレーザー溶接することで、タブ22と第2接続部材12との間の接触面積を削減し、少なくとも一部の第2接続部材12とタブ22が溶接シームによって接続されるようになり(即ち、少なくとも一部の第2接続部材12とタブ22が一体構造を形成することができる)、これにより第2接続部材12とタブ22との間の接触抵抗を低減させ、導電過程において熱の発生を低減させ、電池の放熱能力を改善することができる。
【0043】
好ましくは、本発明の実施例では、第2接続部材12とタブ22との間の接続方式はリベット締め又はねじ接続又は溶接などであってもよい。本実施例では、好ましくはリベット締めした後に溶接する。
【0044】
好ましくは、本発明の実施例では、上記溶接はレーザー溶接の方式を用い、即ち一定のパワーのレーザーを利用してタブ22と第2接続部材12を溶接する。
【0045】
なお、本発明の実施例では、リベット締めされたタブ22の図5の左右方向における長さが第2接続部材12の幅より大きい場合、タブ22の長さを第2接続部材12の幅と等しくなるように切ってからレーザー溶接する。
【0046】
好ましくは、本発明の実施例では、接続構造10は金属アルミニウムからなる。勿論、代替の実施例では、接続構造10は金属銅などの導電性材料からなってもよい。又は、正極柱に接続される接続構造10は金属アルミニウムからなり、負極柱に接続される接続構造10は金属銅からなる。
【0047】
図7に示すように、本発明の実施例では、第1接続部材11と前記第2接続部材12はいずれも所定の厚さを有する導電部材を含む。
【0048】
上記技術案では、接続構造10の第1接続部材11が極柱51に接続され、接続構造10の第2接続部材12がロック構造30を介してタブ22に接続され、このように、電池セル20のタブ22が接続構造10及びロック構造30を介して極柱51に接続することができ、かつ第1接続部材11及び第2接続部材12がいずれも所定の厚さを有する導電部材を含み、これにより接続構造10の断面積を増加させ、接続構造10の過電流能力を高め、従ってタブ22と極柱51との間の過電流面積を大きくすることができ、これにより電池の電流負荷能力を高め、軟質接続構造を用いる電池では電流負荷能力が不足するという従来技術における問題を解決する。
【0049】
好ましくは、本発明の実施例では、導電部材の所定の厚さの範囲は3mm~15mmである。
【0050】
図1図4及び図6に示すように、本発明の実施例では、第2接続部材の少なくとも片側に、タブ22を取り付けるための凹溝13が設けられる。
【0051】
上記設置により、タブ22を凹溝13内に取り付けることができ、かつロック部材31がタブ22を凹溝13内にロックすることで、タブ22の片側が凹溝13の底壁と緊密に貼り付けられ、これにより電流をより良くタブ22によって第2接続部材12に伝導し、続いて極柱51に伝導することができる。
【0052】
図2及び図7に示すように、本発明の実施例では、接続構造10は更に第1接続部材11に設置される接続溝15を含み、接続溝15は第1接続部材11の極柱51から離れる片側に位置する。
【0053】
上記設置により、第1接続部材11は接続溝15を介して極柱51と溶接することができ、かつ接続溝15は第1接続部材11の極柱51から離れる片側に位置することで、第1接続部材11と極柱51との間の緊密な接続を保証し、第1接続部材11と極柱51に隙間が生じて溶接の効果に影響を与えることを回避し、それによりコールドジョイント又は溶接漏れの問題が発生して電池の性能に影響を与えることを回避する。
【0054】
図5及び図6に示すように、本発明の実施例では、ロック構造30は更にクランプ32を含み、クランプ32に、取付穴14に対応する第1組立貫通穴33が設けられ、一部のロック部材31が第1組立貫通穴33及びタブ22を貫通した後に取付穴14にリベット締め又はねじ接続される。
【0055】
上記技術案では、クランプ32の設置により、タブ22を第2接続部材12に圧着し、かつクランプ32でタブをカバーすることができ、これにより、ロック部材31がより均一な力でタブ22に作用し、それによりタブ22全体がいずれも第2接続部材12と緊密に接触し、タブ22と第2接続部材12との間の隙間を回避し、第2接続部材12がその後タブ22と溶接する際に生じやすい爆発点や溶接漏れ、コールドジョイントなどの問題を回避することができると同時に、タブ22と第2接続部材12との間の接触面積を増加させ、タブ22と第2接続部材12との間の隙間を回避し、電流の流れをより良くし、電池の電流負荷能力を高め、高倍率電池の充放電に役立ち、従って電池用カバーアセンブリが高倍率型のリチウムイオン電池に適用できる。
【0056】
具体的には、本発明の実施例では、第2接続部材12の少なくとも片側に凹溝13が設けられ、ロック構造30は少なくとも1つのクランプ32を含み、クランプ32が凹溝13に対応して設置される。
【0057】
好ましくは、本発明の実施例では、第1組立貫通穴33はパンチ穴である。
【0058】
図6に示すように、本発明の実施例では、ロック部材31は、ロック本体311と、ロック本体311に接続されるエンドキャップ312を含み、ロック本体311の直径がエンドキャップ312の直径より小さく、かつロック本体311とエンドキャップ312との間に第1段差面を備え、ロック本体311が取付穴14に接続される。
【0059】
上記設置により、ロック本体311が第2接続部材12の取付穴14に接続することができ、かつエンドキャップ312が一部のクランプ32に当接され、これにより、クランプ32でタブ22をクランプ32と第2接続部材12との間に圧着することで、タブ22と第2接続部材12との間の接触面積を増加させ、タブ22と第二接続部材12との間の隙間を回避し、従って第2接続部材12がその後タブ22と溶接する際に生じやすい爆発点や溶接漏れ、コールドジョイントなどの問題を回避することができ、更に、電流の流れをより良くし、電池の電流負荷能力を高めることができる。
【0060】
好ましくは、本発明の実施例では、ロック部材31はリベットである。勿論、図面に図示されていない代替の実施例では、ロック部材31はねじ又はピン軸などの導電できる固定部材であってもよく、ロック部材31を取付穴14と嵌合させ、かつタブ22とクランプ32を第2接続部材12にロックすることができればよい。
【0061】
好ましくは、本発明の実施例では、ロック構造30は少なくとも1組のロック部材31を含み、ロック部材31の組数はタブ22の個数と対応して設置される。1組のロック部材31は複数のロック部材31を含んでもよく、複数のロック部材31は複数の取付穴14に対応して設置される。
【0062】
具体的には、本発明の実施例では、接続構造10の第2接続部材12とタブ22はロック構造30を介して接続された後に溶接を介して接続される。
【0063】
図6に示すように、本発明の実施例では、第1組立貫通穴33は連通している第1穴部331及び第2穴部332を含み、第1穴部331の直径が第2穴部332の直径より小さく、第1穴部331と第2穴部332との間に第2段差面を備え、ロック部材31の第1段差面が第2段差面に当接される。
【0064】
上記設置により、ロック本体311が第2穴部332、第1穴部331及びタブ22を貫通した後に取付穴14に接続され、エンドキャップ312の少なくとも一部が第2穴部332内に位置し、かつ第1段差面が第2段差面に当接され、これにより、ロック部材31はクランプ32とタブ22とを第2接続部材12にロックすることができる。
【0065】
図2に示すように、本発明の実施例では、トップカバー40に第1取付貫通穴41が設けられ、極柱51は基板511と、基板511に設置される柱本体512とを含み、少なくとも一部の柱本体512が第1取付貫通穴41内に位置し、基板511が接続構造10の第1接続部材11に固定的に接続される。
【0066】
上記技術案では、基板511の設置により極柱51と第1接続部材11との接触面積を増加させることができ、かつ基板511と第1接続部材11をより容易に溶接し、更に接続構造10と極柱51との間の過電流能力を高めることができる。
【0067】
好ましくは、本発明の実施例では、極柱51は正極柱と負極柱を含む。好ましくは、トップカバー40に、正負極柱に対応して設置される2つの第1取付貫通穴41が設けられる。
【0068】
好ましくは、本発明の実施例では、正極柱と負極柱はいずれもアルミニウム材料からなる。勿論、代替の実施例では、正極柱と負極柱は他の導電性材料からなってもよい。
【0069】
図2に示すように、本発明の実施例では、電池用カバーアセンブリは更に、第1取付貫通穴41の内壁面と柱本体512の円周方向側壁との間に位置するシール部材60を含む。
【0070】
上記設置により、シール部材60は極柱51と第1取付貫通穴41との間の隙間を密閉することができ、これにより、電池内部の電解液の漏出を回避すると同時に、空気内の水分と不純物が電池内部に入ることを回避することができる。
【0071】
好ましくは、本発明の実施例では、電池用カバーアセンブリは、正負極柱に対応して設置される2つのシール部材60を含む。
【0072】
好ましくは、本発明の実施例では、シール部材60はフッ素ゴム材質を用いる。
【0073】
図1及び図2に示すように、本発明の実施例では、電池用カバーアセンブリは更に、トップカバー40に接続される仕切板70を含み、仕切板70はトップカバー40と基板511との間に位置し、かつ仕切板70に、第1取付貫通穴41に対応する、柱本体512を通過させるための第2取付貫通穴72が設けられる。
【0074】
上記設置により、仕切板70はトップカバー40と基板511を仕切ることができ、これにより、基板511とトップカバー40との直接接触を防止し、絶縁の役割を果たし、トップカバー40が正極柱と負極柱を連通させることを回避することができる。
【0075】
図2に示すように、本発明の実施例では、導電構造50は更に、第3接続部材52と極板54を含む。第3接続部材52がトップカバー40に接続され、第3接続部材52に、第1取付貫通穴41に対応する第3取付貫通穴53が設けられ、極板54が第3接続部材52に接続され、第3接続部材52がトップカバー40と極板54との間に位置し、極板54に、第1取付貫通穴41に対応する第4取付貫通穴55が設けられ、柱本体512が第2取付貫通穴72、第1取付貫通穴41及び第3取付貫通穴53を順次貫通した後に第4取付貫通穴55の内壁面に接続される。
【0076】
上記技術案では、極板54は電源又は電気装置に接続することができ、これにより電池の充放電ができる。
【0077】
具体的には、本発明の実施例では、導電構造50は、正極柱及び負極柱に対応して設置される正極板、負極板及び2つの第3接続部材52を含み、これにより2つの第3接続部材52が2つの極板54とトップカバー40を仕切ることができ、従って、正極板と負極板がトップカバー40を介して電気的に連通することを回避することができる。
【0078】
好ましくは、本発明の実施例では、正極板と負極板はいずれもアルミニウム材料からなる。勿論、代替の実施例では、正極板と負極板は他の導電性材料からなってもよい。
【0079】
好ましくは、本発明の実施例では、正極板に対応する第3接続部材52は絶縁材料からなり、好ましくはPP(ポリプロピレン)、PPS(Polyphenylene Sulphide)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)及びPET(ポリエステル樹脂)などの絶縁材料の1つであり、負極板に対応する第3接続部材52は導電性材料からなり、好ましくはステンレス鋼材料である。
【0080】
好ましくは、本発明の実施例では、クリープ距離(creepage distance)を長くすることができるように、正極板に対応する第3接続部材52は接続ブロックの構造を用いる。
【0081】
図2に示すように、本発明の実施例では、第3接続部材52の極板54に向かう片側に位置決め突起56が設けられ、極板54に位置決め穴57が設けられ、位置決め穴57が位置決め突起56に嵌合される。
【0082】
上記設置により、極板54を第3接続部材52に正確に組み立てることができ、これにより、第3接続部材52における第3取付貫通穴53と極板54における第4取付貫通穴55との同軸設置を確保することができ、従って柱本体512がより良く第3取付貫通穴53を貫通した後に第4取付貫通穴55に接続することができる。
【0083】
図2に示すように、本発明の実施例では、第3接続部材52のトップカバー40に向かう片側に位置決め突起56が設けられ、トップカバー40に位置決め穴57が設けられ、位置決め穴57が位置決め突起56に嵌合される。
【0084】
上記設置により、第3接続部材52をトップカバー40に正確に組み立てることができ、これにより、第3接続部材52における第3取付貫通穴53とトップカバー40における第1取付貫通穴41との同軸設置を確保することができ、従って柱本体512がより良く第1取付貫通穴41を貫通した後に第3取付貫通穴53を貫通することができる。
【0085】
図3に示すように、本発明の実施例は電池デバイスを提供する。電池デバイスは電池セル20と、電池セル20に接続される上記の電池用カバーアセンブリとを含み、電池セル20は、コア21と、コア21に接続されるタブ22とを含み、タブ22が接続構造10及びロック構造30を介して極柱51に接続される。上記電池デバイスは上記電池用カバーアセンブリのすべての利点を有するため、ここで説明を省略する。
【0086】
図5に示すように、本発明の実施例では、電池セル20はコア21に接続される2つのタブ22を含み、電池用カバーアセンブリは2つの接続構造10を含み、各タブ22がロック構造30を介して対応する第2接続部材12に接続される。
【0087】
上記設置により、1つの電池用カバーアセンブリのロック構造30と接続構造10が1つのタブ(例えば正極タブ)と1つの極柱51(例えば正極柱)を接続することができ、もう1つの電池用カバーアセンブリのロック構造30と接続構造10がもう1つのタブ(例えば負極タブ)ともう1つの極柱(例えば負極柱)を接続することができ、それにより1つの導電パスを形成することができる。
【0088】
好ましくは、本発明の実施例では、電池セル20は巻線型電池セルであり、その材料は三元リチウム又はチタン酸リチウムである。
【0089】
図3図5及び図6に示すように、本発明の実施例では、電池デバイスは2つの電池セル20を含み、接続構造10の第2接続部材12の対向する両側にいずれも凹溝13が設けられ、2つの凹溝13が2つの電池セル20に対応して設置され、電池セル20のタブ22がロック構造30を介して第2接続部材12に接続される。
【0090】
上記設置により、1つの接続構造10が2つの電池セル20の同じ極性のタブ22を接続することができ、従って2つの電池セル20を並列設置させることができ、これにより、電池デバイスの内部抵抗を元の50%まで下げることができ、従って同じ電力量で電池デバイスの熱発生を少なくさせることができ、電池デバイスの電気化学的性能の向上に役立つ。
【0091】
具体的には、図3に示すように、本発明の実施例では、タブ22に、取付穴14に対応する第2組立貫通穴23が設けられ、ロック部材31が第2組立貫通穴23を貫通した後に取付穴14に接続される。
【0092】
好ましくは、本発明の実施例では、その後の接続構造10とのリベット締めに備えることができるように、第2組立貫通穴23はパンチ穴である。
【0093】
好ましくは、本発明の実施例では、タブ22の接続構造10への組立過程においてパンチマシンを利用してタブ22を整形することで、タブ22の表面をより平坦にさせ、それによりタブ22と接続構造10をより良く接触させる。
【0094】
好ましくは、本発明の実施例では、第1組立貫通穴33、第2組立貫通穴23及び取付穴14は同軸に設置される。
【0095】
図3に示すように、本発明の実施例では、電池セル20、接続構造10及びロック構造30が筐体80内に封止されるように、電池デバイスは更にトップカバー40に接続される筐体80を含む。
【0096】
上記設置により、電池デバイスの内部の電解液の漏出を防止するか又は空気内の水分と不純物が電池内部に入ることを回避することができる。
【0097】
好ましくは、本発明の実施例では、アルミニウムの密度が小さく、かつ溶接性能に優れるため、筐体80はアルミニウムからなる。勿論、代替の実施例では、筐体80は他の金属材料からなってもよい。
【0098】
図3に示すように、本発明の実施例では、電池デバイスは更に電池用カバーアセンブリの仕切板70に接続される保護ブラケット81を含み、保護ブラケット81は筐体80内に位置し、かつ保護ブラケット81はブラケット本体と、電池セル20を収容するための収容室とを含み、かつブラケット本体に、行列に配置される、収容室に連通する複数の放熱穴が設けられる。
【0099】
上記技術案では、保護ブラケット81と仕切板70を接続することで、電池セル20及び電池セル20に接続される一部の電池用カバーアセンブリの筐体80内での揺みを回避することができ、更に、保護ブラケット81に行列に配置される複数の放熱穴を設置することで、電池の放熱能力を高めるとともに、保護ブラケット81の重量を軽減することができ、電池デバイスのエネルギー密度の向上に役立つ。
【0100】
具体的には、本発明の実施例では、保護ブラケット81は電池セルに対する支持、保護及び絶縁の役割を果たすことができる。好ましくは、保護ブラケット81はPPS (Polyphenylene Sulphide)、ABS (Acrylonitrile Butadiene Styrene)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエステル樹脂)及びPFA(Polyfluoroalkoxy)などの電解質腐食に耐性があり、優れた絶縁性、優れた誘電特性、高い高温耐性及び難燃性を備えた材料のいずれか1つを用いることができる。
【0101】
好ましくは、本発明の実施例では、保護ブラケット81は特定の難燃剤が添加されたPP材料からなる。
【0102】
好ましくは、本発明の実施例では、保護ブラケット81はU型構造を用いるため、電池セル20、接続構造10及びロック構造30を包むことができる。
【0103】
図3に示すように、本発明の実施例では、トップカバー40に防爆穴が更に設けられ、電池用カバーアセンブリは更に、防爆穴内に位置する防爆弁を含む。
【0104】
上記設置により、防爆弁は空気圧の安全保護に使用できる。電池デバイスが使用中に膨張し、かつ電池デバイス内部の空気圧が、防爆弁が破裂する時に耐えられる圧力より大きい場合、防爆弁が破裂し、従って電池デバイスの過剰な内部空気圧による爆発問題を防止する。
【0105】
好ましくは、本発明の実施例では、レーザー溶接が容易になるように、防爆弁はアルミニウム材質を用いる。
【0106】
図3に示すように、本発明の実施例では、トップカバー40に液体注入穴が更に設けられ、電池用カバーアセンブリは更にシールねじを含み、少なくとも一部のシールねじが液体注入穴内に位置する。
【0107】
上記設置により、液体注入が完了した後、シールねじを利用して液体注入ノズルを密閉することができる。
【0108】
好ましくは、本発明の実施例では、シールねじはPP、PPS、ABS及びPETなどの材料を用いることができる。
【0109】
好ましくは、本発明の実施例では、絶縁の役割が果たせるように、電池デバイスは更に保護ブラケット81の外側に包まれる絶縁膜82を含む。上記絶縁膜82は、好ましくはマイラーフィルムである。
【0110】
以上の説明から分かるように、本発明の上記実施例は、接続構造とロック構造を設置し、かつ接続構造の第1端を極柱に接続し、ロック構造を介して接続構造の第2端を電池セルのタブに接続することで、接続構造及びロック構造を介して電池セルのタブを電池用カバーアセンブリの極柱に接続させることができ、かつロック構造により接続構造をタブに緊密に嵌合させることができ、接続構造とタブとの間の隙間を回避し、それにより接続構造がその後タブと溶接する際に生じやすい爆発点や溶接漏れ、コールドジョイントなどの問題を回避するという技術効果を実現する。
【0111】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明に様々な修正及び変更を行うことができる。本発明の精神及び原則内で行われる任意の修正、均等置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7