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特許7411744WLANにおけるBSSカラー強化型送信(BSS-CET)
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】WLANにおけるBSSカラー強化型送信(BSS-CET)
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/06 20090101AFI20231228BHJP
   H04W 48/10 20090101ALI20231228BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20231228BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20231228BHJP
【FI】
H04W28/06 110
H04W48/10
H04W16/14
H04W84/12
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022131725
(22)【出願日】2022-08-22
(62)【分割の表示】P 2021106478の分割
【原出願日】2016-01-08
(65)【公開番号】P2022172190
(43)【公開日】2022-11-15
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】62/101,645
(32)【優先日】2015-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オーヘンコーム オテリ
(72)【発明者】
【氏名】ジン ユエン ション
(72)【発明者】
【氏名】ハンチン ロウ
(72)【発明者】
【氏名】シアオフェイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エル.オレセン
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】Hyunduk Kang,Inter-BSS interference in WLANs,IEEE 802.11-14/1178r1,米国,IEEE mentor,2014年09月16日,Pages 3-21
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステーション(STA)であって、
アクセスポイント(AP)から、当該STAが関連付けられた基本サービスセット(BSS)において、BSSカラー情報フィールドおよびカラー切り替え時間フィールドを含むBSSカラー変更アナウンスメント要素を受信するよう構成された受信機であって、前記BSSカラー情報フィールドは前記APによって使用されることになる新しいBSSカラーを示しており、前記カラー切り替え時間フィールは、いつ前記APが前記新しいBSSカラーへ切り替えるのかを示している、受信機と、
前記APが前記新しいBSSカラーへ切り替わった後で、前記APとの通信のために、前記新しいBSSカラーを送信するよう構成された送信機と
を備えたSTA。
【請求項2】
前記送信機は、重複BSS(OBSS)の同一のBSSカラーに基づいて、前記STAによってBSSカラー衝突が検出されたことを示しているイベント報告を、前記APへ送信するようさらに構成され、前記イベント報告は前記APによって、応答型で、定期的に、または非応答型でフレームにおいて送信される請求項1に記載のSTA。
【請求項3】
前記イベント報告は、前記STAによって検出された複数の隣接BSSに関連付けられた追加の1つ以上のOBSS報告情報を含む請求項2に記載のSTA。
【請求項4】
前記BSSカラー変更アナウンスメント要素は、前記イベント報告に基づいている請求項2に記載のSTA。
【請求項5】
前記受信機は、前記STAがOBSSに対するBSSカラー情報を収集する要求を前記APから受信するようさらに構成され、前記送信機は、前記要求に応答して、前記OBSSの前記要求されたBSSカラー情報を含む高効率(HE)動作要素を送信するようさらに構成された請求項1に記載のSTA。
【請求項6】
ステーション(STA)において使用するための方法であって、
アクセスポイント(AP)から、当該STAが関連付けられた基本サービスセット(BSS)において、BSSカラー情報フィールドおよびカラー切り替え時間フィールドを含むBSSカラー変更アナウンスメント要素を受信するステップであって、前記BSSカラー情報フィールドは前記APによって使用されることになる新しいBSSカラーを示しており、前記カラー切り替え時間フィールは、いつ前記APが前記新しいBSSカラーへ切り替えるのかを示している、ステップと、
前記APが前記新しいBSSカラーへ切り替わった後で、前記APとの通信のために、前記新しいBSSカラーを送信するステップと
を備える方法。
【請求項7】
重複BSS(OBSS)の同一のBSSカラーに基づいて、前記STAによってBSSカラー衝突が検出されたことを示しているイベント報告を、前記APへ送信するステップであって、前記イベント報告は前記APによって、応答型で、定期的に、または非応答型でフレームにおいて送信される、ステップ
をさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記イベント報告は、前記STAによって検出された複数の隣接BSSに関連付けられた追加の1つ以上のOBSS報告情報を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記BSSカラー変更アナウンスメント要素は、前記イベント報告に基づいている請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記STAがOBSSに対するBSSカラー情報を収集する要求を前記APから受信するステップと、
前記要求に応答して、前記OBSSの前記要求されたBSSカラー情報を含む高効率(HE)動作要素を送信するステップと
をさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項11】
アクセスポイント(AP)であって、
ステーション(STA)へ、当該STAが関連付けられた基本サービスセット(BSS)において、BSSカラー情報フィールドおよびカラー切り替え時間フィールドを含むBSSカラー変更アナウンスメント要素を送信するよう構成された送信機であって、前記BSSカラー情報フィールドは前記APによって使用されることになる新しいBSSカラーを示しており、前記カラー切り替え時間フィールは、いつ前記APが前記新しいBSSカラーへ切り替えるのかを示している、送信機と、
前記APが前記新しいBSSカラーへ切り替わった後で、前記STAとの通信のために、前記新しいBSSカラーを受信するよう構成された受信機と
を備えたAP。
【請求項12】
前記受信機は、重複BSS(OBSS)の同一のBSSカラーに基づいて、前記STAによってBSSカラー衝突が検出されたことを示しているイベント報告を、前記STA
から受信するようさらに構成された請求項11に記載のAP。
【請求項13】
前記イベント報告は、前記STAによって検出された複数の隣接BSSに関連付けられた追加の1つ以上のOBSS報告情報を含む請求項12に記載のAP。
【請求項14】
前記BSSカラー変更アナウンスメント要素は、前記イベント報告に基づいている請求項12に記載のAP。
【請求項15】
前記送信機は、前記STAがOBSSに対するBSSカラー情報を収集する要求を前記STAへ送信するようさらに構成され、前記受信機は、前記OBSSの前記要求されたBSSカラー情報を含む高効率(HE)動作要素を送信するようさらに構成された請求項11に記載のAP。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WLANにおけるBSSカラー強化型送信(BSS-CET)に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその内容が本明細書に組み込まれている、2015年1月9日に出願した米国特許仮出願第62/101,645号明細書の利益を主張するものである。
【0003】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)ベースのネットワークに追加される米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11デバイス(ステーション(STA)、および/またはアクセスポイント(AP))の数の急速な増加に伴って、高密度のWLAN配備が日常的になってきている。このような高密度のWLAN配備は、例えば干渉、輻輳、低スループットなどを含む要因により、著しい性能問題に直面している。
【0004】
例えばIEEE 802.11ahにおいて用いられるような、例えば基本サービスセット(BSS)のための既存のWLANの機能は、このような高密度のWLAN配備に対して適切でない場合がある。このような高密度のWLAN配備の性能を改善するために、強化型BSSカラーフォーマットおよび関連する機構が必要となり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
高密度に配備されたWLANにおける性能を改善することができるシステム、方法、および手段が開示される。それ自体の基本サービスセット(BSS)内のステーション(STA)は、重複BSS(OBSS)から送信フレームを受信することができる。STAは、受信された送信フレームからプリアンブルを復号することができる。STAは、復号されたプリアンブル(例えば復号されたプリアンブルのみ)を用いて、OBSS情報、および/またはOBSSに関連付けられた送信方式を決定することができる。送信方式は、直交周波数分割多重(OFDM)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、BSSサイレンシング、セクタ化された送信による干渉回避、または帯域サイレンシングを有するOFDMAの1または複数を含むことができる。送信フレームは、送信ノードまたはBSS識別を含むことができる。送信ノードまたはBSS識別は、送信ノードまたはBSS識別がダウンリンク送信用であるかまたはアップリンク送信用であるかを示すことができる。
【0006】
決定された、OBSSに関連付けられた送信方式は、直交周波数分割多元接続(OFDMA)とすることができる。このような場合STAは、それ自体のBSS内で、その関連付けられたアクセスポイント(AP)に、送信のために利用可能である1または複数のチャネルまたはサブチャネル、および/または送信のために利用不可である1または複数のチャネルまたはサブチャネルを示すことができる。STAはチャネル情報を、それ自体のBSS内のAPに、例えば送信スケジュールに応答して、および/またはアップリンク要求を用いて送ることができる。
【0007】
決定された、OBSSに関連付けられた送信方式は、直交周波数分割多重(OFDM)とすることができる。このような場合、STAは、チャネルが送信のために利用不可であることを決定することができる。STAは、例えばOBSS情報が、STAはOBSS干渉に対してロバスト性がないことを示すときは、チャネルをビジーに設定することができる。STAは、例えばOBSS情報が、STAはOBSS干渉に対してロバスト性があることを示すときは、チャネルをアイドルに設定することができる。STAは、アイドルに設定されたチャネル上に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
より詳細な理解は、添付の図面と共に例として示される以下の説明から得られることができる。
【0009】
図1】例示的無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)システムの図である。
図2】強化型分散チャネルアクセス(EDCA)動作の例を示す図である。
図3】サブ1GHz(S1G)能力情報フィールドの例を示す図である。
図4】SIG-1フレーム構造の例を示す図である。
図5】基本サービスセット(BSS)カラーによるクリアチャネル評価(CCA)閾値の例を示す図である。
図6】強い干渉の存在下での、意図された信号の例示の重複直交周波数分割多重(OFDM)送信を示す図である。
図7】フィードバックパケットの、例示のメディアアクセス制御(MAC)フレームフォーマットを示す図である。
図8】重複しないセカンダリチャネルを用いた、STA自体のアクセスポイント(AP)への例示のフィードバック情報を示す図である。
図9】例示の空間直交フィードバックを示す図である。
図10】意図されたシンボルと混合された、例示の復調された干渉シンボルを示す図である。
図11】キャンセルおよび延期型ACKを示すネットワークの例を示す図である。
図12】延期型ACK動作の例を示す図である。
図13】ACK動作の例を示す図である。
図14】アップリンク/ダウンリンク(UL/DL)直交周波数分割多元接続(OFDMA)の例を示す図である。
図15】UL/DL OFDMAパケット交換タイプ1の例を示す図である。
図16】UL/DL OFDMAパケット交換タイプ2の例を示す図である。
図17】UL/DL OFDMAパケット交換タイプ3の例を示す図である。
図18】UL/DL OFDMの例を示す図である。
図19】UL/DL OFDMパケット交換の例を示す図である。
図20】強化型BSSカラーを用いたピアツーピア送信によるOFDMAの例を示す図である。
図21】パケット交換の例を示す図である。
図22】重複BSS干渉、例示の干渉キャンセルトランシーバを示す図である。
図23】OBSS報告要素の例を示す図である。
図24】カラーアナウンスメント(サブ)要素の例を示す図である。
図25A】1つ以上の実施形態が実施できる、例示の通信システムの図である。
図25B図25Aの通信システム内で用いられる、例示の無線送信/受信ユニット(WTRU)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に例示的実施形態の詳細な説明が、様々な図に関連して述べられる。この説明は可能な実装形態の詳細な例をもたらすが、詳細は例示的なものであり、本出願の範囲を限定するものでは全くないことが留意されるべきである。
【0011】
インフラストラクチャ基本サービスセットモードにおけるWLANは、図1での例によって示されるように、基本サービスセット(BSS)のためのアクセスポイント(AP)、およびAPに関連付けられた1または複数のステーション(STA)を有することができる。APは、分配システム(DS)への、またはBSS内のもしくはそれから外へのトラフィックを運ぶことができる他のタイプの有線/無線ネットワークへの、アクセスまたはインターフェースを有することができる。STAへのトラフィックは、BSSの外部から生じることができ、APを通じて到着することができ、STAに届けられることができる。STAから生じる、BSSの外部の宛先へのトラフィックは、それぞれの宛先に届けられるようにAPに送られることができる。BSS内のSTA間のトラフィックはAPを通じて送られることができ、ソースSTAはAPにトラフィックを送ることができ、APは宛先STAにトラフィックを届けることができる。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックとすることができる。このようなピアツーピアトラフィックは例えば、IEEE 802.11e DLSまたはIEEE 802.11zトンネルDLS(TDLS)を用いた直接リンクセットアップ(DLS)により、ソースおよび宛先STAの間で直接送られることができる。独立BSS(IBSS)モードを用いたWLANはAPをもたなくてもよく、STAは互いに直接通信することができる。この通信モードはアドホックモードとすることができる。
【0012】
図1は、例示的無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイスを示す。デバイスの1または複数は、本明細書で述べられる特徴の1または複数実施するために用いられることができる。WLANは、アクセスポイント(AP)102、ステーション(STA)110、およびSTA112を含むことができるが、それらに限定されない。STA110および112は、AP102に関連付けられることができる。WLANはIEEE 802.11通信標準の1または複数のプロトコルを実施するように構成されることができ、これはDSSS、OFDM、OFDMAなどのチャネルアクセス方式を含むことができる。WLANはあるモード、例えばインフラストラクチャモード、アドホックモードなどで動作することができる。
【0013】
インフラストラクチャモードで動作するWLANは、1または複数の関連付けられたSTAと通信する1または複数のAPを備えることができる。AP、およびAPに関連付けられたSTAは、基本サービスセット(BSS)を備えることができる。例えばAP102、STA110、およびSTA112は、BSS122を備えることができる。拡張型サービスセット(ESS)は、1または複数のAP(1または複数のBSSを有する)、およびAPに関連付けられたSTAを含むことができる。APは分配システム(DS)116へのアクセスおよび/またはそれへのインターフェースを有することができ、これは有線および/または無線とすることができ、APへのおよび/またはそれからのトラフィックを運ぶことができる。WLANの外部から生じた、WLAN内のSTAへのトラフィックはWLAN内のAPにおいて受信されることができ、それはWLAN内のSTAにトラフィックを送ることができる。WLAN内のSTAから生じた、WLANの外部の宛先、例えばサーバ118へのトラフィックはWLAN内のAPに送られることができ、それは宛先にトラフィックを、例えばサーバ118に送られるようにDS116を経由してネットワーク114に送ることができる。WLAN内のSTA間のトラフィックは、1または複数のAPを通じて送られることができる。例えばソースSTA(例えばSTA110)は、宛先STA(例えばSTA112)に対するものであることが意図されたトラフィックを有することができる。STA110はAP102にトラフィックを送ることができ、AP102はSTA112にトラフィックを送ることができる。
【0014】
WLANはアドホックモードで動作することができる。アドホックモードWLANは、独立基本サービスセット(IBBS)と呼ばれることができる。アドホックモードWLANでは、STAは互いに直接通信することができる(例えばSTA110はSTA112と通信することができ、そのような通信はAPを通じて経路指定されない)。
【0015】
IEEE 802.11デバイス(例えばBSS内のIEEE 802.11 AP)は、ビーコンフレームを用いて、WLANネットワークの存在をアナウンスすることができる。AP102などのAPはチャネル、例えばプライマリチャネルなどの固定チャネル上に、ビーコンを送信することができる。STAは、プライマリチャネルなどのチャネルを用いて、APとの接続を確立することができる。
【0016】
STAおよび/またはAPは、キャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)チャネルアクセス機構を用いることができる。CSMA/CAにおいてSTAおよび/またはAPは、プライマリチャネルを検知することができる。例えばSTAが送るためのデータを有する場合は、STAはプライマリチャネルを検知することができる。プライマリチャネルがビジーであることが検出された場合は、STAはバックオフすることができる。例えばWLANまたはその一部分は、例えば所与のBSS内で、所与の時点において1つのSTAが送信できるように構成されることができる。チャネルアクセスは、RTSおよび/またはCTSシグナリングを含むことができる。例えば送出要求(RTS)フレームの交換は送出デバイスによって送信されることができ、および送出可(CTS)フレームは受信デバイスによって送られることができる。例えばAPがSTAに送るためのデータを有する場合、APはRTSフレームをSTAに送ることができる。STAがデータを受信する準備が整った場合は、STAはCTSフレームにより応答することができる。CTSフレームは、RTSを始動したAPがそのデータを送信できる間、媒体にアクセスするのを見合わせるように他のSTAに警告することができる時間値を含むことができる。STAからCTSフレームを受信するとすぐに、APはSTAにデータを送ることができる。
【0017】
デバイスは、ネットワーク割り振りベクトル(NAV)フィールドによって、スペクトルを予約することができる。例えばIEEE 802.11フレームにおいてNAVフィールドは、ある期間の間チャネルを予約するために用いられることができる。データを送信したいSTAは、それがチャネルを使用することを予想できる時間に、NAVを設定することができる。STAがNAVを設定するときNAVは、関連付けられたWLANまたはそのサブセット(例えばBSS)に対して設定されることができる。他のSTAは、NAVをゼロまでカウントダウンすることができる。カウンタがゼロの値に達したとき、NAV機能は、今はチャネルが利用可能であることを他のSTAに知らせることができる。
【0018】
APまたはSTAなどのWLAN内のデバイスは、プロセッサ、メモリ、無線受信器(受信機)および/または送信器(送信機)(例えばトランシーバに組み合わされ得る)、1または複数のアンテナ(例えば図1のアンテナ106)などの、1または複数を含むことができる。プロセッサ機能は1または複数のプロセッサを備えることができる。例えばプロセッサは、汎用プロセッサ、専用プロセッサ(例えばベースバンドプロセッサ、MACプロセッサなど)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(IC)、状態機械などの1または複数を備えることができる。1または複数のプロセッサは、互いに統合されても統合されなくてもよい。プロセッサ(例えば1または複数のプロセッサ、またはそのサブセット)は、1または複数の他の機能(例えばメモリなどの他の機能)と統合されることができる。プロセッサは、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、変調、復調、および/またはデバイスが図1CのWLANなどの無線環境において動作することを可能にすることができる任意の他の機能を行うことができる。プロセッサは、例えばソフトウェアおよび/またはファームウェア命令を含む、プロセッサ実行可能コード(例えば命令)を実行するように構成されることができる。例えばプロセッサは、プロセッサ(例えばメモリおよびプロセッサを含むチップセット)またはメモリの1または複数上に含まれた、コンピュータ可読命令を実行するように構成されることができる。命令の実行はデバイスに、本明細書で述べられる機能の1または複数を行わせることができる。
【0019】
デバイスは1または複数のアンテナを含むことができる。デバイスは多入力多出力(MIMO)技法を使用することができる。1または複数のアンテナは、無線信号を受信することができる。プロセッサは、例えば1または複数のアンテナを経由して無線信号を受信することができる。1または複数のアンテナは無線信号を送信することができる(例えばプロセッサから送られた信号に基づいて)。
【0020】
デバイスは、プロセッサ実行可能コードまたは命令(例えばソフトウェア、ファームウェアなど)、電子データ、データベース、または他のデジタル情報などの、プログラミングおよび/またはデータを記憶するための1または複数のデバイスを含むことができるメモリを有することができる。メモリは1または複数のメモリユニットを含むことができる。1または複数のメモリユニットは、1または複数の他の機能(例えばプロセッサなどのデバイスに含まれた他の機能)と統合されることができる。メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)(例えば消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)など)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、および/または情報を記憶するための他の非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。メモリはプロセッサに結合されることができる。プロセッサは、例えばシステムバスを経由してまたは直接、メモリの1または複数のエンティティと通信することができる。
【0021】
インフラストラクチャ基本サービスセット(IBSS)モードにおけるWLANは、基本サービスセット(BSS)のためのアクセスポイント(AP)、およびAPに関連付けられた1または複数のステーション(STA)を有することができる。APは、分配システム(DS)、またはBSS内のまたはそれから外へのトラフィックを運ぶことができる他のタイプの有線/無線ネットワークへの、アクセスまたはインターフェースを有することができる。STAへのトラフィックは、BSSの外部から生じることができ、APを通じて到着することができ、STAに届けられることができる。STAから生じる、BSSの外部の宛先へのトラフィックは、それぞれの宛先に届けられるようにAPに送られることができる。BSS内のSTA間のトラフィックはAPを通じて送られることができ、ソースSTAはAPにトラフィックを送ることができ、APは宛先STAにトラフィックを届けることができる。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックとすることができる。このようなピアツーピアトラフィックは例えば、IEEE 802.11e DLSまたはIEEE 802.11zトンネルDLS(TDLS)を用いた直接リンクセットアップ(DLS)により、ソースおよび宛先STAの間で直接送られることができる。独立BSS(IBSS)モードを用いたWLANはAPをもたなくてもよく、STAは互いに直接通信することができる。この通信モードはアドホックモードとすることができる。
【0022】
IEEE 802.11インフラストラクチャ動作モードを用いてAPは、固定チャネル、通常はプライマリチャネルにおいて、ビーコンを送信することができる。このチャネルは20MHz幅とすることができ、BSSの動作チャネルとすることができる。このチャネルはまた、APとの接続を確立するために、STAによって用いられることができる。IEEE 802.11システムにおけるチャネルアクセスは、キャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)とすることができる。この動作モードにおいて、APを含むSTAは、プライマリチャネルを検知することができる。チャネルがビジーであることが検出された場合は、STAはバックオフすることができる。チャネルが空いていることが検出された場合は、STAはチャネルを取得し、データを送信することができる。
【0023】
IEEE 802.11nでは、高スループット(HT)STAは、通信のために40MHz幅のチャネルを用いることができる。これは例えばプライマリ20MHzチャネルを、隣接した20MHzチャネルと組み合わせて、40MHz幅の連続したチャネルを形成することによって達成されることができる。
【0024】
IEEE 802.11acでは超高スループット(VHT)STAは、例えば20MHz、40MHz、80MHz、および/または160MHz幅のチャネルをサポートすることができる。40MHz、および80MHzチャネルは、例えば連続した20MHzチャネルを組み合わせることによって形成されることができる。160MHzチャネルは、例えば8個の連続した20MHzチャネルを組み合わせることによって、または2つの不連続な80MHzチャネルを組み合わせることによって(例えば80+80構成と呼ばれる)形成されることができる。80+80構成の場合、データは、チャネルエンコーディングの後に、それを2つのストリームに分割することができるセグメントパーサに通過されることができる。逆高速フーリエ変換(IFFT)および時間領域処理は、各ストリームに別々に行われることができる。ストリームは2つのチャネルにマッピングされることができ、データが送信されることができる。受信器においてこの機構は逆転され、組み合わされたデータはMACに送られることができる。
【0025】
IEEE 802.11afおよびIEEE 802.11ahは、サブ1GHz帯域において動作することができる。これらの仕様に対してチャネル動作帯域幅は、IEEE 802.11nおよびIEEE 802.11acで用いられるものに比べて低減されることができる。IEEE 802.11afは、テレビホワイトスペース(TVWS)スペクトルにおいて動作することができ、IEEE 802.11ahは、例えば非TVWSスペクトルを用いて1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、および/または16MHz帯域幅をサポートすることができる。例えば802.11ahは、マクロカバレージエリアにおけるメータタイプ制御(MTC)デバイスをサポートすることができる。MTCデバイスは、例えば限られた帯域幅および長い電池寿命に対するサポートを含む、限られた能力を有することができる。
【0026】
WLANシステムは、802.11n、802.11ac、802.11af、および802.11ahなどの複数のチャネルおよび/またはチャネル幅、ならびにプライマリチャネルとして指定されることができるチャネルをサポートすることができる。プライマリチャネルは、BSS内のいくつかまたはすべてのSTAによってサポートされる最も大きな共通動作帯域幅に等しい帯域幅を有することができる。プライマリチャネルの帯域幅は、最も小さな帯域幅動作モードをサポートすることができるSTA(例えばBSS内で動作するいくつかまたはすべてのSTA)によって制限され得る。802.11ahの例において例えば、たとえAPおよびBSS内の他のSTAが、2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、または他のチャネル帯域幅動作モードをサポートすることができたとしても1MHzモードをサポートする(例えばそれのみをサポートする)STA(例えばMTCタイプデバイス)が存在する場合、プライマリチャネルは1MHz幅とすることができる。いくつかまたはすべてのキャリア検知、およびNAV設定は、例えばSTAがAPに送信する1MHz動作モードを(例えばそれのみを)サポートすることにより、プライマリチャネルがビジーである場合、利用可能な周波数帯域全体が、たとえその大部分がアイドルおよび/または利用可能であり得てもビジーと見なされ得るように、プライマリチャネルのステータスに依存し得る。
【0027】
例えば米国では、IEEE 802.11ahによって用いられることができる利用可能な周波数帯域は、902MHzから928MHzまでとすることができる。例えば韓国では、これは917.5MHzから923.5MHzまでとすることができる。例えば日本では、これは916.5MHzから927.5MHzまでとすることができる。IEEE 802.11ahのために利用可能な総帯域幅は6MHzから26MHzとすることができ、国コードに依存することができる
【0028】
強化型分散チャネルアクセス(EDCA)は、優先順位付けされたサービス品質(QoS)をサポートするために802.11標準に導入された、分散型協調機能(DCF)の拡張とすることができる。図2は、例えばIEEE 802.11n標準においてもたらされるEDCAの動作を示す。
【0029】
ポイント協調機能(PCF)は、無競争チャネルアクセスを用いることができる。PCFは、時間限定サービス、およびAPによるポーリングをサポートすることができる。図2に示されるようにAPは、PIFSを待った後にポーリングメッセージを送ることができる。クライアントが送信するものがない場合、クライアントはヌルデータフレームを返すことができる。PIFSはDIFSより小さいので、それはすべての非同期トラフィックをロックアウトすることができる。PCFは決定論的で公正とすることができ、低いデューティサイクル、および混雑したまたはバースト的なトラフィックの両方に効率的となることができる。
【0030】
米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11高効率WLAN(HEW)研究グループ(SG)は、2.4GHzおよび5GHz帯域での高密度シナリオを含む多くの使用シナリオにおける、広範囲の無線ユーザに対するエクスペリエンス品質(QoE)を強化することを探求してきた。APおよびSTAの高密度の配備をサポートするユースケース、ならびに関連する無線リソース管理(RRM)がHEW SGによって検討されている。
【0031】
HEWの応用例は、非限定的に、スタジアムイベントのためのデータ配信、鉄道の駅、または企業/小売り環境などの高いユーザ密度シナリオ、ビデオ配信に対する増加する依存性に対する証拠、および医療用途のための無線サービスを含む、新しく生じた使用シナリオを含むことができる。
【0032】
例えばHEW研究グループ(SG)における作業に基づいて、プロジェクト承認要求(PAR)および標準開発のための基準(Criteria for Standards Development)(CSD)に基づいて、IEEE 802.11axタスクグループ(TG)が確立された。
【0033】
IEEE 802.11ahは、基本サービスセット(BSS)カラー、および/または部分的関連付け識別(部分的AID)をもたらすことができる。BSSカラーは、STAが、例えばダウンリンク送信がそれら自体または他のBSSからのいずれであるかを区別することを可能にするための、802.11ahにおける機構である。図3は、S1G能力情報フィールドを示す。図3に示されるように、BSSカラーは、STAが、それらがネゴシエートし得るAPのカラーを識別することを可能にするために、サブ1GHz(S1G)能力情報フィールドにおいて送信されることができる。
【0034】
図4は、SIG-1フレーム構造の例を示す。BSSカラーは、プリアンブルの一部として送信されることができるパケット(例えばあらゆるパケット)の、SIG-1フィールドのIDフィールドにおいて送信されることができる。これはSTAが、プリアンブルを復号することによって送信しているBSSを概略的に識別することを可能にすることができる。BSSカラーは、一意でなくてもよい。STAは、それが関連付けられたBSSに信号は属さないことを決定するために、BSSカラーを用いることができる。STAは、送信された信号がそれ自体のBSSに属することを確信しない場合がある。
【0035】
BSSカラーは、TXVECTOR/RXVECTORパラメータ内に配置されることができる。BSSカラーは、受信するSTAが、受信がそれから生じることができるBSSを識別するのを支援するために用いられることができる。例えば受信が、STAが関連付けられることができるBSSからではあり得ないとき、受信するSTAは受信プロセスを終了することによって電力消費を低減することができる。
【0036】
部分的AIDは、STAからの送信フレームの受信側を識別するために用いられることができる機構とすることができる。部分的AIDは、PLCPサービスデータユニット(PSDU)の意図された受信側の、短縮されたインディケーションをもたらすことができる。部分的AIDは、例えばフレームの宛先がSTAであるときは受信アドレス(RA)において、例えばパケットの宛先がAPであるときは部分的BSS IDにおいて運ばれることができる。
【0037】
BSSカラーと部分的AIDの組み合わせは、メンバ物理プロトコルデータユニット(PPDU)識別において支援することができ、802.11ahにおいて省電力のため、OBSS/非OBSS送信中に空間的直交送信を検出するため、CCA動作において、または応答インディケーション延期においての、1または複数のために用いられることができる。
【0038】
BSSカラーおよび/またはPAIDは、IEEE 802.11ahにおいて用いられることができる。例えばBSSカラーはIEEE 802.11ahにおいて、本明細書で述べられるように省電力を達成するために用いられることができる。TXVECTORパラメータCOLORは、受信するSTAが、受信が生じたBSSを識別することを支援するために用いられることができる。例えば受信が、STAが関連付けられたBSSからではないとき、受信するSTAは受信プロセスを終了することによって電力消費を低減することができる。
【0039】
空間的直交送信(例えばセクタ化を用いた)、およびBSSカラーは、本明細書で述べられることができる。RXVECTORパラメータCOLORは、例えばBSS送信(例えば同じBSS送信)とOBSS送信との間での受信されたPPDUを類別することによって、空間的直交(SO)条件を検出するために利用されることができる。初期セクタインジケータが0に等しい場合、OBSS STAは、空間的直交条件をチェックしなくてよい。
【0040】
初期セクタインジケータが1である場合、初期セクタインジケータフィールドは、NDP CTSフレームの後にセクタ化されたビームフレーム交換が続くことができることを示すことができる。初期セクタインジケータが0である場合、それは、NDP CTSフレームの後にセクタ化されたビームフレーム交換が続かなくてもよいことを示すことができる。
【0041】
BSSカラー/PAIDを用いたCCA動作がもたらされることができる。例えばSTAが、送信はSTAが関連付けられたものと同じBSSに関連付けられていることを識別した場合、STAはチャネルをビジーステータスに設定することができる。STAが、送信はOBSSに関連付けられることを識別した場合、例えばCCAが最小CCA感度レベルを超えた場合は、STAはチャネルをビジーに設定することができる。
【0042】
メンバPPDU識別を用いた応答インディケーション延期がもたらされることができる。例えばIEEE 802.11ahにおいて、例えばNAVカウンタまたはRIDカウンタがゼロではなく、インディケーションがメディアはビジーであるというものであるとき、応答インディケーション延期(RID)と呼ばれるCSMA/CAアルゴリズムに仮想キャリア検知機構が追加されることができる。カウンタは、例えば送信がBSS内からであるか、またはOBSSからであるかに基づいて変更されることができる。
【0043】
IEEE 802.11axにおけるBSSカラーがもたらされることができる。クリアチャネル評価閾値および送信電力制御(CCA/TPC)は、例えばBSSカラーに基づいて調整されることができる。BSSカラー実装形態は、信号を受信するSTAのCCAの変更を用いることができる。CCA(例えばCCAのみ)を調整することは、システムスペクトル効率を向上することはできない。例えば限られた周波数時間リソースの使用を増加させるために、共同のCCA閾値およびTPC調整が利用されることができる。TPCを組み込むことは、送信電力制御が用いられるとき、および/または所望の受信器の受信器感度についての情報が既知であるとき、結果として実装形態および/またはシグナリングの変更を生じ得る。
【0044】
BSSカラーを用いた先進型空間的再利用がもたらされることができる。システムスペクトル効率は、BSSカラーを用いることによって改善されることができる。BSSカラーは、隣接したまたは重複BSS(OBSS)の間での空間的再利用を可能にすることができる。共同のCCAおよびTPC調整は、空間的再利用の使用を可能にすることができる。CCAおよびTPCは、空間的再利用送信を完全に保護すること、および/またはOBSS送信間の衝突を回避することはできない。この目的を達成するためにおよび/または修正された受信器設計を可能にするために、BSSカラー情報を用いた、送信器と受信器の間のシグナリングが用いられることができる。
【0045】
送信方式固有カラーがもたらされることができる。例えばIEEE 802.11ahにおけるBSSカラー方式は、サブ1GHz周波数帯域上の送信を含むことができる。IEEE 802.11ahは、拡大されたカバレージ範囲、強化された省電力、および/または多数のデバイスに対するサポートをもたらすことができる。次世代のWLANシステムは、高密度の配備、高いスペクトル効率などの1または複数の特徴を有することができ、および/または既存のBSSカラーのフォーマットは、新しい要件に適合することができない。OFDM、OFDMA、MU-MIMOなどの1または複数の送信方式が、サポートされることができる。これらの目標により良く役立つように、送信方式固有BSSカラーフォーマットまたはシステムが利用されることができる。
【0046】
BSSカラー変更および協調がもたらされることができる。例えばBSSが確立されるとき、BSSカラーに関連付けられた値が選択されることができる。効率的な干渉処理をもたらすために、BSSのカラーは周囲の重複BSSと協調して選択されることができる。BSSは、OBSSからの干渉により、異なるBSSカラーを選択することができる。APは、APに関連付けられた1または複数のSTAに、BSSカラーの変更をアナウンスすることができる。BSSカラー変更および/または協調は、最適化された干渉処理をもたらすために利用されることができる。
【0047】
本明細書で述べられる例におけるノードの送信アドレスおよび受信アドレスは、OBSS送信の識別を可能にするようにパケット内に、例えばMACヘッダ内に、またはPHY SIG内に配置されることができる。
【0048】
BSSカラーに基づくクリアチャネル評価閾値および送信電力制御(CCA/TPC)がもたらされることができる。図5は、基本サービスセット(BSS)カラーによるクリアチャネル評価(CCA)閾値の例を示す。図5に示されるように、BSS1内のSTA1のCCA閾値基準および/または送信電力は、例えばオーバーヒアされた送信上のソースBSSの決定(例えば初期決定)、またはオーバーヒアされた送信の受信側であるBSS2内のSTA2に対する、オーバーヒアするSTA1による送信の影響に基づいて変更されることができる。
【0049】
オーバーヒアされた送信におけるソースBSSの初期決定は、プリアンブル内に位置するBSSカラーパラメータを用いて、ダウンリンク送信において識別されることができる。送信のBSSカラーがSTAのものと等しくない場合、送信はそれ自体のBSSからではないとすることができる(例えば送信はOBSS送信である場合がある)。送信のBSSカラーがSTAのものと等しい場合、送信はそれ自体のBSSからであるとすることができる。
【0050】
オーバーヒアされた送信に対するソースBSSの初期決定は、例えばオーバーヒアされたパケットの受信アドレス(RA)を用いて、アップリンク送信において識別されることができる。RAがそれのAPのアドレスに等しくない場合、送信はそれ自体のBSSからではないとすることができる。RAがそれのAPのアドレスに等しい場合、送信はそれ自体のBSSからであるとすることができる。受信アドレスは、部分的AIDなど、RAの圧縮されたバージョンとすることができる。図5に示されるように、STA2またはAP2からの送信は、例えばBSS1(例えばAP1によって動作される)、およびBSS2(例えばAP2によって動作される)のカラーが異なる場合、STA1によってOBSS送信として識別されることができる。
【0051】
図5にさらに示されるように、BSS1内のSTA1のCCA閾値基準および/または送信電力は、例えばオーバーヒアするSTA例えばSTA1による送信の、オーバーヒアされる送信の受信側例えばSTA2に対する、送信の影響に基づいて変更されることができる。オーバーヒアするSTA例えばSTA1は、オーバーヒアされる送信の受信側例えばSTA2の受信器特性を識別することができる。
【0052】
例えば図5に示されるように、STA1は、受信側OBSS STA、例えばSTA2に関連付けられた受信器特性(例えば必要なRx感度またはRx電力)を識別し、および/またはSTA固有のやり方でそれ自体のCCA閾値を変更することができる。それ自体の受信器および/またはOBSS送信の受信側の受信器要件の知識は、それがそれのCCA閾値(例えば送信電力)を、両方のSTAに有益となることができるようなレベルに設定することを可能にする。受信側OBSS STA、STA2に対する受信器要件および/または特性を識別するために、発見機構が利用されることができる。発見機構は、1または複数(例えばすべて)のOBSS STAに対する受信器要件および/または特性を識別するために利用されることができる。識別された受信器要件および/または特性は、例えば適切な時点での使用のために記憶されることができる。
【0053】
例えばSTA1は、閾値未満の、または閾値の範囲内の受信器要件を有する場合がある、1または複数のSTAを識別することができる。STA1は、共通のやり方でグループ内の受信器に関連付けられたそのCCAを変更することができる。
【0054】
受信器要件は、明示的にまたは暗黙的に収集されることができる。例えばネットワークは、AP、OBSS内のSTA(例えばSTA2)、およびAPによって管理されるBSS内のSTA(例えばSTA1)を備えることができる。STA(例えばSTA2)は、その送信電力および/またはその最小受信電力および/または所望の動作点(例えばMCSおよびSNR)に対するヘッドルームを備えたパケットを、ブロードキャスト(例えば定期的にブロードキャスト)することができる。所望の動作点は、例えばAPまたは送出側による、STAの受信されたACK/NAK統計から、導き出されるおよび/または決定されることができる。所望の動作点は、予め指定されることができる。このパケットを受信するSTA(例えばSTA1)は、OBSS STA(例えばSTA2)の受信器に対するそれらの送信の影響を推定(例えば暗黙的に推定)することができる。
【0055】
例えばフレーム交換は、2つのSTA(例えばSTA1およびSTA2)の間で、STA1からSTA2への、それの受信電力要件に対する要求(例えば明示的要求)により発生することができる。STA2は、所望の動作点(例えばMCSまたはSNR)に対するそれの送信電力および/または最小受信電力を示すフレームを送ることができる。他のSTAは、この送信をオーバーヒアすることができ、情報を本明細書で述べられるように利用することができる。BSS間の要求が、可能にされることができる。例えばSTA1は、STA2が送信しているときに受信される電力を測定することによって、STA2の受信器電力要件を推定(例えば暗黙的に推定)することができる。STA1は、STA2の送信電力および所望の動作点を、明示的にまたは暗黙的に知ることができる。
【0056】
送信器および/または受信器特性(例えばBSSカラーおよび/またはRx感度)に基づくCCAがもたらされることができる。STA(例えばSTA1)によって用いられるCCA閾値基準は、STAによってオーバーヒアされた送信が例えばBSSカラー/RAを用いてそれ自体のBSS内かまたはOBSSからであるかどうか、および/またはOBSS送信の受信側のRx感度、に基づいて変更されることができる。この情報に基づいて、例示的CCA閾値が本明細書で述べられるように推定されることができる。本明細書で様々に述べられるようにCCA閾値推定は、推定されたCCA閾値の設定および/または使用を含むことができる。STA(例えばSTA1)は、パケット送信をオーバーヒアする、および/またはSIGフィールドを復号することができる。送信がSTA自体のBSS内のノードからである場合、送信は保護(例えば常に保護)され、以下に繋がる。
CCA=-inf(例えばまたは許容範囲の最小値)
【0057】
送信がOBSS内のノードからである場合、送信は新しいCCA閾値を推定することに基づいて保護されることができる。チャネルにおけるエネルギーが新しいCCA閾値を超える場合、送信は保護されることができる。チャネルにおけるエネルギーが新しいCCA閾値未満である場合、STAは自由に送信することができる。CCA閾値は以下として推定されることができる。
CCA(dBm)=CCA_nominal(dBm)+Margin(dB)
Margin=f(AP_STA1,STA2_STA1)
マージンがそれを用いて決定される関数は、STAからの、それらの受信器感度、送信電力レベル、送信ヘッドルーム、または能力その他の、1または複数などの情報を含むことができる。CCA_nominal、マージン、AP_STA1、またはSTA2_STA1の1または複数が、想定されることができる。CCA_nominalは、ネットワークに対するベースラインCCA、および/またはネットワークにおいて用いられるBSS固有のCCAを指すことができる。マージンは、公称CCAのSTA固有の変更を指すことができる。マージンは、それ自体のBSS内のSTA例えばSTA1と、STA自体のBSS内のAP例えばAP1との間の、STA自体のBSS例えばBSS1における送信、および/またはSTA1の観点からのOBSS例えばBSS2内の、それのAPからのパケットを受信する(例えば現在受信している)OBSS STA例えばSTA2の受信器要件の、関数とすることができる。いくつかまたはすべてのSTAに対するマージンがゼロである場合、CCA調整はBSS全体にわたるものとなり得る。Marginの計算に用いられるAP_STA1は、例えばBSS1内のSTA1からAP1への送信に基づく、APの受信器要件を指すことができる。例えばこれは、APにおける送信のSINR、またはSTA1による送信によりAPにおいて受信される電力(例えばまたはその逆)によって推定される、AP1とSTA1との間のチャネル利得の関数とすることができる。より高いチャネル利得またはより高いSINR/受信電力を有するSTAは、より高速に、および/またはBSS外送信への干渉が少ない状態で送信することができ、より高いCCAを有することができ、および/または逆も同様である。
【0058】
Marginの計算に用いられるSTA2_STA1は、例えばSTA1からAP1への送信に基づく、STA2の受信器要件を指すことができる。例えばこれは、STA1による送信によってSTA2において受信される電力により推定される、STA2とSTA1との間のチャネル利得の関数とすることができる(例えばまたはその逆)。より高いチャネル利得またはより高いSINR/受信電力を有するSTAは、より高速に、およびBSS外送信への干渉が少ない状態で送信することができ、より高いCCAを有することができ、および/または逆も同様である。
【0059】
例えば、
【0060】
【数1】
【0061】
であり、ただしCCA_biasはネットワークにおいてCCAが変化されることができる範囲に等しく、Gain_minは所望の最悪チャネルに関連付けられたチャネル利得とすることができ、Gain_maxは所望の最良チャネルに関連付けられたチャネル利得とすることができる。
【0062】
チャネル利得を推定するために、以下の機構の1または複数が利用されることができる。チャネル利得を推定するために、APは、フレーム内にその送信電力についての情報を有するブロードキャストフレームを送出することができる。1または複数の(例えば各)STAは、送信電力情報および/または受信電力を用いて、APからのチャネル利得を推定することができる。APは、1または複数の(例えば各)STAにポーリングすることができ、1または複数の(例えば各)STAは、推定されたチャネル利得をフィードバックすることができる。1または複数の(例えば各)STAは、それがAPに送る任意のフレーム上に、チャネル利得についての情報を送り返す(例えばピギーバックする)ことができる。APは、特定の持続時間内に情報を送り返さなかった可能性があるSTAにポーリングすることができる。
【0063】
チャネル利得を推定するために、APはSTAに、STAが送ることができるパケット(例えば任意のパケット)においてその送信電力を含めるように要求する、フレームを送出することができる。APは1または複数のSTA(例えば各STA)に、フレーム上にピギーバックされた送信電力情報を有するヌルデータパケット(NDP)を送るように、ポーリングすることができる。APは、この情報を用いて、特定のSTAに対するチャネルの利得を推定することができる(例えばチャネル相反性を仮定して)。
【0064】
CCA閾値推定がもたらされることができる。例えばCCA基準は、以下の1または複数に基づいて選択されることができる。STA1は、パケット送信をオーバーヒアする、および/またはSIGを復号することができる。STA1が、受信されたパケット送信はそれ自体のBSS送信に属すると決定した場合、送信は保護されることができる(例えば常に保護されることができる)。CCAは、-inf(例えばまたは許容範囲の最小値)に等しくすることができる。STA1が、受信されたパケット送信はそれ自体のBSS送信に属さないと決定した場合、送信は例えば新しいCCA閾値を推定することに基づいて保護されることができる。チャネルにおけるエネルギーがCCA閾値を超える場合、送信は保護されることができる。チャネルにおけるエネルギーがCCA閾値未満である場合、STAは自由に送信することができる。この場合、推定されるCCA閾値は、OBSS送信が検出されたか否かに依存することができる。この場合、OBSSシナリオでのCCA閾値は、非OBSSシナリオでのCCA閾値とは異なることができる。CCA閾値は以下として推定されることができる。
CCA(dBm)=CCA_nominal(dBm)-Margin(dB)
【0065】
受信された送信がOBSS送信である場合、マージンは以下に設定されることができる。
【0066】
【数2】
【0067】
送信が受信されない場合、および/または送信が、識別されないBSSから受信された場合、マージンは以下に設定されることができる。
【0068】
【数3】
【0069】
CCA閾値は、CCAをSTA固有とするのではなく、例えばチャネル利得に基づいてグループ化されることができる。例えば一定の利得範囲内のSTAは、同一の値に設定されたそれらのマージンを有することができる。これは範囲内の特定の利得値、例えば同一のマージンを有するなどの、最大利得、最小利得、または平均利得(例えば平均値または中央値利得)に関連付けられたマージンとすることができる。MU-MIMOにおいてなど、STAが基準に基づいて一緒にグループ化される場合、CCAはグループIDに関連付けられることができ、特定のグループに属するSTAには、そのグループIDに対するCCA閾値が割り当てられることができる。
【0070】
BSSカラーに基づいたTPCがもたらされることができる。STA(例えばSTA1)によって用いられるCCA閾値基準および送信電力は、例えばSTAによってオーバーヒアされた送信が例えばBSSカラーを用いた、それ自体のBSS内であるかOBSSからであるかどうか、および/またはOBSS送信の受信側のRx感度、に基づいて変更されることができる。
【0071】
CCA基準および送信電力は、本明細書で述べられるように設定されることができる。STA(例えばSTA1)は、パケット送信をオーバーヒアする、および/またはSIGフィールドを復号することができる。送信がSTA自体のBSS内のノードからである場合、送信は保護されることができる(例えば常に保護されることができる)。このような場合、送信は存在できない。CCAは、-inf(例えばまたは許容範囲の最小値)に等しくすることができる。送信するSTAに対する送信電力は、STAとAPとの間の利得の関数として設定されることができる。
Tx_power=nominal_Tx_power-(Rx_power_AP1-Rx_power_desired_AP1)
送信がOBSS内のノードからである場合、CCA閾値基準および送信電力は以下として推定されることができる。
CCA=CCA_nominal+Margin
Tx_power=Tx_power_nominal-Margin
Margin=f(AP_STA1,STA2_STA1)
この場合、STA送信電力は、それの受信側と、OBSS送信の受信側との関数とすることができる。AP_STA1は、例えばSTA1からAP1への送信に基づく、APの受信器要件を指すことができる。例えばこれは、AP1における送信の信号対干渉および雑音比によって推定されるAP1とSTA1との間のチャネル利得、またはSTA1による送信によるAP1において受信される電力(例えばまたはその逆)の関数とすることができる。より高いチャネル利得またはより高いSINR/受信電力を有するSTAは、より高速に、およびBSS外送信への干渉が少ない状態で送信することができ、より高いCCAを有することができ、および/または逆も同様である。STA2_STA1は、例えばSTA1からAP1への送信に基づく、STA2の受信器要件を指すことができる。例えばこれは、STA1による送信によってSTA2において受信される電力により推定される、STA2とSTA1との間のチャネル利得の関数とすることができる(例えばまたはその逆)。より高いチャネル利得またはより高いSINR/受信電力を有するSTAは、より高速に、およびBSS外送信への干渉が少ない状態で送信することができ、より高いCCAを有することができ、および/または逆も同様である。例えば、
【0072】
【数4】
【0073】
であり、ただしCCA_biasはネットワークにおいてCCAが変化される範囲に等しく、Gain_minは所望の最悪チャネルに関連付けられたチャネル利得に等しくすることができ、Gain_maxは所望の最良チャネルに関連付けられたチャネル利得に等しくすることができる。例えば以下となる。
【0074】
【数5】
【0075】
例えばチャネル利得はグループIDに関連付けられることができ、特定のグループに属するSTAには、特定のチャネル利得が割り当てられることができる。
【0076】
BSSカラーを用いた先進型空間的再利用がもたらされることができる。図6は強い干渉の存在下での意図された信号の重複OFDM送信の例を示す。図6に示されるように、STA(例えば受信するSTA)は、例えば並行したOFDM送信により、同じまたは重複した周波数帯域内で強い干渉に遭遇し得る。例えばこのようなシナリオは、1または複数のBSSが高密度に配備されたときに生じ得る。例えば1または複数のWiFi AP、および/または1または複数のSTAの間の協調がないことにより、OBSS内の隣接したAPまたはSTAはそれらの信号を、重複したキャリア周波数、およびそれら自体のBSS内のAPによって用いられ得るものに対するサブキャリア構造を用いて、送信することができる。高密度に配備されたWLANシステムにおいて、OBSS内のAPおよび/またはSTAによって誘起された干渉は、極めて困難なものとなり得る。空間領域抑圧または周波数領域抑圧などの直接干渉抑圧機構は、このような高密度の配備のシナリオでは、例えばSTAでの低い信号対干渉比により動作が不十分となり得る。
【0077】
複数のOBSS送信を可能にするための、送信器と受信器との間のシグナリングのためのシステム、方法、および手段がもたらされることができる。カバレージエリアの縁部におけるSTAは、例えばSTAがCCAのために用いられるものと同じ周波数帯域内で未知の干渉信号を検知した場合、関心のある受信信号のプリアンブル内のBSSカラー情報をチェックすることができる。STAは、例えばBSSカラーが、信号はOBSSからであることを示す場合、干渉チャネルのチャネル特性を決定することができる。STAによって用いられる機構は、干渉チャネルをサウンディングすること、干渉チャネルの既知の信号成分(例えば送信されたフレームのプリアンブル)を用いて干渉チャネルのチャネル推定を強化すること、および/またはプライマリチャネルなどのサイドチャネルを用いて隣接したチャネルの、可能性があるリソースローディングを決定することを利用することができる。
【0078】
STAおよび/またはAPは、例えば干渉が識別されたとき、インテリジェントなリソース割り振りおよび/または干渉抑圧を行うことができる。このようなリソース割り振りおよび/または干渉抑圧は、例えば干渉の影響を制限するため、および/または重複BSS内のSTAがデータを送信/受信する、例えば干渉が最小の状態でデータを送信/受信することを可能にするために行われることができる。
【0079】
チャネルは、時間、周波数、空間、および/またはビームにおけるリソースを有することができる。チャネルリソース割り振りは、これらのリソースの1または複数を用いて、重複BSS内で同時に送信する場合があるノード間の相互作用を改善することができる。例えばあるリソースにおいて干渉が疑われる場合、代替リソースが用いられることができる。チャネルは、周波数において直交することができる複数のサブチャネルをサポートすることができる。チャネルは、異なるタイムスロットをサポートして、複数のリソース機会を可能にすることができる。1つのサブチャネルにおいて干渉が疑われる場合(例えばプリアンブルのBSSカラーから集められた情報に基づいて)、他のサブチャネルが送信のために選択されることができる。
【0080】
チャネルは、下向きに傾けられたおよび/または上向きに傾けられたビームをサポートすることができ、これらは組み合わせて用いられたとき、垂直において無指向性ビームと等価とすることができる。干渉が疑われる場合、上向きに傾いたおよび下向きに傾いたビームにおけるエネルギーが比較されて、干渉の激しさを決定し、および通信のためにより有利となることができるチャネルリソースを識別することができる。この機構は、チャネルリソースのために2つ以上のビームに拡張されることができる。あるチャネルビーム(例えば下向きに傾いたビーム)はOBSSから干渉を経験しない場合があり、一方、他のビーム(例えば上向きに傾いたビーム)はこのようなOBSS干渉を経験する場合がある。
【0081】
チャネルは、例えば干渉が疑われる場合、干渉の抑圧を可能にするために、送信または受信ビーム形成をサポートすることができる。リソース割り振りを支援するように、シグナリングがもたらされることができる。ビーム形成に関連付けられたシグナリングがもたらされることができる。
【0082】
STA自体のBSS内のAPにおける、シグナリングおよびビーム形成がもたらされることができる。図7は、STAからSTA自体のBSS内のAPへの、フィードバックパケットのMACフレームフォーマットを示す。STA自体のBSSにおいてビーム形成をサポートするSTAは、干渉チャネルのチャネル状態情報(CSI)を、STA自体のBSS内のAPにフィードバックすることができる。APは、STAにおける受信干渉を回避するためにビーム形成を用いることができる。TPC、CCA、および/または干渉されるチャネルIDは、STA自体のBSS内のAPに送られることができる。STAによってSTA自体のBSS内のそれのAPに送られたメッセージは、OBSS内の並行した送信に対する影響を最小にするために、APによって利用されることができる。これらのメッセージは、例えば空間的直交送信が使用されるとき、干渉キャンセルのために利用されることができる。
【0083】
それ自体のBSS内のSTAは、例えば並行したフィードバックが、OBSSにおいて用いられるのと同じ周波数帯域を通じて行われた場合、OBSS内の隣接したデバイスでの進行中の送信に激しい干渉を引き起こす場合がある。フィードバック信号の周波数、時間的、および/または空間的分離が、採用されることができる。これは、OBSS内の通信に対する影響を最小にするために行われることができる。
【0084】
重複しない周波数サブバンドを用いたシグナリングがもたらされることができる。図8は、重複しないセカンダリチャネルを用いた、STA自体のBSS内のAPへのフィードバック情報を示す。図8に示されるように、STA自体のBSSとOBSSとの間での、周波数帯域の部分的重複が利用されることができる。図8に示されるように例えば40MHz帯域幅を用いた送信の場合、それ自体のBSS内のSTAは、空間的再利用を実現および/または可能にするために、OBSSによって占有されるプライマリ20MHzチャネルを用いることを選択することができる。それ自体のBSS内のSTAは、OBSS内で用いられるものとは異なるセカンダリ20MHzチャネルを選択することができる。重複しないチャネルは、STA自体のBSS内のAPに、重複プライマリチャネルにおける同時送信のために利用される情報を送るための、フィードバックチャネルとして働くことができる。情報取得およびフィードバックは、本明細書で述べられるようにもたらされることができる。STAにおいて行われるCCAは、20MHzプライマリチャネルが占有され得ることを示すことができる。
【0085】
STAは、例えばBSSカラーをチェックするために、SIGフィールドを復号することを選択することができる。BSSカラーは、送信が隣接したOBSS内であり得ることを示すことができる。STAは、他のチャネルにおけるCCAを継続することができ、アイドルのチャネルを決定することができる。STAは、20MHzプライマリチャネル、およびアイドルの20MHzチャネルを用いるように決定することができる。アイドルの20MHzチャネルは、同時送信のためにOBSSにおいて用いられるセカンダリチャネルとは異なるものとすることができる。STAは、例えば受信された干渉信号に基づいて、干渉チャネルを推定することができる。STAは、プライマリおよびセカンダリチャネルのチャネルID、CCA、TPC、干渉チャネルCSI、および/または他の情報を、STA自体のBSS内のAPに送ることができる。STAは、重複しないセカンダリチャネルを通じて情報を送ることができる。STA自体のBSS内のAPは、フィードバック情報を用いて、適切な送信電力を選択することができる。送信電力は、隣接したOBSSにおいて干渉(例えば著しい干渉)に繋がり得ないものとすることができる。干渉されたプライマリチャネルおよび干渉されないセカンダリチャネル上で、同時送信が進行することができる。
【0086】
空間直交送信を用いたシグナリングがもたらされることができる。空間直交送信は、STAによって、それ自体のAPに情報をフィードバックするために用いられることができる。例えば強力な空間領域処理能力を有するSTAは、このような空間直交送信を用いることができる。それ自体のBSS内のSTAは、複数のアンテナを有することができる。複数のアンテナは、空間的ヌルを生成するために用いられることができる。OBSSからの干渉信号によって占有される空間的大きさは、過大ではない場合がある。大きな干渉信号の場合、それ自体のBSS内のSTAは、空間直交送信を処理することができなくなり場合がある。
【0087】
空間直交送信を用いたシグナリングのための複数の応用の例が存在することができる。例えば隣接したOBSS内の1または複数(例えばすべて)のレガシーデバイスは、単一入力単一出力(SISO)モードで送信(例えば常に送信)することができる。それ自体のBSS(例えばプライマリBSS)内のSTAは、OBSS内の進行中の送信ストリームの数より多くなり得る十分な数のアンテナを有することができる。例において、OBSS内に2つの送信があり、1つのOBSSのみがアクティブである場合がある。この場合、それ自体のBSS内のSTAは、OBSSからの干渉の2つのストリームをキャンセルすることを可能にするように、3つ以上のアンテナを有することができる。例において隣接したOBSS内のデバイスは、MIMO送信を用いることができる。OBSS内に、それらの関連付けられたAPに同時に送信し得るいくつかのSTAが存在し得るので、干渉信号の全体の空間的大きさは大きくなり得る。それ自体のBSS内のSTAは、空間的ヌル化(例えば空間的ヌル化のみ)のために必要となり得る数のアンテナを有しない場合がある。隣接したAPが送信するとき、OBSS内の関連付けられたSTAは、ミュートされると想定されることができる。それ自体のBSS内のSTAは、隣接したAPの送信中に、情報をフィードバック(例えばフィードバックのみ)するように選択することができる。このような場合、STAは、隣接したAPのそれより多くの数のアンテナを有することが必要となり得る。
【0088】
図9は、空間直交フィードバックを示す。図9に示されるように、902で、それ自体のBSS内のSTAにおけるCCAプロセスは、スキャンされたチャネルは占有されていることを示すことができる。904で、STAは、SIGフィールドを復号して、BSSカラーをチェックすることができる。BSSカラーは、送信が、隣接したOBSSからであり得ることを示すことができる。STAは、例えば受信された干渉信号における長トレーニングフィールド(LTF)を用いて、干渉チャネルのチャネル状態情報(CSI)を推定することができる。906で、STAは、空間時間ブロック符号化(STBC)、空間時間ストリームの数(NSTS)、および/またはSIGフィールドからのビーム形成された情報などの、送信パラメータを決定することができる。この情報は、OBSS内のデバイスがMIMOを用いるか否かを決定するために用いられることができる。例えばNSTS>1およびSTBC=1の場合、MIMO構成が示されることができる。他の例においてNSTS=1およびSTBC=0の場合、ビーム形成ビットがチェックされることができる。ビーム形成ビットが1である場合、MIMOが用いられることができる。STBC、NSTS、およびビーム形成ビットの他の組み合わせは、SISOモードを示すことができる。910で、隣接したOBSSにおいてMIMOモードが使用される場合、それ自体のBSS内のSTAは、SIGフィールド内のグループIDをチェックして、送信が隣接したOBSS APから生じたかどうかを識別することができる。STAは、隣接したOBSS APの送信によって占有された信号空間のヌル空間における、ビーム形成ベクトルを計算することができる。914で、それ自体のBSS内のSTAは、計算されたビーム形成ベクトルを利用して、フィードバック情報をSTA自体のBSS内のAPに送ることができる。それ自体のBSS内のSTAは、隣接したOBSS APが送信するとき、同時にフィードバック情報を送ることができる。908で、隣接したOBSSにおいてSISOが用いられる場合、それ自体のBSS内のSTAは、隣接したOBSS内のAPおよび/またはSTAからのいくつかまたはすべての干渉信号のヌル空間における、ビーム形成ベクトルを計算することができる。912で、それ自体のBSS内のSTAは、ビーム形成ベクトルを用いて、フィードバック情報をそのSTA自体のBSS内のAPに送ることができる。それ自体のBSS内のSTAは、隣接したOBSS内のAPおよび/またはSTAが通信している間に、同時にフィードバック情報を送ることができる。
【0089】
強いOBSS干渉を有する同時送信の受信のための受信器の例が、本明細書で述べられる。図10は、意図されたシンボルがノイズとして混合された、復調された干渉シンボルを示す。受信中にSTAは、例えば干渉によって抑圧される関心のある信号による、エラーにおける干渉信号を復調することを試み得る。図10に示されるように、干渉信号は、STAにおいて高い受信電力を有することができ、高QAM変調(例えば16QAM)を用いることができる。STA自体のBSS内のAPによって送られた意図された信号は、受信電力が比較的低い場合があり、QPSK変調を用いることができる。
【0090】
サイクリックプレフィックス(CP)の除去、および信号から周波数領域へのFFTを用いた変換の後、k番目のサブキャリア上の受信信号は、
k=H1,k1,k+H2,k2,k+Nk
によって表されることができ、ただしH1,kはSTAと関連付けられたAPとの間の所望のチャネル応答とすることができ、X1,kはk番目のサブキャリア上の意図されたシンボルとすることができ、H2,kは干渉チャネル応答とすることができ、X2,kはk番目のサブキャリア上の干渉シンボルとすることができる。
【0091】
受信信号Ykは、k番目のサブキャリア上の推定される干渉チャネル
【0092】
【数6】
【0093】
を用いて等化されることができる。復調された干渉シンボル
【0094】
【数7】
【0095】
は、実効的なノイズの一部として、意図された信号と共に得られることができる。図10に示されるように、干渉シンボル信号点配置は小さなドットとして表わされる。それらを通る×印を有する大きなドットは、干渉シンボルの送信された信号点配置を示す。復調された干渉シンボルのシンボルエラーレート(SER)は、例えば意図された信号からのノイズにより高くなり得る。
【0096】
干渉信号は、LDPCまたはバイナリ畳み込み符号(BCC)などの強力な誤り訂正符号によって、エンコードされることができる。STAは干渉シンボルをデマッピングすることができ、ビットシーケンスを復号することができる。LDPCまたはBCCのおかげで、干渉信号の符号化ビットエラーレートは低く(例えばかなり低く)することができる。STAは、干渉パケットプリアンブルから得られた変調および符号化方式(MCS)情報を用いて、干渉する側の訂正されたビットシーケンスに対するエンコードおよび/または変調を実施することができる。STAは、より低い(例えばずっと低い)SERを有して、干渉シンボル推定
【0097】
【数8】
【0098】
を取り出すことができる。
【0099】
STAは、受信信号Ykから、推定された強い干渉
【0100】
【数9】
【0101】
を差し引くことができる。STAは、非干渉送信段階において得られる、それ自体とSTA自体のBSS内のAPとの間のCSIを用いることができる。STAは、強い干渉なしに、意図された信号を復調および/または復号することができる。
【0102】
OBSS干渉を取り除くために、例えば干渉キャンセル受信器を用いるのではなく、干渉除去受信器などの干渉抑圧受信器が用いられることができる。OBSS送信は、例えばSTA自体のBSS内の送信の前に開始することができ、これはSTAがチャネルを推定する、および/またはSIGフィールドを復号しカラーを識別することを可能にすることができる。STA自体のBSS内の送信のためのパケットは、OBSS送信のための送信の後に終了することができる。この場合、STA1からSTA自体のBSS内のAPへのACKの送信は、通常通り生じることができる。例においてSTAのそのBSS内の送信のためのパケットは、例えばOBSS送信からの送信の前に終了することができる。成功した復号に対するACKを返すことは、結果としてSTA2における干渉を生じ得る。この場合、送信をAP1に方向付けるために、ビーム形成器が用いられることができる。送信器に肯定応答を送信するために、延期型ACKが用いられることができる。例えばSTA1およびAP1は、STAがそれ以内でACKを送ることができる最大延期時間(例えば最大の送信の数)についてネゴシエートし、合意することができる。APおよびSTAが延期型ACKの可能性について合意した場合、APは送信を完了し、延期型ACK要求を送ることができる。これは、ネットワークの残りの部分が送信を再開することを可能にすることができる。STAは、延期型ACKを送ることができる。例えばSTAは、それの都合のいいときに延期型ACKを送ることができる。
【0103】
図11は、例示的WLANにおける干渉キャンセルおよび延期型ACKを示す。BSSカラーを利用した干渉キャンセルもたらされることができる。図11に示されるように、BSS2内のAP2は、延期型ACK能力に対する能力要求1102を、BSS2内のSTA2に送ることができる。能力要求における情報は、APが送信は失敗したとことを決定することができる前に、生じることができる最大延期時間、または他のSTA送信の最大数を含むことができる。要求における情報は、例えば延期がない場合に、成功したACKがそれ以内に送られることができる、持続時間を含むことができる。STAは、データの送信の後、SIFS-x×slot_timeにおいてACKを送出することができる。これは、例えばBSS内の送信の再開を可能にするために、APがそのデータを送った後、APがSIFS時間において延期型ACKフレームを送出することを可能にするためであり得る。
【0104】
STA2は、それが延期型ACK能力を有し得ることを示す、能力応答を送ることができる。STA2は、異なる延期型ACKパラメータを用いて応答することができる。STA2は、干渉1104(例えば激しい干渉)を(例えば縁部STAとして)経験する場合があり、延期型ACKモードに入ることを決定することができる。STA2はAP2に、延期型ACKモード要求を送ることができる。AP2はSTA2に、このSTAとの送信が今後、延期型ACKモードになり得ることを示す、延期型ACKモード応答を送ることができる。これは、送信が成功した場合、AP2がSTA2からのACKを予期することができる時間を示すパラメータxなどの、パラメータを含むことができる。
【0105】
図11に示されるように、STA1は、情報1106をBSS1内のAP1に送ることができる。これは、STA2に対して干渉1104(例えば強い干渉)を引き起こし得る。STA1は、STA2が、BSS外送信を識別することを可能にするための情報(例えばBSSカラーに加えて受信器アドレス)を送出することができる。AP2は、例えばSTA1がAP1に情報を送り得る時間の間に、STA2にフレームを送ることができる。干渉1104(例えば強い干渉)は、例えば本明細書で論じられるようにキャンセルされることができる。
【0106】
図12は、延期型ACK動作の例を示す。送信の受信に成功したことの肯定応答において、以下の1または複数が生じることができる。図12に示されるように、AP2はSTA2に、例えばSTA1とAP1との間の送信持続時間より短い送信持続時間を有して、情報を送ることができる。STA2は、送信の終了後のSIFS持続時間において、ACKを送ることができる。STA2によって送られるACKは、AP1におけるデータ受信、またはSTA1におけるACK受信に影響する可能性に、影響を与えないことができる。
【0107】
AP2およびSTA2は、例えばSTA1からAP1へのプライマリ送信への干渉を回避するために、延期型ACKを実施することができる。AP2はその送信後、SIFS持続時間の間、待機することができ、ACKを受信しないことができる。AP2は、ACK延期型フレームを送出して、BSS2内のノードが送信を再開することを可能にすることができる。STA1からAP1への送信の完了後、STA2はチャネルメディアを求めて競合することができ、延期型ACKをAP2に送ることができる。このフレームは、データ送信にピギーバックされることができる。STA2からAP2への延期型ACKは、最大延期時間以内で送信されることができる。最大延期時間が満了した場合、AP2は、送信が失敗したと想定し、STA2に情報を再送信することができる。
【0108】
送信の受信に成功したことの肯定応答において、以下の1または複数が生じることができる。図13は、ACK動作の例を示す。図13に示されるように、STA1は、AP2とSTA2との間の送信持続時間を超える送信持続時間を有して、AP1に情報を送ることができる。STA2は、データ送信の完了後、SIFS-x×slot_timeを待機することができる。STA2は、AP2にACKを送信することができる。
【0109】
STA2は、干渉(例えば激しい干渉)が問題となり得ない環境へ移動し得る。STA2はAP2に、延期型ACKモード停止要求を送ることができる。AP2はSTA2に、延期型ACKモードは今後停止され得ることを示す延期型ACKモード停止応答を送ることができる。
【0110】
送信方式固有BSSカラーがもたらされることができる。BSSカラーは、送信に用いられ得る特定の技法についての情報を含むように拡張されることができる。拡張型BSSカラーは、隣接BSS内のSTAが、送信は別のBSSからであり得ることを識別することを可能にすることができる。拡張型BSSカラーは、隣接BSS内のSTAが、隣接BSS内で送信するために用いられる特定の方式の特性を識別し、それに従ってその挙動を変更することを可能にする。
【0111】
送信方式固有BSSカラーの例は、隣接BSS内のSTAが、OBSS内の送信に適応することを可能にすることができる。本明細書で述べられるように方式は、OBSS情報および/または方式固有情報を含むことができる。OBSS情報および方式固有情報の両方を含めることから恩恵を受け得る例は、ダウンリンク(DL)OFDMA、アップリンク(UL)OFDMA、OFDM、BSSサイレンシング、セクタ化された送信による干渉回避、および/またはピアツーピア(P2P)送信によるDL/UL OFDMAの1または複数を含むことができる。
【0112】
DL OFDMAにおいて、OFDMAは、帯域の1または複数を空の帯域として有して用いられることができ、またはAPはセル中心のSTAに送信することができる。DL OFDMAにおいて、隣接BSS内の1または複数のSTAは、追加のカラー情報を用いて、隣接BSS内のSTAがどこでいつ、OFDMA送信への干渉が最小の状態で送信できるかを識別することができる。OFDMA送信のために、サブバンドは20MHz帯域のごく一部分とすることができ(例えばサブチャネル化されたOFDMA送信に対して)、またはそれらは20MHz帯域とすることができる(例えばチャネルベースのOFDMA送信に対して)。
【0113】
UL OFDMAにおいて、隣接BSS内のSTAは、追加のカラー情報を用いてそれらがどこでいつ、帯域の空間的再利用によって、干渉が最小の状態で送信できるかを識別することができる。UL OFDMAにおいて、OFDMAは、隣接BSS内のアップリンク送信において用いられることができる(例えば、帯域幅全体を占めるOFDMとは異なる)。UL OFDMAにおいて1つの帯域は、APに近いSTAを有することができる。OFDMA送信のために、サブバンドは20MHz帯域のごく一部分とすることができ(例えばサブチャネル化されたOFDMA送信に対して)、またはそれらは20MHz帯域とすることができる(例えばチャネルベースのOFDMA送信に対して)。
【0114】
OFDMにおいて、OFDMが隣接BSS内で用いられ得る場合、BSSは、OBSS干渉においてロバスト性があるSTAがいつ、情報を送信および/または受信し得るかを示すことができる。隣接STAは、送信するときにこの情報を用いることができる。
【0115】
BSSサイレンシングにおいて、OBSS送信を有する高密度ネットワークでは、BSSはBSSカラーおよび、所望の時間においておよび所望の持続時間の間沈黙したままになる意図を示すことができる。隣接BSSは、この情報を用いて、いつ送信するかを決定する(例えば沈黙期間の間に送信することを決定する)ことができ、これはネットワークの性能を改善することができる。
【0116】
セクタ化された送信による干渉回避において、高密度ネットワークでは、BSSはそのカラー、およびDL送信がそれに方向付けられることができるセクタ、および送信持続時間を示すことができる。隣接BSSは、この情報を用いてネットワークの性能を改善することができる。例えばOBSSは、特定の強化型カラーを有する送信が検出され得るとき、用いるための特定の直交ビームを識別することができる。
【0117】
ピアツーピア(P2P)送信によるDL/UL OFDMAにおいて、帯域の1または複数が空であるまたは沈黙化された状態でOFDMAが用いられる場合、同じBSS内のP2P STAは、追加のカラー情報を用いてそれらがどこでいつ、OFDMA送信に対する干渉が最小の状態で送信されることができるかを識別することができる。
【0118】
OBSS情報および/または方式固有情報は、送信されるフレームのSIGフィールドにおいて送信されることができる。送信されることができる情報は、アップリンクインディケーションビット、送信ノード/BSS識別、方式識別情報、および/または方式固有情報を含むことができる。
【0119】
アップリンクインディケーションビットは、送信がアップリンクまたはダウンリンク送信であるかどうかを示すために送信されることができる。送信ノード/BSS識別が、送信されることができる。例えばダウンリンク送信(例えばアップリンクインディケーションビットは0に設定される)に対して、送信ノード/BSS識別は、BSSのBSSカラー、およびMACアドレスまたは部分的AIDとすることができる。BSSカラーは、STA自体のBSSまたはOBSSに関連付けられた送信を識別するために用いられることができる。アップリンク送信(例えばアップリンクインディケーションビットは1に設定される)に対して、送信ノード/BSS識別は、送信ノードのMACアドレスまたは部分的AIDとすることができる。この場合受信アドレスに記憶されたMACアドレスまたは部分的AIDは、STAがそれのBSSおよび/またはOBSSに関連付けられた送信を識別することを可能にすることができる。BSSカラーは、アップリンクおよびダウンリンク送信の両方において送信されることができる。
【0120】
方式識別情報が送信されることができる(例えば情報は、ビットの組み合わせによって伝達されることができる)。用いられる方式は、SIGにおいて送信されることができる。例えば用いられる特定の方式を識別するために、3ビットフィールドが、アップリンクインディケーションビットと組み合わせて用いられることができる。例えば000はOFDMを示すことができ(デフォルト)、001はOFDMAを示すことができ、010はBSSサイレンシングを示すことができ、011はセクタ化された送信による干渉回避を示すことができ、100は帯域サイレンシングを有するOFDMAを示すことができ、101、110、および111は予約済みとすることができる。UL/DL OFDMA、UL/DL OFDMが利用されるかどうかを識別するために、方向ビットが方式ビットと組み合わされることができる。
【0121】
方式固有情報が送信されることができる(例えば情報はビットの組み合わせによって伝達されることができる)。これは、方式のために利用される情報を識別するために用いられることができる。例えばその特定の方式についての情報を通信するために、方式識別情報と共に4ビットフィールドが用いられることができる。例えば同一のフィールドは、用いられる特定の方式に応じて異なる事柄を意味することができる。例えば{方向ビット}{方式}{情報}のフォーマットを用いて、{DL}{OFDMA}{1101}は、干渉に対してロバスト性があり得るSTAにより、OBSS送信のためにサブバンド3が利用可能である、4つのサブバンドを有するアップリンクOFDMAを示すことができる。{DL}{Silencing}{1000}は、セクタ0がアクティブであるダウンリンクサイレンシングを示すことができる。
【0122】
UL/DL OFDMAに対して、送信中に隣接BSSによって用いられることができる帯域が識別されることができる。例は、APでの(例えばUL送信における)、またはSTAでの(例えばDL送信における)受信として、隣接BSS内のBSS中心のSTAへの送信のために利用されることができる帯域を識別することを含むことができる。このような帯域は、干渉に対してロバスト性が高くなり得る。
【0123】
UL/DL OFDMAに対して、送信中に隣接BSSによって用いられることができない帯域が識別されることができる。例は、APでの(例えばUL送信における)、またはSTAでの(例えばDL送信における)受信として、隣接BSS内のBSS縁部のSTAへの送信のために利用されることができる帯域を含む。このような帯域は、干渉に対してロバスト性が低くなり得る。
【0124】
OFDMに対して、送信に対してロバスト性があるSTAが送信または受信しているときが識別されることができる。隣接STAは、送信するときにこの情報を用いることができる。BSSサイレンシングにおいて、沈黙期間の開始および持続時間が識別されることができる。セクタ化された送信での干渉回避のために、送信の開始および持続時間が識別されることができる。例えばOBSSにおけるアクティブなセクタ、およびアクティブなセクタ方向が識別されることができる。いずれのOBSS送信によっても用いられることができないセクタが、識別されることができる。CCA閾値情報のために、強化型カラー情報は、本明細書で述べられるものなどの所望のRx感度/閾値を含むことができる。
【0125】
強化型BSSカラーを用いたUL/DL OFDMA送信がもたらされることができる。図14は、UL/DL OFDMA WLANシステムの例を示す。図15は、UL/DL OFDMAパケット交換タイプ1の例を示す。図16は、UL/DL OFDMAパケット交換タイプ2の例を示す。図17は、UL/DL OFDMAパケット交換タイプ3を示す。本明細書で述べられる例は、ダウンリンクOFDMAにおいて用いられることができる。例えばDL OFDMA送信は、4つのサブバンドを有することができる。図14図15図16、および図17に示されるように、BSS2内のAP2はダウンリンクOFDMA送信を始動することができる。BSS2内のAP2は、SIGフィールドにおいて、STA4およびSTA5によって占有されるサブチャネルは、例えばそれらがAPに近いことにより、OBSS干渉に対してロバスト性があり得ることを示すことができる。BSS1内のSTA1は、BSS2送信をオーバーヒアすることができ、サブチャネルのいずれかまたは両方においてその送信をスケジュールすることができる。
【0126】
図14、15、16、および17に示されるように、BSS2内のAP2は、OFDMAを用いてそのBSS内のSTAに情報を送ることができる。例えばBSS2は、いくつかまたはすべてのSTAにOFDMAスケジュールフレームを送ることによって、STA2(例えばチャネル1を用いて)、STA3(例えばチャネル2を用いて)、STA4(例えばチャネル3を用いて)、およびSTA5(例えばチャネル4を用いて)と、ダウンリンクOFDMA送信を始動することができる。STAのそれぞれは、OFDMA応答フレームにより返答することができる。APは、STAに情報を送信することができる。送信の受信に成功したSTAは、肯定応答(ACK)により返答することができる。
【0127】
強化型BSSカラー情報は、以下のフレームの1または複数(例えばすべて)のSIGフィールドにおいて送信されることができる。強化型カラー情報は、1または複数のチャネル(例えばチャネル3および/またはチャネル4)が送信のために利用可能であることを示すことができる(例えば{1100}を送信することによって)。OFDMA/COBRAチャネルは、OFDMA/COBRA送信のためのチャネルリソースを予約するために、OFDMA/COBRAフレームを予約またはスケジュールすることができ、および/または1または複数のSTA(例えばSTA2、STA3、STA4、およびSTA5)によって用いられるサブチャネルを示すことができる。STA(例えばSTA2、STA3、STA4、およびSTA5)の1または複数(例えばそれぞれ)からの1または複数のOFDMA/COBRA応答フレームは、スケジュールフレームの受信に対して肯定応答(schACK)するために用いられることができる。STAの1または複数(例えばそれぞれ)は、STAに近いOBSS STAに、そのSTAについての情報をもたらすように、強化型カラー情報全体を送出することができる。STAの1または複数(例えばそれぞれ)は、基本BSSカラー情報、特定の方式についての情報、および/またはSTAにそれが割り当てられた(例えば割り当てのみ)サブチャネルについての情報を送ることができる(例えば送るのみ)。
【0128】
図15に示されるように、タイプIパケット交換においてカラー情報は、サブバンドの1または複数(例えばそれぞれ)上に送られることができる。図16に示されるように、タイプIIパケット交換においてカラー情報は、チャネル帯域幅(例えばチャネル帯域幅全体)にわたって送られることができる。図17に示されるように、タイプIIIパケット交換においてカラー情報は、帯域幅(例えば帯域幅全体)にわたって送られることができ、例えば重複を回避するために時間遅延されることができる。図17に示されるように、STAのそれぞれに関連付けられたschACKフレームは、それぞれのサブバンド上に同時に送られることができる。schACKフレームの1または複数は、ブランク送信またはダミー情報1702によって先行されることができる。このダミー情報1702は、例えばOFDMAスケジュールグループにおけるSTAの位置に基づいて、受信器によってスキップされることができる。OFDMAデータフレームは、APから、1または複数のSTAのそれぞれ(例えばSTA2、STA3、STA4、およびSTA5のそれぞれ)に送られることができる。ACKフレームは、1または複数のSTA(例えばSTA2、STA3、STA4、およびSTA5のそれぞれ)から送られることができる。送信される強化型カラー情報は、schACKにおいて送信されるものと同様とすることができる。強化型カラー情報は同一とすることができ、および/またはOFDMA送信フレーム交換において、フレームの1または複数(例えばすべて)において送信されることができる。
【0129】
図15図16、および/または図17に示されるように、例えばBSS1内のSTA1は、例えばBSS2内のAP2またはSTA2からの、BSS2からの送信をオーバーヒアすることができる。例えば高密度環境において、STA1は、AP2からのCOBRAスケジュールフレームをオーバーヒアすることができる。例えば受信されるフレームは、STA1の受信器感度より大きな電力を有して受信されることができる。STA1は、STA2からのschACKフレームをヒアリングすることができる。
【0130】
STA1は、BSS2からの受信された送信のプリアンブルを復号することができる。例えばプリアンブルは、強化型BSSカラー情報による更新されたSIGフィールドを備えることができる。STA1は、1または複数のチャネル(例えばチャネル3およびチャネル4)上でCSMA/CAチャネルアクセスを再開することができる。STA1は、チャネルのいずれか(例えば図15図16図17に示されるようにチャネル3)において、AP1に情報を送ることができる。
【0131】
BSS1内のSTA1は、BSS1内のAP1に、STA1が使用できるチャネル、および/またはSTA1が使用できないチャネルの識別を示すことができる。例えばSTA1はこのようなインディケーションを、ダウンリンクOFDMA/COBRAチャネル要求(例えばBSS1内のAP1からの)に応答して通信することができる。STA1は、それが1または複数のチャネル(例えばチャネル3またはチャネル4のみ)を使用できること、および/またはそれが1または複数のチャネル(例えばチャネル1または2)を使用できないことを示すことができる。STA1は、アップリンクOFDMA/COBRAデータ要求(例えばAP1への)を、それがチャネル3またはチャネル4(例えばチャネル3またはチャネル4のみ)を使用できる旨の、および/またはそれがチャネル1または2を使用できない旨の情報と共に送ることができる。STA1は情報をSTA1のBSS内のAP(例えばBSS1内のAP1)に、OBSS内のAP(例えばBSS2内のAP2)への影響が最小の状態で送ることができる。
【0132】
アップリンクCOBRA/OFDMA送信は、本明細書で述べられるようにダウンリンクOFDMAと同様とすることができる。例えばSTAはAPに、そのバッファ内のデータに基づいてスケジュールするように要求を送ることができる。STAはAPから、特定の帯域において送信するためのOFDMAスケジューリングフレームを受信することができる。STAはAPに、強化型カラー情報によりschACKを送ることができる。STAはAPに、強化型カラー情報によりデータを送ることができる。
【0133】
強化型BSSカラーによるUL/DL OFDM送信がもたらされることができる。図18は、強化型BSSカラーによるUL/DL OFDM送信の例を示す。図19は、UL/DL OFDMパケット交換の例を示す。図18および図19に示されるように、BSS1内のAP1は、STA1および/またはSTA2と通信する(例えばそれらに送信を送る)ことができる。両方の送信に対してCCA閾値およびBSSカラーが同一であり得る場合でも、例えばプライマリ送信の受信側が干渉に対してロバスト性があり得るとき、強化型BSSカラーの使用は、BSS2内のSTA3が送信することを可能にする。
【0134】
図18および図19に示されるように、BSS1内のAP1は、STA1にOFDM送信を送ることができる。BSS1内のSTA1は、OBSS BSS2内のSTA3からのOBSS干渉に対してロバスト性がない場合がある。AP1は、その送信のプリアンブル内に、例えばそれがOFDM送信を使用し得ること、およびチャネルは使用されることができないことを示す、強化型カラー情報を送ることができる。OBSS BSS2内のSTA3は、BSS1からの送信、および強化型カラー情報をオーバーヒアすることができる。STA3は、それのチャネルをビジーに設定することができ、送信することはできない。
【0135】
BSS1内のAP1は、STA2に例えば別の時点でOFDM送信を送ることができる。STA2は、OBSS BSS2内のSTA3からのOBSS干渉に対してロバスト性があり得る。AP1は、その送信のプリアンブル内に強化型カラー情報を送り、それがOFDM送信を用いること、および/またはチャネルは使用されることができる(例えば並行して)ことを示すことができる。OBSS BSS2内のSTA3は、BSS1からの送信、および/または強化型カラー情報をオーバーヒアすることができる。STA3は、それのチャネルをアイドルに設定することができ、および/または送信することができる。
【0136】
強化型BSSカラーを用いたセクタ化された送信による干渉回避がもたらされることができる。AP-STAペアは、APおよびSTAがセクタ化されたアンテナを用いて送信することを示すことができる。初期の無指向性送信は、セクタ化された送信の使用、BSSカラー/RA情報、および/または送信の方向を含む、情報を示すことができる。この情報は標準によって予め決定されることができ、または発見の例/手順は特定のシーケンスに方向を割り当てることができる。OBSS STA/APは、この情報を用いて、それの送信中のCCA閾値を変更する、および/またはそれがその受信器に情報を送信するために用いることができるセクタを制限することができる。この例は、802.11ahにおいて提案される空間的直交送信とは異なり得る。802.11ahにおいて空間直交性は、暗黙的に想定されることができる。BSSカラーは、OBSS STAに情報を送る(例えば明示的に送る)ために用いられることができる。
【0137】
BSS1内のAP1は、無指向性アンテナを用いて送信して、それが特定のセクタを用い得ることを示すことができる。AP1は、そのBSSカラー、および/または用いられるセクタについての情報を送信することができる。例えばAP1は、セクタ発見フレームを送出することができる。APは、一連の交互の無指向性および/またはセクタ化された送信を送信することができる。無指向性送信フレームは、セクタIDおよび/またはセクタサブカラー情報を備えることができ、例えばその後に関心のあるセクタにおけるヌルデータパケットの送信が続くことができる。これは、BSS(例えばBSS1)内およびその外部のSTAが、セクタおよびそれのセクタサブカラーを識別することを可能にする。
【0138】
AP1によって無指向性フレームが送信されることができ、これはセクタIDのセクタサブカラーへのマッピングを可能にすることができる。1または複数の(例えば各)STAはAPに、その好ましいセクタおよび/または対応するセクタサブカラーにより返答することができる。これは隣接BSS内のSTAが、セクタサブカラーを対応するセクタにマッピングすることを可能にすることができる。
【0139】
STA1はAP1に、ACKフレームを用いて返答することができる。ACKフレームは、送信が生じ得るBSS、方式(例えばセクタ化されたアンテナ送信)、または送信の方向の、1または複数についての情報を含むことができる強化型BSSカラーを備えることができる。AP1は、STA1への送信を開始することができる。BSS2内のSTA2は、AP1またはSTA1のいずれかからの送信をオーバーヒアすることができる。別個のBSS内で送信が生じ得るとの情報に基づいて、STA2は、送信持続時間の間、そのCCA閾値を変更することができる。BSS1内で送信がある方向に生じ得るとの情報に基づいて、STA2はその送信方式を変更することができる。例においてSTA2は、例えばBSS1内で送信がある方向に発生し得る場合、送信を停止することができる。例においてSTA2は、例えばBSS1において送信がある方向に発生し得る場合、より低い送信電力または直交/半直交セクタ方向を用いて、AP2に送信することができる。
【0140】
強化型BSSカラーによるUL/DL OFDMA送信およびピアツーピア(P2P)送信がもたらされることができる。APは、例えばOFDMAを用いて、アップリンクおよび/またはダウンリンクにおいて複数のSTAと通信することができる。ネットワーク内のSTAのペアは、互いに直接送信することができる。強化型BSSカラーの使用は、APとAPに関連付けられたSTAとの間の、およびP2P STAペアの間のデータの送信(例えば同時送信)を容易にすることができる。
【0141】
図20は、強化型BSSカラーを用いたピアツーピア送信によるOFDMA送信の例を示す。図21は、図20におけるエンティティに関係するパケット交換の例を示す。図20および図21に示されるように、AP1は例えばOFDMAを用いて、そのBSS内のSTAに情報を送ることができる。例えばAP1は、1または複数(例えばすべて)のSTAにOFDMAスケジュールフレームを送ることによって、STA1(例えばチャネル1を用いて)、STA2(例えばチャネル2を用いて)、およびSTA3(例えばチャネル3を用いて)とのダウンリンクOFDMA送信を始動することができる。STAのそれぞれ(例えばSTA1、STA2、およびSTA3)は、OFDMA応答フレームにより(例えばschACKフレームを用いて)返答することができる。APは、STAにデータを送信することができる。データの受信に成功したSTAは、ACKにより返答することができる。
【0142】
強化型BSSカラー情報は、OFDMA/COBRAチャネル予約またはスケジュールフレーム、1または複数のOFDMA/COBRA応答フレーム、OFDMAデータフレーム、および/または1または複数のACKフレームの、いずれか(例えばまたはすべて)のSIGフィールドにおいて送信されることができる。例えば強化型カラー情報は、チャネル(例えばチャネル4)は沈黙化され、利用可能であることを示す{1110}を含むことができる。図21に示されるように、フレーム、例えばOFDMA/COBRAチャネル予約フレームまたはスケジュールフレームは、OFDMA/COBRA送信のための1または複数のチャネルリソースを予約するために利用されることができる。OFDMA/COBRAチャネル予約フレームまたはスケジュールフレームは、1または複数のSTA(例えばSTA1、STA2、およびSTA3)によって用いられるサブチャネルを示すために利用されることができる。1または複数のSTA(例えばSTA1、STA2、およびSTA3のそれぞれ)からのOFDMA/COBRA応答フレームは、スケジュールフレームの受信に対して肯定応答するために送られることができる(例えばschACKフレームを用いて)。1または複数の(例えば各)STAは、強化型カラー情報(例えば強化型カラー情報全体)を送出して、STAに近いOBSS STAが、そのSTA(例えばSTAのみ)についての情報を得ることを可能にすることができる。例えば1または複数の(例えば各)STAは、基本BSSカラー情報、特定の方式についての情報、および/またはそれに割り当てられたことがあり得る(例えばそれのみに割り当てられたことがあり得る)サブチャネルについての情報を、送ることができる(例えば送ることのみができる)。本明細書で論じられるように、タイプI、タイプII、およびタイプIIIカラー情報が用いられることができる。
【0143】
図21に示されるように、OFDMAデータフレームは、AP(AP1)からSTA1、STA2、およびSTA3の1または複数(例えばそれぞれ)に送られることができる。ACKフレームは、STA1、STA2、およびSTA3の1または複数(例えばそれぞれ)から送られることができる。送信される強化型カラーは、OFDMAスケジュールフレーム内で送信されるものと同様とすることができる。強化型カラー情報は同一とすることができ、OFDMA送信フレーム交換におけるフレームのいずれかまたはすべてにおいて送信されることができる。BSS1内のSTA4は、AP(AP1)からの送信をオーバーヒアすることができる。プリアンブル(例えば強化型BSSカラー情報による更新されたSIGフィールド)を復号するとすぐに、STA4はチャネル4にアクセスすることができ、STA5にP2Pフレームを送信することができる。STA5は、受信されたP2PフレームのACKにより続けることができる。
【0144】
空間直交送信がもたらされることができる。図22は、OBSS干渉、および干渉キャンセルトランシーバ方式の例を示す。例えばショッピングモールまたはアパートにおいて、隣接したBSSが高密度に配備される場合があり、そこでは隣接したBSSのカバレージエリアは、互いに重複される。BSS内のSTAは、2つ以上のBSSの重複したカバレージエリア内に位置し得る。図22に示されるように、そのBSS例えばBSS1に属するSTA2は、OBSS例えばBSS2のカバレージエリア、ならびにそのBSSのカバレージエリア内に位置し得る。OBSS内のAP2は、図22のSTA3およびSTA4など、それの関連付けられたSTAに信号を送信することができる。STA2は、AP2によって設定されたNAVの持続時間の間、STA2のBSS内のAP例えばAP1と通信することはできない。STA2は、AP2送信の持続時間の間、アイドルとなる必要があり得る。
【0145】
本明細書で述べられる例は、図22に示されるようにSTA2が、一定の条件下で送信および/または受信することを可能にすることができる。例えばSTA2は、AP2からの送信において高スループット長トレーニングフィールド(HT-LTF)、または超高スループット長トレーニングフィールド(VHT-LTF)を用いて、例えばAP2とSTA2との間の干渉チャネルを推定することができる。この干渉チャネル状態情報は、AP2のNAV持続時間の持続時間において、AP1とのSTA2の通信(例えば同時通信)を支援するために利用されることができる。複数のアンテナ構成が、AP1、AP2、およびSTA2のために利用されることができる。本明細書で述べられるように、OBSSからの情報を識別するために、SIGフィールド内のBSSカラーフィールドが用いられることができる。
【0146】
STAは、OBSS内のAPからの干渉送信を識別することができ、本明細書で述べられるようにSTA自体のBSS内のAPとのそれの通信(例えば同時通信)を協調させることができる。図22に示されるように、OBSSにおいてAP2は、それの関連付けられたSTA3およびSTA4との通信を初期化することができる。BSSカラーおよび空間的ストリームの総数は、プリアンブルのSIGフィールド内に示されることができる。STA2は、AP1に関連付けられることができる。STA2は、AP2からのRTSをヒアリングする、および/またはAP2から信号を受信するように準備することができる。STA2は、AP2からデータパケットを受信することができる。STA2は、チャネルを推定するおよび/またはBSSカラーフィールドをチェックすることを選択することができる。STA2は、BSSカラーが、それが関連付けされ得るAPのBSSカラーと一致しないことを決定することができる。STA2がAP1によって送られたRTSを逸した、またはOBSSがRTS/CTSフレーム交換を用いない場合、STA2は、干渉されるチャネル上のSTFを検出することによって、パケットの開始を追跡することができる。パケット開始点が検出されたとき、STA2はチャネルを推定するおよび/またはBSSカラーフィールドをチェックすることができる。STA2は、BSSカラー情報によって、送信はOBSS内であり得ることを知ることができる。STA2は、干渉されるチャネル上のパケット検出を停止すること、および/または例えば電力消費制限により、OBSS内の送信中にミュート状態を保つことを、選択することができる。STA2は、干渉信号のヌル空間における空間的方向を計算することができる。STA2は、CDMA符号化信号および/またはフィードバックチャネルを選択して、AP1へ、干渉チャネルに向かう直交方向を送ることができる。AP1は、STA2からフィードバック情報を受信することができる。AP1は、例えばSTA2の受信器において、干渉信号によって占有される部分空間に直交となり得る空間的方向に、その送信される信号を制御するように、プリコーディングを行うことができる。STA2は、AP1の送信方向と一致した重みを組み合わせる受信器を用いて、例えばAP2のNAV持続時間内で、AP1からの信号を受信することができる。
【0147】
直交方向は、本明細書で述べられるように決定されることができる。AP2は、M個のアンテナを用いて、干渉信号xIを送信することができる。AP1およびSTA2は、N>M個のアンテナを有することができる(例えばN>M個のアンテナを有することが必要となり得る)。STA2は、例えばAP2によって送られたパケットのプリアンブル部分を用いて、チャネル推定を行うことができる。STA2とAP2との間の推定される干渉チャネルは、N×M行列HIによって表されることができる。STA2は、HIのSVD分解を計算することができる。
I=UΣV=[U12]ΣV
ただし、UはN×Nユニタリ行列とすることができ、VはM×Mユニタリ行列とすることができ、Σはそれの最上主対角線上に特異値を有するN×M行列とすることができる。U1はHIの範囲空間に及ぶことができる固有ベクトルを保持するUのN×M部分行列とすることができる。U2は、その列ベクトルがHIのヌル空間内に位置することができるN×(N-M)部分行列とすることができる。
【0148】
【数10】
【0149】
と表し、ただし
【0150】
【数11】
【0151】
、i=1,2,・・・,N-MはU2の列ベクトルとすることができ、STA2は、所望のビーム形成ベクトルとして、U2のいくつかの列ベクトルを選択することができる。STA2はAP1に、これらの所望のビーム形成ベクトルを用いて信号を送信するように通知することができる。
【0152】
所望のビーム形成ベクトルとして、
【0153】
【数12】
【0154】
においてK個の列ベクトルが選択されたと仮定すると、K個のビーム形成ベクトルは、行列UDを形成することができる。STA2はAP1に、UDのフィードバック情報を送ることができる。AP1とSTA2との間のN×Nチャネル行列は、HDによって表されることができる。AP1は、それ自体とSTA2との間のCSIの知識を有することができる。AP1は、例えば送信中に、プリコーディング行列
【0155】
【数13】
【0156】
を使用して、STA2にK個の情報シンボルxDを送信することができる。STA2における受信信号は次のように表されることができる。
y=HDDD+HII+n
=UDD+HII+n
【0157】
受信器においてSTA2は、
【0158】
【数14】
【0159】
を結合行列として利用することができる。所望の信号ビーム形成ベクトルUDDは干渉信号のヌル空間に存在することができ、結合行列は所望の信号と一致され得るので、例えば以下などの結合演算の後、干渉は取り除かれる(例えば完全に取り除かれる)ことができる。
【0160】
【数15】
【0161】
例えば
【0162】
【数16】
【0163】
は、ユニタリ行列のいくつかの列ベクトルから構成されることができるので、等価ノイズ分散は強くなり得ない。STA2でのSVDでの計算値は、低くなり得る。AP1でのビーム形成処理において、より多くの計算コストが存在し得る。STA2による干渉方向UDのフィードバックは、AP2に関連付けられた密接に位置するSTAに対して、干渉を引き起こし得る。STA2の、隣接したOBSS内のSTAへの干渉を低減するために、CDMA符号化されたフィードバック、または別の周波数フィードバックチャネルが有用となり得る。STA2によって引き起こされる干渉を低減するために、送信電力制御が用いられることができる。
【0164】
BSSカラー変更および協調が、本明細書で述べられることができる。図23は、OBSS報告要素の例を示す。STAは、例えばその現在のBSSのカラーを用いて、受信された送信において(例えばSIGフィールドにおいて)示されるカラーと比較して、それ自体のBSS以外のBSSを検出することができる。STAは、このような検出を、それの関連付けられたAPに報告することができる。例えばSTAは、図23に示されるようにOBSS報告要素を用いて、STAが検出し得たOBSSの情報および/またはBSSカラーを報告することができる。
【0165】
OBSS報告要素(例えばOBSS(サブ)要素)は以下のフィールド、(サブ)要素ID、長さ、フィールド数、またはOBSS報告フィールド1からフィールドNの、1または複数を含むことができる。(サブ)要素IDは、現在の(サブ)要素がOBSS報告(サブ)要素であり得ることの識別子を含むことができる。長さフィールドは、OBSS報告(サブ)要素の長さを含むことができる。フィールド数フィールドは、現在のOBSS報告(サブ)要素内のOBSS報告フィールドの数を示すことができる。フィールド数フィールドは、例えば固定の数(例えば1つ)のOBSS報告フィールドが含まれる場合は、省かれてもよい。1または複数の(例えば各)OBSS報告フィールド1からフィールドNフィールドは、検出されたOBSSに関連付けられた情報を含むことができる。OBSS報告フィールドの1または複数(例えばそれぞれ)は以下のサブフィールド、BSS識別子、ESS識別子、コーディネータID、世代、カラー情報、または動作チャネル情報の、1または複数を含むことができる。BSS識別子サブフィールドは、BSSID、短いBSSID、または前もって合意され得た他のタイプのBSSの識別子などの、BSSの識別子を備えることができる。ESS識別子サブフィールドは、SSID、短いSSID、または他のタイプのBSSの識別子などの、ESSの識別子を備えることができる。コーディネータIDサブフィールドは、識別されたBSSおよび/またはESSのためのコーディネータの識別子を備えることができる。IDは、MACアドレス、IPアドレスなどとして実施されることができる。世代サブフィールドは、識別されたBSSの世代のインディケーションを備えることができる。可能性がある世代の値は、802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.11ah、802.11af、802.11axなどを含むことができる。カラー情報サブフィールドは、識別されたBSSによって用いられることができるBSSカラーの情報を備えることができる。可能性がある値は、カラーなし、および/または識別されたBSSによって用いられることができるカラーを示す整数またはビットパターンを含むことができる。このサブフィールドにおける特定の値またはビットパターンは、No Color、または識別されたBSSがカラーを用いないことを示すことができる。動作チャネル情報サブフィールドは、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、80+80MHz、1MHz、2MHz、W、W+W、2W、4MHz、2W+2W、8MHz、16MHzなどのBSS動作幅など、識別されたBSSの動作チャネルを含むことができる。プライマリチャネル番号およびCCFS-1情報が、含まれることができる。
【0166】
OBSS報告(サブ)要素、またはフィールドおよび/またはサブフィールドのセットは、HE能力要素、HE動作要素などの既存の要素の任意の一部、または制御、管理、拡張またはヌルデータパケット(NDP)フレームの任意の一部として、またはMACもしくは物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)ヘッダの一部として実施されることができる。例えばOBSS報告(サブ)要素のフィールドまたはサブフィールドのセットは、隣接報告、縮小型隣接報告、またはHE隣接報告の一部またはサブ要素として実施されることができる。例えば本明細書で述べられるフィールドまたはサブフィールドの1または複数は、アクションフレーム、ACKなしアクションフレーム、またはHEアクションフレームなどのパブリックアクションフレーム内に含められることができる。このようなフレームは、発見された1または複数のBSSを報告するためにSTAによって用いられることができ、これは発見されたBSSがカラーを用い得るかどうか、および発見されたBSSがどのカラー値を用い得るかを含むことができる。
【0167】
BSSカラー変更がもたらされることができる。STAにはAPによって、関連付けの間にAPのBSSにおいて用いられ得るBSSカラーが通知されることができる。STAは、OBSS報告アクションフレーム、またはOBSS報告(サブ)要素を備えたフレームを送ることができ、これはBSSが同じカラーを用い得るSTAによって発見され得ることを報告するために、APによる応答型(solicited)、定期的(periodically)に行われることができ、または非応答型(unsolicited)とすることができる。例えばSTAは、OBSS報告アクションフレーム、またはOBSS報告(サブ)要素を含んだフレームを、APによって応答型、定期的、または非応答型で送って、STAが発見し得た1または複数のOBSSを報告することができる。APは、例えばビーコン、短いビーコン、データなどのOBSSパケット、およびOBSSからの制御、管理、または拡張パケットを検出することによって、それのOBSSの1つがそれ自体のBSSと同じカラーを用いていることを検出し得る。OBSSパケットは、OBSSのカラー、および/またはBSSIDまたはAP自体のBSSに属さない送信STAのMACアドレスなどの他の識別情報を含むことができる。例えばAPがSTAからOBSSはそれ自体のBSSと同じカラーを用い得る旨のインディケーションを受信したとき、APは異なるカラーを選択することができる。新しいカラー値はランダムに選択されることができ、例えばそれの直接OBSSによって用いられ得ないカラー値のセットからランダムに選択されることができる。新しいカラー値は、所与のエリア内のOBSSによって用いられることが最も少ないカラー値となるように選択されることができる。APは、カラーアナウンスメントフレームの変化を用いて、BSSカラーの変化をアナウンスすることができ、これはビーコン、短いビーコン、または管理、制御、拡張の任意の一部における(サブ)要素として、またはNDPフレーム、またはMAC/PLCPヘッダの一部として実施されることができる。
【0168】
図24は、カラー変更アナウンスメント要素(例えば(サブ)要素)の例を示す。図24に示されるように、カラー変更アナウンスメント要素(例えば(サブ)要素)は、(サブ)要素ID、長さ、新しいBSSカラー、または切り換え時間フィールドの、1または複数を含むことができる。(サブ)要素IDフィールドは、現在の(サブ)要素が、カラー変更アナウンスメント(サブ)要素であり得ることを示す識別子とすることができる。長さフィールドは、カラー変更(サブ)要素の長さを備えることができる。新しいBSSカラーは、BSSによって用いられることができる新しいカラー値の値を備えることができる。切り換え時間フィールドは、新しいBSSカラーへの切り換えの時間を示すことができる。例えば切り換え時間は、BSSが新しいBSSカラー値に切り換わることができるまでの、時間単位(TU)での残り時間、マイクロ秒、ミリ秒、秒、または任意の他の時間単位として実施されることができる。例えば切り換え時間は、タイミング同期機能(TSF)値、部分的TSF値、またはBSSが新しいBSSカラー値に変化することができる絶対時間とすることができる。BSSのAPおよびSTAは、示された切り換え時間において、および/または切り換え時間がゼロまでカウントダウンされ得たときに、新しいBSSカラー値に適応するおよび/またはそれを用いることができる。
【0169】
1または複数のAPは、協調を用いてそれらのBSSのためのカラー(例えば最良のカラー)を選択することができる。協調は、本明細書で述べられることができる。APは、例えば新しいBSSを新たに開始するとき、OBSSがそれらの現在のBSSと同じカラー値を用い得ることが発見されたとき、それらのSTAによって、1または複数のOBSSはそれら自体のBSSと同じカラー値を用い得ることが通知されたとき、および/またはそれが一定の閾値レベルを超える干渉を経験したときに、協調を通じて新しいBSSカラー値を選択することができる。APは協調を通じて、例えばAP対AP協調を通じて、またはプロバイダコーディネータを通じた協調を通じて、新しいBSSカラー値を選択することができる。
【0170】
APまたはコーディネータは、例えば関連のあるエリアにおいて、1または複数(例えばすべて)のAP/コーディネータに、協調要求フレーム/要素を送ることができる。協調要求フレームは、カラー値を備えることができる。協調要求は、関連のあるOBSS内のAP/BSSの1または複数(例えばすべて)によって用いられることができるカラーを問い合わせることができる。
【0171】
AP/コーディネータは、例えばカラー値を協調させるために協調要求フレーム/要素を受信したとき、協調応答フレーム/要素によって応答することができる。協調応答フレーム/要素は、協調要求フレームにおける提案されたカラーが拒絶された、受け入れられた、または代替値が提案されたかどうかのステータスを備えることができる。協調応答は、応答するBSSにおいて、BSSによって用いられることができる現在のカラー値を備えることができる。
【0172】
AP/コーディネータは、それのBSSまたは1または複数のBSSに、BSSはもたらされた切り換え時間において新しいBSSカラー値に切り換わるべきであることを、例えばカラー変更フレーム/要素を用いてアナウンスすることができる。
【0173】
図25Aは、1または複数の開示される実施形態が実施されることができる、例示の通信システム2500の図である。通信システム2500は、複数の無線ユーザに音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャストなどのコンテンツをもたらす、多元接続システムとすることができる。通信システム2500は、複数の無線ユーザが、無線帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、このようなコンテンツにアクセスすることを可能にすることができる。例えば通信システム2500は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、単一キャリアFDMA(SC-FDMA)などの1または複数のチャネルアクセス方法を使用することができる。
【0174】
図25Aに示されるように通信システム2500は、複数のWTRU、例えばWTRU2502a、2502b、2502c、および2502dなどの少なくとも1つの無線送信/受信ユニット(WTRU)、無線アクセスネットワーク(RAN)2504、コアネットワーク2506、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)2508、インターネット2510、および他のネットワーク2512を含むことができるが、開示される実施形態は任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図することが理解されるべきである。WTRU2502a、2502b、2502c、2502dのそれぞれは、無線環境において動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスとすることができる。例としてWTRU2502a、2502b、2502c、2502dは、無線信号を送信および/または受信するように構成されることができ、ユーザ機器(UE)、移動局、固定またはモバイル加入者ユニット、ページャ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ノートブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、民生用電子機器などを含むことができる。
【0175】
通信システム2500はまた、基地局2514aおよび基地局2514bを含むことができる。基地局2514a、2514bのそれぞれは、コアネットワーク2506、インターネット2510、および/またはネットワーク2512などの、1または複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするように、WTRU2502a、2502b、2502c、2502dの少なくとも1つと無線でインターフェースするように構成された任意のタイプのデバイスとすることができる。例として基地局2514a、2514bは、基地トランシーバ局(BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、無線ルータなどとすることができる。基地局2514a、2514bはそれぞれ単一の要素として示されるが、基地局2514a、2514bは、任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含むことができることが理解されるべきである。
【0176】
基地局2514aはRAN2504の一部とすることができ、これはまた他の基地局、および/または基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノードなどのネットワーク要素(図示せず)を含むことができる。基地局2514aおよび/または基地局2514bは、セル(図示せず)と呼ばれることができる特定の地理的領域内で、無線信号を送信および/または受信するように構成されることができる。セルはさらにセルセクタに分割されることができる。例えば基地局2514aに関連付けられたセルは、3つのセクタに分割されることができる。従って一実施形態では基地局2514aは、3つのトランシーバ、例えばセルの各セクタに対して1つを含むことができる。他の実施形態では基地局2514aは、多入力多出力(MIMO)技術を使用することができ、従ってセルの各セクタに対して複数のトランシーバを利用することができる。
【0177】
基地局2514a、2514bは、任意の適切な無線通信リンク(例えば無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光など)とすることができるエアインターフェース2516を通して、WTRU2502a、2502b、2502c、2502dの1または複数と通信することができる。エアインターフェース2516は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を用いて確立されることができる。
【0178】
より具体的には上記のように通信システム2500は、多元接続システムとすることができ、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどの1または複数のチャネルアクセス方式を使用することができる。例えばRAN2504内の基地局2514a、およびWTRU2502a、2502b、2502cは、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)地上無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実施することができ、これらは広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))を用いてエアインターフェース2516を確立することができる。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)および/またはEvolved HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含むことができる。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および/または高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)を含むことができる。
【0179】
他の実施形態では、基地局2514aおよびWTRU2502a、2502b、2502cは、Evolved UMTS地上無線アクセス(E-UTRA)などの無線技術を実施することができ、これらはロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTE-Advanced(LTE-A)を用いて、エアインターフェース2516を確立することができる。
【0180】
他の実施形態では、基地局2514aおよびWTRU2502a、2502b、2502cは、IEEE 802.16(例えばマイクロ波アクセス用世界規模相互運用性(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、暫定標準2000(IS-2000)、暫定標準95(IS-95)、暫定標準856(IS-856)、移動体通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、GSM進化型高速データレート(EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実施することができる。
【0181】
図25Aの基地局2514bは、例えば無線ルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントを備えることができ、事業所、ホーム、乗り物、キャンパスなどの局所的エリアにおける、無線接続性を容易にするための任意の適切なRATを利用することができる。一実施形態では、基地局2514bおよびWTRU2502c、2502dは、IEEE 802.11などの無線技術を実施して、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立することができる。他の実施形態では、基地局2514bおよびWTRU2502c、2502dは、IEEE 802.15などの無線技術を実施して、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立することができる。他の実施形態では、基地局2514bおよびWTRU2502c、2502dは、セルラベースのRAT(例えばWCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-Aなど)を利用して、ピコセルまたはフェムトセルを確立することができる。図25Aに示されるように基地局2514bは、インターネット2510への直接接続を有することができる。従って基地局2514bは、コアネットワーク2506を経由してインターネット2510にアクセスする必要はなくてよい。
【0182】
RAN2504はコアネットワーク2506と通信することができ、これは音声、データ、アプリケーション、および/またはボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスを、WTRU2502a、2502b、2502c、2502dの1または複数にもたらすように構成された任意のタイプのネットワークとすることができる。例えばコアネットワーク2506は、呼制御、料金請求サービス、モバイル位置ベースのサービス、プリペイドコール、インターネット接続性、ビデオ配信などをもたらすことができ、および/またはユーザ認証などの高レベルセキュリティ機能を行うことができる。図25Aに示されないが、RAN2504および/またはコアネットワーク2506は、RAN2504と同じRATまたは異なるRATを使用する他のRANと、直接または間接に通信できることが理解されるべきである。例えば、E-UTRA無線技術を利用することができるRAN2504に接続されることに加えて、コアネットワーク2506はまた、GSM無線技術を使用する別のRAN(図示せず)とも通信することができる。
【0183】
コアネットワーク2506はまた、PSTN2508、インターネット2510、および/または他のネットワーク2512にアクセスするように、WTRU2502a、2502b、2502c、2502dのためのゲートウェイとして働くことができる。PSTN2508は、従来型電話サービス(plain old telephone service)(POTS)をもたらす回線交換電話ネットワークを含むことができる。インターネット2510は、TCP/IPインターネットプロトコル群における送信制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、およびインターネットプロトコル(IP)などの共通通信プロトコルを用いる、相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスの地球規模のシステムを含むことができる。ネットワーク2512は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運用される、有線または無線通信ネットワークを含むことができる。例えばネットワーク2512は、RAN2504と同じRATまたは異なるRATを使用することができる1または複数のRANに接続された、別のコアネットワークを含むことができる。
【0184】
通信システム2500におけるWTRU2502a、2502b、2502c、2502dのいくつかまたはすべては、マルチモード能力を含むことができ、例えばWTRU2502a、2502b、2502c、2502dは、異なる無線リンクを通して異なる無線ネットワークと通信するための複数のトランシーバを含むことができる。例えば図25Aに示されるWTRU2502cは、セルラベースの無線技術を使用することができる基地局2514a、およびIEEE802無線技術を使用することができる基地局2514bと通信するように構成されることができる。
【0185】
図25Bは、例示のWTRU2502のシステム図である。図25Bに示されるようにWTRU2502は、プロセッサ2518、トランシーバ2520、送信/受信要素2522、スピーカ/マイクロフォン2524、キーパッド2526、ディスプレイ/タッチパッド2528、非リムーバブルメモリ2530、リムーバブルメモリ2532、電源2534、全地球測位システム(GPS)チップセット2536、および他の周辺装置2538を含むことができる。WTRU2502は、実施形態と一貫性を保ちながら、上記の要素の任意のサブコンビネーションを含むことができることが理解されるべきである。
【0186】
プロセッサ2518は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連した1または複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(IC)、状態機械などを備えることができる。プロセッサ2518は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはWTRU2502が無線環境において動作することを可能にする任意の他の機能を行うことができる。プロセッサ2518はトランシーバ2520に結合されることができ、これは送信/受信要素2522に結合されることができる。図25Bはプロセッサ2518およびトランシーバ2520を別個の構成要素として示すが、プロセッサ2518およびトランシーバ2520は、電子回路パッケージまたはチップ内に一緒に統合されることができることが理解されるべきである。
【0187】
送信/受信要素2522は、エアインターフェース2516を通して、基地局(例えば基地局2514a)に信号を送信し、またはそれから信号を受信するように構成されることができる。例えば一実施形態では送信/受信要素2522は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナとすることができる。他の実施形態では送信/受信要素2522は、例えばIR、UV、または可視光信号を送信および/または受信するように構成された放射器/検出器とすることができる。さらに他の実施形態では送信/受信要素2522は、RFおよび光信号の両方を送信および受信するように構成されることができる。送信/受信要素2522は、無線信号の任意の組み合わせを送信および/または受信するように構成されることができることが理解されるべきである。
【0188】
さらに図25Bでは送信/受信要素2522は単一の要素として示されるが、WTRU2502は任意の数の送信/受信要素2522を含むことができる。より具体的にはWTRU2502は、MIMO技術を使用することができる。従って一実施形態ではWTRU2502は、エアインターフェース2516を通して無線信号を送信および受信するための、2つ以上の送信/受信要素2522(例えば複数のアンテナ)を含むことができる。
【0189】
トランシーバ2520は、送信/受信要素2522によって送信されることになる信号を変調するように、および送信/受信要素2522によって受信された信号を復調するように構成されることができる。上記のようにWTRU2502は、マルチモード能力を有することができる。従ってトランシーバ2520は、WTRU2502が例えばUTRAおよびIEEE 802.11などの複数のRATによって通信することを可能にするための、複数のトランシーバを含むことができる。
【0190】
WTRU2502のプロセッサ2518は、スピーカ/マイクロフォン2524、キーパッド2526、および/またはディスプレイ/タッチパッド2528(例えば液晶表示(LCD)ディスプレイユニット、または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合されることができ、それらからユーザ入力データを受け取ることができる。プロセッサ2518はまた、スピーカ/マイクロフォン2524、キーパッド2526、および/またはディスプレイ/タッチパッド2528に、ユーザデータを出力することができる。さらにプロセッサ2518は、非リムーバブルメモリ2530および/またはリムーバブルメモリ2532などの任意のタイプの適切なメモリからの情報にアクセスし、それにデータを記憶することができる。非リムーバブルメモリ2530は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他のタイプのメモリ記憶デバイスを含むことができる。リムーバブルメモリ2532は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(SD)メモリカードなどを含むことができる。他の実施形態ではプロセッサ2518は、サーバまたはホームコンピュータ(図示せず)上など、物理的にWTRU2502上に位置しないメモリからの情報にアクセスし、それにデータを記憶することができる。
【0191】
プロセッサ2518は、電源2534から電力を受け取ることができ、WTRU2502内の他の構成要素に対して電力を分配および/または制御するように構成されることができる。電源2534は、WTRU2502に電力供給するための任意の適切なデバイスとすることができる。例えば電源2534は、1または複数の乾電池(例えばニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Liイオン)など)、太陽電池、燃料電池などを含むことができる。
【0192】
プロセッサ2518はまたGPSチップセット2536に結合されることができ、これはWTRU2502の現在位置に関する位置情報(例えば経度および緯度)をもたらすように構成されることができる。GPSチップセット2536からの情報に加えてまたはその代わりにWTRU2502は、エアインターフェース2516を通して基地局(例えば基地局2514a、2514b)から位置情報を受信することができ、および/または2つ以上の近くの基地局から受信される信号のタイミングに基づいてその位置を決定することができる。WTRU2502は、実施形態と一貫性を保ちながら、任意の適切な位置決定方法によって位置情報を取得できることが理解されるべきである。
【0193】
プロセッサ2518はさらに他の周辺装置2538に結合されることができ、これはさらなる特徴、機能、および/または有線もしくは無線接続性をもたらす、1または複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを含むことができる。例えば周辺装置2538は、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、デジタルカメラ(写真またはビデオ用)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動デバイス、テレビ送受信機、ハンズフリーヘッドセット、ブルートゥース(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)ラジオユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザなどを含むことができる。
【0194】
特徴および要素は上記では特定の組み合わせにおいて述べられたが、当業者は、各特徴または要素は単独で、または他の特徴および要素との任意の組み合わせにおいて用いられることができることを理解するであろう。本明細書で述べられる802.11プロトコル以外に、本明細書で述べられる特徴および要素は、他の無線システムに応用可能とすることができる。本明細書で述べられる特徴および要素は、アップリンク動作に対して述べられる場合があったが、方法および手順はダウンリンク動作に応用可能とすることができる。様々なフレーム間隔を示すために本明細書ではSIFSが用いられる場合があったが、他のフレーム間隔、例えばRIFSまたは他の合意された時間間隔が適用されることができる。さらに本明細書で述べられる方法は、コンピュータまたはプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読媒体に組み込まれた、コンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにおいて実施されることができる。コンピュータ可読媒体の例は、電子信号(有線または無線接続を通して送信される)、およびコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、CD-ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体を含むが、それらに限定されない。WTRU、端末装置、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータにおける使用のために、無線周波数トランシーバを実施するように、ソフトウェアと関連してプロセッサが用いられることができる。
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