(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 3/04 20060101AFI20231228BHJP
A63H 3/16 20060101ALI20231228BHJP
A63H 3/36 20060101ALI20231228BHJP
A63H 3/46 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A63H3/04 Z
A63H3/16
A63H3/36 C
A63H3/36 G
A63H3/36 L
A63H3/46 Z
(21)【出願番号】P 2022160288
(22)【出願日】2022-10-04
(62)【分割の表示】P 2019115570の分割
【原出願日】2019-06-21
【審査請求日】2022-10-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月4日 ウェブサイト(https://www.bandai.co.jo/press/?ym=201906)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月4日 ウェブサイト(https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP511289_U9A600C1000000/)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月4日 ウェブサイト(https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1188221.html)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月4日 ウェブサイト(https://mantan-web.jp/article/20190604dog00m200009000c.html)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月4日 ウェブサイト(https://netatopi.jp/article/1188357.html)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月4日 ウェブサイト(https://figulabo.com/turtle-gacha/)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月6日 ウェブサイト(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190606-00000018-it_nlab-life&p=2)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月6日 ウェブサイト(https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1906/06/news052.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月9日 ウェブサイト(https://hobby.dengeki.com/news/774894/)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月13日 ウェブサイト(https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1190319.html)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月15日 ウェブサイト(https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1906/15/news014.html)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月16日 ウェブサイト(https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1906/16/news038.html)において、製品名「亀」を公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年6月13日~令和元年6月16日 東京ビッグサイト西1~4ホール(東京都江東区有明3-11-1)において、製品名「亀」を展示
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】誉田 恒之
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-000268(JP,A)
【文献】実開昭49-016088(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第101444670(CN,A)
【文献】特開昭55-078981(JP,A)
【文献】実開昭53-017391(JP,U)
【文献】特開2019-017465(JP,A)
【文献】実開昭49-086192(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0125010(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 - 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊戯可能な第1形態と、
丸みを帯びた物品を排出する物品搬出装置から搬出可能な第2形態とに変化可能な玩具であって、
第1主体要素と、前記第1主体要素よりも高さが小さい第2主体要素とから構成される主体部と、前記主体部に少なくとも一部が出入り可能に設けられた副体部と、
模倣対象の骨格を模し、前記主体部内に設けられ前記副体部の出入りを制御する出入り制御部と、を備え、
前記出入り制御部は、1つの支持部と、前記支持部に揺動可能に設けられた揺動部とを含み、前記支持部は、前記第1主体要素に連結され、前記揺動部は、前記副体部に連結され、
前記副体部は、前記第1形態において前記主体部からの出っ張り量、及び引っ込み量を調整可能に構成されている、
玩具。
【請求項2】
前記主体部は前記副体部が出入り可能な出入り部を有する、
請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
前記副体部の数は2以上であり、
前記出入り部は前記副体部それぞれに対応して前記主体部に設けられている、
請求項2に記載の玩具。
【請求項4】
前記主体部は全体が丸みを帯びている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項5】
前記第1主体要素と前記第2主体要素は各々の開口側が向き合った状態で着脱可能に連結されている、
請求項4に記載の玩具。
【請求項6】
前記第1主体要素の開口側の外郭は前記第2主体要素の開口側の外郭よりも大きい、
請求項5に記載の玩具。
【請求項7】
請求項2または3に記載の前記出入り部は前記第2主体要素に設けられている、
請求項5または6に記載の玩具。
【請求項8】
前記第2主体要素は前記第1形態および前記第2形態において玩具載置面と向き合う平坦部を外面に有する、
請求項5~7のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項9】
前記支持部は前記第1主体要素に着脱可能に連結されている、
請求項1~8のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項10】
前記揺動部に対する前記副体部の連結は回動可能な連結である、
請求項1~9のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項11】
前記揺動部に対する前記副体部の連結は着脱可能な連結である、
請求項1~10のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項12】
前記副体部は、前記揺動部に連結された第1副体要素と、前記第1副体要素に回動可能に連結された第2副体要素とを含む、
請求項1~11のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項13】
前記第1副体要素に対する前記第2副体要素の連結は着脱可能な連結である、
請求項12に記載の玩具。
【請求項14】
前記副体部の第1副体要素は、前記揺動部に連結された第1部分と、前記第1部分に回動可能に連結された第2部分とから成り、
前記第2副体要素は前記第2部分に回動可能に連結されている、
請求項12または13に記載の玩具。
【請求項15】
前記第2形態を球形に近付けるために前記主体部に着脱可能に取り付け可能な丸み付け部品をさらに備える、
請求項1~14のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項16】
前記丸み付け部品は前記第2主体要素に取り付けることができるように構成されている、
請求項15に記載の玩具。
【請求項17】
前記第2形態において前記丸み付け部品が前記主体部に取り付けられたものは球形に近い立体形状を有する、
請求項15または16に記載の玩具。
【請求項18】
前記玩具は生物を模したものであり、前記副体部は前記生物の頭部に少なくとも対応している、
請求項1~17のいずれか1項に記載の玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形態変化を可能とした玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1には、縮退状態と展開状態とを取り得るように構成された殼体と、付勢力によって殼体を縮退状態とする縮退手段と、付勢力に抗して殼体を展開状態とする展開手段と、発条動力によって回転可能な車輪を有する走行手段と、を備えた動作玩具が開示されている。この動作玩具は、走行手段による展開状態での走行と、走行過程における縮退状態への変化とを可能としている。
【0003】
しかしながら、前掲の動作玩具は、走行手段による展開状態での走行と、走行過程における縮退状態への変化とを主眼としたものであるため、殼体を例えば生物を模したものとしても、展開状態と縮退状態が当該生物と掛け離れた形態に成りやすく、それ故に形態変化に基づく興趣を供与することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、模倣対象に相応の形態変化を可能として当該形態変化による興趣を遊戯者に供与できる玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、第1形態と第2形態とに変化可能な玩具であって、主体部と、主体部に出入り可能に設けられた副体部とを備え、副体部は、第1形態において主体部から出っ張った態様を成し、第2形態において第1形態よりも引っ込んだ態様を成すように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る玩具によれば、模倣対象に相応の形態変化を可能として当該形態変化による興趣を遊戯者に供与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1(A)は本発明を適用した玩具の第1形態の上面図、
図1(B)は
図1(A)の側面図である。
【
図2】
図2(A)は前記玩具の第2形態の上面図、
図2(B)は
図2(A)の側面図である。
【
図3】
図3は主体部の第1主体要素と出入り制御部の説明図である。
【
図4】
図4は主体部の第2主体要素と出入り制御部の説明図である。
【
図5】
図5(A)~
図5(C)は第1副体部、第2副体部および第3副体部の説明図である。
【
図6】
図6(A)~
図6(D)は前記出入り制御部の変形例の説明図である。
【
図7】
図7(A)~
図7(C)は前記第1副体部、第2副体部および第3副体部の変形例の説明図である。
【
図8】
図8は前記第2形態の変形例の説明図である。
【
図9】
図9は前記第2形態に取り付け可能な丸み付け部品の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《本発明を適用した玩具の一例》
以下、
図1~
図5を用いて、本発明を適用した玩具の一例について説明する。この説明では、便宜上、
図1(A)の左側を前、右側を後、下側を左、上側を右、
図1(B)の上側を上、下側を下と表記する。
【0010】
図示例の玩具(符号省略)は生物、具体的にはカメ(亀)を模したものであり、当該玩具は、歩行等のために頭部等が出っ張った第1形態(
図1を参照)と、防御等のために頭部等が第1形態よりも引っ込んだ第2形態(
図2を参照)とに変化可能である。
【0011】
また、玩具は、主として、主体部10と、主体部10に出入り可能に設けられた副体部(第1の副体部20、1対の第2の副体部30、1対の第3の副体部40および第4の副体部50)とを備え、当該副体部は、第1形態において主体部10から出っ張った態様(
図1を参照)を成し、第2形態において第1形態よりも引っ込んだ態様(
図2を参照)を成すように構成されている。
【0012】
さらに、主体部10内には、前記副体部のうちの第1の副体部20、1対の第2の副体部30および1対の第3の副体部40(第4の副体部50を除く)の出入りを制御する出入り制御部60(
図3および
図4を参照)が設けられている。
【0013】
〈主体部10と第4の副体部50の具体構成〉
図1~
図4から分かるように、主体部10は全体が丸みを帯びており、当該主体部10は、椀状の第1主体要素11と、第1主体要素11よりも高さ(上下方向寸法)が小さな椀状の第2主体要素12とを含む。また、主体部10は、第1主体要素11と第2主体要素12が各々の開口側が向き合った状態で着脱可能に連結されている。ここでの「第1主体要素11の開口側」は
図3に示した第1主体要素11の下端開口側を指し、「第2主体要素12の開口側」は
図4に示した第2主体要素12の上端開口側を指す。さらに、第1主体要素11の開口側の外郭は、第2主体要素12の開口側の外郭よりも大きい。
【0014】
図3および
図4から分かるように、第1主体要素11の内面下部の周囲には、第2主体要素12に設けられた4個の円柱状の連結部12dそれぞれを着脱可能に嵌め込むことができる円柱状の凹部11a1を具備した4個の円柱状の連結部11aが設けられている。また、第1主体要素11の内面上部には、出入り制御部60の支持部61に設けられた2個の円柱状の主連結部61aそれぞれを着脱可能に嵌め込むことができる円柱状の凹部11b1を具備した2個の円柱状の連結部11bが設けられている。さらに、第1主体要素11の下面後部には、第4の副体部50に設けられた円柱状の連結部51を着脱可能に、かつ、回転可能に嵌め込むことができる円柱状の凹部11cが設けられている。さらに、第1主体要素11の下面前部には、第1の副体部20に対応した窪み部11dが設けられている。
【0015】
なお、前記連結部11aおよび前記連結部12dの数は4個未満であってもよいし、4個超過であってもよい。また、前記連結部11bおよび前記主連結部61aの数は1個であってもよいし、2個超過であってもよい。さらに、前記窪み部11dは第1の副体部20の外形に応じて排除してもよい。
【0016】
図4から分かるように、第2主体要素12の上面から側面には、第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40のそれぞれに対応した側面視が略U状の出入り部12aと左右1対の出入り部12bと左右1対の出入り部12cが設けられている。各出入り部12a、12bおよび12cは、第1主体要素11と第2主体要素12とが連結された状態で、第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40の出入りを可能とした孔(以下、この孔を出入り部とも言う)と成り得る。
【0017】
また、第2主体要素12の内面上部の周囲には、前記4個の円柱状の連結部12dが設けられている。さらに、第2主体要素12の下面には、第1形態および第2形態において玩具載置面(符号省略、
図1(B)および
図2(B)の2点鎖線を参照)と向き合う平坦部12eが設けられている。ここでの「玩具載置面」は、第1形態において各第2の副体部30と各第3の副体部40が接する面を指し、第2形態において主体部10の第2主体要素12の平坦部12eが接する面を指す。
【0018】
ちなみに、図示例の玩具はカメを模したものであるため、主体部10の第1主体要素11はカメの背甲部に相当し、主体部10の第2主体要素12はカメの腹甲部に相当し、第1の副体部20はカメの頭部に相当し、各第2の副体部30はカメの各前肢部に相当し、各第3の副体部40はカメの各後肢部に相当し、第4の副体部50はカメの尾部に相当する。
【0019】
〈出入り制御部60の具体構成〉
図3および
図4から分かるように、出入り制御部60は、円柱状または角柱状の支持部61と、当該支持部61に揺動可能に設けられた、第1の副体部20対応の第1揺動部62と、各第2の副体部30対応の第2揺動部63と、各第3の副体部40対応の第3揺動部64とを備えている。
【0020】
支持部61の上面には、前記2個の円柱状の主連結部61aが設けられている。また、支持部61の前端には、第1揺動部62対応の球状の第1連結部61bが設けられている。さらに、支持部61の下面には、第2揺動部63対応の縦断面C状の第2連結部61cと、第3揺動部64対応の縦断面C状の第3連結部61dが設けられている。
【0021】
第1揺動部62は略L状または略S状に湾曲または屈曲した弾性変形可能な棒材から成り、上端に球状の連結部62aを有し、下端に球状の連結部62bを有している。第1揺動部62の上端の球状の連結部62aは、支持部61の第1連結部61bに設けられた半球よりも大きな球欠状の凹部61b1に回転可能に、好ましくは着脱可能に連結されており、主として前後方向の揺動を可能としている。
【0022】
第2揺動部63は略Ω状に湾曲または屈曲した弾性変形可能な棒材から成り、上部に円柱状の連結部63aを有し、両下端に球状の連結部63bを有している。第2揺動部63の上部の円柱状の連結部63aは、支持部61の第2連結部61cの縦断面C状の凹部61c1に回転可能に、好ましくは着脱可能に連結されており、主として前後方向の揺動を可能としている。
【0023】
第3揺動部64は略Ω状に湾曲または屈曲した弾性変形可能な棒材から成り、上部に円柱状の連結部64aを有し、両下端に球状の連結部64bを有している。第3揺動部64の上部の円柱状の連結部64aは、支持部61の第3連結部61dの縦断面C状の凹部61d1に回転可能に、好ましくは着脱可能に連結されており、主として前後方向の揺動を可能としている。
【0024】
〈第1の副体部20と各第2の副体部30と各第2の副体部40の具体構成〉
図4および
図5から分かるように、第1の副体部20の後部には半球よりも大きな球欠状の凹部20aが設けられ、当該凹部20aは、出入り制御部60の第1揺動部62の下端の球状の連結部62bに回転可能に、好ましくは着脱可能に連結されている。
【0025】
各第2の副体部30は、第1副体要素31と、当該第1副体要素31に回転可能に連結された第2副体要素32とを備えている。第1副体要素31の後部には半球よりも大きな球欠状の凹部31aが設けられ、当該凹部31aは、出入り制御部60の第2揺動部63の両下端の球状の連結部63bに回転可能に、好ましくは着脱可能に連結されている。また、第2副体要素32は球状の連結部32aを外面に有し、当該連結部32aは、第1副体要素31の前側の凹曲面31bに設けられた半球よりも大きな球欠状の凹部31cに回転可能に、好ましくは着脱可能に連結されている。
【0026】
各第3の副体部40は、第1副体要素41と、当該第1副体要素41に回転可能に連結された第2副体要素42とを備えている。第1副体要素41の前部には半球よりも大きな球欠状の凹部41aが設けられ、当該凹部41aは、出入り制御部60の第3揺動部64の両下端の球状の連結部64bに回転可能に、好ましくは着脱可能に連結されている。また、第2副体要素42は球状の連結部42aを外面に有し、当該連結部42aは、第1副体要素41の後側の凹曲面41bに設けられた半球よりも大きな球欠状の凹部41cに回転可能に、好ましくは着脱可能に連結されている。
【0027】
〈玩具の組み立て方法例〉
前述の玩具の構成をより明らかとするために、玩具構成部品全てが分解されている状態を開始点として、当該玩具の組み立て方法の一例を紹介する。
【0028】
まず、支持部61の第1連結部61bの凹部61b1に第1揺動部62の上端の連結部62aを嵌め込み、支持部61の第2連結部61cの凹部61c1に第2揺動部63の上部の連結部63aを嵌め込み、支持部61の第3連結部61dの凹部61d1に第3揺動部64の上部の連結部64aを嵌め込んで、支持部61と第1揺動部62と第2揺動部63と第3揺動部64とを備えた出入り制御部60を組み立てる(
図3および
図4を参照)。
【0029】
また、第1副体要素31の前側の凹部31cに第2副体要素32の外面の連結部32aを嵌め込んで、第1副体要素31と第2副体要素32とを備えた各第2の副体部30を組み立てる(
図5(B)を参照)。
【0030】
さらに、第1副体要素41の後側の凹部41cに第2副体要素42の外面の連結部42aを嵌め込んで、第1副体要素41と第2副体要素42を備えた各第3の副体部40を組み立てる(
図5(C)を参照)。
【0031】
そして、出入り制御部60の第1揺動部62の下端の連結部62bを第1の副体部20の後部の凹部20aに嵌め込み、第2揺動部63の両下端の連結部63bを第2の副体部30の第1副体要素31の後部の凹部31aにそれぞれ嵌め込み、第3揺動部64の両下端の連結部64bを第3の副体部40の第1副体要素41の前部の凹部41aにそれぞれ嵌め込んで、出入り制御部60に各副体部20、30および40を取り付けた第1組み立て物を作製する(
図4および
図5を参照)。
【0032】
そして、第1組み立て物における支持部61の上面の各主連結部61aを、主体部10の第1主体要素11の内面上部の各連結部11bの凹部11b1に嵌め込むとともに、第4の副体部50の連結部51を第1主体要素11の下面後部の凹部11cに嵌め込んで、第1組み立て物および第4の副体部50を主体部10の第1主体要素11に取り付けた第2組み立て物を作製する。
【0033】
そして、主体部10の第2主体要素12の出入り部12a、12bおよび12cに第2組み立て物における第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40がそれぞれ入り込ようにしながら、当該第2主体要素12の内面上部の周囲の各連結部12dを、第2組み立て物における主体部10の第1主体要素11の内面下部の各連結部11aの凹部11a1に嵌め込んで、第2組み立て物の主体部10の第1主体要素11に第2主体要素12が取り付けられた所期の玩具(
図1および
図2を参照)を作製する。
【0034】
〈玩具の第1形態から第2形態への変化〉
前述の玩具を第1形態(
図1を参照)から第2形態(
図2を参照)に変化させるときには、第1の副体部20を指先で押し込んで出入り部12aに沿って引っ込ませ、第1副体要素31と第2副体要素32を適宜回転させて向きを調整してから各第2の副体部30を指先で押し込んで各出入り部12bに沿って引っ込ませ、第1副体要素41と第2副体要素42を適宜回転させて向きを調整してから各第3の副体部40を指先で押し込んで各出入り部12cに沿って引っ込ませるとともに、第4の副体部50を指先で適宜回転させて向きを調整する。
【0035】
ちなみに、各第2の副体部30は出入り制御部60の第2揺動部63に連結され、各第3の副体部40は出入り制御部60の第3揺動部64に連結されているため、一方の第2の副体部30を指先で押し込むことにより他方の第2の副体部30をある程度引っ込ませることが可能であり、また、一方の第3の副体部40を指先で押し込むことにより他方の第3の副体部40をある程度引っ込ませることが可能である。よって、このような押し込み方法を行った後に引っ込み不足を生じている方を指先で押し込んで引っ込み量を調整してもよい。
【0036】
前述の玩具は、主体部10の第1主体要素11の開口側の外郭が第2主体要素12の開口側の外郭よりも大きいために両者の境界部分には段差(符号省略)があり、
図2から分かるように、第2形態にあっては第1の副体部20の端部と各第2の副体部30の端部(第2副体要素32の端部)と各第3の副体部40の端部(第2副体要素42の端部)が当該段差に位置する。換言すれば、前述の玩具を第2形態(
図2を参照)から第1形態(
図1を参照)からに変化させるときに、第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40を引っ張り出す必要があるため、当該引っ張り出しに必要な最小限部分が第2主体要素12の外面から外に出ている。一方、第4の副体部50は前記段差よりも上面視幅が小さい場合、当該段差に隠れるような態様となる。
【0037】
なお、
図2(A)には上から見たときに各第2の副体部30の端部(第2副体要素32の端部)と各第3の副体部40の端部(第2副体要素42の端部)が主体部10の第1主体要素11よりも外に少し出ているものを描いているが、各第2の副体部30の端部と各第3の副体部40の端部は、第4の副体部50と同様に前記段差に隠れるような態様となっていてもよい。
【0038】
第2形態(
図2を参照)において第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40の引っ張り出しに必要な最小限部分が第2主体要素12の外面から外に出るようにするには、第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40のそれぞれの引っ込み量を制限することが望ましい。
【0039】
前記引っ込み量の制限手法としては、(M11)第1の副体部20の前側部分の外形を出入り部12aよりも大きくし、各第2の副体部30の第2副体要素32の前側部分の外形を出入り部12bよりも大きくし、各第3の副体部40の第2副体要素42の後側部分の外形を出入り部12cよりも大きくする手法、(M12)出入り制御部60の第1揺動部62と第2揺動部63と第3揺動部64の揺動可能な角度範囲を突起等によって制限する手法、等が好ましく採用できる。
【0040】
〈玩具の第2形態から第1形態への変化〉
前述の玩具を第2形態(
図2を参照)から第1形態(
図1を参照)に変化させるときには、第1の副体部20の端部を指先で摘まんで出入り部12aに沿って引っ張り出し、各第2の副体部30を端部を指先で摘まんで各出入り部12bに沿って引っ張り出して各第1副体要素31と各第2副体要素32を適宜回転させて向きを調整し、各第3の副体部40の端部を指先で摘まんで各出入り部12cに沿って引っ張り出して各第1副体要素41と各第2副体要素42を適宜回転させて向きを調整するとともに、第4の副体部50を指先で適宜回転させて向きを調整する。
【0041】
ちなみに、各第2の副体部30は出入り制御部60の第2揺動部63に連結され、各第3の副体部40は出入り制御部60の第3揺動部64に連結されているため、一方の第2の副体部30の端部を指先で摘まんで引っ張り出すことにより他方の第2の副体部30をある程度引っ張り出すことが可能であり、また、一方の第3の副体部40の端部を指先で摘まんで引っ張り出すことにより他方の第3の副体部40をある程度引っ張り出すことが可能である。よって、このような引っ張り出し方法を行った後に出っ張り不足を生じている方を指先で引っ張り出して出っ張り量を調整してもよい。
【0042】
図4から分かるように、前述の玩具は、出入り制御部60の第2揺動部63の揺動方向は各第2の副体部30の引っ張り出し方向と一致している訳ではなく、第3揺動部64の揺動方向も各第3の副体部40の引っ張り出し方向と一致している訳ではない。そのため、各第2の副体部30を引っ張り出すときには第2揺動部63の主として連結部63aを除く部分が上下方向および左右方向に弾性変形し、各第3の副体部40を引っ張り出すときには第3揺動部64の主として連結部64aを除く部分が上下方向および左右方向に弾性変形する。無論、第1の副体部20を引っ張り出すときには第1揺動部62の主として連結部62aを除く部分が上下方向に弾性変形する。
【0043】
すなわち、第2揺動部63の上下方向および左右方向の弾性変形に伴って各第2の副体部30の外面が各出入り部12bの内面(第1主体要素11の下面を含む)に接触し、第3揺動部64の上下方向および左右方向の弾性変形に伴って各第3の副体部40の外面が各出入り部12cの内面(第1主体要素11の下面を含む)に接触する。無論、第1揺動部62の上下方向に弾性変形に伴って第1の副体部20の外面が出入り部12aの内面(第1主体要素11の下面を含む)に接触する。つまり、第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40を引っ張り出すときには、前記接触の抵抗によって、各副体部20、30および40を任意の引っ張り出し位置で保持することも可能である。
【0044】
これとは別に、第1形態(
図1を参照)において第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40を最大量で引っ張り出すには、第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40のそれぞれの出っ張り量を制限することが望ましい。
【0045】
前記出っ張り量の制限方法としては、(M21)第1の副体部20の後側部分の外形を出入り部12aよりも大きくし、各第2の副体部30の第1副体要素31の後側部分の外形を出入り部12bよりも大きくし、各第3の副体部40の第1副体要素41の前側部分の外形を出入り部12cよりも大きくする手法、(M22)第1の副体部20の後側部分に出入り部12aの内側に引っかかる部位を設け、各第2の副体部30の第1副体要素31の後側部分に出入り部12bの内側に引っかかる部位を設け、各第3の副体部40の第1副体要素41の前側部分に出入り部12cの内側に引っかかる部位を設ける手法、(M23)出入り制御部60の第1揺動部62と第2揺動部63と第3揺動部64の揺動可能な角度範囲を突起等によって制限する手法、等が好ましく採用できる。
【0046】
〈玩具によって得られる主たる作用効果〉
前述の玩具によれば、主体部10から副体部(第1の副体部20、各第2の副体部30、各第3の副体部40および第4の副体部50)が出っ張った第1形態(
図1参照)と、当該副体部が第1形態よりも引っ込んだ第2形態(
図2を参照)とに適宜変化させることができ、これより模倣対象(カメ)に相応の形態変化を可能として当該形態変化による興趣を遊戯者に供与することができる。
【0047】
また、前述の玩具によれば、前記副体部のうちの第1の副体部20、各第2の副体部30および各第3の副体部40の出入りを制御する出入り制御部60を主体部10内に有しているため、当該出入り制御部60によって前記形態変化を的確に行うことができ、この点においてより一層の興趣を遊戯者に供与することができる。
【0048】
さらに、前述の玩具によれば、主体部10から第2主体要素12を外しときに第1主体要素11内に位置する出入り制御部60を模倣対象(カメ)の骨格のように見せることができ、この点においてもより一層の興趣を遊戯者に供与することができる。
【0049】
さらに、前述の玩具によれば、主体部10の全体が丸みを帯びているため、第2形態(
図2を参照)の全体または一部をフィルム等で包装した立体形状のものを物品搬出装置の搬出対象とすること、例えば、硬貨等を投入して販売可能な装置の商品とすることができる。
【0050】
《前述の玩具の変形例》
以下、
図6~
図9を用いて、前述の玩具の変形例について説明する。この説明では、便宜上、
図1~
図5を用いた先の説明と同様に前、後、左、右、上、下の向きを表記する。
【0051】
〈出入り制御部60の変形例〉
図6は前述の出入り制御部60の変形例(出入り制御部60’)を示す。この出入り制御部60’は、
・前述の出入り制御部60の支持部61から第2連結部61cと第3連結部61dを排除
し、その代わりとして、支持部61’の左右に縦断面円形の棒状部分から成る補助支持
部61eを設けた点(
図6(A)を参照)
・前述の出入り制御部60の第2揺動部63および第3揺動部64から上端の球状の連結
部63aおよび64aを排除して、その代わりとして、上端にC状係合部63a’を
有する2本の第2揺動部63’と上端にC状係合部64a’を有する2本の第3揺動部
64’を用いるともに、各C状係合部63a’および64a’を各補助支持部61eに
回転可能に、好ましくは着脱可能に連結した点(
図6(A)および
図6(B)を参照)
において、前述の出入り制御部60と構成を異にする。
【0052】
この出入り制御部60’によれば、各第2の副体部30に専用の第2揺動部63’が対応し、各第3の副体部40に専用の第3揺動部64’が対応しているため、各第2の副体部30と各第3の副体部40を個別に出入りさせることができる。また、各第2の副体部30の引っ張り出し方向を極力一致するように各第2揺動部63’の揺動方向を変えることができ、各第3の副体部40の引っ張り出し方向を極力一致するように各第3揺動部64’の揺動方向を変えることができるため、各第2の副体部30と各第2の副体部40の引っ張り出しをスムースに行うことができる。
【0053】
なお、
図6(A)への図示を省略したが、前述の出入り制御部60の支持部61から第1連結部61bを排除し、その代わりとして、支持部61’の前に縦断面円形の棒状部分から成る補助支持部61f(
図6(D)を参照)を設け、第1揺動部62の上端の球状の連結部62aの代わりに上端にC状係合部62a’を有する第1揺動部62’(
図6(D)を参照)を用いて、当該C状係合部62a’を前記補助支持部61fに回転可能に、好ましくは着脱可能に連結してもよい。
【0054】
また、
図6(A)~
図6(D)に示したC状係合部63a’、64a’および62a’はリング状係合部に変えてもよい。さらに、C状係合部63a’、64a’および62a’を用いる場合には、これらをリング状係合部に変えた場合も同様に、各補助支持部61eに各第2揺動部63’と各第3の揺動部64’の位置を制限する凹凸を設け、補助支持部61fに第1揺動部62’の位置を制限する凹凸を設けてもよい。
【0055】
さらに、支持部61’の左右に設けた補助支持部61eの形は
図6(A)に示した形に制限されるものではなく、第2揺動部63’と第3揺動部64’に前記同様の揺動が得られる形であれば、他の形、例えば、補助支持部61eの前後方向の中間部分(第2揺動部63’と第3揺動部64’が連結されていない部分)を排除したような形等を採用してもよい。
【0056】
さらに、前述の出入り制御部60の支持部61から第2連結部61cと第3連結部61dの一方のみを排除して、排除した側のみに前記同様の補助支持部を設けるようにしてもよい。
【0057】
〈第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40の変形例〉
図7は前述の第1の副体部20と各第2の副体部30と各第3の副体部40の変形例(第1の副体部20’と各第2の副体部30’と各第3の副体部40’)を示す。この第1の副体部20’、各第2の副体部30’および各第3の副体部40’は、
・前述の第1の副体部20を、第1副体要素21と第2副体要素22とから成る第1の副
体部20’に変え、第1副体要素21の前側の凸曲面20bに半球よりも大きな球欠状
の凹部20cを設け、第2副体要素22の後側の凹曲面20dに設けた球状の連結部2
0eを当該凹部20cに回転可能に、好ましくは着脱可能に連結した点(
図7(A)を
参照)
・前述の第2の副体部30を、その第1副体要素31を、第1部分31-1と第2部分31
-2とから成る第1副体要素31’とした第2の副体部30’に変え、第1部分31-1の
前側の斜めの凹曲面31dに半球よりも大きな球欠状の凹部31eを設け、第2部分3
1-2の後側の斜面31fに設けた球状の連結部31gを当該凹部31eに回転可能に、
好ましくは着脱可能に連結した点(
図7(B)を参照)
・前述の第3の副体部40を、その第1副体要素41を、第1部分41-1と第2部分41
-2とから成る第1副体要素41’とした第3の副体部40’に変え、第1部分41-1の
後側の斜めの凹曲面41dに半球よりも大きな球欠状の凹部41eを設け、第2部分4
1-2の前側の斜面41fに設けた球状の連結部41gを当該凹部41eに回転可能に、
好ましくは着脱可能に連結した点(
図7(C)を参照)
において、前述の第1の副体部20、各第2の副体部30および各第3の副体部40と構成を異にする。
【0058】
この第1の副体部20’によれば、第1形態(
図1を参照)において第1副体要素21に対し第2副体要素22を回転させてその向きを任意に変えることができる。また、第2の副体部30’によれば、第1形態(
図1を参照)において第1副体要素31’の第1部分31-1に対し第1部分31-2を回転させてその向きを任意に変えることができる。さらに、第3の副体部40’によれば、第1形態(
図1を参照)において第1副体要素41’の第1部分41-1に対し第1部分41-2を回転させてその向きを任意に変えることができる。
【0059】
すなわち、第1の副体部20’、各第2の副体部30’および各第3の副体部40’は、前述の第1の副体部20、各第2の副体部30および各第3の副体部40に比べて態様変化の自由度が高いため、特に第1形態(
図1を参照)を模倣対象(カメ)により似せることができる。
【0060】
また、各第2の副体部30’および各第3の副体部40’を用いた場合には、第2形態として
図8のような態様、すなわち、各第2の副体部30’の第1副体要素31’の第2部分31-2と第2副体要素32と、各第3の副体部40’の第1副体要素41の第2部分41-2と第2副体要素42とが、前記段差に位置する態様とすることも可能となる。
【0061】
すなわち、各第2の副体部30’にあっては、第2副体要素32の端部が第2主体要素12の外面から外に出た態様(
図2を参照)と、第1副体要素31’の第2部分31-2と第2副体要素32が第2主体要素12の外面から外に出た態様(
図8を参照)とを任意に選択でき、また、各第3の副体部40’にあっては、第2副体要素42の端部が第2主体要素12の外面から外に出た態様(
図2を参照)と、第1副体要素41’の第2部分41-2と第2副体要素42が第2主体要素12の外面から外に出た態様(
図8を参照)を任意に選択ができるため、第2形態のバリエーションを増すことができ、この点においてより一層の興趣を遊戯者に供与することができる。
【0062】
〈丸み付け部品70〉
図9は前述の玩具に取り付け可能な丸み付け部品70を示す。この丸み付け部品70は、第2形態(
図2および
図8を参照)の全体または一部をフィルム等で包装した立体形状のものを物品搬出装置の搬出対象とするときに、第2形態を球形に近付けるためのものである。
【0063】
丸み付け部品70は、平坦な上面と凸曲面から成る下面とを有する部品であり、平坦な上面には、前述の玩具の主体部10の第2主体要素12の下面に設けられた取り付け穴または孔(図示省略)に着脱可能に嵌め込むことができる角柱状の取り付け部71を有している。丸み付け部品70の平坦な上面の外郭は、第1主体要素11の開口側の外郭と同じかまたはそれよりも小さく、当該丸み付け部品70を第2形態(
図2および
図8を参照)における主体部10の第2主体要素12に取り付けると全体がより球形に近い立体形状となる。
【0064】
すなわち、先に述べた物品搬出装置の仕様等が支障となって、第2形態(
図2を参照)の全体または一部をフィルム等で包装した立体形状のものを搬出対象としたときに搬出不良等が生じる場合でも、前記丸み付け部品70を第2形態(
図2および
図8を参照)における主体部10の第2主体要素12に取り付ければ、搬出不良等を生じることなく搬出することが可能となる。
【0065】
〈その他の変形例〉
以下、前述の玩具の他の変形例について説明する。
(1)第4の副体部50を単独で回転できるものを例示したが、専用の出入り部を主体部10の第2主体要素12に設け、かつ、専用の揺動部を出入り制御部60に設けて、当該第4の副体部50を、第1の副体部20、各第2の副体部30および各第3の副体部40と同様、主体部10に出入り可能に構成してもよい。このようにすれば、第4の副体部50が大きい場合でもその出入りを的確に行うことができる。
【0066】
(2)第2主体要素12の上面から側面に出入り部12aと各出入り部12bと各出入り部12cとなる略U状部分を設け、これらを第1主体要素11の下面で閉じるようにしたものを例示したが、第1主体要素11の上面から側面に同様の略U状部分を設けて、第2主体要素12の略U状部分と第1主体要素11の略U状部分との組合せによって各出入り部を構成してもよい。
【0067】
(3)主体部10の第2主体要素12として第1主体要素11よりも高さ(上下方向寸法)がかなり小さいものを例示したが、図示例よりも第1主体要素11の高さを小さくしてもよいし、図示例よりも第2主体要素12の高さを大きくしてもよい。ちなみに、図示例よりも第1主体要素11の高さを小さくすることによって主体部10の全体が丸みが低下することを原因として、先に述べた物品搬出装置において搬出不良等が生じる場合には、
図9に例示した丸み付け部品と同様の部品、例えば、凸曲面から成る上面と凹曲面から成る下面を有する部品等を第1主体要素11の方に取り付けることができるようにして、当該部品の取り付けによって第2形態を球形に近付けるようにしてもよい。
【0068】
(4)第2形態(
図2を参照)の全体または一部をフィルム等で包装した立体形状のものを物品搬出装置の搬出対象とするものを例示したが、主体部10内に他の分解部品全てを収容して、当該主体部10の全体または一部をフィルム等で包装したものを物品搬出装置の搬出対象としてもよい。このようにすれば、前記〈玩具の組み立て方法例〉で述べた組み立てと組み立て後の分解も可能となるため、組み立ておよび分解に係る興趣を興趣を供与することができる。
【0069】
(5)本発明を適用した玩具の一例としてカメを模したものを説明したが、主体部の形と副体部の形および数と出入り部の数および位置を変更することにより、頭部等の出入りに伴う形態変化を可能とした他の生物、例えば、頭足部を出入り可能なカタツムリや、頭部を出入り可能なサンヨウベニボタル等の生物を模倣対象とすることもできる。
【符号の説明】
【0070】
10…主体部、11…第1主体要素、12…第2主体要素、12a,12b,12c…出入り部、12e…平坦部、20,20’…第1の副体部、21…第1副体要素、22…第2副体要素、30,30’…第2の副体部、31,31’…第1副体要素、31-1…第1部分、31-2…第2部分、32…第2副体要素、40,40’…第3の副体部、41,41’…第1副体要素、41-1…第1部分、41-2…第2部分、42…第2副体要素、50…第4の副体部、60,60’…出入り制御部、61,61’…支持部、62,62’…第1揺動部、63,63’…第2揺動部、64,64’…第3揺動部、70…丸み付け部品。