(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】デュアルカッタアセンブリおよびデュアルカッタアセンブリを有する水中シュレッダポンプ
(51)【国際特許分類】
B02C 18/00 20060101AFI20231228BHJP
B02C 18/18 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B02C18/00 103
B02C18/18 A
(21)【出願番号】P 2022161339
(22)【出願日】2022-10-06
【審査請求日】2022-10-14
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512275008
【氏名又は名称】アルフレッド エイ. チオトラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000268
【氏名又は名称】オリジネイト弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アルフレッド エイ. チオトラ
【審査官】太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-015036(JP,A)
【文献】特開2013-092148(JP,A)
【文献】特開平01-165401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 18/00
B02C 18/10
B02C 18/18
B02C 23/36
B27B 33/14
F04D 7/04
F04D 29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部における取り入れ開口部の前に取り付けられる切断アセンブリであって、
a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、
b)円形横断面を有するプレートカッタであって、前記プレートカッタは、前記静止渦巻き部の前記取り入れ開口部に装着されるようにされており、
前記プレートカッタは、第1の切断側面および対向する第2の切断側面と、前記駆動軸を受け入れるためのプレートカッタボアとを有し、
前記第1の切断側面には、複数の間隔を置いて配置された
同心溝、および隣接する
同心溝の間の同心隔壁を有し、
前記同心溝のそれぞれおよび
前記同心隔壁のそれぞれは、前記プレートカッタの前記プレートカッタボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、
前記駆動軸は、前記プレートカッタの前記プレートカッタボア内で回転するように装着され、前記プレートカッタは、プレートカッタの頂面からプレートカッタの底面に貫通する複数の穴を有する、プレートカッタと、
c)第1の円形ハブを備える第1のロータリカッタであって、前記第1のロータリカッタは、前記第1のロータリカッタの前記第1の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、
複数の切断ローブが前記第1の円形ハブのまわりに固定され、
前記切断ローブのそれぞれは、上面、前記上面に対向する下面、前縁部、および前記前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、前記上面から前記上面および前記下面を貫通して前記下面へ延在する、前記それぞれの切断ローブを貫通する開口を有し、前記切断ローブのそれぞれは、それぞれの切断ローブの前記前縁部と前記後縁部との間で等距離にされた中心線が前記第1の円形ハブの中心軸に垂直となるように、第1の円形ハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離と等しくなるように第1の円形ハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの前記下面は、複数の間隔を置いて配置された
嵌合用溝、および隣接する
嵌合用溝の間の嵌合用隔壁を有し、それぞれの切断ローブの
前記嵌合用溝および
前記嵌合用隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、
前記嵌合用溝および
前記嵌合用隔壁のそれぞれは、第1の円形ハブの中心軸と同心の円弧の形状を有し、それぞれの切断ローブの下面からの
前記嵌合用溝および
前記嵌合用隔壁は、前記プレートカッタの前記第1の切断側面の
前記同心隔壁および
前記同心溝と並置される、第1のロータリカッタと、
d)第2の円形ハブを備える第2のロータリカッタであって、前記第2のロータリカッタは、前記第2のロータリカッタの前記第2の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、
複数の刃先は、前記第2の円形ハブのまわりに固定され、前記刃先のそれぞれは、上面を有し、前記刃先のそれぞれは、前記第2のハブの中心軸に垂直に前記第2のハブから外向きに延在し、前記刃先は、前記第2の円形ハブの外周にそって配置され、
前記プレートカッタの前記第2の切断側面と係合するように並置される、第2のロータリカッタを備え、
前記第1のロータリカッタと前記第2のロータリカッタとの間に前記プレートカッタが位置決めされた、ことを特徴とする切断アセンブリ。
【請求項2】
前記プレートカッタが、カップ形状である請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項3】
前記プレートカッタが、半球形の形状である請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項4】
前記プレートカッタが、円錐形の形状である請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項5】
前記プレートカッタが、円筒形の形状である請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項6】
前記同心溝のそれぞれ、および隣接する
前記同心溝の間の
前記同心隔壁は、V字型の断面、または矩形の形状の断面、または半円形の形状の断面を形成する請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項7】
前記第1のロータリカッタおよび前記第2のロータリカッタを前記駆動軸に固定するための手段は、シャチ継手である請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項8】
2個~6個の切断ローブを備える請求項1に記載の切断アセンブリ。
【請求項9】
シュレッダポンプであって、
i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、
ii)前記取り入れ開口部の前に取り付けられる切断アセンブリであって、前記切断アセンブリが、
a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、
b)円形横断面を有するプレートカッタであって、前記プレートカッタは、前記静止渦巻き部の前記取り入れ開口部に装着されるようにされており、
前記プレートカッタは、第1の切断側面および対向する第2の切断側面と、前記駆動軸を受け入れるためのプレートカッタボアとを有し、
前記第1の切断側面には、複数の間隔を置いて配置された
同心溝、および隣接する
同心溝の間の同心隔壁を有し、
前記同心溝のそれぞれおよび
前記同心隔壁のそれぞれは、前記プレートカッタの前記プレートカッタボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、
前記駆動軸は、前記プレートカッタの前記プレートカッタボア内で回転するように装着され、前記プレートカッタは、プレートカッタの頂面からプレートカッタの底面に貫通する複数の穴を有する、プレートカッタと、
c)第1の円形ハブを備える第1のロータリカッタであって、前記第1のロータリカッタは、前記第1のロータリカッタの前記第1の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、
複数の切断ローブが前記第1の円形ハブのまわりに固定され、
前記切断ローブのそれぞれは、上面、前記上面に対向する下面、前縁部、および前記前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、前記上面から前記上面および前記下面を貫通して前記下面へ延在する、前記それぞれの切断ローブを貫通する開口を有し、前記切断ローブのそれぞれは、それぞれの切断ローブの前記前縁部と前記後縁部との間で等距離にされた中心線が前記第1の円形ハブの中心軸に垂直となるように、第1の円形ハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離と等しくなるように第1の円形ハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの前記下面は、複数の間隔を置いて配置された
嵌合用溝、および隣接する
嵌合用溝の間の嵌合用隔壁を有し、それぞれの切断ローブの
前記嵌合用溝および
前記嵌合用隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、
前記嵌合用溝および
前記嵌合用隔壁のそれぞれは、第1の円形ハブの中心軸と同心の円弧の形状を有し、それぞれの切断ローブの下面からの
前記嵌合用溝および
前記嵌合用隔壁は、前記プレートカッタの前記第1の切断側面の
前記同心隔壁および
前記同心溝と並置される、第1のロータリカッタと、
d)第2の円形ハブを備える第2のロータリカッタであって、前記第2のロータリカッタは、前記第2のロータリカッタの前記第2の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、
複数の刃先は、前記第2の円形ハブのまわりに固定され、前記刃先のそれぞれは、上面を有し、前記刃先のそれぞれは、前記第2のハブの中心軸に垂直に前記第2のハブから外向きに延在し、前記刃先は、前記第2の円形ハブの外周にそって配置され、
前記プレートカッタの前記第2の切断側面と係合するように並置される、第2のロータリカッタを備え、
前記第1のロータリカッタと前記第2のロータリカッタとの間に前記プレートカッタが位置決めされており、
前記駆動軸は、ベアリングによって前記静止渦巻き部の壁を通って回転するように装着され、メカニカルシールによってシールされる、切断アセンブリと、
iii)前記駆動軸の周りに固定された前記静止渦巻き部内の羽根車と、
iv)前記静止渦巻き部の外側部分に取り付けられ、前記静止渦巻き部の中で前記駆動軸を回転させるために前記駆動軸に固定された電気モータを備える、シュレッダポンプ。
【請求項10】
前記電気モータは、前記駆動軸を第1の回転方向と第2の回転方向とに交互に回転させることが可能な双方向電気モータである請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項11】
前記駆動軸の回転方向を第1の回転方向と第2の回転方向とに交互に切り替えるためのコントローラをさらに備える請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項12】
前記羽根車は、前記軸が前記第1の回転方向および前記第2の回転方向のそれぞれに回転しているときに、前記静止渦巻き部の液体を前記吐き出し開口部の方向に移動させることが可能な双方向羽根車である請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項13】
前記プレートカッタが、半球形の形状である請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項14】
前記プレートカッタが、円錐形の形状である請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項15】
前記プレートカッタが、円筒形の形状である請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項16】
前記同心溝のそれぞれ
、および隣接する
前記同心溝の間の
前記同心隔壁は、V字型の断面、または矩形の形状の断面、または半円形の形状の断面を形成する請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項17】
前記第1のロータリカッタおよび前記第2のロータリカッタを前記駆動軸に固定するための手段は、シャチ継手である請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項18】
2個~6個の切断ローブを備える請求項9に記載のシュレッダポンプ。
【請求項19】
液体中の固形物を裁断する方法であって、
I)シュレッダポンプであって、
i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、
ii)前記取り入れ開口部の前に取り付けられる切断アセンブリであって、前記切断アセンブリが、
a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、
b)円形横断面を有するプレートカッタであって、前記プレートカッタは、前記静止渦巻き部の前記取り入れ開口部に装着されるようにされており、
前記プレートカッタは、第1の切断側面および対向する第2の切断側面と、前記駆動軸を受け入れるためのプレートカッタボアとを有し、
前記第1の切断側面には、複数の間隔を置いて配置された
同心溝、および隣接する
同心溝の間の同心隔壁を有し、
前記同心溝のそれぞれおよび
前記同心隔壁のそれぞれは、前記プレートカッタの前記プレートカッタボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、
前記駆動軸は、前記プレートカッタの前記プレートカッタボア内で回転するように装着され、前記プレートカッタは、プレートカッタの頂面からプレートカッタの底面に貫通する複数の穴を有する、プレートカッタと、
c)第1の円形ハブを備える第1のロータリカッタであって、前記第1のロータリカッタは、前記第1のロータリカッタの前記第1の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、
複数の切断ローブが前記第1の円形ハブのまわりに固定され、
前記切断ローブのそれぞれは、上面、前記上面に対向する下面、前縁部、および前記前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、前記上面から前記上面および前記下面を貫通して前記下面へ延在する、前記それぞれの切断ローブを貫通する開口を有し、前記切断ローブのそれぞれは、それぞれの切断ローブの前記前縁部と前記後縁部との間で等距離にされた中心線が前記第1の円形ハブの中心軸に垂直となるように、第1の円形ハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離と等しくなるように第1の円形ハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの前記下面は、複数の間隔を置いて配置された
嵌合用溝、および隣接する
嵌合用溝の間の嵌合用隔壁を有し、それぞれの切断ローブの
前記嵌合用溝および
前記嵌合用隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、
前記嵌合用溝および
前記嵌合用隔壁のそれぞれは、第1の円形ハブの中心軸と同心の円弧の形状を有し、それぞれの切断ローブの下面からの
前記嵌合用溝および
前記嵌合用隔壁は、前記プレートカッタの前記第1の切断側面の
前記同心隔壁および
前記同心溝と並置される、第1のロータリカッタと、
d)第2の円形ハブを備える第2のロータリカッタであって、前記第2のロータリカッタは、前記第2のロータリカッタの前記第2の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、
複数の刃先は、前記第2の円形ハブのまわりに固定され、前記刃先のそれぞれは、上面を有し、前記刃先のそれぞれは、前記第2のハブの中心軸に垂直に前記第2のハブから外向きに延在し、前記刃先は、前記第2の円形ハブの外周にそって配置され、
前記プレートカッタの前記第2の切断側面と係合するように並置される、第2のロータリカッタを備え、
前記第1のロータリカッタと前記第2のロータリカッタとの間に前記プレートカッタが位置決めされており、
前記駆動軸は、ベアリングによって前記静止渦巻き部の壁を通って回転するように装着され、メカニカルシールによってシールされる、切断アセンブリと、
iii)前記駆動軸の周りに固定された前記静止渦巻き部内の羽根車と、
iv)前記静止渦巻き部の外側部分に取り付けられ、前記静止渦巻き部の中で前記駆動軸を回転させるために前記駆動軸に固定された電気モータを備える、シュレッダポンプを提供することと、
II)前記電気モータで前記駆動軸を少なくとも1つの回転方向に回転させることと、
III)前記液体、および前記固形物を、前記切断アセンブリに通し、前記静止渦巻き部の中に送り込み、次いで、前記羽根車で前記液体および前記固形物を推進して前記吐き出し開口部に通すことを含む、方法。
【請求項20】
前記プレートカッタが、半球形の形状、または円錐形の形状、または円筒形の形状であり、前記羽根車は、前記軸が前記第1の回転方向および前記第2の回転方向のそれぞれに回転しているときに、前記静止渦巻き部の液体を前記吐き出し開口部の方向に移動させることが可能な双方向羽根車である請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デュアルカッタアセンブリ、およびデュアルカッタアセンブリを有する高容量の水中シュレッダポンプに関するものである。これらは、細断、裁断、切断または粉砕によりポンプ作用を受けて送り込まれる液体中の固形物のサイズを縮小するためのものである。
【背景技術】
【0002】
廃棄品の小片などの固形物を含有する液体およびスラリーをポンプ作用で送ることができる遠心力ポンプに大きな商業的関心が集まっている。これらのポンプは、液体混合物中の固形物を細断、裁断、切断、または粉砕する能力を有し、これによりポンプから出る産出物がより容易に廃棄されうる。
【0003】
裁断ポンプは、液体に含まれる固体または半固体物質のサイズ縮小を必要とする液体輸送用途において、そのような物質を切断または裁断するために使用される。本発明のポンプは、未処理下水、魚類サイレージ、食肉処理場の副産物、製紙工場の廃水、および類似の過酷な用途の排出物をポンプ作用で送る水中ポンプの吸い込み側に取り付けられているときに、特に有用で、改良された両刃切断アセンブリを備える。
【0004】
これらの固体または半固体物質は、スラリーが形成されるようにサイズを縮小され、固形物それ自体に比べて容易にポンプ作用で送られる。公知の粉砕ポンプ(grinder pumps)は、ポンプ室または渦巻き部に接続された入口、およびポンプ室または渦巻き部を貫通し入口内へ延在する従動軸を有する。この軸で、プレートカッタの近くで切断シリンダまたはディスクが回転し、これにより、ポンプの切断作用が引き起こされる。精密公差で連携動作する部品間の剪断作用をもたらす、粉砕ポンプの多くの他の変形形態および構成が知られている。
【0005】
このようなポンプの例は、先行する米国特許第3,650,081号、米国特許第3,961,758号、米国特許第4,108,386号、米国特許第4,378,093号、米国特許第4,454,993号、米国特許第4,640,666号、米国特許第4,697,746号、米国特許第4,842,479号、米国特許第5,016,825号、米国特許第5,044,566号、米国特許第5,256,032号、米国特許第6,010,086号、米国特許第6,190,121号において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第3,650,081号
【文献】米国特許第3,961,758号
【文献】米国特許第4,108,386号
【文献】米国特許第4,378,093号
【文献】米国特許第4,454,993号
【文献】米国特許第4,640,666号
【文献】米国特許第4,697,746号
【文献】米国特許第4,842,479号
【文献】米国特許第5,016,825号
【文献】米国特許第5,044,566号
【文献】米国特許第5,256,032号
【文献】米国特許第6,010,086号
【文献】米国特許第6,190,121号
【文献】米国特許第7,159,806号
【文献】米国特許第8,784,038号
【文献】米国特許第10,487,835号
【0007】
米国特許第7,159,806号では、対向するプレートカッタに当接して回転可能なロータリカッタからなる粉砕ポンプ用の切断アセンブリを提示している。プレートカッタの刃先は、複数のV字スライス切歯を備えており、ポート内に吸い込まれる物質をつまんでV字スライスにそって切断を開始し、次いで切断した物質がポンプの渦巻き部を通り中に前進する架橋空間を形成する。
【0008】
参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第8,784,038号は、単一のカッタアセンブリと、関連付けられた高容量の水中シュレッダポンプとを説明している。この米国特許は、円形プレートカッタの対応する溝と嵌合する溝付き面を有する切断ローブを用いるカッタアセンブリを提供している。
【0009】
米国特許第8,784,038号の機構に関する問題は、平らな静止円板および平らなロータリカッタを有するので、粉砕される一部の廃棄物内容物が大きすぎると、関連するシュレッダポンプを詰まらせる傾向があることである。
【0010】
参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第10,487,835号は、改良された単一のカッタアセンブリと、そのカッタアセンブリがカップ形状の凹状プレートカッタを有する、関連する水中シュレッダポンプとを示している。この米国特許は、米国特許第8,784,038号のカッタアセンブリを、複数の切断ローブ(cutting lobes)を有する対応するロータリカッタと嵌合するカップ形状の凹状プレートカッタを含む、より積極的なカッタ配置を提供することによって、改良する。カップ形状の凹状プレートカッタの内壁は、複数の間隔を置いて配置された同心溝と、隣接する溝の間の同心隔壁とを有する。切断ローブのそれぞれの下側には、対応する同心溝および同心隔壁があり、これらはカップ形状の凹状プレートカッタのそれらと並置して嵌合する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、さらに改良された切断アセンブリと、中心に位置決めされた両刃プレートカッタの交互の側面上の第1および第2のロータリカッタと係合する両刃プレートカッタを有するシュレッダポンプとを提供する。作動中、廃水内容物はより細かく粉砕され、それにより効率的な除去を改良し、シュレッダポンプの目詰まりの可能性を減少させる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部における取り入れ開口部の前に取り付けられる切断アセンブリであって、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)円形横断面を有するプレートカッタであって、前記プレートカッタは、前記静止渦巻き部の前記取り入れ開口部に装着されるようにされており、前記プレートカッタは、第1の切断側面および対向する第2の切断側面と、前記駆動軸を受け入れるためのプレートカッタボアとを有し、前記第1の切断側面には、複数の間隔を置いて配置された同心溝、および隣接する同心溝の間の同心隔壁を有し、前記同心溝のそれぞれおよび前記同心隔壁のそれぞれは、前記プレートカッタの前記プレートカッタボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、前記駆動軸は、前記プレートカッタの前記プレートカッタボア内で回転するように装着され、前記プレートカッタは、プレートカッタの頂面からプレートカッタの底面に貫通する複数の穴を有する、プレートカッタと、c)第1の円形ハブを備える第1のロータリカッタであって、前記第1のロータリカッタは、前記第1のロータリカッタの前記第1の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、複数の切断ローブが前記第1の円形ハブのまわりに固定され、前記切断ローブのそれぞれは、上面、前記上面に対向する下面、前縁部、および前記前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、前記上面から前記上面および前記下面を貫通して前記下面へ延在する、前記それぞれの切断ローブを貫通する開口を有し、前記切断ローブのそれぞれは、それぞれの切断ローブの前記前縁部と前記後縁部との間で等距離にされた中心線が前記第1の円形ハブの中心軸に垂直となるように、第1の円形ハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離と等しくなるように第1の円形ハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの前記下面は、複数の間隔を置いて配置された嵌合用溝、および隣接する嵌合用溝の間の嵌合用隔壁を有し、それぞれの切断ローブの前記嵌合用溝および前記嵌合用隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、前記嵌合用溝および前記嵌合用隔壁のそれぞれは、第1の円形ハブの中心軸と同心の円弧の形状を有し、それぞれの切断ローブの下面からの前記嵌合用溝および前記嵌合用隔壁は、前記プレートカッタの前記第1の切断側面の前記同心隔壁および前記同心溝と並置される、第1のロータリカッタと、d)第2の円形ハブを備える第2のロータリカッタであって、前記第2のロータリカッタは、前記第2のロータリカッタの前記第2の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、複数の刃先は、前記第2の円形ハブのまわりに固定され、前記刃先のそれぞれは、上面を有し、前記刃先のそれぞれは、前記第2のハブの中心軸に垂直に前記第2のハブから外向きに延在し、前記刃先は、前記第2の円形ハブの外周にそって配置され、前記プレートカッタの前記第2の切断側面と係合するように並置される、第2のロータリカッタを備え、前記第1のロータリカッタと前記第2のロータリカッタとの間に前記プレートカッタが位置決めされた、ことを特徴とする切断アセンブリに関する。
【0013】
本発明は、シュレッダポンプであって、i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、ii)前記取り入れ開口部の前に取り付けられる切断アセンブリであって、前記切断アセンブリが、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)円形横断面を有するプレートカッタであって、前記プレートカッタは、前記静止渦巻き部の前記取り入れ開口部に装着されるようにされており、前記プレートカッタは、第1の切断側面および対向する第2の切断側面と、前記駆動軸を受け入れるためのプレートカッタボアとを有し、前記第1の切断側面には、複数の間隔を置いて配置された同心溝、および隣接する同心溝の間の同心隔壁を有し、前記同心溝のそれぞれおよび前記同心隔壁のそれぞれは、前記プレートカッタの前記プレートカッタボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、前記駆動軸は、前記プレートカッタの前記プレートカッタボア内で回転するように装着され、前記プレートカッタは、プレートカッタの頂面からプレートカッタの底面に貫通する複数の穴を有する、プレートカッタと、c)第1の円形ハブを備える第1のロータリカッタであって、前記第1のロータリカッタは、前記第1のロータリカッタの前記第1の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、複数の切断ローブが前記第1の円形ハブのまわりに固定され、前記切断ローブのそれぞれは、上面、前記上面に対向する下面、前縁部、および前記前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、前記上面から前記上面および前記下面を貫通して前記下面へ延在する、前記それぞれの切断ローブを貫通する開口を有し、前記切断ローブのそれぞれは、それぞれの切断ローブの前記前縁部と前記後縁部との間で等距離にされた中心線が前記第1の円形ハブの中心軸に垂直となるように、第1の円形ハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離と等しくなるように第1の円形ハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの前記下面は、複数の間隔を置いて配置された嵌合用溝、および隣接する嵌合用溝の間の嵌合用隔壁を有し、それぞれの切断ローブの前記嵌合用溝および前記嵌合用隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、前記嵌合用溝および前記嵌合用隔壁のそれぞれは、第1の円形ハブの中心軸と同心の円弧の形状を有し、それぞれの切断ローブの下面からの前記嵌合用溝および前記嵌合用隔壁は、前記プレートカッタの前記第1の切断側面の前記同心隔壁および前記同心溝と並置される、第1のロータリカッタと、d)第2の円形ハブを備える第2のロータリカッタであって、前記第2のロータリカッタは、前記第2のロータリカッタの前記第2の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、複数の刃先は、前記第2の円形ハブのまわりに固定され、前記刃先のそれぞれは、上面を有し、前記刃先のそれぞれは、前記第2のハブの中心軸に垂直に前記第2のハブから外向きに延在し、前記刃先は、前記第2の円形ハブの外周にそって配置され、前記プレートカッタの前記第2の切断側面と係合するように並置される、第2のロータリカッタを備え、前記第1のロータリカッタと前記第2のロータリカッタとの間に前記プレートカッタが位置決めされており、前記駆動軸は、ベアリングによって前記静止渦巻き部の壁を通って回転するように装着され、メカニカルシールによってシールされる、切断アセンブリと、iii)前記駆動軸の周りに固定された前記静止渦巻き部内の羽根車と、iv)前記静止渦巻き部の外側部分に取り付けられ、前記静止渦巻き部の中で前記駆動軸を回転させるために前記駆動軸に固定された電気モータを備える、シュレッダポンプも提供する。
【0014】
本発明は、液体中の固形物を裁断する方法であって、I)シュレッダポンプであって、i)取り入れ開口部、および吐き出し開口部を有する静止渦巻き部と、
ii)前記取り入れ開口部の前に取り付けられる切断アセンブリであって、前記切断アセンブリが、a)第1の回転方向および第2の回転方向に交互に回転可能な駆動軸と、b)円形横断面を有するプレートカッタであって、前記プレートカッタは、前記静止渦巻き部の前記取り入れ開口部に装着されるようにされており、
前記プレートカッタは、第1の切断側面および対向する第2の切断側面と、前記駆動軸を受け入れるためのプレートカッタボアとを有し、前記第1の切断側面には、複数の間隔を置いて配置された同心溝、および隣接する同心溝の間の同心隔壁を有し、前記同心溝のそれぞれおよび前記同心隔壁のそれぞれは、前記プレートカッタの前記プレートカッタボアの中心軸と同心の円弧の形状を有し、前記駆動軸は、前記プレートカッタの前記プレートカッタボア内で回転するように装着され、前記プレートカッタは、プレートカッタの頂面からプレートカッタの底面に貫通する複数の穴を有する、プレートカッタと、c)第1の円形ハブを備える第1のロータリカッタであって、前記第1のロータリカッタは、前記第1のロータリカッタの前記第1の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、複数の切断ローブが前記第1の円形ハブのまわりに固定され、前記切断ローブのそれぞれは、上面、前記上面に対向する下面、前縁部、および前記前縁部に対向する後縁部を有し、それぞれの切断ローブには、前記上面から前記上面および前記下面を貫通して前記下面へ延在する、前記それぞれの切断ローブを貫通する開口を有し、前記切断ローブのそれぞれは、それぞれの切断ローブの前記前縁部と前記後縁部との間で等距離にされた中心線が前記第1の円形ハブの中心軸に垂直となるように、第1の円形ハブから外向きに延在し、前記切断ローブは、ある切断ローブの前縁部と次の隣接する切断ローブの後縁部との距離が同じ径方向の位置における別の切断ローブの前縁部とその次の隣接する切断ローブの後縁部との距離と等しくなるように第1の円形ハブの外周にそって配置され、それぞれの切断ローブの前記下面は、複数の間隔を置いて配置された嵌合用溝、および隣接する嵌合用溝の間の嵌合用隔壁を有し、それぞれの切断ローブの前記嵌合用溝および前記嵌合用隔壁は、その前縁部からその後縁部にまたはその前縁部からその開口に、かつその開口からその後縁部に延び、前記嵌合用溝および前記嵌合用隔壁のそれぞれは、第1の円形ハブの中心軸と同心の円弧の形状を有し、それぞれの切断ローブの下面からの前記嵌合用溝および前記嵌合用隔壁は、前記プレートカッタの前記第1の切断側面の前記同心隔壁および前記同心溝と並置される、第1のロータリカッタと、d)第2の円形ハブを備える第2のロータリカッタであって、前記第2のロータリカッタは、前記第2のロータリカッタの前記第2の円形ハブを通った前記駆動軸に固定され、複数の刃先は、前記第2の円形ハブのまわりに固定され、前記刃先のそれぞれは、上面を有し、前記刃先のそれぞれは、前記第2のハブの中心軸に垂直に前記第2のハブから外向きに延在し、前記刃先は、前記第2の円形ハブの外周にそって配置され、前記プレートカッタの前記第2の切断側面と係合するように並置される、第2のロータリカッタを備え、前記第1のロータリカッタと前記第2のロータリカッタとの間に前記プレートカッタが位置決めされており、前記駆動軸は、ベアリングによって前記静止渦巻き部の壁を通って回転するように装着され、メカニカルシールによってシールされる、切断アセンブリと、iii)前記駆動軸の周りに固定された前記静止渦巻き部内の羽根車と、
iv)前記静止渦巻き部の外側部分に取り付けられ、前記静止渦巻き部の中で前記駆動軸を回転させるために前記駆動軸に固定された電気モータを備える、シュレッダポンプを提供することと、II)前記電気モータで前記駆動軸を少なくとも1つの回転方向に回転させることと、III)前記液体、および前記固形物を、前記切断アセンブリに通し、前記静止渦巻き部の中に送り込み、次いで、前記羽根車で前記液体および前記固形物を推進して前記吐き出し開口部に通すことを含む、方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明によるシュレッダポンプを例示する断面図。
【
図3】互いに並置されている円形プレートカッタおよびロータリカッタのアセンブリを示す図。
【
図4】4aはロータリカッタおよび円形プレートカッタの変形形態の篏合溝および隔壁の断面図であり、4はロータリカッタおよび円形プレートカッタの変形形態の篏合溝および隔壁の断面図であり、4cはロータリカッタおよび円形プレートカッタの変形形態の篏合溝および隔壁の断面図である。
【
図5】本発明にとって有用な双方向羽根車を示す図。
【
図6a】カップ形状の凹状プレートカッタが、円形横断面を有し、略円錐形の構成である、本発明の一実施形態を示す図。
【
図6b】ロータリカッタが円錐形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す図。
【
図6c】円形プレートカッタ40が略平面的であり、第1の側面が第1のロータリカッタ16に係合し、第2の側面が第2のロータリカッタ17に係合する、本発明の一実施形態の斜視図。
【
図7a】カップ形状の凹状プレートカッタが、円形横断面を有し、略半球形の構成である、本発明の一実施形態を示す図。
【
図7b】ロータリカッタが、半球形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す図。
【
図8a】円形横断面を有するカップ形状の凹状プレートカッタが、略円筒形の構成である、本発明の一実施形態を示す図。
【
図8b】ロータリカッタが、略円筒形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す図。
【
図9】カップ形状の凹状プレートカッタが、円形横断面を有し、対応するロータリカッタと嵌合する略円筒形の構成である、本発明の一実施形態を示す図。
【
図10】両刃のカップ状の中心プレートカッタが、第1および第2のロータリカッタと係合する、発明の一実施形態の分解図。
【
図11】第1のロータリカッタの下側と係合する第1の切断側面と、第2のロータリカッタの刃先と係合する第2の切断側面とを有する、両刃の平面的な中心プレートカッタを示す、組み立てられた切断アセンブリの上面図。
【
図12】両刃の平面的な中心プレートカッタが、第1のロータリカッタの下側と係合する第1の切断側面と、第2のロータリカッタの刃先と係合する第2の切断側面とを有する、組み立てられた切断アセンブリの下面図。
【
図13】ソケットヘッドねじおよびエンドキャップによって保持された駆動軸を介して、第1および第2のロータリカッタと係合する、両刃の略平面的な中心プレートカッタを示す、本発明による切断アセンブリの分解図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実形態について以下に説明する。
【0017】
図1は、本発明によるシュレッダポンプ10を例示している。これは電源コード4によって給電される電気モータ3が取り付けられている中央モータ室13を包含するハウジング1を備えることが図示されている。モータ3は、好ましくは、当技術分野でよく知られているように、頑丈で注油された耐熱モータである。モータ3は、上側および下側の玉軸受2を介してハウジング1に確実に取り付けられる。モータは、駆動軸14を回転し、次いで静止渦巻き部5内の詰め物のない双方向羽根車8を駆動する。そのような羽根車は、いずれかの回転方向に等しくポンプ作用で送ることができる、従来の一方向型または渦巻き型である。双方向の特徴は、裁断機構の寿命を2倍にすることができる。好ましくは、電気モータ3は、コントローラ17に応答して第1の回転方向および第2の回転方向に交互に軸14を回転することができる双方向電気モータである。静止渦巻き部は、ボルト9などによってハウジング1に取り付けられる。静止渦巻き部5は、取り入れ開口部7、および吐き出し開口部11を有する。軸14は、モータ3からハウジング1の下側床面を通り、静止渦巻き部5の上壁を通り、さらに取り入れ開口部7を貫通する。モータ3は、軸14の周りに位置決めされたメカニカルシール6によって静止渦巻き部5から隔てられる。メカニカルシール6は、液体がモータ室内に入り込むのを防ぐ。そこで、駆動軸14は、軸受2の下側によって渦巻き部の上壁を通して回転するように取り付けられ、メカニカルシール6によってシールされる。駆動軸14の端部に回転可能に固定されているのは、切断アセンブリ12である。切断アセンブリ12は、第1のロータリカッタ16、第2のロータリカッタ、および第1の切断側面と対向する第2の切断側面とを有する、中心に位置決め静止円形プレートカッタ40に取り付けられる駆動軸14の端部を備え、その変形形態について以下に説明する。
【0018】
第1のロータリカッタ16は、駆動軸に固定され、プレートカッタ40の第1の切断側面の対応する部分と並置される複数の切断ローブ24を有する。第2のロータリカッタ17は、駆動軸に固定され、プレートカッタ40の第2の側面の対応する部分に並置される。
切断アセンブリの一実施形態において、プレートカッタ40は、略平面的な形状である。切断アセンブリの別の実施形態では、プレートカッタ40は、カップ形状であり、略半球形の形状である。切断アセンブリの別の実施形態では、プレートカッタ40は、カップ形状であり、略円錐形の形状である。切断アセンブリのさらに別の実施形態では、プレートカッタ40は、カップ形状であり、略円筒形の形状である。
【0019】
図2は、
図1に見られるような駆動軸14に固定され、かつ駆動軸14によって回転可能に駆動されるロータリカッタ16の下面を特徴とする取り外された状態の斜視図を示す。第1のロータリカッタ16は、ボアの中心軸を通るボア20を有する円形ハブ18を備える。第1のロータリカッタ16は、キー溝22、キー122、および
図3に示されるエンドキャップ50などの、ボア内に駆動軸を固定するための好適な手段を有する。ハブ18から外向きに、複数の切断ローブ24が延在している。切断ローブ24のそれぞれは、上面26、上面に対向する下面28、前縁部30、および前縁部に対向する後縁部32を有する。それぞれの切断ローブには、上面26から、上面26を通り、下面28に至り、下面28を通って延在する開口34が貫通する。切断ローブ24のそれぞれは、それぞれの切断ローブ24の前縁部30と後縁部32との間の等距離にある中心線がハブ18の中心軸に実質的に垂直になるようにハブ18から外向きに延在する。切断ローブ24は、それぞれの切断ローブの前縁部30から次の隣接する切断ローブの後縁部32までの距離のそれぞれが実質的に等しくなるようにハブ18の外周にそって配置される。ローブ24は、回転時にロータリカッタ16が釣り合うようにハブ18の周りに実質的に等しい間隔で並べられることが最も好ましい。
【0020】
図3を見ると最もよくわかるように、それぞれの切断ローブ24の上面26は、好ましくはその前縁部30からその開口34まで、またその開口34から後縁部32まで延在する凸状屈曲部を有する。
図2に示されているように、それぞれの切断ローブ24の下面28は、複数の溝36、および隣接する溝36の間に隔壁38を有する。それぞれの切断ローブ24の溝36および隔壁38は、その前縁部30からその後縁部32まで、またはその前縁部30からその開口34まで、およびその開口34からその後縁部32までのいずれかに延在する。前記溝36のそれぞれは、ハブ18の中心軸と同心である円弧の形状を有する。
図3に示されているように、切断アセンブリのさらに別の部分は、円形プレートカッタ40であり、その側面の両側に刃先を有する。円形プレートカッタ40は、ネジ42などによって、渦巻き部5の取り入れ開口部7の前に取り付けられる。
【0021】
円形プレートカッタ40は、軸14を受け入れるための中心プレートボア、および複数の同心溝44と隣接する溝44の間の隔壁46とを有する表面を有する。溝44のそれぞれは、ボア、さらにはロータリカッタ16のハブの中心軸と同心である円弧の形状を有する。駆動軸14は、円形プレートカッタボア内に回転するように取り付けられる。この実施形態では、プレートカッタ40は、その頂面からその底面へ完全に中を貫通する複数の穴48を有する。
図3に円形穴として図示されているが、これらの穴は、任意の幾何学的形状、例えば、円形、三角形、矩形、多角形、星形、および同様の形状などの任意の形状のさまざまな穿孔のいずれかであるか、またはこれらは湾曲したスロット、傾斜したスロット、都合のよい長さおよび幅の放射状に配置構成されたスロット、またはこれらの組合せであるものとしてよい。一実施形態では、穴48は、その形状に関係なく、プレートカッタ40の頂面と底面との間に厚さに関してテーパーが付けられてよく、したがって、それぞれの穴に強化されたナイフのような刃が付けられる。切断ローブ24が軸14上に取り付けられる場合、それぞれの切断ローブ24の下面からの溝36および隔壁38は、円形プレートカッタ40からの対応する隔壁46および溝44と並置される。好ましくは、切断ローブ24は、円形プレートカッタ40から、金属スペーサによって数千分の1インチだけ離される。
【0022】
図3は、円形プレートカッタ40のアセンブリを示しており、ロータリカッタ16のローブ24は互いに並置されている。軸14、およびロータリカッタ16は、好ましくは、シャチ継手、例えば、円形プレートカッタ40の各中心ボアを通してキー溝に入る軸14にそったキー、およびロータリカッタ16によって1つにまとめられ、最終的にエンドキャップ50およびソケットヘッドねじ15によって取り付けられる。ソケットヘッドねじ15がエンドキャップ50をロータリカッタ16に当接して保持し、好ましくは軸14内にまっすぐ通るようにする。
図2および
図3は、3つのローブを有するロータリカッタを示しているが、所望の数のローブ、例えば、2個から6個のローブ、好ましくは2個から4個のローブを使用することができる。それぞれの切断ローブ24の下面からの溝36および隔壁38、ならびに円形プレートカッタ40からの対応する隔壁46および溝44は、都合のよい形状を有するものとしてよい。
【0023】
一実施形態では、溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁は、
図4aに示されているように略矩形の形状の断面を形成する。別の実施形態では、溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁は、
図4bに示されているように略V字型または三角形の断面を形成する。さらに別の実施形態では、溝のそれぞれおよび隣接する溝の間の隔壁は、
図4cに示されているように略半円形の形状の断面を形成する。切断ローブ24の嵌合溝および隔壁ならびに円形プレートカッタ40は、液体中の固形物のサイズ縮小のために、はるかに広い裁断表面積を構成することによって従来技術に勝る改善をもたらす。加えて、前縁部および後縁部および中央開口をプレートカッタの表面を通る複数の穴と組み合わせて有するローブは、はるかに多い切刃を備え、これにより固形物を減らす。
【0024】
遮られていない静止渦巻き部の入口開口部の相当面積である正味「流れ面積」を計算するために、回転しているカッタによって常時遮られている面積を差し引く。したがって、正味「流れ面積」=静止円形プレートカッタ内の総穴面積-回転しているロータリカッタによって遮られている総面積である。回転している切断ローブのそれぞれのローブにおいて開口を有する本明細書で説明されている実施形態では、2つの明確に異なる利点が得られる、つまり、回転しているカッタによって遮られている面積の縮小、延いては正味「流れ面積」が増大することと、接触端の数が増加することである。そこで、従来技術の1つのシュレッダポンプでは、1回転当たり108回の切断が主張されている。本発明のシュレッダポンプの使用の非排他的な例では、1回転当たり約1000~約3000回の切断速度で固形物を十分に裁断することができる。
【0025】
図5は、本発明にとって有用な双方向羽根車8を示している。羽根車8は、
図1に示されているように、渦巻き部5内に軸14を中心として回転するように取り付けられる。これは、複数の羽根52を備えることが図示されている。羽根の数は、所望の用途のために当業者によって容易に決定可能なものである。
図5は、6枚の羽根を示している。それぞれの羽根52は、凸状表面を有する対向する湾曲面を有する。このような双方向羽根車は、軸が第1の回転方向または第2の回転方向のいずれかの方向に回転しているときに流体および液体中に埋め込まれた固形物を渦巻き部5の吐き出し開口部11の方へ推進することができる。一実施形態では、本発明のシュレッダポンプは、第1の回転方向および第2の回転方向に軸14の回転方向を交互に切り替えるためのコントローラ17をさらに備える。これは、コントローラが、過剰な固形物がプレートカッタ40の開口部内に詰まったことによって引き起こされる過負荷を感知し、ロータリカッタ16の回転を自動的に逆転するときに特に有用である。これにより、固形物の一部が取り除かれ、残っている固形物が切断ローブの新しい前縁部によって切断されるようにできる。この逆転する特徴は、ロータリカッタ16の周りに詰められた繊維状物質を解くのにも非常に有用である。このような逆方向コントローラは、当技術分野でよく知られている。
【0026】
図6aは、カップ形状の凹状プレートカッタ40が円形横断面を有し、略円錐形の構成である、本発明の一実施形態の上面図を示す。
図6bは、第1のロータリカッタ16が略円錐形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す。
図6cは、円形プレートカッタ40が略平面的であり、第1の側面が第1のロータリカッタ16に係合し、第2の側面が第2のロータリカッタ19に係合する、本発明の一実施形態の斜視図を示す。
【0027】
図7aは、円形横断面を有するカップ形状の凹状プレートカッタ40が、略半球形の構成である、本発明の一実施形態を示す。第2の切断側面は、この図には示されていない。
図7bは、ロータリカッタ16が略半球形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す。
【0028】
図8aは、円形横断面を有するカップ形状の凹状プレートカッタ40が、略円筒形の構成である、本発明の一実施形態を示す。第2の切断側面は、この図には示されていない。
図8bは、ロータリカッタ16が略円筒形のカップ形状の凹状プレートカッタと回転可能に嵌合する、本発明の一実施形態を示す。
【0029】
図9は、カップ形状の凹状プレートカッタ40が円形横断面を有し、対応するロータリカッタ16と嵌合する略円筒形の構成である、本発明の一実施形態を示す。半球形または円錐形の構成を有するカップ形状の凹状プレートカッタを用いて、同様の嵌合配置が作られる。
【0030】
図10は、第1の切断側面41と第2の切断側面43とを有する、両刃のカップ状の中心プレートカッタ40を示す、本発明の一実施形態の分解図を示す。第1の切断側面41は、第1のロータリカッタ16の下側45と係合する。第2の切断側面43は、第2のロータリカッタ19の刃先47と係合する。
【0031】
図11は、第1の切断側面41が第1のロータリカッタ16の下側45と係合する、両刃の平面的な中心プレートカッタ40を示す、本発明による組み立てられた切断アセンブリの上面図を示す。第2の切断側面は、第2のロータリカッタ19の刃先47と係合する。
【0032】
図12は、第1のロータリカッタ16の下側と係合する第1の切断側面を有する、両刃の平面的な中心プレートカッタ40を示す、本発明による組み立てられた切断アセンブリの下面図を示す。第2の切断側面43は、第2のロータリカッタ19の刃先47と係合する。
【0033】
図13は、第1のロータリカッタ16の下側と係合する第1の切断側面41を有する、両刃の略平面的な中心プレートカッタ40を示す、本発明による切断アセンブリの分解図を示す。第2の切断側面43は、第2のロータリカッタ19の刃先47と係合する。駆動軸14は、第1のロータリカッタ16の中心軸を通るボア20、その床を通るプレートカッタボア23、および第2のロータリカッタ19の床を通るボア25を通って延在する。ソケットヘッドねじ15が、エンドキャップ50をロータリカッタ16に当接して保持し、好ましくは軸14内にまっすぐ通るようにする。
【0034】
使用時に、本発明は、液体中の固形物を裁断する方法であって、まず、上述のシュレッダポンプを提供することと、次いで、電気モータで駆動軸を少なくとも1つの回転方向に回転させることと、次いで、液体、および任意選択の固形物を、切断アセンブリに通し、渦巻き部の中に送り込み、次いで、羽根車で液体および任意選択の固形物を推進して吐き出し開口部に通すことを含む、方法をさらに提供する。
【0035】
これらの実施形態の構成は、裁断されている間は固形物を拘束し続けるという点で、従来技術のカッタアセンブリを超える利点を示す。他のタイプは、固形物が吸い込まれるときにその一部を裁断するが、次にそれを切り出してポンプによって再び吸い込まれるまで液体中に戻す。本発明のカッタは、衣服などの固形物がカップ状のカッタアセンブリに吸い込まれると、完全に裁断されるまでそこに留まることを実現する。
【0036】
本発明を特に好ましい実施形態を参照し、図示して説明したが、当業者であれば本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更および修正が加えられ得ることは容易に理解できるであろう。特許請求の範囲は、開示されている実施形態、上述の代替形態、およびそのすべての均等物を網羅するように解釈されることが意図されている。