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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】水処理装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/32 20230101AFI20231228BHJP
   C02F 1/78 20230101ALI20231228BHJP
【FI】
C02F1/32
C02F1/78
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022192548
(22)【出願日】2022-12-01
(62)【分割の表示】P 2018179612の分割
【原出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2023014285
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】304017476
【氏名又は名称】東洋バルヴ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390002381
【氏名又は名称】株式会社キッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100081293
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 哲男
(72)【発明者】
【氏名】矢田 勝久
【審査官】片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-296246(JP,A)
【文献】特開2004-154742(JP,A)
【文献】特開2004-160437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/32、72-78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水に殺菌線を含む紫外線を照射する紫外線ランプと、前記紫外線ランプを内蔵し前記被処理水が通水する反応槽と、前記反応槽の外側には前記被処理水を通過した紫外線のうち殺菌線より長波長帯域の紫外線を透過可能な透過部と、前記透過部を透過した殺菌線より長波長帯域の紫外線の紫外線照度を計測する紫外線センサを配置し、
前記紫外線センサの紫外線照度の計測値に基づいて、殺菌線より長波長帯域の紫外線照度の所定値以下への低下をもって紫外線ランプの寿命とみなし、前記紫外線ランプの劣化状態を検知する制御部を備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記紫外線センサに到達される紫外線は、300~400nmである請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記被処理水にオゾンを供給するオゾン供給部を有する請求項1又は2に記載の水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体製造工程や液晶製造工程などで用いられる純水や、或は農耕栽培用として使用される養液などの被処理水を再利用可能に処理する水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体素子や液晶ガラスの製造工程では、半導体ウエハ基板、液晶ガラス基板、ガラス基板などを洗浄するために大量の純水が使用され、一方、農業分野においては、養液栽培により農作物を育成する際に大量の養液が必要になる。これら大量の水の使用に関し、環境への負荷低減、水資源の有効活用などの観点から、使用後の純水や養液を回収して再利用することが望まれている。
【0003】
純水や養液などを再利用可能に処理する場合には、一般にこれら被処理水を循環させる流路の一部に水処理装置が設けられ、この水処理装置には被処理水を除菌浄化するための紫外線ランプ(紫外線光源)が配置されることが多い。紫外線ランプを用いて除菌浄化する際には、被処理水の除菌浄化に必要な紫外線照度を計測するため、紫外線計測用の紫外線センサが設けられている場合がある。
【0004】
例えば、特許文献1の紫外線照射装置では、被処理水が流れる反応槽に紫外線監視窓が設けられ、この紫外線監視窓に紫外線センサである紫外線モニタが設置される。そして、被処理水を透過した紫外線照度が紫外線モニタで計測され、この紫外線照度と照射部から照射される紫外線照度とにより被処理水に対する紫外線透過率が算出され、この紫外線透過率に基づいて照射部の劣化が検出されるようになっている。
【0005】
一方、特許文献2の紫外線水処理システムでは、紫外線水処理装置に紫外線測定用の紫外線照度計が設けられ、この照度計により照度が測定される。このシステムにおいて、測定された照度と予め設定された設定値とが比較され、その状態に応じて紫外線ランプの照度低下やランプ切れを予測するものとしている。
【0006】
上記の紫外線ランプを利用した水処理装置に対して、さらに除菌浄化能力を高めるためにオゾン供給装置を加えたものが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。この水処理装置では、紫外線照射装置の一次側にオゾン供給装置が配置され、オゾンが供給された被処理水が反応容器内の紫外線ランプを通過し、この紫外線ランプの紫外線により除菌浄化される。これに加えて、反応容器内には光触媒が設けられ、この光触媒によっても被処理水の殺菌及び有機物の分解処理がおこなわれる。
【0007】
これらの水処理装置により被処理水を大量に除菌浄化して再利用可能にするためには多数の水処理装置が必要になり、それに伴って使用する紫外線ランプの数も増加することになる。この場合、紫外線による除菌浄化機能を一定に維持するためには、運転時の各紫外線ランプが確実に点灯状態にあり、紫外線照度が所定以上に達している必要がある。そのため、近年では、紫外線ランプの点灯/消灯状態や、紫外線照度の減少を集中して監視できる水処理装置が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第5649703号公報
【文献】特開2009-82774号公報
【文献】特許第4229363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
紫外線ランプの点灯/消灯状態を確認するためには、例えば、各紫外線ランプへのオンオフの制御信号を検知することが考えられるが、この場合、制御信号がオンの状態であるにもかかわらず、紫外線ランプの寿命などにより実際には消灯状態になって正確に検知できない場合がある。
一方、紫外線ランプの点灯/消灯状態を現場で視覚的に確認することも考えられるが、半導体製造設備や農業の現場では、水の流れる流路が数十メートルに達することもあるため、この流路に沿って多数設置された紫外線ランプのそれぞれの点灯状態を視認するには手間がかかる。
【0010】
これに対して、特許文献1や特許文献2では、紫外線ランプの状態を一括して集中的に監視しようとしているが、これらは紫外線ランプと紫外線センサとが近接しているために、紫外線ランプからの紫外線で紫外線センサを含む部品が劣化しやすくなる。そのため、紫外線センサの信号伝達用配線の被覆を厚くするなどの対策が必要になる。また、紫外線の減衰を防ぐためには、紫外線ランプと流路との間隔を狭くする必要が生じるが、これにより、紫外線センサを流路内に配置することが難しくなる。
これらのことから、この種の紫外線照射装置を多数使用して半導体製造分野や農業分野の長い水処理流路を構成しにくくなり、紫外線ランプの点灯/消灯状態や紫外線照度の状態を正確に計測することが困難になる。
【0011】
さらに、特許文献3のように紫外線照射装置にオゾン供給装置を設ける場合、オゾンが供給された被処理水を紫外線ランプで効果的に除菌浄化するためには、特に、波長254nm付近の紫外線を照射してラジカル反応を発生させる必要がある。この場合、波長254nm付近の紫外線の照度は、紫外線ランプの光源からの離間距離につれて極端に減衰しやすい特性があるから、紫外線ランプと流路との間隔をさらに狭くしなければならず、流路内に紫外線センサを配置することが一層困難になる。
【0012】
上記の理由により、紫外線ランプの劣化等による紫外線照射量の低下を正確に計測できなくなることがあり、その結果、紫外線を被処理水に対して十分に照射することができなくなる可能性が生じる。
そのため、この紫外線照射装置を、例えば半導体製造工程で用いた場合には、紫外線量の不足によりオゾン供給装置、光触媒による複合的な除菌浄化が効果的になされず、特に高品質が要求される半導体製品に悪影響を及ぼすおそれがある。
一方、農耕栽培用として用いた場合には、養液中には不純物が含まれているため、この不純物の付着により紫外線が透過するガラスが汚れやすくなるという問題も有している。この場合、紫外線照射量の低下がより激しくなり、紫外線による除菌浄化作用が不十分になる。
【0013】
紫外線センサを反応槽の内部に設けた場合、故障時などにおいて紫外線センサの取出しが困難になり、特に、水処理装置を小型化した場合には一層着脱が難しくなってメンテナンスしにくくなるという問題も有している。
【0014】
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、大量の水処理により長い流路で多数使用する場合にも、紫外線ランプの劣化状態を集中的に監視し、紫外線による部品への悪影響を最小限に抑えつつ高い除菌浄化機能により効率的に水処理可能な水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、被処理水に殺菌線を含む紫外線を照射する紫外線ランプと、紫外線ランプを内蔵し被処理水が通水する反応槽と、反応槽の外側には被処理水を通過した紫外線のうち殺菌線より長波長帯域の紫外線を透過可能な透過部と、透過部を透過した殺菌線より長波長帯域の紫外線の紫外線照度を計測する紫外線センサを配置し、紫外線センサの紫外線照度の計測値に基づいて、殺菌線より長波長帯域の紫外線照度の所定値以下への低下をもって紫外線ランプの寿命とみなし、紫外線ランプの劣化状態を検知する制御部を備えた水処理装置である。
【0016】
請求項2に係る発明は、紫外線センサに到達される紫外線は、300~400nmである水処理装置である。
請求項3に係る発明は、被処理水にオゾンを供給するオゾン供給部を有する水処理装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によると、反応槽の外側には前記被処理水を通過した紫外線のうち殺菌線より長波長帯域の紫外線を透過可能な透過部と、透過部を透過した殺菌線より長波長帯域の紫外線の紫外線照度を計測する紫外線センサを配置し、紫外線センサの紫外線照度の計測値に基づいて、殺菌線より長波長帯域の紫外線照度の所定値以下への低下をもって紫外線ランプの寿命とみなし、紫外線ランプの劣化状態を検知する制御部を備えたので、反応槽の内側に紫外線センサを設けることなく紫外線ランプの状態を確認できる。このため、部品に悪影響を与える波長の紫外線の外部への漏れを防ぐ構成にでき、悪影響の少ない波長の紫外線を反応槽の外部で計測することで紫外線センサなどの構成部品の故障などを防ぎつつ、除菌浄化に必要な紫外線照度を確保できる。大量の水処理が必要な半導体製造工程などの長い流路で多数使用する場合にも、それに伴って増加する紫外線ランプの劣化状態を集中的に監視できる。仮に、紫外線センサに不具合が生じた場合には、反応槽外部の紫外線センサを取り外して容易にメンテナンスできる。
【0018】
請求項2に係る発明によると、可視光による紫外線センサへの悪影響を抑えることができる。
請求項3に係る発明によると、オゾン供給部によって供給されたオゾンの殺菌効果により被処理水中の細菌の多くは殺菌され、殺菌された細菌の死骸を含む有機物の多くを分解処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の水処理装置の一実施形態を示す模式図である。
図2図1の水処理装置のブロック図である。
図3図1における反応槽を示す概略縦断面図である。
図4】(a)は反応槽の一部拡大概略断面図である。(b)は紫外線の距離と照度との関係を示すグラフである。
図5】被処理水に応じた紫外線ランプの寿命曲線をあらわすグラフである。
図6】純水の照度減衰特性をあらわすグラフである。
図7】養液の照度減衰特性をあらわすグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明における水処理装置と水処理装置用紫外線ランプの劣化検知装置を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、水処理装置の一実施形態の模式図を示し、図2は水処理装置のブロック図を示している。
【0021】
図において、水処理装置(以下、装置本体1という)は、例えば半導体製造設備や農耕設備に純水や養液を供給する循環流路の一部として組み込まれ、図示しないポンプで循環させた純水や養液を被処理水として除菌浄化し、流路に還元するように設けられる。
【0022】
装置本体1は、反応槽2、紫外線センサ3、オゾンを供給するオゾン供給部4、記憶・制御装置5、光触媒7を有し、このうち、紫外線センサ3と記憶・制御装置5とにより水処理装置用紫外線ランプの劣化検知装置(以下、検知装置本体6という)が構成される。
【0023】
この装置本体1において、反応槽2には、被処理水に紫外線を照射する紫外線照射部となる紫外線ランプ10が内蔵され、反応槽2内部には光触媒7が設けられる。反応槽2の一次側には入口側接続口11、二次側には出口側接続口12がそれぞれ設けられ、入口側接続口11にオゾン供給部4が接続され、このオゾン供給部4の一次側に流入流路15、反応槽2の出口側接続口12に流出流路16がそれぞれ接続されることで循環流路の一部に配置される。この構成により、装置本体1は、オゾン供給部4によるオゾン供給機能と、紫外線ランプ10による紫外線照射機能と、光触媒7による光触媒作用機能とを有し、これらを有機的に結合した三位一体の機能により被処理水を効果的に除菌浄化処理するようになっている。
【0024】
図3において、紫外線ランプ10は反応槽2の中央部に配置され、この紫外線ランプ10の外周側に保護用の内ガラス管20が設けられ、この内ガラス管20の外周側に外ガラス管21が配置される。内ガラス管20と外ガラス管21との間には被処理水の略円筒形状の流路22が形成され、この流路22内の内周側、外周側に沿うようして長さ方向に光触媒7が配置される。このように、紫外線ランプ10が反応槽2の中央部に配置されていることで、反応槽2全体がコンパクト化され、かつ紫外線ランプ10から被処理水に向けて放射状に紫外線が照射されることで、被処理水を効率的に除菌浄化する。
【0025】
ここで、紫外線とは、可視光線の波長よりも短くX線の波長よりも長い不可視光線の電磁波であり、一般的にはおよそ100~400nmの波長の光を表している。このうち、特に250~270nmの波長の紫外線の殺菌性が強いといわれており、さらには波長254nm近傍の紫外線は殺菌性がより高く、殺菌線(殺菌放射)と呼ばれている。
【0026】
本実施形態における紫外線ランプ10は、略254nm近傍の波長の紫外線を中心に発光するものが用いられる。これにより、後述のオゾン供給部4によりオゾンが含有された被処理水に略254nmの波長の紫外線が照射されたときに、促進酸化作用によりオゾンが活性酸素と酸素とに分解され、活性酸素により様々な活性酸素種がつくられる。このとき生成されるヒドロキシラジカルは、オゾンよりも酸化力が強く、オゾンに抵抗性のある微生物もより効果的に殺菌可能になる。
【0027】
さらに、紫外線ランプ10は、略254nm近傍の波長の紫外線以外の光、具体的には波長略400nm近傍やそれ以上の波長の紫外線も含んでいる。このうち略254nm近傍の波長の紫外線は、紫外線センサ3で検知することが難しいが、略400nm近傍の波長及びそれ以上の波長の光は、紫外線センサ3で検知可能になっている。
ここでいう略400nm近傍とは、350nm±50nmを意味する。ただし、この値は紫外線ランプ10が有する分光分布により異なるが、少なくとも254nmよりも長い波長の紫外線が好ましい。
【0028】
紫外線ランプ10は、略400nmの波長の光を有する蛍光ランプや、LEDを複数個並べたランプであってもよい。さらに、紫外線ランプ10は、反応槽2の形状や内部構造に応じて直線形、円筒形、螺旋形、波形などの各種形状のものを用いることもできる。
【0029】
図4(a)、図4(b)において、内ガラス管20は、紫外線透過率、耐熱性、強度等の理由から、例えば石英ガラスにより設けられ、紫外線ランプ10から少なくとも距離Lが4~5mm程度離れるような内径に形成される。内ガラス管20を石英ガラスで形成した場合、紫外線のうちの略254nm近傍から略400nm程度の波長の光を透過可能になる。内ガラス管20を前記の寸法で形成する理由としては、紫外線ランプ10からの距離が4mmよりも小さいと加工精度等によって上端側と下端側とで歪みが生じたときに長尺状の端部同士の歪みが増大し、紫外線ランプ10に接触して適切に組付けできない可能性があるためである。一方、距離が5mmよりも大きいと、距離が増すにつれて減衰率が激しくなる略254nmの波長の紫外線を、被処理水に十分に照射できなくなる。
【0030】
反応槽2の外表面側の外ガラス管(透過部)21は、略254nmよりも波長の長い紫外線を透過可能な特性を有するガラスにより設けられる。このため、外ガラス管21は、例えばホウケイ酸ガラスにより設けられ、このホウケイ酸ガラスは、紫外線のうち略400nm近傍の波長の光のみを透過し、略254nm近傍の波長の殺菌線を透過することはできない。
【0031】
上記の材料で内ガラス管20、外ガラス管21をそれぞれ形成しているため、紫外線ランプ10から紫外線が照射されたときには、図4(b)に示すように、波長略254nm近傍の光が内ガラス管20を透過し、この光が被処理水に達すると大きく照度が減少し、内ガラス管20の外周面から長さXが数mm程度の位置で照度がゼロになる。この場合、この長さX内に内周側の光触媒7が入っているため、略254nmの波長の紫外線が光触媒に作用するようになっている。一方、紫外線帯域の中で長波長成分である波長370~400nm近傍の光は、徐々に照度が低下しつつ内ガラス管20、流路22、外ガラス管21を透過する。
【0032】
図4(a)に示すように、紫外線センサ3は、外ガラス管(透過部)21の外側に近接状態で配置され、この紫外線センサ3により、被処理水が反応槽2内を通過するときの内ガラス管20、流路22、外ガラス管(透過部)21を透過する紫外線ランプ10の紫外線の照度を計測可能になっている。紫外線センサ3は、略254nmよりも波長の長い紫外線照度を検知することが可能なセンサであり、図4(b)において、外ガラス管(透過部)21の外側に透過した略400nm近傍の波長の紫外線の照度を計測し、その照度の大きさにより後述の記憶・制御装置5を介して紫外線ランプ10の劣化診断を可能としている。
【0033】
紫外線センサ3の受光側には、略400nmよりも長い波長の可視光をカットするフィルタ25が設けられる。このフィルタ25により可視光をカットして紫外線センサ3への悪影響を抑え、紫外線センサ3で略400nm近傍の波長のみの照度を計測可能に設けている。フィルタ25は、略400nm近傍未満の紫外線をカットする性質を有している必要はない。これは前述したように、略400nm未満の紫外線は、紫外線センサ3に到達するまでに照度0%に減衰するためである。
【0034】
光触媒7は、金属チタン基材の表面を酸化させて酸化チタンを生成することで剥離しにくい構成に設けられ、例えば、網やチタン線、繊維状チタン材料の集合体、或は多孔性チタン材料等からなるチタン又はチタン合金などの材料の表面側に二酸化チタンを被覆して設けられる。金属チタン基材を細状に形成した場合には反応面積が大きくなり、オゾンとの反応性が良くなる。金属チタン基材は、チタンやチタン合金以外の材料であってもよく、例えばガラスやシリカゲル等を材料としてこの材料の表面に酸化チタンを形成するようにしてもよいが、耐久性を考えた場合、チタン基材に生成したものが望ましい。光触媒7は、略250~350nmの波長の紫外線光線で活性化しやすくなっている。
【0035】
図1の装置本体において、オゾン供給部4は、前述のように反応槽2の一次側に接続され、反応槽2側に流れる被処理水にオゾンを供給可能に設けられる。オゾン供給部4は、オゾナイザ30、エジェクタ31、オゾン供給管32、逆止弁33を備えている。
【0036】
オゾナイザ30は、アース電極41と高圧電極を貼りつけた誘電体42との間に放電空隙を有する構造を成し、アース電極41と誘電体42との間に高電圧を印加して放電させ、放電空隙を流れる空気を原料としてオゾンを生成するものである。空気は、図示しないポンプによりオゾナイザ30の放電空隙に連続的に供給され、生成されたオゾン(及び溶存酸素)は、オゾナイザ30に接続されたオゾン供給管32を介してエジェクタ31に供給可能に設けられる。
【0037】
エジェクタ31は、例えば、フッ素樹脂等の樹脂、或はセラミックや金属を材料として形成され、流入流路15に設けられることによりこの流入流路15を流れる被処理水にオゾナイザ30により生成されたオゾンを混合可能になっている。エジェクタ31とオゾナイザ30との間には、逆流防止用の逆止弁33が設けられ、この逆止弁33を通過したオゾンと溶存酸素は、エジェクタ31内部の図示しない通路を通過することで流速が速められながら気泡状態で被処理水に溶け込み、微細気泡状の混合液(オゾン水)を生成して反応槽2側に供給可能になっている。
【0038】
図2において、記憶・制御装置5は、反応槽2、紫外線センサ3、オゾン供給部4に電気的に接続され、紫外線センサ3で計測された略400nm近傍の波長の紫外線照度から、特定の波長の紫外線照度に換算する機能を有している。装置本体1は、この特定の波長の紫外線照度から、紫外線ランプ10の消灯又は劣化状態を検知する機能を有する。
【0039】
この場合、図5の時間経過に対する紫外線ランプ10の略400nm近傍の波長の照度変化を示すグラフにおいて、記憶・制御装置5は、紫外線照度がゼロのときに紫外線ランプ10が消灯状態にあることを検知し、又は、紫外線照度が予め設定した処理の値以下に低下したときに、寿命時期であることを検知する機能を備えている。
【0040】
本実施形態において、特定の波長の紫外線照度とは、被処理水をラジカル反応させる前述した略254nmの波長の紫外線照度であり、被処理水への除菌浄化性の低い前述の略400nmの波長の紫外線照度を計測することで、最も除菌浄化性に優れた略254nmの波長の紫外線照度を認識可能になっている。
【0041】
記憶・制御装置5は、各種データを記憶するための記憶部50と、装置本体1の動作状態を検知可能な制御部51とを有している。
記憶部50には、照度減衰特性データ55や、紫外線センサ3による紫外線照度の計測結果などが記憶される。照度減衰特性データ55は、紫外線センサ3で計測される紫外線ランプ10の紫外線照度から特定の波長の紫外線照度への換算用として、被処理水の種類ごとに記憶部50に記憶される。
【0042】
本例における照度減衰特性データ55は、図6に示す半導体製造用途で使用される純水、及び図7に示す農業用途で使用される(培)養液の2つの被処理水に対応したグラフを備える。各グラフにおいて、実線の曲線は、紫外線ランプ10照射時に発光する紫外線(100~400nmの波長の光)の特性を示し、グラフ中の2つの縦軸にその単位を示している。破線の曲線は、紫外線の特性と比較するために、紫外線ランプ10照射時に発光する可視光(略400~略780nmの波長の光)の特性を示したものであり、グラフ中の左側の縦軸にその単位を示している。
【0043】
これらの照度減衰特性データ55より、紫外線センサ3で計測した略400nm近傍の波長の紫外線照度(400nm照度とする:単位mW/cm)を、略254nm近傍の波長の紫外線照度(254nm照度とする:単位mW/cm)に変換する際には、記憶・制御装置5により以下のようにおこなわれる。
なお、紫外線ランプ10は一般的には254nm近傍の波長の紫外線照度が新品時のこの照度の70%以下になった際、寿命と見做している。ただし、あくまでこの寿命は一般的な話であるから、この寿命は紫外線ランプを製造するメーカー等によって異なる。
【0044】
図6の純水の場合、グラフから例えば、400nm照度が初期値Bの0.02mW/cmのときに254nm照度が略8mW/cm、400nm照度が0.018mW/cmのときに254nm照度が略5.75mW/cm、400nm照度が0.017mW/cmのときに254nm照度が略4.5mW/cmにそれぞれ変換される。
【0045】
一方、グラフ中の可視光の場合、例えば、この可視光の照度(可視光照度とする:単位LX)が初期値Bの280LXのときに254nm照度が略8mW/cmであり、この可視光照度は、254nm照度が略4.5W/cmまで低下した場合にもほとんど変わらない。すなわち、仮に可視光の照度を計測したとしても、その計測値が略4.5W/cmよりも小さくなるまで変わることがないため、その段階まで254nm照度の低下を確認することはできない。
【0046】
図7の養液の場合も同様であり、グラフから例えば、400nm照度が初期値Bの0.01mW/cmのときに254nm照度が略8mW/cm、400nm照度が略0.0095mW/cmのときに254nm照度が略5.6mW/cmにそれぞれ変換される。
【0047】
図7における可視光の場合、例えば、可視光照度が初期値Bの270LXのときに254nm照度が略8mW/cmであり、この可視光照度は、254nm照度が略5.6W/cmまで低下したときに反対に上昇する傾向にある。これにより、可視光の照度を計測したとしても、254nm照度の低下を確認することはできない。
上記のように、400nm照度を計測し、その計測結果を254nm照度に変換することで紫外線ランプ10の照度低下を細かく測定可能になっている。
【0048】
図6図7において、一点鎖線は、254nm照度の寿命となる基準を表している。紫外線ランプ10の寿命としては、初期値Bの照度から例えば70%の照度まで低下した場合を一つの基準として交換するとよく、この場合、図6の純水、図7の養液ともに254nm照度が5.6mW/cmになった場合となる。より好ましくは、初期値Bの照度から90%の照度まで254nm照度が低下した場合を寿命とするのがよい。
なお、図6の純水の場合、55%の照度まで低下したときにも可視光の照度が変わらないため、可視光センサの計測により紫外線ランプ10の寿命を判断することは難しい。
つまり、254nmの紫外線照度の初期値の70%が400nm近傍の紫外線照度の初期値の90%であるから、400nm近傍の紫外線照度をこの紫外線センサ3で測定することにより、紫外線ランプ3の寿命を診断することができる。
【0049】
一方において、記憶・制御装置5における制御部51は、紫外線センサ3で計測された紫外線照度を、照度減衰特性データ55を介して特定の波長の紫外線照度、すなわち略254nmの波長の紫外線照度に換算し、この換算値から紫外線ランプ10の消灯又は劣化状態を検知する機能を有している。
【0050】
そして、制御部51は、略254nmの波長の紫外線照度の結果に基づいて、紫外線ランプ10の要交換時期、反応槽2の要掃除時期、紫外線ランプ10の消耗或は故障による消灯の各状態を知らせる所定の信号を発する機能を有し、この信号を確認することで紫外線ランプ10の状況に応じた所定の処置を施すことが可能になっている。
【0051】
なお、本実施形態において、被処理水が反応槽2を通過するときの紫外線照度から換算する特定の波長の紫外線照度として、略254nmの波長の紫外線照度としているが、この特定の波長の紫外線照度は、被処理流体の種類等に応じて異なる波長の紫外線照度とすることもできる。
【0052】
紫外線センサ3で紫外線ランプ10からの略400nm近傍の波長の紫外線照度を計測しているが、異なる波長の紫外線照度を計測してもよく、紫外線ランプ10の種類などにより外ガラス管21を透過する波長が異なる場合、その紫外線ランプ10に応じた適宜の紫外線センサ3を用いることができる。
紫外線を照射可能であれば、紫外線ランプ10の代わりに、例えば低圧又は高圧水銀ランプなどのランプを用いることもできる。
【0053】
また、被処理水は、純水や養液以外であってもよく、例えば、養殖用の培養液を被処理水とすることもできる。この場合、被処理水に応じた照度減衰特性データ55を記憶部50に記憶することでその被処理水に応じた紫外線ランプ10の消灯又は劣化状態などを検知可能になる。
【0054】
続いて、上述した水処理装置の動作並びにこの動作中に紫外線ランプの消灯又は劣化状態を検知するときの制御例を説明する。
図1において、図示しないポンプにより被処理水が装置本体1側に送水されると、この被処理水は流入流路15よりオゾン供給部4に流入する。
【0055】
このとき、被処理水には、流入流路15に設けたエジェクタ31を介してオゾナイザ30により生成されたオゾン(及び溶存酸素)が混合され、微細気泡状のオゾンが気泡状態で被処理水中に溶け込んだ混合液(オゾン水)が生成される。この場合に供給されるオゾンの濃度は、低濃度であると細菌の殺菌と有機物の分解ができず、高濃度であると下流側の機器や部品の寿命を短くするおそれがある。そのため、水処理する被処理水の総量、被処理水の送水量、効果的なオゾン処理を行うためのオゾン濃度の下限値と上限値を総合的に判断し、本実施形態では、オゾン供給部4で供給するオゾン量を0.05~2.0(g/H)に調整している。
【0056】
供給されたオゾンの殺菌効果により被処理水中の細菌の多くは殺菌され、殺菌された細菌の死骸を含む有機物の多くは分解処理される。
【0057】
続いて、オゾンを含んだ被処理水が入口側接続口11から反応槽2に流入すると、流路22内の紫外線ランプ10と光触媒7とを通過し、オゾンが溶け込んだ被処理水に紫外線ランプから紫外線が照射されることにより、・OH(ヒドロキシラジカル又はOHラジカル)といわれるラジカル(不対電子を持つ化学種で活性化が強い物質)が生成される。
【0058】
この・OHは活性化が強いため、オゾン供給部4でオゾン処理した際に殺菌されずに被処理水中に残留している細菌をほぼ殺菌することができると共に、分解されずに被処理水中に残留している有機物をほぼ分解処理できる。
【0059】
以上のように、反応槽2では、紫外線ランプ10と光触媒7によりOHラジカルが生成されることと、低濃度のオゾンとの組合せ、即ち有機的結合により残留している細菌・有機物を確実に除菌浄化する。
反応槽2で除菌浄化処理された被処理水は、出口側接続口12から流出流路16を介して循環流路に戻される。
【0060】
上記の装置本体1の動作中に紫外線ランプ10の照射状態を確認する場合、反応槽2内に被処理水が流れている状態で紫外線ランプ10の400nmの波長の紫外線照度を紫外線センサ3で計測し、この計測結果を記憶・制御装置5の照度減衰特性データ55を介して略254nm近傍の波長の紫外線照度に換算することで、この紫外線照度から紫外線ランプ10の消灯又は劣化状態を検知可能になっている。
【0061】
具体的には、例えば、以下の手順により紫外線ランプ10の状態を確認するようにする。ここで、図5は、被処理水に応じた紫外線ランプ10の寿命曲線を示し、時間の経過に対する略400nm近傍の波長の光の照度の減衰の基準となる曲線を表している。この基準となる紫外線ランプの寿命曲線のデータも記憶部50に記憶されている。
【0062】
水処理装置の運転を開始した場合、図5のグラフにおいて、水処理を開始してからの運転の総時間(以下、総時間という)が所定時間Aに達したか否かが記憶・制御装置5で判定される。この「所定時間A」とは、新品の紫外線ランプ10が初めて点灯してから照度が安定するまでの時間に基づいて設定される。所定時間Aを経過させる理由としては、図の二点鎖線に示すように、新品の紫外線ランプ10の初期点灯時には照度が安定しにくく、時間の経過と共に徐々に照度が高まって安定した照度となるためである。所定時間Aは、例えば約900秒程度とするとよく、紫外線ランプ10の種類や個体差により適宜設定するようにする。
【0063】
総時間が所定時間A(例えば900秒)に達した場合、その段階で外ガラス管21を透過する略400nm近傍の紫外線照度(400nm照度)を制御部51の制御により紫外線センサ3で計測し、その計測結果を紫外線照度の初期値B(以下、初期値Bという)として記憶部50に記憶する。
【0064】
この段階から装置本体1による被処理水の実用的な除菌浄化が可能になるため、オゾン供給部4に被処理水を供給し、このオゾン供給部4、反応槽2の紫外線ランプ10、光触媒7により除菌浄化をおこなうようにする。
【0065】
この水処理過程において、図5の一定時間である時間ΔTにおける実測した400nm照度の傾きと、基準となるデータの寿命曲線の傾きとを制御部51により比較する。この場合、減少方向の傾きを正の値とする。
【0066】
その際、時間ΔTにおける400nm照度の傾きが、寿命曲線の傾きよりも大きいときには、続けて紫外線ランプ10の照度が初期値Bの90%未満であるか否かを制御部51で判定する。
【0067】
紫外線ランプ10の紫外線照度が所定の値以下に低下したとき、例えば初期値Bの90%未満であるときには、紫外線照度が不足であると判定し、制御部51により紫外線ランプ10が寿命時期であることを検知する。その後、紫外線ランプ10の交換が必要であることを図示しないランプや警告音により発報し、この発報により、紫外線ランプ10の寿命を装置本体の外部の記憶・制御装置5から速やかに確認することができる。そして、この結果より紫外線ランプ10を交換するようにすれば、装置本体1の処理能力を維持して安定した稼働を継続できる。
【0068】
一方、紫外線ランプ10の照度が初期値Bの90%以上であるときには、寿命に達していないと制御部51で判定し、引き続き照度の検知処理を継続する。
【0069】
図5の二点鎖線に示すように、時間ΔTの400nm照度の傾きが、寿命曲線の傾きよりも大きい値になったときには、少なくとも、(a)反応槽2内部のうち、被処理水が通過する部位に析出物等が付着しているか、或いは(b)何らかの理由で想定より早く紫外線ランプ10が劣化していることが原因と考えられる。この場合、反応槽2の掃除が必要であることをランプや警告音により発報する。
【0070】
反応槽2の掃除後には、図示しないリセットボタンを押すようにし、このリセットボタンが押されたか否かの判定が制御部51によりおこなわれる。リセットボタンが押されていない場合、再度反応槽2の掃除が必要であることを発報する。このように、リセットボタンは、反応槽の掃除の有無を確認するために設けられる。
【0071】
リセットボタンが押された後には、寿命曲線のそれまでの経過時間Tに対する紫外線照度の値Dよりも、実際に計測した400nm照度の値が大きいか否かを制御部51が判定する。この判定結果により、計測した400nm照度の数値が寿命曲線の紫外線照度D以上であるときには、引き続き紫外線照度の判定が継続される。一方、400nm照度の数値が紫外線照度D未満であるときには、前述の(b)何らかの理由による想定よりも早い紫外線ランプ10の劣化であるとみなし、紫外線ランプ10が異常であることを外部に発報する。
【0072】
上記の装置本体1の動作中には、制御部51によるインタラプト(割り込み)制御がおこなわれる。このインタラプト制御において、紫外線照度がゼロであるか否かが判定され、これがゼロであるときには、紫外線ランプ10が消灯状態にあると検知し、ランプや警告音により発報する。一方、これらの値がゼロよりも大きい場合には、引き続き検知処理が継続される。
【0073】
一方、上記の紫外線ランプ10の紫外線照度がゼロか否かの判定は、インタラプト制御以外によりおこなわれてもよい。この場合、上記した時間ΔTにおける400nm照度の傾きと、基準となる寿命曲線との比較の手順の後に、紫外線照度がゼロであるか否かが判定される。これがゼロであるときには、紫外線ランプ10が消灯状態であると検知し、ランプや警告音により発報する手順を実施し、続いて、上述の手順と同様に紫外線ランプ10の紫外線照度が所定の値以下に低下したか否かを判断する手順以降を実施するようにする。
【0074】
また、一定の時間ΔTにおける400nm照度の傾きと、寿命曲線の傾きとを比較する手順を省略してもよく、この場合には、紫外線ランプ10の紫外線照度が初期値Bの90%未満に達したことのみにより、紫外線ランプ10の寿命時期を検知する。このため、制御手順を簡略化できる。
【0075】
次に、本発明の水処理装置と水処理装置用紫外線ランプの劣化検知装置の上記実施形態における作用を説明する。
装置本体1は、紫外線ランプ10を内蔵した反応槽2と、光触媒7と、オゾン供給部4とを有し、反応槽2の外側に紫外線センサ3を配置し、この紫外線センサ3で計測した紫外線照度の換算結果から紫外線ランプ10の特定の波長の照度を記憶・制御装置5で検知しているため、大量の水処理が必要であって装置本体1の数が増加する場合にも、紫外線センサ3の計測結果をもとにして、全ての紫外線ランプ10の点灯や消灯状態、及び劣化状態を記憶・制御装置5を介して集中的に監視できる。
【0076】
この場合、紫外線センサ3を外ガラス管21の外側に近接状態で配置し、この紫外線センサ3により略400nm近傍の波長の紫外線照度を検知しているので、外ガラス管21を、略254nmの波長の紫外線を遮断するホウケイ酸ガラス等で設けることができる。これにより、外ガラス管21の内側の流路22では、略254nmの波長の紫外線によるラジカル反応によって被処理水に優れた除菌浄化機能を施しつつ、部品に悪影響を及ぼすこの略254nmの波長の紫外線の外ガラス管21から外側への漏れを防ぎ、この紫外線による紫外線センサ3やその他の部品への悪影響を阻止して劣化を防止する。
【0077】
しかも、ホウケイ酸ガラス21を透過する略400nmの波長の紫外線照度を紫外線センサ3により計測し、その紫外線照度の計測結果から記憶部50内の照度減衰特性データ55を介して略254nmの波長の紫外線照度に換算した照度を確認できるため、被処理水の除菌浄化に最も効果的な略254nmの紫外線照度を正確に把握できる。そのため、高い水処理制度が要求される半導体製造工程などで装置本体1を使用する場合にも、各装置本体1の紫外線照度を高い状態に保って高品質な製品を製造可能になる。
【0078】
記憶・制御装置5内に、半導体製造用途で使用される純水、農業用途で使用される養液の2つの被処理水の種類ごとの照度減衰特性データ55を記憶しているので、何れの被処理水を水処理する場合にも、紫外線照度のわずかな減衰も計測して劣化状態を詳細に確認できる。
【0079】
また、紫外線ランプ10の劣化検知用の検知装置本体6は、紫外線センサ3と記憶・制御装置5を水処理装置に容易に取り付けて紫外線ランプ10の消灯状態や劣化状態を正確に検知でき、反応槽2やオゾン供給部4による水処理性能に悪影響を及ぼすこともない。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。
【符号の説明】
【0081】
1 装置本体
2 反応槽
3 紫外線センサ
4 オゾン供給部
5 記憶・制御装置
6 検知装置本体
7 光触媒
10 紫外線ランプ
21 外ガラス管(透過部)
50 記憶部
51 制御部
55 照度減衰特性データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7