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特許7411789物理アクセス制御システムのための超広帯域アンテナ構成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】物理アクセス制御システムのための超広帯域アンテナ構成
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20231228BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20231228BHJP
   G01S 13/76 20060101ALI20231228BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20231228BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20231228BHJP
   H01Q 21/08 20060101ALI20231228BHJP
   G07C 9/27 20200101ALI20231228BHJP
   G07C 9/29 20200101ALI20231228BHJP
   G07C 9/28 20200101ALI20231228BHJP
【FI】
H01Q1/22 Z
G01S7/02 210
G01S13/76
G01S5/02 A
E05B49/00 K
H01Q21/08
G07C9/27
G07C9/29
G07C9/28
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022519278
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2020076428
(87)【国際公開番号】W WO2021058479
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】62/906,342
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501427157
【氏名又は名称】アッサ アブロイ アーベー
【氏名又は名称原語表記】ASSA ABLOY AB
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ピルヒ、ハンス-ユルゲン
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/273976(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/232388(US,A1)
【文献】特開2009-212727(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108365321(CN,A)
【文献】特開2009-288861(JP,A)
【文献】特開2008-158966(JP,A)
【文献】国際公開第2010/038359(WO,A1)
【文献】特表2007-518968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/22
G01S 7/02
G01S 13/76
G01S 5/02
E05B 49/00
H01Q 21/08
G07C 9/27
G07C 9/29
G07C 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取機であって、
前記読取機を表面に取り付けるように構成された取り付け面と、
超広帯域(UWB)信号を受信するように構成された第1のアンテナと、
前記UWB信号を受信するように構成された第2のアンテナと、を備え、
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、前記取り付け面にほぼ垂直である軸に沿って配置されている、読取機。
【請求項2】
前記軸に沿った前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間の距離が、空気を通る前記UWB信号の半波長(λ/2)未満である、請求項1に記載の読取機。
【請求項3】
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間に配置された構造体をさらに備える請求項1または2に記載の読取機。
【請求項4】
前記構造体は、前記軸に沿った前記第1および第2のアンテナの有効離間距離が空気を通る前記UWB信号の少なくとも半波長(λ/2)であるように、前記構造体を通過する電磁波の伝搬を遅くするように構成されている、請求項3に記載の読取機。
【請求項5】
前記第1および第2のアンテナは、プリント回路基板(PCB)の同じ側に取り付けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の読取機。
【請求項6】
前記構造体は、プリント回路基板(PCB)を含む、請求項3または4に記載の読取機。
【請求項7】
前記構造体は、複数の材料タイプを含む、請求項3、4、6のいずれか一項に記載の読取機。
【請求項8】
前記構造体は、前記軸に沿ってまたは前記軸に垂直に1つまたは複数の特性が変化する材料の複合体を含む、請求項3、4、6、7のいずれか一項に記載の読取機。
【請求項9】
前記軸は、前記第1及び第2のアンテナの各々の重心を通過する、請求項1~8のいずれか一項に記載の読取機。
【請求項10】
前記構造体の厚さは、前記軸に沿った前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間の距離を規定する、請求項3、4、6~8のいずれか一項に記載の読取機。
【請求項11】
超広帯域(UWB)アンテナ構成であって、
UWB信号を受信するように構成された第1のアンテナと、
前記UWB信号を受信するように構成された第2のアンテナであって、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナは、前記UWBアンテナ構成が取り付けられるべき表面にほぼ垂直である軸に沿って位置合わせされている、前記第2のアンテナと、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間に配置され、空気を通る前記UWB信号の半波長(λ/2)未満の前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間の距離を規定する厚さを有する構造体と、を備え、
前記構造体の厚さによって、空気を通る前記UWB信号の少なくとも半波長(λ/2)の前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの有効離間距離を提供するように、前記構造体は、前記構造体を通過する電磁波の伝搬を遅くするように構成されている、超広帯域(UWB)アンテナ構成。
【請求項12】
前記軸は、前記第1及び第2のアンテナのうちの少なくとも1つの重心を通過する、請求項11に記載のUWBアンテナ構成。
【請求項13】
前記軸は、前記第1及び第2のアンテナの各々の重心を通過する、請求項12に記載のUWBアンテナ構成。
【請求項14】
キュリティ保護された領域にアクセスするユーザーの意図を判定するための方法であって、
読取機に設けられたUWBアンテナ構成内の第1および第2のUWBアンテナの各々でクレデンシャルデバイスから超広帯域(UWB)信号を受信することであって、
前記UWBアンテナ構成は、
UWB信号を受信するように構成された前記第1のUWBアンテナと、
UWB信号を受信するように構成された前記第2のUWBアンテナと、を備え、
前記第1のUWBアンテナ及び前記第2のUWBアンテナは、前記読取機を表面に取り付けるように構成された取り付け面にほぼ垂直である軸に沿って配置されている、前記超広帯域(UWB)信号を受信すること
前記UWB信号に基づいて前記クレデンシャルデバイスに関連する位置推定データを決定すること、を備える方法。
【請求項15】
前記第1のUWBアンテナと前記第2のUWBアンテナとの間の距離が、空気を通る前記UWB信号の半波長(λ/2)未満であり、
前記第1のUWBアンテナと前記第2のUWBアンテナとの間に配置された構造体は、前記第1および第2のUWBアンテナの有効離間距離が空気を通る前記UWB信号の少なくとも半波長(λ/2)であるように、前記構造体を通過する電磁波の伝搬を遅くするように構成されている、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年9月26日に出願された米国仮出願第62/906,342号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書において説明される実施形態は、概して、アンテナ構成に関し、より具体的には、物理アクセス制御システムのための超広帯域アンテナ構成に関する。
【背景技術】
【0003】
超広帯域(UWB : Ultra-wide band)は、広い周波数スペクトルにわたって短い低電力のパルスを使用する無線周波数(RF : radio frequency)技法である。複数のパルスは、1秒あたり数百万のオーダーの個別パルスである。周波数スペクトルの幅は、一般に500メガヘルツを超えるか、演算中心周波数(arithmetic center frequency)の20パーセントを超える。
【0004】
UWBは、時間変調(例えば、パルス位置符号化)を介してデータを符号化すること等により、通信に使用されることができる。ここで、シンボルは、利用可能な一組の時間単位のうち、サブセットの時間単位におけるパルスによって規定されている。UWB符号化のその他の例は、振幅変調及び/又は極性変調を含む。広帯域送信は、搬送波に基づいた送信技法よりも、マルチパスフェージングに対して安定している傾向を有する。更に、任意の所与の周波数におけるパルスの相対的に小さな電力は、搬送波に基づいた通信技法との間の干渉を低減する傾向をも有する。
【0005】
UWBは、レーダー動作で利用でき、数十センチメートル単位の正確度で位置推定(localization)を行い得る。パルスでは異なる周波数の吸収及び反射が変化する可能性があるため、物体の表面及び遮蔽された(例えば、覆われた)特徴の両方を検知することができる。いくつかのケースにおいて、位置推定により距離に加え、入射角も得られ得る。
【発明の概要】
【0006】
以下に、このような複数の実施形態の基本理解を提供するために本開示の1つまたは複数の実施形態の簡略化された要約を示す。この要約は、考えられるすべての実施形態の広範な概要ではなく、すべての実施形態の重要なまたは主要な要素を特定することも、一部またはすべての実施形態の範囲を明確にすることも意図していない。
【0007】
物理アクセス制御は、例えば人々によるセキュリティ保護された領域またはセキュリティ保護されたアセットへのアクセスを統括する様々なシステム及び方法を含む。物理アクセス制御は、権限付与されたユーザー又は装置(例えば、車両、ドローン等)の識別及び領域をセキュリティ保護するために使用されるゲート、ドア、またはその他の設備の作動、またはセキュリティ保護されたアセットへのアクセスを可能にする制御機構、例えば物理的または電子的/ソフトウェア制御機構の作動を含む。物理アクセス制御システム(PACS : Physical access control system)は、権限付与データを保持する読取機(例えば、オンラインまたはオフラインの読取機)を含むとともに、(例えば、カード、フォブ、または携帯電話などの個人用電子デバイス内の無線周波数識別(RFID : radio frequency identification)チップなどのクレデンシャルまたはキーデバイスからの)クレデンシャルがアクチュエータまたは制御機構(例えば、ドアロック、ドアオープナー(door opener)、ソフトウェア制御機構、アラームのオフなど)について権限付与されているかどうかを判定することができ、またはPACSは、集中管理された構成において読取機及びアクチュエータが接続されている(例えば、コントローラを介して)ホストサーバを含むことができる。集中管理された構成において、読取機は、クレデンシャルまたはキーデバイスからクレデンシャルを取得し、これらのクレデンシャルをPACSのホストサーバに渡すことができる。次いで、ホストサーバは、クレデンシャルがセキュリティ保護された領域またはセキュリティ保護されたアセットへのアクセス権限を付与するか否かを判定し、それに応じて、アクチュエータまたは他の制御機構に指示することができる。
【0008】
本開示は、1つまたは複数の実施形態では、PACSの読取機などの読取機に関する。読取機は、UWB信号を受信するようにそれぞれ設計または構成された第1のアンテナ及び第2のアンテナを含み得る。読取機はまた、壁(または、セキュリティ保護された領域を画定することができる他の境界)などの表面に読取機を取り付けるように構成された取り付け面を含むか、または画定することができる。第1および第2のアンテナを位置合わせする軸(例えば、アンテナ軸)は、取り付け面に対してほぼ面外に(例えば、非ゼロまたは非平行角度で)配置されることができる。いくつかの事例では、アンテナ軸は、取り付け面に対して実質的に垂直に配置され得る。いくつかの事例では、構造体は、第1のアンテナと第2のアンテナとの間に配置され得る。構造体は、空気を通るUWB信号の半波長(λ/2)未満の第1のアンテナと第2のアンテナとの間の距離を規定する厚さを有し、構造体の厚さによって、空気を通るUWB信号の少なくとも半波長(λ/2)の第1のアンテナと第2のアンテナとの有効離間距離を提供するように、構造体は、該構造体を通過する電磁波の伝搬を遅くするように構成されている。
【0009】
本開示は、1つまたは複数の実施形態では、PACSの読取機などの読取機にさらに関連する。読取機は、UWB信号を受信するようにそれぞれ設計または構成された第1のアンテナ及び第2のアンテナを含み得る。第1および第2のアンテナを位置合わせする軸(例えば、アンテナ軸)は、読取機が取り付けられる表面に対してほぼ面外に(例えば、非ゼロまたは非平行角度で)配置されることができる。いくつかの事例では、アンテナ軸は、読取機が取り付けられる表面に対して実質的に垂直に配置され得る。この場合も、いくつかの事例では、構造体は、第1のアンテナと第2のアンテナとの間に配置され得る。構造体は、空気を通るUWB信号の半波長(λ/2)未満の第1のアンテナと第2のアンテナとの間の距離を規定する厚さを有し、構造体の厚さによって、空気を通るUWB信号の少なくとも半波長(λ/2)の第1のアンテナと第2のアンテナとの機能的離間距離を提供するように、構造体は、該構造体を通過する電磁波の伝搬を遅くするように構成されている。
【0010】
本開示は、1つまたは複数の実施形態では、UWBアンテナ構成にも関連する。UWBアンテナ構成は、UWB信号を受信するように設計または構成された第1のアンテナおよび第2のアンテナと、第1のアンテナと第2のアンテナとの間の構造体と、を備え、構造体は、空気を通るUWB信号の半波長(λ/2)未満の第1のアンテナと第2のアンテナとの間の距離を規定する厚さを有し、構造体の厚さによって、空気を通るUWB信号の少なくとも半波長(λ/2)の第1のアンテナと第2のアンテナとの有効離間距離を提供するように、構造体は、該構造体を通過する電磁波の伝搬を遅くするように構成されている。
【0011】
本開示は、1つまたは複数の実施形態において、セキュリティ保護されたアクセスポイントによってセキュリティ保護するセキュリティ保護された領域にアクセスするユーザーの意図を判定するための方法にさらに関連する。この方法は、第1および第2のUWBアンテナの各々でクレデンシャルデバイスからUWB信号を受信すること、UWB信号に基づいてクレデンシャルデバイスに関する位置推定データを決定すること、第1および第2のUWBアンテナの各々でUWB信号を受信した時間に基づいて、クレデンシャルデバイスがセキュリティ保護された領域の外側にあるかまたは内側にあるかを判定すること、位置推定データおよびクレデンシャルデバイスがセキュリティ保護された領域の外側にあるかまたは内側にあるかの判定に基づいて、ユーザーがセキュリティ保護された領域にアクセスする意図を示しているように推測されるかどうかを判定すること、を含むことができる。方法は、クレデンシャルデバイスからクレデンシャル情報を受信すること、クレデンシャル情報を検証すること、クレデンシャル情報が有効であり、ユーザーがセキュリティ保護された領域にアクセスする意図を示していると判定された場合、クレデンシャルデバイスのユーザーによるセキュリティ保護された領域へのアクセスを許可すること、をさらに含むことができる。いくつかの事例では、クレデンシャル情報を検証するステップは、ユーザーがセキュリティ保護された領域にアクセスする意図を示していると判定された後に完了される。いくつかの事例では、クレデンシャル情報を検証するステップは、ユーザーがセキュリティ保護された領域にアクセスする意図を示していると判定する前にまたはそれと同時に完了される。
【0012】
複数の実施形態が開示されているが、本開示のさらなる他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し、説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本開示の様々な実施形態は、全て本開示の範囲から逸脱することなく、様々な明白な態様で修正することができる。従って、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
必ずしも一定の縮尺で描かれていない図面において、類似番号は異なる図における類似要素を示している。異なる文字添え字が付された類似番号は類似要素の異なる例を表す場合がある。いくつかの実施形態は、限定ではなく例として、添付の複数の図面の図に示されている。
図1図1は、例示的なPACSまたはその一部の正面図を示す。
図2図2は、例示的なPACSまたはその一部の水平断面図を示す。
図3図3は、例示的なPACSの読取機の複数の構成要素の概略ブロック図を示す。
図4図4は、例えば、PACSのコントロールパネルまたはPACSのホストサーバとして使用され得る例示的な機械の種々の例示的な複数の構成要素の概略ブロック図を示している。
図5図5は、壁に取り付けられた例示的なPACSの読取機の概略構成図を示す。
図6図6は、図5の読取機の追加の態様を示す。
図7図7は、複数のUWBアンテナと、UWBアンテナ間に配置され、自身を通過する電磁波または電磁界の伝搬を遅くするように選択された誘電率を有する構造体、あるいはそれ以外に自身を通過する電磁波または電磁界の伝搬を遅くするように選択され、設計され、または構成された構造体との構成の概略構成図を示す。
図8図8は、セキュリティ保護された領域へのアクセス権限を制御または許可するドア、ゲート、回転式改札機などのアクセスポイントを含むPACSにおいて、セキュリティ保護された領域へのアクセスに対するユーザーの意図を判定し、そのアクセスを許可/拒否するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、概して、アンテナ構成に関し、より具体的には、物理アクセス制御システムのためのUWBアンテナ構成に関する。本開示はさらに、概して、クレデンシャルの位置を特定するためのUWBアンテナ構成に関し、より具体的には、ドア、ゲート、回転式改札機などのアクセスポイントのどちら側にクレデンシャルが位置するかを判定することに関し、これは、セキュリティ保護された領域にアクセスするユーザーの意図を理解または判定することを助けることができる。本開示はまた、概して、例えば、そのようなUWBアンテナ構成を有するデバイスを使用して、セキュリティ保護された領域にアクセスするユーザーの意図を判定するための方法に関する。
【0015】
上で示されたように、概して、物理アクセス制御は、例えば人々によるセキュリティ保護された領域又はセキュリティ保護されたアセットへのアクセスを統括する様々なシステム及び方法を含む。物理アクセス制御は、権限付与されたユーザー又はデバイス(例えば、車両、ドローン等)の識別及び領域をセキュリティ保護するために使用されるゲート、ドア、またはその他の設備の作動、またはセキュリティ保護されたアセットへのアクセスを可能にする制御機構、例えば物理的または電子的/ソフトウェア制御機構の作動を含む。物理アクセス制御システム(PACS : Physical access control systems)は、概して、権限付与データを保持する読取機(例えば、オンラインまたはオフラインの読取機)を含むとともに、(例えば、カード、フォブ、磁気ストライプカード、または携帯電話などの個人用電子デバイス内の無線周波数識別(RFID : radio frequency identification)チップなどのクレデンシャルまたはキーデバイスからの)クレデンシャルがアクチュエータまたは制御機構(例えば、ドアロック、ドアオープナー、ソフトウェア制御機構、アラームのオフなど)について権限付与されているかどうかを判定することができる。代替的には、PACSは、集中管理された構成において読取機およびアクチュエータが接続される(例えば、コントローラを介して)ホストサーバを含むことができる。集中管理された構成において、読取機は、クレデンシャルまたはキーデバイスからクレデンシャルを取得し、これらのクレデンシャルをPACSのホストサーバに渡すことができる。次いで、ホストサーバは、クレデンシャルがセキュリティ保護された領域またはセキュリティ保護されたアセットへのアクセス権限を付与するか否かを判定し、それに応じて、アクチュエータまたは他の制御機構に指示するか、またはそれに応じて、アクチュエータまたは他の制御機構を作動させるように読取機に指示することができる。
【0016】
例えば、読取機とクレデンシャルまたはキーデバイスとの間の無線通信を利用する無線PACSは、IEEE 802.15.1、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(BLE)、近距離無線通信(NFC : near field communications)、ZigBee、GSM、CDMA、Wi-FiなどのRFIDまたはパーソナルエリアネットワーク(PAN : personal area network)技術を使用することができる。これらの技術の多くには、シームレスなユーザー体験(user experience)についてのいくつかの欠点がある。たとえば、NFCの範囲は非常に短いため、通常、ユーザーがセキュリティ保護された領域またはアセットに非常に近くにいてアクセス許可を得ようと試みるまで、クレデンシャルの交換は行われない。読取機へのクレデンシャルの転送及び読取機またはホストサーバによる応答には数秒を要する場合があり、ユーザーがフラストレーションを感じる結果となる。更に、ユーザーは通常、処理を開始するために例えば、ポケットからデバイスを取り出して、読取機又はその近傍に置く必要がある。
【0017】
一方、BLEデバイスは、数十メートル(たとえば、10~20メートル)の範囲を有する。従って、ユーザーが読取機に接近すると、クレデンシャル交換を実行することができる。ただし、BLEや多くの他のPAN標準は、デバイスの正確な物理的追跡(例えば、測距、位置判定等)を提供しない。従って、ユーザーの意図がセキュリティ保護された領域またはアセットに実際にアクセスすることであるか否かを読取機が更なる意図の根拠無しに判定するのは困難な場合がある。例えば、権限付与されたユーザーがホール内で読取機を通り過ぎているだけで、ドアのロックが解除されたり、ドアが開かれたりした場合には問題がある。意図の根拠は、ドアノブに触れること、キーデバイスを弄る(gesturing)こと等を含んでいてもよい。しかし、これは、ユーザー側でそれ以上のアクションや対話を行わずに、ユーザーが単に読取機まで歩いて行ってセキュリティ保護された領域へのアクセス許可を得る場合と比較して理想的なユーザー体験とはいえないであろう。
【0018】
これらの問題または他の問題の1つまたは複数に対処するために、(例えば、セキュリティ保護されたUWB測距を用いる)位置推定技術を用いることができ、且つPAN発見およびキー交換と組み合わせることができる。UWBの位置推定技術は、いくつかの従来の技術よりも正確であり得、且つ例えば数十センチメートル単位の正確度が得られる。UWB位置推定技術は、読取機に対するクレデンシャルまたはキーデバイスの範囲及び方向の両方を提供し得る。この正確度は、読取機同士が連携していない場合のBLE等の約10メートルの正確度を遙かに凌ぐ。UWBの正確度の精度は、ユーザーの意図(例えば、ユーザーがセキュリティ保護された領域またはアセットにアクセスすることを試みているのか、または単に通り過ぎているのか)をシームレスに判定するのに役立つツールである。例えば、ユーザーの意図を異なる観点から理解するべく、例えば、読取機の近傍に、読取機において等、いくつかのゾーンを規定してもよい。追加的にまたは代替的に、追跡(tracking)の正確度は、ユーザーの動きまたはユーザーの動きの方向から意図を識別できる正確なモデルを提供するのに役立つ。従って、読取機はユーザーの動きを、例えば、読取機に接近している可能性が高いか、又は単に歩いて通り過ぎている等に分類することができる。
【0019】
意図トリガーが生じると、読取機は、たとえばPAN技術を介して交換されたクレデンシャルに基づいて動作し得る。オフライン読取機、例えば、コントロールパネルまたはホストサーバに接続されていない読取機の場合、読取機は、アクチュエータまたは他の制御機構(例えば、開錠されたドアの錠)を直接制御し得る。集中管理されたPACSにおいて、(オンライン)読取機は、作用するコントロールパネルまたはホストサーバにクレデンシャルを転送してもよい。
【0020】
図1及び図2は、例示的なPACS100またはその一部を示している。PACSシステム100は、セキュリティ保護された領域、アクセスポイント、または他のアセット104に関連付けられた読取機デバイス、または単に読取機102を含むことができる。図1に示される例等のいくつかの事例では、セキュリティ保護された領域104は、セキュリティ保護された領域へのアクセス権限を制御または許可するドア、ゲート、回転式改札機などのアクセスポイント105によってセキュリティ保護された領域である。読取機102は、アクセスポイント105へのアクセスが許可される(例えば、開かれるまたはアクセスされることができる)かどうかを制御するか、またはアクセスポイントの開閉を制御することさえできる、ロック機構などの制御機構106を含むか、またはこれと動作可能に接続され得る。読取機102は、オフライン読取機、例えば、コントロールパネルまたはホストサーバに接続されていない読取機であり得、そのような場合、それ自体のアクセス制御の決定を行い、それに応じて、制御機構106を直接動作させるかまたは制御機構106に指示し得る。読取機102は、無線読取機デバイスであり得、読取機は、IEEE 802.15.1、Bluetooth、Bluetooth Low Energy(BLE)、近距離無線通信(NFC : near field communications)、ZigBee、GSM、CDMA、Wi-FiなどのRFIDまたはPAN技術等の無線技術を介してクレデンシャルまたはキーデバイスと通信する。
【0021】
いくつかの事例では、読取機102は、有線または無線でコントロールパネル108に接続され得る。そのような場合、読取機102は、クレデンシャル情報をコントロールパネル108に送信することができ、コントロールパネルは、アクセス制御の決定を行うかまたはアクセス制御の決定を行う際に読取機と分担することができる。アクセス制御の決定に基づいて、コントロールパネル108は、それに応じて、制御機構106を動作させるかまたは制御機構106に命令するように読取機102に指示することができる。代替的には、コントロールパネル108は、制御機構106に直接的にまたは無線で接続されることができ、そのような場合、制御機構を直接的に動作させるかまたは制御機構に命令することができ、したがって、読取機102をバイパスすることができる。
【0022】
いくつかの例では、読取機102及びコントロールパネル108、さらには制御機構106も、有線または無線ネットワーク110に接続され、上記のように、ネットワークを介して互いに通信することができる。例示用のネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN : Local Area Network)、ワイドエリアネットワーク(WAN : Wide Area Network)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、POTS(Plain Old Telephone)ネットワーク、無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)と呼称されるIEEE802.11規格ファミリー、WiMax(登録商標)と呼称されるIEEE802.16規格ファミリー)、IEEE802.15.4規格ファミリー、及びピアツーピア(P2P)ネットワークなどを含みうる。PACS100が遠隔システムによって管理される場合、PACSは、有線または無線でネットワーク110に接続され、読取機102および/またはコントロールパネル108と通信することができるホストサーバ112を含むことができる。このような場合、読取機102は、ネットワーク110を介してクレデンシャル情報をホストサーバ112に送信することができ、またはクレデンシャル情報をコントロールパネル108に送信することができ、コントロールパネル108は、ネットワークを介してクレデンシャル情報をホストサーバに送信することができる。ホストサーバ112は、アクセス制御の決定を行うか、またはアクセス制御の決定を行う際に読取機102および/またはコントロールパネル108と分担することができる。アクセス制御の決定に基づいて、ホストサーバ112は、それに応じて、直接的またはコントロールパネル108を介して間接的に、制御機構106を動作させるかまたは制御機構106に命令するように読取機102に指示することができる。代替的に、ホストサーバ112は、それに応じて、制御機構106を動作させるかまたは制御機構106に命令するようにコントロールパネル108に指示することができる。さらに別の例では、ホストサーバ112は、ネットワーク110を介して制御機構106に接続され、制御機構を直接的に動作させるかまたは制御機構に命令することができ、したがって、読取機102およびコントロールパネル108をバイパスすることができる。
【0023】
図3は、例示的な読取機102の複数の構成要素の概略ブロック図を示す。概して、読取機102は、メモリ302、プロセッサ304、1つまたは複数のアンテナ306、通信モジュール308、ネットワークインタフェースデバイス310、ユーザーインタフェース312、および電源または電源回路314のうちの1つ以上を含むことができる。
【0024】
メモリ302は、プロセッサ304によるアプリケーションプログラミングまたは命令の実行に関連して、およびプログラム命令または命令セット316および/またはクレデンシャルデータ、クレデンシャル権限付与データ、またはアクセス制御データまたは命令等のクレデンシャルまたは権限付与データ318の一時的または長期の記憶のために使用されることができる。例えば、メモリ302は、読取機102の他のコンポーネントを動作させるため、および/またはクレデンシャルまたは権限付与データ318に基づいてアクセス決定を行うためにプロセッサ304によって使用される実行可能命令316を含むことができる。メモリ302は、読取機102によってまたはそれに関連して使用されるデータ、プログラムコード、または命令を含み、格納し、通信し、または転送し得る任意の媒体であり得るコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、例えば、これらに限定されないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイスであり得る。適切なコンピュータ可読媒体のより具体的な例は、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、またはポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、ダイナミックRAM(DRAM)、任意の固体ストレージデバイス、一般にコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、または他の光学または磁気ストレージデバイスなどの有形の記憶媒体を含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体は、これと混同されるべきではないが、コンピュータ可読媒体のすべての物理的、非一時的、または類似の実施形態をカバーすることを意図としたコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0025】
プロセッサ304は、1つまたは複数のコンピュータ処理デバイスまたはリソースに対応することができる。例えば、プロセッサ304は、シリコンとして、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、任意の他のタイプの集積回路(IC)チップ、ICチップの集合などとして提供されることができる。より具体的な例として、プロセッサ304は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、または内部メモリ320および/またはメモリ302に格納された命令セットを実行するように構成された複数のマイクロプロセッサまたはCPUとして提供され得る。
【0026】
アンテナ306は、1つまたは複数のアンテナに対応することができ、読取機102とクレデンシャルまたはキーデバイスとの間の無線通信を提供するように構成されることができる。1つまたは複数のアンテナ306は、IEEE 802.15.1、Bluetooth、Bluetooth Low Energy(BLE)、近距離無線通信(NFC)、ZigBee、GSM、CDMA、Wi-Fi、RF、UWB等を含むが、これらに限定されない1つまたは複数の無線通信プロトコルおよび動作周波数を使用して動作するように構成されることができる。例として、1つまたは複数のアンテナ306は、1つまたは複数のRFアンテナであり得、したがって、自由空間を介してRF送受信機を有するクレデンシャルまたはキーデバイスによって受信/転送されるRF信号を送信/受信することができる。いくつかの例では、少なくとも1つのアンテナ306は、読取機がUWB技術を使用して通信できるように、UWB信号を送信および/または受信するように設計または構成されたアンテナ(本明細書では簡単に「UWBアンテナ」と呼称する)である。
【0027】
通信モジュール308は、任意の適切な通信プロトコルに従って、1つまたは複数の制御機構106またはコントロールパネル108などの、読取機102に対して遠隔またはローカルの1つまたは複数の異なるシステムまたはデバイスと通信するように構成されることができる。
【0028】
ネットワークインタフェースデバイス310は、いくつかの転送プロトコル(例えば、フレームリレー(frame relay)、インターネットプロトコル(IP)、送信制御プロトコル(TCP)、ユーザーデータグラムプロトコル(UDP : user datagram protocol)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のいずれか1つを利用して、ネットワーク110などの通信ネットワークを介して、コントロールパネル108またはホストサーバ112などの他のデバイスとの通信を可能にするハードウェアを含む。例示用の通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN : Local Area Network)、ワイドエリアネットワーク(WAN : Wide Area Network)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、POTS(Plain Old Telephone)ネットワーク、無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)と呼称されるIEEE802.11規格ファミリー、WiMax(登録商標)と呼称されるIEEE802.16規格ファミリー)、IEEE802.15.4規格ファミリー、及びピアツーピア(P2P)ネットワークなどを含みうる。いくつかの例では、ネットワークインタフェースデバイス310は、イーサネットポートまたは他の物理ジャック、Wi-Fiカード、ネットワークインタフェースカード(NIC : Network Interface Card)、セルラーインタフェース(例えば、アンテナ、フィルター、および関連する回路)などを含むことができる。いくつかの例において、ネットワークインタフェースデバイス310は、単一入力複数出力(SIMO : Single-Input Multiple-Output)、複数入力複数出力(MIMO : Multiple-Input Multiple-Output)、又は複数入力単一出力(MISO : multiple-input single-output)技法の少なくとも1つを使用して無線通信するべく、複数のアンテナを含みうる。
【0029】
ユーザーインタフェース312は、1つまたは複数の入力デバイスおよび/または表示デバイスを含むことができる。ユーザーインタフェース312に含まれ得る適切なユーザー入力デバイスの例は、1つまたは複数のボタン、キーボード、マウス、タッチセンシティブ面(touch-sensitive surface)、スタイラス(stylus)、カメラ、マイクロフォンなどを含むが、これらに限定されない。ユーザーインタフェース312に含まれ得る適切なユーザー出力デバイスの例は、1つまたは複数のLED、LEDパネル、ディスプレイ画面、タッチスクリーン、1つまたは複数のライト、スピーカーなどを含むが、これらに限定されない。ユーザーインタフェース312はまた、タッチセンシティブディスプレイなどのような、組み合わされたユーザー入力及びユーザー出力デバイスを含むことができることを理解されたい。
【0030】
電源314は、バッテリー、容量性電源(capacitive power source)または同様のタイプの電荷蓄積デバイスなどの任意の適切な内部電源であり得、および/または外部電力を読取機102の複数の構成要素のための適切な電力に変換する(例えば、外部から供給されたAC電力のDC電力への変換)のに適した1つまたは複数の電力変換回路を含み得る。電源314はまた、読取機102の複数の構成要素を電力サージから保護するためのサージ保護回路のいくつかの実装を含むことができる。
【0031】
読取機102はまた、読取機の複数のハードウェア構成要素間の通信を送信するように動作可能な1つまたは複数のインターリンクまたはバス322を含むことができる。システムバス322は、いくつかのタイプの市販のバス構造またはバスアーキテクチャのいずれかであり得る。
【0032】
図4は、例えば、コントロールパネル108および/またはホストサーバ112として使用され得る例示的な機械400の例示的な複数の構成要素の概略ブロック図を示している。本明細書において記載されている例は、機械400内のロジック又はいくつかの構成要素又はメカニズムを含むことが可能であり、或いは、これらによって動作することができる。概して、回路(例えば、処理回路)は、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、ロジック、など)を含む機械400の有形のエンティティ内に実装された回路の集合体である。回路メンバーシップは、時間に伴って柔軟なものであってよい。回路は、単独又は組合せにおいて動作する際に規定された動作を実行しうるメンバを含む。いくつかの例において、回路のハードウェアは、特定の動作を実行するように不変の方式で設計することができる(例えば、配線接続されうる)。いくつかの例において、回路のハードウェアは、特定の動作の命令(例えば、不変の質量粒子の磁気的に電気的に運動可能な配置、など)をエンコーディングするべく物理的に変更された機械可読媒体を含む変化可能な方式で接続された物理的構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路、など)を含むことができる。物理的構成要素を接続する際に、ハードウェア構成要素の基礎をなす電気プロパティは、例えば、絶縁体から導電体に変更され、或いは、逆も又真である。命令は、埋め込み型のハードウェア(例えば、実行ユニット又はローディングメカニズム)が動作の際に特定の動作の一部分を実行するべく可変接続を介してハードウェア内の回路のメンバを生成することを可能にしている。従って、いくつかの例において、機械可読媒体要素は、回路の一部分であり、或いは、装置が動作している際に回路のその他の構成要素に通信自在に結合されている。いくつかの例において、物理的構成要素の任意のものは、複数の回路の複数のメンバ内において使用することができる。例えば、動作の際に、実行ユニットは、1つの時点において第1回路構成の第1回路内において使用されることが可能であり、異なる時点においては、第1回路構成内の第2回路により、或いは、第2回路内の第3回路により、再使用されることが可能である。機械400に関する構成要素の追加のおよび/またはより具体的な例を以下に示す。
【0033】
いくつかの実施形態において、機械400は、スタンドアロン装置として稼働することが可能であり、或いは、その他の機械に接続することもできる(例えば、ネットワーク接続されている)。ネットワーク接続された配備において、機械400は、サーバ機械、クライアント機械の能力内において、或いは、サーバ-クライアントの両方のネットワーク環境内において、動作することができる。いくつかの例において、機械400は、ピアツーピア(P2P)(又は、その他の分散型)ネットワーク環境においてピア機械として機能することができる。機械400は、パーソナルコンピュータ(PC : Personal Computer)、タブレットPC、セットトップボックス(STB : Set-Top Box)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA : Personal Digital Assistant)、携帯電話機、ウェブアプライアンス、ネットワークルーター、スイッチ又はブリッジ、或いは、その機械によって実行される動作を規定する命令(シーケンシャルな又はその他のもの)を実行することが可能な任意の機械であるかまたは含み得る。更には、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語は、クラウド演算、SaaS(Software as a Service)、その他のコンピュータクラスタ構成などの本明細書において記載されている方法の任意の1つ又は複数を実行するべく、命令の1つ又は複数の組を個々に又は協働的に実行する機械の任意の集合体をも含むものと解釈されたい。
【0034】
機械(例えば、コンピュータシステム)400は、ハードウェアプロセッサ402(例えば、中央処理装置(CPU : Central Processing Unit)、グラフィックス処理ユニット(GPU : Graphics Processing Unit)、ハードウェアプロセッサコア、又はこれらの任意の組合せ)、およびメインメモリ404、スタティックメモリ(例えば、ファームウェア、マイクロコード、基本入出力(BIOS)、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)、など)406、及び/又はマスストレージ408(例えば、ハードドライブ、テープドライブ、フラッシュストレージ、又はその他のブロック装置)を含むことが可能であり、これらのいくつか又はすべては、インターリンク(例えば、バス)430を介して互いに通信することができる。機械400は、表示デバイス410および入力デバイス412および/またはユーザーインタフェース(UI)ナビゲーションデバイス414をさらに含むことができる。例示的な入力デバイスおよびUIナビゲーションデバイスは、1つまたは複数のボタン、キーボード、タッチセンシティブ面、スタイラス、カメラ、マイクロフォンなどを含むが、これらに限定されない。いくつかの例では、表示デバイス410、入力デバイス412、およびUIナビゲーションデバイス414のうちの1つまたは複数は、タッチスクリーンディスプレイなどの組み合わされたユニットであり得る。機械400は、信号生成装置418(例えば、スピーカー)、ネットワークインタフェースデバイス420、並びに、全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、又はその他のセンサなどの1つ又は複数のセンサ416を更に含みうる。機械400は、1つ又は複数の周辺装置(例えば、プリンタ、カード読取機、など)と通信するべく又はこれらを制御するべく、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB : Universal Serial Bus)、パラレル、又はその他の有線又は無線(例えば、赤外線(IR : InfraRed)、NFC、など)接続などの出力コントローラ428を含みうる。
【0035】
プロセッサ402は、1つまたは複数のコンピュータ処理デバイスまたはリソースに対応することができる。例えば、プロセッサ402は、シリコンとして、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、任意の他のタイプの集積回路(IC)チップ、ICチップの集合などとして提供されることができる。より具体的な例として、プロセッサ402は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、または内部メモリ422および/またはメモリ404,406,408に格納された命令セットを実行するように構成された複数のマイクロプロセッサまたはCPUとして提供され得る。
【0036】
メモリ404,406,408のいずれも、プロセッサ402によるアプリケーションプログラミングまたは命令の実行に関連して、およびプログラム命令または命令セット424および/または他のデータの一時的または長期の記憶のために使用されることができる。メモリ404,406,408のいずれも、機械400によってまたはそれに関連して使用されるデータ、プログラムコード、または命令424を含み、格納し、通信し、または転送し得る任意の媒体であり得るコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、例えばこれらに限定されないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイスであり得る。適切なコンピュータ可読媒体のより具体的な例は、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、またはポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、ダイナミックRAM(DRAM)、固体ストレージデバイス、一般にコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、または他の光学または磁気ストレージデバイスなどの有形の記憶媒体を含むが、これらに限定されない。上記のように、コンピュータ可読媒体は、これと混同されるべきではないが、コンピュータ可読媒体のすべての物理的、非一時的、または類似の実施形態をカバーすることを意図としたコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0037】
ネットワークインタフェースデバイス420は、いくつかの転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、送信制御プロトコル(TCP)、ユーザーデータグラムプロトコル(UDP : user datagram protocol)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のいずれか1つを利用して、ネットワーク110などの通信ネットワークを介して、他のデバイスとの通信を可能にするハードウェアを含む。例示用の通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN : Local Area Network)、ワイドエリアネットワーク(WAN : Wide Area Network)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、POTS(Plain Old Telephone)ネットワーク、無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)と呼称されるIEEE802.11規格ファミリー、WiMax(登録商標)と呼称されるIEEE802.16規格ファミリー)、IEEE802.15.4規格ファミリー、及びピアツーピア(P2P)ネットワークなどを含みうる。いくつかの例では、ネットワークインタフェースデバイス420は、イーサネットポートまたは他の物理ジャック、Wi-Fiカード、ネットワークインタフェースカード(NIC : Network Interface Card)、セルラーインタフェース(例えば、アンテナ、フィルター、および関連する回路)などを含むことができる。いくつかの例において、ネットワークインタフェースデバイス420は、単一入力複数出力(SIMO : Single-Input Multiple-Output)、複数入力複数出力(MIMO : Multiple-Input Multiple-Output)、又は複数入力単一出力(MISO : Multiple Input Single Output)技法の少なくとも1つを使用して無線通信するべく、複数のアンテナを含みうる。
【0038】
上記のように、機械400は、機械の複数のハードウェア構成要素間の通信を送信するように動作可能な1つまたは複数のインターリンクまたはバス430を含むことができる。システムバス322は、いくつかのタイプの市販のバス構造またはバスアーキテクチャのいずれかであり得る。
【0039】
図1および図2に戻って参照すると、使用時に、クレデンシャルまたはキーデバイス114を有するユーザーがアクセスポイント105に関連付けられた読取機102に接近すると、クレデンシャルデバイス114は、例えば適切なRFIDまたはPAN技術を介して、ユーザークレデンシャルまたはクレデンシャルデータを読取機に通信することができる。概して、クレデンシャルデバイスは、クレデンシャルデバイスの所有者の権限、ステータス、権利、および/または特権に対する権利(entitlement to privileges)の根拠を保持するデバイスである。クレデンシャルデバイスは、1または複数のユーザークレデンシャルまたはクレデンシャルデータを記憶するメモリ116と、アンテナ306などの読取機デバイスのクレデンシャルインタフェースを介して、クレデンシャルが読取機102などの読取機デバイスとデータを交換することを可能にする読取機インタフェース(すなわち、アンテナおよび集積回路(IC)チップ)118とを有するポータブルデバイスであり得る。クレデンシャルデバイス114の一例は、クレデンシャルデバイスの所有者がセキュリティ保護された領域104などの読取機102によって保護するセキュリティ保護された領域またはアセットにアクセスすることを可能にするデータが格納されたRFIDスマートカード(smartcard)である。クレデンシャルデバイスの他の例は、近接RFIDベースのカード、アクセス制御カード、クレジットカード、デビットカード、パスポート、識別カード、キーフォブ、NFC対応デバイス、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、タグ、または仮想クレデンシャルをエミュレートするように構成可能な他のデバイスを含むが、これらに限定されない。
【0040】
読取機102、コントロールパネル108、および/またはホストサーバ112が、クレデンシャルデバイス114によって提供されたユーザークレデンシャルまたはクレデンシャルデータが有効である、及び/または権限付与されていると判定した場合、読取機102、コントロールパネル108、またはホストサーバ112は、クレデンシャルデバイスを有するユーザーによるセキュリティ保護された領域104へのアクセスを可能にするために制御機構106を動作させる。いくつかの例では、制御機構106を、ユーザーのためにアクセスポイント105(例えば、ドア、ゲートなど)を開閉するように動作させてもよい。
【0041】
ただし、単に権限付与されたクレデンシャルを有している、または単に権限付与されたクレデンシャルを読取機に渡すことは、必ずしも権限付与されたクレデンシャルを有しているユーザーの意図がセキュリティ保護された領域またはアセットにアクセスすることを示しているわけではない。例えば、ユーザーは、セキュリティ保護された領域またはアセットにアクセスすることを意図せずに、単に読取機を通り過ぎて歩いている可能性がある。権限付与されたクレデンシャルが、通り過ぎるユーザーのクレデンシャルデバイスから読取機に渡され、セキュリティ保護されたアセットが、例えば、ロック解除されるかまたは開かれる場合、権限付与されていないユーザーが、望ましくないことに、セキュリティ保護された領域またはアセットにアクセスする可能性がある。
【0042】
従って、クレデンシャルに権限付与する前にまたはロック解除するか、開くかまたはセキュリティ保護されたアセットまたは領域へのアクセスを可能にする前に、権限付与されたクレデンシャルのユーザーが、セキュリティ保護された領域またはアセットにアクセスする意図を有すると推測されるかまたはそうでなければ示すと推測されるかを判定することが望ましい場合がある。意図の根拠は、ドアノブに触れること、キーデバイスを弄ること等を含んでいてよい。ただし、これらはクレデンシャルのユーザーによる動作または対話を必要とし、理想的なユーザー体験とはいえないであろう。ただし、UWB位置推定技術を使用すると、よりシームレスなユーザー体験を提供することができ、クレデンシャルデバイスの位置、方向、および/または入射角度または到着角度に基づいてユーザーの意図が判定または推測されることができる。上記のように、UWBの位置推定技術は、非常に正確であり、読取機に対するクレデンシャルまたはキーデバイスの範囲及び方向の両方を提供し得る。従って、いくつかの例では、読取機102及びクレデンシャルデバイス114は、読取機及びクレデンシャルデバイスがUWB技術を使用して通信できるように、UWB信号を送信および/または受信するように設計または構成されたアンテナ(再度、本明細書では簡単に「UWBアンテナ」と呼称する)を含み得る。具体的には、読取機102の複数のアンテナ306の少なくとも1つは、UWBアンテナであり得る。同様に、クレデンシャルデバイス114の読取機インタフェース118はまた、UWBアンテナを含み得る。
【0043】
読取機に対するクレデンシャルデバイスの位置または距離に加えて、セキュリティ保護された領域104などのセキュリティ保護された領域へのアクセスを制御するアクセスポイント(例えば、ドア、ゲート、回転式改札機など)を含むPACSにおけるユーザーの意図を判定するのに有用であり得るクレデンシャルデバイスの特定の望ましい態様は、読取機に対するクレデンシャルデバイスの入射角度または到着角度(AoA : angle of arrival)であり得る。クレデンシャルデバイスのAoAを判定することに加えて、クレデンシャルデバイスのユーザーがセキュリティ保護された領域の外側にいるのか、すでにセキュリティ保護された領域の内側にいるのかを理解するかまたは判定することも有用であり得る。いくつかの事例では、読取機の範囲内でセキュリティ保護された領域の外側にいるユーザー(および、場合によっては、読取機に向かって移動するユーザー)は、セキュリティ保護された領域に入ることを意図していると考えられるが、セキュリティ保護された領域の内側で且つ読取機の範囲内のユーザー(および、場合によっては、読取機に向かって移動するユーザー)は、すでにセキュリティ保護された領域内にいるので、無視されるかまたは意図していないと考えられる。
【0044】
図5は、クレデンシャルデバイスのAoAを判定するかまたはクレデンシャルデバイスがセキュリティ保護された領域104の外側または内側、あるいは単に外側にあるかどうかを判定するように構成された例示的な読取機502の概略構成図を示している。読取機502は、図3に関して説明された複数の構成要素のいくつかまたはすべてを含む1つまたは複数のプリント回路基板(PCB)504または他の電気回路(単に「PCB504」と呼称される)を含み得る。PCB504は、必要に応じてまたは望ましい場合には、追加の構成要素を含み得る。上記の1つまたは複数のアンテナ306の一部として、読取機502は、2つのUWBアンテナ506、508を含み得る。UWBアンテナ506、508のアンテナ構成は、UWB通信に適した任意の適切な既知のまたは発見されるべき形状または構成を有し得る。UWBアンテナ506、508は、PCBまたは他のハードウェア構成要素510(単に「PCB510」と呼称される)の反対側に取り付けられ、且つPCBまたは他のハードウェア構成要素510に電気的に接続され得る。PCB510および/またはUWBアンテナ506は、PCB504の1つまたは複数の構成要素と動作可能および/または電気的に結合され得る。別個のPCB上にあるように示されているが、いくつかの事例では、アンテナ506、508は、PCB504の反対側に取り付けられ、PCB504と電気的に接続されてもよい。
【0045】
UWBアンテナ506、508は、アンテナ軸512に沿ってd2の距離だけ離間され得る。いくつかの事例では、アンテナ軸512に沿って離間または配置されたUWBアンテナ506、508は、各UWBアンテナの中央領域または重心を通過する軸を含み得る。いくつかの事例では、アンテナ軸512に沿って離間または配置されたUWBアンテナ506,508は、UWBアンテナの非中心領域を通る軸、または一方のUWBアンテナの中心領域と他方のUWBアンテナの非中心領域との組み合せを通る軸を含み得る。
【0046】
それに応じて、PCB510(または場合によってはPCB504)は、d2の厚さを有し得る。しかしながら、他の例では、UWBアンテナ506、508間の距離d2は、例えば、追加のスペーサーまたは隙間構造体(spacing material)を使用することによって、PCB510(または場合によってはPCB504)の厚さよりも大きくなり得る。いくつかの事例では、図5の例に示されるように、PCB510(または場合によってはPCB504)は、UWBアンテナ506、508またはそれ以上の間の領域全体または空間全体を実質的に占めるようにサイズ決定および/または構成され得る。他の事例では、PCB510(または場合によってはPCB504)は、UWBアンテナ506,508間の領域または空間の一部、例えばこれらに限定されないが、UWBアンテナ間の領域または空間の少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%を占めるようにサイズ決定および/または構成されることができる。別の方法として、PCB510(または場合によってはPCB504)は、UWBアンテナ506,508間の領域または空間の全てよりも小さく、例えばこれらに限定されないが、UWBアンテナ間の領域または空間の99%未満、90%未満、75%未満、または60%未満を占めるようにサイズ決定および/または構成されることができる。いくつかの事例では、PCB510(または場合によってはPCB504)は、特定の用途に対して好ましいと判断され得るか、または予測可能な、好ましい、または適切な結果を提供するように決定され得るように、UWBアンテナ506,508間の領域または空間のある量、例えばこれらに限定されないが、UWBアンテナ間の領域または空間の約35%~約99%、約40%~約95%、約50%~約95%、約75%~約95%、または約75%~約90%を占めるようにサイズ設定および/または構成されることができる。
【0047】
いくつかの例では、UWBアンテナ506,508間のPCB510(または場合によってはPCB504)、またはその1つ以上の部分は、アンテナ間にほぼ均一に配置された実質的に均質な材料、アンテナ軸512に沿ってまたは垂直に1つ以上の特性が変化する複合材料、または同じまたは異なる1つまたは複数の材料の1つ以上の追加の層を有するコアまたはコア層などの複数の材料の複数の層または一連の材料を含む1つまたは複数の材料タイプを含み得る。
【0048】
読取機502は、深さd1を有するハウジング514を含む。理解され得るように、距離d2は、読取機のハウジング514の深さd1に直接影響を及ぼし得る。つまり、概して、距離d2が大きいほど、深さd1を深くする必要がある。
【0049】
読取機502は、アクセスポイント105の近くまたはそれを含む壁516(またはセキュリティ保護された領域を画定することができる他の境界)などの固定構造に取り付けられることができる。読取機502は、壁516に対して読取機を平らに取り付けるように構成された取り付け面518を含むか、または画定することができる。いくつかの事例では、取り付け面518は、壁516と同一平面上にあるかまたは壁516から離間されていてもよい。壁516は、少なくともある程度の距離において、壁軸516を有し得る。UWBアンテナ506、508は、アンテナ軸512が、取り付け面518および/または壁軸516に対してほぼ面外(例えば、非ゼロまたは非平行角度)になるように、読取機502内に構成されることができる。いくつかの事例では、UWBアンテナ506,508は、アンテナ軸512が取り付け面518に対してほぼ垂直になるように読取機502内に構成されることができ、および/または、読取機502は、アンテナ軸512が壁軸516に対してほぼ垂直になるように壁516に取り付けられることができる。しかし、他の事例では、望ましい場合があるように、アンテナ軸512が、取り付け面518および/または壁軸516に対して別の角度、例えば、取り付け面518または壁軸516に対して25°の角度と155°の角度との間、取り付け面または壁軸に対して45°の角度と135°の角度との間、または取り付け面または壁軸に対して60°の角度と120°の角度との間で配置されるように、UWBアンテナ506,508は、読取機502内で位置合わせされることができ、および/または読取機502は、壁516に取り付けられることができる。必要に応じて、他の適切な非平行角度を使用することもできる。
【0050】
図6を参照すると、UWBアンテナ506、508を使用して、クレデンシャルデバイス114のAoAを判定することができる。特に、UWB信号または通信パケット602は、セキュリティ保護された領域104の外側のクレデンシャルデバイス114aから送信され得、UWBアンテナ506、508によって受信され得る。UWBアンテナ506及びUWBアンテナ508で受信された信号間の位相差に基づいて、アンテナ軸512に対するクレデンシャルデバイス114の入射角度または到着角度(AoA)αを判定することができる。AoAは、クレデンシャルデバイスのユーザーの意図を判定するために使用されることができる。AoAに加えて、上述したUWBアンテナ506,508の構成により、UWBアンテナ506及びUWBアンテナ508が信号602を受信するタイミングの差に基づいて、クレデンシャルデバイス114がセキュリティ保護された領域104の外側にあるかまたは内側にあるかを判定することができる。具体的には、UWBアンテナ506がUWBアンテナ508の前に信号602を受信する場合、クレデンシャルデバイス114aなどのクレデンシャルデバイスは、UWBアンテナ508よりもUWBアンテナ506に近く、したがって、セキュリティ保護された領域104の外側にある読取機510の側にあると判定することができる。反対に、クレデンシャルデバイス114bからの信号または通信パケット604は、UWBアンテナ506によって受信される前に、UWBアンテナ508によって受信されるであろう。従って、クレデンシャルデバイス114bは、UWBアンテナ506よりもUWBアンテナ508に近く、したがって、セキュリティ保護された領域104の内側にある読取機510の側にあると判定することができる。上記のように、ユーザーがセキュリティ保護された領域の外側にいるかまたは内側にいるかは、セキュリティ保護された領域にアクセスするユーザーの意図を理解するかまたは判定するのに有用であり得る。例えば、読取機の範囲内でセキュリティ保護された領域の外側のユーザー(および場合によっては、読取機に向かって移動するユーザー)は、セキュリティ保護された領域に入ることを意図していると考えられるが、セキュリティ保護された領域の内側で且つ読取機の範囲内のユーザー(および場合によっては、読取機に向かって移動するユーザー)は、すでにセキュリティ保護された領域内にいるので、無視されるかまたは意図していないと考えられる。
【0051】
さらに図6を参照すると、アンテナ軸512は壁軸516(および/または読取機の取り付け面518)に対してほぼ垂直(または他の非平行角度)であるため、特定の例では、クレデンシャルデバイス114cからの信号によって、クレデンシャルデバイス114aと同じ距離、AoA α、および外側/内側の判定を提供することができる。より一般には、ゾーン2内で行われるクレデンシャルデバイスの距離およびAoAの判定は、概してゾーン1のこれらの判定を反映し得る。ゾーン1およびゾーン2の指定は、説明を容易にするためだけに図6に示されており、読取機の複数のゾーンの任意の読取機の範囲または機能的分離を定義または制限することを意図していない。しかしながら、UWBアンテナ506、508の構成のために、外側/内側の判定は、セキュリティ保護された領域104の外側または内側にある複数のデバイスを区別し続ける。すなわち、クレデンシャルデバイス114aと同じ距離およびAoAの判定を有するにもかかわらず、クレデンシャルデバイス114cは、それにもかかわらず、それがセキュリティ保護された領域104の外側にあるという正確な判定を提供する。このように、外側/内側の判定は、ユーザーの意図を理解または判定する際に、既に説明した理由のために、さらに有益である。しかしながら、そのような追加の位置推定が望まれるかまたは必要とされる場合、クレデンシャルデバイス114aおよび114cを区別するために、1つまたは複数の追加のアンテナを読取機502に追加することができる。追加的または代替的に、ヒューリスティックアルゴリズム(heuristic algorithms)を使用して、クレデンシャルデバイスがクレデンシャルデバイス114aまたはクレデンシャルデバイス114cである尤度(likelihood)を判定することができる。追加的または代替的に、コンパニオン読取機(companion reader)、ビーコンデバイス、または他のユニットを、追加の位置推定情報を提供するために読取機502と組み合わせて使用することができる。
【0052】
しかしながら、UWBアンテナ506,508の前述の構成の潜在的な考慮事項は、AoAおよび/または外側/内側の判定のための一般的に十分な分解能を得るために、UWBアンテナ506,508は、アンテナ軸512に沿って、概して少なくとも信号の波長(λ)の半分(すなわちλ/2)と同じ大きさである距離d2だけ離間されるべきであるということである。波長は、媒体内の波の速度(v)を波の周波数(f)で割ったものであり、つまりλ=v/fである。UWBアンテナ506、508の間の空間を構成する媒体が空気または空気と同様の誘電率を有する構造体であると仮定すると、PACSに望ましい周波数では、距離d2は、十数ミリメートル(mm)以上である可能性が高い。例えば、約6.3Ghzから8Ghzの間の周波数では、空気間隔(air distance)d2は、概して約18mmから24mmの間となる。本明細書では、説明を簡単にするために、空気または空気と同様の誘電率を有する構造体を通る信号または電磁波の波長は、「空気波長(air wavelength)」または「λ」と呼称される。上記のように、距離d2は、読取機ハウジング514の深さd1に直接影響を及ぼし得る。例えば、約6.3Ghzから8Ghzの間のそのような周波数では、アンテナ軸512が概して壁軸516に垂直である読取機において、深さd1は距離d2より大きく、少なくとも19mmまたは20mmより大きくなる。他の読取機ハウジングは、それよりも小さいサイズを有することができ、比較的大きな読取機ハウジングは、壁又は他の取り付け面上により大きな面積を必要とし、製造するために(特に材料費において)より多くの費用がかかり、取り付けがより複雑になることがあり、より目立つことがあり、通常、美的に好ましいものではないので、将来の世代の読取機にとっては、より小さな深さd1を有することが望ましいことがある。上述したように、アンテナ軸512は、必ずしもそうではないが、読取機のハウジング514の深さd1を減少させるのに役立つ壁軸516に対して他の平行でない角度で位置合わせされることができるが、このような位置合わせは、読取機のコストを増大させ、例えば、外側/内側の判定の複雑さを増大させ、例えば、外側/内側の判定の利益を低減させる可能性がある。
【0053】
従って、AoA(および/または外側/内側の判定)についての十分な分解能を維持しながらUWBアンテナ506,508間の距離d2を減少させるために、PCB510(または場合によってはPCB504)は、自身を通過する電磁波または電磁界の伝搬を遅くし(slow down)、その波長を短くするように選択された誘電率(または複数の誘電率)を有する材料または材料の組み合わせ、あるいはそれ以外に自身を通過する電磁波または電磁界の伝搬を遅くし、その波長を短くするように選択され、設計され、または構成された材料または材料の組み合わせで構成することができる。例えば、PCB510(または場合によってはPCB504)は、(例えば、電磁波が空気または空気と同様の誘電率を有する材料を通過していた場合)厚さd2がλ/2未満であるにもかかわらず、PCBの厚さによって、少なくともλ/2のUWBアンテナ506,508の有効なまたは機能的な離間距離を提供するように、または少なくともλ/2のUWBアンテナの離間距離をシミュレーションするか、模倣するか、類似させるか、表すか、少なくともλ/2のUWBアンテナの離間距離に対応させるか、または少なくともλ/2のUWBアンテナの離間距離と概して同等であるように、十分に電磁波の伝搬を遅くし、電磁波の波長を短くするように選択された誘電率(または複数の誘電率)を有する材料または材料の組み合わせの厚さd2で構成してもよい。別の方法として、空気または空気と同様の誘電率を有する材料による離間距離SDで互いに離間されたUWBアンテナ506,508間において達成されることができる特定のAoA分解能については、PCB510(または場合によってはPCB504)は、厚さd2が離間距離SD未満であり、かつ少なくとも実質的に同じAoA分解能が得られるかまたは維持されるように、十分に電磁波の伝搬を遅くし、電磁波の波長を短くするように選択された誘電率(または複数の誘電率)を有する材料または材料の組み合わせ、あるいはそれ以外にそのように選択され、設計され、または構成される材料または材料の組み合わせの厚さd2で構成してもよい。電磁波または電磁界の伝搬を遅くするように選択、設計、または構成された材料または材料の組み合わせによって、厚さd2をλ/2からどの程度低減できるかが判定されることができる。いくつかの事例では、厚さd2をλ/2から50%以上低減することができる。例えば、PCB510(または場合によってはPCB504)は、FR4または他の誘電体PCB材料で構成され得る。FR4は、例えば、電磁波の伝搬を2倍よりも少しだけ遅くすることができ、そのため、例えば、UWBアンテナ506,508間の約17mmの空気離間間隔におけるAoAの分解能は、同様に、8mm未満で6mmに近いFR4のPCB上のUWBアンテナ506,508間の距離d2において得られることができる。
【0054】
図7は、UWBアンテナ506、508と、自身を通過する電磁波または電磁界の伝搬を遅くし、電磁波または電磁界の波長を短くするように選択された誘電率(または複数の誘電率)を有する材料または材料の組み合わせ702、あるいはそれ以外にそのように選択され、設計され、または構成された材料または材料の組み合わせとの他の可能な構成の概略構成図を示す。図7の構成では、UWBアンテナ506、508は、PCBの反対側にはなく、PCBまたは他のハードウェア構成要素704(単に「PCB704」と呼称される)の同じ側に取り付けられている。具体的には、UWBアンテナ508をPCB704に取り付けることができ、厚さd2の1つまたは複数の材料702をUWBアンテナ508上に配置し、積み重ね、および/または固定することができ、UWBアンテナ506を1つまたは複数の材料702上に配置し、積み重ね、および/または固定することができる。材料702の幅w1は、所望の効果を得るために望まれるかまたは必要とされる任意の適切な幅であり得る。さらに、材料の層または厚さとして示されているが、1つまたは複数の材料702は、任意の規則的な形状(立方体、直方体プリズム、三角柱プリズム、円板など)または不規則な形状を含む任意の適切な形状または形態をとることができる。さらに、1つまたは複数の材料702は、幅w1に沿って一定の厚さd2を有することができ、またはその幅w1または任意の他の軸に沿って可変の厚さを有することができる。さらに、1つまたは複数の材料702は、(例えば、図7の破線702aとして一例で示されるように)UWBアンテナ506および/またはUWBアンテナ508を囲むか、または部分的に囲むように構成されることができ、UWBアンテナ506,508間に厳密に配置された一定の厚さの層に限定されない。
【0055】
さらに、いくつかの事例では、1つまたは複数の材料702は、図7の例に示されるように、UWBアンテナ506、508またはそれ以上の間の領域全体または空間全体を実質的に占めるようにサイズ決定および/または構成されることができる。他の事例では、1つまたは複数の材料702は、UWBアンテナ506,508間の領域または空間の一部を占めるように、例えばこれらに限定されないが、UWBアンテナ間の領域または空間の少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%を占めるようにサイズ決定および/または構成されることができる。別の方法として、1つまたは複数の材料702は、UWBアンテナ506,508間の領域または空間の全てよりも小さく、例えばこれらに限定されないが、UWBアンテナ間の領域または空間の99%未満、90%未満、75%未満、または60%未満を占めるようにサイズ決定および/または構成されることができる。いくつかの事例では、1つまたは複数の材料702は、特定の用途に対して好ましいと判断され得るか、または予測可能な、好ましい、または適切な結果を提供するように決定され得るように、UWBアンテナ506,508間の領域または空間のある量、例えばこれらに限定されないが、UWBアンテナ間の領域または空間の約35%~約99%、約40%~約95%、約50%~約95%、約75%~約95%、または約75%~約90%を占めるようにサイズ設定および/または構成されることができる。
【0056】
いくつかの例では、UWBアンテナ506,508間の1つまたは複数の材料702、またはその1つ以上の部分は、アンテナ間にほぼ均一に配置された実質的に均質な材料、アンテナ軸512に沿ってまたは垂直に1つ以上の特性が変化する複合材料、または同じまたは異なる1つまたは複数の材料の1つ以上の追加の層を有するコアまたはベース(base)、あるいはコアまたはベース層などの複数の材料の複数の層または一連の材料を含む1つまたは複数の材料タイプを含み得る。
【0057】
いくつかの事例では、図5図7に示す例示的な構成の組み合わせを利用することができる。具体的には、(別のPCBまたはPCB材料を含み得る)PCBおよび(1または複数の)材料702の両方を、UWBアンテナ506,508間に少なくとも部分的に配置することができる。
【0058】
図8は、セキュリティ保護された領域へのアクセス権限を制御または許可するドア、ゲート、回転式改札機などのアクセスポイントを含むPACSにおいて、セキュリティ保護された領域へのアクセスに対するユーザーの意図を判定し、そのアクセスを許可/拒否するための方法800を示す。ステップ802において、PACSの読取機は、本明細書において説明されるような、UWBアンテナを有するクレデンシャルデバイスからUWB信号を受信し得る。読取機は、上記の例示的な複数の構成のいずれかを有することができる。したがって、ステップ802において、読取機は、(少なくとも)2つのUWBアンテナでクレデンシャルからの信号を受信する。ステップ804において、PACSの読取機および/またはコントローラおよび/またはホストサーバは、距離およびAoAなどのクレデンシャルデバイスに関連する位置推定データを決定し得る。さらに、ステップ806において、(少なくとも)2つのUWBアンテナの構成と、(少なくとも)2つのUWBアンテナの各々において信号を受信した時間とに基づいて、PACSの読取機、コントローラ、および/またはホストサーバは、クレデンシャルデバイスがセキュリティ保護された領域の外側にあるかまたは内側にあるかを判定することができる。ステップ808において、位置推定データおよび外側/内側の判定の1つまたは複数に基づいて、PACSの読取機、コントローラ、および/またはホストサーバは、ユーザーがセキュリティ保護された領域にアクセスする意図を有しているまたは示していると推測されるか否かを判定することができる。代替的に、図8のフローチャートのステップ802の前またはそれと同時に、またはステップ802とステップ812との間の任意の他の時間に発生し得るステップ812において、PACSの読取機は、クレデンシャルデバイスからクレデンシャルまたはクレデンシャル情報を受信し得る。読取機がクレデンシャル情報を受信した後の任意の時間に発生するステップ814において、PACSの読取機、コントローラ、および/またはホストサーバは、クレデンシャル情報を検証し得る。一例では、PACSの読取機、コントローラ、および/またはホストサーバは、ユーザーがセキュリティ保護された領域にアクセスする意図を有しているかまたは示していると判定されるまで、クレデンシャル情報の検証を待機することができる。他の事例では、PACSの読取機、コントローラ、及び/又はホストサーバは、ユーザーがセキュリティ保護された領域にアクセスする意図を有しているか又は示しているかを判定する前に又は同時に、クレデンシャル情報を検証することができる。ステップ814において、クレデンシャル情報が有効であり、ユーザーがセキュリティ保護された領域にアクセスする意図を有しているかまたは示していると判定された場合、PACSの読取機、コントローラ、および/またはホストサーバは、クレデンシャルデバイスのユーザーによるセキュリティ保護された領域へのアクセスを許可し得る。
【0059】
PACSに関して説明したが、前述の複数の実施形態のいずれかにおけるUWBアンテナ506,508の構成および図8に関して説明した方法と同様の方法または異なる方法でそれを使用する方法は、PACS以外のシステムにおいても使用されることができる。追加的または代替的に、特にUWBアンテナ506,508に関して説明したが、他のタイプの適切なアンテナ、time-of-flight(TOF)対応センサなどを、必要に応じて、前述の複数の実施形態及びそれを使用する方法のいずれかにおけるUWBアンテナ506および/またはUWBアンテナ508に加えて、またはこれに代わるものとして使用することができる。
【0060】
追記
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付図面への参照を含む。図面は、実施され得る所定の実施形態を例示として示す。また、これらの実施形態は、本明細書においては「例」と呼称されてもよい。このような実施形態又は例は、図示及び記載されているものに加えて、要素を含みうる。但し、本発明者らは、図示又は記載されている要素のみが提供される例をも想定している。更には、本発明者らは、特定の例(又は、その1つ又は態様)との関係において又は本明細書において図示又は記載されているその他の例(又は、その1つ又は複数の態様)との関係において図示又は記載されている要素の任意の組合せ又は順列を使用する例(又は、その1つ又は複数の態様)をも想定している。すなわち、上述の実施形態若しくは例、又はその1つまたは複数の態様、特徴、若しくは要素は、相互に組み合わせて使用することができる。
【0061】
本明細書において、「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」の任意のその他の例又は使用法とは独立的に、1つ又は複数を含むものとして使用されている。本明細書においては、「又は」という用語は、そうではない旨が通知されていない限り、非排他的なものを意味するように、或いは、「A又はB」が、「BではなくA」、「AではなくB」、及び「A及びB」を含むように、使用されている。添付の請求項において、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などの用語は、ラベルとして使用されているものに過ぎず、それらの物体に対して数値的要件を課すことを意図したものではない。
【0062】
さらに、特に明記されない限り、本明細書で使用される「[X]および[Y]の少なくとも1つ」または「[X]または[Y]の少なくとも1つ」という語句は、[X]および[Y]が本開示の実施形態に含まれ得る異なる構成要素である場合、実施形態が構成要素[Y]なしで構成要素[X]を含み得ること、実施形態が構成要素[X]なしで構成要素[Y]を含み得ること、または実施形態が構成要素[X]および[Y]の両方を含み得ることを意味する。同様に、「[X]、[Y]、および[Z]の少なくとも1つ」または「[X]、[Y]、または[Z]の少なくとも1つ」などの3つ以上の構成要素に関して使用される場合、その語句は、実施形態が3つ以上の構成要素のいずれか1つ、構成要素のいずれかの組合せまたは部分的組合せ、または構成要素のすべてを含み得ることを意味する。
【0063】
本明細書で使用される場合、用語「実質的に」または「概して」は、動作、特徴、特性、状態、構造、項目、または結果の完全なまたはほぼ完全な程度または程度を指す。例えば、「実質的に」または「概して」囲まれている物体は、その物体が完全に囲まれているか、またはほぼ完全に囲まれていることを意味する。絶対的な完全性からの正確な許容偏差の程度は、幾つかの場合には特定の状況に依存し得る。しかし、一般的に言えば、完全に近いということは、絶対的およびトータルな完全が得られたかのように、全体的な結果が概して同じになるようなものである。「実質的に」または「概して」の使用は、動作、特徴、特性、状態、構造、項目、または結果の完全なまたはほぼ完全な欠如を指す否定的な意味で使用される場合にも同様に適用可能である。例えば、構成要素を「実質的に含まない」または「概して含まない」構成要素、組み合わせ、実施形態、または組成物は、そのような構成要素の有意な効果が概して存在しない限り、そのような構成要素を実際に含んでいてもよい。
【0064】
特許庁及びこの出願に関して発行された特許の何れかの閲覧者が、ここに添付された特許請求の範囲を解釈するのを助けるために、出願人は、「ための手段(means for)」又は「ためのステップ(step for)」という語句が特定の請求項において明示的に使用されていない限り、添付された特許請求の範囲又は請求項の構成要素の何れも米国特許法112条(f)を援用することを意図していないことに留意したい。
【0065】
前述の説明では、例示および説明の目的で、本開示の様々な実施形態が提示された。それらは、網羅的であることも、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、明らかな変更または変形が可能である。種々の実施形態は、本開示の原理およびそれらの実用的な応用の最も良好な例示を提供し、当業者が、企図される特定の用途に適するように様々な変更を伴う様々な実施形態を利用することを可能にするために選択され、記載された。全てのそのような変更および変形は、それらが公正、法的および公平に権利を有する範囲に従って解釈された場合、添付の特許請求の範囲によって特定される本開示の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8