(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】電気車充電用コネクタ及びこれを含む電気車充電用アセンブリー
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231228BHJP
B60L 53/18 20190101ALI20231228BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/18
(21)【出願番号】P 2022528139
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 KR2020016366
(87)【国際公開番号】W WO2021107502
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0154579
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522087763
【氏名又は名称】エルエス、イーブイ、コリア、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS EV KOREA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ウクヨル
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0096259(KR,A)
【文献】特開2019-133925(JP,A)
【文献】特表2020-511915(JP,A)
【文献】特開2018-018748(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0144558(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 53/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの接地ユニット、少なくとも一つの通信ユニット、導体及び前記導体を包む絶縁層を備えた一対の電力ユニット、前記電力ユニットを構成する導体の内部にそれぞれ備えられ、冷却チューブ及び前記冷却チューブの内側に冷却流体が流動する冷却流路を含んで前記導体を冷却させるための冷却ユニット、及び前記冷却ユニットを通して供給された冷却流体を収集して回収するための回収流路を内側に備えた回収チューブを含む回収ユニット、を含む電気車充電用ケーブルと、
電気車に備えられたコネクタ接続ユニットに接続されるコネクティング部及び前記充電用ケーブルの導体が挿入されて接続される導体接続部を備える一対の電力端子、及び前記電力端子の導体接続部を収容し、前記冷却ユニットを経由した冷却流体を用いて前記導体接続部で発生した熱を冷却させた後、前記冷却流体を前記回収ユニットに回収する冷却チャンバー、を含む電気車充電用コネクタとを含
み、
前記電力端子の導体接続部及び前記電気車充電用ケーブルの脱皮された導体は前記冷却チャンバーの内部で、前記冷却ユニットから供給されて前記回収ユニットに回収される冷却流体に直接露出される、電気車充電用アセンブリー。
【請求項2】
前記電力端子の導体接続部に挿入される導体の端部内の冷却チューブは導体の端部より短くカットされることを特徴とする、請求項1に記載の電気車充電用アセンブリー。
【請求項3】
前記冷却チャンバー内で前記冷却ユニットを構成する冷却チューブの端部は‘L’字形に折り曲げられることを特徴とする、請求項1に記載の電気車充電用アセンブリー。
【請求項4】
前記コネクタのハウジングの後方内側に装着プレートを備え、前記接地ユニット及び前記通信ユニットと連結される端子が装着されることを特徴とする、請求項1に記載の電気車充電用ケーブルアセンブリー。
【請求項5】
前記電気車充電用ケーブルにおいて電力端子と電気的に連結される前記導体は、複数の素線が一定の集合ピッチで集合された複数の集合導体がさらに一定の複合ピッチで複合された集複合構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の電気車充電用アセンブリー。
【請求項6】
電気車充電用ケーブルに装着され、電気車のコネクタ接続ユニットに着脱可能に装着され、電気車充電のための電力を供給する電気車充電用コネクタであって、
コネクタ接続ユニットに接続されるコネクティング部及び電気車充電用ケーブルの導体が挿入されて接続される導体接続部を備える一対の電力端子と、
前記電力端子の導体接続部を収容し、
前記電気車充電用ケーブルの前記冷却ユニットを経由した冷却流体を用いて前記導体接続部で発生した熱を直接冷却させた後、前記冷却流体を
前記電気車充電用ケーブルの前記回収ユニットに回収する冷却チャンバーと、を含
み、
前記電力端子の導体接続部及び前記電気車充電用ケーブルの脱皮された導体は前記冷却チャンバーの内部で、前記冷却ユニットから供給されて前記回収ユニットに回収される冷却流体に直接露出される、電気車充電用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気車充電用コネクタ及びこれを備える電気車充電用アセンブリーに関する。具体的に、本発明は電気車充電用コネクタに電気車充電用ケーブルを冷却させるための冷却流体が経由する冷却チャンバーを備え、電気車充電用コネクタを構成する端子と電気車充電用ケーブルを構成する導体とを前記冷却チャンバー内で接続させることで、電気車充電用コネクタを構成する端子と電気車充電用ケーブルを構成する導体との接続部位で発生する熱を前記冷却チャンバー内で速かに冷却させ、冷却チャンバー内の冷却流体が電気車充電器に回収されるようにする電気車充電用コネクタ及び電気車充電用アセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
電気車の普及に伴い電気車充電器の設置が拡がっている。そして、短時間内の充電ができるように急速充電の可能な急速電気車充電器が普及されている。緩速充電とは違い、急速充電のための急速電気車充電器の出力電圧は直流50V~450Vの範囲であり、充電電流は100Aを超え、前記急速電気車充電器を介して電気車を一定の水準、例えば満充電量の80%程度までの充電所要時間は30~40分に過ぎない。電気車のバッテリー容量増加及び充電技術発達によって急速電気車充電器の充電電流はずっと増加することに予想される。
【0003】
このような急速電気車充電器は、充電器本体に電気車充電用ケーブルが連結され、充電用ケーブルの端部に充電器コネクタが装着され、充電器のコネクタを電気車に備えられた電気車コネクティングユニットに装着して、電気車充電器から電気車に電力を供給するようになる。
【0004】
このような急速電気車充電器は、充電電流が100A以上であるので、これを電気車に伝達する電気車充電用ケーブル及び前記ケーブルの端部に接続された充電用コネクタの発熱が問題となることがある。
【0005】
まず、電気車充電用ケーブルで発生する熱を最少化するためには、充電用ケーブルの導体の直径を増加させるなどの方法があるが、発熱を充分に減少させることが難しく、充電用ケーブルの重さを増加させる問題がある。
【0006】
このような電気車充電用ケーブルの発熱のため、電気車充電のために充電用コネクタをコネクタ接続ユニットに装着するかコネクタ接続ユニットから充電用コネクタを分離して充電器に載置する過程で充電用ケーブルが身体に接触することがあり、使用者の負傷、不快感または不安感を引き起こすことがあるので好ましくない。
【0007】
電気車充電用ケーブルで発生する熱を冷却させるために、ケーブルの内部に冷却流体を流動させる方法が紹介されている。これは、電気車充電用ケーブルの導体を冷却流体で冷却させる方法である。
【0008】
一方、電気車の充電の際に電気車充電用ケーブルの導体と電気的に接続される電気車充電用コネクタの電力端子の接続部位の抵抗増加によって電気車充電用ケーブルに劣らない発熱が発生するので、電気車充電用コネクタを簡素化した構成で効率的に冷却させる方法の必要性も高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、電気車充電用コネクタに、電気車充電用ケーブルを冷却させるための冷却流体が経由する冷却チャンバーを備え、電気車充電用コネクタを構成する端子と電気車充電用ケーブルを構成する導体とを前記冷却チャンバー内で接続させることで、接続部位で発生する熱を前記冷却チャンバー内で速かに冷却させ、冷却チャンバー内の冷却流体が電気車充電器に回収されるようにする電気車充電用コネクタ及び電気車充電用アセンブリーを提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は、一つの接地ユニット、少なくとも一つの通信ユニット、導体及び前記導体を包む絶縁層を備えた一対の電力ユニット、前記電力ユニットを構成する導体の内部にそれぞれ備えられ、冷却チューブ及び前記冷却チューブの内側に冷却流体が流動する冷却流路を含んで前記導体を冷却させるための冷却ユニット、及び前記冷却ユニットを通して供給された冷却流体を収集して回収するための回収流路を内側に備えた回収チューブを含む回収ユニット、を含む電気車充電用ケーブルと、電気車に備えられたコネクタ接続ユニットに接続されるコネクティング部及び前記充電用ケーブルの導体が挿入されて接続される導体接続部を備える一対の電力端子、及び前記電力端子の導体接続部を収容し、前記冷却ユニットを経由した冷却流体を用いて前記導体接続部で発生した熱を冷却させた後、前記冷却流体を前記回収ユニットに回収する冷却チャンバー、を含む電気車充電用コネクタとを含む、電気車充電用アセンブリーを提供する。
【0011】
また、前記電力端子の導体接続部は、前記冷却チャンバー内で、前記冷却ユニットから回収されて前記回収ユニットに供給される冷却流体に露出されることができる。
【0012】
そして、前記電気車充電用ケーブルは脱皮された状態であり、前記冷却チャンバー内で導体が露出されることができる。
【0013】
ここで、前記電力端子の導体接続部に挿入される導体の端部内の冷却チューブは導体の端部より短くカットされることができる。
【0014】
この場合、前記コネクタのハウジングの後方内側に装着プレートを備え、前記接地ユニット及び前記通信ユニットと連結される端子が装着されることができる。
【0015】
また、前記電気車充電用ケーブルにおいて電力端子と電気的に連結される前記導体は、複数の素線が一定の集合ピッチで集合された複数の集合導体がさらに一定の複合ピッチで複合された集複合構造を有することができる。
【0016】
また、前記課題を解決するために、電気車充電用ケーブルに装着され、電気車のコネクタ接続ユニットに着脱可能に装着され、電気車充電のための電力を供給する電気車充電用コネクタであって、コネクタ接続ユニットに接続されるコネクティング部及び電気車充電用ケーブルの導体が挿入されて接続される導体接続部を備える一対の電力端子と、前記電力端子の導体接続部を収容し、前記冷却ユニットを経由した冷却流体を用いて前記導体接続部で発生した熱を直接冷却させた後、前記冷却流体を前記回収ユニットに回収する冷却チャンバーと、を含む電気車充電用コネクタを提供する。
【0017】
そして、前記電力端子の導体接続部及び前記電気車充電ケーブルの導体は前記冷却チャンバー内で冷却流体に露出されることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、電気車充電用コネクタに、電気車充電用ケーブルを冷却させるための冷却流体が経由する冷却チャンバーを備え、電気車充電用コネクタを構成する端子と電気車充電用ケーブルを構成する導体とを前記冷却チャンバー内で接続させることで、接続部位で発生する熱を前記冷却チャンバー内で速かに冷却させ、冷却チャンバー内の冷却流体が電気車充電器に回収されるようにして電気車充電用ケーブルと電気車充電用コネクタとを一緒に冷却させることができる。
【0019】
また、本発明による電気車充電用コネクタ及びこれを含む電気車充電用アセンブリーによれば、冷却流体を用いて電気車充電用アセンブリー全体を効率的に冷却して製品の損傷を防止し、過熱したコネクタ接続ユニットまたは電気車ケーブルによる安全事故を予防し、製品信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】電気車充電器、電気車充電用アセンブリー及び電気車evから構成される電気車充電システムを示す図である。
【0021】
【
図2】電気車に備えられる電気車充電用ケーブル及びこれに連結される電気車充電用コネクタから構成される電気車充電用アセンブリーの斜視図である。
【0022】
【
図3】本発明による電気車充電用アセンブリーを構成する電気車充電用ケーブルの断面図である。
【0023】
【
図4】電気車充電用アセンブリーのハウジングが除去された状態の後方斜視図である。
【0024】
【
図5】
図4の電気車充電用アセンブリーにおいて冷却構造の核心構成を示す図である。
【0025】
【
図6】
図5に示した電気車充電用アセンブリーの後方から見た正面図である。
【0026】
【
図7】
図5に示した電気車充電用アセンブリーの側断面図である。
【0027】
【
図8】本発明による電気車充電用アセンブリーにおいて冷却流体の流路を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。しかし、本発明はここで説明する実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。むしろ、ここで紹介する実施例は開示の内容が徹底的で完全になるように、そして当業者に発明の思想を充分に伝達するために提供するものである。明細書全般にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
【0029】
また、以下の説明で、電気車(electric car)evとは、車両に備えられたバッテリーに充電された電気エネルギーを用いて電気モーターを駆動し、モーターの駆動力を車両の動力として使用する車両を意味し、具体的にはプラグイン方式の電気車(PEV、Plug-in Electric Vehicle)を意味する。
【0030】
しかし、前記電気車evは通常的な道路用乗用自動車に制限して解釈されてはいけなく、道路用乗用自動車の他にも、カート、作業用車両または二輪車などを含む概念と理解しなければならない。
【0031】
図1は電気車充電器、電気車充電用アセンブリー及び電気車evから構成される電気車充電システムを示す。
【0032】
電気車充電器300は、電気車に電力を供給するために、電気車充電用コネクタ200と電気車充電用ケーブル100を介して連結され、電気車充電用ケーブル100の端部には電気車充電用コネクタ200が備えられる。
【0033】
電気車充電用コネクタ200は電気車evに備えられたコネクタ接続ユニット400に装着されて電力を供給することができ、急速電気車充電器の場合、短時間内に電気車evの充電を完了することができる。
【0034】
一方、電気車の急速充電の際、大きい電流容量によって電気車充電用ケーブル100の導体及び前記導体が接続される電気車充電用コネクタ200の電力端子で多くの熱が発生することができる。
【0035】
従来、電気車充電用ケーブル100で発生する熱を冷却させるために、ケーブルの内部に冷却流体を流入させる方法があったが、これは電気車充電用コネクタ200の電力端子まで十分に冷却させることができないという限界がある。
【0036】
したがって、本発明による電気車充電用アセンブリー1000は、電気車充電用コネクタ200まで効率的に冷却させるために、コネクタの内部にヒートシンクを備えるとともに電気車充電用ケーブル100の一対の電力ユニットの中心部に冷却ユニットをそれぞれ備えることにより、電気車充電用コネクタ200の電力端子及び電気車充電用ケーブル100の導体を一緒に冷却させることができるようにした。
【0037】
図2は電気車に備えられる電気車充電用ケーブル及びこれに連結される電気車充電用コネクタから構成される電気車充電用アセンブリーの斜視図を示す。
【0038】
前記電気車充電用コネクタ200は、今後単一化標準と決定されたアメリカ・ヨーロッパ型‘コンボ’方式の他にも、日本‘チァデモ(CHAdeMO)’方式、またはルノ‘交流3相’方式の場合にも適用可能である。
【0039】
図2に示すように、本発明による電気車充電用ケーブル100の端部には電気車充電用コネクタ200が装着され、前記電気車充電用コネクタ200は電気車evに備えられるコネクタ接続ユニット400に着脱可能な構造を有する。
【0040】
’コンボ(TYPE1)’方式のコネクタは、交流または直流方式のコネクタが一体化し、それぞれのコネクタには緩速充電部201と高速充電部203とをそれぞれ備えて緩速充電及び高速充電の両者を支援することができる。
【0041】
このような電気車充電用ケーブル100は、特に急速充電の際、大きい電流量によって導体で、具体的に電気車充電用ケーブルの導体と電気的に接続される電力端子での発熱が過多になって部品の損傷または使用者の火傷などの安全事故などの危険をもたらすことができる。
【0042】
したがって、本発明は、冷却流体を用いて電気車充電用ケーブルと電気車充電用コネクタを一緒に効率的に冷却させる構造を適用した。
【0043】
図3は本発明による電気車充電用アセンブリーを構成する電気車充電用ケーブルの断面図を示す。
【0044】
以下、電気車充電用ケーブル100の構造について詳細に説明する。
【0045】
図3に示したように、電気車充電用ケーブル100は、一つの接地ユニット110と、少なくとも一つの通信ユニット120と、導体131a、131b及び前記導体を包む絶縁層133a、133bを備えた一対の電力ユニット130a、130bと、前記電力ユニットを構成する導体の内部にそれぞれ備えられ、冷却チューブ143a、143b及び前記冷却チューブの内側に冷却流体が流動する冷却流路141a、141bを含んで前記導体131a、131bを冷却させるための冷却ユニット140a、140bと、前記冷却ユニットを通して供給された冷却流体を収集して回収するための回収流路151を内側に備えた回収チューブ153を含む回収ユニット150とを含んでなる。
【0046】
電気車の充電の際、電気車充電用ケーブル100において発熱が激しく送る部分は電力を供給するための電力ユニット130a、130bであり、本発明による電気車充電用ケーブル100は一対の電力ユニット130a、130bの内部にそれぞれ一対の冷却ユニット140a、140bを備え、前記冷却ユニットの冷却流路141a、141b内に冷却流体を流入させることで、前記電力端子130a、130bをある程度冷却させる効果を提供する。
【0047】
前記一対の電力ユニット130a、130bの内部にそれぞれに備えられる冷却ユニット140a、140bは、
図1の電気車充電器300からそれぞれの冷却チューブ143a、143bを通して供給された冷却流体によって一対の電力ユニットの内部の導体131a、131bを冷却させてから回収ユニット150に流れるように流路が変更され、電気車充電器300に再び回収され、冷却されてから再供給される方法を用いることができる。
【0048】
したがって、前記冷却流体を再冷却させるための冷却装置及び冷却流体を流動させるポンピング装置は電気車充電器300に備えることもでき、前記電気車充電器300の外部に備えることもできる。
【0049】
冷却装置及びポンピング装置から絶縁層を備えた導体のみが充電器電力供給部(図示せず)に引き出されるようにし、それぞれの冷却チューブ143a、143bを流れる冷却流体は再冷却及びポンピングされて循環流路を形成することができる。
【0050】
また、
図3に示したように、電気車充電用ケーブル100の構成は一実施例であり、一対の電力ユニット130a、130bと接地ユニット110の中心とを連結する三角形及び一対の通信ユニット120a、120bと回収ユニット150の中心とを連結する三角形が正三角形になるように構成要素の位置を調節することによってケーブルの全外径を減らすことができるが、前記構造に限定するものではない。
【0051】
以下、電気車充電用アセンブリー1000を構成する電気車充電用コネクタと電気車充電用ケーブルとの連結構造について詳細に説明する。
【0052】
図4は電気車充電用アセンブリーのハウジングが除去された状態の後方斜視図を示し、
図5は
図4の電気車充電用アセンブリーにおいて冷却構造の核心構成を示す。
【0053】
前記電気車充電用アセンブリー1000は、電気車充電用コネクタ200の後方に電気車充電用ケーブル100が連結され、前記電気車充電用コネクタ200の前方充電部はコネクタ接続ユニット400(
図1参照)が着脱可能に装着され、電気車evへの電力供給及び制御信号の送受信が可能である。
【0054】
本発明による電気車充電用コネクタ200は、電気車のコネクタ接続ユニットに接続されたときのロッキングのためのロッキングユニットLを備えることができる。前記前記ロッキングユニットは、選択的ロッキングができるようにするロッキング手段、ロッキング状態を選択的に解除するための物理スイッチまたは充電動作を制御するための制御スイッチなどを備えることができる。
【0055】
ここで、前記電気車充電用コネクタ200は、電気車evに備えられたコネクタ接続ユニット400に接続されるコネクティング部233及び前記電気車充電用ケーブル100の導体131が挿入されて接続される導体接続部231を備える一対の電力端子230と、前記電力端子の導体接続部231を収容し、前記冷却ユニット140を経由した冷却流体を用いて前記導体接続部で発生した熱を冷却した後、前記冷却流体を前記回収ユニットに供給する冷却チャンバー270とを含んでなることができる。
【0056】
図4に示したように、電気車充電用コネクタ200にはインターロック端子及び通信ユニット120を含んでなるインターロックシステムが搭載されることで、コネクタの装着及び分離の際に発生し得るスパークなどを防止することができる。
【0057】
コネクタハウジング240はプラスチックなどの絶縁性樹脂材から構成されることができ、電気車充電用コネクタ200の内部構成要素を保護するとともに外観を形成する役割を果たす。ここで、前記コネクタハウジング240の機能、形状及び接続規格はコネクタ接続ユニット400の特定の設計規格、例えばIEC62196-3規格を満たすように形状化することが好ましい。
【0058】
そして、コネクタハウジング240の後方内側に装着プレート260を備えることができ、前記装着プレート260はプラスチック材から構成され、内部に電気車充電用ケーブルの電池ユニット110及び通信ユニット120とそれぞれ接続可能な端子、ヒートシンク270などの内部構成要素が装着される装着場所の役割を果たすことができる。
【0059】
電気車充電用コネクタの電力端子230(
図7参照)は、コネクタ接続ユニット400に接続されるコネクティング部233と、前記コネクティング部と反対方向に電気車充電用ケーブルの一対の電力ユニット130a、130bに備えられた導体131a、131bが挿入されて電気的に接続される一対の導体接続部231a、231bとを含んでなることができる。
【0060】
ここで、前記導体接続部231a、231bに電気的に連結される導体131a、131bは電気伝導性に優れた金属、例えばスズ、銅、アルミニウム、またはこれらの合金などからなることができ、好ましくは軟銅線(annealed copper wire)からなることができ、前記導体131a、131bは、複数の素線が一定の集合ピッチで集合された後、このような複数の集合導体がさらに一定のピッチで複合された集複合された構造を有することができる。
【0061】
前記導体131a、131bはこのような集複合構造によって集合または複合を維持するために複数の素線を包むテープが不要なので、電気車充電用ケーブル100及び導体接続部231a、231bの外径増加または柔軟性低下などの問題を解決することができる。
【0062】
前記導体接続部231a、231bは導体131a、131bが長手方向に接続される部分であり、前記導体131a、131bと同様に電気伝導性に優れた銅、アルミニウムまたはその合金の金属材からなることができる。
【0063】
前記導体との電気的接触面積を増加させるために、導体接続部231a、231bは、前記導体131a、131bがバー状に構成される場合、導体の外周面を包む円筒状パイプの構造に構成されることができる。
【0064】
一方、電気車充電の際、前記電気車充電用コネクタ内で電気車充電用ケーブル100の導体131a、131bと導体接続部231a、231bとが接続される領域で発熱が最も激しいことができる。
【0065】
したがって、本発明による電気車充電用コネクタ200は、前記電力端子230の導体接続部231で発生した熱を電気車充電用ケーブルの冷却ユニット140を経由した冷却流体で冷却させる冷却構造を採用することで、電気車充電器から供給される冷却流体を用いて電気車充電用ケーブルとともに電気車充電用コネクタを一緒に冷却させる構造を適用した。
【0066】
本発明による電気車充電用コネクタ200は、その内部に、前記冷却ユニット140を経由した冷却流体を用いて前記電力端子230の導体接続部231で発生した熱を冷却した後、前記回収ユニット150に回収するための冷却チャンバー270を含んでなることができる。
【0067】
電気車充電用コネクタ200を構成する冷却チャンバー270は、電気車充電ケーブルの電力ユニットを構成する導体と接続される電力端子230の導体接続部231を内部に収容する形態に構成されることができる。
【0068】
反復的な実験によって、前記冷却チャンバー270内に供給される冷却流体は電気車充電用ケーブルの電力ユニットの冷却に使用された後にも、導体接続部の発熱を冷却させるのに十分な冷却能力があることを確認した。
【0069】
前記電力端子230のコネクティング部233は前記冷却チャンバー270を貫通して前方に露出されるように装着され、電気車充電ケーブルの電力ユニットを構成する導体と接続された電力端子230の導体接続部231は前記冷却チャンバー270の内部に配置されることにより、冷却チャンバー内を流動して回収される冷却流体によって回収ユニットを速かに冷却させることができる。
【0070】
前記冷却チャンバー内で前記電気車充電ケーブルを構成する冷却ユニットの冷却チューブ143が露出されることにより、冷却流体が冷却チャンバー内を流動した後、回収ユニット150に回収されるように構成することができる。
【0071】
前記回収ユニット150は前記冷却チャンバー270の上部に直角に連結されることができる。前記回収ユニット150から回収されて外部に搬出される冷却流体は再び電気車充電器300(
図1参照)に回収されて再冷却及びポンピングされることができる。
【0072】
図6は
図5に示した電気車充電用アセンブリーの後方から見た正面図を示す。
【0073】
図6に示すように、コネクタハウジング240の後方内側に装着プレート260が装着され、前記装着プレート260に備えられたそれぞれの端子に電気車充電用ケーブルを構成する接地ユニット110及び一対の通信ユニット120a、120bが接続されることができる。
【0074】
そして、一対の電力ユニットが前記冷却チャンバー内に導入されてコネクタの電力端子と接続されることは前述した通りである。
【0075】
また、前述したように、前記冷却チャンバー270は一対の電力端子230の導体接続部231を収容する状態で装着され、冷却流体が冷却流路141に沿って前記冷却チャンバー270の内部に注入されれば、流動の後にまた前記冷却チャンバー270の外部に露出される回収流路151に沿って搬出されることができる。
【0076】
図7は
図5に示した電気車充電用アセンブリーの側断面図を示し、
図8は本発明による電気車充電用アセンブリーにおいて冷却流体の流路を示す斜視図を示す。
【0077】
従来には、冷却チャンバーの内部に冷却流体が流入しても冷却流体が端子または導体などの構成要素と直接接触しながら冷却させるものではなく、前記構成要素の付近に別途の冷却流路を備えてその周辺を冷却させて前記構成要素を間接的に冷却させていたので、冷却性能に限界があった。
【0078】
一方、本発明による電気車充電用アセンブリー1000は、冷却チャンバー270の内部で冷却流体が直接導体と導体接続部231を浸漬させて冷却させるので、冷却効率及び性能が大きく向上することができる。
【0079】
前記冷却流体は電力供給のための導体と直接接触するので絶縁性冷却流体を適用することができるが、冷却流体が必ずしも絶縁性を保有しなければならないものではない。
【0080】
図7に示したように、前記冷却ユニット140の冷却チューブ143はケーブルの長手方向に並んで埋め込まれており、冷却チューブ143の内部に流入する冷却流体を回収ユニット150に伝達するために、ある一地点でケーブルの導体131の外部に露出され、‘L’字形に折り曲げられて冷却チャンバー内に露出されるように構成されることができるが、冷却チューブを構成する冷却チューブが導体の内部で切断されても、導体が素線から構成される場合であれば、導体の外側に流出して冷却チャンバーに収集されることもできる。
【0081】
後者の場合、前記導体接続部231に挿入される導体131の端部内の冷却チューブ143の長さを前記導体131の端部より短くカットする方法を適用することができる。
【0082】
前記回収ユニット150は前記冷却チャンバー270の上面に流路変換バルブ273を介して前記冷却チャンバー270に連結されることができる。
【0083】
したがって、冷却チューブ143の内部に設けられた冷却流路141に沿って並んで流れている冷却流体の一部は冷却チューブ143の‘L’字形の端部145から回収流路151に沿って回収され、残りの冷却流体は前記冷却チャンバー270の内部を乱流として循環及び流動して導体131及び導体接続部231を冷却させることができる。
【0084】
そして、前記導体接続部231に接続される電気車充電用ケーブルの導体131は前記冷却チャンバー270内で脱皮されて露出された状態で電力端子と接続されることができる。
【0085】
図8に示した冷却流体の流路内の流れのように、電気車充電器300(
図1参照)から一対の冷却チューブ143を通して供給される冷却流体は電力ユニットの導体の内部で導体を冷却させた後、冷却チューブの端部145から流出し、流出する冷却流体の一部は冷却チャンバー270の内部で流動しながら導体接続部を冷却し、残りは回収ユニットを通して回収されることができるので、高い冷却性能を確保することができる。
【0086】
本明細書は本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野の当業者は以下で敍述する特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更して実施することができるであろう。したがって、変形実施が基本的に本発明の特許請求範囲の構成要素を含むならばいずれも本発明の技術的範疇に含まれるものと見なさなければならない。