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  • 特許-ブリスク用マシニングセンタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】ブリスク用マシニングセンタ
(51)【国際特許分類】
   B23C 3/00 20060101AFI20231228BHJP
   B23Q 1/50 20060101ALI20231228BHJP
   B23Q 3/157 20060101ALI20231228BHJP
   B23P 15/02 20060101ALI20231228BHJP
   B23C 3/18 20060101ALI20231228BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20231228BHJP
【FI】
B23C3/00
B23Q1/50 Z
B23Q3/157 C
B23P15/02
B23C3/18
B64F5/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022543733
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 CN2020116911
(87)【国際公開番号】W WO2021147359
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】202010075212.1
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517012970
【氏名又は名称】科徳数控股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】KEDE NUMERICAL CONTROL CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No.8 Huanghai Street, Economic and Technological Development Zone, Dalian, Liaoning 116600 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 虎
(72)【発明者】
【氏名】劉 沛
(72)【発明者】
【氏名】王 連煬
(72)【発明者】
【氏名】孫 宏▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲韋▼ 志鴻
(72)【発明者】
【氏名】李 少智
(72)【発明者】
【氏名】湯 洪涛
(72)【発明者】
【氏名】林 猛
(72)【発明者】
【氏名】宋 明山
(72)【発明者】
【氏名】郭 洪震
(72)【発明者】
【氏名】高 禄軍
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-052004(JP,A)
【文献】特開2019-034404(JP,A)
【文献】特表2008-540145(JP,A)
【文献】特開平06-008028(JP,A)
【文献】特開昭62-213913(JP,A)
【文献】特開昭63-318262(JP,A)
【文献】特開2003-170323(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107322376(CN,A)
【文献】中国実用新案第202192309(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107263254(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103143789(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第102014225847(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C 3/00、18
B23Q 1/48、50
B23P 15/02
B23Q 3/157
B64F 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
A軸回転アセンブリと、B軸回転アセンブリと、C軸回転アセンブリと、を含むブリスク用マシニングセンタであって、
前記A軸回転アセンブリはブリスク(8)を駆動して回転運動させ、
前記B軸回転アセンブリはアタッチメントヘッド(6)を駆動して回転運動させ、前記アタッチメントヘッド(6)は工具(7)を駆動して前記ブリスク(8)を加工し、
前記C軸回転アセンブリは前記A軸回転アセンブリを駆動して回転運動させ、
前記B軸回転アセンブリの回転軸線と前記C軸回転アセンブリの回転軸線との交点は前記ブリスク(8)の加工エリアの中心であり、前記工具(7)の刃先点は前記B軸回転アセンブリの回転軸線上にあり、
前記工具(7)の刃先点がB軸ターンテーブル(5)の中心軸線にあり、前記アタッチメントヘッド(6)の中心軸線と前記B軸ターンテーブル(5)の中心軸線とは45°の夾角をなす、ブリスク用マシニングセンタ。
【請求項2】
前記A軸回転アセンブリはブリスク(8)の回転を駆動するA軸ターンテーブル(10)であり、
前記B軸回転アセンブリは、工具(7)を固定するアタッチメントヘッド(6)と、B軸ターンテーブル(5)と、を含み、前記B軸ターンテーブル(5)は前記アタッチメントヘッド(6)を駆動して回転運動させ、
前記C軸回転アセンブリはC軸ターンテーブル(9)であり、
前記A軸ターンテーブル(10)は前記C軸ターンテーブル(9)に取り外し可能に接続され、
前記C軸ターンテーブル(9)の回転軸線は水平面と垂直であり、且つ前記ブリスク(8)の回転軸線と互いに垂直であることを特徴とする、請求項1に記載のマシニングセンタ。
【請求項3】
前記A軸ターンテーブル(10)は前記C軸ターンテーブル(9)の上面に固定され、前記A軸ターンテーブル(10)の中心軸線は前記ブリスク(8)の回転軸線であることを特徴とする、請求項2に記載のマシニングセンタ。
【請求項4】
工具(7)を交換するための工具マガジン(2)をさらに含ことを特徴とする、請求項3に記載のマシニングセンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工作機械加工分野に関し、特にブリスク用マシニングセンタに関する。
【背景技術】
【0002】
航空エンジンに一体型ブリスクを使用することは世界の航空エンジン技術の発展における趨勢であり、航空エンジンにおける一体型ブリスクの応用を拡大するために、まず一体型ブリスクの製造における課題を解決する必要がある。現在中国の航空エンジンが使用する一体型ブリスクの数が少なく、広範に使用できない主な原因は、一体型ブリスクの製造技術の問題が依然として解決されていないことである。航空エンジンの一体型ブリスクの製造における難点はブレードの複雑な成形面や加工精度及び表面品質の高い要件、ブレード加工の非常に高い一致性、ブレード加工の変形及び使用する材料にある。一体型ブリスクのブレード表面は自由曲面であることが多く、またブレードの加工精度、表面粗さに極めて高い要件がある。加工形状の点で、平面や円柱面等の表面を加工する場合そのような加工精度を実現することは比較的容易であるが、自由曲面を加工する場合にそのような加工要件を達成することは困難である。加工の過程で工具の移動空間が制限されるため、ブレードの高い加工精度を実現するのはより困難であり、従って航空エンジンの一体型ブリスクの加工は世界的に課題となっている。従来の工作機械は5軸の加工動作を行う場合、各物理軸の運動速度及び加速度範囲に対する要件が極めて高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記技術的課題を克服するブリスク用マシニングセンタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はA軸回転アセンブリと、B軸回転アセンブリと、C軸回転アセンブリと、を含むブリスク用マシニングセンタであって、
前記A軸回転アセンブリはブリスクを駆動して回転運動させ、
前記B軸回転アセンブリはアタッチメントヘッドを駆動して回転運動させ、前記アタッチメントヘッドは工具を駆動して前記ブリスクを加工し、
前記C軸回転アセンブリは前記A軸回転アセンブリを駆動して回転運動させ、
前記B軸回転アセンブリの回転軸線と前記C軸回転アセンブリの回転軸線との交点は前記ブリスクの加工エリアの中心であり、前記工具の刃先点は前記B軸回転アセンブリの回転軸線上にある、ブリスク用マシニングセンタを提供する。
【0005】
さらに、前記A軸回転アセンブリはブリスクの回転を駆動するA軸ターンテーブルであり、
前記B軸回転アセンブリは、工具を固定するアタッチメントヘッドと、B軸ターンテーブルと、を含み、前記B軸ターンテーブルは前記アタッチメントヘッドを駆動して回転運動させ、
前記C軸回転アセンブリはC軸ターンテーブルであり、
前記A軸ターンテーブルは前記C軸ターンテーブルに取り外し可能に接続され、
前記C軸ターンテーブルの回転軸線は水平面と垂直であり、且つ前記ブリスクの回転軸線と互いに垂直である。
【0006】
さらに、前記A軸ターンテーブルは前記C軸ターンテーブルの上面に固定され、前記A軸ターンテーブルの中心軸線は前記ブリスクの回転軸線である。
【0007】
さらに、工具を交換するための工具マガジンを含み、前記工具マガジンは前記アタッチメントヘッドと同じ側にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明の加工エリアはC軸ターンテーブルの回転中心付近にあり、工作機械が5軸の回転工具中心点(以下RTCPと略する)による加工動作を行う時、各物理軸の運動速度及び加速度が一般的な構造の工作機械に比べて低い範囲内に保持されることを保証でき、且つアタッチメントヘッドの中心軸線とラムの中心軸線が45°の夾角をなし、アタッチメントヘッドの回転によるRTCP動作時に直線軸に大きな速度及び加速度が発生しないことを保証する。
【0009】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は本発明の幾つかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明のブリスク用マシニングセンタの全体構造概略図である。
図2図2は本発明のブリスク用マシニングセンタの全体構造の別角度からの図である。
図3図3は本発明のブリスク用マシニングセンタの平面図である。
図4図4は本発明のブリスク加工方法のフローチャートである。
図5図5は本発明を用いてブレードを加工する時のX軸、Y軸及びZ軸の速度曲線図である。
図6図6は従来技術を用いてブレードを加工する時のX軸、Y軸及びZ軸の速度曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確、完全に説明するが、明らかな点として、説明される実施例は本発明の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく取得した他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0012】
本発明はブリスク用マシニングセンタを提供する。図1は、本発明のブリスク用マシニングセンタの全体構造概略図を示し、ベッド1と、スライドテーブル3と、コラム4と、ラムと、を含み、前記スライドテーブル3と前記ベッド1はガイドレールを介して摺動可能に接続され、前記コラム4と前記スライドテーブル3はガイドレールを介して摺動可能に接続され、前記ラムの一端と前記コラム4はガイドレールを介して摺動可能に接続され、さらにA軸回転アセンブリ、B軸回転アセンブリ及びC軸回転アセンブリを含み、
前記A軸回転アセンブリはブリスク8を駆動して回転運動させ、
前記B軸回転アセンブリはアタッチメントヘッド6を駆動して回転運動させ、前記アタッチメントヘッド6は工具7を駆動して前記ブリスク8を加工し、
前記C軸回転アセンブリは前記A軸回転アセンブリを駆動して回転運動させ、
前記B軸回転アセンブリの回転軸線と前記C軸回転アセンブリの回転軸線との交点は前記ブリスク8の加工エリアの中心であり、前記工具7の刃先点は前記B軸回転アセンブリの回転軸線上にある。
【0013】
さらに、前記A軸回転アセンブリはブリスク8の回転を駆動するA軸ターンテーブル10であり、前記B軸回転アセンブリは、工具7を固定するアタッチメントヘッド6と、B軸ターンテーブル5と、を含み、前記アタッチメントヘッド6は45°アタッチメントヘッドであり、前記45°アタッチメントヘッド6の一端は前記B軸ターンテーブル5の一端に回転可能に接続され、前記工具7は前記45°アタッチメントヘッド6の他端に固定接続され、前記工具7は前記45°アタッチメントヘッド6と同軸であり、前記工具7の中心軸線と前記B軸ターンテーブル5の軸線との夾角は45°であり、前記C軸回転アセンブリは前記A軸ターンテーブル10の回転を駆動するC軸ターンテーブル9であり、前記A軸ターンテーブル10は前記C軸ターンテーブル9に取り外し可能に接続され、動作前に前記A軸ターンテーブル10の位置を調整することができ、前記A軸ターンテーブル10の駆動出力端は前記ブリスク8に接続され、前記C軸ターンテーブル9の回転軸線は水平面に垂直であり、且つ前記ブリスク8の回転軸線と互いに垂直であり、前記工具7は前記ブリスク8を加工し、前記A軸回転アセンブリ及び前記C軸回転アセンブリは前記45°アタッチメントヘッド6の前方に位置する。
【0014】
図2は、本発明のブリスク用マシニングセンタの全体構造の別角度からの図を示し、前記ブリスク用マシニングセンタは、前記45°アタッチメントヘッド6の回転を駆動するB軸ターンテーブル5と、前記ブリスク8の回転を駆動するA軸ターンテーブル10と、前記A軸ターンテーブル10の回転を駆動するC軸ターンテーブル9と、前記C軸ターンテーブル9の回転を駆動する駆動機構11と、を含み、前記C軸ターンテーブル9は円形の形状であり、前記C軸ターンテーブル9は水平面に平行であり、前記C軸ターンテーブル9は前記A軸ターンテーブル10の上面に固定され、前記駆動機構11の駆動出力端は前記C軸ターンテーブル9に接続され、前記A軸ターンテーブル10は前記C軸ターンテーブル9に取り外し可能に接続され、前記A軸ターンテーブル10に駆動モータが内蔵され、駆動モータの出力端はブリスク8に回転可能に接続され、前記駆動機構11に駆動モータが内蔵され、前記C軸ターンテーブル9を駆動してC軸に沿って回転させ、前記C軸ターンテーブル9は前記A軸ターンテーブル10を駆動して同期回転させ、前記A軸ターンテーブル10は前記ブリスク8を駆動してA軸に沿って回転させ、前記C軸ターンテーブル9の回転軸線は水平面に垂直であり、且つ前記ブリスク8の回転軸線と互いに垂直であり、前記工具7は前記ブリスク8の側面エッジを加工する。
【0015】
図3に示すように、前記45°アタッチメントヘッド6はB軸に沿って回転し、前記B軸回転アセンブリの回転軸線と前記C軸回転アセンブリの回転軸線との交点は前記ブリスク8の加工エリアの中心であり、前記工具7の刃先点は前記B軸回転アセンブリの回転軸線上にある。
【0016】
本発明の加工エリアはC軸ターンテーブル9の回転中心付近にあり、工作機械がRTCP加工動作を行う時、各物理軸の運動速度及び加速度が従来の工作機械に比べて低い範囲内に保持されることを保証でき、且つ45°アタッチメントヘッド6の中心軸線とB軸ターンテーブル5の中心軸線との夾角αが45°であり、45°アタッチメントヘッドが回転してRTCP動作を行う時に直線軸に大きな速度及び加速度が発生しないことを保証する。
【0017】
さらに、加工プロセスにおける長期使用による摩耗を受けた工具7を容易に交換するために、工具7を交換するための工具マガジン2をさらに含み、前記工具マガジン2は前記45°アタッチメントヘッド6と同じ側にあり、前記工具マガジン2は、カッターヘッド2-1及びカッターヘッドホルダ2-2を含み、前記カッターヘッド2-1が前記カッターヘッドホルダ2-2に回転可能に接続され、前記カッターヘッド2-1の回転軸は水平面に平行であり、前記工具7は前記カッターヘッド2-1の側面エッジに係止される。ブリスク8を加工した後に、次のブリスク加工を行い、工具マガジン2内の工具を交換することにより、ブリスク8のブレードを加工することができ、前記45°アタッチメントヘッド6はZ軸、Y軸及びX軸に沿って前記カッターヘッド2-1まで交互に移動し、前記カッターヘッド2-1はモータによってその回転を駆動し(カッターヘッド2-1の駆動モータは図示せず)、工具7が固定された孔位置を初期位置に回転させ、前記45°アタッチメントヘッド6は使用済みの工具を前記孔位置に係入し、前記カッターヘッド2-1はその上に固定された工具7を初期位置に回転させ、前記45°アタッチメントヘッド6は前記工具を把持し、且つ次のブリスクを加工する。
【0018】
さらに、図4に示すように、上記マシニングセンタに基づく加工方法をさらに含み、以下のステップを含む。
【0019】
S1では、前記45°アタッチメントヘッドは、B軸に沿って回転し、前記工具を駆動して同期回転させ、且つ前記ブリスクの側面エッジを加工する。
【0020】
S2では、前記C軸ターンテーブル9は前記A軸ターンテーブル10及び前記ブリスク8を駆動してC軸に沿って回転させ、前記工具7は、ブレード8-1の加工が完了するまで前記ブリスク8を別の角度で加工する。
【0021】
S3では、前記A軸ターンテーブル10は前記ブリスク8を駆動してA軸に沿って回転させ、前記工具7は、前記ブリスク8の側面エッジ上の複数のブレードの加工が完了するまで、前記ブリスク8の側面エッジ上の他の点に対してブレードを加工する。
【0022】
S4では、ブレードの加工が完了した後、前記45°アタッチメントヘッド6は前記工具7を駆動してZ軸に沿って前記工具マガジン2に移動させ、前記工具7を交換する。
【0023】
本発明を適用して加工されるブリスクの直径は約1mであり、ブレードの長さは約200mmであり、本発明において、一体型ブリスクを加工するために、C軸ターンテーブル9のC軸及び45°アタッチメントヘッド6のB軸を使用して5軸のRTCP加工動作を行い、C軸ターンテーブル9のC軸は分離駆動軸であり、連動加工動作に関与しない。
【0024】
本発明は以下の利点を有する。
【0025】
1).前記ブリスク8と前記C軸ターンテーブル9の相対的な位置は、加工エリアがC軸ターンテーブル9の回転中心付近にあることを保証するように設定され、それにより工作機械が5軸のRTCP加工動作を行う時、各物理軸の運動速度及び加速度が一般的な構造の工作機械に比べて低い範囲内に保持されることを保証する。
【0026】
2).45°アタッチメントヘッド6の中心軸線とB軸ターンテーブル5の中心軸線とは45°の夾角をなし、前記工具7の刃先点は前記B軸ターンテーブル5の中心軸線にあり、45°アタッチメントヘッドの回転によるRTCP動作時に、直線軸に大きな速度及び加速度が発生しないことを保証する。
【0027】
3).加工プロセスにおいて、大きな体積の主軸がX軸、Y軸及びZ軸に沿って移動することを避ける。
【0028】
従って、本発明は従来の工作機械に比べて、長い工具を使用する場合に工具と45°アタッチメントヘッドの回転中心との距離をできるだけ近づけることができ、それによりRTCP動作の直線軸に対する速度及び加速度の要件を低下させる。
【0029】
要約すると、本発明は一体型ブリスクの加工において顕著な優位性を有し、特にブレードの前エッジ及び後エッジにおける回転軸の運動が大きい位置に対して、優位性がより顕著である。シミュレーション試験の結果として、図5は、本発明を用いてブレードを加工する時のX軸、Y軸及びZ軸の速度曲線図を示し、図6は従来技術を用いてブレードを加工する時のX軸、Y軸及びZ軸の速度曲線図であり、本発明において従来の工作機械で同一の加工プログラムを実行し、X軸、Y軸及びZ軸の速度を比較したが、図5及び図6の曲線の比較から分かるように、本発明を用いてブレードを加工する場合、各物理軸の運動速度及び加速度は従来の工作機械に比べて低い範囲内に保持される。
【0030】
最後に説明すべきことは、以上の各実施例は本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。前記各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は以下のことを理解すべきである。それは依然として前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はそのうち一部又は全部の技術的特徴を等価置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6