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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】半導体構造の処理方法及び形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20231228BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20231228BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H01L21/302 105B
H01L21/304 647Z
H01L21/304 651Z
H01L21/306 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022545348
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 CN2021095589
(87)【国際公開番号】W WO2022001487
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】202010633744.2
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】シー ニン
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-118026(JP,A)
【文献】特開2016-063141(JP,A)
【文献】特開平02-077125(JP,A)
【文献】国際公開第2015/098812(WO,A1)
【文献】特開2017-168785(JP,A)
【文献】特開2004-172573(JP,A)
【文献】特表2003-503845(JP,A)
【文献】特開2019-046939(JP,A)
【文献】特開2010-114414(JP,A)
【文献】特開2015-144249(JP,A)
【文献】特開2016-154209(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0183522(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/304
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造の処理方法であって、
半導体基板を提供することであって、前記半導体基板上には、特徴部分が設けられており、前記特徴部分の頂部には、マスク層が設けられていることと、
半導体構造に対して灰化処理を実行することであって、前記半導体構造は、前記半導体基板、前記特徴部分及び前記マスク層を備えることと、
前記マスク層を除去することと、
前記半導体構造に対して洗浄処理を実行し、前記特徴部分に対して洗浄処理を実行した後、前記特徴部分の表面に酸化物層を形成することと、
前記半導体構造に対して乾燥処理を実行することと、
酸化物層を除去することと、を含み、
前記半導体構造に対して乾燥処理を実行した後、前記酸化物層を除去する前に、前記半導体構造の処理方法は、
前記酸化物層に対して補償処理を実行することを更に含み、
前記乾燥処理の過程では、少なくとも隣接する1つのグループの特徴部分において、一方の特徴部分は、それに隣接する他方の特徴部分に向かって傾斜し、前記乾燥処理を行った後、傾斜した特徴部分とそれに隣接する特徴部分との間の距離は、前記乾燥処理を行う前のそれらの間の距離より小さいことを特徴とする、前記半導体構造の処理方法。
【請求項2】
前記半導体構造に対して灰化処理を実行することは、
無酸素の第1混合ガスを使用して前記半導体構造に対して灰化処理を実行することを含むことを特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項3】
前記第1混合ガスは、少なくとも水素及び窒素を含むことを特徴とする、
請求項2に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項4】
前記半導体構造に対して灰化処理を実行することは、
酸素を含む第2混合ガスを使用して前記半導体構造に対して灰化処理を実行することを含むことを特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項5】
前記第2混合ガスは、少なくとも水素、窒素及び酸素を含むことを特徴とする、
請求項4に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項6】
前記洗浄処理は、NHOH、H及びHOの混合液を使用し、NHOH、H及びHOの体積比は、NHOH:H:HO=1:1~4:20~100であることを特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項7】
前記半導体構造に対して乾燥処理を実行することは、
第1温度のイソプロパノールを使用して前記特徴部分の表面を乾燥させることと、
前記特徴部分の表面を乾燥させながら、第2温度の脱イオン水を使用して前記半導体基板の底部を乾燥させることと、を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項8】
前記第1温度の温度範囲は、60℃~80℃であり、前記第2温度の温度範囲は、60℃~80℃であることを特徴とする、
請求項7に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項9】
前記酸化物層に対して補償処理を実行することは、
第3混合ガスを使用して、前記酸化物層に対して補償処理を実行することであって、前記第3混合ガスは、少なくとも水素、窒素及び酸素を含むこと、又は、
混合プラズマを使用して、前記酸化物層に対して補償処理を実行することであって、前記混合プラズマは少なくとも、水素、窒素及び酸素のプラズマを含むこと、を含むことを
特徴とする、
請求項に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項10】
前記酸化物層を除去することは、
前記酸化物層に化学ガスを供給し、第3温度で前記酸化物層と化学反応することと、
前記化学反応が行われた後、第4温度で前記酸化物層に対して熱処理を実行し、同時に前記酸化物層にキャリアガスを供給して、蒸発により酸化物層を除去することと、を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項11】
前記第3温度の温度範囲は、30℃~150℃であり、前記第4温度の温度範囲は、100℃~200℃であることを特徴とする、
請求項10に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項12】
前記化学ガスによる、前記マスク層前記特徴部分とのエッチング選択比は500:1を超えることを特徴とする、
請求項10に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項13】
前記化学ガスは、少なくともアンモニア及びフッ化水素を含み、前記キャリアガスは、少なくとも窒素又はアルゴンを含むことを特徴とする、
請求項12に記載の半導体構造の処理方法。
【請求項14】
前記半導体基板上に設けられた前記特徴部分のアスペクト比は5~10であることを特徴とする、
請求項1に記載の半導体構造の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本願は、2020年7月2日に中国特許局に提出された、発明の名称が「半導体構造の処理方法及び形成方法」であり、出願番号が202010633744.2である中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照として本願に援用される。
【0002】
本願は、半導体分野に関し、半導体構造の処理方法及び形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体製造プロセスでは、通常、材料の堆積、平坦化、特徴のパターニング、エッチング、洗浄などの複数の処理工程が必要とされる。集積回路の要素のサイズの継続的な縮小に伴い、製造工程はますます複雑になり、高アスペクト比(HAR:high aspect ratio)構造がますます重要になっている。要素のサイズの縮小により、特徴部分の深度は変わらないか、深くなるとともに幅が小さくなり、その結果、特徴部分のアスペクト比が大きくなる。高アスペクト比(HAR)構造の生産工程では、横曲げ、頂部限界寸法(CD:Critical Dimension)及び底部CDの変化、ネッキング、傾斜及びパターンの歪みなどの問題が発生しやすくなる。如何にHAR構造の品質を向上させて、HAR構造の傾斜を防ぐかは、解決すべき緊急の課題となっている。
【発明の概要】
【0004】
本願実施例は、高アスペクト比構造の傾斜の問題を効果的に解決し、プロセスが簡単で低コストの半導体構造の処理方法及び形成方法を提供する。
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本願実施例は半導体構造の処理方法を提供し、前記方法は、半導体基板を提供することであって、半導体基板上には、特徴部分が設けられており、特徴部分の頂部には、マスク層が設けられていことと、半導体構造に対して灰化処理を実行することであって、半導体構造は、半導体基板、特徴部分及びマスク層を備えることと、マスク層を除去することと、半導体構造に対して洗浄処理を実行し、特徴部分に対して洗浄処理を実行した後、特徴部分の表面に酸化物層を形成することと、半導体構造に対して乾燥処理を実行することと、酸化物層を除去することと、を含み、ここで、乾燥処理過程では、少なくとも隣接する1つのグループ特徴部分において、一方の特徴部分は、それに隣接する他方の特徴部分に向かって傾斜し、乾燥処理を行った後、傾斜した特徴部分とそれに隣接する特徴部分との間の距離は、乾燥処理を行う前のそれらの間の距離より小さい。
【0006】
特徴部分は高アスペクト比構造であり、特徴部分の傾斜は高アスペクト比構造の傾斜であり、特徴部分が垂直状態にあるとき、高アスペクト比構造の傾斜は回避され得る。関連技術では、エッチングにより特徴部分を形成した後の灰化処理及び洗浄処理の実行中に、特徴部分の頂部のマスク層が除去され、特徴部分は毛管力により傾斜する。関連技術と比較すると、本発明は、洗浄処理前に、特徴部分の頂部のマスク層を除去し、洗浄処理中に、形成された酸化物層をエッチングせず、特徴部分は毛管力により傾斜するが、酸化物層が除去された後、特徴部分は初期状態に戻るため、高アスペクト比構造を洗浄するときに発生する高アスペクト比構造の傾斜の問題が効果的に解決され、工程プロセスが簡単でコストが低い。
【0007】
更に、半導体構造に対して灰化処理を実行することは、無酸素の第1混合ガスを使用して半導体構造に対して灰化処理を実行することを含む。更に、第1混合ガスは、少なくとも水素及び窒素を含む。無酸素の第1混合ガスを使用して灰化処理を実行することで、灰化処理中の半導体構造の表面の酸化を回避する。
【0008】
更に、半導体構造に対して灰化処理を実行することは、酸素を含む第2混合ガスを使用して特徴部分の表面に対して灰化処理を実行することを含む。更に、第2混合ガスは、少なくとも水素、窒素及び酸素を含む。酸素を含む第2混合ガスを使用して灰化処理を実行することで、灰化処理工程時間を短縮し、これにより、半導体製造プロセスの製造プロセス効率を向上させる。
【0009】
更に、洗浄処理はNHOH、H及びHOの混合液を使用し、NHOH、H及びH2Oの体積比は、NHOH:H:HO=1:1~4:20~100である。
【0010】
更に、半導体構造に対して乾燥処理を実行した後、酸化物層を除去する前に、前記方法は、酸化物層に対して補償処理を実行することを更に含む。酸化物層に対して補償処理を実行した後、特徴部分の酸化により形成される酸化物層の厚さが増加し、これにより、後続に酸化物層が除去された後、特徴部分が元の状態に復元するのを確保するか、又は特徴部分が元の状態に復元する速度を加速させることができる。
【0011】
更に、酸化物層に対して補償処理を実行することは、第3混合ガスを使用して、酸化物層に対して補償処理を実行することを含み、第3混合ガスは、少なくとも水素、窒素及び酸素を含む。
【0012】
更に、酸化物層に対して補償処理を実行することは、混合プラズマを使用して、酸化物層に対して補償処理を実行することを含み、混合プラズマは少なくとも、水素、窒素及び酸素のプラズマを含む。
【0013】
更に、半導体構造に対して乾燥処理を実行することは、第1温度のイソプロパノールを使用して特徴部分の表面を乾燥させることと、特徴部分の表面を乾燥させながら、第2温度の脱イオン水を使用して半導体基板の底部を乾燥させることと、を含む。具体的には、半導体基板がウェーハであることを例にとると、このプロセスでは、乾燥中に高温の脱イオン水をウェーハの背面に供給すると同時に、加熱したイソプロパノールをウェーハの前面に供給する。その理由は、ウェーハの背面が加熱されない場合、ウェーハの表面に到達するイソプロパノールの温度が低下するからであり、ウェーハの背面に提供される高温の脱イオン水によりウェーハの温度を制御することで、ウェーハの中心とエッジの温度が異なるのを防ぐことができる。このようにして、イソプロパノールの乾燥効果を更に向上させ、ウェーハをよりよく乾燥させることができる。
【0014】
更に、第1温度の温度範囲は60℃~80℃であり、第2温度の温度範囲は60℃~80℃である。
【0015】
更に、マスク層を除去することは、マスク層に化学ガスを供給し、第3温度でマスク層と化学反応することと、化学反応が行われた後、第4温度でマスク層に対して熱処理を実行し、同時にマスク層にキャリアガスを供給して、蒸発によりマスク層を除去することと、を含む。
【0016】
更に、第3温度の温度範囲は30℃~150℃であり、第4温度の温度範囲は100℃~200℃である。
【0017】
更に、化学ガスと、マスク層特徴部分とのエッチング選択比は、500:1を超える。
【0018】
更に、化学ガスは、少なくともアンモニア及びフッ化水素を含み、キャリアガスは、少なくとも窒素又はアルゴンを含む。
【0019】
更に、半導体基板に設けられた特徴部分のアスペクト比は10である。
【0020】
本願実施例は、半導体構造の形成方法を更に提供し、前記半導体構造の形成方法は、半導体基板及び半導体基板上に配置されたマスク層を提供することと、マスク層をマスクとして、半導体基板をエッチングして個別の特徴部分を形成することと、半導体構造に対して灰化処理を実行することであって、半導体構造は、半導体基板、特徴部分及びマスク層を備えることと、マスク層を除去することと、半導体構造に対して洗浄処理及び乾燥処理を順次に実行することと、酸化物層を除去することと、を含む。
【0021】
当該方法は、崩壊のない高アスペクト比構造を形成することができ、高アスペクト比構造の傾斜の問題を効果的に解決し、工程プロセスが簡単でコストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本願の1つの実施例に係る、半導体構造の処理方法の各ステップに対応する断面構造の概略図である。
図2】本願の1つの実施例に係る、半導体構造の処理方法の各ステップに対応する断面構造の概略図である。
図3】本願の1つの実施例に係る、半導体構造の処理方法の各ステップに対応する断面構造の概略図である。
図4】本願の1つの実施例に係る、半導体構造の処理方法の各ステップに対応する断面構造の概略図である。
図5】本願の1つの実施例に係る、半導体構造の処理方法の各ステップに対応する断面構造の概略図である。
図6】本願の1つの実施例に係る、半導体構造の処理方法の各ステップに対応する断面構造の概略図である。
図7】本願の1つの実施例に係る半導体構造の処理方法における特徴部分の傾斜の原理図である。
図8】本願の1つの実施例に係る化学方法のエッチング処理のプロセスの概略図である。
図9】本願の1つの実施例に係る化学方法のエッチング処理のプロセスの概略図である
【発明を実施するための形態】
【0023】
毛管力による高アスペクト比(HAR)構造の傾斜は深刻な問題であり、半導体の欠陥につながる可能性がある。半導体の集積度の向上に伴い、高アスペクト比構造がより一般的に使用されている。高アスペクト比構造は、5:1、10:1又は20:1を超えるアスペクト比を有する特徴部分であり得る。高アスペクト比構造、特にアスペクト比が10を超える高アスペクト比構造の半導体製造プロセスでは、洗浄及び乾燥処理中、HAR構造は毛管力により傾斜又は崩壊される可能性があり、アスペクト比が高いほど、傾斜度が大きくなる。
【0024】
しかしながら、出願人は、HAR構造の傾斜を低減するための方法が開発され適用されていることを発見した。例えば、ウェーハの洗浄中、超臨界二酸化炭素を使用して乾燥処理を実行するが、この工程は非常に費用がかかり、多くの場合、精確な制御が必要であり、乾燥処理に必要なイソプロパノールの重量を精確に計量する必要があり、臨界点に到達するために超臨界二酸化炭素を高圧化する必要がある。
【0025】
したがって、高アスペクト比構造を洗浄する際の高アスペクト比構造の傾斜の問題を低減するために、低コストで簡単な処理方法が緊急に必要とされている。
【0026】
上記の問題を解決するために、本願実施例は半導体構造の処理方法を提供し、前記方法は、半導体基板を提供することであって、半導体基板上には、特徴部分が設けられており、特徴部分の頂部には、マスク層が設けられていることと、半導体構造に対して灰化処理を実行することであって、半導体構造は、半導体基板、特徴部分及びマスク層を備えることと、マスク層を除去することと、半導体構造に対して洗浄処理を実行し、特徴部分に対して洗浄処理を実行した後、特徴部分の表面に酸化物層を形成することと、半導体構造に対して乾燥処理を実行することと、酸化物層を除去することと、を含み、ここで、乾燥処理過程では、少なくとも隣接する1つのグループの特徴部分において、一方の特徴部分は、それに隣接する他方の特徴部分に向かって傾斜し、乾燥処理を行った後、傾斜した特徴部分と隣接する特徴部分との間の距離は、乾燥処理を行う前のそれらの間の距離より小さい。
【0027】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下は、図面を参照して、本願の各実施例について詳細に説明する。しかしながら、当業者なら理解できるように、本願の各実施例において、読者に本願をよりよく理解させるための多くの技術的詳細が開示されているが、本願で請求される技術的解決策は、これらの技術的詳細や、以下の各実施例に基づく種々の変更及び修正なしにも実現することができる。以下の各実施例の区分は、説明の便宜のためであり、本願の特定の実施形態を限定するものとして解釈されるべきではない。各実施例は、矛盾することなく互いに組み合わせて引用することができる。
【0028】
図1図6は、本願実施例に係る、半導体構造の処理方法の各ステップに対応する断面構造の概略図であり、以下、この実施例の半導体構造の処理方法について具体的に説明する。
【0029】
図1及び図2を参照すると、半導体基板111を提供し、半導体基板上には、特徴部分112が設けられており、特徴部分112の頂部の表面にマスク層200がある。
【0030】
具体的には、図1を参照すると、マスク層200が基板101上に形成されており、マスク層200に基づいて基板101をエッチングして、図2に示される半導体基板111及び個別の特徴部分112を形成し、特徴部分112はマスク層200を備えている。この実施例では、半導体基板111は、ケイ素又はゲルマニウム等の材料で形成され、マスク層200は、二酸化ケイ素で形成され、他の実施例では、マスク層200は、他の絶縁材料(例えば、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素など)で形成されてもよい。更に、この実施例で提供される特徴部分112は、後続でアクティブ領域を形成するために使用され、特徴部分112の傾斜は、形成されるアクティブ領域の傾斜をもたらし、すなわち、垂直状態の特徴部分112は、アクティブ領域の傾斜を回避することができる。更に、本発明は、他の領域を実現するために使用されてもよい。
【0031】
図2を参照すると、特徴部分112の高さはHであり、個別の特徴部分112間の間隙はSであり、特徴部分112のアスペクト比H/Sは比較的大きい。この実施例では、特徴部分112のアスペクト比H/Sは10であり、他の実施例では、所定のアスペクト比は、5、8、12、15等であってもよく、実際の必要に応じてそれを設定してもよい。更に、特徴部分のアスペクト比H/Sは、所定のアスペクト比よりも大きく設定してもよく、所定のアスペクト比は、5、8、10、12、15等であってもよい。特徴部分112のアスペクト比が大きい半導体製造プロセスでは、特徴部分112の傾斜の欠陥が発生しやすい。当業者なら自明であるが、実施例における特徴部分112のアスペクト比の限定は、特徴部分112が後続の乾燥工程で傾斜することを確実にするためであり、アスペクト比の限定により後続の特徴部分112の傾斜をもたらす全ての技術案は、本願の保護範囲に含まれるべきである。
【0032】
半導体構造に対して灰化処理を実行し、半導体構造は、半導体基板111、特徴部分112及びマスク層200を備える。灰化処理は、エッチング後の残留のエッチングガス又はエッチング液体を灰化するために使用され、これにより、残留のエッチングガス又はエッチング液体が半導体基板111及び特徴部分112をエッチングし続けるのを防ぐことができる。
【0033】
具体的には、この実施例では、2つの灰化処理方式を提供し、具体的には、以下の通りである。
【0034】
無酸素灰化処理:無酸素の第1混合ガスを使用して、半導体基板111、特徴部分112及びマスク層200に対して灰化処理を実行し、第1混合ガスは、少なくとも水素及び窒素を含み、これによって、エッチング後に表面に残留している腐食性ガス及び高分子材料を除去する。無酸素灰化処理の場合、混合ガスに酸素が含まれていないため、半導体基板111及び特徴部分112の表面に損傷(特徴部分112及び半導体基板111の表面が酸化されず、例えば、ケイ素が酸化されない)を与えない。したがって、この実施例では、無酸素灰化処理を使用して灰化処理を実行し、更に、水素を使用して特徴部分及び半導体基板111の表面に残留している腐食性ガスや高分子材料を効果的に除去する。
【0035】
有酸素灰化処理:酸素を含む第2混合ガスを使用して、半導体基板111、特徴部分112及びマスク層200に対して灰化処理を実行し、第2混合ガスは、少なくとも水素、窒素及び酸素を含む。有酸素灰化処理の場合、混合ガスに酸素が含まれているため、灰化効率がより高く、エッチング後に表面に残留している腐食性ガスや高分子材料をより迅速に除去することができる。他の実施例では、有酸素灰化処理を使用して灰化処理を実行してもよい。
【0036】
図3を参照すると、マスク層200を除去する。
【0037】
図4を参照すると、半導体構造に対して洗浄処理を実行し、半導体構造は、半導体基板111、特徴部分112及びマスク層200を備え、マスク層200が既に除去されているため、半導体基板111及び特徴部分112に対して洗浄処理を実行する。
【0038】
洗浄処理は、特徴部分112の表面の欠陥を修復するために使用され、欠陥は、すなわち、エッチングにより特徴部分112を形成する過程で、一部の側壁が過度にエッチングされることによって形成されるくぼみ、又は一部の側壁が不完全にエッチングされることによって形成される突起であり、これにより、特徴部分112の表面が不均一になり、洗浄処理後、特徴部分112の表面が酸化されて酸化物層120を形成する。
【0039】
具体的には、洗浄処理は、NHOH、H及びHOの混合液(すなわち、SC-1混合液)を使用し、NHOH、H及びHOの比率(体積比)は、NHOH:H:HO=1:1~4:20~100である。
【0040】
洗浄処理で使用される混合液体は強い酸化性を有するため、洗浄処理中、一部の特徴部分112の表面に酸化物層120が形成される。
【0041】
留意すべきこととして、一部の半導体基板111も洗浄中に酸化される可能性があり、酸化された半導体基板111は本願の進歩性に関するものではないため、酸化された半導体基板111は図面に明示的に示されていない。当業者なら自明であるが、洗浄処理中に、一部の半導体基板111も酸化されて酸化物層120を形成する。
【0042】
図5を参照すると、洗浄処理後、半導体構造に対して乾燥処理を実行し、半導体構造は、半導体基板111、特徴部分112及びマスク層200を備え、マスク層200が既に除去されているため、半導体基板111、特徴部分112及び酸化物層120(図4を参照)に対して乾燥処理を実行する。
【0043】
乾燥処理は、第1温度のイソプロパノール(IPA)を使用して一部の特徴部分112の表面を乾燥させることと、一部の特徴部分112の表面を乾燥させながら、第2温度の脱イオン水を使用して基板111の底部を乾燥させることと、を含む。
【0044】
半導体基板がウェーハであることを例にとると、このプロセスでは、乾燥中に高温の脱イオン水をウェーハの背面に供給すると同時に、加熱したイソプロパノールをウェーハの前面に供給する。その理由は、ウェーハの背面が加熱されない場合、ウェーハの表面に到達するイソプロパノールの温度が低下するからであり、ウェーハの背面に提供される高温の脱イオン水によりウェーハの温度を制御することで、ウェーハの中心とエッジの温度が異なるのを防ぐことができる。このようにして、イソプロパノールの乾燥効果を更に向上させ、ウェーハをよりよく乾燥させることができる。
【0045】
ここで、第1温度の温度範囲は60℃~80℃であり、第2温度の温度範囲は60℃~80℃である。この実施例では、第1温度又は第2温度は、65℃、70℃又は75℃にしてもよい。
【0046】
乾燥処理過程では、少なくとも隣接する1つのグループの特徴部分112において、一方の特徴部分112は、それに隣接する他方の特徴部分112に向かって傾斜し、乾燥処理を行った後、傾斜した特徴部分112と隣接する特徴部分112との間の距離は、乾燥処理を行う前のそれらの間の距離より小さい。この実施例では、傾斜した一部の特徴部分112の表面の酸化物層120が互いに接着されていることを例として説明する。
【0047】
具体的には、乾燥処理プロセスにおいて、化学試薬の毛管力は、乾燥中に残りの特徴部分の傾斜を引き起こすのに充分な力を生成することができ、その原理については図7を参照されたい。図に示すように、2つの個別の突起部分(突起部分は、特徴部分及び特徴部分の表面の酸化物層を含み、突起部分は、上端が狭く下端が広い構造、又は上端と下端の幅が等しい構造、又は上端が広く下端が狭い構造を有することができ、この実施例の図面に示されている、上端と下端の幅が等しい突起部分は例示的なものに過ぎず、実際にエッチングされた突起部分の底部の幅は頂部の幅より広い)には幅差があるため、突起部分の頂部の表面張力は接線γ方向に沿っており、γ方向と垂直方向の夾角はθであり、突起部分の両側に作用する毛管力は、F=2γHDt・cosθ/Sを満たし、ここで、H、D、Sはそれぞれ突起部分の高さ、長さ及び突起部分間の距離であり、tは、毛管力Fの作用時間である。
【0048】
上記の記載から分かるように、他の条件(γ、D、t、cosθ及びS)が一定である場合、毛管力Fは、突起部分の高さHに正比例し、つまり、突起部分上の位置が高いほど、受ける毛管力Fは大きくなり、これに対応して、傾斜度も大きくなる。この場合、突起部分の頂端の特徴部分112の傾斜度が最大となり、傾斜した特徴部分112の表面の酸化物層が接着して接着酸化物層130を形成し、特徴部分112の底部も傾斜しているが、特徴部分112の底部の傾斜度は特徴部分112の頂部よりはるかに小さい。
【0049】
この実施例では、酸化物層を除去する前に、前記方法は、酸化物層120に対して補償処理を実行することを更に含む。酸化物層120に対して補償処理を実行した後、特徴部分112の酸化により形成される酸化物層120の厚さが増加し、つまり、一部の特徴部分112は補償酸化されて酸化物層120を形成し、酸化物層120の厚さが水平方向に増大すると同時に、特徴部分112の幅は狭くなり、これにより、後続に酸化物層120が除去された後、特徴部分112が元の状態に復元するのを確保するか、又は特徴部分112が元の状態に復元する速度を加速させることができる。
【0050】
具体的には、この実施例は、2つの補償処理の具体的な方法を提供する。
【0051】
方法1:第3混合ガスを使用して、酸化物層120に対して補償処理を実行し、第3混合ガスは、少なくとも水素、窒素及び酸素を含む。
【0052】
方法1の補償処理方法を使用すると、上部の特徴部分112と下部の特徴部分112の酸化度は同じである。
【0053】
方法2:混合プラズマを使用して、酸化物層120に対して補償処理を実行し、混合プラズマは少なくとも、水素、窒素及び酸素のプラズマを含む。具体的には、ICPプラズマ(誘導結合プラズマ)を使用して酸化物層120を形成することで、特徴部分112を酸化する目的を達成し、アスペクト比が高く、特徴部分112の直径が大きいため、高温高圧下でプラズマが短時間で降下する距離が制限され、これにより、深さが異なると酸化度が異なるという結果を得る。方法2の補償処理方法を使用すると、上部の特徴部分112と下部の特徴部分112の酸化度は一貫しておらず、上から下への特徴部分112の酸化度はますます小さくなり、つまり、この場合、酸化物層120の高さが高いほど、酸化物層120の厚さは厚くなる。
【0054】
この実施例では、方法2の補償処理方法を使用して酸化物層120を補償し、特徴部分112の頂部の酸化により形成される酸化物層120の厚みを増し、これにより、後続に酸化物層120が除去された後、特徴部分112が元の状態に復元するのを確保するか、又は特徴部分112が元の状態に復元する速度を加速させることができ、特徴部分112の底部の表面の酸化物層120の厚さは大きく変化せず、特徴部分120の不必要な損失を回避することができる。
【0055】
図5及び図6を参照すると、乾燥処理後、傾斜した特徴部分112の表面の酸化物層を除去する。
【0056】
この実施例では、乾燥処理後、傾斜した特徴部分112の表面の酸化物層は接着されて接着酸化物層130(図5を参照)を形成し、接着酸化物層130が除去されると、接着酸化物層130の接着力が消失し、傾斜した特徴部分112に毛管力が加えられないので、傾斜した特徴部分112は元の状態(すなわち、垂直状態)に徐々に復元する。
【0057】
具体的には、化学的方法により、傾斜した特徴部分112の表面の酸化物層を除去し、化学的方法に使用される化学ガスによる、酸化物層及び傾斜した特徴部分112とのエッチング選択比は500:1を超える。エッチング選択比が高い化学ガスを使用することで、エッチングにより酸化物層を除去する過程で、傾斜した特徴部分112がエッチングされるのを可能な限り防ぐことができる。
【0058】
具体的には、図8及び図9を参照すると、傾斜した特徴部分112の表面の酸化物層を除去するために採用される化学的方法は、以下の操作を含む。
【0059】
半導体構造400全体を反応室300に配置する。ここで、反応室300は少なくとも、2つのガス入口(第1ガス入口301及び第2ガス入口302)、2つのガス出口(第1ガス出口303及び第2ガス出口304)、及び半導体構造400全体を支持するための支持プラットフォーム305を含む。
【0060】
反応室300に化学ガスを導入し、化学ガスは少なくとも、アンモニア及びフッ化水素を含む。この実施例では、化学ガスは、アルゴンを更に含む。
【0061】
具体的には、図8を参照すると、先ず、第1ガス入口301を通して反応室300にアンモニアを導入し、第2ガス入口302を通して反応室300にフッ化水素を導入する。
【0062】
この場合、支持プラットフォーム305上の半導体構造400全体は、以下のように反応する。
【0063】
SiO+4HF+4NH->SiF+2HO+4NH (1)
SiF+2HF+2NH->(NH)2SiF (2)
ここで、反応(1)では、フッ化水素は、反応ガスとして、半導体構造400全体の酸化物層と反応してSiFを形成し、アンモニアは反応を加速するための触媒として使用される。反応(2)では、アンモニアとフッ化水素は反応ガスとして同時に使用され、最初の反応で形成されたSiFと反応し続け、揮発性の(NH)2SiF固体を形成する。一方、上記の反応では、アルゴンをキャリアガスとして導入してもよく、アルゴンは、フッ化水素ガスがガス入口パイプライン(この実施例では、具体的には、第2ガス入口302である)で凝縮するのを防ぐことができ、フッ化水素ガスを半導体構造400全体に運ばれて反応させるために使用される。
【0064】
上記の反応が起こったとき、反応室内の半導体構造400全体が第3温度にあることを確保する必要があり、半導体構造400全体の温度の変化は、支持プラットフォーム305によって実現される。ここで、第3温度の温度範囲は30℃~150℃であり、具体的には、50℃、70℃、90℃110℃又は130℃にしてもよく、この実施例では、第3温度は35℃である。
【0065】
化学反応後、第4温度で酸化物層に対して熱処理を実行し、同時に酸化物層にキャリアガスを供給して、蒸発により、反応で形成された(NH)2SiF固体を除去する。図9を参照すると、支持プラットフォーム305により半導体構造400全体を加熱することで、半導体構造400全体の温度が第4温度になるようにする。ここで、第4温度の温度範囲は100℃~200℃であり、具体的には、110℃、130℃、150℃、170℃又は190℃にしてもよく、この実施例では、第4温度は150℃である。酸化物層に対して熱処理を実行することで(NH)2SiF固体の揮発を加速し、窒素は、キャリアガスとして第1ガス入口301と第2ガス入口302に同時に導入され、揮発した(NH)2SiF固体をガス出口(第1ガス出口303及び第2ガス出口304)に運び、これにより、傾斜した特徴部分112の表面の酸化物層のエッチングが完了する。
【0066】
特徴部分は高アスペクト比構造であり、特徴部分の傾斜は高アスペクト比構造の傾斜であり、特徴部分が垂直状態にあるとき、高アスペクト比構造の傾斜は回避され得る。関連技術では、エッチングにより特徴部分を形成した後の灰化処理及び洗浄処理の実行中に、特徴部分の頂部のマスク層が除去され、毛管力により特徴部分が傾斜する。関連技術と比較すると、本発明は、洗浄処理前に、特徴部分の頂部のマスク層を除去し、洗浄処理中に、形成された酸化物層をエッチングせず、特徴部分は毛管力により傾斜するが、酸化物層が除去された後、特徴部分は初期状態に戻るため、高アスペクト比構造を洗浄するときに発生する高アスペクト比構造の傾斜の問題が効果的に解決され、工程プロセスが簡単でコストが低い。
【0067】
以上の各ステップの分割は、単に説明を明確にするためのものに過ぎず、実施中に、1つのステップに結合したり、又はいくつかのステップを複数のステップに分割したりすることができ、同じ論理関係が含まれている限り、本願の保護範囲に含まれる。プロセスに重要でない変更を加えること、又はプロセスのコア設計を変更せずに重要でない設計を導入することは、本願の保護範囲に含まれる。
【0068】
本願の別の実施例は、半導体構造の形成方法を提供し、前記半導体構造の形成方法は、半導体基板及び半導体基板に配置されるマスク層を提供することと、マスク層をマスクとして、半導体基板をエッチングして個別の特徴部分を形成することと、半導体構造に対して灰化処理を実行することであって、半導体構造は、半導体基板、特徴部分及びマスク層を備えることと、マスク層を除去することと、半導体構造に対して洗浄処理及び乾燥処理を順次に実行することと、酸化物層を除去することと、を含む。
【0069】
以下は、図面を参照して、この実施例に係る半導体構造の形成方法について具体的に説明する。
【0070】
図1及び図2を参照すると、半導体基板111を提供し、半導体基板111の頂部の表面にマスク層200があり、マスク層200をマスクとして、半導体基板111をエッチングして個別の特徴部分112を形成する。
【0071】
具体的には、図1を参照すると、マスク層200が基板101上に形成されており、マスク層200に基づいて基板101をエッチングして、図2に示される半導体基板111及び個別の特徴部分112を形成し、特徴部分112はマスク層200を備えている。この実施例では、半導体基板111は、ケイ素又はゲルマニウム等の材料で形成され、マスク層200は、二酸化ケイ素で形成され、他の実施例では、マスク層200は、他の絶縁材料(例えば、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素など)で形成されてもよい。更に、この実施例で提供される特徴部分112は、後続でアクティブ領域を形成するために使用され、特徴部分112の傾斜は、形成されるアクティブ領域の傾斜をもたらし、すなわち、垂直状態の特徴部分112は、アクティブ領域の傾斜を回避することができる。更に、本発明は、他の領域を実現するために使用されてもよい。
【0072】
図2を参照すると、特徴部分112の高さはHであり、個別の特徴部分112間の間隙はSであり、特徴部分112のアスペクト比H/Sは比較的大きい。この実施例では、特徴部分112のアスペクト比H/Sは10であり、他の実施例では、所定のアスペクト比は、5、8、12、15等であってもよく、実際の必要に応じてそれを設定してもよい。更に、特徴部分のアスペクト比H/Sは、所定のアスペクト比よりも大きく設定してもよく、所定のアスペクト比は、5、8、10、12、15等であってもよい。特徴部分112のアスペクト比が大きい半導体製造プロセスでは、特徴部分112の傾斜の欠陥が発生しやすい。当業者なら自明であるが、実施例における特徴部分112のアスペクト比の限定は、特徴部分112が後続の乾燥工程で傾斜することを確実にするためであり、アスペクト比の限定により後続の特徴部分112の傾斜をもたらす全ての技術案は、本願の保護範囲に含まれるべきである。
【0073】
半導体構造に対して灰化処理を実行し、半導体構造は、半導体基板111、特徴部分112及びマスク層200を備える。灰化処理は、エッチング後の残留のエッチングガス又はエッチング液体を灰化するために使用され、これにより、残留のエッチングガス又はエッチング液体が半導体基板111及び特徴部分112をエッチングし続けるのを防ぐことができる。
【0074】
図3を参照すると、エッチングすることによりマスク層200を除去する。
【0075】
図4を参照すると、半導体構造に対して洗浄処理を実行し、半導体構造は、半導体基板111、特徴部分112及びマスク層200を備え、マスク層200が既に除去されているため、半導体基板111及び特徴部分112に対して洗浄処理を実行する。
【0076】
洗浄処理は、特徴部分112の表面の欠陥を修復するために使用され、欠陥は、すなわち、エッチングにより特徴部分112を形成する過程で、一部の側壁が過度にエッチングされることによって形成されるくぼみ、又は一部の側壁が不完全にエッチングされることによって形成される突起であり、これにより、特徴部分112の表面が不均一になり、洗浄処理後、特徴部分112の表面が酸化されて酸化物層120を形成する。
【0077】
図5を参照すると、洗浄処理後、半導体構造に対して乾燥処理を実行し、半導体構造は、半導体基板111、特徴部分112及びマスク層200を備え、マスク層200が既に除去されているため、半導体基板111、特徴部分112に対して乾燥処理を実行する。
【0078】
図5及び図6を参照すると、傾斜した特徴部分112の表面の酸化物層を除去する。
【0079】
この実施例では、乾燥処理後、傾斜した特徴部分112の表面の酸化物層は接着されて接着酸化物層130(図5を参照)を形成し、接着酸化物層130が除去されると、接着酸化物層130の接着力が消失し、傾斜した特徴部分112に毛管力が加えられないので、傾斜した特徴部分112は元の状態(すなわち、垂直状態)に徐々に復元する。
【0080】
この実施例は、前述した実施例に対応しているので、この実施例は、前述した実施例と連携して実施することができる。前述した実施例で述べた関連する技術的詳細は、この実施例でも有効であり、前述した実施例で得られる技術的効果は、この実施例でも得られることができ、繰り返しを減らすために、ここでは詳細に説明しない。これに対応して、この実施例で述べた関連する技術的詳細は、前述した実施例にも適用することができる。
【0081】
以上の各ステップの分割は、単に説明を明確にするためのものに過ぎず、実施中に、1つのステップに結合したり、又はいくつかのステップを複数のステップに分割したりすることができ、同じ論理関係が含まれている限り、本願の保護範囲に含まれる。プロセスに重要でない変更を加えること、又はプロセスのコア設計を変更せずに重要でない設計を導入することは、本願の保護範囲に含まれる。
【0082】
当業者なら理解できるように、上記の各実施例は、本願を実現するための特定の実施例であり、実際の応用では、本願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その形式と詳細に種々な変更を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9