IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ PayPay株式会社の特許一覧

特許7411848情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図7
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図8
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図9
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図10
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図11
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図12
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図13
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図14
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図15
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図16
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図17
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図18
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図19
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図20
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-27
(45)【発行日】2024-01-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20231228BHJP
   G06Q 20/22 20120101ALI20231228BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q20/22
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023119309
(22)【出願日】2023-07-21
【審査請求日】2023-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 国松
(72)【発明者】
【氏名】梅野 晃
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼原 啓太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 麻奈未
(72)【発明者】
【氏名】千葉 由規
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大石 祥行
(72)【発明者】
【氏名】奥田 航
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-157183(JP,A)
【文献】特開2023-050668(JP,A)
【文献】特開2020-008960(JP,A)
【文献】特開2021-043761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得する決済情報取得部と、
前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記決済サービスに加盟する店舗での決済に使用可能な特典を付与する特典付与部と、を備え、
前記特典付与部は、前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与し、
前記決済サービスにおける前記複数の決済手段は、第1決済サービスにおける第1決済手段と、第2決済サービスにおける第2決済手段とを含み、
前記特典付与部は、前記第1決済サービスにおける店舗の識別情報である第1店舗識別情報と、前記第2決済サービスにおける前記店舗の識別情報である第2店舗識別情報との対応関係を表すマッピング情報を参照することによって、前記決済情報に含まれる前記第2店舗識別情報に対応する前記第1店舗識別情報を特定し、前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、特定した前記第1店舗識別情報について前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当するか否かを判定する、
情報処理装置。
【請求項2】
加盟店が運営する複数の店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得する決済情報取得部と、
前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記複数の店舗での決済に使用可能な特典を付与する特典付与部と、を備え、
前記特典付与部は、前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与し、
前記決済サービスにおける前記複数の決済手段は、第1決済サービスにおける第1決済手段と、第2決済サービスにおける第2決済手段とを含み、
前記特典付与部は、前記第1決済サービス上で前記加盟店によって提供され、前記第1決済手段又は前記第2決済手段が指定されたクーポンを、前記利用者が事前に獲得済みであるか否かを判定し、前記利用者が前記クーポンを事前に獲得済みであると判定され、かつ前記利用者が前記複数の店舗のうちのいずれかの店舗での決済に用いた決済手段が、前記第1決済手段又は前記第2決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与する、
情報処理装置。
【請求項3】
店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得する決済情報取得部と、
前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記決済サービスに加盟する店舗での決済に使用可能な特典を付与する特典付与部と、を備え、
前記特典付与部は、前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与し、
前記特定の決済手段が指定されたクーポンを前記利用者が事前に獲得済みであるかを示す情報を参照して、前記利用者が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段以外の決済手段を用いて前記決済の実行を試みていると判定した場合、前記端末装置の利用者に、前記特定の決済手段に関する通知情報を表示させる特典通知部を更に備える、
情報処理装置。
【請求項4】
前記第1決済手段は、前記端末装置に搭載された決済アプリを用いた電子決済であり、前記第2決済手段は、前記利用者が保持するクレジットカードを用いたクレジットカード決済である
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1決済手段は、前記端末装置に搭載された決済アプリを用いた電子決済であり、前記第2決済手段は、前記決済アプリの提供元とは異なる電子決済サービスを用いた電子決済である
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特典付与部は、前記第2決済手段の決済情報を取得し、前記決済情報に基づいて、前記第2決済手段が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得し、
前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記決済サービスに加盟する店舗での決済に使用可能な特典を付与し、
前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与し、
前記決済サービスにおける前記複数の決済手段は、第1決済サービスにおける第1決済手段と、第2決済サービスにおける第2決済手段とを含み、
前記第1決済サービスにおける店舗の識別情報である第1店舗識別情報と、前記第2決済サービスにおける前記店舗の識別情報である第2店舗識別情報との対応関係を表すマッピング情報を参照することによって、前記決済情報に含まれる前記第2店舗識別情報に対応する前記第1店舗識別情報を特定し、前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、特定した前記第1店舗識別情報について前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当するか否かを判定する、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得させ、
前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記決済サービスに加盟する店舗での決済に使用可能な特典を付与させ、
前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与させ、
前記決済サービスにおける前記複数の決済手段は、第1決済サービスにおける第1決済手段と、第2決済サービスにおける第2決済手段とを含み、
前記第1決済サービスにおける店舗の識別情報である第1店舗識別情報と、前記第2決済サービスにおける前記店舗の識別情報である第2店舗識別情報との対応関係を表すマッピング情報を参照することによって、前記決済情報に含まれる前記第2店舗識別情報に対応する前記第1店舗識別情報を特定し、前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、特定した前記第1店舗識別情報について前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当するか否かを判定させる、
プログラム。
【請求項9】
コンピュータが、
加盟店が運営する複数の店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得し、
前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記複数の店舗での決済に使用可能な特典を付与し、
前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与し、
前記決済サービスにおける前記複数の決済手段は、第1決済サービスにおける第1決済手段と、第2決済サービスにおける第2決済手段とを含み、
前記第1決済サービス上で前記加盟店によって提供され、前記第1決済手段又は前記第2決済手段が指定されたクーポンを、前記利用者が事前に獲得済みであるか否かを判定し、前記利用者が前記クーポンを事前に獲得済みであると判定され、かつ前記利用者が前記複数の店舗のうちのいずれかの店舗での決済に用いた決済手段が、前記第1決済手段又は前記第2決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与する、
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
加盟店が運営する複数の店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得させ、
前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記複数の店舗での決済に使用可能な特典を付与させ、
前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与させ、
前記決済サービスにおける前記複数の決済手段は、第1決済サービスにおける第1決済手段と、第2決済サービスにおける第2決済手段とを含み、
前記第1決済サービス上で前記加盟店によって提供され、前記第1決済手段又は前記第2決済手段が指定されたクーポンを、前記利用者が事前に獲得済みであるか否かを判定させ、前記利用者が前記クーポンを事前に獲得済みであると判定され、かつ前記利用者が前記複数の店舗のうちのいずれかの店舗での決済に用いた決済手段が、前記第1決済手段又は前記第2決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与させる、
プログラム。
【請求項11】
コンピュータが、
店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得し、
前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記決済サービスに加盟する店舗での決済に使用可能な特典を付与し、
前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与し、
前記特定の決済手段が指定されたクーポンを前記利用者が事前に獲得済みであるかを示す情報を参照して、前記利用者が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段以外の決済手段を用いて前記決済の実行を試みていると判定した場合、前記端末装置の利用者に、前記特定の決済手段に関する通知情報を表示させる、
情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得させ、
前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記決済サービスに加盟する店舗での決済に使用可能な特典を付与させ、
前記複数の決済手段のうちの前記利用者が前記店舗での決済に用いた決済手段が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与させ、
前記特定の決済手段が指定されたクーポンを前記利用者が事前に獲得済みであるかを示す情報を参照して、前記利用者が、前記特典が付与される対象となる特定の決済手段以外の決済手段を用いて前記決済の実行を試みていると判定した場合、前記端末装置の利用者に、前記特定の決済手段に関する通知情報を表示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子決済サービスを利用した利用者の端末装置に特典を付与する技術が知られている。例えば、特許文献1には、利用者によるSNSサービスの利用に応じた金額に相当するクーポンを、当該利用者の端末装置に送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-169977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、電子決済サービスによって提供される複数の決済手段のうち、個々の決済手段を考慮した特典を提供するものではなかった。その結果、電子決済サービスによって提供される特典のバリエーションが狭く、利用者にとっての利便性が低い場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、個々の決済手段を考慮した特典を提供することにより特典のバリエーションを増やし、利用者にとっての利便性を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得する決済情報取得部と、前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記決済サービスに加盟する店舗において使用可能な特典を付与する特典付与部と、を備え、前記特典付与部は、前記利用者による前記複数の決済手段のいずれかを用いた決済が、前記各特典について指定された特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与する、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、個々の決済手段を考慮した特典を提供することにより特典のバリエーションを増やし、利用者にとっての利便性を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
図4】第1実施形態に係るクレジットカード決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。
図5】第1実施形態に係る電子決済サーバ100の構成図である。
図6】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
図7】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
図8】決済アプリ20のトップ画面IMの一例を示す図である。
図9】利用者端末装置10によるクーポンの利用方法の一例を示す図である。
図10】ID対応情報178の内容の一例を示す図である。
図11】クーポン情報180の内容の一例を示す図である。
図12】第1実施形態において、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行されるクーポンの適用処理の流れを説明するための図である。
図13】決済アプリ20によって通知される通知情報の一例を示す図である。
図14】第1実施形態において、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行される電子決済サーバ100の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15】第2実施形態に係る決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図16】第2実施形態において、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行されるクーポンの適用処理の流れを説明するための図である。
図17】第2実施形態において、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行される電子決済サーバ100Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図18】第3実施形態に係る決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図19】第3実施形態に係るID対応情報178の内容の一例を示す図である。
図20】第3実施形態において、利用者の決済手段が第2電子決済サービスである場合に実行されるクーポンの適用処理の流れを説明するための図である。
図21】第3実施形態において、利用者の決済手段が第2電子決済である場合に実行される電子決済サーバ100Bの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの制御方法の実施形態について説明する。アプリケーションプログラムと電子決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。さらに、以下の説明では、電子決済サービスと外部決済サービス(クレジットカード決済サービスなど)とを合わせて「決済サービス」と称する。
【0010】
[第1実施形態]
[決済サービス]
図1は、第1実施形態に係る決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。決済サービスは、電子決済サーバ100およびクレジット決済サーバ200を中心として実現される。電子決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、及びクレジット決済サーバ200のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。さらに、クレジット決済サーバ200は、一以上の第3店舗端末装置80とネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、電子決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、電子決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0014】
電子決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が電子決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0015】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0016】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、電子決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を電子決済サーバ100に送信する(S2)。電子決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、電子決済サーバ100に送信する(S6)。電子決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、電子決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて電子決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0017】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を電子決済サーバ100に送信する(S11)。電子決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、電子決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。電子決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、電子決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0018】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、電子決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0019】
第3店舗端末装置80は、例えば、クレジットカードの加盟店に設けられたクレジットカード決済端末である。ここで、クレジットカードとは、例えば、プラスチック製などの物理カードにクレジット決済機能が実装されたものであってもよいし、スマートフォンなどの端末装置にデジタルカードとしてクレジット決済機能が実装されたものであってもよい。第3店舗端末装置80は、クレジットカードに記録されたカード情報(例えば、クレジットカード番号などのカード識別情報)を読み取るカード情報読取部、テンキーなどの操作入力部、及び液晶ディスプレイ等の表示部を備えている。カード情報読取部は、例えば、加盟店の店員が、カード情報読取部の磁気ヘッドにクレジットカードを接触してスライドさせることで、カード情報を読み取ることができる。他の構成として、カード情報読取部は、クレジットカードに内蔵されるICチップから非接触でカード情報を読み取る読取部として構成することもできる。加盟店の店員が操作入力部を操作して決済金額を入力し、カード情報読取部がカード情報を読み取り、利用者が操作入力部を操作して暗証番号を入力して確定ボタンを押下することにより、クレジットカード決済が実行される。さらに他の構成として、第2店舗端末装置70は、NFC(near field communication)機能を有し、利用者が保有するクレジットカードとの非接触決済を実行することにより、第3店舗端末装置80として機能してもよい。第3店舗端末装置80は、読み取ったカード情報、クレジットカード決済が実行された決済店舗を識別するID情報(以下、「クレジット決済店舗ID」と称する場合がある)、および入力された決済金額を少なくとも含むクレジット決済情報をクレジット決済サーバ200に送信する。
【0020】
クレジット決済サーバ200は、第3店舗端末装置80から受信したクレジット決済情報に基づいてクレジットカード決済を実現する。クレジット決済サーバ200は、一般的なクレジットカード決済の流れにおけるアクワイアラ(Acquirer)として機能し、クレジットカードを発行した後続のイシュア(issuer)やブランド(brand)と協調してクレジットカード決済を実行する。クレジット決済サーバ200は、クレジットカード決済を実行すると、第3店舗端末装置80に決済完了通知を送信するとともに、クレジット決済情報を電子決済サーバ100に送信する。このように、第1実施形態では、クレジットカード決済を処理するクレジット決済サーバ200と、電子決済を処理する電子決済サーバ100とが別体の構成要素として設けられる。クレジット決済サーバ200は、電子決済サーバ100を運営する電子決済サービスと同一の組織体によって運営されるものであっても良いし、異なる組織体によって運営されるものであっても良い。
【0021】
図4は、第1実施形態に係るクレジットカード決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。図4に示すクレジットカード決済の場合、まず、第3店舗端末装置80は、操作入力部を介して決済金額の入力を受け付けるとともに、カード情報読取部を介して利用者のクレジットカードを読み取る(S21)。次に、第3店舗端末装置80は、クレジットカード番号と、クレジット決済店舗IDと、決済金額とを少なくとも含むクレジット決済情報をクレジット決済サーバ200に送信する(S22)。次に、クレジット決済サーバ200は、クレジット決済情報を受け付けると、アクワイアラの後続のイシュア(issuer)やブランド(brand)と協調してクレジットカード決済を実行する(S23)。次に、クレジット決済サーバ200は、クレジットカード決済の決済完了通知を第3店舗端末装置80に送信する(S24)。同時に、クレジット決済サーバ200は、クレジット決済情報を電子決済サーバ100に送信する(S25)。電子決済サーバ100は、受信したクレジット決済情報に基づいて、後述するクーポン適用処理を実行する(S26)。なお、図4のシーケンス図において、S24の処理と、S25およびS26の処理の実行順序は逆であってもよいし、同時であってもよい。
【0022】
[電子決済サーバ]
図5は、第1実施形態に係る電子決済サーバ100の構成図である。電子決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0023】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、電子決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、ID対応情報178、クーポン情報180などの情報が格納される。
【0024】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0025】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを電子決済サーバ100に送信する。
【0026】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0027】
図6は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済手段設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、フォロー加盟店、獲得クーポン、保有ポイントなどの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、電子決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0028】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済手段設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済手段など)を、決済ごとに示す情報である。フォロー加盟店、獲得クーポン、保有ポイントの詳細については後述する。
【0029】
図7は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0030】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0031】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済手段設定」を取得する。決済処理部130は、「決済手段設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0032】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0033】
[トップ画面]
図8は、決済アプリ20のトップ画面IMの一例を示す図である。トップ画面IMには、コード画像CDが表示される。コード画像CDは、例えばバーコードとQRコードを含む。また、コード画像CDと共に、チャージ残高による電子決済を行うか、後払いによる電子決済を行うかを示すテキスト(図では「残高で支払う」)が表示される。このテキストは、切替スイッチSWが操作される度に決済アプリ20が更新する情報に基づいて決済アプリ20が描画する。また、トップ画面IMは、切替スイッチSWを含む操作領域CAと、遷移ボタンTBとを含む。これについては後述する。なお、「スイッチ」、「ボタン」とはタッチパネルと協働して実現されるGUI(Graphical User Interface)である。切替スイッチSWは、チャージ残高による電子決済を行うか、後払いによる電子決済を行うかを切り替える操作を受け付けるものである。切替スイッチSWは、デフォルトではチャージ残高による電子決済を行う設定になっており、利用者によって操作される度に、チャージ残高による電子決済を行う設定と、後払いによる電子決済を行う設定との間で設定が切り替わる。図では「後払い」と説明表示がされているが、これは後払いによる電子決済を行う設定になっていることを意味する。操作領域CAには、スキャン(ユーザスキャンの開始)を指示するボタンやチャージを指示するボタンなど、電子決済における主要な操作を指示するボタンが設けられている。遷移ボタンTBが操作されると、電子決済に用いられるコード画像と利用可能額を表示する支払い画面に遷移する。
【0034】
[クーポンの利用]
図9は、利用者端末装置10によるクーポンの利用方法の一例を示す図である。図9の左部の画面は、例えば、利用者が、利用者端末装置10の決済アプリ20を介して、電子決済サービスの加盟店の専用ページにアクセスすることによって利用者端末装置10に表示される画面を表す。当該画面は、例えば、利用者が図7のトップ画面IMにおいて、クーポンCPを表す領域をクリックし、クーポンを提供する店舗を検索した場合に表示されるものである。
【0035】
加盟店専用ページは、例えば、加盟店の店舗の概要情報が表示される領域A1、加盟店をフォローするためのボタンB1、加盟店の店舗の詳細情報がタブによって切り替え可能に表示される領域A2等を含む。利用者がフォローボタンB1を押下すると、決済アプリ20は、フォローボタンB1が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報(例えば、アカウントID)と合わせて電子決済サーバ100に送信し、情報管理部140は、利用者情報172の「フォロー加盟店」に当該加盟店の識別情報(例えば、加盟店ID)を格納する。これにより、例えば、加盟店が加盟店専用ページの内容をアップデートする度に、電子決済サーバ100は、加盟店専用ページの内容をアップデートされたことを示す通知を、決済アプリ20を介して利用者に通知する。
【0036】
図8において、例えば、ユーザが領域A2に含まれる一つのタブである「クーポン」をタップした場合、現時点においてユーザが当該店舗での電子決済に使用可能なクーポンが表示される。ユーザが、例えば、加盟店をフォローし、かつクーポンを獲得するためのボタンB2を押下すると、決済アプリ20は、獲得ボタンB2が押下されたことを示す情報を利用者の識別情報(例えば、アカウントID)と合わせて電子決済サーバ100に送信し、情報管理部140は、利用者が獲得したクーポンの識別情報を利用者情報172の「獲得クーポン」に記憶する。
【0037】
利用者がクーポンを獲得した後、利用者端末装置10が電子決済を実行すると、決済処理部130は、当該電子決済が、利用者が獲得しているクーポンの利用条件に一致しているか否かを判定し、クーポンの利用条件に一致していると判定された場合、利用者にクーポン内容に応じた特典を付与する。例えば、図9の場合、決済処理部130は、利用者の決済手段が後払い決済か又はクレジットカード決済に該当するか、および決済金額が300円以上であるか否かを判定し、利用条件が満たされていると判定された場合に、当該決済金額の5%に相当するポイントを付与する。例えば、利用者が、図8に示す設定(すなわち、後払いによる電子決済を行う設定)において、決済金額が300円以上の電子決済を行った場合、決済処理部130は、当該決済がクーポンの利用条件を満たしていると判定し、当該決済金額の5%に相当するポイントを付与する。利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合の判定方法については後述する。
【0038】
その後、決済アプリ20は、決済完了画面として、決済店舗を表示する領域A3と、決済金額を表示する領域A4と、付与された特典を表示する領域A5とを合わせて表示する。図8の右部は、一例として、利用者が5%オフのクーポンを獲得したことに応じて、500円の決済に対して25円のポイントが付与された場合を表している。この場合、情報管理部140は、25円分のポイントを利用者情報172の「保有ポイント」に記憶し、決済処理部130は、利用者の次回の電子決済において、決済金額から保有ポイントを優先的に減算し、その残額をチャージ残高又は後払い利用可能額から減算する。なお、他の態様として、クーポンは、決済に利用可能なポイントして加算されることなく、当日の決済金額からそのまま金額が減算されるものであってもよい。
【0039】
図10は、ID対応情報178の内容の一例を示す図である。ID対応情報178は、例えば、クレジット決済店舗ID、加盟店ID、および店舗IDなどの情報が対応付けられたものである。クレジット決済店舗IDは、クレジットカード決済が実行された店舗を識別するID情報であり、クレジット決済店舗IDは、クレジットカードのアクワイアラ、イシュア、又はブランドのいずれかによって、各店舗に事前に付与されているものである。すなわち、ID対応情報178は、クレジットカード決済が実行されたクレジット決済店舗(クレジット決済店舗ID)に対応する、電子決済サービスに加盟する加盟店(加盟店ID)の店舗(店舗ID)を紐づけるものである。これにより、例えば、図4のシーケンス図のS26において、電子決済サーバ100がクレジット決済店舗IDを受信した場合、受信したクレジット決済店舗IDをキーとして、ID対応情報178を参照することにより、電子決済サービスに加盟する加盟店の店舗を識別することができる。ID対応情報178は、特許請求の範囲における「マッピング情報」の一例である。
【0040】
図11は、クーポン情報180の内容の一例を示す図である。クーポン情報180は、例えば、クーポンID、加盟店ID、店舗ID、対象支払い手段、特典内容、利用条件、有効期限などの情報が対応付けられたものである。対象支払い手段は、クーポンIDに対応するクーポンの適用対象となる支払い手段を特定する情報である。例えば、対象支払い手段が、「後払い、クレジットカード」に指定されている場合、加盟店IDによって特定される加盟店の、店舗IDによって特定される店舗において後払い決済またはクレジットカード決済が実行されたときにのみ、当該クーポンが適用されることとなる。特典内容は、クーポンIDに対応するクーポンによって提供される特典の内容を示す情報である。例えば、図11の場合、クーポンID「0001」および「0002」によって示されるクーポンは、同一の店舗が発行しているものの、対象支払い手段が「後払い、クレジットカード」である場合には5%還元を行う一方、対象支払い手段が「残高払い」である場合には5%還元を行うことが示されている。
【0041】
利用条件は、クーポンIDに対応するクーポンを利用可能とするための条件を示す情報である。図11では、利用条件の一例として、決済金額に関する条件を表しているが、性別、年齢、時間帯、商品など任意の利用条件が設定されてもよい。有効期限は、クーポンIDに対応するクーポンの利用期限を示す情報である。これに加えて、または代替的に、クーポン情報180は、図9に示す加盟店の専用ページからクーポンを獲得するための獲得期限を記憶してもよい。これら対象支払い手段、特典内容、利用条件、有効期限などの条件は、電子決済サービスの各加盟店の運営者が、例えば、第2店舗端末装置70の加盟店向けインターフェース72を介して設定することができる。
【0042】
なお、クーポン情報180のうち、対象支払い手段、特典内容、利用条件、有効期限などの条件の少なくとも一部は、電子決済サービスの運営者(電子決済サーバ100)が設定してもよい。例えば、電子決済サーバ100は、クーポン情報180のうち、対象支払い手段が「後払い決済」及び「クレジットカード決済」の少なくとも一方のみを各加盟店が選択可能なように、加盟店向けインターフェース72上で制限を行ってもよい。また、例えば、電子決済サーバ100は、電子決済サービスの各加盟店の運営者が、第2店舗端末装置70の加盟店向けインターフェース72上で対象支払い手段として「チャージ残高」を選択した場合、特典内容に係る特典の原資を一部、電子決済サービスの運営者が負担することを引き換えに、対象支払い手段を「後払い決済」及び「クレジットカード決済」の少なくとも一方のみに限定するよう、加盟店向けインターフェース72上で提案情報を表示させてもよい。これにより、個々の決済手段を考慮した特典を提供することにより特典のバリエーションを増やすことができる。
【0043】
さらに、図11のクーポン情報180では、一例として、加盟店IDと店舗IDの組み合わせに対して、一つのクーポンが設定されているが、加盟店の複数店舗において利用可能なクーポンが発行されている場合、クーポン情報180の「店舗ID」には複数個のID情報が記憶されてもよい。また、例えば、加盟店の全店舗において利用可能なクーポンが発行されている場合、クーポン情報180の「店舗ID」には、当該クーポンが加盟店の全店舗において利用可能であることを表す識別子(例えば、ハイフンなど)が記憶されてもよい。
【0044】
図12は、第1実施形態において、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行されるクーポンの適用処理の流れを説明するための図である。まず、利用者は、利用者端末装置10の決済アプリ20を介して、電子決済サービスの加盟店の専用ページにアクセスし、クーポンを獲得する。このとき、電子決済サーバ100は、利用者が獲得したクーポンのクーポンIDを利用者情報172の「獲得クーポン」に記憶する。次に、利用者は、店舗を訪問し、支払い手段として第3店舗端末装置80を介したクレジットカード決済を実行する。第3店舗端末装置80は、クレジットカード番号、クレジット決済店舗ID、および決済金額を少なくとも含むクレジット決済要求をクレジット決済サーバ200に送信する。
【0045】
クレジット決済サーバ200は、クレジット決済要求を受け付けると、アクワイアラの後続のイシュアやブランドと協調してクレジットカード決済を実行する。次に、クレジット決済サーバ200は、クレジットカード番号、クレジット決済店舗ID、および決済金額を少なくとも含むクレジット決済情報を電子決済サーバ100に送信する。電子決済サーバ100の決済処理部130は、受信したクレジット決済情報に基づいて、クーポン適用処理を実行する。
【0046】
より具体的には、決済処理部130は、クレジット決済情報に含まれるクレジットカード番号をキーとして、利用者情報172を参照して、クレジットカード決済を実行した利用者(アカウントID)を特定する。さらに、決済処理部130は、クレジット決済情報に含まれるクレジット決済店舗IDをキーとして、ID対応情報178を参照して、クレジットカード決済が実行された加盟店IDおよび店舗IDを特定する。次に、決済処理部130は、特定された加盟店IDおよび店舗IDをキーとして、クーポン情報180を参照して、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行されているか否かを判定する。次に、決済処理部130は、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行されている場合、利用者が実行したクレジットカード決済が当該クーポンの適用条件を満たしているか否かを判定する。より具体的には、決済処理部130は、当該クーポンの「対象支払い手段」にクレジットカード決済が含まれているか否かを判定するとともに、クレジット決済情報に含まれる決済金額などに基づいて、当該クレジットカード決済がクーポンの「利用条件」を満たしているか否かを判定する。利用者が実行したクレジットカード決済が当該クーポンの適用条件を満たしていると判定された場合、決済処理部130は、クーポンの「特典内容」に応じた特典を利用者に付与する。すなわち、決済処理部130は、特許請求の範囲における「特典付与部」として機能する。
【0047】
利用者の決済手段がクレジットカード決済ではない場合、換言すると、利用者の決済手段が後払い、残高払い、ポイント払いのいずれかである場合、電子決済サーバ100は、クレジット決済サーバ200と通信することなく、クーポン情報180を参照して、支払い手段に応じた特典を当該利用者に付与することができる。より具体的には、利用者が決済アプリ20を利用して、これら決済手段のうちのいずれかを選択して電子決済を実行すると、決済アプリ20は、選択された決済手段を示す情報を電子決済サーバ100に送信する。決済処理部130は、選択された決済手段を示す情報を受信すると、クーポン情報180を参照して、当該利用者が、選択された決済手段を「対象支払い手段」に含むクーポンを獲得済みであり、かつ実行された電子決済が「利用条件」を満たしているか否かを判定する。利用者が、選択された決済手段を「対象支払い手段」に含むクーポンを獲得済みであり、かつ実行された電子決済が「利用条件」を満たしていると判定された場合、決済処理部130は、当該利用者にクーポンの「特典内容」に応じた特典を利用者に付与する。
【0048】
このように、第1実施形態によると、利用者が、電子決済サービスとクレジットカードの双方の利用者であり、事前に電子決済サービスの決済アプリ20を介してクーポンを獲得している状況において、当該クーポンの対象支払い手段にクレジットカード決済が含まれている場合、利用者はクレジットカード決済によって当該クーポンの特典を受けることができる。これにより、例えば、電子決済サービスとクレジットカード決済サービスの双方に加盟する加盟店のある店舗においてクレジットカード決済のみが受付可能である場合に、利用者が特典を受けることができなかった従来技術に比して、第1実施形態では、当該利用者はクレジットカード決済を行うことによりクーポンの特典を受けることができる。すなわち、第1実施形態によると、個々の決済手段を考慮した特典を提供することにより特典のバリエーションを増やし、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0049】
なお、クーポンに対して、対象支払い手段や利用条件に関する制限が増えると、利用者は、クーポンを利用するための条件を失念し、有効利用できない場合がある。そのため、決済アプリ20は、電子決済サーバ100と協調して、利用者端末装置10に、利用者にとってクーポンを有効利用するための通知情報を表示させてもよい。
【0050】
図13は、決済アプリ20によって通知される通知情報の一例を示す図である。図13は、一例として、利用者が、加盟店のある店舗において、図2に示すユーザスキャンを実行する場面を表している。このとき、利用者は、当該店舗においてクレジットカード決済のみに使えるクーポンを獲得済みであるものと仮定する。決済アプリ20は、まず、店舗コード画像60を読み取ると、読み取った店舗コード画像60をデコードして店舗URLを取得し、取得した店舗URLと利用者のアカウントIDとを合わせて電子決済サーバ100に送信する。電子決済サーバ100が店舗URLおよびアカウントIDを受信すると、決済処理部130は、受信したアカウントIDに紐づく利用者を特定するとともに、受信した店舗URLに紐づく店舗を特定する。決済処理部130は、次に、特定された店舗が提供しているクーポンのうち、特定された利用者によって設定された現在の決済手段以外の決済手段に対するクーポンが存在するか否かを判定する。
【0051】
例えば、利用者が決済手段として、チャージ残高を設定している一方、店舗が、後払い決済またはクレジットカード決済を対象支払い手段とするクーポンを提供している場合、決済処理部130は、利用者によって設定された現在の決済手段以外の決済手段に対するクーポンが存在すると判定する。チャージ残高を対象支払い手段とするクーポンと、後払い決済またはクレジットカード決済を対象支払い手段とするクーポンとが併存している場合、決済処理部130は、これら異なるクーポンの還元率を比較し、利用者によって設定された現在の決済手段以外の決済手段に対するクーポンの還元率がより高いか否かを判定してもよい。
【0052】
利用者によって設定された現在の決済手段以外の決済手段に対するクーポンが存在する(または、より還元率が高いクーポンが存在する)と判定された場合、決済処理部130は、決済アプリ20に、現在の決済手段以外の決済手段に対するクーポンが発行されている(または、より還元率が高いクーポンが発行されている)旨を示す通知情報を表示させる。すなわち、決済処理部130は、特許請求の範囲における「特典通知部」として機能する。例えば、図13の場合、決済アプリ20は、利用者端末装置10の所定領域A6に、クレジットカード決済のみに使えるクーポンが発行されている旨を表す通知情報を表示させる。これにより、利用者は、決済手段を変更することにより、お得なクーポンが利用可能となることを認識することができる。利用者が図13に示すボタンB3を押下すると、決済アプリ20は、図9の左部に示した、当該クーポンを獲得するための専用ページに遷移してもよい。
【0053】
[処理の流れ]
次に、図14を参照して、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行される電子決済サーバ100の処理について説明する。図14は、第1実施形態において、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行される電子決済サーバ100の処理の流れの一例を示すフローチャートである。図14に示すフローチャートの処理は、例えば、利用者が、クレジットカード決済と電子決済サービスの双方に加盟する加盟店の店舗でクレジットカード決済を実行した際に、実行されるものである。
【0054】
まず、電子決済サーバ100は、クレジット決済サーバ200から、クレジットカード番号、クレジット決済店舗ID、および決済金額を少なくとも含むクレジット決済情報を取得する(ステップS100)。次に、電子決済サーバ100は、クレジット決済情報に含まれるクレジットカード番号をキーとして利用者情報172を参照して、利用者を特定する(ステップS102)。次に、電子決済サーバ100は、クレジット決済情報に含まれるクレジット決済店舗IDをキーとしてID対応情報178を参照して、加盟店IDおよび店舗IDを特定する(ステップS104)。次に、電子決済サーバ100は、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行され、かつ利用者が当該クーポンを獲得済みであるか否かを判定する(ステップS106)。
【0055】
加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行されていないか、または利用者が当該クーポンを獲得済みではない場合、電子決済サーバ100は、処理を終了する。一方、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行され、かつ利用者が当該クーポンを獲得済みであると判定された場合、電子決済サーバ100は、利用者によるクレジットカード決済が、当該クーポンの支払い対象手段および利用条件を満たしているか否かを判定する(ステップS108)。利用者によるクレジットカード決済が、当該クーポンの支払い対象手段および利用条件を満たしていると判定された場合、電子決済サーバ100は、利用者にクーポンを適用して特典を付与する(ステップS110)。これにより、本フローチャートの処理が終了する。なお、図14のフローチャートにおいて、ステップS102の処理とステップS104の処理とは順序が逆であってもよいし、同時に実行されてもよい。
【0056】
なお、本実施形態では、上述した通り、クレジット決済サーバ200は、クレジットカード番号およびクレジット決済店舗IDを電子決済サーバ100に送信し、電子決済サーバ100は、受信したクレジットカード番号に基づいて利用者(アカウントID)を特定するとともに、クレジット決済店舗IDに基づいて、電子決済サービスにおける加盟店IDおよび店舗IDを特定している。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、クレジット決済サーバ200は、クレジットカード番号とアカウントIDとの対応情報、および/又はクレジット決済店舗IDと加盟店IDおよび店舗IDとの対応情報を保持してもよい。その場合、クレジット決済サーバ200は、第3店舗端末装置80から受信したクレジットカード番号をアカウントIDに変換した上で、当該アカウントIDを電子決済サーバ100に送信する(図14のステップS102の処理は、クレジット決済サーバ200からアカウントIDを取得する処理となる)。また、クレジット決済サーバ200は、第3店舗端末装置80から受信したクレジット決済店舗IDを加盟店IDおよび店舗IDに変換した上で、当該加盟店IDおよび店舗IDを電子決済サーバ100に送信する(図14のステップS104の処理は、クレジット決済サーバ200から加盟店IDおよび店舗IDを取得する処理となる)。このような構成によっても、電子決済サーバ100は、利用者がクレジットカード決済を実行した際に、当該利用者に特典を付与することができる。
【0057】
以上の通り説明した第1実施形態によると、実店舗における利用者による決済が、決済サービスにおける複数の決済手段のうちの特定の決済手段に該当する場合に、当該利用者の端末装置に特典を付与する。これにより、個々の決済手段を考慮した特典を提供することにより特典のバリエーションを増やし、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0058】
[第2実施形態]
第1実施形態では、電子決済サービスを提供する電子決済サーバ100と、クレジット決済サービスを提供するクレジット決済サーバ200とが別体の構成要素として設けられる場合について説明した。一方、電子決済サーバ100を運営する組織体と、クレジット決済サーバ200を運営する組織体とが同一の組織体(または関連性が深い組織体)である場合、これら電子決済サーバ100とクレジット決済サーバ200とを同一のサーバとして構成することが、より効率的である場合がある。第2実施形態は、このような事情を考慮して、電子決済サーバ100とクレジット決済サーバ200とを同一のサーバ上に設けるものである。以下、第1実施形態との相違点を中心として説明を行う。
【0059】
図15は、第2実施形態に係る決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。図15に示す通り、決済サービスは、電子決済サーバ100Aを中心として実現される。電子決済サーバ100Aは、電子決済サービスを実現するために、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、及び一以上の第2店舗端末装置70のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。さらに、電子決済サーバ100Aは、クレジット決済サービスを実現するために、一以上の第3店舗端末装置80とネットワークNWを介して通信する。電子決済サーバ100Aによる電子決済サービスの処理手順は第1実施形態と同様であるため、以下、電子決済サーバ100Aによるクレジット決済サービスの処理手順を説明する。
【0060】
図16は、第2実施形態において、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行されるクーポンの適用処理の流れを説明するための図である。まず、利用者は、利用者端末装置10の決済アプリ20を介して、電子決済サービスの加盟店の専用ページにアクセスし、クーポンを獲得する。このとき、電子決済サーバ100は、利用者が獲得したクーポンのクーポンIDを利用者情報172の「獲得クーポン」に記憶する。次に、利用者は、店舗を訪問し、支払い手段として第3店舗端末装置80を介したクレジットカード決済を実行する。第3店舗端末装置80は、クレジットカード番号、クレジット決済店舗ID、および決済金額を少なくとも含むクレジット決済要求を電子決済サーバ100Aに送信する。
【0061】
電子決済サーバ100Aは、クレジット決済要求を受け付けると、アクワイアラの後続のイシュアやブランドと協調してクレジットカード決済を実行する。同時に、電子決済サーバ100の決済処理部130は、受信したクレジット決済情報に基づいて、クーポン適用処理を実行する。より具体的には、決済処理部130は、クレジット決済情報に含まれるクレジットカード番号をキーとして、利用者情報172を参照して、クレジットカード決済を実行した利用者を特定する。さらに、決済処理部130は、クレジット決済情報に含まれるクレジット決済店舗IDをキーとして、ID対応情報178を参照して、クレジットカード決済が実行された加盟店IDおよび店舗IDを特定する。次に、決済処理部130は、特定された加盟店IDおよび店舗IDをキーとして、クーポン情報180を参照して、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行されているか否かを判定する。次に、決済処理部130は、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行されている場合、利用者が実行したクレジットカード決済が当該クーポンの適用条件を満たしているか否かを判定する。利用者が実行したクレジットカード決済が当該クーポンの適用条件を満たしていると判定された場合、決済処理部130は、クーポンの「特典内容」に応じた特典を利用者に付与する。
【0062】
次に、図17を参照して、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行される電子決済サーバ100Aの処理について説明する。図17は、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行される電子決済サーバ100Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。図17に示すフローチャートの処理は、例えば、利用者が、クレジットカード決済と電子決済サービスの双方に加盟する加盟店の店舗でクレジットカード決済を実行した際に、実行されるものである。
【0063】
まず、電子決済サーバ100Aは、第3店舗端末装置80から、クレジットカード番号、クレジット決済店舗ID、および決済金額を少なくとも含むクレジット決済要求を受け付けることに応じて、クレジットカード決済処理を実行する(ステップS200)。次に、電子決済サーバ100Aは、クレジット決済情報に含まれるクレジットカード番号をキーとして利用者情報172を参照して、利用者を特定する(ステップS202)。次に、電子決済サーバ100Aは、クレジット決済情報に含まれるクレジット決済店舗IDをキーとしてID対応情報178を参照して、加盟店IDおよび店舗IDを特定する(ステップS204)。次に、電子決済サーバ100Aは、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行され、かつ利用者が当該クーポンを獲得済みであるか否かを判定する(ステップS206)。
【0064】
加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行されていないか、または利用者が当該クーポンを獲得済みではない場合、電子決済サーバ100Aは、処理を終了する。一方、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行され、かつ利用者が当該クーポンを獲得済みであると判定された場合、電子決済サーバ100Aは、利用者によるクレジットカード決済が、当該クーポンの支払い対象手段および利用条件を満たしているか否かを判定する(ステップS208)。利用者によるクレジットカード決済が、当該クーポンの支払い対象手段および利用条件を満たしていると判定された場合、電子決済サーバ100は、利用者にクーポンを適用して特典を付与する(ステップS210)。これにより、本フローチャートの処理が終了する。なお、図14と同様に、図17のフローチャートにおいて、ステップS202の処理とステップS204の処理とは順序が逆であってもよいし、同時に実行されてもよい。
【0065】
以上の通り説明した第2実施形態によると、電子決済サービスとクレジット決済サービスの双方を提供する電子決済サーバ100Aは、第3店舗端末装置80からのクレジット決済要求を受け付けることに応じて、クレジットカード決済を実行するとともに、当該クレジットカード決済が電子決済サービスのクーポンの適用条件を満たしている場合には、利用者に当該クーポンの特典を付与する。これにより、第1実施形態に比して、クレジットカード決済に伴うクーポン適用処理をより効率的に実行することができる。
【0066】
[第3実施形態]
第1実施形態および第2実施形態では、異なる支払い手段として、決済アプリ20を用いた電子決済サービス(残高払いおよび後払い)とクレジットカード決済サービスについてクーポンが発行および適用される場合について説明した。しかしながら、本発明はクレジットカード決済サービスに限定されず、より一般的に、異なる支払い手段として、外部決済サービスと連携することによって本発明を実装することができる。第3実施形態は、決済アプリ20を用いた電子決済サービスと、決済アプリ20の提供元とは異なる電子決済サービスについてクーポンを発行および適用するものである。
【0067】
図18は、第3実施形態に係る決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。図18において、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、及び電子決済サーバ100Bの構成は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。さらに、図1の構成からは、クレジットカード決済端末である第3店舗端末装置80が除外されている。第2電子決済サーバ200Aは、決済アプリ20の提供元とは異なる電子決済サービスを提供する。より具体的には、第2電子決済サーバ200Aは、例えば、利用者端末装置10に搭載された第2決済アプリに、図2で説明したユーザスキャンや図3で説明したストアスキャンを実行させることにより、第2電子決済サービスを実現する。すなわち、第2電子決済サーバ200Aは、電子決済サーバ100Bとは異なる事業者によって運営されるものであり、電子決済の実装方法については電子決済サーバ100Bと類似するものであってもよい。
【0068】
図19は、第3実施形態に係るID対応情報178の内容の一例を示す図である。ID対応情報178のうち、ID対応情報178Aは、例えば、第2電子決済サービス店舗ID、加盟店ID、および店舗IDなどの情報が対応付けられたものである。第2電子決済サービス店舗IDは、第2電子決済サービスが実行された店舗を識別するID情報である。すなわち、ID対応情報178Aは、第2電子決済サービスが実行された店舗(第2電子決済サービス店舗ID)に対応する、電子決済サービスに加盟する加盟店(加盟店ID)の店舗(店舗ID)を紐づけるものである。
【0069】
ID対応情報178のうち、ID対応情報178Bは、例えば、第2電子決済サービスアカウントIDおよびアカウントIDが対応付けられたものである。第2電子決済サービスアカウントIDは、第2電子決済サービスの利用を登録した利用者を識別するID情報である。すなわち、ID対応情報178Bは、第2電子決済サービスを利用した利用者(第2電子決済サービスアカウントID)に対応する、電子決済サービスの利用を登録した利用者(アカウントID)を紐づけるものである。
【0070】
図20は、第3実施形態において、利用者の決済手段がクレジットカード決済である場合に実行されるクーポンの適用処理の流れを説明するための図である。まず、利用者は、利用者端末装置10の決済アプリ20を介して、電子決済サービスの加盟店の専用ページにアクセスし、クーポンを獲得する。このとき、電子決済サーバ100Bは、利用者が獲得したクーポンのクーポンIDを利用者情報172の「獲得クーポン」に記憶する。次に、利用者は、利用者端末装置10に搭載された第2決済アプリを用いて、第2電子決済を実行する。第2電子決済サーバ200Aは、第2電子決済が実行された店舗の第2電子決済サービス店舗IDと、第2電子決済を実行した利用者の第2電子決済サービスアカウントIDと、決済金額とを少なくとも含む第2電子決済情報を電子決済サーバ100Bに送信する。電子決済サーバ100Bの決済処理部130は、受信した第2電子決済情報に基づいて、クーポン適用処理を実行する。
【0071】
より具体的には、決済処理部130は、第2電子決済情報に含まれる第2電子決済サービスアカウントIDをキーとして、ID対応情報178Bを参照して、第2電子決済を実行した利用者を特定する。さらに、決済処理部130は、第2電子決済情報に含まれる第2電子決済サービス店舗IDをキーとして、ID対応情報178を参照して、第2電子決済が実行された加盟店IDおよび店舗IDを特定する。次に、決済処理部130は、特定された加盟店IDおよび店舗IDをキーとして、クーポン情報180を参照して、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行されているか否かを判定する。次に、決済処理部130は、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行されている場合、利用者が実行したクレジットカード決済が当該クーポンの適用条件を満たしているか否かを判定する。より具体的には、決済処理部130は、当該クーポンの「対象支払い手段」に第2電子決済サービスが含まれているか否かを判定するとともに、第2電子決済情報に含まれる決済金額などに基づいて、当該第2電子決済がクーポンの「利用条件」を満たしているか否かを判定する。利用者が実行したクレジットカード決済が当該クーポンの適用条件を満たしていると判定された場合、決済処理部130は、クーポンの「特典内容」に応じた特典を利用者に付与する。次に、決済処理部130は、利用者による第2電子決済の実行に応じて、当該利用者に特典を付与した旨を示すポイント付与情報を、必要に応じて第2電子決済サーバ200Aに通知する。
【0072】
次に、図21を参照して、利用者の決済手段が第2電子決済である場合に実行される電子決済サーバ100Bの処理について説明する。図21は、第3実施形態において、利用者の決済手段が第2電子決済である場合に実行される電子決済サーバ100Bの処理の流れの一例を示すフローチャートである。図21に示すフローチャートの処理は、例えば、利用者が、第2電子決済を実行した際に、実行されるものである。
【0073】
まず、電子決済サーバ100Bは、第2電子決済サーバ200Aから、第2電子決済サービス店舗IDと、第2電子決済サービスアカウントIDと、決済金額とを少なくとも含む第2電子決済情報を取得する(ステップS300)。次に、電子決済サーバ100Bは、第2電子決済情報に含まれる第2電子決済サービスアカウントIDをキーとして、ID対応情報178Bを参照して、利用者を特定する(ステップS302)。次に、電子決済サーバ100Bは、第2電子決済情報に含まれる第2電子決済サービス店舗IDをキーとしてID対応情報178Aを参照して、加盟店IDおよび店舗IDを特定する(ステップS304)。次に、電子決済サーバ100Bは、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行され、かつ利用者が当該クーポンを獲得済みであるか否かを判定する(ステップS306)。
【0074】
加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行されていないか、または利用者が当該クーポンを獲得済みではない場合、電子決済サーバ100Bは、処理を終了する。一方、加盟店IDおよび店舗IDに対応するクーポンが発行され、かつ利用者が当該クーポンを獲得済みであると判定された場合、電子決済サーバ100Bは、利用者による第2電子決済が、当該クーポンの支払い対象手段および利用条件を満たしているか否かを判定する(ステップS308)。利用者による第2電子決済が、当該クーポンの支払い対象手段および利用条件を満たしていると判定された場合、電子決済サーバ100は、利用者にクーポンを適用して特典を付与する(ステップS210)。これにより、本フローチャートの処理が終了する。なお、図14と同様に、図21のフローチャートにおいて、ステップS302の処理とステップS304の処理とは順序が逆であってもよいし、同時に実行されてもよい。
【0075】
以上の通り説明した第3実施形態によると、電子決済サービスを提供する電子決済サーバ100Bは、電子決済サービスとは異なる電子決済サービスを提供する第2電子決済サーバ200Aから第2電子決済情報を受け付けることに応じて、当該第2電子決済が電子決済サービスのクーポンの適用条件を満たしている場合には、利用者に当該クーポンの特典を付与する。これにより、個々の決済手段を考慮した特典を提供することにより特典のバリエーションを増やし、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
【0076】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0077】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
50 第1店舗端末装置
70 第2店舗端末装置
80 第3店舗端末装置
100、100A 電子決済サーバ
110 通信部
120 決済コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
200 クレジット決済サーバ
200A 第2電子決済サーバ
【要約】
【課題】個々の決済手段を考慮した特典を提供することにより特典のバリエーションを増やし、利用者にとっての利便性を向上させること。
【解決手段】店舗での購買に係る決済を処理し、複数の決済手段を含む決済サービスにおける決済情報を取得する決済情報取得部と、前記決済情報に基づいて、前記決済情報に紐づく利用者の端末装置に、前記決済サービスに加盟する店舗において使用可能な特典を付与する特典付与部と、を備え、前記特典付与部は、前記利用者による前記複数の決済手段のいずれかを用いた決済が、前記各特典について指定された特定の決済手段に該当する場合に、前記端末装置の利用者に前記特典を付与する、情報処理装置。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21