(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 45/43 20180101AFI20240104BHJP
F21S 45/47 20180101ALI20240104BHJP
F21S 45/33 20180101ALI20240104BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240104BHJP
F21V 29/67 20150101ALI20240104BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20240104BHJP
F21V 29/83 20150101ALI20240104BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240104BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20240104BHJP
【FI】
F21S45/43
F21S45/47
F21S45/33
F21V29/503
F21V29/67 200
F21V29/76
F21V29/83
F21V29/67 100
F21Y115:10
F21W102:00
(21)【出願番号】P 2020003592
(22)【出願日】2020-01-14
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】珍行 陽平
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-294263(JP,A)
【文献】特開2018-005121(JP,A)
【文献】特開2018-026262(JP,A)
【文献】特開2018-045879(JP,A)
【文献】特開2017-228417(JP,A)
【文献】特表2002-510136(JP,A)
【文献】国際公開第2009/147800(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を収容し、吸気口を有するハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ、前記光源の光を透過するアウターレンズと、
前記光源の熱を放熱するヒートシンクと、
前記ハウジングに取り付けられ、前記吸気口から前記ハウジング内に取込まれる空気を、前記ハウジング外に排気するファンと、
を備え、
前記ヒートシンクは、前記ハウジング内の空間を、前記アウターレンズの内面に接する第1の領域と、前記アウターレンズの内面から離れた第2の領域とに分けたうちの、前記第2の領域内において形成される前記空気の流路上に配置さ
れ、
前記第1の領域の水蒸気は、前記ヒートシンクに向かって流れ込む、
車両用灯具。
【請求項2】
前記ファンは、前記アウターレンズに対向する前記ハウジングの背面に取り付けられる、
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記吸気口は、前記ハウジングの背面であって、前記ファンより下側に形成される、
請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記吸気口は、前記ハウジングの側面かつ前記ヒートシンクより前記アウターレンズ側の位置であって、前記ファンより下側に形成される、
請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記ヒートシンクは、フィンの溝が前記空気の流路に沿うように配置される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記ヒートシンクと前記ファンとの間には、前記ヒートシンクを通過した前記空気を前記ファンに導くダクトが設けられる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記吸気口から取込まれた前記空気を前記ヒートシンクに送り込むファンをさらに有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記ファンが取り付けられる前記ハウジングの開口には、前記ハウジング内の水蒸気を前記ハウジング外に通し、前記ハウジング外の水を前記ハウジング内に侵入するのを防止するフィルター、が設けられる、
請求項1から
7のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コストを抑えつつアウターレンズ内面における結露発生を抑制する車両用ヘッドランプの結露防止の構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、ハウジング内にファンを配置し、ハウジング内の空気をアウターレンズの内面に沿って流れるように循環させて、アウターレンズの結露を防止する。そのため、アウターレンズの内面に沿って流れる風に湿気が含まれる場合、アウターレンズの結露を十分に防止できないおそれがある。
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、アウターレンズの結露防止を向上できるヘッドランプの提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施例に係る車両用灯具は、光源と、前記光源を収容し、吸気口を有するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記光源の光を透過するアウターレンズと、前記光源の熱を放熱するヒートシンクと、前記ハウジングに取り付けられ、前記吸気口から前記ハウジング内に取込まれる空気を、前記ハウジング外に排気するファンと、を備え、前記ヒートシンクは、前記ハウジング内の空間を、前記アウターレンズの内面に接する第1の領域と、前記アウターレンズの内面から離れた第2の領域とに分けたうちの、前記第2の領域内において形成される前記空気の流路上に配置される。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施例によれば、アウターレンズの結露防止を向上できる。
【0009】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施の形態に係るヘッドランプの垂直断面図
【
図2】第1の実施の形態に係るヘッドランプの水平断面図
【
図4】ハウジング内の空気および水蒸気の流れを説明する図
【
図5】ハウジング内の空気および水蒸気の流れを説明する図
【
図7】第2の実施の形態に係るヘッドランプの開口付近の垂直断面図
【
図8】第3の実施の形態に係るヘッドランプの開口付近の垂直断面図
【
図9】第4の実施の形態に係るヘッドランプの水平断面図
【
図11】第5の実施の形態に係るヘッドランプの垂直断面図
【
図12】第5の実施の形態に係るヘッドランプの水平断面図
【
図13】第6の実施の形態に係るヘッドランプの垂直断面図
【
図17】第7の実施の形態に係るヘッドランプのファン付近の垂直断面図
【
図18】第7の実施の形態に係るヘッドランプのファン付近の水平断面図
【
図21】第8の実施の形態に係るヘッドランプの一部を示した図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0012】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(第1の実施の形態)
以下では、車両用灯具の一例としてヘッドランプについて説明する。
【0014】
図1は、第1の実施の形態に係るヘッドランプ1の垂直断面図である。
図2は、第1の実施の形態に係るヘッドランプ1の水平断面図である。以下では、ヘッドランプ1に対し、
図1および
図2に示すx,y,z軸を設定する。+x軸方向がヘッドランプ1の前方であり、-x軸方向がヘッドランプ1の後方である。+z軸方向がヘッドランプ1の上方であり、-z軸方向がヘッドランプ1の下方である。
【0015】
ヘッドランプ1は、車両に取り付けられる。
図1および
図2に示すヘッドランプ1は、例えば、4輪自動車を正面から見て、左側に取り付けられるヘッドランプである。
【0016】
図1および
図2に示すように、ヘッドランプ1は、光源2と、ハウジング3と、アウターレンズ4と、ファン5と、ヒートシンク6と、リフレクター7と、を有する。
【0017】
光源2は、ヒートシンク6の上に固定される。光源2は、例えば、LED(light emitting diode)を有する。光源2から放射される光は、リフレクター7によって、アウターレンズ4に向かう。
【0018】
光源2は、例えば、ハウジング3の中心より、後方側に配置される。別言すれば、光源2は、ハウジング3の中心より、ハウジング3の背面側に配置される。
【0019】
ハウジング3は、光源2と、ヒートシンク6と、リフレクター7と、を収容する。ハウジング3の背面には、ハウジング3内に空気を取込む吸気口3aが形成される。
【0020】
ハウジング3の前方には、アウターレンズ4が取り付けられる開口が形成される。ハウジング3の背面には、ファン5が取り付けられる開口が形成される。ファン5が取り付けられる開口は、吸気口3aより上側に形成される。別言すれば、吸気口3aは、ファン5より下側に形成される。
【0021】
アウターレンズ4は、ハウジング3の前方に形成された開口を覆うようにハウジング3に取り付けられる。アウターレンズ4は、例えば、透明のプラスチックであり、リフレクター7によって反射された光源2の光を、ヘッドランプ1の外へ透過する。
【0022】
ファン5は、例えば、軸流ファンである。ファン5は、ハウジング3の背面に形成された開口に取り付けられる。
【0023】
ファン5は、吸気口3aより上側に取り付けられる。ファン5は、例えば、吸気口3aの近傍に配置され、ファン5の下端と吸気口3aの中心との間の距離L1は、例えば、5cm以下である。ファン5は、吸気口3aから、ハウジング3内に空気を取込み、ハウジング3外に排気する。ファン5は、排気口と捉えてもよい。
【0024】
ヒートシンク6は、上面に光源2が固定される。ヒートシンク6は、光源2の熱を放熱する。ヒートシンク6は、ハウジング3の背面側を向く面において、フィン6aが形成される。
【0025】
ヒートシンク6は、ハウジング3の中心より、後方側に配置される。別言すれば、ヒートシンク6は、ハウジング3の中心より、ハウジング3の背面側に配置される。
【0026】
ヒートシンク6は、ハウジング3の背面側に向く面の一部が、ファン5と対向するように配置される。また、ヒートシンク6は、ハウジング3の背面側に向く面の一部が、吸気口3aと対向するように配置される。
【0027】
なお、ヒートシンク6は、ヒートシンク6の底面が吸気口3aより高くなるように配置されてもよい。すなわち、ヒートシンク6は、ハウジング3の背面側に向く面の全部または一部が、ファン5と対向するように配置されてもよい。
【0028】
ファン5および吸気口3aは、ハウジング3の背面に設けられる。従って、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5からハウジング3の外に排出される空気の流路は、ハウジング3の背面近くにおいて形成される(例えば、
図4、
図5、および
図6の矢印A1を参照)。
【0029】
すなわち、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5からハウジング3の外に排出される空気の流路は、アウターレンズ4の内面から離れた領域に形成される。ヒートシンク6は、この空気の流路上に配置されるように、ハウジング3の中心より、ハウジング3の背面側に配置される。
【0030】
ヒートシンク6のハウジング3の背面側に向く面と、ファン5との間の距離L2は、例えば、3cm以下である。
【0031】
リフレクター7は、光源2の上方において、光源2を覆うように配置される。リフレクター7は、光源2から放射される光をアウターレンズ4へ集光する。
【0032】
図3は、ファン5部分の垂直断面図である。ハウジング3の背面には、例えば、円形状または四角形状の開口3bが形成される。開口3bは、ヘッドランプ1の外部に通ずる。ファン5は、例えば、ハウジング3の内側から、ハウジング3の開口3bに取付けられる。
【0033】
ハウジング3の開口3bには、例えば、円形状または四角形状の水不透過フィルター11が取り付けられる。水不透過フィルター11は、開口3bを塞ぐ(覆う)ように取り付けられる。水不透過フィルター11は、水蒸気(湿気)を通し、液体の水を通さないフィルターである。
【0034】
水不透過フィルター11は、ファン5によって排気される、ハウジング3内の水蒸気を含む空気を、ハウジング3の外に透過する。また、水不透過フィルター11は、開口3bからハウジング3内に水が浸入するのを防止する。
【0035】
なお、水不透過フィルター11は、ハウジング3の開口3bに取付けられるとしたが、ファン5に取付けられてもよい。
【0036】
また、吸気口3aには、水蒸気および液体の水が、ハウジング3の外からハウジング3内に侵入するのを防止するフィルターが取り付けられてもよい。これにより、ハウジング3内には、低湿の空気が取り込まれる。
【0037】
図4および
図5は、ハウジング3内の空気および水蒸気の流れを説明する図である。
図4および
図5には、
図1および
図2に示したヘッドランプ1が示してある。
図4および
図5では、
図1および
図2に示した符号を一部省略している。
【0038】
ハウジング3内の空間は、アウターレンズ4の内面に接する領域(第1の領域)と、アウターレンズ4の内面から離れた領域(第2の領域)とに分けられる。例えば、アウターレンズ4の内面に接する領域は、
図4および
図5に示す一点鎖線A3より、アウターレンズ4側の領域である。アウターレンズ4の内面から離れた領域は、
図4および
図5に示す一点鎖線A3より、ハウジング3の背面側の領域である。
【0039】
一点鎖線A3は、アウターレンズ4の内面に接する領域と、アウターレンズ4の内面から離れた領域とを説明するために示した一例である。アウターレンズ4の内面に接する領域と、アウターレンズ4の内面から離れた領域とは、例えば、
図4および
図5に示すエクステンション8およびプロジェクターレンズ9を境に分けられてもよい。
【0040】
図4および
図5に示す実線の矢印A1は、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5から排気される空気の流れを示す。
図4および
図5に示す点線の矢印A2は、ハウジング3内の水蒸気の流れを示す。
【0041】
矢印A1に示すように、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれた空気は、ヒートシンク6の方向へ流れる。ヒートシンク6の方向へ流れた空気は、吸気口3aより上に設けられたファン5の排気作用によって上方へ向かい、ハウジング3の外へ排気される。
【0042】
また、ヒートシンク6の方向へ流れた空気は、ヒートシンク6の熱によって暖められる。ヒートシンク6の熱によって暖められた空気は、周囲の空気より軽くなる。吸気口3aからヒートシンク6へ流れた空気は、ヒートシンク6の熱作用によっても上方へ向かい、ファン5によってハウジング3の外へ排気される。
【0043】
吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5からハウジング3の外に排出される空気の流路は、アウターレンズ4に対向するハウジング3の背面の周辺において形成される。従って、矢印A1に示すように、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5からハウジング3の外に排出される空気の流路は、アウターレンズ4の内面から離れた領域(第2領域)に形成される。ヒートシンク6は、この空気の流路上に配置される。
【0044】
ヒートシンク6の周辺(特に光源2の周辺)の温度は、光源2の発熱によって上昇する。従って、ヒートシンク6の周辺の飽和水蒸気量は上昇し、ヒートシンク6の周辺の水蒸気量は増加する。
【0045】
ヒートシンク6の周辺の空気は、ファン5によってハウジング3の外へ排気される。従って、水蒸気量が上昇した空気(高温高湿の空気)は、ファン5によってハウジング3の外へ排気される。また、吸気口3aからは、ヒートシンク6の周辺の空気よりも、低温低湿の空気が取り込まれる。このため、ヒートシンク6の周辺の空気の水蒸気量は低下する。
【0046】
水蒸気は、空間内(ハウジング3内)において均一になろうと移動する。従って、アウターレンズ4の内面に接する領域の水蒸気は、矢印A2に示すように、水蒸気量が低下したヒートシンク6の周辺に移動する。これにより、アウターレンズ4の内面に接する領域の水蒸気量は低下し、アウターレンズ4の内側の結露が防止される。
【0047】
図6は、ヘッドランプ1の一部を示した斜視図である。
図6には、
図1および
図2に示した光源2と、ハウジング3の一部(背面)と、ファン5と、ヒートシンク6と、が示してある。
図6では、
図1および
図2に示した部材を簡略化して図示している。
図6に示す矢印A1は、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5から排気される空気の流れを示す。
【0048】
ヒートシンク6は、例えば、四角柱形状を有する。ヒートシンク6は、フィン6aを有する。フィン6aは、光源2と、ファン5との間に位置する。
【0049】
フィン6aは、ヒートシンク6の、ハウジング3の背面と対向する面側に形成され、アウターレンズ4と対向する面側には形成されない。ヒートシンク6は、フィン6aの溝が、空気の流路に沿うように配置される。例えば、ヒートシンク6は、フィン6aの溝が、下方から上方に向かうように(+z軸方向に)配置される。
【0050】
吸気口3aから取り込まれた空気は、矢印A1に示すように、ヒートシンク6の底面におけるフィン6aの間(溝)を通って上方へ向かう。フィン6aの間を通って上方へ向かう空気は、ファン5によってハウジング3の外へ排気される。また、ヒートシンク6の上面には、フィン6aの溝が形成されていないため、フィン6aの間を通って上方へ向かう空気は、ヒートシンク6の上面に阻まれ、ファン5の方向へ向かう。
【0051】
このように、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5からハウジング3の外に排出される空気の流路は、アウターレンズ4の内面から離れた領域に形成されるよう、ヒートシンク6の形状によって補助される。
【0052】
以上説明したように、車両用のヘッドランプ1は、光源2と、光源2を収容し、吸気口3aを有するハウジング3と、ハウジング3に取り付けられ、光源2の光を透過するアウターレンズ4と、光源2の熱を放熱するヒートシンク6と、ハウジング3に取り付けられ、吸気口3aからハウジング3内に取込まれる空気を、ハウジング3外に排気するファン5と、を備える。そして、ヒートシンク6は、ハウジング3内の空間を、アウターレンズ4の内面に接する第1の領域と、アウターレンズ4の内面から離れた第2の領域とに分けたうちの、第2の領域内において形成される空気の流路上に配置される。
【0053】
これにより、ヘッドランプ1は、アウターレンズ4の結露防止を向上できる。
【0054】
例えば、ヘッドランプ1は、ヒートシンク6の周辺の高温高湿の空気を、ファン5によってハウジング3の外へ排出する。この空気の排出によって、アウターレンズ4の内面に接する領域の水蒸気は、ヒートシンク6の周辺に移動し、アウターレンズ4の内面に接する領域の水蒸気量は、低下する。すなわち、ヘッドランプ1は、吸気口3aから取込まれた空気をアウターレンズ4へ送り込まずに、アウターレンズ4の内面に接する領域の水蒸気を、アウターレンズ4の内面から離れた領域へ移動させる。これにより、ヘッドランプ1は、アウターレンズ4の結露防止を向上できる。
【0055】
また、高温の空気は、上に流れる。ヘッドランプ1は、吸気口3aの上側にファン5を有する。これにより、ヘッドランプ1は、ヒートシンク6の放熱により温められた空気を効率的に、ハウジング3の外へ排出できる。
【0056】
また、ヒートシンク6は、ハウジング3の背面に設けられたファン5の近傍に配置される。これにより、ヘッドランプ1は、高温の空気を効率的に、ハウジング3の外へ排出できる。
【0057】
また、ヒートシンク6は、光源2とファン5との間に配置される。これにより、ヒートシンク6で吸熱された熱は、ファン5によって効率的に冷却される。
【0058】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、ハウジング3の開口3bに呼吸キャップを取り付ける。
【0059】
図7は、第2の実施の形態に係るヘッドランプ1の開口3b付近の垂直断面図である。
図7において、
図3と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
図7に示すように、ハウジング3の開口3bには、呼吸キャップ21が取り付けられる。呼吸キャップ21は、インナー部22と、キャップ部23と、を有する。
【0060】
インナー部22は、筒形状を有し、一端に水不透過フィルター22aを有する。インナー部22は、開口3bを塞ぐ(覆う)ように開口3bに取り付けられる。
【0061】
水不透過フィルター22aは、水蒸気を通し、液体の水を通さないフィルターである。水不透過フィルター22aは、ファン5によって排気される、ハウジング3内の水蒸気を含む空気を、ハウジング3の外に透過する。また、水不透過フィルター22aは、開口3bからハウジング3内に水が浸入するのを防止する。
【0062】
キャップ部23は、インナー部22を覆うように、インナー部22に取り付けられる。キャップ部23とインナー部22との間には、一部隙間が形成される。ファン5によって排気される空気は、キャップ部23とインナー部22との間の隙間から、
図7の矢印A11に示すように、ハウジング3の外へ排出される。
【0063】
このように、ハウジング3の開口3bには、呼吸キャップ21が設けられてもよい。これにより、インナー部22に設けられた水不透過フィルター22aは、キャップ部23によって保護され、破損等が抑制される。
【0064】
なお、吸気口3aには、水蒸気および液体の水が、ハウジング3の外からハウジング3内に侵入するのを防止する呼吸キャップが取り付けられてもよい。これにより、ハウジング3内には、低湿の空気が取り込まれる。
【0065】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、ハウジング3の開口3bに排気弁を設ける。
【0066】
図8は、第3の実施の形態に係るヘッドランプ1の開口3b付近の垂直断面図である。
図8において、
図3と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
図8に示すように、ハウジング3の開口3bには、排気弁31が取り付けられる。
【0067】
排気弁31は、開口3bを覆う形状を有する。例えば、排気弁31は、有底の筒形状を有し、開口側がハウジング3に固定される。
【0068】
排気弁31は、例えば、側面に開口32を有する。排気弁31は、開口32を開閉する弁33を有する。なお、
図8の点線A12は、開口32を閉じたときの弁33の状態を示す。
【0069】
弁33は、例えば、ファン5の羽根が回転しているとき(ファン5がオンしているとき)、開口32を開く。すなわち、弁33は、ハウジング3内の空気がハウジング3の外に排気されるとき、開口32を開く。
【0070】
一方、弁33は、例えば、ファン5の羽根が回転していないとき(ファン5がオフしているとき)、開口32を閉じる。すなわち、弁33は、ハウジング3内の空気がハウジング3外に排気されないとき、開口32を閉じる。なお、ファン5は、例えば、ハウジング3内の温度や湿度によって、オンおよびオフする。
【0071】
このように、ハウジング3の開口3bには、排気弁31が設けられてもよい。これにより、ヘッドランプ1は、ハウジング3内の水蒸気をハウジング3外に排出でき、アウターレンズ4の結露を抑制できる。
【0072】
なお、吸気口3aに、吸気弁を設けてもよい。吸気口3aの吸気弁も、排気弁31と同様に、ファン5の羽根の回転に応じて、吸気口3aを開閉してもよい。例えば、吸気弁は、ファン5の羽根が回転していないとき(ファン5がオフしているとき)、吸気口3aを閉じる。一方、吸気弁は、ファン5の羽根が回転しているとき(ファン5がオンしているとき)、吸気口3aを開く。
【0073】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、ハウジング3の側面に吸気口を設ける。
【0074】
図9は、第4の実施の形態に係るヘッドランプ1の水平断面図である。
図9に示すヘッドランプ1は、第1の実施の形態で説明したヘッドランプ1に対し、吸気口41の位置が異なる。
【0075】
図9に示すように、吸気口41は、ハウジング3の側面に形成される。例えば、
図9の例では、吸気口41は、ヘッドランプ1を正面から見て、ハウジング3の右側側面(+y軸側の側面)に形成される。別言すれば吸気口41は、ヘッドランプ1を正面から見て、光源2およびヒートシンク6の右側に形成される。
【0076】
また、吸気口41は、光源2およびヒートシンク6より、アウターレンズ4側に形成される。また、吸気口41は、第1の実施の形態で説明した吸気口3aと同様に、ファン5より下側に形成される。
【0077】
図9に示す実線の矢印A21は、吸気口41からハウジング3内に取り込まれ、ファン5から排気される空気の流れを示す。
図9に示す点線の矢印A22は、ハウジング3内の水蒸気の流れを示す。
【0078】
上記したように、吸気口41は、光源2およびヒートシンク6より、アウターレンズ4側に形成される。従って、吸気口41から取込まれた空気は、矢印A21に示すように、ヒートシンク6の前方から、ヒートシンク6の後方に向かって通過し、ハウジング3の外へ排気される。
【0079】
また、吸気口41から取込まれた空気は、ヘッドランプ1を正面から見て、左(-y軸方向)に進み、ファン5の排気機能によって、アウターレンズ4とは反対側のハウジング3の背面側へと導かれる。従って、吸気口41からハウジング3内に取り込まれ、ファン5からハウジング3の外に排出される空気の流路は、アウターレンズ4の内面から離れた領域に形成される。ヒートシンク6は、この空気の流路上に配置されるよう、吸気口41よりハウジング3の背面側に配置される。
【0080】
ヒートシンク6の周辺の温度は、光源2の発熱によって上昇する。従って、ヒートシンク6の周辺の飽和水蒸気量は上昇し、ヒートシンク6の周辺の水蒸気量は増加する。
【0081】
ヒートシンク6の周辺の空気は、ファン5によってハウジング3の外へ排気される。従って、水蒸気量が上昇した空気(高温高湿の空気)は、ファン5によってハウジング3の外へ排気される。また、吸気口41からは、ヒートシンク6の周辺の空気よりも、低温低湿の空気が取り込まれる。このため、ヒートシンク6の周辺の空気の水蒸気量は低下する。
【0082】
水蒸気は、空間内(ハウジング3内)において均一になろうと移動する。従って、アウターレンズ4の内面に接する領域の水蒸気は、矢印A21に示すように、水蒸気量が低下したヒートシンク6の周辺に移動する。これにより、アウターレンズ4の内面に接する領域の水蒸気量は低下し、アウターレンズ4の内側の結露が防止される。
【0083】
図10は、ヘッドランプ1の一部を示した斜視図である。
図10には、
図9に示した光源2と、ハウジング3の一部(背面および側面)と、ファン5と、ヒートシンク6と、が示してある。
図10では、
図9に示した部材を簡略化して図示している。
図10に示す矢印A21は、吸気口41からハウジング3内に取り込まれ、ファン5から排気される空気の流れを示す。
【0084】
ヒートシンク6は、例えば、四角柱形状を有する。ヒートシンク6は、フィン42を有する。フィン42は、吸気口41とファン5との間に位置する。
【0085】
フィン42は、ヒートシンク6の光源2を載置する上面から、下方に向かって形成される(伸びる)。ヒートシンク6は、フィン42の溝が、空気の流路に沿うように配置される。例えば、ヒートシンク6は、フィン42の溝が、ヘッドランプ1の前方から後方に向かうように形成される。
【0086】
吸気口41から取り込まれた空気は、矢印A21に示すように、ヒートシンク6の前面におけるフィン42の間(溝)を通って後方へ向かう。フィン42の間を通って後方へ向かう空気は、ファン5によってハウジング3の外へ排気される。また、ヒートシンク6の上面には、フィン42の溝が形成されていないため、フィン42の間を通って後方へ向かう空気は、ヒートシンク6の上面に阻まれ、ファン5の方向へ向かう。
【0087】
このように、吸気口41からハウジング3内に取り込まれ、ファン5からハウジング3の外に排出される空気の流路は、アウターレンズ4の内面から離れた領域に形成されるよう、ヒートシンク6の形状によって補助される。
【0088】
以上説明したように、吸気口41は、ハウジング3の側面かつヒートシンク6より前側の位置であって、ファン5より下側に形成される。これにより、ヘッドランプ1は、アウターレンズ4の結露防止を向上できる。
【0089】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、ハウジング3内の空気を、ブロアファンを用いてハウジング3の外へ排気する。
【0090】
図11は、第5の実施の形態に係るヘッドランプ1の垂直断面図である。
図12は、第5の実施の形態に係るヘッドランプ1の水平断面図である。
図11および
図12に示すヘッドランプ1は、第1の実施の形態で説明したヘッドランプ1に対し、ファン51が異なる。また、
図11および
図12に示すヘッドランプ1は、第1の実施の形態で説明したヘッドランプ1に対し、ヒートシンク6のフィン52の形状が異なる。
【0091】
図11および
図12に示すように、ヘッドランプ1は、ハウジング3の背面に形成された開口にファン51を有する。ファン51は、例えば、ブロアファンであり、空気の吸い込み方向と、吐出し方向とが異なる。ファン51は、下から上に向かう方向において空気を吸い込み、アウターレンズ4からハウジング3の背面に向かう方向において空気を吐き出す。
【0092】
ファン51は、吸気口3aより上に取り付けられる。また、ファン51は、ヒートシンク6のフィン52の上方に取り付けられる。
【0093】
ヒートシンク6は、ハウジング3の背面側に向く面に、フィン52が形成される。フィン52の溝は、ヒートシンク6の下面から上面を貫くように形成される。
【0094】
図11および
図12に示す実線の矢印A31は、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン51からハウジング3の外へ排気される空気の流れを示す。
図11および
図12に示す点線の矢印A32は、ハウジング3内の水蒸気の流れを示す。
【0095】
上記したように、フィン52の溝は、ヒートシンク6の下面から上面を貫くように形成される。また、ファン51は、ヒートシンク6のフィン52の上方に取り付けられる。
【0096】
従って、吸気口41から取込まれた空気は、矢印A31に示すように、ヒートシンク6のフィン52の間(溝)を通過し、ファン51へ導かれる。つまり、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン51からハウジング3の外に排出される空気の流路は、アウターレンズ4の内面から離れた領域に形成される。
【0097】
以上説明したように、ファン51は、ブロアファンであってもよい。これによっても、アウターレンズ4の結露を抑制できる。
【0098】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態では、ファンを用いてヒートシンク6に空気を送り込む。
【0099】
図13は、第6の実施の形態に係るヘッドランプ1の垂直断面図である。
図13に示すヘッドランプ1は、第1の実施の形態で説明したヘッドランプ1に対し、ファン61を有する所が異なる。
【0100】
ファン61は、ヒートシンク6の下側に設けられる。ファン61は、例えば、軸流ファンである。ファン61は、ヒートシンク6のフィン6aに空気(風)を送り込む。
【0101】
図14は、ヘッドランプ1の一部を示した斜視図である。
図14には、
図13に示した光源2と、ハウジング3の一部(背面)と、ファン5と、ヒートシンク6と、ファン61と、が示してある。
図14では、
図13に示した部材を簡略化して図示している。
図14に示す矢印A41は、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5から排気される空気の流れを示す。
【0102】
ファン61は、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれた空気をヒートシンク6のフィン6aに送り込む。ヒートシンク6のフィン6aに送り込まれた空気は、フィン6aの間(溝)を通って上方へ向かう。フィン6aの間を通って上方へ向かう空気は、ファン5によってハウジング3の外へ排気される。また、ヒートシンク6の上面には、フィン6aの溝が形成されていないため、フィン6aの間を通って上方へ向かう空気は、ヒートシンク6の上面に阻まれ、ファン5の方向へ向かう。
【0103】
このように、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれた空気は、ヒートシンク6のフィン6aに送り込まれるように、ファン61によって補助される。
【0104】
以上説明したように、ヒートシンク6の下側には、ヒートシンク6のフィン6aに空気を送り込むファン61が設けられる。これにより、ヘッドランプ1は、アウターレンズ4の結露防止を向上できる。
【0105】
(変形例)
ヒートシンク6とファン5との間には、ダクトが設けられてもよい。
【0106】
図15は、ヘッドランプ1の垂直断面図である。
図15に示すヘッドランプ1は、
図13に示したヘッドランプ1に対し、ダクト71を有する所が異なる。
【0107】
ダクト71は、筒形状を有する。ダクト71は、ヒートシンク6とファン5との間に設けられる。ダクト71は、ヒートシンク6に固定される。ダクト71は、ガイドと称されてもよい。
【0108】
図16は、ヘッドランプ1の一部を示した斜視図である。
図16には、
図15に示した光源2と、ハウジング3の一部(背面)と、ファン5と、ヒートシンク6と、ファン61と、ダクト71と、が示してある。
図16では、
図15に示した部材を簡略化して図示している。
図16に示す矢印A41は、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5から排気される空気の流れを示す
【0109】
図15で説明したように、ダクト71は、ヒートシンク6とファン5との間に設けられる。ダクト71は、ヒートシンク6の背面側に設けられたフィン6aを通過した空気をファン5へ導く。
【0110】
このように、ヒートシンク6とファン5との間にダクト71が設けられてもよい。これにより、吸気口3aから取り込まれた空気は、効率的にファン5から排出できる。
【0111】
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態では、ヒートシンク6とファン5との間に、空気の流路を規制するガイドが設けられる。
【0112】
図17は、第7の実施の形態に係るヘッドランプ1のファン5付近の垂直断面図である。
図18は、第7の実施の形態に係るヘッドランプ1のファン5付近の水平断面図である。
図17および
図18に示すように、ヘッドランプ1は、ヒートシンク6とファン5との間に、空気の流路を規制するガイド81が設けられる。
【0113】
ガイド81は、例えば、四角柱状の筒形状を有している。ガイド81は、一端がファン5の外周を覆うようにハウジング3に固定され、他端がヒートシンク6に向かって伸びる。ガイド81の他端は、ヒートシンク6のフィン6aの一部外周と、リフレクター7の一部外周とを囲む。吸気口3aは、筒形状のガイド81の外に位置する。ガイド81は、ヒートシンク6の背面側に設けられたフィン6aを通過した空気をファン5へ導く。ガイド81は、ダクトと称されてもよい。
【0114】
図17および
図18に示す矢印A51は、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5から排気される空気の流れを示す。
【0115】
上記したように、ガイド81は、ファン5の外周を覆うとともに、ヒートシンク6のフィン6aの一部外周を囲む。従って、ファン5は、ヒートシンク6のフィン6aから、効率的に空気を吸い込み、ハウジング3の外へ排気できる。
【0116】
また、吸気口3aは、筒形状のガイド81の外に位置する。従って、吸気口3aから取り込まれた空気は、
図17の矢印A51に示すように、ヒートシンク6のフィン6aを通過してから、ファン5へ到達する。従って、ファン5は、ヒートシンク6のフィン6aから、効率的に空気を吸い込み、ハウジング3の外へ排気できる。
【0117】
以上説明したように、ヘッドランプ1は、ヒートシンク6とファン5との間に、空気の流路を規制するガイド81を有する。これにより、ファン5は、ヒートシンク6のフィン6aから、効率的に空気を吸い込み、ハウジング3の外へ排気できる。
【0118】
(変形例)
図17および
図18では、ガイド81は、ハウジング3に固定されたが、ヒートシンク6に固定されてもよい。
【0119】
図19は、ヘッドランプ1のファン5付近の垂直断面図である。
図20は、ヘッドランプ1のファン5付近の水平断面図である。
図19および
図20に示すように、ヘッドランプ1は、ヒートシンク6とファン5との間に、空気の流路を規制するガイド82が設けられる。
【0120】
ガイド82は、例えば、四角柱状の筒形状を有している。ガイド82は、一端がリフレクター7の一部外周と、ヒートシンク6のフィン6aの一部外周とに固定され、他端がファン5に向かって伸びる。ガイド82の他端は、ファン5の外周を囲む。吸気口3aは、筒形状のガイド82の外に位置する。ガイド82は、ヒートシンク6の背面側に設けられたフィン6aを通過した空気をファン5へ導く。ガイド82は、ダクトと称されてもよい。
【0121】
図19および
図20に示す矢印A52は、吸気口3aからハウジング3内に取り込まれ、ファン5から排気される空気の流れを示す。
【0122】
上記したように、ガイド82は、ファン5の外周を囲むとともに、ヒートシンク6のフィン6aの一部外周を囲む。従って、ファン5は、ヒートシンク6のフィン6aから、効率的に空気を吸い込み、ハウジング3の外へ排気できる。
【0123】
また、吸気口3aは、筒形状のガイド81の外に位置する。従って、吸気口3aから取り込まれた空気は、
図19の矢印A52に示すように、ヒートシンク6のフィン6aを通過してから、ファン5へ到達する。従って、ファン5は、ヒートシンク6のフィン6aから、効率的に空気を吸い込み、ハウジング3の外へ排気できる。
【0124】
以上説明したように、ヘッドランプ1は、ヒートシンク6とファン5との間に、空気の流路を規制するガイド82を有する。これにより、ファン5は、ヒートシンク6のフィン6aから、効率的に空気を吸い込み、ハウジング3の外へ排気できる。
【0125】
(第8の実施の形態)
第8の実施の形態では、水不透過フィルターの固定方法について説明する。
【0126】
図21は、第8の実施の形態に係るヘッドランプ1の一部を示した図である。
図21には、ファン5と、水不透過フィルター11と、およびハウジング3の背面の一部と、が示してある。
【0127】
ファン5は、例えば、市販されている既存のファンであってもよい。ファン5は、水不透過フィルター11を間に挟み、ハウジング3の背面に固定される。水不透過フィルター11は、ハウジング3の開口3bに対向するように配置される。
【0128】
以上説明したように、ファン5と水不透過フィルター11とは、別体であってもよい。これにより、例えば、ファン5が故障した場合、水不透過フィルター11を取り替えることなく、ファン5を交換できる。また、例えば、水不透過フィルター11が破損した場合、ファン5を取り替えることなく、水不透過フィルター11を交換できる。
【0129】
(変形例)
水不透過フィルターは、ファンに組み込まれてもよい。
【0130】
図22は、ヘッドランプ1の一部を示した図である。
図22には、ハウジング3の背面の一部と、ファン91と、が示してある。ファン91は、回転部92と、Oリング93と、水不透過フィルター94と、キャップ95と、を有する。
【0131】
回転部92は、モータ等の駆動部と、駆動部によって回転する羽根と、を有する。ファン91は、回転部92の羽根の回転によって、ハウジング3内の空気をハウジング3外に排気する。
【0132】
水不透過フィルター94は、回転部92とキャップ95との間に挟まれる。水不透過フィルター94は、水蒸気を通し、液体の水を通さないフィルターである。
【0133】
水不透過フィルター94は、回転部92によって排気される、ハウジング3内の水蒸気を含む空気を、ハウジング3の外に透過する。また、水不透過フィルター94は、開口3bからハウジング3内に水が浸入するのを防止する。
【0134】
回転部92は、水不透過フィルター94を挟み、キャップ95に固定される。すなわち、水不透過フィルター94は、ファン91に一体化される。
【0135】
ファン91は、Oリング93を介して、ハウジング3に固定される。Oリング93は、ファン91とハウジング3との隙間から、水が浸入するのを防止する。
【0136】
以上説明したように、水不透過フィルター94は、ファン91に一体的に組み込まれてもよい。これにより、ヘッドランプ1は、ファン91がハウジング3に取付けられることによって、水不透過フィルター94を備えることができ、水不透過フィルター94を取り付ける工程が省略され、製造工程を削減できる。
【0137】
以上、本開示について説明した。上記では、車両用灯具の一例としてヘッドランプについて説明したがこれに限られない。車両用灯具には、例えば、リアランプが含まれてもよい。
【0138】
上述の各実施の形態は、組み合わされてもよい。また、上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0139】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例または修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本開示は、ヘッドランプのアウターレンズの結露防止の向上に有用である。
【符号の説明】
【0141】
1 ヘッドランプ
2 光源
3 ハウジング
3a 吸気口
3b 開口
4 アウターレンズ
5 ファン
6 ヒートシンク
6a フィン
7 リフレクター
8 エクステンション
9 プロジェクターレンズ
11 水不透過フィルター
21 呼吸キャップ
22 インナー部
22a 水不透過フィルター
23 キャップ部
31 排気弁
32 開口
33 弁
41 吸気口
42 フィン
51 ファン
52 フィン
61 ファン
71 ダクト
81,82 ガイド
91 ファン
92 回転部
93 Oリング
94 水不透過フィルター
95 キャップ