(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】安全スイッチ及びドア付き装置
(51)【国際特許分類】
H01H 9/16 20060101AFI20240104BHJP
【FI】
H01H9/16 A
(21)【出願番号】P 2020010407
(22)【出願日】2020-01-24
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】干場 隆司
(72)【発明者】
【氏名】見波 彩乃
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭47-007741(JP,U)
【文献】特開2019-139877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ本体とアクチュエータとを備える安全スイッチであって、
前記センサ本体は、
前記アクチュエータが前記センサ本体に対して所定位置に配置された場合、前記アクチュエータを検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に応じて、投光する投光部と、を備え、
前記アクチュエータは、
前記投光部が投光した光を受けて、可視光を発光する発光部を備
え、
前記投光部は、可視光を投光し、
前記発光部は、透光性部材で形成される、
安全スイッチ。
【請求項2】
前記投光部は、前記アクチュエータと対向する対向面を介して投光する、
請求項1に記載の安全スイッチ。
【請求項3】
前記発光部は、外周面と内周面とを有し、
前記外周面は、前記内周面よりも外側において、前記センサ本体とは反対側の非対向側のアクチュエータ外部に対面し、
前記内周面は、前記外周面よりも内側において、前記非対向側のアクチュエータ外部に対面し、
前記外周面は、前記センサ本体と対向する対向側から前記非対向側に向かって縮径する、
請求項1
又は2に記載の安全スイッチ。
【請求項4】
前記発光部は、外周面と内周面とを有し、
前記外周面は、前記内周面よりも外側において、前記センサ本体とは反対側の非対向側のアクチュエータ外部に対面し、
前記内周面は、前記外周面よりも内側において、前記非対向側のアクチュエータ外部に対面し、
前記内周面は、前記センサ本体と対向する対向側から前記非対向側に向かって拡径する、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項5】
前記アクチュエータは、
透光性部材で形成され、前記センサ本体からの光を前記発光部へ導光する導光部と、
前記導光部の外周を包囲する非透光性部材と、を備える、
請求項1~
4のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項6】
前記投光部は、複数の表示灯を含み、
前記アクチュエータは、前記センサ本体に対向して、所定の信号を送信する無線送信部を備え、
前記検出部は、前記無線送信部に対向して配置され、前記所定の信号を受信し、
前記センサ本体内には、複数の表示灯が前記検出部を基準に対称位置に配置される、
請求項1~
5のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項7】
前記発光部は、
前記投光部からの光を、前記センサ本体と前記アクチュエータとの配列方向と直交する方向に反射する反射面と、
前記反射面で反射した光を外方へ出射する出射面と、を有する、
請求項1~
6のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項8】
前記発光部における前記センサ本体とは反対側の端部は、前記非透光性部材における前記センサ本体とは反対側の端部よりも突出している、
請求項
5に記載の安全スイッチ。
【請求項9】
前記アクチュエータに対して着脱可能な延長部材、を更に備え、
前記延長部材は、前記アクチュエータが発光する光を導光して出射する、
請求項1~
8のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項10】
安全スイッチと、ドアと、を備えるドア付き装置であって、
前記安全スイッチは、センサ本体とアクチュエータとを備え、
前記センサ本体は、
前記アクチュエータが前記センサ本体に対して所定位置に配置された場合、前記アクチュエータを検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に応じて、投光する投光部と、を備え、
前記アクチュエータは、
前記投光部が投光した光を受けて、可視光を発光する発光部を備え、
前記ドアは、固定フレームと、可動フレームと、ドア本体と、を備え、
前記安全スイッチの前記センサ本体は、前記固定フレームに設置され、
前記安全スイッチの前記アクチュエータは、前記可動フレームに設置される、
ドア付き装置。
【請求項11】
前記アクチュエータの前記発光部の少なくとも一部は、前記可動フレームにおける前記固定フレームとは反対側の端部よりも突出して配置される、
請求項
10に記載のドア付き装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、安全スイッチ及びドア付き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工作機械の正面扉や産業用ロボット周囲の安全柵の扉部分などに取り付けられ、扉の開閉検出を行う安全スイッチが知られている。この安全スイッチでは、ドア(可動側)に取り付けられた専用のアクチュエータが、扉を閉めることによってセンサ本体に接近し、本体内の検出素子が検出すると信号を伝える。従来、センサ本体とアクチュエータを備える安全スイッチにおいて、センサ本体が、ドアの開閉を検出し、ドアの開閉状態を表示する表示部を備えることが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の安全スイッチは、安全スイッチが検出した異常(例えばドアの開閉状態)の検出結果の表示について改善の余地がある。
【0005】
本開示は、安全スイッチが検出した異常の検出結果の表示の視認性を向上できる安全スイッチ及びドア付き装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、センサ本体とアクチュエータとを備える安全スイッチであって、前記センサ本体は、前記アクチュエータが前記センサ本体に対して所定位置に配置された場合、前記アクチュエータを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に応じて、投光する投光部と、を備え、前記アクチュエータは、前記投光部が投光した光を受けて、可視光を発光する発光部を備え、前記投光部は、可視光を投光し、前記発光部は、透光性部材で形成される、安全スイッチである。
【0007】
本開示の一態様は、安全スイッチと、ドアと、を備えるドア付き装置であって、前記安全スイッチは、センサ本体とアクチュエータとを備え、前記センサ本体は、前記アクチュエータが前記センサ本体に対して所定位置に配置された場合、前記アクチュエータを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に応じて、投光する投光部と、を備え、前記アクチュエータは、前記投光部が投光した光を受けて、可視光を発光する発光部を備え、前記ドアは、固定フレームと、可動フレームと、ドア本体と、を備え、前記安全スイッチの前記センサ本体は、前記固定フレームに設置され、前記安全スイッチの前記アクチュエータは、前記可動フレームに設置される、ドア付き装置である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、安全スイッチが検出した異常の検出結果の表示の視認性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】安全スイッチのセンサ本体の一例を示す正面斜視図
【
図5】センサ本体において電子部品が実装された基板の一例を示す図
【
図6】安全スイッチのアクチュエータの一例を示す正面斜視図
【
図10】アクチュエータの透光性部材の発光部における光の反射例を示す図
【
図11A】ドアの閉検出及び閉検出結果の表示を説明するための図
【
図11B】ドアの開検出及び開検出結果の表示を説明するための図
【
図12A】ドアに設置された安全スイッチによる閉検出結果の表示例を示す図
【
図12B】ドアに設置された安全スイッチによる開検出結果の表示例を示す図
【
図13】アクチュエータの延長オプションを説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
(実施形態の内容に至る経緯)
安全スイッチのセンサ本体及びアクチュエータは、ドアの枠(例えばアルミフレーム)に取り付けられる。その際、ドアの枠の背面側にセンサ本体及びアクチュエータが取り付けられることが一般的である。表面側にセンサ本体及びアクチュエータが取り付けられると、物がセンサ本体及びアクチュエータにぶつかって破損したり、人がセンサ本体及びアクチュエータに接触して人が怪我したり、安全スイッチ周辺の見栄えが低下したりするためである。また、ドアの枠の背面側に取り付けられるセンサ本体の表示部は、ドアの外側からは確認し難く、視認性が不十分である。具体的には、ドアの正面から見ると、ドアの枠に遮れて表示部が確認し難く、ドアの正面以外から見ても、フレームに遮られる角度範囲からは視認が困難であり、視認可能な範囲が制限される。
【0012】
以下、異常の検出結果の表示の視認性を向上できる安全スイッチ及びドア付き装置について説明する。
【0013】
(実施形態)
図1は、実施形態におけるドア付き装置10の構成例を示す図である。ドア付き装置10は、1つ以上のドア100と、1つ以上の安全スイッチ200と、を備える。ドア100は、扉、戸、等のドアに関連するものを広く含んでよく、窓を含んでもよい。ドア付き装置10は、例えば製造装置であり、ドア付き装置10の内部には、例えば製造装置本体が収容される。
【0014】
図2は、ドア100の構成例を示す斜視図である。ドア100は、それぞれ、固定フレーム111と、可動フレーム112と、ドア本体113と、を含む。
【0015】
固定フレーム111は、ドア付き装置10の外周を覆う部材(筐体等)に接続される。固定フレーム111は、例えばアルミフレームであり、他の材料で形成されたフレームでもよい。固定フレーム111は、透光性を有しない。
【0016】
可動フレーム112は、固定フレーム111に対して移動自在である。この結果、ドア100が開閉自在である。可動フレーム112は、例えばアルミフレームであり、他の材料で形成されたフレームでもよい。可動フレーム112は、透光性を有しない。
【0017】
ドア本体113は、ドア本体113の周囲が可動フレーム112により包囲される。ドア本体113は、例えば、透光性部材で形成される。透光性部材は、例えば透明なプラスチックやガラスで形成されてよく、以降の透光性部材の記載でも同様である。
【0018】
なお、ドア100の開閉方式は、開き戸方式、引き戸方式、折れ戸方式、蛇腹方式、観音開き方式、ガルウィング方式、等を含んでよい。
【0019】
安全スイッチ200は、ドア100の開閉状態を検出するドアセンサとして機能する。安全スイッチ200は、センサ本体210とアクチュエータ250とを備える。センサ本体210は、ドア付き装置10の内部において固定フレーム111に設置される。アクチュエータ250は、ドア付き装置10の内部において可動フレーム112に設置される。よって、ドア付き装置10の外部から確認する確認者から見ると、安全スイッチ200は、固定フレーム111及び可動フレーム112の背面側に位置している。
【0020】
センサ本体210は、ドアの状態(例えば開閉状態)を検出し、検出結果に基づいて投光する。センサ本体210は、例えば、検出結果をアクチュエータ250に投光する。アクチュエータ250は、投光された光を受けて、この光を基に可視光を発光する。アクチュエータ250から発光された光は、透光性部材で形成されたドア本体113を介して、ドア付き装置10の外側から視認可能である。
【0021】
図3は、センサ本体210の一例を示す正面斜視図(z方向正側から見た斜視図)である。
図4は、センサ本体210の一例を示す背面斜視図(z方向負側から見た斜視図)である。
図5は、センサ本体210において電子部品が実装された基板の一例を示す図である。
【0022】
なお、各図では、必要に応じてx方向、y方向、及びz方向を示している。本実施形態では、z方向は、センサ本体210とアクチュエータ250の配列方向である。z方向正側にセンサ本体210が位置し、z方向負側にアクチュエータ250が位置する。y方向は、固定フレーム111とセンサ本体210との配列方向、又は可動フレーム112とアクチュエータ250との配列方向である。x方向は、例えば、センサ本体210が設置された固定フレーム111の延在方向、又はアクチュエータ250が設置された可動フレーム112の延在方向である。
【0023】
センサ本体210は、プロセッサ211と、コイル212と、第1光源213と、第1投光口214と、第2光源215、第2投光口216、基板217と、筐体218と、ケーブル219と、を備える。筐体218は、カバー218a及びケース218bを有し、基板217を収容する。基板217は、センサ本体210が備える電子部品を実装する。電子部品は、プロセッサ211と、コイル212と、第1光源213と、第2光源215と、を含んでよい。
【0024】
プロセッサ211は、センサ本体210が備えるメモリと協働して、各種機能を実現する。プロセッサ211は、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、等を含んでよい。プロセッサ211は、センサ本体210全体の動作を統括する。
【0025】
コイル212は、ケーブル219を介して外部から電力を受け、ワイヤレス電力伝送によって外部装置に電力を伝送する。ワイヤレス電力伝送は、例えば電磁誘導方式や磁界共鳴方式であってよい。コイル212は、外部装置から所定の信号を受けると、この所定の信号を受けた旨をプロセッサ211に通知する。外部装置は、例えばアクチュエータ250、より具体的にはアクチュエータ250のRFIDタグ280(後述)である。コイル212は、所定の信号を受信することで閉状態(異常無しの一例)を検出し、所定の信号を受信しないことで開状態(異常有りの一例)を検出する。
【0026】
第1光源213は、安全スイッチ200により検出されるドア100の異常の検出結果を表示する表示灯として動作する。第1光源213は、1つでも複数存在してよく、
図5では3つ設けられている。第1光源213は、プロセッサ211の制御により、アクチュエータ250から所定の信号の受信の有無に応じて、投光(表示)する。第1光源213は、様々な表示態様で表示可能である。表示態様は、表示色、表示パターン、光強度、等でよい。
【0027】
複数の第1光源213は、コイル212の配置位置を基準に、対称位置に配置されてよい。例えば、
図5では、3つの第1光源213が、z方向に沿うコイル212の中心線ccに対して線対称に配置されている。これにより、センサ本体210は、第1光源213からの光を、コイル212の位置を基準位置として対称(例えば線対称)に伝達可能である。よって、センサ本体210の光に基づくアクチュエータ250の光も、基準位置に対して対称性を有する光となる。また、複数の第1光源213は、アクチュエータと対向する対向面の長手方向に沿って配置されるので、アクチュエータ250に対して投光する投光元の光の領域を広げることができる。よって、安全スイッチ200の視認性が向上する。
【0028】
第1投光口214は、第1光源213の光を、例えば透過することで投光する。第1投光口214は、透光性部材により形成される。第1投光口214の投光方向は、ドア100が閉状態である場合にドア100に取り付けられたアクチュエータ250が存在する方向である。なお、第1投光口214は、透光性部材の代わりに、鏡面体、反射筒、等で構成されてもよい。
【0029】
第2光源215は、安全スイッチ200により検出されるドア100の異常の検出結果を表示する表示灯として動作する。第2光源215は、1つでも複数存在してもよく、
図5では1つ設けられている。第2光源215は、プロセッサ211の制御により、アクチュエータ250から所定の信号の受信の有無に応じて、投光(表示)する。第2光源215は、様々な表示態様で表示可能である。
【0030】
第2投光口216は、第2光源215の光を、例えば透過することで投光する。第2投光口216は、透光性部材により形成される。第2投光口216の投光方向は、ドア100が閉状態である場合にドア100に取り付けられたアクチュエータ250が存在する方向とは異なる方向であり、例えばこのアクチュエータ250が存在する方向とは逆方向である。なお、第2投光口216は、透光性部材の代わりに、鏡面体、反射筒、等で構成されてもよい。
【0031】
ケーブル219には、電源線、信号線、等の各種配線が格納される。信号線には、例えば、他の安全スイッチ200による異常の検出結果を伝送する信号線が含まれてよい。ケーブル219は、基板217上の電子部品の少なくとも一部に電力を供給する。したがって、可動部に設置されるアクチュエータ250において、光を発生させるための電源が不要であり、可動部が可動し易い状態を維持できる。なお、ケーブル219から各電子部品への電気配線の図示は省略されている。
【0032】
図6は、アクチュエータ250の一例を示す正面斜視図(z方向正側から見た斜視図)である。
図7は、アクチュエータ250の一例を示す背面斜視図(z方向負側から見た斜視図)である。
図8は、アクチュエータ250の一例を示す分解斜視図である。
図9は、アクチュエータ250の透光性部材270を導光部272側(y方向正側)から見た図である。
【0033】
アクチュエータ250は、筐体260と、透光性部材270と、RFID(Radio Frequency Identifier)タグ280を有する。透光性部材270は、受光部271と、導光部272と、発光部273と、を備える。透光性部材270は、例えば透明なプラスチックやガラスで形成されてよい。透光性部材270は、センサ本体210からの光を受けて、可視光を発光する。
【0034】
受光部271は、ドア100が閉状態である場合、センサ本体210の第1投光口214に対向する。受光部271は、センサ本体210の第1投光口214からの光を受光し、アクチュエータ250内に光を導入する。受光部271は、筐体260におけるセンサ本体210と対向する面よりも、センサ本体210側に突出している。この場合、受光部271は、センサ本体210からの光を透光性部材270内へ取り込みやすくなる。
【0035】
導光部272は、受光部271から発光部273に向かってセンサ本体210からの光を導光する。導光部272は、
図9に示すように直線的な導光路を有してもよいし、他の形状の導光路を有してもよい。導光部272は、複数存在してもよい。導光部272は、複数存在する場合、相互に所定の距離、離間されて設けられてよい。
【0036】
導光部272は、透光性部材270の一部により形成される第1部分272aと、透光性部材270が不在である空間としての第2部分272bと、を有する。
図9では、導光部272が2つ設けられ、各導光部272において、2つの第1部分272aの間に第2部分272bが形成されている。第1部分272a及び第2部分272bはいずれも、受光部271から発光部273への導光に寄与する。
【0037】
発光部273は、導光部272を介して導光された光を基に、発光する。発光部273は、この発光により、ドア100の異常の検出結果を表示する。例えば、発光部273は、導光部272を介して導光された光を外部に出射する。発光部273は、光を透過、反射、拡散、等を行うことが可能である。発光部273は、外周面273aと内周面273bとを有する。外周面273aは、内周面273bよりも外側に位置する。外周面273a及び内周面273bのいずれも、センサ本体210に対向しない非対向側(z方向負側)においてアクチュエータ外部に対面する。
【0038】
外周面273aは、センサ本体210と対向する対向側(z方向正側)から、センサ本体210と対向しない非対向側(z方向負側)に向かって、縮径する。これにより、外周面273aは、導光部272を介して導光された光を、屈折等により光を拡げて拡散できる。よって、確認者は、様々な角度からアクチュエータ250の光を見やすくなる。
【0039】
内周面273bは、センサ本体210と対向する対向側(z方向正側)から、センサ本体210と対向しない非対向側(z方向負側)に向かって、拡径する。これにより、内周面273bは、導光部272を介して導光された光を、屈折等によりアクチュエータ250の中心線c1の方向(
図9参照)に拡散し易くなる。よって、集約された光の強度が向上し、アクチュエータ250の中心線方向に長く伝達可能である。したがって、確認者は、アクチュエータ250の光を見やすくなる。
【0040】
また、発光部273は、光透過性を有しても、光反射性を有しても、光透過性及び光反射性の双方を有してもよい。光透過性及び光反射性の双方を有する場合、光の一部を透過し、光の他部を反射してよい。
図10は、発光部273における光の反射例を示す図である。
図10では、導光部272を進行する光が内周面273bにおいて反射され、L1の方向に光の進行方向が変化している。なお、発光部273は、少なくとも光を外部に出射可能であればよく、外周面273a及び内周面273bの形状は上記に限られない。
【0041】
また、発光部273は、筐体260におけるセンサ本体210と対向する端面と反対側(z方向負側)の端面よりも、外部に突出してよい。これにより、発光部273から出射した光が一層拡散し易くなっている。
【0042】
RFIDタグ280は、ドア100が閉状態である場合にセンサ本体210のコイル212と通信可能な範囲に、配置される。RFIDタグ280は、例えば、透光性部材270における受光部271側に配置される。RFIDタグ280は、透光性部材270における2つの導光部272の間に配置されてよい。RFIDタグ280は、所定の信号を発信する。RFIDタグ280は、例えばパッシブタグであり、外部から電力供給を受けて動作する。例えば、RFIDタグ280は、センサ本体210からコイル212を介して電力供給を受け、所定の信号をセンサ本体210に発信する。なお、所定の信号は、少なくともID情報を含む。
【0043】
筐体260は、アクチュエータ250の内部を保護する。筐体260は、第1筐体261及び第2筐体262を有する。第1筐体261は、透光性部材270の上側(y方向正側)を包囲し、透光性部材270の左側及び右側(x方向両側)を第2筐体262とともに包囲する。第2筐体262は、透光性部材270の下側(y方向負側)を包囲し、透光性部材270の左側及び右側(x方向両側)を第1筐体261とともに包囲する。また、筐体260は、受光部271及び発光部273を包囲しておらず、受光部271及び発光部273を光が通過可能である。また、筐体260は、非透光性部材で形成されてもよい。非透光性部材は、例えば透光性を有しないプラスチックやゴム材であってよい。筐体260が非透光性部材で形成されることで、例えば導光部272から光が漏出して減衰することを抑制でき、発光部273から発光される光の光強度を維持できる。
【0044】
次に、製造装置について説明する。
【0045】
ドア付き装置10としての製造装置は、各種製造物(例えば、電気的、機械的な物、化学的な物質)を製造する装置である。製造装置又は製造物は、任意であるが、例えば取り扱いを留意すべき製造装置又は製造物である。製造装置は、安全スイッチ200の状態に応じて動作してよい。例えば、安全スイッチ200により全てのドア100の閉状態が検出された場合に、製造装置が動作可能となり、安全スイッチ200により少なくとも1つのドア100の開状態が検出された場合に、製造装置の動作不能なってよい。これにより、ドア付き装置10は、製造装置又は製造物に対して安全な状態に維持できる。
【0046】
安全スイッチ200の状態に応じた製造装置の動作の許否は、PLC(programmable logic controller)により実施されてよい。PLCは、安全スイッチ200と製造装置本体との間に接続される。PLCのプロセッサは、安全スイッチ200により全てのドア100の閉状態が検出された場合に、製造装置の動作を許可し、安全スイッチ200により少なくとも1つのドア100の開状態が検出された場合に、製造装置の動作を禁止してよい。
【0047】
次に、ドア100の開閉検出及び開閉検出結果の表示について説明する。
【0048】
図11A及び
図11Bは、ドア100の開閉検出及び開閉検出結果の表示を説明するための図である。
図11Aは、ドア100の閉検出及び閉検出結果の表示を示す。
図11Bは、ドア100の開検出及び開検出結果の表示を示す。
【0049】
センサ本体210は、アクチュエータ250がセンサ本体210に対して所定位置に配置された場合、アクチュエータ250を検出する。具体的には、アクチュエータ250のRFIDタグ280がセンサ本体210のコイル212からのワイヤレス電力伝送が可能な範囲に位置する場合に、センサ本体210がアクチュエータ250に電力を供給し、アクチュエータ250が所定の信号をセンサ本体210に送信する。コイル212は、アクチュエータ250からの所定の信号を受信したことを検出すると、アクチュエータ250を検出し、プロセッサ211に通知する。プロセッサ211は、この通知を受けることで、アクチュエータ250を認識する。
【0050】
センサ本体210がアクチュエータ250を検出した場合、プロセッサ211は、センサ本体210が設置された固定フレーム111にアクチュエータ250が設置された可動フレーム112が所定の状態で対向し、ドア100が閉状態であると判定する。センサ本体210がアクチュエータ250を検出しなかった場合、センサ本体210が設置された固定フレーム111にアクチュエータ250が設置された可動フレーム112が所定の状態で対向しておらず、ドア100が開状態であると判定する。
【0051】
また、センサ本体210がアクチュエータ250を検出した場合、つまりドア100が閉状態である場合、第1光源213及び第2光源215は、プロセッサ211の制御により、第1の表示態様で表示する。センサ本体210がアクチュエータ250を検出しなかった場合、つまりドア100が開状態である場合、第1光源213及び第2光源215は、プロセッサ211の制御により、第2の表示態様で表示する。第1の表示態様と第2の表示態様とは異なる。例えば、第1の表示態様は、緑色の投光や点滅による表示でよく、第2の表示態様は、赤色の投光や点灯による表示でよい。アクチュエータ250は、センサ本体210からの光を受けて、表示態様を維持して光を出射することで、ドア100の開閉検出結果を表示する。
【0052】
なお、ドア100の開閉検出は、安全スイッチ200(自スイッチ)が設置されたドア100(自ドア)の開閉状態の検出とともに、又は自ドアの開閉状態の検出の代わりに、自スイッチ以外の他の安全スイッチ(他スイッチ)が設置された他のドア100(他ドア)の開閉状態の検出であってもよい。この場合、第1光源213及び第2光源215は、自ドアの開閉検出結果に基づいて表示するとともに、又は自ドアの開閉検出結果に基づいて表示する代わりに、他ドアの開閉検出結果に基づいて表示してもよい。
【0053】
次に、ドア100に設置されたアクチュエータ250によるドア100の開閉検出結果の表示例について説明する。
【0054】
図12A及び
図12Bは、ドア100に設置されたアクチュエータ250によるドア100の開閉検出結果の表示例を示す図である。
図12Aは、閉検出結果の表示例を示す。
図12Bは、開検出結果の表示例を示す。ここでは、鉛直方向下向きを「下」とし、鉛直方向上向きを「上」とも記載する。
【0055】
図12A及び
図12Bでは、センサ本体210の第1投光口214が鉛直方向の下側(アクチュエータ250が配置されるz方向負側)となるように、センサ本体210が固定フレーム111に設置される。また、アクチュエータ250の受光部271が鉛直方向の上側(センサ本体210が配置されるz方向正側)となり、発光部273が鉛直方向の下側(センサ本体210が配置される側とは反対側であるz方向負側)となるように、アクチュエータ250が可動フレーム112に設置される。また、
図12A及び
図12Bでは、可動フレーム112の下端部よりも下側に、少なくともとアクチュエータ250の透光性部材270の発光部273の一部が突出している。
【0056】
図12Aに示すように、ドア100が閉状態である場合、固定フレーム111の近傍に可動フレーム112が存在する。そのため、固定フレーム111に取り付けられたセンサ本体210が投光する光は、可動フレーム112によって遮蔽される。したがって、センサ本体210が投光する光をドア付き装置10の外部から確認不可能である。しかし、センサ本体210から投光された光をアクチュエータ250が導入可能であり、アクチュエータ250が発光する。可動フレーム112に取り付けられたアクチュエータ250が出射する光は、ドア本体113の方向を含んで拡散され、ドア本体113としての透光性部材を介してドア付き装置10の外部から視認可能である。ドア100が閉状態である場合の表示態様は、表示態様D1でよい。
【0057】
ドア100が開状態である場合、固定フレーム111の近傍に可動フレーム112が不在である。そのため、固定フレーム111に取り付けられたセンサ本体210が投光する光は、可動フレーム112によって遮蔽されずに拡散可能である。したがって、アクチュエータ250の発光がなくても、センサ本体210が投光する光をドア付き装置10の外部から視認可能であり得る。ドア100が開状態である場合の表示態様は、表示態様D2でよい。
【0058】
実際には、ドア100が、半ドア状態でなく大きく開いた状態で、センサ本体210とアクチュエータ250とが大きく離れており、センサ本体210から投光された光をアクチュエータ250が導入不能である場合には、アクチュエータ250は発光しない。この場合、センサ本体210が透光する光を視認可能である。
【0059】
一方、
図12Bに示すように、ドア100が開状態であるが半ドア状態のようにあまり開いていない状態であり、センサ本体210から投光された光の一部をアクチュエータ250が導入可能である場合には、アクチュエータ250は発光する。この場合、少なくともアクチュエータ250が発光する光を視認可能であり、センサ本体210が投光する光も視認可能であり得る。
【0060】
なお、ここでは、ドア100の鉛直方向の上端部に安全スイッチ200が設置されることを例示したが、これに限られない。つまり、固定フレーム111の上部の枠体にセンサ本体210が設置され、可動フレーム112の上部の枠体にアクチュエータ250が設置されることを例示したが、これに限られない。
【0061】
例えば、ドア100の側端部に安全スイッチ200が設置されてもよい。つまり、固定フレーム111の側部の枠体にセンサ本体210が設置され、可動フレーム112の側部の枠体にアクチュエータ250が設置されてもよい。この場合、センサ本体210の第1投光口214がアクチュエータ250と対向するように、センサ本体210が固定フレーム111に設置される。また、アクチュエータ250の受光部271がセンサ本体210と対向するように、アクチュエータ250が可動フレーム112に設置される。
【0062】
次に、アクチュエータ250の延長オプションについて説明する。
図13は、アクチュエータ250の延長オプションを説明するための図である。
【0063】
例えば固定フレーム111や可動フレーム112の太さ(例えば鉛直方向の長さ)が太い(例えば長い)場合、アクチュエータ250の透光性部材270の発光部273や出射された光を確認し難いことがある。これに対し、アクチュエータ250の導光距離が長くなるように、アクチュエータ250を実質的に延長してよい。具体的には、アクチュエータ250に着脱可能な延長部材290を、アクチュエータ250に取り付けてよい。延長部材290は、アクチュエータ250が発光する光を導光して出射する。
【0064】
延長部材290は、少なくとも透光性部材を有する。延長部材290は、アクチュエータ250と同様の構成部を有してよく、筐体及び透光性部材を有してよい。延長部材290の筐体と透光性部材とは、アクチュエータ250の筐体260及び透光性部材270と同じ形状を有してよい。この場合、延長部材290が形成し易い。また、延長部材290の透光性部材における導光部は、アクチュエータ250の透光性部材270における導光部272よりも長くてもよい。この場合、延長部材290による導光距離を長くできる。また、延長部材290の透光性部材における受光部は、アクチュエータ250の透光性部材270の発光部273の出射方向先端(z方向負側の先端)の形状に係合するように形成されてよい。この場合、アクチュエータ250と延長部材290とを着脱し易くなり、一体化し易くなる。
図13では、延長部材290の透光性部材の発光部293から、アクチュエータ250及び延長部材290を介して導光された光が出射される様子を示している。
【0065】
このようにして、延長部材290は、アクチュエータ250から出射された光を、延長部材290に効率良く受光、導光、出射できる。よって、ドア付き装置10の外部から確認する確認者は、アクチュエータ250の光を確認し難い場合でも、延長部材290の光を確認し易くなる。よって、固定フレーム111や可動フレーム112の太さによらずに、アクチュエータの光に基づく光を確認し易くなる。
【0066】
(変形例)
図14は、安全スイッチ200の変形構成例を示す簡略図である。
【0067】
安全スイッチ200では、センサ本体210の筐体218の内部に第1光源213を設けずに、筐体218の外部に第1光源213Aを設けてもよい。この場合、アクチュエータ250の筐体260の内部に透光性部材270を有さずに、筐体260の外部からセンサ本体210と反対側に向かって光を導き、発光部273Aが光を出射することで発光してもよい。この場合でも、アクチュエータ250をセンサ本体210からの光に従って発光させることができる。なお、発光部273Aは、センサ本体210からの光を受けて発光できれば、必ずしも透光性部材でなくてよい。
【0068】
なお、先に説明したように、センサ本体210の筐体218の内部に第1光源213を設け、アクチュエータ250の筐体260の内部に透光性部材270を設けてセンサ本体210からの光を発光部273から出射する場合、アクチュエータ250の内部において光を透過させることができる。よって、アクチュエータ250の筐体260の外部を通るように、センサ本体210の筐体218の外部に第1光源213Aを設けることが不要である。よって、センサ本体210が小型化され、したがって安全スイッチ200の全体が小型化される。また、センサ本体210の筐体218の外部に第1光源213Aを設けるための十分なスペースがない場合にも有効である。
【0069】
このように、安全スイッチ200によれば、センサ本体210は、投光部から第1投光口214を介してアクチュエータ250に向かって光を投光できる。アクチュエータ250は、センサ本体210からの光を基に、さらに安全スイッチ200の外部に向かって光を発光できる。よって、確認者から見て、安全スイッチ200が固定フレーム111及び可動フレーム112の背面に配置され、センサ本体210の光が見えなくても、ドア付き装置10の外部から、アクチュエータ250を介して検出結果の表示を視認できる。例えば、アクチュエータ250がセンサ本体210よりも鉛直方向の下側に配置され、フレームの背面から突出し易いためである。また、例えば、ドア100が多数存在する場合でも、アクチュエータ250の光を確認することで、どのドア100に異常が発生している(例えばドア100が開いている)のか、容易に把握できる。
【0070】
また、ドア100は本来、開状態を異常として表示することに利点があるが、ドア100が閉状態(安全状態)であることの表示についても、以下のような利点がある。
【0071】
ドア100が閉じているときに、例えばドア100の閉状態を示す表示が行われない(消灯している)場合、確認者は、ドア100が閉じているから表示していないのか、安全スイッチ200が故障しているために表示していないのか、把握できない。仮に故障して表示していない場合、故障による非表示であることが確認者に直ちに知られていないと、確認者により安全スイッチ200の故障であると認識され、安全スイッチの機能が果たされない。このため、ドア100が閉状態であっても、ドア100が閉状態であることを示す表示が行われ、確認者にこの表示が視認されることで、安全スイッチの機能が果たされていることが確認可能な状態を維持可能である。このように、安全スイッチ200は、ドア100が閉状態である場合でも、その表示がより広範囲から視認可能であることで、故障と区別して閉状態であることを確認者に通知可能である。
【0072】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0073】
上記実施形態では、ドア付き装置10が、ドア100により製造装置本体を包囲することを例示したが、これに限られない。例えば、製造装置本体の代わりに、ロッカー(例えば宅配ロッカー)、が配置されてもよい。また、ドア100が単に所定空間を包囲するだけでもよい。つまり、ドア付き装置10が単に空間を仕切るものであってもよい。
【0074】
上記実施形態では、
図1では、製造装置本体を囲むように複数のドア100が設けられ、ドア付き装置10が平面視で矩形に形成されているが、これに限られない。例えば、ドア100が一方向に複数配列され、ドア付き装置10が直線状に形成されてもよい。
【0075】
上記実施形態では、発光部273,293の形状は、例えば、プリズム形状、波形状、球面形状、又は平面形状を有してよい。発光部273,293は、すりガラスなどで形成されてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、プロセッサは、物理的にどのように構成してもよい。また、プログラム可能なプロセッサを用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できるので、プロセッサの設計の自由度を高めることができる。プロセッサは、1つの半導体チップで構成してもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成してもよい。複数の半導体チップで構成する場合、上記実施形態の各制御をそれぞれ別の半導体チップで実現してもよい。この場合、それらの複数の半導体チップで1つのプロセッサを構成すると考えることができる。また、プロセッサは、半導体チップと別の機能を有する部材(コンデンサ等)で構成してもよい。また、プロセッサが有する機能とそれ以外の機能とを実現するように、1つの半導体チップを構成してもよい。また、複数のプロセッサが1つのプロセッサで構成されてもよい。
【0077】
以上のように、上記実施形態では、安全スイッチ200は、センサ本体210とアクチュエータ250とを備える。センサ本体210は、アクチュエータ250がセンサ本体210に対して所定位置に配置された場合、アクチュエータ250を検出する検出部(例えばコイル212)と、検出部の検出結果に応じて、投光する投光部(例えば第1光源213)と、を備える。アクチュエータ250は、投光部が投光した光を受けて、可視光を発光する発光部273,273Aを備える。
【0078】
これにより、安全スイッチ200では、センサ本体210は、投光部からアクチュエータ250に向かって光を投光できる。アクチュエータ250は、センサ本体210からの光を基に、さらに安全スイッチ200の外部に向かって光を発光できる。よって、確認者から見て、安全スイッチ200が固定フレーム111及び可動フレーム112の背面に配置されても、アクチュエータ250を介して安全スイッチ200による検出結果の表示を、ドア100の正面(ドア付き装置10の外部)から視認可能である。したがって、安全スイッチ200は、安全スイッチ200が検出した異常の検出結果の表示の視認性を向上できる。
【0079】
また、アクチュエータ250がセンサ本体210からの光を基に発光することで、アクチュエータ250側に光源が不要であるので、アクチュエータ250に電源線を接続することが不要である。よって、可動フレーム112にアクチュエータ250を取り付ける場合でも、容易にアクチュエータ250を設置が可能である。
【0080】
また、投光部は、アクチュエータ250と対向する対向面(例えば第1投光口214の面)を介して投光してよい。
【0081】
これにより、安全スイッチ200は、投光部がアクチュエータに対する対向面を介して投光することで、投光元の光の領域を広げることができる。例えば、センサ本体210の筐体218の外側に光源を設けるのではなく、複数の第1光源213を対向面に対応して複数配列することで、投光元の光の領域を広げることができる。また、投光部がアクチュエータの対向面を介して投光することで、アクチュエータ250にセンサ本体210からの光が高効率で伝達でき、表示効率が向上する。よって、安全スイッチ200の視認性が向上する。
【0082】
また、投光部は、可視光を投光してよい。発光部273は、透光性部材270で形成されてよい。
【0083】
これにより、アクチュエータ250は、簡易な構成で光を発光できる。また、アクチュエータ250は、透光性部材270により透過することで、例えばセンサ本体210からの光を導光するための構成をアクチュエータ250の筐体260外に設けることが不要となり、アクチュエータ250の小型化に繋がる。
【0084】
また、発光部273は、外周面273aと内周面273bとを有してよい。外周面273aは、内周面273bよりも外側において、センサ本体210とは反対側の非対向側のアクチュエータ外部に対面してよい。内周面273bは、外周面273aよりも内側において、非対向側のアクチュエータ外部に対面してよい。外周面273aは、センサ本体210と対向する対向側から非対向側に向かって縮径してよい。
【0085】
これにより、アクチュエータ250は、センサ本体210からの光を受けてセンサ本体210と反対側に向かって発光する際、外周面273aにおける屈折等により光が進行する方向の範囲を拡げて拡散できる。よって、アクチュエータ250から発した光を視認可能な範囲が広がり、確認者は、様々な角度からアクチュエータ250の光を見やすくなる。
【0086】
また、発光部273は、外周面273aと内周面273bとを有してよい。外周面273aは、内周面273bよりも外側において、センサ本体210とは反対側の非対向側のアクチュエータ外部に対面してよい。内周面273bは、外周面273aよりも内側において、非対向側のアクチュエータ外部に対面してよい。内周面273bは、センサ本体210と対向する対向側から非対向側に向かって拡径してよい。
【0087】
これにより、アクチュエータ250は、センサ本体210からの光を受けてセンサ本体210と反対側に向かって発光する際、内周面273bにおける屈折等により光をアクチュエータ250の中心線c1の方向に拡散し易くなる。よって、拡散された光の強度が向上し、アクチュエータ250の中心線c1の方向に長く伝達可能である。したがって、確認者は、アクチュエータ250の光を見やすくなる。
【0088】
また、アクチュエータ250は、透光性部材270で形成され、センサ本体210からの光を発光部273へ導光する導光部272と、導光部272の外周を包囲する非透光性部材(例えば筐体260)と、を備えてよい。
【0089】
これにより、アクチュエータ250は、アクチュエータ内部において、投光部からの光が透光性部材270を介してアクチュエータ外部へ漏出することを抑制できる。よって、アクチュエータ250は、発光部273で発光される光の減衰を抑制でき、アクチュエータの光の視認性を向上できる。
【0090】
また、投光部は、複数の表示灯を含んでよい。アクチュエータ250は、センサ本体210に対向して、所定の信号を送信する無線送信部(例えばRFIDタグ280)を備えてよい。検出部は、無線送信部に対向して配置され、所定の信号を受信してよい。センサ本体210内には、複数の表示灯が検出部を基準に対称位置に配置されてよい。
【0091】
これにより、センサ本体210は、複数の表示灯が検出部を基準に対称位置に配置されることで、投光部により投光される光がアクチュエータ250に均一に伝達可能である。よって、アクチュエータ250は、均一に発光可能であり、アクチュエータ外部に対称に発光できる。したがって、確認者がアクチュエータ250から発光された光を見やすくなる。
【0092】
また、発光部273は、投光部からの光を、センサ本体210とアクチュエータ250との配列方向(例えばz方向)と直交する方向(例えばx方向)に反射する反射面(例えば内周面273b)と、反射面で反射した光をアクチュエータ外部へ出射する出射面(例えば外周面273a)と、を有してよい。
【0093】
これにより、アクチュエータ250は、反射を利用してセンサ本体210からの光の進行方向を変更でき、より広範囲に光を拡散できる。よって、確認者は、より広範囲から視認可能となる。
【0094】
また、発光部273におけるセンサ本体210とは反対側の端部は、非透光性部材におけるセンサ本体210とは反対側の端部よりも突出してよい。
【0095】
これにより、非透光性部材(例えば筐体260)よりも突出して発光部273が存在するので、例えば可動フレーム112の背面にアクチュエータが配置されても、確認者は、ドア100の表側から見易くなる。
【0096】
また、安全スイッチ200は、アクチュエータ250に対して着脱可能な延長部材290、を更に備えてよい。延長部材290は、アクチュエータ250が発光する光を導光して出射してよい。
【0097】
これにより、延長部材290は、アクチュエータ250により出射された光の伝達距離を延長できる。したがって、例えばアクチュエータ250とセンサ本体210との配列方向(z方向)に沿って長い可動フレーム112にアクチュエータ250が設置されたり、この方向に長い固定フレーム111にセンサ本体210が設置されたりする場合でも、確認者が、アクチュエータ250が発光する光を視認し易くなる。
【0098】
また、上記実施形態のドア付き装置10は、ドア100と、上記の安全スイッチ200と、を備える。ドア100は、固定フレーム111と、可動フレーム112と、ドア本体113と、を備える。安全スイッチ200のセンサ本体210は、固定フレーム111に設置される。安全スイッチ200のアクチュエータ250は、可動フレーム112に設置される。
【0099】
これにより、ドア付き装置10は、センサ本体210及びアクチュエータ250が固定フレーム111及び可動フレーム112の背面に配置されても、アクチュエータ250を介して安全スイッチ200による検出結果の表示を、ドア100の正面(ドア付き装置10の外部)から視認させることができる。したがって、ドア付き装置10は、安全スイッチ200が検出した異常の検出結果の表示の視認性を向上できる。
【0100】
また、アクチュエータ250の発光部273の少なくとも一部は、可動フレーム112における固定フレーム111とは反対側の端部よりも突出して配置されてよい。
【0101】
これにより、ドア付き装置10は、可動フレーム112の背面にアクチュエータ250が配置されても、アクチュエータ250内の発光位置をドア付き装置10の正面側から確実に確認可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本開示は、安全スイッチが検出した異常の検出結果の表示の視認性を向上できる安全スイッチ及びドア付き装置等に有用である。
【符号の説明】
【0103】
10 ドア付き装置
100 ドア
111 固定フレーム
112 可動フレーム
113 ドア本体
200 安全スイッチ
210 センサ本体
211 プロセッサ
212 コイル
213 第1光源
214 第1投光口
215 第2光源
216 第2投光口
217 基板
218 筐体
219 ケーブル
250 アクチュエータ
260 筐体
261 第1筐体
262 第2筐体
270 透光性部材
271 受光部
272 導光部
273 発光部
273a 外周面
273b 内周面
280 RFIDタグ
290 延長部材
293 発光部