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特許7411911冷蔵庫、プログラム、端末装置、及び、冷蔵庫制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】冷蔵庫、プログラム、端末装置、及び、冷蔵庫制御システム
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20240104BHJP
   G16Y 10/80 20200101ALI20240104BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20240104BHJP
【FI】
F25D11/00 101B
G16Y10/80
G16Y20/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020074076
(22)【出願日】2020-04-17
(65)【公開番号】P2021169910
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柳 智之
(72)【発明者】
【氏名】垣内 翔太
(72)【発明者】
【氏名】多賀 一瑳
(72)【発明者】
【氏名】中川 雅至
【審査官】五十嵐 公輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-74490(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0047464(KR,A)
【文献】特開2018-013299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
G16Y 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーと通信可能な冷蔵庫であって、
前記冷蔵庫の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを前記サーバーから受信し、受信した前記気温データが示す前記気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定し、現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを第1モードから前記第1モードより庫内温度が高い第2モードに移行させる冷蔵庫制御部を備える、
ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷蔵庫制御部は、
現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを前記第2モードに移行させるか否かを前記冷蔵庫のユーザーに問い合わせ、
前記ユーザーから前記第2モードに移行させる指示を受け付けた場合、前記冷蔵庫の運転モードを前記第2モードに移行させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記冷蔵庫制御部は、
現在から所定日数遡った日までの前記気温データを複数受信し、受信した複数の前記気温データが示す気温の平均が所定温度を下回る場合に、現在の季節が冬であると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記冷蔵庫制御部は、
前記冷蔵庫のユーザーから前記第2モードの終了指示を受け付けた場合、前記第2モードを終了する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記冷蔵庫制御部は、
前記冷蔵庫のユーザーから前記冷蔵庫の庫内温度を変更する操作を受け付けた場合、前記第2モードを終了する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
冷蔵庫及びサーバーと通信可能な端末装置の制御部を、
前記冷蔵庫の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを前記サーバーから受信する通信制御部と、
前記通信制御部が受信した前記気温データが示す前記気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部を現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを第1モードから前記第1モードより庫内温度が高い第2モードに移行させる運転モード制御部と、して機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
前記運転モード制御部は、
前記判定部が現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを前記第2モードに移行させるか否かを前記冷蔵庫のユーザーに問い合わせ、問い合わせ後、前記ユーザーから前記第2モードに移行させる指示を受け付けた場合、前記冷蔵庫の運転モードを前記第2モードに移行させる、
ことを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記通信制御部は、現在から所定日数遡った日までの前記気温データを前記サーバーから複数受信し、
前記判定部は、前記通信制御部が受信した複数の前記気温データが示す気温の平均が所定温度を下回る場合に、現在の季節が冬であると判定する、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記プログラムは、前記端末装置にインストール可能なアプリケーションプログラムである、
ことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
冷蔵庫及びサーバーと通信可能な端末装置であって、
前記冷蔵庫の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを前記サーバーから受信し、
受信した前記気温データが示す前記気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定し、
現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを第1モードから前記第1モードより庫内温度が高い第2モードに移行させる制御部を備える、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項11】
冷蔵庫と、前記冷蔵庫及びサーバーと通信可能な端末装置とを有する冷蔵庫制御システムであって、
前記端末装置は、
前記冷蔵庫の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを前記サーバーから受信し、
受信した前記気温データが示す前記気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定し、
現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを第1モードから前記第1モードより庫内温度が高い第2モードに移行させる指示を示す移行指示情報を前記冷蔵庫に送信し、
前記冷蔵庫は、
前記移行指示情報を受信すると、前記冷蔵庫の運転モードを前記第1モードから前記第2モードに移行させる、
ことを特徴とする冷蔵庫制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫、プログラム、端末装置、及び、冷蔵庫制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫の庫内温度を設定する技術が知られている。例えば、特許文献1は、過去の庫内収納量の変化に基づいて大量に食品を購入する曜日及び日時を特定し、特定した曜日及び日時の冷却量を増やして庫内温度を下げる冷蔵庫を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-108740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、冬では、体が冷えることを気にする人がいる。このような人は冬以外の季節と比べて冬に冷たい食品を好まない傾向にあるため、冬では、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定できるようにすることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、サーバーと通信可能な冷蔵庫であって、前記冷蔵庫の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを前記サーバーから受信し、受信した前記気温データが示す前記気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定し、現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを第1モードから前記第1モードより庫内温度が高い第2モードに移行させる冷蔵庫制御部を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムの構成を示す図
図2】冷蔵庫の機能的構成を示すブロック図
図3】冷蔵庫の動作を示すフローチャート
図4】冷蔵庫の機能的構成を示すブロック図
図5】冷蔵庫の動作を示すフローチャート
図6】冷蔵庫制御システムの構成を示す図
図7】冷蔵庫、冷蔵庫制御サーバー、及び、端末装置の機能的構成を示すブロック図
図8】冷蔵庫制御システムの動作を示すフローチャート
図9】ユーザーインターフェースの一例を示す図
図10】冷蔵庫制御システムの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明は、サーバーと通信可能な冷蔵庫であって、前記冷蔵庫の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを前記サーバーから受信し、受信した前記気温データが示す前記気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定し、現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを第1モードから前記第1モードより庫内温度が高い第2モードに移行させる冷蔵庫制御部を備える、ことを特徴とする。
これによれば、現在の季節が冬であると判定した場合に冷蔵庫の庫内温度を高く設定することで、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。
【0010】
第2の発明は、前記冷蔵庫制御部は、現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを前記第2モードに移行させるか否かを前記冷蔵庫のユーザーに問い合わせ、前記ユーザーから前記第2モードに移行させる指示を受け付けた場合、前記冷蔵庫の運転モードを前記第2モードに移行させる、ことを特徴とする。
これによれば、第2モードに移行させる指示を受け付けた場合に冷蔵庫の運転モードを第2モードに移行させるため、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定する動作が、ユーザーの意図しない冷蔵庫の動作となることを防止できる。
【0011】
第3の発明は、前記冷蔵庫制御部は、現在から所定日数遡った日までの前記気温データを複数受信し、受信した複数の前記気温データが示す気温の平均が所定温度を下回る場合に、現在の季節が冬であると判定する、ことを特徴とする。
これによれば、現在から所定日数遡った日までの複数の気温の平均が所定温度を下回る場合に現在の季節が冬と判定するため、現在から所定日数遡った日までの期間において気温にばらつきがある場合でも、正確に現在の季節が冬であると判定できる。よって、適切なタイミングで、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。
【0012】
第4の発明は、前記冷蔵庫制御部は、前記冷蔵庫のユーザーから前記第2モードの終了指示を受け付けた場合、前記第2モードを終了する、ことを特徴とする。
これによれば、終了指示をユーザーから受け付けることはユーザーが冷蔵庫の庫内温度を第2モードの温度から他の温度に変更しようとした可能性が高いため、冬に適した庫内温度の設定を適切なタイミングで終了できる。
【0013】
第5の発明は、前記冷蔵庫制御部は、前記冷蔵庫のユーザーから前記冷蔵庫の庫内温度を変更する操作を受け付けた場合、前記第2モードを終了する、ことを特徴とする。
これによれば、庫内温度の変更をユーザーから受け付けることはユーザーが冷蔵庫の庫内温度を第2モードの温度から他の温度に変更しようとした可能性が高いため、冬に適した庫内温度の設定を適切なタイミングで終了できる。
【0014】
第6の発明は、冷蔵庫及びサーバーと通信可能な端末装置の制御部を、前記冷蔵庫の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを前記サーバーから受信する通信制御部と、前記通信制御部が受信した前記気温データが示す前記気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定する判定部と、前記判定部を現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを第1モードから前記第1モードより庫内温度が高い第2モードに移行させる運転モード制御部と、して機能させる、ことを特徴とするプログラムである。
これによれば、現在の季節が冬であると判定した場合に冷蔵庫の庫内温度を高く設定することで、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。
【0015】
第7の発明は、前記運転モード制御部は、前記判定部が現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを前記第2モードに移行させるか否かを前記冷蔵庫のユーザーに問い合わせ、問い合わせ後、前記ユーザーから前記第2モードに移行させる指示を受け付けた場合、前記冷蔵庫の運転モードを前記第2モードに移行させる、ことを特徴とする。
これによれば、第2モードに移行させる指示を受け付けた場合に冷蔵庫の運転モードを第2モードに移行させるため、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定する動作が、ユーザーの意図しない冷蔵庫の動作となることを防止できる。
【0016】
第8の発明は、前記通信制御部は、現在から所定日数遡った日までの前記気温データを前記サーバーから複数受信し、前記判定部は、前記通信制御部が受信した複数の前記気温データが示す気温の平均が所定温度を下回る場合に、現在の季節が冬であると判定する、ことを特徴とする。
これによれば、現在から所定日数遡った日までの複数の気温の平均が所定温度を下回る場合に現在の季節が冬と判定するため、現在から所定日数遡った日までの期間において気温にばらつきがある場合でも、正確に現在の季節が冬であると判定できる。よって、適切なタイミングで、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。
【0017】
第9の発明は、前記プログラムは、前記端末装置にインストール可能なアプリケーションプログラムである、ことを特徴とする。
これによれば、冷蔵庫を制御する機能を有していない端末装置を、アプリケーションプログラムのインストールによって、当該機能を有する端末装置とすることができる。よって、汎用的な端末装置を、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定できる端末装置とすることができる。
【0018】
第10の発明は、冷蔵庫及びサーバーと通信可能な端末装置であって、前記冷蔵庫の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを前記サーバーから受信し、受信した前記気温データが示す前記気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定し、現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを第1モードから前記第1モードより庫内温度が高い第2モードに移行させる制御部を備える、ことを特徴とする。
これによれば、現在の季節が冬であると判定した場合に冷蔵庫の庫内温度を高く設定することで、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。
【0019】
第11の発明は、冷蔵庫と、前記冷蔵庫及びサーバーと通信可能な端末装置とを有する冷蔵庫制御システムであって、前記端末装置は、前記冷蔵庫の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを前記サーバーから受信し、受信した前記気温データが示す前記気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定し、現在の季節が冬であると判定した場合、前記冷蔵庫の運転モードを第1モードから前記第1モードより庫内温度が高い第2モードに移行させる指示を示す移行指示情報を前記冷蔵庫に送信し、前記冷蔵庫は、前記移行指示情報を受信すると、前記冷蔵庫の運転モードを前記第1モードから前記第2モードに移行させる、ことを特徴とする。
これによれば、現在の季節が冬であると判定した場合に冷蔵庫の庫内温度を高く設定することで、冷蔵庫の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。
【0020】
以下、図面を参照して各実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、冷蔵庫1を備える通信システム1000の構成を示す図である。
【0021】
通信システム1000では、冷蔵庫1と気象サーバー2とがグローバルネットワークGNを介して各種情報を送受信し、送受信した各種情報に基づいて冷蔵庫1が各種の情報処理を行うシステムである。グローバルネットワークGNは、インターネット、電話網、その他の通信網を含む。気象サーバー2は、本発明の「サーバー」に相当する。
【0022】
図1では、冷蔵庫1は、ユーザーPの自宅Hに設置されている。冷蔵庫1は、前面が開口した主箱体10を備え、主箱体10には、冷蔵室11、製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び、野菜室15が形成されている。冷蔵室11の前面の開口部には、回転式の左ドア11A及び右ドア11Bが設けられている。製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び、野菜室15のそれぞれには、食品を収容する引出12A、13A、14A、15Aが設けられている。
【0023】
冷蔵庫1は、ユーザーPの自宅Hに設置された通信装置3と通信接続し、通信装置3を介して気象サーバー2と通信する。
【0024】
通信装置3は、グローバルネットワークGNに接続し、グローバルネットワークGNに接続する気象サーバー2と通信する。通信装置3は、冷蔵庫1をグローバルネットワークGNに接続するためのインターフェース装置として機能する。通信装置3は、モデムに係る機能や、ルーター機能、NAT(Network Address Translation)機能等の機能を有する。通信装置3は、冷蔵庫1と、グローバルネットワークGNに接続する気象サーバー2との間で送受信されるデータを転送する。
【0025】
気象サーバー2は、冷蔵庫1の設置場所を含む区域の気象に関する気象データを提供するサーバー装置である。気象サーバー2が提供する気象データとしては、例えば、冷蔵庫1の設置場所を含む区域の気温を示す気温データや、当該区域の湿度を示す湿度データ、当該区域の風速を示す風速データ等が挙げられる。本実施形態では、気象サーバー2が提供する気象データとして気温データを例示するが、気象サーバー2が提供する気象データは、少なくとも気温データを含めばよく、湿度データ等の他のデータを含んでもよい。本実施形態では、気象サーバー2が提供する1の気温データは、少なくとも日最低気温を示す。
【0026】
なお、気象サーバー2が提供する気象データの区域は、冷蔵庫1の設置場所を含む区域であればよく、例えば一次細分区域でも二次細分区域でも他の区域でもよい。
また、各図では、気象サーバー2を、1つのブロックによって表現するが、これは必ずしも気象サーバー2が単一のサーバー装置により構成されることを意味するものではない。例えば、気象サーバー2は、処理内容が異なる複数のサーバー装置を含んで構成されたものでもよい。
【0027】
次に、冷蔵庫1の機能的構成について説明する。
図2は、冷蔵庫の機能的構成を示すブロック図である。
【0028】
冷蔵庫1は、冷蔵庫制御部16、冷蔵庫通信部17、冷蔵庫操作部18、及び、冷却部19を備える。
【0029】
冷蔵庫制御部16は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである冷蔵庫プロセッサー160、及び、冷蔵庫記憶部161を備え、冷蔵庫1の各部を制御する。冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫プロセッサー160が、冷蔵庫記憶部161に記憶された制御プログラム1611を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0030】
冷蔵庫記憶部161は、冷蔵庫プロセッサー160が実行するプログラムや、冷蔵庫プロセッサー160により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。冷蔵庫記憶部161は、冷蔵庫プロセッサー160が実行する制御プログラム1611、冷蔵庫1の設定に係る設定データ1612、設置場所情報1613、その他の各種データを記憶する。設置場所情報1613は、冷蔵庫1の設置場所を示す情報である。本実施形態では、冷蔵庫1の設置場所はユーザーPの自宅Hであるため、設置場所情報1613は、自宅Hの住所や郵便番号等を示す情報である。冷蔵庫記憶部161は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、冷蔵庫記憶部161は、揮発性記憶領域を備え、冷蔵庫プロセッサー160が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0031】
冷蔵庫通信部17は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、冷蔵庫制御部16の制御により、グローバルネットワークGNと接続する機器と所定の通信規格に従って通信する。本実施形態では、冷蔵庫通信部17は、気象サーバー2と所定の通信規格に従って通信する。冷蔵庫通信部17が使用する通信規格は、無線通信規格(例えばIEEE802.11a/11b/11g/11n/11ac、Bluetooth(登録商標))でもよいし有線通信規格でもよい。
【0032】
冷蔵庫操作部18は、例えば右ドア11Bの前面等の所定の位置に設けられた操作スイッチ等の操作手段を備え、ユーザーPの操作手段に対する操作を検出し、検出結果を冷蔵庫制御部16に出力する。冷蔵庫操作部18は、操作スイッチと共に或いは代えてタッチパネルを備えてもよい。冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫操作部18からの入力に基づいて、操作手段に対する操作に対応する処理を実行する。
【0033】
冷却部19は、圧縮機191や、凝縮器192、キャピラリーチューブ193、冷却器194、冷却器194が生成した冷気を各収容室に送る冷却ファン195、及び、冷却ファン195により送られる冷気を分流するダンパー196等の冷蔵庫1の各収容室を冷却する機構を備え、冷蔵庫制御部16の制御に従って、冷蔵庫1の各収容室を冷却する。
【0034】
次に、本実施形態の冷蔵庫1の動作について説明する。
図3は、冷蔵庫1の動作を示すフローチャートFAである。
【0035】
図3に示すフローチャートFAの開始時点では、冷蔵庫1の運転モードが通常運転モードであるとする。通常運転モードは、本発明の「第1モード」に相当する。通常運転モードは、後述する冬運転より冷蔵庫1の庫内温度が例えば1℃~2℃低い通常運転を行う運転モードである。
【0036】
冷蔵庫1の冷蔵庫制御部16は、フローチャートFAの処理を開始する開始トリガーが発生したか否かを判別する(ステップSA1)。
【0037】
例えば、ステップSA1において、冷蔵庫制御部16は、予め定められた時刻が到来した場合に、開始トリガーが発生したと判別する。
また、例えば、ステップSA1において、冷蔵庫制御部16は、予め定められた曜日及び時刻が到来した場合に、開始トリガーが発生したと判別する。
【0038】
冷蔵庫制御部16は、開始トリガーが発生していないと判別した場合(ステップSA1:NO)、再度、ステップSA1の判別を行う。
【0039】
一方、冷蔵庫制御部16は、開始トリガーが発生したと判別した場合(ステップSA1:YES)、気温データを要求する気温データ要求情報を冷蔵庫通信部17により気象サーバー2に送信する(ステップSA2)。
【0040】
気温データ要求情報は、冷蔵庫記憶部161が記憶する設置場所情報1613を含む。
【0041】
また、気温データ要求情報は、日付を示す日付情報を複数含む。本実施形態では、冷蔵庫制御部16は、現在から所定日数(例えば、7日)遡った日までの期間における全ての日付の気温データを、気象サーバー2に要求する。そのため、冷蔵庫制御部16は、ステップSA2において、現在から所定日数遡った日までの期間における全日付分の日付情報を含む気温データ要求情報を、冷蔵庫通信部17により気象サーバー2に送信する。
【0042】
気象サーバー2は、気温データ要求情報を受信すると、気温データ要求情報に含まれる設置場所情報が示す設定場所を含む区域の気温データを、所定のデータベースから取得する。気象サーバー2は、気温データ要求情報に含まれる全ての日付情報が示す全日付分、当該気温データを所定のデータベースから取得する。気象サーバー2は、気温データを取得すると、受信した気温データ要求情報の応答として取得した気温データの全てを冷蔵庫1に送信する。
【0043】
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫通信部17により気温データを気象サーバー2から受信する(ステップSA3)。ステップSB3において、冷蔵庫制御部16は、ステップSA2において送信した気温データ要求情報に含まれる全ての日付情報が示す全日付分、気象サーバー2から気温データを受信する。
【0044】
次いで、冷蔵庫制御部16は、気象サーバー2から受信した気温データに基づいて、現在の季節が冬であるか否かを判定する(ステップSA4)。
【0045】
ステップSA4において、冷蔵庫制御部16は、受信した複数の気温データが示す日最低気温の平均を算出する。次いで、冷蔵庫制御部16は、算出した日最低気温の平均が、予め定められた所定温度(例えば、6℃)を下回るか否かを判別する。冷蔵庫制御部16は、算出した日最低気温の平均が、予め定められた所定温度以上である場合、現在の季節が冬でない、すなわち現在の季節が冬以外の季節であると判定する。一方、冷蔵庫制御部16は、算出した日最低気温の平均が、予め定められた所定温度を下回る場合、現在の季節が冬であると判定する。
【0046】
冷蔵庫制御部16は、ステップSA4において、現在の季節が冬であると判定したか冬でないと判定したかを判別する(ステップSA5)。
【0047】
冷蔵庫制御部16は、ステップSA4において現在の季節が冬であると判定したと判別した場合(ステップSA5:「冬」)、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させ、冬運転を開始する(ステップSA6)。
【0048】
冬運転モードとは、通常運転より冷蔵庫1の庫内温度が例えば1℃~2℃高く設定する運転である冬運転を行う運転モードである。冬運転モードは、本発明の「第2モード」に相当する。冬運転モードにおいては、全収容室を対象に庫内温度を高くしてもよいし、例えば冷蔵室11のみ等の任意の収容室を対象に庫内温度を高くしてもよい。
例えば、冷蔵庫制御部16は、冬運転において、圧縮機191の回転数を通常運転時の回転数より下げ、冷蔵庫1の各収容室の冷却量を減少させる。また、例えば、冷蔵庫制御部16は、冷却ファン195の回転数を通常運転時の回転数より下げ、冷蔵庫1における冷気の循環量を減少させる。また、例えば、冷蔵庫制御部16は、冬運転において、圧縮機191の回転数を通常運転時の回転数より下げ、且つ、冷却ファン195の回転数を通常運転時の回転数より下げ、冷却量、及び、循環量を減少させる。なお、圧縮機191の回転数を通常運転時の回転数より下げる代わりに、圧縮機191の運転を停止する期間を長くしても良い。また、冷却ファン195の回転数を通常運転時の回転数より下げる代わりに、冷却ファン195の運転を停止する期間を長くしても良い。
【0049】
冷蔵庫制御部16は、現在の季節が冬でないと判定したと判別した場合(ステップSA5:「冬以外」)、本処理を終了する。すなわち、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させず、冬運転を開始しない。
【0050】
ステップSA6以降の説明に戻り、冷蔵庫制御部16は、冬運転を開始すると、冬運転を終了する終了トリガーが発生したか否かを判別する(ステップSA7)。
ここで、終了トリガーを複数例示する。
【0051】
<第1の終了トリガー>
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫操作部18が受け付けたユーザーPの操作が、冬運転の終了指示を示す操作、或いは、冬運転モードの終了指示を示す操作である場合、終了トリガーが発生したと判別する。
【0052】
<第2の終了トリガー>
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫操作部18が受け付けたユーザーPの操作が、冷蔵庫1の庫内温度を変更する操作である場合、終了トリガーが発生したと判別する。
【0053】
<第3の終了トリガー>
冷蔵庫制御部16は、冬運転を開始した後、所定のタイミングが到来する度に冷蔵庫通信部17により気象サーバー2に気温データ要求情報を送信し、現在の季節が冬であるか否かを判定する。そして、冷蔵庫制御部16は、現在の季節が冬でないと判定した場合、終了トリガーが発生したと判別する。
【0054】
冷蔵庫制御部16は、第1の終了トリガー、第2の終了トリガー、及び、第3の終了トリガーのいずれか1の終了トリガーについて発生したか否かを判別してもよいし、任意の複数の終了トリガーのいずれかが発生したか否かについて判別してもよい。なお、冷蔵庫制御部16が第3の終了トリガーについてのみ発生したか否かを判別する構成の場合、冷蔵庫1は、機能的構成として冷蔵庫操作部18を備えていなくてもよい。
【0055】
ステップSA7の説明に戻り、冷蔵庫制御部16は、終了トリガーが発生していないと判別した場合(ステップSA7:NO)、冬運転を継続しつつ、再度、ステップSA7の判別を行う。
【0056】
一方、冷蔵庫制御部16は、終了トリガーが発生したと判別した場合(ステップSA7:YES)、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードから通常運転モードに移行させ、冬運転を終了する(ステップSA8)。
【0057】
以上、説明したように、冷蔵庫1は、気象サーバー2と通信可能である。冷蔵庫1は、冷蔵庫1の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを気象サーバー2から受信し、受信した気温データが示す気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定し、現在の季節が冬であると判定した場合、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させる冷蔵庫制御部16を備える。
【0058】
この構成によれば、現在の季節が冬であると判定した場合に冷蔵庫1の庫内温度を高く設定することで、冷蔵庫1は、冷蔵庫1の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。また、冷蔵庫1は、冬運転モードにおいて庫内温度を通常運転モードより高くするため、消費電力を通常運転モードより抑えることができる。
【0059】
冷蔵庫制御部16は、現在から所定日数遡った日までの気温データを複数受信し、受信した複数の気温データが示す日最低気温の平均が所定温度を下回る場合に、現在の季節が冬であると判定する。
【0060】
この構成によれば、現在から所定日数遡った日までの複数の日最低気温の平均が所定温度を下回る場合に現在の季節が冬と判定するため、現在から所定日数遡った日までの期間において日最低気温にばらつきがある場合でも、正確に現在の季節が冬であると判定できる。よって、冷蔵庫1は、適切なタイミングで、冷蔵庫1の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。
【0061】
冷蔵庫制御部16は、ユーザーPから冬運転モードの終了指示を受け付けた場合、冬運転モードを終了する。
【0062】
終了指示をユーザーPから受け付けることはユーザーPが冷蔵庫1の庫内温度を冬運転モードの温度から他の温度に変更しようとした可能性が高い。よって、この構成によれば、冷蔵庫1は、冬に適した温度の設定を適切なタイミングで終了できる。
【0063】
冷蔵庫制御部16は、ユーザーPから冷蔵庫1の庫内温度を変更する操作を受け付けた場合、冬運転モードを終了する。
【0064】
冷蔵庫1の庫内温度の変更を受け付けることはユーザーPが冷蔵庫1の庫内温度を冬運転モードの温度から他の温度に変更しようとしている可能性が高い。よって、この構成によれば、冷蔵庫1は、冬に適した温度の設定を適切なタイミングで終了できる。
【0065】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態の説明では、第1実施形態の構成要素と同じ構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を適宜に省略する。
【0066】
第1実施形態では、冷蔵庫制御部16は、現在の季節が冬であると判定した場合に自動で冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる構成である。第2実施形態では、冷蔵庫制御部16は、現在の季節が冬であると判定した場合、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かを問い合わせ、問い合せ後、冬運転モードに移行させる指示をユーザーPから受け付けた場合に、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる構成である。
【0067】
図4は、第2実施形態の冷蔵庫1の機能的構成を示すブロック図である。
第2実施形態の冷蔵庫1は、第1実施形態の冷蔵庫1と比較して、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かを問い合わせる機能部として、冷蔵庫表示部20を備える。
【0068】
冷蔵庫表示部20は、例えば右ドア11Bの前面等の所定の位置に設けられた表示パネルを備え、冷蔵庫制御部16の制御に従って表示パネルへの情報の表示を実行する。冷蔵庫表示部20が備える表示パネルは、冷蔵庫操作部18の操作手段がタッチパネルである場合、このタッチパネルの表示パネルとして機能してもよい。
【0069】
図5は、第2実施形態の冷蔵庫1の動作を示すフローチャートFBである。図5においては、図3に示すフローチャートFAと同じステップについては同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
図5が示すフローチャートFBの開始時点は、図3と同様、冷蔵庫1の運転モードが通常運転モードである。
【0070】
冷蔵庫1の冷蔵庫制御部16は、現在の季節が冬であると判定したと判別した場合(ステップSA5:「冬」)、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かを冷蔵庫表示部20によってユーザーPに問い合わせる(ステップSB1)。
【0071】
例えば、冷蔵庫制御部16は、「運転モードを冬運転モードにしますか?」との文字列を冷蔵庫表示部20に表示させることで、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かをユーザーPに問い合わせる。
【0072】
次いで、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる指示をユーザーPから受け付けたか否かを判別する(ステップSB2)。
【0073】
例えば、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫操作部18が受け付けたユーザーPの操作が、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる指示を示す操作である場合、ステップSB2において肯定判別する。
【0074】
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる指示をユーザーPから受け付けたと判別した場合(ステップSB2:YES)、ステップSA6以降の処理を実行する。
【0075】
一方、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる指示をユーザーPから受け付けていないと判別した場合(ステップSB2:NO)、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させない指示をユーザーPから受け付けたか否かを判別する場合(ステップSB3)。
【0076】
例えば、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫操作部18が受け付けたユーザーPの操作が、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させない指示を示す操作である場合、ステップSB3において肯定判別する。
【0077】
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させない指示をユーザーPから受け付けたと判別した場合(ステップSB3:YES)、本処理を終了する。すなわち、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させず、冬運転を開始しない。
【0078】
一方、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させない指示をユーザーPから受け付けていないと判別した場合(ステップSB3:NO)、ステップSB1の問い合わせを開始してから所定時間が経過したか否かを判別する(ステップSB4)。
【0079】
冷蔵庫制御部16は、ステップSB2の問い合わせを開始してから所定時間が経過していないと判別した場合(ステップSB4:NO)、処理をステップSB2に戻し、再度、ステップSB2の処理を実行する。
【0080】
一方、冷蔵庫制御部16は、ステップSB1の問い合わせを開始してから所定時間が経過したと判別した場合(ステップSB4:YES)、問い合わせを終了し(ステップSB5)、本処理を終了する。すなわち、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させず、冬運転を開始しない。
【0081】
なお、本実施形態では、冷蔵庫表示部20による表示によって、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かを問い合わせる構成であるが、問い合わせの態様は、表示に限定されない。例えば、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1が内蔵するスピーカー、又は、冷蔵庫1に外部接続するスピーカーによって、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かを音声出力で問い合わせてもよい。この構成の場合、冷蔵庫1は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かを問い合わせる機能部として、スピーカー、又は、冷蔵庫1に外部接続するスピーカーに音声信号を出力する音声信号出力部を、冷蔵庫表示部20に代えて或いは共に備える。
【0082】
以上、説明したように、本実施形態の冷蔵庫制御部16は、現在の季節が冬であると判定した場合、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かを冷蔵庫1のユーザーPに問い合わせ、ユーザーPから冬運転モードに移行させる指示を受け付けた場合、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる。
【0083】
この構成によれば、冬運転モードに移行させる指示を受け付けた場合に冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるため、冷蔵庫1の庫内温度を冬に適した温度に設定する動作が、ユーザーPの意図しない冷蔵庫1の動作となることを防止できる。
【0084】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
図6は、冷蔵庫制御システム2000の構成を示す図である。
第3実施形態の説明では、第1実施形態の構成要素と同じ構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を適宜に省略する。
【0085】
冷蔵庫制御システム2000は、冷蔵庫1のユーザーPが使用する端末装置5が、グローバルネットワークGNを介して冷蔵庫1の運転を制御するシステムである。
【0086】
冷蔵庫制御システム2000は、冷蔵庫1を備える。図6では、図1と同様に、冷蔵庫1は、ユーザーPの自宅Hに設置されている。冷蔵庫1は、ユーザーPの自宅Hに設置された通信装置3と通信接続し、通信装置3を介して冷蔵庫制御サーバー4と通信する。
【0087】
通信装置3は、グローバルネットワークGNに接続する気象サーバー2及び冷蔵庫制御サーバー4と通信する。また、通信装置3は、端末装置5が通信装置3と通信接続を確立している場合、端末装置5をグローバルネットワークGNに接続するためのインターフェース装置として機能する。通信装置3は、冷蔵庫1と、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー4との間で送受信されるデータを転送する。また、通信装置3は、通信接続を確立する端末装置5と、グローバルネットワークGNに接続する気象サーバー2及び冷蔵庫制御サーバー4との間で送受信されるデータを転送する。
【0088】
冷蔵庫制御システム2000は、タッチパネル52を有する端末装置5を備える。端末装置5は、例えばスマートフォンやタブレット端末により構成される。端末装置5は、冷蔵庫1の運転を制御するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。以下の説明では、冷蔵庫1の運転を制御するためのアプリケーションプログラムを、「冷蔵庫制御アプリ」といい「513」の符号を付す。冷蔵庫制御アプリ513は、本発明の「プログラム」と「アプリケーションプログラム」に相当する。
【0089】
図1では、在宅するユーザーPを点線で示し、自宅Hから外出したユーザーPを実線で示している。端末装置5は、在宅するユーザーPに使用される場合、冷蔵庫制御アプリ513の機能によって、通信装置3を介して、或いは通信装置3を介さずに、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー4と通信して、冷蔵庫1の運転を制御する。また、端末装置5は、自宅Hから外出したユーザーPに使用される場合、冷蔵庫制御アプリ513の機能によって、通信装置3を介すことなく、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー4と通信して、冷蔵庫1の運転を制御する。
【0090】
冷蔵庫制御システム2000は、冷蔵庫制御サーバー4を備える。冷蔵庫制御サーバー4は、冷蔵庫1の運転を制御するサーバー装置であり、グローバルネットワークGNに接続する。なお、各図では、冷蔵庫制御サーバー4を、1つのブロックによって表現するが、これは必ずしも冷蔵庫制御サーバー4が単一のサーバー装置により構成されることを意味するものではない。例えば、冷蔵庫制御サーバー4は、処理内容が異なる複数のサーバー装置を含んで構成されたものでもよい。また、各図では、気象サーバー2と冷蔵庫制御サーバー4とを別体のサーバー装置として例示しているが、気象サーバー2と冷蔵庫制御サーバー4とは、同じサーバー装置として構成されてもよい。
【0091】
次に、本実施形態の冷蔵庫1、冷蔵庫制御サーバー4、及び、端末装置5の機能的構成について説明する。
図7は、冷蔵庫1、冷蔵庫制御サーバー4、及び、端末装置5の機能的構成を示すブロック図である。
【0092】
まず、冷蔵庫1の機能的構成について説明する。
第3実施形態では、冷蔵庫記憶部161が冷蔵庫ID1614を記憶する。冷蔵庫ID1614は、冷蔵庫1の識別情報であり、例えば冷蔵庫1の製造番号である。
【0093】
なお、図7に示す冷蔵庫1は、冷蔵庫操作部18、及び、冷蔵庫表示部20を機能的構成として備えていない場合を例示しているが、冷蔵庫1は、冷蔵庫操作部18、及び/又は、冷蔵庫表示部20を備えていてもよい。
【0094】
次に、冷蔵庫制御サーバー4の機能について説明する。
冷蔵庫制御サーバー4は、サーバー制御部40、及び、サーバー通信部41を備える。
【0095】
サーバー制御部40は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーであるサーバープロセッサー400、及び、サーバー記憶部410を備え、冷蔵庫制御サーバー4の各部を制御する。サーバー制御部40は、サーバープロセッサー400が、サーバー記憶部410に記憶された制御プログラム411を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0096】
サーバー記憶部410は、サーバープロセッサー400が実行するプログラムや、サーバープロセッサー400により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。サーバー記憶部410は、サーバープロセッサー400が実行する制御プログラム411、冷蔵庫制御サーバー4の設定に係る設定データ412、冷蔵庫制御データベース413、その他の各種データを記憶する。サーバー記憶部410は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、サーバー記憶部410は、揮発性記憶領域を備え、サーバープロセッサー400が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0097】
冷蔵庫制御データベース413は、冷蔵庫1の運転制御に係る各種情報を格納するデータベースである。冷蔵庫制御データベース413が格納する1件のレコードRは、ユーザーID4131、冷蔵庫ID1614、及び、通信情報4132を有する。なお、冷蔵庫制御データベース413が格納する1件のレコードRは、さらに1又は複数の別種類の情報を有していてもよい。
【0098】
ユーザーID4131は、冷蔵庫制御アプリ513を利用するユーザーPを識別する識別情報であり、冷蔵庫制御アプリ513を利用するユーザーPに対して適切に割り当てられる。
【0099】
上述した通り、冷蔵庫ID1614は、冷蔵庫1の識別情報である。
【0100】
通信情報4132は、同じレコードRで対応付く冷蔵庫ID1614の冷蔵庫1と通信するための情報である。通信情報4132は、例えばアドレス情報やセキュリティ情報等を含む。
【0101】
サーバー通信部41は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、サーバー制御部40の制御により、グローバルネットワークGNと接続する機器と所定の通信規格に従って通信する。本実施形態においてサーバー通信部41は、冷蔵庫1及び端末装置5と通信する。
【0102】
次に、端末装置5の機能的構成について説明する。
端末装置5は、端末制御部50、端末通信部51、及び、タッチパネル52を備える。端末制御部50は、本発明の「制御部」に相当する。
【0103】
端末制御部50は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである端末プロセッサー500、及び、端末記憶部510を備え、端末装置5の各部を制御する。端末制御部50は、端末プロセッサー500が、端末記憶部510に記憶された制御プログラム511を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。端末装置5には、冷蔵庫制御アプリ513が事前にインストールされる。冷蔵庫制御アプリ513は、端末プロセッサー500により端末記憶部510から読み出されて実行されることで、端末制御部50を、設定部501、通信制御部502、判定部503、及び、運転モード制御部504として機能させる。これら機能部の詳細については後述する。
【0104】
端末記憶部510は、端末プロセッサー500が実行するプログラムや、端末プロセッサー500により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。端末記憶部510は、端末プロセッサー500が実行する制御プログラム511、端末装置5の設定に係る設定データ512、冷蔵庫制御アプリ513、ユーザーID4131、設置場所情報1613、その他の各種データを記憶する。端末記憶部510は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、端末記憶部510は、揮発性記憶領域を備え、端末プロセッサー500が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0105】
端末通信部51は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、端末制御部50の制御により、グローバルネットワークGNと接続する機器と所定の通信規格に従って通信する。端末通信部51は、冷蔵庫制御アプリ513の機能により、気象サーバー2及び冷蔵庫制御サーバー4と所定の通信規格に従って通信する。端末通信部51が使用する通信規格は、無線通信規格である。
【0106】
タッチパネル52は、液晶表示パネル等の表示パネルと、表示パネルに重ねて、或いは一体に設けられたタッチセンサーとを備える。表示パネルは、端末制御部50の制御で、各種画像を表示する。タッチセンサーは、タッチ操作を検出し、端末制御部50に出力する。端末制御部50は、タッチセンサーからの入力に基づいて、タッチ操作に対応する処理を実行する。
【0107】
上述した通り、端末制御部50は、設定部501、通信制御部502、判定部503、及び、運転モード制御部504として機能する。
【0108】
設定部501は、冷蔵庫制御アプリ513の機能に関する各種設定を行う。例えば、設定部501は、冷蔵庫制御アプリ513がアクセス可能な所定の記憶領域に記憶されたアプリ設定データにおいて、設定値を対応する設定項目にセットすることで、冷蔵庫制御アプリ513の機能に関する各種設定を行う。なお、アプリ設定データは、冷蔵庫制御アプリ513の機能の設定に係るデータであり、各種の設定項目を含む。
【0109】
設定部501は、冷蔵庫1の設置場所を設定する。例えば、設定部501は、タッチパネル52に自宅Hの住所や郵便番号をユーザーPに入力させるためのユーザーインターフェースを表示させ、入力された住所や郵便番号を冷蔵庫1の設定場所として設定する。設定部501により設定された冷蔵庫1の設置場所を示す設置場所情報1613は、端末記憶部510に記憶される。
【0110】
通信制御部502は、設定部501が冷蔵庫1の設置場所を設定し、且つ、図8で示す開始トリガーが発生した場合に、気温データ要求情報を端末通信部51により気象サーバー2に送信する。そして、通信制御部502は、気温データ要求情報に対する応答として、気象サーバー2から気温データを端末通信部51により受信する。通信制御部502は、受信した気温データを判定部503に出力する。本実施形態では、通信制御部502は、判定部503に複数の気温データを出力する。
【0111】
判定部503は、通信制御部502から出力される気温データに基づいて、現在の季節が冬であるか否かを判定する。判定部503は、第1実施形態の冷蔵庫制御部16と同様に、受信した複数の気温データが示す日最低気温の平均を算出し、算出した日最低気温の平均が、予め定められた所定温度(例えば6℃)を下回るか否かを判別する。判定部503は、算出した日最低気温の平均が、予め定められた所定温度以上であると判別した場合、現在の季節が冬以外の季節であると判定する。一方、判定部503は、算出した日最低気温の平均が、予め定められた所定温度を下回ると判別した場合、現在の季節が冬であると判定する。判定部503は、判定結果を運転モード制御部504に出力する。
【0112】
運転モード制御部504は、判定部503の判定結果が現在の季節が冬であるとの判定である場合、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させる指示を示す移行指示情報を、端末通信部51によって冷蔵庫1に送信する。
【0113】
次に、本実施形態の冷蔵庫制御システム2000の動作について説明する。
図8は、冷蔵庫制御システム2000の動作を示すフローチャートである。図8において、フローチャートFCは端末装置5の動作を示し、フローチャートFDは冷蔵庫制御サーバー4の動作を示し、フローチャートFEは冷蔵庫1の動作を示す。
【0114】
図8が示す各フローチャートの開始時点は、図3及び図5と同様、冷蔵庫1の運転モードが通常運転モードである。
【0115】
端末装置5の端末制御部50の通信制御部502は、フローチャートFCの処理を開始する開始トリガーが発生したか否かを判別する(ステップSC1)。
【0116】
例えば、ステップSC1において、通信制御部502は、予め定められた時刻が到来した場合に、開始トリガーが発生したと判別する。
また、例えば、ステップSC1において、通信制御部502は、予め定められた曜日及び時刻が到来した場合に、開始トリガーが発生したと判別する。
【0117】
通信制御部502は、開始トリガーが発生していないと判別した場合(ステップSC1:NO)、再度、ステップSC1の判別を行う。
【0118】
一方、通信制御部502は、開始トリガーが発生したと判別した場合(ステップSC1:YES)、気温データ要求情報を端末通信部51により気象サーバー2に送信する(ステップSC2)。
【0119】
ステップSC2で送信される気温データ要求情報は、端末記憶部510が記憶する設置場所情報1613を含む。
【0120】
また、第1実施形態と同様、本実施形態で送信される気温データ要求情報は、日付を示す日付情報を複数含む。本実施形態も第1実施形態と同様に、冷蔵庫制御部16は、現在から所定日数(例えば、7日)遡った日までの期間における全ての日付の気温データを、気象サーバー2に要求する。そのため、冷蔵庫制御部16は、ステップSC2において、現在から所定日数遡った日までの期間における全日付分の日付情報を含む気温データ要求情報を、冷蔵庫通信部17により気象サーバー2に送信する。
【0121】
本実施形態も第1実施形態と同様、気象サーバー2は、気温データ要求情報を受信すると、気温データ要求情報に含まれる設置場所情報が示す設定場所に対応する区域の気温データを、所定のデータベースから取得する。気象サーバー2は、気温データ要求情報に含まれる全ての日付情報が示す全日付分、当該気温データを所定のデータベースから取得する。気象サーバー2は、気温データを複数取得すると、受信した気温データ要求情報の応答として取得した複数の気温データを端末装置5に送信する。
【0122】
通信制御部502は、端末通信部51により気温データを気象サーバー2から受信する(ステップSC3)。ステップSC3において、通信制御部502は、ステップSC2において送信した気温データ要求情報に含まれる全ての日付情報が示す全日付分の気温データを、気象サーバー2から受信する。
【0123】
次いで、判定部503は、通信制御部502から出力される複数の気象データに基づいて、現在の季節が冬であるか否かを判定する(ステップSC4)。
【0124】
次いで、運転モード制御部504は、判定部503から出力される判定結果に基づいて、現在の季節が冬であると判定部503が判定したか否かを判別する(ステップSC5)。
【0125】
運転モード制御部504は、現在の季節が冬でないと判定部503が判定したと判別した場合(ステップSC5:「冬以外」)、本処理を終了する。すなわち、運転モード制御部504は、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させず、冷蔵庫1に冬運転を開始させない。
【0126】
一方、運転モード制御部504は、現在の季節が冬であると判定部503が判定したと判別した場合(ステップSC5:「冬」)、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる指示を示す移行指示情報を、端末通信部51により冷蔵庫制御サーバー4に送信する(ステップSC6)。ステップSC6において、運転モード制御部504は、端末記憶部510が記憶するユーザーID4131を付加した移行指示情報を、冷蔵庫制御サーバー4に送信する。
【0127】
フローチャートFDを参照して、冷蔵庫制御サーバー4のサーバー制御部40は、サーバー通信部41により移行指示情報を端末装置5から受信したか否か判別する(ステップSD1)。
【0128】
サーバー制御部40は、移行指示情報を受信したと判別した場合(ステップSD1:YES)、冷蔵庫制御データベース413を参照して、移行指示情報に付加されたユーザーID4131を含むレコードRを特定する(ステップSD2)。
【0129】
サーバー制御部40は、特定したレコードRに含まれる通信情報4132に基づいて、端末装置5から受信した移行指示情報をサーバー通信部41により冷蔵庫1に送信する(ステップSD3)。ステップSD3において、サーバー制御部40は、ステップSD2で特定したレコードRに含まれる冷蔵庫ID1614を付加して、移行指示情報を送信する。
【0130】
フローチャートFEを参照して、冷蔵庫1の冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫通信部17により移行指示情報を冷蔵庫制御サーバー4から受信したか否かを判別する(ステップSE1)。
【0131】
冷蔵庫制御部16は、移行指示情報を受信したと判別した場合(ステップSE1:YES)、受信した移行指示情報に付加された冷蔵庫ID1614と、冷蔵庫記憶部161が記憶する冷蔵庫ID1614とが一致するか否かを判別する(ステップSE2)。
【0132】
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫ID1614が一致すると判別した場合(ステップSE2:YES)、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させ、冬運転を開始する(ステップSE3)。
【0133】
一方、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫ID1614が一致しないと判別した場合(ステップSC2:NO)、本処理を終了する。すなわち、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させず、冬運転を開始しない。
【0134】
このように、冷蔵庫制御部16は、移行指示情報に付加される冷蔵庫ID1614が冷蔵庫記憶部161が記憶する冷蔵庫ID1614と一致する場合にのみ、冬運転を開始する。これにより、次の効果を奏する。仮に、冷蔵庫ID1614に依ることなく冬運転を開始する構成であると、冷蔵庫制御データベース413において冷蔵庫ID1614に対応付けられる通信情報4132が適切な情報でない場合、ユーザーPの意図しない冷蔵庫1が冬運転を開始する可能性がある。例えば、引っ越し等によって冷蔵庫1の設定場所が変わりこれによってネットワーク上のアドレスが変わった場合において、冷蔵庫制御データベース413が適切に更新されていないと、ユーザーPの意図しない冷蔵庫1が冬運転を開始する可能性がある。よって、上述した冷蔵庫制御部16のように、移行指示情報に付加される冷蔵庫ID1614が冷蔵庫記憶部161が記憶する冷蔵庫ID1614と一致する場合にのみ、冬運転を開始する構成とすることで、確実に、ユーザーPの意図する冷蔵庫1が冬運転を開始できる。
【0135】
フローチャートFCの説明に戻り、冷蔵庫制御部16は、冬運転を開始すると、第1実施形態と同様に、終了トリガーが発生したか否かを判別する(ステップSE4)。
【0136】
冷蔵庫制御部16は、終了トリガーが発生しないと判別した場合(ステップSE4:NO)、冬運転を継続し、再度、ステップSE4の処理を実行する。
【0137】
冷蔵庫制御部16は、終了トリガーが発生したと判別した場合(ステップSE4:YES)、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードから通常運転モードに移行させ、冬運転を終了する(ステップSE5)。
【0138】
以上、説明したように、冷蔵庫制御アプリ513は、冷蔵庫1及び気象サーバー2と通信可能な端末装置5の端末制御部50を、冷蔵庫1の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを気象サーバー2から受信する通信制御部502と、通信制御部502が受信した気温データが示す気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定する判定部503と、判定部503を現在の季節が冬であると判定した場合、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから通常運転モードより庫内温度が高い冬運転モードに移行させる運転モード制御部504と、して機能させる。
【0139】
また、冷蔵庫1及び気象サーバー2と通信可能な端末装置5は、冷蔵庫1の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを気象サーバー2から受信し、受信した気温データが示す気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定し、現在の季節が冬であると判定した場合、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させる端末制御部50を備える。
【0140】
また、冷蔵庫制御システム2000は、冷蔵庫1と、冷蔵庫1及び気象サーバー2と通信可能な端末装置5とを有する。端末装置5は、冷蔵庫1の設置場所を含む区域の気温を示す気温データを気象サーバー2から受信し、受信した気温データが示す気温に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定し、現在の季節が冬であると判定した場合、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させる指示を示す移行指示情報を冷蔵庫1に送信する。冷蔵庫1は、移行指示情報を受信すると、冷蔵庫1の運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行させる。
【0141】
冷蔵庫制御アプリ513、端末装置5、及び、冷蔵庫制御システム2000によれば、現在の季節が冬であると判定した場合に冷蔵庫1の庫内温度を高く設定することで、冷蔵庫1の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。また、冷蔵庫制御アプリ513、端末装置5、及び、冷蔵庫制御システム2000は、冬運転モードにおいて冷蔵庫1の庫内温度を通常運転モードより高くするため冷蔵庫1の消費電力を通常運転モードより抑えることができる。
【0142】
通信制御部502は、現在から所定日数遡った日までの気温データを気象サーバー2から複数受信する。判定部503は、通信制御部502が受信した複数の気温データが示す日最低気温の平均が所定温度を下回る場合に、現在の季節が冬であると判定する。
【0143】
この構成によれば、現在から所定日数遡った日までの複数の日最低気温の平均が所定温度を下回る場合に現在の季節が冬と判定するため、現在から所定日数遡った日までの期間において日最低気温にばらつきがある場合でも、正確に現在の季節が冬であると判定できる。よって、適切なタイミングで、冷蔵庫1の庫内温度を冬に適した温度に設定できる。
【0144】
冷蔵庫制御アプリ513は、端末装置5にインストール可能なアプリケーションプログラムである。
【0145】
この構成によれば、冷蔵庫1を制御する機能を有していない端末装置5を、冷蔵庫制御アプリ513のインストールによって、当該機能を有する端末装置5とすることができる。よって、汎用的な端末装置5を、冷蔵庫1の庫内温度を冬に適した温度に設定できる端末装置5とすることができる。
【0146】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態の説明では、第3実施形態の構成要素と同じ構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を適宜に省略する。
【0147】
第3実施形態では、運転モード制御部504は、判定部503が現在の季節が冬であると判定した場合に冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる構成である。第4実施形態では、運転モード制御部504は、判定部503が現在の季節が冬であると判定した場合、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かをユーザーPに問い合わせ、問い合せ後、冬運転モードに移行させる指示をユーザーPから受け付けた場合に、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる。
【0148】
第4実施形態の運転モード制御部504は、タッチパネル52に各種のユーザーインターフェースを表示させ、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かの問い合わせ、及び、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる指示の受け付けを行う。
【0149】
図9は、運転モード制御部504がタッチパネル52に表示させるユーザーインターフェースの一例を示す図である。
【0150】
運転モード制御部504は、判定部503が現在の季節が冬であると判定した場合、タッチパネル52の表示画面が非アプリ画面HAGであると、第1ユーザーインターフェースUI1をプッシュ通知の形式でタッチパネル52に表示させる。非アプリ画面HAGとは、例えばホーム画面等の冷蔵庫制御アプリ513に係るアプリ画面AG以外の画面を示す。
【0151】
第1ユーザーインターフェースUI1は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かをユーザーPに問い合わせる問い合わせ情報J1を含む。運転モード制御部504は、第1ユーザーインターフェースUI1がユーザーPによってタッチ操作されると、タッチパネル52の表示画面を非アプリ画面HAGから、第2ユーザーインターフェースUI2を表示するアプリ画面AGに遷移させる。なお、運転モード制御部504は、判定部503が現在の季節が冬であると判定したときに、タッチパネル52の表示画面がアプリ画面AGである場合、タッチパネル52に、第1ユーザーインターフェースUI1を表示させることなく第2ユーザーインターフェースUI2をアプリ画面AGに重畳して表示させる。
【0152】
第2ユーザーインターフェースUI2は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かをユーザーPに問い合わせる問い合わせ情報J1を含む。また、第2ユーザーインターフェースUI2は、YESボタンB1と、NOボタンB2とを含む。YESボタンB1は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる指示をユーザーPから受け付けるためのソフトウェアボタンである。NOボタンB2は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させない指示をユーザーPから受け付けるためのソフトウェアボタンである。
【0153】
運転モード制御部504は、NOボタンB2がユーザーPにタッチ操作されると、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させることなく、第2ユーザーインターフェースUI2の表示を止める。一方、運転モード制御部504は、YESボタンB1がユーザーPにタッチ操作されると、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させ、且つ、第2ユーザーインターフェースUI2の代わりに第3ユーザーインターフェースUI3をタッチパネル52に表示させる。
【0154】
第3ユーザーインターフェースUI3は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させ、冷蔵庫1が冬運転を開始したことを示す運転開始情報J2を含む。
【0155】
次に、第4実施形態の冷蔵庫制御システム2000の動作について説明する。
図10は、第4実施形態に係る冷蔵庫制御システム2000の動作を示すフローチャートである。図10においては、図8と同様、フローチャートFCは端末装置5の動作を示し、フローチャートFDは冷蔵庫制御サーバー4の動作を示し、フローチャートFEは冷蔵庫1の動作を示す。
【0156】
図10においては、図8に示すフローチャートと同じステップについては同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0157】
図10が示す各フローチャートの開始時点は、図8と同様、冷蔵庫1の運転モードが通常運転モードである。
【0158】
運転モード制御部504は、判定部503が現在の季節が冬であると判定したと判別した場合(ステップSC5:YES)、第1ユーザーインターフェースUI1、又は、第2ユーザーインターフェースUI2をタッチパネル52に表示させ、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かをユーザーPに問い合わせる(ステップSC10)。
【0159】
次いで、運転モード制御部504は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる指示をユーザーPから受け付けたか否かを判別する(ステップSC11)。運転モード制御部504は、第2ユーザーインターフェースUI2のYESボタンB1がタッチ操作された場合に、ステップSC11において肯定判別する。
【0160】
次いで、運転モード制御部504は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる指示をユーザーPから受け付けていないと判別した場合(ステップSC11:NO)、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させない指示をユーザーPから受け付けたか否かを判別する(ステップSC12)。運転モード制御部504は、第2ユーザーインターフェースUI2のNOボタンB2がタッチ操作された場合に、ステップSC12において肯定判別する。
【0161】
運転モード制御部504は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させない指示をユーザーPから受け付けていないと判別した場合(ステップSC12:NO)、処理をステップSC11に戻し、再度、ステップSC11の判別を行う。
【0162】
一方、運転モード制御部504は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させない指示をユーザーPから受け付けたと判別した場合(ステップSC12:YES)、第2ユーザーインターフェースUI2の表示を止め、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かの問い合わせを終了する(ステップSC13)。
【0163】
ステップSC11の説明に戻り、運転モード制御部504は、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる指示を受け付けた場合(ステップSC11:YES)、移行指示情報を、端末通信部51により冷蔵庫制御サーバー4に送信する(ステップSC6)。
【0164】
以上、説明したように、運転モード制御部504は、判定部503が現在の季節が冬であると判定した場合、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるか否かを冷蔵庫1のユーザーPに問い合わせ、問い合わせ後、ユーザーPから冬運転モードに移行させる指示を受け付けた場合、冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させる。
【0165】
この構成によれば、冬運転モードに移行させる指示を受け付けた場合に冷蔵庫1の運転モードを冬運転モードに移行させるため、冷蔵庫1の庫内温度を冬に適した温度に設定する動作が、ユーザーPの意図しない冷蔵庫1の動作となることを防止できる。
【0166】
上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0167】
例えば、上述した各実施形態では、冷蔵庫1が冬運転を開始する際に冷蔵庫1が運転モードを通常運転モードから冬運転モードに移行する場合を例示したが、移行元の運転モードは、通常運転モードに限定されず、冬運転モード以外の運転モードであればよい。また、上述した各実施形態では、冷蔵庫1が冬運転を終了する際に冷蔵庫1が運転モードを冬運転モードから通常運転モードに移行する場合を例示したが、移行先の運転モードは、通常運転モードに限定されず、冬運転モード以外の運転モードであればよい。ここで、冬運転モード以外の運転モードは、本発明の「第1モード」に相当する。
【0168】
また、例えば、上述した各実施形態では、気温データ要求情報が、現在から所定日数遡った日までの期間における全日付分の日付情報を含む場合を例示した。しかしながら、気温データ要求情報は、例えば、現在から所定日数遡った日までの期間において1日おきの日付を示す日付情報を含む構成のように、現在から所定日数遡った日までの期間における任意の日付分の日付情報を含む構成としてもよい。
【0169】
また、例えば、上述した各実施形態では、気温データ要求情報が含む日付情報は、現在の日付を示す日付情報でもよい。
【0170】
また、例えば、上述した第1実施形態、及び、第2実施形態では、冷蔵庫制御部16が、気象サーバー2から受信した複数の気温データが示す日最低気温の平均に基づいて、現在の季節が冬であるか否かを判定する構成である。しかしながら、冷蔵庫制御部16は、日最低気温の平均の代わりに、日最高気温の平均や、日平均気温の平均、特定時刻の気温の平均等に基づいて現在の季節が冬であるか否かを判定してもよい。第3実施形態、及び、第4実施形態の判定部503の判定についても同様に判定する構成としてもよい。これら構成の場合、気象サーバー2から受信する気温データは、日最高気温や、日平均気温、特定時刻の気温等の平均を算出する対象の気温を示す。
【0171】
また、例えば、上述した第3実施形態、及び、第4実施形態では、冷蔵庫制御サーバー4が移行指示情報を冷蔵庫1に送信する際に冷蔵庫ID1613を付加する構成を例示したが、冷蔵庫制御サーバー4は、冷蔵庫ID1613を付加せずに移行指示情報を冷蔵庫1に送信する構成でもよい。この構成の場合、冷蔵庫1は、移行指示情報を冷蔵庫制御サーバー1から受信すると、図8、及び、図10に示すステップSE2の処理を実行することなく、運転モードを冬運転モードに移行させる。また、この構成の場合、冷蔵庫記憶部161は、冷蔵庫ID1613を記憶しなくてもよい。また、この構成の場合、冷蔵庫制御データベース413が格納する1件のレコードRは、冷蔵庫ID1613を有していなくてもよい。
【0172】
また、例えば、冷蔵庫1の主箱体10に形成される部屋の種類は、冷蔵室11、製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び、野菜室15に限定されず、少なくてもよいし、さらに別の種類の部屋が形成されてもよい。また、冷蔵室11の前面の開口部に設けられるドアの数は、1つでもよい。
【0173】
また、冷蔵庫制御部16、端末制御部50、及び、サーバー制御部40の機能は、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。
【0174】
また、図2図4、及び図7に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、冷蔵庫1、端末装置5、及び、冷蔵庫制御サーバー4の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0175】
また、例えば、図3、及び、図5に示す動作のステップ単位は、冷蔵庫1の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。また、例えば、図8、及び、図10に示す動作のステップ単位は、冷蔵庫制御システム2000の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0176】
以上のように、本発明に係る冷蔵庫、プログラム、端末装置、及び、冷蔵庫制御システムは、冷蔵庫の庫内温度を設定する用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0177】
1 冷蔵庫
2 気象サーバー(サーバー)
4 冷蔵庫制御サーバー
5 端末装置
16 冷蔵庫制御部
50 端末制御部(制御部)
502 通信制御部
503 判定部
504 運転モード制御部
513 冷蔵庫制御アプリ(プログラム、アプリケーションプログラム)
2000 冷蔵庫制御システム
H 自宅(設置場所)
P ユーザー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10