(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】照明システム、及び、照明制御方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20240104BHJP
F21S 8/08 20060101ALI20240104BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240104BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20240104BHJP
F21Y 113/17 20160101ALN20240104BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240104BHJP
【FI】
H05B47/155
F21S8/08 110
F21V23/00 110
H05B47/115
F21Y113:17
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019118483
(22)【出願日】2019-06-26
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】清水 久仁彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和哉
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-195084(JP,A)
【文献】特開平04-092395(JP,A)
【文献】特開2014-130681(JP,A)
【文献】特表2016-520961(JP,A)
【文献】特開2014-235827(JP,A)
【文献】特開2016-130932(JP,A)
【文献】特開2002-190094(JP,A)
【文献】特開2005-115794(JP,A)
【文献】特開2014-130680(JP,A)
【文献】特開2009-013685(JP,A)
【文献】特開平07-150528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
G08G 1/00-99/00
E01F 9/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の速度を検出するセンサを有し、前記車両が走行する道路を照らす複数の照明器具と、
前記複数の照明器具のそれぞれと通信可能に接続されたサーバとを備え、
前記複数の照明器具は、第1照明器具と、前記第1照明器具より前記車両の進行方向側に設置された第2照明器具とを含み、
前記サーバは、
前記第1照明器具が検出した前記速度を取得する取得部と、
前記第2照明器具を、前記速度に応じた態様で発光させる第2制御部と、を有し、
前記取得部は、前記第1照明器具又は前記第2照明器具が設置されている周囲の環境を示す環境情報及び前記第1照明器具又は前記第2照明器具が設置されている道路の履歴を示す履歴情報の少なくとも一方を取得し、
前記第2制御部は、前記速度と、前記環境情報及び前記履歴情報の少なくとも一方と、に基づいて、前記第2照明器具を発光させる、
照明システム。
【請求項2】
前記センサは、電波式センサである、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記複数の照明器具のうち少なくとも1つの照明器具は、前記センサが検出した前記速度が第1閾値以上である場合に、前記速度が前記第1閾値以上であることを示す情報を前記サーバに送信する第1制御部を備える、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記複数の照明器具のうち少なくとも1つの照明器具は、前記センサが検出した前記速度が第1閾値以上である場合に、前記速度が前記第1閾値以上であることを示す情報を前記車両に搭載される情報端末に送信する第1制御部を備える、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項5】
前記複数の照明器具のうち少なくとも1つの照明器具は、
光源と、
前記センサが検出した検出結果に応じた態様で前記光源を発光させる第1制御部とを備える、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項6】
前記第1制御部は、前記センサが検出した前記速度が第1閾値以上である場合に、前記光源を前記速度に応じた態様で発光させる、
請求項5に記載の照明システム。
【請求項7】
前記第1照明器具は、前記第2照明器具が備える光源を、前記センサが検出した検出結果に応じた態様で発光させる第1制御部を備える、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項8】
前記第1照明器具が備える前記第1制御部は、前記センサが検出した前記速度が第1閾値以上である場合に、前記第2照明器具が備える前記光源を、前記速度に応じた態様で発光させる、
請求項7に記載の照明システム。
【請求項9】
前記第1制御部は、前記速度に応じた発光色及び点滅動作の少なくとも一方により前記光源を発光させる、
請求項5~8のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項10】
前記複数の照明器具のうち少なくとも1つの照明器具は、前記センサが検出した検出結果に応じた態様で光源を発光させる第1制御部を有し、
前記第1制御部は、前記車両の前記速度が第1閾値以上である場合、前記速度を下げることを促す態様で発光するように前記光源を制御し、前記車両の前記速度が前記第1閾値より遅い第2閾値以下である場合、前記速度を上げることを促す態様で発光するように前記光源を制御する、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項11】
車両の速度を検出するセンサを有し、前記車両が走行する道路を照らす複数の照明器具と、
前記複数の照明器具のそれぞれと通信可能に接続されたサーバとを備え、
前記複数の照明器具は、第1照明器具と、前記第1照明器具より前記車両の進行方向側に設置された第2照明器具とを含み、
前記サーバは、
前記第1照明器具が検出した前記速度を取得する取得部と、
前記第2照明器具を、前記速度に応じた態様で発光させる第2制御部とを有し、
前記道路は、下り坂である第1区間と、前記下り坂から上り坂にさしかかるサグ部である第2区間とを有し、
前記第1照明器具は、前記第1区間に設置されており、
前記第2照明器具は、前記第1区間及び前記第2区間のそれぞれに設置されており、
前記第2制御部は、前記第1区間に設置された前記第2照明器具を、前記第1照明器具が検出した前記速度に応じた態様で発光させ、かつ、前記第2区間に設置された前記第2照明器具を、前記第1区間に設置された前記第2照明器具の前記態様より危険度が低いことを示す態様で発光させる、
照明システム。
【請求項12】
車両の速度を検出するセンサを有し、前記車両が走行する道路を照らす複数の照明器具と、
前記複数の照明器具のそれぞれと通信可能に接続されたサーバとを備え、
前記複数の照明器具は、第1照明器具と、前記第1照明器具より前記車両の進行方向側に設置された第2照明器具とを含み、
前記サーバは、
前記第1照明器具が検出した前記速度を取得する取得部と、
前記第2照明器具を、前記速度に応じた態様で発光させる第2制御部とを有し、
前記道路は、カーブの進入前の第1区間と、前記第1区間の後のカーブしている第2区間と、前記第2区間の後の第3区間とを有し、
前記第1照明器具は、前記第1区間に設置されており、
前記第2照明器具は、前記第2区間及び前記第3区間のそれぞれに設置されており、
前記第2制御部は、前記第2区間に設置された前記第2照明器具を、前記第1照明器具が検出した前記速度に応じた態様より危険度が高いことを示す態様で発光させ、かつ、前記第3区間に設置された前記第2照明器具を、前記速度に応じた態様より危険度が低いことを示す態様で発光させる、
照明システム。
【請求項13】
車両の速度を検出するセンサを有し、前記車両が走行する道路を照らす複数の照明器具と、
前記複数の照明器具のそれぞれと通信可能に接続されたサーバとを備え、
前記複数の照明器具は、第1照明器具と、前記第1照明器具より前記車両の進行方向側に設置された第2照明器具とを含み、
前記サーバは、
前記第1照明器具が検出した前記速度を取得する取得部と、
前記第2照明器具を、前記速度に応じた態様で発光させる第2制御部とを有し、
前記第2照明器具は、前記進行方向に沿って配置された2つの照明器具を含み、
前記第2制御部は、前記第1照明器具が検出した前記速度が第2閾値以下である場合に、前記2つの照明器具のうち前記進行方向側に配置された照明器具を、前記2つの照明器具のうち前記第1照明器具側に配置された照明器具の態様より危険度が低いことを示す態様で発光させる、
照明システム。
【請求項14】
第1照明器具と、前記第1照明器具より車両の進行方向側に設置された第2照明器具とを備える照明システムにおける照明制御方法であって、
前記第1照明器具が検出した前記車両の速度を取得するステップと、
前記第1照明器具又は前記第2照明器具が設置されている周囲の環境を示す環境情報及び前記第1照明器具又は前記第2照明器具が設置されている道路の履歴を示す履歴情報の少なくとも一方を取得するステップと、
前記速度と、前記環境情報及び前記履歴情報の少なくとも一方と、に基づいて
決定された、前記車両の速度を適切な速度とするための発光態様で、前記第2照明器具を発光させるステップと、を含む、
照明制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路などの屋外に設置される照明器具、当該照明器具を備える照明システム、及び、照明制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
夜間照明として、道路に照明光を照射する街路灯が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両は、道路を安全に走行することが求められる。特許文献1の照明は、例えば、夜間において道路を照らすことで車両を安全に走行させることができる。しかしながら、車両の走行安全性をさらに向上させることが望まれる。車両は、例えば、適切な速度で走行することが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、車両が適切な速度で走行することを促すことができる照明器具、照明システム、及び、照明制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る照明器具は、車両が走行する道路を照らす照明器具であって、前記車両の速度を検出するセンサを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る照明システムは、上記の複数の照明器具と、前記複数の照明器具のそれぞれと通信可能に接続されたサーバとを備え、前記複数の照明器具は、第1照明器具と、前記第1照明器具より前記車両の進行方向側に設置された第2照明器具とを含み、前記サーバは、前記第1照明器具が検出した前記速度を取得する取得部と、前記第2照明器具を、前記速度に応じた態様で発光させる第2制御部とを有する。
【0008】
本発明の一態様に係る照明制御方法は、第1照明器具と、前記第1照明器具より車両の進行方向側に設置された第2照明器具とを備える照明システムにおける照明制御方法であって、前記第1照明器具が検出した前記車両の速度を取得するステップと、前記第2照明器具を、前記速度に応じた態様で発光させるステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る照明器具等によれば、車両が適切な速度で走行することを促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】
図1Aは、実施の形態1に係る照明器具が道路に設置された様子を示す第1図である。
【
図1B】
図1Bは、実施の形態1に係る照明器具が道路に設置された様子を示す第2図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る照明器具の部分斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る照明器具の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る照明器具の発光態様を示すテーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る照明器具の動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、速度超過している場合に表示部に表示される警告の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態2に係る照明システムの概略構成を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態2に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2に係る照明システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2に係るサーバの動作を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施の形態2に係る照明システムの動作例1を示す図である。
【
図12】
図12は、実施の形態2に係る照明システムの動作例2を示す図である。
【
図13】
図13は、実施の形態2の変形例に係る照明システムの動作例3を示す図である。
【
図14】
図14は、実施の形態2の変形例に係る照明システムの動作例4を示す図である。
【
図15】
図15は、その他の実施の形態に係る照明システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
また、本明細書において、同じなどの要素間の関係性を示す用語、及び、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0014】
(実施の形態1)
[1-1.構成]
まず、照明器具10を含む照明システム1の構成について、
図1A~
図4を参照しながら説明する。
図1Aは、本実施の形態1に係る照明器具10が道路30に設置された様子を示す第1図である。
図1Bは、本実施の形態に係る照明器具10が道路に設置された様子を示す第2図である。
図1Aは、車両20の進行方向から照明器具10等を見たときの図であり、
図1Bは、上方から道路30を見たときの図である。なお、
図1Bに示す矢印は、車両20の進行方向を示す。
【0015】
図1A及び
図1Bに示すように、本実施の形態に係る照明システム1は、照明器具10と、情報端末50とを備える。照明器具10は、道路30に照明光Lを照射する装置であり、例えば、道路灯、街路灯、防犯灯などの屋外用の照明器具である。本実施の形態において、照明器具10は、車道である道路30に脇に設置される道路灯である。なお、照明器具10は、例えば、公園、駐車場、林道、又は、工場の敷地内等の車両20が走行する道路に設置されていてもよい。
【0016】
本実施の形態に係る照明器具10は、さらに、車両20の速度を検出する。照明器具10は、例えば、車両20の速度を計測するための電波R1を出射し、かつ、当該電波R1が車両20で反射した反射波R2を受信することで、車両20の速度を検出する。
【0017】
照明器具10は、照明光Lが照らす範囲に位置する2本の走行ライン40の間に向けて電波R1を出射するが、これに限定されない。照明器具10は、照明光Lが照らす範囲外であって、かつ、車両20が走行する位置に電波R1を出射してもよい。
【0018】
情報端末50は、車両20が所定の条件を満たす場合に、当該所定の条件を満たすことを車両20の運転者に報知するための装置である。情報端末50は、例えば、車両20に搭載されるカーナビゲーション装置であるが、運転者が所持するスマートフォンなどであってもよい。情報端末50は、外部の装置(例えば、照明器具10)からの情報を表示するための表示部51を有する。表示部51は、例えば、液晶パネルによって実現されるが、有機ELパネルなどのその他の表示パネルによって実現されてもよい。
【0019】
このように、本実施の形態に係る照明器具10は、道路30を照らす照明機能と、車両20の速度を計測する計測機能とを有する。このような照明器具10の構成について、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
図2は、本実施の形態に係る照明器具10を示す部分斜視図である。
図3は、本実施の形態に係る照明器具10の機能構成を示すブロック図である。
【0020】
図2及び
図3に示すように、照明器具10は、灯具11と、支持体17(支柱)とを有する。また、灯具11は、筐体12と、光源13と、センサ14と、制御部15と、通信部16とを有する。光源13、センサ14、及び、通信部16のそれぞれは、制御部15に接続されており、制御部15により制御される。
【0021】
筐体12は、光源13と、センサ14と、制御部15と、通信部16とを収容する収容体である。筐体12は、例えば、光源13及びセンサ14の一部が照明器具10の外側から見えるように、光源13及びセンサ14を収容する。すなわち、光源13、センサ14、制御部15、及び、通信部16は、筐体12の内部又は筐体12の外表面に設けられる。
【0022】
筐体12は、例えば、リング状部材及び締結部材等によって支持体17に固定される。筐体12は、支持体17の上側の位置、例えば、道路30の路面から4.5m以上15m以下の位置に設けられる。筐体12は、例えば直方体状の形状であり、支持体17から道路30の中央側に突出するように、支持体17に設けられる。筐体12は、金属又は樹脂等の材料により形成されている。
【0023】
光源13は、制御部15の制御により、道路30における視認性を高めるために、灯具11周辺の道路30に照明光Lを出射する。光源13は、例えば、照明光Lとして白色光(具体的には、電球色又は温白色など)を発する。また、光源13は、さらに、制御部15の制御により、車両20が所定の条件を満たす場合に、当該所定の条件を満たすことを車両20の運転者に報知するために、道路30の視認性を高めるための発光とは異なる発光態様で発光する。本実施の形態では、光源13は、車両20の運転者に所定の条件を満たすことを報知するために、所定の発光色を発する。光源13は、例えば、車両20の運転者に所定の条件を満たすことを報知するために、白色光以外の光を出射する。なお、光源13は、車両20の運転者に所定の条件を満たすことを報知するために、点滅動作してもよいし、発光色を変更し、かつ、点滅動作してもよい。発光色及び点滅動作は、発光態様の一例である。なお、道路30における視認性を高めるための発光とは、夜間などの所定期間にわたって連続して行う発光である。
【0024】
なお、以降において、照明光Lを出射することを通常発光とも記載し、報知するための光(以降において、報知光とも記載する)を出射することを報知発光とも記載する。
【0025】
光源13は、基板と基板に実装された複数のLED(Light Emitting Diode)素子とで構成される発光モジュールである。光源13は、例えば、通常発光を行うためのLED素子と、報知発光を行うためのLED素子とを別々に有していてもよい。通常発光を行うためのLED素子は、例えば、青色LEDチップと、青色LEDチップを封止する蛍光体含有樹脂(封止部材)とによって実現される。報知発光を行うためのLED素子は、例えば、青色光、緑色光及び赤色光(つまり、光の3原色)を発するRGBタイプのLED素子によって実現されてもよいし、青色光、緑色光、赤色光及び白色光を発するRGBWタイプのLED素子によって実現されてもよい。
【0026】
また、光源13は、例えば、通常発光を行うためのLED素子の少なくとも一部を用いて、報知発光を行ってもよい。
【0027】
なお、光源13は、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等の固体発光素子を用いた発光モジュールであってもよい。
【0028】
光源13は、通常発光を行う場合、制御部15の制御により、予め設定されているタイムスケジュール等に従って点灯及び消灯が制御される。また、光源13は、報知発光を行う場合、制御部15の制御により、センサ14の検出結果に従って点灯及び消灯が制御される。
【0029】
光源13は、照明光L及び報知光を拡散させるため、光拡散性のレンズ又は透光カバーを備えていてもよい。
【0030】
センサ14は、車両20の速度を計測するための装置である。本実施の形態では、センサ14は、周波数の変化により車両20の速度を計測するドップラセンサである。センサ14は、例えば、マイクロ波(24GHz帯)などの電波R1(送信波)を発信し、車両20に当たり反射してきた電波(反射波R2)をセンサ内蔵のアンテナで受信する。センサ14は、送信波と反射波との周波数の差に基づいて、車両20の速度を検出する。また、センサ14は、どの方向からの反射波R2を受信したかを検出可能に構成されていてもよい。ドップラセンサは、電波式センサの一例である。
【0031】
なお、センサ14は、車両20の速度を検出することができるセンサであれば、ドップラセンサに限定されることはなく、その他のセンサが用いられてもよい。
【0032】
光源13及びセンサ14は、例えば、筐体12の同一面に設置される。光源13及びセンサ14は、筐体12の下面(道路30側の面)に設置される。なお、センサ14は、例えば、灯具11とは別に設けられてもよい。センサ14は、例えば、支持体17に固定されていてもよい。センサ14は、例えば、既存の照明器具に後付けされてもよい。
【0033】
制御部15は、光源13及びセンサ14を制御する制御装置である。制御部15は、時計回路(図示しない)を有しており、タイムスケジュール等の時間情報に基づき、光源13を点灯又は消灯させる。また、制御部15は、センサ14の検出結果に基づいて車両20が速度超過しているか否かを判定し、速度超過している場合に、速度超過していることを車両20の運転者に報知するための処理を実行する。制御部15は、例えば、車両20が速度超過している場合に、車両20の速度に応じた所定の発光態様で光源13を発光させる。
【0034】
また、制御部15は、光源13及びセンサ14に電力を供給する電源回路15aを有する。すなわち、光源13及びセンサ14は、支持体17から灯具11に引き込まれた配電線、及び、配電線に接続された電源を用いて電力が供給される。このように、照明器具10にセンサ14を設けることで、光源13用の電源を用いて、センサ14を動作させることができる。
【0035】
制御部15は、マイクロプロセッサ、メモリ及びメモリに格納されたプログラムなどによって実現される。メモリには、センサ14のMAC(Media Access Control)アドレス、又は、灯具11の通信アドレスなどの識別情報が格納されている。また、メモリには、センサ14の検出エリアの位置情報、又は、支持体17の位置情報が格納されている。位置情報は、例えば、緯度及び経度で表される情報である。また、メモリは、報知発光を行うときの光源13の発光態様に関する情報を格納している。
図4は、本実施の形態に係る照明器具10の発光態様を示すテーブルTの一例を示す図である。
【0036】
図4に示すように、メモリは、「発光色」と「意味」(危険度合い)とが対応しているテーブルTを有する。発光色「赤」は、「危険(大)」(速度超過大)に対応する色であり、「危険(大)」のときに、光源13は、赤色光を発するように制御される。制御部15は、センサ14の検出結果が「危険(大)」の条件を満たす場合に、テーブルTに基づき光源13に赤色を発光させる。「危険(大)」は、例えば、車両20の速度が道路30の最高速度又は法定速度に第1速度(例えば、30km/h)を加算した速度以上であることを示す。
【0037】
また、発光色「黄赤」は、「危険(小)」(速度超過中)に対応する色であり、「危険(小)」のときに、光源13は、黄赤色光を発するように制御される。制御部15は、センサ14の検出結果が「危険(小)」の条件を満たす場合に、テーブルTに基づき光源13に黄赤色を発光させる。「危険(小)」は、例えば、車両20の速度が道路30の最高速度又は法定速度に第2速度(第1速度より遅い速度であり、例えば、20km/h)以上、かつ、道路30の最高速度又は法定速度に第1速度を加算した速度未満であることを示す。
【0038】
また、発光色「黄」は、「警告、注意」(速度超過小)に対応する色であり、「警告、注意」のときに、光源13は、黄色光を発するように制御される。制御部15は、センサ14の検出結果が「警告、注意」の条件を満たす場合に、テーブルTに基づき光源13に黄色を発光させる。「警告、注意」は、例えば、車両20の速度が道路30の最高速度又は法定速度に第3速度(第2速度より遅い速度であり、例えば、15km/h)以上、かつ、道路30の最高速度又は法定速度に第2速度を加算した速度未満であることを示す。
【0039】
また、発光色「緑」は、「安全状態、進行」に対応する色であり、「安全状態、進行」のときに、光源13は、緑色光を発するように制御される。制御部15は、センサ14の検出結果が「安全状態、進行」の条件を満たす場合に、テーブルTに基づき光源13に緑色を発光させる。「安全状態、進行」は、例えば、車両20の速度が道路30の最高速度又は法定速度付近の速度であることを示す。
【0040】
また、発光色「青」は、「進行支持、誘導」に対応する色であり、「進行支持、誘導」のときに、光源13は、青色光を発するように制御される。制御部15は、センサ14の検出結果が「進行支持、誘導」の条件を満たす場合に、テーブルTに基づき光源13に青色を発光させる。「進行支持、誘導」は、例えば、車両20の速度が道路30の最高速度又は法定速度付近に第4速度(例えば、15km/h)を減算した速度以下であることを示す。このとき、制御部15は、車両20の速度が遅いので、車両20の速度を上げることを促すために、青色を発光させる。
【0041】
なお、
図4に示す「発光色」及び「意味」は一例であり、これに限定されない。また、テーブルTにおいて、発光色「赤」から発光色「青」に向けて、徐々に危険度が低くなることを意味する。
【0042】
図2及び
図3を再び参照して、制御部15は、例えば、筐体12内のうち、光源13及びセンサ14よりも上方、又は、光源13及びセンサ14から見て道路30の中央と反対側に配置される。
【0043】
通信部16は、インターネット等のネットワークを介して他の装置(例えば、サーバ又は他の照明器具)と通信するための通信回路(通信モジュール)である。なお、通信部16と他の装置との通信は、有線通信又は無線通信のいずれであってもよい。また、通信部16と他の装置との通信方式は、特に限定されない。
【0044】
なお、通信部16は、必ずしも筐体12内に設けられている必要はなく、筐体12の外部、例えば、支持体17に設けられていてもよい。
【0045】
支持体17は、柱状の部材であり、例えば、配電線が設けられた電柱、街路灯の支柱、防犯カメラ取付用の支柱などである。支持体17は、L字状又はT字状の形状を有していてもよい。
【0046】
[1-2.動作]
次に、本実施の形態に係る照明器具10の動作について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
図5は、本実施の形態に係る照明器具10の動作を示すフローチャートである。
【0047】
図5に示すように、センサ14は、制御部15の制御により、道路30を走行する車両20の速度を計測する(S11)。センサ14は、計測した計測結果(速度)を制御部15に出力する。制御部15は、センサ14から取得した速度が予め設定された第1閾値以上であるか否かを判定する(S12)。制御部15は、第1閾値が道路30の最高速度に第1速度(例えば、30km/h)を加算した速度である場合、センサ14から取得した車両20の速度が道路30の最高速度に第1速度を加算した速度以上であるときに、車両20の速度が第1閾値以上であると判定する。制御部15は、例えば、センサ14から取得した車両20の速度と道路30の最高速度との差が第1速度以上であるときに、車両20の速度が第1閾値以上であると判定するとも言える。
【0048】
制御部15は、車両20の速度が第1閾値以上である場合(S12でYes)、光源13を第1発光態様で発光させる(S13)。制御部15は、例えば、光源13を通常の発光態様(例えば、照明光L)から第1発光態様に切り替える。一例として、制御部15は、光源13を赤色に発光させる。これにより、車両20の運転者は、照明器具10が赤く光っていることを視認することで、自車両がかなり速度超過していることを認識することができる。
【0049】
次に、制御部15は、速度が第1閾値以上であることを示す情報を、通信部16を介して車両20に出力する(S14)。制御部15は、例えば、車両20が有する情報端末50に速度が第1閾値以上であることを示す情報を介して出力する。制御部15は、例えば、当該情報端末50を特定するための識別情報(例えば、情報端末50のID)を取得又は格納し、当該識別情報を用いて、上記の情報を情報端末50に出力する。
【0050】
図6は、速度超過している場合に表示部51に表示される警告の一例を示す図である。
図6に示すように、例えば、情報端末50の表示部51に速度超過していることを示す情報が表示される。これにより、車両20の運転者は、情報端末50の表示部51を確認することで、自車両がかなり速度超過していることを認識することができる。
【0051】
なお、情報端末50は、速度超過していることを示す情報を表示することに限定されない。情報端末50は、例えば、速度超過していることを示す情報を音声で出力してもよい。これにより、運転者は、視線を変更することなく、自車両がかなり速度超過していることを認識することができる。
【0052】
図5を再び参照して、制御部15は、車両20の速度が第1閾値未満である場合(S12でNo)、さらに、センサ14から取得した速度が予め設定された第2閾値以下であるか否かを判定する(S15)。制御部15は、車両20の速度が道路30の最高速度に第4速度を減算した速度以下(第2閾値以下の一例)である場合(S15でYes)、光源13を第1発光態様とは異なる第2発光態様で発光させる(S16)。一例として、制御部15は、光源13を青色に発光させる。これにより、車両20の運転者は、照明器具10が青く光っていることを視認することで、自車両が最高速度に対して遅い速度で走行していることを認識することができる。なお、第2閾値は、例えば、第1閾値より遅い速度である。
【0053】
次に、制御部15は、速度が第2閾値以下であることを示す情報を、通信部16を介して車両20に出力する(S17)。ステップS17は、ステップS14と同様の処理であり、説明を省略する。
【0054】
なお、ステップS12でYesの場合、ステップS13及びS14のうち、少なくとも一方が実施されればよい。また、ステップS15でYesの場合、ステップS16及びS17のうち、少なくとも一方が実施されればよい。制御部15は、例えば、夜間などのように道路30における視認性を高める必要があるときは、ステップS13及び14のうち少なくともステップS14を実行し、かつ、ステップS16及び17のうち少なくともステップS17を実行してもよい。
【0055】
なお、上記では、制御部15は、ステップS15でNoの場合、光源13の発光態様の制御等を行わない例について説明したが、これに限定されない。制御部15は、ステップS15でNoである場合、速度に応じた発光色(例えば、「黄赤」、「黄」、又は、「緑」)を発するように光源13を制御してもよい。
【0056】
[1-3.効果など]
以上説明したように、照明器具10は、車両20が走行する道路30を照らす照明器具であって、車両20の速度を検出するセンサ14を備える。
【0057】
これにより、照明器具10は、車両20が照明器具10付近を走行するときに、当該車両20の速度を計測することができる。例えば、照明器具10が計測した速度に応じて、当該車両20の速度を適切な速度とするための動作が行われる場合、車両20が適切な速度で走行することを促すことができる。
【0058】
また、センサ14は、電波式センサである。
【0059】
これにより、電波式センサを用いて、車両20の速度を精度よく計測することができる。特殊なセンサを用いることなく、汎用性の高い電波式センサを用いて、照明器具10を実現することができる。
【0060】
また、さらに、センサ14が検出した車両20の速度が第1閾値以上である場合に、車両20の速度が第1閾値以上であることを示す情報を車両20に搭載される情報端末50に送信する制御部15(第1制御部の一例)を備えてもよい。
【0061】
これにより、情報端末50が受信した情報を車両20の運転者に報知することで、当該運転者に減速することを促すことができる。例えば、視界の関係で照明器具10が発する光が見にくい場合であっても、運転者に減速することを促すことができる。
【0062】
また、さらに、光源13と、センサ14が検出した検出結果に応じた態様で光源13を発光させる制御部15(第1制御部の一例)とを備えてもよい。
【0063】
これにより、照明器具10は、車両20の速度に応じた態様で光源13を発光させることができる。運転者は、前方を見ることで光源13の発光態様(発光色、点滅動作など)を確認することができるので、より安全に運転者に検出結果を報知することができる。
【0064】
また、制御部15は、センサ14が検出した速度が第1閾値以上である場合に、光源13を速度に応じた態様で発光させてもよい。
【0065】
これにより、照明器具10は、光源13の発光態様により車両20の運転者に減速することを促すことができる。運転者は、前方を見ることで光源13の発光態様(発光色、点滅動作など)を確認することができるので、より安全に運転者に減速することを促すことができる。
【0066】
また、制御部15は、速度に応じた発光色及び点滅動作の少なくとも一方により光源13を発光させる。
【0067】
これにより、照明器具10は、光源13の発光色及び点滅動作の少なくとも一方により運転者に減速を促すことができる。
【0068】
(実施の形態2)
[2-1.構成]
まず、照明器具10を複数備える照明システム100の構成について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。
図7は、本実施の形態に係る照明システム100の概略構成を示す図である。
図8は、本実施の形態に係る照明システム100の機能構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態に係る照明器具10の構成は、実施の形態1に係る照明器具10と同様であり、説明を省略する。
【0069】
図7に示すように、照明システム100は、複数の照明器具10と、サーバ120とを備える。なお、
図7では、照明システム100は6つの照明器具10(照明器具10a~10f)を備える例について説明するが、照明システム100が備える照明器具10の数は2以上であれば特に限定されない。
【0070】
複数の照明器具10は、道路30に沿って所定の間隔、例えば20m以上50m以下の間隔をあけて複数配置されている。車両20は、照明器具10a~10fのうち、最初に照明器具10aの横を通過するとする。照明器具10b~10fは、照明器具10aに対して、車両20の進行方向側(
図7に示す破線矢印側)に配置されている。
【0071】
なお、複数の照明器具10の各々のセンサ14が車両20の速度を計測する計測範囲は、互いに重ならない範囲であってもよい。また、例えば、隣り合う照明器具10のそれぞれの計測範囲の少なくとも一部は、重なっていてもよい。
【0072】
サーバ120は、照明器具10(例えば、照明器具10a)から取得した車両20の速度に基づいて、当該照明器具10(例えば、照明器具10a)以外の照明器具10であって、当該照明器具10より車両20の進行方向側に設置されている1以上の照明器具10(例えば、照明器具10b~10f)の少なくとも1つの発光態様を変更する制御を行う情報処理装置である。
【0073】
図8に示すようにサーバ120は、通信部121と、制御部122とを有する。
【0074】
通信部121は、インターネット等のネットワークを介して複数の照明器具10のそれぞれと通信するための通信回路(通信モジュール)である。つまり、サーバ120は、通信部121を介して、複数の照明器具10のそれぞれと通信可能に接続されている。なお、通信部121と複数の照明器具10のそれぞれとの通信は、有線通信又は無線通信のいずれであってもよい。また、通信部121と複数の照明器具10のそれぞれとの通信方式は、特に限定されない。
【0075】
また、通信部121は、さらに、照明器具10が設置されている周囲の環境を示す環境情報、及び、照明器具10が設置されている道路30の履歴を示す履歴情報の少なくとも一方を取得してもよい。環境情報は、例えば、天候情報、路面の状態(例えば、積雪状態又は凍結状態)、道路30の勾配に関する情報、道路30の形状に関する情報、車両20の進行方向側の道路30における渋滞情報、及び、歩道を歩行する人の人数に関する情報の少なくとも1つを含む。また、環境情報に、道路30の制限速度又は法定速度に関する情報が含まれていてもよい。
【0076】
道路30の勾配に関する情報は、上り坂又は下り坂であることを示す情報であってもよいし、勾配度合いを示す情報(例えば、勾配9%など)であってもよい。以下において、道路30の勾配に関する情報を勾配情報とも記載する。また、道路30の形状を示す情報は、直線、カーブ、交差点等であることを示す情報であってもよいし、カーブ度合いを示す情報(例えば、曲率半径)であってもよい。以下において、道路30の形状を示す情報を形状情報とも記載する。
【0077】
また、履歴情報は、道路30における、速度超過の頻度、及び、事故の頻度などの情報を含む。
【0078】
制御部122は、照明器具10(例えば、照明器具10a)から取得した車両20の速度に基づいて、当該照明器具10(例えば、照明器具10a)以外の照明器具10であって、当該照明器具10より車両20の進行方向側に設置されている1以上の照明器具10(例えば、照明器具10b~10f)の少なくとも1つの発光態様を変更するための制御情報を生成し、当該1以上の照明器具10のそれぞれに制御情報を送信する。なお、制御部122は、当該1以上の照明器具10のそれぞれが同じ発光態様となるように制御情報を生成してもよいし、当該1以上の照明器具10のうち少なくとも1つの照明器具10が他の照明器具10と異なる発光態様となるように制御情報を生成してもよい。
【0079】
制御部122は、マイクロプロセッサ、メモリ及びメモリに格納されたプログラムなどによって実現される。メモリには、照明器具10の識別情報、及び、照明器具10の位置情報(例えば、センサ14の検出エリアを特定するための情報)が格納されている。位置情報は、例えば、緯度及び経度で表される情報である。また、メモリは、報知発光を行うときの光源13の発光態様に関する情報を格納している。メモリは、例えば、
図4に示すテーブルTを格納していてもよい。また、制御部122は、時計回路(図示しない)を有していてもよい。
【0080】
[2-2.動作]
次に、本実施の形態に係る照明システム100の動作について、
図9~
図12を参照しながら説明する。
図9は、本実施の形態に係る照明システム100の動作を示すシーケンス図である。なお、以下では、照明器具10aを第1照明器具とし、他の照明器具10(照明器具10b~10f)を第2照明器具として説明する。第1照明器具は、車両20の速度を計測している照明器具であり、第2照明器具は、第1照明器具が計測した速度に基づいて発光態様が制御される照明器具である。
【0081】
図9に示すように、照明器具10aは、車両20の速度を計測し(S21)、計測した速度を示す速度情報をサーバ120に送信する(S22)。具体的には、制御部15は、センサ14が計測した速度を含む速度情報を生成し、通信部16を介してサーバ120に送信する。速度情報には、車両20の位置を特定するための情報が含まれる。速度情報には、例えば、照明器具10aを識別するための識別情報(例えば、センサ14のMACアドレス、又は、灯具11の通信アドレスなどの識別情報)が含まれる。
【0082】
サーバ120は、通信部121を介して照明器具10aから速度情報を受信し(S23)、受信した速度情報に基づく車両20の速度が所定条件を満たすか否かを判定する。具体的には、制御部122は、
図4に示すテーブルTに基づく閾値を用いて、車両20の速度が所定条件を満たすか否かを判定する。所定条件は、例えば、制限速度と車両20の速度との差が、所定以上となることであるが、これに限定されない。
【0083】
制御部122は、車両20の速度が所定条件を満たすと判定すると(S24)、照明システム1が備える他の照明器具10(照明器具10b~10f)の発光態様を変更するための制御情報を生成し、当該他の照明器具10に当該制御情報を送信する(S25)。制御部122は、制限速度と車両20の速度との差、及び、
図4に示すテーブルTに基づいて制御情報を生成する。制御部15は、例えば、制限速度と車両20の速度との差が「危険(大)」の条件を満たす場合に、テーブルTに基づき他の照明器具10に赤色を発光させるための制御情報を生成する。
【0084】
以下の説明では、制御部122は、制御情報を照明器具10b~10fのそれぞれに送信する例について説明するが、照明器具10b~10fのうち、少なくとも1つの照明器具10に制御情報を送信すればよい。すなわち、サーバ120は、ステップS25において、1以上の他の照明器具10のうち、少なくとも1つの他の照明器具10に制御情報を送信すればよい。また、サーバ120は、ステップS25において、他の照明器具10に制御情報を送信するとともに、照明器具10aにも当該制御情報を送信してもよい。
【0085】
照明器具10b~10fの各々は、サーバ120からの制御情報を、通信部16を介して受信し(S26)、受信した制御情報に基づいて発光する(S27)。これにより、車両20の運転者は、進行方向に設置されている他の照明器具10の発光態様(例えば、発光色)を視認することで、自車両が速度超過していることを認識することができる。
【0086】
次に、制御部122は、速度が所定条件を満たすことを示す情報を、通信部121を介して車両20に送信する(S28)。具体的には、制御部122は、例えば、車両20に搭載された情報端末50に速度が所定条件を満たすことを示す情報を、通信部121を介して送信する。制御部122は、例えば、当該情報端末50を特定するための識別情報(例えば、情報端末50のID)を取得又は格納し、当該識別情報を用いて、上記の情報を情報端末50に送信する。
【0087】
車両20は、速度が所定条件を満たすことを示す情報を受信し(S29)、受信した情報を出力する(S30)。車両20は、例えば、
図6に示すように、情報端末50の表示部51に取得した情報を表示することで、運転者に自車両の速度が所定条件を満たすことを報知してもよい。
【0088】
なお、サーバ120は、ステップS25及びS28の両方を実行する例について説明したが、ステップS25及びS28の少なくとも1つを実行すればよい。サーバ120は、例えば、照明器具10aの周囲の環境情報に基づいて、車両20の運転者への報知方法を決定してもよい。サーバ120は、例えば、雨などにより運転者の視界が狭いときには、車両20が搭載する情報端末50に報知させることを優先して実行してもよい。
【0089】
また、上記では、サーバ120は、車両20の速度に基づいて発光態様を決定していたが、通信部121が環状情報及び履歴情報の少なくとも一方を受信している場合、さらに、当該少なくとも一方を用いて発光態様を決定してもよい。
【0090】
制御部122は、環境情報及び履歴情報の少なくとも一方により車両20が事故等を起こしやすい状況にある場合、他の照明器具10の発光態様を車両20の速度に基づいて決定された発光態様より、危険度が高いことを示す発光態様に決定してもよい。車両20が事故等を起こしやすい状況は、路面が凍結している、事故の頻度が所定以上の道路30を走行中であるなどを含む。制御部122は、例えば、車両20の速度が「危険(小)」の条件を満たし、かつ、道路30の路面が凍結している場合、他の照明器具10を「危険(大)」に対応する赤色で発光させるように制御してもよい。
【0091】
次に、サーバ120の動作について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、本実施の形態に係るサーバ120の動作を示すフローチャートである。
【0092】
図10に示すように、サーバ120は、照明器具10aから速度情報を受信する(S41)。具体的には、制御部122は、通信部121を介して、照明器具10aが計測した車両20の速度を含む速度情報を受信する。ステップS41は、
図9に示すステップS23に相当する。
【0093】
制御部122は、照明器具10aから取得した速度情報に基づく速度が予め設定された第1閾値以上であるか否かを判定する(S42)。ステップS42の判定処理は、
図5のステップS12の判定処理と同様であり、説明を省略する。
【0094】
制御部122は、車両20の速度が第1閾値以上である場合(S42でYes)、車両20の進行方向に位置する(設置されている)第2照明器具を第1発光態様で発光させる(S43)。制御部122は、第1閾値が道路30の最高速度に第1速度(例えば、30km/h)を加算した速度である場合、第2照明器具を赤色に発光させる。これにより、車両20の運転者は、第2照明器具が赤く光っていることを視認することで、自車両がかなり速度超過していることを認識することができる。
【0095】
また、制御部122は、車両20の速度が第1閾値未満である場合(S42でNo)、さらに、照明器具10aから取得した速度が予め設定された第2閾値以下であるか否かを判定する(S45)。制御部122は、車両20の速度が第2閾値以下である場合(S45でYes)、車両の進行方向に位置する第2照明器具を第1発光態様とは異なる第2発光態様で発光させる(S46)。制御部122は、第2閾値が道路30の最高速度に第4速度(例えば、15km/h)を減算した速度である場合、第2照明器具を青色に発光させる。これにより、車両20の運転者は、進行方向に設置されている第2照明器具が青く光っていることを視認することで、自車両が最高速度に対して遅い速度で走行していることを認識することができる。
【0096】
第2照明器具は、第1照明器具に対して車両20の進行方向に位置する照明器具であり、本実施の形態では、照明器具10b~10fである。
【0097】
なお、ステップS44、ステップS45でNoのとき、及び、S47の処理は、
図5に示すステップS14、ステップS15でNoのとき、及び、S17と同様であり、説明を省略する。
【0098】
[2-2-1.動作例1]
ここで、照明システム100の動作例について、
図11及び
図12を参照しながら説明する。まずは、照明システム100の動作例1について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、本実施の形態に係る照明システム100の動作例1を示す図である。
図11では、緩やかな下り坂の後に、緩やかな上り坂がある道路30において、渋滞を抑制するための動作を行う照明システム100について説明する。すなわち、照明システム100は、上記で説明したように、車両20の速度超過を抑制するための動作に加えて、さらに渋滞を抑制するための動作を行ってもよい。なお、
図11及び
図12において、便宜上、サーバ120の図示を省略している。
【0099】
図11は、照明器具10aにより計測された車両20の速度に基づいて、照明システム100が備える複数の照明器具(照明器具10a~10f)の発光態様が制御された状態を示す。
図11は、例えば、
図9に示すステップS21~S27の処理が実行された状態を示す。
図11では、照明器具10aが計測した車両20の速度が「警告、注意」の条件を満たすとサーバ120により判定された場合について説明する。
【0100】
なお、照明器具10a及び10bは、下り坂の区間(第1区間の一例)に設置されている照明器具である。また、照明器具10c及び10dは、下り坂から上り坂にさしかかるサグ部(くぼ地)(第2区間の一例)に設置されている照明器具である。また、照明器具10e及び10fは、上り坂である区間(第3区間の一例)に設置されている照明器具である。また、照明器具10aは、第1照明器具の一例であり、照明器具10b~10fは、第2照明器具の一例である。なお、境界付近とは、下り坂と上り坂との境界から所定範囲(例えば、500m)内を意味する。
【0101】
図11に示すように、サーバ120は、上記の判定(車両20の速度が「警告、注意」の条件を満たす判定)、及び、道路30の勾配情報に基づいて、照明器具10a及び10bを黄色に発光させる。制御部122は、車両20が下り坂を走行している場合、車両20が適切な減速を行うように上記の判定に対応する発光色で発光するように照明器具10a及び10bを制御する。制御部122は、
図10に示すステップS43において、さらに、勾配情報に基づいて、第2照明器具(ここでは、照明器具10b)の発光態様を決定してもよい。また、制御部122は、
図10に示すステップS43において、さらに、勾配情報に基づいて、第1照明器具(ここでは、照明器具10a)の発光態様を決定してもよい。
【0102】
また、サーバ120は、上記の判定、及び、道路30の勾配情報に基づいて、照明器具10c及び10dを緑色に発光させる。制御部122は、上り坂にさしかかる前に、車両20が過剰に減速しないように、照明器具10c及び10dを照明器具10a及び照明器具10bより危険度が低いことを示す発光色である緑色に発光させる。制御部122は、
図10に示すステップS43において、さらに、勾配情報に基づいて、第2照明器具(ここでは、照明器具10c及び10d)の発光態様を決定してもよい。
【0103】
また、サーバ120は、上記の判定、及び、道路30の勾配情報に基づいて、照明器具10e及び10fを青色に発光させる。制御部122は、車両20が上り坂を走行している場合、車両20の速度が上り坂により低下しないように、照明器具10e及び10fを照明器具10c及び照明器具10dよりさらに危険度が低いことを示す発光色である青色に発光させる。言い換えると、制御部122は、車両20が上り坂を走行している場合、車両20の速度が低下しないように、照明器具10e及び10fの発光態様を照明器具10c及び照明器具10dの発光態様より加速することを誘導する発光色である青色に発光させる。制御部122は、
図10に示すステップS43において、さらに、勾配情報に基づいて、第2照明器具(ここでは、照明器具10e及び10f)の発光態様を決定してもよい。
【0104】
上記のように、制御部122は、
図10に示すステップS43において、さらに、勾配情報に基づいて、複数の第2照明器具のそれぞれの発光態様を決定してもよい。これにより、照明システム100は、下り坂において車両20の速度が速いときに運転者に減速を促すことができ、かつ、上り坂に差しかかる前に速度が低下しすぎることを抑制することができる。つまり、照明システム100は、下り坂の後の上り坂において車両20の速度が低下しすぎることで、渋滞が発生することを抑制することができる。
【0105】
なお、
図11に示す発光態様は、一例である。
図11では、例えば、2つの照明器具10の発光態様が同じである例について説明したが、これに限定されず、隣り合う2つの照明器具10の発光態様はそれぞれ異なっていてもよい。
【0106】
なお、上記の処理は、所定以上の勾配(勾配度合い)を有する下り坂及び上り坂において、実行されてもよい。
【0107】
また、サーバ120は、上り坂の後に下り坂があるような道路30においては、下り坂のときに車両20が過剰に加速することを抑制するために、下り坂と上り坂との境界付近に設置されている照明器具10の発光態様を、上り坂に設置されている照明器具10の発光態様より危険度が高いことを示す発光色としてもよい。
【0108】
[2-2-2.動作例2]
次に、照明システム100の動作例2について、
図12を参照しながら説明する。
図12は、本実施の形態に係る照明システム100の動作例2を示す図である。
図12では、カーブを有する道路30において、事故を抑制するための動作を行う照明システム100について説明する。すなわち、照明システム100は、上記で説明したように、車両20の速度超過を抑制するための動作に加えて、さらに事故を抑制するための動作を行ってもよい。
【0109】
図12は、照明器具10aにより計測された車両20の速度に基づいて、照明システム100が備える複数の照明器具(照明器具10a~10f)の発光態様が制御された状態を示す。
図12は、例えば、
図9に示すステップS21~S27の処理が実行された状態を示す。サーバ120は、照明器具10aが計測した車両20の速度が「危険(小)」の条件を満たすとサーバ120により判定された場合について説明する。
【0110】
なお、照明器具10aは、カーブ進入前の直線道路(減速区間であり、第1区間の一例)に設置されている照明器具である。また、照明器具10b~10dは、カーブしている区間(定速走行区間であり、第2区間の一例)に設置されている照明器具である。照明器具10bは、カーブ進入付近に設置されている照明器具であり、照明器具10cは、カーブ中央(カーブ進入付近及びカーブ出口付近の間)に設置されている照明器具であり、照明器具10dは、カーブ出口付近に設置されている照明器具である。また、照明器具10eは、カーブ後の直線道路(定速走行区間であり、第3区間の一例)に設置されている照明器具である。また、照明器具10aは、第1照明器具の一例であり、照明器具10b~10fは、第2照明器具の一例である。
【0111】
図12に示すように、サーバ120は、上記の判定(車両20の速度が「危険(小)」の条件を満たす判定)、及び、道路30の形状を示す形状情報に基づいて、照明器具10aを黄赤色に発光させる。制御部122は、車両20がカーブ進入前の直線を走行している場合、車両20が適切な減速を行うように上記の判定に対応する発光色で発光するように照明器具10aを制御する。制御部122は、
図10に示すステップS43において、さらに、形状情報に基づいて、第1照明器具(ここでは、照明器具10a)の発光態様を決定してもよい。
【0112】
また、サーバ120は、上記の判定、及び、道路30の形状情報に基づいて、照明器具10b及び10cを赤色に発光させる。制御部122は、カーブ進入付近及びカーブ中に、車両20が所定の速度(例えば、カーブにおける制限速度)で走行できるように、照明器具10b及び10cを照明器具10aより危険度が高いことを示す発光色である赤色に発光させる。制御部122は、
図10に示すステップS43において、さらに、形状情報に基づいて、第2照明器具(ここでは、照明器具10b及び10c)の発光態様を決定してもよい。
【0113】
また、サーバ120は、上記の判定、及び、道路30の形状情報に基づいて、照明器具10dを緑色に発光させる。制御部122は、車両20がカーブの出口付近を走行している場合、車両20の速度が低速のままカーブをぬけていかないように、照明器具10dを照明器具10aより危険度が低いことを示す発光色である緑色に発光させる。言い換えると、制御部122は、車両20がカーブ出口において、スムーズに加速できるように、減速を行わないことを促す緑色に発光させる。
【0114】
また、サーバ120は、上記の判定、及び、道路30の形状情報に基づいて、照明器具10eを青色に発光させる。制御部122は、車両20がカーブを出た後の直線を走行している場合、車両20が加速するように、照明器具10eを照明器具10dより危険度が低いことを示す発光色である青色に発光させる。言い換えると、制御部122は、車両20がカーブの出口後において、スムーズに加速できるように、照明器具10eを照明器具10dより加速することを誘導する発光色である青色に発光させる。
【0115】
上記のように、制御部122は、
図10に示すステップS43において、さらに、形状情報に基づいて、複数の第2照明器具のそれぞれの発光態様を決定してもよい。これにより、照明システム100は、カーブの進入において減速し、かつ、カーブ走行中において加速することを抑制するように照明器具10を発光させるので、カーブ走行中における事故を抑制することができる。また、照明システム100は、カーブの出口後及び出口付近においては、危険度が徐々に低くなるように発光するので、カーブ出口を所望の速度で走行することを促すことができる。
【0116】
なお、サーバ120は、カーブの曲率半径などに応じて、カーブに設置されている照明器具10の発光態様を変更してもよい。
【0117】
[2-3.効果など]
以上説明したように、照明器具10は、さらに、センサ14が検出した車両20の速度が第1閾値以上である場合に、車両20の速度が第1閾値以上であることを示す情報をサーバ120に送信する制御部15(第1制御部の一例)を備えてもよい。
【0118】
これにより、サーバ120が受信した情報に基づいて、車両20の運転者に減速を促すための動作を行う場合、車両20が適切な速度で走行することを促すことができる。また、サーバ60に車両20の速度に関する速度情報が集約されるので、当該車両20の速度の状況を把握しやすくなる。
【0119】
また、照明器具10は、さらに、照明器具10(例えば、照明器具10a)より車両20の進行方向側に配置された他の照明器具10(例えば、照明器具10b~10fの少なくとも1つ)が備える光源13を、センサ14が検出した検出結果に応じた態様で発光させる制御部15(第1制御部の一例)を備えてもよい。
【0120】
これにより、照明器具10aは、センサ14の検出結果に応じた態様で、他の照明器具10を発光させることができる。照明器具10aは、車両20の運転者が前方を見ているだけで光源13の発光態様(発光色、点滅動作など)を確認させることができるので、より安全に、かつ、より確実に当該運転者に自車両における検出結果を報知することができる。
【0121】
また、制御部15は、センサ14が検出した速度が第1閾値以上である場合に、他の照明器具10が備える光源13を、速度に応じた態様で発光させてもよい。
【0122】
これにより、照明器具10aは、車両20の運転者が前方を見ているだけで光源13の発光態様(発光色、点滅動作など)を確認させることができるので、より安全に、かつ、より確実に当該運転者に自車両が速度超過していることを気付かせることができる。
【0123】
また、以上説明したように、照明システム100は、上記に記載の複数の照明器具10と、複数の照明器具10のそれぞれと通信可能に接続されたサーバ120とを備える。複数の照明器具10は、第1照明器具(例えば、照明器具10a)と、第1照明器具より車両20の進行方向側に設置された第2照明器具(例えば、照明器具10b~10f)とを含む。そして、サーバ120は、第1照明器具が検出した車両20の速度を取得する通信部121(取得部の一例)と、第2照明器具を、速度に応じた態様で発光させる制御部122(第2制御部の一例)とを有する。
【0124】
これにより、車両20の運転者は、進行方向の前方側に設置されている第2照明器具の発光態様を確認することで、自車両が速度超過しているか否かを認識することができる。運転者は、よそ見をすることなく、より安全に自車両が速度超過しているか否かを認識することができる。よって、照明システム100によれば、車両20が適切な速度で走行することをより安全に促すことができる。また、第2照明器具が複数ある場合、運転者が第2照明器具の発光態様を見逃すことを抑制することができる。
【0125】
また、道路30は、下り坂である第1区間と、下り坂から上り坂にさしかかるサグ部である第2区間とを有する。第1照明器具は、第1区間に設置されており、第2照明器具は、第1区間及び第2区間のそれぞれに設置されている。そして、制御部122は、第1区間に設置された第2照明器具(例えば、照明器具10b)を、第1照明器具(例えば、照明器具10a)が検出した車両20の速度に応じた態様(例えば、「黄」)で発光させ、かつ、第2区間に設置された第2照明器具(例えば、照明器具10c)を、第1区間に設置された第2照明器具の態様より危険度が低いことを示す態様(例えば、「緑」)で発光させてもよい。
【0126】
これにより、照明システム100は、下り坂において車両20の速度が速いときに運転者に減速を促すことができ、かつ、上り坂に差しかかる前に速度が低下しすぎることを抑制することができる。つまり、照明システム100は、下り坂の後の上り坂において車両20の速度が低下しすぎることで、渋滞が発生することを抑制することができる。
【0127】
また、道路30は、カーブの進入前の第1区間と、第1区間の後のカーブしている第2区間と、第2区間の後の第3区間とを有する。第1照明器具は、第1区間に設置されており、第2照明器具は、第2区間及び前記第3区間のそれぞれに設置されている。そして、制御部122は、第2区間に設置された第2照明器具(例えば、照明器具10b又は10c)を、第1照明器具(例えば、照明器具10a)が検出した車両20の速度に応じた態様(例えば、「黄赤」)より危険度が高いことを示す態様(例えば、「赤」)で発光させ、かつ、第3区間に設置された第2照明器具(例えば、照明器具10e)を、当該速度に応じた態様より危険度が低いことを示す態様(例えば、「青」)で発光させてもよい。
【0128】
これにより、照明システム100は、カーブの進入において減速し、かつ、カーブ走行中において加速することを抑制するように第2照明器具を発光させるので、カーブ走行中における事故を抑制することができる。また、照明システム100は、カーブの出口及び出口付近においては、危険度が徐々に低くなるように発光するので、車両20がカーブ出口を所望の速度で走行することを促すことができる。
【0129】
また、以上説明したように、照明制御方法は、第1照明器具と、第1照明器具より車両20の進行方向側に設置された第2照明器具とを備える照明システム100における照明制御方法であって、第1照明器具が検出した車両20の速度を取得するステップ(S41)と、第2照明器具を、速度20に応じた態様で発光させるステップ(S43)とを含む。
【0130】
これにより、上記の照明システム100と同様の効果を奏する。
【0131】
(実施の形態2の変形例)
本変形例に係る照明システム100について、
図13を参照しながら説明する。本変形例では、車両20の速度が徐々に変化(減速)し、当該変化に応じて照明器具10の発光態様が動的に変化する場合について説明する。なお、本変形例に係る照明システム100の構成は、実施の形態2に係る照明システム100と同様であり、説明を省略する。
図13は、本変形例に係る照明システム100の動作例3を示す図である。
図13に示す破線矢印は、車両20の進行方向及び速度を示す。破線矢印の方向は、車両20の進行方向を示し、破線矢印の大きさは、車両20の速度を示す。また、以下では、本変形例に係る照明システム100の動作については、
図10を参照しながら説明する。なお、
図13において、便宜上、サーバ120の図示を省略している。
【0132】
図10に示すように、サーバ120は、照明器具10aから速度情報を受信し(S41)、
図10に示す以降の処理を実行し、照明システム100が備える複数の照明器具10の発光態様を変更する。そして、サーバ120は、
図10に示す処理を繰り返し実行する。
【0133】
図13の(a)は、車両20が照明器具10a付近を走行しているときの速度であって、当該照明器具10aが計測した速度に基づいて、複数の照明器具10の発光態様(発光色)が制御されている例を示す図である。具体的には、照明器具10a付近を走行している車両20の速度を当該照明器具10aが有するセンサ14の電波R1aにより計測し、計測した結果に基づいてサーバ120が照明器具10の発光態様を変更させた例を示す。
【0134】
サーバ120は、照明器具10aからの速度情報に基づいて、車両20の速度が「危険(大)」であると判定し、照明器具10b~10fを赤色に発光させている。なお、
図13の(a)では、サーバ120は、照明器具10aからの速度情報に基づいて、当該照明器具10aも赤色に発光させている。
図13の(a)においては、照明器具10aが第1照明器具の一例であり、照明器具10b~10fが第2照明器具の一例である。
【0135】
そして、
図13の(a)の状態から時間が経過し、サーバ120は、照明器具10bから速度情報を受信し(S41)、
図10に示す以降の処理を実行し、照明システム100が備える複数の照明器具10の発光態様を変更する。
【0136】
図13の(b)は、
図13の(a)の状態から時間が経過し、車両20が照明器具10b付近を走行しているときの速度であって、当該照明器具10bが計測した速度に基づいて、複数の照明器具10の発光色が制御されている例を示す図である。具体的には、照明器具10b付近を走行している車両20の速度を当該照明器具10bが有するセンサ14の電波R1bにより計測し、計測した結果に基づいてサーバ120が照明器具10の発光態様を変更させた例を示す。なお、照明器具10b付近において、車両20の速度は、「危険(小)」に対応する速度であるとする。
【0137】
サーバ120は、照明器具10bからの速度情報に基づいて、車両20の速度が「危険(小)」であると判定し、照明器具10c~10fを黄赤色に発光させている。なお、
図13の(b)では、サーバ120は、照明器具10bからの速度情報に基づいて、当該照明器具10bも黄赤色に発光させている。
図13の(b)においては、照明器具10bが第1照明器具の一例であり、照明器具10c~10fが第2照明器具の一例である。
【0138】
なお、
図13の(b)において、照明器具10aは、発光していない例を示しているが、所望の発光色(例えば、白色)で発光していてもよい。また、照明器具10aは、車両20の後方を走行する車両の速度に応じた発光色で発光していてもよい。
【0139】
なお、照明器具10aは、例えば、車両20が自器具のセンサ14の検知エリアを通過した場合(検知エリア外に位置する場合)、当該車両20の速度に基づく発光を停止してもよい。また、照明器具10aは、例えば、車両20が照明器具10aのとなりに設置されている照明器具10bのセンサ14の検知エリアに進入した場合、当該車両20の速度に基づく発光を停止してもよい。例えば、サーバ120が、このように車両20の速度に基づく発光を停止する制御を行ってもよい。
【0140】
そして、
図13の(b)の状態から時間が経過し、サーバ120は、照明器具10cから速度情報を受信し(S41)、
図10に示す以降の処理を実行し、照明システム100が備える複数の照明器具10の発光態様を変更する。
【0141】
図13の(c)は、
図13の(b)の状態からさらに時間が経過し、車両20が照明器具10c付近を走行しているときの速度であって、当該照明器具10cが計測した速度に基づいて、複数の照明器具10の発光色が制御されている例を示す図である。具体的には、照明器具10c付近を走行している車両20の速度を当該照明器具10cが有するセンサ14の電波R1cにより計測し、計測した結果に基づいてサーバ120が照明器具10の発光態様を変更させた例を示す。なお、照明器具10c付近において、車両20の速度は、「安全状態」に対応する速度であるとする。
【0142】
サーバ120は、照明器具10cからの速度情報に基づいて、車両20の速度が「安全状態」であると判定し、照明器具10d~10fを白色に発光させている。このように、サーバ120は、照明器具10の標準的な発光色が白色である場合、車両20の速度が「安全状態」であるとき、当該照明器具10を白色で発光させてもよい。標準的な発光色は、車両20の速度に応じて発光態様が制御されていないときの発光色であり、例えば、照明光Lと同じ発光色である。
【0143】
なお、
図13の(c)では、サーバ120は、照明器具10cからの速度情報に基づいて、当該照明器具10cも白色に発光させている。
図13の(c)においては、照明器具10cが第1照明器具の一例であり、照明器具10d~10fが第2照明器具の一例である。また、サーバ120は、車両20の速度が「安全状態」であると判定した場合、
図4に示すテーブルTに基づいて、緑色を発光させる制御を行ってもよい。
【0144】
なお、
図13の(b)における照明器具10aと、
図13の(c)における照明器具10a及び10bとは、発光していない例を示しているが、所望の発光色(例えば、白色)を発光していてもよい。また、照明器具10aは、車両20の後方を走行する車両の速度に応じた発光色で発光していてもよい。
【0145】
上記のように、照明システム100は、
図10に示す動作を繰り返し実行し、照明システム100が備える複数の照明器具10の発光態様を、センサ14による計測時点における車両20の速度に応じて動的に変更させる。これにより、車両20の速度の変化に応じて、照明システム100が備える複数の照明器具10の発光態様を制御することができるので、車両20の速度変化に応じてより適切に運転者に減速等の走行動作を促すことができる。
【0146】
また、照明システム100は、
図14に示すように、さらに、車両20の速度が所定の速度以下となった場合に、複数の第2照明器具を、徐々に白色(又は、「安全状態」に対応する緑色)に変化させてもよい。
図14は、本変形例に係る照明システムの動作例4を示す図である。
図14は、
図13の(b)に対応するときの発光態様を示しており、具体的には、照明器具10bからの速度情報に基づいて、車両20の速度が「危険(小)」であると判定されたときの発光態様を示している。また、所定の速度は、「危険(小)」に対応する速度であるとする。
【0147】
このとき、
図14に示すように、制御部122は、照明器具10cからの速度情報に基づいて、車両20の速度が所定の速度以下となったか否かを判定し、当該所定の速度以下となったと判定すると、複数の第2照明器具(ここでは、照明器具10c~10f)を徐々に白色(又は、「安全状態」に対応する緑色)に変化させてもよい。
【0148】
以上説明したように、照明システム100の第2照明器具は、車両20の進行方向に沿って配置された2つの照明器具(例えば、照明器具10c及び10d)を含む。そして、制御部122(第2制御部の一例)は、第1照明器具(例えば、照明器具10b)が検出した車両20の速度が第2閾値以下(例えば、「黄赤」に対応する速度以下)である場合に、2つの照明器具のうち進行方向側に配置された照明器具(例えば、照明器具10d)を、2つの照明器具のうち第1照明器具側に配置された照明器具(例えば、照明器具10c)の態様より危険度が低いことを示す態様で発光させる。
【0149】
これにより、照明器具10における道路30の視認性の低下を抑制しつつ、車両20の運転者に減速を促すことができる。
【0150】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0151】
例えば、上記実施の形態では、照明器具は、道路から所定の高さに灯具を有する構成である例について説明したが、これに限定されない。照明器具の少なくとも1つは、道路に埋め込み式の照明器具であってもよい。例えば、
図15に示すように、照明システム200は、道路30に埋め込まれた埋め込み式の複数の照明器具210(例えば、照明器具210a~210f)と、当該複数の照明器具210のそれぞれと通信可能に接続されたサーバ120とを備える。照明器具210の構成は、例えば、
図3に示す照明器具10と同様である。
【0152】
また、上記実施の形態では、照明器具及び照明システムは、片側1車線の道路に設置される例について説明したが、これに限定されない。照明器具及び照明システムは、片側2車線以上の道路に設置されてもよい。例えば、照明器具が埋め込み式の照明器具であり、当該照明器具が車線ごとに道路内に埋め込まれている場合、当該車線を走行する車両に対して、速度超過を知らせるための発光を行うことができる。
【0153】
また、上記実施の形態では、照明器具は、車両の一例である自動車の速度を計測したが、鉄道又は船舶などの速度を計測してもよい。
【0154】
また、上記実施の形態では、照明器具は、車両の速度を計測したがこれに限定されない。照明器具は、車両以外の移動する物体の速度を計測してもよい。照明器具は、例えば、ドローンなどの飛行体、自転車などの移動体の速度を計測してもよい。
【0155】
また、上記実施の形態に係る光源は、照明器具が備える補助用の光源であってもよい。
【0156】
また、上記実施の形態では、照明器具及び照明器システムは、主に速度超過のときに発光態様を制御する例について説明したが、速度不足のときに加速を促すように発光態様が制御されてもよい。
【0157】
また、上記実施の形態2では、照明システムが備える複数の照明器具のそれぞれが照明機能と計測機能とを有する例について説明したが、これに限定されない。照明システムが備える複数の照明器具のうち、少なくとも1台の照明器具が照明機能と計測機能とを有していればよい。
【0158】
また、上記実施の形態2及び実施の形態2の変形例において、複数の照明器具の少なくとも1つが、サーバが行う処理を実行してもよい。照明システムは、サーバが実行する処理を実行可能な照明器具を含む複数の照明器具から構成されてもよい。すなわち、照明器具は、第2制御部を有していてもよい。
【0159】
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0160】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、上記実施の形態のフローチャートで説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0161】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0162】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0163】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを1つの機能ブロックとして実現したり、1つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0164】
また、本発明の包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0165】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0166】
1、100、210 照明システム
10、10a~10f、210、210a~210f 照明器具(第1照明器具、第2照明器具)
13 光源
14 センサ
15 制御部(第1制御部)
20 車両
30 道路
50 情報端末
120 サーバ
121 通信部(取得部)
122 制御部(第2制御部)