(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置
(51)【国際特許分類】
H01S 5/183 20060101AFI20240104BHJP
【FI】
H01S5/183
(21)【出願番号】P 2019001143
(22)【出願日】2019-01-08
【審査請求日】2021-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2018-0002976
(32)【優先日】2018-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0013486
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521268118
【氏名又は名称】スージョウ レキン セミコンダクター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】カン,ホチェ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チョンフン
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-013227(JP,A)
【文献】特開2004-281942(JP,A)
【文献】米国特許第08031752(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0150135(US,A1)
【文献】特開2001-332812(JP,A)
【文献】特開2005-251860(JP,A)
【文献】特開2008-227469(JP,A)
【文献】特開2011-166108(JP,A)
【文献】特開平06-120610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1反射層と第2反射層と、
前記第1反射層と第2反射層との間に配置される活性領域と、を含み、
前記第1反射層は、
第1アルミニウム濃度を有する第1-1層と、
前記第1アルミニウム濃度より高い第2アルミニウム濃度を有し、前記第1-1層の上に配置される第1-2層と、を含み、
前記第1反射層は、第1導電型ドーパントを含み、
前記第2反射層は、第2導電型ドーパントを含み、
前記活性領域は、前記第1反射層に隣接した第1キャビティと、前記第2反射層に隣接した第2キャビティと、前記第1キャビティと、前記第2キャビティとの間に配置される活性層とを含み、
前記第1キャビティは、第1導電型第1ドーピング層を含み、
前記第1キャビティは、前記第1反射層と接した第1-1キャビティと、前記活性層と接した第1-2キャビティとを含み、
前記第1導電型第1ドーピング層は、前記第1-1キャビティにのみ配置され
、
前記第2キャビティは、第2導電型第2ドーピング層を含み、
前記第2キャビティは、前記活性層と接した第2-1キャビティと、前記活性層から離隔して配置された第2-2キャビティと、を含み、
前記第2導電型第2ドーピング層が前記第2-2キャビティにのみ配置される、面発光レーザ素子。
【請求項2】
前記第1キャビティは、Al
xGa
(1-X)As系の層を含み、ただし、0<X<1であり、前記第1キャビティのAlの濃度が前記第1キャビティから前記活性層方向に減少するように制御される、請求項1に記載の面発光レーザ素子。
【請求項3】
前記第1導電型第1ドーピング層の厚さは、前記第1キャビティの厚さの70%以下であり、前記第1キャビティにおける前記第1導電型第1ドーピング層以外の層は、第1導電型ドーパントを含まない、請求項1に記載の面発光レーザ素子。
【請求項4】
前記第2キャビティは、Al
xGa
(1-X)As系の層を含み、ただし、0<X<1であり、前記第2キャビティのAlの濃度が前記第2キャビティから前記活性層方向に減少するように制御される、請求項
1に記載の面発光レーザ素子。
【請求項5】
前記第2導電型第2ドーピング層の厚さが前記第1キャビティの厚さの70%以下であり、前記第2キャビティにおける前記第2導電型第2ドーピング層以外の層は、第2導電型ドーパントを含まない、請求項
4に記載の面発光レーザ素子。
【請求項6】
前記第1導電型第1ドーピング層と前記第2導電型第2ドーピング層との厚さの和は前記活性領域の全体厚さの20%~70%である、請求項
1に記載の面発光レーザ素子。
【請求項7】
前記第2キャビティの第2幅が前記第1キャビティの第1幅より大きく形成される、請求項1に記載の面発光レーザ素子。
【請求項8】
前記第1導電型第1ドーピング層で第1導電型ドーパントの濃度は、前記活性層の方向から前記第1反射層の方向に増加する、請求項
1に記載の面発光レーザ素子。
【請求項9】
前記第1導電型第1ドーピング層の第1導電型ドーパントの濃度は、前記第1反射層の前記第1導電型ドーパントの濃度より低い、請求項1に記載の面発光レーザ素子。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子を含む発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、半導体素子に関するものであり、より詳しくは面発光レーザ素子、面発光レーザパッケージ及びこれを含む発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GaN、AlGaN等の化合物を含む半導体素子は、広くて調整が容易なバンドギャップエネルギーを有する等多様な長所を有することから、発光素子、受光素子及び各種ダイオード等に多様に用いられている。
【0003】
特に、半導体のIII-V族またはII-VI族化合物半導体物質を利用した発光ダイオード(Light Emitting Diode)やレーザダイオード(Laser Diode)のような発光素子は、薄膜成長技術及び素子材料の開発によって、赤色、緑色、青色及び紫外線等多様な色を具現することができ、蛍光物質を利用したり色を組み合せることで、効率の良い白色光線も具現が可能であり、蛍光灯、白熱灯等既存の光源に比べて、低消費電力、半永久的な寿命、速い応答速度、安全性、環境親和性の長所を有する。さらに、光検出器や太陽電池のような受光素子も、半導体のIII-V族またはII-VI族化合物半導体物質を利用して製作する場合、素子材料の開発によって多様な波長領域の光を吸収して光電流を生成することで、ガンマ線からラジオ波長領域まで多様な波長領域の光を利用することができる。また、速い応答速度、安全性、環境親和性及び素子材料の容易な調節といった長所を有するので、電力制御または超高周波回路や通信用モジュールにも容易に利用することができる。
【0004】
従って、光通信手段の送信モジュール、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置のバックライトを構成する冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescence Lamp)を代替できる発光ダイオードバックライト、蛍光灯や白熱電球を代替できる白色発光ダイオード照明装置、自動車ヘッドライト及び信号灯及びガスや火災を感知するセンサ等にまで応用が広がっている。
【0005】
また、高周波応用回路やその他電力制御装置、通信用モジュールにまで応用を拡大することができる。
【0006】
例えば、従来の半導体光源素子の技術のうち、垂直共振型面発光レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser:VCSEL)があるが、これは光通信、光並列処理、光結合等に用いられている。
【0007】
一方、このような通信用モジュールで用いられるレーザダイオードの場合、低電流で作動するように設計されている。
【0008】
ところで、このようなVCSELをLDAF(Laser Diode Autofocus)、構造光センサ等に適用すると、数KWの高電流で作動することになるので、光度出力が減少し、閾値電流が増加する等の問題点が発生する。
【0009】
即ち、従来VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)のエピ(Epi)構造は、既存のデータ(Data)光通信用中心構造では応答速度が重要であったが、センサ用高電圧パッケージ(High Power PKG)の開発時には、光出力と電圧効率が重要特性であるが、既存のVCSEL構造では光出力と電圧効率を同時に向上させることに限界がある。
【0010】
例えば、VCSEL構造のためには、多数の反射層、例えばDBR(distributed Bragg reflector)が必要であるが、このようなDBRで直列抵抗(series resistance)が発生する。
【0011】
従来技術では、このようなDBRで抵抗発生を防止するために、ドーピング濃度を増加させて抵抗を低くし、電圧効率を向上させようとする試みがあるが、ドーピング濃度の増加時ドーパントによって内部光吸収が発生し、光出力が低下する技術的矛盾が発生している。
【0012】
また、従来技術で、反射層であるDBRは、AlxGaAs系の物質をAlの組成を異なるようにして交互に配置して反射率を増大させる。ところで、このような隣接したDBR層の間の界面(interface)でエネルギーバンドの曲がり(Energy Band Bending)によって電場(Electric Field)が発生しており、このような電場は、キャリア障壁(Carrier Barrier)となって光出力が低下する問題が発生している。
【0013】
また、VCSELの高電圧パッケージ(High Power PKG)の開発時には光出力と電圧効率が重要特性であるが、光出力と電圧効率を同時に向上させることに限界がある。
【0014】
例えば、従来技術のVCSEL構造は、発光層と所定の共振器(cavity)領域を有するが、このような領域は内部抵抗が高いので、駆動電圧が上昇して電圧効率が低下する技術的問題点がある。
【0015】
また、従来技術で、光出力を向上させるためには、発光層周辺で光集中(optical confinement)が必要であるが、従来技術ではこれに対する適切な解決策がない実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
実施例の技術的課題の1つは、電圧効率を向上させながら光出力も向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することにある。
【0017】
また、実施例の技術的課題の1つは、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することにある。
【0018】
また、実施例の技術的課題の1つは、電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することにある。
【0019】
また、実施例の技術的課題の1つは、発光層周辺で光集中(optical confinement)効率の向上によって光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
実施例に係る面発光レーザ素子は、第1反射層220及び第2反射層250と、前記第1反射層220と第2反射層250との間に配置される活性領域230と、を含み、前記第1反射層220は、第1グループ第1反射層221及び第2グループ第1反射層222を含み、前記第2反射層250は、第1グループ第2反射層251及び第2グループ第2反射層252を含むことができる。
【0021】
前記第1グループ第2反射層は、第1アルミニウム濃度を有する第1‐1層と、前記第1アルミニウム濃度より高い第2アルミニウム濃度を有し、前記第1‐1層の上に配置される第1‐2層と、前記第2アルミニウム濃度から前記第1アルミニウム濃度に減少する第4アルミニウム濃度を有し、前記第1‐2層の上に配置される第1‐4層とを含むことができる。
【0022】
前記第2反射層は、第2導電型ドーパントを含むことができる。
【0023】
前記第1‐2層は、前記第1‐1層と前記第1‐4層との間に配置される。
【0024】
前記第1‐4層の前記第2導電型ドーパントのドーピングレベルは、前記第1‐1層と前記第1‐2層の前記第2導電型ドーパントのドーピングレベルより高いドーピングレベルを有することができる。
【0025】
前記第2導電型ドーパントは、カーボン(C)を含むことができる。
【0026】
前記第1‐1層は、前記第1‐2層より前記活性領域に隣接するように配置される。
【0027】
前記第2反射層は、前記第1グループ第2反射層より前記活性領域に隣接するように配置された前記第3グループ第2反射層をさらに含むことができる。
【0028】
前記第3グループ第2反射層の第2導電型ドーパントの平均濃度は、前記第1グループ第2反射層の第2導電型ドーパントの平均濃度より低い平均濃度を有することができる。
【0029】
前記第1グループ第2反射層251は、第1アルミニウム濃度を有する第2‐1反射層251pと、前記第1アルミニウム濃度より高い第2アルミニウム濃度を有し、前記第2‐1反射層251pの一側に配置される第2‐2反射層251qと、前記第1アルミニウム濃度から前記第2アルミニウム濃度に変化する第3アルミニウム濃度を有し、前記第2‐1反射層251pと前記第2‐2反射層251qとの間に配置される第2‐3反射層251rと、を含むことができる。
【0030】
前記第2‐3反射層251rの第2導電型ドーパントの濃度は、前記第2‐1反射層251pまたは前記第2‐2反射層251qの第2導電型ドーパントの濃度より高い濃度を有することができる。
【0031】
また、前記第1グループ第2反射層251は、第1屈折率を有する第2‐1反射層251pと、前記第1屈折率より低い第2屈折率を有し、前記第2‐1反射層251pの一側に配置される第2‐2反射層251qと、前記第1屈折率と前記第2屈折率の間の第3屈折率を有し、前記第2‐1反射層251pと第2‐2反射層251qとの間に配置される第2‐3反射層251rと、を含むことができる。
【0032】
前記第2‐3反射層251rの第2導電型ドーパントの濃度は、前記第2‐1反射層251pまたは前記第2‐2反射層251qの第2導電型ドーパントの濃度より高い濃度を有することができる。
【0033】
実施例に係る面発光レーザ素子は、第1反射層220及び第2反射層250と、前記第1反射層220と第2反射層250との間に配置される活性領域230と、を含み、前記第1反射層220は、第1アルミニウム濃度を有する第1‐1層220aと、前記第1アルミニウム濃度より高い第2アルミニウム濃度を有し、前記第1‐1層220aの一側に配置される第1‐2層220bと、前記第1アルミニウム濃度から前記第2アルミニウム濃度に変化する第3アルミニウム濃度を有し、前記第1‐1層220aと前記第1‐2層220bとの間に配置される第1‐3層220cを含むことができる。
【0034】
前記第1反射層220は、第1導電型ドーパントを含み、前記第1‐3層220cの第1導電型ドーパントの濃度は、前記第1‐1層220a及び第1‐2層220bの第1導電型ドーパントの濃度より低い濃度を有することができる。
【0035】
また、実施例に係る面発光レーザ素子は、第1反射層220及び第2反射層250と、前記第1反射層220と第2反射層250との間に配置される活性領域230と、を含み、前記第1反射層220は、第1屈折率を有する第1‐1層220aと、前記第1屈折率より低い第2屈折率を有し、前記第1‐1層220aの一側に配置される第1‐2層220bと、前記第1屈折率と前記第2屈折率の間の第3屈折率を有し、前記第1‐1層220aと第1‐2層220bとの間に配置される第1‐3層220cを含むことができる。
【0036】
前記第1反射層220は、第1導電型ドーパントを含み、前記第1‐3層220cの第1導電型ドーパントの濃度は、前記第1‐1層220a及び第1‐2層220bの第1導電型ドーパントの濃度より低い濃度を有することができる。
【0037】
実施例によれば、電圧効率を向上させながら光出力も向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供できる技術的効果がある。
【0038】
また、実施例は、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供できる技術的効果がある。
【0039】
実施例に係る面発光レーザ素子は、第1導電型ドーパントを含む第1反射層220と、第2導電型ドーパントを含む第2反射層250と、前記第1反射層220と第2反射層250との間に配置される活性領域230と、を含むことができる。
【0040】
前記活性領域230は、前記第1反射層220の上に配置される第1キャビティ231と、量子井戸232aと量子障壁232bを含み、前記第1キャビティ231の上に配置される活性層232を含み、前記第1キャビティ231は、前記第1反射層220と隣接し、第1導電型第1ドーピング層261を含むことができる。
【0041】
前記第1導電型第1ドーピング層261の厚さは、前記第1キャビティ231の厚さの70%以下の厚さを有することができる。
【0042】
実施例に係る面発光レーザパッケージは、前記面発光レーザ素子を含むことができる。
【発明の効果】
【0043】
実施例によれば、電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することができる。
【0044】
また、実施例によれば、発光層周辺で光集中(optical confinement)効率の向上によって光出力を向上させることができる技術的効果がある、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図2】実施例に係る面発光レーザ素子の拡大断面図。
【
図3】実施例に係る面発光レーザ素子における屈折率と光エネルギーの第1分布データ。
【
図4a】実施例に係る面発光レーザ素子の第1反射層における屈折率と光エネルギーの第1データ。
【
図4b】実施例に係る面発光レーザ素子におけるAlの濃度、ドーパント(Si、C)のドーピング濃度データ。
【
図4c】実施例に係る面発光レーザ素子における屈折率の第2分布データ。
【
図4d】実施例に係る面発光レーザ素子の第1反射層における屈折率に対する第2データ。
【
図4e】実施例に係る面発光レーザ素子の第2反射層における屈折率に対するデータ。
【
図4f】実施例に係る面発光レーザ素子における第2反射層250へのSecondary-ion mass spectrometry(SIMS)データ。
【
図5】実施例に係る面発光レーザ素子の製造工程断面図。
【
図6】実施例に係る面発光レーザ素子の製造工程断面図。
【
図7】実施例に係る面発光レーザ素子の製造工程断面図。
【
図8】実施例に係る面発光レーザ素子の製造工程断面図。
【
図9】第2実施例に係る面発光レーザ素子の製造工程断面図。
【
図10】第2実施例に係る面発光レーザ素子の製造工程断面図。
【
図11】第2実施例に係る面発光レーザ素子の製造工程断面図。
【
図12】第2実施例に係る面発光レーザ素子の製造工程断面図。
【
図13】第2実施例に係る面発光レーザ素子の製造工程断面図。
【
図14】第2実施例に係る面発光レーザ素子の製造工程断面図。
【
図15】第3実施例に係る半導体素子におけるエネルギーバンドダイヤグラムの例示図。
【
図16】第4実施例に係る半導体素子におけるエネルギーバンドダイヤグラムの例示図。
【
図17a】実施例に係る半導体素子のキャビティ領域におけるドーピング濃度データ。
【
図17b】実施例に係る半導体素子のキャビティ領域におけるドーピング濃度データ。
【
図18】第5実施例に係る半導体素子におけるエネルギーバンドダイヤグラムの例示図。
【
図19】実施例に係る面発光レーザパッケージを含む移動端末機の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
実施例の説明において、各層(膜)、領域、パターンまたは構造物が基板、各層(膜)、領域、パッドまたはパターンの「上」または「下」に形成されると記載される場合、「上」と「下」は「直接」または「他の層を介して」形成されるものも含む。また、各層の上または下に対する基準は、図面を基準に説明する。
【0047】
図面における各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性を図り誇張、省略されたり、概略的に図示されることがある。また、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全面的に反映するものではない。
【0048】
実施例において、半導体素子は、発光素子、受光素子等の各種電子素子を含むことができ、発光素子と受光素子は、いずれも第1導電型半導体層と活性層及び第2導電型半導体層を含むことができる。実施例において、半導体素子はレーザダイオードからなることができる。例えば、実施例において、半導体素子は、垂直共振型面発光レーザ(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser:VCSEL)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0049】
(実施例)
図1は、実施例に係る面発光レーザ素子200の断面図である。
【0050】
実施例に係る面発光レーザ素子200は、第1電極215、第1基板210、第1反射層220、活性領域230、アパチャー領域240、第2反射層250、第2接触電極255、第2電極280、パッシベーション層270のいずれか1つ以上を含むことができる。前記アパチャー領域240は、絶縁領域242とアパチャー241を含むことができ、中間層と称することもできる。前記第1反射層220、前記活性領域230、前記絶縁領域242及び第2反射層250を発光構造物と称することができる。
図2のように、前記活性領域230は、活性層232とキャビティ231、233を含むことができ、キャビティ領域と称することもできる。
【0051】
以下、
図1を中心に実施例に係る面発光レーザ素子200の技術的特徴を説明し、
図2~
図4eを参照して主な技術的効果も一緒に説明することにする。
【0052】
<第1基板、第1電極>
実施例において、第1基板210は、導電性基板または非導電性基板からなることができる。導電性基板を用いる場合、電気伝導率が優れる金属を用いることができ、面発光レーザ素子200の作動時に発生する熱を充分発散させなければならないので、熱伝導率が高いGaAs基板または金属基板やシリコン(Si)基板等を用いることができる。
【0053】
非導電性基板を用いる場合、AlN基板やサファイア(Al2O3)基板またはセラミック系の基板を用いることができる。
【0054】
実施例において、第1基板210の下部に第1電極215が配置され、前記第1電極215は、導電性材料にて単層または多層に配置される。例えば、前記第1電極215は金属からなることができ、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)の少なくとも1つを含み、単層または多層構造に形成されて電気的特性を向上させ、光出力を高めることができる。
【0055】
<第1反射層>
図2は、
図1に示された実施例に係る面発光レーザ素子のA領域の拡大断面図である。
【0056】
以下、
図2を参照して実施例の面発光レーザ素子を説明することにする。
【0057】
実施例において、第1基板210の上には、第1反射層220が配置される。
【0058】
前記第1反射層220は、第1導電型にドーピングすることができる。例えば、前記第1導電型ドーパントは、Si、Ge、Sn、Se、Te等のようなn型ドーパントを含むことができる。
【0059】
また、前記第1反射層220は、ガリウム系化合物、例えばAlGaAsを含むことができるが、これに限定されるものではない。前記第1反射層220は、DBR(Distributed Bragg Reflector)からなることができる。例えば、第1反射層220は、相互異なる屈折率を有する物質からなった第1層及び第2層が交互に少なくとも1回以上積層された構造を有することができる。
【0060】
まず、前記第1反射層220は、前記活性領域230一側に配置された第1グループ第1反射層221と、前記第1グループ第1反射層221より前記活性領域230に隣接して配置された第2グループ第1反射層222を含むことができる。
【0061】
第1グループ第1反射層221と第2グループ第1反射層222は、AlxGa(1-x)As(0<x<1)の組成式を有する半導体物質からなった複数の層を有することができ、各層内のAlが増加すると各層の屈折率は減少し、Gaが増加すると各層の屈折率は増加する。
【0062】
そして、各層の厚さはλ/4nであり、λは活性領域230から発生する光の波長であり、nは上述した波長の光に対する各層の屈折率である。ここで、λは650~980nmであり、nは各層の屈折率である。このような構造の第1反射層220は、約940nmの波長領域の光に対して99.999%の反射率を有することができる。
【0063】
各第1反射層220における層の厚さは、それぞれの屈折率と活性領域230から放出される光の波長λによって決定される。
【0064】
例えば、第1グループ第1反射層221は、第1グループ第1‐1層221aと第1グループ第1‐2層221bの約30~40ペア(pair)を含むことができる。前記第1グループ第1‐1層221aは、前記第1グループ第1‐2層221bより厚く形成されてもよい。例えば、前記第1グループ第1‐1層221aは、約40~60nmに形成され、前記第1グループ第1‐2層221bは、約20~30nmに形成される。
【0065】
また、第2グループ第1反射層222も第2グループ第1‐1層222aと第2グループ第1‐2層222bの約5~15ペア(pair)を含むことができる。前記第2グループ第1‐1層222aは、前記第2グループ第1‐2層222bより厚く形成されてもよい。例えば、前記第2グループ第1‐1層222aは、約40~60nmに形成され、前記第2グループ第1‐2層222bは、約20~30nmに形成される。
【0066】
以下、
図3~
図4dを参照して、実施例に係る面発光レーザ素子の技術的効果を詳しく説明することにする。
【0067】
まず、実施例の技術的課題の1つは、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することにある。
【0068】
即ち、上述したように、従来のVCSEL構造では、隣接するDBR層の間の界面(interface)でエネルギーバンドの曲がり(Energy Band Bending)によって電場(Electric Field)の発生によってキャリア障壁(barrier)が発生して、光出力が低下する問題がある。
【0069】
図3は、実施例に係る面発光レーザ素子における屈折率と光エネルギーの第1分布データであり、
図4aは、
図3に示された実施例に係る面発光レーザ素子のB領域の第1反射層における屈折率(n)と光エネルギー(E)の第1データである。実施例によれば、面発光レーザ素子から発光された光エネルギーの分布は、
図3に示されたように、活性領域230を中心に最大値を有し、活性領域230から離れるほど所定の周期で減少する。一方、実施例で、光エネルギー分布(E)は、
図3に示された分布データに限定されるものではなく、各層における光エネルギー分布は、各層の組成、厚さ等によって、
図3に示されたものと異なってくる。
【0070】
図3を参照すると、実施例に係る面発光レーザ素子200は、第1反射層220、第2反射層250及び前記第1反射層220と第2反射層250との間に配置される活性領域230を含むことができる。このとき、実施例に係る面発光レーザ素子200は、第1反射層220、第2反射層250及び活性領域230の物質によって、屈折率(n)が
図3に示されたものと同一であってもよい。
【0071】
次に、
図4aを参照すると、実施例において、第1反射層220は、第1屈折率を有する第1‐1層220aと、前記第1屈折率より低い第2屈折率を有し、前記第1‐1層220aの一側に配置される第1‐2層220bと、前記第1屈折率と前記第2屈折率の間の第3屈折率を有し、前記第1‐1層220aと第1‐2層220bとの間に配置される第1‐3層220cを含むことができる。
【0072】
例えば、前記第1反射層220は、第1アルミニウム濃度を有する第1‐1層220aと、前記第1アルミニウム濃度より高い第2アルミニウム濃度を有し、前記第1‐1層220aの一側に配置される第1‐2層220bと、前記第1アルミニウム濃度から前記第2アルミニウム濃度に変化する第3アルミニウム濃度を有し、前記第1‐1層220aと前記第1‐2層220bとの間に配置される第1‐3層220cを含むことができる。
【0073】
例えば、第1反射層220がAlxGa(1-x)As(0<x<1)を含む場合、第1‐1層220aがAl0.12Ga0.88Asであり、第1‐2層220bがAl0.88Ga0.12Asである場合、第1‐3層220cはAlx3Ga(1-x3)As(0.12≦X3≦0.88)である。
【0074】
これによって、実施例によれば、第1反射層220から隣接した第1‐1層220aと第1‐2層220bとの間に、両者の中間領域のアルミニウム濃度を有する第1‐3層220cを備えることで、隣接した反射層の間の界面(interface)でエネルギーバンドの曲がり(Energy Band Bending)による電場(Electric Field)の発生を最小化してキャリア障壁(barrier)を低くすることで、光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0075】
これによって、実施例によれば、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することができる。
【0076】
次に、実施例の他の技術的課題の1つは、電圧効率を向上させながら光出力も向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することにある。
【0077】
即ち、従来技術では、反射層であるDBRで抵抗発生を防止するために、ドーピング濃度を増加させて抵抗を低くし、電圧効率を向上させようとする試みがあるが、ドーピング濃度の増加時ドーパントによって内部光吸収が発生し、光出力が低下する技術的矛盾が発生している。
【0078】
実施例は、このような技術的課題を解決するために、反射層における第1導電型ドーパントの濃度を光エネルギーの分布モードを考慮して制御することで、電圧効率を向上させながら光出力も向上させることができる技術的効果がある。
【0079】
具体的に、
図4aを参照すると、前記第1‐3層220cにおける光エネルギー(E)は、前記第1‐1層220aにおける光エネルギーと前記第1‐2層220bにおける光エネルギーより高い光エネルギーを有することができる。前記第1‐1層220aは、前記第1‐2層220bより前記活性領域230に隣接するように配置される。
【0080】
以下の表1は、実施例における第1反射層のAl濃度、屈折率による光エネルギー分布と、各層におけるn型ドーパントのドーピング濃度データである。
【0081】
【0082】
このとき、前記第1反射層220が第1導電型ドーパントを含む場合、前記第1‐3層220cの第1導電型ドーパントの濃度は、前記第1‐1層220a及び第1‐2層220bの第1導電型ドーパントの濃度より低い濃度を有することができる。
【0083】
実施例によれば、光エネルギーが相対的に高い第1‐3層220c領域に第1導電型ドーパントを相対的に低くドーピングすることで、ドーパントによる光吸収を最小化して光出力も向上させることができるので、光出力と電圧効率を同時に向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供できる特有の技術的効果がある。
【0084】
また、実施例の第1反射層220は、前記第1‐2層220bの一側に配置され、第4濃度のアルミニウム濃度を有する第1‐4層220dをさらに含むことができる。前記第1‐4層220dは、前記第1‐2層220bよりも活性領域230から離隔して配置される。
【0085】
このとき、前記第1‐4層220dにおける光エネルギーは、前記第1‐1層220aにおける光エネルギーと前記第1‐2層220bにおける光エネルギーより低い。これによって、第1‐4層220dにおける光エネルギーは、第1‐1層220aにおける光エネルギー、第1‐2層220bにおける光エネルギー及び第1‐3層220cにおける光エネルギーより低い。
【0086】
実施例において、前記第1‐4層220dの第1導電型ドーパントの濃度は、前記第1‐1層220a及び第1‐2層220bの第1導電型ドーパントの濃度より高く制御することができる。
【0087】
例えば、第1反射層220がAlxGa(1-x)As(0<x<1)を含む場合、第1‐1層220aがAl0.12Ga0.88Asであり、第1‐2層220bがAl0.88Ga0.12Asである場合、第1‐4層220dはAlx4Ga(1-x4)As(0.12≦X4≦0.88、X4は0.12から0.88に増加)である。
【0088】
このとき、前記第1‐4反射層220dにおける光エネルギーは、前記第1‐1層220aにおける光エネルギーと前記第1‐2層220bにおけるそれぞれの光エネルギーより低い。
【0089】
実施例は、前記第1‐4層220dの第1導電型ドーパントの濃度を前記第1‐1層220a及び第1‐3層220cの第1導電型ドーパントの濃度より高く制御することで、低い光エネルギー領域である第1‐4層220dにおけるドーパントの濃度を最大に制御することで、抵抗改善により電圧効率を向上させると共に、ドーパントによる光吸収を最小化して光出力を向上させることができる特有の技術的効果がある。
【0090】
図4bは、実施例に係る面発光レーザ素子におけるAlの濃度、ドーパント(Si、C)のドーピング濃度データである。
【0091】
図4bにおいて、横軸は第2反射層から第1反射層方向への距離であり、縦軸は各Alの濃度、ドーパント(Si、C)のドーピング濃度データである。
【0092】
実施例によれば、第1ドーパントであるSiがドーピングされる第1反射層220は、第1アルミニウム濃度を有する第1‐1層220aと、前記第1アルミニウム濃度より高い第2アルミニウム濃度を有し、前記第1‐1層220aの一側に配置される第1‐2層220bと、前記第1アルミニウム濃度から前記第2アルミニウム濃度に変化する第3アルミニウム濃度を有し、前記第1‐1層220aと前記第1‐2層220bとの間に配置される第1‐3層220cを含むことができる。
【0093】
このとき、前記第1‐1層220aや前記第1‐2層220bのAlの濃度は、固定値を有するのではなく、所定のレンジ範囲のAlの濃度値を有することができる。
【0094】
また、第1導電型ドーパントであるSiのドーパントの濃度や第2導電型ドーパントであるCのドーパントの濃度も、その上限値や下限値も特定固定値を有するのではなく、その上限または下限は特定範囲のレンジ値を有することができる。
【0095】
次に、
図4cは、実施例に係る面発光レーザ素子における屈折率(n)の第2分布データである。
【0096】
図4dは、
図4cに示された実施例に係る面発光レーザ素子の第1反射層220の第2領域B2に対する屈折率(n)の第2データであり、
図4eは、第2反射層250の第3領域Pに対する屈折率(n)の第3データである。
【0097】
まず、
図4dを参照すると、実施例において、第1反射層220は、第1グループ第1反射層221及び第2グループ第1反射層222を含むことができる。
【0098】
このとき、前記第1グループ第1反射層221は複数の層を含むことができ、例えば第1‐1反射層221p、第1‐2反射層221q、第1‐3反射層221r及び第1‐4反射層221sを含むことができる。
【0099】
実施例において、第1グループ第1反射層221は、第1‐1反射層221p~第1‐4反射層221sを1つのペア(pair)とする場合、複数のペアを含むことができる。例えば、実施例において、第1グループ第1反射層221は、第1‐1反射層221p~第1‐4反射層221sの約30~40ペア(pair)を含むことができる。
【0100】
また、前記第2グループ第1反射層222は複数の層を含むことができ、例えば第1‐5反射層222p、第1‐6反射層222q、第1‐7反射層222r及び第1‐8反射層222sを含むことができる。
【0101】
また、第2グループ第1反射層222も、第1‐5反射層222p~第1‐8反射層222sを1つのペア(pair)とする場合、複数のペアを含むことができる。例えば、実施例において、第2グループ第1反射層222は、第1‐5反射層222p~第1‐8反射層222sを1つのペア(pair)とする場合、約5~15ペア(pair)を含むことができる。
【0102】
従来のVCSEL構造では、隣接するDBR層の間の界面(interface)でエネルギーバンドの曲がり(Energy Band Bending)によって電場(Electric Field)の発生によってキャリア障壁(barrier)が発生し、光出力が低下する問題がある。
【0103】
ここで、実施例の技術的課題の1つは、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することにある。
【0104】
図4dを参照すると、実施例において、前記第1グループ第1反射層221は、第1‐1反射層221p、第1‐2反射層221q、第1‐3反射層221r及び第1‐4反射層221sを含むことができ、各層は相互異なる屈折率を有することができる。
【0105】
例えば、前記第1グループ第1反射層221は、第1屈折率を有する第1‐1反射層221pと、前記第1屈折率より低い第2屈折率を有し、前記第1‐1反射層221pの一側に配置される第1‐2反射層221qと、前記第1屈折率と前記第2屈折率の間の第3屈折率を有し、前記第1‐1反射層221pと第1‐2反射層221qとの間に配置される第1‐3反射層221rを含むことができる。
【0106】
例えば、前記第1グループ第1反射層221は、第1アルミニウム濃度を有する第1‐1反射層221pと、前記第1アルミニウム濃度より高い第2アルミニウム濃度を有し、前記第1‐1反射層221pの一側に配置される第1‐2反射層221qと、前記第1アルミニウム濃度から前記第2アルミニウム濃度に変化する第3アルミニウム濃度を有し、前記第1‐1反射層221pと前記第1‐2反射層221qとの間に配置される第1‐3反射層221rを含むことができる。
【0107】
例えば、第1グループ第1反射層221がAlxGa(1-x)As(0<x<1)を含む場合、第1‐1反射層221pがAl0.12Ga0.88Asからなることができ、第1‐2反射層221qはAl0.88Ga0.12Asからなることができ、第1‐3反射層221rはAlx3Ga(1-x3)As(0.12≦X3≦0.88)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0108】
また、前記第1グループ第1反射層221は、前記第1‐2反射層221qの外側に配置され、第1アルミニウム濃度から前記第2アルミニウム濃度に変化する第4アルミニウム濃度を有する第1‐4反射層221sをさらに含むことができる。
【0109】
例えば、第1グループ第1反射層221がAlxGa(1-x)As(0<x<1)を含む場合、第1‐4反射層221sはAlx4Ga(1-x4)As(0.12≦X4≦0.88)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0110】
これによって、実施例によれば、隣接した第1‐1反射層221pと第1‐2反射層221qとの間に中間領域のアルミニウム濃度を有する第1‐3反射層221rまたは第1‐4反射層221sを備えることで、隣接した反射層の間の界面(interface)でエネルギーバンドの曲がり(Energy Band Bending)による電場(Electric Field)の発生を最小化してキャリア障壁(barrier)を低くすることで、光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0111】
これによって、実施例によれば、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することができる。
【0112】
また、実施例において、前記第1‐2反射層221qの厚さは、前記第1‐1反射層221pの厚さより厚い厚さを有することができる。また、前記第1‐1反射層221pまたは前記第1‐2反射層221qの厚さは、前記第1‐3反射層221rまたは前記第1‐4反射層221sの厚さより厚い厚さを有することができる。
【0113】
このとき、第1‐2反射層221qの第2アルミニウム濃度は、第1‐1反射層221pの第1アルミニウム濃度より高い濃度を有することができる。また、第1‐1反射層221pの第1アルミニウム濃度は、第1‐3反射層221rの第3アルミニウム濃度または第1‐4反射層221sの第4アルミニウム濃度より高い濃度を有することができる。
【0114】
これによって、アルミニウム濃度が相対的に高い第1‐2反射層221qの厚さが前記第1‐1反射層221pの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0115】
また、アルミニウム濃度が相対的に高い第1‐1反射層221pの厚さが前記第1‐3反射層221rまたは第1‐4反射層221sの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0116】
例えば、前記第1‐2反射層221qの厚さは、約50~55nmの厚さを有することができ、前記第1‐1反射層221pの厚さは、約40~45nmの厚さを有することができ、アルミニウム濃度が相対的に高い第1‐2反射層221qの厚さが前記第1‐1反射層221pの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0117】
また、前記第1‐3反射層221rの厚さは、約22~27nmの厚さを有することができ、前記第1‐4反射層221sの厚さは、約22~27nmの厚さを有することができ、アルミニウム濃度が相対的に高い第1‐2反射層221q、第1‐1反射層221pの厚さが第1‐3反射層221r、第1‐4反射層221sより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0118】
続いて、
図4dを参照すると、実施例において、前記第2グループ第1反射層222は、第1‐5反射層222p、第1‐6反射層222q、第1‐7反射層222r及び第1‐8反射層222sを含むことができ、各層は相互異なる屈折率を有することができる。
【0119】
例えば、前記第2グループ第1反射層222は、第5屈折率を有する第1‐5反射層222pと、前記第5屈折率より低い第6屈折率を有し、前記第1‐5反射層222pの一側に配置される第1‐6反射層222qと、前記第5屈折率と前記第6屈折率の間の第7屈折率を有し、前記第1‐5反射層222pと第1‐6反射層222qとの間に配置される第1‐7反射層222rを含むことができる。
【0120】
例えば、前記第2グループ第1反射層222は、第5アルミニウム濃度を有する第1‐5反射層222pと、前記第5アルミニウム濃度より高い第6アルミニウム濃度を有し、前記第1‐5反射層222pの一側に配置される第1‐6反射層222qと、前記第5アルミニウム濃度から前記第6アルミニウム濃度に変化する第7アルミニウム濃度を有し、前記第1‐5反射層222pと前記第1‐6反射層222qとの間に配置される第1‐7反射層222rを含むことができる。
【0121】
例えば、第2グループ第1反射層222がAlxGa(1-x)As(0<x<1)を含む場合、第1‐5反射層222pがAl0.12Ga0.88Asからなることができ、第1‐6反射層222qはAl0.88Ga0.12Asからなることができ、第1‐7反射層222rはAlx3Ga(1-x3)As(0.12≦X3≦0.88)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0122】
また、前記第2グループ第1反射層222は、前記第1‐6反射層222qの外側に配置され、第5アルミニウム濃度から前記第6アルミニウム濃度に変化する第8アルミニウム濃度を有する第1‐8反射層222sをさらに含むことができる。
【0123】
例えば、第2グループ第1反射層222がAlxGa(1-x)As(0<x<1)を含む場合、第1‐8反射層222sはAlx4Ga(1-x4)As(0.12≦X4≦0.88)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0124】
これによって、実施例によれば、隣接した第1‐5反射層222pと第1‐6反射層222qとの間に中間領域のアルミニウム濃度を有する第1‐7反射層222rまたは第1‐8反射層222sを備えることで、隣接した反射層の間の界面(interface)でエネルギーバンドの曲がり(Energy Band Bending)による電場(Electric Field)の発生を最小化してキャリア障壁(barrier)を低くすることで、光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0125】
これによって、実施例によれば、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することができる。
【0126】
また、実施例において、前記第1‐6反射層222qの厚さは、前記第1‐5反射層222pの厚さより厚い厚さを有することができる。また、前記第1‐5反射層222pまたは前記第1‐6反射層222qの厚さは、前記第1‐7反射層222rまたは前記第1‐8反射層222sの厚さより厚い厚さを有することができる。
【0127】
このとき、第1‐6反射層222qの第6アルミニウム濃度は、第1‐5反射層222pの第5アルミニウム濃度より高い濃度を有することができる。また、第1‐5反射層222pの第5アルミニウム濃度は、第1‐7反射層222rの第7アルミニウム濃度または第1‐8反射層222sの第8アルミニウム濃度より高い濃度を有することができる。
【0128】
これによって、アルミニウム濃度が相対的に高い第1‐6反射層222qの厚さが前記第1‐5反射層222pの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0129】
また、アルミニウム濃度が相対的に高い第1‐5反射層222pの厚さが前記第1‐7反射層222rまたは第1‐8反射層222sの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0130】
例えば、前記第1‐6反射層222qの厚さは、約50~55nmの厚さを有することができ、前記第1‐5反射層222pの厚さは、約40~45nmの厚さを有することができ、アルミニウム濃度が相対的に高い第1‐6反射層222qの厚さが前記第1‐5反射層222pの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0131】
また、前記第1‐7反射層222rの厚さは、約22~27nmの厚さを有することができ、前記第1‐8反射層222sの厚さは、約22~27nmの厚さを有することができ、アルミニウム濃度が相対的に高い第1‐6反射層222q、第1‐5反射層222pの厚さが第1‐7反射層222r、第1‐8反射層222sより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0132】
次の実施例の技術的課題の1つは、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することにある。
【0133】
図3を再参照すると、実施例に係る面発光レーザ素子において位置による光エネルギー(E)分布を知ることができるが、活性領域230から相対的に離隔するほど光エネルギー分布が低くなり、実施例は光エネルギー分布を考慮して、前記第1グループ第1反射層221における第1導電型ドーパントの濃度を前記第2グループ第1反射層222におけるドーパントの濃度より高く制御することができる。
【0134】
例えば、実施例は、前記第1グループ第1反射層221におけるドーパントの濃度は、約2.00E18を有することができ、前記第2グループ第1反射層222では、約1.00E18に制御することができる。実施例において、濃度単位E18は1018(atoms/cm3)を意味することができる。例えば、濃度1.00E18は1.00X1018(atoms/cm3)を意味することができ、濃度1.00E17は1.00X1017(atoms/cm3)を意味することができる。
【0135】
実施例でn型ドーパントは、Si(Silicone)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0136】
これによって、実施例は、光エネルギー分布が相対的に高い前記第2グループ第1反射層222における第1導電型ドーパントの濃度を前記第1グループ第1反射層221におけるドーパントの濃度より低く制御して、光エネルギーが相対的に低い第1グループ第1反射層221領域に、第1導電型ドーパントを相対的に高くドーピングすることで、第2グループ第1反射層222ではドーパントによる光吸収を最小化して光出力を向上させると共に、第1グループ第1反射層221では相対的に高いドーパントによる抵抗改善により電圧効率を向上させて、光出力と電圧効率を同時に向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供できる特有の技術的効果がある。
【0137】
次に、
図4eは、
図4cに示された実施例に係る面発光レーザ素子の第2反射層250の第3領域Pに対する屈折率(n)の第3データである。
【0138】
図4eを参照すると、実施例において、第2反射層250は、第1グループ第2反射層251及び第2グループ第2反射層252を含むことができる。
【0139】
このとき、前記第1グループ第2反射層251は複数の層を含むことができ、例えば第2‐1反射層251p、第2‐2反射層251q、第2‐3反射層251r及び第2‐4反射層251sを含むことができる。
【0140】
実施例において、第1グループ第2反射層251は、第2‐1反射層251p~第2‐4反射層251sを1つのペア(pair)とする場合、複数のペアを含むことができる。例えば、実施例において、第1グループ第2反射層251は、第2‐1反射層251p~第2‐4反射層251sの約2~5ペア(pair)を含むことができる。
【0141】
また、前記第2グループ第2反射層252は複数の層を含むことができ、例えば第2‐5反射層252p、第2‐6反射層252q、第2‐7反射層252r及び第2‐8反射層252sを含むことができる。
【0142】
前記第2グループ第2反射層252も、第2‐5反射層252p~第2‐8反射層252sを1つのペア(pair)とする場合、複数のペアを含むことができる。例えば、実施例において、第2グループ第2反射層252は、第2‐5反射層252p~第2‐8反射層252sを1つの1つのペア(pair)とする場合、約10~20ペア(pair)を含むことができる。
【0143】
実施例の技術的課題の1つは、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することにある。
【0144】
図4eを参照すると、実施例において、前記第1グループ第2反射層251は、第2‐1反射層251p、第2‐2反射層251q、第2‐3反射層251r及び第2‐4反射層251sを含むことができ、各層は相互異なる屈折率を有することができる。
【0145】
例えば、前記第1グループ第2反射層251は、第1屈折率を有する第2‐1反射層251pと、前記第1屈折率より低い第2屈折率を有し、前記第2‐1反射層251pの一側に配置される第2‐2反射層251qと、前記第1屈折率と前記第2屈折率の間の第3屈折率を有し、前記第2‐1反射層251pと第2‐2反射層251qとの間に配置される第2‐3反射層251rを含むことができる。
【0146】
例えば、前記第1グループ第2反射層251は、第1アルミニウム濃度を有する第2‐1反射層251pと、前記第1アルミニウム濃度より高い第2アルミニウム濃度を有し、前記第2‐1反射層251pの一側に配置される第2‐2反射層251qと、前記第1アルミニウム濃度から前記第2アルミニウム濃度に変化する第3アルミニウム濃度を有し、前記第2‐1反射層251pと前記第2‐2反射層251qとの間に配置される第2‐3反射層251rを含むことができる。
【0147】
例えば、第1グループ第2反射層251がAlxGa(1-x)As(0<x<1)を含む場合、第2‐1反射層251pがAl0.12Ga0.88Asからなることができ、第2‐2反射層251qはAl0.88Ga0.12Asからなることができ、第2‐3反射層251rはAlx3Ga(1-x3)As(0.12≦X3≦0.88)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0148】
また、前記第1グループ第2反射層251は、前記第2‐2反射層251qの外側に配置され、第1アルミニウム濃度から前記第2アルミニウム濃度に変化する第4アルミニウム濃度を有する第2‐4反射層251sをさらに含むことができる。
【0149】
例えば、第1グループ第2反射層251がAlxGa(1-x)As(0<x<1)を含む場合、第2‐4反射層251sはAlx4Ga(1-x4)As(0.12≦X4≦0.88)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0150】
これによって、実施例によれば、隣接した第2‐1反射層251pと第2‐2反射層251qとの間に中間領域のアルミニウム濃度を有する第2‐3反射層251rまたは第2‐4反射層251sを備えることで、隣接した反射層の間の界面(interface)でエネルギーバンドの曲がり(Energy Band Bending)による電場(Electric Field)の発生を最小化してキャリア障壁(barrier)を低くすることで、光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0151】
これによって、実施例によれば、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することができる。
【0152】
また、実施例において、前記第2‐2反射層251qの厚さは、前記第2‐1反射層251pの厚さより厚い厚さを有することができる。また、前記第2‐1反射層251pまたは前記第2‐2反射層251qの厚さは、前記第2‐3反射層251rまたは前記第2‐4反射層251sの厚さより厚い厚さを有することができる。
【0153】
このとき、第2‐2反射層251qの第2アルミニウム濃度は、第2‐1反射層251pの第1アルミニウム濃度より高い濃度を有することができる。また、第2‐1反射層251pの第1アルミニウム濃度は、第2‐3反射層251rの第3アルミニウム濃度または第2‐4反射層251sの第4アルミニウム濃度より高い濃度を有することができる。
【0154】
これによって、アルミニウム濃度が相対的に高い第2‐2反射層251qの厚さが前記第2‐1反射層251pの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0155】
また、アルミニウム濃度が相対的に高い第2‐1反射層251pの厚さが前記第2‐3反射層251rまたは第2‐4反射層251sの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0156】
例えば、前記第2‐2反射層251qの厚さは、約50~55nmの厚さを有することができ、前記第2‐1反射層251pの厚さは、約26~32nmの厚さを有することができ、アルミニウム濃度が相対的に高い第2‐2反射層251qの厚さが前記第2‐1反射層251pの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0157】
また、前記第2‐3反射層251rの厚さは、約22~27nmの厚さを有することができ、前記第2‐4反射層251sの厚さは、約22~27nmの厚さを有することができ、アルミニウム濃度が相対的に高い第2‐2反射層251q、第2‐1反射層251pの厚さが第2‐3反射層251r、第2‐4反射層251sより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0158】
続いて、
図4eを参照すると、実施例において、前記第2グループ第2反射層252は、第2‐5反射層252p、第2‐6反射層252q、第2‐7反射層252r及び第2‐8反射層252sを含むことができ、各層は相互異なる屈折率を有することができる。
【0159】
例えば、前記第2グループ第2反射層252は、第5屈折率を有する第2‐5反射層252pと、前記第5屈折率より低い第6屈折率を有し、前記第2‐5反射層252pの一側に配置される第2‐6反射層252qと、前記第5屈折率と前記第6屈折率の間の第7屈折率を有し、前記第2‐5反射層252pと第2‐6反射層252qとの間に配置される第2‐7反射層252rを含むことができる。
【0160】
例えば、前記第2グループ第2反射層252は、第5アルミニウム濃度を有する第2‐5反射層252pと、前記第5アルミニウム濃度より高い第6アルミニウム濃度を有し、前記第2‐5反射層252pの一側に配置される第2‐6反射層252qと、前記第5アルミニウム濃度から前記第6アルミニウム濃度に変化する第7アルミニウム濃度を有し、前記第2‐5反射層252pと前記第2‐6反射層252qとの間に配置される第2‐7反射層252rを含むことができる。
【0161】
例えば、第2グループ第2反射層252がAlxGa(1-x)As(0<x<1)を含む場合、第2‐5反射層252pがAl0.12Ga0.88Asからなることができ、第2‐6反射層252qはAl0.88Ga0.12Asからなることができ、第2‐7反射層252rはAlx3Ga(1-x3)As(0.12≦X3≦0.88)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0162】
また、前記第2グループ第2反射層252は、前記第2‐6反射層252qの外側に配置され、第5アルミニウム濃度から前記第6アルミニウム濃度に変化する第8アルミニウム濃度を有する第2‐8反射層252sをさらに含むことができる。
【0163】
例えば、第2グループ第2反射層252がAlxGa(1-x)As(0<x<1)を含む場合、第2‐8反射層252sはAlx4Ga(1-x4)As(0.12≦X4≦0.88)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0164】
これによって、実施例によれば、隣接した第2‐5反射層252pと第2‐6反射層252qとの間に中間領域のアルミニウム濃度を有する第2‐7反射層252rまたは第2‐8反射層252sを備えることで、隣接した反射層の間の界面(interface)でエネルギーバンドの曲がり(Energy Band Bending)による電場(Electric Field)の発生を最小化してキャリア障壁(barrier)を低くすることで、光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0165】
これによって、実施例によれば、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することができる。
【0166】
また、実施例において、前記第2‐6反射層252qの厚さは、前記第2‐5反射層252pの厚さより厚い厚さを有することができる。また、前記第2‐5反射層252pまたは前記第2‐6反射層252qの厚さは、前記第2‐7反射層252rまたは前記第2‐8反射層252sの厚さより厚い厚さを有することができる。
【0167】
このとき、第2‐6反射層252qの第6アルミニウム濃度は、第2‐5反射層252pの第5アルミニウム濃度より高い濃度を有することができる。また、第2‐5反射層252pの第5アルミニウム濃度は、第2‐7反射層252rの第7アルミニウム濃度または第2‐8反射層252sの第8アルミニウム濃度より高い濃度を有することができる。
【0168】
これによって、アルミニウム濃度が相対的に高い第2‐6反射層252qの厚さが前記第2‐5反射層252pの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0169】
また、アルミニウム濃度が相対的に高い第2‐5反射層252pの厚さが前記第2‐7反射層252rまたは第2‐8反射層252sの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0170】
例えば、前記第2‐6反射層252qの厚さは、約50~55nmの厚さを有することができ、前記第2‐5反射層252pの厚さは、約40~45nmの厚さを有することができ、アルミニウム濃度が相対的に高い第2‐6反射層252qの厚さが前記第2‐5反射層252pの厚さより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0171】
また、前記第2‐7反射層252rの厚さは、約22~27nmの厚さを有することができ、前記第2‐8反射層252sの厚さは、約22~27nmの厚さを有することができ、アルミニウム濃度が相対的に高い第2‐6反射層252q、第2‐5反射層252pの厚さが第2‐7反射層252r、第2‐8反射層252sより厚いので、格子品質を向上させて光出力に寄与することができる。
【0172】
次の実施例の技術的課題の1つは、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供することにある。
【0173】
図3を再参照すると、実施例に係る面発光レーザ素子において位置による光エネルギー(E)分布を知ることができるが、活性領域230から相対的に離隔するほど光エネルギー分布が低くなり、実施例は光エネルギー分布を考慮して、前記第1グループ第2反射層251における第1導電型ドーパントの濃度を前記第2グループ第2反射層252におけるドーパントの濃度より低く制御することができる。
【0174】
例えば、実施例は、前記第1グループ第2反射層251におけるドーパントの濃度は、約7.00E17~1.50E18を有することができ、前記第2グループ第2反射層252では、約1.00E18~3.00E18に制御することができる。実施例において、濃度単位1.00E18は1.00X1018(atoms/cm3)を意味することができる。実施例でp型ドーパントはC(Carbon)からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0175】
これによって、実施例は、前記第2グループ第2反射層252における第2導電型ドーパントの濃度を前記第1グループ第2反射層251におけるドーパントの濃度より高く制御して、光エネルギーが相対的に高い第1グループ第2反射層251領域に、第2導電型ドーパントを相対的に低くドーピングすることで、第1グループ第2反射層251ではドーパントによる光吸収を最小化して光出力を向上させると共に、第2グループ第2反射層252では相対的に高いドーパントによる抵抗改善により電圧効率を向上させて、光出力と電圧効率を同時に向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供できる特有の技術的効果がある。
【0176】
また、従来技術によれば、定常波(Standing wave)がDBRと界面(interference)で、このようなドーパントによって吸収される可能性がある。これによって、実施例は、定常波の光学的反射度(optical power reflectance)が一番小さい節の位置(node position)では多くのドーピングを行って抵抗を最小化し、腹の位置(antinode position)ではできるだけ低いドーピングを行うことで、光吸収を最小化できる技術的効果がある。前記節の位置は、各層の屈折率が上昇または下降して変化する地点を意味することができる。
【0177】
続いて、
図4eを参照すると、前記第1グループ第2反射層251において、第2‐1反射層251pと第2‐2反射層251qの屈折率は、上点または下点に変化しない腹の位置であってもよい。また、前記第1グループ第2反射層251において、第2‐3反射層251rと第2‐4反射層251sの屈折率は、上昇または下降して変化する節の位置であってもよい。
【0178】
これによって、実施例において、第2‐3反射層251rまたは第2‐4反射層251sの第2導電型ドーパントの濃度は、第2‐1反射層251pまたは第2‐2反射層251qの第2導電型ドーパントの濃度より高く制御することができる。
【0179】
例えば、第2‐3反射層251rまたは第2‐4反射層251sの第2導電型ドーパントの濃度は、約1.00E18~1.50E18を有することができ、第2‐1反射層251pまたは第2‐2反射層251qの第2導電型ドーパントの濃度は、約6.00E17~8.00E17を有することができる。
【0180】
これによって、定常波の光学的反射度(optical power reflectance)が低い節の位置(node position)の第2‐3反射層251rまたは第2‐4反射層251sでは多くのドーピングを行って抵抗を最小化し、腹の位置(antinode position)の第2‐1反射層251pまたは第2‐2反射層251qでは低いドーピングを行うことで、光吸収を最小化できる複合的な技術的効果がある。
【0181】
また、実施例において、節の位置である第2‐3反射層251rまたは第2‐4反射層251sのうち活性領域230から離れる方向に屈折率が増加する節の位置である第2‐4反射層251sの第2導電型ドーパントの濃度を屈折率が減少する節の位置である第2‐3反射層251rの第2導電型ドーパントの濃度より高く制御することができる。
【0182】
これによって、光学的反射度が相対的に低い屈折率が増加する節の位置である第2‐4反射層251sの第2導電型ドーパントの濃度を高く制御して、電気的特性を改善することができる。
【0183】
例えば、第2‐4反射層251sの第2導電型ドーパントの濃度は、約1.50E18を有することができ、第2‐3反射層251rの第2導電型ドーパントの濃度は、約1.00E18を有することができ、光学的反射度が相対的に低い第2‐4反射層251sの第2導電型ドーパントの濃度を高く制御して、電気的特性を改善することができる。
【0184】
続いて、
図4eを参照すると、前記第2グループ第2反射層252において、第2‐5反射層252pと第2‐6反射層252qの屈折率は、上点または下点に変化しない腹の位置であってもよい。また、前記第2グループ第2反射層252において、第2‐7反射層252rと第2‐8反射層252sの屈折率は、上昇または下降して変化する節の位置であってもよい。
【0185】
実施例は第2‐7反射層252rまたは第2‐8反射層252sの第2導電型ドーパントの濃度は、第2‐5反射層252pまたは第2‐6反射層252qの第2導電型ドーパントの濃度より高く制御することができる。
【0186】
例えば、第2‐7反射層252rまたは第2‐8反射層252sの第2導電型ドーパントの濃度は、約2.00E18~3.00E18を有することができ、第2‐5反射層252pまたは第2‐6反射層252qの第2導電型ドーパントの濃度は、約1.00E18~1.50E18を有することができる。
【0187】
これによって、定常波の光学的反射度(optical power reflectance)が低い節の位置(node position)の第2‐7反射層252rまたは第2‐8反射層252sでは多くのドーピングを行って抵抗を最小化し、腹の位置(antinode position)の第2‐5反射層252pまたは第2‐6反射層252qでは低いドーピングを行うことで、光吸収を最小化できる複合的な技術的効果がある。
【0188】
また、実施例において、節の位置である第2‐7反射層252rまたは第2‐8反射層252sのうち活性領域230から離れる方向に屈折率が増加する節の位置である第2‐8反射層252sの第2導電型ドーパントの濃度を屈折率が減少する節の位置である第2‐7反射層252rの第2導電型ドーパントの濃度より高く制御することができる。
【0189】
これによって、光学的反射度が相対的に低い屈折率が増加する節の位置である第2‐8反射層252sの第2導電型ドーパントの濃度を高く制御して、電気的特性を改善することができる。
【0190】
例えば、第2‐8反射層252sの第2導電型ドーパントの濃度は、約3.00E18を有することができ、第2‐7反射層252rの第2導電型ドーパントの濃度は、約2.00E18を有することができ、光学的反射度が相対的に低い第2‐8反射層252sの第2導電型ドーパントの濃度を高く制御して、電気的特性を改善することができる。
【0191】
次に、
図4fは、実施例に係る面発光レーザ素子における第2反射層250へのSecondary-ion mass spectrometry(SIMS)データであり、
図4gは、
図4fのP2領域の拡大図である。
【0192】
図4gを参照すると、実施例の第2反射層250は、第1グループの第2反射層251と第2グループの反射層252を含むことができる。
【0193】
前記第1グループの第2反射層251は、第2グループの反射層252より前記活性領域240に隣接するように配置される。
【0194】
実施例において、前記第1グループの第2反射層251は、第1アルミニウム濃度を有する第1‐1層251aと、前記第1アルミニウム濃度より高い第2アルミニウム濃度を有し、前記第1‐1層251aの上に配置される第1‐2層251bと、前記第2アルミニウム濃度から前記第1アルミニウム濃度に減少する第4アルミニウム濃度を有し、前記第1‐2層251bの上に配置される第1‐4層251dとを含むことができる。
【0195】
前記第1‐2層251bは、前記第1‐1層251aと前記第1‐4層251dとの間に配置される。このとき、前記第1‐1層251aが前記第1‐2層251bより前記活性領域240に隣接するように配置される。
【0196】
また、前記第1グループの第2反射層251は、前記第1‐2層251bと前記第1‐4層251dとの間に配置される第1‐3層251cを含むことができる。
【0197】
このとき、前記第2反射層250は、第2導電型ドーパント、例えばカーボン(C)を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0198】
前記第1‐4層251dの前記第2導電型ドーパントのドーピングレベルは、前記第1‐1層251aと前記第1‐2層251bの前記第2導電型ドーパントのドーピングレベルより高いドーピングレベルを有することができる。
【0199】
これによって、定常波の光学的反射度(optical power reflectance)が低い節の位置(node position)である第1‐4層251dでは多くのドーピングを行って抵抗を最小化して電気的特性を改善することができ、腹の位置(antinode position)である第1‐1層251a等で低いドーピングを行うことで、光吸収を最小化できる複合的な技術的効果がある。
【0200】
また、
図4gを参照すると、実施例において、前記第2グループの第2反射層252は、第1アルミニウム濃度を有する第2‐1層252aと、前記第1アルミニウム濃度より高い第2アルミニウム濃度を有し、前記第2‐1層252aの上に配置される第2‐2層252bと、前記第2アルミニウム濃度から前記第1アルミニウム濃度に減少する第4アルミニウム濃度を有し、前記第2‐2層252bの上に配置される第2‐4層252dを含むことができる。
【0201】
前記第2‐2層252bは、前記第2‐1層252aと前記第2‐4層252dの間に配置される。このとき、前記第2‐1層252aが前記第2‐2層252bより前記活性領域240に隣接するように配置される。
【0202】
また、前記第2グループの第2反射層252は、前記第2‐2層252bと前記第2‐4層252dとの間に配置される第2‐3層252cを含むことができる。
【0203】
前記第2‐4層252dの前記第2導電型ドーパントのドーピングレベルは、前記第2‐1層252aと前記第2‐2層252bの前記第2導電型ドーパントのドーピングレベルより高いドーピングレベルを有することができる。
【0204】
これによって、定常波の光学的反射度(optical power reflectance)が低い節の位置(node position)である第2‐4層252dでは多くのドーピングを行って抵抗を最小化して電気的特性を改善することができ、腹の位置(antinode position)である第2‐1層252a等で低いドーピングを行うことで、光吸収を最小化できる複合的な技術的効果がある。
【0205】
図4gを再参照すると、前記第2反射層250は、前記第1グループ第2反射層251より前記活性領域240に隣接するように第3領域P3に配置された前記第3グループ第2反射層253をさらに含むことができる。前記第3領域P3には、第3グループ第2反射層253が2個~3個配置される。
【0206】
実施例において、前記第3グループ第2反射層253の第2導電型ドーパントの平均濃度は、第2領域P2に配置された前記第1グループ第2反射層251の第2導電型ドーパントの平均濃度より低い平均濃度を有することができる。
【0207】
実施例によれば、活性領域240と隣接した第3領域P3の第3グループ第2反射層253には低いドーピングを行うことで、光吸収を最小化すると共に、第3領域P3より活性領域240から遠く離隔した第2領域P2の第1グループ第2反射層251または第2グループ第2反射層252には相対的に多くのドーピングを行って抵抗を最小化して電気的特性を改善できる複合的な技術的効果がある。
【0208】
次に、以下の表2は、従来技術(比較例)と実施例におけるチップ特性のデータである。
【0209】
実施例によれば、表2のように光出力、電圧特性等が著しく向上することがわかる。
【0210】
【0211】
次に、
図3を参照すると、実施例に係る面発光レーザ素子において位置による光エネルギー分布を知ることができるが、上述したように、活性領域230から相対的に離隔するほど光エネルギー分布が低くなり、実施例は光エネルギー分布を考慮して、前記第1グループ第1反射層221における第1導電型ドーパントの濃度を前記第2グループ第1反射層222におけるドーパントの濃度より高く制御することができる。
【0212】
例えば、
図2を参照すると、実施例において、前記第1反射層220は、前記活性領域230一側に配置された第1グループ第1反射層221及び前記第1グループ第1反射層221よりも前記活性領域230に近接して配置された第2グループ第1反射層222を含むことができる。
【0213】
このとき、前記活性領域230に隣接するように配置された第2グループ第1反射層222における光エネルギーが第1グループ第1反射層221における光エネルギーより高くなる。
【0214】
実施例は光エネルギー分布を考慮して、前記第2グループ第1反射層222における第1導電型ドーパントの濃度を前記第1グループ第1反射層221におけるドーパントの濃度より低く制御して、光エネルギーが相対的に低い第1グループ第1反射層221領域に、第1導電型ドーパントを相対的に高くドーピングすることで、第2グループ第1反射層222ではドーパントによる光吸収を最小化して光出力を向上させると共に、第1グループ第1反射層221では相対的に高いドーパントによる抵抗改善により電圧効率を向上させて、光出力と電圧効率を同時に向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供できる特有の技術的効果がある。
【0215】
例えば、前記第1グループ第1反射層221におけるドーパントの濃度は、約2.00E18を有することができ、前記第2グループ第1反射層222では、約1.00E18を有することができるが、これに限定されるものではない。また、実施例において、前記第2反射層250は、前記活性領域230に隣接するように配置された第1グループ第2反射層251と、前記第1グループ第2反射層251よりも前記活性領域230から離隔配置された第2グループ第2反射層252を含むことができる。
【0216】
このとき、前記活性領域230に隣接するように配置された第1グループ第2反射層251における光エネルギーが第2グループ第2反射層252における光エネルギーより高くなる。
【0217】
これによって、実施例は光エネルギー分布を考慮して、前記第1グループ第2反射層251での第2導電型ドーパントの濃度が前記第2グループ第2反射層252におけるドーパントの濃度より低く制御して、光エネルギーが相対的に低い第2グループ第2反射層252領域に第2導電型ドーパントを相対的に高くドーピングすることで、第1グループ第2反射層251ではドーパントによる光吸収を最小化して光出力を向上させると共に、第2グループ第2反射層252ではドーパントによる抵抗改善により電圧効率を向上させて、光出力と電圧効率を同時に向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む発光装置を提供できる特有の技術的効果がある。
【0218】
<活性領域>
図2を再参照すると、実施例は第1反射層220の上に活性領域230を含むことができる。
【0219】
このとき、前記活性領域230は、活性層232及び前記活性層232の下側に配置される第1キャビティ231、上側に配置される第2キャビティ233を含むことができる。実施例の活性領域230は、第1キャビティ231と第2キャビティ233を両方とも或いはいずれか1つのみを含んでもよい。
【0220】
前記活性領域230は、第1反射層220と第2反射層250との間に配置される。実施例の活性領域230は、単一井戸構造(Single Well Structure)、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造、量子ドット構造または量子線構造のいずれか1つの活性層232を含むことができる。
【0221】
前記活性層232は、III-V族元素の化合物半導体材料を利用して、量子井戸232aと量子障壁232a、例えば、InGaAs/AlxGaAs、AlGaInP/GaInP、AlGaAs/AlGaAs、AlGaAs/GaAs、GaAs/InGaAs等の1~3ペア構造で形成されるが、これに限定されるものではない。量子井戸232aは、量子障壁232aのエネルギーバンドギャップより小さいエネルギーバンドギャップを有する物質からなることができる。前記活性層232には、ドーパントがドーピングされなくてもよい。
【0222】
前記第1キャビティ231と前記第2キャビティ233はAlyGa(1-y)As(0<y<1)物質からなることができるが、これに限定されるものではない。例えば、前記第1キャビティ231と前記第2キャビティ233は、それぞれAlyGa(1-y)Asからなった複数の層を含むことができる。
【0223】
実施例において、活性領域230の上に絶縁領域242が配置され、前記絶縁領域242によって定義されるアパチャー241がある。
【0224】
前記絶縁領域242は、絶縁層、例えばアルミニウム酸化物からなり、電流絶縁領域として作用することができ、中央領域には非絶縁層であるアパチャー241が配置される。前記アパチャー241と前記絶縁領域242は、アパチャー領域240と称することができる。
【0225】
具体的に、前記アパチャー領域240は、AlGaAsを含むことができる。このとき、アパチャー領域240のAlGaAsがH2Oと反応して縁部がアルミニウム酸化物(Al2O3)に変わることで絶縁領域242が形成され、H2Oと反応していない中央領域はAlGaAsからなったアパチャー241となることができる。
【0226】
前記絶縁領域242は複数の層を含むことができ、例えば第1絶縁層242a及び第2絶縁層242bを含むことができる。前記第1絶縁層242aは、前記第2絶縁層242bと同一または異なる厚さを有することができる。
【0227】
実施例によれば、アパチャー241を介して活性領域230から発光された光を上部領域に放出することができ、絶縁領域242に比べてアパチャー241の光透過率が優れる。
【0228】
<第2反射層>
第2反射層250は、絶縁領域242を含むアパチャー領域240の上に配置される。
【0229】
前記第2反射層250は、ガリウム系化合物、例えばAlGaAsを含むことができ、第2反射層250は第2導電型ドーパントがドーピングされる。例えば、第2導電型ドーパントは、Mg、Zn、Ca、Sr、Ba等のようなp型ドーパントを含むことができる。一方、第1反射層220がp型ドーパントでドーピングされ、第2反射層250がn型ドーパントでドーピングされてもよい。
【0230】
前記第2反射層250は、DBR(Distributed Bragg Reflector)からなることができる。例えば、第2反射層250は、相互異なる屈折率を有する物質からなった複数の層が交互に少なくとも1回以上積層された構造を有することができる。
【0231】
第2反射層250の各層はAlGaAsを含むことができ、詳しくはAlxGa(1-x)As(0<x<1)の組成式を有する半導体物質からなることができる。ここで、Alが増加すると各層の屈折率は減少し、Gaが増加すると各層の屈折率は増加する。そして、第2反射層250の各層の厚さはλ/4nであり、λは活性層から放出される光の波長であり、nは上述した波長の光に対する各層の屈折率である。
【0232】
このような構造の第2反射層250は、940nmの波長領域の光に対して99.9%の反射率を有することができる。
【0233】
前記第2反射層250は、層が交互に積層されてなることができ、第1反射層220内における層のペア(pair)数は、第2反射層250内における層のペア数より多く、このとき、上述したように、第1反射層220の反射率は99.999%程度であるので、第2反射層250の反射率である99.9%より大きい。
【0234】
実施例において、第2反射層250は、前記活性領域230に隣接するように配置された第1グループ第2反射層251と、前記第1グループ第2反射層251より前記活性領域230から離隔配置された第2グループ第2反射層252を含むことができる。
【0235】
上述したように、前記第1グループ第2反射層251における第1導電型ドーパントの濃度が、前記第2グループ第2反射層252におけるドーパントの濃度より低い濃度を有することができる。
【0236】
例えば、第1グループ第2反射層251は、第1グループ第2‐1層251aと第1グループ第2‐2層251bの約1~5ペア(pair)を含むことができる。前記第1グループ第2‐1層251aは、前記第1グループ第2‐2層251bより厚く形成されてもよい。例えば、前記第1グループ第2‐1層251aは、約40~60nmに形成され、前記第1グループ第2‐2層251bは、約20~30nmに形成される。
【0237】
また、第2グループ第2反射層252も、第2グループ第2‐1層252aと第2グループ第2‐2層252bの約5~15ペア(pair)を含むことができる。前記第2グループ第2‐1層252aは、前記第2グループ第2‐2層252bより厚く形成されてもよい。例えば、前記第2グループ第2‐1層252aは、約40~60nmに形成され、前記第2グループ第2‐2層252bは、約20~30nmに形成される。
【0238】
<第2接触電極、パッシベーション層、第2電極>
図1を参照すると、実施例に係る面発光レーザ素子200は、アパチャー241の周りの領域において、第2反射層250から絶縁領域242と活性領域230までメサエッチングされる。また、第1反射層220の一部までメサエッチングされる。
【0239】
第2反射層250の上には、第2接触電極255が配置され、第2接触電極255の間の領域で第2反射層250が露出する領域は、上述した絶縁領域242の中央領域のアパチャー241と対応する。ここで、アパチャー241の幅は、第2接触電極255の間の幅より広いまたは狭い幅を有することができる。アパチャー241の幅が第2接触電極255の間の幅より狭く形成されると、活性領域230から放出された光が拡散して透過することがあり、アパチャー241の幅が第2接触電極255の間の幅より広く形成されると、活性領域230から放出された光が収束して透過することができる。第2接触電極255は、第2反射層250と後述する第2電極280の接触特性を向上させることができる。
【0240】
図1において、メサエッチングされた発光構造物の側面と上部面及び第1反射層220の上部面にパッシベーション層270が配置される。パッシベーション層270は、素子単位で分離した面発光レーザ素子200の側面にも配置され、面発光レーザ素子200を保護し、絶縁させることができる。パッシベーション層270は、絶縁性物質からなることができ、例えば窒化物または酸化物からなることができる。
【0241】
パッシベーション層270は、発光構造物の上部面における厚さが第2接触電極255より薄く、これによって、第2接触電極255がパッシベーション層270の上部に露出される。露出した第2接触電極255と電気的に接触して第2電極280が配置され、第2電極280はパッシベーション層270の上部に延長配置されて、外部から電流を受電することができる。
【0242】
第2電極280は、導電性材料からなることができ、例えば金属を含むことできる。例えば、前記第2電極280は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)の少なくとも1つを含み、単層または多層構造を有することができる。
【0243】
<製造方法>
以下、
図5~
図8を参照して、実施例に係る面発光レーザ素子の製造方法を説明することにする。
【0244】
まず、
図5のように、第1基板210の上に第1反射層220、活性領域230及び第2反射層250を含む発光構造物を形成する。
【0245】
前記第1基板210は、半導体物質の成長に適合した物質やキャリアウェハーからなることができ、熱伝導率が優れた物質からなることができ、導電性基板または絶縁性基板を含むことができる。
【0246】
例えば、実施例では、第1基板210として第1反射層220と同種のGaAs基板を用いることができる。第1基板210が第1反射層220と同種である時、格子定数が一致するので、第1反射層220に格子不整合等の欠陥の発生を防ぐことができる。
【0247】
前記第1反射層220は、相互異なる屈折率を有する物質からなった層が交互に少なくとも1回以上積層された構造を有することができる。
【0248】
前記第1反射層220は、上述したようにDBR構造を有することができるので、AlGaAsが供給されて成長し、このとき、AlとGaの供給量を異なるようにして、上述したようにAlxGa(1-x)As(0<x<1)の組成式を有する半導体物質の第1反射層220を成長させることができる。
【0249】
例えば、第1反射層220は、化学蒸着法(CVD)或いは分子線エピタキシー法(MBE)或いはスパッタリング或いはハイドライド気相成長法(HVPE)等の方法を用いて成長させることができる。
【0250】
前記第1反射層220は、第1導電型にドーピングすることができる。例えば、前記第1導電型ドーパントは、Si、Ge、Sn、Se、Te等のようなn型ドーパントを含むことができる。
【0251】
また、前記第1反射層220は、ガリウム系化合物、例えばAlGaAsを含むことができるが、これに限定されるものではない。前記第1反射層220は、DBR(Distributed Bragg Reflector)からなることができる。例えば、第1反射層220は、相互異なる屈折率を有する物質からなった層が交互に少なくとも1回以上積層された構造を有することができる。
【0252】
次に、第1反射層220の上には活性領域230が形成される。
【0253】
前記活性領域230は、活性層232及び前記活性層232の下側に配置される第1キャビティ231、上側に配置される第2キャビティ233を含むことができる。実施例の活性領域230は、第1キャビティ231と第2キャビティ233を両方とも或いはいずれか1つのみを含んでもよい。
【0254】
例えば、前記活性層232は、単一井戸構造(Single Well Structure)、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造、量子ドット構造または量子線構造のいずれか1つを含むことができる。
【0255】
次に、活性領域230の上に予備アパチャー領域245が形成される。
【0256】
前記予備アパチャー領域245は、導電性材料からなることができ、詳しくは第1反射層220及び第2反射層250と同じ材料からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0257】
前記予備アパチャー領域245がAlGaAsを含む場合、前記予備アパチャー領域245はAlxGa(1-x)As(0<x<1)の組成式を有する半導体物質からなることができ、例えばAl0.98Ga0.02Asの組成式を有することができる。
【0258】
次に、前記予備アパチャー領域245の上に第2反射層250が形成される。
【0259】
前記第2反射層250は、第2導電型にドーピングすることができる。前記第2反射層250は、ガリウム系化合物、例えばAlGaAsを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0260】
前記第2反射層250は、DBR(Distributed Bragg Reflector)からなることができる。例えば、第2反射層250は、相互異なる屈折率を有する物質からなった層が交互に少なくとも1回以上積層された構造を有することができる。例えば、第2反射層250はAlGaAsを含むことができ、詳しくはAlxGa(1-x)As(0<x<1)の組成式を有する半導体物質からなることができる。
【0261】
そして、第2反射層250の各層の厚さはλ/4nであり、λは活性領域230から発生する光の波長であり、nは上述した波長の光に対する各層の屈折率である。ここで、λは650~980nmであり、nは各層の屈折率である。このような構造の第2反射層250は940nmの波長領域の光に対して99.999%の反射率を有することができる。
【0262】
前記第2反射層250は、ガリウム系化合物、例えばAlGaAsを含むことができ、第2反射層250は、第2導電型ドーパントがドーピングされる。例えば、第2導電型ドーパントは、Mg、Zn、Ca、Sr、Ba、C等のようなp型ドーパントを含むことができる。一方、第1反射層220がp型ドーパントでドーピングされ、第2反射層250がn型ドーパントでドーピングされてもよい。
【0263】
このような構造の第2反射層250は、940nmの波長領域の光に対して99.9%の反射率を有することができる。
【0264】
次に、
図6のように、所定のマスク300を用いて発光構造物をメサエッチングすることができる。このとき、第2反射層250から予備アパチャー領域245と活性領域230までメサエッチングすることができ、第1反射層220の一部までメサエッチングすることができる。メサエッチングでは、ICP(inductively coupled plasma)エッチング方法で、周辺領域の第2反射層250から予備アパチャー領域245と活性領域230を除去することができ、メサエッチング領域は側面が傾きを有するようにエッチングされる。
【0265】
次に、
図7のように、予備アパチャー領域の縁部領域を絶縁領域242に変化させることができ、例えば湿式酸化(Wet Oxidation)に変化させることができる。
【0266】
例えば、予備アパチャー領域245の縁部領域から酸素を供給すると、予備アパチャー領域のAlGaAsがH2Oと反応してアルミニウム酸化物(Al2O3)が形成される。このとき、反応時間等を調節して、予備アパチャー領域の中央領域は酸素と反応せず、縁部領域のみが酸素と反応してアルミニウム酸化物が形成されるようにする。また、イオン注入(Ion implantation)によって、予備アパチャー領域の縁部領域を絶縁領域242に変化させることもできるが、これに限定されるものではない。イオン注入時にはに300keV以上のエネルギーでフォトン(photon)が供給される。
【0267】
上述した反応工程の後、アパチャー領域240の中央領域は導電性のAlGaAsが配置され、縁部領域には非導電性のAl2O3が配置される。中央領域のAlGaAsは、活性領域230から放出される光が上部領域に進行する部分であるので、上述したようにアパチャー241ということができる。
【0268】
次に、
図8のように、第2反射層250の上に第2接触電極255が配置され、第2接触電極255の間の領域で第2反射層250が露出する領域は、上述したアパチャー領域240の中央領域であるアパチャー241と対応する。前記第2接触電極255は第2反射層250と後述する第2電極280の接触特性を向上させることができる。
【0269】
次に、第2接触電極255の上に配置されるパッシベーション層270は、発光構造物の上部面における厚さが第2接触電極255より薄く、このとき、第2接触電極255がパッシベーション層270の上部に露出される。
【0270】
前記パッシベーション層270は、ポリイミド(Polymide)、シリカ(SiO2)または窒化シリコン(Si3N4)の少なくとも1つを含むことができる。
【0271】
次に、露出した第2接触電極255と電気的に接触する第2電極280が配置され、第2電極280はパッシベーション層270の上部に延長配置されて、外部から電流を受電することができる。
【0272】
前記第2電極280は、導電性材料からなることができ、例えば金属を含むことできる。例えば、第2電極280は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)の少なくとも1つを含み、単層または多層構造を有することができる。
【0273】
また、前記第1基板210の下には第1電極215が配置される。前記第1電極215の配置前に、所定のグラインディング工程等によって前記第1基板210の底面一部を除去して、放熱効率を向上させることができる。
【0274】
前記第1電極215は、導電性材料からなることができ、例えば金属を含むことできる。例えば、前記第1電極215は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)の少なくとも1つを含み、単層または多層構造を有することができる。
【0275】
上述した面発光レーザ素子はレーザダイオードからなることができ、2つの反射層内部が共振器として作用することができる。このとき、第1導電型の第1反射層220と第2導電型の第2反射層250から電子と正孔が活性層に供給され、活性領域230から放出された光が共振器内部で反射して増幅されて閾値電流に到達すると、上述したアパチャー241を介して外部に放出される。
【0276】
実施例に係る面発光レーザ素子から放出された光は、単一波長及び単一位相の光りであり、第1反射層220、第2反射層250と活性領域230の組成等によって単一波長領域が変化する。
【0277】
また、
図9~
図14を参照して、第2実施例に係る面発光レーザ素子の製造方法を説明することにする。以下の説明では、放熱性能を向上させるために、所定の成長基板190の上に発光構造物を形成した後、前記成長基板190を除去する工程を説明しているが、実施例の製造方法がこれに限定されるものではない。
【0278】
まず、
図9のように、成長基板190の上に第2反射層250、活性領域230及び第1反射層220を含む発光構造物を形成する。
【0279】
前記成長基板190は、半導体物質の成長に適合した物質やキャリアウェハーからなることができ、熱伝導率が優れた物質からなることができ、導電性基板または絶縁性基板を含むことができる。
【0280】
例えば、実施例では、成長基板190として第2反射層250と同種のGaAs基板を用いることができる。成長基板190が第2反射層250と同種である時格子定数が一致するので、第2反射層に格子不整合等の欠陥の発生を防ぐことができる。
【0281】
そして、成長基板190の上にはエッチング阻止層192が形成される。
【0282】
次に、前記成長基板190またはエッチング阻止層192の上に第2反射層250が形成される。
【0283】
前記第2反射層250は、相互異なる屈折率を有する物質からなった第3層(図示されない)及び第4層(図示されない)が交互に少なくとも1回以上積層された構造を有することができる。
【0284】
前記第2反射層250は、上述したようにDBR構造を有することができるので、第3層と第4層の材料であるAlGaAsが供給されて成長し、このとき、AlとGaの供給量を異なるようにして、上述したようにAlxGa(1-x)As(0<x<1)の組成式を有する半導体物質の第2反射層250を成長させることができる。
【0285】
例えば、第3層はAl0.88Ga0.12Asを含むことができ、第4層はAl0.16Ga0.84Asから成長でき、化学蒸着法(CVD)或いは分子線エピタキシー法(MBE)或いはスパッタリング或いはハイドライド気相成長法(HVPE)等の方法を用いて成長させることができる。
【0286】
次に、第2反射層250の上には予備アパチャー領域245が形成される。前記予備アパチャー領域245は、導電性材料からなることができ、詳しくは第1反射層220及び第2反射層250と同じ材料からなることができるが、これに限定されるものではない。
【0287】
前記予備アパチャー領域245がAlGaAsを含む場合、前記予備アパチャー領域245はAlxGa(1-x)As(0<x<1)の組成式を有する半導体物質からなることができ、例えばAl0.98Ga0.02Asの組成式を有することができる。
【0288】
次に、前記予備アパチャー領域245の上に、活性領域230と第1反射層220が形成される。前記活性領域230は、活性層232及び前記活性層232の下側に配置される第1キャビティ231、上側に配置される第2キャビティ233を含むことができる。実施例の活性領域230は、第1キャビティ231と第2キャビティ233を両方とも或いはいずれか1つのみを含んでもよい。
【0289】
前記活性層232は、単一井戸構造(Single Well Structure)、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造、量子ドット構造または量子線構造のいずれか1つを含むことができる。
【0290】
前記活性層232は、III-V族元素の化合物半導体材料を利用して井戸層と障壁層、例えば、AlGaInP/GaInP、AlGaAs/AlGaAs、AlGaAs/GaAs、GaAs/InGaAs等のペア構造で形成されるが、これに限定されるものではない。井戸層は障壁層のエネルギーバンドギャップより小さいエネルギーバンドギャップを有する物質からなることができる。
【0291】
前記第1反射層220は、第1導電型にドーピングすることができる。前記第1反射層220は、ガリウム系化合物、例えばAlGaAsを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0292】
前記第1反射層220は、DBR(Distributed Bragg Reflector)からなることができる。例えば、第1反射層220は、相互異なる屈折率を有する物質からなった第1層(図示されない)及び第2層(図示されない)が交互に少なくとも1回以上積層された構造を有することができる。
【0293】
第1層と第2層はAlGaAsを含むことができ、詳しくはAlxGa(1-x)As(0<x<1)の組成式を有する半導体物質からなることができる。ここで、第1層または第2層内のAlが増加すると各層の屈折率は減少し、Gaが増加すると各層の屈折率は増加する。
【0294】
そして、第1層及び第2層のそれぞれの厚さはλ/4nであり、λは活性領域230から発生する光の波長であり、nは上述した波長の光に対する各層の屈折率である。ここで、λは650~980nmであり、nは各層の屈折率である。このような構造の第1反射層220は940nmの波長領域の光に対して99.999%の反射率を有することができる。
【0295】
第1層と第2層の厚さは、それぞれの屈折率と活性領域230から放出される光の波長λによって決定される。
【0296】
第1反射層220には、第1導電型ドーパントがドーピングされる。例えば、前記第1導電型ドーパントは、Si、Ge、Sn、Se、Te等のようなn型ドーパントを含むことができる。
【0297】
次に、
図10のように、第2基板212を第1反射層220の上に結合させることができる。実施例は接着層260を介在させて第2基板212を第1反射層220の上に結合させることができる。
【0298】
前記接着層260は単層または複数の層に形成され、第1接着層261と第2接着層262を含むことができる。例えば、第2接着層262は第2基板212の下部に配置され、第1接着層261は第1反射層220の上部に配置され、第2接着層262と第1接着層261が接着されて第2基板212と第1反射層220がボンディングされる。
【0299】
前記接着層260はAuSn、NiSnまたはInAuの少なくとも1つを含むことができる。
【0300】
前記第2基板212は、導電性基板または非導電性基板を用いることができる。導電性基板を用いる場合、電気伝導率が優れる金属を用いることができ、面発光レーザ素子200の作動時に発生する熱を充分発散させなければならないので、熱伝導率が高い金属やシリコン(Si)基板を用いることができる。非導電性基板を用いる場合、アルミニウム窒化物、例えばAlN基板を用いることができる。
【0301】
次に、前記第2基板212の上に第1電極215が配置される。
【0302】
前記第1電極215は、導電性材料からなることができ、例えば金属を含むことできる。例えば、前記第1電極215は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)の少なくとも1つを含み、単層または多層構造を有することができる。
【0303】
次に、
図11のように、成長基板190を分離することができる。前記成長基板190の除去は、サファイア基板の場合、エキシマレーザ等を利用したレーザリフトオフ法(Laser Lift Off:LLO)を用いることもでき、乾式及び湿式エッチングを用いることもできる。
【0304】
レーザリフトオフ法を例にすると、成長基板190方向に一定領域の波長を有するエキシマレーザ光をフォーカシング(focusing)して照射すると、成長基板190と第2反射層250の境界面に熱エネルギーが集中されて境界面がガリウムと窒素分子に分離され、レーザ光が通る部分で瞬間的に成長基板190の分離が起きることになる。
【0305】
ここで、エッチング阻止層192は、成長基板190を発光構造物から除去するとき、第2反射層220を保護することができる。
【0306】
次に、
図12のように、所定のマスク300を用いて発光構造物をメサエッチングすることができる。このとき、第2反射層250から予備アパチャー領域245と活性領域230までメサエッチングすることができ、第1反射層220の一部までメサエッチングすることができる。メサエッチングでは、ICP(inductively coupled plasma)エッチング方法で、周辺領域の第2反射層250からアパチャー領域240と活性領域230を除去することができ、メサエッチング領域は側面が傾きを有するようにエッチングされる。
【0307】
次に、
図13のように、予備アパチャー領域の縁部領域を絶縁領域242に変化させることができ、例えば湿式酸化(Wet Oxidation)に変化させることができる。
【0308】
例えば、予備アパチャー領域の縁部領域から酸素を供給すると、予備アパチャー領域のAlGaAsがH2Oと反応してアルミニウム酸化物(Al2O3)が形成される。このとき、反応時間等を調節して、予備アパチャー領域の中央領域は酸素と反応せず、縁部領域のみが酸素と反応してアルミニウム酸化物が形成されるようにする。また、イオン注入(Ion implantation)によって、予備アパチャー領域の縁部領域を絶縁領域242に変化させることもできるが、これに限定されるものではない。イオン注入時にはに300keV以上のエネルギーでフォトン(photon)が供給される。
【0309】
上述した反応工程の後、アパチャー領域240の中央領域は導電性のAlGaAsが配置され、縁部領域には非導電性のAl2O3が配置される。中央領域のAlGaAsは、活性領域230から放出される光が上部領域に進行する部分であるので、上述したようにアパチャー241ということができる。
【0310】
次に、
図14のように、第2反射層250の上に第2接触電極255が配置され、第2接触電極255の間の領域で第2反射層250が露出する領域は、上述したアパチャー領域240の中央領域であるアパチャー241と対応する。前記第2接触電極255は、第2反射層250と後述する第2電極280の接触特性を向上させることができる。
【0311】
次に、第2接触電極255の上に配置されるパッシベーション層270は、発光構造物の上部面における厚さが第2接触電極255より薄く、このとき、第2接触電極255がパッシベーション層270の上部に露出される。
【0312】
前記パッシベーション層270は、ポリイミド(Polymide)、シリカ(SiO2)または窒化シリコン(Si3N4)の少なくとも1つを含むことができる。
【0313】
次に、露出した第2接触電極255と電気的に接触する第2電極280が配置され、第2電極280はパッシベーション層270の上部に延長配置されて、外部から電流を受電することができる。
【0314】
前記第2電極280は、導電性材料からなることができ、例えば金属を含むことできる。例えば、第2電極280は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)の少なくとも1つを含み、単層または多層構造を有することができる。
【0315】
次に、第3実施例~第5実施例を説明することにする。
【0316】
図15は、第3実施例に係る面発光レーザ素子におけるエネルギーバンドダイヤグラム203の例示図であり、
図16は、第4実施例に係る面発光レーザ素子におけるエネルギーバンドダイヤグラム204の例示図であり、
図17aと
図17bは、実施例に係る面発光レーザ素子の活性領域におけるドーピング濃度データである。また、
図18は、第5実施例に係る面発光レーザ素子におけるエネルギーバンドダイヤグラム205の例示図である。
【0317】
(第3実施例)
図15は、第3実施例に係る面発光レーザ素子におけるエネルギーバンドダイヤグラム203の例示図である。
【0318】
第3実施例は、第1実施例、第2実施例の技術的特徴を採用することができる。
【0319】
例えば、
図15を参照すると、実施例において、第1反射層220がAl
xGa
(1-x)As(0<x<1)を含む場合、Alの濃度にグレーディング(grading)を置くことで、隣接する反射層の間の電場(Electric Field)の発生を最小化することができる。
【0320】
例えば、前記第1反射層220が第1アルミニウム濃度の第1層220pと第2アルミニウム濃度の第2層220qを含む場合、前記第1アルミニウム濃度の第1層220pと第2アルミニウム濃度の第2層220qの間に第3アルミニウム濃度の第3層220rが介在し、前記第3層220rのアルミニウム濃度は、前記第1層220pと前記第2層220qの間のアルミニウム濃度値を有することができる。
【0321】
例えば、第1反射層220はAl0.12Ga0.88Asである第1層220pとAl0.88Ga0.12Asである第2層220qの間にAlx3Ga(1-x3)As(0.12≦X3≦0.88)の第3層220rを介在させることができる。これによって、実施例によれば、第1層220pと第2層220qの間に中間領域のアルミニウム濃度を有する第3層220rを備えることで、隣接した反射層の間の界面(interface)でエネルギーバンドの曲がり(Energy Band Bending)による電場(Electric Field)の発生を最小化してキャリア障壁(barrier)を低くすることで、光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0322】
これによって、実施例によれば、反射層における電場発生によるキャリア障壁の影響を最小化して、光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む面発光レーザパッケージを提供することができる。
【0323】
以下、第3実施例の主な技術的特徴を中心に説明することにする。
【0324】
続いて、
図15を参照すると、第3実施例は、第1反射層220の上に活性領域230を含むことができる。
【0325】
このとき、前記活性領域230は、活性層232及び前記活性層232の下側に配置される第1キャビティ231、上側に配置される第2キャビティ233を含むことができる。実施例の活性領域230は、第1キャビティ231と第2キャビティ233を両方とも或いはいずれか1つのみを含んでもよい。
【0326】
前記第1キャビティ231と前記第2キャビティ233はAlyGa(1-y)As(0<y<1)物質からなることができるが、これに限定されるものではない。例えば、前記第1キャビティ231と前記第2キャビティ233は、それぞれAlyGa(1-y)Asからなった複数の層を含むことができる。
【0327】
例えば、前記第1キャビティ231は、第1‐1キャビティ層231aと第1‐2キャビティ層231bを含むことができる。前記第1‐1キャビティ層231aは、前記第1‐2キャビティ層231bよりも前記活性層232から離隔している。前記第1‐1キャビティ層231aは、前記第1‐2キャビティ層231bより厚く形成されるが、これに限定されるものではない。
【0328】
実施例の技術的課題の1つは、電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む面発光レーザパッケージを提供することにある。
【0329】
実施例は、このような技術的課題を解決するために、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある、面発光レーザ素子及びこれを含む面発光レーザパッケージを提供することができる。
【0330】
まず、
図15を参照すると、第3実施例において、前記活性領域230は、前記第1反射層220の上に配置される第1キャビティ231と、量子井戸232aと量子障壁232bを含み、前記第1キャビティ231の上に配置される活性層232を含み、前記第1キャビティ231は、前記第1反射層220と隣接し、第1導電型第1ドーピング層261を含むことができる。
【0331】
第3実施例によれば、第1キャビティ231の一部領域に第1導電型第1ドーピング層261を含むことで、既存の活性領域に比べて抵抗を減少させることによって、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0332】
例えば、第3実施例において、第1キャビティ231が第1‐1キャビティ層231aと第1‐2キャビティ層231bを含む場合、前記活性層232からさらに離隔して配置された第1‐1キャビティ層231aに第1導電型第1ドーピング層261を含むことで、従来の活性領域に比べて抵抗を減少させることによって、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0333】
以下の表3は、比較例と実施例の面発光レーザ素子の特性データである。比較例は、キャビティにドーピングが行われていない場合である。
【0334】
【0335】
第3実施例は、キャビティにドーピングが行われることで、活性領域における抵抗減少により、比較例に比べて動作電圧(Vf)が低くなり、光効率や光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0336】
第3実施例において、第1導電型第1ドーピング層261の厚さは、前記第1キャビティ231の厚さの10%~70%に制御されることで、活性領域における抵抗減少により、電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。このとき、前記第1導電型第1ドーピング層261の領域が前記第1キャビティ231の領域の70%を超える場合、ドーピング領域による光吸収によって光出力が低下し、その領域が10%未満の場合、抵抗減少効果の寄与度が低くなる。また、実施例において、第1導電型第1ドーピング層261の領域は、前記第1キャビティ231の領域の20%~50%に制御される。
【0337】
実施例において、前記「領域」は、各層が占める「幅」を基準に比較することができる。また、前記「領域」は、各層が占める「体積」であってもよい。
【0338】
実施例において、第1導電型第1ドーピング層261で第1導電型ドーパントの濃度は1x1017~8x1017(atoms/cm3)の範囲に制御されることで、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。このとき、前記第1導電型第1ドーピング層261で第1導電型ドーパントの濃度がその上限を超える場合、ドーピング領域による光吸収によって光出力が低下し、その下限未満の場合、抵抗減少効果の寄与度が低くなる。
【0339】
このとき、実施例において、第1キャビティ231に位置する第1導電型第1ドーピング層261の第1導電型ドーパントの濃度は、第1反射層220の第1導電型ドーパントの濃度より低く制御されることで、ドーピング領域による光吸収を防止すると共に、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる。
【0340】
例えば、前記第1導電型第1ドーピング層261の第1導電型ドーパントの濃度は1x1018~2x1018(atoms/cm3)の範囲である場合、前記第1導電型第1ドーピング層261で第1導電型ドーパントの濃度は1x1017~8x1017(atoms/cm3)の範囲に制御されることで、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0341】
また、実施例の技術的課題の1つは、発光層周辺で光集中(optical confinement)効率の向上によって光出力を向上させることができる、面発光レーザ素子及びこれを含む面発光レーザパッケージを提供することにある。
【0342】
実施例は、このような技術的課題を解決するために、発光層周辺の活性領域230における光集中(optical confinement)効率の向上によって光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0343】
具体的に、前記第1キャビティ231がAlxGaAs系の層(0<X<1)を含む場合に、前記第1キャビティ231のAlの濃度を前記活性層232方向に減少するように制御することで、
図15のように、第1キャビティ231のバンドギャップエネルギー準位が活性層232方向に減少するように制御することで、光集中(optical confinement)効率の向上によって光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0344】
また、前記第2キャビティ233がAlxGaAs系の層(0<X<1)を含む場合に、前記第2キャビティ233のAlの濃度を前記活性層232方向に減少するように制御することで、
図15のように、第2キャビティ233のバンドギャップエネルギー準位が活性層232方向に減少するように制御することで、光集中(optical confinement)効率の向上によって光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0345】
(第4実施例)
次に、
図16は、第4実施例に係る面発光レーザ素子におけるエネルギーバンドダイヤグラム204の例示図である。
【0346】
第4実施例は、先述した第1実施例~第3実施例の技術的特徴を採用することができ、以下では第4実施例の主な特徴を中心に説明することにする。
【0347】
第4実施例において、前記第2キャビティ233の第2幅T2が前記第1キャビティ231の第1幅T1より大きく形成される。
【0348】
例えば、前記第2キャビティ233はAlyGa(1-y)As(0<y<1)の物質からなることができるが、これに限定されるものではなく、AlyGa(1-y)Asからなった単層または複数の層を含むことができる。
【0349】
例えば、前記第2キャビティ233は、第2‐1キャビティ層233aと第2‐2キャビティ層233bを含むことができる。前記第2‐2キャビティ層233bは、前記第2‐1キャビティ層233aより前記活性層232から離隔される。前記第2‐2キャビティ層233bは、前記第2‐1キャビティ層233aより厚く形成されるが、これに限定されるものではない。このとき、前記第2‐2キャビティ層233bが約60~70nmに形成され、前記第2‐1キャビティ層233aは約40~55nmに形成されるが、これに限定されるものではない。
【0350】
第4実施例によれば、前記第2キャビティ233の第2幅T2が前記第1キャビティ231の第1幅T1より大きく形成されることで、共振効率を向上させることによって光出力を向上させることができる。
【0351】
次に、
図17aと
図17bは、
図16に示された第4実施例に係る面発光レーザ素子の活性領域のうち第1導電型第1ドーピング層261におけるドーピング濃度データである。
【0352】
例えば、
図17aと
図17bにおいて、横軸は活性層232から第1反射層220方向(X方向)に距離が増加する時の第1導電型第1ドーピング層261における第1導電型ドーパントのドーピング濃度である。
【0353】
実施例によれば、前記第1導電型第1ドーピング層261で第1導電型ドーパントの濃度は、前記活性層232の方向から前記第1反射層220の方向に増加するように制御することで、活性層232に隣接した領域でのドーピング濃度増加を制御して、光吸収による光度低下を防止すると共に、前記第1反射層220に隣接した領域でのドーピング濃度を増大させて、抵抗減少による電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0354】
例えば、
図17aを参照すると、第1導電型第1ドーピング層261が第1‐1ドーピング層261aと第1‐2ドーピング層261bを含む場合、第1‐1ドーピング層261aより活性層232から離隔して配置された第1‐2ドーピング層261bでのドーピング濃度がd1からd2~d3に増加することで、活性層232に隣接した第1‐1ドーピング層261aでの光吸収による光度低下を防止すると共に、前記第1反射層220に隣接した第1‐2ドーピング層261b領域での抵抗減少による電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0355】
また、
図17bを参照すると、第1導電型第1ドーピング層261が第1‐1ドーピング層261a、第1‐2ドーピング層261b及び第1‐3ドーピング層261cを含む場合、第1‐1ドーピング層261aより活性層232から離隔して配置された第1‐2ドーピング層261bと第1‐3ドーピング層261cでのドーピング濃度がそれぞれd1、d2、d3に順次増加することで、活性層232に隣接した領域での光吸収による光度低下を防止すると共に、前記第1反射層220に隣接した領域での抵抗減少による電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0356】
(第5実施例)
次に、
図18は、第5実施例に係る面発光レーザ素子におけるエネルギーバンドダイヤグラム205の例示図である。
【0357】
第5実施例によれば、前記活性領域230は、前記第2反射層250と前記活性層232との間に配置される第2キャビティ233を含み、前記第2キャビティ233は、前記第2反射層250と接し、第2導電型第2ドーピング層262を含むことができる。
【0358】
実施例によれば、第2キャビティ233の一部領域に第2導電型第2ドーピング層262を含むことで、既存の活性領域に比べて抵抗を減少させることによって、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0359】
例えば、実施例において、第2キャビティ233が第2‐1キャビティ層233aと第2‐2キャビティ層233bを含む場合、前記活性層232からさらに離隔して配置された第2‐2キャビティ層233bに第2導電型第2ドーピング層262を含むことで、従来技術に比べて活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。例えば、第2キャビティ233にドーピングが行われた実施例の場合、活性領域で抵抗減少により、比較例に比べて動作電圧(Vf)が低くなり、光効率や光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0360】
実施例において、第2導電型第2ドーピング層262の領域は、前記第2キャビティ233の領域の10%~70%に制御されることで、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。このとき、前記第2導電型第2ドーピング層262の領域が前記第2キャビティ233の領域の70%を超える場合、ドーピング領域による光吸収によって光出力が低下し、その領域が10%未満の場合、抵抗減少効果の寄与度が低くなる。
【0361】
第3実施例~第5実施例を参照すると、前記第1導電型第1ドーピング層261と前記第2導電型第2ドーピング層262の合計領域は、前記活性領域230の全体領域の20%~70%に制御され、その上限を超える場合、ドーピング領域による光吸収によって光出力が低下し、下限未満の場合は抵抗減少効果の寄与度が低くなる。
【0362】
実施例において、第2導電型第2ドーピング層262で第2導電型ドーパントの濃度は1x1017~8x1017(atoms/cm3)の範囲に制御されることで、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。このとき、前記第2導電型第2ドーピング層262で第2導電型ドーパントの濃度がその上限を超える場合、ドーピング領域による光吸収によって光出力が低下し、その下限未満の場合、抵抗減少効果の寄与度が低くなる。
【0363】
また、実施例において、第2導電型第2ドーピング層262の第2導電型ドーパントの濃度が、第2反射層250の第2導電型ドーパントの濃度以下に制御されることで、ドーピング領域による光吸収を防止すると共に、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる。
【0364】
例えば、前記第2導電型第2ドーピング層262の第2導電型ドーパントの濃度は7x1017~3x1018(atoms/cm3)の範囲である場合、前記第2導電型第2ドーピング層262で第2導電型ドーパントの濃度は1x1017~7x1017(atoms/cm3)の範囲に制御されることで、活性領域における抵抗減少により電圧効率を向上させて光出力を向上させることができる技術的効果がある。
【0365】
次に、
図19は、実施例に係る面発光レーザパッケージが適用された移動端末機の斜視図である。
【0366】
図19に示されたように、実施例の移動端末機1500は、後面に提供されたカメラモジュール1520、フラッシュモジュール1530、自動焦点装置1510を含むことができる。ここで、前記自動焦点装置1510は、発光部として先述した実施例に係る面発光レーザ素子のうちの1つを含むことができる。
【0367】
前記フラッシュモジュール1530は、その内部に光を発光する発光素子を含むことができる。前記フラッシュモジュール1530は、移動端末機のカメラの作動または使用者の制御によって作動することができる。
【0368】
前記カメラモジュール1520は、イメージ撮影機能及び自動焦点機能を含むことができる。例えば、前記カメラモジュール1520は、イメージを利用した自動焦点機能を含むことができる。
【0369】
前記自動焦点装置1510は、レーザを利用した自動焦点機能を含むことができる。前記自動焦点装置1510は、前記カメラモジュール1520のイメージを利用した自動焦点機能が低下する条件、例えば10m以下の近接または暗い環境で主に使用される。前記自動焦点装置1510は、面発光レーザ素子を含む発光部と、フォトダイオードのような光エネルギーを電気エネルギーに変換する受光部を含むことができる。
【0370】
以上、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるものではない。延いては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施形態に対しても組合または変形されて実施可能である。したがって、このような組合と変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【0371】
以上、本発明を好ましい実施形態をもとに説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するものでなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、以上に例示していない多様な変形及び応用が可能であることが分かる。例えば、実施形態に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができる。そして、このような変形及び応用にかかわる差異点も、特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。