(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】換気装置
(51)【国際特許分類】
F24F 7/04 20060101AFI20240104BHJP
E06B 7/06 20060101ALI20240104BHJP
F24F 13/14 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
F24F7/04 B
E06B7/06
F24F7/04 A
F24F13/14 D
(21)【出願番号】P 2020016809
(22)【出願日】2020-02-04
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】518217877
【氏名又は名称】清水 満久
(74)【代理人】
【識別番号】100170014
【氏名又は名称】蓼沼 恵美子
(72)【発明者】
【氏名】清水 満久
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-100358(JP,U)
【文献】特開2004-251572(JP,A)
【文献】実開昭63-132007(JP,U)
【文献】実開昭54-077350(JP,U)
【文献】実開昭58-110516(JP,U)
【文献】国際公開第2017/168162(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1389159(KR,B1)
【文献】特開2005-164130(JP,A)
【文献】特開2007-271105(JP,A)
【文献】特開2001-208414(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0046588(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/04
E06B 7/06
F24F 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外から室内へ通じる第1空気導入路を有する筒状の枠体と、
前記枠体の室内側に配設され、前記第1空気導入路を塞いで仕切り、かつ、板厚方向に貫通された第1換気口を有する仕切り板と、
前記枠体内において前記仕切り板よりも室外側に配設され、厚さ方向に貫通する第2換気口を有し、第1外風圧により作動して前記第1換気口を開状態から閉状態とする第1開閉体と、
前記枠体内において前記第1開閉体よりも室外側に配設され、前記第1外風圧に対して強弱レベルが異なる第2外風圧により作動して前記第2換気口を開状態から閉状態とする第2開閉体と、
を備えている換気装置。
【請求項2】
前記第1空気導入路は、水平方向に延設され、
前記仕切り板は、下部よりも上部を室外側へ配置した傾斜状態において、前記枠体内に配設され、
前記第1開閉体は、上部を前記枠体内において揺動自在に支持し、下部を前記第1外風圧により垂直状態から室内側へ揺動可能に構成されている
請求項1に記載の換気装置。
【請求項3】
前記第1開閉体の室外側に配設され、前記第2換気口に連結されて当該第2換気口から室外側へ延設される第2空気導入路を有し、室外側の端面が下部よりも上部を室外側へ突出させた傾斜面に形成された筒状の連結枠体を更に備え、
前記第2開閉体は、上部を前記連結枠体の室外側の上部に揺動自在に支持し、下部を前記第2外風圧により垂直状態から室内側へ揺動可能に構成されている
請求項1又は請求項2に記載の換気装置。
【請求項4】
前記第2換気口の開口サイズは、前記第1換気口の開口サイズに比し小さく構成され、
前記第2換気口は、前記仕切り板に前記第1開閉体が重なったとき、室内側から見て前記第1換気口内に配置される構成とされている
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の換気装置。
【請求項5】
前記仕切り板には前記第1換気口を覆うフィルタが装着されている
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の換気装置。
【請求項6】
前記第1開閉体又は第2開閉体に装着位置が可変可能な錘が装着されている
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の換気装置。
【請求項7】
前記第1開閉体の第1空気導入路内における角度を調整する角度調整機構を更に備えている
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、建物用換気口が開示されている。この建物用換気口は、外気を室内に取り入れる空気導入路を有する筒体と、筒体内に設けられて空気導入路を遮蔽する流量調整板と、流量調整板に取り付けられたバネとを備えている。
建物用換気口では、バネ力と外風圧とによって流量調整板の開閉度が調整され、室外から室内へ取り入れる空気量を調整することができる。このため、外風が強く吹いても、流量調整板がバネ力に逆らって空気導入路を遮蔽し、空気導入路の開口率が小さくなるので、室内への外気の強い吹き込みを無くすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記建物用換気口では、外風圧の強弱に比例してバネが伸縮し、流量調整板の開閉度並びに空気導入路の開口率が一律に調整されている。
しかしながら、上記建物用換気口では、外風圧が強いときに適した空気流入量の調整、外風圧が弱いときに適した空気流入量の調整等、外風圧の強弱レベルに応じて室外から室内へ取り入れる空気流入量を調整することができない。このため、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、外風圧の強弱レベル毎に対応して室外から室内への空気流入量を調整することができる換気装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1実施態様に係る換気装置は、室外から室内へ通じる第1空気導入路を有する筒状の枠体と、枠体の室内側に配設され、第1空気導入路を塞いで仕切り、かつ、板厚方向に貫通された第1換気口を有する仕切り板と、枠体内において仕切り板よりも室外側に配設され、厚さ方向に貫通する第2換気口を有し、第1外風圧により作動して第1換気口を開状態から閉状態とする第1開閉体と、枠体内において第1開閉体よりも室外側に配設され、第1外風圧に対して強弱レベルが異なる第2外風圧により作動して第2換気口を開状態から閉状態とする第2開閉体と、を備えている。
【0007】
本発明の第2実施態様に係る換気装置では、第1実施態様に係る換気装置において、第1空気導入路は、水平方向に延設され、仕切り板は、下部よりも上部を室外側へ配置した傾斜状態において、枠体内に配設され、第1開閉体は、上部を枠体内において揺動自在に支持し、下部を第1外風圧により垂直状態から室内側へ揺動可能に構成されている。
【0008】
本発明の第3実施態様に係る換気装置では、第1実施態様又は第2実施態様に係る換気装置において、第1開閉体の室外側に配設され、第2換気口に連結されて第2換気口から室外側へ延設される第2空気導入路を有し、室外側の端面が下部よりも上部を室外側へ突出させた傾斜面に形成された筒状の連結枠体を更に備え、第2開閉体は、上部を連結枠体の室外側の上部に揺動自在に支持し、下部を第2外風圧により垂直状態から室内側へ揺動可能に構成されている。
【0009】
本発明の第4実施態様に係る換気装置では、第1実施態様~第3実施態様に係るいずれか1つの換気装置において、第2換気口の開口サイズは、第1換気口の開口サイズに比し小さく構成され、第2換気口は、仕切り板に第1開閉体が重なったとき、室内側から見て第1換気口内に配置される構成とされている。
【0010】
本発明の第5実施態様に係る換気装置では、第1実施態様~第4実施態様に係るいずれか1つの換気装置において、仕切り板には第1換気口を覆うフィルタが装着されている。
【0011】
本発明の第6実施態様に係る換気装置では、第1実施態様~第5実施態様に係るいずれか1つの換気装置において、第1開閉体又は第2開閉体に装着位置が可変可能な錘が装着されている。
【0012】
本発明の第7実施態様に係る換気装置は、第1実施態様~第6実施態様に係るいずれか1つの換気装置において、第1開閉体の第1空気導入路内における角度を調整する角度調整機構を更に備えている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外風圧の強弱レベル毎に対応して室外から室内への空気流入量を調整することができる換気装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る換気装置を側面方向から見た断面図(
図2に示されるY軸-Z軸垂直面に平行な仮想切断面Aにおいて矢印B方向から見た断面図)である。
【
図2】
図1に示される換気装置を室内側から室外側へ向かって見た正面遠近図である。
【
図3】
図1に示される換気装置を室外側から室内側へ向かって見た背面遠近図である。
【
図4】
図3に示される換気装置を室外側やや左斜め方向から室内側へ向かって見た背面遠近図である。
【
図5】
図1に示される換気装置の第1作動状態における断面図である。
【
図6】
図1に示される換気装置の第2作動状態における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面の
図1~
図6を用いて、本発明の一実施の形態に係る換気装置について説明する。
なお、図中、適宜示されている矢印Xは三次元座標系のX軸方向を示し、矢印YはX軸-Y軸水平面においてX軸方向に対して垂直なY軸方向を示している。また、矢印Zは、X軸方向及びY軸方向に対して垂直であって、上方向を指し示すZ軸方向を示している。本実施の形態の説明において、X軸方向は「左右方向」、Y軸方向は「前後方向」、Z軸方向は「上下方向」とそれぞれ表現する場合がある。これらの方向は、本実施の形態に係る換気装置の説明を理解し易くするために便宜的に示された方向であって、本発明における方向を限定するものではない。
【0016】
(換気装置1の全体構成)
図1~
図4に示されるように、本実施の形態に係る換気装置1は一般住宅、ビル等の建物に設置されている。特に、一般住宅では、居住空間の室内外を仕切る外壁、屋根裏部屋の室内外を仕切る外壁、床下空間の室内外を仕切る外壁等に、換気装置1は設置されている。
換気装置1は、枠体2と、仕切り板3と、第1開閉体4と、第2開閉体5とを主要な構成要素として含んで構成されている。換気装置1は更に角度調整機構7を備えている。
以下、換気装置1の各構成要素について、詳述する。
【0017】
(枠体2の構成)
図1~
図4に示されるように、枠体2は、室外11から室内10へ通じ、室外11の外気を室内10へ取り入れる第1空気導入路21を有し、室内10側から見て(以下、「正面視」と表現する場合がある)矩形筒状に形成されている。本実施の形態では、枠体2は正面視において略正方形の筒状に形成されている。枠体2は、下板2aと、上板2bと、左右一対の側板2c及び側板2dとを枠状に組み立てて形成されている。
第1空気導入路21は、本実施の形態では、室内10側から室外11側へ向かってY軸方向に沿って、つまり水平方向に沿って延設されている。
なお、枠体2は、正面視において、上下方向に比し左右方向に長い横長の矩形筒状、左右方向に比し上下方向に長い縦長の矩形筒状のいずれであってもよい。
【0018】
枠体2の下板2aは、正面視において、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とし、上下方向を厚さ方向とする板状に形成されている。上板2bは、同様に、正面視において、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とし、上下方向を厚さ方向とする板状に形成されている。
側板2cは、正面視において下板2a及び上板2bの左端に配置され、上下方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とし、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。側板2cの下端部は下板2aの左端部に接続され、側板2cの上端部は上板2bの左端部に接続されている。
側板2dは、下板2a及び上板2bの右端に配置され、側板2cと同様に、上下方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とし、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。側板2dの下端部は下板2aの右端部に接続され、側板2dの上端部は上板2bの右端部に接続されている。
【0019】
下板2a、上板2b、側板2c、側板2dのそれぞれは、例えば木製板材、樹脂製板材及び金属製板材のいずれか1つ又は複数の材料を組み合わせて製作されている。ここでは、下板2a、上板2b、側板2c、側板2dのそれぞれは、同一の木製板材により形成され、接着剤若しくはビス、ねじ等の締結部材を用いて接続されている。
なお、下板2a、上板2b、側板2c及び側板2dの少なくとも一部、例えば下板2a、側板2cのそれぞれは一体又は一体的に構成されてもよい。ここで、「一体」に構成されるとは、例えば一枚の金属製板材を折り曲げて下板2a及び側板2cを成形するという意味において使用されている。また、「一体」に構成されるとは、例えば成形金型内に樹脂材料を注入して下板2a及び側板2cを一緒に成形するという意味において使用されている。
一方、「一体的」に構成されるとは、例えば各々金属製板材により形成された下板2aと側板2cとを溶接により接合する、又は各々樹脂製板材により形成された下板2aと側板2cとを接着剤により接着するという意味において使用されている。
【0020】
このように構成される枠体2では、正面視(
図1及び
図2参照)において室内10側に矩形状の開口2Aが形成されている。一方、室外11側から見て(以下、「背面視」と表現する場合がある)枠体2の室外11側には矩形状の開口2Bが形成されている。
【0021】
(仕切り板3の構成)
図1~
図4に示されるように、仕切り板3は、枠体2の内部において、室内10側に配設されている。仕切り板3は、枠体2の第1空気導入路21を塞いで仕切る構成とされ、更に室外11から室内10へ外気を取り入れる第1換気口31を備えている。
【0022】
図1及び
図2に示されるように、仕切り板3は、上下方向を長手方向とし、左右方向を短手方向とし、前後方向を板厚方向とする矩形板材により形成されている。そして、枠体2内部において、仕切り板3の上部は下部よりも室外11側へ配置され、仕切り板3は傾斜状態に組み付けられている。
このため、仕切り板3の上下方向の長さは、枠体2の開口2Aの上下方向の長さ、又は側板2c、側板2dのそれぞれの上下方向の長さに比し、若干、長く設定されている。仕切り板3の左右方向の長さは、開口2Aの左右方向の長さ、又は下板2a、上板2bのそれぞれの左右方向の長さと同等に設定されている。
【0023】
特に傾斜角度が限定されるものではないが、本実施の形態では、仕切り板3の室外11側の表面と枠体2の下板2aの上面とがなす角度θ1が60度~80度の範囲内に設定されている(
図1参照)。仕切り板3の傾斜角度は固定されている。
仕切り板3は、例えば木製板材、樹脂製板材及び金属製板材のいずれかにより、又は木材、樹脂材及び金属材のうち複数の材料を組み合わせて製作されている。
【0024】
図1及び
図2に示されるように、第1換気口31は、正面視において仕切り板3の中央部に配設され、仕切り板3を板厚方向に貫通して形成されている。第1換気口31は、正面視において、枠体2の開口2Aの相似形に近い形状であって、開口2Aに比し一回り小さい矩形の開口形状に形成されている。第1換気口31では、室外11から室内10へ取り入れる最大限の空気流入量を調整することができる。
なお、第1換気口31の開口形状は、矩形の開口形状に限定されるものではない。例えば、第1換気口31の開口形状は、四角形以外の多角形の開口形状、円形の開口形状、楕円形の開口形状、長手方向端部に円弧形状を有するスリット形の開口形状であってもよい。また、第1換気口31の開口形状に角部が存在するときには、面取り部位があってもよい。
【0025】
仕切り板3の室内10側の表面上には、フィルタ支持枠32が配設されている。フィルタ支持枠32は、正面視において第1換気口31の左右両側及び下側に沿ってU字形状に形成され、仕切り板3の室内10側の表面から適度な隙間を持って離間して配設されている。仕切り板3の表面とフィルタ支持枠32との間には、第1換気口31を覆うフィルタ33が装着されている。
ここでは、フィルタ33は、仕切り板3とフィルタ支持枠32との間に上方から下方へ向かって挿入して装着される。装着されたフィルタ33は、逆方向へ向かって取り出し、交換可能とされている。
【0026】
フィルタ33として、例えば、砂塵、虫等の通過を効果的に遮断し、清浄な外気を室外11から室内10へ取り込むことができる自然吸気口用のエアーフィルタが使用されている。具体的には、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、モダアクリル樹脂等の1つ又は複数の樹脂材料の織布又は不織布により形成されたエアーフィルタを実用的に使用することができる。なお、フィルタ33には、空調換気扇用のエアーフィルタも使用することができる。
【0027】
(第1開閉体4の構成)
図1、
図3及び
図4に示されるように、第1開閉体4は、枠体2内において仕切り板3よりも室外11側に配設されている。さらに、第1開閉体4は、室外11から室内10へ外気を取り入れる第2換気口41を備えている。
【0028】
第1開閉体4は被支持部42と、本体43と、支持部44とを含んで構成されている。被支持部42は、枠体2内の上部であって第1空気導入路21の上部に配設され、背面視において左右方向を長手方向とし、上下方向を短手方向とし、前後方向を厚さ方向とする、本体43の厚さに比し厚手の矩形板材により形成されている。
図3及び
図4に示されるように、背面視において、被支持部42の左端は枠体2の側板2dの内壁まで延設され、被支持部42の右端は側板2cの内壁まで延設されている。被支持部42の左端と側板2dの内壁との間は、空気の流れをほぼ遮断しつつ、側板2dに対して被支持部42が移動可能(又は揺動可能)な隙間に設定されている。被支持部42の右端と側板2cの内壁との間は、同様に、空気の流れをほぼ遮断しつつ、側板2cに対して被支持部42が移動可能な隙間に設定されている。
【0029】
図1及び
図4に示されるように、被支持部42の左端部には枠体2の側板2dを通して支持部44が取り付けられている。同様に、被支持部42の右端部には側板2cを通して支持部44が取り付けられている。被支持部42は、左右一対の支持部44を回転中心Cとして、室内10側、室外11側のそれぞれへ、表現を代えれば正面視において前後方向へ揺動する構成とされている。
【0030】
図1、
図3及び
図4に示されるように、本体43は、枠体2内の下部であって第1空気導入路21の下部に配設され、被支持部42の下部であって左右方向中間部に一体又は一体的に構成されている。このため、背面視において、被支持部42及び本体43の形状はT字形状に形成されている。本体43は前後方向を板厚方向とする板材により形成されている。本体43の下端は枠体2の下板2aの上面まで延設されている。本体43の下端と下板2aの上面との間は、空気の流れをほぼ遮断しつつ、下板2aに対して本体43が移動可能(揺動可能)な隙間に設定されている。
背面視において、本体43の左端は、第1開閉体4が仕切り板3に重なったとき、第1換気口31を覆って塞ぐと共に、枠体2の側板2dの内壁に達しない長さに設定されている。このため、第1開閉体4の被支持部42の下端と、本体43の左端と、側板2dの内壁と、下板2aの上面とによって周囲が規定される第1サイド換気口45Aが、第1空気導入路21内に形成される。
一方、背面視において、本体43の右端は、第1開閉体4が仕切り板3に重なったとき、第1換気口31を覆って塞ぐと共に、枠体2の側板2cの内壁に達しない長さに設定されている。同様に、第1開閉体4の被支持部42の下端と、本体43の右端と、側板2cの内壁と、下板2aの上面とによって周囲が規定される第2サイド換気口45Bが、第1空気導入路21内に形成される。
【0031】
本体43の下端部には補助板46が一体又は一体的に構成されている。補助板46は、室外11側へ立設され、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とし、上下方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。補助板46の長手方向の寸法は本体43の同一方向の寸法とほぼ同一に設定されている。
補助板46は、第1開閉体4の室内10側への移動(傾斜)に伴い、本体43の室外11側の表面において上方から下方への空気の流れを抑制して本体43の浮力を促進し、第1開閉体4の移動を補助する機能を有する。また、補助板46は、補強板としても使用され、本体43の機械的強度の向上に寄与している。
第1開閉体4は、例えば木製板材、樹脂製板材及び金属製板材のいずれかにより、又は木材、樹脂材及び金属材のうち複数の材料を組み合わせて製作されている。
【0032】
第2換気口41は、
図2に示されるように、正面視において本体43の中央部に配設され、
図1に示されるように、本体43を板厚方向に貫通して形成されている。
図2に示されるように、第2換気口41は、正面視において仕切り板3の第1換気口31の開口形状の相似形に近い矩形の開口形状に形成され、第1換気口31の開口サイズに比し一回り小さい開口サイズに設定されている。第2換気口41の第1開閉体4における配置位置は第1換気口31の仕切り板3における配置位置に対応させてあり、仕切り板3に第1開閉体4が重なったとき、正面視において第2換気口41は第1換気口31内に配置される構成とされている。
【0033】
図1、
図3及び
図4に示されるように、本体43の室内10側の表面上には、第2換気口41を覆うフィルタ47が装着されている。第1開閉体4では、フィルタ47は本体43に貼り付けられている。フィルタ47としては、例えば第1換気口31に装着されているフィルタ33と同様のエアーフィルタが使用されている。
【0034】
さらに、本実施の形態では、第1開閉体4に錘48が装着可能されている。装着個数に限定されるものではないが、ここでは、背面視において第1開閉体4の本体43の左右両側に一対に、合計2個の錘48が装着されている。
一方の錘48は、本体43の室外11側の表面であって、本体43の左端部と第2換気口41との間に配設され、上下方向に延設された左右一対のガイド49に沿って、上下方向である矢印D方向へ移動可能とされている。左右一対のガイド49間、又はガイド49と本体43との間に錘48が挟み込まれる構成とされているので、錘48はガイド49に沿って移動可能であって、適切な移動位置が装着位置となって、錘48が装着位置において保持される。
他方の錘48は、本体43の室外11側の表面であって、本体43の右端部と第2換気口41との間に配設され、一方の錘48と同様に、上下方向に延設された左右一対のガイド49に沿って、矢印D方向へ移動可能とされている。また、錘48はガイド49に沿って移動可能であって、装着位置において錘48が保持される。
【0035】
図1及び
図4に示されるように、第1開閉体4は、室外11側から室内10側へ流れ込む第1外風圧(
図6の符号「W1」参照)が無いとき、真下に垂れ下がって垂直状態にあり、仕切り板3の第1換気口31を開状態とする。
一方、第1外風圧が有るとき、この第1外風圧によって第1開閉体4は、仕切り板3側(室内10側)へ移動(揺動)し、室外11側から室内10側へ第1空気導入路21を通って流れる空気流入量を減少方向に調整する。第1外風圧が最も大きくなったとき、第1開閉体4は、第1換気口31を閉状態とし、第1換気口31を通して室内10側へ流れる空気を遮断する(
図6参照)。
そして、第1外風圧が再度無くなると、第1開閉体4は、自重により自然に垂直状態に戻って、第1換気口31を開状態とする。
【0036】
(連結枠体6の構成)
図1、
図3及び
図4に示されるように、第1開閉体4には、更に、背面視において矩形筒状に形成された連結枠体6が配設されている。連結枠体6は、下板6aと、上板6bと、左右一対の側板6c及び側板6dとを枠状に組み立てて形成されている。
この連結枠体6は、室外11から第2換気口41へ通じ、室外11の外気を第2換気口41へ導く第2空気導入路61を備えている。第2空気導入路61は、本実施の形態では、第1空気導入路21内の上下左右の中間部に配設され、第1空気導入路21と平行な水平方向に沿って延設されている。
【0037】
連結枠体6の下板6aは、背面視において、左右方向を長手方向とし、上下方向を短手方向とし、前後方向を厚さ方向とする板状に形成されている。上板6bは、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とし、上下方向を厚さ方向とする板状に形成されている。上板6bの室外11側の端面は、下板6aの室外11側の表面よりも室外11側へ突出された位置に配置されている。
【0038】
側板6cは、背面視において下板6a及び上板6bの右端に配置され、上下方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とし、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。側板6cは、側方から見て(以下、「側面視」と表現する場合がある)、第1開閉体4の本体43に接続される室内10側の辺を底辺とし、連結枠体6の上板6bの下面に接続される辺を高さとする直角三角形の形状に形成されている。
同様に、側板6dは、背面視において下板6a及び上板6bの左端に配置され、上下方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とし、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。側板6dは、側面視において、第1開閉体4の本体43に接続される室内10側の辺を底辺とし、連結枠体6の上板6bの下面に接続される辺を高さとする直角三角形の形状に形成されている。
つまり、連結枠体6は、室外11側の端面が下部よりも上部を室外11側へ突出させた傾斜面を備えている。この傾斜面は連結枠体6の側板2c、側板2dのそれぞれの室外11側の後端面により構築され、側面視において側板2c、側板2dのそれぞれの後端は直角三角形の斜辺に相当する。本実施の形態では、側板2c、側板2dのそれぞれの直角三角形における高さと斜辺とがなす角度θ2は、仕切り板3の傾斜角度θ1に比し大きく設定されている。
連結枠体6は、例えば木製板材、樹脂製板材及び金属製板材のいずれかにより、又は木材、樹脂材及び金属材のうち複数の材料を組み合わせて製作されている。
【0039】
連結枠体6の下板6a、上板6b、側板6c、側板6dのそれぞれの室外11側の後端により周囲が規定された開口であって、第2空気導入路61の室外11側の開口は第3換気口62として構成されている。
図2に示されるように、第3換気口62は、正面視において第1開閉体4の第2換気口41の開口形状に近い開口形状に形成され、第2換気口41の開口サイズに比し一回り小さい開口サイズに設定されている。そして、正面視において、第3換気口62は第2換気口41内に配置される構成とされている。
【0040】
(第2開閉体5の構成)
図1、
図3及び
図4に示されるように、第2開閉体5は、枠体2内において第1開閉体4、更に具体的には連結枠体6よりも室外11側に配設されている。本実施の形態では、第2開閉体5には換気口は形成されていない。
【0041】
第2開閉体5は、本体52と、支持部53とを備えている。本体52は、第3換気口62を覆って配設され、前後方向を板厚方向とする、背面視において矩形板状に形成されている。
本体52の上部は支持部53を介して連結枠体6の上板6bに接続されている。支持部53として、本実施の形態では金属製又は樹脂製のヒンジが使用されている。つまり、ヒンジの連結回転部位を回転中心Eとして、室内10側、室外11側のそれぞれへ、表現を代えれば背面視において前後方向へ、第2開閉体5(本体52)は上板6bに対して揺動する構成とされている。
【0042】
本体52の下端部には補助板54が一体又は一体的に構成されている。補助板54は、室外11側へ立設され、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とし、上下方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。補助板54の長手方向の寸法は本体52の同一方向の寸法とほぼ同一に設定されている。
補助板54は、第1開閉体4の補助板46と同様に、第2開閉体5の移動を補助する機能を有し、又本体52の機械的強度の向上に寄与している。
第2開閉体5は、例えば木製板材、樹脂製板材及び金属製板材のいずれかにより、又は木材、樹脂材及び金属材のうち複数の材料を組み合わせて製作されている。
【0043】
図1及び
図4に示されるように、第2開閉体5は、室外11側から室内10側へ流れ込む第2外風圧が無いとき、支持部53から真下に垂れ下がって垂直状態にあり、第3換気口62を開状態とする。ここで、「第2外風圧」とは、「第1外風圧」に対して強弱レベルが異なる外風圧である。本実施の形態では、第1外風圧は第2外風圧の強弱レベルに比し強いレベルとされている。例えば、第1外風圧は15m/s以上とされ、第2外風圧は10m/s以下とされている。第2換気口41は第3換気口62に第2空気導入路61を通して連結されているので、第3換気口62が開状態とされると、第2換気口41は開状態となる。
一方、第2外風圧が有るとき、この第2外風圧によって第2開閉体5は、第1開閉体4側(連結枠体6側)へ移動(揺動)し、室外11側から第2換気口41側へ第2空気導入路61を通して流れる空気流入量を減少方向に調整する。第2外風圧が最も大きくなったとき、第2開閉体5は、第3換気口62及び第2換気口41を閉状態とし、第2換気口41を通して流れる空気を遮断する。
そして、第2外風圧が再度無くなると、第2開閉体5は、自重により自然に垂直状態に戻って、第3換気口62及び第2換気口41を開状態とする。
【0044】
(角度調整機構7の構成)
図1及び
図2に示されるように、本実施の形態に係る換気装置1には、第1開閉体4の第1空気導入路21における傾斜角度を調整する角度調整機構7が配設されている。詳しく説明すると、角度調整機構7は、滑車71と、第1紐72と、第2紐73と、ガイド板74と、連結体75とを含んで構成されている。
【0045】
滑車71は、枠体2内であって仕切り板3よりも室内10側に配設され、枠体2の側板2cの内壁上部に支持軸71aを介して回転自在に取り付けられている。滑車71は定滑車である。
【0046】
滑車71の下方であって側板2cの内壁にはガイド板74が配設されている。ガイド板74は、前後方向を長手方向とし、左右方向を短手方向とし、上下方向を厚さ方向とする板状に形成されている。さらに、ガイド板74の側板2c側の端部から上方向へ向けて立設された立設部74aが配設されている。正面視において、立設部74aを含めたガイド板74はL字形状に形成されている。立設部74aを備えているので、ガイド板74の板厚よりも上下方向に接続面積を稼ぐことができ、ガイド板74の側板2cに対する取付強度を向上することができる。
ガイド板74には、板厚方向を貫通するガイド穴(符号省略)が前後に合計2個配設されている。
【0047】
図1に示されるように、滑車71の円周囲には第1紐72の上側の一端部が反時計回りに巻き掛けられ、第1紐72の一端は滑車71に固定されている。第1紐72の下側の他端部はガイド板74の室外11側に配設されたガイド穴を通してガイド板74の下方に導かれている。ガイド板74の下方に導かれた第1紐72の他端部には、ガイド穴を通過することができないストッパ部72aが装着されている。なお、ストッパ部72aは、ガイド穴を通過することができない結び目により代用してもよい。
一方、滑車71の円周囲であって、第1紐72の滑車71に巻き掛けられた一端部よりも径方向外側には第2紐73の上側の一端部が時計回りに巻き掛けられ、第2紐73の一端は滑車71に固定されている。第2紐73の下側の他端部はガイド板74の室内10側に配設されたガイド穴を通してガイド板74の下方に導かれている。第2紐73の他端部にはストッパ部は装着されていない。
【0048】
連結体75の室内10側の一端部75Aは、滑車71の側面であって、支持軸71aと滑車71の外周面との中間部に接続されている。一方、連結体75の室外11側の他端部75Bは、仕切り板3に貫通して配設された連結穴35を通して第1開閉体4の本体43に接続されている。ここで、連結体75として、弾性部材、具体的にはコイルスプリングが使用されている。
【0049】
このように構成される角度調整機構7では、
図1に示されるように、第1紐72に装着されたストッパ部72aがガイド板74よりも下方に位置し、滑車71と連結体75の一端部75Aとの接続位置が滑車71の支持軸71aよりも室外11側に配置されている。この状態では、連結体75が室外11側に配置されているので、第1開閉体4は仕切り板3から室外11側へ離間されている。つまり、角度調整機構7は、仕切り板3の第1換気口31を開状態とする位置に、第1開閉体4の傾斜角度を調整し、第1開閉体4を垂直状態とする。
一方、角度調整機構7では、第2紐73を下方へ引っ張ると、連結体75の弾性力に抗して滑車71は支持軸71aを回転中心として反時計回りに回転する。これにより、第1紐72は滑車71に巻き掛けられ、ストッパ部72aがガイド板74に当たって止められた段階において第1紐72の滑車71への巻き掛けが停止する。この状態では、連結体75が室内10側へ移動しているので、第1開閉体4は仕切り板3まで室内10側へ移動して仕切り板3に重なる。つまり、角度調整機構7は、仕切り板3の第1換気口31を閉状態とする位置に、第1開閉体4の傾斜角度を調整し、第1開閉体4を傾斜状態とする。
なお、角度調整機構7では、第1紐72を下方へ引っ張れば、滑車71は時計回りに回転し、仕切り板3の第1換気口31を開状態とする位置に第1開閉体4の傾斜角度を戻すことができる。
【0050】
角度調整機構7では、連結体75として弾性部材が使用されているので、仕切り板3に第1開閉体4を重ねたときに、適度な引張弾性力を利用して、仕切り板3に第1開閉体4を安定に密着させて保持させることができる。
また、角度調整機構7では、仕切り板3に第1開閉体4を重ねて、第1換気口31を第1開閉体4により閉状態としたとき、連結体75の弾性力は滑車71を反時計回りに回転させる方向へ常に作用する。このとき、第1紐72に装着されたストッパ部72aはガイド板74に当たって第1紐72の動きが止められている。この状態においてバランスが取れているので、特に留め具等の構成要素を必要とすることなく、滑車71の回転を止めて仕切り板3に第1開閉体4を保持させることができる。
【0051】
(作用効果)
本実施の形態に係る換気装置1は、
図1~
図4に示されるように、枠体2と、仕切り板3と、第1開閉体4と、第2開閉体5とを備える。
枠体2は室外11から室内10へ通じる第1空気導入路21を備える。仕切り板3は、枠体2の室内10側に配設され、第1空気導入路21を塞いで仕切り、かつ、板厚方向に貫通された第1換気口31を備える。第1開閉体4は、枠体2内において仕切り板3よりも室外11側に配設され、厚さ方向に貫通する第2換気口41を備える。第2開閉体5は、枠体2内において第1開閉体4よりも室外11側に配設される。
ここで、第1開閉体4は、第1外風圧により作動して仕切り板3の第1換気口31を開状態から閉状態とする。一方、第2開閉体は、第1外風圧に対して強弱レベルが異なる第2外風圧により作動して第1開閉体4の第2換気口41を開状態から閉状態とする。
【0052】
詳しく説明する。
図1には、外風圧が無い状態(無風状態)又は第2外風圧(以下、第2外風圧に符号「W2」を付す。)の強弱レベルが弱い状態における換気装置1が示されている。この状態では、換気装置1の第1開閉体4、第2開閉体5のそれぞれは自重により垂直状態にある。
このため、第1開閉体4は、仕切り板3の第1換気口31に対して室外11側へ離間され、第1換気口31を開状態とする。第2開閉体5は、第1開閉体4の第2換気口41に対して室外11側へ離間され、第2換気口41を開状態とする。実際には、第1開閉体4と第2開閉体5との間に連結枠体6が配設されているので、第2開閉体5は、連結枠体6の第3換気口62を開状態とする。これにより、第2外風圧W2は、第1空気導入路21、第3換気口62、第2空気導入路61、第2換気口41、第1換気口31のそれぞれを通って、室外11から室内10へ取り込まれる。
さらに、第2外風圧W2は、第1空気導入路21、第1開閉体4の左右両側に形成された第1サイド換気口45A及び第2サイド換気口45B、第1換気口31のそれぞれを通って、室外11から室内10へ取り込まれる。
【0053】
図5には、第2外風圧W2の強弱レベルが強い状態における換気装置1が示されている。この状態では、換気装置1の第1開閉体4は、第2開閉体5に比し、サイズを大きくして重くしているので、自重により垂直状態にある。一方、第2開閉体5は、軽くされているので、第2外風圧W2により作動して室内10側へ矢印F方向へ移動する。第2外風圧W2の強弱レベルが最も強い状態になると、第2開閉体5は、連結枠体6の第3換気口62を塞くことによって第1開閉体4の第2換気口41を塞ぎ、第2換気口41を閉状態とする。
このため、第2外風圧W2は、第1空気導入路21、第1開閉体4の左右両側に形成された第1サイド換気口45A及び第2サイド換気口45B、第1換気口31のそれぞれを通って、室外11から室内10へ取り込まれる。
【0054】
図6には、第2外風圧W2の強弱レベルに対して異なる更に強い外風圧である第1外風圧(以下、第1外風圧に符号「W1」を付す。)における換気装置1が示されている。この状態では、換気装置1の第1開閉体4、第2開閉体5のそれぞれは、第1外風圧W1により作動して室内10側へ矢印G方向、矢印F方向へそれぞれ移動する。第2開閉体5は、連結枠体6の第3換気口62及び第1開閉体4の第2換気口41を塞ぎ、第2換気口41を閉状態とする。第1開閉体4は、仕切り板3の第1換気口31を塞ぎ、第1換気口31を閉状態とする。
このため、最終的に第1換気口31が第1開閉体4により塞がれ、第1換気口31が閉状態とされるので、第1外風圧W1による空気は遮断されて室外11から室内10へ取り込まれない。
【0055】
このように構成される換気装置1では、第1外風圧W1により作動する第1開閉体4と、第1外風圧W1とは異なる強弱レベルの第2外風圧W2により作動する第2開閉体5とが第1空気導入路21に多段に配設されるので、外風圧の強弱のレベル毎に室外11から室内10への空気流入量を調整することができる。
【0056】
また、本実施の形態に係る換気装置1では、
図1に示されるように、枠体2の第1空気導入路21は水平方向に延設され、仕切り板3は下部よりも上部を室外11側へ配置した傾斜状態において、枠体2内に配設される。そして、第1開閉体4は、上部を枠体2内において揺動自在に支持し、下部を第1外風圧W1により垂直状態から室内10側へ揺動可能に構成する。
これにより、第1外風圧W1が無いとき、第1開閉体4は垂直状態とされ、仕切り板3の第1換気口31が開状態になる(
図1参照)。一方、第1外風圧W1が有るとき、第1開閉体4は、仕切り板3側(室内10側)へ揺動し、室外11から第1換気口31を通して室内10へ流れる空気流入量を減少方向に調整する(
図6参照)。
図6に示されるように、第1外風圧W1が最も大きくなったとき、第1開閉体4は、第1換気口31を閉状態とし、第1換気口31を通して室内10へ流れる空気を遮断する。そして、第1外風圧W1が無くなると、第1開閉体4は、自重により自然に垂直状態に戻って、第1換気口31を開状態とする(
図1参照)。
このため、第1開閉体4は第1外風圧W1に応じて第1換気口31の開閉をするので、第1開閉体4を用いて第1外風圧W1に応じた空気流入量を自動的に調整することができる。
【0057】
さらに、本実施の形態に係る換気装置1は、
図1、
図3及び
図4に示されるように、連結枠体6を備える。連結枠体6は、枠体2内において、第1開閉体4の室外11側に配設され、第1開閉体4の第2換気口41に連結されて第2換気口41から室外11側へ延設される第2空気導入路61を有する。この連結枠体6は、室外11側の端面を下部よりも上部を室外11側へ突出させた傾斜面に形成し、筒状に形成される。そして、第2開閉体5は、上部を連結枠体6の室外11側の上部に揺動自在に支持し、下部を第2外風圧W2により垂直状態から室内10側へ揺動可能に構成する。
図1に示されるように、第2外風圧W2が無いとき、第2開閉体5は垂直状態にあり、第1開閉体4の第2換気口41は開状態にある。一方、第2外風圧W2が有るとき、第2開閉体5は、第2換気口41側(室内10側)へ揺動し、室外11から第2換気口41を通して室内10へ流れる空気流入量を減少方向に調整する(
図5参照)。
図5に示されるように、第2外風圧W2が最も大きくなったとき、第2開閉体5は、第2換気口41を閉状態とし、第2換気口41を通して流れる空気を遮断する。そして、第2外風圧W2が無くなると、第2開閉体5は、自重により自然に垂直状態に戻って、第2換気口41を開状態とする。
このため、第2開閉体5は第2外風圧W2に応じて第2換気口41の開閉をするので、第2外風圧W2に応じた空気流入量を自動的に調整することができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る換気装置1では、
図1、
図2及び
図6に示されるように、第1開閉体4の第2換気口41の開口サイズは仕切り板3の第1換気口31の開口サイズに比し小さく構成される。そして、第2換気口41は、仕切り板3に第1開閉体4が重なったとき、正面視において第1換気口31内に配置される構成とされる。
このため、仕切り板3に第1開閉体4が重なったときには、第2換気口41を通して室外11側から室内10側へ空気が流れるので、第1換気口31の開口サイズに関係無く、第2換気口41の開口サイズに応じた空気流入量に調整することができる。
【0059】
さらに、本実施の形態に係る換気装置1では、
図1、
図2及び
図4に示されるように、仕切り板3には第1換気口31を覆うフィルタ33が装着される。このため、室外11から室内10への虫や砂塵がフィルタ33により捕獲されるので、清浄な外気を室内10に取り入れることができる。
なお、換気装置1として、清浄な空気を取り込むには、少なくとも第1換気口31を覆うフィルタ33が配設されていればよい。本実施の形態では、
図1に示されるように、第1開閉体4の室内10側の表面に第2換気口41を覆うフィルタ47が装着されている。フィルタ47は、勿論、清浄な空気の取り込みに寄与するが、仕切り板3、第1開閉体4のそれぞれの材質に比し柔らかい材質、若しくは弾性力を有する材質により形成されている。このため、仕切り板3、第1開閉体4のそれぞれはフィルタ47を介して接触を繰り返すので、接触音の発生を効果的に抑制又は防止することができる。
【0060】
また、本実施の形態に係る換気装置1では、
図1、
図3及び
図4に示されるように、第1開閉体4に錘48が装着される。錘48の装着位置は第1開閉体4の上下方向において可変可能とされる。
このため、第1外風圧W1に対する第1開閉体4の作動率(揺動率)を調整することができるので、室内10に取り入れる空気流入量が錘48の装着位置に応じて任意に調整することができる。
なお、本実施の形態では、第1開閉体4に錘48が装着されているが、第2開閉体5、又は第1開閉体4及び第2開閉体5の双方に錘48が装着されてもよい。また、第1開閉体4及び第2開閉体5の双方に錘48が装着されなくてもよい。
【0061】
そして、本実施の形態に係る換気装置1は、
図1及び
図2に示されるように、第1開閉体4の第1空気導入路21における角度を調整する角度調整機構7を備える。
このため、角度調整機構7を用いて、第1開閉体4の第1空気導入路21における角度、具体的には傾斜角度を調整することができるので、室内10に取り込む空気流入量を任意に調整することができる。
【0062】
(その他の実施の形態)
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変形可能である。
例えば、上記実施の形態に係る換気装置1では、仕切り板3に1つの第1換気口31が配設され、第1開閉体4に1つの第2換気口41が配設されている。本発明は、第1換気口31及び第2換気口41の少なくとも一方を複数配設してもよい。
また、上記換気装置1では、第1空気導入路21に第1開閉体4及び第2開閉体5の2段階の開閉体を備えているが、本発明は、第2開閉体5の室外11側に更に1以上の開閉体を備え、多段階の開閉体としてもよい。
また、本発明は、第1外風圧W1の強弱レベルが第2外風圧W2に比し弱い設定とされ、この設定に基づいて作動する第1開閉体4及び第2開閉体5を備えた換気装置1を構築してもよい。
さらに、上記実施の形態に係る換気装置1では、一般住宅、ビル等の建物に適用されているが、本発明は、自動車、電車等の車両、又は船舶、又は航空機の換気装置1として適用可能である。加えて、本発明は、小型化して建物の窓サッシの換気装置1として適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 換気装置
2 枠体
21 第1空気導入路
3 仕切り板
31 第1換気口
33、47 フィルタ
4 第1開閉体
41 第2換気口
48 錘
5 第2開閉体
6 連結枠体
61 第2空気導入路
62 第3換気口
7 角度調整機構