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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】人事労務関連業務のタスク管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/105 20230101AFI20240104BHJP
【FI】
G06Q10/105
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020061651
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021162963
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518389060
【氏名又は名称】株式会社Flucle
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】三田 弘道
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-182405(JP,A)
【文献】特開2014-052922(JP,A)
【文献】特開2002-157326(JP,A)
【文献】特開2019-164582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人事労務関連の業務フローを構成する複数のタスクを管理する、人事労務関連のタスク管理システムであって、
人事労務関連の複数の前記タスクに係るタスク情報と、複数の前記タスク情報を含む個別業務フロー情報と、各タスク情報に関連し帳票である社内書面情報とを格納する記憶部と、
前記個別業務フロー情報を業務フロー画面として表示し、前記業務フロー画面に並べられた複数のタスク表示と共に、前記タスク表示に対応した前記社内書面情報が紐づけられた社内書面表示を表示する表示部と、
前記社内書面表示をユーザが選択することにより、当該社内書面表示に対応する前記社内書面情報を出力する制御部とを備え、
前記制御部は、前記個別業務フロー情報の前記タスクの進捗等があった場合の情報の変更を処理し、
前記社内書面情報は、対応する前記タスク情報に紐づけられており、
前記表示部は、前記業務フロー画面に並べられた複数の前記タスク表示の間に選択条件表示を表示し、
前記制御部は、ユーザが1つの前記選択条件表示の選択することにより、次の他の前記タスク表示を表示する、人事労務関連業務のタスク管理システム。
【請求項2】
前記社内書面情報は、採用、入社、退職、結婚、離婚、引っ越し、妊娠、出産、育児休業、育児短時間勤務の取得、休職、復職および介護休業の少なくとも1つに関する企業ごとで使用される帳票に係る情報を含む、請求項1に記載の人事労務関連業務のタスク管理システム。
【請求項3】
前記記憶部は、さらに、対応する前記タスク情報に紐づけられているQ&A情報を含み、
前記表示部は、Q&A情報を表示する、請求項1に記載の人事労務関連業務のタスク管理システム。
【請求項4】
前記記憶部は、さらに、各業務フローにおける各タスクの完了の有無を記憶し、
前記制御部は、各業務フローの前記タスクの完了の割合に基づいた業務別指標を集計する、請求項1~3に記載の人事労務関連業務のタスク管理システム。
【請求項5】
複数の前記業務フローの前記業務別指標から会社指標を集計する、請求項4に記載の人事労務関連業務のタスク管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人事労務関連業務のタスクを管理するためのタスク管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、業務の内容や進捗を管理する仕組みとして、タスク管理システムが利用されている。そのようなタスク管理システムは、所定の業務に関係する作業(タスク)が表示され、それらのタスクを順にこなしていくことにより、漏れなく作業を行うことができる。
【0003】
しかし、従来、そのようなタスク管理システムは、業務内容が各社で異なるため、業務フローごとのフォーマット(雛型)によってタスク管理が行われるものは少なく、業務フローを各社ごとに作成して、各社の業務内容に合わせてタスク管理をするものが多かった。例えば、特許文献1に記載の作業支援装置、タスク管理方法は、プロジェクトや業務ごとにタスクを定義し、業務フローを作成するものである。
【0004】
ところで、人事労務関係の業務は、労働基準法に代表される各種の法律や規則により、業務の大枠が決定されている場合が多い。すなわち、人事労務関係の業務は、業務フローごとに最低限の必要タスクが決まっている。一方で、人事労務関係の業務は、業務フローを実行する際に、必要となる帳票(社内書面)が多岐にわたっており、タスクの実行を複雑にしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-237736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の作業支援装置、タスク管理方法では、プロジェクトに応じた最適な業務フローを作成できるものの、利用しようとする複数の企業に対する普遍的な業務フローではないため、個別に業務フローを作成することが困難な場合もあった。また、業務フローの中で使用する帳票関係をタスクに応じて管理するというような思想はなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述の課題を解決すべく提供される本発明の人事労務関係業務のタスク管理システムは、人事労務関連の業務フローを構成する複数のタスクを管理する。このタスク管理システムは、複数の前記タスクに係るタスク情報と、複数の前記タスク情報を含む個別業務フロー情報と、各タスク情報に関連する社内書面情報とを格納する記憶部と、前記個別業務フロー情報を業務フロー画面として表示し、前記業務フロー画面に並べられた前記タスク表示と共に、前記タスク表示に対応して前記社内書面情報を紐づけた社内書面表示を表示する表示部と、前記社内書面表示をユーザが選択することにより、当該社内書面表示に対応する前記社内書面情報を出力する制御部とを備える。
【0008】
この人事労務関係業務のタスク管理システムでは、業務フローごとに最低限の必要タスクが決まっている人事労務関係業務フローであるため、所定のフォーマットにより形成された業務フロー情報に基づいてタスク管理を行うことができる。したがって、このタスク管理システムは、プロジェクトや業務ごとにタスクを定義し、個別業務フローを作成するものではないため、個別業務フロー情報の作成およびタスク管理が容易になる。
【0009】
また、この人事労務関係業務のタスク管理システムでは、タスク表示に対応して社内書面表示が表示され、社内書面表示に紐づけられた社内書面情報を表示(閲覧)することができる。したがって、所定のフォーマットに基づいて作成された個別業務フロー情報において、各タスクに必要な帳票を準備しておくことが可能なため、管理システムの製作が容易でありながら、管理システムの利便性が高まる。
【0010】
なお、前記した人事労務関係業務のタスク管理システムは、業務フロー情報である所定のフォーマットに基づいて作成された個別業務フロー情報が当初より有する所定のタスクに加えて、ユーザがタスクを追加したい場合に、新規タスクを追加できてもよい。そのようにすれば、ユーザの意図により業務フローのタスク追加ができるため、管理システムの製作が容易でありながら、管理システムの利便性が高まる。ただし、前記した人事労務関係業務のタスク管理システムは、ユーザがタスクを削除することを禁止していてもよい。
【0011】
(2)前記した人事労務関係業務のタスク管理システムにおいて、前記記憶部は、さらに、各タスクに関連するルールブックに関するルールブック情報を格納し、前記表示部は、前記業務フロー画面に並べられた前記タスク表示に対応して前記ルールブック情報を紐づけたルールブック表示として表示し、前記制御部は、前記ルールブック表示をユーザが選択することにより、前記ルールブック情報を出力するようにしてもよい。
【0012】
上述の構成によれば、業務フロー画面は、社内書面表示に加え、タスク表示に対応したルールブック表示を有し、タスクに対応したルールブック(社内ルール)の該当部分が表示される。したがって、所定のフォーマットにより形成された個別業務フロー情報において、各タスクに必要なルールブックを準備しておくことが可能なため、管理システムの製作が容易でありながら、管理システムの利便性が高まる。
【0013】
(3)前記した人事労務関係業務のタスク管理システムにおいて、前記記憶部は、さらに、各タスクに関連する就業規則に関する就業規則情報を格納し、前記表示部は、前記業務フロー画面に並べられた前記タスク表示に対応して前記就業規則情報を紐づけた就業規則表示として表示し、前記制御部は、前記就業規則表示をユーザが選択することにより、前就業規則情報を出力するようにしてもよい。
【0014】
上述の構成によれば、業務フロー画面は、社内書面表示およびルールブック表示に加え、タスク表示に対応した就業規則表示を有し、タスクに対応した就業規則の該当部分を表示(閲覧)することができる。したがって、所定のフォーマットにより形成された業務フローにおいて、各タスクに必要な就業規則を準備しておくことが可能なため、管理システムの製作が容易でありながら、管理システムの利便性が高まる。
【0015】
(4)前記した人事労務関係業務のタスク管理システムにおいて、前記社内書面情報、前記ルールブック情報、および前記就業規則情報を、会社ルール情報に基づいて変更するようにしてもよい。
【0016】
上述の構成によれば、会社ルール情報に変更があった場合に、会社ルール情報の変更に基づいて、前記社内書面情報、前記ルールブック情報、および前記就業規則情報が変更される。そのようにすれば、会社ルールに整合した人事労務関係業務のタスク管理が実現され、管理システムの製作が容易でありながら、管理システムの利便性が高まる。ここで、会社ルールとは、会社全体の人事労務関係の取り決めを管理するマスター情報である。
【0017】
(5)前記表示部は、前記個別業務フロー情報画面に並べられた複数の前記タスク表示の間に選択条件表示を表示し、前記制御部は、ユーザが1の前記選択条件表示の選択することにより、次の他の前記タスクを表示するようにしてもよい。
【0018】
上述の構成によれば、ユーザがタスク表示の選択条件表示を選択することにより、次のタスクが表示されるため、ユーザがタスクの選択による分岐に悩む必要がなくなる。このとき、人事労務関係業務のタスク管理システムは、業務フローが人事労務関係業務によるものであるため、タスクの選択による分岐を容易にあらかじめ設定しておくことができる。したがって、この人事労務関係業務のタスク管理システムでは、管理システムの製作が容易でありながら、管理システムの利便性が高まる。
【0019】
(6)前記記憶部は、さらに、各業務フローにおける各タスクの完了の有無を記憶し、前記制御部は、各業務フローの前記完了の割合に基づいた業務別指標を集計するようにしてもよい。
【0020】
上述の構成によれば、ユーザは、各タスクに対応する各業務フローの前記完了の割合に基づいた業務別指標が集計されるため、当該業務別指標を確認しながら業務フローを実行することができる。例えば、業務別指標が危険度に関する危険度情報である場合、その業務の危険度を知ることができ、業務フローに対する注意喚起を促すことができる。
【0021】
(7)前記した人事労務関連業務のタスク管理システムは、複数の前記業務フローの前記業務別指標から会社指標を集計するようにしてもよい。
【0022】
上述の構成によれば、会社全体の指標となる会社指標が集計されるため、会社全体の業務に対する指標を知ることができる。例えば、会社指標が危険度に関する危険度情報である場合、その企業に潜む人事労務関連のリスクを推し量ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、管理システムの製作が容易でありながら、業務フロー作成およびタスク管理が容易を容易にした利便性の高い人事労務関係のタスク管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る人事労務関係のタスク管理システムの全体を示す模式図である。
図2図1の人事労務関係のタスク管理システムの機能ブロックである。
図3図1の人事労務関係のタスク管理システムが表示する業務フロー画面の一例である。
図4図3の業務フロー画面が下側にスクロールした状態を示す一例である。
図5図4の業務フロー画面が選択肢により変更する一例である。
図6図1の人事労務関係のタスク管理システムが表示する業務フローの一覧画面を示す一例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態に係る人事労務タスク管理システムSについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態に係る人事労務タスク管理システムSの運用形態の概念を示す図である。図1に示すように、本実施の形態に係る人事労務タスク管理システムSは、複数のクライアント端末40とインターネット50を介して接続されている。
【0027】
本実施の形態において、クライアント端末40は、ユーザUにより使用される。ユーザUは、自身の所属する企業Cにおいて、人事労務関連のタスク管理を人事労務タスク管理システムSにより実行する。ユーザUのクライアント端末40は、主に、デスクトップPC等の固定型の情報処理装置(以下、「固定型端末」とも称す。)であるが、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC等の携帯型の情報処理装置(以下、「携帯型端末」とも称す。)であってもよい。
【0028】
図1に示すとおり、人事労務タスク管理システムSは、サーバーとして機能する情報処理装置であり、制御装置10を備えている。また、制御装置10は、サービス提供者のサーバーに設けられている。
【0029】
制御装置10は、インターネットのようなネットワーク50を介して、複数の企業CのユーザUのクライアント端末40と接続可能とされている。換言すれば、人事労務タスク管理システムSは、複数のユーザUがタスク管理を実行できるサービスを提供可能としている。このように、人事労務タスク管理システムSは、いわゆるクラウドサービスとして人事労務に関するタスク管理を支援する。
【0030】
図1には、本実施の形態に係る人事労務タスク管理システムSにおける情報処理装置のハードウエア構成を模式的に示している。本実施の形態に係る人事労務タスク管理システムSに含まれる種々の情報処理装置は、ハードウエア構成として図1に示すように、CPU11、RAM12、ROM13、およびI/F(図示を省略)を含み、それぞれがバスを介して接続されている。
【0031】
このようなハードウエア構成において、ROM13、HDD(図示を省略)またはSSD等の記憶媒体に格納されたプログラム(人事労務タスク管理プログラム)がRAM12に読み出され、CPU13がそれらのプログラムに従って演算を行うことにより、制御装置10が構成される。そのような制御装置10とハードウエアとの組み合わせによって、図2に示す本実施の形態に係る人事労務タスク管理システムSを実現する制御装置10の機能ブロックが構成される。
【0032】
制御装置10は、各種の情報を格納して記憶する記憶部20と、各種の画面に係る情報をクライアント端末40に送信して、所定の画面をクライアント端末40の表示装置42に表示させる表示部31と、ユーザUの管理する案件ごとの個別業務フローを生成し、ユーザUの処理を実行する個別業務フロー生成処理部32と、タスクの処理状況を管理するタスク情報管理部33と、タスク情報管理の有するタスク処理状況に基づき指標を生成する指標生成部34と、制御装置10の各部を制御する制御部30とを備える。
【0033】
図2に示すデータベース20(記憶部)は、ユーザUの所属する企業Cごとに記憶領域が分けられており、一の企業Cの情報は、他の企業Cからはアクセスできないように構成されている。データベース20(記憶部)の各企業の記憶領域には、業務フロー情報格納部21、社内書面情報格納部22、就業規則情報格納部23、ルールブック情報格納部24、Q&A情報格納部25、メール文面情報格納部26、メモ情報格納部27が設けられている。
【0034】
業務フロー格納部21には、人事労務関連の複数のタスク情報から構成される複数の業務フロー情報が格納されている。業務フロー情報は、採用、入社、退職、結婚、離婚、引っ越し、妊娠、出産、育児休業、育児短時間勤務の取得、休職、復職、介護休業等に関する人事労務関連の業務ごとに作成され、格納されている。すなわち、人事労務タスク管理システムSは、業務フロー情報が複数のタスク情報を含み、業務フローの単位でタスク情報を管理することができる。
【0035】
本実施形態に係るタスク管理システムSでは、複数のユーザUのクライアント端末40を介して、制御装置10に接続可能であるため、各クライアント端末40から、業務フローの雛型である業務フロー情報にアクセスすることができる。業務フロー情報は、複数の企業CのユーザUにより、共通のデータとして使用することができる。
【0036】
社内書面情報格納部22は、ユーザUの所属する企業Cが従業員に適用するルールブック情報、就業規則情報および法令で規定される規則等において使用される社内書面情報(帳票)を含む。社内書面情報格納部22は、例えば、採用、入社、退職、結婚、離婚、引っ越し、妊娠、出産、育児休業、育児短時間勤務の取得、休職、復職、介護休業等に関する企業Cごとで使用される帳票に係る情報を含み、それぞれが、業務フロー情報のタスク情報に紐づけられている。すなわち、各タスク情報ごとに対応する社内書面情報が設けられている。ただし、タスク情報の内容によっては、社内書面情報が設けられない場合もある。
【0037】
就業規則情報格納部23は、ユーザUの所属する企業Cが従業員に適用する就業規則情報が格納されている。就業規則情報は、法律に準じて社内で規定される就業規則に係る情報である。就業規則情報は、例えば、採用、入社、退職、結婚、離婚、引っ越し、妊娠、出産、育児休業、育児短時間勤務の取得、休職、復職、介護休業等に関する企業Cごとの就業規則に係る情報を含み、それぞれが、業務フロー情報のタスク情報に紐づけられている。すなわち、各タスク情報ごとに対応する就業規則情報が設けられている。ただし、タスク情報の内容によっては、就業規則情報が設けられない場合もある。
【0038】
ルールブック情報格納部24には、ユーザUの所属する企業Cが従業員に適用するルールブック情報が格納されている。ルールブック情報は、企業の人事労務に関するルールブックに係る情報を含む。ルールブック情報は、例えば、採用、入社、退職、結婚、離婚、引っ越し、妊娠、出産、育児休業、育児短時間勤務の取得、休職、復職、介護休業等に関する企業Cごとのルールに係る情報を含み、それぞれが、業務フロー情報のタスク情報に紐づけられている。すなわち、各タスク情報ごとに対応するルールブック情報が設けられている。ただし、タスク情報の内容によっては、ルールブック情報が設けられない場合もある。
【0039】
Q&A情報格納部25は、業務フロー情報を構成するタスク情報に対応してユーザUが閲覧を望むと予想される複数のQ&A情報を含む。すなわち、Q&A情報格納部25には、ユーザUがタスクを処理する際に疑問に生じると想定される情報がQ&A形式で格納されている。Q&A情報は、従来からの人事労務に関するタスクを処理するうえで生じた疑問に基づく情報を含み、それぞれが、業務フロー情報のタスク情報に紐づけられている。すなわち、各タスク情報ごとに対応するQ&A情報が設けられている。ただし、タスク情報の内容によっては、Q&A情報が設けられない場合もある。
【0040】
メール文面情報格納部26は、業務フロー情報を構成するタスク情報に対応して、ユーザUが利用するメール文面に係る情報を含む。具盾的には、メール文面情報格納部26には、ユーザUがタスクを処理する際に送信するメール文面の雛型に係る情報が格納されている。メール文面情報は、それぞれが、業務フロー情報のタスク情報に紐づけられている。すなわち、各タスク情報ごとに対応するメール文面情報が設けられている。ただし、タスク情報の内容によっては、メール文面情報が設けられない場合もある。
【0041】
メモ情報格納部27は、業務フロー情報を構成するタスク情報に対応して、ユーザUがタスクを処理する過程で記憶しておくメモに係る情報を含む。すなわち、メモ情報格納部27には、ユーザUがタスクを処理する過程で入力するテキスト情報が格納されている。
【0042】
また、社内書面情報格納部22、就業規則情報格納部23およびルールブック情報格納部24は、会社ルール情報格納部(図示しない)に連結しており、会社ルール情報が変更されることにより、会社ルール情報の変更に連動して社内書面情報、就業規則情報およびルールブック情報が変更される。すなわち、会社ルール情報は、社内書面情報、就業規則情報およびルールブック情報のマスター情報として機能する。
【0043】
表示部31は、各種の画面に係る情報をクライアント端末40に送信して、所定の画面をクライアント端末40の表示装置に表示させる。具体的には、表示部31は、業務フロー情報に基づく業務フロー画面、社内書面情報に基づく社内書面画面、就業規則情報に基づく就業規則画面、ルールブック情報に基づくルールブック画面、Q&A情報に基づくQ&A表示、メール文面情報に基づくメール文面画面、メモ情報に基づくメモ画面等の画面を表示させる。
【0044】
また、表示部31は、後述する業務フロー画面100に並べられたタスク表示102と共に、タスク表示102に対応して社内書面情報が紐づけられた社内書面表示、就業規則表示108、ルールブック表示107、メール文面表示110、Q&A表示109、メモ表示106を表示し(図3図5を参照)、各表示をクリックすることで各表示に基づく情報が出力される。
【0045】
ここで本明細書において、各情報の出力は、当該情報に係る画面を表示すること、当該情報に係るデータをダウンロードすること、当該情報に係る書類を印刷することを含む。例えば、「1-1内定通知書を出す」のタスク表示102において、就業規則表示をクリックすると、内定通知書に関する就業規則が記載された就業規則画面が表示され、社内書面表示(内定通知書の「ダウンロード」ボタン)をクリックすると内定通知書に関するデータがダウンロードされる。
【0046】
個別業務フロー生成処理部32は、ユーザUの管理する案件ごとの個別業務フロー情報を生成し、ユーザUの処理を実行する。具体的には、ユーザUが管理する複数の案件のそれぞれに、対応する業務フロー情報を雛型にして、個別業務フロー情報を生成する。さらに、生成した個別業務フロー情報において、タスクの進捗等があった場合の情報の変更を処理する。また、個別業務フロー情報は、雛型である業務フロー情報にもともと含まれているタスクに加え、ユーザUが所望のタスクを追加することができてもよい。
【0047】
個別業務フロー情報は、例えば、第1の従業員の採用に関する業務フローを管理する案件をユーザUが管理する場合、第1の従業員に対する採用の個別業務フロー情報が生成される。さらに、個別業務フロー情報の有する複数のタスクが順次完了していく際に完了を示す情報が入力された場合に入力された情報へ変更する処理を実行する。他にも、個別業務フロー情報において、ユーザUが所望のタスクを追加する処理を実行し、また、各タスク情報に含まれるメモ情報がユーザUによって入力された場合にメモ情報を変更する処理を実行する。
【0048】
タスク情報管理部33は、タスクの処理状況を管理する。具体的には、タスク情報管理部33は、個別業務フロー情報生成処理部32により生成された個別業務フロー情報に含まれる処理状況を管理する。例えば、タスク情報管理部33は、複数のタスクについて完了の有無を処理状況として管理する。さらに、タスク情報管理部は、個別業務フロー情報の完了タスクの割合を集計する。すなわち、タスク情報管理部は、各個別業務フロー情報ごとに、タスクの完了した数を集計する。
【0049】
指標生成部34は、タスク情報管理部33の集計に基づき、業務フローごとに業務フロー別指標を生成し、または、複数の業務フロー別の指標を統合して会社指標を生成する。例えば、指標生成部34は、業務フローごとにタスクの完了の割合を集計し、業務危険度を求めることができる。また、例えば、指標生成部34は、各業務の業務危険度を統合して会社指標としての全社危険度を求めることができる。
【0050】
制御部30は、制御装置10において、記憶部20、表示部31、個別業務フロー生成処理部32、タスク情報管理部33と、指標生成部34等の各部を制御する。例えば、制御部30は、社内書面表示をユーザUが選択することにより、当該社内書面表示に対応する社内書面情報を出力する。また例えば、ルールブック表示をユーザUが選択することにより、ルールブック情報を出力し、就業規則表示をユーザが選択することにより、業規則情報を出力する。
【0051】
また例えば、制御部30は、ユーザUが1の選択条件表示の選択することにより、次の他のタスク表示を表示する。また例えば、制御部30は、指標生成部と共同して、各業務フローのタスクの完了の割合に基づいた業務別指標を集計し、または、複数の業務別指標から会社指標を集計する。
【0052】
<個別業務フロー情報の画面>
図3図5は、入社に関する個別業務フロー情報を表示する業務フロー画面100の一例を示す図である。個別業務フロー情報は、業務フロー情報にユーザUの管理する案件の個別情報(従業員情報等)を入力することで生成される。例えば、入社に関する個別業務フロー情報は、入社に関する業務フロー情報において、従業員に個別に設けられたIDまたはメールアドレスを入力することで生成される。また、個別業務フロー情報は、業務フロー情報格納部に格納され記憶される。したがって、業務フロー情報格納部は、個別業務フロー情報の雛型である複数種類の業務フロー情報と、各種類の業務フロー情報ごとに生成された複数の個別業務フロー情報とを記憶する。
【0053】
図3に示すように、入社に関する業務フロー画面には、「1.内定を出す」、「2.雇用条件の確定」等の業務101が表示される。各業務は、複数のタスクを含み、各業務フロー情報画面100は、上から順に並べられた複数のタスク表示102を有する。例えば、「1.内定を出す」という業務フローは、「1-1内定通知書を出す」、「1-2内定通知書を受け取る」等の業務を有し、また例えば、「1.内定を出す」業務は、「1-1内定通知書を出す」、「1-2内定承諾書を受け取る」という2つのタスク表示102から構成される。
【0054】
各タスク表示102は、タスクの名称を表示する横に、タスクの完了の有無を示すチェックボタン103を有する。例えば、図3において、「1-1内定通知書を出す」タスクに対応するチェックボックスはチェックが入っており、タスクが完了していることを示す。一方、「1-2内定承諾書を受け取る」のタスクに対応するチェックボックス103はチェックが入っておらず、タスクが完了していないことを示す。チェックボックス103には、ユーザがタスクを完了した際にチェックボックス103をクリックすることで、チェックマークが入り、タスクの完了を表示するとともに、個別業務フロー情報を変更する処理が実行される。また、タスクが完了した処理情報は、タスク情報管理部33により集計される。
【0055】
また、チェックボックスの下には、「スキップ」ボタン104が設けられており、ユーザがタスクをスキップする場合は、スキップボタン104をクリックすることでタスク表示102が、いわゆるダークアウトして表示され、タスクの実行をスキップしたことが表示される。
【0056】
また、各タスク表示102は、当該タスクに関連する社内書面情報を出力するための社内書面表示105を有する。例えば、「1-1内定通知書を出す」というタスクにおいては、社内書面表示105として「内定通知書」ボタンが設けられており、これをクリックすることで、社内書面情報として、社内書面情報格納部に格納された「内定通知書」に係るデータをダウンロードすることができる。また、社内書面表示はユーザの操作により社内書面情報を画面表示するようにしてもよいし、印刷するようにしてもよい。
【0057】
さらに、各タスクは、当該タスクに係る、メモ情報を記入するためのメモ画面を開くためのメモ表示106としての「メモ」ボタンを備え、また、ルールブック情報を出力するためのルールブック表示107としての「ルールブック」ボタン、就業規則を出力するため就業規則表示108としての「就業規則」ボタン、Q&A情報を表示するためQ&A表示109としての「Q&A」ボタン、メール文面情報を表示するメール文面表示110としての「メール文面」ボタンを備える。
【0058】
なお、「メモ」ボタン、「ルールブック」ボタン、「就業規則」ボタン、「Q&A」ボタンは、該当する情報が存在しない場合は、ボタンが黒く表示されクリック不能となっている。例えば、「1-2内定通知書を受け取る」のタスクにおいては、ルール情報、就業規則情報、メール文面情報が存在しないため、「ルールブック」ボタン、「就業規則」ボタン、「メール文面」ボタンが、クリック不能で黒く表示されている(図3の「1-2内定承諾書を受け取る」のタスク表示102を参照)。
【0059】
図4は、図3に示す入社に関する業務フロー情報において、業務フローが進み、下方のタスクを表示した状態を示す業務フロー画面100である。
【0060】
図4に示す業務フロー画面100は、「2-3.社会保険の有無を決定する」タスク表示102において、「社会保険の加入」について「YES」および「No」という選択条件表示111を有する。すなわち、表示部31は、業務フロー画面100に並べられた複数のタスク表示102の間に選択条件表示111する。
【0061】
図5は、図4に示す選択表示に対して「YES」を選択した場合の業務フロー画面100の変移を示す。図5に示す画面は、「YES」が選択されたことを示すように黒塗りで表示され、図4にて表示されていた「2-3.社会保険の有無を決定する」の下に「2-3-1.健康保険の申請をする」、「2-3-2.年金の申請をする」等のタスク表示102が追加で表示される。すなわち、表示部31は、ユーザUが選択条件表示の選択することにより、次の他のタスク表示102を表示する。
【0062】
なお、「2-3-1.健康保険の申請をする」ボタンは、社内書面表示として社内書面情報格納部に格納された「健康保険申請書」情報をダウンロードすることができる。また、「2-3-1.健康保険の申請をする」ボタンは、ユーザの操作により社内書面情報を画面表示するようにしてもよい。
【0063】
図6は、業務フローの一覧画面200を示す図である。
【0064】
業務フローの一覧画面200では、「1.入社」、「2.退職」、「3.結婚(氏名変更あり)」、「4.結婚(氏名変更なし)」、「5.引っ越し」、「6.妊娠・出産」、「7.育児休業」等の業務項目表示201が表示されている。各業務項目表示をクリックすることで対応する業務フロー情報へ推移し、例えば、推移した先で従業員のIDを入力することで、当該従業員に対応した個別業務フロー情報が生成される。
【0065】
「業務フローの一覧」の表示の右には、会社指標202として全社危険度を表示する全社危険度表示が設けられている。また、各業務表示の右には、業務別指標203として各業務フローの危険度を表示する業務危険度表示が設けられている。本実施形態において、各業務フローの危険度はA~Fで表示され、Aに近いほど危険度が高くなっている。危険度表示により、会社全体の危険度、業務の危険度を確認することができ、
【0066】
業務別危険度は、タスク処理管理部が、個別業務フロー情報ごとに、タスクの完了した割合、すなわちチェックボックス103のチェックの数を集計し、タスクの完了している割合が大きい場合に、業務別指標生成部は、危険度が低いという業務別指標を生成し、表示部31が危険度表203として表示する。
【0067】
また、全社危険度は、業務別指標の各危険度の度合いに基づき、全社的な危険度を生成し、表示部31が全社危険度表202として表示する。
【0068】
以上、本発明の実施形態に係る人事労務タスク管理システムSにいて説明してきた。しかし、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、情報、機能ブロック等のそれぞれについて種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、人事労務タスク管理システムに関する。
【符号の説明】
【0070】
S 人事労務タスク管理システム
10 制御装置
20 記憶部
21 業務フロー情報格納部
22 社内書面情報格納部
23 就業規則情報格納部
24 ルールブック情報格納部
25 Q&A情報格納部
26 メール文面情報格納部
27 メモ情報格納部
30 制御部
31 表示部
32 個別業務フロー生成部
33 タスク情報管理部
34 指標生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6