(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】携帯型機器の保護システム
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20240104BHJP
F16F 7/00 20060101ALI20240104BHJP
F16F 7/12 20060101ALI20240104BHJP
H04M 1/17 20060101ALI20240104BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
H05K5/02 C
F16F7/00 F
F16F7/12
H04M1/17 A
G06F1/16 313C
(21)【出願番号】P 2020543921
(86)(22)【出願日】2019-02-15
(86)【国際出願番号】 US2019018259
(87)【国際公開番号】W WO2019161233
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-02-15
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520307252
【氏名又は名称】バレオ ケーシズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス,ファン
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/180123(WO,A1)
【文献】特開2017-17232(JP,A)
【文献】特開2019-140451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
F16F 7/00
F16F 7/12
H04M 1/17
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電子機器用の保護システムであって、
第1の衝撃吸収パネルと、
第2の衝撃吸収パネルと、
前記パネルの間に挿入された携帯型電子機器の厚さに対応するために前記パネルを離して保持するように適合された複数のスペーサーと、を含む、保護システム。
【請求項2】
前記スペーサーおよび前記パネルが、異なる厚さを有する携帯型電子機器を収容するように適合される、請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スペーサーを、異なるフットプリントを有する携帯型電子機器を収容するように再配置することができる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記スペーサーが、前記パネルで衝撃吸収構造を形成する、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記構造が、前記パネルの少なくとも1つの材料を変形させることによって衝撃を吸収する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記構造が、前記パネルの少なくとも1つの剛性材料を破壊させることによって衝撃を吸収する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記構造が、前記スペーサーのうちの1つまたは複数を前記パネルの少なくとも1つに対して移動させることによって衝撃を吸収する、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
携帯型電子機器用の保護システムであって、
その周囲に複数の取り付けスロットを有する第1の剛性シェルと、
前記第1のシェルの内側上の第1の衝撃吸収材料と、
その周囲に複数の取り付けスロットを有する第2の剛性シェルと、
前記第2のシェルの内側上の第2の衝撃吸収材料と、
前記取り付けスロットで前記
第1の剛性シェル
および前記第2の剛性シェルに取り付けるように適合された複数のスペーサーであって、前記スペーサーが、前記
第1の剛性シェルおよび前記第2の剛性シェルを前記
第1の剛性シェルおよび前記第2の剛性シェルの内側が互いに向き合うように離して保持し、それによって、前記
第1の剛性シェルおよび前記第2の剛性シェルと前記スペーサーとの間に前記携帯型電子機器のための保護された空間を形成する、複数のスペーサーと、を含む、保護システム。
【請求項9】
前記スロットが、前記スペーサーが前記シェル上に再配置されることを可能にするように配置される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記スロットが、前記スペーサー
が衝撃力に応答して移動することを可能にするように配置される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記スロットの少なくともいくつかは、前記シェルの中心から前記シェルの周辺まで延びる幾何学的構成要素を有する線に沿って配置された1つまたは複数のセクションを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記シェルの少なくとも1つが、ユーザーが携帯型電子機器を握って前記保護された空間から前記携帯型電子機器を取り外すことを可能にするアクセススロットを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記スペーサーの少なくともいくつかが、締結具を使用して支柱を前記シェルに取り付けることを可能にするためのねじ山を有する前記支柱を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記スペーサーがめねじを有し、
前記締結具がネジを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記スペーサーの少なくともいくつかが、バンパーを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項16】
前記シェルの縁を緩衝するように適合されたバンパーをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項17】
前記バンパーが、前記シェルの縁と係合するための2つの溝を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
衝撃吸収材料を有する第1のシェルの内側に複数のスペーサーを取り付けること、および、
衝撃吸収材料を有する第2のシェルの内側に前記スペーサーを取り付け、それにより前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間に携帯型電子機器のための保護された空間を作り出すことを含む、方法。
【請求項19】
前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間の前記保護された空間内に携帯型電子機器を摺動させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記携帯型電子機器のサイズおよび形状に対応するように前記第1および前記第2のシェル上の前記スペーサーの位置を調整することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記スペーサーの前記位置を調整することは、前記第1および前記第2のシェルのスロットに沿って前記スペーサーの位置を移動させることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記携帯型電子機器の厚さに対応するように前記スペーサーの長さを調整することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記スペーサーの前記長さを調整することは、異なる長さのスペーサーを使用することを含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、参照により組み込まれる、2018年2月15日に出願された米国仮特許出願第No.62/631,415の優先権を主張する。
【0002】
著作権
この特許文書の開示の一部には、著作権保護の対象となる資料が含まれている。著作権所有者は、特許商標庁の特許ファイルまたは記録に現れるが、それ以外の場合は、全ての著作権を留保するため、特許開示のいずれかによるファクシミリ複製に異議を唱えない。
【0003】
ラップトップコンピューター、タブレット、スマートフォンなどの携帯型電子機器の保護ケースは、ほとんどの場合、特定のモデルの機器に適合するようにカスタム設計されている。マルチ機器またはユニバーサルフィットのケースが利用可能であるが、フィットまたはパフォーマンスが低下する傾向がある。カスタムフィットのケースでさえ、通常、衝撃力などのストレスや衝撃から最小限の保護しか提供しない。
【発明の概要】
【0004】
この特許出願の発明の原理のいくつかは、保護システムが、パネル間に挿入された携帯型電子機器の厚さに対応するため第1の衝撃吸収パネル、第2の衝撃吸収パネル、およびパネルを離して保持するように適合された複数のスペーサーを含む携帯型電子機器の保護システムに関係する。スペーサーおよびパネルは、異なる厚さを有する携帯型電子機器を収容するように適合させることができる。スペーサーは、異なるフットプリントを有する携帯型電子機器を収容するために再配置可能であり得る。スペーサーは、パネルで衝撃吸収構造を形成する場合がある。構造は、パネルの少なくとも1つの材料を変形させることによって、またはパネルの少なくとも1つの剛性材料を破壊させることによって、衝撃を吸収することができる。構造は、1つまたは複数のスペーサーを少なくとも1つのパネルに対して移動させることによって衝撃を吸収することができる。
【0005】
この特許出願の他のいくつかの発明の原理は、保護システムが、周囲に複数の取り付けスロットを有する第1の剛性シェルと、第1のシェルの内側上の第1の衝撃吸収材料と、周囲に複数の取り付けスロットを有する第2の剛性シェルと、第2のシェルの内側上の第2の衝撃吸収材料と、取り付けスロットでシェルに取り付けるように適合された複数のスペーサーとを含み、スペーサーは、パネルの内側が互いに向き合うようにパネルを離して保持し、それにより、シェルとスペーサーの間に携帯型電子機器のための保護された空間を形成する、携帯型電子機器の保護システムに関係する。スロットは、スペーサーをシェル上に再配置できるように配置することができる。スロットは、衝撃力に応答してスペーサーが動くことを可能にするように配置され得る。スロットの少なくともいくつかは、略シェルの中心からシェルの周辺まで延びる幾何学的構成要素を有する線に沿って配置された1つまたは複数の線形セクションを含み得る。シェルの少なくとも1つは、ユーザーが携帯型電子機器を握って保護された空間からそれを取り外すことを可能にするためのアクセススロットを含み得る。スペーサーの少なくともいくつかは、締結具を使用して支柱をシェルに取り付けることを可能にするためのねじ山を有する支柱を含み得る。スペーサーにはめねじがあり締結具にはネジが含まれていてもよい。システムは、シェルの縁を緩衝するように適合されたバンパーを含み得、バンパーは、シェルの縁と係合するための2つの溝を含み得る。
【0006】
この特許出願の他のいくつかの発明の原理は、衝撃吸収材料を有する第1のシェルの内側に複数のスペーサーを取り付けることと、衝撃吸収材料を有する第2のシェルの内側にスペーサーを取り付けることとを含む方法に関し、これにより、第1のシェルと第2のシェルの間に携帯型電子機器用の保護された空間が作成される。この方法は、携帯型電子機器を第1のシェルと第2のシェルとの間の保護された空間に摺動させることを含み得る。この方法は、携帯型電子機器のサイズおよび形状に対応するために、第1および第2のシェル上のスペーサーの位置を調整することを含み得る。スペーサーの位置を調整することは、第1および第2のシェルのスロットに沿ってスペーサーの位置を移動することを含み得る。この方法は、携帯型電子機器の厚さに対応するようにスペーサーの長さを調整することを含み得る。スペーサーの長さの調整には、異なる長さのスペーサーの使用が含まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本特許開示の本発明の原理による、携帯型電子機器のための保護システムの第1の実施形態を示している。
【
図2】
図2は、本特許開示の本発明の原理による、
図1の実施形態の分解図である。
【
図3】
図3は、
図1の実施形態の平面図であり、本特許開示の本発明の原理に従い、上部パネルが取り外され、携帯型電子機器がスペーサー間の保護された空間に配置されることを示している。
【
図4】
図4は、本特許開示の本発明の原理による、スペーサー、パネル、および締結具の実施形態の断面図である。
【
図5】
図5~8は、本特許開示の本発明の原理による、シェルおよび衝撃吸収材料の縁のいくつかの可能なプロファイルを示す断面図である。
【
図9】
図9、9Aおよび10は、本特許開示の本発明の原理による、取り付けスロットのいくつかの追加の配置を示している。
【
図11】
図11は、本特許開示の本発明の原理による、携帯型電子機器の保護システム用のバンパーの実施形態を示している。
【
図14】
図14は、本特許開示の本発明の原理による、携帯型電子機器の保護システムの設計の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本特許開示の本発明の原理による、携帯型電子機器のための保護システムの第1の例示的な実施形態を示す。
図1のシステムは、第1の衝撃吸収パネル100と、第2の衝撃吸収パネル102と、パネル間に挿入された携帯型電子機器の厚さに対応するケースを形成するようにパネルを離して保持するように適合された複数のスペーサー104とを含む。(
図14は、パネル間のケースに挿入された機器の例を示している。)
【0009】
再び
図1を参照すると、スペーサー104およびパネル100、102は、異なる厚さおよびフットプリントを有する携帯型電子機器を収容するように適合され得る。パネル間の距離は、スペーサー104の長さを変更することによって調整することができ、それにより、以下でより詳細に説明するように、異なる厚さの機器を収容することができる。スペーサー104の位置は、X字型の取り付けスロット106および単一の取り付けスロット108に沿ってそれらを移動することによって変更することができ、それにより、以下でより詳細に説明するように、異なるフットプリントの機器を収容する。
図1の例では、スペーサーはネジ110でパネルに固定される。アクセススロット112は、ユーザーが携帯型電子機器を握って保護された空間からそれを取り外すことを可能にするために提供される。図面が不明瞭にならないようするため、全てのスペーサーとスロットに番号が付けられているわけではない。
【0010】
図2は、
図1の実施形態の分解図であり、図を不明瞭にしないようにするため、スペーサー104のうちの1つだけが示される。上部パネル100は、その周囲の周りに複数の取り付けスロット106および108を有する第1の剛性シェル114と、第1のシェル114の内側に取り付けられる第1の衝撃吸収材料116とを含む。底部パネル102は、その周囲の周りに複数の取り付けスロット106および108を有する第2の剛性シェル118と、第2のシェル118の内側に第2の衝撃吸収材料120とを含む。スペーサー104は、スペーサーが、シェルをそれらの内側が互いに向き合うように離して保持し、それによって、シェルとスペーサーの間の携帯型電子機器のための保護された空間を形成するように、取り付けスロット106および108でシェル114および118に取り付けられるように適合され、
【0011】
図2の例では、各スペーサー104は、シェルのスロットを通過するネジ110のおねじと噛み合うように両端にめねじを有する支柱122を含み、それによってスペーサーをシェルに固定する。各スペーサー104はまた、携帯機器に追加のクッションを提供するためのバンパー126を含む。
【0012】
シェル114および118のそれぞれは、アクセススロット115を含み、衝撃吸収材料116および120のそれぞれは、アクセススロット117を含む。衝撃吸収材料116および120はまた、シェル内の対応するスロット106および108とそれぞれ整列するスロット124および125を含む。
【0013】
図3は、
図1の実施形態の平面図であり、上部パネル100が取り外され、携帯型電子機器128がスペーサー104の間の保護された空間に配置されることを示している。図面が不明瞭にならないようするため、全てのスペーサーとスロットに番号が付けられているわけではない。
図3の例では、スペーサー104は、ケース内での機器の動きを防ぐために、機器128に対して直接上に配置される。ユーザーの好みに応じて、スペーサー104は、スロット106および108に沿って機器128から外側に移動して、機器とスペーサーとの間にギャップを提供することができる。スペーサーは、ネジ110を緩め、スペーサーが再配置された後にそれらを再び締めることによって移動することができる。
【0014】
第1の機器128よりもフットプリントが小さい第2の携帯型電子機器130が、
図3の想像線の輪郭で示される。スペーサー104は、スロット106および108に沿って内側に移動して、それらをより小さな機器130に対して再配置することができる。機器のフットプリントにより、スペーサーのいずれかがX字型スロット106の1つの中心に直接配置される場合、機器は、スペーサーがX字型スロットの中心から離れるように、シェルに対してX方向またはY方向のいずれかまたは両方に横方向に移動することができる。
【0015】
図4は、本特許開示の本発明の原理による、スペーサー、パネル、および締結具の実施形態の断面図である。
図4の図は、矢印4によって示されるように、
図1の実施形態の断面である。
図4の例示的な実施形態では、シェル114および118のスロット106および108は、ネジ110のねじ部分が干渉することなく通過することを可能にするのに十分な幅でありながら、ネジ110が支柱に締め付けられたときに、スペーサーとパネルとの間に堅固な接続を提供するために、支柱122の端部がシェル114および118に対して直接静止することを可能にするよう、表面132でショルダーを形成するほど十分狭い。衝撃吸収材料116および120のスロット124および125は、支柱122が衝撃吸収材料からの干渉なしにシェルを通過できるように、シェル114および118のスロット106および108よりも幅が広い。いくつかの実施形態では、ネジは、ソケットヘッドキャップネジであり得る。
【0016】
衝撃吸収材料116および120は、支柱122に直接接触して示されるが、衝撃吸収材料と支柱との間にいくらかのスペースがあり得る、すなわち、スロット124および125は、悪影響なしに広くすることができる。同様に、バンパー126は、衝撃吸収材料116および120に直接接触して示される。しかし、バンパーは短くして、つまり、バンパーと衝撃吸収材料の間にスペースを作成し得る、または、長くして、つまり、悪影響を与えることなく、バンパーおよび/または衝撃吸収材料の変形を引き起こし得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、シェル114および118は、強化複合パネルなどの高レベルの剛性、強度、および/または耐衝撃性を提供する材料から製造することができる。例えば、シェルは、補強を提供するために織られるか、さもなければ配置され、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステルまたは他の適切な樹脂で含浸された炭素繊維から成形され得る。ケブラーやガラス繊維などの代替繊維も使用できる。シェルに適した他の材料には、アルミニウム、チタン、およびさまざまなエンジニアリングプラスチックが含まれる。
【0018】
いくつかの実施形態では、衝撃吸収材料116および120および/またはバンパー126は、高レベルの衝撃吸収、散逸、および/または抵抗を提供するために、非線形または非ニュートンポリマーまたは他の発泡体またはエラストマー材料から製造され得る。衝撃吸収材料116および120は、接着剤、テープ、フックアンドループ締結具などの任意の適切な技術を介して、シェル114および118に恒久的または取り外し可能に取り付けることができる。他の適切な材料には、ネオプレンまたは他のエンジニアリングエラストマーが含まれる。衝撃吸収材料は、例えば、一方の側でより柔らかいクッションに移行する他方の側の剛性のシェルを生成する単一の材料に硬度勾配を生み出すことによって、シェルと一体的に形成することができる。
【0019】
図5~8は、本特許開示の本発明の原理による、シェルおよび衝撃吸収材料の縁のいくつかの可能なプロファイルを示す断面図である。
図6の実施形態は、本特許開示全体を通して示されるシェルのほとんどの実施形態で使用されるプロファイルである。
図6の実施形態のプロファイルは、一部の消費者に魅力的なタッチ表面を提供することが見出された大半径曲率134および小半径曲率136を有し、一方、鋭い内側コーナー138および垂直表面140は、衝撃吸収材料116を所定の位置に位置決めおよび/または保持するのに便利なウェルを形成する。
【0020】
図8の実施形態では、シェル114Aは、他のいくつかの消費者にアピールするより技術的な感触を提供し得る平坦な外縁142を有する。衝撃吸収材料116Aは、
図8に示されるように、縁142と同一平面に配置され得るか、または他の実施形態では、縁から後退され得る。平坦な縁142はまた、他のプロファイルと比較して、シェルを製造するのにより安価にすることができる。
【0021】
図5および7は、シェル114Bおよび114C、ならびに衝撃吸収材料116Bおよび116Cの縁プロファイルの他の代替の実施形態を示している。
図5および
図7の実施形態は、製造コストの観点から、
図6と8の実施形態の間のどこかに分類され得る。それらはまた、さらに他の消費者グループにアピールするタッチ表面を提供し得る。
【0022】
材料の1つの特に有益な組み合わせは、シェル114のための炭素繊維複合材料と、衝撃吸収材料116のためのRogers CorporationからのPoron XRDのようなマイクロセルラー輪郭材料の使用であり得る。この組み合わせは、ユーザーに心地よい感覚を提供するハイタッチ効果と触覚フィードバックにより、ハイエンドの美的感覚と外観を提供することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、スペーサー104は、アルミニウムまたは他の金属から作られた支柱122と、ネオプレンまたは他のエラストマーから作られたバンパー126とで製造され得る。スペーサーは、例えば、一方の部分にめねじがあり別の部分に嵌合するおねじがあることにより、長さを調整できるようにすることができる。そのようなスペーサーの長さは、一方の部分を他方に対して回転させることによって調整することができる。希望の長さに調整したら、2つの部分の位置をロックするためにかしめナットを追加できる。いくつかの実施形態では、スペーサーは、両端におねじがありナットでシェルに固定される支柱で製造することができる。
【0024】
いくつかの他の実施形態では、スペーサーは、一体型バンパーを備えた一体型構成要素として製造され得る。例えば、スペーサーは、シェルまたはパネル間に強力な接続を形成するのに十分な剛性があるが、機器を保護するための衝撃吸収バンパーとして機能するのに十分な弾性がある単一の材料から成形することができる。別の例として、スペーサーは、支柱のように振る舞うために内側が堅いが、バンパーとして振る舞うために外側がより柔軟である硬度勾配を有する単一の材料から製造され得る。
【0025】
上記のネジまたはナットに加えて、スペーサーは、キー付き磁石またはスナップまたは他のバネ式固定装置などの他の適切な締結具を使用してシェルまたはパネルに取り付けることができる。ネジを使用する場合は、スパナ、3ウィング、一方向、耐タンパー性、リバースドライブなどのセキュリティタイプのドライブを含む、任意の適切なドライブスタイルを使用できる。
【0026】
本特許開示に記載される実施形態の構成要素は、相乗的な結果を達成するために微妙かつ複雑な方法で相互作用し得る。例えば、スロットとスペーサーの組み合わせは、二重の機能を実行することができる。スロットは、さまざまなポータブル機器に対応するためにスペーサーの再配置を可能にするだけでなく、エッジワイズ成分(つまり、
図1と
図3に示すようにXY平面のコンポーネント)を有する衝撃力の場合に、スペーサーがスロットに沿ってわずかに移動することを可能にする。例えば、ケースが
図3の矢印146の方向にコーナー144上でエッジワイズに落下した場合、衝撃力により、スペーサー104Aが矢印148の方向に移動し、一方、機器128の側面のくさび作用は、スペーサー104Bおよび104Cをそれぞれ矢印150および152の方向に移動させることができる。スペーサーが動くためには、スペーサーを所定の位置に保持する摩擦力に打ち勝ち、それによって衝撃エネルギーを機器からそらす必要がある。これは、バンパーの衝撃吸収作用をスペーサーに追加されえる。
【0027】
別の例として、シェル内の剛性材料は、スペーサーと相互作用するときに複数の機能を実行し得る。スペーサーの内側(すなわち、機器上)にあるシェルの部分では、剛性シェルは、力がより多くの衝撃吸収材料によって吸収され得るより広い領域に局所的な衝撃力を分散させることができる。ただし、剛性シェルがサポートされていないスペーサーの外側では、それ自体が衝撃吸収材料のように動作し得る。したがって、スペーサーは、シェルが衝撃分散材料から衝撃吸収材料に移行し得る支持境界を形成し得る。シェルの外周に加えられた衝撃力により、シェルの材料が変形し、場合によっては破損し得る。炭素繊維のようなより剛性が高く壊れやすい材料の場合、シェルは最終的に破損し得るが、ケブラー繊維のようなより柔軟な材料の場合、シェルは変形するだけでもよい。
【0028】
したがって、スペーサーは、パネルでさまざまな衝撃吸収構造を形成することができる。これらの構造は、例えば、1つまたは複数のスペーサーを少なくとも1つのパネルに対して移動させることにより、パネルの少なくとも1つの材料を一時的または恒久的に変形させることにより、および/またはパネルの少なくとも1つの剛性材料を破壊させることにより、さまざまな動作モードで衝撃を吸収することができる。
【0029】
図9、9Aおよび10は、本特許開示の本発明の原理による、取り付けスロットのいくつかの追加の配置を示している。
図9の実施形態は、シェルの縁に垂直なスロットを有する。
図9Aの実施形態は、垂直スロットと対角スロットの組み合わせを有し、スロットに交差点がない
図1~3の実施形態と同じ数のスペーサー(15)を使用することができる代替の配置を示している。
図10の実施形態は、全てのスロットが、略ケース内の機器の重心に対応し得る、ケースの中心または重心から外側に略放射状に広がる配置を示す。
【0030】
上記のようなスロットの衝撃迂回機能を容易にするために、スロットの少なくともいくつかは、好ましくは、略ケースの中心からケースの周辺まで延びる幾何学的構成要素を有する線に沿って少なくとも部分的に配置された1つまたは複数のセクションを含み得る。スロットは線形である必要はない。例えば、1つまたは複数のスロットは、衝撃力に応答してスロット内を摺動するときに、スペーサーの動きに対して非線形抵抗を引き起こすように湾曲させることができる。これは、例えば、周辺の内側部分において、略ケースの中心からケースの周辺まで延びる基準線に沿って配置されるスロットを有する例を用いて実施され得るが、スロットが周囲の外側部分に向かって延びるように配置されるにつれ、それは基準線から離れて湾曲し、スロットに沿ったスペーサーの動きに対する抵抗を徐々に大きくする。
【0031】
図11は、本特許開示の本発明の原理による、携帯型電子機器の保護システム用のバンパーの実施形態を示している。説明のために、バンパー154は、
図1~3に示されるケースの実施形態に取り付けられて示されるが、本発明の原理は、特定のケースに使用することに限定されない。
【0032】
図12は、
図11の矢印12で示される断面のバンパー154の断面図である。
図12の図では、スペーサーは、hlが衝撃吸収材料116および120の内側表面間の距離であるようなサイズになっている。バンパー154は、シェル114および118の外縁とそれぞれ係合する上部溝160および下部溝162を画定する外側部分156および内側部分158を含む。この構成では、外側部分156のリップ164および166は、シェル114および118の外縁と比較的少量が重なっている。バンパー154は、ネオプレンまたは他の適切なエラストマー材料から作られる。
【0033】
図13は、h2が衝撃吸収材料116と120の内側表面の間の比較的小さい距離であるように、より短いスペーサーが使用されるバンパー154の別の断面図である。この構成では、シェル114および118の外縁は、溝160および162により深く沈み、外側部分156のリップ164および166は、
図12よりもシェルの外縁とより多くの量が重なる。
図13では、バンパー154の内側部分158は、より短い距離h2によってわずかに圧縮されて示されるが、バンパー154および衝撃吸収材料116および120の相対硬度に応じて、衝撃吸収材料は、バンパー154に加えてまたはその代わりに圧縮され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、セキュリティ目的のためのロック装置を収容するために、1つまたは複数の穴が含まれ得る。例えば、TSAロックは、
図10に示されるように、パネルの1つまたは複数の穴168にねじ貫通され得る。穴は、シェル114および118の両方、ならびに保護材料116および120の両方を通過し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、追加の材料の1つまたは複数の層が、衝撃吸収材料116および120の露出表面上に適用され得る。これらの内側層は、さまざまな機能を実行できる。例えば、内側層は、衝撃吸収材料の層を保護することができる。内側層は滑らかな布または同様のコーティングでできており、機器を保護システムに摺動して出し入れするのが簡単である。あるいは、機器が保護システムから脱落するのを防ぐために、内側層は比較的滑りやすい材料でできていてもよい。いくつかの実施形態では、内側層は、意図しない取り外しを防止しながら、意図的に機器を摺動してフレームに出し入れすることを容易にするために、滑りやすさと滑り抵抗との間のバランスをとる表面を有し得る。他の実施形態では、衝撃吸収材料116および120は、これらの品質を有するように選択され得、それにより、材料の追加の内側層の必要性を排除する。
【0036】
上記のシステムコンポーネントは、ラップトップ、タブレットコンピューター、およびその他の機器を安全に保つための保護的で軽量なシステムを提供する、無限に構成可能なエンクロージャーを形成することができる。モジュール構造により、異なるサイズの機器に使用でき、ユーザーが異なる機器を交換および/または取得するとき、時間の経過とともに成長および/または適合することができる。本発明の原理は、ラップトップやタブレットコンピューターを損傷させたくない人、電子機器を持って旅行し、預け入れ荷物の中でそれらを保護しなければならない人、オートバイや自転車に乗って、突然の衝撃や落下から機器を保護する必要がある人、機器をアップグレードするが、ハードウェアをアップグレードするたびに新しいケースにお金をかけたくない人、機器にハイタッチでハイエンドのエンクロージャーを重視する人、複数の機器に対して2つ以上のケースが必要であり、システムの機能を活用して、複数の個別の機器または複数の機器を単一のエンクロージャーで保護されるようにカスタム構成できる人、およびラップトップバッグ、バックパック、荷物、およびその他のバッグ内で追加の保護を必要とする人、のようなユーザーのいずれかまたは全てに用途の広い解決策を提供し得る。
【0037】
本特許開示の本発明の原理は、本発明の概念から逸脱することなく、配置および詳細を変更することができるので、そのような変更および修正は、以下の特許請求の範囲に含まれるとみなされる。