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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】収納ケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/34 20060101AFI20240104BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
A45C11/34 E
A45C11/34 103
A45C11/00 W
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022545579
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2021028328
(87)【国際公開番号】W WO2022044698
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】P 2020142360
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591284760
【氏名又は名称】大山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】岸本 大志
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-017897(JP,A)
【文献】特開2013-090749(JP,A)
【文献】特開2020-036969(JP,A)
【文献】国際公開第2018/020968(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/216488(WO,A1)
【文献】特開2018-023708(JP,A)
【文献】特開2017-120322(JP,A)
【文献】意匠登録第1660862(JP,S)
【文献】登録実用新案第3208085(JP,U)
【文献】登録実用新案第3085850(JP,U)
【文献】実公昭53-042262(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/00-15/08
A45F 3/00- 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納ケースであって、
物を収納する略箱状の第1の収納部及び第2の収納部と、
前記第1の収納部と前記第2の収納部とを連結する連結部とを有し、
前記第1の収納部の背面と前記第2の収納部の背面とは、重ね合わせて接触可能であって、当該接触する各々面には対応する位置に固定部が設けられ、当該接触する面を前記固定部で固定可能であり、
前記第1の収納部の背面における前記連結部側の半分の領域には第1の滑り止め面が形成され、
前記第2の収納部の背面における前記連結部側の半分の領域には第2の滑り止め面が形成され、
前記第1の収納部の側面と前記第2の収納部の側面とには、各々開閉用のファスナーを設け、
前記ファスナーを開状態にした場合に、前記第1の収納部及び前記第2の収納部の正面の上半分の面が折り曲げ可能で、前記正面の下半分の面と重ね合わせて接触可能とし、
前記上半分の面と前記下半分の面とが接触する位置には、各々マグネットが内蔵され、前記上半分の面と前記下半分の面とを前記マグネットで固定可能とし、
前記第1の収納部の背面と前記第2の収納部の背面が接触した状態で、前記第1の収納部の側面のファスナーを開状態にし、前記第2の収納部の側面のファスナーを開状態にして、前記第1の収納部の正面の上半分を折り曲げて下半分の面に重ね合わせて前記マグネットで固定し、前記第2の収納部の正面の上半分を折り曲げて下半分の面に重ね合わせて前記マグネットで固定し、前記下半分の面の折り曲げ部分とは反対側を下にした状態で、立てて使用可能とした収納ケース。
【請求項2】
連結部は、第1の収納部の側面と背面との間に一端が取り付けられ、第2の収納部の側面と背面との間に他端が取り付けられて、前記第1の収納部と前記第2の収納部を連結するように設けられている請求項1記載の収納ケース。
【請求項3】
上半分の面の内側に、収納用のポケットを備えた請求項1又は2記載の収納ケース。
【請求項4】
固定部は、第1のマグネットと第2のマグネットであり、第1の収納部の背面に前記第1のマグネットが内蔵され、第2の収納部の背面に前記第2のマグネットが内蔵され、前記第1のマグネットと前記第2のマグネットが前記第1の収納部の背面と前記第2の収納部の背面を接触させた場合に対向し、互いに極性を異にして引き合うものである請求項1乃至のいずれか記載の収納ケース。
【請求項5】
固定部は、第1の面ファスナーと第2の面ファスナーであり、第1の収納部の背面において第1の滑り止め面が形成されていない面に前記第1の面ファスナーを設け、第2の収納部の背面において第2の滑り止め面が形成されていない面に前記第2の面ファスナーを設け、前記第1の面ファスナーと前記第2の面ファスナーとが接着される請求項1乃至のいずれか記載の収納ケース。
【請求項6】
第1の面ファスナーと第2の面ファスナーとが上下に分離されている請求項記載の収納ケース。
【請求項7】
固定部は、第1のホックと第2のホックであり、第1の収納部の背面において第1の滑り止め面が形成されていない面に前記第1のホックを設け、第2の収納部の背面において第2の滑り止め面が形成されていない面に前記第2のホックを設け、前記第1のホックと前記第2のホックとが固定される請求項1乃至のいずれか記載の収納ケース。
【請求項8】
第1のホックと第2のホックとが複数個設けられている請求項記載の収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ケースに係り、特に、スチール製の板に貼り付けることができると共に棒状の物に固定できる収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の小物入れには、マグネットを利用して冷蔵庫等に貼り付けられるものがある。
また、従来のペンケースには、マグネットを利用して蓋の部分を180°折り曲げて固定するものがある(特許文献1)。
【0003】
更に、従来のペンケースには、ゴムバンドが取り付けられて、バインダーやノートに巻き付けて固定するものがある(特許文献2)。
【0004】
また、2つの収納部を備えたペンケースにおいて、側面部分で連結し、収納部の背面を重ね合わせられるようにした構成を出願人が創作している(特許文献3)。
【0005】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2020-036969号公報「ペンケース」(特許文献1)、実開昭56-111826号公報「ゴムバンド付筆入れ」(特許文献2)、意匠登録第1660862号公報「ペンケース」(特許文献3)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-036969号公報
【文献】実開昭56-111826号公報
【文献】意匠登録第1660862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の収納ケースでは、デスク等のスチール板に貼り付けられると共に棒状の物に固定できるものとはなっておらず、利便性の向上を図ることができないという問題点があった。
【0008】
尚、特許文献1~3には、スチール板に貼り付けられると共に棒状の物に巻き付けられる構成の記載がない。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、デスク等のスチール板に貼り付けることができると共に棒状の物に固定することができる収納ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、収納ケースであって、物を収納する略箱状の第1の収納部及び第2の収納部と、第1の収納部と第2の収納部とを連結する連結部とを有し、第1の収納部の背面と第2の収納部の背面とは、重ね合わせて接触可能であって、当該接触する各々面には対応する位置に固定部が設けられ、当該接触する面を固定部で固定可能であり、第1の収納部の背面における連結部側の半分の領域には第1の滑り止め面が形成され、第2の収納部の背面における連結部側の半分の領域には第2の滑り止め面が形成され、第1の収納部の側面と第2の収納部の側面とには、各々開閉用のファスナーを設け、ファスナーを開状態にした場合に、第1の収納部及び第2の収納部の正面の上半分の面が折り曲げ可能で、正面の下半分の面と重ね合わせて接触可能とし、上半分の面と下半分の面とが接触する位置には、各々マグネットが内蔵され、上半分の面と下半分の面とをマグネットで固定可能とし、第1の収納部の背面と第2の収納部の背面が接触した状態で、第1の収納部の側面のファスナーを開状態にし、第2の収納部の側面のファスナーを開状態にして、第1の収納部の正面の上半分を折り曲げて下半分の面に重ね合わせてマグネットで固定し、第2の収納部の正面の上半分を折り曲げて下半分の面に重ね合わせてマグネットで固定し、下半分の面の折り曲げ部分とは反対側を下にした状態で、立てて使用可能としている。
【0011】
本発明は、上記収納ケースにおいて、連結部が、第1の収納部の側面と背面との間に一端が取り付けられ、第2の収納部の側面と背面との間に他端が取り付けられて、第1の収納部と第2の収納部を連結するように設けられている。
【0015】
本発明は、上記収納ケースにおいて、上半分の面の内側に、収納用のポケットを備えたものである。
【0016】
本発明は、上記収納ケースにおいて、固定部が、第1のマグネットと第2のマグネットであり、第1の収納部の背面に第1のマグネットが内蔵され、第2の収納部の背面に第2のマグネットが内蔵され、第1のマグネットと第2のマグネットが第1の収納部の背面と第2の収納部の背面を接触させた場合に対向し、互いに極性を異にして引き合うものである。
【0017】
本発明は、上記収納ケースにおいて、固定部が、第1の面ファスナーと第2の面ファスナーであり、第1の収納部の背面において第1の滑り止め面が形成されていない面に第1の面ファスナーを設け、第2の収納部の背面において第2の滑り止め面が形成されていない面に第2の面ファスナーを設け、第1の面ファスナーと第2の面ファスナーとが接着されるものである。
【0018】
本発明は、上記収納ケースにおいて、第1の面ファスナーと第2の面ファスナーとが上下に分離されているものである。
【0019】
本発明は、上記収納ケースにおいて、固定部が、第1のホックと第2のホックであり、第1の収納部の背面において第1の滑り止め面が形成されていない面に第1のホックを設け、第2の収納部の背面において第2の滑り止め面が形成されていない面に第2のホックを設け、第1のホックと第2のホックとが固定されるものである。
【0020】
本発明は、上記収納ケースにおいて、第1のホックと第2のホックとが複数個設けられているものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、物を収納する略箱状の第1の収納部及び第2の収納部と、第1の収納部と第2の収納部とを連結する連結部とを有し、第1の収納部の背面と第2の収納部の背面とは、重ね合わせて接触可能であって、当該接触する各々面には対応する位置に固定部が設けられ、当該接触する面を固定部で固定可能であり、第1の収納部の背面における連結部側の半分の領域には第1の滑り止め面が形成され、第2の収納部の背面における連結部側の半分の領域には第2の滑り止め面が形成され、第1の収納部の側面と第2の収納部の側面とには、各々開閉用のファスナーを設け、ファスナーを開状態にした場合に、第1の収納部及び第2の収納部の正面の上半分の面が折り曲げ可能で、正面の下半分の面と重ね合わせて接触可能とし、上半分の面と下半分の面とが接触する位置には、各々マグネットが内蔵され、上半分の面と下半分の面とをマグネットで固定可能とし、第1の収納部の背面と第2の収納部の背面が接触した状態で、第1の収納部の側面のファスナーを開状態にし、第2の収納部の側面のファスナーを開状態にして、第1の収納部の正面の上半分を折り曲げて下半分の面に重ね合わせてマグネットで固定し、第2の収納部の正面の上半分を折り曲げて下半分の面に重ね合わせてマグネットで固定し、下半分の面の折り曲げ部分とは反対側を下にした状態で、立てて使用可能とした収納ケースとしているので、スチール板に貼り付けることができると共に棒状の物に固定することができ、更に第1の収納部の背面と第2の収納部の背面を接触させ、各収納部の正面の上半分を折り曲げてマグネットに接触させると、立てて使用することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本ペンケースの正面概略図である。
図2】本ペンケースの右側面概略図である。
図3】本ペンケースの左側面概略図である。
図4】本ペンケースの開いた状態の正面概略図である。
図5】本ペンケースの開いた状態の背面概略図である。
図6】本ペンケースの開いた状態でファスナーを開状態にした正面概略図である。
図7】本ペンケースの開いた状態でファスナーを開状態にした右側面概略図である。
図8】本ペンケースの使用例を示す概略図である。
図9】本ペンケースを棒に固定した場合の断面説明図である。
図10】第1の応用例の開いた状態の背面概略図である。
図11】第2の応用例の開いた状態の背面概略図である。
図12】第3の応用例の開いた状態の背面概略図である。
図13】第4の応用例の開いた状態の背面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る収納ケース(本収納ケース)は、物を収納する略箱状の第1の収納部及び第2の収納部と、それら収納部を連結する連結部とを有し、第1の収納部の背面と第2の収納部の背面とは、重ね合わせて接触可能であり、接触する各々面には対応する位置に固定部が設けられ、接触する面を当該固定部で固定可能であり、第1の収納部の背面における連結部側には第1の滑り止め面が形成され、第2の収納部の背面における連結部側には第2の滑り止め面が形成されているものであり、デスク等のスチール板に貼り付けることができると共に棒状の物に固定することができるものである。
尚、上記固定部として、マグネット、面ファスナー又はホック等を用いている。
【0024】
[本ペンケース:図1~3]
本収納ケースについて、特にペンケースに応用した場合を例に以下説明する。
本実施の形態に係るペンケース(本ペンケース)について図1~3を参照しながら説明する。図1は、本ペンケースの正面概略図であり、図2は、本ペンケースの右側面概略図であり、図3は、本ペンケースの左側面概略図である。尚、図1の正面に対する背面は、同様の形状となっている。
本ペンケースは、図1~3に示すように、第1の収納部1と、第2の収納部2と、連結部3とを基本的に有している。
尚、図1~3で示す本ペンケースは、第1の収納部1の背面と第2の収納部2の背面が接触して閉じた状態となっている。
【0025】
本ペンケースの各部を具体的に説明する。
第1の収納部1は、四隅が丸みを帯びた略箱状である。
第1の収納部1の正面部10は、中央下側に横方向にステッチ等で折り曲げ部11が形成され、その折り曲げ部11の上側が正面部10の上側面10aで、その下側が正面部10の下側面10bである。上側面10aは、折り曲げ部11で折り曲げられ、180°回転して下側面10bに接触する。折り曲げられた状態については後述する。
【0026】
第1の収納部1の側面部12は、正面部10と背面部15とを接続する接続部13と、正面部10と背面部15とを開閉可能とするファスナー部14とを備えている。
ファスナー部14は、テープとエレメントを備え、2つのスライダー14a,14bを設けており、左右両側面の一部と平面(上面)に連続して形成されている。
接続部13とファスナー部14との境は、折り曲げ部11の位置より下側である。
【0027】
また、第2の収納部2の構成も、第1の収納部1と同様である。
連結部3は、その一端が第1の収納部1の側面部12と背面部15との間に取り付けられ、また、連結部3の他端が第2の収納部2の側面部22と背面部25との間に取り付けられ、第1の収納部1と第2の収納部2とを連結する。
そして、連結部3の状態によって、第1の収納部1の背面部15と第2の収納部2の背面部25とを接着させることができる。また、連結部3の状態によって、第1の収納部1の側面部12と第2の収納部2の側面部22とを対向させて、2つの収納部を並べることができる。2つの収納部の併設は、後述する。
【0028】
[本ペンケースのいた状態の正面:図4
次に、本ペンケースの開いた状態の正面について図4を参照しながら説明する。図4は、本ペンケースの開いた状態の正面概略図である。
本ペンケースの開いた状態の正面は、図4に示すように、第1の収納部1の正面部10と第2の収納部2の正面部20とが連結部3で連結されて並置された状態となる。
【0029】
ここで、固定部として、正面部10,20に内蔵されたマグネット10c,20cと金属チップ10d,20dについて説明する。
正面部10の上側面10aにマグネット10cが内蔵され、下側面10bに金属チップ10dが内蔵されている。金属チップは、鉄片等の磁石に引着する性質のものである。
マグネット10cと金属チップ10dは、折り曲げ部11を中心として線対称に設けられるものである。
【0030】
ファスナー部15を開状態にして折り曲げ部11で上側面10aを下側面10b側に180°回転して折り曲げると、上側面10aと下側面10bが接するようになる。この接触した状態で、マグネット10cと金属チップ10dが重なるようになり、両者が接着して下側面10bに上側面10aが固定される。
尚、正面部20におけるマグネット20cと金属チップ20dの構成は、正面部10のマグネット10cと金属チップ10dの構成と同様である。
【0031】
[本ペンケースの開いた状態の背面:図5
次に、本ペンケースの開いた状態の背面について図5を参照しながら説明する。図5は、本ペンケースの開いた状態の背面概略図である。
本ペンケースの開いた状態の背面は、右側が第1の収納部1で、左側が第2の収納部2で、連結部3により連結されている。
【0032】
そして、図5において、背面の連結部3側の半分の領域に滑り止め面15a,25aが形成されている。滑り止め面15aが第1の滑り止め面であり、滑り止め面25aが第2の滑り止め面である。
滑り止め面15a,25aの素材は、ゴム、シリコン等の滑り止め効果の高いものを用いている。
【0033】
また、図5において、背面の上側に3つのマグネット15b,25bと、下側に3つのマグネット15c,25cが埋め込まれ(内蔵され)ている。
マグネット15bと25bとは、連結部3を中心に谷折りにして接着した場合に、重ね合わされて引き合うようになっている。従って、対向するマグネットは磁極が異なるように配置されている。
【0034】
この滑り止め面15a,25aとマグネット15b,15c,25b,25cの作用により金属板等に貼り付けても簡単に落下することはなく、更に後述する棒状の物への固定も容易となるものである。
つまり、第1の収納部1と第2の収納部2とを並列に配置した状態で、スチール板等に背面側を貼り付けた場合に、マグネットの吸着力に加えて滑り止め面の滑り止めの効力で本ペンケースに掛かる荷重への耐性を向上させ、本ペンケースの落下を防止できる。
【0035】
[本ペンケースの開いた状態でファスナーを開状態にした正面と側面:図6,7]
次に、本ペンケースの開いた状態でファスナーを開状態にした正面と側面について図6,7を参照しながら説明する。図6は、本ペンケースの開いた状態でファスナーを開状態にした正面概略図であり、図7は、本ペンケースの開いた状態でファスナーを開状態にした右側面概略図である。
図6,7に示すように、本ペンケースは、ペンホルダー16,26が背面部15,25の内側面に形成されており、ファスナー部14,24を開状態にして正面部10,20の上側面10a,20aを下側面10b,20b側に折り曲げると、上面部10a,20aの内側面にもポケット17,27が形成されている。
【0036】
ポケット17は、消しゴム等の小物を収納するもので、出し入れは右横の収納口から行うようになっている。
また、ポケット27は、スマートフォン、携帯電話、小型電卓、メモ帳、付箋等を収納するもので、出し入れは上側の開口部から行う。ポケット27では、収納物が開口部から突出しても構わない。
【0037】
[使用例:図8
次に、本ペンケースの使用例について図8を参照しながら説明する。図8は、本ペンケースの使用例を示す概略図である。
図8では、第1の収納部1のファスナー部14と第2の収納部2のファスナー部24とをオープンにし、両者の背面を重ね合わせて、立てて使用する例を示している。
【0038】
第1の収納部1の底面、第2の収納部2の底面だけでなく、上側面10a,20aの折り曲げられた先端部分も、机等の設置面に接触するようになるため、本ペンケースを安定して設置できる。
【0039】
尚、連結部3を中心に第1の収納部1と第2の収納部2をV字状に開いて立てたまま使用すれば、設置を安定化でき、ペン等の筆記具も取り出し易くなるものである。
また、第1の収納部1と第2の収納部2の背面部15,25をスチール板等にマグネット15b,15c,25b,25cで固定して、図6に示した状態で使用することもできる。
【0040】
[棒状に固定の例:図9
次に、本ペンケースを棒状の物に固定する例について図9を参照しながら説明する。図9は、本ペンケースを棒に固定した場合の断面説明図である。
図5において、棒状の物(棒4)を連結部3の縦方向に沿って押し当てて背面部15,25を重ね合わせて閉じると、マグネット15b,15c,25b,25cにより背面部15,25が強固に貼り付いて、更に、滑り止め面15a,25aで棒4を挟み込んで合わせることで、滑り止めの効果により棒4に容易に固定できるものである。
【0041】
棒状の物は、径が小さ過ぎると、滑り止めの効果が得られず、棒等に固定できないが、図5における左端のマグネットと右端のマグネットとが接着できる程度の棒の径の大きさまで固定可能である。つまり、本ペンケースでは、様々な棒の径の大きさに柔軟に対応してしっかりと固定できるものである。
また、棒状の物は、金属、木材、プラスチック等で、材質には限定されず、固定の対象となるものである。
【0042】
[応用例]
[第1~4の応用例:図10~13]
本ケースの応用例(応用例の収納ケース)について図10~13を参照しながら説明する。図10は、固定部に面ファスナーを用いた第1の応用例の開いた状態の背面概略図であり、図11は、固定部に面ファスナーを用いた第2の応用例の開いた状態の背面概略図であり、図12は、固定部にホックを用いた第3の応用例の開いた状態の背面概略図であり、図13は、固定部にホックを用いた第4の応用例の開いた状態の背面概略図である。
【0043】
[第1の応用例:図10
第1の応用例の開いた状態の背面は、図10に示すように、右側が第1の収納部1で、左側が第2の収納部2で、連結部3により連結されている。
そして、背面の連結部3側の半分の領域に滑り止め面15a,25aが形成されている。
第1の応用例における滑り止め面の素材等は、本ケースと同様っである。
【0044】
第1の応用例では、マグネットの代わりに、滑り止め面15a,25aが形成されていない残りの面の全体に面ファスナー15d,25dを形成している。
具体的には、第1の収納部1の背面部15で連結部3側(左側)に滑り止め面15aを形成し、連結部3とは反対側(右側)に面ファスナー(第1の面ファスナー)15dを形成している。
【0045】
また、第2の収納部2の背面部25で連結部3側(右側)に滑り止め面25aを形成し、連結部3とは反対側(左側)に面ファスナー(第2の面ファスナー)25dを形成している。
面ファスナー15dと面ファスナー25dとは、フック状に起毛された側とループ状に密集して起毛された側とを押し付けると、貼り付くようになっており、貼り付けと剥がしが自在にできるものである。
【0046】
[第2の応用例:図11
第2の応用例は、第1の応用例とほぼ同様であるが、図11に示すように、相違するは、面ファスナーが上下に分離している点である。
具体的には、第1の収納部1の背面部15において、滑り止め面15aが形成されていない面の上下に面ファスナー15d1と面ファスナー15d2が形成されている。尚、面ファスナー15d1,15d2を単に「面ファスナー15d」と称することがある。
【0047】
また、第2の収納部2の背面部25において、滑り止め面25aが形成されていない面の上下に面ファスナー25d1と面ファスナー25d2が形成されている。尚、面ファスナー25d1,25d2を単に「面ファスナー25d」と称することがある。
上下に分離されている面ファスナー15d1,15d2と面ファスナーが形成されていない面とは同程度の面積となっている。
【0048】
尚、第2の応用例では、背面部15,25で面ファスナーを上下に分離したが、滑り止め面15a,25aが形成されていない面の中央(図11の面ファスナーが形成されていない部分)に面ファスナーを形成するようにしてもよい。
【0049】
[第3の応用例:図12
第3の応用例は、第1,2の応用例で用いた面ファスナーの代わりに、図12に示すように、ホック15e1~3,25e1~3を用いている。尚、ホック15e1~3を単に「ホック15e」と称し、ホック25e1~3を単に「ホック25e」と称することがある。
【0050】
具体的には、第1の収納部1の背面部15において、滑り止め面15aが形成されていない面に3個のホック(第1のホック)15e1,15e2,15e3が形成されている。
また、第2の収納部2の背面部25において、滑り止め面25aが形成されていない面に3個のホック(第2のホック)25e1,25e2,25e3が形成されている。
【0051】
第1のホックと第2のホックとは、いずれか一方がオス型で他方がメス型となっている。
そして、背面部15と背面部25を接触させた場合に、ホック15e1とホック25e1が対向して固定される位置に設けられている。
同様に、ホック15e2とホック25e2、ホック15e3とホック25e3が、背面部15と背面部25を接触させた場合に、対向して固定される位置に設けられている。
【0052】
[第4の応用例:図13
第4の応用例は、第3の応用例で3個のホックを形成していたものを2個のホックとしたものである。
つまり、第3の応用例における第1のホックとしての3個のホック15e1,15e2,15e3の内、ホック15e2を設けず、第2のホックとしての3個のホック25e1,25e2,25e3の内、ホック25e2を設けていないものである。
【0053】
尚、ホック15e1,15e2を単に「ホック15e」と称し、ホック25e1,25e2を単に「ホック25e」と称することがある。
また、第3の応用例では、各背面部において3個のホックを、第4の応用例では、各背面部において2個のホックを設けたが、ホックの数は1個でもよく、4個以上でもよい。
更に、本ケース及び第1~4の応用例では、固定部として、マグネット、面ファスナー、ホックを用いたが、背面部を着脱可能に接着させるものであれば、用いることができる。
【0054】
[更なる応用例]
本収納ケース及び応用例の収納ケースについてペンケースを中心に説明したが、文房具以外に小物等を収納するケースにも応用できる。
例えば、アウトドア用品としての収納ケースに適用し、スチール板への貼り付けや、テントのポールへの巻き付け固定など、アウトドア用品の小物を収納するのに適している。
また、楽器演奏者の譜面台の支柱に本収納ケースを巻き付け固定し、スマートフォンを収納し、そのスマートフォンにインストールしたメトロノームのアプリを利用することも考えれれる。
【0055】
[実施の形態の効果]
本収納ケースによれば、物を収納する略箱状の第1の収納部1及び第2の収納部2と、それら収納部1,2を連結する連結部3とを有し、第1の収納部1の背面部15と第2の収納部2の背面部25とは、重ね合わせて接触可能であり、接触する各々面には対応する位置に固定部としてマグネット15b,15c,25b,25cが内蔵され、接触する面をマグネット15b,15c,25b,25cで固定可能であり、第1の収納部1の背面部15における連結部3側には第1の滑り止め面15aが形成され、第2の収納部2の背面部25における連結部3側には第2の滑り止め面25aが形成されているものであり、デスク等のスチール板に貼り付けることができると共に棒状の物に固定することができる効果がある。
【0056】
応用例の収納ケースによれば、物を収納する略箱状の第1の収納部1及び第2の収納部2と、それら収納部1,2を連結する連結部3とを有し、第1の収納部1の背面部15と第2の収納部2の背面部25とは、重ね合わせて接触可能であり、接触する各々面には対応する位置に固定部として面ファスナー15d,25dが形成され、接触する面を面ファスナー15d,25dで固定可能であり、第1の収納部1の背面部15における連結部3側には第1の滑り止め面15aが形成され、第2の収納部2の背面部25における連結部3側には第2の滑り止め面25aが形成されているものであり、デスク等のスチール板に貼り付けることができると共に棒状の物に固定することができる効果がある。
【0057】
応用例の収納ケースによれば、物を収納する略箱状の第1の収納部1及び第2の収納部2と、それら収納部1,2を連結する連結部3とを有し、第1の収納部1の背面部15と第2の収納部2の背面部25とは、重ね合わせて接触可能であり、接触する各々面には対応する位置に固定部としてホック15e,25eが形成され、接触する面をホック15e,25eで固定可能であり、第1の収納部1の背面部15における連結部3側には第1の滑り止め面15aが形成され、第2の収納部2の背面部25における連結部3側には第2の滑り止め面25aが形成されているものであり、デスク等のスチール板に貼り付けることができると共に棒状の物に固定することができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、デスク等のスチール板に貼り付けることができると共に棒状の物に固定することができる収納ケースに好適である。
【符号の説明】
【0059】
1…第1の収納部、 2…第2の収納部、 3…連結部、 4…棒、 10,20…正面部、 10a,20a…上側面、 10b,20b…下側面、 10c,20c…マグネット、 10d,20d…金属チップ、 11,21…折り曲げ部、 12,22…側面部、 13,23…接続部、 14,24…ファスナー部、 14a,14b,24a,24b…スライダー、 15,25…背面部、 15a,25a…滑り止め面、 15b,15c,25b、25c…マグネット、 15d,15d1,15d2,25d,25d1,25d2…面ファスナー、 15e1,15e2,15e3,25e1,25e2,25e3…ホック、 16,26…ペンホルダー、 17,27…ポケット
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