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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】アームレスト
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/75 20180101AFI20240104BHJP
   A47C 7/54 20060101ALI20240104BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
B60N2/75
A47C7/54 C
A47C7/62 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019044038
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2020147079
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000219668
【氏名又は名称】東海化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 悟司
(72)【発明者】
【氏名】林 佳歩
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 英揮
(72)【発明者】
【氏名】奥村 剛正
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】金 俊
(72)【発明者】
【氏名】牧野 啓二
【審査官】五閑 統一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-045641(JP,A)
【文献】特開2018-199409(JP,A)
【文献】特開2018-069777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/75
A47C 7/54
A47C 7/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに設けられると共に、被取り付け部材に取り付けられる取り付け面を有する取り付け部と、
前記フレームに配索されるアームレスト側ワイヤーハーネスと、
前記アームレスト側ワイヤーハーネスに接続されると共に、前記取り付け面から前記被取り付け部材に接近する方向に開口するアームレスト側コネクタと、を備え、
前記フレームには、前記取り付け面から前記被取り付け部材に接近する方向に突出するプロテクタが設けられており、
前記プロテクタの内部には前記アームレスト側ワイヤーハーネスが配索されており、
前記プロテクタの突出端部には前記アームレスト側コネクタが設けられている、アームレスト。
【請求項2】
前記プロテクタは金属製である、請求項1に記載のアームレスト。
【請求項3】
前記プロテクタの突出する突出方向と直交する面における、前記プロテクタの断面積は、前記アームレスト側コネクタの断面積よりも小さく設定されている、請求項1または請求項2に記載のアームレスト。
【請求項4】
前記プロテクタは、底壁と、前記底壁の側縁から立ち上がる一対の側壁と、を有しており、
前記一対の側壁の一方の側壁の先端縁には、他方の側壁に向かって延びると共に前記アームレスト側ワイヤーハーネスに係止することにより前記アームレスト側ワイヤーハーネスが前記プロテクタから外れることを抑制する係止爪が設けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアームレスト。
【請求項5】
車両のシートに取り付けられるアームレストであって、
フレームと、
前記フレームに設けられると共に、シートのブラケットに取り付けられる取り付け面を有する取り付け部と、
前記フレームに配索されるアームレスト側ワイヤーハーネスと、
前記アームレスト側ワイヤーハーネスに接続されると共に、前記取り付け面から前記ブラケットに接近する方向に開口するアームレスト側コネクタと、
前記フレームには、前記取り付け面から前記ブラケットに接近する方向に突出して形成され、且つ、前記ブラケットに前記取り付け部が取り付けられた状態で前記シートの内部に突入するプロテクタが設けられており、
前記プロテクタの内部には前記アームレスト側ワイヤーハーネスが配索されており、
前記プロテクタの突出端部には前記アームレスト側コネクタが設けられている、アームレスト。
【請求項6】
前記プロテクタは金属製である、請求項5に記載のアームレスト。
【請求項7】
前記プロテクタの突出する突出方向と直交する面における、前記プロテクタの断面積は、前記コネクタの断面積よりも小さく設定されている、請求項5または請求項6に記載のアームレスト。
【請求項8】
前記プロテクタは、底壁と、前記底壁の側縁から立ち上がる一対の側壁と、を有しており、
前記一対の側壁の一方の側壁の先端縁には、他方の側壁に向かって延びると共に前記アームレスト側ワイヤーハーネスに係止することにより前記アームレスト側ワイヤーハーネスが前記プロテクタから外れることを抑制する係止爪が設けられている、請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のアームレスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された技術はアームレストに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に取り付けられるアームレストとして、特開2016-107686号公報に記載のものが知られている。このアームレストは、車両のコンソールに取り付けられている。アームレストは箱状の収容体を有しており、収容体の内部には接続コードが配されている。接続コードの端部に設けられた接続端子は、USBソケット等のソケットに接続されている。
【0003】
従来技術に係るアームレストはコンソールに取り付けられているので、ソケット等へ電気を供給するワイヤーハーネスは、車体からコンソールの内部を経て、アームレストの内部へと配索されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-107686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術とは異なって、アームレストが、例えばシートの側面のようにコンソールとは異なる部材に取り付けられる場合、アームレストへワイヤーハーネスを接続することが困難になる場合がある。具体的には、シートの側面にアームレストを取り付けると共に、シートの側面からワイヤーハーネスを導出してアームレストの内部へと導入する際、シートへのアームレストの取り付け工程と、シートからアームレストへのワイヤーハーネスの接続工程とを、どのように行うかが問題となる。
【0006】
例えば、シートから導出されたワイヤーハーネスの端部に接続されたシート側コネクタと、アームレストから導出されたワイヤーハーネスの端部に接続されたアームレスト側コネクタとを接続し、その後に、シートとアームレストとを組み付ける作業工程を採用した場合、シート側コネクタとアームレスト側コネクタとを嵌合させるためのストローク長に相当する十分なスペースを確保することは困難である。また、シートとアームレストとを組み付けた後に、少なくともストローク長に相当する長さのワイヤーハーネスを、どのように処理するかについても問題となる。
【0007】
本明細書に開示された技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、アームレストに配索されたアームレスト側ワイヤーハーネスに、他のワイヤーハーネスを接続する際の作業性が向上されたアームレストを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示された技術は、アームレストであって、フレームと、フレームに設けられると共に、被取り付け部材に取り付けられる取り付け面を有する取り付け部と、フレームに配索されるアームレスト側ワイヤーハーネスと、アームレスト側ワイヤーハーネスに接続されると共に、取り付け面から被取り付け部材に接近する方向に開口するアームレスト側コネクタと、を備える。
【0009】
上記の構成によれば、被取り付け部材に取り付け部を取り付けた後に、取り付け面から被取り付け部材に接近する方向開口するアームレスト側コネクタと、被取り付け部材に配されたワイヤーハーネスに接続されたコネクタとを接続することができる。これにより、アームレストに配索されたアームレスト側ワイヤーハーネスへの接続作業性を向上させることができる。
【0010】
本明細書に開示された技術の実施態様としては以下の態様が好ましい。
【0011】
フレームには、取り付け面から被取り付け部材に接近する方向に突出するプロテクタが設けられており、プロテクタの内部にはアームレスト側ワイヤーハーネスが配索されており、プロテクタの突出端部にはアームレスト側コネクタが設けられている。
【0012】
上記の構成によれば、プロテクタによって、被取り付け部材に接近する方向に延びるアームレスト側ワイヤーハーネスを保護することができる。
【0013】
プロテクタは金属製であることが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、合成樹脂製のプロテクタに比べて、プロテクタの強度を大きくすることができるので、アームレスト側ワイヤーハーネスを確実に保護することができる。
【0015】
プロテクタの突出する突出方向と直交する面における、プロテクタの断面積は、アームレスト側コネクタの断面積よりも小さく設定されている。
【0016】
上記の構成によれば、被取り付け部材にプロテクタと、アームレスト側コネクタとを挿通させる貫通孔を構成する場合に、プロテクタ及びアームレスト側コネクタを挿通させる部分の断面積をアームレスト側コネクタの断面積よりも大きく設定し、プロテクタのみを挿通させる部分の断面積をプロテクタの断面積よりも大きく、且つ、アームレスト側コネクタよりも小さく設定することができる。これにより、アームレストが被取り付け部材に対して回転可能に取り付けられる構成の場合に、被取り付け部に形成される貫通孔の断面積を、プロテクタの断面積とアームレスト側コネクタの断面積とが同じ場合に比べて小さくすることができる。この結果、被取り付け部材の強度を向上させることができる。
【0017】
プロテクタは、底壁と、底壁の側縁から立ち上がる一対の側壁と、を有しており、一対の側壁の一方の側壁の先端縁には、他方の側壁に向かって延びると共にアームレスト側ワイヤーハーネスに係止することによりアームレスト側ワイヤーハーネスがプロテクタから外れることを抑制する係止爪が設けられている。
【0018】
上記の構成によれば、底壁と、一対の側壁とによって、アームレスト側ワイヤーハーネスを確実に保護することができる。また、アームレスト側ワイヤーハーネスがプロテクタから外れることが、係止爪によって抑制されるので、アームレスト側ワイヤーハーネスが確実に保護される。
【0019】
また、本明細書に開示された技術は、車両のシートに取り付けられるアームレストであって、フレームと、フレームに設けられると共に、シートのブラケットに取り付けられる取り付け面を有する取り付け部と、フレームに配索されるアームレスト側ワイヤーハーネスと、アームレスト側ワイヤーハーネスに接続されると共に、取り付け面からブラケットに接近する方向に開口するアームレスト側コネクタと、を備える。
【0020】
上記の構成によれば、シートのブラケットに取り付け部を取り付けた後に、取り付け面からブラケットに接近する方向に開口するアームレスト側コネクタと、シートに配されたシート側ワイヤーハーネスに接続されたシート側コネクタとを、シートの内側において接続することができる。これにより、アームレストへのワイヤーハーネスの接続作業性を向上させることができる。
【0021】
本明細書に開示された技術の実施態様としては以下の態様が好ましい。
フレームには、取り付け面からブラケットに接近する方向に突出して形成され、且つ、ブラケットに取り付け部が取り付けられた状態でシートの内部に突入するプロテクタが設けられており、プロテクタの内部にはアームレスト側ワイヤーハーネスが配索されており、プロテクタの突出端部にはアームレスト側コネクタが設けられている。
【0022】
上記の構成によれば、シートのブラケットに取り付け部を取り付けた状態で、アームレスト側コネクタを、シートの内側に確実に配置することができる。これにより、シートの内側において、確実にシート側ワイヤーハーネスとアームレスト側ワイヤーハーネスとを接続することができる。この結果、アームレストへのワイヤーハーネスの接続作業性を、更に向上させることができる。
【0023】
また、ブラケットに向かう方向に突出すると共にシートの内部に挿入されるプロテクタによって、アームレスト側ワイヤーハーネスを保護することができる。
【0024】
プロテクタの突出する突出方向と直交する面における、プロテクタの断面積は、コネクタの断面積よりも小さく設定されている。
【0025】
上記の構成によれば、ブラケットの強度を向上させることができる。その理由を以下に説明する。シートのブラケットには、プロテクタと、アームレスト側コネクタとを挿通させる貫通孔が形成される。この貫通孔のうち、プロテクタ及びアームレスト側コネクタを挿通させる部分の断面積をアームレスト側コネクタの断面積よりも大きく設定し、プロテクタのみを挿通させる部分の断面積をプロテクタの断面積よりも大きく、且つ、アームレスト側コネクタよりも小さく設定することができる。これにより、アームレストがブラケットに対して回転可能に取り付けられる構成の場合に、ブラケットに形成される貫通孔の断面積を、プロテクタの断面積とアームレスト側コネクタの断面積とが同じ場合に比べて小さくすることができる。この結果、ブラケットの強度を向上させることができるのである。
【発明の効果】
【0026】
本明細書に開示された技術によれば、アームレストに配索されたアームレスト側ワイヤーハーネスに、他のワイヤーハーネスを接続する際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態1に係るアームレストがシートに取り付けられた状態を示す側面図
図2】背面カバーによって開口部が閉塞された状態の背もたれ部を示す斜視図
図3】背面カバーが上方に跳ね上げられることによって開口部が開披された状態の背もたれ部を示す斜視図
図4】メインフレームとブラケットとを示す一部拡大斜視図
図5】メインフレームとブラケットとを示す一部拡大側面図
図6】アームレストをブラケットに組み付ける前の状態を示す一部拡大斜視図
図7】アームレストがブラケットに組み付けられた状態を示す一部拡大斜視図
図8】メインフレームのメインフレーム側長孔を示す一部拡大側面図
図9】アームレストを示す斜視図
図10】フレームを示す側面図
図11】フレームに、アームレスト側ワイヤーハーネス、プロテクタ、及びアームレスト側コネクタを取り付けた状態を示す側面図
図12】プロテクタを示す斜視図
図13】プロテクタを示す平面図
図14】背面カバーが上方に跳ね上げられることによって開口部が開披された状態の背もたれ部を示す底面図
図15図14におけるXV-XV線断面図
図16図14におけるXVI-XVI線断面図
図17図14におけるXVII-XVII線断面図
図18】アームレストの取り付け部を示す一部拡大側面図
図19図18におけるXIX-XIX線断面図
図20】背面カバーが上方に跳ね上げられることによって開口部が開披された状態であって、シート側コネクタとアームレスト側コネクタとを接続させる前の状態の背もたれ部を示す斜視図
図21】実施形態2に係るアームレストを示す側面図
図22図21におけるXXII-XXII線断面図
図23】コネクタ保持部材を示す斜視図
図24】コネクタ保持部材を示す平面図
図25】フレームを示す側面図
図26】実施形態2に係るアームレストを示す斜視図
図27】他の実施形態(1)に記載された、アームレストをブラケットに組み付ける前の状態を示す一部拡大斜視図
図28】他の実施形態(1)に記載された、アームレストがブラケットに組み付けられて、アームレスト側コネクタとシート側コネクタとが接続された状態を示す一部拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0028】
<実施形態1>
本明細書に開示された技術の実施形態1を図1から図20を参照しつつ説明する。本実施形態に係るアームレスト10は、図示しない車両に搭載されるシート11の側部に装着される。このアームレスト10は、フレーム12と、フレーム12に配索されるアームレスト側ワイヤーハーネス13と、を備える。以下の説明では、Z方向を上方とし、Y方向を前方とし、X方向を左方とする。また、複数の同一部材については一の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0029】
シート11
図1に示すように、シート11は、座部14と、座部14の後端部から上方に延びる背もたれ部15と、背もたれ部15の上端部に取り付けられるヘッドレスト16と、を備える。背もたれ部15の内部には、金属製のシートフレーム17が配されている。詳細には図示しないが、シートフレーム17は、左右両端部にそれぞれ配されると共に上下方向に延びるメインフレーム18と、メインフレーム18の下端部を連結する連結フレーム19と、を有する。シートフレーム17は、布製、合成皮革製、天然皮革製のシートカバー20によって覆われている。
【0030】
図1に示すように、シートカバー20の後面には、後方に開口する開口部21が形成されている。開口部21の上端縁には下方に延びる背面カバー22が設けられている。背面カバー22は、シートカバー20に対して、公知のファスナ(図示せず)によって、開口部21が開閉自在になるように設けられている。詳細には、ファスナを閉じることによって開口部21が背面カバー22により塞がれるようになっており(図2参照)、ファスナを開放し、背面カバー22を上方にはね上げることにより、開口部21を開口させることができるようになっている(図3参照)。
【0031】
図4に示すように、メインフレーム18の左側部には、左右方向の外側の位置に、ブラケット23(被取り付け部材の一例)が取り付けられている。ブラケット23は、メインフレーム18に対して、溶接、ボルト締結等の、公知の手法により固定されている。
【0032】
ブラケット23
図5に示すように、ブラケット23は、金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。ブラケット23は、左右方向の内方に開口する、概ね箱状に形成されている。ブラケット23は、左右方向から見て、上側が前後方向について幅広に形成され、下側が前後方向について幅狭に形成された、上下が反転した液滴状をなしている。ブラケット23は、メインフレーム18と対向する装着壁24を有する。
【0033】
図6及び図7に示すように、装着壁24には、メインフレーム18と反対側の面にアームレスト10が装着される。図5に示すように、装着壁24には、アームレスト10とブラケット23とを回転可能に締結するためのボルト25が挿通されるボルト孔26が、左右方向に貫通して形成されている。装着壁24の上端部寄りの位置には、装着壁24を左右方向に貫通した、ブラケット側長孔27が形成されている。ブラケット側長孔27は、ボルト孔26を中心とした略円弧状に形成されている。ブラケット側長孔27の前端部は、ブラケット側長孔27の他の部分よりも大きな、円孔状に形成された、径大部28とされている。装着壁24の下端部寄りの位置には、左右方向の外方に突出するガイドピン29が設けられている。ガイドピン29は円柱形状をなしている。
【0034】
ブラケット23に設けられた径大部28の内径寸法は、後述するアームレスト側コネクタ30の外形寸法よりも大きく設定されている。ブラケット側長孔27のうち径大部28と異なる部分の幅寸法は、後述するプロテクタ31の外径寸法よりも大きく、且つ、アームレスト側コネクタ30の外形寸法よりも小さく設定されている。
【0035】
図4に示すように、メインフレーム18には、左右方向について、ブラケット23のブラケット側長孔27と対応する位置に、メインフレーム側長孔32が形成されている。図8に示すように、メインフレーム側長孔32は、ブラケット側長孔27と略同じ形状に形成されている。メインフレーム側長孔32は、略円弧状に形成されている。メインフレーム側長孔32の前端部は、メインフレーム側長孔32の他の部分よりも大きな、円孔状に形成された、径大部33とされている。
【0036】
メインフレーム18に設けられた径大部33の内径寸法は、アームレスト側コネクタ30の外形寸法よりも大きく設定されている。メインフレーム側長孔32のうち径大部33と異なる部分の幅寸法は、プロテクタ31の外径寸法よりも大きく、且つ、アームレスト側コネクタ30の外形寸法よりも小さく設定されている。
【0037】
アームレスト10
図9に示すように、アームレスト10は、前後方向に延びた形状に形成されている。アームレスト10の前端部は、後端部に比べてやや先細り形状に形成されている。アームレスト10の後端部は、上面部と背面部との境界領域が丸められると共に、背面部と下面部との境界領域が丸められた形状をなしている。
【0038】
アームレスト10は、概ね袋状をなす表皮34と、表皮34の内部に配されたフレーム12と、表皮34の内部に充填された発泡樹脂材(図示せず)と、を備える。表皮34は、布、レザー等により形成される。
【0039】
アームレスト10の前端部には、第1ソケット35が、表皮34から露出した状態で組み付けられている(図9参照)。また、アームレスト10の後端部には、第2ソケット36が、表皮34から露出した状態で組み付けられている(図2参照)。第1ソケット35及び第2ソケット36は、例えば、携帯機器などを接続するのに使用されるUSB(Universal Serial Bus)コネクタが差し込まれるUSBポートとされている。第1ソケット35及び第2ソケット36には、それぞれ、アームレスト側ワイヤーハーネス13が接続されている
【0040】
フレーム12
図10に示すように、フレーム12は合成樹脂製であって、所定の形状に射出成型されている。フレーム12は、前後方向に細長く延びると共に、前端部が後端部に比べてやや先細りに形成されている。フレーム12は左右方向について比較的に扁平に設定されている。
【0041】
フレーム12の後端部寄りの位置には、シート11にアームレスト10を装着するための取り付け孔37が左右方向に延びて形成されている。この取り付け孔37にはボルト25が挿入されて、シート11に対してボルト締めされる(図15参照)。
【0042】
フレーム12のうち、取り付け孔37の斜め下前方には、発泡樹脂材を注入するための注入口38が左右方向にフレーム12を貫通して設けられている。この注入口38内に、図示しないノズルを挿入して、発泡原料を表皮34の内側に注入するようになっている。
【0043】
フレーム12のうち、取り付け孔37の斜め下後方であって、注入口38の後方には、ブラケット23のガイドピン29が挿入されるガイド溝39が、取り付け孔37を中心として円弧状に形成されている。ガイド溝39の幅寸法は、ガイドピン29の直径と同じか、やや大きく設定されている。
【0044】
フレーム12のうち、取り付け孔37の周囲に設けられて、左右方向から見て、前後方向にやや引き延ばされた略長円形状をなす部分は、ブラケット23に取り付けられる取り付け部40とされる。取り付け部40のうち、ブラケット23と対向する部分は、ブラケット23の装着壁24と摺接する取り付け面41とされる。取り付け部40の取り付け面41は、表皮34から露出している。
【0045】
フレーム12には、アームレスト側ワイヤーハーネス13が収容される第1溝部42、第2溝部43、及び第3溝部44が形成されている。第1溝部42は、第1ソケット35の後端部から後方に向けて延びて形成されている。第2溝部43は、第2ソケット36の下端部から前方に延びると共に、前端部が下方に曲がって形成されている。第1溝部42の後端部と、第2溝部43のうち下方に曲がった部分とが合流した部分から、下方に延びた後に後方に曲がった形状をなす第3溝部44が形成されている。第3溝部44の後端部寄りの部分は、斜め上後方に折れ曲がって、取り付け孔37のやや斜め上前方の位置にまで伸びている。
【0046】
第1溝部42、第2溝部43、及び第3溝部44を構成する一対の側壁の開孔縁部には、一方の側壁から他方の側壁に向かって突出する保持爪45が、上方から見て、第1溝部42、第2溝部43、及び第3溝部44の延びる方向について互い違いに形成されている。保持爪45がアームレスト側ワイヤーハーネス13に係止することにより、アームレスト側ワイヤーハーネス13が、第1溝部42、第2溝部43、及び第3溝部44から外れることが抑制されるようになっている。
【0047】
図11に示すように、アームレスト側ワイヤーハーネス13は、第1ソケット35、及び第2ソケット36からそれぞれ導出されたのち、第3溝部44で合流されて、取り付け孔37のやや斜め上前方の位置にまで配索されている。
【0048】
第3溝部44の後端部には、左右方向に貫通する貫通孔46が形成されている。この貫通孔46内にネジ47が挿通されて、後述するプロテクタ31がフレーム12に固定されるようになっている(図16参照)。
【0049】
プロテクタ31
第3溝部44の後端部には、取り付け面41から離間すると共に、ブラケット23に接近する方向(右方)に突出するプロテクタ31が取り付けられている。図12及び図13に示すように、プロテクタ31は、金属板材を所定の形状にプレス加工することにより形成される。プロテクタ31は、全体として、左右方向に細長く延びて形成されている。
【0050】
プロテクタ31は、左右方向に延びる底壁48を有する。底壁48の右端部寄りの位置には、アームレスト側コネクタ30が取り付けられるコネクタ保持孔49が、底壁48を貫通して形成されている。アームレスト側コネクタ30の係止部50が、コネクタ保持孔49内に挿通されて、コネクタ保持孔49の孔縁部に係止することにより、アームレスト側コネクタ30がプロテクタ31の右端部(突出端部に相当)に保持されるようになっている。
【0051】
プロテクタ31の底壁48のうち、左右方向について左端部から概ね三分の二の領域には、底壁48の両側縁から立ち上がる第1側壁51と、第2側壁52とが形成されている。底壁48、第1側壁51、及び第2側壁52により形成された溝状の部分に、アームレスト側ワイヤーハーネス13が配索されるようになっている。第1側壁51の先端縁には第2側壁52に向かって延びる係止爪53が形成されており、また、第2側壁52の先端縁には第1側壁51に向かって延びる係止爪53が形成されている。第1側壁51の係止爪53と、第2側壁52の係止爪53とは、プロテクタ31の延びる方向(左右方向)について互い違いに設けられている。第1側壁51の係止爪53と、第2側壁52の係止爪53が、アームレスト側ワイヤーハーネス13に係止することによりアームレスト側ワイヤーハーネス13がプロテクタ31の溝状をなす部分から外れることを抑制することができるようになっている。
【0052】
第1側壁51の左端部には、第1側壁51と直交すると共に、第2側壁52から離間する方向に屈曲した固定部54が設けられている。固定部54は、左右方向から見て四角形状をなしている。固定部54にはネジ47が挿入される挿入孔55が形成されている。固定部54の挿入孔55と、第3溝部44の貫通孔46とを対応させた状態で、ネジ47を挿入孔55と貫通孔46とに挿入し、ネジ47とナット56とを締結することにより、固定部54がフレーム12に固定されるようになっている。
【0053】
第1側壁51の左端部寄りの位置であって、固定部54よりも右側の位置には、第1側壁51と直交する方向であって、第2側壁52から離間する方向に屈曲したワイヤーハーネス保護部57が設けられている。図18及び図19に示すように、プロテクタ31がフレーム12に固定された状態において、アームレスト側ワイヤーハーネス13とネジ47との間の位置にワイヤーハーネス保護部57が介在することにより、アームレスト側ワイヤーハーネス13がネジ47と接触しないように保護するようになっている。
【0054】
アームレスト側コネクタ30
アームレスト側ワイヤーハーネス13の左端部には、アームレスト側コネクタ30が接続されている。アームレスト側コネクタ30は、絶縁性の合成樹脂を射出成型してなる。アームレスト側コネクタ30は、右方(取り付け面41からブラケット23に接近する方向)に開口するフード部58を有する。
【0055】
アームレスト側コネクタ30は、プロテクタ31の底壁48に設けられたコネクタ保持孔49の孔縁部に係止する係止部50を有する。係止部50がコネクタ保持孔49の孔縁部に係止することにより、アームレスト側コネクタ30がプロテクタ31に装着されるようになっている。
【0056】
ブラケット23にアームレスト10の取り付け部40がボルト締結された状態で、プロテクタ31は、ブラケット23の装着壁24を左右方向に貫通する共に、メインフレーム18を左右方向に貫通している。これによりブラケット23は、左右方向について一対のメインフレーム18の内側であって、シート11の内部に突入した状態になっている。換言すると、ブラケット23の突出端部に装着されたアームレスト側コネクタ30は、シート11の内部に位置している。
【0057】
シート11側コネクタ
図17に示すように、アームレスト側コネクタ30のフード部58の内部には、シート側コネクタ59が内嵌されるようになっている。シート側コネクタ59は、絶縁性の合成樹脂を射出成型してなる。シート側コネクタ59の左端部には、シート側ワイヤーハーネス60が接続されている。
【0058】
シート側ワイヤーハーネス60は、シートカバー20内に配索されており、メインフレーム18、連結フレーム19等に、クリップ等の公知の手段により取り付けられている。
【0059】
シート11へのアームレスト10の組み付け工程
続いて、シート11へのアームレスト10の組み付け工程の一例について説明する。シート11へのアームレスト10の組み付け工程は以下の記載に限定されない。
【0060】
合成樹脂を射出成型することによりフレーム12を形成する(図10参照)。フレーム12にプロテクタ31をネジ47とナット56により固定する。
【0061】
アームレスト側ワイヤーハーネス13の端部に、第1ソケット35、第2ソケット36、及びアームレスト側コネクタ30を接続する。アームレスト側ワイヤーハーネス13を、フレーム12の、第1溝部42、第2溝部43、及び第3溝部44の内部に配索する。更に、アームレスト側ワイヤーハーネス13を、プロテクタ31に配索する。プロテクタ31のコネクタ保持孔49にアームレスト側コネクタ30を固定する(図11参照)。
【0062】
フレーム12に表皮34を被せる。フレーム12の注入口38にノズルを挿入し、発泡原料を表皮34の内側に注入して発泡させる。これによりアームレスト10が完成する(図9参照)。
【0063】
続いて、アームレスト側コネクタ30を、ブラケット23に形成されたブラケット側長孔27の径大部28に左方から挿通させ(図6参照)、続いて、メインフレーム18に形成されたメインフレーム側長孔32の径大部33に左方から挿通させる(図7参照)。これにより、アームレスト側コネクタ30が、左右方向について、メインフレーム18の内側に位置するようになる。
【0064】
取り付け孔37にボルト25を挿通させて、ブラケット23と取り付け部40とを、ボルト25を回転軸として回転可能に取り付ける。この時、ブラケット23のガイドピン29はフレーム12のガイド溝39の内部に収容されるようになっている。これにより、ガイド溝39の範囲内で、ガイドピン29が摺動することにより、アームレスト10が回転可能になっている。
【0065】
続いて、シートカバー20のファスナを開放して、背面カバー22を上方へはねあげる(図20参照)。これにより、開口部21が開披される。シート11内部には、シート側ワイヤーハーネス60がメインフレーム18、連結フレーム19等に取り付けられている。シート側ワイヤーハーネス60の端部に接続されたシート側コネクタ59を、シート11の内部に位置しているアームレスト側コネクタ30に嵌合させる(図3参照)。これにより、シート側ワイヤーハーネス60と、アームレスト側ワイヤーハーネス13とが電気的に接続される。
【0066】
背面カバー22を下ろして、ファスナを閉じる。これにより、開口部21は背面カバー22によって閉塞される(図2参照)。これにより、シート11が完成する。
【0067】
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態に係るアームレスト10は、車両のシート11に取り付けられるアームレスト10であって、フレーム12と、フレーム12に設けられると共に、シート11のブラケット23に取り付けられる取り付け面41を有する取り付け部40と、フレーム12に配索されるアームレスト側ワイヤーハーネス13と、アームレスト側ワイヤーハーネス13に接続されると共に、取り付け面41からブラケット23に接近する方向に開口するアームレスト側コネクタ30と、を備える。
【0068】
上記の構成によれば、シート11のブラケット23に取り付け部40を取り付けた後に、取り付け面41からブラケット23に接近する方向に開口するアームレスト側コネクタ30と、シート11に配されたシート側ワイヤーハーネス60に接続されたシート側コネクタ59とを、シート11の内側において接続することができる。これにより、アームレスト10へのワイヤーハーネスの接続作業性を向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、フレーム12には、取り付け面41からブラケット23に接近する方向に突出するプロテクタ31が設けられており、プロテクタ31の内部にはアームレスト側ワイヤーハーネス13が配索されており、プロテクタ31の突出端部にはアームレスト側コネクタ30が設けられている。
【0070】
上記の構成によれば、プロテクタ31によって、ブラケット23に接近する方向に延びるアームレスト側ワイヤーハーネス13を保護することができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、プロテクタ31は金属製とされる。
【0072】
上記の構成によれば、プロテクタ31が合成樹脂製である場合に比べて、プロテクタ31の強度を大きくすることができるので、アームレスト側ワイヤーハーネス13を確実に保護することができる。
【0073】
プロテクタ31は、底壁48と、底壁48の側縁から立ち上がる第1側壁51及び第2側壁52と、を有しており、第1側壁51及び第2側壁52の一方の側壁の先端縁には、他方の側壁に向かって延びると共にアームレスト側ワイヤーハーネス13に係止することによりアームレスト側ワイヤーハーネス13がプロテクタ31から外れることを抑制する係止爪53が設けられている。
【0074】
上記の構成に係るアームレスト10は、底壁48と、第1側壁51及び第2側壁52とによって、アームレスト側ワイヤーハーネス13を確実に保護することができる。また、アームレスト側ワイヤーハーネス13がプロテクタ31から外れることが、係止爪53によって抑制されるので、アームレスト側ワイヤーハーネス13が確実に保護される。
【0075】
また、本実施形態によれば、フレーム12には、取り付け面41からブラケット23に接近する方向に突出して形成され、且つ、ブラケット23に取り付け部40が取り付けられた状態でシート11の内部に突入するプロテクタ31が設けられており、プロテクタ31の内部にはアームレスト側ワイヤーハーネス13が配索されており、プロテクタ31の突出端部にはアームレスト側コネクタ30が設けられている。
【0076】
上記の構成によれば、シート11のブラケット23に取り付け部40を取り付けた状態で、アームレスト側コネクタ30を、シート11の内側に確実に配置することができる。これにより、シート11の内側において、確実にシート側ワイヤーハーネス60とアームレスト側ワイヤーハーネス13とを接続することができる。この結果、アームレスト10へのワイヤーハーネスの接続作業性を、更に向上させることができる。
【0077】
また、ブラケット23に向かう方向に突出すると共にシート11の内部に挿入されるプロテクタ31によって、アームレスト側ワイヤーハーネス13を保護することができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、プロテクタ31の突出する突出方向と直交する面における、プロテクタ31の断面積は、コネクタの断面積よりも小さく設定されている。
【0079】
上記の構成によれば、ブラケット23の強度を向上させることができる。その理由を以下に説明する。シート11のブラケット23には、プロテクタ31と、アームレスト側コネクタ30とを挿通させるブラケット側長孔27が形成される。このブラケット側長孔27のうち、プロテクタ31及びアームレスト側コネクタ30を挿通させる部分(径大部28)の断面積をアームレスト側コネクタ30の断面積よりも大きく設定し、プロテクタ31のみを挿通させる部分(ブラケット側長孔27のうち径大部28と異なる部分)の断面積をプロテクタ31の断面積よりも大きく、且つ、アームレスト側コネクタ30よりも小さく設定することができる。これにより、アームレスト10がブラケット23に対して回転可能に取り付けられる構成の場合に、ブラケット23に形成されるブラケット側長孔27の断面積を、プロテクタ31の断面積とアームレスト側コネクタ30の断面積とが同じ場合に比べて小さくすることができる。この結果、ブラケット23の強度を向上させることができるのである。
【0080】
<実施形態2>
次に、本明細書に開示された技術の実施形態2に係るアームレスト70を図21から図26を参照しつつ説明する。
【0081】
第3溝部44の底壁は、後端部に向かうに従って、やや右方に傾斜して形成されている(図22参照)。第3溝部44の底壁の後端部には、底壁を貫通する係合孔72が形成されている。係合孔72には、コネクタ保持部材73の係合部74が貫通されている(図25参照)。係合孔72の孔縁部に、コネクタ保持部材73の係合部74が弾性的に係合することにより、フレーム81にコネクタ保持部材73が取り付けられている。
【0082】
図23及び図24に示すように、コネクタ保持部材73は、係合部74と、係合部74から第3溝部44の底壁に沿って延びる本体部75を有する。本体部75は、第3溝部44の底壁が傾斜する角度と対応する角度を有して形成されている。これにより、コネクタ保持部材73の本体部75は、全体として、第3溝部44の底壁に沿うようになっている。
【0083】
本体部75の端部のうち、係合部74と反対側の端部には、本体部75の右側面から係合部74側に向かって折り返された形状に延びるコネクタ保持片76が形成されている。コネクタ保持片76は本体部75よりも幅狭に形成されている。コネクタ保持片76の突出端部寄りの位置には、アームレスト側コネクタ78を保持するコネクタ保持孔77が、コネクタ保持片76を貫通して形成されている。アームレスト側コネクタ78に設けられた係止部79がコネクタ保持孔77の孔縁部に係止することにより、アームレスト側コネクタ78がコネクタ保持部材73を介してアームレスト70に装着されるようになっている。
【0084】
図21及び図26に示すように、アームレスト側コネクタ78のフード部80は、アームレスト70の表皮34から露出している。フード部80は、右方に開口している。換言すると、フレーム81の取り付け面41からブラケット23に接近する方向に開口している。
【0085】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0086】
本実施形態に係るアームレスト70は、フレーム81と、フレーム81に設けられると共に、ブラケット23に取り付けられる取り付け面41を有する取り付け部40と、フレーム81に配索されるアームレスト側ワイヤーハーネス13と、アームレスト側ワイヤーハーネス13に接続されると共に、取り付け面41からブラケット23に向かう方向に開口するアームレスト側コネクタ78と、を備える。
【0087】
上記の構成によれば、ブラケット23に取り付け部40を取り付けた後に、取り付け面41からブラケット23に接近する方向開口するアームレスト側コネクタ78と、シート11に配されたシート側ワイヤーハーネス60に接続されたシート側コネクタ59とを接続することができる。これにより、アームレスト10に配索されたアームレスト側ワイヤーハーネス13への接続作業性を向上させることができる。
【0088】
<他の実施形態>
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
【0089】
(1)図27及び図28に示すように、シート側コネクタ59、及びシート側ワイヤーハーネス60は、図示しないクリップ等により、予めメインフレーム18の所定の位置に固定しておいてもよい。これにより、アームレスト10をブラケット23に組み付ける工程と同一の工程において、アームレスト側コネクタ30とシート側コネクタ59とを接続することができる。
【0090】
(2)アームレスト10,70は、車両のシート11に取り付けられるものに限られず、例えば、航空機のシート、艦船のシート、汽車又は電車のシート等に取り付けられる構成としてもよい。また、アームレスト10,70はシート11に取り付けられるものに限られず、必要に応じて任意の部材に取り付けられる構成としてもよい。
【0091】
(3)アームレスト10,70は、シート11の両側に取り付けられる構成としてもよく、また、シート11の一方の側部に取り付けられる構成としてもよい。
【0092】
(4)実施形態1においては、アームレスト10のフレーム12と、プロテクタ31とは別部品としたが、これに限られず、アームレスト10のフレーム12とプロテクタ31とを、一体に形成してもよい。この場合、一体に形成されるフレーム12とプロテクタ31は、金属製でもよいし、合成樹脂製でもよく、任意の材料を適宜に選択することができる。
【0093】
(5)実施形態1においては、プロテクタ31の断面積は、アームレスト側コネクタ30の断面積よりも小さく設定されていたが、これに限られず、プロテクタ31の断面積は、アームレスト側コネクタ30の断面積と、同じであってもよく、また、大きく設定されていてもよい。
【0094】
(6)実施形態1においては、プロテクタ31は、底壁48と、底壁48の側縁から立ち上がる第1側壁51及び第2側壁52とを有する溝状に形成される構成としたが、これに限られず、例えば、アームレスト側ワイヤーハーネス13が挿通される筒状に形成されていてもよく、また、細長い板状をなすプロテクタ31にアームレスト側ワイヤーハーネス13を沿わせた状態で粘着テープを捲回することにより、アームレスト側ワイヤーハーネス13を固定する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10,70:アームレスト
11:シート
12,81:フレーム
13:アームレスト側ワイヤーハーネス
23:ブラケット(被取り付け部材の一例)
30,78:アームレスト側コネクタ
31:プロテクタ
40:取り付け部
41:取り付け面
48:底壁
51:第1側壁
52:第2側壁
53:係止爪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
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図26
図27
図28