(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】コネクタおよびコネクタハウジング
(51)【国際特許分類】
H01R 13/42 20060101AFI20240104BHJP
H01R 43/20 20060101ALI20240104BHJP
H01R 4/18 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
H01R13/42 A
H01R43/20 A
H01R4/18 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019100006
(22)【出願日】2019-05-29
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】201820848708.6
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821172020.7
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】514095099
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ インディア プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TE CONNECTIVITY INDIA PRIVATE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】パン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ラジェンドラ,パイ
(72)【発明者】
【氏名】ディング,トンバオ
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-503871(JP,A)
【文献】米国特許第07198526(US,B1)
【文献】実開昭57-062384(JP,U)
【文献】米国特許第09692163(US,B1)
【文献】米国特許第04214361(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/115
H01R 13/42
H01R 43/20
H01R 4/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受取り通路が形成されたハウジングと、
挿入方向に挿入され、前記受取り通路内に取り付けられた端子とを備え、
少なくとも1つの制限突起が、前記受取り通路の壁に設けられ、前記制限突起は、前記端子が前記受取り通路に事前挿入されるとき、前記端子に当接して前記端子の一部分を前記受取り通路の外側で保持するように構成されて
おり、
前記制限突起は、前記端子によってこすり取られて、前記端子を前記受取り通路に完全に挿入して取り付けることを可能にするものであり、
前記端子は、
本体部と、
前記本体部の2つの対辺から前記本体部の上側に向かって上方へ延びる2つの固定アームであって、前記端子の前端から挿入された嵌合端子を前記本体部と前記固定アームとの間で固定する固定アームと、
前記本体部の後端に接続された圧着部とを備えており、
前記圧着部は、前記本体部の一方の側から前記挿入方向に直交する方向に外方へ延びている、
コネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記受取り通路の後端で前記挿入方向に直交する前記方向に外方へ延びる補助受取り部を有するようにさらに形成され、前記補助受取り部は、前記端子の前記圧着部を受け取るように前記受取り通路と連通している、
請求項
1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記挿入方向に延びる位置決め部が、前記受取り通路の頂壁に設けられ、前記位置決め部は、前記端子が前記ハウジングに事前挿入されるとき、それぞれ前記端子の前記固定アームを案内して前記受取り通路に挿入させ、前記固定アームを前記受取り通路内に位置決めするように構成されている、
請求項
2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記制限突起は、前記受取り通路の底壁に位置している、
請求項
3に記載のコネクタ。
【請求項5】
受取り通路が形成されたハウジングと、
挿入方向に挿入され、前記受取り通路内に取り付けられた端子とを備え、
少なくとも1つの制限突起が、前記受取り通路の壁に設けられ、前記制限突起は、前記端子が前記受取り通路に事前挿入されるとき、前記端子に当接して前記端子の一部分を前記受取り通路の外側で保持するように構成されており、
前記制限突起は、前記端子によってこすり取られて、前記端子を前記受取り通路に完全に挿入して取り付けることを可能にしており、
前記端子は、
本体部と、
前記本体部の2つの対辺から前記本体部の上側に向かって上方へ延びる2つの固定アームであって、前記端子の前端から挿入された嵌合端子を前記本体部と前記固定アームとの間で固定する固定アームと、
前記本体部の後端に接続された圧着部とを備えており、
前記圧着部は、前記挿入方向とは反対の方向に延びており、
前記挿入方向に延びるリブが側壁に設けられ、前記リブは前記制限突起を備えており、
前記挿入方向に延びる位置決め部が、前記受取り通路の前記側壁に設けられ、前記位置決め部は、前記端子が前記ハウジングに事前挿入されるとき、それぞれ前記端子の前記固定アームをそれぞれ案内して前記受取り通路に挿入させ、前記固定アームをそれぞれ位置決めするように構成されている
、
コネクタ。
【請求項6】
前記挿入方向に延びる案内スロットが、前記受取り通路の底壁に設けられており、前記端子の底壁の下方突出部を案内するようになっている、
請求項1から
5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記端子は、前記挿入方向とは反対の方向に前記端子の底壁から斜め上方へ延びる解放アームをさらに備え、前記解放アームは、上方へ曲がっている後端を有し、前記後端は、完全に挿入された前記端子に対して前記ハウジングが後方へ動かされたとき、前記挿入された嵌合端子を解放するように前記ハウジングによって押し下げられる駆動部として働くようになっている、
請求項
1から
5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記端子は、前記解放アームに形成された固定突起をさらに備え、前記固定突起は、前記嵌合端子の固定孔と協働して前記嵌合端子を前記本体部と前記固定アームとの間でロックするように構成されている、
請求項
7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記受取り通路の頂壁から下方へ延びる傾斜壁をさらに備え、前記傾斜壁は、前記完全に挿入された端子に対して前記ハウジングが後方へ動いたとき、前記駆動部を下方へ駆動して前記固定突起を前記固定孔から切り離し、前記挿入された嵌合端子を解放するように構成されている、
請求項
8に記載のコネクタ。
【請求項10】
挿入方向に挿入されて取り付けられる端子を受け取るように構成された受取り通路を備えているコネクタハウジングであって、
少なくとも1つの制限突起が、前記受取り通路の壁に設けられ、前記制限突起は、前記端子が前記コネクタハウジングに事前挿入されるとき、前記端子に当接して、前記端子の一部分を前記コネクタハウジングの外側で保持するように構成されて
おり、
前記受取り通路の後端で前記挿入方向に直交する方向に外方へ延びる補助受取り部をさらに備え、前記補助受取り部は、前記端子の圧着部を受け取るように前記受取り通路と連通している、
コネクタハウジング。
【請求項11】
前記制限突起は、前記端子によってこすり取られて、前記端子を前記受取り通路に完全に挿入して取り付けることを可能にする、
請求項
10に記載のコネクタハウジング。
【請求項12】
前記挿入方向に延びる位置決め部が、前記受取り通路の頂壁に設けられ、前記位置決め部は、前記端子が前記コネクタハウジングに事前挿入されるとき、前記端子を案内して前記受取り通路に挿入させ、前記端子を前記受取り通路内に位置決めするように構成されている、
請求項
10に記載のコネクタハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連発明の相互参照
本開示は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2018年6月1日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第201821172020.7号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示の少なくとも1つの実施形態は、コネクタおよびコネクタハウジングに関し、詳細にはどちらも自動組立てを実現することが可能なコネクタおよびコネクタハウジングに関する。
【背景技術】
【0003】
コネクタは、産業用設備および家庭用電気器具で広く使用されている。使用時には、組み立てられたコネクタを形成するために、操作者がワイヤを端子に圧着し、次いでワイヤが圧着された端子をハウジングに完全に挿入することがしばしば必要である。この組立て工程は手作業で実行されるため、多数のコネクタが必要とされる場合、コネクタを組み立てるには長い時間および高い人件費がかかり、したがって多数のコネクタに対する需要を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、前述の欠点のうちの少なくとも1つの態様を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の少なくとも1つの実施形態は、組立て時間および組立て人件費を削減するために自動で組み立てることができる労働節約的なコネクタおよびコネクタハウジングを提供することである。
【0006】
本開示の一態様によれば、受取り通路が形成されたハウジングと、挿入方向に挿入され、受取り通路内に取り付けられた端子とを備えているコネクタが提供される。少なくとも1つの制限突起が、受取り通路の壁に配置され、制限突起は、端子が受取り通路に事前挿入されるとき、端子に当接して端子の一部分を受取り通路の外側で保持するように構成されている。
【0007】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、制限突起は、端子によってこすり取られて、端子を受取り通路に完全に挿入して取り付けることを可能にする。
【0008】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの制限突起は、受取り通路の底壁、側壁、および頂壁のうちのいずれか1つまたはすべてに配置されている。
【0009】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、端子は、本体部と、本体部の2つの対辺から本体部の上側に向かって上方へ延びる2つの固定アームであって、端子の前端から挿入された嵌合端子を本体部と固定アームとの間で固定する固定アームと、本体部の後端に接続された圧着部とを含む。
【0010】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、圧着部は、本体部の一方の側から挿入方向に直交する方向に外方へ延びている。
【0011】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、ハウジングは、受取り通路の後端で挿入方向に直交する方向に外方へ延びる補助受取り部を有するようにさらに形成され、補助受取り部は、端子の圧着部を受け取るように受取り通路と連通している。
【0012】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びる位置決め部が、受取り通路の頂壁に設けられ、位置決め部は、端子がハウジングに事前挿入されるとき、それぞれ端子の固定アームを案内して受取り通路に挿入させ、固定アームを受取り通路内に位置決めするように構成されている。
【0013】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、制限突起は、受取り通路の底壁に位置している。
【0014】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、圧着部は、挿入方向とは反対の方向に延びている。
【0015】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、制限突起は、受取り通路の側壁に配置されている。
【0016】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びるリブが側壁に設けられ、リブは制限突起を備えている。
【0017】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びる位置決め部が、受取り通路の側壁に設けられ、位置決め部は、端子がハウジングに事前挿入されるとき、それぞれ端子の固定アームを案内して受取り通路に挿入させ、固定アームを受取り通路内に位置決めするように構成されている。
【0018】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びる案内スロットが、受取り通路の底壁に設けられており、端子の底壁の下方突出部を案内するようになっている。
【0019】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、端子は、挿入方向とは反対の方向に端子の底壁から斜め上方へ延びる解放アームをさらに備え、解放アームは、上方へ曲がっている後端を有し、この後端は、完全に挿入された端子に対してハウジングが後方へ動かされたとき、挿入された嵌合端子を解放するようにハウジングによって押し下げられる駆動部として働くようになっている。
【0020】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、端子は、解放アームに形成された固定突起をさらに備え、固定突起は、嵌合端子の固定孔と協働して嵌合端子を本体部と固定アームとの間でロックするように構成されている。
【0021】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、ハウジングは、受取り通路の頂壁から下方へ延びる傾斜壁をさらに備え、傾斜壁は、完全に挿入された端子に対してハウジングが後方へ動いたとき、駆動部を下方へ駆動して固定突起を固定孔から切り離し、それによって挿入された嵌合端子を解放するように構成されている。
【0022】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、ハウジングは、ハウジングの前端に形成された阻止突起をさらに備え、阻止突起は、端子がハウジングに完全に挿入されたとき、端子を阻止するように構成されている。
【0023】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、挿入方向に挿入されて取り付けられる端子を受け取るように構成された受取り通路を備えているコネクタハウジングが提供される。少なくとも1つの制限突起が、受取り通路の壁に設けられ、制限突起は、端子がコネクタハウジングに事前挿入されるとき、端子に当接して端子の一部分をコネクタハウジングの外側で保持するように構成されている。
【0024】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、制限突起は、端子によってこすり取られて、端子を受取り通路に完全に挿入して取り付けることを可能にする。
【0025】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの制限突起は、受取り通路の底壁、側壁、および頂壁のうちのいずれか1つまたはすべてに配置されている。
【0026】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、コネクタハウジングは、受取り通路の後端で挿入方向に直交する方向に外方へ延びる補助受取り部をさらに備え、補助受取り部は、端子の圧着部を受け取るように受取り通路と連通している。
【0027】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びる位置決め部が、受取り通路の頂壁に設けられ、位置決め部は、端子がコネクタハウジングに事前挿入されるとき、端子を案内して受取り通路に挿入させ、端子を受取り通路内に位置決めするように構成されている。
【0028】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、制限突起は、受取り通路の底壁に位置している。
【0029】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、コネクタハウジングは、受取り通路の後端で挿入方向とは反対の方向に外方へ延びる補助受取り部をさらに備え、補助受取り部は、端子の圧着部を受け取るように受取り通路と連通している。
【0030】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、制限突起は、受取り通路の側壁に配置されている。
【0031】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びるリブが側壁に設けられ、リブは制限突起を備えている。
【0032】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びる位置決め部が、受取り通路の側壁に設けられ、位置決め部は、端子がコネクタハウジングに事前挿入されるとき、端子を案内して受取り通路に挿入させ、端子を受取り通路内に位置決めするように構成されている。
【0033】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、コネクタハウジングは、コネクタハウジングの前端に形成された阻止突起をさらに備え、阻止突起は、端子がコネクタハウジングに完全に挿入されたとき、端子を阻止するように構成されている。
【0034】
本開示の上記その他の特徴は、本開示の例示的な実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明することによって、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本開示の例示的な実施形態によるコネクタの分解斜視図である。
【
図2】事前挿入された状態にある
図1に示すコネクタの斜視図である。
【
図5】本開示の別の例示的な実施形態によるコネクタの分解斜視図である。
【
図6】事前挿入された状態にある
図5に示すコネクタの斜視図である。
【
図7】
図5に示すコネクタのハウジングの斜視図である。
【
図10】
図9に示すコネクタ内の端子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示の技術的な解決策について、実施形態によって添付の図面を参照してさらに具体的に以下に説明する。本明細書では、同じまたは類似の参照番号は、同じまたは類似の構成要素を指す。添付の図面を参照する本開示の実施形態の説明は、本開示の発明の一般概念について説明することを意図したものであり、本開示の限定と解釈されるべきではない。
【0037】
加えて、以下の詳細な説明では、本開示の実施形態の包括的な理解を提供するために、説明を容易にするように多数の具体的な詳細について述べる。しかし、1つまたは複数の実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実行することができることは明らかである。他の例では、よく知られている構造およびデバイスは、図を簡略化するために図表の形式で示す。
【0038】
以下、区別および説明の便宜上、
図1に示すコネクタ100を第1のコネクタ100と呼び、
図5に示すコネクタ200を第2のコネクタ200と呼ぶ。第1のコネクタ100および第2のコネクタ200の構造上または機能上類似している構成要素もまた、「第1」および「第2」によって区別する。しかしこれは限定的ではなく、「第1」および「第2」は入れ替えて使用することもできる。
【0039】
本開示の一般概念によれば、受取り通路が形成されたハウジングと、挿入方向に挿入され、受取り通路内に取り付けられた端子とを備えているコネクタが提供される。少なくとも1つの制限突起が、受取り通路の壁に配置され、制限突起は、端子が受取り通路に事前挿入されるとき、端子に当接して端子の一部分を受取り通路の外側で保持するように構成されている。
【0040】
本開示の別の一般概念によれば、挿入方向に挿入されて取り付けられた端子を受け取るように構成された受取り通路を備えているコネクタハウジングが提供される。少なくとも1つの制限突起が、受取り通路の壁に設けられ、制限突起は、端子がコネクタハウジングに事前挿入されるとき、端子に当接して端子の一部分をコネクタハウジングの外側で保持するように構成されている。
【0041】
図1は、本開示の例示的な実施形態による第1のコネクタ100の分解斜視図であり、
図2は、事前挿入された状態にある
図1に示す第1のコネクタ100の斜視図であり、
図3は、
図1に示す第1のコネクタ100の断面図であり、
図4は、
図2に示す第1のコネクタ100の断面図である。
【0042】
図1~4に示す本開示の例示的な実施形態によれば、第1のコネクタ100は、ワイヤに電気的に接続するように構成された第1の端子1と、第1の端子1を受け取るように構成された第1のハウジング2とを含む。
【0043】
第1の受取り通路25が、第1のハウジング2内に形成され、挿入方向に第1のハウジング2に挿入されて取り付けられた第1の端子1を受け取るように構成されている。例示的な実施形態では、少なくとも1つの第1の制限突起22が、第1の受取り通路25の壁に配置され、第1の制限突起22は、第1の端子1が第1のハウジング2の第1の受取り通路25に事前挿入されるとき、第1の端子1に当接して第1の端子1がさらに挿入されるのを防止し、第1の端子1の一部分を第1のハウジング2の第1の受取り通路25の外側で保持し、それによって第1のハウジング2の第1の受取り通路25の外側で保持された第1の端子1の一部分にワイヤを圧着することを容易にするように構成されている。
【0044】
第1の端子1が第1のハウジング2に完全に挿入されたとき、第1の制限突起22は、第1の端子1の前端によってこすり取られて、第1の端子1の第1の圧着部15を第1のハウジング2にさらに挿入することを可能にする。このようにして、第1の端子1は、第1の受取り通路25に完全に挿入されて取り付けられる。
【0045】
第1の端子1は、第1の本体部12と、第1の本体部12の2つの対辺から第1の本体部12の上側に向かって上方へ延びる2つの第1の固定アーム11であって、第1の端子1の前端から挿入された第1の嵌合端子(図示せず)を第1の本体部12と第1の固定アーム11との間で固定する第1の固定アーム11と、第1の本体部12の後端に接続され、ワイヤが圧着されるように適合された第1の圧着部15とを含む。一実施形態では、第1の圧着部15は、2つの対向して配置された第1の圧着片151と、2つの対向して配置された第2の圧着片152とを含む。第1の圧着片151は、ワイヤの芯を圧着するために使用され、第2の圧着片152は、ワイヤの絶縁層を圧着するために使用される。
【0046】
本開示の例示的な実施形態によれば、1つまたは複数の第1の制限突起22を、必要に応じて第1の受取り通路25の第1の底壁251、第1の側壁252、および第1の頂壁253のうちのいずれか1つまたはすべてに配置することができる。たとえば、第1の受取り通路25の第1の底壁251に形成された2つの制限突起22が示されている。
【0047】
本開示の例示的な実施形態によれば、第1の端子1の第1の圧着部15は、第1の本体部12の一方の側から挿入方向に直交する方向に外方へ延び、それにより第1の端子1は、平面視で実質上「L」字形を有している。
【0048】
「L」字形の形態の第1の端子1を受け取るために、第1のハウジング2は、第1の受取り通路25の後端で挿入方向に直交する方向に延びる補助受取り部24を有するようにさらに形成され、補助受取り部24は、第1の受取り通路25と連通され、それにより第1のハウジング2は、第1の端子1が第1のハウジング2に完全に挿入されたとき、「L」字形の形態の第1の端子1の第1の圧着部15を受け取るように、「L」字形の形態である。
【0049】
本開示の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びる第1の位置決め部21が、第1の受取り通路25の第1の頂壁253に設けられ、第1の位置決め部21は、第1の端子1が第1のハウジング2に事前挿入されるとき、第1の端子1の第1の固定アーム11を案内して第1の受取り通路25に挿入させ、第1の固定アーム11を第1の受取り通路25内に位置決めし、第1のコネクタ100を生産ラインから自動圧着装置へ移送する過程でその不十分な固定により事前挿入された第1の端子1が第1のハウジング2から切り離されるのを防止するように構成されている。
【0050】
図1、
図3、
図4に示す本開示の例示的な実施形態によれば、第1の制限突起22は、第1の受取り通路25の第1の底壁251に位置している。
【0051】
本開示の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びる第1の案内スロット2511が、第1の受取り通路25の第1の底壁251に設けられており、第1の端子1の底壁14の下方突出部(図示せず)を案内するようになっている。このようにして、下方突出部は、第1の端子1が第1の受取り通路25に完全に挿入されたとき、第1の案内スロット2511の第1の突出壁(図示せず)に当接して、第1の端子1を第1の受取り通路25内に位置決めするのを助ける。
【0052】
図1および
図2に示す本開示の例示的な実施形態によれば、後述する
図8を参照すると、第1の端子1は、第1の端子1の底壁14から挿入方向とは反対の方向に斜め上方へ延びる第1の解放アーム13をさらに含み、第1の解放アーム13は、上方へ曲がっている後端を有し、この後端は、第1の端子1が第1の受取り通路25に完全に挿入されたとき、第1のハウジング2の一部分に当接する第1の駆動部131として働くようになっている。第1の嵌合端子が第1の端子1に挿入された場合、第1の嵌合端子を解放するために、第1のハウジング2は、完全に挿入された第1の端子1に対して後方へ動かされ、したがって第1の駆動部131は、第1のハウジング2によって押し下げられ、その結果、挿入された第1の嵌合端子を第1の端子1から解放することが可能になる。
【0053】
本開示の例示的な実施形態によれば、第1の端子1は、第1の解放アーム13に形成された第1の固定突起36をさらに含み、第1の固定突起36は、第1の嵌合端子が第1の端子1に挿入されたとき、第1の嵌合端子の第1の固定孔(図示せず)と協働して第1の嵌合端子を第1の本体部12と第1の固定アーム11との間でロックするように構成されている。
【0054】
本開示の例示的な実施形態によれば、第1のハウジング2は、第1の受取り通路25の第1の頂壁253から下方へ延びる第1の傾斜壁(図示せず)をさらに含み、第1の傾斜壁は、完全に挿入された第1の端子1に対して第1のハウジング2が後方へ動いたとき、第1の駆動部131を下方へ駆動して第1の固定突起36を第1の固定孔から切り離し、それによって挿入された第1の嵌合端子を解放するように適合されている。
【0055】
本開示の例示的な実施形態によれば、第1のハウジング2は、第1のハウジング2の前端に形成された第1の阻止突起23をさらに含み、第1の阻止突起23は、第1の端子1が第1のハウジング2に完全に挿入されたとき、第1の端子1がさらに挿入されるのを防止する。
【0056】
第1の端子1は、それぞれ第1の圧着部15の前端および/または後端に位置する第1のストリップ16、17をさらに有し、第1の端子1が処理されるとき、第1のストリップ16、17を介して複数の第1の端子1を連続して1列に接続することができる。
【0057】
コネクタの製造中、まず1列の第1の端子1が、それぞれ生産ライン上で複数の第1のハウジング2に事前挿入され、第1の端子1を有する1列の事前挿入された第1のコネクタ100を形成し、次いで1列の事前挿入された第1のコネクタ100は、自動圧着デバイス内に設置される。自動圧着デバイスは、まずいずれか1つの第1の端子1の第1の圧着部15内へワイヤを圧着し、次いでワイヤが圧着された第1の端子1を第1のハウジング2に完全に挿入して、組み立てられた第1のコネクタ100を形成するように制御される。組み立てられた第1のコネクタ100が使用されるとき、第1のストリップ16、17は第1のコネクタ100から切り離される。これにより、ワイヤの手動圧着ステップおよび第1のコネクタ100の手動挿入ステップがなくなり、第1のコネクタ100を組み立てる動作を自動的に行うことができ、第1のコネクタの組立て時間および組立て人件費が削減される。
【0058】
図5は、本開示の別の例示的な実施形態による第2のコネクタ200の分解斜視図であり、
図6は、事前挿入された状態にある
図5に示す第2のコネクタ200の斜視図であり、
図7は、
図5に示す第2のコネクタ200の第2のハウジング4の斜視図であり、
図8は、
図5に示す第2のコネクタ200の断面図であり、
図9は、
図6に示す第2のコネクタ200の断面図であり、
図10は、
図9に示す第2のコネクタ200内の第2の端子3の断面図である。
図5~10に示す本開示の別の例示的な実施形態によれば、第2のコネクタ200は、ワイヤに電気的に接続するように構成された第2の端子3と、第2の端子3を受け取るように構成された第2のハウジング4とを含む。
【0059】
第2の受取り通路45が、第2のハウジング4内に形成され、挿入方向に第2のハウジング4に挿入されて取り付けられた第2の端子3を受け取るように構成されている。例示的な実施形態では、少なくとも1つの第2の制限突起42が、第2の受取り通路45の壁に配置され、第2の制限突起42は、第2の端子3が第2のハウジング4の第2の受取り通路45に事前挿入されるとき、第2の端子3に当接して第2の端子3がさらに挿入されるのを防止し、第2の端子3の一部分を第2のハウジング4の第2の受取り通路45の外側で保持し、それによって第2のハウジング4の第2の受取り通路45の外側で保持された第2の端子3の一部分にワイヤを圧着することを容易にするように構成されている。
【0060】
第2の端子3が第2のハウジング4に完全に挿入されたとき、第2の制限突起42は、第2の端子3の前端によってこすり取られて、第2の端子3の第2の圧着部35を第2のハウジング4にさらに挿入することを可能にする。このようにして、第2の端子3は、第2の受取り通路45に完全に挿入されて取り付けられる。
【0061】
第2の端子3は、第2の本体部32と、第2の本体部32の2つの対辺から第2の本体部32の上側に向かって上方へ延びる2つの第2の固定アーム31であって、第2の端子3の前端から挿入された第2の嵌合端子(図示せず)を第2の本体部32と第2の固定アーム31との間で固定する第2の固定アーム31と、第2の本体部32の後端に接続され、ワイヤが圧着されるように適合された第2の圧着部35とを含む。一実施形態では、第2の圧着部35は、2つの対向して配置された第3の圧着片351と、2つの対向して配置された第4の圧着片352とを含む。第3の圧着片351は、ワイヤの芯を圧着するために使用され、第4の圧着片352は、ワイヤの絶縁層を圧着するために使用される。
【0062】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、1つまたは複数の第2の制限突起42を、必要に応じて第2の受取り通路45の第2の底壁451、第2の側壁452、および第2の頂壁453のうちのいずれか1つまたはすべてに配置することができる。
【0063】
本開示の例示的な実施形態によれば、「L」字形の形態である第1の端子1とは異なり、第2の端子3の第2の圧着部35は、挿入方向とは反対の方向に延び、その結果、第2の端子3は、平面視で実質上「直線」の形状を有している。
【0064】
第1のハウジング2とは異なり、「直線」状の形態の第2の端子3を受け取るために、第2のハウジング4は、
図1および
図2に示されている補助受取り部24が配置されない。
図5および
図6に示すように、第2のハウジング4の第2の受取り通路45は、第2の端子3が第2のハウジング4に完全に挿入されたとき、第2の圧着部35を受け取るように、「直線」状の形態である。
【0065】
任意選択で、第2のハウジング4内に補助受取り部を設けることもでき、それによって第2のハウジング4の補助受取り部は、第2の受取り通路45の後端で挿入方向とは反対の方向に延び、第2の受取り通路45と連通され、第2の端子3の第2の圧着部35を受け取る。
【0066】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第2の制限突起42は、第2の受取り通路45の第2の側壁452に配置されている。
【0067】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第2の側壁452は、挿入方向に延びるリブ44を備え、第2の制限突起42はリブ44に配置されている。
【0068】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びる第2の位置決め部41が、第2の受取り通路45の第2の側壁452に設けられ、第2の位置決め部41は、第2の端子3が第2のハウジング4に事前挿入されるとき、第2の端子3の第2の固定アーム31を案内して第2の受取り通路45に挿入させ、第2の固定アーム31を第2の受取り通路45内に位置決めするように構成されている。このようにして、第2のコネクタ200を生産ラインから自動圧着装置へ移送する過程でその不十分な固定により事前挿入された第2の端子3が第2のハウジング4から外れるのを防止することが可能になる。
【0069】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、挿入方向に延びる第2の案内スロット4511が、第2の受取り通路45の第2の底壁451に設けられており、第2の端子3の底壁34の下方突出部341を案内するようになっている。このようにして、下方突出部341は、第2の端子3が第2の受取り通路45に完全に挿入されたとき、第2の案内スロット4511の第2の突出壁4512に当接して、第2の端子3を第2の受取り通路45内に位置決めするのを助ける。
【0070】
図5および
図6に示す本開示の別の例示的な実施形態によれば、第2の端子3は、第2の端子3の底壁34から挿入方向とは反対の方向に斜め上方へ延びる第2の解放アーム33をさらに含み、第2の解放アーム33は、上方へ曲がっている後端を有し、この後端は、第2の端子3が第2の受取り通路45に完全に挿入されたとき、第2のハウジング4の一部分に当接する第2の駆動部331として働くようになっている。第2の嵌合端子が第2の端子3に挿入された場合、第2の嵌合端子を解放するために、第2のハウジング4は、完全に挿入された第2の端子3に対して後方へ動かされ、したがって第2の駆動部331は、第2のハウジング4によって押し下げられ、その結果、挿入された第2の嵌合端子を第2の端子から解放することが可能になる。
【0071】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第2の端子3は、第2の解放アーム33に形成された第2の固定突起36をさらに含み、第2の固定突起36は、第2の嵌合端子が第2の端子3に挿入されたとき、第2の嵌合端子の第2の固定孔(図示せず)と協働して第2の嵌合端子を第2の本体部32と第2の固定アーム31との間でロックするように構成されている。
【0072】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第2のハウジング4は、第2の受取り通路45の第2の頂壁453から下方へ延びる第2の傾斜壁46をさらに含み、第2の傾斜壁46は、完全に挿入された第2の端子3に対して第2のハウジング4が後方へ動いたとき、第2の駆動部331を下方へ駆動して第2の固定突起36を第2の固定孔から切り離し、それによって挿入された第2の嵌合端子を解放するように適合されている。
【0073】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第2のハウジング4は、第2のハウジング4の前端に形成された第2の阻止突起43をさらに含み、第2の阻止突起43は、第2の端子3が第2のハウジング4に完全に挿入されたとき、第2の端子3がさらに挿入されるのを防止する。
【0074】
第2の端子3は、第2の圧着部35の後端に位置する第2のストリップ37をさらに有し、第2の端子3が処理されるとき、第2のストリップ37を介して複数の第2の端子3を連続して1列に接続することができる。
【0075】
コネクタの製造中、まず1列の第2の端子3が、それぞれ生産ライン上で複数の第2のハウジング4に事前挿入され、第2の端子3を有する1列の事前挿入された第2のコネクタ200を形成し、次いで1列の事前挿入された第2のコネクタ200は、自動圧着デバイス内に設置される。自動圧着デバイスは、まずいずれか1つの第2の端子3の第2の圧着部35内へワイヤを圧着し、次いでワイヤが圧着された第2の端子3を第2のハウジング4に完全に挿入して、組み立てられた第2のコネクタ200を形成するように制御される。組み立てられた第2のコネクタ200が使用されるとき、第2のストリップ37は第2のコネクタ200から切り離される。これにより、ワイヤの手動圧着ステップおよび第2のコネクタ200の手動挿入ステップがなくなり、第2のコネクタ200を組み立てる動作を自動的に行うことができ、第2のコネクタの組立て時間および組立て人件費が削減される。
【0076】
上述した実施形態は例示的であり、その構造上または原理上矛盾することなく、当業者であれば修正することができ、様々な実施形態に記載した構造を自由に組み合わせることができることが、当業者には理解されよう。
【0077】
本開示の好ましい実施形態について詳細に説明した後は、添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な変更および修正を加えることができることが、当業者にははっきりと理解されよう。本開示は、本明細書に記載する例示的な実施形態のうちの実施形態に制限されるものではない。