(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】台帳作成システム
(51)【国際特許分類】
G06T 17/05 20110101AFI20240104BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
G06T17/05
G09B29/00 Z
(21)【出願番号】P 2019183213
(22)【出願日】2019-10-03
【審査請求日】2022-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】513220562
【氏名又は名称】首都高技術株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】永田 佳文
(72)【発明者】
【氏名】安中 智
(72)【発明者】
【氏名】松本 伸也
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 賢太郎
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-191573(JP,A)
【文献】特開2009-076096(JP,A)
【文献】特開平02-085963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 17/05
G09B 29/00 - 29/14
G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の表面上の位置情報を含む点群データから、点群により構成される所定の有形物の形状を認識して、該有形物を構成する有形物点群データを抽出する有形物抽出部と、
前記位置情報に対応付けられた画像データから、前記抽出された有形物点群データの位置情報に対応付けられた画像データである有形物画像データを抽出する画像抽出部と、
前記有形物の性質に係る項目を含み、
前記有形物点群データの位置情報に対応付けられた台帳基礎データに対し、該台帳基礎データの位置情報に対応付けられている前記有形物画像データを合成し、該有形物の
台帳データを生成する台帳生成部とを有することを
特徴とする台帳作成システム。
【請求項2】
前記物体の表面上の位置情報に対応付けられた地図データから、前記抽出された有形物点群データの位置情報に対応付けられた地図データである有形物地図データを抽出する地図抽出部をさらに有し、
前記台帳生成部は、前記台帳基礎データに対し、該台帳基礎データの位置情報に対応付けられている前記有形物地図データを合成し、該有形物の台帳データを生成することを
特徴とする請求項1記載の台帳作成システム。
【請求項3】
物体の表面上の位置情報を含む点群データから、
点群により構成される所定の有形物の形状を認識して、該有形物を構成する有形物点群データを抽出する有形物抽出部と、
前記物体の表面上の位置情報に対応付けられた地図データから、前記抽出された有形物点群データの位置情報に対応付けられた地図データである有形物地図データを抽出する地図抽出部と、
前記有形物の性質に係る項目を含み、
前記有形物点群データの位置情報に対応付けられた台帳基礎データに対し、該台帳基礎データの位置情報に対応付けられている前記有形物地図データを合成し、該有形物の
台帳データを生成する台帳生成部とを有することを
特徴とする台帳作成システム。
【請求項4】
前記有形物抽出部は、前記認識した有形物の有形物点群データに基づいて有形物の形状の種類を特定し、
前記台帳生成部は、前記特定した有形物の形状の種類に関する情報を前記台帳データに追加することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の台帳作成システム。
【請求項5】
前記有形物抽出部は、前記抽出した有形物点群データに含まれる位置情報に基づいて、前記認識した有形物のサイズを計算し、
前記台帳生成部は、前記計算した有形物のサイズの情報を前記台帳データに追加することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の台帳作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台帳作成システムに関し、特に、道路台帳等の台帳の作成に用いられる台帳作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路又はその周辺に配置されている道路標識や街路灯等の有形物は、道路台帳、標識台帳又は照明台帳等(以下、まとめて単に「台帳」という。)によって管理されている。
例えば、道路台帳には、一般に「道路の種類」、「道路管理者」、「供用開始の区間、年月日」等の各項目が管理されており、道路管理者は、各項目を確認して、道路の補修の要否やスケジュール等を決定する。
【0003】
このような台帳を作成する従来技術として、特許文献1が開示するところの道路台帳用作成システムと道路台帳作成用プログラムが提案されている。
特許文献1の道路台帳用作成システムは、道路及び電柱等の道路構造物の輪郭形状を表現する多数の座標データに基づいて各道路構造物のポリゴンデータを作成し、その作成したポリゴンデータに道路構造物の性質を表す属性データ(路線名、供用開始年月日等)を付加して、台帳のデータベースを作成するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の道路台帳用作成システムでは、各道路構造物について台帳のデータベースを作成する際、各道路構造物を特定するために、台帳作成者が、多数の座標データが表す画像から、管理対象の道路構造物を認識し、その輪郭を線分で結ぶ作業が必要となり、その作業に莫大な労力と時間を要してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされるものであり、台帳作成者の労力を最小限に抑え、道路及びその周囲の構造物等の台帳を容易に作成し、道路管理業務を効果的に軽減する台帳作成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため、本発明は、物体の表面上の位置情報を含む点群データから、点群により構成される所定の有形物の形状を認識して、有形物を構成する有形物点群データを抽出する有形物抽出部と、位置情報に対応付けられた画像データから、抽出された有形物点群データの位置情報に対応付けられた画像データである有形物画像データを抽出する画像抽出部と、有形物の性質に係る項目を含み、有形物点群データの位置情報に対応付けられた台帳基礎データに対し、台帳基礎データの位置情報に対応付けられている有形物画像データを合成し、有形物の台帳データを生成する台帳生成部とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明によれば、物体の表面上の位置情報に対応付けられた地図データから、抽出された有形物点群データの位置情報に対応付けられた地図データである有形物地図データを抽出する地図抽出部をさらに有し、台帳生成部は、台帳基礎データに対し、台帳基礎データの位置情報に対応付けられている有形物地図データを合成し、有形物の台帳データを生成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、物体の表面上の位置情報を含む点群データから、点群により構成される所定の有形物の形状を認識して、有形物を構成する有形物点群データを抽出する有形物抽出部と、物体の表面上の位置情報に対応付けられた地図データから、抽出された有形物点群データの位置情報に対応付けられた地図データである有形物地図データを抽出する地図抽出部と、有形物の性質に係る項目を含み、有形物点群データの位置情報に対応付けられた台帳基礎データに対し、台帳基礎データの位置情報に対応付けられている有形物地図データを合成し、有形物の台帳データを生成する台帳生成部とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明によれば、有形物抽出部は、認識した有形物の有形物点群データに基づいて有形物の形状の種類を特定し、台帳生成部は、特定した有形物の形状の種類に関する情報を台帳データに追加することを特徴とする。
【0011】
また、本発明によれば、有形物抽出部は、抽出した有形物点群データに含まれる位置情報に基づいて、認識した有形物のサイズを計算し、台帳生成部は、計算した有形物のサイズの情報を台帳データに追加することを特徴とする。
【0012】
上記有形物抽出部は、例えば、後述する管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されている全体の点群データから有形物の点群データを抽出することにより実現される。
【0013】
上記画像抽出部は、例えば、後述する管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されている全体の画像データから有形物の画像データを抽出することにより実現される。
【0014】
上記台帳生成部は、例えば、後述する管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されている台帳基礎データに対して、有形物画像データ、有形物地図データ等を合成して台帳データを生成することにより実現される。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明における台帳作成システムによれば、物体の表面上の位置情報を含む点群データから、所定の有形物を構成する有形物点群データを抽出し、位置情報に対応付けられた画像データから、抽出された有形物点群データの位置情報に対応付けられた画像データである有形物画像データを抽出し、あるいは、位置情報に対応付けられた地図データから、抽出された有形物点群データの位置情報に対応付けられた地図データである有形物地図データを抽出し、有形物の性質に係る項目を含み、位置情報に対応付けられた台帳基礎データに対し、台帳基礎データの位置情報に対応付けられている有形物地図データを合成し、有形物の台帳データを生成するので、台帳作成者の労力を最小限に抑え、道路及びその周囲の構造物等の有形物について台帳を容易に作成し、道路管理業務を効果的に軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における台帳作成システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態における測定車両の構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態における測定車両の外観を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの構成を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態における台帳基礎データの一例を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態における台帳データの一例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態における管理者端末の構成を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態における台帳作成システムによる全体動作の流れを示すフローチャートである。
【
図9】本発明の第1の実施の形態における点群データの一例を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態における空間座標を平面に投影し平面座標を求めることを説明するための図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態における点群データによる立体画像の表示例を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態における画像データの一例を示す図である。
【
図13】本発明の第1の実施の形態における画像データの画像表示例を示す図である。
【
図14】本実施の形態における重畳画像データの一例を示す図である。
【
図15】本実施の形態におけるカラー点群データの一例を示す図である。
【
図16】本発明の第1の実施の形態における台帳作成システムによる有形物の抽出動作の流れを示すフローチャートである。
【
図17】本発明の第1の実施の形態における台帳作成システムによる台帳データの作成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図18】本発明の第1の実施の形態における有形物の台帳データの検索動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図19】本発明の第1の実施の形態において表示される台帳データの一覧を示すリストの一例を示す図である。
【
図20】本発明の第1の実施の形態において表示される台帳データの一例を示す図である。
【
図21】本発明の第1の実施の形態における台帳データで表示される遠景の有形物画像データの一例を示す図である。
【
図22】本発明の第1の実施の形態における台帳データで表示される近景の有形物画像データの一例を示す図である。
【
図23】本発明の第1の実施の形態における台帳データの一覧を地図形式で示した場合の例を示す図である。
【
図24】本発明の第1の実施の形態における台帳データの一覧を点群データ画像の形式で示した場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施の形態>
(第1の実施の形態の構成)
(1)台帳作成システムの全体構成
本実施の形態における台帳作成システムは、道路及びその周辺の構造物等(以下、道路及び構造物等をまとめて「有形物」という。)を総合的に管理するための台帳を作成し、道路管理事業を行う道路管理者に提供するものである。
なお、本実施の形態において、有形物とは、道路及び道路周辺における構造物をいい、例えば、道路(線路、水路等も含む)、道路標識、街路灯、電柱、信号機、歩道、側溝、ガードレール、中央分離帯、トンネル、橋脚等の構造体等をいう。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施の形態における台帳作成システムの構成を示す図である。
図に示すように、台帳作成システムは、道路を走行しながら有形物及びその周囲の地形や形状をその表面上の位置情報とともに測定し、その測定結果を点群データとして取得する測定車両10と、当該有形物等の形状を示す点群データを測定車両10から取得して管理するとともに、当該有形物の構造や性質等に関する有形物データを管理する管理サーバ20と、道路管理者により操作される端末であって当該管理サーバ20からネットワークを介して上記点群データ及び有形物データを取得し、表示する管理者端末30とを有して構成される。
以下、上記台帳作成システムを構成する測定車両10、管理サーバ20及び管理者端末30の構成について、さらに詳細に説明する。
【0020】
(2)測定車両10の構成
測定車両10は、道路を走行中又は停車中に、有形物及びその周囲の建造物や設置物について点群データを取得するとともに、撮影を行って画像データを取得する装置を搭載した車両である。
図2は、本発明の第1の実施の形態における測定車両10の構成を示す図であり、
図3は、その測定車両10の外観を示す図である。
図2,3に示すように、測定車両10は、CPU等から構成され測定車両10における点群データ及び画像データの取得動作全体を制御する制御部11と、ハードディスクやメモリ等から構成され取得した点群データ及び画像データ等を格納する情報格納部12と、測定車両10の走行中又は停車中に道路周囲にレーザを照射するとともに、その反射光を受光して点群データを取得するレーザスキャナ13と、測定車両10の現在位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)14と、測定車両10の車体の姿勢を示す情報を取得するIMU(Inertial Measurement Unit)15と、計時を行う計時部16と、道路及びその周囲の風景を撮影するカメラ17と、測定車両10の走行距離を計測するオドメータ18と、ネットワーク又は情報記録媒体と接続して情報の入出力を行う情報入出力部19とを有して構成される。
【0021】
本実施の形態において、測定車両10は、いわゆるモービルマッピングシステムの原理を利用して走行中又は停車中に道路及びその周囲の点群データを取得するものである。
測定車両10が道路を走行中又は停車中、レーザスキャナ13は、道路周囲の対象物(有形物、道路周囲の建造物・設置物を含む)にレーザを発射し、その反射光を受光する。このとき、レーザスキャナ13は、発射時・受光時の時刻を計時部16から取得得るとともに、発射方向(角度)を検出して点群データを取得する。
また、情報格納部12にはレーザスキャナ13の測定車両10の車体との相対的な位置・照射角度・受光角度の関係等の情報が格納されており、測定車両10の現在位置に基づいて、レーザスキャナ13の現在位置及び姿勢等が特定可能に構成されている。
【0022】
カメラ17は、上記レーザスキャナ13による点群データの取得と同時に、道路周囲の風景等をカラーで撮影し、画像データを取得する。
また、情報格納部12にはカメラ17の撮影角度、画角、測定車両10の車体との相対的な位置・角度の関係等の情報が格納されており、測定車両10の現在位置に基づいて、カメラ17の現在位置及び撮影角度(姿勢)等が特定可能に構成されている。
【0023】
GPS14及びオドメータ18は、測定車両10の車体の現在位置を計測する。
IMU15は、ジャイロセンサと加速度センサとで構成され、測定車両10の車体の姿勢を計測する。ジャイロセンサは測定車両10の3軸方向xyzそれぞれの角速度を検出し、加速度センサは測定車両10の3軸方向xyzそれぞれの加速度を検出する。
IMU15は、測定車両10の3軸方向xyzそれぞれの角速度と加速度とを示すデータを慣性データとして生成する。慣性データには、計時部16から取得した検出時刻(取得時刻)毎に角速度と加速度とが設定されている。
【0024】
上記取得された点群データ及び画像データは、情報格納部12に格納される。
格納後、情報入出力部19により上記点群データ及び画像データは管理サーバ20に出力される。
【0025】
(3)管理サーバ20の構成
図4は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の構成を示す図である。
管理サーバ20は、道路管理者等により管理されるサーバ装置であって、上述した測定車両10から点群データ及び画像データを取得するとともに、これら取得したデータに基づいて各有形物の台帳に係る情報である台帳データを生成してともに管理する。
【0026】
管理サーバ20は、CPU等から構成され管理サーバ20全体の動作を制御する制御部21と、ハードディスクやメモリ等から構成され入力した情報やネットワークを介して受信した情報等を格納する情報格納部22と、ネットワークを介して情報の送受信を行う通信部23とを有して構成される。
【0027】
情報格納部22は、点群データと、画像データと、点群データに関連するデータと、地図データと、有形物データと、台帳基礎データと、台帳データとを格納する。
また、制御部21は、点群データ、画像データ、地図データ、有形物データ及び台帳基礎データに基づいて、台帳データを生成する。
管理サーバ20は、管理者端末30からの要求に応じて、上記点群データ、有形物データ及び台帳データ等を提供する。
【0028】
点群データとは、測定車両10がレーザスキャナ13により照射したレーザ光の反射光を受光した場合、その反射したと推定される位置に点状にモデル化した物体が存在したと認識したときの当該点の空間座標情報(X,Y,Z)を含む情報をいう(以下、単に「座標情報」ともいう。)。
その点の集合を点群といい、有形物やこれを構成する構成部品等の物体は点群で表現される。すなわち、有形物や構成部品の空間位置は、複数の点群データにより定めることができる。
【0029】
点群データは、画面上では微小な点の集合である点群で表示される。あらゆる視点及び拡大縮小率での表示が可能であり、例えば、道路を走行する自動車の搭乗者の視点からの立体画像で表示することもできるし、垂直上方からの見た平面地図状の画像を表示することもできる。
【0030】
画像データは、測定車両10がカメラ17により撮影した画像のデータであり、動画及び静止画を含む。
【0031】
点群データに関連するデータは、点群データを編集して生成されるデータであり、例えば、後述するカラー点群データ及び重畳画像データ等がある。
【0032】
地図データは、各地点、各領域の地図画像と、緯度経度情報と、住所情報とが互いに対応付けられている地図のデータであり、各有形物の位置が示されている。
制御部21は、緯度経度情報又は住所情報が入力されると、当該入力された緯度経度情報又は住所情報に対応付けられている地点又は領域を含む地図画像を所定の縮尺で抽出し、出力する。
【0033】
有形物データは、有形物の性質等を示すデータである。
有形物データは、測定車両10が取得した全点群データのうち管理サーバ20により画像認識された有形物個々を表す点群データである有形物点群データと、有形物の外観の画像及び有形物の設置場所周辺の風景画像を含む有形物画像データと、有形物の位置を地図上で示した地図データである有形物地図データとを含む。
【0034】
台帳基礎データは、各有形物個々の基本的な各項目が記載された台帳のデータである。
台帳基礎データは、例えば、都道府県、市町村等の各地域又は各管理者がそれぞれ管理する有形物の台帳のデータであり、各管理地域、各管理者、有形物の各種類ごとに存在し、情報格納部22に格納される。
台帳基礎データは、CSV(Comma Separated Value)ファイルで構成されていてもよい。
【0035】
図5は、本発明の第1の実施の形態における台帳基礎データの一例を示す図である。
図の例では、台帳基礎データは、以下の有形物に関する各項目のデータを含む。
・種類
・管理者
・供用位置の緯度経度情報
・供用位置の住所情報
・供用開始年月日
・点検等の履歴
・竣工図書整理番号
・内容
【0036】
以下、上記台帳基礎データの各項目について説明する。
(a)「種類」
「種類」は、有形物の種類を示す項目である。
「種類」は、例えば、道路、道路標識、街路灯、電柱、信号機、歩道、側溝、ガードレール、中央分離帯、トンネル、橋脚等がある。
また、「種類」は、各種類の分類をさらに細分化した下位分類を含むようにしてもよい。例えば、「道路標識」の下位分類として、「速度制限」、「駐車禁止」、「一方通行」等といったように、道路標識を表示内容でさらに細分化してもよい。
さらに、有形物の外形や構造により種類を分類し、「種類」の項目に含めるようにしてもよい。例えば、道路標識の場合、「種類」その標識の支柱の形状の種類(支柱形式)を「種類」の項目に含めるようにしてもよい。
【0037】
(b)「管理者」
「管理者」は、各有形物の管理責任者を示す項目である。
【0038】
(c)「供用位置の緯度経度情報」
「供用位置の緯度経度情報」は、有形物が設置、建設又は敷設等されている位置の緯度経度情報を示す項目である。
例えば、有形物の領域又は全体形状に基づいて、有形物の中心又は重心を計算し、その中心部分又は重心部分の緯度経度を代表値として「供用位置の緯度経度情報」として登録されていてもよい。
【0039】
(d)「供用位置の住所情報」
「供用位置の住所情報」は、有形物が設置、建設又は敷設等されている位置の住所等を示す項目である。
住所情報は、通常の「東京都千代田区・・・」のような住所の他、「高速3号渋谷線」等のような路線名及び「6.1」等のようなキロポストで表してもよい。
【0040】
(e)「供用(設置・建設・敷設)開始年月日」
「供用開始年月日」は、各有形物が設置、建設又は敷設等がされた時期を示す項目である。
道路管理者は、「有形物の供用年月日」からの経過期間に基づいて、各有形物の補修、交換又は検査の時期の目安にすることができる。
【0041】
(f)「点検等の履歴」
「点検等の履歴」は、有形物の供用開始後の点検、取替え、補修、清掃等の履歴を示す項目である。
【0042】
(g)「竣工図書整理番号」
「竣工図書整理番号」は、有形物の竣工図書の整理番号を示す項目である。
【0043】
(h)「内容」
「内容」は、有形物の使用目的、形状、構造又は表示の内容を示す項目である。
例えば、道路標識であれば、その標識の表示内容を示すようにしてもよい。
【0044】
台帳データは、台帳基礎データ及び有形物データに基づいて生成される有形物個々の総合的な台帳を示すデータである。
図6は、本発明の第1の実施の形態における台帳データの一例を示す図である。
図の例では、台帳データは、台帳基礎データにおける各項目に加え、有形物の近景及び遠景を表す有形物画像データ、有形物の供用位置の有形物地図データ、有形物の形状を表す情報及び有形物のサイズ情報等の情報で構成され、これら各情報は有形物個々の識別情報である有形物IDに対応付けられている。
【0045】
(4)管理者端末30の構成
図7は、本発明の第1の実施の形態における管理者端末30の構成を示す図である。
管理者端末30は、道路管理者により操作される情報処理装置である。
例えば、管理者端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、携帯電話、PDA、PHS、PC等の情報処理装置である。
【0046】
管理者端末30は、CPU等から構成され管理者端末30全体の動作を制御する制御部31と、ハードディスクやメモリ等から構成され入力した情報やネットワークを介して受信した情報等を格納する情報格納部32と、ネットワークを介して情報の送受信を行う通信部33と、ディスプレイ等から構成され情報を画面表示する表示部34と、キーやマウス等から構成され情報の入力等を行う操作部35とを有して構成される。
【0047】
道路管理者は、管理者端末30を用いて、検索条件を設定したうえで、各有形物の台帳データの検索を行うことができる。
例えば、道路管理者は、管理者端末30の操作部35を操作して、「東京都中央区」、「道路標識」、「供用開始から3年以上経過」等の検索条件を入力後、管理者端末30は、これら検索条件の情報を管理サーバ20へ送信する。
管理サーバ20は、当該検索条件の情報を管理者端末30から受信すると、台帳データのデータベースを参照し、検索条件に合致した有形物を抽出し、抽出した有形物の台帳データを管理者端末30へ送信する。
管理者端末30は上記管理サーバ20から受信した台帳データを表示し、道路管理者は、その表示された台帳データの内容を確認し、補修スケジュール等を検討することができる。
【0048】
(第1の実施の形態の動作)
〔1〕動作の概略
図8は、本発明の第1の実施の形態における台帳作成システムによる全体動作の流れを示すフローチャートである。
図に示すように、まず、測定車両10は道路を走行しながら地形や有形物にレーザを照射させて測定を行い、点群データを取得するとともに、地形や有形物を撮影し、画像データを取得する(ステップS1)。
【0049】
次に、管理サーバ20は、測定車両10から点群データ及び画像データを取得し、これら取得したデータに基づいて、点群データに関連するデータ(後述する重畳画像データ等)を生成する(ステップS2)。
【0050】
次に、管理サーバ20は、上記取得した点群データについて、各有形物について画像認識を行い、各有形物個々の有形物点群データ及び有形物画像データを抽出する(ステップS3)。
【0051】
次に、管理サーバ20は、上記抽出した有形物点群データ及び有形物画像データと、台帳基礎データ及び地図データとに基づいて、台帳データを生成する(ステップS4)。
【0052】
このように、管理サーバ20は、点群データに含まれる有形物を画像認識して自動的に抽出して、各有形物の台帳データを生成し、管理するので、各有形物の台帳データを容易に管理することが可能となる。
以下、上記ステップS1~4の各動作について詳細に説明する。
【0053】
〔2〕点群データ等の取得(ステップS1)
(1)点群データの取得
以下、測定車両10が道路を走行中又は停車中に点群データを取得するときの動作について説明する。
【0054】
測定車両10は、走行中又は停車中に、自車両に備えられているレーザスキャナ13を用いて、道路周囲にレーザを照射する。このとき、レーザの光軸は仰俯角及び方位角を変えることにより垂直方向及び水平方向に走査され、走査範囲内にて微小角度ごとにレーザパルスが発射される。そして、レーザスキャナ13は、その発射したレーザの反射光を受光する。
また、制御部11は、このレーザの発射時刻及び対象物の反射光の受光時刻を計時部16から取得し、このレーザの発射から反射光を受光するまでの時間に基づいてレーザスキャナ13と対象物との間の距離を計測する。
さらに、レーザスキャナ13は、受光した反射光の光強度を測定する。
【0055】
また、測定車両10の走行中又は停車中には、レーザスキャナ13からレーザの発射方向の情報、GPS14又はオドメータ18により測定車両10の現在位置情報、IMU15により測定車両10の車体の姿勢を示す情報が、それぞれ取得される。
これら各情報は、計時部16により計時される時刻情報とそれぞれ対応付けられ、情報格納部12に格納される。
【0056】
レーザスキャナ13の位置・姿勢は、測定車両10の位置・姿勢と一定の関係にあるから、制御部11は、測定車両10の位置・姿勢及びレーザの発射方向の情報に基づいて、レーザスキャナ13の位置・姿勢を求める。
制御部11は、上記レーザスキャナ13と対象物との間の距離、レーザスキャナ13の位置・姿勢を示す情報といった各情報に基づいて、レーザパルスを反射した対象物を構成する各座標点の空間座標(三次元座標)を表す点群データを算出する。
例えば、上記各座標点の座標の「1」が「10km」を示すといったように、座標は実際の距離と変換可能な数値であるものとする。
点群を構成する各座標点の点群データの空間座標情報は、GPS14により得られた緯度経度情報と対応付けられる。
また、点群データの空間座標情報は、緯度、経度及び海抜からの標高により表されてもよい。
【0057】
図9は、本発明の第1の実施の形態における点群データの一例を示す図である。
図に示すように、情報格納部12には、点群データとして、測定した各座標点(の空間座標情報)(X,Y,Z)と、その受光した反射光の光強度とがそれぞれ対応付けられて格納されている。
【0058】
(2)点群データの立体画像化
管理サーバ20は、上記のように取得された点群データを利用して、以下のように点群データによる立体画像を生成することができる。
図10は、本発明の第1の実施の形態における空間座標を平面に投影し平面座標を求めることを説明するための図である。
図に示すように、管理サーバ20は、視点の座標を(Px,Py,Pz)としたときに、点群データの各座標点(X,Y,Z)を、投影座標点(x,y)に投影した座標を求める。
このようにして、管理サーバ20は、点群データの各座標点(X,Y,Z)に基づいて、ある視点から見た風景の立体画像を生成することができる。
図11は、本発明の第1の実施の形態における点群データによる立体画像の表示例を示す図である。
図に示す例では、道路を走行する自動車の搭乗者に近い視点から見た風景の立体画像が点群により表現されており、道路管理者は、撮影画像と同様に、当該点群データによる風景画像を確認することにより、有形物等の状態を容易に把握することができる。
【0059】
(3)点群データの平面地図化
また、上述のとおり、点群データの空間座標を平面に投影する際、地上垂直方向からの視点から見た任意の表示倍率の点群による画像を表示させることにより、当該点群の画像を通常の平面地図と同様に利用することもできる(以下、当該平面地図状に表される点群データを「点群地図情報」という)。
【0060】
(4)画像データの取得
測定車両10は、道路上を走行中又は停車中に、上記点群データに加え、カメラ17で道路周囲を撮影し、画像データ(カラー)を取得する。
制御部11は、その画像データとともに、その撮影した時刻を計時部17から取得し、これらを対応付けて情報格納部12に格納する。
また、制御部11は、カメラ17の位置・姿勢は、測定車両10の位置・姿勢と一定の関係にあることから、測定車両10の位置・姿勢の情報に基づいて、上記画像撮影時のカメラ17の位置・姿勢を求める。
【0061】
図12は、本発明の第1の実施の形態における画像データの一例を示す図である。
図の例では、撮影された画像データ(撮影画像)を、撮影時のカメラ17の位置・姿勢に対応付けられて情報格納部12に格納されている。
図13は、本発明の第1の実施の形態における画像データの画像表示例を示す図である。
図に示すように、画像データは、通常のカメラ等で撮影された静止画又は動画を表す。
【0062】
上記のように、収納装置10が点群データ及び画像データを取得した後、管理サーバ20は、これら点群データ及び画像データをネットワークを介して、又は情報記録媒体を介して測定車両10から取得する。
【0063】
〔3〕点群データに関連するデータの生成(ステップS2)
(1)重畳画像データの生成
管理サーバ20は、測定車両10から取得した点群データ及び画像データに基づいて、画像データに点群データを重畳したデータである重畳画像データを生成する。
【0064】
管理サーバ20は、画像データに含まれる撮影画像及び撮影時のカメラ17の位置・姿勢・画角に基づいて、撮影画像の視野内にある点群データの各座標点(X,Y,Z)を抽出する。
以下、
図10を用いて、重畳画像データの生成について説明すると、管理サーバ20は、視点の座標を(Px,Py,Pz)としたときに、抽出した各座標点(X,Y,Z)を、撮影画像の座標系(投影座標点)(x,y)に投影した座標を求める。
このように、点群データにおける各座標点(X,Y,Z)を、撮影画像の座標系(x,y)に投影した座標を求めたことから、各座標点(X,Y,Z)は、撮影画像に投影された投影座標点(x,y)と対応付けられる。
管理サーバ20は、これを利用して、撮影画像上の各投影座標点(x,y)に対して、これに対応する各座標点の座標(X,Y,Z)を重畳した画像データ(重畳画像データ)を作成することができる。
【0065】
このように、管理サーバ20は、上記点群データの座標点と、撮影画像(画像データ)の投影座標点とを対応付けることにより、点群データの座標点が指定されると、これに対応した画像データを抽出することができるようになる。
【0066】
図14は、本実施の形態における重畳画像データの一例を示す図である。
図の例では、画像データ(撮影画像)と、その画像データ(撮影画像)の各投影座標点(x,y)に各座標点の座標(X,Y,Z)とが対応付けられて管理サーバ20に格納されている。
また、管理サーバ20は、各重畳画像データを、撮影画像ごとに管理することが可能であり、各重畳画像データに後述の有形物IDを対応付けて格納することにより、道路管理者は、調べたい有形物の形状や現況等を容易かつ迅速に検索することが可能となる。
また、空間座標を平面に投影する際、視点の座標を変更することにより、あらゆる角度から見た任意の表示倍率の重畳画像データの画像を生成することができる。例えば、運転者の視点からの画像を生成することもできるし、垂直方向上方の視点からの画像(鳥俯瞰図)を生成し通常の平面地図と同様に利用することもできる。
【0067】
(3)カラー点群データの生成
また、管理サーバ20は、上記のように、測定車両10から取得した画像データ及び点群データに基づいて、色付けされた点群データであるカラー点群データを生成する。
管理サーバ20は、画像データに含まれる撮影画像及び撮影時のカメラ17の位置・姿勢・画角に基づいて、撮影画像の視野内にある点群データの各座標点(X,Y,Z)を抽出する。
次に、管理サーバ20は、
図10に示すように、抽出した各座標点(X,Y,Z)を、撮影画像の座標系(投影座標点)(x,y)に投影した座標を求める。さらに、管理サーバ20は、投影した座標に相当する、例えば撮影画像中の色(RGB値)を投影前の座標点(X,Y,Z)の色とする。
【0068】
当該撮影画像の視野内にある全ての座標点について色を決定すると、管理サーバ20は、当該撮影画像を撮影した位置(Xc、Yc、Zc)と、各座標点の座標(X,Y,Z)と色(RGB値)の組み合わせをカラー点群データとして格納する。
図15は、本実施の形態におけるカラー点群データの一例を示す図である。
図の例では、各座標点ごとに、空間座標、受光した反射光の光強度、色データ(RGB値)が互いに対応付けられて、カラー点群データとして管理サーバ20に格納されている。
【0069】
(4)地図データと点群データの紐付け
上述のとおり、管理サーバ20は、各地点に対して地図座標点の座標(X,Y)の情報が対応付けられている地図データを格納している。この地図座標点の各座標(X,Y)は点群データの各座標点(X,Y,Z)のXY座標と同一又は変換可能に設定されている。以下、本実施の形態では両座標のXY座標は一致しているものとして説明を進める。
【0070】
管理サーバ20は、各座標点の座標(X,Y)に基づいて、上記点群データと地図データとを紐付けて格納する。
これにより、管理サーバ20は、地図データ上で地図座標点(X,Y)が指定されると、その地図座標点(X,Y)に紐付けられている点群データの座標点(X,Y,Z)を抽出し、その抽出した座標点(X,Y,Z)及びその座標点から所定距離内の各座標点(X,Y,Z)を含む点群データを表示することができる。
【0071】
また、上記のとおり、本実施の形態における台帳作成システムにおいては、点群データと画像データの紐付けもされることから、各座標点の座標(X,Y)をキーにして、点群データ、画像データ及び地図データを紐付けすることができ、さらに、その座標(X,Y)に位置する有形物の属性データを管理者端末30により入力し、紐付けることができる。
【0072】
このように、管理サーバ20は、道路管理事業に係る各種データを各座標点の座標(X,Y)をキーにして紐付けして管理するので、各種データの総合窓口として道路管理事業における点検業務の効率化を支援し、例えば、地理情報システム(GIS:Geographic Information System)のプラットフォームとしての機能を果たすことができる。
【0073】
また、道路管理者は、管理者端末30の操作部35を用いて、有形物の名称や住所等を検索キーとして入力し、管理サーバ20へ送信することにより、管理サーバ20からその検索結果である有形物の有形物データを迅速に取得することができ、特に緊急時のリードタイムの短縮が可能となる。
【0074】
〔4〕有形物の認識処理(ステップS3)
(1)有形物の抽出
図16は、本発明の第1の実施の形態における台帳作成システムによる有形物の抽出動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、説明を進める。
【0075】
管理サーバ20は、測定車両10から取得した点群データを情報格納部22に格納している。
管理サーバ20の制御部21は画像認識を行い、情報格納部22に格納されている点群データによる全体画像から、点群データによる有形物の画像を表す有形物点群データを抽出し、その有形物の種類を特定する(ステップS101)。
【0076】
ステップS101において、制御部21が点群データによる全体画像から抽出する特徴量は、例えば、対象物の局所情報に対するSIFT(Scale-Invariant Feature Transform)特徴量やSURF(Speeded Up Robust Features)特徴量等であるとしてもよい。
情報格納部22には、各種類の有形物の点群データによる画像モデルの特徴量(特徴点)データが有形物の種類の情報に対応付けられて格納されている。
制御部21が、この各種類の有形物の画像モデルの特徴量データを利用して、例えば、DNN(Deep Neural Network)又はCNN(Convolutional Neural Network)等といったニューラルネットワークを用いたディープラーニングにより画像認識を行ってもよい。
この画像認識の方法については、ディープラーニングを用いた一般的な画像認識の方法を用いるとしてよく、その詳細な内容については説明を省略する。
【0077】
また、制御部21は、点群データによる画像の画像認識に代えて、有形物を構成する点群の空間座標点の座標情報について、予め情報格納部22に格納されている各種類の有形物モデルの空間座標点の座標情報の相対的位置の特徴量データ(特徴量ベクトル)を利用して、ディープラーニングにより有形物の認識を行うようにしてもよい。
【0078】
ステップS101において、制御部21は、所定領域における点群データによる画像のうち、例えば、道路、道路標識又は街路灯等の有形物の特徴量データを用いて、各有形物の画像認識を行い、道路、道路標識又は街路灯等を構成する点群データ(有形物点群データ)を抽出する。
ここで、抽出された有形物点群データには、各有形物を構成する各座標点の座標情報及び緯度経度情報が含まれる。
【0079】
制御部21は、ステップS101における画像認識の際、上記抽出した有形物と特徴量データが合致した有形物モデルの種類を特定する。制御部21は、この特定した有形物の種類の情報を有形物点群データに対応付ける(ステップS102)。
【0080】
上述の重畳画像データの生成処理において、点群データにおける各座標点(X,Y,Z)と、撮影画像(測定車両10による撮影画像の画像データ)に投影された投影座標点(x,y)とが対応付けられている。
制御部21は、これを利用して、上記有形物点群データにおける座標点に対応付けられている上記撮影画像に投影された投影座標点を特定し、上記特定した投影座標点を含む撮影画像である有形物画像データを抽出する(ステップS103)。
ここで抽出された有形物画像データは、上記抽出された有形物の画像を含む。
【0081】
制御部21は、ステップS103において、複数通り(例えば、近景及び遠景)の有形物画像データ(撮影画像)を抽出する。
近景の撮影画像は、遠景の撮影画像に比べて、有形物が大きく映っている。すなわち、近景の撮影画像は、遠景の撮影画像に比べて、有形物点群データの座標点とカメラ17の撮影位置の座標点との間の距離が短い。
【0082】
次に、制御部21は、情報格納部22に格納されている地図データから、上記抽出した有形物の有形物点群データの緯度経度情報に該当する有形物地図データを抽出する(ステップS104)。
ここで、例えば、制御部21は、有形物点群データの緯度経度情報を含む所定範囲の地図領域の地図データを有形物地図データとして抽出する。
【0083】
次に、上記抽出した有形物点群データ、有形物画像データ及び有形物地図データに対して、各有形物を識別するための固有の有形物IDを付与し、これら有形物点群データ、有形物画像データ及び有形物地図データを互いに対応付ける(ステップS105)。
以上で、動作を終了する。
【0084】
このように、管理サーバ20は、有形物点群データ、有形物画像データ及び有形物地図データを互いに対応付けるので、各有形物ごとに、その種類、画像及び供用位置が示された地図の情報を総合して管理することができ、これらデータを用いて台帳データを生成できるようになる。
【0085】
〔5〕台帳データの生成(ステップS4)
(1)台帳データの作成
図17は、本発明の第1の実施の形態における台帳作成システムによる台帳データの作成動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、説明を進める。
【0086】
まず、管理サーバ20の制御部21は、同一の有形物IDに対応付けられている有形物点群データ、有形物画像データ及び有形物地図データを抽出する。
制御部21は、有形物点群データに基づいて該当する有形物の形状の特徴を特定する(ステップS201)。
【0087】
例えば、情報格納部22には、予め有形物の形状の各種類の特徴量(特徴点)データが格納されており、制御部21は、ステップS201において、この各種類の有形物の形状の特徴量データを利用して、形状の特徴を特定する。
この形状の特徴の方法については、ディープラーニングを用いた一般的な画像認識の方法を用いるとしてよく、その詳細な内容については説明を省略する。
【0088】
また、制御部21は、画像認識に代えて、有形物を構成する点群の空間座標点の座標情報について、予め情報格納部22に格納されている各種類の有形物の空間座標点の座標情報の特徴量データを利用して、ディープラーニングにより形状の特徴を特定するようにしてもよい。
【0089】
例えば、情報格納部22は、各有形物の数種類の典型的な形状を示すモデルの特徴量データを格納しており、制御部21は、ステップS201において、当該特徴量データを用いて、上記認識した有形物がどの典型的な形状に該当するかを判断する。
上記「有形物の形状の種類」は、上述の「有形物の種類」とは異なる分類であってもよい。例えば、有形物の種類が「道路標識」である場合、有形物の形状の種類は、「道路標識」を形状によりさらに細分化する分類であってよく、その道路標識を構成する支柱の形状により分類してもよい。
【0090】
次に、制御部21は、抽出した有形物点群データの座標情報に基づいて、有形物のサイズ情報を計算する(ステップS202)。
ここで計算するサイズ情報の内容は、有形物の種類に応じて異なるようにしてもよい。
例えば、有形物が道路標識、信号機又は街路灯等の柱形状である場合、制御部21は、有形物を構成する柱部分を構成する点群の座標情報に基づいて、その柱部分の長さ(高さ)をサイズ情報として計算する。また、制御部21は、有形物が道路である場合は、その該当区間の道路を構成する点群の座標情報に基づいて、その道路の長さをサイズ情報として計算する。
【0091】
次に、制御部21は、有形物点群データの緯度経度情報、及び当該有形物点群データに対応付けられている有形物の種類の情報に合致する緯度経度情報及び有形物の種類の情報を含む台帳基礎データを抽出する(ステップS203)。
ステップS203における有形物点群データの緯度経度情報とは、当該有形物点群データを構成する点群の座標情報の全部又は一部(代表値)そのもの又は対応付けられている緯度経度情報である。
例えば、制御部21は、ステップS203において、ある有形物の有形物点群データに対応付けられている有形物の種類と、当該有形物点群データを構成する点群に対応付けられている緯度経度情報のうちの1つを項目に含む台帳基礎データを抽出する。
【0092】
次に、制御部21は、有形物点群データに対応付けられている有形物IDを、抽出した台帳基礎データに対応付けて台帳データを生成する(ステップS204)。
【0093】
さらに、制御部21は、当該台帳データと同一の有形物IDの有形物画像データ及び有形物地図データを情報格納部22から抽出し、これら抽出した有形物画像データ及び有形物地図データと、上記特定した形状の種類と、上記計算したサイズ情報とを、上記生成した台帳データに対して追加する(ステップS205)。
以上で動作が終了する。
【0094】
以上説明したように、本実施の形態では、管理サーバ20は、台帳基礎データに対し、有形物のサイズ情報、有形物の供用位置の有形物地図データ、有形物の近景及び遠景を表す有形物画像データを追加して台帳データを生成するので、道路管理者は、有形物の管理に必要な情報が一体となった台帳を最小限の労力で得ることができ、一括管理を行うことが可能となる。
【0095】
また、本実施の形態における台帳データには、該当する有形物の形状の種類及びサイズ情報が含まれているので、道路管理者は、これら有形物の形状種類及びサイズ情報を確認することにより、有形物を容易に特定できるとともに、有形物の部品交換や補修の際には、その交換用又は補修用の有形物の部品を特定することができ、交換又は補修作業を円滑に進めることが可能となる。
【0096】
上述のとおり、情報格納部22に格納されている地図データには、緯度経度情報と住所情報とが含まれており、両者が対応付けられている。
台帳基礎データに有形物の供用位置の緯度経度情報が含まれてはいるが、住所情報が含まれていない場合は、制御部21は、地図データを参照し、台帳基礎データに含まれる緯度経度情報を住所情報に変換し、台帳データに追記するようにしてもよい。
【0097】
本実施の形態では、各台帳基礎データにおいて記載されている有形物の種類の分類が異なる場合であっても、管理サーバ20は、有形物の種類の分類を統一した台帳データを生成することができる。
この場合、管理サーバ20は、点群データの全体に対して画像認識処理を行い、予め情報格納部22に格納されている有形物の各種類の特徴量(特徴点)のデータに基づいて、各有形物の画像認識を行ったとき、その画像認識によって特定した有形物の種類を、台帳データの「種類」の項目に追加する。
例えば、実質的に同じ種類の道路標識が、台帳基礎データAでは大分類「道路標識」及び小分類「速度制限」と記載されており、台帳基礎データBでは大分類「道路標識」及び小分類「時速30km制限」と記載されており、種類の表現が異なる場合であっても、管理サーバ20は、両有形物の形状に基づいて画像認識処理を行った結果、どちらも大分類「道路標識」及び小分類「速度制限」と同じ種類の有形物として認識するので、台帳データでは統一した有形物の種類で各有形物の台帳を管理することができる。
その結果、道路管理者が管理者端末30を用いて、例えば「種類」をキーにして有形物の検索を行う場合、検索漏れの発生を抑制することが可能となる。
【0098】
〔6〕台帳データの利用
(1)台帳データの検索動作
以上説明のようにして、管理サーバ20は、台帳基礎データに対し、有形物画像データ、有形物地図データ、形状の種類及びサイズ情報を対応付けて台帳データを生成し、管理する。
このように台帳データが生成され、管理サーバ20で管理されると、道路管理者は、管理者端末30を用いて、有形物の台帳データの検索を行うことができるようになり、有形物の補修補強等のスケジュールの策定等に利用することが可能となる。
【0099】
図18は、本発明の第1の実施の形態における有形物の台帳データの検索動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って説明を進める。
【0100】
まず、道路管理者は、管理者端末30を用いて、有形物の検索条件を入力して、この検索条件に該当する有形物の台帳データの検索要求を管理サーバ20へ送信する(ステップS301)。
例えば、道路管理者は、管理者端末30を用いて、検索条件として「新宿区新宿1丁目」、「速度制限(の道路標識)」及び「供用開始から3年経過」を入力する。
【0101】
管理サーバ20は、上記台帳データの検索要求を管理者端末30から受信すると、制御部21は、情報格納部22に格納されている台帳データのデータベースを参照し、当該取得要求の検索条件に合致した台帳データの検索を行う(ステップS302)。
【0102】
次に、制御部21は、検索処理を実行し、検索条件に合致した台帳データを抽出すると、抽出した台帳データの一覧を示すリストを生成し、通信部23は、制御部21による制御のもと、生成したリストの情報を管理者端末30へ送信する(ステップS303)。
【0103】
管理者端末30は、上記台帳データの一覧リストの情報を管理サーバ20から受信すると、表示部34は、制御部31による制御のもと、その受信したリストの表示を行う(ステップS304)。
【0104】
図19は、本発明の第1の実施の形態において表示される台帳データの一覧を示すリストの一例を示す図である。
図の例では、リストには、検索条件に合致する複数の有形物の「種類」、「住所情報」、「供用開始年月日」が表示されている。
このリスト上に表示されている「道路標識」等の有形物の「種類」等の文字部分は、該当する有形物IDと対応付けられている。
【0105】
道路管理者は、管理者端末30の操作部35を操作して、台帳データの取得を希望する有形物の「種類」等の文字部分をクリック等して選択すると、通信部33は、制御部31による制御のもと、その選択された文字部分に対応付けられている有形物IDの台帳データの取得要求を管理サーバ20へ送信する(ステップS305)。
【0106】
管理サーバ20は、上記台帳データの取得要求を受信すると、制御部21は、当該取得要求に含まれている有形物IDの台帳データを情報格納部22から抽出し、通信部23は、制御部21による制御のもと、抽出された台帳データを管理者端末30へ送信する(ステップS306)。
【0107】
管理者端末30は、台帳データを管理サーバ20から受信すると、表示部34は、制御部31による制御のもと、その受信した台帳データの表示を行う(ステップS307)。
図20は、本発明の第1の実施の形態において表示される台帳データの一例を示す図である。
図の例では、台帳データには、「有形物ID」、「基礎台帳ID」、「基礎台帳有形物ID」、「種類(大分類、小分類)」、「位置情報(緯度経度情報、住所情報)」、「供用開始年月日」、「管理者」、「竣工図書整理番号」、「サイズ情報(柱高さ)」、「内容(標識の表示内容)」といった文字による属性情報が表示されている。
また、台帳データには、有形物の形状Fの種類がイラスト及び文字で表示されており、有形物が該当する形状(本図の例では「直線型」)が楕円FCで囲まれている。
また、台帳データには、有形物地図データMが表示されており、有形物の供用位置がマークMm1で表現されている。
さらに、台帳データには、遠景の有形物画像データP1と、近景の有形物画像データP2とが表示されている。
図21は、本発明の第1の実施の形態における台帳データで表示される遠景の有形物画像データP1の一例を示す図である。また、
図22は、本発明の第1の実施の形態における台帳データで表示される近景の有形物画像データP2の一例を示す図である。
図21の例では、遠景の有形物画像データP1における有形物の画像部分は円PCで囲まれ、有形物の位置が確認しやすいようになっている。
【0108】
道路管理者は、台帳データを参照することにより、有形物の性質や形状等の属性情報を確認できるとともに、その供用位置や現在の状態を容易に確認することが可能となる。
【0109】
以上説明した例では、「住所情報」、「(有形物の)種類」及び「供用開始年月日からの経過期間」を検索条件にしていたが、これはあくまでも一例であり、道路管理者は、その他の検索条件で検索を行ってもよい。
【0110】
また、以上説明した例では、管理サーバ20は、検索条件に合致した有形物の一覧を文字情報が表示されたリスト形式で管理者端末30へ提供していたが、地図形式で提供してもよい。
この場合、管理サーバ20の制御部21は、検索条件に合致した有形物の台帳データを参照し、その合致した有形物の緯度経度情報に基づいて、それら有形物の位置を示す画像(後述のマークMm2)を地図データ上に合成し、管理者端末30へ送信する。
図23は、本発明の第1の実施の形態における台帳データの一覧を地図形式で示した場合の例を示す図である。
図の例では、地図上の検索条件に合致した有形物の位置がマークMm2で表現されている。
各マークMm2は検索条件に合致した有形物の有形物IDに対応付けられている。
道路管理者は、管理者端末30の操作部35を操作して、台帳データの取得を希望する有形物のマーク部分をクリック等して指定すると、通信部33は、制御部31による制御のもと、その指定されたマークに対応付けられている有形物IDの台帳データの取得要求を管理サーバ20へ送信する。
【0111】
また、上記リスト及び地図の他、点群データ画像の形式で検索条件に合致した有形物の一覧の情報を提供してもよい。
この場合、管理サーバ20の制御部21は、検索条件に合致した有形物の台帳データを参照し、その合致した有形物の緯度経度情報に基づいて、それら有形物の位置を示す画像(後述のマークMm3)を点群データ画像上に合成し、管理者端末30へ送信する。
図24は、本発明の第1の実施の形態における台帳データの一覧を点群データ画像の形式で示した場合の例を示す図である。
図の例では、点群データ画像上の検索条件に合致した有形物がマークMm3で表現されている。
各マークMm3は検索条件に合致した有形物の有形物IDに対応付けられている。
道路管理者は、管理者端末30の操作部35を操作して、台帳データの取得を希望する有形物のマーク部分をクリック等して指定すると、通信部33は、制御部31による制御のもと、その指定されたマークに対応付けられている有形物IDの台帳データの取得要求を管理サーバ20へ送信する。
【0112】
なお、管理サーバ20が検索条件に合致した有形物の一覧を地図形式又は点群データ画像の形式で管理者端末30へ送信する場合であって、同一の地図上又は点群データ画像上に、検索条件に合致した全ての有形物を表示する場合には、検索条件に位置情報を含めることが好ましい。
【0113】
また、マークMm1,Mm2は黒丸、マークMm3は丸囲みで表されていたが、これらはあくまでも一例であり、例えば色を他の部分と異ならせる等、有形物の位置が特定できたり、有形物を他と区別できたりするものであれば、他の表現であってもよい。
【0114】
<実施形態のまとめ>
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、管理サーバ20は、各有形物個々の台帳基礎データに対し、共通の識別情報である有形物IDを付して管理するので、有形物全体の総合的な台帳データのデータベースを構築でき、道路管理者は、補修対象の有形物等を容易に検索することができ、有形物の補修計画を円滑に進めることが可能となる。
【0115】
また、本実施の形態によれば、管理サーバ20は、測定車両10により取得された点群データに対して画像認識処理を実行して有形物を抽出し、その抽出した有形物の台帳基礎データに対して、上記抽出した有形物の位置情報に対応付けられている有形物画像データを合成して台帳データを生成するので、道路管理者は、管理者端末30を用いて台帳データを閲覧する際、上記台帳データに合成された有形物画像データを確認することにより、有形物の状況を容易に把握することが可能となる。
また、道路管理者が合成する有形物の画像をわざわざ現地で撮影したり、どの画像が対象の有形物であるかどうかを確認したりすることなく、有形物の状況が示された台帳を道路管理者に提供することが可能となる。
【0116】
また、本実施の形態によれば、管理サーバ20は、測定車両10により取得された点群データに対して画像認識処理を実行して有形物を抽出し、その抽出した有形物の台帳基礎データに対して、上記抽出した有形物の位置情報に対応付けられている有形物地図データを合成して台帳データを生成するので、道路管理者は、管理者端末30を用いて台帳データを閲覧する際、上記台帳データに合成された有形物地図データを確認することにより、有形物の供用位置を容易に把握することが可能となる。
また、道路管理者が各有形物の供用位置を調べたり、合成する有形物の地図をわざわざ作成したりすることなく、有形物の供用位置が示された台帳を道路管理者に提供することが可能となる。
【0117】
また、本実施の形態によれば、管理サーバ20は、測定車両10により取得された点群データに対して画像認識処理を実行して有形物を抽出し、その抽出した有形物点群データの座標情報に基づいて、その有形物の形状を特定し、台帳基礎データに対して、上記特定した有形物の形状に関する情報を追加して台帳データを生成するので、道路管理者は、管理者端末30を用いて台帳データを閲覧する際、上記台帳データに追加された有形物の形状に関する情報を確認することにより、当該有形物の形状がどのタイプであるのかを把握することができ、有形物の補修や交換の際、どの形状の有形物又は部品を用意すべきか容易に判断することが可能となる。
【0118】
また、本実施の形態によれば、管理サーバ20は、測定車両10により取得された点群データに対して画像認識処理を実行して有形物を抽出し、その抽出した有形物点群データの座標情報に基づいて、その有形物のサイズを計算し、台帳基礎データに対して、上記計算した有形物のサイズに関する情報を追加して台帳データを生成するので、道路管理者は、管理者端末30を用いて台帳データを閲覧する際、上記台帳データに追加された有形物のサイズに関する情報を確認することにより、当該有形物のサイズを把握することができ、有形物の補修や交換の際、どのサイズの有形物又は部品を用意すべきか容易に判断することが可能となる。
【0119】
上記の測定車両10のモービルマッピングシステム、管理サーバ20及び管理者端末30は、主にCPUとメモリにロードされたプログラムによって実現される。ただし、それ以外の任意のハードウェアおよびソフトウェアの組合せによってこの装置またはサーバを構成することも可能であり、その設計自由度の高さは当業者には容易に理解されるところである。
また、上記の測定車両10のモービルマッピングシステム、管理サーバ20又は管理者端末30をソフトウェアモジュール群として構成する場合、このプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
【0120】
なお、上記の実施の形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施の形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
例えば、本実施の形態では、有形物のデータの取得や解析を目的としていたが、道路とは独立した物であっても、有形物と同様に、データの取得や解析を行うことができる。
また、本実施の形態では、台帳作成システムを道路管理事業に利用していたが、この「道路」は狭義の「道路」にとどまらず、様々な「交通網」の意味を含む。すなわち、本実施の形態における台帳作成システムは、他の事業分野にも適用可能である。例えば、鉄道、河川、運河又は海上における運航等の他の交通管理事業にも利用可能であり、この場合、列車や船舶等の移動手段が測定車両10と同様の機能を備え、各種データの取得を行う。
また、上記車両、列車、船舶の他、ドローン、飛行機、ヘリコプター等の移動手段が測定車両10と同様の機能を備え、空中から各種データ収集を行うことも可能である。
また、測定車両10と同様の機能を備えた装置を人が持ち運び、各種データの収集を行うこともできる。
また、道路の他、空港や一般的なビルディングのように建築物や各種施設の敷地内、さらには、道路又は施設等の存在しない山野、浜辺、農耕地等においても測定車両10と同様の機能を備えた各種移動手段及び装置を用いて各種データの収集が行われる。
【符号の説明】
【0121】
10 測定車両
11,21,31 制御部
12,22,32 情報格納部
13 レーザスキャナ
14 GPS
15 IMU
16 計時部
17 カメラ
18 オドメータ
19 情報入出力部
20 管理サーバ
23,33 通信部
30 管理者端末
34 表示部
35 操作部