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特許7412147フィーダにおいてシートから形成されたパイルを交換する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】フィーダにおいてシートから形成されたパイルを交換する方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/30 20060101AFI20240104BHJP
【FI】
B65H1/30
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019213292
(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公開番号】P2020083658
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】10 2018 220 326.1
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390009232
【氏名又は名称】ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Heidelberger Druckmaschinen AG
【住所又は居所原語表記】Kurfuersten-Anlage 52-60, D-69115 Heidelberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クラウディウス ハース
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ クロス
(72)【発明者】
【氏名】イェンス クロース
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-183524(JP,A)
【文献】特開平07-257761(JP,A)
【文献】特開2016-069169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/30
B65H 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを処理する機械のフィーダにおいてシートから形成されたパイルを交換する方法であって、
上昇させられた補助パイル(11)からシート(7)を個別化して処理し、パレット(9)上に配置された主パイル(8)を、水平の送り区間(16)に沿って前記フィーダ(2)内の前記補助パイルの下方の位置(10)へ移動させ、前記主パイルを上昇させて、前記補助パイルとまとめて新しい主パイルを形成し、シートを、前記新しい主パイルから個別化して処理する方法において、
前記パレット(9)に対する前記主パイル(8)の相対的な位置を、前記パレット(9)が静止しているまたは移動するときに、フィーダ外(6)に位置する、前記送り区間(16)の第1の測定ポジション(25)で特定する、または前記パレット(9)が移動するときに、フィーダ内(5)に位置する、前記送り区間(16)の第2の測定ポジション(28)で特定し、前記主パイル(8)を、駆動装置(20)を制御して、前記フィーダ内の前記補助パイル(11)の下方の前記位置(10)へ移動させて、前記主パイルは、すでに上昇前に前記補助パイルに対してセンタリングされて配置されるようにすることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記パレット(9)に対する前記主パイル(8)の相対的な位置の特定を、第1のセンサ(26)を用いて前記第1の測定ポジション(25)で行い、前記第1のセンサは、前記パレットの位置を特定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記パレット(9)に対する前記主パイル(8)の相対的な位置の特定を、第2のセンサ(27)を用いて前記第1の測定ポジション(25)で行い、前記第2のセンサは、前記主パイルの位置を特定することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記主パイル(8)を、前記第1の測定ポジション(25)から所定の距離S1だけ前記フィーダ(2)内の前記位置(10)へ移動させ、その際:
S1=(M1+D1+LP/2)+(M2+D2-(LP-LS)/2)
が成立することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記パレット(9)に対する前記主パイル(8)の相対的な位置の特定を、第3のセンサ(29)を用いて第2の測定ポジション(28)で行い、前記第3のセンサは、前記主パイルの位置を特定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記主パイル(8)を、前記第2の測定ポジション(28)から所定の距離S2だけ前記フィーダ(2)内の前記位置へ移動させ、その際:
S2=(M3+LP/2)+(M3+D2-(LP-LS)/2)
が成立することを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記主パイル(8)を前記補助パイルとまとめる前に、前記補助パイル(11)をフォーク(4)上に配置し、前記主パイルを前記補助パイルとまとめるときに、前記フォークを前記新しい主パイルから退出させ、前記フォークを、次の補助パイルを形成するために、前記新しい主パイルの下へ進入させ、その際、前記フォークを事前に位置決めすることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
フォークを事前に位置決めするために、第のセンサ(35)を用いて、前記パレット(9)の位置の新しい測定を行うことを特徴とする、請求項7記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴を有する、フィーダにおいてシートから形成されたパイルを交換する方法に関する。
【0002】
技術分野および背景技術
本発明は、グラフィック産業の技術分野に関し、とりわけ、その中の特にいわゆるANS動作(「自動ノンストップ」)のときの、フィーダへの被印刷物シートから成るパイルの供給の範囲およびフィーダにおけるパイル交換の範囲にある。
【0003】
シートを処理する印刷機は、通常は、それぞれ昇降板を有する積重ね装置として構成されたシートフィーダとシートデリバリとを含む。昇降板上に、たとえば木材製のまたはプラスチック製のパレットがその都度位置決めされる。フィーダには、パレット上に、印刷されていないシートから成るパイルが存在し、デリバリには、印刷済みのシートのパイルが存在する。印刷機は、送り区間、たとえばローラ型送り装置を含んでよく、送り区間によって、パレットを機械へ向けてまたは機械から離反する方へ送ることが可能となる。フィーダでは、たとえば印刷されていないシートから成るパイルを含むパレットがフィーダへ向けて送られ、空のパレットがフィーダから離反する方へ送られる。デリバリでは、たとえば印刷済みのシートを含むパレットがデリバリから離反する方へ送られ、空のパレットがデリバリへ向けて送られる。
【0004】
印刷機のフィーダでは、「ノンストップ」にパイル交換を行うことができる。そのために、いわゆるフォークが、減少する残パイル(または補助パイル)の下方で積重ねパレットの溝内へ移動させられる。残パイルは、そこでフォークによって支持される。これをもって、空のパレットが、降下させられて、フィーダから外へ移動させられる。新しい主パイルを含む新しいパレットが、フィーダ内へ移動させられ、停止される。新しいパイルは、横方向に、つまり機械の長手方向に対して横向きに、停止位置から残パイルへ向けて位置合わせされ(左右位置合わせ)、上方へ、残パイルの下に移動させられる。最終的に、フォークが、残パイルと新しい主パイルとがまとめられたパイルから引き抜かれる。この動作は、何度も繰り返すことができる。
【0005】
西独国特許第1099556号明細書は、パイル貯蔵、フィーダへのパイル供給、ならびに主パイルおよび補助パイルの使用または主パイルおよび補助パイルの昇降を開示している。センサによる監視については、この文献には開示されていない。
【0006】
さらに独国特許出願公開第3922803号明細書は、フィーダにおける、センサにより支援されたパイル交換を開示している。この文献では、センサが開示されており、センサは、フィーダ内に位置決めされていて、主パイルの左右位置合わせを支援する。
【0007】
最後に、独国特許出願公開第102006046526号明細書は、フィーダにおけるパイルとフィーダボード上の個別化されたシートとをセンサにより監視するパイル交換を開示している。
【0008】
従来技術において、フィーダにおけるシートパイルの左右位置合わせのための修正運動によってパイル交換時間が延長されるという欠点が生じてしまうおそれがある。これによって、貴重な生産時間が浪費される。
【0009】
課題
したがって本発明の課題は、特にパイル交換時間を短縮することを可能にする、従来技術に対して改善された技術的解決手段を提供することである。
【0010】
本発明による解決手段
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴の組合わせを有する方法により解決される。有利であり、したがって好適な本発明の発展形態は、従属請求項、明細書および図面から明らかである。本発明、本発明の発展形態および本発明の実施の形態の特徴は、相互に組み合わせても本発明の他の有利な発展形態を成すものである。
【0011】
本発明は、シートを処理する機械のフィーダにおいてシートから形成されたパイルを交換する方法であって、上昇させられた補助パイルからシートを個別化して処理し、パレット上に配置された主パイルを、水平の送り区間に沿ってフィーダ内の補助パイルの下方の位置へ移動させ、主パイルを上昇させて、補助パイルとまとめて新しい主パイルを形成し、シートを、新しい主パイルから個別化して処理する方法において、パレットに対して相対的な主パイルの位置を、パレットが静止しているまたは移動するときに、フィーダ外に位置する、送り区間の第1の測定ポジションで特定する、またはパレットが移動するときに、フィーダ内に位置する、送り区間の第2の測定ポジションで特定し、主パイルを、駆動装置を制御して、フィーダ内の補助パイルの下方の位置へ移動させて、主パイルが、すでに上昇前に補助パイルに対してセンタリングされて配置されるようにすることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、フィーダ内で横方向にパイルを位置合わせするための付加的な修正移動を省くことができる。本発明によって、好適には、パイル交換時間を短縮するとともに貴重な生産時間を浪費しないことが可能である。
【0013】
従来技術のように、フィーダにおいて、停止位置から外への付加的で時間のかかる修正移動を実行する代わりに、主パイルは、すでにフィーダ外で(静止状態でまたは移動中に)検出され、横方向の修正は、フィーダ内にまたはフィーダ内の停止位置に進入するときに実行される、または主パイルは、(移動中に)フィーダ内に進入するときに検出され、横方向の修正は、フィーダ内にまたはフィーダ内の停止位置に引き続き進入するときに実行される。
【0014】
得られる利点は、2つの例の比較において明らかである。従来技術では、印刷機のフィーダにおけるパイル交換は、70×100の規格サイズにおいて、約110秒かかることがある。その際、つまり複数回のパイル交換および所定の印刷速度では、通常は、約9800シート/hの生産性が生じる。本発明によれば、印刷機のフィーダにおけるパイル交換の時間は、70×100の規格サイズにおいて、約100秒へと短縮することができる。しかもこの10秒の節約は、複数回のパイル交換時に合計される。この場合、同一の条件で、約10800シート/hの向上した生産性が生じる。
【0015】
発明の発展形態
本発明の好適な発展形態は、以下に記載の1つまたは複数の特徴の組合わせを特徴としている。
【0016】
本発明の好適な一発展形態は、パレットに対して相対的な主パイルの位置の特定を、第1のセンサを用いて第1の測定ポジションで行い、第1のセンサは、パレットの位置を特定することを特徴とする。
【0017】
本発明の好適な一発展形態は、パレットに対して相対的な主パイルの位置の特定を、第2のセンサを用いて第1の測定ポジションで行い、第2のセンサは、主パイルの位置を特定することを特徴とする。
【0018】
本発明の好適な一発展形態は、主パイルを、(測定箇所から)所定の距離S1だけフィーダ内の位置へ移動させ、その際:S1=(M1+D1+LP/2)+(M2+D2-(LP-LS)/2)が成立することを特徴とする。S1は、たとえばモータインクリメンタルの数で与えられてよい。
【0019】
本発明の好適な一発展形態は、パレットに対して相対的な主パイルの位置の特定を、第3のセンサを用いて第2の測定ポジションで行い、第3のセンサは、主パイルの位置を特定することを特徴とする。
【0020】
本発明の好適な一発展形態は、主パイルを、(測定箇所から)所定の距離S2だけフィーダ内の位置へ移動させ、その際:S2=(M3+LP/2)+(M3+D2-(LP-LS)/2)が成立することを特徴とする。S2は、たとえばモータインクリメンタルの数で与えられてよい。
【0021】
本発明の好適な一発展形態は、補助パイルを、主パイルを補助パイルとまとめる前に、フォーク上に配置し、フォークを、主パイルを補助パイルとまとめるときに、新しい主パイルから退出させ、フォークを、次の補助パイルを形成するために、新しい主パイルの下へ進入させ、その際、フォークを事前に位置決めすることを特徴とする。
【0022】
本発明の好適な一発展形態は、事前に位置決めするために、第5のセンサを用いて、パレットの位置の新しい測定を行うことを特徴とする。
【0023】
図面および発明の例示的な実施の形態
以下、本発明およびその好適な発展形態を、図面、つまり図1および図2を参照して、好適な例示的な実施の形態につき詳説する。その際、相互に対応する特徴には同一の符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る方法の好適な実施の形態を実行する際の、フィーダを有するシートを処理する機械を示す。
図2】距離S1および距離S2の計算を分かりやすく説明するための概略図である。
【0025】
図1は、本発明に係る方法の好適な実施の形態を実行する際の、処理されるべき被印刷物シート用のフィーダ2を有するシートを処理する機械1、特にオフセット印刷機またはインキ方式印刷機を示している。
【0026】
フィーダ2は、鉛直にモータ式に可動で、ひいては位置決め可能な積み板3と、同様に鉛直に機械式に可動で、ひいては位置決め可能なフォーク4とを有する。フィーダ自体は、フィーダ内の領域5とフィーダ外の領域6とを規定している。
【0027】
処理されるべき、特に印刷が行われるべきシート7は、パレット9上に配置された主パイル8(図1は順次処理されるべき2つの主パイルを示している)を形成する。フィーダ2内の領域5における主パイル8は、所定の水平位置10、特に停止位置に位置し、その位置から、パイルは、昇降移動13を行うことができる。
【0028】
領域5における主パイル8の上方に、(フォーク4上に)いわゆる補助パイル11が位置し、補助パイル11からシート7が個別化され、次いで処理方向12に機械を通って送られる、つまり処理される。
【0029】
図1には、補助パイル11の中央14が示されている。中央14は、機械の中央と一致してよい。ただし、特に薄い被印刷物を処理するときに、被印刷物シート(たとえばシートパイル)が、その規格サイズに基づいて、シート前縁でシート側縁を確実に把持しなければならないようにフィーダ2内に位置決めしなければならない場合には、中央14は、機械の中央に対して横方向に変位されてもよい(キーワード:「偏心印刷」)。
【0030】
本発明によれば、位置10は、補助パイル11の下方で、主パイル8がすでに上昇前に(つまり昇降移動13の実行前に)補助パイルに対してセンタリングして配置されるように位置する。つまり、位置10において、主パイル8の中央が補助パイル11の中央と一致する。
【0031】
パイル8の上昇およびパイル8の処理の後で、積み板3は、再び降下させられ、空のパレット15がフィーダ2から外へ送り出される。
【0032】
図1は、パレット9を(横方向の)送り方向17に送るための水平の送り区間16をさらに示している。送り区間は、送り装置19の多数のローラ18を含み、ローラ18は、少なくとも1つの駆動装置20によって駆動される。パレット9は、側方でフィーダ2内へ送るとともに、側方でフィーダから外へ送ることができる。いくつかのローラ18が、積み板3に対応付けられていて(または積み板3上に配置されていて)、積み板3とともに鉛直に移動可能である。
【0033】
従来技術では、領域5に測定ポジション21が位置する。測定ポジション21は、(第5の)センサ22、または静止しているパレット9の(横方向17の)位置を決定するためのストッパを含む。さらに、従来技術における測定ポジション21は、パレット9とともに静止しているパイル8の(方向17の)位置を特定するためのセンサ23を含む。2つの位置から、パレット9上のパイル8の(方向17の)位置を特定することができる。次いで、従来技術では、停止位置から、パイルとともにパレットの付加的な修正運動24が実行され、これにより主パイル8がセンタリングされて補助パイル11の下方に位置する。そのために、補助パイル11の(方向17の)位置が既知である、または特に特定/測定される。しかし、そのような修正運動は、所望されない生産時間を要する。したがって本発明は、以下に説明するように、異なる方法をとり、そのような修正運動を回避する。
【0034】
本発明によれば、第1の測定ポジション25は、フィーダ外の領域6に位置する。任意選択的に、第1の測定ポジション25は、静止している(または通過した)パレット9の(横方向17の)位置を特定するための第1の測定装置、特に第1のセンサ26を含む。パレット9が所定の位置で始動するときには、この測定装置をたとえば省くことができる。
【0035】
測定ポジション25は、パレットとともに静止している(または通過した)パイル8の(方向17の)位置を特定するための第2の測定装置27、特に第2のセンサ27を含む。2つの位置から、パレット9上のパイル8の(方向17の)位置またはパレット9とパイル8との相対的な距離を特定することができる。好適には、パレット8およびパイル9の(方向17に位置する)前縁の位置が特定される。代替的に、後縁の位置または特別なマーキングを検出してもよい。
【0036】
本発明によれば、パレット位置およびパイル位置の特定は、フィーダ外で、つまり領域6において行われる。好適には、この特定は、送り区間16において存在する休止位置で行われる。2つの位置を特定するための時間は、このようにして好適には、休止時間中に存在するので、貴重な生産時間が浪費されることがない。
【0037】
本発明によれば、パレットに対して相対的な主パイルの位置または距離が特定され、主パイルは、所定の駆動装置、たとえば駆動装置20を制御して、フィーダ内の補助パイルの下方の位置10へ移動させられ、これにより主パイルは、すでに上昇前に補助パイルに対してセンタリングされて配置されている。
【0038】
2つのセンサ26および27の代わりに、2つの位置(パレット8の位置およびパイル9の位置)を特定する共通の1つのセンサ26または27が設けられることも想定されてよい。
【0039】
第1の測定ポジション25に対して代替的に、第2の測定ポジション28が、フィーダ2内の領域5に設けられてよい。この第2の測定ポジション28は、パレット8とともに方向17に移動したパイル9の(横方向17の)位置を特定するための第3の測定装置29、特に第3のセンサ29を含む。さらにセンサ29は、パレット8の位置を特定することができる。代替的に、2つの位置を特定するために2つのセンサを使用してよい。2つの位置から、代替例のように、パレット8上のパイル9の位置またはパイル9とパレット8との距離を特定することができる。この代替例でも、パレットに対して相対的な主パイルの位置が特定され、主パイルは、駆動装置を制御して、フィーダ内の補助パイルの下方の位置へ移動させられ、これにより主パイルは、上昇前にすでに補助パイルに対してセンタリングされて配置される。センサ29が定位置であり、パレット/パイルが移動するので、この代替例における各々の位置特定は、好適には時間信号に基づいている(さらにこの場合パレットまたはパイルの送り速度が分かっていなければならない)。
【0040】
機械1は、演算装置33をさらに有し、演算装置33は、接続部34を介してセンサと駆動装置とに接続されていて、これにより駆動装置を制御するために演算装置を本発明に則して使用することができる。
【0041】
測定箇所がフィーダ外に(たとえば休止位置に)位置するときに、パレットがパイルとともに位置10へ移動する距離S1の計算は、好適には以下の式に従って行われる:
S1=(M1+D1+LP/2)+(M2+D2-(LP-LS)/2)。
【0042】
測定箇所がフィーダ内に位置するときに、相応して距離S2は、好適には以下の式に従って計算される:
S2=(M3+LP/2)+(M3+D2-(LP-LS)/2)。
【0043】
図2は、距離S1および距離S2の計算を分かりやすくするための概略図を示している。パレットの送り方向に対して平行な軸上に、ゼロとして補助パイル11の中央が、かつ測定ポジションM1~M3が入力されている。さらに、パレットの長さLPおよびパイル(またはシート)の長さLSが図示されている。
【0044】
M1~M3は、センサの取付け場所に対応する。D1~D2は、測定値(測定された距離)であってよい。LPおよびLSは、既知であって、計算に提供される。
【0045】
機械1は、任意選択的な測定装置35、特に第4のセンサ35を有してよい。この測定装置35は、パレット9の(横方向17の)位置またはフォークを導入するためのパレット9の溝の位置を特定するのに用いられる。さらに、機械1は、フォークを横方向17に移動させるため、ひいては事前に位置決めするための駆動装置36を有してよい。任意選択的な測定装置35を用いて、パレット9の位置を特定することができ、これによりフォークが事前に位置決めされるとともに、フォークは、パレット上面における、フォーク用に設けられた溝に正確に進入する。
【符号の説明】
【0046】
1 シートを処理する機械/印刷機
2 (シート)フィーダ
3 積み板
4 フォーク
5 フィーダ内の領域
6 フィーダ外の領域
7 シート
8 主パイル
9 (主パイル)パレット
10 昇降移動前のフィーダ内の位置
11 補助パイル
12 処理方向
13 昇降方向/昇降移動
14 補助パイルの中央(場合によっては機械の中央)
15 空のパレット
16 (水平の)送り区間
17 送り方向/送り移動
18 ローラ
19 (ローラ)送り装置
20 駆動装置
21 測定ポジション(従来技術)
22 測定装置/第5のセンサ/静止しているパレット用のストッパ
23 測定装置/静止しているパイル用のセンサ(従来技術)
24 修正移動(従来技術)
25 フィーダ外の第1の測定ポジション
26 任意選択的な測定装置/第1のセンサ/静止しているパレット用のストッパ
27 測定装置/静止しているパイル用の第2のセンサ
28 フィーダ内の第2の測定ポジション
29 測定装置/移動するパイル用の第3のセンサ
30 主パイルの位置
31 パレットに対する主パイルの距離
32 シート規格サイズ
33 演算装置
34 接続部
35 任意選択的な測定装置/パレット用の第4のセンサ
36 フォーク用の駆動装置
S1 距離
S2 距離
M1 第1のセンサの取付け位置
M2 第2のセンサの取付け位置
M3 第3のセンサの取付け位置
D1 第1のセンサに対するパレットの距離(測定値)
D2 第2のセンサに対するパイルの距離(測定値)
LP パレットの長さ
LS パイルまたはシートの長さ
図1
図2