(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】バッテリパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/296 20210101AFI20240104BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20240104BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20240104BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/298
H01M50/247
H05K5/02 G
(21)【出願番号】P 2019222827
(22)【出願日】2019-12-10
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】523369477
【氏名又は名称】JUREN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】冨山 晶大
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優花
(72)【発明者】
【氏名】戸野 良太
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-102222(JP,A)
【文献】特開2013-218928(JP,A)
【文献】特開平04-022060(JP,A)
【文献】特開2008-067435(JP,A)
【文献】特開2008-170863(JP,A)
【文献】特表2016-512018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリモジュールと、前記バッテリモジュールと接続されるケーブルと、前記ケーブルと接続されるコネクタと、前記バッテリモジュールを収容するケースとを備えるバッテリパックにおいて、
前記ケースは、
互いに対向する平板状の一対の平面部と、
前記一対の平面部の一方に形成され、該一方の平面部のベース面から前記ケースの内側に窪んだ、前記ケーブル及び前記コネクタを収容する収容部と、
前記収容部の壁面と接する前記一方の平面部のベース面に形成され、前記収容部に向けて開口する凹部とを有
し、
前記収容部の壁面に形成され前記コネクタの接続端子を固定する固定部を更に備え、
前記凹部は、前記固定部の形成位置に対応する前記一方の平面部のベース面に形成されていることを特徴とするバッテリパック。
【請求項2】
前記固定部は、前記収容部の壁面に複数形成されており、
前記凹部は、前記複数の固定部のそれぞれの形成位置に対応する前記平面部のベース面に形成されることを特徴とする請求項
1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記凹部は、該凹部の開口方向と平行な断面視において、前記一方の平面部のベース面との境界に位置する端縁から前記開口側の端縁にいくにしたがって深さが増大するように形成されていることを特徴とする請求項1
または2に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記凹部は、その壁面が曲面形状を有していることを特徴とする請求項1~
3のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【請求項5】
前記収容部は、前記コネクタを収容する第1収容部と、前記ケーブルを収容するものであって前記第1収容部に隣接して設けられるとともに前記第1収容部よりも前記ベース面からの深さが小さい第2収容部とを有し、
前記第1収容部は、前記ベース面から最も前記ケースの内側に窪んでおり、平坦状に形成された収容本体と、
前記収容部の壁面と対向し、前記第2収容部と隣接する位置まで傾斜状に形成されているテーパ壁とを有していることを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【請求項6】
前記第2収容部は、前記ベース面から前記ケースの内側に窪んで形成された収容本体を有しており、
前記第2収容部の前記収容本体は、前記テーパ壁と連続して形成されるとともに、その一部に凸状の山部が形成されてなる底面を有していることを特徴とする請求項
5に記載のバッテリパック。
【請求項7】
前記山部は、前記テーパ壁と隣接する位置における前記第2収容部の前記収容本体の底面に形成されていることを特徴とする請求項
6に記載のバッテリパック。
【請求項8】
前記一対の平面部の外縁に形成される側面部を更に備え、
前記側面部に、該側面部のベース面よりも前記ケースの内側に窪んだ把持部が形成されていることを特徴とする請求項1~
7のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等を充電するバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォンなどの電子機器には繰り返し充電可能な二次電池が使用されている。このような電子機器においては近年動画の視聴等により電池使用量が増大しており、外出先などでの電子機器の継続使用のために、モバイル型の充電用の電池(バッテリパック)が広く活用されている。
【0003】
上記モバイル型のバッテリパックとしては、電子機器と接続するためのケーブルコネクタを内蔵するタイプのものが広く知られており、バッテリパックの意匠性やコネクタ端子の保護のためにバッテリパックの一部にコネクタを収容するための収容部が設けられた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。上記特許文献1に記載されるバッテリパックでは、本体ケースの隅部に切り欠き部が設けられ、この切り欠き部にケーブルを介して本体ケースと接続されているコネクタ部が嵌め込まれることにより本体ケースと一体的な外観を構成している。
【0004】
また他のバッテリパックとして、ケーブル及びコネクタを収容するためにバッテリパックの一部が窪み形状を有する収容部が形成されており、この収容部にケーブル及びコネクタが収容されることにより、バッテリパックの外観上、突出部分のない輪郭形状を持ったものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようなバッテリパックでは、コネクタをバッテリパック本体に収容した状態において外観として極力凹凸のない形状を実現するために、コネクタとバッテリパック本体或いはバッテリパックの収容部とが隙間ない状態で当接するように構成されている。このため、作業者がバッテリパックに収容されたコネクタを取り外す際に、指などを引っ掛けるスペースが無く取り外し作業が行いにくいという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであり、コネクタをバッテリパックの収容部から取り外す際の作業性に優れたバッテリパックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る態様は、バッテリモジュールと、前記バッテリモジュールと接続されるケーブルと、前記ケーブルと接続されるコネクタと、前記バッテリモジュールを収容するケースとを備えるバッテリパックにおいて、前記ケースは、互いに対向する平板状の一対の平面部と、前記一対の平面部の一方に形成され、該一方の平面部のベース面から前記ケースの内側に窪んだ、前記ケーブル及び前記コネクタを収容する収容部と、前記収容部の壁面と接する前記一方の平面部のベース面に形成され、前記収容部に向けて開口する凹部とを有する。
【0009】
また、前記収容部の壁面に形成され前記コネクタを固定する固定部を更に備え、前記凹部は、前記固定部の形成位置に対応する前記一方の平面部のベース面に形成されていることが好ましい。
【0010】
また、前記接続部は、前記収容部の壁面に複数形成されており、前記凹部は、前記複数の接続部のそれぞれの形成位置に対応する前記平面部のベース面に形成されることが好ましい。
【0011】
また、前記凹部は、該凹部の開口方向と平行な断面視において、前記一方の平面部のベース面との境界に位置する端縁から前記開口側の端縁にいくにしたがって深さが増大するように形成されていることが好ましい。
【0012】
また、前記凹部は、その壁面が曲面形状を有していることが好ましい。
【0013】
また、前記収容部は、前記コネクタを収容する第1収容部と、前記ケーブルを収容するものであって前記第1収容部に隣接して設けられるとともに前記第1収容部よりも前記ベース面からの深さが小さい第2収容部とを有し、前記第1収容部は、前記ベース面から最も前記ケースの内側に窪んでおり、平坦状に形成された収容本体と、前記収容部の壁面と対向し、前記第2収容部と隣接する位置まで傾斜状に形成されているテーパ壁とを有していることが好ましい。
【0014】
また、前記第2収容部は、前記ベース面から前記ケースの内側に窪んで形成された収容本体を有しており、前記第2収容部の前記収容本体は、前記テーパ壁と連続して形成されるとともに、その一部に凸状の山部が形成されてなる底面を有していることが好ましい。
【0015】
また、前記山部は、前記テーパ壁と隣接する位置における前記第2収容部の前記収容本体の底面に形成されていることが好ましい。
【0016】
また、前記一対の平面部の外縁に形成される側面部を更に備え、前記側面部に、該側面部のベース面よりも前記ケースの内側に窪んだ把持部が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る態様によれば、バッテリパックを構成するコネクタを収容する収容部と平面部のベース面との境界に収容部に向け開口する凹部が設けられているので、作業者が凹部に指を引っかけることによりコネクタを収容部から容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態に係るバッテリパックの構成を表す斜視図である。
【
図2】
図1に示すバッテリパックの収容部を拡大した正面図である。
【
図3】
図1に示すバッテリパックにおいて、ケーブルとコネクタを除いた収容部を拡大した斜視図である。
【
図4】
図1に示すバッテリパックにおいて、収容部に収容されるケーブル及びコネクタの状態を表す断面図である。
【
図5】
図1に示すバッテリパックにおいて、収容部からコネクタの一部を取り外した状態を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとり得る。
【0020】
<バッテリパックの構成>
図1~
図4を用いて、本実施の形態に係るバッテリパックの構成について説明する。
図1に示すように、バッテリパック1は、バッテリモジュール(図示しない)と、ケーブル10と、コネクタ20と、ケース30とを有している。バッテリモジュールは、複数の電池が接続されて構成されておりケース30内に収容されている。バッテリモジュールの構成については、特に限定されず一般に知られている種々の構成のものを適用することができる。
【0021】
ケーブル10は、一端がケース30内部においてバッテリモジュールに接続されており、他端がケース30の外側においてコネクタ20と接続されている。ケーブル10は、後述するコネクタ20の端子形状に応じて複数本設けられている。
コネクタ20は、本体部21と、本体部21の先端側に設けられる接続端子22とを有する。本体部21は例えば樹脂製材料で構成されており、その内部には充電やデータの入出力のための回路基板が配置されている。本体部21は、後述する接続端子22の形状に応じて着色されていてもよく、これにより作業者は必要とする接続端子を容易に判別することができる。接続端子22は、電子機器(図示しない)に設けられる差込端子に差し込まれることにより電子機器と電気的に接続される。接続端子22は、接続対象となる電子機器に応じて複数種類設けられている。接続端子21は、コネクタ20が後述するケース30の収容部34に収容されたときにケース30の固定部36に装着される。
【0022】
図1に示すように、ケース30は、例えば樹脂製材料から形成されており、バッテリモジュールを収容し保護する。ケース30は、一対の平面部31と、第1側面部32と、第2側面部33と、収容部34と、凹部35と、固定部36とを有している。
一対の平面部31は、互いに対向する略長方形状の平面部31で構成されている。平面部31の各端縁は、面取りがされたテーパ状に形成されている。一対の平面部31の一方には、平面部31のベース面31aよりもケースの内側に窪んだ収容部34及び凹部35が形成されている。
【0023】
図1に示すように、第1側面部32は、長手方向における平面部31の両側の側縁間を連結するように一対設けられており、平面部31と略垂直な方向に延設されている。第1側面部32には、ベース面32aよりもケース30の内側に僅かに窪んだ把持部32bが形成されている。把持部32bは、長尺状の楕円形状を有しており、ベース面32aとの境界から滑らかな凹状の曲面となるように形成されている。このような形状とすることにより、作業者がバッテリパック1を手に取る際に、作業者の指をバッテリパック1の側面に固定しやすくなる。また、第1側面部32には、把持部32bの領域内に端子孔32cと電源スイッチ33dが設けられている。端子孔32cには、接続端子が挿入され、外部の電子機器やバッテリパック1に電力を供給するための充電機器等が接続される。電源スイッチ32dは、バッテリパック1の起動のオン・オフを切り替えるものであり、作業者は電源スイッチ32dの押下によりバッテリパック1を起動させたり、起動を停止させたりすることができる。
第2側面部33は、短手方向における平面部31の側縁間を連結しており、平面部31と略垂直な方向に延設されている。
【0024】
図1に示すように、収容部34は、一対の平面部31の一方に形成されており、平面部31のベース面31aからケース30の内側に窪んだ形状を有している。収容部34には、ケース30の外側に露出するケーブル10とコネクタ20とが収容されている。
図2に示すように、収容部34は、第1収容部341と第2収容部342と浅底部343とで構成されている。
【0025】
図3に示すように、第1収容部341は、収容本体341aと、立設壁341bと、テーパ壁341cと、突起341dとを有する。収容本体341aは、ベース面31aから最もケース30の内側に凹んだ部分であり、平坦状に形成されている。収容本体341aには主にコネクタ20が収容される。立設壁341bは、ケース30の長手方向における収容本体341aの一端縁からベース面31aに達するように、収容本体341aと略垂直な方向に立設されている。テーパ壁341cは、立設壁341bに対向する収容本体341aの一端縁から第2収容部342と隣接する位置まで傾斜状に形成されている。このようにテーパ壁341cが傾斜状に形成されることにより、コネクタ20をテーパ壁341c側に移動させてコネクタ20を収容部34から取り外す際に、コネクタ20がテーパ壁341cに沿って上方へ移動するので、コネクタ20の取り外し動作がより円滑となる。また
図3に示すように、テーパ壁341cの一部は、後述する第2収容部342の収容本体342aの底面と連続するように形成されている。突起341dは、立設壁341bの延設方向と略平行な方向に沿って複数設けられている。突起341dは、円柱状を有しており、コネクタ20に形成される嵌合用の窪み(図示しない)にはめ込まれる。コネクタ20の窪み(図示しない)が突起341dにはめ込まれることにより、コネクタ20が収容部34内に固定された状態で収容される。
【0026】
図3に示すように、第2収容部342は、第1収容部341と一方の第2側面部33との間に形成されており、ケーブル10を収容する。第2収容部342は、収容本体342aと連通孔342bと覆い部342cとを有している。収容本体342aは、ベース面31aからケース30の内側に凹んだ部分であり、ケース30の長手方向に沿った方向に収容するケーブル10の収容数に対応して複数形成され、一端側が第1収容部341に連通している。第1収容部341に連通する一端側においては、収容本体342aの底面が第1収容部341のテーパ壁341cと連続するように形成されている。なお、第2収容部342の収容本体342aは、ベース面31aからの深さが第1収容部341の収容本体341aの深さよりも小さくなるように形成されている。
図4に示すように、テーパ壁341c側に位置する収容本体342aの底面には、なだらかな傾斜をもった山部342a’が形成されている。第2収容部342に収容されるケーブルのうち山部342a’上に配置されるケーブル10は、山部342a’の形状に沿って上側に凸となるに湾曲した状態で配置される。このような構成とすることにより、コネクタ20をテーパ壁341c側に移動させてコネクタ20を収容部34から取り外す際に、ケーブル10の当該湾曲部分が自然に上方へ突出するので、コネクタ20の取り外し動作がより円滑となる。なお、コネクタ10の取り外し動作の作業性の観点からは、山部342a’がテーパ壁に隣接する位置における収容本体342aの底面に形成されていることが好ましい。しかしこれに限られず、山部342a’が収容本体342aの底面の全長にわたり形成されていてもよい。また、山部342a’は必ずしも必要ではなく、山部342a’が形成されず収容本体342aの底面が平坦状に形成されている構成が適用されてもよい。
図3に示すように、連通孔342bは、収容本体342aの他端側(テーパ壁341c側とは反対側)にそれぞれ形成されており、ケース30の内部と外部とを連通させる。連通孔342bには、ケーブル10が挿通されている。
図1及び
図2に示すように、覆い部342cは、収容本体342aの他端側にそれぞれ形成されており、連通孔342cの上方を覆っている。
【0027】
浅底部343は、ケース30の短手方向における第1収容部341の両端側に形成されている。浅底部343は、ベース面31aよりもケース30の内側に浅く凹んだ部分であり、その深さが第2側面部33の一方側にいくにしたがって大きくなるようにテーパ状に形成されている。このような構成とすることにより、作業者が指を凹部35に挿入した状態でコネクタ20を押圧する際に、作業者の指が収容部34の縁部分に干渉しにくくなり、作業者がコネクタ20の取り外し動作を行いやすくなる。
【0028】
図1~
図3に示すように、凹部35は、収容部34を構成する第1収容部341の立設壁341bに接するベース面31aに、ベース面31aよりもケース30の内側に窪んで形成されている。凹部35は、半円形状を有しており、一端側が第1収容部341に開口するように形成されている。凹部35は、該凹部35の開口方向と平行な断面視において、ベース面31aとの境界に位置する端縁から開口側(第1収容部341側)の端縁にいくにしたがって深さが増大するように形成されている。
【0029】
図3に示すように、固定部36は、収容部34を構成する第1収容部341の立設壁341bに、立設壁341bの延設方向に沿って複数形成されている。固定部36は、凹み状に形成されており、コネクタ20の接続端子22が装着されることによりコネクタ20を収容部34内に固定する。
【0030】
<コネクタの取り外し動作>
図1及び
図5を用いて、バッテリパック1の収容部34からコネクタ
20を取り外す動作について説明する。初期の状態では、ケーブル10及びコネクタ20が収容部34に収容されており、且つコネクタ20の接続端子22が固定部36内に装着されることによりコネクタ20が収容部34内に固定されている。この状態において、作業者は指を凹部35に挿入しコネクタ20の本体部21の端縁に当接させた状態とし、凹部35に挿入した指でコネクタ20の本体部21を収容部34側に押圧する。これにより、押圧されたコネクタ20がテーパ壁341c側へ移動し、コネクタ20の接続端子22が固定部36から引き出されて接続端子22が露出する。またこのとき、第2収容部342の収容本体342aに形成される山部342a’上に位置するケーブル10がコネクタ20の引き出しに合わせて上方に凸となるように湾曲する。
図5に示すように、また上記コネクタ20の移動に合わせて、コネクタ20を上方(収容部34の外側)へ移動させることにより、コネクタに形成される嵌合用の窪み(図示しない)にはめ込まれていた収容部34の突起341
dが窪みから外されるとともに、コネクタ20が収容部34から取り外される。
【0031】
上記実施の形態に係るバッテリパック1によれば、ケーブル10及びコネクタ20の収容部34の壁面(立設壁341b)と接する平面部31のベース面31aに形成され、収容部34に向けて開口する凹部35を設けている。このような構成とすることにより、作業者は指を凹部35に挿入し収容部34に収容されるコネクタ20の端縁に当接させた状態とし、凹部35に挿入した指でコネクタ20の本体部21を収容部34側に押圧することにより、コネクタ20を収容部34から容易に取り外すことができる。
また上記実施の形態に係るバッテリパック1によれば、収容部34の壁面(立設壁341b)に形成されコネクタ20を固定する固定部36を更に備えており、凹部35は固定部36の形成位置に対応する平面部31のベース面31aに形成されている。このような構成とすることにより、作業者は指を凹部35に挿入したときに取り外したいコネクタ20に対して押圧力をかけやすく、コネクタ20を収容部34からより容易に取り外すことができる。
また上記実施の形態に係るバッテリパック1によれば、凹部35は、凹部35の開口方向と平行な断面視において、平面部31のベース面31aとの境界に位置する端縁から開口側の端縁にいくにしたがって深さが増大するように形成されている。このような構成とすることにより、作業者が指を凹部35に挿入したときに指を開口側(収容部34側)に押し出しやすくなり、作業者はコネクタ20を収容部34から取り外す動作をより容易に行うことができる。さらに凹部35はその壁面が曲面形状を有していることにより、作業者は上記取り外し動作をより円滑に行うことができる。
また上記実施の形態に係るバッテリパック1によれば、収容部34は、コネクタ20を収容する第1収容部341と、ケーブル10を収容するものであって第1収容部341に隣接して設けられるとともに第1収容部341よりもベース面31aからの深さが小さい第2収容部342とを有し、第1収容部341は、ベース面31aから最もケース30の内側に窪んでおり、平坦状に形成された収容本体341aと収容部の壁面(立設壁341b)と対向し、第2収容部342と隣接する位置まで傾斜状に形成されているテーパ壁341cを有している。このような構成とすることにより、コネクタ20をテーパ壁341c側に移動させてコネクタ20を収容部34から取り外す際に、コネクタ20がテーパ壁341cに沿って上方へ移動するので、作業者はコネクタ20の取り外し動作をより円滑に行うことができる。
また上記実施の形態に係るバッテリパック1によれば、第2収容部342は、ベース面31aからケース30の内側に窪んで形成された収容本体342aを有しており、第2収容部342の収容本体342aは、テーパ壁341cと連続して形成されるとともに、その一部に凸状の山部342a’が形成されてなる底面を有している。このような構成とすることにより、コネクタ20をテーパ壁341c側に移動させてコネクタ20を収容部34から取り外す際に、ケーブル10の当該湾曲部分が自然に上方へ突出するので、作業者はコネクタ20の取り外し動作をより円滑に行うことができる。さらに、山部342a’がテーパ壁341cと隣接する位置における第2収容部342の収容本体342aの底面に形成されていることにより、ケーブル10の上記湾曲部分が上方により突出しやすくなるので、作業者はコネクタ20の取り外し動作をさらに円滑に行うことができる。
また上記実施の形態に係るバッテリパック1によれば、側面部(第1の側面部32)に、第1の側面部32のベース面32aよりもケース30の内側に窪んだ把持部32bが形成されているので、作業者はバッテリパック1を手持ちする際に安定した状態でバッテリパック1を把持することができる。
【0032】
上記実施の形態では、ケーブル及びコネクタを3つ有するバッテリパックの構成を例に挙げて説明したがこれに限られず、ケーブル及びコネクタを1つ有する構成やその他個数を有するバッテリパックの構成に適用されてもよい。
また上記実施の形態では、凹部が半円形状からなる構成を例に挙げて説明したが、作業者の指を挿入できる形状であれば如何なる形状のものが適用されてもよい。
また上記実施の形態では、収容部がコネクタを主として収容する第1収容部とケーブルを収容する第2収容部とを有する構成を例に挙げて説明したが、ケーブル及びコネクタを収容できるものであれば如何なる形状を有する収容部の構成に適用されてもよい。
また上記実施の形態では、第1側面部に形成される把持部が長尺状の楕円形状を有する構成を例に挙げて説明したが、これに限られず矩形状など種々の形状を有するものが適用されてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1…バッテリパック、10…ケーブル、20…コネクタ、21…本体部、22…接続端、30…ケース、31…一対の平面部、31a…ベース面、32…第1側面部、32a…ベース面、32b…把持部、33…第2側面部、34…収容部、341…第1収容部、341a…収容本体、341b…立設壁、341c…テーパ壁、341d…突起、342…第2収容部、342a…収容本体、342a’…山部、342b…連通孔、342c…覆い部、343…浅底部、35…凹部、36…固定部