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特許7412158工作機械の送り軸診断装置及び送り軸診断方法
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  • 特許-工作機械の送り軸診断装置及び送り軸診断方法 図1
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  • 特許-工作機械の送り軸診断装置及び送り軸診断方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】工作機械の送り軸診断装置及び送り軸診断方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/18 20060101AFI20240104BHJP
   F16C 31/06 20060101ALI20240104BHJP
   F16C 19/52 20060101ALI20240104BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20240104BHJP
   G01M 13/04 20190101ALI20240104BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20240104BHJP
【FI】
G05B19/18 X
F16C31/06
F16C19/52
B23Q17/00 A
G01M13/04
G01M99/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019228491
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021096707
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】北郷 匠
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-136343(JP,A)
【文献】特開2009-068950(JP,A)
【文献】特開2009-154274(JP,A)
【文献】特開平03-264242(JP,A)
【文献】特開2018-017689(JP,A)
【文献】特開2007-072879(JP,A)
【文献】特開2014-215760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/18 - 19/46
G05B 23/00 - 23/02
G05D 3/12
F16C 31/06
F16C 19/52
B23Q 1/25
B23Q 17/00
B24B 49/00
G01M 13/04
G01M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、前記転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断部を備えた送り軸診断装置であって、
前記送り軸診断部は、非加工中において前記送り軸が一定速度となった際の送り速度および負荷を複数取得し、
所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の前記送り速度と前記負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて異常を検知することを特徴とする工作機械の送り軸診断装置。
【請求項2】
転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、前記転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断部を備えた送り軸診断装置であって、
前記送り軸診断部は、非加工中の送り速度及び前記送り速度において前記送り軸にかかる負荷を取得し、
所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の前記送り速度と前記負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて算出された係数が予め設定してある閾値よりも小さい場合に、前記転がり案内機構の異常を検知することを特徴とする工作機械の送り軸診断装置。
【請求項3】
転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、前記転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断部を備えた送り軸診断装置であって、
前記送り軸診断部は、非加工中において前記送り軸が一定速度となった際の送り速度および負荷を複数取得し、
所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の前記送り速度と前記負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて算出された係数が予め設定してある閾値よりも小さい場合に、前記転がり案内機構の異常を検知することを特徴とする工作機械の送り軸診断装置。
【請求項4】
前記近似関数において、線形近似を行い、算出される前記係数が予め設定してある閾値よりも小さく且つ算出される定数項が予め設定してある閾値よりも大きい場合に、前記転がり案内機構に循環不良が発生していると判断することを特徴とする請求項2又は3に記載の工作機械の送り軸診断装置。
【請求項5】
転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、前記転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断方法であって、
非加工中において前記送り軸が一定速度となった際の送り速度および負荷を複数取得し、
所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の前記送り速度と前記負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて異常を検知することを特徴とする工作機械の送り軸診断方法。
【請求項6】
転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、前記転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断方法であって、
非加工中の送り速度及び前記送り速度において前記送り軸にかかる負荷を取得し、
所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の前記送り速度と前記負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて算出された係数が予め設定してある閾値よりも小さい場合に、前記転がり案内機構の異常を検知することを特徴とする工作機械の送り軸診断方法。
【請求項7】
転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、前記転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断方法であって、
非加工中において前記送り軸が一定速度となった際の送り速度および負荷を複数取得し、
所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の前記送り速度と前記負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて算出された係数が予め設定してある閾値よりも小さい場合に、前記転がり案内機構の異常を検知することを特徴とする工作機械の送り軸診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり案内機構に沿って移動体を駆動させる送り軸を有する工作機械の送り軸診断装置及び送り軸診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の工作機械の送り軸では、モータの回転運動をボールねじに伝えることで移動体を駆動させ、転がり案内機構に沿って移動可能とされる方式が広く採用されている。しかし、ボールねじや転がり案内機構といった駆動部品に対し、経年劣化や異物混入、潤滑不良等が発生すると、送り軸が正常に動作しない状態となり、加工物の形状不良や加工面性状不良といった加工不良が生じ、生産に悪影響を与える。そのため、工作機械の稼働における安定した生産を実現するために、機械の異常を検知し、機械の状態を管理者や作業者に知らせてワークの加工不良を未然に防ぐことが望まれ、様々な診断を行う方法が提案されている。
例えば、工作機械の送り軸異常の一つに、転がり案内機構における移動ブロックのエンドプレート破損がある。転がり案内機構では、転動体が軌道部材上を転動しつつ移動ブロック内を循環するにあたり、移動ブロックのエンドプレートにおいて、方向転換路が形成されており、転送方向が反転している。ここで、異物混入等により、循環状態が悪化する
とエンドプレートに過剰な負荷がかかり、エンドプレートが破損し、転動体が移動ブロックの外へ脱落することがある。転動体の脱落が生じると、その移動ブロックは案内の機能を果たさなくなるため、移動体の姿勢変化が生じ、位置決め性能の低下といった不具合が発生する。
【0003】
上述のような転がり案内機構における移動ブロックのエンドプレート破損を検知する装置として、特許文献1及び特許文献2では、転がり案内装置におけるエンドプレートの変形を検出するセンサを移動ブロックに設けることで、エンドプレートの破損の予知又は検知を行う方法が開示されている。
また、特許文献3では、転がり案内装置の軌道部材に装着された振動センサを用いて、データ収集時間の異なるセンサの出力信号を取り込み、各々の分析結果と閾値データを比較することにより、移動ブロックと軌道部材とのどちらの転送面に異常が発生しているかを判断する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-42785号公報
【文献】特開2012-193803号公報
【文献】特開2018-138817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した方法を工作機械において採用する場合、診断用のセンサを多数取り付ける必要がある。例えば、一般的なマシニングセンタにおいては、送り軸が3軸あり、1軸あたりに移動ブロックが4つ用いられるため、仮に、移動ブロックの両面にセンサを取り付けようとすると少なくとも24個のセンサが必要となる。つまり、上述の方法では、センサ自体の費用や情報収集装置への配線作業に起因する製造コストの増加やセンサ自体の故障に起因する故障リスクの増加が問題となる。また、ワーク加工中に生じる負荷や振動、ワークの重量変化等がセンサ出力に対する外乱となるため、通常稼働とは別に、診断用の特別な動作が必要という課題もあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、通常の工作機械の送り軸で使用される制御信号を基に、ワークの重量変化の影響を考慮した転がり案内機構の異常検知が可能な工作機械の送り軸診断装置及び送り軸診断方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断部を備えた送り軸診断装置であって、送り軸診断部は、非加工中において送り軸が一定速度となった際の送り速度および負荷を複数取得し、所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の送り速度と負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて異常を検知することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断部を備えた送り軸診断装置であって、送り軸診断部は、非加工中の送り速度及び送り速度において送り軸にかかる負荷を取得し、所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の送り速度と負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて算出された係数が予め設定してある閾値よりも小さい場合に、転がり案内機構の異常を検知することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断部を備えた送り軸診断装置であって、送り軸診断部は、非加工中において送り軸が一定速度となった際の送り速度および負荷を複数取得し、所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の送り速度と負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて算出された係数が予め設定してある閾値よりも小さい場合に、転がり案内機構の異常を検知することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、上記構成において、近似関数において、線形近似を行い、算出される係数が予め設定してある閾値よりも小さく且つ算出される定数項が予め設定してある閾値よりも大きい場合に、転がり案内機構に循環不良が発生していると判断することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断方法であって、非加工中において送り軸が一定速度となった際の送り速度および負荷を複数取得し、所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の送り速度と負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて異常を検知することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断方法であって、非加工中の送り速度及び送り速度において送り軸にかかる負荷を取得し、所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の送り速度と負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて算出された係数が予め設定してある閾値よりも小さい場合に、転がり案内機構の異常を検知することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、転がり案内機構の案内面に沿って、移動体をボールねじにより駆動させる送り軸を備える工作機械において、転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断方法であって、非加工中において送り軸が一定速度となった際の送り速度および負荷を複数取得し、所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の送り速度と負荷との関係から、横軸を送り速度として算出される線形の近似関数に基づいて算出された係数が予め設定してある閾値よりも小さい場合に、転がり案内機構の異常を検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1,2,3及び5,6,7に記載の発明によれば、診断用のセンサを追加することなく、通常の工作機械において送り軸に対して使用される制御信号を基に、より高い精度で転がり案内機構の異常検知を行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、上記効果に加えて、ワークの重量変化の影響を考慮した上で、転がり案内機構の異常検知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の送り軸の診断装置を示す説明図である。
図2】本発明の送り軸診断の手順を示すフローチャートである。
図3】抽出された送り速度と送り軸負荷の関係の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の送り軸の診断装置を示す説明図である。
この工作機械には、移動体10が、サーボモータ7の駆動によって回転するボールねじ8によってスライド可能に設けられている。移動体10は、転がり案内機構の案内面に沿って直線運動可能となっている。
図示しないワークの加工は、サーボモータ7がボールねじ8を介して移動体10を駆動させることで、移動体10上に載置されたワークを所定の位置まで移動させることで行われる。
【0011】
送り軸診断装置は、サーボモータ7に設けられ、その回転位置を検出することで移動体10の位置を検出する位置検出器6と、移動体10の位置指令値を出力するNC装置12と、NC装置12から出力された位置指令値から位置検出器6で得られた移動体10の位置を減算して位置偏差を算出する減算器1と、算出された位置偏差に基づいて速度指令値を出力する位置制御部2と、出力された速度指令値と位置検出器6から得られる回転信号とを微分することでサーボモータ7の回転速度を得るための微分器5と、得られたサーボモータ7の回転速度に基づいてモータトルク指令値を出力する速度制御部3と、モータトルク指令値を増幅してサーボモータ7へ出力する電流制御部4とを備える。さらに、NC装置12からの位置指令値と、速度制御部3から出力されるモータトルク指令値とを基に、転がり案内機構の異常検知を行う送り軸診断部11を備えている。
なお、各指令値等の情報は、NC装置12で記録及び表示することが可能である。
【0012】
次に、本発明における診断の手順を説明する。
図2は、本発明における送り軸診断の手順を示すフローチャートである。
まず、非加工動作中か否かの判定を実施する(S1)。ここでは、位置決め動作指令中及び切削送り指令中において、図1において図示されていない主軸にかかる負荷の変化が、主軸が一定回転速度となった直後の負荷から一定値以下となった場合に、非加工動作中と判定する。
非加工動作中と判断された場合は、移動体10の送り速度が一定速度になっているかの判
定を実施する(S2)。
移動体10の送り速度が一定速度となっている場合、ある1つの動作における送り速度及び送り軸負荷を取得する(S3)。この時、送り速度は、指令速度を取得する。また、送り軸負荷は、送り速度の一定速度判定の解除、又は、非加工動作中の判定の解除までに検知される負荷情報の平均値を取得する。
【0013】
設定された所定時間が経過するまでS1~S3までの処理を繰り返し実施し、複数の送り速度と対応する送り軸負荷の取得を行う(S4)。所定時間は、例えば、1日や1プログラムの動作等、任意の期間で設定する。
所定時間経過後、取得した複数の送り速度と送り軸負荷との関係を算出する(S5)。ここでは、線形近似により送り速度と送り軸負荷の関係を算出する。送り速度と送り軸負荷の関係の例を図3に示す。
S5において線形近似された近似式の係数及び定数項に基づいて、転がり案内機構の異常の有無を診断する(S6)。転がり案内機構に循環不良が発生すると、正常時に対し、近似式の係数は小さくなり、定数項は大きくなる。正常時における送り速度と送り軸負荷の関係から算出される近似式を基に、予め係数閾値及び定数項閾値を設定し、近似式の係数が係数閾値よりも小さく、且つ定数項が定数項閾値よりも大きくなった場合、転がり案内機構に循環不良が発生したと判断される。一方、転がり案内機構が正常に機能する場合、ワークによりボールねじ8にかかる移動体10の重量が変化すると、近似式の勾配すなわち係数に変化は生じず、定数項のみが変化する。従って、ワークの重量変化を考慮した上で、転がり案内機構の異常検知を行うことができる。
【0014】
上記形態の送り軸診断装置は、転がり案内機構の案内面に沿って、移動体10をボールねじ8により駆動させながらワークの加工を行う工作機械において、転がり案内機構の異常を検知する送り軸診断部11を備え、送り軸診断部11は、非加工中の送り速度及び送り速度においてボールねじ8にかかる負荷を取得し、所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の送り速度と負荷との関係から算出される近似関数に基づいて異常を検知する。
このようにして構成される送り軸診断装置によれば、診断用のセンサを追加することなく、通常の工作機械においてボールねじ8に対して使用される制御信号を基に、転がり案内機構の異常検知を行うことができる。
【0015】
また、送り軸診断部11は、非加工中においてボールねじ8が一定速度となった際の送り速度及び負荷を複数取得し、所定期間内に異なる複数の送り速度条件下で取得された複数の送り速度と負荷との関係から算出される近似関数に基づいて異常を検知する。
よって、より高い精度で転がり案内機構の異常検知を行う事ができる。
【0016】
また、近似関数において、線形近似を行い、算出される係数が予め設定してある閾値よりも小さく且つ算出される定数項が予め設定してある閾値よりも大きい場合に、転がり案内機構に循環不良が発生していると判断する。
よって、ワークの重量変化の影響を考慮した上で、転がり案内機構の異常検知を行うことができる。
【0017】
以上は、本発明を図示例に基づいて説明したものであり、その技術範囲はこれに限定されるものではない。
例えば、転がり案内機構の異常判断は、近似式の係数のみを用いて、算出された係数が予め設定してある閾値よりも小さい場合に転がり案内機構に循環不良が発生していると判断するものでも良い。
また、送り軸診断装置は、工作機械の外部に設けても良い。
【符号の説明】
【0018】
1・・減算器、2・・位置制御部、3・・速度制御部、4・・電流制御部、5・・微分器、6・・位置検出器、7・・サーボモータ、8・・ボールねじ、9・・転がり案内機構、10・・移動体、11・・送り軸診断部、12・・NC装置。
図1
図2
図3