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  • 特許-油圧ポンプシステム、及び制御装置 図1
  • 特許-油圧ポンプシステム、及び制御装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】油圧ポンプシステム、及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/02 20060101AFI20240104BHJP
   F15B 11/00 20060101ALI20240104BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
F15B11/02 C
F15B11/00 H
E02F9/22 R
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020002529
(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公開番号】P2021110391
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二
(72)【発明者】
【氏名】近藤 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】村岡 英泰
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-052703(JP,A)
【文献】実開平05-057052(JP,U)
【文献】特開2010-071425(JP,A)
【文献】特開平05-106563(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0009784(US,A1)
【文献】特開2006-292100(JP,A)
【文献】特開2018-146074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/22
F15B 11/00-11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出流量を変更可能な油圧ポンプと、
前記油圧ポンプの吐出流量を調整するレギュレータ装置と、
操作具を有する操作装置と、
前記操作具のロック状態を切換えるロック切換入力部と、
その開口面積を変えることによって前記油圧ポンプの吐出圧を調整するアンロード弁と、
前記アンロード弁の動きを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、所定の作動条件を充足すると、前記アンロード弁の開口面積を減少させて前記油圧ポンプの吐出圧を昇圧させ、
前記レギュレータ装置は、前記制御装置が前記油圧ポンプの吐出圧を昇圧させた後、前記油圧ポンプの吐出圧の昇圧に応じて前記油圧ポンプの吐出流量を増加させ、
前記作動条件は、前記ロック切換入力部によって前記操作具のロック状態が解除されていることを含む、油圧ポンプシステム。
【請求項2】
前記作動条件は、前記操作具の操作量が所定量以上であることを更に含む、請求項1に記載の油圧ポンプシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記作動条件を充足している状態で前記操作具が操作されると、前記アンロード弁の開口面積を前記操作具の操作量に応じて減少させる、請求項1又は2に記載の油圧ポンプシステム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記作動条件を充足しない場合、前記アンロード弁の開口面積を最大にする、請求項1乃至3の何れか1つに記載の油圧ポンプシステム。
【請求項5】
吐出流量を変更可能な可変容量型の油圧ポンプの吐出圧の昇圧に応じて吐出流量を増加させるレギュレータ装置、及びその開口面積を変えることによって前記油圧ポンプの吐出圧を調整するアンロード弁の動きを制御し、
ロック切換入力部に対する操作に応じて操作具のロック状態を切換え、
所定の作動条件を充足すると、前記アンロード弁の開口面積を減少させて前記油圧ポンプの吐出圧を昇圧させた後、前記レギュレータに前記油圧ポンプの吐出圧の昇圧に応じて前記油圧ポンプの吐出流量を増加させ
前記作動条件は、前記ロック切換入力部によって前記操作具のロック状態が解除されていることを含む、制御装置。
【請求項6】
前記作動条件は、前記操作具の操作量が所定量以上であることを更に含む、請求項5に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ポンプの吐出流量を調整可能な油圧ポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械等では、油圧アクチュエータの駆動状態等に応じて油圧ポンプの吐出流量を変えることができる油圧ポンプシステムが備わっている。油圧ポンプシステムの一例としては、例えば特許文献1のようなものが知られている。特許文献1の油圧ポンプシステムでは、可変容量型の油圧ポンプを備えており、油圧アクチュエータの駆動状態等に応じて斜板の傾転角が変わる、即ち油圧ポンプの吐出流量が変わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-179199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される油圧ポンプシステムでは、油圧ポンプから吐出される作動油の圧力、即ち吐出圧を利用して傾転角を変えている。そのため、油圧ポンプの吐出圧が低い状態において傾転角を変えるべく十分な揺動力が得られない。それ故、吐出圧が上昇するまで待つ必要があり、操作具の操作に対する吐出流量の追従性が低い。
【0005】
そこで本発明は、操作具の操作に対する吐出流量の追従性を更に向上させることができる油圧ポンプシステム、及び制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の油圧ポンプシステムは、吐出流量を変更可能な油圧ポンプと、前記油圧ポンプの吐出流量を調整するレギュレータ装置と、操作具を有する操作装置と、前記操作具のロック状態を切換えるロック切換入力部と、その開口面積を変えることによって前記油圧ポンプの吐出圧を調整するアンロード弁と、前記アンロード弁の動きを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所定の作動条件を充足すると、前記アンロード弁の開口面積を減少させて前記油圧ポンプの吐出圧を昇圧させ、前記レギュレータ装置は、前記制御装置が前記油圧ポンプの吐出圧を昇圧させた後、前記油圧ポンプの吐出流量を増加させ、前記作動条件は、前記ロック切換入力部によって前記操作具のロック状態が解除されていることを含むものである。
【0007】
本発明に従えば、操作具のロックが解除されると、吐出圧が上昇するので、操作具が操作される際に傾斜角を変えるべく十分な揺動力を得ることができる。それ故、操作量に対する吐出流量の追従性を向上させることができる。
【0008】
第2の発明の制御装置は、吐出流量を変更可能な可変容量型の油圧ポンプの吐出圧の昇圧に応じて吐出流量を増加させるレギュレータ装置、及びその開口面積を変えることによって前記油圧ポンプの吐出圧を調整するアンロード弁の動きを制御し、ロック切換入力部に対する操作に応じて操作具のロック状態を切換え、所定の作動条件を充足すると、前記アンロード弁の開口面積を減少させて前記油圧ポンプの吐出圧を高め、前記作動条件は、前記ロック切換入力部によって前記操作具のロック状態が解除されていることを含むものである。
【0009】
第2の発明に従えば、操作具のロックが解除されると、吐出圧が上昇するので、操作具が操作される際に傾斜角を変えるべく十分な揺動力を得ることができる。それ故、操作量に対する吐出流量の追従性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
第1及び第2の発明によれば、操作具の操作に対する吐出流量の追従性を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1及び第2実施形態の油圧ポンプシステムを示す油圧回路である。
図2】第1実施形態の油圧ポンプシステムにおける各種状態値の経時変化を示すグラフである。
図3】第2実施形態の油圧ポンプシステムにおける各種状態値の経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る第1及び第2実施形態の油圧ポンプシステム1,1Aについて図面を参照して説明する。なお、以下に説明する油圧ポンプシステム1,1Aは、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0013】
[第1実施形態]
油圧ショベル等の建設機械では、油圧シリンダ及び油圧モータ等の油圧アクチュエータ(図示せず)を駆動すべく、図1に示すような油圧駆動システム2が備わっている。油圧駆動システム2は、油圧ポンプシステム1と、方向制御弁3とを備えている。油圧ポンプシステム1は、油圧ポンプ11と、レギュレータ装置13と、アンロード弁14と、制御装置15、操作装置16と、ロック切換入力部17と、を備えている。油圧ポンプ11は、エンジンEに回転駆動され、作動液を吐出する。油圧ポンプ11は、方向制御弁3を介して油圧アクチュエータに繋がっており、方向制御弁3は、油圧アクチュエータに流れる作動液の方向及び流量を切換える。即ち、方向制御弁3は、スプール3aを有しており、スプール3aは、中立位置において油圧ポンプ11と油圧アクチュエータとの間を遮断する。また、スプール3aは、中立位置から移動させることによって作動油の方向及び流量を変更し、スプール3aを動かすことによって油圧アクチュエータを所望の速度にて動かすことができる。
【0014】
更に、油圧ポンプ11は、吐出容量を変更することができ、本実施形態において可変容量型の斜板ポンプである。即ち、油圧ポンプ11は、斜板11aを有し、その傾転角を変更することで吐出容量を変更できる。また、斜板11aには、レギュレータ装置13が設けられている。なお、油圧ポンプ11は、斜板ポンプに限定されず、斜軸ポンプであってもよい。レギュレータ装置13は、斜板11aの傾転角を変更して吐出容量を調整するものであり、サーボピストン21と、調整弁22と、流量制御比例弁23とを有している。
【0015】
サーボピストン21は、斜板11aに連結されており、その軸線方向に移動することで斜板11aの傾転角を変更する。更に詳細に説明すると、サーボピストン21は、2つの受圧部を有する。小径に形成される第1受圧部は、第1受圧室13aに導かれる吐出圧を受圧し、大径に形成される第2受圧部は第2受圧室13bに導かれる制御圧を受圧する。第1受圧室13aに働く圧力によって斜板11aは傾転が大きくなる側に、第2受圧室13bに働く圧力によって斜板11aが小さくなる側に揺動する。そして、サーボピストン21は、各受圧部に作用する力が釣り合う位置に移動する。このようにして、制御圧を変えることによってサーボピストン21の位置を調整し、吐出流量を増減させることができる。そして、第2受圧室13bには、制御圧を調整すべく調整弁22が接続されている。
【0016】
調整弁22は、スプール22a、スリーブ22b、流量制御ピストン22cを有し、スプール22aを動かして制御圧を調整する。更に詳細に説明すると、調整弁22には、流量制御比例弁23が設けられている。流量制御比例弁23は、油圧ポンプ11の吐出圧を一次圧とし、そこに入力される指令信号に応じた二次圧である作動圧を出力する。作動圧は、流量制御ピストン22cを介してスプール22aに作用しており、スプール22aは、作動圧に応じて流量増加方向(図1の左方向、図1のスプール22aの位置としては右位置)及び流量低下方向(図1の右方向、図1のスプール22aの位置としては左位置)に移動する。そして、スプール22aが流量増加方向に移動すると、第2受圧室13bがタンク18に接続され制御圧が低下する。これにより、サーボピストン21が第2受圧室13b側に移動し、斜板11aの傾転が増加する、即ち吐出量が増加する。他方、スプール22aが流量低下方向に移動すると、第2受圧室13bが油圧ポンプ11の吐出ポート11bに接続されて制御圧が上昇する。これにより、サーボピストン21が第1受圧室13a側に移動し、斜板11aの傾転が減少する、即ち吐出量が減少する。
【0017】
また、スプール22aには、サーボピストン21に連動するスリーブ22bが外装されている。スリーブ22bは、第2受圧室13bの油圧による推力と第1受圧室13aの油圧による推力とが釣り合う位置(スプール22aに対応する相対位置)に移動する。詳細に説明すると、前述の制御圧は、油圧ポンプ11の吐出ポート11bからタンク18に繋がる通路における2つの直列絞り(図示せず)の中間部分の圧力である。このようにして、サーボピストン21がスプール22aに対応する位置にて停止する。このように調整弁22は、流量制御比例弁23に入力される指令信号に応じた位置へとスプール22aを動かし、油圧ポンプ11の吐出流量を指令信号に応じた流量へと変更することができる。
【0018】
このように構成される油圧ポンプシステム1は、前述の通り、アンロード弁14を備えている。アンロード弁14は、方向制御弁3と並列するように油圧ポンプ11の吐出ポート11bに接続され、且つタンク18に接続されている。アンロード弁14は、流量の作動油をタンク18に排出して油圧ポンプ11をアンロードするものであり、更に以下のような機能を有する。即ち、アンロード弁14には、本実施形態において電磁比例弁19が設けられている。電磁比例弁19は、そこに入力される指令信号に応じてパイロット圧を出力し、アンロード弁14は、パイロット圧に応じて開口面積を変える。これにより、アンロード弁14の開口面積に応じた流量の作動油がタンク18に排出され、油圧ポンプ11の吐出圧が調整される。このような機能を有するアンロード弁14は、制御装置15に電気的に接続されている。
【0019】
制御装置15は、アンロード弁14の電磁比例弁19の他に、方向制御弁3、及び流量制御比例弁23に電気的に接続されており、これらの弁3,19,23に指令信号を出力してそれらの動きを制御する。また、制御装置15には、操作装置16及びロック切換入力部17が電気的に接続されている。操作装置16は、油圧アクチュエータを操作するためのものであり、本実施形態では電気ジョイスティックである。なお、操作装置16は、電気ジョイスティックに限定されずパイロット操作弁であって、この出力圧を取得可能な圧力センサと組み合わせて用いられてもよい。
【0020】
操作装置16は、操作具である操作レバー16aを有し、制御装置15は、操作レバー16aの操作量に応じて方向制御弁3のスプール3aを中立位置から移動させる。これにより、操作レバー16aの操作量に応じて油圧アクチュエータが作動する。また、制御装置15は、操作レバー16aの操作量に応じた圧力のパイロット圧を電磁比例弁19から出力させてアンロード弁14を閉じる、又は開口面積を低減させる。これにより、油圧ポンプ11の吐出圧が昇圧されて第1受圧室13aが昇圧されるので、油圧ポンプ11の吐出流量が増加する。
【0021】
また、ロック切換入力部17は、操作装置16の機能をロック状態の有無を選択するためのものであり、本実施形態においてレバー等である。なお、ロック切換入力部17は、レバーに限定されず、切替スイッチ等であってもよい。制御装置15は、ロック切換入力部17が操作されると、ロック状態のON及びOFFを切換える。制御装置15は、ロック状態がONである場合、操作レバー16aの操作を無効にし、操作レバー16aの操作量に関わらず方向制御弁3のスプール3aを中立位置にて維持する。他方、ロック状態がOFFである場合、制御装置15は、操作レバー16aの操作を有効にし、操作レバー16aの操作量に応じて方向制御弁3のスプール3aを動かす。
【0022】
このように構成されている油圧ポンプシステム1では、操作レバー16aが中立位置に位置する中立状態において、制御装置15が流量制御比例弁23の出力を止めて第2受圧室13bに吐出圧を導くようにする。これにより、サーボピストン21が第1受圧室13a側に移動し、油圧ポンプ11の吐出流量を最小流量にする。更に中立状態で且つロック状態がONである場合(即ち、後述する作動条件を充足していない場合)、制御装置15は、アンロード弁14の開口面積を所定の第1開口面積(例えば、最大開口面積の80%以上の開口面積)、本実施形態では最大開口面積にし、油圧ポンプ11をアンロード状態にしている。これにより、制御装置15は油圧ポンプシステム1における動力損失を低減している。そして、ロック状態がONからOFFに切替えられ且つ操作レバー16aが図2のように操作されると、制御装置15は以下のような処理を実行する。なお、図2に示す各グラフの縦軸は、上から順にロック状態、操作レバー16aの操作量、アンロード弁14の開口面積、油圧ポンプ11の吐出圧、及び油圧ポンプ11の吐出流量を示し、横軸は経過時間を示す。後述する図3の各グラフもの同様である。
【0023】
即ち、制御装置15は、所定の作動条件を充足する、即ちロック状態がOFFに切替えられる(即ち、ロック状態が解除される)と、アンロード弁14をスタンバイ状態にする。ここで、スタンバイ状態とは、電磁比例弁19を作動させてアンロード弁14の開口面積が所定の第2開口面積(図2の時刻t11参照)まで閉じられている状態である。なお、第2開口面積は、油圧ポンプ11の吐出圧が例えば0.6MPa以上5.0MPa以下となるような面積であり、具体的には最大開口面積の1%以上30%未満であり、本実施形態では最大開口面積の5%である。スタンバイ状態にすることによって、油圧ポンプ11の吐出圧を昇圧させることができ、昇圧された作動液を第1受圧室13aに導くことができる。これにより、操作レバー16aが操作された際に油圧ポンプ11の斜板11aの傾転角を変えるべく十分な揺動力を得ることができ、操作量に対する油圧ポンプ11の吐出流量の追従性を向上させることができる。
【0024】
また、作動条件を充足している状態で操作レバー16aが操作されると、制御装置15は、操作レバー16aの操作量が第1所定量を超えた時(図2の時刻t12参照)に電磁比例弁19の出力を操作量に応じて大きくしてアンロード弁14の開口面積を更に低減させる。それ故、操作量に応じた吐出流量が油圧ポンプ11から吐出される。そして、操作量が第2所定量(図2の時刻t13参照)を超えて第3操作量(図2の時刻t14参照)に達したところで、制御装置15はアンロード弁14を完全に閉じる。なお、第2所定量は、方向制御弁3が開いて油圧アクチュエータに作動油が供給され始める操作量である。
【0025】
このように操作量が第2所定量より小さい第1所定量にてアンロード弁14を閉じ始めることによって、吐出流量を素早く増加させることができる。
【0026】
[第2実施形態]
第2実施形態の油圧ポンプシステム1Aは、第1実施形態の油圧ポンプシステム1と構成が同一であり、その制御装置15Aが実行する処理が異なる。従って、第2実施形態の油圧ポンプシステム1Aについては、主に制御装置15Aが実行する処理について説明し、構成については第1実施形態の油圧ポンプシステム1の構成と同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】
油圧ポンプシステム1Aでは、作動条件に操作レバー16aが操作されて操作量が第1所定量以上であることが含まれ、図3に示すようにロック状態がOFFに切替えられた後(図3の時刻t21参照)も、制御装置15Aがアンロード弁14の開口面積を最大開口面積に維持する。これにより、油圧ポンプシステム1Aにおける動力損失を抑えることができる。その後、操作レバー16aが操作されて操作量が第1所定量になった際、制御装置15Aは、アンロード弁14をスタンバイ状態にする(図3の時刻t22参照)。その後、更に操作量が増加すると、操作量に応じてアンロード弁14を更に閉じていき(図3の時刻t23参照)、操作量が第2所定量を超えて(図3の時刻t23参照)第3操作量(図3の時刻t24参照)に達したところで、制御装置15Aがアンロード弁14を完全に閉じる。
【0028】
このように構成されている油圧ポンプシステム1Aは、前述するような操作レバー16aの操作前における動力損失の低減の他、第1実施形態の油圧ポンプシステム1と同様の作用効果を奏する。
【0029】
[その他の実施形態]
本実施形態の油圧ポンプシステム1,1Aでは、アンロード弁14が方向制御弁3に並列するように油圧ポンプ11に接続されているが、必ずしもこのように接続されている必要はない。例えば、方向制御弁3がセンターバイパス通路を有する場合、そのセンターバイパス通路において方向制御弁3の下流側にアンロード弁14が介在するようにしてもよく、方向制御弁3と別体であって油圧ポンプ11の吐出圧を昇圧することができる弁(すなわち通路面積を低減できる弁)があれば同様の作用効果を奏する。また、レギュレータ装置13の構成も、前述するような構成に限定されず、油圧ポンプ11の吐出圧を利用して吐出流量を調節できる構成であればよい。
【0030】
また、本実施形態の油圧ポンプシステム1,1Aでは、アンロード弁14の第2開口面積が一定値になっているが、油圧ポンプ11の回転数に応じて第2開口面積を変えてもよい。即ち、制御装置15が油圧ポンプ11の回転数を取得し、それに応じて第2開口面積を変えてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1,1A 油圧ポンプシステム
11 油圧ポンプ
13 レギュレータ装置
14 アンロード弁
15,15A 制御装置
16 操作装置
16a 操作レバー(操作具)
17 ロック切換入力部
図1
図2
図3