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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】ワイパーブレード及びブロワ装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/02 20060101AFI20240104BHJP
   A47L 1/02 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
B08B5/02 A
A47L1/02
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020011806
(22)【出願日】2020-01-28
(65)【公開番号】P2021115545
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田原 隆如
(72)【発明者】
【氏名】西口 紘登
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-217044(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0103813(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102008004966(DE,A1)
【文献】特開2017-132401(JP,A)
【文献】特開2011-224224(JP,A)
【文献】実開平06-042479(JP,U)
【文献】特開2018-202349(JP,A)
【文献】特開2000-300484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 5/00- 5/04
A47L 1/00- 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンを有する本体部と、前記本体部の気体流出口から供給された気体が流通するノズル部と、を備えるブロワ装置に取り付けられるワイパーブレードであって、
前記ノズル部に着脱可能に装着され、前記ノズル部から供給された気体が流通する前後方向に長い流路と、左右方向において前記流路の両側に設けられる溝部とを有する保持部材と、
前記保持部材に保持され、前記保持部材から供給された気体が流通する内部空間と、左右方向において前記内部空間の両側に設けられ、前記溝部に配置される本体部と、前記内部空間を流通した気体を吹き出す気体吹出口と、を有し、物体の表面を払拭する払拭部材と、を備えることを特徴とする、
ワイパーブレード。
【請求項2】
前記気体吹出口は、前記払拭部材の長手方向に複数設けられることを特徴とする、
請求項1に記載のワイパーブレード。
【請求項3】
複数の前記気体吹出口の形状及び寸法は、等しいことを特徴とする、
請求項2に記載のワイパーブレード。
【請求項4】
複数の前記気体吹出口は、前記長手方向に等間隔に設けられることを特徴とする、
請求項3に記載のワイパーブレード。
【請求項5】
前記長手方向において、前記気体吹出口の寸法は、隣り合う前記気体吹出口の間の寸法よりも大きいことを特徴とする、
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のワイパーブレード。
【請求項6】
前記払拭部材は、複数の前記気体吹出口を区画する複数のリブを有することを特徴とする、
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のワイパーブレード。
【請求項7】
前記リブは、前記内部空間に配置され、前記払拭部材の内面に接続されることを特徴とする、
請求項6に記載のワイパーブレード。
【請求項8】
前記リブは、前記長手方向に複数設けられ、
前記リブにより、気体が流通する流路が前記内部空間に設けられ、
前記気体吹出口は、前記流路に接続されることを特徴とする、
請求項7に記載のワイパーブレード。
【請求項9】
前記払拭部材は、
前記保持部材に保持される本体部と、
前記物体の表面を払拭する払拭部と、
前記本体部と前記払拭部とを連結する連結部と、を有し、
前記気体吹出口は、前記連結部に設けられることを特徴とする、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のワイパーブレード。
【請求項10】
前記払拭部が前記物体の表面に接触した状態で、前記気体吹出口は、前記物体の表面から離れた位置から前記物体の表面に気体を吹き出すことを特徴とする、
請求項9に記載のワイパーブレード。
【請求項11】
前記払拭部材は、前記払拭部が前記物体の表面に接触した状態で前記払拭部材の短手方向の一方側に移動され、
前記連結部は、前記払拭部よりも前記短手方向の一方側に配置された第1表面を有し、
前記気体吹出口は、前記第1表面に設けられることを特徴とする、
請求項9又は請求項10に記載のワイパーブレード。
【請求項12】
前記第1表面は、前記払拭部から前記本体部に向かって前記短手方向の一方側に傾斜することを特徴とする、
請求項11に記載のワイパーブレード。
【請求項13】
前記連結部は、前記払拭部よりも前記短手方向の他方側に配置された第2表面を有し、
前記気体吹出口は、前記第2表面に設けられることを特徴とする、
請求項11又は請求項12に記載のワイパーブレード。
【請求項14】
前記第2表面は、前記払拭部から前記本体部に向かって前記短手方向の他方側に傾斜することを特徴とする、
請求項13に記載のワイパーブレード。
【請求項15】
ファンと、
気体流入口及び気体流出口を有し前記ファンを収容するファンハウジングと、
前記ファンハウジングに接続され前記気体流出口から流出した気体が流通するダクト部と、を備えるブロワ装置であって、
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のワイパーブレードと、
前記ダクト部及び前記ワイパーブレードのそれぞれと接続され前記ワイパーブレードに供給される気体が流通するノズル部と、を備え、
前記気体吹出口は、前記気体流出口から供給された気体を吹き出すことを特徴とする、
ブロワ装置。
【請求項16】
前記ダクト部の少なくとも一部は、可撓性であることを特徴とする、
請求項15に記載のブロワ装置。
【請求項17】
前記ノズル部は、
前記ワイパーブレードが装着される装着部材と、
前記装着部材を回動可能に支持する回動機構を有することを特徴とする、
請求項15又は請求項16に記載のブロワ装置。
【請求項18】
前記回動機構は、前記装着部材の回動を規制する回動規制機構を有することを特徴とする、
請求項17に記載のブロワ装置。
【請求項19】
前記ノズル部は、前記ワイパーブレードを着脱可能な着脱機構を有することを特徴とする、
請求項15から請求項18のいずれか一項に記載のブロワ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイパーブレード及びブロワ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の表面に存在する液体を除去する方法として、ワイパーブレードで物体の表面を払拭する方法が知られている。また、特許文献1に開示されているように、液体を吸引する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102008004966号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物体の表面に存在する液体を除去する場合、液体を均等に効率良く除去できる技術が要望される。
【0005】
本開示は、物体の表面の液体を均等に効率良く除去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、ブロワ装置に取り付けられるワイパーブレードであって、前記ブロワ装置から供給された気体を吹き出す気体吹出口を有し物体の表面を払拭する払拭部材を備えることを特徴とする、ワイパーブレードが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、物体の表面の液体を均等に効率良く除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るブロワ装置を示す後方からの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るブロワ装置を示す前方からの斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るブロワ装置の内部構造の一部を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態に係るノズル部及びワイパーブレードを示す側面図である。
図5図5は、実施形態に係るノズル部及びワイパーブレードを示す断面図である。
図6図6は、実施形態に係るノズル部及びワイパーブレードを示す後方からの分解斜視図である。
図7図7は、実施形態に係るノズル部及びワイパーブレードを示す前方からの分解斜視図である。
図8図8は、実施形態に係るワイパーブレードを示す上方からの平面図である。
図9図9は、実施形態に係るワイパーブレードを示す前方からの正面図である。
図10図10は、実施形態に係る払拭部材を示す左方からの側面図である。
図11図11は、実施形態に係る払拭部材を示す上方からの平面図である。
図12図12は、実施形態に係る払拭部材を示す下方からの平面図である。
図13図13は、実施形態に係る払拭部材を示す前方からの正面図である。
図14図14は、実施形態に係る払拭部材を示す断面図である。
図15図15は、実施形態に係るブロワ装置の動作を説明するための図である。
図16図16は、他の実施形態に係る気体吹出口を説明するための図である。
図17図17は、他の実施形態に係る気体吹出口を説明するための図である。
図18図18は、他の実施形態に係る気体吹出口を説明するための図である。
図19図19は、他の実施形態に係るアタッチメントを示す側面図である。
図20図20は、他の実施形態に係るアタッチメントを示す下方からの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、ブロワ装置1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0011】
[ブロワ装置]
図1は、実施形態に係るブロワ装置1を示す後方からの斜視図である。図2は、実施形態に係るブロワ装置1を示す前方からの斜視図である。図3は、実施形態に係るブロワ装置1の内部構造の一部を示す斜視図である。
【0012】
ブロワ装置1は、物体の表面に気体を噴射して物体の表面に存在する異物を除去する。気体は空気である。なお、気体は空気でなくてもよい。物体の表面に存在する異物として、液体が例示される。物体の表面に存在する液体として、物体を水洗した後に物体の表面に残留する水滴又は水膜が例示される。水洗される物体として、ガラス窓又はタイル壁が例示される。
【0013】
図1図2、及び図3に示すように、ブロワ装置1は、本体部2と、グリップ部3と、バッテリ装着部4と、トリガスイッチ5と、ダクト部6と、ノズル部7と、ワイパーブレード8とを備える。
【0014】
本体部2は、ファン9と、ファン9を回転させるモータ10と、ファン9を収容するファンハウジング11と、モータ10を収容するモータハウジング12とを有する。
【0015】
ファン9は、回転軸AXを中心に回転する。回転軸AXは、左右方向に延伸する。ファン9が回転することにより、気流が生成される。
【0016】
モータ10は、ブロワ装置1の動力源である。モータ10は、ファン9を回転させる動力を発生する。モータ10は、ファン9の右側に配置される。モータ10は、インナロータ型のブラシレスモータである。モータ10は、円筒状のステータと、ステータの内側に配置されるロータとを有する。ロータは、ファン9に連結されるロータシャフトを有する。ロータが回転することにより、ファン9が回転する。
【0017】
ファンハウジング11は、ファン9を収容する。ファンハウジング11は、気体流入口13と気体流出口14とを有する。気体流入口13は、ファンハウジング11の左部に設けられる。気体流出口14は、ファンハウジング11の前部に設けられる。ファン9の回転により、ファンハウジング11の周囲の気体の少なくとも一部が、気体流入口13を介してファンハウジング11の内部空間に流入する。ファンハウジング11の内部空間に流入した気体は、ファン9の回転により、気体流出口14から流出する。
【0018】
モータハウジング12は、モータ10を収容する。モータハウジング12は、ファンハウジング11の右部に連結される。
【0019】
グリップ部3は、ブロワ装置1の使用者に握られる。ブロワ装置1は、携帯型ブロワ装置である。使用者は、グリップ部3を握った状態で、ブロワ装置1を用いる作業を実施することができる。グリップ部3は、モータハウジング12に連結される。グリップ部3は、環状である。
【0020】
バッテリ装着部4は、グリップ部3の下部に配置される。バッテリ装着部4に、バッテリ15が装着される。
【0021】
バッテリ15は、バッテリ装着部4に装着された状態で、ブロワ装置1に搭載されている電気機器又は電子機器に電力を供給する。バッテリ15は、少なくともモータ10に電力を供給する。バッテリ15は、種々の電気機器又は電子機器の電源として使用可能な汎用バッテリである。バッテリ15は、電動工具の電源として使用可能である。バッテリ15は、電動工具以外の電気機器又は電子機器の電源として使用可能である。バッテリ15は、実施形態に係るブロワ装置1とは別のブロワ装置の電源として使用可能である。バッテリ15は、リチウムイオンバッテリを含む。バッテリ15は、充電可能な充電式バッテリである。バッテリ装着部4は、電動工具のバッテリ装着部と同等の構造を有する。
【0022】
ブロワ装置1の使用者は、バッテリ装着部4にバッテリ15を装着する作業及びバッテリ装着部4からバッテリ15を外す作業を実施することができる。バッテリ装着部4は、バッテリ15をガイドするガイド部材と、バッテリ15のバッテリ端子に接続される本体端子とを有する。使用者は、バッテリ15を後方からバッテリ装着部4に挿入することにより、バッテリ15をバッテリ装着部4に装着することができる。バッテリ15は、ガイド部材にガイドされながらバッテリ装着部4に挿入される。バッテリ15がバッテリ装着部4に装着されることにより、バッテリ15のバッテリ端子とバッテリ装着部4の本体端子とが電気的に接続される。ブロワ装置1の使用者は、バッテリ15を後方に移動することにより、バッテリ装着部4からバッテリ15を外すことができる。
【0023】
トリガスイッチ5は、モータ10の起動のために使用者に操作される。トリガスイッチ5は、グリップ部3に設けられる。トリガスイッチ5は、トリガ部材5Aと、スイッチ本体部5Bとを含む。トリガ部材5Aの少なくとも一部は、グリップ部3の表面から突出する。スイッチ本体部5Bは、グリップ部3の内部空間に配置される。グリップ部3を握った使用者の指によりトリガ部材5Aが操作されることにより、モータ10の駆動と停止とが切り換えられる。
【0024】
ダクト部6は、ファンハウジング11に接続される。ダクト部6は、気体が流通可能な内部流路を有する。ダクト部6の少なくとも一部は、可撓性である。
【0025】
実施形態において、ダクト部6は、第1ジョイントパイプ6Aと、ホース6Bと、第2ジョイントパイプ6Cとを有する。第1ジョイントパイプ6Aは、ファンハウジング11に連結される。第1ジョイントパイプ6Aの少なくとも一部は、気体流出口14に挿入される。ホース6Bは、可撓性である。可撓性のホース6Bとして、ベローズホースが例示される。ホース6Bの後端部と第1ジョイントパイプ6Aとが接続される。ホース6Bの前端部と第2ジョイントパイプ6Cとが接続される。第2ジョイントパイプ6Cは、ノズル部7に連結される。
【0026】
ファンハウジング11の気体流出口14から流出した気体は、ダクト部6の内部流路を流通する。実施形態において、気体流出口14から流出した気体は、第1ジョイントパイプ6Aの内部流路を流通し、ホース6Bの内部流路を流通した後、第2ジョイントパイプ6Cの内部流路を流通する。
【0027】
ノズル部7は、ダクト部6及びワイパーブレード8のそれぞれと接続される。ノズル部7は、気体が流通可能な内部流路を有する。
【0028】
実施形態において、ノズル部7は、ジョイントパイプ7Aと、装着部材7Bと、回動機構7Cとを有する。ジョイントパイプ7Aは、第2ジョイントパイプ6Cに連結される。装着部材7Bは、ワイパーブレード8に連結される。回動機構7Cは、ジョイントパイプ7Aと装着部材7Bとの間に配置される。回動機構7Cは、装着部材7Bを回動可能に支持する。
【0029】
ファンハウジング11の気体流出口14から流出し、ダクト部6の内部流路を流通した気体は、ノズル部7の内部流路に流入する。ノズル部7の内部流路を流通した気体は、ワイパーブレード8に供給される。ワイパーブレード8に供給される気体は、ノズル部7の内部流路を流通する。実施形態において、ダクト部6の内部流路を流通した気体は、ジョイントパイプ7Aの内部流路を流通し、装着部材7Bの内部流路を流通した後、ワイパーブレード8に供給される。
【0030】
装着部材7Bは、回動機構7Cを介して、ジョイントパイプ7Aに連結される。装着部材7Bは、回転軸BXを中心に回転可能である。回転軸BXは、左右方向に延伸する。
【0031】
図4は、実施形態に係るノズル部7及びワイパーブレード8を示す側面図である。図5は、実施形態に係るノズル部7及びワイパーブレード8を示す断面図である。図6は、実施形態に係るノズル部7及びワイパーブレード8を示す後方からの分解斜視図である。図7は、実施形態に係るノズル部7及びワイパーブレード8を示す前方からの分解斜視図である。
【0032】
図4図5図6、及び図7に示すように、ジョイントパイプ7Aは、パイプ部7Aaと、連結部7Abとを有する。パイプ部7Aaは、ダクト部6の第2ジョイントパイプ6Cに連結される。連結部7Abは、装着部材7Bに連結される。連結部7Abは、パイプ部7Aaよりも前方に配置される。連結部7Abは、左右方向に配置される一対のプレート部7Abpを有する。一対のプレート部7Abpは、間隙を介して対向する。一対のプレート部7Abpの間の空間は、パイプ部7Aaの内部流路に連通する。
【0033】
装着部材7Bは、連結部7Baと、装着部7Bbとを有する。連結部7Baは、ジョイントパイプ7Aの連結部7Abに連結される。装着部7Bbは、ワイパーブレード8に連結される。連結部7Baは、装着部7Bbよりも上方に配置される。連結部7Baは、実質的に円筒状である。連結部7Baは、一対のプレート部7Abpの間に配置される。連結部7Baが一対のプレート部7Abpの間に配置された状態で、連結部7Baの内部流路は、パイプ部7Aaの内部流路に連通する。
【0034】
回動機構7Cは、ジョイントパイプ7Aの連結部7Abに設けられたジョイント開口7Caと、ジョイントパイプ7Aの連結部7Abに設けられたストッパ開口7Cbと、装着部材7Bの連結部7Baに設けられたジョイント凸部7Ccと、装着部材7Bの連結部7Baに設けられたストッパ凸部7Cdとを有する。
【0035】
ジョイント開口7Caは、一対のプレート部7Abpのそれぞれに設けられる。ジョイント開口7Caは、回転軸BXを含むように設けられる。
【0036】
ストッパ開口7Cbは、一対のプレート部7Abpのそれぞれに設けられる。ストッパ開口7Cbは、ジョイント開口7Caの周囲に複数設けられる。複数のストッパ開口7Cbは、間隔をあけて配置される。回転軸BXの放射方向において、回転軸BXと複数のストッパ開口7Cbのそれぞれとの距離は、等しい。
【0037】
ジョイント凸部7Ccは、連結部7Baの左面及び右面のそれぞれに設けられる。ジョイント凸部7Ccは、回転軸BXを含むように設けられる。ジョイント凸部7Ccは、ジョイント開口7Caに配置される。ジョイント凸部7Ccがジョイント開口7Caに配置された状態で、連結部7Abと連結部7Baとは、回転軸BXを中心に相対回転可能である。
【0038】
ストッパ凸部7Cdは、連結部7Baの左面及び右面のそれぞれに設けられる。ストッパ凸部7Cdは、ジョイント凸部7Ccの周囲に1つ設けられる。ストッパ凸部7Cdは、ストッパ開口7Cbに配置可能である。ストッパ凸部7Cdがストッパ開口7Cbに配置されることにより、連結部7Abと連結部7Baとの相対回転が規制される。ストッパ開口7Cb及びストッパ凸部7Cdは、装着部材7Bの回動を規制する回動規制機構7Sとして機能する。
【0039】
使用者は、連結部7Abと連結部7Baとを相対回転させることにより、ジョイントパイプ7Aに対する装着部材7Bの角度を調整することができる。使用者は、複数のストッパ開口7Cbのうち任意のストッパ開口7Cbにストッパ凸部7Cdを配置することにより、ジョイントパイプ7Aに対して装着部材7Bを任意の角度に固定することができる。
【0040】
[ワイパーブレード]
ワイパーブレード8は、物体の表面を払拭する。ワイパーブレード8は、ノズル部7に装着される。ノズル部7は、ワイパーブレード8を着脱可能である。実施形態において、ワイパーブレード8は、装着部材7Bの装着部7Bbに装着される。
【0041】
装着部7Bbの下端部に開口7Bmが設けられる。開口7Bmは、装着部材7Bの内部流路の下端部に配置される。ワイパーブレード8の少なくとも一部は、開口7Bmを介して、装着部材7Bの内部流路に挿入される。ワイパーブレード8の少なくとも一部が開口7Bmを介して装着部材7Bの内部流路に挿入されることにより、ワイパーブレード8が装着部材7Bに装着される。
【0042】
図8は、実施形態に係るワイパーブレード8を示す上方からの平面図である。図9は、実施形態に係るワイパーブレード8を示す前方からの正面図である。図4図5図6図7図8、及び図9に示すように、ワイパーブレード8は、ノズル部7に装着される保持部材16と、保持部材16に保持され物体の表面を払拭する払拭部材17とを備える。払拭部材17は、本体部2の気体流出口14から供給された気体を物体の表面に吹き出す気体吹出口18を有する。
【0043】
保持部材16は、払拭部材17の上部を保持する。保持部材16は、前後方向に長い。前後方向は、保持部材16の長手方向である。左右方向は、保持部材16の短手方向である。保持部材16は、装着部材7Bに装着される。
【0044】
保持部材16は、本体部16Aと、溝部16Bと、流路16Cと、第1凸部16Dと、第2凸部16Eとを有する。
【0045】
本体部16Aは、前後方向に長い。本体部16Aの外形は、実質的に直方体状である。本体部16Aは、合成樹脂製である。なお、本体部16Aは、金属製でもよい。
【0046】
溝部16Bは、本体部16Aの下面から上方に凹むように形成される。溝部16Bは、前後方向に長い。溝部16Bは、左右方向に2つ設けられる。図9に示すように、溝部16Bは、第1幅部16Baと、第1幅部16Baよりも上方に配置される第2幅部16Bbとを有する。第1幅部16Baの下端部の開口は、本体部16Aの下面に設けられる。左右方向において、第1幅部16Baの寸法Waは、第2幅部16Bbの寸法Wbよりも小さい。
【0047】
流路16Cは、本体部16Aの上面と下面とを貫くように形成される。気体は、流路16Cを流通可能である。図8に示すように、流路16Cは、前後方向に長い。左右方向において、流路16Cは、本体部16Aの中央部に形成される。気体流出口14から流出し、ダクト部6及びノズル部7を介して保持部材16に供給された気体は、流路16Cを流通する。
【0048】
第1凸部16Dは、本体部16Aの前面に設けられる。第1凸部16Dは、本体部16Aの前面から前方に突出する。
【0049】
第2凸部16Eは、本体部16Aの後面に設けられる。第2凸部16Eは、本体部16Aの後面に接続され上方に延伸する第1延伸部16Eaと、屈曲部16Ecを介して第1延伸部16Eaの上端部に接続され下方に延伸する第2延伸部16Ebと、第2延伸部16Ebの下端部から後方に突出する突起部16Edと、突起部16Edよりも上方に配置され第2延伸部16Ebから後方に突出する突起部16Eeとを有する。第2凸部16Eは、第1延伸部16Eaと第2延伸部16Ebとが接近するように弾性変形可能である。
【0050】
保持部材16は、装着部材7Bに装着される。保持部材16は、装着部材7Bの下面に形成された開口7Bmに挿入される。開口7Bmは、前後方向に長い。開口7Bmは、装着部材7Bの内部流路に結ばれる。保持部材16が開口7Bmに挿入されることにより、保持部材16は、装着部材7Bに装着される。
【0051】
ノズル部7は、ワイパーブレード8を着脱可能な着脱機構7Dを有する。実施形態において、着脱機構7Dは、保持部材16を着脱する。
【0052】
着脱機構7Dは、装着部材7Bの前部に設けられる第1孔7Daと、装着部材7Bの後部に設けられる第2孔7Dbとを含む。装着部材7Bは、装着部材7Bの内部流路に面する内面を有する。第1孔7Da及び第2孔7Dbのそれぞれは、装着部材7Bの内面と外面とを貫くように形成される。第1凸部16Dが第1孔7Daに挿入され、第2凸部16Eの突起部16Eeが第2孔7Dbに挿入されることにより、装着部材7Bに保持部材16が装着される。
【0053】
上述のように、第2凸部16Eは、弾性変形可能である。装着部材7Bに保持部材16を装着する場合、使用者は、本体部16Aの少なくとも一部を開口7Bmに挿入し、第1凸部16Dを第1孔7Daに挿入した後、第2凸部16Eを弾性変形させながら装着部材7Bの内部流路に挿入する。使用者は、突起部16Eeが第2孔7Dbに挿入されるように、本体部16Aを装着部材7Bの内部流路に挿入する。突起部16Eeが第2孔7Dbに挿入されることにより、保持部材16が装着部材7Bに装着される。装着部材7Bから保持部材16を外す場合、使用者は、突起部16Eeが第2孔7Dbから抜去されるように、第2凸部16Eを弾性変形させる。使用者は、突起部16Eeが第2孔7Dbから抜去された後、本体部16Aを下方に移動させることにより、装着部材7Bから保持部材16を外すことができる。
【0054】
図10は、実施形態に係る払拭部材17を示す左方からの側面図である。図11は、実施形態に係る払拭部材17を示す上方からの平面図である。図12は、実施形態に係る払拭部材17を示す下方からの平面図である。図13は、実施形態に係る払拭部材17を示す前方からの正面図である。図14は、実施形態に係る払拭部材17を示す断面図である。図9図10図11図12図13、及び図14に示すように、払拭部材17は、本体部2のファン9から供給された気体を吹き出す気体吹出口18を有する。
【0055】
払拭部材17は、前後方向に長い。前後方向は、払拭部材17の長手方向である。左右方向は、払拭部材17の短手方向である。
【0056】
払拭部材17は、可撓性である。払拭部材17は、弾性変形可能である。払拭部材17は、ゴム製である。なお、払拭部材17は、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)のような合成樹脂製でもよい。
【0057】
払拭部材17は、保持部材16に保持される本体部17Aと、物体の表面を払拭する払拭部17Cと、本体部17Aと払拭部17Cとを連結する連結部17Bとを有する。本体部17Aは、払拭部材17の上部に配置される。払拭部17Cは、払拭部材17の下部に配置される。上下方向において、連結部17Bは、本体部17Aと払拭部17Cとの間に配置される。
【0058】
本体部17Aは、払拭部材17の上端部を含む。本体部17Aは、保持部材16の溝部16Bに配置される。本体部17Aが保持部材16の溝部16Bに配置されることにより、払拭部材17の上部が保持部材16に保持される。本体部17Aは、第1部分17Aaと、第1部分17Aaよりも上方に配置される第2部分17Abとを有する。図13に示すように、左右方向において、第1部分17Aaの寸法Vaは、第2部分17Abの寸法Vbよりも小さい。図9に示すように、第1部分17Aaは、溝部16Bの第1幅部16Baに配置される。第2部分17Abは、溝部16Bの第2幅部16Bbに配置される。
【0059】
払拭部17Cは、物体の表面に存在する異物を除去するために、物体の上面に接触される。払拭部17Cは、下面17Caと、左面17Cbと、右面17Ccとを有する。左面17Cbは、払拭部17Cの短手方向の一方側の側面である。右面17Ccは、払拭部17Cの短手方向の他方側の側面である。払拭部材17に外力が作用していない状態において、下面17Ca、左面17Cb、及び右面17Ccのそれぞれは、平坦である。下面17Ca、左面17Cb、及び右面17Ccのそれぞれは、前後方向に長い。図13に示すように、左右方向において、払拭部17Cの寸法Uは、本体部17Aの寸法V及び連結部17Bの寸法Tよりも小さい。寸法Vは、左右方向における本体部17Aの寸法の最大値である。寸法Tは、左右方向における連結部17Bの寸法の最小値である。
【0060】
気体吹出口18は、連結部17Bに設けられる。すなわち、気体吹出口18は、払拭部17Cよりも上方に配置される。払拭部17Cが物体の表面に接触した状態で、気体吹出口18は、物体の表面から離れた位置から物体の表面に気体を吹き出す。
【0061】
連結部17Bは、払拭部17Cよりも左側に配置された第1表面17Baと、払拭部17Cよりも右側に配置された第2表面17Bbとを有する。払拭部17Cよりも左側は、払拭部材17の短手方向の一方側である。払拭部17Cよりも右側は、払拭部材17の短手方向の他方側である。
【0062】
第1表面17Baは、払拭部17Cから本体部17Aに向かって払拭部材17の短手方向の一方側に傾斜する。すなわち、第1表面17Baは、上方に向かって左方に傾斜する。第2表面17Bbは、払拭部17Cから本体部17Aに向かって払拭部材17の短手方向の他方側に傾斜する。すなわち、第2表面17Bbは、上方に向かって右方に傾斜する。連結部17Bは、上方に向かって寸法が大きくなるテーパ状である。
【0063】
図12及び図13に示すように、気体吹出口18は、第1表面17Ba及び第2表面17Bbのそれぞれに設けられる。第1表面17Baの気体吹出口18から吹き出された気体の少なくとも一部は、払拭部17Cの左面17Cbにガイドされる。第2表面17Bbの気体吹出口18から吹き出された気体の少なくとも一部は、払拭部17Cの右面17Ccにガイドされる。左面17Cb及び右面17Ccのそれぞれは、気体吹出口18から吹き出された気体の少なくとも一部をガイドするガイド面として機能することができる。
【0064】
図10に示すように、気体吹出口18は、連結部17Bにおいて、払拭部材17の長手方向である前後方向に複数設けられる。複数の気体吹出口18の形状及び寸法は、等しい。実施形態において、気体吹出口18の形状は、実質的に四角形である。なお、気体吹出口18の形状は、三角形でもよいし、円形でもよい。
【0065】
複数の気体吹出口18は、払拭部材17の長手方向である前後方向に等間隔に設けられる。払拭部材17の長手方向である前後方向において、気体吹出口18の寸法Hは、隣り合う気体吹出口18の間の寸法Gよりも大きい。
【0066】
図11及び図14に示すように、払拭部材17は、内部空間17Dを有する。内部空間17Dの上端部に設けられた開口17Eは、保持部材16の流路16Cに連通する。本体部2の気体流出口14から流出し、ダクト部6の内部流路及びノズル部7の内部流路を流通し、流路16Cを流通した気体は、開口17Eを介して、払拭部材17の内部空間17Dに流入する。
【0067】
払拭部材17は、払拭部材17の内部空間17Dに配置された複数のリブ19を有する。複数のリブ19は、複数の気体吹出口18を区画する区画部材である。払拭部材17は、内部空間17Dに面する内面17Fを有する。リブ19は、払拭部材17の内面17Fに接続される。
【0068】
図5図11、及び図14に示すように、リブ19は、内部空間17Dにおいて払拭部材17の長手方向である前後方向に複数設けられる横リブ19Aと、複数の横リブ19Aを接続するように配置される縦リブ19Bとを含む。縦リブ19Bは、前後方向に延伸する。左右方向において、縦リブ19Bは、内部空間17Dの中央部に配置される。横リブ19Aは、前後方向に間隔をあけて配置される。リブ19により、気体が流通する流路20が払拭部材17の内部空間17Dに設けられる。流路20は、複数の気体吹出口18のそれぞれに接続するように、内部空間17Dに複数設けられる。複数の流路20のそれぞれは、上下方向に延伸する。気体吹出口18は、流路20の下端部に配置される。
【0069】
流路16Cを流通し、開口17Eを介して払拭部材17の内部空間17Dに流入した気体は、リブ19により複数の流路20のそれぞれに分岐される。複数の流路20のそれぞれを流通した気体は、複数の気体吹出口18から同時に吹き出される。
【0070】
[動作]
図15は、実施形態に係るブロワ装置1の動作を説明するための図である。物体の表面に残留する液体を除去する場合、ブロワ装置1の使用者は、一方の手でグリップ部3を握り、他方の手で例えばノズル部7を握る。使用者は、トリガスイッチ5を操作することにより、モータ10を起動することができる。モータ10が起動すると、ファン9が回転する。ファン9が回転することにより、本体部2の気体流出口14から気体が流出する。気体流出口14から流出した気体は、ダクト部6の内部流路及びノズル部7の内部流路を流通した後、保持部材16の流路16Cに流入する。流路16Cを流通した気体は、開口17Eを介して払拭部材17の内部空間17Dに流入する。内部空間17Dに流入した気体は、リブ19により複数の流路20のそれぞれに流入する。複数の流路20のそれぞれを流通した気体は、複数の気体吹出口18から同時に吹き出される。
【0071】
使用者は、回動機構7Cを操作して、ノズル部7のジョイントパイプ7Aに対するワイパーブレード8の角度を任意の角度に調整する。ワイパーブレード8の角度を調整した後、図15に示すように、使用者は、払拭部17Cを物体の表面に接触させた状態で、他方の手を動かして、払拭部材17が例えば払拭部材17の短手方向の一方側(左側)に移動するように、ノズル部7を操作する。払拭部材17は、払拭部17Cが物体の表面に接触した状態で左側に移動される。
【0072】
払拭部17Cが物体の表面に接触した状態で移動することにより、物体の表面は払拭部材17により払拭される。これにより、物体の表面に残留する液体は、払拭部17Cにより除去される。
【0073】
気体吹出口18から気体が吹き出される。気体吹出口18から吹き出された気体は、物体の表面に吹き付けられる。これにより、物体の表面に残留する液体は、均等に効率良く除去される。例えば、物体の表面が曲面を含む場合、払拭部17Cを物体の表面に十分に接触させることが困難となる可能性がある。また、タイル壁のように物体の表面に溝が存在する場合、払拭部17Cによる払拭だけでは、溝に入り込んでいる液体を除去することが困難となる可能性がある。実施形態によれば、払拭部17Cによる払拭処理及び気体吹出口18による気体吹き付け処理により、物体の表面が曲面を含んでいる場合でも、物体の表面に残留している液体は、ワイパーブレード8により効率良く除去される。また、物体の表面の溝に入り込んでいる液体も、ワイパーブレード8により効率良く除去される。
【0074】
払拭部材17が左側に移動される場合、払拭部17Cよりも左側の第1表面17Baに設けられている気体吹出口18から吹き出された気体が物体の表面に吹き付けられる。第1表面17Baに設けられている気体吹出口18からの気体が物体の表面に吹き付けられた後、払拭部17Cにより物体の表面が払拭される。すなわち、物体の表面は、気体吹出口18による気体吹き付け処理を実施された後、払拭部17Cによる払拭処理を実施される。これにより、物体の表面に残留する液体は、効果的に除去される。
【0075】
第1表面17Baは、払拭部17Cから本体部17Aに向かって左側に傾斜する。これにより、図15に示すように、払拭部材17が左側に移動されるとき、第1表面17Baに設けられている気体吹出口18が物体の表面に対向した状態で、気体吹出口18から吹き出された気体が物体の表面に効率良く吹き付けられる。
【0076】
実施形態においては、気体吹出口18は、第1表面17Baのみならず、払拭部17Cよりも右側の第2表面17Bbにも設けられる。払拭部材17が右側に移動される場合、物体の表面は、第2表面17Bbに設けられている気体吹出口18による気体吹き付け処理を実施された後、払拭部17Cによる払拭処理を実施される。この場合においても、物体の表面に残留する液体は、効果的に除去される。
【0077】
実施形態において、複数の気体吹出口18及び流路20は、リブ19により区画される。リブ19により払拭部材17の剛性が過度に低下することが抑制される。これにより、内部空間17Dに気体が供給され、内部空間17Dの圧力が高くなっても、気体吹出口18の変形が抑制される。
【0078】
ダクト部6の少なくとも一部は、可撓性である。そのため、使用者は、一方の手でグリップ部3を握った状態で、他方の手を動かすだけで、ノズル部7を自由に移動させることができる。
【0079】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、物体の表面を払拭する払拭部材17に気体吹出口18が設けられる。払拭部材17による払拭処理と併せて気体吹出口18による気体吹き付け処理が実施されることにより、物体の表面が湾曲していたり、物体の表面に溝が存在したりしても、ワイパーブレード8は、物体の表面の異物を均等に効率良く除去することができる。
【0080】
気体吹出口18は、払拭部材17の長手方向に複数設けられる。これにより、ワイパーブレード8は、物体の広範囲な表面に気体を同時に吹き付けることができる。
【0081】
複数の気体吹出口18の形状及び寸法は、等しい。これにより、物体の表面の異物は、均一に効率良く除去される。
【0082】
複数の気体吹出口18は、長手方向に等間隔に設けられる。これにより、物体の表面の異物は、均一に効率良く除去される。また、長手方向における払拭部材17の剛性を均一にすることができる。
【0083】
長手方向において、気体吹出口18の寸法Hは、隣り合う気体吹出口18の間の寸法Gよりも大きい。これにより、気体吹出口18から十分な流量の気体が吹き出さされる。ワイパーブレード8は、物体の表面に気体を十分に吹き付けることができる。
【0084】
複数の気体吹出口18及び流路20は、リブ19により区画される。リブ19は、払拭部材17の内面17Fに接続される。リブ19により、払拭部材17の剛性が過度に低下することが抑制される。これにより、内部空間17Dに気体が供給され、内部空間17Dの圧力が高くなっても、気体吹出口18の変形が抑制される。
【0085】
払拭部材17は、保持部材16に保持される本体部17Aと、物体の表面を払拭する払拭部17Cと、本体部17Aと払拭部17Cとを連結する連結部17Bとを有する。気体吹出口18は、連結部17Bに設けられる。気体吹出口18が払拭部17Cに設けられると、払拭部17Cの払拭機能が損なわれる可能性がある。また、気体吹出口18が払拭部17Cに設けられると、気体吹出口18が物体の表面で塞がれてしまう可能性がある。気体吹出口18が連結部17Bに設けられることにより、払拭部17Cによる払拭機能及び気体吹出口18による気体吹き付け機能の両方が十分に発揮される。
【0086】
気体吹出口18が連結部17Bに設けられることにより、払拭部17Cが物体の表面に接触した状態で、気体吹出口18は、物体の表面に塞がれることなく、物体の表面から離れた位置から物体の表面に気体を吹き出すことができる。これにより、ワイパーブレード8は、物体の表面の異物を均等に効率良く除去することができる。
【0087】
払拭部材17が左側に移動される場合、払拭部17Cよりも左側の第1表面17Baに設けられている気体吹出口18による気体吹き付け処理が実施された後、払拭部17Cによる払拭処理が実施される。これにより、物体の表面に残留する液体は効果的に除去される。
【0088】
第1表面17Baは、払拭部17Cから本体部17Aに向かって左側に傾斜する。これにより、図15を参照して説明したように、払拭部材17が左側に移動される場合、第1表面17Baに設けられている気体吹出口18は、物体の表面で塞がれることなく、物体の表面に対向した状態で、気体を物体の表面に効率良く吹き付けることができる。
【0089】
気体吹出口18は、第1表面17Baのみならず、払拭部17Cよりも右側の第2表面17Bbにも設けられる。払拭部材17が右側に移動される場合、第2表面17Bbに設けられている気体吹出口18による気体吹き付け処理が実施された後、払拭部17Cによる払拭処理が実施される。この場合においても、物体の表面に残留する液体は効果的に除去される。
【0090】
ダクト部6の少なくとも一部は、可撓性である。これにより、物体の表面に対して払拭部材17を移動させる場合、使用者は、ブロワ装置1全体を動かさなくてもよい。使用者は、一方の手でグリップ部3を握った状態で、他方の手を動かすだけで、物体の表面に対してノズル部7を自由に移動させることができる。
【0091】
ノズル部7は、装着部材7Bを回動可能に支持する回動機構7Cを有する。回動機構7Cにより、ノズル部7のジョイントパイプ7Aに対するワイパーブレード8の角度が任意の角度に調整される。
【0092】
回動機構7Cは、ストッパ開口7Cbとストッパ凸部7Cdとを含む回動規制機構7Sを含む。回動規制機構7Sにより、使用者は、ワイパーブレード8を任意の角度に固定することができる。
【0093】
ノズル部7は、ワイパーブレード8を着脱可能な着脱機構7Dを有する。着脱機構7Dにより、ワイパーブレード8は容易に交換される。
【0094】
[その他の実施形態]
図16及び図17のそれぞれは、他の実施形態に係る気体吹出口18を説明するための図である。上述の実施形態においては、複数の気体吹出口18の寸法が等しいこととした。図16及び図17に示すように、複数の気体吹出口18の寸法が異なってもよい。
【0095】
図16に示す例において、気体吹出口18は、前後方向の寸法が異なる気体吹出口18Aと気体吹出口18Bと気体吹出口18Cとを含む。気体吹出口18Aの寸法が最も小さく、気体吹出口18Aに次いで気体吹出口18Bの寸法が小さく、気体吹出口18Cの寸法が最も大きい。気体吹出口18Aは、前後方向において払拭部材17の端部に配置される。気体吹出口18Cは、前後方向において払拭部材17の中央部に配置される。気体吹出口18Bは、前後方向において気体吹出口18Aと気体吹出口18Cとの間に配置される。
【0096】
図17に示す例において、気体吹出口18は、前後方向の寸法が異なる気体吹出口18Dと気体吹出口18Eと気体吹出口18Fとを含む。気体吹出口18Dの寸法が最も大きく、気体吹出口18Dに次いで気体吹出口18Eの寸法が大きく、気体吹出口18Fの寸法が最も小さい。気体吹出口18Dは、前後方向において払拭部材17の端部に配置される。気体吹出口18Fは、前後方向において払拭部材17の中央部に配置される。気体吹出口18Eは、前後方向において気体吹出口18Dと気体吹出口18Fとの間に配置される。
【0097】
図18は、他の実施形態に係る気体吹出口18を説明するための図である。上述の実施形態においては、気体吹出口18が複数設けられることとした。図18に示すように、気体吹出口18は、払拭部材17に1つ設けられてもよい。図18に示す例において、気体吹出口18Sは、前後方向に長いスリット状である。
【0098】
上述の実施形態において、気体吹出口18は、連結部17Bの第1表面17Ba及び第2表面17Bbの両方に設けられることとした。気体吹出口18は、連結部17Bの第1表面17Ba及び第2表面17Bbの一方に設けられてもよい。払拭部材17を左側に移動しながら物体の表面の異物を除去する場合、気体吹出口18は、第1表面17Baに設けられていればよい。払拭部材17を右側に移動しながら物体の表面の異物を除去する場合、気体吹出口18は、第2表面17Bbに設けられていればよい。
【0099】
上述の実施形態において、気体吹出口18は、例えば払拭部17Cの下面17Caに設けられてもよい。
【0100】
上述の実施形態において、ワイパーブレード8は、ノズル部7に取り付けられることとした。ワイパーブレード8は、ブロワ装置1の少なくとも一部に取り付けられていればよい。ワイパーブレード8は、ファン9からの気体が供給されるブロワ装置1の規定部位に取り付けられていればよい。
【0101】
上述の実施形態において、ワイパーブレード8は、ブロワ装置1の構成要素でなくてもよい。ワイパーブレード8は、ブロワ装置1のアタッチメントの一種でもよい。
【0102】
図19は、他の実施形態に係るアタッチメント30を示す側面図である。図20は、他の実施形態に係るアタッチメント30を示す下方からの平面図である。図19及び図20に示すように、ブロワ装置1にワイパーブレード8とは異なるアタッチメント30が取り付けられてもよい。ノズル部7は、アタッチメント30を着脱可能である。
【0103】
アタッチメント30は、ノズル部7の装着部材7Bに装着される保持部材31と、保持部材31に接続されるチューブ32と、保持部材31に接続される払拭部材33とを有する。保持部材31は、プレート状である。保持部材31は、気体が流通可能な内部流路を有する。本体部2の気体流出口14から流出し、ダクト部6の内部流路及びノズル部7の内部流路を流通した気体は、保持部材31の内部流路に流入する。
【0104】
チューブ32の上端部は、保持部材31に接続される。チューブ32は、チューブ32の流路と保持部材31の内部流路とが連通するように、保持部材31に接続される。チューブ32は、前後方向に複数設けられる。チューブ32の下端部に気体吹出口18Tが設けられる。保持部材31の内部流路に流通した気体は、チューブ32の上端部からチューブ32の流路に流入する。チューブ32の流路を流通した気体は、チューブ32の下端部の気体吹出口18Tから吹き出される。
【0105】
払拭部材33は、複数の繊維により構成される。払拭部材33は、ブラシである。払拭部材33の上端部は、保持部材31に固定される。払拭部材33は、チューブ32の周囲に複数配置される。上下方向において、チューブ32の下端部の位置と払拭部材33の下端部の位置とは、実質的に等しい。
【0106】
使用者は、アタッチメント30を用いて、物体の表面の異物を除去することができる。物体の表面の異物として、粉体が例示される。物体の表面の粉体として、衣服に付着した花粉が例示される。
【0107】
使用者によりトリガスイッチ5が操作されると、モータ10が起動し、ファン9が回転する。ファン9が回転することにより、本体部2の気体流出口14から気体が流出する。気体流出口14から流出した気体は、ダクト部6の内部流路及びノズル部7の内部流路を流通した後、保持部材31の内部流路に流入する。保持部材31の内部流路を流通した気体は、チューブ32の流路に流入する。チューブ32の流路を流通した気体は、チューブ32の下端部の気体吹出口18Tから吹き出される。
【0108】
使用者は、回動機構7Cを操作して、ノズル部7のジョイントパイプ7Aに対するアタッチメント30の角度を任意の角度に調整した後、払拭部材33で衣服の表面を払う。これにより、衣服の表面に付着している花粉は、払拭部材により除去される。
【0109】
気体吹出口18Tから気体が吹き出される。気体吹出口18Tから吹き出された気体は、衣服の表面に吹き付けられる。これにより、衣服に付着している花粉は、均等に効率良く除去される。
【0110】
なお、上述の実施形態において、ワイパーブレード8又はアタッチメント30は、気体を吹き出すブロワ装置1に取り付けられることとした。ワイパーブレード8又はアタッチメント30は、気体を吸い込む集塵装置に取り付けられてもよい。例えばワイパーブレード8が集塵機に取り付けられる場合、上述の実施形態で説明した気体吹出口18が吸込口として機能する。物体の表面に存在する異物は、周囲の気体とともに吸込口に吸いこまれる。これにより、物体の表面から異物が除去される。アタッチメント30においては、チューブ32の下端部の気体吹出口18Tが吸込口として機能する。
【符号の説明】
【0111】
1…ブロワ装置、2…本体部、3…グリップ部、4…バッテリ装着部、5…トリガスイッチ、5A…トリガ部材、5B…スイッチ本体部、6…ダクト部、6A…第1ジョイントパイプ、6B…ホース、6C…第2ジョイントパイプ、7…ノズル部、7A…ジョイントパイプ、7Aa…パイプ部、7Ab…連結部、7Abp…プレート部、7B…装着部材、7Ba…連結部、7Bb…装着部、7Bm…開口、7C…回動機構、7Ca…ジョイント開口、7Cb…ストッパ開口、7Cc…ジョイント凸部、7Cd…ストッパ凸部、7D…着脱機構、7Da…第1孔、7Db…第2孔、7S…回動規制機構、8…ワイパーブレード、9…ファン、10…モータ、11…ファンハウジング、12…モータハウジング、13…気体流入口、14…気体流出口、15…バッテリ、16…保持部材、16A…本体部、16B…溝部、16Ba…第1幅部、16Bb…第2幅部、16C…流路、16D…第1凸部、16E…第2凸部、16Ea…第1延伸部、16Eb…第2延伸部、16Ec…屈曲部、16Ed…突起部、16Ee…突起部、17…払拭部材、17A…本体部、17Aa…第1部分、17Ab…第2部分、17B…連結部、17Ba…第1表面、17Bb…第2表面、17C…払拭部、17Ca…下面、17Cb…左面、17Cc…右面、17D…内部空間、17E…開口、17F…内面、18…気体吹出口、18A…気体吹出口、18B…気体吹出口、18C…気体吹出口、18D…気体吹出口、18E…気体吹出口、18F…気体吹出口、18S…気体吹出口、18T…気体吹出口、19…リブ、19A…横リブ、19B…縦リブ、20…流路、30…アタッチメント、31…保持部材、32…チューブ、33…払拭部材、AX…回転軸、BX…回転軸、G…寸法、H…寸法、T…寸法、U…寸法、V…寸法、Va…寸法、Vb…寸法、Wa…寸法、Wb…寸法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20