(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】ラベル帳票、及び印刷済みラベル帳票の製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 3/00 20060101AFI20240104BHJP
G09F 3/02 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
G09F3/00 D
G09F3/02 C
G09F3/00 E
(21)【出願番号】P 2020084120
(22)【出願日】2020-05-12
【審査請求日】2023-01-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(72)【発明者】
【氏名】大関 崇史
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-017807(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0249670(US,A1)
【文献】特開2005-010529(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0247420(US,A1)
【文献】特開平11-231787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00
G09F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙、並びに前記台紙に貼り付けられた第1ラベル片及び第2ラベル片を有する、ラベル帳票であって、
前記台紙は、同一表面上に、
第1ラベル片貼付部、
第2ラベル片貼付部、及び
前記第1ラベル片に前記第2ラベル片を貼り合わせるための、貼合わせスペースを有しており、
前記第1ラベル片は、前記第1ラベル片貼付部に、剥離可能に仮貼付されており、
前記第2ラベル片は、前記第2ラベル片貼付部に、剥離可能に仮貼付されており、
前記第1ラベル片貼付部に、前記台紙を第1の方向に横断している第1の山折予定部が設けられており、かつ前記第1ラベル片貼付部と前記貼合わせスペースとの間に、前記台紙を第2の方向に横断している第1の谷折予定部が設けられており、
前記第2ラベル片貼付部に、前記台紙を第3の方向に横断している第2の山折予定部が設けられており、かつ前記第2ラベル片貼付部と前記貼合わせスペースとの間に、前記台紙を第4の方向に横断している第2の谷折予定部が設けられている、
ラベル帳票。
【請求項2】
前記第1ラベル片の、前記第1の山折予定部よりも前記貼合わせスペース側を前記第1ラベル片貼付部から剥離させ、前記第1の山折予定部を山折にし、かつ前記第1の谷折予定部を谷折りして、前記台紙をZ字状に折り曲げ、前記第1ラベル片を部分的に、前記貼合わせスペース上に貼り付けることにより、前記第1ラベル片を前記貼合わせスペース上に剥離可能に仮貼付する、仮貼付操作、及び
前記第2ラベル片の、前記第2の山折予定部よりも前記貼合わせスペース側を前記第2ラベル片貼付部から剥離させ、前記第2の山折予定部を山折にし、かつ前記第2の谷折予定部を谷折りして、前記台紙をZ字状に折り曲げ、前記第2ラベル片を部分的に、前記貼合わせスペース上に剥離可能に仮貼付されている前記第1ラベル片上に貼り合わせ、そして前記第2ラベル片と前記貼合わせスペースとの間の前記台紙を引き抜くことにより、前記第2ラベル片を前記第1ラベル片上に貼り合わせる、貼合わせ操作、
が可能にされている、
請求項1に記載のラベル帳票。
【請求項3】
前記貼合わせスペースは、前記仮貼付操作において前記第1ラベル片を前記貼合わせスペースに剥離可能に仮貼付するため、及び/又は前記貼合わせ操作において前記第2ラベル片を前記第1ラベル片上に貼り合わせるためのガイド部を有している、請求項2に記載のラベル帳票。
【請求項4】
前記台紙は、説明記載部を更に有しており、前記説明記載部には、前記仮貼付操作及び前記貼合わせ操作の手順の少なくとも一方が記載されている、請求項2又は3に記載のラベル帳票。
【請求項5】
第1ラベル片及び第2ラベル片は、一方が透明ラベルであり、他方が不透明ラベルである、請求項1
~4のいずれか一項に記載のラベル帳票。
【請求項6】
前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに平行であり、かつ/又は前記第3の方向と前記第4の方向とが互いに平行である、請求項1~
5のいずれか一項に記載のラベル帳票。
【請求項7】
前記台紙が、下記のいずれかのサイズを有する長方形の台紙である、請求項1~
6のいずれか一項に記載のラベル帳票:
写真L判サイズ、
写真2L判サイズ、
はがきサイズ、
往復はがきサイズ、
封筒長形3号サイズ、
封筒長形4号サイズ、
封筒洋形4号サイズ、
封筒洋形6号サイズ、
ワイド101.6mmx180.6mmサイズ、及び
名刺サイズ。
【請求項8】
前記第1ラベル片の、前記第1ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面、及び/又は前記第2ラベル片の、前記第2ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面に、印刷が可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載のラベル帳票。
【請求項9】
前記面に、デジタル印刷による印刷が可能である、請求項8に記載のラベル帳票。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の前記ラベル帳票の、前記第1ラベル片の前記第1ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面、及び/又は前記第2ラベル片の前記第2ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面に、印刷を行うことを含む、印刷済みラベル帳票の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル帳票、及び印刷済みラベル帳票の製造方法に関する。
【0002】
監督官庁が発行する各種許可証や検査標章、大学又は企業等が構内への乗り入れを許可した車両の使用者に対して発行する入校許可証、駐車許可証、及び入場許可証等に使用されるものとして、壁や車体等の外表面に直接貼着される外貼り用ラベルと、透明なウィンドウガラス等の内側に貼着される内貼り用ラベルとが知られている(特許文献1及び2)。
【0003】
これらの内貼り用ラベル及び外貼り用ラベルについては、特許文献1及び2に詳述されているとおりであり、特に特許文献1では、内貼り用ラベル及び外貼り用ラベルについて下記のように説明している。
【0004】
上記の内貼り用ラベルは、透明ラベル片の表面に所要情報を裏向きに(鏡文字で)表示し、当該表面に不透明ラベル片を積層してなるものであり、該透明ラベル片の裏面に設けられた粘着剤層を介して透明なウィンドウガラス等の内側に貼着されることで、該ウィンドウガラスの外側から所要情報を視認し得るようになっている。
【0005】
一方、外貼り用ラベルは、不透明ラベル片の表面に所要情報を表向きに(鏡文字ではなく正しい向きで)表示し、当該表面に透明ラベル片を積層してなるものである。
【0006】
このような従来のラベル帳票の例を
図11及び12に示す。ここで、
図11は、従来のラベル帳票の表面図であり、
図12は、
図11におけるB-B’断面図である。
【0007】
図11で示す従来のラベル帳票3の使用においては、
図13~15のようにして第1ラベル片20に第2ラベル片30が貼り合わされる。
【0008】
具体的には、まず、
図13に示すように、第2ラベル片30のうちの、台紙10の山折予定部81よりも谷折予定部82側を台紙から剥離させ、山折予定部81を山折にし、かつ谷折予定部82を谷折りして、台紙10をZ字状に折り曲げる。次いで、
図14で示すように、第2ラベル片30を部分的に第1ラベル片20上に貼り合わせる。最後に、
図15で示すように、第2ラベル片30と第1ラベル片20との間の台紙10を引き抜く。これにより、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2005-010529号公報
【文献】特開2018-017807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般に、ラベル帳票において、ラベル片は裏面に粘着層が設けられており、この粘着層によって台紙のラベル片貼付部に剥離可能に仮貼付けされている。
【0011】
従来のラベル帳票の使用時において、第1ラベル片に第2ラベル片を貼り合わせた際に、第1ラベル片と第2ラベル片とを確実に貼り合わせるために、第2ラベル片を第1ラベル片に重ねた後に、第2ラベル片を上から押圧する場合がある。
【0012】
しかしながら、第2ラベル片を第1ラベル片に重ねた後に、第2ラベル片を上から押圧すると、第1ラベル片を台紙に接着している粘着層が台紙と非常に強く接着し得る。これは、ラベル帳票が実際に使用されるまでに、第1ラベル片と台紙とが長期間にわたって接着されていることによって、それらの間の接着力が高まっており、押圧により、その接着がさらに高まる場合があることによる。
【0013】
第1ラベル片の粘着層と台紙との接着が非常に強いと、貼り合わされたラベル片を台紙のラベル片貼付部から剥離する際に、ラベル片を剥離しにくくなること、ラベル片を剥離させた際にラベル片が破損し、又は形状が変化すること、ラベル片から粘着層が剥がれること等の問題が生じ得る。
【0014】
したがって、従来のラベル帳票は、その使用性に改善の余地があった。
【0015】
本発明は、使用性が良好なラベル帳票を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示者は、以下の手段により上記課題を達成することができることを見出した:
《態様1》
台紙、並びに前記台紙に貼り付けられた第1ラベル片及び第2ラベル片を有する、ラベル帳票であって、
前記台紙は、同一表面上に、
第1ラベル片貼付部、
第2ラベル片貼付部、及び
前記第1ラベル片に前記第2ラベル片を貼り合わせるための、貼合わせスペースを有しており、
前記第1ラベル片は、前記第1ラベル片貼付部に、剥離可能に仮貼付されており、
前記第2ラベル片は、前記第2ラベル片貼付部に、剥離可能に仮貼付されており、
前記第1ラベル片貼付部に、前記台紙を第1の方向に横断している第1の山折予定部が設けられており、かつ前記第1ラベル片貼付部と前記貼合わせスペースとの間に、前記台紙を第2の方向に横断している第1の谷折予定部が設けられており、
前記第2ラベル片貼付部に、前記台紙を第3の方向に横断している第2の山折予定部が設けられており、かつ前記第2ラベル片貼付部と前記貼合わせスペースとの間に、前記台紙を第4の方向に横断している第2の谷折予定部が設けられている、
ラベル帳票。
《態様2》
前記第1ラベル片の、前記第1の山折予定部よりも前記貼合わせスペース側を前記第1ラベル片貼付部から剥離させ、前記第1の山折予定部を山折にし、かつ前記第1の谷折予定部を谷折りして、前記台紙をZ字状に折り曲げ、前記第1ラベル片を部分的に、前記貼合わせスペース上に貼り付けることにより、前記第1ラベル片を前記貼合わせスペース上に剥離可能に仮貼付する、仮貼付操作、及び
前記第2ラベル片の、前記第2の山折予定部よりも前記貼合わせスペース側を前記第2ラベル片貼付部から剥離させ、前記第2の山折予定部を山折にし、かつ前記第2の谷折予定部を谷折りして、前記台紙をZ字状に折り曲げ、前記第2ラベル片を部分的に、前記貼合わせスペース上に剥離可能に仮貼付されている前記第1ラベル片上に貼り合わせ、そして前記第2ラベル片と前記貼合わせスペースとの間の前記台紙を引き抜くことにより、前記第2ラベル片を前記第1ラベル片上に貼り合わせる、貼合わせ操作、
が可能にされている、
態様1に記載のラベル帳票。
《態様3》
第1ラベル片及び第2ラベル片は、一方が透明ラベルであり、他方が不透明ラベルである、態様1又は2に記載のラベル帳票。
《態様4》
前記貼合わせスペースは、前記仮貼付操作において前記第1ラベル片を前記貼合わせスペースに剥離可能に仮貼付するため、及び/又は前記貼合わせ操作において前記第2ラベル片を前記第1ラベル片上に貼り合わせるためのガイド部を有している、態様1~3のいずれか一項に記載のラベル帳票。
《態様5》
前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに平行であり、かつ/又は前記第3の方向と前記第4の方向とが互いに平行である、態様1~4のいずれか一つに記載のラベル帳票。
《態様6》
前記台紙が、下記のいずれかのサイズを有する長方形の台紙である、態様1~5のいずれか一つに記載のラベル帳票:
写真L判サイズ、
写真2L判サイズ、
はがきサイズ、
往復はがきサイズ、
封筒長形3号サイズ、
封筒長形4号サイズ、
封筒洋形4号サイズ、
封筒洋形6号サイズ、
ワイド101.6mmx180.6mmサイズ、及び
名刺サイズ。
《態様7》
前記台紙は、説明記載部を更に有しており、前記説明記載部には、前記仮貼付操作及び前記貼合わせ操作の手順の少なくとも一方が記載されている、態様1~6のいずれか一つに記載のラベル帳票。
《態様8》
前記第1ラベル片の、前記第1ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面、及び/又は前記第2ラベル片の、前記第2ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面に、印刷が可能である、態様1~7のいずれか一つに記載のラベル帳票。
《態様9》
前記面に、デジタル印刷による印刷が可能である、態様8に記載のラベル帳票。
《態様10》
態様8又は9に記載の前記ラベル帳票の、前記第1ラベル片の前記第1ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面、及び/又は前記第2ラベル片の前記第2ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面に、印刷を行うことを含む、印刷済みラベル帳票の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、使用性が良好なラベル帳票を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明のある実施形態に従うラベル帳票1の表面図である。
【
図3】
図3は、
図1で示す本発明の第1の実施形態に従うラベル帳票1を用いて、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる手順の一部を説明する図である。
【
図4】
図4は、
図1で示す本発明の第1の実施形態に従うラベル帳票1を用いて、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる手順の一部を説明する図である。
【
図5】
図5は、
図1で示す本発明の第1の実施形態に従うラベル帳票1を用いて、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる手順の一部を説明する図である。
【
図6】
図6は、
図1で示す本発明の第1の実施形態に従うラベル帳票1を用いて、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる手順の一部を説明する図である。
【
図7】
図7は、
図1で示す本発明の第1の実施形態に従うラベル帳票1を用いて、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる手順の一部を説明する図である。
【
図8】
図8は、
図1で示す本発明の第1の実施形態に従うラベル帳票1を用いて、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる手順の一部を説明する図である。
【
図9】
図9は、本発明の他の実施形態に従うラベル帳票2の表面図である。
【
図10】
図10は、本発明の更に他の実施形態に従うラベル帳票2の表面図である。
【
図13】
図13は、
図11で示す従来のラベル帳票のラベル帳票3を用いて、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる手順の一部を説明する図である。
【
図14】
図14は、
図11で示す従来のラベル帳票のラベル帳票3を用いて、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる手順の一部を説明する図である。
【
図15】
図15は、
図11で示す従来のラベル帳票のラベル帳票3を用いて、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる手順の一部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるのではなく、開示の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
【0020】
《本発明のラベル帳票》
本発明のラベル帳票は、台紙、並びに上記台紙に貼り付けられた第1ラベル片及び第2ラベル片を有する、ラベル帳票である。
【0021】
本発明のラベル帳票において、上記台紙は、同一表面上に、第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び上記第1ラベル片に上記第2ラベル片を貼り合わせるための、貼合わせスペースを有しており、上記第1ラベル片は、上記第1ラベル片貼付部に、剥離可能に仮貼付されており、上記第2ラベル片は、上記第2ラベル片貼付部に、剥離可能に仮貼付されており、上記第1ラベル片貼付部に、上記台紙を第1の方向に横断している第1の山折予定部が設けられており、かつ上記第1ラベル片貼付部と上記貼合わせスペースとの間に、上記台紙を第2の方向に横断している第1の谷折予定部が設けられており、上記第2ラベル片貼付部に、上記台紙を第3の方向に横断している第2の山折予定部が設けられており、かつ上記第2ラベル片貼付部と上記貼合わせスペースとの間に、上記台紙を第4の方向に横断している第2の谷折予定部が設けられている。
【0022】
本発明のラベル帳票は、上記の構成により、上記第1ラベル片の、上記第1の山折予定部よりも上記貼合わせスペース側を上記第1ラベル片貼付部から剥離させ、上記第1の山折予定部を山折にし、かつ上記第1の谷折予定部を谷折りして、上記台紙をZ字状に折り曲げ、上記第1ラベル片を部分的に、上記貼合わせスペース上に貼り付け、そして随意に上記第1ラベル片と上記貼合わせスペースとの間の上記台紙を引き抜くことにより、上記第1ラベル片を上記貼合わせスペース上に剥離可能に仮貼付する、仮貼付操作、及び上記第2ラベル片の、上記第2の山折予定部よりも上記貼合わせスペース側を上記第2ラベル片貼付部から剥離させ、上記第2の山折予定部を山折にし、かつ上記第2の谷折予定部を谷折りして、上記台紙をZ字状に折り曲げ、上記第2ラベル片を部分的に、上記貼合わせスペース上に剥離可能に仮貼付されている上記第1ラベル片上に貼り合わせ、そして上記第2ラベル片と上記貼合わせスペースとの間の上記台紙を引き抜くことにより、上記第2ラベル片を上記第1ラベル片上に貼り合わせる、貼合わせ操作、が可能にされていることができる。
【0023】
ここで、「仮貼付されている」とは、対象物に貼り付けて使用するラベル片等が、使用される前の状態において、台紙等の基材に剥離可能な状態で貼り付けられている状態を意味しており、「仮貼付けする」とは、ラベル片等を、台紙等の基材に剥離可能な状態で貼り付けることを意味している。
【0024】
本発明のラベル帳票の構成を、
図1及び2に基づいて、より具体的に説明する。
【0025】
図1は、本発明のある実施形態に従うラベル帳票1の表面図である。また、
図2は、
図1におけるA-A’断面図である。
【0026】
図1に示すように、本発明のある実施形態に従うラベル帳票1は、長方形の台紙10、並びに台紙10に貼り付けられた第1ラベル片20及び第2ラベル片30を有する。
【0027】
本発明のある実施形態に従うラベル帳票1において、台紙10は、同一表面上に、第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び第1ラベル片20に第2ラベル片30を貼り合わせるための、貼合わせスペース40を有している。なお、本発明のある実施形態に従うラベル帳票1では、台紙10の長手方向Lに関して第1ラベル片貼付部、貼合わせスペース40、及び第2ラベル片貼付部が、この順に並んでいる。
【0028】
第1ラベル片20は、第1ラベル片貼付部に、剥離可能に仮貼付されており、第2ラベル片30は、第2ラベル片貼付部に、剥離可能に仮貼付されている。
【0029】
ここで、
図2に示すように、第1ラベル片20及び第2ラベル片30は、それぞれ台紙10側の面、すなわちそれぞれ第1ラベル片貼付部に貼り付けられている側及び第2ラベル片貼付部に貼り付けられている側の面に、粘着層25及び35が配置されている。そして、第1ラベル片20及び第2ラベル片30は、この粘着層25及び35によって、台紙10の基材11上に積層されている剥離層12上の、第1ラベル片貼付部及び第2ラベル片貼付部にそれぞれ剥離可能に仮貼付されている。
【0030】
なお、
図1及び
図2において、第1ラベル片貼付部は、台紙の厚さ方向Tに関して第1ラベル片20と重複する位置に、第2ラベル片貼付部は、台紙の厚さ方向Tに関して第2ラベル片30と重複する位置に、それぞれ位置しているが、説明の便宜上、参照番号は省略している。
【0031】
第1ラベル片貼付部には、台紙10を幅方向W(第1の方向)に横断している第1の山折予定部51が設けられている。また、第1ラベル片貼付部と貼合わせスペース40との間には、台紙10を幅方向W(第2の方向)に横断している第1の谷折予定部52が設けられている。すなわち、本発明のある実施形態に従うラベル帳票1では、第1の方向と第2の方向とは互いに平行である。
【0032】
また、第2ラベル片貼付部には、台紙10を幅方向W(第3の方向)に横断している第2の山折予定部53が設けられている。また、第2ラベル片貼付部と貼合わせスペース40との間には、台紙10を幅方向W(第4の方向)に横断している第2の谷折予定部54が設けられている。すなわち、本発明のある実施形態に従うラベル帳票1では、第3の方向と第4の方向とは互いに平行である。
【0033】
なお、本発明のある実施形態に従うラベル帳票1において、第1の山折予定部51、第1の谷折予定部52、第2の山折予定部53、及び第2の谷折予定部54には、折り曲げやすいようにミシン目が入れられている。
【0034】
本発明のある実施形態に従うラベル帳票1では、第1ラベル片貼付部、貼合わせスペース40、及び第2ラベル片貼付部が台紙10の長手方向Lに関してこの順に並んでいるのに対して、第1の山折予定部51、第1の谷折予定部52、第2の山折予定部53、及び第2の谷折予定部54が台紙10を幅方向Wに横断していることにより、以下の
図3~8で説明する、第1ラベル片を第2ラベル片上に貼り合わせる手順における仮貼付操作及び貼合わせ操作が可能にされている。
【0035】
なお、
図1及び2は、本発明のラベル帳票を限定するものではない。
【0036】
次いで、本発明のラベル帳票を用いて、第1ラベル片を第2ラベル片上に貼り合わせる手順を、
図3~8に基づいて、より具体的に説明する。
【0037】
図3~8は、本発明のある実施形態に従うラベル帳票1を用いて、第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる一連の手順を説明する図である。
【0038】
第2ラベル片30を第1ラベル片20上に貼り合わせる一連の手順は、仮貼付操作を行った後に貼合わせ操作を行うこと有している。
【0039】
【0040】
仮貼付操作では、まず、
図3に示すように、第1ラベル片20の、第1の山折予定部51よりも貼合わせスペース40側を第1ラベル片貼付部から剥離させ、第1の山折予定部51を山折にし、かつ第1の谷折予定部52を谷折りして、台紙10をZ字状に折り曲げる。次いで、
図4に示すように、第1ラベル片20を部分的に、貼合わせスペース40上に貼り付け、そして随意に第1ラベル片20と貼合わせスペース40との間の台紙10を引き抜く。これにより、
図5に示すように、第1ラベル片20を、貼合わせスペース40上に剥離可能に仮貼付する。
【0041】
貼合わせ操作は、
図6~8に示すようにして行われる。
【0042】
貼合わせ操作では、まず、
図5の状態の本発明のある実施形態に従うラベル帳票1に対して、
図6に示すように、第2ラベル片30の、第2の山折予定部53よりも貼合わせスペース40側を第2ラベル片貼付部から剥離させ、第2の山折予定部53を山折にし、かつ第2の谷折予定部54を谷折りして、台紙10を逆Z字状に折り曲げる。次いで、
図7に示すように、第2ラベル片30を部分的に、貼合わせスペース40上に剥離可能に仮貼付されている第1ラベル片20上に貼り合わせ、そして第2ラベル片30と貼合わせスペース40との間の台紙10を引き抜く。これにより、
図8に示すように、第2ラベル片30を、第1ラベル片20上に貼り合わせる。
【0043】
本発明のある実施形態に従うラベル帳票1は、
図8の状態にした後に、貼り合わされた第2ラベル片30及び第1ラベル片20を台紙10から剥離させて、監督官庁が発行する各種許可証や検査標章、大学又は企業等が構内への乗り入れを許可した車両の使用者に対して発行する入校許可証、駐車許可証、及び入場許可証等に用いることができる。
【0044】
なお、
図3~8は、本発明のラベル帳票を限定するものではない。
【0045】
原理によって限定されるものではないが、本発明のラベル帳票の使用性が良好である原理は、以下のとおりである。
【0046】
上記のように、従来のラベル帳票では、使用態様によっては、貼合わされたラベル片を台紙のラベル片貼付部から剥離する際に、ラベル片を台紙から剥離させ難いこと等、使用性に改善の余地があった。
【0047】
本発明のラベル帳票では、貼合わせ操作によって第2ラベル片を第1ラベル片に貼り合わせる前に、仮貼付操作によって第1ラベル片が部分的に一度台紙から剥離されているため、第1ラベル片の裏面に配置されている接着層の台紙への接着力が低下している。
【0048】
そのため、その後の貼合わせ操作によって第2ラベル片を第1ラベル片に貼り合わせた後に、第2ラベル片を上から押圧しても、貼合わされたラベル片を台紙から剥離する際に、ラベル片を台紙から剥離させ易い。なお、仮貼付操作において、第1ラベル片と貼合わせスペースとの間の台紙を引き抜いた場合には、仮貼付操作によって第1ラベル片全体が一度台紙から剥離されているため、更に剥離させやすい。
【0049】
加えて、本発明のラベル帳票では、仮貼付操作及び貼合わせ操作によって、第2ラベル片を第1ラベル片に正確に貼り合わせ易い。
【0050】
すなわち、本発明のラベル帳票は、第1のラベルと第2のラベルとを正確に貼り合わせることが容易であり、かつ貼合わされたラベル片を台紙から剥離する際にラベル片を台紙から剥離させ易い。
【0051】
これにより、本発明のラベル帳票は、その使用性が良好である。
【0052】
《本発明のラベル帳票の各構成》
〈台紙〉
台紙は、同一表面上に、第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び上記第1ラベル片に上記第2ラベル片を貼り合わせるための、貼合わせスペースを有している。
【0053】
台紙の大きさ及び形状は、同一表面上に第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び貼合わせスペース、第1の山折予定部及び谷折り予定部、並びに第2の山折予定部及び谷折り予定部を配置させることができ、それによって仮貼付操作及び貼合わせ操作が可能にされている構成を取ることができる任意の大きさ及び形状であってよい。
【0054】
台紙が長方形である場合、台紙の幅方向の長さ及び長手方向の長さ、並びに長方形の台紙の幅方向の長さに対する長手方向の長さの比(長手方向の長さ/幅方向の長さ)は、意図するラベル片のサイズ、仮貼付操作及び貼合わせ操作の容易さ等に基づいて決定することができる。したがって、例えば長方形の台紙の幅方向の長さは、5cm以上、6cm以上、7cm以上、8cm以上、9cm以上、又は10cm以上であってよく、また20cm以下、18cm以下、16cm以下、14cm以下、又は12cm以下であってよい。長方形の台紙の幅方向の長さに対する長手方向の長さの比(長手方向の長さ/幅方向の長さ)は、例えば1.1以上、1.2以上、1.3以上、又は1.4以上であってよく、また3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.8以下、1.6以下、又は1.5以下であってよい。
【0055】
また、長方形の台紙は、一般的なプリンタ、例えば一般的なインクジェットプリンタに給紙可能なサイズであることが、ラベル片への印刷を容易にできる点で好ましい。したがって、例えば長方形の台紙は、下記のサイズであることができる:
写真L判サイズ(約89mm×約127mm)
写真2L判サイズ(約127mm×約178mm)
はがきサイズ(90mm~107mm×140mm~154mm、特に約102mm×152mm又は約100mm×約148mm)
往復はがきサイズ(約200mm×約148mm)
封筒長形3号サイズ(約120mm×約235mm)
封筒長形4号サイズ(約90mm×約205mm)
封筒洋形4号サイズ(約105mm×約235mm)
封筒洋形6号サイズ(約98mm×約190mm)
ワイド101.6mmx180.6mmサイズ(約101.6mm×約180.6mm)
名刺サイズ(約55mm×約91mm)。
【0056】
なお、台紙は、紙、ポリマー、又はこれらの組み合わせであってよく、特に表面にポリマーコーティングを有する紙であってよい。
【0057】
(第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び貼合わせスペース)
台紙の第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び貼合わせスペースは、剥離性を有しており、第1ラベル片及び第2ラベル片を剥離可能に仮貼付けすることが可能となっている。このような部位は、第1及び第2ラベル片を、剥離可能に仮貼付できる任意の剥離性表面であってよく、特に限定されないが、例えば、剥離処理層を有する表面、フッ素系樹脂からなる低接着性表面、無極性樹脂からなる低接着性表面等を用いることができる。また、これらの部位同士は、互いに独立した剥離性表面であっても、互いに連続な剥離性表面であってもよい。また、台紙の、第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び貼合わせスペースを有する表面の全体が、剥離性表面であってもよい。
【0058】
台紙上における第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び貼合わせスペースの配置は、第1の山折予定部、第1の谷折予定部、第2の山折予定部及び第2の谷折予定部の配置と相まって、仮貼付操作及び貼合わせ操作が可能となるような任意の配置であってよい。
【0059】
例えば、台紙が矩形である場合には、第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び貼合わせスペースは、台紙の長手方向又は幅方向に関して、第1ラベル片貼付部、貼合わせスペース、及び第2ラベル片貼付部の順に配置されていることができる。より具体的には、
図1に示すような配置を挙げることができる。
【0060】
また、第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び貼合わせスペースは、第1ラベル片貼付部及び貼合わせスペースが台紙の長手方向に関して並置され、かつ第2ラベル片貼付部及び貼合わせスペースが台紙の幅方向に関して並置されていることができる。より具体的には、
図9に示すような配置を挙げることができる。
【0061】
なお、
図9は、本発明のラベル帳票を限定するものではない。
【0062】
また、貼合わせスペースは、仮貼付操作において第1ラベル片を貼合わせスペースに仮貼付するため、及び/又は貼合わせ操作において第2ラベル片を第1ラベル片上に貼り合わせるためのガイド部を有していることができる。
【0063】
貼合わせスペースがガイド部を有していると、仮貼付操作及び貼合わせ操作において、それぞれ第1ラベル片及び第2ラベル片を貼合わせスペースの所望の位置にずれを生じさせずに、かつ剥離可能に仮貼付け又は貼合わせを行うことが容易となる。
【0064】
ガイド部は、例えばスペースの所望の位置に第1ラベル片及び第2ラベル片を貼り付けた際の輪郭の全部又は一部に対応した図形であってよい。より具体的には、ガイド部は、例えば
図1に示すような、貼合わせスペース40に設けられた、第1ラベル片20の4つの角部を模ったL字形状や、第2ラベル片30の輪郭を模った点線及び4つの角部を模ったL字状の組み合わせ等であってよい。
【0065】
なお、ガイド部は、台紙上に印刷されて形成されていることができる。より具体的には、ガイド部は、
図2に示すような、台紙10の基材11上に印刷層70として形成されていることができる。
【0066】
(山折予定部及び谷折り予定部)
第1ラベル片貼付部には、台紙を第1の方向に横断している第1の山折予定部が設けられており、かつ第1ラベル片貼付部と貼合わせスペースとの間には、台紙を第2の方向に横断している第1の谷折予定部が設けられている。
【0067】
第1の方向及び第2の方向は、仮貼付操作の際に第1ラベル片を貼合わせスペースの所望の位置に貼り付けることができるように構成されている。より具体的には、第1の方向及び第2の方向は、第1の山折予定部を山折りし、かつ第1の谷折り予定部を谷折りすることによって、第1ラベル片を貼合わせスペースの所望の位置に貼り付けることができるように構成されていることができる。このような構成としては、例えば第1の方向と第2の方向とが互いに平行又は実質的に平行な構成、例えば台紙が矩形である場合には、共に台紙の長手方向又は幅方向に台紙を横断している構成であってよい。ここで、実質的に平行であるとは、第1の方向及び第2の方向に延びる二つの直線の交点における鋭角が0°超5°以下であることを意味している。
【0068】
また、第2ラベル片貼付部には、台紙を第3の方向に横断している第2の山折予定部が設けられており、かつ第2ラベル片貼付部と貼合わせスペースとの間には、台紙を第4の方向に横断している第2の谷折予定部が設けられている。
【0069】
第3の方向及び第4の方向は、貼合わせ操作の際に第2ラベル片を貼合わせスペース上に仮貼付されている第1ラベル片の所望の位置に貼り付けることができるように構成されている。より具体的には、第3の方向及び第4の方向は、第2の山折予定部を山折りし、かつ第2の谷折り予定部を谷折りすることによって、第2ラベル片を貼合わせスペースの所望の位置、すなわち仮貼付操作によって台紙上に仮貼付けされた第1ラベル片と重なる位置に貼り付けることができるように構成されていることができる。このような構成としては、例えば第3の方向と第4の方向とが互いに平行又は実質的に平行な構成、例えば台紙が矩形である場合には、共に台紙の長手方向又は幅方向に台紙を横断している構成であってよい。ここで、実質的に平行であるとは、第1の方向及び第2の方向に延びる二つの直線の交点における鋭角が0°超5°以下であることを意味している。
【0070】
なお、第1の山折予定部、第1の谷折予定部、第2の山折予定部、及び第2の谷折予定部は、それぞれ独立に、ミシン目、ハーフカット、又は筋押し等の易折り曲げ線、印刷点線等の折曲案内印刷線、又はそれらの組み合わせであってよい。
【0071】
本発明のラベル帳票は、例えば
図10に示すように、第1のラベル片20、貼合せスペース40、及び第2のラベル片30が、台紙10の一つの方向、例えば台紙10が矩形の場合には台紙10の長手方向Lに関してこの順に配置されており、かつ第1の山折予定部51、第1の谷折予定部52、第2の山折予定部53、及び第2の谷折予定部54が台紙10の幅方向Wに台紙を横断している構成が考えられる。
【0072】
上記のような構成においては、第1の山折予定部51と第1の谷折予定部52との距離をd1、第2の山折予定部53と第2の谷折予定部54との距離をd2、及び第1の谷折予定部52と第2の谷折予定部54との距離をd3としたときに、d1≒d2かつd3≒d1+d2であってよい。ここで、「≒」とは、距離が等しいことに加えて、これらの距離の差の絶対値が、距離の大きい方の距離の0%超5%以下の場合を含んでいる。
【0073】
ここで、
図10では、図示していないが、第1の山折予定部51は、台紙10の長手方向Lに関して第1のラベル片20の中央部分を、第2の山折予定部53は、台紙10の長手方向Lに関して、第2のラベル片30の中央部分を、それぞれ通るようにして形成されている。
【0074】
なお、
図10は、本発明のラベル帳票を限定するものではない。
【0075】
(説明記載部)
台紙は、説明記載部を更に有していることができる。説明記載部には、仮貼付操作及び貼合わせ操作の手順の少なくとも一方が記載されていることができる。
【0076】
この説明記載部に記載されている仮貼付操作及び/又は貼合わせ操作の手順は、図、文字又はそれらの組み合わせを用いて説明されていてよく、特に図及び文字の組み合わせを用いて説明されていてよい。なお、説明に用いられる図としては、例えば
図3~8に示すような図、又はこれと類似する図を挙げることができる。
【0077】
説明記載部は、台紙の表面のうち、第1ラベル片貼付部、第2ラベル片貼付部、及び貼合わせスペースが配置されている面上又はその反対側の面上に配置されていることができる。
【0078】
〈第1ラベル片及び第2のラベル片〉
第1ラベル片は、第1ラベル片貼付部に、剥離可能に仮貼付されており、かつ第2ラベル片は、第2ラベル片貼付部に、剥離可能に仮貼付されている。第1ラベル片及び第2ラベル片は、一方が透明ラベル片であり、かつ他方が不透明ラベル片であってよい。
【0079】
それによれば、特許文献1及び2に記載のように、透明ラベル片の表面に所要情報を裏向きに(鏡文字で)表示し、この表面に不透明ラベル片を積層し、この透明ラベル片の裏面に設けられた粘着剤層を介して透明なウィンドウガラス等の内側に貼着することで、ウィンドウガラス等の透明基材の外側から、所要情報を視認することができる。
【0080】
また、不透明ラベル片の表面に所要情報を表向きに(鏡文字ではなく正しい向きで)表示し、この表面に透明ラベル片を積層し、不透明ラベル片の裏面の粘着剤層と、透明ラベル片の、裏面の粘着剤層の外周部とを介して、車体等の外表面に貼付することができる。
【0081】
本発明のラベル帳票の第1及び第2ラベル片を貼り合わせて得られる積層ラベルは、監督官庁が発行する各種許可証や検査標章、大学又は企業等が構内への乗り入れを許可した車両の使用者に対して発行する入校許可証、駐車許可証、及び入場許可証等に使用されるもの積層ラベル、特に自動車又はバイクの検査標章、より特に自動車検査標章であってよい。
【0082】
第1ラベル片及び第2ラベル片は、それぞれ第1ラベル片貼付部及び第2ラベル片貼付部に剥離可能に仮貼付されている側の面に粘着層が配置されており、それによってそれぞれ第1ラベル片貼付部及び第2ラベル片貼付部に剥離可能に仮貼付されていることができる。
【0083】
粘着層は、第1ラベル片及び第2ラベル片を第1ラベル片貼付部及び第2ラベル片貼付部に剥離可能に仮貼付することができ、かつ仮貼付操作及び貼合わせ操作を行うことができる程度の強度を有する任意の粘着性の材料によって形成されていることができる。このような材料としては、例えばアクリル系の粘着性樹脂を挙げることができる。
【0084】
また、粘着層は、経年による粘着性の低下を抑制する観点から、例えば紫外線吸収剤を含有していることができる。
【0085】
なお、第1ラベル片及び第2ラベル片のうち、少なくとも透明ラベル片である方に配置される粘着層は透明である。
【0086】
第1ラベル片の、第1ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面、及び/又は第2ラベル片の、第2ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面は、印刷が可能な面であってよい。このような印刷としては、凸版印刷、凹版(グラビア)印刷、平版(オフセット)印刷、孔版(シルクスクリーン)印刷、デジタル印刷等を挙げることができ、特にデジタル印刷、より特にはインクジェットプリンタを用いるインクジェット印刷又はレーザープリンタを用いる電子写真印刷を挙げることができる。
【0087】
なお、このようなインクジェット印刷が可能な面を形成するためには、印刷において使用するインクに対して膨潤してインクを吸収する性質を有する樹脂によって、又はインクを吸収する無機粒子を含有するコーティング材料によって、ラベル片の表面にインク受容層を形成すること等ができる。
【0088】
《印刷済みラベル帳票の製造方法》
本発明の印刷済みラベル帳票の製造方法は、第1ラベル片の、第1ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面、及び/又は第2ラベル片の、第2ラベル片貼付部に貼り付けられている側と反対側の面が、印刷が可能な面であることを前提として、これらの面に印刷を行うことを含む、製造方法である。
【0089】
本発明の印刷済みラベル帳票の製造方法によれば、予め印刷のされていないラベル帳票、又は地紋や不変情報等があらかじめ印刷されたラベル帳票を用意しておき、必要に応じて、例えば自動車又はバイクの検査標章を発行する際に、日付等を印刷することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 本発明のある実施形態に従うラベル帳票
2 本発明の他の実施形態に従うラベル帳票
3 従来のラベル帳票
10 台紙
20 第1ラベル片
30 第2ラベル片
40 貼合わせスペース
51 第1の山折予定部
52 第1の谷折予定部
53 第2の山折予定部
54 第2の谷折予定部
60 ガイド部