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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】情報読み取りシステム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240104BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240104BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20240104BHJP
   B64C 1/36 20060101ALI20240104BHJP
   H01Q 7/00 20060101ALI20240104BHJP
   H01Q 13/22 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
G06K7/10 224
B64C39/02
B64C27/08
B64C1/36
H01Q7/00
H01Q13/22
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020107832
(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公開番号】P2022003463
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松保 諒
(72)【発明者】
【氏名】宮本 格
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-17893(JP,A)
【文献】特表2018-505818(JP,A)
【文献】特開2020-155057(JP,A)
【文献】特開2021-61473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
B64C 39/02
B64C 27/08
B64C 1/36
H01Q 7/00
H01Q 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行体を用いてRFIDメディアから情報を読み取る情報読み取りシステムであって、
前記無人飛行体に取り付けられ、前記無人飛行体を外部からの接触から保護するガード部材と、
前記無人飛行体に搭載され、前記RFIDメディアから情報を読み取るための第1のアンテナと、
前記第1のアンテナを介して前記RFIDメディアから情報を読み取る読取器とを有し、
前記ガード部材が、前記第1のアンテナで構成されている、情報読み取りシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報読み取りシステムにおいて、
前記第1のアンテナがワイヤー状である、情報読み取りシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報読み取りシステムにおいて、
前記第1のアンテナは、
内部導線と、
前記内部導線の周囲を覆って巻き付けられた第1の絶縁体と、
貫通孔を具備し、前記第1の絶縁体の周囲を覆って巻き付けられた外部導体と、
前記外部導体の周囲を覆って巻き付けられた第2の絶縁体とを有する、情報読み取りシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報読み取りシステムにおいて、
前記読取器は、前記無人飛行体に搭載されておらず、
前記第1のアンテナと前記読取器とを接続する第2のアンテナを有し、
前記読取器は、前記第1及び第2のアンテナを介して前記RFIDメディアから情報を読み取る、情報読み取りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDメディアを用いて物品の管理を行う場合などにおいてRFIDメディアから情報を読み取る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴って、商品などの物品に添付されるタグに情報を記録し、このタグを用いての物品の管理が行われている。このようなタグを用いた物品管理においては、非接触通信によって情報の書き込みや読み出しを行うことが可能なRFIDタグなどのRFIDメディアがその優れた利便性から急速な普及が進みつつある。RFIDメディアを用いて物品の管理を行う場合は、管理する物品にRFIDメディアを取り付けておき、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナをRFIDメディアにある程度近接させることで、RFIDメディアから情報を読み取り、読み取った情報を用いて物品の在庫などを管理することになる。その際、管理される物品は、例えば、収納棚などに縦横に並べて収納される場合が多いため、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナを、管理する物品の収納位置に合わせて移動させる必要が生じる。
【0003】
ここで、ドローンにデジタルカメラを搭載し、ドローンを飛行させることで、収納棚に縦横に収納された物品に印刷されたバーコードを撮影し、撮影したバーコードによる情報を用いて物品の管理を行う技術が、特許文献1に開示されている。
【0004】
そこで、上述したように、管理する物品にRFIDメディアを取り付けて物品を管理する場合でも、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナをドローンに搭載してドローンを飛行させることで、RFIDメディアから情報を読み取ることができ、物品を管理することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-218325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したようにドローンを用いて物品の管理を行う場合、ドローンのプロペラなどが物品に接触してしまう虞がある。特に、物品の収納スペースが狭かったり、物品が収納棚に密に収納されていたりする場合や、ドローンの操作に不慣れな作業員が作業を行う場合、そのような事象が発生する可能性が高くなる。
【0007】
ここで、ドローンには、プロペラなどの部品を外部からの接触から保護するガード部材が取り付けられているものもある。そこで、上述したようにRFIDメディアを用いて物品を管理するドローンにも、そのようなガード部材を取り付けることで、ドローンのプロペラなどが物品に接触してしまうことを回避できるようになる。
【0008】
ところが、RFIDメディアを用いて物品を管理するドローンにガード部材を取り付ける場合、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナをガード部材よりも内側に搭載すると、ドローンを物品に近接させたとしても、ガード部材の分だけアンテナをRFIDメディアに近接させることができず、正確な読み取りができなくなってしまう虞がある。また、ガード部材の材質によっては、アンテナとRFIDメディアとの間にガード部材が介在するような形態となると、アンテナのRFIDメディアからの情報の読み取りにおいてガード部材が障害物となってしまうという問題点がある。
【0009】
また、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナをガード部材よりも外側に搭載すると、ドローン全体の重量バランスを確保するためにアンテナとは反対側の位置に不要な重量物を搭載しなければならない。重量物を搭載した場合、ドローンの飛行消費電力が増大し、飛行時間の減少につながってしまうという問題点がある。
【0010】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、RFIDメディアを用いて物品の管理を行う場合などに無人飛行体を用いてRFIDメディアから情報を読み取る情報読み取りシステムにおいて、情報の読み取りや無人飛行体の飛行に支障を生じさせることなく、RFIDメディアから情報を読み取ることができる情報読み取りシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、
無人飛行体を用いてRFIDメディアから情報を読み取る情報読み取りシステムであって、
前記無人飛行体に取り付けられ、前記無人飛行体を外部からの接触から保護するガード部材と、
前記無人飛行体に搭載され、前記RFIDメディアから情報を読み取るための第1のアンテナと、
前記第1のアンテナを介して前記RFIDメディアから情報を読み取る読取器とを有し、
前記ガード部材が、前記第1のアンテナで構成されている。
【0012】
上記のように構成された本発明においては、無人飛行体を用いてRFIDメディアから情報を読み取る場合に、読取器において無人飛行体に搭載された第1のアンテナを介してRFIDメディアから情報が読み取られることになるが、無人飛行体には、無人飛行体を外部からの接触から保護するガード部材が取り付けられているので、RFIDメディアを用いて物品を管理する場合に、RFIDメディアが取り付けられた物品に無人飛行体が接触してしまうことが回避される。またその際、ガード部材が第1のアンテナで構成されていることにより、RFIDメディアから情報を読み取るためのアンテナをRFIDメディアに近接させることができるとともに、アンテナとRFIDメディアとの間にガード部材が介在するような形態にはならずにアンテナのRFIDメディアからの情報の読み取りにおいてガード部材が障害物となってしまうことがない。また、ドローン全体の重量バランスを確保するために不要な重量物を搭載する必要がなく、無人飛行体の飛行消費電力の増大によって飛行時間が減少してしまうことがなくなる。
【0013】
また、第1のアンテナがワイヤー状であれば、無人飛行体が飛行する際に第1のアンテナによって風の流れが変わってしまって無人飛行体の正常な制御が困難になってしまうことが回避される。
【0014】
また、第1のアンテナが、内部導線と、内部導線の周囲を覆って巻き付けられた第1の絶縁体と、貫通孔を具備して第1の絶縁体の周囲を覆って巻き付けられた外部導体と、外部導体の周囲を覆って巻き付けられた第2の絶縁体とを有する構成とすれば、外部導体の貫通孔の形状やピッチ、角度などよって、RFIDメディアから情報を読み取るための電波の強さや周波数を容易に調整することができる。
【0015】
また、読取器が無人飛行体に搭載されておらず、第1のアンテナと読取器とを接続する第2のアンテナを有し、読取器が第1及び第2のアンテナを介してRFIDメディアから情報を読み取る構成とすれば、無人飛行体の軽量化が図られるとともに、第1のアンテナのみならず第2のアンテナを介してもRFIDメディアから情報を読み取ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、RFIDメディアを用いて物品の管理を行う場合などに無人飛行体を用いてRFIDメディアから情報を読み取る情報読み取りシステムにおいて、無人飛行体に取り付けられ、無人飛行体を外部からの接触から保護するガード部材が、RFIDメディアから情報を読み取るための第1のアンテナで構成されていることにより、情報の読み取りや無人飛行体の飛行に支障を生じさせることなく、RFIDメディアから情報を読み取ることができる。
【0017】
また、第1のアンテナがワイヤー状であるものにおいては、無人飛行体が飛行する際に第1のアンテナによって風の流れが変わってしまって無人飛行体の正常な制御が困難になってしまうことを回避できる。
【0018】
また、第1のアンテナが、内部導線と、内部導線の周囲を覆って巻き付けられた第1の絶縁体と、貫通孔を具備して第1の絶縁体の周囲を覆って巻き付けられた外部導体と、外部導体の周囲を覆って巻き付けられた第2の絶縁体とを有するものにおいては、外部導体の貫通孔の形状やピッチ、角度などよって、RFIDメディアから情報を読み取るための電波の強さや周波数を容易に調整することができる。
【0019】
また、読取器が無人飛行体に搭載されておらず、第1のアンテナと読取器とを接続する第2のアンテナを有し、読取器が第1及び第2のアンテナを介してRFIDメディアから情報を読み取るものにおいては、無人飛行体の軽量化を図ることができるとともに、第1のアンテナのみならず第2のアンテナを介してもRFIDメディアから情報を読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の情報読み取りシステムの実施の一形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示す矢印A方向から見た側面図である。
図2図1に示したドローンユニットの機能ブロック図である。
図3図1に示したガード部材の詳細な構成を示す図であり、(a)は軸方向から見た積層構成を示す図、(b)は側方から見た積層構成を示す図である。
図4図1図3に示したドローンユニットを用いて情報が読み取られる形態の一例を示す図である。
図5図1図3に示したドローンユニットを用いて、図4に示したように収納棚に収納された物品を管理する方法を説明するための図であり、(a)はドローンユニットによって情報を読み取る際の全体の外観図、(b)はドローンユニットによって情報を読み取る際のドローンユニットと物品との関係を側方から見た図である。
図6】本発明の情報読み取りシステムの他の実施の形態を示す図である。
図7図6に示した情報読み取りシステムの機能ブロック図である。
図8図7に示した情報読み取りシステムを用いて、図4に示したように収納棚に収納された物品を管理する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の情報読み取りシステムの実施の一形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示す矢印A方向から見た側面図である。
【0023】
本形態における情報読み取りシステムは図1に示すように、ドローン10と、それに取り付けられたガード部材20とを有してなるドローンユニット1で構成されている。
【0024】
ドローン10は、本願発明にて無人飛行体となるものである。ドローン10は、その中心部から4本の脚部が互いに異なる方向に延びて構成されたボディ部11と、4本の脚部のそれぞれの先端近傍に取り付けられたプロペラ12a~12dとを有している。
【0025】
ガード部材20は、ドローン10全体を4方向から取り囲んでドローン10に取り付けられ、ドローン10を外部からの接触から保護する。ガード部材20は、例えば、ドローン10のボディ部11の4つの脚部の先端と取付部13a~13dによって取り付けられている。詳細な形状については後述する。
【0026】
図2は、図1に示したドローンユニット1の機能ブロック図である。
【0027】
図1に示したドローンユニット1は図2に示すように、RFIDアンテナ21と、RFID読取器16と、通信アンテナ14と、プロペラ12と、プロペラ駆動部15と、電源部17とをその機能として有している。
【0028】
RFIDアンテナ21は、RFIDタグなどのRFIDメディアから非接触で情報を読み取るためのものであって、本願発明にて第1のアンテナとなるものである。図1に示したガード部材20は、このRFIDアンテナ21によって構成されている。
【0029】
RFID読取器16と、通信アンテナ14と、プロペラ12と、プロペラ駆動部15と、電源部17とは、ドローン10に搭載されている。RFID読取器16とRFIDアンテナ21とは、図1に示した取付部13a~13dを介して電気的に接続されていてもよいし、その他の部分にて接続ケーブルを介して電気的に接続されていてもよい。
【0030】
RFID読取器16は、RFIDメディアから情報を読み取るための信号をRFIDアンテナ21に伝送することで、RFIDアンテナ21を介してRFIDメディアから情報を読み取る。
【0031】
通信アンテナ14は、ドローン10を飛行させるための命令を受信するためのものである。
【0032】
プロペラ12は、図1に示した4つのプロペラ12a~12dに相当する。
【0033】
プロペラ駆動部15は、通信アンテナ14を介して受信した命令に従ってプロペラ12を回転駆動させ、ドローン10を飛行させる。
【0034】
電源部17は、RFID読取器16及びプロペラ駆動部15に電源を供給する。
【0035】
図3は、図1に示したガード部材20の詳細な構成を示す図であり、(a)は軸方向から見た積層構成を示す図、(b)は側方から見た積層構成を示す図である。
【0036】
図1に示したガード部材20としては図3に示すように、内部導線22と、絶縁体23と、外部導体24と、絶縁被覆25とから構成された同軸ワイヤーケーブルを用いることができる。
【0037】
図3に示したガード部材20は、内部導線22の周囲に第1の絶縁体23が内部導線22を覆って巻き付けられ、絶縁体23の周囲に外部導体24が絶縁体23を覆って巻き付けられ、さらに外部導体24の周囲に第2の絶縁体となる絶縁被覆25が外部導体24を覆って巻き付けられることで絶縁被覆25によって被覆されて構成されている。
【0038】
このように構成されたガード部材20に対して、内部導線22に電流を流すと、流れる電流により発生した電波は、外部導体24によって遮断されて外部に放射されることが回避される。ところが、外部導体24には、外部導体24を表裏貫通した貫通孔となるスリット24aが形成されており、それにより、内部導線22を流れる電流により発生した電波がこのスリット24aを介して外部に放射されることになる。
【0039】
このような作用を利用して、RFID読取器16から内部導線22に対して、RFIDメディアから情報を読み取るための信号を伝送することで、ガード部材20からその信号を電波として放射してガード部材20をRFIDアンテナ21として機能させる。その際、スリット24aのピッチや長さ、角度などを変えることで、スリット24aを介して放射する電波の強さや周波数を容易に調整することができる。また、ガード部材20は図1に示したように、ドローン10全体を4方向から取り囲んでいるものであるため、スリット24aを形成する位置を変えることで、RFIDメディアから情報を読み取る読取方向も任意に設定することができる。さらに、ガード部材20が、上述した構成の同軸ワイヤーケーブルからなることで、ある程度の変形が自在となり、任意の形状のガード部材20を構成できる。
【0040】
このように、外部導体24に形成されたスリット24aを介して、RFIDメディアに対する情報の読み取りのための電波を放射することになるため、電波を安定して放射できるとともに、電波の放射量を任意の量に設定することができる。
【0041】
以下に、上記のように構成されたドローンユニット1を用いて、RFIDメディアから情報を読み取る情報読み取り方法について説明する。
【0042】
図4は、図1図3に示したドローンユニット1を用いて情報が読み取られる形態の一例を示す図である。
【0043】
図1図3に示したドローンユニット1を用いて情報が読み取られる形態としては、図4に示すように、収納棚2の縦横に並べて収納された物品3を管理する形態が考えられる。物品3のそれぞれにはRFIDメディアとなるRFIDタグ4が同一方向を向いて取り付けられており、ドローンユニット1を用いてRFIDタグ4から情報を読み取ることで、物品3を管理することができる。
【0044】
図5は、図1図3に示したドローンユニット1を用いて、図4に示したように収納棚2に収納された物品3を管理する方法を説明するための図であり、(a)はドローンユニット1によって情報を読み取る際の全体の外観図、(b)はドローンユニット1によって情報を読み取る際のドローンユニット1と物品3との関係を側方から見た図である。
【0045】
図1図3に示したドローンユニット1を用いて、図4に示したように収納棚2に収納された物品3を管理する場合は、図5(a)に示すように、収納棚2に収納された物品3のうちRFIDタグ4が取り付けられた面側にてドローンユニット1を飛行させる。これは、ドローンユニット1を飛行させるための命令をドローンユニット1に送信し、この命令がドローンユニット1の通信アンテナ14を介してプロペラ駆動部15にて受信され、プロペラ駆動部15の制御によってプロペラ12が回転駆動することで実現される。ドローンユニット1は縦横自在に飛行可能であるため、図4に示したように縦横に並べて収納棚2に収納された物品3のそれぞれに対向するように飛行させることができる。この際、ドローン10には、ドローン10を外部からの接触から保護するガード部材20が取り付けられているので、物品3に取り付けられたRFIDタグ4から情報を読み取ることで物品3を管理するためにドローンユニット1を物品3のそれぞれに対向するように飛行させたとしても、ドローン10のプロペラ12a~12dなどが物品3に接触してしまうことが回避される。
【0046】
ドローンユニット1が飛行中において、上述したようにドローンユニット1のRFID読取器16から、RFIDタグ4から情報を読み取るための信号がRFIDアンテナ21に伝送されると、RFIDアンテナ21からその信号による電波が放射され、その電波による通信距離の範囲にある(例えば対向している)RFIDタグ4から情報が読み取られる。
【0047】
その際、ガード部材20がRFIDアンテナ21で構成されていることにより、RFIDタグ4から情報を読み取るためのアンテナをRFIDタグ4に近接させることができるとともに、図5(b)に示すように、RFIDアンテナ21として機能するガード部材20とRFIDタグ4との間に、RFIDアンテナ21として機能しないガード部材などの他の部材が介在するような形態にはならず、RFIDアンテナ21のRFIDタグ4からの情報の読み取りにおいて、従来のドローンに取り付けられたガード部材が障害物となってしまうことがない。なお、RFIDアンテナ21として機能するガード部材20が、ドローン10全体を4方向から取り囲んでいることで、ドローンユニット1の複数の方向において、RFIDタグ4から情報を読み取ることができる。
【0048】
また、ドローン10全体を4方向から取り囲んでドローン10に取り付けられたガード部材20がRFIDアンテナ21で構成されていることで、RFIDタグ4から情報を読み取るためのRFIDアンテナ21を設けた場合でも、ドローン10全体の重量バランスを確保するために不要な重量物を搭載する必要がなく、ドローン10の飛行消費電力の増大によって飛行時間が減少してしまうことがなくなる。
【0049】
また、RFIDタグ4から情報を読み取るためのアンテナは一般的に板状のものであり、読み取り可能な距離を長くするためにはその面積を大きくする必要がある。そのため、ドローン10が飛行する際にアンテナによって風の流れが変わってしまい、ドローン10の正常な制御が困難になってしまうが、RFIDアンテナ21として機能するガード部材20が同軸ワイヤーケーブルからなるワイヤー状であることで、ドローン10が飛行する際にRFIDタグ4から情報を読み取るRFIDアンテナ21によって風の流れが変わってしまってドローン10の正常な制御が困難になってしまうことが回避される。
【0050】
(他の実施の形態)
図6は、本発明の情報読み取りシステムの他の実施の形態を示す図である。
【0051】
本形態における情報読み取りシステムは図6に示すように、ドローンユニット101とベースユニット130とが接続ケーブル140を介して接続されて構成されている。
【0052】
ドローンユニット101は、その外観の構成は図1に示したドローンユニット1と同様である。
【0053】
接続ケーブル140は、図3に示したガード部材20と同一の構成を有している。
【0054】
ベースユニット130は、下面に車輪133が取り付けられており、地上を移動可能に構成されている。
【0055】
図7は、図6に示した情報読み取りシステムの機能ブロック図である。
【0056】
図6に示した情報読み取りシステムは図7に示すように、RFIDアンテナ121と、通信アンテナ114と、プロペラ112と、プロペラ駆動部115と、RFID読取器131と、ケーブルアンテナ141と、電源部117,132とをその機能として有している。
【0057】
RFIDアンテナ121と、通信アンテナ114と、プロペラ112と、プロペラ駆動部115と、電源部117とは、ドローンユニット101に搭載されている。
【0058】
RFIDアンテナ121は、RFIDタグなどのRFIDメディアから非接触で情報を読み取るためのものであって、図1図3に示したものと同様に、ドローンユニット101のガード部材を構成している。
【0059】
通信アンテナ114は、ドローンユニット101を飛行させるための命令を受信するためのものである。
【0060】
プロペラ112は、図1に示した4つのプロペラ12a~12dに相当する。
【0061】
プロペラ駆動部115は、通信アンテナ114を介して受信した命令に従ってプロペラ112を回転駆動させ、ドローンユニット101を飛行させる。
【0062】
電源部117は、プロペラ駆動部115に電源を供給する。
【0063】
RFID読取器131と、電源部132とは、ベースユニット130に搭載されている。
【0064】
RFID読取器131は、RFIDメディアから情報を読み取るための信号をケーブルアンテナ141を介してRFIDアンテナ121に伝送することで、RFIDアンテナ121及びケーブルアンテナ141を介してRFIDメディアから情報を読み取る。
【0065】
ケーブルアンテナ141は、本願発明にて第2のアンテナとなるものであって、図6に示した接続ケーブル140を構成している。
【0066】
このように構成されたドローンユニット101とベースユニット130とは、RFIDアンテナ121とRFID読取器131とがケーブルアンテナ141を介して接続されている。
【0067】
以下に、上記のように構成された情報読み取りシステムを用いて、RFIDメディアから情報を読み取る情報読み取り方法について説明する。
【0068】
図8は、図7に示した情報読み取りシステムを用いて、図4に示したように収納棚2に収納された物品3を管理する方法を説明するための図であり、ドローンユニット101及び接続ケーブル140と物品3との関係を側方から見た図である。
【0069】
図7に示した情報読み取りシステムを用いて、図4に示したように収納棚2に収納された物品3を管理する場合は、図1図3に示したものと同様に、収納棚2に収納された物品3のうちRFIDタグ4が取り付けられた面側にてドローンユニット101を飛行させる。ドローンユニット101は縦横自在に飛行可能であるため、図4に示したように縦横に並べて収納棚2に収納された物品3のそれぞれに対向するように飛行させることができる。
【0070】
ドローンユニット101が飛行中において、ベースユニット130のRFID読取器131から、RFIDタグ4から情報を読み取るための信号がRFIDアンテナ121に伝送されると、RFIDアンテナ121からその信号による電波が放射され、その電波による通信距離の範囲にある(例えば対向している)RFIDタグ4から情報が読み取られる。また本形態においては、ドローンユニット101に搭載されたRFIDアンテナ121とベースユニット130に搭載されたRFID読取器131とが接続ケーブル140を介して接続されており、RFID読取器131からRFIDアンテナ121に対して、RFIDタグ4から情報を読み取るための信号が伝送されるため、接続ケーブル140がケーブルアンテナ141として機能し、図8に示すように、ドローンユニット101のガード部材を構成するRFIDアンテナ121のみならず、接続ケーブル140を構成するケーブルアンテナ141からも、RFIDタグ4から情報を読み取るための信号による電波が放射され、その電波による通信距離の範囲にある(例えば対向している)RFIDタグ4から情報が読み取られることになる。
【0071】
また、本形態の情報読み取りシステムにおいては、RFIDメディアから情報を読み取るRFID読取器131がドローンユニット101ではなく、ベースユニット130に搭載されていることで、ドローンユニット101の軽量化を図ることができる。
【0072】
なお、上述した実施の形態においては、RFIDアンテナ21,121及びケーブルアンテナ141として、図3に示したような同軸ワイヤーケーブルを用いたものを例に挙げて説明したが、RFIDメディアから情報を読み取るための信号を伝送可能であって、その際に伝送する信号によって電波を放射できるものであればこれに限らない。また、RFIDアンテナ21,121は、ガード部材を構成できればワイヤー状でなくてもよい。ただし、RFIDアンテナ21,121を板状のものとしてガード部材を構成するよりもワイヤー状のものとしてガード部材を構成した方が、ドローンユニット1,101が飛行する際にRFIDアンテナ21,121によって風の流れが変わってしまってドローンユニット1,101の正常な制御が困難になってしまうことが回避される。
【0073】
また、上述した実施の形態においては、ガード部材20がドローン10全体を4方向から取り囲んでいるものを例に挙げて説明したが、ガード部材は、ドローン10を外部からの接触から保護するものであれば、プロペラなどの一部を取り囲むように取り付けられたものであってもよい。
【0074】
また、上述した実施の形態においては、無人飛行体としてドローンを例に挙げて説明したが、無人飛行体としては、ジェット気流や磁場などを利用して飛行できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,101 ドローンユニット
2 収納棚
3 物品
4 RFIDタグ
10 ドローン
11 ボディ部
12,12a~12d,112 プロペラ
13a~13d 取付部
14,114 通信アンテナ
15,115 プロペラ駆動部
16,131 RFID読取器
17,117,132 電源部
20 ガード部材
21,121 RFIDアンテナ
22 内部導線
23 絶縁体
24 外部導体
24a スリット
25 絶縁被覆
130 ベースユニット
133 車輪
140 接続ケーブル
141 ケーブルアンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8