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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/60 20060101AFI20240104BHJP
   E06B 7/14 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
E06B3/60
E06B7/14
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020189150
(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2022078463
(43)【公開日】2022-05-25
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】金森 英晃
(72)【発明者】
【氏名】西田 健
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 夏依
(72)【発明者】
【氏名】大西 久夫
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-167810(JP,A)
【文献】実開昭57-8286(JP,U)
【文献】特開2010-126910(JP,A)
【文献】特開平8-184268(JP,A)
【文献】特開2005-76429(JP,A)
【文献】特開2008-291542(JP,A)
【文献】実開平7-44959(JP,U)
【文献】特開2001-20622(JP,A)
【文献】実開昭56-127288(JP,U)
【文献】実開昭57-89791(JP,U)
【文献】特開2006-299527(JP,A)
【文献】実開昭54-107941(JP,U)
【文献】実開昭53-45738(JP,U)
【文献】実開昭55-29626(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス呑み込み溝を有するフレームと、ガラス呑み込み溝内に設けたアタッチメントと、ガラスとを備え、フレームは、ガラス呑み込み溝の底壁に外部と連通する孔が設けてあり、アタッチメントは、外周側見込壁と内周側見込壁と見付壁とを有し、外周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の底壁に当接してねじ止めしてあり、内周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の一方側の見付壁の内周側端部に当接しており、フレームのガラス呑み込み溝の他方側の見付壁とアタッチメントの見付壁との間にガラスを保持してあり、アタッチメントの見付壁と外周側見込壁とに跨って切欠きが設けてあり、切欠きがフレームの孔と連通していることを特徴とする建具。
【請求項2】
ガラス呑み込み溝を有する四周のフレームと、ガラス呑み込み溝内に設けたアタッチメントと、ガラスとを備え、四周のフレームのうち少なくとも下側のフレームは、ガラス呑み込み溝の底壁に外部と連通する孔が設けてあり、アタッチメントは、外周側見込壁と内周側見込壁と見付壁とを有し、外周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の底壁に当接してねじ止めしてあり、内周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の一方側の見付壁の内周側端部に当接しており、フレームのガラス呑み込み溝の他方側の見付壁とアタッチメントの見付壁との間にガラスを保持してあり、アタッチメントの見付壁と外周側見込壁とに跨って切欠きが設けてあり、切欠きがフレームの孔と連通しており、ガラス呑み込み溝内の空間が四周連続していることを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
サッシの障子に用いられるガラスとしては単板ガラスと複層ガラスがあって、単板ガラス用と複層ガラス用にガラス呑み込み溝の溝幅を異ならせた専用の框を用いており、框の種類が多くなることでコストが増大する一因となっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、単板ガラス用と複層ガラス用でフレームを兼用できる建具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による建具は、ガラス呑み込み溝を有するフレームと、ガラス呑み込み溝内に設けたアタッチメントと、ガラスとを備え、フレームは、ガラス呑み込み溝の底壁に外部と連通する孔が設けてあり、アタッチメントは、外周側見込壁と内周側見込壁と見付壁とを有し、外周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の底壁に当接してねじ止めしてあり、内周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の一方側の見付壁の内周側端部に当接しており、フレームのガラス呑み込み溝の他方側の見付壁とアタッチメントの見付壁との間にガラスを保持してあり、アタッチメントの見付壁と外周側見込壁とに跨って切欠きが設けてあり、切欠きがフレームの孔と連通していることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明による建具は、ガラス呑み込み溝を有する四周のフレームと、ガラス呑み込み溝内に設けたアタッチメントと、ガラスとを備え、四周のフレームのうち少なくとも下側のフレームは、ガラス呑み込み溝の底壁に外部と連通する孔が設けてあり、アタッチメントは、外周側見込壁と内周側見込壁と見付壁とを有し、外周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の底壁に当接してねじ止めしてあり、内周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の一方側の見付壁の内周側端部に当接しており、フレームのガラス呑み込み溝の他方側の見付壁とアタッチメントの見付壁との間にガラスを保持してあり、アタッチメントの見付壁と外周側見込壁とに跨って切欠きが設けてあり、切欠きがフレームの孔と連通しており、ガラス呑み込み溝内の空間が四周連続していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明による建具は、ガラス呑み込み溝を有するフレームと、ガラス呑み込み溝内に設けたアタッチメントと、ガラスとを備え、アタッチメントは、外周側見込壁と内周側見込壁と見付壁とを有し、外周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の底壁に当接してねじ止めしてあり、内周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の一方側の見付壁の内周側端部に当接しており、フレームのガラス呑み込み溝の他方側の見付壁とアタッチメントの見付壁との間にガラスを保持することで、複層ガラスが取付けできる溝幅のガラス呑み込み溝に単板ガラスを取付けることができるため、単板ガラス用と複層ガラス用でフレームを兼用できる。しかも本発明の建具は、フレームのガラス呑み込み溝の底壁に外部と連通する孔が設けてあり、アタッチメントの見付壁と外周側見込壁とに跨って切欠きが設けてあり、切欠きがフレームの孔と連通していることで、ガラス呑み込み溝内に水が浸入することを抑制できる。
【0007】
請求項2記載の発明による建具は、ガラス呑み込み溝を有する四周のフレームと、ガラス呑み込み溝内に設けたアタッチメントと、ガラスとを備え、アタッチメントは、外周側見込壁と内周側見込壁と見付壁とを有し、外周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の底壁に当接してねじ止めしてあり、内周側見込壁は、フレームのガラス呑み込み溝の一方側の見付壁の内周側端部に当接しており、フレームのガラス呑み込み溝の他方側の見付壁とアタッチメントの見付壁との間にガラスを保持することで、複層ガラスが取付けできる溝幅のガラス呑み込み溝に単板ガラスを取付けることができるため、単板ガラス用と複層ガラス用でフレームを兼用できる。しかも本発明の建具は、四周のフレームのうち少なくとも下側のフレームは、ガラス呑み込み溝の底壁に外部と連通する孔が設けてあり、アタッチメントの見付壁と外周側見込壁とに跨って切欠きが設けてあり、切欠きがフレームの孔と連通しており、ガラス呑み込み溝内の空間が四周連続していることで、ガラス呑み込み溝内に水が浸入することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の建具の一実施形態を示す縦断面図である。
図2】同建具の横断面図である。
図3】同建具の障子のガラス呑み込み溝へのアタッチメントの取付状態を示す斜視図である。
図4】(a)は下框のガラス呑み込み溝にアタッチメントを取付けた状態を示す平面図、(b)は同側面図である。
図5】(a)は召合せ框のガラス呑み込み溝にアタッチメントを取付けた状態を示す平面図、(b)は同框の内周側側面図である。
図6】同建具のガラス呑み込み溝に複層ガラスを取付けた場合の縦断面図である。
図7】同建具のガラス呑み込み溝に複層ガラスを取付けた場合の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1~5は、本発明に係る建具の一実施形態であって、ビル用の引違いサッシに適用した例を示している。本建具は、図1,2に示すように、躯体(図示省略)の開口部に取付けられる枠13と、枠13内に引違い状に開閉自在に納めた外障子14a及び内障子14bを備える。
【0010】
枠13は、図1,2に示すように、アルミニウム合金の押出形材よりなる上枠15と下枠16と左右の縦枠17,17を四周枠組みして構成してある。
【0011】
外障子14aと内障子14bは、図1,2に示すように、アルミニウム合金の押出形材よりなる上框(フレーム)1と下框(フレーム)2と戸先框(フレーム)3と召合せ框(フレーム)4とを四周框組みし、その内側にガラス(単板ガラス)6を納めて構成してある。
各框1,2,3,4は、室外側及び室内側の見付壁18a,18bと底壁19とから成る略コ字型断面のガラス呑み込み溝5が内周側に開口して四周連続して設けてある。ガラス呑み込み溝5は、後述するように、複層ガラス36を取付けできる溝幅となっている。
【0012】
各框1,2,3,4のガラス呑み込み溝5内には、図1~3に示すように、アタッチメント20a,20b,20c,20dが長手方向に沿って設けてある。アタッチメント20a,20b,20c,20dは、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、外周側見込壁9と内周側見込壁10と見付壁11とを有するクランク状の断面の長尺材となっている。
外障子14aにおいては、アタッチメント20a,20b,20c,20dの外周側見込壁9をガラス呑み込み溝5の底壁19に当接して内周側からねじ38で固定してあり、アタッチメント20a,20b,20c,20dの内周側見込壁10の室外側端部がガラス呑み込み溝5の室外側の見付壁18aの内周側端部の室内側面に当接しており、ガラス呑み込み溝5の室内側の見付壁18bとアタッチメント20a,20b,20c,20dの見付壁11との間にガラス6の周縁部をグレージングチャンネル21を介して保持してある。内周側見込壁10の室外側端部外周側には、気密材保持溝22と係止片23が設けてあり、気密材保持溝22に保持した気密材24がガラス呑み込み溝5の室外側の見付壁18aの室内側面に圧接し、係止片23がガラス呑み込み溝5の室外側の見付壁18aの室内側面に形成された被係止部25に係止している。
内障子14bにおいては、ガラス呑み込み溝5内にアタッチメント20a,20b,20c,20dが外障子14aと室内外を逆にした状態で取付けてある。すなわち、アタッチメント20a,20b,20c,20dの内周側見込壁10の室内側端部がガラス呑み込み溝5の室内側の見付壁18bの内周側端部の室外側面に当接しており、ガラス呑み込み溝5の室外側の見付壁18aとアタッチメント20a,20b,20c,20dの見付壁11との間にガラス6の周縁部をグレージングチャンネル21を介して保持してある。
【0013】
図3,4に示すように、下框2のガラス呑み込み溝5の底壁19には水抜き孔(孔)7が設けてあり、それより下方の下框2の室外側壁にも水抜き孔27(図4参照)が設けてある。下框2に取付けられるアタッチメント20bは、見付壁11と外周側見込壁9とに跨って切欠き12が設けてあり、切欠き12が下框2の水抜き孔7と連通している。これにより、下框2のガラス呑み込み溝5内の空間26a,26b(図1参照)に水抜き孔7,27を通じて外気が導入され、同空間26a,26b内が外気と等圧になっている。
図3,5に示すように、召合せ框4のガラス呑み込み溝5の底壁19には、外気導入孔(孔)8が設けてある。また召合せ框4は、ガラス呑み込み溝5の底壁19の外周側に中空部28を有し、中空部28は上下端で外部と連通している。召合せ框4に取付けられるアタッチメント20dは、見付壁11と外周側見込壁9とに跨って切欠き12が設けてあり、切欠き12が外気導入孔8と連通している。これにより、召合せ框4のガラス呑み込み溝5内の空間26a,26bに中空部28の上下端と外気導入孔8を通じて外気が導入され、同空間26a,26b内が外気と等圧になっている。
戸先框3側は、召合せ框4側と同様にガラス呑み込み溝5の底壁19に外気導入孔8を設け、アタッチメント20cに切欠き12が設けてあってもよいし、外気導入孔8と切欠き12が設けてなくてもよい。
上框1には、ガラス呑み込み溝5の底壁19に外気導入孔8は設けておらず、アタッチメント20aには切り欠き12を設けていない。
【0014】
図3に示すように、縦框(戸先框及び召合せ框)3,4に取付けられるアタッチメント20c,20dは、長手方向の端部が横框(上框及び下框)1,2のガラス呑み込み溝5の底壁19から離間した状態で横框1,2のガラス呑み込み溝5内に挿入してある。横框1,2に取付けられるアタッチメント20a,20bは、長手方向の端面が縦框3,4のアタッチメント20c,20dの内周側面に当接している。これにより、ガラス呑み込み溝5内の空間26a,26bが四周の框1,2,3,4で連続している。したがって、外気導入孔8が設けられていない上框1のガラス呑み込み溝5内の空間26a,26bを含め、四周の框1,2,3,4のガラス呑み込み溝5内の空間26a,26b全体が外気と等圧になっている。これにより、四周の框1,2,3,4のガラス呑み込み溝5内に水が浸入することを抑制でき、仮に水が入ったとしても下框2の水抜き孔7,27より外部に排水できる。
【0015】
図1,2に示すように、各框1,2,3,4のガラス呑み込み溝5内のガラス6の縁部が挿入されている方の空間26b内には、火災の熱により発泡・膨張する加熱発泡材29が長手方向に設けてある。火災時には、この加熱発泡材29が発泡・膨張して框2,4に形成された孔(水抜き孔、外気導入孔)7,8とアタッチメント20b,20dの切欠き12を塞ぐとともに、グレージングチャンネル21が溶けてできた隙間を塞ぎ、框1,2,3,4とガラス6の間から火炎や煙が連通するのを防止することができる。
また、図1,2に示すように、上框1と下框2と戸先框3に外周側に向けて開口して設けられた溝30内にも加熱発泡材31が設けてあり、火災時にはこれらの加熱発泡材31が発泡・膨張して障子14a,14bと枠13の間の隙間を塞ぐ。さらに、内外障子14a,14bの召合せ框4,4の対向する面間にも加熱発泡材32が設けてあり(図2参照)、火災時にはこの加熱発泡材32が発泡・膨張して内外障子14a,14bの召合せ框4,4間の隙間を塞ぐ。
また、外障子14aの下框2の中空部内、内外障子14a,14bの召合せ框4,4の中空部内には、スチール製の補強材33a,33b,33cが設けてあると共に、同中空部内に加熱発泡材34が設けてある。戸先框3の中空部内にも、加熱発泡材35が設けてある。
本建具は、以上のような対策を施すことで、防火性能を有するものとなっている。
【0016】
図6,7は、単板ガラス6の代わりに複層ガラス36を取付けた場合を示している。各框1,2,3,4のガラス呑み込み溝5は、もともと複層ガラス36に対応した溝幅となっており、各框1,2,3,4のガラス呑み込み溝5内にアタッチメント20a,20b,20c,20dを設けずに、ガラス呑み込み溝5内に複層ガラス36の周縁部を直接挿入し、シール材37により複層ガラス36をガラス呑み込み溝5に固定している。このように本建具は、同一の框1,2,3,4に単板ガラス6と複層ガラス36の何れも取付けることができる。
【0017】
以上に述べたように本建具は、ガラス呑み込み溝5を有するフレーム(下框2、召合せ框4)と、ガラス呑み込み溝5内に設けたアタッチメント20b,20dと、ガラス6とを備え、アタッチメント20b,20dは、外周側見込壁9と内周側見込壁10と見付壁11とを有し、外周側見込壁9は、フレーム2,4のガラス呑み込み溝5の底壁19に当接してねじ止めしてあり、内周側見込壁10は、フレーム2,4のガラス呑み込み溝5の一方側の見付壁18a(又は18b)の内周側端部に当接しており、フレーム2,4のガラス呑み込み溝5の他方側の見付壁18b(又は18a)とアタッチメント20b,20dの見付壁11との間にガラス6を保持することで、複層ガラス36が取付けできる溝幅のガラス呑み込み溝5に単板ガラス6を取付けることができるため、単板ガラス6用と複層ガラス36用でフレーム2,4を兼用できる。しかも本発明の建具は、フレーム2,4のガラス呑み込み溝5の底壁19に外部と連通する孔(水抜き孔7、外気導入孔8)が設けてあり、アタッチメント20b,20dの見付壁11と外周側見込壁9とに跨って切欠き12が設けてあり、切欠き12がフレーム2,4の孔7,8と連通していることで、ガラス呑み込み溝5内に水が浸入することを抑制できる。
【0018】
また本建具は、ガラス呑み込み溝5を有する四周のフレーム(上框1、下框2、戸先框3、召合せ框4)と、ガラス呑み込み溝5内に設けたアタッチメント20a,20b,20c,20dと、ガラス6とを備え、アタッチメント20a,20b,20c,20dは、外周側見込壁9と内周側見込壁10と見付壁11とを有し、外周側見込壁9は、フレーム1,2,3,4のガラス呑み込み溝5の底壁19に当接してねじ止めしてあり、内周側見込壁10は、フレーム1,2,3,4のガラス呑み込み溝5の一方側の見付壁18a(又は18b)の内周側端部に当接しており、フレーム1,2,3,4のガラス呑み込み溝5の他方側の見付壁18b(又は18a)とアタッチメント20a,20b,20c,20dの見付壁11との間にガラス6を保持することで、複層ガラス36が取付けできる溝幅のガラス呑み込み溝5に単板ガラス6を取付けることができるため、単板ガラス6用と複層ガラス36用でフレーム1,2,3,4を兼用できる。しかも本発明の建具は、四周のフレーム1,2,3,4のうち少なくとも下側のフレーム2は、ガラス呑み込み溝5の底壁19に外部と連通する孔(水抜き孔)7が設けてあり、アタッチメント20bの見付壁11と外周側見込壁9とに跨って切欠き12が設けてあり、切欠き12がフレーム2の孔7と連通しており、ガラス呑み込み溝5内の空間26a,26bが四周連続していることで、ガラス呑み込み溝5内に水が浸入することを抑制できる。
【0019】
さらに本建具は、火災時にフレーム2,4の孔7,8とアタッチメント20b,20dの切欠き12を塞ぐ加熱発泡材29が設けてあるため、火災時にフレーム2,4の孔7,8と切欠き12より火炎や煙が連通するのを防ぐことができる。
また、アタッチメント20a,20b,20c,20dは、内周側見込壁10の一方側端部に気密材24が保持してあり、気密材24がフレーム1,2,3,4のガラス呑み込み溝5の一方側の見付壁18a(又は28b)に当接していることで、雨水がガラス呑み込み溝5内に浸入するのを防止できる。
【0020】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。フレームは、障子の框の他、嵌め殺し窓の上下枠及び縦枠、方立や無目等であってもよい。フレームの材質や断面形状、アタッチメントの材質や断面形状は、適宜変更することができる。フレームの外部と連通する孔は、少なくとも下側のフレームに設けてあればよい。本発明は、引き違い窓に限らず、開き窓やすべり出し窓、嵌め殺し窓など、あらゆる窓種に適用することができ、さらには勝手口ドア等、ガラスが納められるあらゆる建具に適用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 上框(フレーム)
2 下框(フレーム)
3 戸先框(フレーム)
4 召合せ框(フレーム)
5 ガラス呑み込み溝
6 ガラス
7 水抜き孔(孔)
8 外気導入孔(孔)
9 外周側見込壁
10 内周側見込壁
11 見付壁
12 切欠き
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7