(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
B62D 55/04 20060101AFI20240104BHJP
B62D 61/12 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
B62D55/04
B62D61/12
(21)【出願番号】P 2020206227
(22)【出願日】2020-12-11
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】平岡 実
(72)【発明者】
【氏名】坂野 倫祥
(72)【発明者】
【氏名】石川 淳一
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0042848(US,A1)
【文献】特開平11-222151(JP,A)
【文献】国際公開第2016/181913(WO,A1)
【文献】特開平07-277232(JP,A)
【文献】特開2011-111034(JP,A)
【文献】特開昭63-203483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/04
B62D 61/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体と、
前記車両本体の左右両側における前後夫々に位置する複数の走行車輪と、
前記車両本体に支持されると共に、複数の前記走行車輪を前記車両本体に対する位置を個別に変更可能な状態で支持する支持機構と、
前記支持機構に対して着脱可能なクローラ走行装置と、を備え
、
前記クローラ走行装置は、駆動スプロケット、従動スプロケット、及びこれらに巻き回されるベルトを備え、
前記クローラ走行装置が前記支持機構に装着されたとき、前記駆動スプロケットは、前記走行車輪と同軸に配置される作業車。
【請求項2】
車両本体と、
前記車両本体の左右両側における前後夫々に位置する複数の走行車輪と、
前記車両本体に支持されると共に、複数の前記走行車輪を前記車両本体に対する位置を個別に変更可能な状態で支持する支持機構と、
前記支持機構に対して着脱可能なクローラ走行装置と、を備え
、
前記支持機構は、前記走行車輪を支持した状態で、前記走行車輪とは別に前記クローラ走行装置を装着できる作業車。
【請求項3】
装着された前記クローラ走行装置は前記走行車輪の横側方に並んで配置される請求項2に記載の作業車。
【請求項4】
前記車両本体の左右両側における前後夫々に位置すると共に前記支持機構に支持される複数の補助車輪を備え、
前記クローラ走行装置が前記支持機構に装着されたとき、前記従動スプロケットは、前記補助車輪と同軸に配置される請求項
1に記載の作業車。
【請求項5】
前記駆動スプロケットの軸芯と前記ベルトの外周面との距離は、前記走行車輪の軸芯と前記走行車輪の外周面との距離と同じ、または短い請求項
1又は4に記載の作業車。
【請求項6】
前記支持機構は、複数の屈折リンク機構と、複数の前記屈折リンク機構の姿勢を個別に変更可能な姿勢変更装置と、を備え、
前記屈折リンク機構の先端部に前記走行車輪が設けられている請求項1から5のいずれか1項に記載の作業車。
【請求項7】
車両本体と、
前記車両本体の左右両側における前後夫々に位置する複数の走行車輪と、
前記車両本体に支持されると共に、複数の前記走行車輪を前記車両本体に対する位置を個別に変更可能な状態で支持する支持機構と、
前記支持機構に対して着脱可能なクローラ走行装置と、を備え、
前記クローラ走行装置は、駆動スプロケット、従動スプロケット、及びこれらに巻き回されるベルトを備え、
前記車両本体は、車両後部と、前記車両後部に対して機体左右方向に揺動可能な車両前部と、を備
える作業車。
【請求項8】
前の前記走行車輪を支持する前記支持機構は、前記車両前部に支持され、
後の前記走行車輪を支持する前記支持機構は、前記車両後部に支持されている
請求項7に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、不整地移動ローバーが開示されている。この不整地移動ローバーは4つの走行車輪を備えており、各走行車輪がリンク機構を介して車両本体に支持されている。リンク機構に電動モータが備えられ、電動モータの駆動力によりリンク機構が屈伸駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の不整地移動ローバーは走行車輪を備えているので、走行可能な路面は、走行車輪で走行可能なものに限られる。
【0005】
本発明の目的は、多様な路面を走行可能な作業車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する手段として、本発明の作業車は、車両本体と、前記車両本体の左右両側における前後夫々に位置する複数の走行車輪と、前記車両本体に支持されると共に、複数の前記走行車輪を前記車両本体に対する位置を個別に変更可能な状態で支持する支持機構と、前記支持機構に対して着脱可能なクローラ走行装置と、を備え、前記クローラ走行装置は、駆動スプロケット、従動スプロケット、及びこれらに巻き回されるベルトを備え、前記クローラ走行装置が前記支持機構に装着されたとき、前記駆動スプロケットは、前記走行車輪と同軸に配置されることを特徴とする。
また、本発明の作業車は、車両本体と、前記車両本体の左右両側における前後夫々に位置する複数の走行車輪と、前記車両本体に支持されると共に、複数の前記走行車輪を前記車両本体に対する位置を個別に変更可能な状態で支持する支持機構と、前記支持機構に対して着脱可能なクローラ走行装置と、を備え、前記支持機構は、前記走行車輪を支持した状態で、前記走行車輪とは別に前記クローラ走行装置を装着できる。
また、本発明において、装着された前記クローラ走行装置は前記走行車輪の横側方に並んで配置されてもよい。
【0007】
本構成によれば、クローラ走行装置が支持機構に着脱可能であるから、多様な路面を作業車が走行可能となる。例えば、平滑な路面は走行車輪を用いて走行し、凹凸の多い路面や軟弱な路面はクローラ走行装置を用いて走行することが可能となる。
また、駆動スプロケットが走行車輪と同軸に配置されて油圧モータにより駆動されるので、油圧モータから駆動スプロケットへの駆動力の伝達機構を簡素化することができる。
【0008】
本発明において、前記支持機構は、前記走行車輪を駆動する油圧モータを備え、前記クローラ走行装置は、前記支持機構に装着された状態で、前記油圧モータにより駆動されると好適である。
【0009】
本構成によれば、走行車輪の駆動及びクローラ走行装置の駆動の両方に油圧モータを活用することができるので、個別の駆動源を備える場合に比べ、作業車の構成を簡素化することができる。
【0010】
【0011】
【0012】
本発明において、前記車両本体の左右両側における前後夫々に位置すると共に前記支持機構に支持される複数の補助車輪を備え、前記クローラ走行装置が前記支持機構に装着されたとき、前記従動スプロケットは、前記補助車輪と同軸に配置されると好適である。
【0013】
本構成によれば、従動スプロケットが補助車輪と同軸に配置されるので、支持機構、補助車輪、及びクローラ走行装置の全体をコンパクト化し、構造を簡素化することが可能となる。
【0014】
本発明において、前記駆動スプロケットの軸芯と前記ベルトの外周面との距離は、前記走行車輪の軸芯と前記走行車輪の外周面との距離と同じ、または短いと好適である。
【0015】
本構成によれば、クローラ走行装置を支持機構に装着した状態であっても、走行車輪を路面に接触させて走行車輪により走行することが可能になる。すなわち、作業車の利便性を向上させることができる。
【0016】
本発明において、前記支持機構は、複数の屈折リンク機構と、複数の前記屈折リンク機構の姿勢を個別に変更可能な姿勢変更装置と、を備え、前記屈折リンク機構の先端部に前記走行車輪が設けられていると好適である。
【0017】
本構成によれば、走行車輪の位置を変更する支持機構が、屈折リンク機構と姿勢変更装置とにより実現されるので、支持機構を簡易で堅牢なものとすることができる。
【0018】
本発明において、前記支持機構は、前記姿勢変更装置としての油圧シリンダを備えると好適である。
【0019】
本構成によれば、支持機構の姿勢変更が油圧動力により行われるので、比較的重量の大きいクローラ走行装置が支持機構に装着されている状態であっても、支持機構の姿勢を確実に変更することができる。
【0020】
また、本発明の作業車は、車両本体と、前記車両本体の左右両側における前後夫々に位置する複数の走行車輪と、前記車両本体に支持されると共に、複数の前記走行車輪を前記車両本体に対する位置を個別に変更可能な状態で支持する支持機構と、前記支持機構に対して着脱可能なクローラ走行装置と、を備え、前記クローラ走行装置は、駆動スプロケット、従動スプロケット、及びこれらに巻き回されるベルトを備え、前記車両本体は、車両後部と、前記車両後部に対して機体左右方向に揺動可能な車両前部と、を備える。
また、前の前記走行車輪を支持する前記支持機構は、前記車両前部に支持され、後の前記走行車輪を支持する前記支持機構は、前記車両後部に支持されていると好適である。
【0021】
本構成によれば、車両後部に対する車両前部の揺動により、前後の走行車輪及びクローラ走行装置の走行方向を非平行にして旋回することが可能になる。この場合、走行車輪及びクローラ走行装置の操舵機構を省略することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】クローラ走行装置の支持機構への装着状態及び脱着状態を示す平面図である。
【
図5】旋回機構による左旋回状態を示す平面図である。
【
図6】旋回機構による右旋回状態を示す平面図である。
【
図7】第1状態にある支持機構を示す側面図である。
【
図8】第2状態にある支持機構を示す側面図である。
【
図9】第3状態にある支持機構を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る作業車の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。なお、以下の説明においては、図中に示される矢印FWの方向を「前」、矢印BKの方向を「後」、矢印RHの方向を「右」、矢印LHの方向を「左」、矢印UPの方向を「上」、矢印DWの方向を「下」とする。矢印FW及び矢印BKの延びる方向が「車両前後方向」に対応し、矢印RH及び矢印LHの延びる方向が「車両左右方向」に対応し、矢印UP及び矢印DWの延びる方向が「上下方向」に対応する。
【0024】
図1、
図2に示されるように、作業車は、車両本体1と、複数の走行車輪2と、支持機構Aと、クローラ走行装置Eと、を備える。
【0025】
走行車輪2は、車両本体1の左右両側における前後夫々に位置する。本実施形態では、作業車は、左前、右前、左後、及び右後の4つの走行車輪2を備える。
【0026】
支持機構Aは、車両本体1に支持されると共に、複数の走行車輪2を車両本体1に対する位置を個別に変更可能な状態で支持する。本実施形態では、作業車は、左前、右前、左後、及び右後の4つの支持機構Aを備える。
【0027】
具体的には、支持機構Aは、複数の屈折リンク機構4と、姿勢変更装置D(後述)と、を備える。姿勢変更装置Dは、複数の屈折リンク機構4の姿勢を個別に変更可能である。本実施形態では、姿勢変更装置Dは、油圧シリンダである
【0028】
屈折リンク機構4の先端部に、走行車輪2及び油圧モータ6(後述)が設けられている。油圧モータ6は、走行車輪2を制御する。
【0029】
本実施形態では、
図3に示されるように、クローラ走行装置Eは支持機構Aに対して着脱可能である。クローラ走行装置Eは、支持機構Aに装着された状態で、油圧モータ6により駆動される。
【0030】
〔車両本体〕
図1、
図2に示されるように、車両本体1は、矩形枠状の車体フレーム7、油圧供給源8、弁機構9、支持台10、油圧制御弁11、収納ケース12、ECU13、及び検知装置Bを備える。
【0031】
油圧供給源8は、例えば、エンジンあるいは電動モータ等の駆動手段(図示せず)によって駆動される油圧ポンプである。油圧供給源8は、車体フレーム7の下側に連結された支持台10により支持され、車両本体1の下腹部に位置する。油圧供給源8は、弁機構9を介して姿勢変更装置Dに作動油を送り出し供給する。そして、図示はしていないが、支持台10を車体フレーム7から取り外すことにより、油圧供給源8と支持台10とを連結した状態で一体的に、車両本体1から横側方にスライドさせて取り外すことが可能であり、再度、支持台10を車体フレーム7に取り付けることにより、横側方にスライドさせて装着することが可能である。
【0032】
弁機構9は、車体フレーム7の上側に載置支持される状態で備えられ、複数の油圧制御弁11を備えている。油圧制御弁11は、油圧シリンダである姿勢変更装置D及び油圧モータ6に対する作動油の給排あるいは流量・圧力の調節等を行う。弁機構9の上方は収納ケース12によって覆われている。収納ケース12の上側には、弁機構9の作動を制御するECU13(Electronic Control Unit)が備えられている。油圧制御弁11及びECU13により、制御装置Cが構成されている。
【0033】
車体フレーム7の上側には、例えば、車両本体1が転倒したような場合に、収納ケース12に収納される弁機構9や上方に備えられるECU13等を保護するための外装フレーム14が備えられている。外装フレーム14は、前後両側に備えられ、棒状体が平面視で略U字形に曲げられ、且つ、側面視で略L字形に曲げられた形状となっており、車体フレーム7の前端部と後端部とに左右両側端部が取り付け固定されている。前後の外装フレーム14は、上部側が互いに近接するように設けられ、弁機構9やECU13等の外周側を覆う形状となっている。
【0034】
上述の通り、検知装置Bは、路面を撮影するカメラである。検知装置Bは、車両本体1の前端部に配置されている。検知装置Bは、車体フレーム7に支持されている。検知装置Bは、経時的に路面を撮影して画像データを生成する。検知装置Bが生成した画像データは、ECU13に入力される。
【0035】
〔支持機構〕
上述の通り、支持機構Aは、複数の屈折リンク機構4及び姿勢変更装置Dにより構成されている。
【0036】
4つの走行車輪2は、屈折リンク機構4を介して車両本体1に対して各別に昇降自在に支持されている。屈折リンク機構4は、旋回機構16を介して縦軸芯Y周りで回動可能に車体フレーム7に支持されている。
【0037】
旋回機構16には、車体フレーム7に連結されるとともに、屈折リンク機構4を揺動自在に支持する車体側支持部17(
図3,
図4参照)と、屈折リンク機構4を旋回操作させる旋回用油圧シリンダ(以下、旋回シリンダと称する)18とが備えられている。
【0038】
説明を加えると、
図3,
図4に示されるように、車体側支持部17は、連結部材20と、外方側枢支ブラケット21と、内方側枢支ブラケット22と、縦向きの回動支軸23と、を備える。車体側支持部17は、回動支軸23の縦軸芯Y周りで回動自在に屈折リンク機構4を支持している。
【0039】
連結部材20は、車体フレーム7における横側箇所に備えられた角筒状の前後向きフレーム体19に対して、横側外方から挟み込む状態で嵌め合い係合するとともに、取外し可能にボルト連結される。
【0040】
外方側枢支ブラケット21は、連結部材20の車体前後方向外方側箇所に位置する。内方側枢支ブラケット22は、連結部材20の車体前後方向の内方側箇所に位置する。縦向きの回動支軸23は、外方側枢支ブラケット21に支持される。
【0041】
屈折リンク機構4は、基端部24と、第一リンク25と、第二リンク26と、を備える。基端部24は、上下方向の位置が固定された状態で且つ縦軸芯Y周りで回動自在に車体側支持部17に支持される。第一リンク25は、一端部が基端部24の下部に横軸芯X1周りで回動自在に支持される。第二リンク26は、一端部が第一リンク25の他端部に横軸芯X2周りで回動自在に支持され且つ他端部に走行車輪2が支持される。
【0042】
説明を加えると、基端部24は、平面視で矩形枠状に設けられ、車体横幅方向内方側に偏倚した箇所において、回動支軸23を介して縦軸芯Y周りで回動自在に、車体側支持部17の外方側枢支ブラケット21に支持されている。旋回シリンダ18は、一端部が、内方側枢支ブラケット22に回動自在に連結され、他端部が、基端部24における回動支軸23に対して横方向に位置ずれした箇所に回動自在に連結されている。
【0043】
支持軸27が、第一リンク25の一端側に備えられている。支持軸27は、基端部24に対して回動自在な状態で、基端部24に支持されている。すなわち、第一リンク25は、基端部24の下部に対して、支持軸27の軸芯周りで回動自在に連結されている。
【0044】
図4に示されるように、第一リンク25は、基端側アーム部25bと他端側アーム部25aとを有している。第一リンク25の一端側箇所には、斜め上外方に向けて延びる基端側アーム部25bが一体的に形成されている。第一リンク25の他端側箇所には、斜め上外方に向けて延びる他端側アーム部25aが一体的に形成されている。
【0045】
図3に示されるように、第二リンク26は、左右一対の帯板状の板体26a,26bを備えて平面視で二股状に形成されている。第二リンク26の第一リンク25に対する連結箇所は一対の板体26a,26bが間隔をあけている。一対の板体26a,26bで挟まれた領域に、第一リンク25と連結するための連結支軸28が回動自在に支持されている。第二リンク26の第一リンク25に対する連結箇所とは反対側の揺動側端部には走行車輪2が支持されている。
図4に示されるように、第二リンク26の揺動側端部は車両本体1から離れる方向に略L字状に延びるL字状延設部26Aが形成され、L字状延設部26Aの延設側端部に走行車輪2が支持されている。
【0046】
図2に示されるように、走行車輪2は、屈折リンク機構4に対して左右方向の車体外方側に位置する状態で支持されている。具体的には、第二リンク26の揺動側端部において、左右方向の車体外方側に位置する状態で支持されている。油圧モータ6は、第二リンク26の揺動側端部において、左右方向の車体内方側(走行車輪2とは反対側)に位置する状態で支持されている。
【0047】
複数の屈折リンク機構4の夫々に対応して、屈折リンク機構4の姿勢を各別に変更可能な姿勢変更装置Dが備えられている。姿勢変更装置Dは、上述した旋回シリンダ18、第一油圧シリンダ29、及び第二油圧シリンダ30を含む。第一油圧シリンダ29は、車両本体1に対する第一リンク25の揺動姿勢を変更可能である。第二油圧シリンダ30は、第一リンク25に対する第二リンク26の揺動姿勢を変更可能である。第一油圧シリンダ29及び第二油圧シリンダ30は、夫々、第一リンク25の近傍に集約して配置されている。
【0048】
第一リンク25、第一油圧シリンダ29及び第二油圧シリンダ30が、平面視において、第二リンク26の一対の板体26a,26bの間に位置する状態で配備されている。第一油圧シリンダ29は、第一リンク25に対して車体前後方向内方側に位置して、第一リンク25の長手方向に沿うように設けられている。第一油圧シリンダ29の一端部が円弧状の第一連動部材31を介して基端部24の下部に連動連結されている。第一油圧シリンダ29の一端部は、別の第二連動部材32を介して第一リンク25の基端側箇所に連動連結されている。第一連動部材31及び第二連動部材32は、両側端部が夫々、相対回動可能に枢支連結されている。第一油圧シリンダ29の他端部は、第一リンク25に一体的に形成された他端側アーム部25aに連動連結されている。
【0049】
第二油圧シリンダ30は、第一油圧シリンダ29とは反対側、すなわち、第一リンク25に対して車体前後方向外方側に位置して、第一リンク25の長手方向に略沿うように設けられている。第二油圧シリンダ30の一端部が第一リンク25の基端側に一体的に形成された基端側アーム部25bに連動連結されている。第二油圧シリンダ30の他端部は、第三連動部材34を介して第二リンク26の基端側箇所に一体的に形成されたアーム部35に連動連結されている。第二油圧シリンダ30の他端部は、別の第四連動部材36を介して第一リンク25の揺動端側箇所にも連動連結されている。第三連動部材34及び第四連動部材36は、両側端部が夫々、相対回動可能に枢支連結されている。
【0050】
第二油圧シリンダ30の作動を停止した状態で第一油圧シリンダ29を伸縮操作すると、第一リンク25、第二リンク26及び走行車輪2の夫々が、相対的な姿勢を一定に維持したまま一体的に、基端部24に対する枢支連結箇所の横軸芯X1周りで揺動する。第一油圧シリンダ29の作動を停止した状態で第二油圧シリンダ30を伸縮操作すると、第一リンク25の姿勢が一定に維持されたまま、第二リンク26及び走行車輪2が、一体的に、第一リンク25と第二リンク26との連結箇所の横軸芯X2周りで揺動する。
【0051】
複数の屈折リンク機構4夫々の中間屈折部に自由回転自在に補助車輪3が支持されている。補助車輪3は走行車輪2と略同じ外径の車輪にて構成されている。第一リンク25と第二リンク26とを枢支連結する連結支軸28が、第二リンク26よりも車体横幅方向外方側に突出するように延長形成されている。連結支軸28の延長突出箇所に補助車輪3が回動自在に支持されている。補助車輪3は、車両本体1の左右両側における前後夫々に位置すると共に支持機構Aに支持される。
【0052】
図5,
図6に示されるように、屈折リンク機構4、走行車輪2、補助車輪3、第一油圧シリンダ29、及び、第二油圧シリンダ30の夫々が、一体的に、回動支軸23の縦軸芯Y周りで回動自在に外方側枢支ブラケット21に支持されている。そして、旋回シリンダ18を伸縮させることにより、それらが一体的に回動操作される。走行車輪2が前後方向に向く直進状態から左旋回方向及び右旋回方向に夫々、約45度ずつ旋回操作させることができる。
【0053】
油圧供給源8から、弁機構9を介して、複数の屈折リンク機構4の夫々の第一油圧シリンダ29及び第二油圧シリンダ30に、作動油が供給される。弁機構9では油圧制御弁11により作動油の給排が行われて、第一油圧シリンダ29及び第二油圧シリンダ30を伸縮操作させることができる。油圧制御弁11はECU13によって制御される。
【0054】
又、油圧モータ6に対応する油圧制御弁11により作動油の流量調整が行われることで、油圧モータ6すなわち走行車輪2の回転速度を変更することができる。油圧制御弁11は、手動操作にて入力される制御情報あるいは予め設定記憶されている制御情報等に基づいてECU13によって制御される。
【0055】
〔クローラ走行装置〕
図1、
図2、
図3に示されるように、クローラ走行装置Eは、駆動スプロケット41、従動スプロケット42、及びこれらに巻き回されるベルト43を備える。また、クローラ走行装置Eは、フレーム44、及びステー45を備える。駆動スプロケット41の軸部材41b、及び従動スプロケット42の軸部材42bが、フレーム44に支持されている。ステー45の一端が、フレーム44の中間部に取り付けられている。ステー45の他端が、屈折リンク機構4の第二リンク26の板体26bの中間部に取り付けられている。
【0056】
クローラ走行装置Eが支持機構Aに装着されたとき、駆動スプロケット41の軸部材41bは、走行車輪2の軸部材2bに対して、中心軸が一致する状態で接続される。従動スプロケット42の軸部材42bは、補助車輪3の軸部材(連結支軸28)に対して、中心軸が一致する状態で接続される。すなわち、クローラ走行装置Eが支持機構Aに装着されたとき、駆動スプロケット41は走行車輪2と同軸に配置されると共に、油圧モータ6により駆動される。従動スプロケット42は、補助車輪3と同軸に配置される。
【0057】
図3に示されるように、駆動スプロケット41の軸芯41a(軸部材41bの中心軸)とベルト43の外周面との距離R1は、走行車輪2の軸芯2a(軸部材2bの中心軸)と走行車輪2の外周面との距離R2と同じ、または距離R2よりやや短い。換言すれば、駆動スプロケット41の近傍において、クローラ走行装置Eの外径は走行車輪2の外径と同径、または走行車輪2の外径よりもやや小さい。
【0058】
従動スプロケット42の軸芯42a(軸部材42bの中心軸)とベルト43の外周面との距離R3は、補助車輪3の軸芯3a(連結支軸28の中心軸)と補助車輪3の外周面との距離R4と同じ、または距離R4よりもやや長い。換言すれば、従動スプロケット42の近傍において、クローラ走行装置Eの外径は補助車輪3の外径と同径、または補助車輪3の外径よりもやや大きい。
【0059】
〔センサ〕
この作業車は種々のセンサを備える。具体的には、作業車は、
図1及び
図10に示されるように、4つの第二油圧シリンダ30の夫々について、ヘッド側圧力センサS1及びキャップ側圧力センサS2を備える。ヘッド側圧力センサS1は、第二油圧シリンダ30のヘッド側室の油圧を検出する。キャップ側圧力センサS2は、第二油圧シリンダ30のキャップ側室の油圧を検出する。各圧力センサS1,S2の検出結果はECU13に入力される。
【0060】
図10に示されるように、作業車は、4つの第一油圧シリンダ29及び4つの第二油圧シリンダ30の夫々について、伸縮操作量を検出可能なストロークセンサS3を備える。各油圧シリンダ29,30の伸縮操作量は、操作対象である第一リンク25及び第二リンク26の揺動位置に対応する検出値である。各ストロークセンサS3の検出結果はECU13に入力される。
【0061】
尚、各圧力センサS1,S2の取り付け位置は上記した位置に限られるものではない。各圧力センサS1,S2は、対応するキャップ側室又はヘッド側室の油圧を検出(推定)可能であればよく、弁機構9から対応するキャップ側室又はヘッド側室の間の配管に設けられてもよい。
【0062】
これらのセンサS1、S2の検出結果に基づいて、車両本体1を支持するために必要な推力が算出され、その結果に基づいて、それぞれの第二油圧シリンダ30への作動油の供給が制御される。
【0063】
図1,
図2、
図10に示されるように、車両本体1には、例えば、三軸加速度センサ等からなる加速度センサS4が備えられている。加速度センサS4の検出結果に基づき、車両本体1の前後左右の傾きが検知され、その結果に基づいて車両本体1の姿勢が制御される。つまり、車両本体1の姿勢が目標の姿勢となるよう、それぞれの第一油圧シリンダ29及び第二油圧シリンダ30への作動油の供給が制御される。
【0064】
図1、
図10に示されるように、走行車輪2には、油圧モータ6により駆動される走行車輪2の回転速度を検出する回転センサS5が備えられている。回転センサS5の検出結果はECU13に入力される。回転センサS5にて検出された走行車輪2の回転速度に基づいて、走行車輪2の回転速度が目標の値となるように、油圧モータ6への作動油の供給(流量)が制御される(流量制御による走行車輪2の回転速度制御)。
【0065】
図10に示されるように、作業車は、油圧モータ6に供給される作動油の圧力を検出する圧力センサS6を備える。圧力センサS6の検出結果はECU13に入力される。圧力センサS6にて検出された作動油の圧力に基づいて、走行車輪2の駆動トルクが目標の値となるように、油圧モータ6への作動油の供給(圧力)が制御される(圧力制御による走行車輪2の駆動トルク制御)。
【0066】
図10に示されるように、作業車は、4つの旋回シリンダ18の夫々について、伸縮操作量を検出可能なストロークセンサS7を備える。旋回シリンダ18の伸縮操作量は、操作対象である屈折リンク機構4の回動位置に対する検出値である。各ストロークセンサS7の検出結果はECU13に入力される。
【0067】
図10に示されるように、作業車は、走行車輪2及び補助車輪3の空気圧を調整する調整機構TPを備える。調整機構TPは、例えば、電動の空気ポンプ及び空気弁である。調整機構TPは、制御装置C(ECU13)により制御されて、走行車輪2及び補助車輪3の空気圧を増加又は減少させる。
【0068】
上述したように、本実施形態の作業車は、油圧駆動式の姿勢変更装置Dとしての旋回シリンダ18、油圧シリンダ29,30により屈折リンク機構4の姿勢を変更操作するよう構成され、かつ、走行駆動も油圧モータ6にて行うよう構成されているから、水分や細かな塵埃等による影響を受け難く、農作業に適している。
【0069】
〔ECU〕
図10に示されるように、ECU13は、状態判定部81、機構制御部82、及び走行制御部83を備えている。ECU13は、機能部に対応するプログラムを記憶するメモリ(HDDや不揮発性RAMなど。図示省略)と、当該プログラムを実行するCPU(図示省略)と、を備えている。プログラムがCPUにより実行されることにより、各機能部の機能が実現される。
【0070】
状態判定部81は、検知装置Bから入力された画像に基づいて、路面の状態を判定する。詳しくは、状態判定部81は、検知装置Bが生成した路面の画像を画像解析して、路面の状態(例えば、路面の起伏の大きさ、傾斜の大きさ、傾斜の方向)を判定する。状態判定部81が、検知装置Bが生成した路面の画像の入力を受けて路面の状態を出力するニューラルネットワークを含んでもよい。このニューラルネットワークは、多数の路面の撮影画像及びその画像が示す路面の状態を教師データとして機械学習されて、構築されている。
【0071】
機構制御部82は、状態判定部81が判定した路面の状態に応じて、油圧制御弁11を作動させて、支持機構Aの状態を変更する。本実施形態では、機構制御部82は、支持機構Aの状態を、走行車輪2が路面へ接触する第1状態と、クローラ走行装置Eの接地面が略水平面状の路面(荒れ地や湿地等であってもよい)へ接触可能な第2状態と、クローラ走行装置Eの接地面が傾斜面状の路面に沿って延びる第3状態と、の間で変更する。
【0072】
第1状態が
図7に示されている。第1状態は、支持機構Aの状態を、走行車輪2のみが路面へ接触するようにした状態である。図示例では、クローラ走行装置Eの駆動スプロケット41の下端が従動スプロケット42の下端よりも高くなるように、支持機構Aの姿勢が設定されている。この状態では、ベルト43の下部が機体前後方向内側に進むにつれて高くなる。本実施形態では、駆動スプロケット41の近傍において、クローラ走行装置Eの外径は走行車輪2の外径よりもやや短い。これにより、図示例のような平滑な路面において、走行車輪2のみが路面へ接触しクローラ走行装置Eが路面に接触しない。なお、駆動スプロケット41の近傍におけるクローラ走行装置Eの外径が走行車輪2の外径と同じであってもよい。この場合、平滑な路面において走行車輪2とクローラ走行装置Eとが路面へ接触する。
【0073】
第2状態が
図8に示されている。第2状態は、支持機構Aの状態を、クローラ走行装置Eが路面へ接触可能とした状態である。詳しくは、第2状態は、支持機構Aの状態を、クローラ走行装置Eの接地面(ベルト43における駆動スプロケット41と従動スプロケット42との間に架け渡された部分)が略水平面状の路面へ接触可能にした状態である。図示例では、クローラ走行装置Eの駆動スプロケット41の下端と従動スプロケット42の下端とがほぼ同じ高さになるように、支持機構Aの姿勢が設定されている。この状態では、ベルト43の下部がほぼ水平となっている。そして、図示例のような荒れ地や湿地等の路面において、クローラ走行装置Eが水平面状の路面に接触している。第2状態において、クローラ走行装置Eの駆動スプロケット41の下端が従動スプロケット42の下端よりも高くなるように、支持機構Aの姿勢が設定されてもよい。
【0074】
第3状態が
図9に示されている。第3状態は、クローラ走行装置Eの接地面が傾斜面状の路面に沿って延びるようにした状態である。図示例では、クローラ走行装置Eの駆動スプロケット41が従動スプロケット42の上方に位置し、クローラ走行装置Eの接地面(ベルト43)が前方の段差面に沿って延びる姿勢となるように、支持機構Aの姿勢が設定されている。機構制御部82は、状態判定部81が判定した路面の傾斜に基づいて、その路面の傾斜にクローラ走行装置Eの接地面が沿って延びるように、支持機構Aの姿勢を制御する。
【0075】
走行制御部83は、作業車の走行(前進、後進、停止、旋回)を制御する。具体的には、走行制御部83は、油圧制御弁11を作動させて油圧モータ6及び旋回シリンダ18への作動油の供給を制御する。例えば、走行制御部83は、人為入力された走行指示に基づいて、作業車の走行を制御する。走行制御部83が、設定された自動走行経路に沿って作業車が走行するように、油圧制御弁11を作動させて作業車の走行を制御してもよい。
【0076】
〔状態変更処理〕
図11のフローチャートを参照しながら、ECU13により実行される状態変更処理について説明する。状態変更処理は、作業車の走行中に繰り返し実行される。
【0077】
検知装置Bが、路面を撮影して画像を生成し、ECU13へ入力する(ステップ#01)。
【0078】
状態判定部81は、検知装置Bから入力された画像を解析して、路面の状態を判定する。そして機構制御部82は、判定された路面の状態に基づいて、第1状態、第2状態、及び第3状態の何れが走行に適しているかを判定する(ステップ#02)。例えば、機構制御部82は、路面の状態が平滑であることに応じて第1状態が走行に適していると判定し、路面の状態が荒れ地または湿地であることに応じて第2状態が走行に適していると判定し、路面の状態が急な坂や段差、壁等であることに応じて第3状態が走行に適していると判定する。
【0079】
第1状態が適していると判定されると(ステップ#02:第1状態)、機構制御部82が姿勢変更装置Dを作動させて支持機構Aの状態を第1状態へ変更する(ステップ#03)。そして状態変更処理が終了する。
【0080】
第2状態が適していると判定されると(ステップ#02:第2状態)、機構制御部82が姿勢変更装置Dを作動させて支持機構Aの状態を第2状態へ変更する(ステップ#04)。そして状態変更処理が終了する。
【0081】
第3状態が適していると判定されると(ステップ#02:第3状態)、機構制御部82が姿勢変更装置Dを作動させて支持機構Aの状態を第3状態へ変更する(ステップ#05)。そして状態変更処理が終了する。
【0082】
〔変形例〕
以下、実施形態の変形例を説明する。変形例について、上述の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0083】
図12、
図13に示されるように、車両本体1は、車両後部51と、車両前部52と、連結機構53と、を備える。連結機構53は、車両後部51に対して機体左右方向及び上下方向に揺動可能な状態で、車両前部52を車両後部51に連結する。詳しくは、連結機構53は、車両後部51に対して縦軸芯Y2周りに揺動可能且つ横軸芯X3周りに揺動可能な状態で、車両前部52を車両後部51に連結する。
【0084】
連結機構53は、制御装置Cにより動作が制御されるアクチュエータを備える。アクチュエータは、例えば、油圧シリンダである。連結機構53は、制御装置Cから作動油の供給を受けて、車両前部52を車両後部51に対して縦軸芯Y2周り及び横軸芯X3周りに揺動させる。
【0085】
前の走行車輪2を支持する支持機構Aは、車両前部52に支持され、後の走行車輪2を支持する支持機構Aは、車両後部51に支持されている。連結機構53が車両前部52を車両後部51に対して縦軸芯Y2周りに揺動させることにより、旋回シリンダ18の動作に寄らず、作業車を旋回させることができる。本変形例では、旋回シリンダ18、及び支持機構Aにおける縦軸芯Y2周りの回動の機構を省略し、構造を簡素化することができる。
【0086】
連結機構53が車両前部52を車両後部51に対して横軸芯X3周りに揺動させることにより、第一油圧シリンダ29及び第二油圧シリンダ30の動作に寄らず、前後の走行車輪2(クローラ走行装置E)の距離や車高の変更、前の走行車輪2(クローラ走行装置E)の接地圧の変更を行うことができる。
【0087】
なお、連結機構53が、機体左右方向のみ、または上下方向のみに揺動可能な状態で車両前部52を車両後部51に連結するよう構成されてもよい。
【0088】
連結機構53が、アクチュエータを備えない形態も可能である。
【0089】
〔他の実施形態〕
(1)クローラ走行装置Eの支持機構Aへの装着及び脱離の態様は、上述の例に限られない。駆動スプロケット41が、走行車輪2と同軸ではない異なる位置に配置されてもよい。従動スプロケット42が、補助車輪3と同軸ではない異なる位置に配置されてもよい。
ベルト43が、走行車輪2と補助車輪3とに巻き回されてもよい。この場合、走行車輪2がクローラ走行装置Eの駆動輪体を兼ね、補助車輪3がクローラ走行装置Eの従動輪体を兼ねる。
【0090】
(2)クローラ走行装置Eが、一部の支持機構Aに着脱されてもよい。例えば、クローラ走行装置Eが、前の支持機構Aにのみ着脱されてもよいし、後の支持機構Aにのみ着脱されてもよい。
【0091】
(3)制御装置Cが、支持機構Aの状態を第1状態と第2状態との間のみで変更するよう構成されてもよい。また、制御装置Cが、支持機構Aを第1状態、第2状態、及び第3状態を含む4つ以上の状態に変更するよう構成されてもよい。
【0092】
(4)支持機構Aの態様は上述のものに限られない。例えば、支持機構Aが、1つのリンク、又は3つ以上のリンクを備える機構であってもよい。支持機構Aが、一部の走行車輪2(例えば、前のみ、または後のみ)に対応して設けられてもよい。
【0093】
(5)姿勢変更装置Dの態様は上述のものに限られない。例えば、姿勢変更装置Dが、電動のアクチュエータを備えてもよい。
【0094】
(6)走行車輪2が、電動モータやエンジン等により駆動されてもよい。
【0095】
(7)検知装置Bが、超音波センサやミリ波レーダー等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、凹凸の多い路面を走行するのに適した作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0097】
1 :車両本体
2 :走行車輪
2a :軸芯
3 :補助車輪
3a :軸芯
4 :屈折リンク機構
6 :油圧モータ
29 :第一油圧シリンダ
30 :第二油圧シリンダ
41 :駆動スプロケット
41a :軸芯
42 :従動スプロケット
42a :軸芯
43 :ベルト
51 :車両後部
52 :車両前部
A :支持機構
D :姿勢変更装置
E :クローラ走行装置